JPWO2011099583A1 - 立体選択的オレフィン重合用触媒及び立体選択的ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

立体選択的オレフィン重合用触媒及び立体選択的ポリオレフィンの製造方法 Download PDF

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Abstract

下記式(1)で示される錯体を含む立体選択的オレフィン重合用触媒。(式中、nは2または3であり、R1及びR2は、独立に、置換基を有してもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、LはCH2R3、ハロゲン原子、OR4、またはNR5R6で示される配位子であり、R3は水素原子、芳香族基、またはトリアルキルシリル基であり、R4は炭素数1〜6の低級アルキル基であり、R5及びR6は独立に水素原子または炭素数1〜6の低級アルキル基である。)この触媒の存在下にオレフィンを重合させることを含む、立体選択的ポリオレフィンの製造方法。本発明は、格段に高分子量のポリマーを生成し、かつ高いアイソ選択的な重合を可能にするとともに、分散(Mw/Mn)が小さく、分子量分布がシャープな立体選択的ポリオレフィンを生成できる触媒と、この触媒を用いた立体選択的ポリオレフィンの製造方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月12日出願の日本特願2010−029191号の優先権を主張し、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、ハフニウム錯体を用いた立体選択的オレフィン重合用触媒、及びこの触媒を用いる立体選択的ポリオレフィンの製造方法に関する。
チーグラ・ナッタ型マグネシウム担持高活性チタン触媒により大いに発展したオレフィン重合の化学において、近年、メタロセン触媒の開発がトピックスの一つである。さらに、最近ではさらなる精密な重合プロセスを構築するための触媒として、所謂ポストメタロセン系触媒の開発が注目されている。
2000年にKolらは、4族金属元素と親和性の高いフェノキシ基と窒素原子を有する四座配位子を用いてC2対称性を有するジルコニウム錯体を開発し、これを触媒とする1-ヘキセンの重合反応が室温で高アイソ選択的に起こることを初めて報告した(非特許文献1〜3)。さらに、Kol(非特許文献4)やドイツのOkudaら(非特許文献5,6)は、上記四座配位子の窒素原子を硫黄原子に置き換えた配位子を用いて4族金属錯体を合成し、α-オレフィンの立体選択的重合への展開をしている。しかし、これらの錯体がC2対称性を有するにも関わらず、α-オレフィンの立体選択的重合反応は達成されなかった。その原因としては、これらの錯体から助触媒を用いて調製されるカチオン種(α-オレフィンの重合における触媒活性種となる)の構造的柔軟性のために反応中に活性中心のC2対称性が失われてしまうことが考えられた。そこで、C2対称性を維持しつつ高い活性を有する新たな配位子及び触媒の開発が求められている。
特許文献1では、エタン-1,2-ジチオールから誘導されるジフェノキシチタン、ジルコニムまたはハフニウム錯体を用いてプロピレンを重合する方法が報告されている。
本発明者は、trans-シクロオクタン-1,2-ジチオールから誘導されるジフェノキシチタン、ジルコニウム及びハフニウム錯体を報告し(非特許文献7)、さらにこれらの錯体の内、ジルコニウム錯体を触媒として用いて1−ヘキセンを重合する方法を報告した(非特許文献8)。
Journal of American Chemical Society, 2000, Volume 122,10706-10707 Journal of American Chemical Society, 2006, Volume 128,13062-13063 Journal of American Chemical Society, 2008, Volume 130,2144-2145 Inorganic Chemistry, 2007, Volume 46,8114-8116 Journal of American Chemical Society, 2003, Volume 125,4964-4965 Angewandte Chemie International Edition, 2007, Volume 46,4790-4793 戸田ら、第58回錯体化学討論会、講演要旨集1Ab−07、2008年9月20日 Journal of American Chemical Society, 2009, Volume 131,13566-13567
WO2007/075299
上記特許文献1及び非特許文献1−8の全記載は、ここに特に開示として援用される。
一方、上記非特許文献8に記載のtrans-シクロオクタン-1,2-ジチオールから誘導されるジフェノキシジルコニウム錯体は、高活性と高アイソ選択的な重合を可能にするものであったが、より高分子量のポリマーを生成し、かつアイソ選択的な重合を可能にする触媒の提供と、この触媒を用いた立体選択的ポリオレフィンの製造方法の提供が望まれていた。
そこで本発明の目的は、非特許文献8に記載のtrans-シクロオクタン-1,2-ジチオールから誘導されるジフェノキシジルコニウム錯体に比べて、格段に高分子量のポリマーを生成し、かつ高いアイソ選択的な重合を可能にするとともに、分散(Mw/Mn)が小さく、分子量分布がシャープな立体選択的ポリオレフィンを生成できる触媒と、この触媒を用いた立体選択的ポリオレフィンの製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討することにより本発明により上記課題を解決できることを見出した。
本発明によれば、非特許文献8に記載のtrans-シクロオクタン-1,2-ジチオールから誘導されるジフェノキシジルコニウム錯体に比べて、格段に高分子量のポリマーを生成する高いアイソ選択的な重合を可能にし、かつ分散(Mw/Mn)が小さく、分子量分布がシャープな立体選択的ポリオレフィンを生成させることができる触媒を提供することができる。さらに、本発明によれば、この触媒を用いることで、高アイソ選択的に重合を行って、高分子量でかつ分散(Mw/Mn)が小さく、分子量分布がシャープなポリオレフィンを製造することができる。
