JPWO2011125891A1 - 単結晶製造装置、及び単結晶製造方法 - Google Patents

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Abstract

コストが安価で、金属不純分含有量の少ない高品質な各種デバイス用の単結晶を、水熱合成法で製造できるようにする。オートクレーブ内に単結晶の育成用容器を設置し、この容器内に種結晶を設置して水熱合成法により単結晶を製造する単結晶製造装置において、前記育成用容器は、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属により製作されたものであることを特徴とする。

Description

本発明は、各種デバイス用途に適した金属不純分含有量が少ない酸化亜鉛、水晶、サファイアなどの単結晶を育成する際に用いられる単結晶製造装置、及び当該装置を用いた単結晶製造方法、並びに単結晶製造装置の操業方法に関する。
酸化亜鉛、水晶、サファイアなどの単結晶は、その優れた特性から各種電子デバイス用材料として開発が進んでおり、実用化もされている。これら単結晶の製造方法としては、水熱合成法が採用される事が多い。
本出願人が先に出願をした特許文献1に開示されている単結晶育成装置は、水熱合成法によって、ZnOの単結晶を育成する際に必要な温度及び圧力を、その内部に加えることができるオートクレーブと、このオートクレーブの内部に収容して使用する育成容器とから構成される。鉄を主材とした高張力鋼などによって形成されたオートクレーブの容器本体に、パッキンを挟んで蓋体を被せて、固着部により固着することで、その内部を気密封止するような構造となっている。
オートクレーブ内に収容して使用する育成容器は、例えば白金(Pt)によって形成されており、その形状は略円筒状の容器とされる。そして、その上部には圧力調整部として作用するベローズが育成容器の内部を密閉した状態で取り付けられている。
このような単結晶育成装置では、育成容器内の上部側にフレームと白金線を用いてZnO種結晶を吊り下げると共に、その下部側に原料を配置して種結晶の育成を行うようにしている。この場合、ZnO種結晶と原料との間には、熱対流を制御する内部バッフル板が設けられており、この内部バッフル板によって、育成容器内が溶解領域と成長領域とに区切られている。内部バッフル板には、複数の孔が形成されており、この孔の数によって決定されるバッフル板の開口面積により、溶解領域から成長領域への対流量を制御して溶解領域と成長領域との間に温度差が得られるようになっている。
そして、この育成容器内に、例えば水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウムなどの強アルカリ溶液を注入し、またオートクレーブと育成容器との間に伝熱のために、例えば純水などの伝熱溶液を注入する。そして、ヒーターによって、オートクレーブを加熱することで、育成容器内では、溶解領域において強アルカリ溶液に原料が溶解した育成溶液が生成される。そして、この育成溶液が内部バッフル板を介して成長領域に供給され、ZnO種結晶を利用してZnO単結晶を育成するようにしている。
この水熱合成法は、原料の溶解度アップと成長軸制御のため、アルカリ水溶液を溶媒とし、オートクレーブ下部の原料溶解部に単結晶の原料を投入し、上部の単結晶育成部には種結晶を設置し、オートクレーブ外表面を加熱し、上部と下部で温度差をつけ、高温高圧の条件で結晶育成を行う。上部と下部の区分はバッフル板(多孔板)を設置して区分する。またオートクレーブは高圧に耐える必要があるため、鉄を主成分とした、クロムモリブデン鋼などの圧力容器用材料が採用されている。この方法では、高温高圧のアルカリ水溶液の腐食性が高いため、オートクレーブの構成材料から鉄などが溶出し、その結果、これら溶出金属が単結晶中に混入するため、金属不純分含有量が少ない高純度の単結晶を得る事が難しかった。
結晶中の金属不純分を低減する方法として、オートクレーブ内に密閉容器を設置し、この容器内で単結晶育成を行う方式が提案されている。特許文献1では、高温高圧のアルカリ水溶液に対して耐食性の高い白金製の容器をオートクレーブ内に設置し、白金容器とオートクレーブの間には熱媒体液として純水を入れ、容器内には溶媒であるアルカリ水溶液を入れ、単結晶の原料を投入すると共に、種結晶を設置し、オートクレーブ内面に接触している純水とアルカリ水溶液とを遮断して、オートクレーブ材の成分由来の金属不純分の単結晶への混入を抑制しながら結晶育成を行っている。特許文献2では、ニッケル・チタン合金製の容器をオートクレーブ内に設置し、この容器内で単結晶育成を行っている。
特開2003−63889号公報 特開2005−335985号公報
