JPH11250483A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JPH11250483A
JPH11250483A JP10050226A JP5022698A JPH11250483A JP H11250483 A JPH11250483 A JP H11250483A JP 10050226 A JP10050226 A JP 10050226A JP 5022698 A JP5022698 A JP 5022698A JP H11250483 A JPH11250483 A JP H11250483A
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JP
Japan
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hologram element
light
polarizing hologram
optical pickup
pickup device
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JP10050226A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hayashi
賢一 林
Kazuo Kobayashi
一雄 小林
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロトンイオン交換を行わずに偏光性ホログ
ラム素子を形成することにより小型で安価な偏光性ホロ
グラム素子を備えた光ピックアップ装置を提案するこ
と。 【解決手段】 光ピックアップ装置50は、レーザダイ
オード51から光記録媒体54に到る光路上に、レーザ
光の出射側から、偏光性ホログラム素子1、1/4波長
板52、および対物レンズ53がこの順序に配列されて
いる。偏光性ホログラム素子1の透明基板2の表面には
蒸着膜3が交互に形成されている。蒸着膜3は、Ta2
5 、WO3 、Bi2 3 、TiO2 等の無機材料を斜
め方向から蒸着した膜であり、複屈折性を有する。偏光
性ホログラム素子1はプロトンイオン交換を行わないの
で小型で安価である。したがって、小型で安価な偏光性
ホログラム素子を備えた光ピックアップ装置50を提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光性ホログラム
素子を備えた光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)、デジタル
ビデオディスク(DVD)等の光記録媒体の再生等を行
う光ピックアップ装置としては、3ビーム法によりトラ
ッキング制御信号等を検出する光学系を備えたものが知
られている。この3ビーム法では、一般に、レーザ光源
からのレーザ光を偏光性ホログラム素子を用いて3ビー
ムとなるように回折している。光ピックアップ装置で
は、小型、コンパクト化の要望から、その光学系を構成
する偏光性ホログラム素子も小型でコンパクトに構成で
きることが望ましい。
【0003】このような偏光性ホログラム素子は、例え
ば、特開昭63−314502号公報に開示されてい
る。この公開公報に開示の偏光性ホログラム素子は、常
光をそのまま透過させ、異常光を回折するためのもので
ある。
【0004】この偏光性ホログラム素子は、ニオブ酸リ
チウム(LiNbO3 )等の複屈折性結晶板の表面にプ
ロトンイオン交換領域を形成するとともに、形成したプ
ロトンイオン交換領域の上に誘電体膜を形成した構成と
なっている。そして、常光がプロトンイオン領域を通過
する際に受ける位相変化と、プロトンイオン交換を施さ
れていない領域を通過する際に受ける位相変化が同一と
なるように、プロトンイオン領域の深さ、および誘電体
膜の厚さが設定されている。
【0005】また、特開平7−130022号公報に
も、常光をそのまま通過させて異常光のみを回折させる
ための同様な構成の偏光性ホログラム素子が開示されて
いる。この公開公報には、さらに、常光を回折するが異
常光をそのまま通過させる構成の偏光性ホログラム素子
も開示されている。この後者の偏光性ホログラム素子
は、ニオブ酸リチウムの結晶の表面に一定の深さのプロ
トンイオン交換領域を形成し、しかる後に、プロトンイ
オン交換領域が形成された結晶板の表面を一定の深さと