実施例6で得られたポリ(1-ヘキセン)のGPCのクロマトグラムを示す。 実施例8で得られたポリ(1-ヘキセン)のGPCのクロマトグラムを示す。 実施例6で得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性を調べた13C-NMRスペクトルを示す。 実施例8で得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性を調べた13C-NMRスペクトルを示す。 実施例11で得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)のGPCのクロマトグラムを示す。 実施例12で得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)のGPCのクロマトグラムを示す。 実施例11で得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)の立体選択性を調べた13C-NMRスペクトルを示す。 実施例12で得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)の立体選択性を調べた13C-NMRスペクトルを示す。
本発明は、下記式(1)で示される錯体を含む立体選択的オレフィン重合用触媒に関するものである。
(式中、nは2または3であり、
及びRは、独立に、置換基を有してもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、LはCH、ハロゲン原子、OR、またはNRで示される配位子であり、
は水素原子、芳香族基、またはトリアルキルシリル基であり、
は炭素数1〜6の低級アルキル基であり、
及びRは独立に水素原子または炭素数1〜6の低級アルキル基である。)
本発明の触媒で用いられるハフニウム錯体は上記式(1)で示されるものである。式中、nは2または3であるが、好ましくは3である。
及びRは、独立に置換基を有してもよいアルキル基またはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)であり、アルキル基は、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基である。炭素数1〜12のアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。アルキル基が有する置換基としては、炭素数1〜6の低級アルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を挙げることができる。フェニル基が有することができる置換基としては、炭素数1〜6の低級アルキル基またはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を挙げることができる。
2つのRはそれぞれ同一でも異なってもよいし、2つのRはそれぞれ同一でも異なってもよい。
及びRとして好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、最も好ましくは、t−ブチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基である。
LはCH(置換基Rを有してもよいメチル基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、OR(アルコキシ基)、またはNR(置換基R、Rを有してもよいアミノ基)で示される配位子である。Rは水素原子、芳香族基、またはトリアルキルシリル基である。Rの芳香族基としてはフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基を挙げることができる。トリアルキルシリル基のアルキルは炭素数1〜6の低級アルキル基であることができ、トリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等を挙げることができる。
は炭素数1〜6の低級アルキル基である。この低級アルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等である。
およびRは独立に水素原子または炭素数1〜6の低級アルキル基である。この低級アルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等である。
Lとして好ましくは、CH、ハロゲン原子、ORであり、より好ましくは、CH、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは、メチル基、ベンジル基、トリメチルシリルメチル基、塩素原子、臭素原子であり、最も好ましくはメチル基、ベンジル基、塩素原子である。
式(1)で表される錯体の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
また、これらの化合物のハフニウム原子に直接結合しているベンジル基をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、t-ブトキシ基等に変更した化合物も挙げられ、8員環部分を7員環に変更した化合物も挙げられる。
一般式(1)で表される錯体は、一般式(2)および(3)で表される化合物を出発原料として下記の工程により製造することができる。
以下各工程について詳しく説明する。
[工程1]
化合物(4)で示される四座配位子は、例えば、非特許文献7及び8に記載の方法により合成することができる。化合物(3)および(4)中のn、R及びRは、一般式(1)と同様である。
化合物(2)に相当するtrans-シクロヘプタン-1,2-ジチオールもしくはtrans-シクロオクタン-1,2-ジチオールに、例えば、2.0〜4.0当量、好ましくは2.0〜2.5当量の化合物(3)に相当する臭化3,5-二置換-2-ヒドロキシベンジルを反応させることで、対応する式(4)で表される化合物を合成することができる。
臭化3,5-二置換-2-ヒドロキシベンジルとしては、以下のものを挙げることができる。これらの化合物は公知の化合物である。
本反応は、空気、ヘリウム、アルゴンまたは窒素気流下で行うことができる。好ましくは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素気流下、より好ましくは、窒素またはアルゴン気流下である。
