JPWO2011111311A1 - 構造体、配線基板および配線基板の製造方法 - Google Patents

構造体、配線基板および配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

構造体(10)は、互いに対向している、少なくとも三つ以上の導体(111、131、151)と、導体(111、131、151)のそれぞれを貫通する貫通ビア(101)と、貫通ビア(101)の周囲を囲うように設けられる開口(112、152)と、導体(111、131、151)の位置する層とは異なる層に位置し、貫通ビア(101)に接続されている導体エレメント(121、141)と、を備える。そして、開口(112)に対して、開口(112)より大きい導体エレメント(121)が対向し、開口(152)に対して、開口(152)より大きい導体エレメント(141)が対向している。

Description

本発明は、構造体、配線基板および配線基板の製造方法に関する。
近年、特定の構造を有する導体パターンを周期的に配置すること(以下、メタマテリアルと記載)で電磁波の伝播特性を制御できることが明らかになっている。特に、特定の周波数帯域における電磁波伝播を抑制するように構成されるメタマテリアルを、電磁バンドギャップ構造(以下、EBG構造と記載)と呼んでいる。このEBG構造は、配線基板中を伝播するノイズ対策等に用いられる。
この種の技術として、例えば特許文献1(米国特許第6262495号明細書)に記載の技術がある。特許文献1のFIG.2には、シート状の導体プレーンの上方に島状の導体エレメントを複数配置し、この島状の導体エレメントそれぞれをビアで導体プレーンに接続した構造、いわゆるマッシュルーム型のEBG構造が示されている。
また、この種の技術として、例えば特許文献2(特開2009−21594号公報)に記載の技術がある。特許文献2の技術は、上述の特許文献1で説明したマッシュルーム型のEBG構造の変形例であり、マッシュルームの軸に相当するビアを貫通ビアとすることを特徴とする。この特徴によって、マッシュルーム型のEBG構造を備える配線基板(印刷回路基板)の製造工程を短縮することができる。
米国特許第6262495号明細書 特開2009−21594号公報
通常、配線基板は多層で形成され、貫通ビアが多数設けられている。そのため配線基板内の導体層には貫通ビアが通過するためのクリアランスホールが多数形成されている。上述の特許文献1、2に開示されている構造では、導体エレメント(金属板)を介して対向する導体層(金属層)に挟まれる層にはEBG構造は構成されているが、他の層にはEBG構造が構成されない。従って、EBG構造が形成されている導体層間のノイズ抑制可能だが、クリアランスホールを介してEBGが設けられていない他の層に電磁波が漏洩してしまい、その結果ノイズ対策として問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少なくとも三つの導体層を備える多層の配線基板において、各々の導体層の間にEBG構造を貫通ビアにて構成する構造体、配線基板、または配線基板の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、互いに対向している、少なくとも三つ以上の第1導体と、前記第1導体の各々を貫通する貫通ビアと、前記第1導体のうち少なくとも一つに、当該第1導体を貫通する前記貫通ビアの周囲を囲うように設けられ、当該第1導体と前記貫通ビアとを絶縁させる開口と、前記第1導体の位置する層とは異なる複数の層に夫々位置し、前記貫通ビアに接続されている複数の第2導体と、を備え、さらに、前記開口の面積は、いずれの前記第2導体の面積よりも小さいことを特徴とする構造体が提供される。
また、本発明によれば、互いに対向している、少なくとも三つ以上の第1導体と、前記第1導体の各々を貫通する貫通ビアと、前記第1導体のうち少なくとも一つに、当該第1導体を貫通する前記貫通ビアの周囲を囲うように設けられ、当該第1導体と前記貫通ビアとを絶縁させる開口と、前記第1導体の位置する層とは異なる複数の層に夫々位置し、前記貫通ビアに接続されている複数の第2導体と、を備え、さらに、前記開口の面積は、いずれの前記第2導体の面積よりも小さい構造体を備えることを特徴とする配線基板が提供される。
さらに、本発明によれば、(a)少なくとも三つ以上の第1導体を互いに対向させて配置し、さらに前記第1導体の位置する層とは異なる複数の層の夫々に複数の第2導体を配置し、前記第1導体の各々と前記第2導体の各々とが対向するように積層させるステップと、(b)前記第1導体の各々と、前記第2導体の各々とを、貫通するスルーホールを設け、当該スルーホール内に、前記第1導体の少なくとも一つと絶縁し、かつ前記第2導体の各々と接続する貫通ビアを形成するステップと、を備え、さらに、(b)のステップに伴って前記貫通ビアと絶縁される前記第1導体に形成され、当該貫通ビアを通過する開口の面積が、いずれの前記第2導体よりも小さいことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、少なくとも三つの導体層を備える多層の配線基板において、各々の導体層の間にEBG構造を貫通ビアにて構成する構造体、配線基板、または配線基板の製造方法が提供される。