なるようにエッチングすることによって、異常光が回折
作用を受けないようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、両公開
公報に開示の偏光性ホログラム素子では、結晶板として
光学的異方性基板であるニオブ酸リチウムが用いられて
いる。光学的異方性基板は結晶板自体が非常に高価であ
る。したがって、偏光性ホログラム素子も高価なものと
なってしまうので、当該偏光性ホログラム素子を備えた
光ピックアップ装置の価格も当然に上昇してしまう。
【0007】さらに、ニオブ酸リチウムは、熱衝撃に非
常に弱いという特性を持っている。偏光性ホログラム素
子の作製プロセスには、プロトンイオン交換時に沸騰し
た安息香酸にニオブ酸リチウムを浸すプロセス、レジス
トを乾燥させるために熱処理を行うプロセス等といった
ニオブ酸リチウムに温度変化が生じるプロセスが含まれ
る。このようなプロセス中に、ニオブ酸リチウムはひび
が入ったり、極端な場合には割れが発生する恐れがあ
る。このため、ニオブ酸リチウムの結晶板を使った偏光
性ホログラム素子は、歩留りが悪く、量産に適さない。
【0008】そこで、結晶板の強度を上げるため、ニオ
ブ酸リチウムの結晶板を厚くすることも考えられる。し
かし、結晶板を厚くすると、その分、偏光性ホログラム
素子が大型化し、重量も増してしまう。したがって、偏
光性ホログラム素子を備えた光ピックアップ装置もサイ
ズが大きくなり、重量も増してしまう。
【0009】さらに、上記の偏光性ホログラム素子で
は、プロトンイオンの拡散時において、プロトンイオン
がニオブ酸リチウムの結晶板の表面から横方向に拡散す
ることに起因するデューティーのずれが顕著になる。す
なわち、目標とする幅のプロトンイオン交換領域を精度
良く作り込むことが困難となる。このようなずれが発生
すると偏光性ホログラム素子に目標とする回折特性を付
与できず、たとえば、偶数項の回折光が発生する等して
光利用効率の低下等を招いてしまう。このため、偏光性
ホログラム素子を備えた光ピックアップ装置の性能が劣
化してしまう恐れがある。また、プロトンイオンの拡散
では、数μm以下という細かいピッチで行うことができ
ず、ピッチの細かい格子が作りにくい。すなわち、プロ
トンイオンの拡散に起因して偏光性ホログラム素子の構
造が制約されてしまう。
【0010】本発明の課題は、プロトンイオン交換を行
わずに偏光性ホログラム素子を形成することにより小型
で軽量な偏光性ホログラム素子を備えた光ピックアップ
装置を提案することにある。さらに、偏光性ホログラム
素子を歩留り良く、安価で、しかも精度良く作製するこ
とにより、安価で高性能な偏光性ホログラム素子を備え
た光ピックアップ装置を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、光源と、当該光源から出射されて光記
録媒体から反射されてくる光を検出する光検出器とを少
なくとも有し、前記光源と前記光検出器に到る光路上に
偏光性ホログラム素子が配置された光ピックアップ装置
において、前記偏光性ホログラム素子は、使用波長に対
して透明な透明基板と、当該透明基板の光入射面または
光出射面のうち少なくとも一方の面に格子状に形成され
た複屈折膜を備え、当該複屈折膜は、無機材料を当該複
屈折膜が形成される前記光入射面または前記光出射面の
法線方向に対して所定の角度で斜め蒸着することによっ
て形成されていることを特徴としている。
【0012】このように構成すると、透明基板の光入射
面および光出射面のうち少なくとも一方の面に複屈折膜
からなる格子が形成される。したがって、高価なニオブ
酸リチウムの結晶板を用いずに偏光性ホログラム素子と
しての機構を有する。このため、通常の透明基板用いて
安価な偏光性ホログラム素子を構成できるので、低価格
な偏光性ホログラム素子を備えた光ピックアップ装置を
実現できる。
【0013】透明基板は、一般に、ガラス基板などが用
いられ、ニオブ酸リチウムの結晶板に比べて熱衝撃に強
いので、偏光性ホログラム素子の作製プロセス中の温度
変化によりひびが入ったり、割れが生じにくい。したが
って、透明基板を用いた偏光性ホログラム素子は、歩留
りがよく、量産に適した構成である。また、熱衝撃に強
いため、透明基板の厚みを薄くすることができる。この
ため、いっそう小さく、コンパクトで軽い偏光性ホログ
ラム素子を備えた光ピックアップ装置を提供できる。