本反応では圧力の影響は無視できるため、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
式(2)で表される化合物と式(3)で表せる化合物とを反応させる温度は、例えば、−100℃〜100℃の温度範囲であり、好ましくは−80℃〜80℃の温度範囲である。但し、この範囲に限定される意図ではない。
式(2)で表される化合物と式(3)で表せる化合物とを反応させる時間は、例えば、1分間〜24時間であり、好ましくは5分間〜20時間、より好ましくは30分間〜18時間である。但し、この範囲に限定される意図ではない。
式(4)で表される化合物の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
また、これらの化合物の8員環部分を7員環に変更した化合物も挙げられる。
[工程2]
化合物(5)中のLは、上記と同様に、CH(置換基Rを有してもよいメチル基)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、OR(アルコキシ基)、NR(置換基R、Rを有してもよいアミノ基)で示される配位子である。
HfL4は、例えば、Hf(CH2Ph)4, Hf(CH2SiMe3)4, HfF4, HfCl4, HfBr4, HfI4, Hf(OMe)4, Hf(OEt)4, Hf(Oi-Pr)4, Hf(O-n-Bu)4, Hf(O-i-Bu)4, Hf(O-t-Bu)4, Hf(NMe24, Hf(NEt24などが挙げられる。好ましくは、Hf(CH2Ph)4, Hf(CH2SiMe3)4, HfCl4, HfBr, Hf(OMe)4, Hf(OEt)4, Hf(Oi-Pr)4, Hf(O-i-Bu)4, Hf(O-t-Bu)4, Hf(NMe24, Hf(NEt24である。
式(5)で表される化合物がHf(CH2)4, Hf(OR)4, Hf(NR)4の場合は、溶媒中、式(4)で表される化合物とそのまま反応させることができる。
本反応は、ハフニウム錯体が空気および湿気に対して不安定であることから、好ましくは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素気流下、より好ましくは、窒素またはアルゴン気流下で行うことが適当である。
本反応では圧力の影響は無視できるため、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
本発明において、式(4)で表される化合物と式(5)で表される化合物とを反応させる温度は、例えば、−100℃〜100℃の温度範囲であり、好ましくは−80℃〜50℃の温度範囲ある。但し、この範囲に限定される意図ではない。
本発明において、式(5)で表される化合物と塩基とを反応させる時間は、例えば、1分間〜24時間であり、好ましくは5分間〜12時間、より好ましくは30分間〜3時間である。但し、この範囲に限定される意図ではない。
式(5)で表される化合物がHfF4, HfCl4, HfBr4, HfI4の場合は、式(4)で表される化合物と塩基、例えば有機リチウム試薬、Grignard試薬、水素化金属等、具体的にはn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等とを反応させて反応物を得、該反応物に、HfF4, HfCl4, HfBr4, HfI4のいずれかを加えることにより合成することが可能である。
本発明において、式(4)で表される化合物と塩基とを反応させた化合物と式(5)で表される化合物とを反応させる温度は、例えば、−100℃〜150℃の温度範囲であり、好ましくは−80℃〜50℃の温度範囲である。但し、この範囲に限定される意図ではない。
本発明において、式(4)で表される化合物と塩基とを反応させた化合物と式(5)で表される化合物とを反応させる時間は、例えば、1分間〜24時間であり、好ましくは5分間〜12時間、より好ましくは30分間〜3時間である。但し、この範囲に限定される意図ではない。
上記で得た一般式(1)で表される錯体に有機リチウム試薬もしくはGrignard試薬等と反応させて、一般式(1)で表される錯体のLがCHである錯体を合成することもできる。
本反応で用いる溶媒は、類似の反応で一般的に用いられる溶媒であれば特に制限されるものではなく、ハイドロカーボン溶媒またはエーテル系溶媒が挙げられ、好ましくは、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランであり、より好ましくは、ジエチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、またはシクロヘキサンである。
上記説明した本発明の一般式(1)で表される錯体は、重合可能なモノマーの単独重合または二種以上の重合可能なモノマーの共重合により重合体を製造するに際して、重合用触媒成分として使用される。好ましくは、単独重合である。
重合用触媒としては、上記の本発明の一般式(1)で表される錯体および助触媒成分(A)を接触させて得られる重合用触媒が用いられる。かかる助触媒成分は、上記の本発明の一般式(1)で表される錯体を活性化させ、重合可能とするものであれば特に制限はないが、
(A−1)有機アルミニウム化合物
(A−2)ホウ素化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
〔有機アルミニウム化合物(A−1)〕
本発明において用いる化合物(A−1)としては、公知の有機アルミニウム化合物が使用できる。好ましくは、(A−1−1)一般式 E1a AlY1 3-a で表される有機アルミニウム化合物、(A−1−2)一般式 {−Al(E2 )−O−}b で表される構造を有する環状のアルミノキサン、及び(A−1−3)一般式 E3 {−Al(E3)−O−}c AlE3 2 で表される構造を有する線状のアルミノキサン(但し、E1 、E2 、E3 は、炭素数1〜8のハイドロカルビル基であり、全てのE 、全てのE2 及び全てのEは同じであっても異なっていても良い。Y1は水素原子又はハロゲン原子を表し、全てのY1は同じであっても異なっていても良い。aは0<a≦3の整数で、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)のうちのいずれか、あるいはそれらの2〜3種の混合物を例示することができる。