特許文献1の方法では、高温高圧のアルカリ水溶液に対して、耐食性の高い白金を容器材料として用いるので、得られる単結晶中の金属不純分を低く抑えることができる。しかし高価な白金を用いるため、低コストの単結晶を得る事は難しい。また、結晶育成炉を大型化した場合、白金製の容器も大型化する必要があるが、白金は比較的やわらかい金属であるので、容器の強度確保のため白金の厚みを厚くする必要があり、低コスト化はさらに困難となる。特許文献2の方法では、比較的安価で材料強度の高いニッケル・チタン合金製の容器を用いている。しかしながらこの方法では、ニッケル・チタン合金は高温・高圧のアルカリ水溶液に対して耐食性が低く、ニッケルが溶出し、得られる単結晶中に混入するため、高純度の単結晶を得る事は困難である。
そこで、本発明は、上記したような点を鑑みて種々の検討を加えた結果、単結晶を育成する育成容器(以下、本明細書において「育成容器」を「製造容器」ともいう。)の所要部分を下記する特定の金属から構成し、かかる製造容器をオートクレーブ内に、オートクレーブと隔離した形で設置し、この製造容器内で単結晶を製造すれば、前記製造容器の材料である金属が、製造される単結晶の金属不純分として混入するのを抑制した所望の単結晶が得られる事を見出した。この金属製の製造容器としては、その表面の所要領域に下記する特定の金属酸化物膜を形成させた容器が、高温高圧のアルカリ水溶液に対して耐食性を示すことを見出した。即ち、金属酸化物膜の形成が容易で、その金属酸化物が高温高圧のアルカリ水溶液に対して、高い耐食性を示す製造容器の材料として、純チタン、純タンタル、純ジルコニウムを見出した。また、これらの金属は市販品質(純度99%以上)のもので、上記目的とする性能を発揮する。また、このような純度の金属は、材料価格も貴金属に比較すると非常に安価であり、低コストで単結晶の製造が可能となる。本発明では、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種、即ち前記した金属の1種、または複数の金属を用いて容器を製作する。そして、製造容器の表面にこれらの金属の酸化物膜を形成したのち、この製造容器内で結晶育成を行う。
即ち、本発明は、その内部に所要以上の高さの温度及び圧力が加えられるオートクレーブと、前記オートクレーブ内に、該オートクレーブと隔離した構造の単結晶の育成が行われる製造容器と、前記製造容器を前記オートクレーブ内に収容して、前記製造容器の内部に所要の温度及び圧力を加えた際に、前記製造容器内の圧力と前記オートクレーブ内の圧力との圧力差を調整する圧力調整部とを備えて水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置であって、
前記製造容器は、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作されたものであることを特徴とする単結晶製造装置を提供する。
また、単結晶材料を含むアルカリ溶液が入れられる前記製造容器の内側の少なくともアルカリ溶液と接する領域は、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作されていることが好ましい。
また、前記製造容器の少なくとも内側の容器表面は、該製造容器を構成する金属と同一の金属の酸化物膜を形成させるようにするのが好ましい。
また、前記製造容器の金属が、純チタン、または純タンタルの場合は、当該純チタン、または純タンタルに含まれる金属不純物の濃度、即ち金属不純物の含有割合が、1質量%以下であり、前記製造容器の金属が、純ジルコニウムの場合は、当該純ジルコニウム中に含まれるハフニウムを除き、金属不純物の濃度が1質量%以下であるようにするのが好ましい。
前記製造容器内で育成する単結晶は、酸化亜鉛、水晶、サファイアのいずれかであるのが好ましい。
また、本発明は、その内部に所要以上の高さの温度及び圧力が加えられるオートクレーブと、前記オートクレーブ内に、該オートクレーブと隔離した構造の単結晶の育成が行われる製造容器と、前記製造容器を前記オートクレーブ内に収容して、前記製造容器の内部に所要の温度及び圧力を加えた際に、前記製造容器内の圧力と前記オートクレーブ内の圧力との圧力差を調整する圧力調整部とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を用いて単結晶を製造する方法において、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された前記製造容器内に種結晶をセットして単結晶の育成を行うようにしたことを特徴とする単結晶製造方法を提供する。
