JPWO2011125145A1 - 高電圧の回転電機 - Google Patents

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健一 菅
健一 菅
塩田 裕基
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厚 山竹
厚 山竹
茂之 山本
茂之 山本
利雄 磯岡
利雄 磯岡
信一 山口
信一 山口
梢 磯崎
梢 磯崎
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Abstract

高電圧の回転電機に必要な絶縁の信頼性を維持したままで、巻線の占積率を向上させた高効率の回転電機を提供することを目的として、極歯単位で円周方向に分割され電磁鋼板を積層した固定子ピースに、それぞれ電線を巻装して巻線を形成した複数の固定子分割体を、所定数環状に接合した固定子を有する回転電機において、上記固定子ピースの少なくとも上記電線が巻装される面に、ボイド含有率が2%以下の薄肉絶縁被覆を有するように構成した。

Description

この発明は、固定子ピースに電線を巻装した固定子分割体を所定数環状に接合した固定子を有する回転電機およびその製造方法に関する。
従来の回転電機においては、積層電磁鋼板からなる固定子ピースに一体成形したインシュレータにて対地絶縁層を設け、この対地絶縁層上にエナメル被覆された電線を巻装して固定子分割体を作成し、これを所定数接合することで環状の固定子を構成している(例えば、特許文献1参照)。また、別の従来の回転電機においては、板状部材を積層して構成された鉄心の表面に粉体塗装または電着塗装にて絶縁層を形成して、巻線を巻回している(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−333388号公報 特開平9−121492号公報
従来の回転電機の固定子では、固定子ピースと巻線との対地絶縁を一体成形したインシュレータにて確保しているため、インシュレータの厚み分、巻線が可能な空間が狭くなり、巻線の占積率が制限されるという問題があった。
また、別の従来の回転電機では、粉体塗装または電着塗装にて鉄心に薄い絶縁被覆を形成できるが、近年の回転電機の高電圧化に対応可能なほど十分な耐電圧性能が確保できず、適用可能な範囲が低電圧の小形モータに限定されるという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであって、高電圧の回転電機に必要な絶縁の信頼性を維持したままで、巻線の占積率を向上させた高効率の回転電機を提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機は、極歯単位で円周方向に分割され電磁鋼板を積層した固定子ピースに、それぞれ電線を巻装して巻線を形成した複数の固定子分割体を、所定数環状に接合した固定子を有する回転電機において、固定子ピースの少なくとも電線が巻装される面に、ボイド含有率が2%以下の薄肉絶縁被覆を有するものである。
また、回転電機の製造方法であって、電磁鋼板を積層して極歯単位で円周方向に分割された固定子ピースを作成する工程、固定子ピースの電線を巻装する面に、ボイド含有率が2%以下の薄肉絶縁被覆を、粉体塗装または電着塗装にて形成処理する工程、薄肉絶縁被覆が形成処理された固定子ピースに、電線を巻装して固定子分割体を作成する工程、固定子分割体を所定数環状に接合して固定子を形成する工程、および固定子に回転子を挿入組立てする工程を有するものである。
この発明は、高電圧の回転電機に必要な絶縁の信頼性を維持したままで、固定子の巻線の占積率を向上させた高効率の回転電機を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機の一部を分解して概略を示した斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の部分断面を示した斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子分割体の構成を説明するための斜視図である。 図3(c)の断面S1を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る薄肉絶縁被覆のボイド率を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態1に係る薄肉絶縁被覆の厚さを説明するための説明図である。 