一般式 E1 a AlY1 3-a で表される有機アルミニウム化合物(A−1−1)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド等を例示することができる。好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムである。
一般式 {−Al(E2 )−O−}b で表される構造を有する環状のアルミノキサン(A−1−2)、一般式 E3 {−Al(E3 )−O−}c AlE3 で表される構造を有する線状のアルミノキサン(A−1−3)における、E2 、E3 の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、E2 及びE3 はメチル基、イソブチル基であり、bは2〜40、cは1〜40である。
上記のアルミノキサンは各種の方法で作られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて作ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶剤(ベンゼン、トルエン、脂肪族ハイドロカーボンなど)に溶かした溶液を水と接触させてアルミノキサンを作る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)に接触させてアルミノキサンを作る方法が例示できる。
また、上記の方法で得られる(A−1−2)一般式 {−Al(E2 )−O−}b で表される構造を有する環状のアルミノキサン、及び(A−1−3)一般式 E3 {−Al(E3)−O−}c AlE3 2 で表される構造を有する線状のアルミノキサンは、必要に応じて、揮発成分を留去して乾燥して用いてもよい。さらに、揮発成分を留去して乾燥してえられた化合物を適当な有機溶剤(ベンゼン、トルエン、脂肪族ハイドロカーボンなど)で洗浄して、再度乾燥し用いてもよい。
〔ホウ素化合物(A−2)〕
本発明において化合物(A−2)としては、(A−2−1)一般式BR111213で表されるホウ素化合物、(A−2−2)一般式W+ (BR11121314 で表されるホウ素化合物、(A−2−3)一般式(V−H)+ (BR11121314で表されるホウ素化合物のいずれかを用いる。
一般式 BR111213で表されるホウ素化合物(A−2−1)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、R11〜R13 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の 炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含む2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていても良い。好ましいR11 〜R13 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基である。
(A−2−1)の具体例としては、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙げられるが、最も好ましくは、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
一般式W+ (BR11121314で表されるホウ素化合物(A−2−2)において、W+ は無機または有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、R11 〜R14 は上記の(A−2−1)におけるR11〜R13と同様である。即ち、R11 〜R14 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の 炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含む2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていても良い。好ましいR11 〜R14 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基である。
無機のカチオンであるW+ としては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチオンであるW+ としては、トリフェニルカルベニウムカチオンなどが挙げられる。(BR11121314には、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4ートリフルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートなどが挙げられる。
一般式W+ (BR11121314で表される化合物の具体例としては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
また、一般式(V−H)+ (BR11121314で表されるホウ素化合物(A−2−3)おいては、Vは中性ルイス塩基であり、(V−H)+ はブレンステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、R11 〜R14は上記の(A−2−3)におけるR11〜R13と同様である。即ち、R11 〜R14 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の 炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含む2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていても良い。好ましいR11 〜R14 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基である。
ブレンステッド酸である(V−H)+としては、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BR11121314としては、前述と同様のものが挙げられる。