また、前記した単結晶製造方法において、単結晶の育成の際、前記オートクレーブの内部の温度を300℃以上、600℃以下に加熱するとともに圧力を40MPa以上、200MPa以下に制御する一方、前記オートクレーブの内部の前記製造容器の温度を300℃以上、600℃以下に加熱するとともに圧力を40MPa以上、200MPa以下に制御することが好ましい。
また、本発明は、オートクレーブと、前記オートクレーブ内に収容された単結晶の育成のための、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された製造容器とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を設置し、少なくとも前記製造容器を酸素の存在のもとに200℃以上、400℃以下に加熱し、少なくとも前記製造容器の内面の金属表面を酸化させて、当該金属の酸化物膜を形成し、その後、前記製造容器に単結晶育成用の原料を入れて、水熱合成法により単結晶を育成することを特徴とする単結晶製造装置の操業方法を提供する。
また、本発明は、オートクレーブと、前記オートクレーブ内に収容された単結晶の育成のための、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された製造容器とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を設置し、当該製造容器内に単結晶育成用の原料を入れ、次いで、少なくとも前記製造容器を酸素の存在のもとに200℃以上、400℃以下に加熱し、少なくとも前記製造容器の内面の金属表面を酸化させて、当該金属の酸化物膜を形成する工程を含むことを特徴とする単結晶製造装置の操業方法を提供する。
本発明によれば、前記単結晶を育成する製造容器から溶出する金属の溶出は実質的にゼロになり、また、この製造容器はオートクレーブから隔離された構造であるので、オートクレーブからの金属溶出・単結晶への混入もなく、その結果、金属不純分含有量の少ない高純度の単結晶が製造できる。またこれらの金属の価格が安いため、製造容器製作費も安価で、低コストで高純度な単結晶を育成することができる。なお、本発明において、高純度の単結晶とは、単結晶に含まれる金属不純物の含有割合が、0.05質量ppm以下のものを指す。
本発明の実施例で単結晶を水熱合成法で製造するために用いた、単結晶製造装置の構造を示す模式的断面図である。
図1は、本発明の実施の形態としての単結晶育成容器(製造容器)を内部に収容する単結晶製造装置の構造を示した図であり、この図1(a)は、単結晶育成装置11を組み上げた状態での構造を示した図、図1(b)は、単結晶育成装置11の内部に設けられた単結晶育成容器(製造容器)20の構造を示した図である。
図1(a)、(b)に示すように、本実施の一つの形態に係る酸化亜鉛(ZnO)の単結晶を製造するための単結晶育成装置11では、オートクレーブ12内に収容して使用される製造容器20の内部で、単結晶の育成を行うようにする。
このため、製造容器20内では、その上部側にフレーム21と種結晶吊るしバー22及び種結晶吊るしワイヤー23とを用いて酸化亜鉛(ZnO)の種結晶3を吊り下げると共に、その下部側に酸化亜鉛の単結晶を育成するための原料26を投入する。
製造容器20の内側の種結晶3と原料26との間には、上記のように、熱対流を制御する内部バッフル板(対流制御板)24が設けられている。この内部バッフル板24は、図示するように、製造容器20内を、原料26が配置されている側の領域(すなわち溶解領域31)と、種結晶3が配置されている側の領域(すなわち成長領域32)とに区切るように配されている。
そして、製造容器20の外側に外部バッフル板25を設けるようにして、この外部バッフル板25により製造容器20の外側の対流を制限することで、製造容器20内の領域間において、種結晶3の成長に必要な温度差が確実に得られるようにしている。このとき、外部バッフル板25は、内部バッフル板24と同じ高さ位置に設けるようにすると、製造容器20内の領域間の温度差が確実に得ることができる。
そして、この製造容器20内には、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、水酸化カリウム(KOH)などの強アルカリ水溶液が所定の充填率で注入されている。また、オートクレーブ12と製造容器20との間には、伝熱のために、例えば純水などの熱媒体液が所定の充填率で注入されている。
前記製造容器内で育成する単結晶が、水晶、またはサファイアの場合も、上記したZnOの場合の単結晶育成装置と同様に使用することができる。