【0014】本発明の光ピックアップ装置の使用されて
いる偏光性ホログラム素子は、ニオブ酸リチウムの結晶
板を用いた偏光性ホログラム素子のようにプロトンイオ
ン交換の拡散工程を必要としないので、細かなピッチで
精度良く格子が形成された偏光性ホログラム素子を作製
できる。たとえば、ニオブ酸リチウムを用いたものより
1桁細かいピッチの格子とすることができる。このた
め、偏光性ホログラム素子が優れた回折特性を発揮する
ことにより、光利用効率が良い高性能な偏光性ホログラ
ム素子を備えた光ピックアップ装置を提供できる。
【0015】本発明においては、斜め蒸着方向を70度
とすれば、常光入射の場合と異常光入射の場合の屈折率
差である複屈折度を最大とすることができる。
【0016】本発明において、前記光入射面および前記
光出射面のうち少なくとも一方の面が反射防止膜で覆わ
れていれば、光利用効率を一層向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態を説明する。
【0018】[実施の形態1]図1に本発明を適用した
偏光性ホログラム素子を備えた光ピックアップ装置の概
略構成を示すように、本例の光ピックアップ装置50で
は、レーザダイオード51から光記録媒体54に到る光
路上に、レーザ光の出射側から、偏光性ホログラム素子
1、1/4波長板52、および対物レンズ53がこの順
序に配列されている。レーザダイオート51は、例え
ば、光検出器55と同一基板上に一体形成されている。
【0019】図2(a)は、偏光性ホログラム素子を示
す斜視図、(b)は、(a)のX−X’線における断面
図、(c)は、蒸着膜を拡大して示す断面図である。
【0020】図2(a)、(b)に示すように、偏光性
ホログラム素子1は、等方性基板である透明基板2を備
えている。透明基板2は、ガラス基板、シリコン基板、
プラスチック基板等、使用波長に対して透明な材料から
形成されている。なお、使用波長とは、たとえば、本例
の光ピックアップ装置50に使用されているレーザダイ
オード51からのレーザ光の波長をいう。透明基板2の
表面(光入射面または光出射面)201には、凹部20
2が一定の幅および深さで交互(格子状)に形成されて
いる。透明基板の表面201のうち、隣接する凹部20
2の間の凸部203には、蒸着膜3がほぼ一定の膜厚で
形成されている。
【0021】蒸着膜3は、五酸化タンタル(Ta
2 5 )、酸化タングステン(WO3 )、三酸化ビスマ
ス(Bi2 3 )、酸化チタン(TiO2 )等の無機材
料を蒸着することにより形成されている。蒸着膜3の蒸
着方向A、A’は、図2(a)および(c)から分かる
ように、透明基板2の表面201の法線方向Hに対して
所定の角度θをなす方向とされている。なお、本例の蒸
着膜3は、法線方向Hと蒸着方向A、A’とがなす角度
θを70°として蒸着されている。このような無機材料
を斜め方向から蒸着すると、複屈折性を有する蒸着膜が
形成されることが知られている。したがって、本例の蒸
着膜3は、複屈折膜であり、全体として偏光性ホログラ
ム素子として機能する。
【0022】この偏光性ホログラム素子1としての機能
に関し、図2(b)に示すように、透明基板2の凸部の
厚さをt、透明基板の凹部202の深さをd1、蒸着膜
(複屈折膜)3の膜厚をd2、透明基板2の屈折率n
s、蒸着膜3の常光に対する屈折率をno、蒸着膜3の
異常光に対する屈折率をne、凹部202内の屈折率を
nc、光の波長をλとし、かつk=2π/λとした場合
には、以下に説明する特性を有する。
【0023】蒸着膜3(図2(b)におけるCの経路)
を通過する常光の位相は、 {ns・t+no・d2}・k ・・・式(1) で表される。
【0024】透明基板2の凹部202(図2(b)にお
けるDの経路)を通過する常光の位相は、 {ns(t−d1)+nc(d1+d2)}・k ・・・式(2) で表される。
【0025】従って、各経路C、Dに対応する常光の位
相差OPD(o)は[式(1)−式(2)]より、 位相差OPD(o)={(ns−nc)d1+(no−nc)d2}・k ・・・式(3) となる。よって、偏光性ホログラム素子1は、常光に対
して式(3)で表される回折格子として機能する。
【0026】一方、蒸着膜3(図2(b)におけるCの
経路)を通過する異常光の位相は、 {ns・t+ne・d2}・k ・・・式(4) で表される。
【0027】透明基板2の凹部202(図2(b)にお