本発明の実施の形態に係る構造体の一例の斜視図である。 導体エレメントが取り得る変形例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る構造体の一例の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る構造体の一例の斜視図である。 導体が取り得る変形例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る構造体の一例の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る構造体の一例の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る構造体を組み合わせて構成される構造体の一例の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る配線基板の上面図と断面図である。 配線基板が取りうる構造体の配列パターンを示す図である。 配線基板が取りうる構造体の配列パターンを示す図である。 配線基板が取りうる構造体の配列パターンを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る構造体10の一例の斜視図である。構造体10は、A層11、B層12、C層13、D層14およびE層15を少なくとも有する配線基板100に形成される導体性の各種構成要素によって構成される(図9参照)。
構造体10は、互いに対向し、少なくとも三つ以上の導体111、131、151(第1導体)を備える。また、構造体10は、導体111、131、151のそれぞれを貫通し、貫通した導体111、131、151のうち少なくとも一つと絶縁されている貫通ビア101を備える。そして、構造体10は、貫通ビア101と絶縁されている導体111に開口112を設け、貫通ビア101と絶縁されている導体151に開口152を設ける。さらに、構造体10は、導体111、131、151の位置する層とは異なる複数の層に夫々位置し、貫通ビア101に接続されている導体エレメント121、141(第2導体)を備える。なお、開口112と開口152とは、図示されているように、貫通ビア101が通過している。また、開口112の面積は、導体エレメント121や導体エレメント141の面積より小さく、開口152の面積は、導体エレメント121や導体エレメント141の面積より小さい。さらに、開口112と導体エレメント121とは他の導体を介さずに対向しており、開口152と導体エレメント141とは他の導体を介さずに対向している。そして、導体エレメント121の一部は開口112の周囲の導体(導体111の一部)と対向しており、導体エレメント141の一部は開口152の周囲の導体(導体151の一部)と対向している。
構造体10は、上述のA層11、B層12、C層13、D層14およびE層15以外の層を備えても構わない。例えば、各層の間には誘電体層が位置してもよい。また、構造体10は、本発明の構成に矛盾しない範囲で、図示しない孔やビア、信号線等を他に備えてもよい。
開口112または開口152は必ずしも中空である必要はなく、その内部に誘電体が充填されていてもよい。すなわち、貫通ビア101は、開口112または開口152に充填されている誘電体を貫き、かつ導体111または導体151と非接触に形成されてもよい。
図1において、導体111、131、151と、導体エレメント121、141とは、いずれも導体性の平板として図示されている。また、図1において、導体111、131、151は導体エレメント121、141よりも大きなサイズの平板として図示されている。
構造体10が配線基板100に繰り返し配列されるとき、隣接する導体111同士は接続され、これは導体131、導体151においても同様である。また、隣接する導体エレメント121同士は、その間に間隙を有し、島状に配置され、これは導体エレメント141も同様である。上記の原則を崩さない範囲で、導体111、131、151と、導体エレメント121、141とのサイズは定められればよい。従って、本発明において、導体111、131、151は、導体エレメント121、141のサイズより小さくなることも有りうる。
なお、構造体10において、導体111、131、151のうち貫通ビア101と接続される導体には、基準電位を与えてグラウンドとして機能させることが望ましい。また、貫通ビア101と絶縁する必要のある導体には、貫通ビア101を通過させる開口が設けられる。
貫通ビア101は、導体111、131、151のうち両端に位置する導体については完全に貫かなくてもよい。すなわち、貫通ビア101の一部が、両端に位置する導体111または導体151の内部に僅かにでも形成されていればよい。
また、貫通ビア101、導体111、導体エレメント121、導体131、導体エレメント141または導体151は、導電性の素材であればよく、各々が同一の素材であってもよいし、異なる素材であってもよい。
なお、導体111はA層11、導体エレメント121はB層12、導体131はC層13、導体エレメント141はD層14、導体151はE層15に位置するものとする。また、A層11、B層12、C層13、D層14およびE層15の相対的な位置関係は変更可能であり、これによって、導体111、導体エレメント121、導体131、導体エレメント141、導体151における相互の位置関係も変更可能なものとする。
上述のような構成をとることによって、導体111と導体131とから構成される平行平板は、導体エレメント121と貫通ビア101とともに、電磁バンドギャップ構造の少なくとも一部を構成することができる。また、導体131と導体151とから構成される平行平板は、導体エレメント141と貫通ビア101とともに、電磁バンドギャップ構造の少なくとも一部を構成することができる。なお、導体111と導体エレメント121の間隔、導体エレメント121と導体131の間隔、導体131と導体エレメント141の間隔、導体エレメント141と導体151の間隔、貫通ビア101の太さ、および導体エレメント121、141の相互間隔などを調節することにより、電磁波伝播の抑制対象となる周波数帯域(バンドギャップ帯域)を所望の値に定めることができる。より詳細な説明は後述とする。