以下、図面を参照して、本発明の単結晶製造方法の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の単結晶製造装置11は、主として中空直立筒状のオートクレーブ12と、オートクレーブ内に設置された中空直立筒状の製造容器20とを備える。単結晶製造装置の加熱はオートクレーブ外表面付近に設置したヒーター16を電気加熱して行う。このヒーター16の加熱により、まずオートクレーブ本体13が加熱され、ついでオートクレーブ12と製造容器20との間の空間に投入された熱媒体液としての純水が加熱され、この純水の入った熱媒体液部18によって、製造容器20が加熱される。製造容器の温度制御は、分割設置されたヒーター16の加熱量を適宜制御して行う。製造容器20の上部には、圧力調整用のベローズ30が設置されており、このベローズの伸縮により、製造容器20の内部の圧力と、製造容器20の外部のオートクレーブ12との間の空間の熱媒体液部18の圧力とを同一に保つ。
単結晶の育成の際、前記オートクレーブの内部の温度は、300℃以上、600℃以下に加熱するとともに圧力を40MPa以上、200MPa以下に制御することが好ましい。また、単結晶の育成の際、オートクレーブの内部に収容された製造容器の内部の温度は、300℃以上、600℃以下に加熱するとともに圧力を40MPa以上、200MPa以下に制御することが好ましい。
製造容器20の中間部において、その内部には内部バッフル板(多孔板)24を、外部には外部バッフル板(多孔板)25を設置し、上下を区分する。上記した内部バッフル板24及び外部バッフル板25としては、多孔板が好ましく使用される。この多孔板からなるバッフル板の開孔率を適切にすることで、加熱により発生する上下方向の液の循環流の状況を適切に制御する。また、ヒーターの加熱を単結晶製造装置11の製造容器20の内部バッフル板24の上下で温度差をつけることで、内部バッフル板24の下部分は、高温の原料の溶解領域31を形成し、内部バッフル板24の上部分は、溶解領域31より温度が低い単結晶の成長領域32を形成する。製造容器内の溶解領域31には、単結晶の原料26を入れる。
原料26は、育成する単結晶によって異なるが、酸化亜鉛単結晶を育成する場合は酸化亜鉛を、水晶を育成する場合は水晶を、またサファイアを育成する場合には酸化アルミニウムを原料として溶解領域31に入れる。それぞれの原料26は、高純度のものを使用する。また製造容器20内の成長領域32には、金属製のフレーム21をセットする。フレーム21には金属製の種結晶吊るしバー22が溶接してあり、種結晶吊るしバー22に種結晶3を種結晶吊るしワイアー23を用いてセットし、種結晶3上に単結晶を成長させる。
製造容器20内の空間(即ち、溶解領域31と成長領域32となる製造容器の空間。)には、アルカリ水溶液を入れる。アルカリの種類としては、育成する単結晶の種類により異なるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。例えば、酸化亜鉛単結晶を育成する場合には、水酸化カリウムの水溶液、または水酸化カリウムと水酸化リチウムとの混合水溶液が、また水晶単結晶を育成する場合には、水酸化ナトリウムの水溶液、または炭酸ナトリウムが、またサファイア単結晶を育成する場合には、炭酸カリウムの水溶液が、それぞれ好ましく使用される。かかるアルカリは、1種、または複数種のアルカリの水溶液として製造容器20の溶解領域31および成長領域32に入れられる。製造容器中に入れるアルカリ水溶液の量は、結晶育成の温度、圧力条件により異なるが、通常、空間の容積(即ち、製造容器20溶解領域31、成長領域32、及びベローズ30の合計容積。)の70%〜90%(以下、前記製造容器20とべローズ30の合計容積に対して、投入されるアルカリ水溶液の液量の割合を、アルカリ水溶液の充填率という。)程度とするのが好ましい。製造容器20とオートクレーブ13の間に入れる純水等の熱媒体液の量は、熱媒体部18の圧力と製造容器20内の圧力とがほぼ同一になるような充填率で加える。
単結晶製造装置11の製造容器20内の少なくともアルカリ水溶液と接触する部分及び単結晶を育成する部材は、純チタン、純タンタル、及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作されている。具体的には、製造容器20の少なくともアルカリ水溶液と接触する内面の部分、フレーム21、種結晶吊るしバー22、種結晶吊るしワイアー23、内部バッフル板24、及びベローズ30は、これらの金属の中から選ばれる少なくとも1種の金属から製作されている。
純チタン、純タンタル、純ジルコニウムは酸化されやすい金属であり、常温常圧の空気中に放置しても表面は酸化され、金属酸化物膜が形成される。これらの金属を前記単結晶育成容器の材料に採用する場合、この材料を空気中に放置して、表面に金属酸化物膜を形成した状態で当該容器を製作し、当該容器を使用して、単結晶を育成しても所望の単結晶を得ることが出来るが、望ましくは、以下に記載する金属表面の酸化物膜の形成方法で表面をあらかじめ酸化し、金属表面に十分な金属酸化物膜を形成してから、単結晶育成に供するのが好ましい。
