JPH06122594A - 酸化物単結晶の製造方法 - Google Patents

酸化物単結晶の製造方法

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JPH06122594A
JPH06122594A JP27422292A JP27422292A JPH06122594A JP H06122594 A JPH06122594 A JP H06122594A JP 27422292 A JP27422292 A JP 27422292A JP 27422292 A JP27422292 A JP 27422292A JP H06122594 A JPH06122594 A JP H06122594A
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JP
Japan
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single crystal
raw material
lead
capsule
oxide
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Application number
JP27422292A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Kanai
秀之 金井
Yohachi Yamashita
洋八 山下
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目的とする組成からずれのない鉛を主成分と
する酸化物単結晶を製造できる方法を提供する。 【構成】 鉛を主成分とする酸化物の原料をAuおよび
Agからなる群より選択される少なくとも1種を主成分
とする容器に保持するか、または鉛の原料としてPb3
4 、Pb2 3 およびPbO2 からなる群より選択さ
れる少なくとも1種を含む鉛を主成分とする酸化物の原
料を容器に保持し、400℃以上、1気圧以上の高温高
圧状態で合成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉛を主成分とする酸化物
単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉛を主成分とする酸化物単結晶は、一般
的にフラックス法と呼ばれる方法で合成される。フラッ
クス法では、出発原料である酸化物または炭酸化物にフ
ラックスとなる成分例えばPbOを過剰に添加して混合
した後、800〜900℃で仮焼し、フラックスが生成
するような高温例えば1000〜1200℃で原料の混
合物をフラックスとともに溶融させる。その後、徐々に
冷却させながら単結晶を析出させ、かつその析出した単
結晶を核として大きく育成させていく。しかし、フラッ
クス法では、冷却速度の制御が困難であるという問題が
あった。
【0003】この問題を解決するために、鉛の酸化物お
よび他の原料を混合し、水とともに例えばPtのカプセ
ルに封入した後、テストチューブと呼ばれる高圧容器に
保持し、高温高圧状態下で反応させる水熱合成法が用い
られるようになってきている。この方法では、フラック
ス法と異なり冷却速度の制御が容易であり、また鉛の蒸
発を抑制することができる。
【0004】しかしながら、上述したような方法におい
てはPtが水素を透過させやすいため、外部からPtカ
プセル内に水素が侵入し、酸化鉛が還元されて金属鉛と
なり、所望の組成の酸化物単結晶を合成することができ
ない。しかも、この金属鉛は高温下でPtと反応し、P
tカプセルを劣化させるという問題があった。このよう
な理由で、従来は100〜120℃という低温での水熱
合成法により鉛を主成分とするアモルファス状の粉体は
合成されているが、ペロブスカイト構造などの酸化物単
結晶は合成されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、目的
とする組成からずれのない鉛を主成分とする酸化物単結
晶を製造できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】本願第1の発明の
酸化物単結晶の製造方法は、鉛を主成分とする酸化物の
原料をAuおよびAgからなる群より選択される少なく
とも1種を主成分とする容器に保持し、400℃以上、
1気圧以上の高温高圧状態で合成を行うことを特徴とす
るものである。
【0007】本願第2の発明の酸化物単結晶の製造方法
は、鉛の原料としてPb3 4 、Pb2 3 およびPb
2 からなる群より選択される少なくとも1種を含む鉛
を主成分とする酸化物の原料を容器に保持し、400℃
以上、1気圧以上の高温高圧状態で合成を行うことを特
徴とするものである。
【0008】本発明において、原料としては、目的とす
るPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Zn1/3 Nb
2/3 )O3 、Pb(Zr1-y Tiy )O3 などの酸化物
の構成元素を含む化合物が用いられる。
【0009】本願第1の方法で用いられるAuおよびA
gからなる群より選択される少なくとも1種を主成分と
する容器は、Au、Ag、AuAg合金、またはこれら
にPtなどが添加された合金からなっている。容器中の
AuおよびAgの含有率は、60wt%以上であること
が好ましい。これらの容器は、従来用いられているPt
からなる容器と比較して水素が透過しにくい。したがっ
て、高温高圧下でも、容器内の酸化物が還元されること
がなく、所望の組成を有するペロブスカイト構造などの
酸化物単結晶を合成できる。
【0010】本願第2の方法で鉛の原料として用いられ
るPb3 4 、Pb2 3 およびPbO2 はいずれも、
O/Pbの原子比が1/1より大きいため、従来用いら
れているPbOよりも酸素を過剰に含んでいる。このた
め、水素が透過しやすいPt容器を用いたとしても、原
料の還元により金属鉛が生成するまでには至らず、所望
の組成を有するペロブスカイト構造などの酸化物単結晶
を合成できる。なお、本願第2の発明では、鉛の原料と
してPbOなどが併用されてもよいが、鉛の原料全体の
うち、Pb3 4 、Pb2 3 およびPbO2 からなる
群より選択される少なくとも1種の割合が10wt%以
上さらには30wt%以上であることが好ましい。
【0011】本発明において、合成条件を400℃以
上、1気圧以上としたのは、これらの条件を下回ると、
所望の単結晶酸化物を合成するには不十分であり、アモ
ルファス酸化物が生成するためである。合成温度に関し
ては、550℃以上であることが好ましい。なお、合成
温度の上限は、原料が封入される容器の融点、この容器
を収容する高圧容器の耐熱性によって制限される。例え
ば、Auの融点は1016℃、Agの融点は960℃で
ある。ただし、これらの金属とPtとの合金を用いれ
ば、融点が高くなる。一方、一般的に用いられているス
テライト製の高圧容器の耐熱性は約1000℃である
が、Moなどの高融点金属からなる高圧容器をを用いれ
ば、より高温まで加熱できる。
【0012】以上のように本発明の方法を用いれば、所