図1に示す構造体10は、図の上から導体111、導体エレメント121、導体131、導体エレメント141、導体151の順番でそれぞれが配置されている。導体131は貫通ビア101と接続している。そして、導体111と導体151とは、導体131を介して互いに対向している。導体111は、貫通ビア101が通過している開口112を有し、かつ貫通ビア101と絶縁されている。また、導体151は、貫通ビア101が通過している開口152を有し、かつ貫通ビア101と絶縁されている。
また、導体111、131、151と、導体エレメント121、141とは、四角形の形状で図示されているが、これに限らず、多様な変形例を取り得る。
図2は、図1に示す構造体10の導体エレメント121または導体エレメント141が取り得る変形例を示す図である。図2(A)は、図1に示す構造体10で用いられる導体エレメント121または導体エレメント141の上面図である。導体エレメント121、141は四角形の形状をしており、いわゆるマッシュルーム型の構造体10を構成することができる。詳細には、貫通ビア101はマッシュルームの軸部分に相当し、インダクタンスを形成している。一方、導体エレメント121がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体111との間でキャパシタンスを形成する。また、導体エレメント141がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体151との間でキャパシタンスを形成する。
なお、マッシュルーム型の構造体10を構成しうる導体エレメント121または導体エレメント141の形状は、四角形に限らず、三角形や六角形等の多角形、円形等であっても構わない。
マッシュルーム型EBG構造は、平行平板を前記キャパシタンスと前記インダクタンスからなる直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121を、キャパシタンスを形成するそれぞれの対向する導体111に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント121を対向する導体111に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。また、導体エレメント141を、キャパシタンスを形成するそれぞれの対向する導体151に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント141を対向する導体151に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
図2(B)は、図1に示す構造体10における導体エレメント121または導体エレメント141の一例の上面図である。ここで図示する導体エレメント121または導体エレメント141は平面方向に形成される螺旋状の伝送線路であって、一端は貫通ビア101に接続され、他端はオープン端となっている。ここで図示する導体エレメント121または導体エレメント141を用いることによって、構造体10は、導体エレメント121または導体エレメント141を含んで形成されるマイクロストリップ線路がオープンスタブとして機能するオープンスタブ型のEBG構造を構成することができる。貫通ビア101はインダクタンスを形成している。一方、導体エレメント121が、それぞれ導体111と電気的に結合することで導体111をリターンパスとするマイクロストリップ線路を形成している。また、導体エレメント141が、それぞれ導体151と電気的に結合することで導体151をリターンパスとするマイクロストリップ線路を形成している。
オープンスタブ型EBG構造は、平行平板を、前記オープンスタブと、前記インダクタンスからなる、直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121または導体エレメント141を含んで形成されるオープンスタブのスタブ長を長くすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。
なお、マイクロストリップ線路を形成する導体エレメント121と対向する導体111は近接していることが好ましい。また、マイクロストリップ線路を形成する導体エレメント141と対向する導体151は近接していることが好ましい。なぜならば、導体エレメントと対向プレーンの距離が近いほど、前記マイクロストリップ線路の特性インピーダンスが低くなり、バンドギャップ帯域を広帯域化することができるためである。ただし、導体エレメント121を対向する導体111に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。また、導体エレメント141を対向する導体151に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
図2(C)は、図1に示す構造体10における導体エレメント121または導体エレメント141の一例の上面図である。ここで図示する導体エレメント121または導体エレメント141は四角形の導体であって、開口を有している。その開口の中には、一端が当該開口の淵に接続され、他端は貫通ビア101に接続される螺旋状のインダクタが形成されている。ここで図示する導体エレメント121または導体エレメント141を用いることによって、構造体10は、マッシュルーム型EBG構造を基本として、マッシュルームのヘッド部分にインダクタを設けることでインダクタンスを増加させた、インダクタンス増加型のEBG構造を構成することができる。導体エレメント121がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体111との間でキャパシタンスを形成する。また、導体エレメント141がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体151との間でキャパシタンスを形成する。