前記金属表面の酸化物膜の形成方法としては、単結晶育成容器の収容された単結晶製造装置の運転開始時直後の昇温過程で酸化して金属酸化物膜を形成する方法や、予め空気雰囲気の加熱炉内に単結晶育成容器を入れて、加熱酸化して金属酸化物膜を形成する方法などが挙げられる。具体的には、前者の単結晶製造装置の運転開始直後の昇温過程で形成する方法では、運転開始前に原料などを仕込んだ後、製造容器の蓋を閉める前に、製造容器20の空間に、空気や純酸素などの酸素を含む気体を入れてセットし、その後の炉の昇温過程で気体中の酸素により金属表面を酸化させ、金属酸化物膜を形成させる。一方、後者の予め空気雰囲気の加熱炉で、加熱酸化して形成する方法では、製造容器20を電気炉などの加熱炉に入れて、空気雰囲気で、概ね200℃以上に加熱し、空気中の酸素により金属表面を酸化させ、金属酸化物膜を形成させる。
前者のより具体的な方法を例示すると、以下の通りである。まず、オートクレーブと、前記オートクレーブ内に収容された単結晶の育成のための、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された製造容器とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を設置する。次いで、この単結晶製造装置の少なくとも前記製造容器を酸素の存在のもとに200℃以上、400℃以下に加熱し、少なくとも前記製造容器の内面の金属表面を酸化させて、当該金属の酸化物膜を形成する。その後、前記製造容器に単結晶育成用の原料を入れて、水熱合成法により単結晶を育成する。このようにされた製造容器を用いて単結晶を育成すると、金属不純物がほとんど混入しない純度の高い酸化亜鉛、水晶、またはサファイアの単結晶を製造することができる。
また、以下の方法によっても、製造容器の内面の金属表面を酸化させ、金属酸化物膜を形成させることができる。まず、オートクレーブと、前記オートクレーブ内に収容された単結晶の育成のための、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された製造容器とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を設置する。次いで、この製造容器内の溶解領域に単結晶育成用の原料を入れ、次いで、少なくとも前記製造容器を酸素の存在のもとに200℃以上、400℃以下に加熱する。この加熱によって、少なくとも前記製造容器の内面の金属表面が酸化され、当該金属の酸化物膜が形成される。このように製造容器の内面に金属の酸化物膜が形成された状態で、単結晶を育成すると、金属不純物がほとんど混入しない純度の高い酸化亜鉛、水晶、またはサファイアの単結晶を製造することができる。
前記単結晶育成容器(製造容器)の材料である金属の純度は、高純度のものが望ましいが、市販品グレードである金属不純分の含有割合が1質量%以下であれば所望の性能を得ることが出来る。ただし、純ジルコニウムの場合、一般にジルコニウムと類似の元素であるハフニウムを含んでおり、ハフニウムを除いた金属不純分の含有割合が1質量%以下のものが望ましい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。以下、具体例に基づき、より詳細に説明する。
実施例1
図1に示す単結晶製造装置を用いて、酸化亜鉛単結晶の製造を行った。オートクレーブ12は、内部の開口部寸法が直径50mm、長さ1000mmで、鉄を主材とした高張力鋼製で、クロム0.95%、モリブデン0.30%を含む組成の鋼材を使用して製作されたものを用いた。また外部バッフル板25は、鉄を主材として、クロム18.3%、ニッケル7.8%を含む組成のステンレス鋼(SUS304)を使用して製作されたものを用いた。オートクレーブ12内に設置した製造容器20は、内部の開口部寸法が直径20mm、長さ945mmである。製造容器20とその上部に設置したベローズ30は、純度が99.6%の純チタン製で、この純チタン材料は、金属不純分として鉄を0.2質量%含む。フレーム21と種結晶吊るしバー22、および種結晶吊るしワイアー23は、純度が99.9%の純タンタル製で、この純タンタル材料は、金属不純分として鉄を0.02質量%、シリコンを0.01質量%含む。内部バッフル板24は、純度が95.3%の純ジルコニウム製で、この純ジルコニウム材料は、金属不純分として、ハフニウムを4.0質量%、鉄分を0.2質量%、クロムを0.1質量%含む。これら純チタン、純タンタル、純ジルコニウムのそれぞれは市販のものである。