けるDの経路)を通過する異常光の位相は、上記[式
(2)]で表される。
【0028】従って、各経路C、Dに対応する異常光の
位相差OPD(e)は[式(4)−式(2)]より、 位相差OPD(e)={(ns−nc)d1+(ne−nc)d2}・k ・・・式(5) となる。よって、偏光性ホログラム素子1は、異常光に
対して式(5)で表される回折格子として機能する。
【0029】ここで、偏光性ホログラム素子1は、CD
等の光記録媒体に対する光ピックアップにおいて、それ
を構成する光学素子の1つとして用いることができる。
このような用途では、常光および異常光のうち一方はそ
のまま透過させるようにすることが望ましい。
【0030】たとえば、異常光を回折させ、常光をその
まま通過させるためには、ne>noの場合、 位相差OPD(o)={(ns−nc)d1+(no−nc)d2}・k =2nπ(n=0、±1、±2・・) ・・・式(6) および、 位相差OPD(e)={(ns−nc)d1+(ne−nc)d2}・k =(2n+1)π(n=0、±1、±2・・) ・・・式(7) となるように、凹部202の深さd1、および蒸着膜3
の膜厚d2をすればよい。ただし、凹部202には空気
が充填されていると考えて、nc=1となる。
【0031】この偏光性ホログラム素子1は、図1から
分かるように、本例の光ピックアップ装置50におい
て、蒸着膜3が形成された面がレーザダイオード51の
側になるように配置されている。また、偏光性ホログラ
ム素子は、前述したように異常光のみを回折し、常光を
そのまま透過させるようにしてある。レーザーダイオー
ド51からのレーザー光は、偏光性ホログラム素子1に
対して常光となるように設定されている。したがって、
出射したレーザ光は、偏光性ホログラム素子1をそのま
ま通過する。通過したレーザ光は、1/4波長板52に
より直線偏光光から円偏光光に変換され、しかる後に、
対物レンズ53によって光記録媒体54の記録面541
に光スポットとして集光する。
【0032】集光したレーザ光は、記録面541に記録
されているデータにしたがって強度変調を受けながら反
射する。この反射光は対物レンズ53を介して1/4波
長板52を通り偏光性ホログラム素子1に入射する。こ
の間に、反射光は1/4波長板52により円偏光光から
直線偏光光に戻されるとともに、直線偏光光の偏光方向
が90°ずれる。すなわち、反射光は常光から異常光に
変換される。この結果、反射光の全ては偏光性ホログラ
ム素子1によって、例えば、±1次光に回折される。こ
れらの回折光は、レーザダイオード51から外れた位置
にある光検出器55の受光面551、552に集光す
る。従って、光検出器55の検出結果に基づいて、トラ
ッキング制御、フォーカシング制御等を行うことができ
る。
【0033】なお、偏光性ホログラム素子1は、異常光
のみを回折し、常光をそのまま透過させるかわりに、異
常光をそのまま透過させ、常光のみを回折するように設
定してもよい。この場合には、レーザーダイオード51
から出射したレーザー光を偏光性ホログラム素子1で、
3つのレーザー光に分割して、いわゆる3ビーム法の光
ピックアップを構成できる。すなわち、3つのレーザー
光は、上記と同様に1/4波長板52により直線偏光光
から円偏光光に変換された後、対物レンズ53によって
光記録媒体54の記録面541に3つの光スポットとし
て集光する。そして、集光したレーザ光が記録面541
から反射し、対物レンズ53、1/4波長板52を介し
て偏光性ホログラム素子1に入射する。この間に、3つ
の反射光は1/4波長板52により円偏光光から直線偏
光光に戻されるとともに、直線偏光光の偏光方向が90
°ずれて、3つの反射光は常光から異常光に変換されて
いる。この結果、3つ反射光の全ては偏光性ホログラム
素子1を透過して、これらの反射光を光検出器で検出す
ることによりトラッキング制御、フォーカシング制御等
を行うことができる。
【0034】このように本例の光ピックアップ装置50
において、偏光性ホログラム素子1は透明基板2の表面
(光通過面)201に蒸着膜(複屈折膜)3からなる格
子が形成される。従って、高価なニオブ酸リチウムの結
晶板を用いずに偏光性ホログラム素子としての機能を有
する。このため、通常の透明基板2を用いて偏光性ホロ
グラム素子1を構成できるので、安価な偏光性ホログラ
ム素子1を実現できる。それ故、廉価な偏光性ホログラ