この発明の実施の形態2に係る薄肉絶縁被覆を設けた固定子ピースを示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る固定子分割体の断面図である。 この発明の実施の形態4に係る固定子分割体の断面図である。 この発明の実施の形態4に係る固定子分割体における図3(b)の断面S2に相当する部分の断面図である。 この発明の実施の形態4に係る固定子分割体の変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態5に係る固定子分割体の断面図である。 この発明の実施の形態5に係る互いに隣接する固定子分割体の接合の状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態6に係る互いに隣接する固定子分割体の接合の状態を示す断面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の一部を分解して概略を示した斜視図である。図1において、固定子2は回転子3を取り囲むように筐体4に保持されている。回転子2は回転軸5と一体に構成され、回転軸5は軸受6にて回動自在に保持されている。
図2は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の部分断面を示した斜視図である。同図では、極歯単位で円周方向に分割され電磁鋼板を積層した固定子ピース7に、それぞれ電線8を巻装して巻線9が形成された複数の固定子分割体10を、所定数環状に接合した固定子2を示しており、固定子分割体10の内部構造が分かるように部分断面をとっている。なお、隣り合う固定子分割体10の巻線9はそれぞれ異なる相となるので、相間の絶縁を確保するため絶縁板11が挿入されている。
図3は、この発明の実施の形態1に係る固定子分割体10の構成を説明するための斜視図である。図3(a)に示すように、固定子分割体10を構成する固定子ピース7は、電磁鋼板を積層後に略T状に打ち抜いて形成され、巻き溝12を有している。図3(b)に示すように、この巻き溝12は、絶縁層となる薄肉絶縁被覆13にて覆われている。図3(c)に示すように、この薄肉絶縁被覆13に覆われた巻き溝12に電線8を巻装して巻線9が形成され、固定子分割体10が構成されている。なお、薄肉絶縁被覆13は、固定子ピース7と巻線9との絶縁を確保すると共に、張力をかけて巻装される電線8の破損防止の役割を担っているが、一般に固定子ピース7は対地電位となるので、薄肉絶縁被覆13は巻線9と対地の絶縁を担うことになる。
図4は、図3(c)の断面S1を図中の矢印の方向から見た断面図である。同図において、電線8は、導線8aに被覆8b、例えばエナメル被覆を施した被覆電線であり、固定子ピース7の中心軸側から順次巻装されて固定子分割体10が作成される。この巻装された電線8の内、固定子ピース7の巻き溝12を構成する面と対向する電線8に対しては、通常の運転状態で印加される電圧のみならずサージなどの高電圧で地絡しないように絶縁設計を行う必要がある。しかし、上記エナメル被覆には、製造時の不具合や、巻装時の外力の剥離、亀裂などによりピンホールが生じる可能性があるので、薄肉絶縁被覆13に十分な絶縁性能を持たすことが好ましい。
薄肉絶縁被覆13は、樹脂を主成分とした絶縁材料、例えば、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、PPS(ポリフェニレンサルファイド)など、熱硬化性もしくは熱可塑性の樹脂を、適切な条件で粉体塗装または電着塗装を用いて形成した絶縁膜である。この薄肉絶縁被覆13の形成は、電線8を巻装して固定子分割体10を作成する工程の前に、電線8が巻装される固定子ピース表面におこなわれるので、環境の制約を受けず塗布処理ができ、塗布条件を最適化することでピンホールが無く且つボイドの含有を抑制した安定な膜質が得られる。
以下、エポキシを用いて粉体塗装にて薄肉絶縁被覆13を形成する場合の一例についてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