純度99.95%の酸化亜鉛粉末を成型用型枠容器で押し固めた後、1100℃で24時間焼成を行い、固形化したものを酸化亜鉛の単結晶原料として製造容器20内の溶解領域31に26に示すように充填した。酸化亜鉛の種結晶3は、製造容器20内の成長領域32に種結晶吊るしバー22に種結晶吊るしワイアー23を用いて吊るした。次いで、製造容器20内の溶解領域31、及び成長領域32内に、純水に溶かして作製された水酸化カリウム(濃度:3モル/リットル)、及び水酸化リチウム(濃度:1モル/リットル)を含むアルカリ水溶液を加えた。アルカリ水溶液の液量は、単結晶製造装置の運転が定常状態になった時、製造容器20内の圧力が60MPaになるような充填率で加えた。オートクレーブ12と製造容器20との空間にも、この空間の圧力が60MPaになるような充填率で純水を加えた。製造容器20とベローズ30との間の空間部、およびオートクレーブ12と製造容器20との間の熱媒体液部18の純水面から上部の空間部には、純酸素ガスを常圧で充填した。
製造容器20とベローズ30とをステンレス製(SUS304製)のフランジ27で、その上下より押さえ、密閉して、セットした。またオートクレーブ12の上部に蓋体14をセットし、オートクレーブも密閉した。その後、ヒーター16により、溶解領域31と成長領域32とを加熱した。加熱開始から26時間かけて溶解領域31の温度を370℃、成長領域32の温度を340℃まで昇温した。この昇温過程で各部材の各金属表面の酸素酸化が起きている。製造容器20内の到達圧力は60MPaである。この状態で、溶解領域31で溶解した酸化亜鉛の原料が対流により上昇し、成長領域32にある種結晶3に酸化亜鉛単結晶を析出させることで、種結晶を成長させ、酸化亜鉛単結晶を製造した。このままの状態で20日間定常運転を行い、約0.2mm/日の速度で単結晶を成長させ、その後、系内を室温常圧に戻してから、酸化亜鉛単結晶を取り出した。
得られた酸化亜鉛単結晶を酸溶解し、単結晶中に含まれる不純分の含有割合を、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICPAES)で測定した。その結果、Fe、Cr、Ni、Ti、Ta、Zrのそれぞれの含有割合は、いずれも検出限界以下(0.05質量ppm以下)であった。また、結晶育成終了後の、製造容器20の内側(アルカリ水溶液側)の各金属表面の組成(原子%)を、電子線マイクロアナライザー(EPMA)で分析した。その結果、純チタンにより製作された製造容器20の表面は、チタンを31原子%、酸素を69原子%の組成であり、種結晶吊るしバー22の純タンタルは、タンタル26原子%、酸素74原子%、また、内部バッフル板24の純ジルコニウムは、ジルコニウム(ハフニウムを含む)32原子%、酸素原子68%であり、それぞれ表面が酸化されていた。なお、上記金属表面層の分析の数値は、分析に用いられた電子線の金属表面からの浸入深さである、5μ程度の厚さの金属表面層において測定された結果である。
実施例2
実施例1と同一の単結晶製造装置を用いて、水晶単結晶の製造を行った。運転操作等は実施例1に準じて行った。純度99.9%の天然水晶(ラスカ)の2〜3cm大のものを水晶単結晶の原料として使用した。製造容器20内に入れるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムを純水に溶解した水酸化ナトリウム濃度が1.0モル/リットルのアルカリ水溶液を用いた。アルカリ水溶液の液量は、単結晶製造装置の運転が定常状態になった時、製造容器20の圧力が120MPaになるような充填率で加えた。オートクレーブ12と製造容器20との空間にも、製造容器20の圧力が120MPaになるような充填率で純水を加えた。製造容器20とベローズ30との間の空間部、およびオートクレーブ12と製造容器20との間の熱媒体液部18の純水面から上部の空間部には、空気を常圧で充填した。また、種結晶3としては、水晶単結晶を用いた。
単結晶製造装置11をセット・密閉後、ヒーター16により、製造容器20の溶解領域31と成長領域32を加熱した。加熱開始から30時間かけて溶解領域31の温度を390℃、成長領域32の温度を330℃まで昇温した。製造容器20内の到達圧力は120MPaである。この状態で、溶解領域31で溶解した水晶の原料が対流により上昇し、成長領域32にある種結晶3に水晶単結晶を析出させることで、種結晶を成長させ、水晶単結晶を製造した。このままの状態で20日間定常運転を行い、約0.3mm/日の速度で単結晶を成長させ、その後、系内を室温常圧に戻してから、水晶単結晶を取り出した。
得られた水晶単結晶中の不純分の含有割合を、実施例1と同様にして、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICPAES)で測定した。その結果、Fe、Cr、Ni、Ti、Ta、及びZrのそれぞれの含有割合は、いずれも検出限界以下(0.05質量ppm以下)であった。