一般式(V−H)+ (BR11121314で表される化合物の具体例としては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、もしくは、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
本発明の、上記の(1)で表される錯体と助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒を製造する際の接触は、(1)で表される錯体と助触媒成分とが接触し、触媒が形成されるならどのような手段によってもよく、あらかじめ溶媒で希釈して、もしくは希釈せずに(1)で表される錯体と助触媒成分とを混合して接触させる方法や、(1)で表される錯体と助触媒成分とを別々に重合槽に供給して重合槽の中でこれらを接触させる方法を取ることができる。ここで、助触媒成分としては複数種類を組み合わせて使用する場合があるが、それらのうちの一部をあらかじめ混合して使用してもよいし、別々に重合槽に供給して使用してもよい。
各成分の使用量は通常、一般式(1)で表される錯体に対する(A−1)のモル比が0.01〜10000で、好ましくは1〜5000、一般式(1)で表される錯体に対する(A−2)のモル比が0.01〜100で、好ましくは1.0〜50の範囲となるように、各成分を用いることが望ましい。
重合反応器において重合反応前に触媒を製造する場合、各成分を溶液状態または溶媒に懸濁もしくはスラリー化した状態で供給する場合の濃度は、重合反応器に各成分を供給する装置の性能などの条件により、適宜選択されるが、一般に、一般式(1)で表される錯体が、通常0.0001〜10000mmol/Lで、より好ましくは、0.001〜1000mmol/L、さらに好ましくは、0.01〜100mmol/L、(A−1)が、Al原子換算で、通常0.01〜10000mmol/Lで、より好ましくは、0.05〜5000mmol/L、さらに好ましくは、0.1〜2000mmol/L、(A−2)は、通常0.001〜500mmol/Lで、より好ましくは、0.01〜250mmol/L、さらに好ましくは、0.05〜100mmol/Lの範囲となるように各成分を用いることが望ましい。
前記オレフィン重合用触媒は、上記の一般式(1)で表される錯体と、上記(A−1)および/または上記(A−2)とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒であるが、一般式(1)で表される錯体と(A−1)とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒を用いる際は、(A−1)としては、前記の環状のアルミノキサン(A−1−2)および/または線状のアルミノキサン(A−1−3)が好ましい。また他に好ましいオレフィン重合用触媒の態様としては、一般式(1)で表される錯体、(A−1)および(A−2)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒が挙げられ、その際の該(A−1)としては前記の(A−1−1)が使用しやすく、(A−2)としては、(A−2−1)または(A−2−2)が好ましい。
〔立体選択的ポリオレフィンの製造方法〕
本発明の立体選択的ポリオレフィンの製造方法は、上記本発明の触媒の存在下にオレフィンを重合させることを含む方法である。重合するオレフィンは単独でも複数でもよいが、単独がより好ましい。単独のオレフィンを重合すれば、単独重合体が得られ、複数のオレフィンを重合すれば、共重合体が得られる。重合に用いられるオレフィン化合物は特に制限はないが、立体選択的に重合することで、所望の物性を示すオレフィンであることが好ましい。オレフィンは、例えば、モノオレフィンまたはジオレフィンであることができるが、モノオレフィンが好ましい。モノオレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの1-アルケン(枝分かれしていても良い)
及び、シクロペンテン、シクロヘキセン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等などの環状アルケン等を挙げることができる。ジオレフィンとしては、例えば、
1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、ブタジエン、等を挙げることができる。モノオレフィンとして好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンであり、より好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンであり、さらに好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンである。
ジオレフィンとして好ましくは、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、ブタジエンであり、より好ましくは、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、ブタジエンである。
ジオレフィンの場合、R.M.Waymouthら(Journal of American Chemical Society, 1993, Volume 115,91−98)やG.W.Coates(Macromolecular Rapid Communications,2009,Volume 30,1900−1906)らによって報告されているに示す閉環重合体を得ることができる。具体的には、1,5-ヘキサジエンおよび1,6-ヘプタジエンの場合、下記に示すような重合体を得ることができる。
重合方法も、特に限定されるべきものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族ハイドロカーボン、ベンゼン、トルエン等の芳香族ハイドロカーボン、またはメチレンジクロライド等のハロゲン化ハイドロカーボンを溶媒として用いる溶媒重合、またはスラリー重合等が可能であり、また、連続重合、回分式重合のどちらでも可能である。