ム素子1を備えた光ピックアップ装置50を提供でき
る。
【0035】また、透明基板2は、ニオブ酸リチウムの
結晶板に比べて熱衝撃に強いので、偏光性ホログラム素
子1の作製プロセス中の温度変化によりひびが入りにく
く、割れにくい。したがって、偏光性ホログラム素子1
は、歩留りがよく、量産に適した構成である。また、熱
衝撃に強いため、透明基板2の厚みtを薄くすることが
できる。このため、小型軽量化した偏光性ホログラム素
子1を備えた光ピックアップ装置50を実現できる。
【0036】さらに、本例の光ピックアップ装置50に
使用されている偏光性ホログラム素子1は、ニオブ酸リ
チウムの結晶板を用いた偏光性ホログラム素子のように
プロトンイオン交換の拡散工程を必要としないので、細
かなピッチで精度良く格子が形成された偏光性ホログラ
ム素子1を作製できる。たとえば、ニオブ酸リチウムを
用いたものより1桁細かいピッチの格子とすることがで
きる。このため、偏光性ホログラム素子1が優れた回折
特性を発揮することにより、光利用効率が良い高性能な
偏光性ホログラム素子1を備えた光ピックアップ装置5
0を提供できる。
【0037】[実施の形態2]図3(a)は、別の偏光
性ホログラム素子の例を示す斜視図、(b)は、(a)
のXーX’線における断面図である。なお、偏光性ホロ
グラム素子10は、透明基板2の表面(光入射面または
光出射面)201が平面のままである点と、蒸着膜3の
表面に誘電体膜が形成されている点を除き、実施の形態
1で説明した偏光性ホログラム素子1と基本的な構成が
同様であるため、共通する部分については、同じ符号を
付して、それら詳細な説明は省略する。
【0038】図3(a)、(b)に示すように、本例の
偏光性ホログラム素子10は、等方性基板である透明基
板21を有している。透明基板21は、透明基板2と同
様に、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板
等、使用波長に対して透明な材料から形成されている。
透明基板21の表面211には、蒸着膜3が、一定の幅
および膜厚で、交互に形成されている。本例では、隣接
する蒸着膜3の間では、透明基板21の表面211がそ
のまま露出している。
【0039】蒸着膜3は、実施の形態1と同様に、五酸
化タンタル(Ta2 5 )、酸化タングステン(W
3 )、三酸化ビスマス(Bi2 3 )、酸化チタン
(TiO2)等の無機材料を蒸着することにより形成さ
れている。蒸着膜3の蒸着方向A、A’は、透明基板2
1の表面211の法線方向Hに対して所定の角度θをな
す方向とされている。
【0040】なお、本例では、蒸着膜3の表面にSiO
2 からなる誘電体膜4が形成されている。この誘電体膜
4は保護膜および反射防止膜としての機能も同時に果た
している。したがって、本例の偏光性ホログラム素子1
0は、入射するレーザー光の表面反射を抑制し、光の利
用効率が向上している。なお、誘電体膜4としては、S
iO2 の代わりにMgF2 、Al2 3 、TiO2 等を
用いることもできる。
【0041】このように構成された本例の偏光性ホログ
ラム素子10でも、実施の形態1で説明したように、蒸
着膜3(図3(b)におけるCの経路)を通過する常光
および異常光と、透明基板211の表面が露出した部分
(図3(b)におけるDの経路)を通過する常光および
異常光とは、常光同志の間、および異常光同志の間に位
相差が生じるので、偏光性ホログラム素子10としての
特性を有する。また、蒸着膜3および誘電体膜4の膜厚
を所定の厚さとすれば、常光のみを回折して異常光をそ
のまま透過させる特性、逆に、常光をそのまま透過さ
せ、異常光を回折する特性を付与できる。すなわち、常
光の位相差をπの偶数倍かつ異常光の位相差をπの奇数
倍となるように、蒸着膜3および誘電体膜4の膜厚を設
定すれば、常光のみを回折して異常光をそのまま透過さ
せることができる。逆に、常光の位相差をπの奇数倍か
つ異常光の位相差をπの偶数奇倍となるように、蒸着膜
3および誘電体膜4の膜厚を設定すれば、常光をそのま
ま透過させ、異常光のみを回折することができる。この
ため、本例の偏光性ホログラム素子10を備えた光ピッ
クアップ装置は、実施の形態1と同様の効果を有する。
【0042】[実施の形態3]図4(a)は、別の偏光
性ホログラム素子の例を示す斜視図、(b)は、(a)
のXーX’線における断面図である。なお、本例の偏光