実施例3
実施例1と同一の単結晶製造装置11を用いて、サファイア単結晶の製造を行った。運転操作等は実施例1、2に準じて行った。純度99.9%のサファイア単結晶の2〜3cm大のものをサファイア単結晶の原料として使用した。製造容器20内に入れるアルカリ水溶液としては、炭酸カリウムを純水に溶解した、炭酸カリウムの濃度が5モル/リットルの液を用いた。アルカリ水溶液の液量は、単結晶製造装置の運転が定常状態になった時、製造容器20の内部の圧力が170MPaになるような充填率で加えた。オートクレーブ12と製造容器20との空間にも、製造容器20の内部の圧力が170MPaとなるような充填率で純水を加えた。製造容器20とベローズ30との間の空間部、およびオートクレーブ12と製造容器20との間の熱媒体液部18の純水面から上部の空間部には、空気を常圧で充填した。また、種結晶3としては、サファイア単結晶を用いた。
単結晶製造装置11をセット・密閉後、ヒーター16により、製造容器20の溶解領域31と成長領域32を加熱した。加熱開始から35時間かけて溶解領域31の温度を460℃、成長領域32の温度を440℃まで昇温した。製造容器20内の到達圧力は170MPaである。この状態で、溶解領域31で溶解したサファイアの原料が対流により上昇し、成長領域32にある種結晶33にサファイア単結晶を析出することで、種結晶を成長させ、サファイア単結晶を製造した。このままの状態で20日間定常運転を行い、約0.35mm/日の速度で単結晶を成長させ、その後、系内を室温常圧に戻してから、サファイア単結晶を取り出した。
得られたサファイア短結晶中の不純分の含有割合を、実施例1と同様にして、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICPAES)で測定した。その結果、Fe、Cr、Ni、Ti、Ta、及びZrのそれぞれの含有割合は、いずれも検出限界以下(0.05質量ppm以下)であった。
比較例1
実施例1で使用した同一の単結晶製造装置11で、製造容器20、ベローズ30などのオートクレーブ内部に設置した構築物を取り除き、その後、種結晶を吊るすフレーム、および溶解領域31と成長領域32を区分するバッフル板をオートクレーブ12と同じ高張力鋼材で製作し、オートクレーブ内部に設置した。この単結晶製造装置を用いて酸化亜鉛単結晶を製造した。尚、種結晶吊るし線は白金線を使用し、運転条件等は実施例1と同様とした。
得られた酸化亜鉛単結晶中の不純分の含有割合を、実施例1と同様にして、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICPAES)で測定した。その結果、酸化亜鉛単結晶中の各金属の含有割合は、Feが1.0質量ppm、Crが0.13質量ppm、Niが0.08質量ppmであった。
比較例2
比較例1で用いた単結晶製造装置で、水晶単結晶の製造を行った。製造条件等は実施例1と同様とした。
得られた水晶単結晶中の不純分の含有割合を、実施例2と同様にして、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICPAES)で測定した。その結果、水晶単結晶中の各金属の含有割合は、Feが1.3質量ppm、Crが0.16質量ppm、Niが0.07質量ppmであった。
本発明によれば、単結晶を育成する製造容器から溶出する金属の溶出は実質的にゼロになり、また、この容器はオートクレーブから隔離された構造であるので、オートクレーブからの金属溶出・単結晶への混入もなく、その結果、金属不純分含有量の少ない高純度の単結晶が製造できる。またこれらの金属の価格が安いため、容器製作費も安価で、低コストで高純度な単結晶を育成することができる。
なお、2010年4月1日に出願された日本特許出願2010−085096号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
3 種結晶
11 単結晶製造装置
12 オートクレーブ
13 オートクレーブ本体
14 オートクレーブ蓋体
15 固着部
16 ヒーター
17 パッキング
18 純水
20 製造容器
21 フレーム
22 種結晶吊るしバー
23 種子吊るしワイアー
24 内部バッフル板
25 外部バッフル板
26 原料
27 固定フランジ
30 ベローズ
31 溶解領域
32 成長領域

Claims (9)

  1. その内部に所要以上の高さの温度及び圧力が加えられるオートクレーブと、前記オートクレーブ内に、該オートクレーブと隔離した構造の単結晶の育成が行われる製造容器と、前記製造容器を前記オートクレーブ内に収容して、前記製造容器の内部に所要の温度及び圧力を加えた際に、前記製造容器内の圧力と前記オートクレーブ内の圧力との圧力差を調整する圧力調整部とを備えて水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置であって、