重合反応の温度および時間は、所望の重合平均分子量と触媒の活性度および使用量を考慮して決定することができる。重合温度は通常、−50℃〜200℃の範囲を取り得るが、特に、−20℃〜100℃の範囲が好ましく、重合圧力は通常、常圧〜50MPaが好ましい。重合時間は、一般的に、目的とするポリマーの種類、反応装置により適宜決定されるが通常、1分間〜20時間の範囲、好ましくは5分間〜18時間の範囲を取ることができる。但し、これらの範囲に制限される意図ではない。また、本発明は共重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
重合反応に溶媒を使用する場合、溶媒中の各化合物の濃度は、特に制限はない。溶媒中のハフニウム錯体の濃度は、例えば、1×10-8mmol/L〜10mol/Lの範囲とし、助触媒の濃度は、例えば、1×10-8mmol/L 〜10mol/Lの範囲とすることができる。また、オレフィン:溶媒は体積比で100:0〜1:1000の範囲とすることができる。但し、これらの範囲は例示であって、それらに限定される意図ではない。また、溶媒を使用しない場合も、上記の範囲を参考に適宜濃度の設定をすることができる。
重合して得られた重合体は、以下のように溶媒及び未反応のモノマーがある場合にはモノマーを分離することができる。粘性ポリマーの場合は、真空ポンプでモノマーを除去することができる。但し、この方法では触媒は除去できない。固体ポリマーの場合は溶媒留去後、メタノール等で洗浄することでモノマーを除去することができる。この方法であれば、触媒もある程度は除去できる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、実施例1〜12及び比較例1〜7の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で測定した。また、検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
<分子量測定条件1、ポリ(1-ヘキセン)>
装置 東ソーHLC-8220 GPC apparatus
カラム TSKgel SuperHZM-H (10)4.6*150 3本
測定温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
サンプル濃度 2mg/2mL

<分子量測定条件2、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)>
装置 東ソーHLC-8121GPC/HT apparatus
カラム TSKgel GMHHR-H(20) HT 7.8*300 3本
測定温度 145℃
溶媒 1,2-ジクロロベンゼン
サンプル濃度 5mg/5mL
(2)アイソ選択性(mmmm、単位:%)
カーボン核磁気共鳴法によって、次の測定条件により、カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定し、下記算出方法より求めた。
<規則性測定条件1、ポリ(1-ヘキセン)>
装置 :JEOL社製 ECS400
測定溶媒:クロロホルム−d1
測定温度:25℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:30度
パルス繰り返し時間:2秒
測定基準:重クロロホルム中の残留クロロホルム
窓関数 :負の指数関数

<規則性測定条件2、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)>
装置 :JEOL社製 ECS400
測定溶媒:テトラクロロエタン−d2
測定温度:130℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:30度
パルス繰り返し時間:2秒
測定基準:重テトラクロロエタン中の残留テトラクロロエタン
窓関数 :負の指数関数

<算出方法1、ポリ(1-ヘキセン)>
34.60〜34.65ppm付近にピークトップを有するピークのピーク面積を求めた。当該ピークのピーク面積は、高磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトから、低磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトまでの範囲でのシグナルの面積とした。

<算出方法2、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)>
45.61〜45.66ppm付近にピークトップを有するピークのピーク面積を求めた。当該ピークのピーク面積は、高磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトから、低磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトまでの範囲でのシグナルの面積とした。
(参考例1)
trans-1,2-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)シクロオクタンの合成
アルゴン雰囲気下、trans-シクロオクタン-1,2-ジチオール2.18g(12.4mmol)と臭化3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシベンジル7.52g(25.1mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし0℃に冷却した。そこに、トリエチルアミン3.5mL(24.9mmol)を加え、0℃で1時間、室温で終夜攪拌した。生成した沈殿物を濾過して除き、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣にエーテルと飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテル層を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン-ジクロロメタン 1:1)で精製し無色結晶として表題化合物6.74g(収率89%)を得た。
融点:122-123℃ (ヘキサンより再結晶)
1H-NMR (400 MHz,δ,ppm, CDCl3)
1.12-1.94 (m, 48 H), 2.63-2.65 (m, 2 H), 3.81 (d, J= 13 Hz, 2 H), 3.90 (d, J= 13 Hz, 2 H), 6.92 (d, J= 2 Hz, 2 H), 6.95 (s, 2 H), 7.26 (d, J = 2 Hz, 2 H).