インダクタンス増加型EBG構造は、平行平板を前記キャパシタンスと前記インダクタンスからなる直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121を、キャパシタンスを形成する導体111に接近させて、キャパシタンスを大きくする、または前記インダクタの長さを長くしてインダクタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント121を対向する導体111に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。また、導体エレメント141を、キャパシタンスを形成する導体151に接近させて、キャパシタンスを大きくする、または前記インダクタの長さを長くしてインダクタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント141を対向する導体151に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
図3は、本実施形態に係る構造体10の一例の斜視図である。図3に示す構造体10において、導体111、131、151のうち、両端に位置する導体111または導体151は、貫通ビア101が通過している開口112または開口152を有し、かつ貫通ビア101と絶縁されている。また、その間に位置する導体131は、貫通ビア101と接続している。そして、導体エレメント121は、導体111より上側に位置し、導体エレメント141は、導体151より下側に位置している。
図3の構造は、マッシュルーム型EBG構造を変形させた例である。詳細には、貫通ビア101はマッシュルームの軸部分に相当し、インダクタンスを形成している。一方、導体エレメント121または導体エレメント141がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体111または導体151との間でキャパシタンスを形成する。
図3の構造も、マッシュルーム型EBG構造と同様に、平行平板を前記キャパシタンスと前記インダクタンスからなる直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121または導体エレメント141を、キャパシタンスを形成する導体111または導体151に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント121または導体エレメント141を対向する導体111または導体151に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
図3に示す構造体10における導体エレメント121または導体エレメント141は、図2(B)に示す形状を取り得る。このとき、構造体10は、上述したオープンスタブ型EBG構造の特性を同様に有する。また、図3に示す構造体10における導体エレメント121または導体エレメント141は、図2(C)に示す形状を取り得る。このとき構造体10は、上述したインダクタンス増加型EBG構造の特性を同様に有する。
図4は、本実施形態に係る構造体10の一例の斜視図である。図4に示す構造体10において、図の上から導体111、導体エレメント121、導体131、導体エレメント141、導体151の順番でそれぞれが配置されている。導体111、131、151のうち、両端に位置する導体111、151と、貫通ビア101とが接続している。そして、その間に位置する導体131は、貫通ビア101が通過している開口132を有し、かつ貫通ビア101と絶縁されている。そして、導体エレメント121は導体111と導体131との間に位置し、導体エレメント141は導体131と導体151との間に位置している。
上述した図4の構造は、マッシュルーム型EBG構造を変形させた例である。詳細には、貫通ビア101はマッシュルームの軸部分に相当し、インダクタンスを形成している。一方、導体エレメント121または導体エレメント141がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体131との間でキャパシタンスを形成する。
図4の構造も、マッシュルーム型EBG構造と同様に、平行平板を前記キャパシタンスと前記インダクタンスからなる直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121または導体エレメント141を、キャパシタンスを形成する導体131に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント121または導体エレメント141を対向する導体131に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
図4に示す構造体10の導体エレメント121または導体エレメント141は、図2(B)に示す形状を取り得る。このとき、構造体10は、図2(B)を用いて説明したオープンスタブ型EBG構造の特性を同様に有する。
また、図4に示す構造体10の導体エレメント121または導体エレメント141は、図2(C)に示す形状を取りうる。このとき、構造体10は、図2(C)を用いて説明したインダクタンス増加型EBG構造の特性を同様に有する。