性ホログラム素子11は、透明基板2の凹部202に蒸
着膜3が形成されている点を除き、実施の形態1で説明
した偏光性ホログラム素子1と基本的な構成が同様であ
るため、共通する部分については同じ符号を付して、そ
れら詳細な説明は省略する。
【0043】図4(a)、(b)に示すように、本例の
偏光性ホログラム素子11でも、等方性基板である透明
基板2を有している。透明基板2の表面(光通過面)2
01には、凹部202が一定の幅および深さで交互に形
成されている。透明基板2の表面201のうち、凹部2
02には、その深さを越えない厚さで蒸着膜3が形成さ
れている。なお、蒸着膜3は、実施の形態1と同様に、
五酸化タンタル(Ta2 5 )、酸化タングステン(W
3 )、三酸化ビスマス(Bi2 3 )、酸化チタン
(TiO2 )等の無機材料を蒸着することにより形成さ
れている。また、蒸着膜3の蒸着方向A、A’は、透明
基板2の表面201の法線方向Hに対して所定の角度θ
をなす方向とされている。
【0044】このように構成された偏光性ホログラム素
子11でも、実施の形態1で説明したように、蒸着膜3
(図4(b)におけるCの経路)を通過する常光および
異常光と、透明基板201の凸部203(図4(b)に
おけるDの経路)を通過する常光および異常光とは、常
光同志の間、および異常光同志の間に位相差が生じるの
で、偏光性ホログラム素子としての特性を有する。ま
た、蒸着膜3の膜厚、および凹部202の深さを所定の
厚さとすれば、常光のみを回折して異常光をそのまま透
過させる特性、逆に、常光をそのまま透過させ、異常光
を回折する特性を付与できる。すなわち、常光の位相差
をπの偶数倍かつ異常光の位相差をπの奇数倍となるよ
うに蒸着膜3の膜厚、および凹部202の深さを設定す
れば、常光のみを回折して異常光をそのまま透過させる
ことができる。逆に、常光の位相差をπの奇数倍かつ異
常光の位相差をπの偶数奇倍となるように蒸着膜3の膜
厚、および凹部202の深さを設定すれば、常光をその
まま透過させ、異常光のみを回折することができる。し
たがって、本例の偏光性ホログラム素子11を備えた光
ピックアップ装置でも、実施の形態1と同様な効果を有
する。
【0045】[実施の形態4]図5(a)は、別の偏光
性ホログラム素子の例を示す斜視図、(b)は、(a)
のXーX’線における断面図である。なお、本例の偏光
性ホログラム素子12は、透明基板21の表面211に
誘電体膜4が交互に形成され、この隣接する誘電体膜4
の間に蒸着膜3が形成されている点を除き、実施の形態
3で説明した偏光性ホログラム素子11と基本的な構成
が同様であるため、共通する部分については同じ符号を
付して、それら詳細な説明は省略する。
【0046】図5(a)、(b)に示すように、本例の
偏光性ホログラム素子12では、実施の形態2と同様
に、等方性基板である透明基板21を有している。この
透明基板21の表面(光通過面)211は平面となって
おり、そこにはSiO2 からなる誘電体膜4が一定の幅
および膜厚で交互に形成されている。透明基板の表面2
11のうち隣接する誘電体膜4の間には誘電体膜4の膜
厚を越えない厚さで蒸着膜3が形成されている。なお、
蒸着膜3は、実施の形態1と同様に、五酸化タンタル
(Ta2 5 )、酸化タングステン(WO3 )、三酸化
ビスマス(Bi2 3 )、酸化チタン(TiO2 )等の
無機材料を蒸着することにより形成されている。また、
蒸着膜3の蒸着方向A、A’は、透明基板2の表面20
1の法線方向Hに対して所定の角度θをなす方向とされ
ている。
【0047】このように構成された偏光性ホログラム素
子12でも、実施の形態1で説明したように、蒸着膜3
(図5(b)におけるCの経路)を通過する常光および
異常光と、誘電体膜4(図5(b)におけるDの経路)
を通過する常光および異常光とは、常光同志の間、およ
び異常光同志の間に位相差が生じるので、偏光性ホログ
ラム素子としての特性を有する。また、蒸着膜3および
誘電体膜4の膜厚を所定の厚さとすれば、常光のみを回
折して異常光をそのまま通過させる特性、逆に、常光を
そのまま通過させ、異常光のみを回折する特性を付与で
きる。すなわち、常光の位相差をπの偶数倍かつ異常光
の位相差をπの奇数倍となるように、蒸着膜3および誘
電体膜4の膜厚を設定すれば、常光のみを回折して異常
光をそのまま透過させることができる。逆に、常光の位
相差をπの奇数倍かつ異常光の位相差をπの偶数奇倍と