粉体塗装に用いる粉体塗料は、エポキシ樹脂、硬化剤および所望により用いられる硬化促進剤、充填剤、顔料、タレ防止材、レベリング材などの成分から構成される。エポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのものは単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エポキシ樹脂組成物に用いられる硬化剤としては、エポキシ樹脂組成物に従来から用いられている硬化剤、例えば酸無水物、イミダゾール類、フェノール系化合物、アミド類等が挙げられる。中でもイミダゾール類が保存安定性と反応性とのバランスに優れるので好ましい。
エポキシ樹脂と硬化剤との配合割合は質量比で100:0.5〜100:7程度の範囲である。この範囲よりエポキシ樹脂の割合が多いと、例えば、200℃、30分加熱しても粉体塗料が十分に硬化せず、絶縁層としての塗膜の特性が悪くなることがあり、この範囲よりエポキシ樹脂の割合が少ないと、保存安定性が低下するうえ、硬化が速くなり過ぎるため、絶縁層表面の平滑性が低下することがある。
このようなエポキシ組成物の粉体塗料を、予熱により温度調整した固定子ピース7に、流動浸漬法もしくは摩擦帯式電静スプレー法にて2〜5回程度の塗布した後、付着した塗膜を赤外線ヒータなどで約165℃まで昇温して溶融させる。続いて約150℃の熱風循環路にて1時間程度硬化させることで所望の厚さの薄肉絶縁被膜13が得られる。
図5は、この発明の実施の形態1に係る薄肉絶縁被覆13のボイド率を説明するための説明図であり、ボイドがない場合の薄肉絶縁被覆の絶縁耐圧Vに対する、ボイド含有率αがそれぞれ1%、2%、3%、4%の場合の絶縁耐圧Vαの比を示している。同図から、ボイド含有率αが2%よりも大きくなると絶縁耐圧が急に低下することが分かる。つまり、ボイド含有率αを2%以下に抑制することにより、ボイドがない場合に相当する絶縁耐圧を得ることができるといえる。
図6は、この発明の実施の形態1に係る薄肉絶縁被覆の厚さを説明するための説明図であり、固定子ピース7の巻き溝12を構成する電磁鋼板を積層した面に設けられた薄肉絶縁被覆13の厚さDと絶縁耐圧の関係を示している。横軸は、薄肉絶縁被覆13の厚さDであり、縦軸は、第2の薄肉絶縁被覆13の厚さが150μmの場合の絶縁耐圧V150に対する厚さがDの場合の絶縁耐圧Vの割合V/V150である。固定子ピース7は薄い電磁鋼板を積み上げることにより作られているため、巻き溝12の表面には凹凸がある。同図中、領域D1(50μm未満)では、上記凸凹による電界集中が原因で絶縁耐圧が急激に下がる。領域D2(50μm以上150μm以下)では、上記凹凸による電界集中も抑制され且つボイドも発生しにくくなることから、絶縁厚さ分に相当した絶縁耐圧が得られることになる。領域D3(150μm超)では、絶縁層の厚さを増やすと、製造時に絶縁層内部に気泡ボイドが出来やすくなることに起因して、絶縁層厚さによる絶縁耐圧の向上効果が阻害される。つまり、領域D1では絶縁耐力が不足する可能性が高く、領域D3では絶縁耐力に寄与せずに巻き溝12の空間を狭くする絶縁被膜層が生じることを示している。
よって、薄肉絶縁被覆13の厚さが50μm以上150μm以下となるように絶縁設計をすれば、単位膜厚あたりの絶縁性能を高くでき、その分、巻線に利用できる空間を得ることが出来る。また、この厚さは、従来のインシュレータを用いる場合と比較して1/5〜1/2に薄肉化されることになる。つまり、薄肉絶縁被覆13の厚さを50μm以上150μm以下にすることで、一層、巻線占積率を向上させることが可能となる。
このようにして作成された固定子分割体10を、所定数環状に接合して固定子2を形成し、さらに固定子2に回転子3を挿入して筐体に組み込むことで、高電圧に耐え得る絶縁構造をもち、高電圧の回転電機に必要な絶縁の信頼性を維持したままで、巻線の占積率を向上させた高効率の回転電機1が得られる。
以上より、この実施の形態では、極歯単位で円周方向に分割され電磁鋼板を積層した固定子ピース7に、それぞれ電線8を巻装して巻線9を形成した複数の固定子分割体10を、所定数環状に接合した固定子2を有する回転電機において、固定子ピース7の少なくとも電線8が巻装される面に、ピンホールが無く且つボイド含有率が2%以下の薄肉絶縁被覆を設けたので、ボイドなどによる絶縁耐圧の低下がなく、巻線9と対地絶縁の信頼性を維持したままで固定子2の巻線の占積率を向上させることができ、高電圧化に対応した高効率の回転電機1を実現できるという効果が得られる。
さらに、薄肉絶縁被覆13の厚さを50μm以上150μm以下とすることで、電磁鋼板を積層した面に生じる凹凸の電界集中による悪影響をより薄い膜厚で除くことができるので、その分、巻線の占積率を向上させることができる。