図5は、図4に示す構造体10における導体111または導体151の一例の上面図である。ここで図示する導体111または導体151は開口を有し、当該開口の中に、一端は当該開口の淵に接続され、他端は貫通ビア101に接続される螺旋状のインダクタが形成される。なお、図5で図示される導体111または導体151は、図2(A)で図示される導体エレメント121または導体エレメント141と共に用いられる。図5で図示される導体111または導体151と、図2(A)で図示される導体エレメント121または導体エレメント141とを用いることによって、構造体10は、マッシュルーム型EBG構造を基本として、導体111または導体151にインダクタを設けることでインダクタンスを増加させた、インダクタンス増加型のEBG構造を構成することができる。導体エレメント121がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体131との間でキャパシタンスを形成する。また、導体エレメント141がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体131との間でキャパシタンスを形成する。一方、貫通ビア101はマッシュルームの軸部分に相当し、導体111または導体151に設けられたインダクタと共にインダクタンスを形成している。
インダクタンス増加型EBG構造は、平行平板を前記キャパシタンスと前記インダクタンスからなる直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121または導体エレメント141を、キャパシタンスを形成する導体131に接近させて、キャパシタンスを大きくする、または前記インダクタの長さを長くしてインダクタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント121または導体エレメント141を対向する導体131に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
図6は、本実施形態に係る構造体10の一例の斜視図である。図6に示す構造体10において、導体151は、貫通ビア101と接続されている。また、導体151を基準としたとき、導体111および導体131は、同じ側に位置している。導体111は、貫通ビア101が通過している開口112を有し、かつ貫通ビア101と絶縁されている。導体131は、貫通ビア101が通過している開口132を有し、かつ貫通ビア101と絶縁されている。導体エレメント121は、導体111と導体131との間に位置し、導体エレメント141は、導体131と導体151との間に位置している。さらに、導体エレメント121および導体エレメント141は、貫通ビア101と接続されている。
図6のように構成することで、導体エレメント121または導体エレメント141が位置する層(B層12、D層14)の数が、導体111または導体131が位置する層(A層11、C層13)の数と等しくなる。さらに言えば、導体エレメント121の数は、導体111に設けられた開口112の数と等しくなる。また、導体エレメント141の数は、導体131に設けられた開口132の数と等しくなる。
図6の構造体10は、マッシュルーム型EBG構造を変形させた例である。詳細には、貫通ビア101はマッシュルームの軸部分に相当し、インダクタンスを形成している。一方、導体エレメント121がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体111との間でキャパシタンスを形成する。また、導体エレメント141がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体131との間でキャパシタンスを形成する。
図6の構造も、マッシュルーム型EBG構造と同様に、平行平板を前記キャパシタンスと前記インダクタンスからなる直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121を、キャパシタンスを形成する導体111に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント121を対向する導体111に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。また、導体エレメント141を、キャパシタンスを形成する導体131に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント141を対向する導体131に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
なお、図6に示す構造体10において、導体エレメント121は、導体111の下面と対向するように配置されているが、導体111の上面に対向するように配置されても構わない。また、図6に示す構造体10において、導体エレメント141は、導体131の下面と対向するように配置されているが、導体131の上面に対向するように配置されても構わない。
図6に示す構造体10における導体エレメント121、141は、図2(B)に示す形状を取り得る。このとき、構造体10は、上述したオープンスタブ型EBG構造の特性を同様に有する。
また、図6に示す構造体10の導体エレメント121、141は、図2(C)に示す形状を取りうる。このとき、構造体10は、図2(C)を用いて説明したインダクタンス増加型EBG構造の特性を同様に有する。また、図6に示す構造体10においても、導体151の一例として図5に示す形状を取り得る。このとき、構造体10は同様にインダクタンス増加型EBG構造の特性を有する。