13C-NMR (100.7 MHz,δ, CDCl3)
25.7, 25.8, 29.8, 31.2, 31.6, 34.2, 35.0, 35.4, 49.6, 121.6, 123.7, 125.4, 137.4, 142.0, 152.2.
元素分析:計算値(C38H60O2S2)C, 74.45%; H, 9.87%.
実測値: C, 74.39%; H, 10.09%.
文献:A. Ishii, A. Ono, N. Nakata, J. Sulf. Chem. 2009, 30, 236-244.
(参考例2)
trans-1,2-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)シクロヘキサンの合成
アルゴン雰囲気下、trans-シクロヘキサン-1,2-ジチオール1.08g(7.3mmol)と臭化3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシベンジル4.58g(15.3mmol)をテトラヒドロフラン90mLに溶かし0℃に冷却した。そこに、トリエチルアミン2.13mL(15.3mmol)を加え、0℃で15時間攪拌した。生成した沈殿物を濾過で除き、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣にエーテルと希塩酸を加え、エーテル層を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン-ジクロロメタン 1:1)で精製し無色結晶として表題化合物3.86g(収率90%)を得た。
融点:104-106℃ 分解(エタノールより再結晶)
1H-NMR (400 MHz,δ,ppm, CDCl3)
1.19-1.43 (m, 44 H), 2.09-2.15 (m, 2 H), 2.58-2.61 (m, 2 H), 3.79 (s, 4 H), 6.75 (s, 2 H), 6.93 (d, J = 2 Hz, 2 H), 7.25 (d, J = 2 Hz, 2 H).
13C-NMR (100.7 MHz,δ, CDCl3)
24.7, 29.7, 31.6, 32.6, 33.9, 34.2, 35.0, 48.1, 121.6, 123.7, 125.2, 137.3, 142.2, 152.0.
元素分析:計算値(C36H56O2S2)C, 73.92%; H, 9.34%.
実測値: C, 74.17%; H, 9.31%.
(参考例3)
[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルジルコニウム
以下の実験はアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。50mLのシュレンク管中、trans-1,2-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)シクロオクタン207mg(0.336mmol)をトルエン10mLに溶かし、この溶液に室温でテトラベンジルジルコニウム153mg(0.336mmol)のトルエン溶液10mLを滴下し、さらに1時間攪拌した。トルエンを減圧下留去し、残渣をヘキサン2mLで洗浄後乾燥し、無色結晶として表題化合物216mg(収率76%)を得た。
融点:181-183℃ 分解
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, C6D6)
1.16-1.80 (m, 48 H), 2.16 (d, J = 10Hz, 2 H), 2.42 (m, 2 H), 2.78 (d, J = 10Hz, 2 H), 3.16 (d, J = 14Hz, 2 H), 3.50 (d, J = 14Hz, 2 H), 6.61 (d, J = 2Hz, 2 H), 6.90 (t, J = 8Hz, 2 H), 7.09 (t, J = 8Hz, 4 H), 7.25 (t, J = 8Hz, 4 H), 7.52 (d, J = 2Hz, 2 H).
13C-NMR (100.4 MHz, δ, ppm, C6D6)
25.2, 26.1, 28.6, 30.6, 31.7, 34.2, 34.8, 35.7, 48.7, 64.0, 122.0, 123.1, 124.3, 126.2, 128.5, 128.7, 129.6, 140.9, 145.8, 158.0.
元素分析:計算値(C52H72O2S2Zr)C, 70.61%; H, 8.21%.
実測値:C, 70.54%; H, 8.31%.
(参考例4)
[シクロヘキサンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム
以下の実験はアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。100mLのシュレンク管中、trans-1,2-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)シクロヘキサン 200.0mg(0.342mmol)をトルエン10mLに溶かし、この溶液に室温でテトラベンジルハフニウム185.7mg(0.342mmol)のトルエン溶液10mLを滴下し、さらに1時間攪拌した。トルエンを減圧下留去し、残渣をヘキサン2mLで3回洗浄後乾燥し、無色結晶として表題化合物のジアステレオマー混合物として201.3mg(収率62%)を得た。ジアステレオマー比は、64/36であった。
Major:1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CD3C6D5)
1.06-1.92 (m, 44H), 2.55(d, J = 12.0Hz, 2H), 2.84(d, J = 12.0Hz, 2H), 3.21(d, J = 14.0Hz, 2H), 3.37(d, J = 14.0Hz, 2H), 6.62 (d, J = 2.4Hz, 2H), 6.74-6.81(m, 2H), 7.04-7.12(m, 6H), 7.25(d, J = 7.6Hz, 4H), 7.54 (d, J = 2.4Hz, 2H).