なるように、蒸着膜3および誘電体膜4の膜厚を設定す
れば、常光をそのまま透過させ、異常光のみを回折する
ことができる。したがって、偏光性ホログラム素子12
を備えた光ピックアップ装置でも、実施の形態1と同様
な効果を有する。
【0048】[その他の実施の形態]なお、実施の形態
1〜4で説明した偏光性ホログラム1、10、11、1
2において、透明基板2、21の表面201、211、
これらの表面201、211の反対側の面の少なくとも
一方の面が反射防止膜に覆われていれば、光利用効率を
向上することができる。また、この場合、蒸着膜3、誘
電体膜4、および透明基板の表面201、211の全て
が反射防止膜に覆われていても良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、透明基板の光通過面に無機材料を斜め蒸着すること
によって形成された偏光性ホログラム素子を用いて光ピ
ックアップ装置を構成している。従って、高価な結晶板
であるニオブ酸リチウムの結晶板を用いず、安価な透明
基板を用いた偏光性ホログラム素子を用いているので、
極めて廉価な偏光性ホログラム素子を備えた光ピックア
ップ装置を提供できる。
【0050】透明基板は、一般に、ガラス基板などが用
いられ、ニオブ酸リチウムの結晶板に比べて熱衝撃に強
いので、偏光性ホログラム素子の作製プロセス中の温度
変化によりひびが入りにくく、割れにくい。したがっ
て、偏光性ホログラム素子は、歩留りがよく、量産に適
した構成である。また、熱衝撃に強いため、透明基板の
厚みを薄くすることができる。このため、一層、小型軽
量化した偏光性ホログラム素子を備えた光ピックアップ
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光ピックアップ装
置を示す概略構成図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態1に係る偏光性ホ
ログラム素子を示す斜視図、(b)は(a)のXーX’
線における断面図、(c)は、蒸着膜を拡大して示す断
面図である。
【図3】(a)は本発明の実施の形態2に係る偏光性ホ
ログラム素子を示す斜視図、(b)は(a)のXーX’
線における断面図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態3に係る偏光性ホ
ログラム素子を示す斜視図、(b)は(a)のX−X’
線における断面図である。
【図5】(a)は本発明の実施の形態4に係る偏光性ホ
ログラム素子を示す斜視図、(b)は(a)のXーX’
線における断面図である。
【符号の説明】 1、10、11、12 偏光性ホログラム素子 2、21 透明基板 201、211 透明基板の表面(光入射面または光出
射面) 202 凹部 203 凸部 3 蒸着膜(複屈折膜) 4 誘電体膜 50 光ピックアップ 51 レーザダイオード 52 1/4波長板 53 対物レンズ 54 光記録媒体 55 光検出器 A、A’ 蒸着方向 H (透明基板の)法線方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、当該光源から出射されて光記録
    媒体から反射されてくる光を検出する光検出器を少なく
    とも有し、前記光源から前記光検出器に到る光路上に偏
    光性ホログラム素子が配置された光ピックアップ装置に
    おいて、 前記偏光性ホログラム素子は、使用波長に対して透明な
    透明基板と、当該透明基板の光入射面または光出射面の
    少なくとも一方の面に格子状に形成された複屈折膜を備
    え、当該複屈折膜は無機材料を当該複屈折膜が形成され
    る前記光入射面または光出射面の法線方向に対して所定
    の角度で斜め蒸着することによって形成されていること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記所定の角度は、
    ほぼ70度であることを特徴とする光ピックアップ装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記光入射
    面および前記光出射面のうち少なくとも一方の面は反射
    防止膜で覆われていることを特徴とする光ピックアップ
    装置。
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