図7は、本実施形態に係る構造体10の一例の斜視図である。図7に示す構造体10において、導体111、導体131および導体151はいずれも、貫通ビア101と絶縁されている。導体111は、貫通ビア101が通過している開口112を有する。そして、導体エレメント121は、開口112に対向するように配置されている。導体131は、貫通ビア101が通過している開口132を有する。そして、導体エレメント141は、開口132に対向するように配置されている。導体151は、貫通ビア101が通過している開口152を有する。そして、導体エレメント161は、開口152に対向するように配置されている。なお、導体エレメント161はF層16に位置するものとする。
図7のように構成することで、導体エレメント121、導体エレメント141または導体エレメント161が位置する層(B層12、D層14、F層16)の数が、導体111、導体131または導体151が位置する層(A層11、C層13、E層15)の数と等しくなる。さらに言えば、導体エレメント121の数は、導体111に設けられた開口の数と等しくなる。また、導体エレメント141の数は、導体131に設けられた開口の数と等しくなる。そして、導体エレメント161の数は、導体151に設けられた開口の数と等しくなる。
図7の構造体10は、マッシュルーム型EBG構造を変形させた例である。詳細には、貫通ビア101はマッシュルームの軸部分に相当し、インダクタンスを形成している。一方、導体エレメント121がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体111との間でキャパシタンスを形成する。また、導体エレメント141がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体131との間でキャパシタンスを形成する。さらに、導体エレメント161がマッシュルームのヘッド部分に相当し、それぞれ対向する導体151との間でキャパシタンスを形成する。そして、導体エレメント121と導体111とが対向してキャパシタンスを形成し、互いに対向している領域の中に導体111に設けられた開口112が含まれるので、開口112からのノイズ漏洩をほとんど防ぐことができる。また、導体エレメント161と導体151とが対向してキャパシタンスを形成し、互いに対向している領域の中に導体151に設けられた開口152が含まれるので、開口152からのノイズ漏洩をほとんど防ぐことができる。
図7の構造も、マッシュルーム型EBG構造と同様に、平行平板を前記キャパシタンスと前記インダクタンスからなる直列共振回路でシャントした等価回路で表現することができ、前記直列共振回路の共振周波数がバンドギャップの中心周波数を与える。したがって、導体エレメント121を、キャパシタンスを形成する導体111に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント121を対向する導体111に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。また、導体エレメント141を、キャパシタンスを形成する導体131に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント141を対向する導体131に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。そして、導体エレメント161を、キャパシタンスを形成する導体151に接近させて、キャパシタンスを大きくすることでバンドギャップ帯域を低周波化することができる。ただし、導体エレメント161を対向する導体151に近接させない場合でも、本発明の本質的な効果には何ら影響を与えない。
なお、図7に示す構造体10において、導体エレメント121は、導体111の上面と対向するように配置されているが、導体111の下面に対向するように配置されても構わない。また、図7に示す構造体10において、導体エレメント141は、導体131の下面と対向するように配置されているが、導体131の下面に対向するように配置されても構わない。そして、図7に示す構造体10において、導体エレメント161は、導体151の上面と対向するように配置されているが、導体151の下面に対向するように配置されても構わない。
図7に示す構造体10における導体エレメント121、141、161は、図2(B)に示す形状を取り得る。このとき、構造体10は、上述したオープンスタブ型EBG構造の特性を同様に有する。
また、図7に示す構造体10の導体エレメント121、141、161は、図2(C)に示す形状を取りうる。このとき、構造体10は、図2(C)を用いて説明したインダクタンス増加型EBG構造の特性を同様に有する。
図1〜図7を用いて、三つのシート状の導体111、131、151と、貫通ビア101とでEBG構造を構成する構造体10を説明した。図1〜図7に示した構造体10を組み合わせて、四つ以上のシート状の導体と、貫通ビアとでEBG構造を構成する他の構造体を構成してもよい。例えば、図1と図6とを組み合わせると図8に示すような構造体となる。個々の部材の説明は上述の説明と重複するので省略する。
図1〜図7を用いて説明した構造体10は、いずれも貫通ビア101を構成要素として含んでいる。これらの構造体10は、次のような製造工程で製造される。
まず、(a)導体111と導体131と導体151と導体エレメント121と導体エレメント141とが互いに対向し、かつ各々が異なる層となるように積層する。そして、(b)導体111と導体131と導体151と導体エレメント121と導体エレメント141とを貫通するスルーホールを設け、当該スルーホール内に導体111、131、151の少なくとも一つと絶縁し、導体エレメント121と導体エレメント141と接続する貫通ビア101を形成させる。このとき、(b)の工程に伴って形成される貫通ビア101と絶縁される導体に設けられ、貫通ビア101が通過する開口の各々に対して、少なくとも一つの導体エレメントが対向するように、(a)の工程で各部材を配置する。