また、回転電機1を、電磁鋼板を積層して極歯単位で円周方向に分割された固定子ピース7を作成する工程、固定子ピース7の電線8を巻装する面に、ピンホールが無く且つボイド含有率が2%以下の薄肉絶縁被覆13を、粉体塗装または電着塗装にて形成処理する工程、薄肉絶縁被覆13が形成処理された固定子ピース7に、電線8を巻装して固定子分割体10を作成する工程、固定子分割体10を所定数環状に接合して固定子2を形成する工程、および固定子2に回転子3を挿入組立てする工程を経て製造するので、高電圧化に対応した高効率の回転電機1を得られる。
なお、この実施の形態では、薄肉絶縁被覆13の形成方法として粉体塗装および電着塗装などを示したが、静電引力を用いたスプレー拭きつけ、および流動浸漬などでも良い。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る薄肉絶縁被覆を設けた固定子ピースを示す斜視図である。実施の形態1では、固定子ピース7の巻き溝12を構成する面のみに薄肉絶縁被覆13を設けたが、図7に示すように、固定子2の端となる固定子ピース7の端面14に薄肉絶縁被膜13を設けても良い。
このように固定子ピース7の端面側14に薄肉絶縁被覆13を設けることで、最外層の巻線9の端に位置する電線8と固定子ピース7との絶縁を強化することができる。これにより、巻線9を巻き溝12の溝深さの全てを使って巻装できるようになるので、その分、巻線の占積率を向上させることができる。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係る固定子分割体の断面図である。実施の形態1では、樹脂を主成分とした絶縁材料、例えば、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、PPSなどの薄肉絶縁被覆13によって固定子ピース7の巻き溝12を構成する面を覆うようにしたが、図8に示すように、薄肉絶縁被覆13として直鎖の長い分子構造をもつ低弾性エポキシや低弾性ポリイミド、低弾性ポリアミド、ポリエステル、もしくはシリコーンゴム、ウレタンなどの固定子ピース7に電線8を巻装する時に生じる外力により変形可能な絶縁材料を用いて、固定子ピース7の薄肉絶縁被覆13と、それに隣接する電線8の対向する凹凸表面と空隙なく密接させるように構成しても良い。
このように固定子ピース7の薄肉絶縁被覆13と、それに隣接する電線8の対向する凹凸表面と空隙なく密接させるように構成することで、絶縁の弱点部となる電線8と固定子ピース7との間の空隙をなくすことができる。さらに、変形可能な絶縁材料を用いることで、変位吸収作用や応力緩和作用がより発揮され、巻線工程などの製造時に生じるクラックなどの絶縁欠陥の発生を抑制することができる。これらにより、絶縁信頼性が一層向上する。
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4に係る固定子分割体の断面図である。実施の形態1では、1層の薄肉絶縁被覆13によって固定子ピース7の巻き溝12を構成する面を覆うようにしたが、図9に示すように、固定子ピース7の電線8が巻装される面に密接する第1の薄肉絶縁被覆13aの上に、電線8と対向する第2の薄肉絶縁被服13bを設けてもよい。
図10は、第1および第2の薄肉絶縁被服13a、13bを設けた場合の図3(b)の断面S2に相当する部分の断面図を示しており、巻き溝12のコーナー部15の曲率半径を増大させることができるので、特に巻き溝12内側の第1層目の巻線への応力を緩和できる。これにより、巻線工程など製造時に生じる電線8の被覆8bへのクラックなどの絶縁欠陥の発生を抑制することができ、絶縁信頼性が一層向上する。
なお、この実施の形態では、第1および第2の薄肉絶縁被覆13a、13bにて2層の薄肉絶縁被覆13を形成するようにしたが、各層の薄肉絶縁被覆は従来のインシュレータに比べて非常に薄く形成することができるので、3層以上の多層としても良い。
また、図11は、この発明の実施の形態4に係る固定子分割体の変形例を示す断面図である。同図のように、多層の薄肉絶縁被覆13を、樹脂を主成分とした絶縁材料、例えば、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、PPSなどから成る第1の薄肉絶被覆13aと、外力により変形可能な絶縁材料、例えば、直鎖の長い分子構造をもつ低弾性エポキシや低弾性ポリイミド、低弾性ポリアミド、ポリエステル、もしくはシリコーンゴム、ウレタンなどから成る第2の薄肉絶縁被覆13bとで、2層に構成しても良い。
実施の形態5.