    前記製造容器は、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属で製作されたものであることを特徴とする単結晶製造装置。
  2. その内部に所要以上の高さの温度及び圧力が加えられるオートクレーブと、前記オートクレーブ内に、該オートクレーブと隔離した構造の単結晶の育成が行われる製造容器と、前記製造容器を前記オートクレーブ内に収容して、前記製造容器の内部に所要の温度及び圧力を加えた際に、前記製造容器内の圧力と前記オートクレーブ内の圧力との圧力差を調整する圧力調整部とを備えて水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置であって、
    単結晶材料を含むアルカリ溶液が入れられる前記製造容器の内側の少なくともアルカリ溶液と接する領域は、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作されていることを特徴とする単結晶製造装置。
  3. 前記製造容器の少なくとも内側の表面は、該製造容器を構成する金属と同一の金属の酸化物膜を形成させたことを特徴とする請求項1または2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記製造容器の金属が、純チタン、または純タンタルの場合は、当該純チタン、または純タンタルに含まれる金属不純物の含有割合が1質量%以下であり、前記製造容器の金属が、純ジルコニウムの場合は、当該純ジルコニウム中に含まれるハフニウムを除き、金属不純物の含有割合が1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記製造容器内で育成する単結晶は、酸化亜鉛、水晶、サファイアのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
  6. その内部に所要以上の高さの温度及び圧力が加えられるオートクレーブと、前記オートクレーブ内に、該オートクレーブと隔離した構造の単結晶の育成が行われる製造容器と、前記製造容器を前記オートクレーブ内に収容して、前記製造容器の内部に所要の温度及び圧力を加えた際に、前記製造容器内の圧力と前記オートクレーブ内の圧力との圧力差を調整する圧力調整部とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を用いて単結晶を製造する方法において、
    純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された前記製造容器内に種結晶をセットして単結晶の育成を行うようにしたことを特徴とする単結晶製造方法。
  7. 単結晶の育成の際、前記オートクレーブの内部の温度を300℃以上、600℃以下に加熱するとともに圧力を40MPa以上、200MPa以下に制御する一方、前記オートクレーブの内部の前記製造容器の温度を300℃以上、600℃以下に加熱するとともに圧力を40MPa以上、200MPa以下に制御することを特徴とする請求項6に記載の単結晶製造方法。
  8. オートクレーブと、前記オートクレーブ内に収容された単結晶の育成のための、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された製造容器とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を設置し、少なくとも前記製造容器を酸素の存在のもとに200℃以上、400℃以下に加熱し、少なくとも前記製造容器の内面の金属表面を酸化させて、当該金属の酸化物膜を形成し、その後、前記製造容器に単結晶育成用の原料を入れて、水熱合成法により単結晶を育成することを特徴とする単結晶製造装置の操業方法。
  9. オートクレーブと、前記オートクレーブ内に収容された単結晶の育成のための、純チタン、純タンタル及び純ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で製作された製造容器とを備えた、水熱合成法により単結晶を育成する単結晶製造装置を設置し、当該製造容器内に単結晶育成用の原料を入れ、次いで、少なくとも前記製造容器を酸素の存在のもとに200℃以上、400℃以下に加熱し、少なくとも前記製造容器の内面の金属表面を酸化させて、当該金属の酸化物膜を形成する工程を含むことを特徴とする単結晶製造装置の操業方法。
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