当然、図示しない構成要素があるのであれば、(a)の工程において適切に配置されることが望ましい。また、(b)の工程において、スルーホールを設ける方法は、適用可能であれば何を用いてもよく、例えばドリルでスルーホールを空けてもよい。さらに、(b)の工程において、貫通ビア101を形成する方法は、適用可能であれば何を用いてもよく、例えばスルーホール内面をめっきすることによって形成してもよい。
図9は、本実施形態に係る配線基板100の上面図と断面図である。より詳細には、図9(A)は配線基板100の上面図であって、図9(B)は図9(A)に示す断面における断面図である。図9(A)において、破線で示す四角形は、繰り返し配列された構造体10の各々がB層12に備える導体エレメント121、またはD層14に備える導体エレメント141を示している。また、図9(A)において、上記破線で示す四角形内の円は、繰り返し配列された構造体10の各々が備える貫通ビア101を示している。なお、図9においては、図5で説明した構造体10が繰り返し配列されているものとし、図9(B)において、夫々の構造体10は黒色で図示する。
図9に図示されているように、B層12に位置する導体エレメント121の各々が、それぞれ異なる貫通ビア101に接続されている。また、D層14に位置する導体エレメント141の各々が、それぞれ異なる貫通ビア101に接続されている。
A層11、B層12、C層13、D層14およびE層15は、図示した構成要素以外の構成、例えば電気信号を伝送する伝送路等を含んでもよい。また、配線基板100は、A層11、B層12、C層13、D層14、E層15とは異なる層を備えてもよく、これらの層に上述した構成要素以外の構成要素、例えば伝送路等を含んでもよい。ただし、配線基板100において構造体10が繰り返し配列されている領域、および当該領域の近傍に伝送路を配列すると構造体10が成しているEBG構造の特性が変化するため、このような配列は避けることが望ましい。
配線基板100は、構造体10を繰り返し配列された領域において、バンドギャップ帯域の電磁波伝播を抑制することができる。すなわち、バンドギャップ帯域の電磁波を発生するノイズ源や、特定の周波数帯域の電磁波から防護したい素子等を囲むように構造体10を配列すればよく、その配列パターンは複数の態様を取りうる。
図10〜図12は、それぞれ配線基板100が取りうる構造体10の配列パターンを示す図である。ただし、図10〜図12に図示される網掛けの部材は、半導体パッケージ161と半導体パッケージ162とする。図10に示すように、構造体10は半導体パッケージ161と半導体パッケージ162の間に帯状に配置されてもよい。また、図11に示すように、構造体10は半導体パッケージ161を囲むように配置されてもよいし、そして、図12に示すように、構造体10は半導体パッケージ162を囲むように配置されていてもよい。
ただし、抑制対象の電磁波がいずれの方向から伝播しても、複数の構造体10を通過させるように配列することによって、より効果的に電磁波の電波を抑制することができる。従って、図10または図11に示す配列パターンのように、一方の半導体パッケージから他方の半導体パッケージに向かう方向に、複数の構造体10が並列される方が、図12に示す配列パターンより好ましい。
ここで、本実施形態の効果について述べる。構造体10は、導体111、131、151と導体エレメント121、141と貫通ビア101とによってEBG構造を構成することができる。従って、構造体10において、導体111と導体131とから成る第1の平行平板を伝播するノイズと、導体131と導体151とから成る第2の平行平板を伝播するノイズと、を抑制することができる。従って、仮に第1の平行平板から第2の平行平板へと漏洩するノイズ、または第2の平行平板から第1の平行平板へと漏洩するノイズが発生したとしても、これらのノイズを抑制することができる。
また、配線基板100は、ノイズ伝播を防ぎたい領域に構造体10を配列することによって、A層11とC層13との間を伝播するノイズと、C層13とE層15との間を伝播するノイズとを抑制することができる。従って、仮にA層11とC層13との間を伝播するノイズが、C層13を介してC層13とE層15との間の層に漏洩したとしても、また逆の方向にノイズが漏洩したとしても、これらのノイズを抑制することができる。
さらに、本実施形態で用いた構造体10は、全て貫通ビア101を備える。これによって、非貫通ビアを用いる場合と比べて、製造工程を短縮することができ、製造コストも低減することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、上記の実施形態において、本発明の第1導体(上記実施形態における導体111、131、151)は三つとしたが、四つ以上であってもよい。当然、第1導体の数が増えるほど、構造体または配線基板の層が増える。このとき、ノイズ伝播を抑制するべき平行平板が増えるのであれば、本発明の第2導体に相当する導体エレメントが形成される層も増やしてよい。
また、上記の実施形態で説明したいずれの構造体においても、貫通ビアが通過する開口の各々に対して少なくとも一つの導体エレメントが対向するように説明したが、必ずしもこれに限らなくてもよい。すなわち、説明した構造体から、導体エレメントの一部を省いてもよい。ただし、導体エレメントを省いた周囲の平行平板間においてEBG構造が構成されなくなることに留意する必要がある。
そして、上記の実施形態において、構造体10はいずれも単一の貫通ビア101を有するように図示されているが、必ずしもこれに限らない。すなわち、上記の実施形態で説明した構造体10が複数連結した構成を単一の構造体として見なすことができる。従って、このような構造体において、複数の貫通ビアが繰り返し配列され、かつ同一層に位置する導体エレメントの各々が、それぞれ異なる貫通ビアに接続されている。