図12は、この発明の実施の形態5に係る固定子分割体10の断面図である。同図の固定子分割体10では、固定子分割体10の巻線を構成する電線8の内、最外層電線部8cの固定子分割体10が互いに隣接する側に、相間の絶縁被覆16を設けている。その他の構成は、実施の形態1と同じなので説明を省略する。
相間の絶縁被覆16のボイド含有率と絶縁耐圧の関係は、薄肉絶縁被覆13と同様に、図5で示す関係となる。同図は、ボイドがない場合の薄肉絶縁被覆の絶縁耐圧Vに対する、ボイド含有率αがそれぞれ1%、2%、3%、4%の場合の絶縁耐圧Vαの比を示しており、ボイド含有率αが2%よりも大きくなると絶縁耐圧が急に低下することが分かる。つまり、ボイド含有率αを2%以下に抑制することにより、ボイドがない場合に相当する絶縁耐圧を得ることができるといえる。
図13は、図12に示した複数の固定子分割体10a、10bの接合の状態を示す断面図である。それぞれの固定子ピース7a、7bに巻装された電線の最外層となる最外層電線部8c(図13中、破線で囲んだ電線の列)における、互いに隣接する上記固定子分割体10a、10bが対向する側の面に、ボイド含有率が2%以下の相間の絶縁被覆16が設けられている。
この相間の絶縁被覆16は、互いに隣接する固定子分割体10a、10bの異なる相となり巻線の間の絶縁を確保する役割を担う。このように相間の絶縁被覆16を配置することで、それぞれの固定子分割体10a、10bの巻線が、異なる相の巻線と直接対向することがなく、電線の被覆にピンホールなどの絶縁欠陥があったとしても、相間の耐電圧が低下することは無い。従って、絶縁の信頼性を維持するために、互いに隣接する固定子分割体10a、10bの巻線間の距離を広げる必要もなく、その分、巻線の占積率を向上させることができる。
また、この実施の形態では、異なる相となる巻線間の絶縁のために絶縁紙を使用しないため、従来のような絶縁紙の挿入工程が必要無く、簡便に回転電機の固定子を組み立てることができる。
相間の絶縁被覆16は、スプレーなどにより、樹脂を主成分とした絶縁材料、例えば、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、PPS(ポリフェニレンサルファイド)など、熱硬化性もしくは熱可塑性の樹脂を主剤とした絶縁膜を、巻装後の最外層電線部8cの上から塗布する工程で、容易に任意の厚さに可変させて形成できる。しかも、粉体塗装、電着塗装などを用いることで、ボイドの殆ど無い良質な絶縁膜が得られる。
尚、図13では、固定子分割体10a、10bにそれぞれ設けた相間の絶縁被覆16の間に間隙がある場合を示したが、固定子分割体10a、10bのそれぞれの相間の絶縁被覆16の厚さを調整して、この間隙が生じないようにしても良い。このように間隙なく、互いに隣接する固定子分割体の巻線が対向する側における最外層電線部の面を覆うことで、上記間隙が存在することによる電界集中が緩和されるので、より相間の絶縁の信頼性が向上する。
また、図13では、実施の形態1のように薄肉絶縁被覆13が形成された固定子ピース7を用いる場合を示したが、実施の形態2〜4で示した薄肉絶縁被覆13が形成された固定子ピース7を用いてもよく、同様な効果があることは言うまでもない。
実施の形態6.