望のペロブスカイト構造を有するPb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 、Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Z
1-yTiy )O3 などの酸化物単結晶を合成すること
ができ、これらの酸化物単結晶は誘電体、圧電体などと
して応用することができる。
【0013】また、本発明によれば、予め核となる酸化
物単結晶を用意し、この酸化物単結晶を上述したような
容器内に封入した状態で原料を高温高圧下で処理して、
酸化物単結晶を育成させることも可能である。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下の実
施例では、図1および図2に示す装置を用いて酸化物単
結晶を合成した。
【0015】図1に示すように、カプセル1内に所定の
割合に秤量された酸化物原料2および水または鉱化剤水
溶液3を入れて封入する。鉱化剤水溶液としては、HC
l、KFなどのフッ化物水溶液、KOHなどの水酸化物
水溶液などが用いられる。
【0016】図2に示すように、原料が封入されたカプ
セル1を、テストチューブ型オートクレーブ4中に保持
し、400℃以上、1気圧以上の高温高圧下で処理す
る。カプセル1の上部および下部の温度は、熱電対5お
よび6により測定する。原料は水または鉱化剤水溶液へ
の溶解度の温度に対する傾きが正であるので、原料を高
温側に配置し、熱対流により目的物質を輸送して析出さ
せる。この際、上部と下部との温度差は5℃以上とする
ことが好ましい。 実施例1
【0017】市販のPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 の原
料粉末約50mgと純水70μlとを、外径3mm、内
径2.6mm、長さ50mmのAuカプセルに入れ、ア
ーク溶接により封入した。純水の量は所定温度でカプセ
ルの内圧と外圧との平衡が保てるように調節している。
Auカプセルをテストチューブ型オートクレーブに収容
して密封した後、Auカプセルの上部温度が700℃、
下部温度が760℃、圧力が98MPaになるように調
節し、3日間処理した。
【0018】この水熱処理により、Auカプセルの上部
に約0.2mmの大きさのPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 の結晶が成長した。この結晶をX線により解析した結
果、単結晶であり、ペロブスカイト相のみであることが
わかった。
【0019】一方、Auカプセルの代わりにPtカプセ
ルを用いて同様な実験を行ったところ、単結晶を得るこ
とができず、ペロブスカイト相とともにパイロクロア相
が生成していた。また、原料成分とカプセルとの反応生
成物であるPbPtが生成していた。 実施例2
【0020】出発原料として、Pb3 4 、MgCl2
およびNbCl5 をPb(Mg1/3Nb2/3 )O3 の組
成が得られるように秤量し、この原料粉末約50mgと
5規定のKOH水溶液30μlとを、外径3mm、内径
2.6mm、長さ33mmのPtカプセルに入れて封入
した。鉱化剤水溶液であるKOH水溶液の量は所定温度
でカプセルの内圧と外圧との平衡が保てるように調節し
ている。Ptカプセルをテストチューブ型オートクレー
ブに収容して密封した後、Ptカプセルの上部温度が8
00℃、下部温度が820℃、圧力が98MPaになる
ように調節し、19時間処理した。
【0021】この水熱処理により、Ptカプセルの上部
に約0.2mmの大きさのPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 の結晶が成長した。この結晶をX線により解析した結
果、単結晶であり、ペロブスカイト相のみであることが
わかった。
【0022】一方、Pb3 4 の代わりにPbOを用い
て同様な実験を行ったところ、Ptカプセルが劣化し破
裂していた。また、単結晶を得ることができず、パイロ
クロア相が生成していた。 実施例3
【0023】市販のPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 の原
料粉末約50mg、Pb3 4 48mgおよび純水30
μlを、外径3mm、内径2.6mm、長さ33mmの
Ptカプセルに入れ、アーク溶接により封入した。純水
の量は所定温度でカプセルの内圧と外圧との平衡が保て
るように調節している。Ptカプセルをテストチューブ
型オートクレーブに収容して密封した後、Ptカプセル
の上部温度が800℃、下部温度が825℃、圧力が9
8MPaになるように調節し、24時間処理した。
【0024】この水熱処理により、Ptカプセルの上部
に約0.1mmの大きさのPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 結晶が成長した。この結晶をX線により解析した結
果、単結晶であり、ペロブスカイト相のみであることが
わかった。
【0025】一方、Pb3 4 を添加せずに同様な実験
を行ったところ、Ptカプセルが劣化し破裂していた。
また、単結晶を得ることができず、パイロクロア相が生
成していた。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法を用い
れば、所望の組成を有する鉛を主成分とする酸化物単結
晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カプセル中に原料を封入した状態を示す断面
図。
【図2】カプセルを高圧容器内に保持した状態を示す断
面図。
【符号の説明】
1…カプセル、2…原料、3…水または鉱化剤水溶液、
4…テストチューブ型オートクレーブ、5、6…熱電
対。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛を主成分とする酸化物の原料をAuお
    よびAgからなる群より選択される少なくとも1種を主
    成分とする容器に保持し、400℃以上、1気圧以上の
    高温高圧状態で合成を行うことを特徴とする酸化物単結
    晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉛の原料としてPb3 4 、Pb2 3
    およびPbO2 からなる群より選択される少なくとも1
    種を含む鉛を主成分とする酸化物の原料を容器に保持
    し、400℃以上、1気圧以上の高温高圧状態で合成を
    行うことを特徴とする酸化物単結晶の製造方法。
JP27422292A 1992-10-13 1992-10-13 酸化物単結晶の製造方法 Pending JPH06122594A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09188597A (ja) * 1996-01-08 1997-07-22 Toshiba Corp 酸化物単結晶の製造方法
JP2013184884A (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 単結晶製造方法及び単結晶製造装置

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