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各構成要素の機能などを具体的に説明したが、その機能などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
この出願は、2010年3月8日に出願された日本特許出願特願2010−051086号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (15)

  1. 互いに対向している、少なくとも三つ以上の第1導体と、
    前記第1導体の各々を貫通する貫通ビアと、
    前記第1導体のうち少なくとも一つに、当該第1導体を貫通する前記貫通ビアの周囲を囲うように設けられ、当該第1導体と前記貫通ビアとを絶縁させる開口と、
    前記第1導体の位置する層とは異なる複数の層に夫々位置し、前記貫通ビアに接続されている複数の第2導体と、を備え、
    さらに、前記開口の面積は、いずれの前記第2導体の面積よりも小さいことを特徴とする構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記第1導体のうち、両端に位置する一の前記第1導体と、前記貫通ビアとが接続し、
    他の前記第1導体はいずれも、前記開口が設けられ、前記貫通ビアと絶縁されていることを特徴とする構造体。
  3. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記貫通ビアと接続している一の前記第1導体を基準としたとき、少なくとも二つの他の前記第1導体が同じ側に位置しており、
    他の前記第1導体はいずれも、前記開口が設けられ、前記貫通ビアと絶縁されていることを特徴とする構造体。
  4. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記貫通ビアと接続している一の前記第1導体を介して、少なくとも二つの他の前記第1導体が互いに対向しており、
    他の前記第1導体はいずれも、前記開口が設けられ、前記貫通ビアと絶縁されていることを特徴とする構造体。
  5. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記第1導体はいずれも、前記開口が設けられ、前記貫通ビアと絶縁されていることを特徴とする構造体。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の構造体であって、
    複数の前記貫通ビアが、繰り返し配列され、
    かつ同一層に位置する複数の前記第2導体の各々が、それぞれ異なる前記貫通ビアに接続されていることを特徴とする構造体。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の構造体であって、
    前記開口の各々は、少なくとも一つの前記第2導体と対向していることを特徴とする構造体。
  8. 請求項7に記載の構造体であって、
    前記第2導体の数は、前記開口の数と等しいことを特徴とする構造体。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の構造体であって、
    少なくとも三つ以上の前記第1導体が対向することによって構成される複数の平行平板の各々が、前記貫通ビアと前記第2導体とともに、電磁バンドギャップ構造を構成していることを特徴とする構造体。
  10. 互いに対向している、少なくとも三つ以上の第1導体と、
    前記第1導体の各々を貫通する貫通ビアと、
    前記第1導体のうち少なくとも一つに、当該第1導体を貫通する前記貫通ビアの周囲を囲うように設けられ、当該第1導体と前記貫通ビアとを絶縁させる開口と、
    前記第1導体の位置する層とは異なる複数の層に夫々位置し、前記貫通ビアに接続されている複数の第2導体と、を備え、
    さらに、前記開口の面積は、いずれの前記第2導体の面積よりも小さい構造体を備えることを特徴とする配線基板。
  11. 請求項10に記載の配線基板であって、
    複数の前記構造体が、繰り返し配列され、
    かつ同一層に位置する複数の前記第2導体の各々が、それぞれ異なる前記貫通ビアに接続されていることを特徴とする配線基板。
  12. 請求項10または11に記載の配線基板であって、
    前記開口の各々は、少なくとも一つの前記第2導体と対向していることを特徴とする配線基板。
  13. 請求項12に記載の配線基板であって、
    前記第2導体の数は、前記開口の数と等しいことを特徴とする配線基板。
  14. 請求項10乃至13いずれかに記載の配線基板であって、
    前記第1導体によって構成される複数の平行平板の各々が、前記貫通ビアと前記第2導体とともに、電磁バンドギャップ構造を構成していることを特徴とする配線基板。
  15. (a)少なくとも三つ以上の第1導体を互いに対向させて配置し、さらに前記第1導体の位置する層とは異なる複数の層の夫々に複数の第2導体を配置し、前記第1導体の各々と前記第2導体の各々とが対向するように積層させるステップと、
    (b)前記第1導体の各々と、前記第2導体の各々とを、貫通するスルーホールを設け、当該スルーホール内に、前記第1導体の少なくとも一つと絶縁し、かつ前記第2導体の各々と接続する貫通ビアを形成するステップと、を備え、
    さらに、(b)のステップに伴って前記貫通ビアと絶縁される前記第1導体に形成され、当該貫通ビアを通過する開口の面積が、いずれの前記第2導体よりも小さいことを特徴とする配線基板の製造方法。
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