実施の形態5では、熱硬化性もしくは熱可塑性の樹脂を主剤とした絶縁膜で形成された相間の絶縁被覆16によって、それぞれ相間で対向する最外層電線部8cの相間側の面を覆うように構成したが、相間の絶縁被覆16として、直鎖の長い分子構造をもつ低弾性エポキシや低弾性ポリイミド、低弾性ポリアミド、ポリエステル、もしくはシリコーンゴム、ウレタンなどの外力により大きく変形可能な絶縁材料を用いても良い。このような構成とすることで、図14に示すように、隣接する最外層電線部8c上の相間の絶縁被覆16の間を相互に密接させることができるのみならず、これらと隣接する最外層電線部8cの凹凸表面と空隙無く密接するように構成することが可能となる。これにより、絶縁の弱点部となる最外層電線部8cの凹凸状の空隙をなくすことができ、絶縁信頼性をさらに一層向上させることができる。
1 回転電機、2 固定子、3 回転子、4 筐体、5 回転軸、6 軸受、7、7a、7b 固定子ピース、8 電線、8a 導線、8b 被覆、8c 最外層電線部、9 巻線、10、10a、10b 固定子分割体、11 絶縁板、12 巻き溝、13 薄肉絶縁被覆、13a 第1の薄肉絶縁被覆、13b 第2の薄肉絶縁被覆、14 端面側、15 コーナー部、16 相間の絶縁被覆。
この発明に係る回転電機は、極歯単位で円周方向に分割され電磁鋼板を積層した固定子ピースに、それぞれ、被覆を施した電線を巻装して巻線を形成した複数の固定子分割体を、所定数環状に接合した固定子を有する回転電機において、固定子ピースの少なくとも電線が巻装される面に、ボイド含有率が2%以下且つ厚さが100μmより大きく150μm以下の薄肉絶縁被覆を有し、該薄肉絶縁被覆を用いて所定の高電圧に耐える絶縁構造を有するものである。

Claims (10)

  1. 極歯単位で円周方向に分割され電磁鋼板を積層した固定子ピースに、それぞれ電線を巻装して巻線を形成した複数の固定子分割体を、所定数環状に接合した固定子を有する回転電機において、
    上記固定子ピースの少なくとも上記電線が巻装される面に、ボイド含有率が2%以下の薄肉絶縁被覆を有することを特徴とする回転電機。
  2. 固定子ピースに巻装された電線の最外層となる最外層電線部における、互いに隣接する上記固定子分割体が対向する側の面に、ボイド含有率が2%以下の相間の絶縁被覆を有することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 薄肉絶縁被覆の厚さは、50μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  4. 薄肉絶縁被覆は、隣接する電線の対向する凹凸表面と空隙なく密接することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機。
  5. 薄肉絶縁被覆は、固定子ピースに電線を巻装する時に生じる外力により変形可能な絶縁材料にて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の回転電機。
  6. 薄肉絶縁被覆は、少なくとも、固定子ピースの電線が巻装される面と密接する第1の薄肉絶縁被覆と、上記電線と対向する第2の薄肉絶縁被覆とを有する多層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機。
  7. 相間の絶縁被覆は、互いに隣接する固定子分割体の巻線が対向する側における最外層電線部の面を、覆うように構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機。
  8. 相間の絶縁被覆は、互いに隣接する固定子分割体の巻線が対向する側における最外層電線部の面を、間隙なく覆うように構成することを特徴とする請求項7記載の回転電機。
  9. 電磁鋼板を積層して極歯単位で円周方向に分割された固定子ピースを作成する工程、
    上記固定子ピースの電線を巻装する面に、ボイド含有率が2%以下の薄肉絶縁被覆を、粉体塗装または電着塗装にて形成処理する工程、
    上記薄肉絶縁被覆が形成処理された上記固定子ピースに、電線を巻装して固定子分割体を作成する工程、
    上記固定子分割体を所定数環状に接合して固定子を形成する工程、
    および上記固定子に回転子を挿入組立てする工程を有することを特徴とする回転電機の製造方法。
  10. 固定子分割体の巻装した電線の最外層となる最外層電線部の外側の面に、ボイド含有率が2%以下の相間の絶縁被覆を粉体塗装または電着塗装にて形成処理する工程を有することを特徴とする請求項9記載の回転電機の製造方法。
JP2012509197A 2010-04-05 2010-12-24 高電圧の回転電機 Pending JPWO2011125145A1 (ja)

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