Minor:1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CD3C6D5)
1.06-1.92 (m, 44H), 2.38(d, J = 11.6Hz, 2H), 2.85(d, J = 14.0Hz, 2H), 2.94(d, J = 11.6Hz, 2H), 3.18(d, J = 14.0Hz, 2H), 6.59 (d, J = 2.4Hz, 2H), 6.74-6.81(m, 2H), 7.04-7.12(m, 6H), 7.31(d, J = 7.6Hz, 4H), 7.47 (d, J = 2.4Hz, 2H).
[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム
以下の実験はアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。50mLのシュレンク管中、trans-1,2-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)シクロオクタン192mg(0.313mmol)をトルエン10mLに溶かし、この溶液に室温でテトラベンジルジルコニウム170mg(0.313mmol)のトルエン溶液10mLを滴下し、さらに1時間攪拌した。トルエンを減圧下留去し、残渣をヘキサン2mLで洗浄後乾燥し、無色結晶として表題化合物209mg(収率69%)を得た。
融点:203℃ 分解
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, C6D6)
1.18-1.94 (m, 48H), 2.35 (m, 2H), 2.61 (d, J = 12Hz, 2H), 2.88 (d, J = 12Hz, 2H), 3.13 (d, J = 14Hz, 2 H), 3.41 (d, J = 14Hz, 2 H), 6.62 (d, J = 2Hz, 2H), 6.78 (t, J = 8Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8Hz, 4H), 7.29 (t, J = 8Hz, 4H), 7.57 (d, J = 2Hz, 2H)
13C-NMR (100.4 MHz, δ, ppm, C6D6)
25.1, 26.2, 28.8, 30.5, 31.8, 32.1, 34.2, 35.6, 49.1, 77.2, 121.4, 121.8, 124.6, 125.6, 126.0, 129.3, 138.5, 141.1, 148.4, 157.9.
元素分析:計算値(C52H72O2S2Hf)C, 64.27%; H, 7.47%.
実測値:C, 63.87%; H, 7.59%.
(参考例6)
[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジクロロハフニウム
以下の実験はアルゴン雰囲気下で行った。100mLのシュレンク管中、trans-1,2-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)シクロオクタン1.00g(1.63mmol)をジエチルエーテル20mLに溶かし、この溶液にn−ブチルリチウム 2mL(1.65mol/l, 3.30mmol)を0℃で30分間攪拌した。この溶液を室温でテトラクロロハフニウム530mg(1.65mmol)のジエチルエーテル溶液50mLへと滴下し、さらに終夜攪拌した。生成した沈殿物を濾過して除き、濾液を減圧下濃縮した。残渣をペンタン5mLで洗浄後乾燥し、無色結晶として表題化合物558mg(収率40%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, C6D6)
0.54-1.86 (m, 48 H), 2.56 (br s, 2 H), 3.20 (d, J = 14Hz, 2 H), 4.35 (d, J = 14Hz, 2 H), 6.56 (br s, 2 H), 7.56 (br s, 2 H).
13C-NMR (100.4 MHz, δ, ppm, C6D6)
24.9, 26.1, 28.8, 30.4, 31.8, 34.3, 35.5, 36.0, 49.3, 120.3, 125.1, 125.7, 139.4, 142.1, 157.3.
表1に実験条件と合成したポリ(1-ヘキセン)の分子量測定の結果をまとめる。また、以下の実験はアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行い、分子量は<分子量測定条件1>、規則性は<規則性測定条件1>と<算出方法1>により求めた。
(実施例1)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 0.62g(収率21%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)99.3%であり、Mw=120000、Mw/Mn=1.3であった。
(実施例2)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに20分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 1.20g(収率40%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)98.9%であり、Mw=185000、Mw/Mn=1.5であった。
(実施例3)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに30分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 2.16g(収率72%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)97.0%であり、Mw=227000、Mw/Mn=1.7であった。
(実施例4)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに4分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 0.29g(収率10%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)99.2%であり、Mw=100000、Mw/Mn=1.3であった。
(実施例5)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに7分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 0.95g(収率32%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)99.3%であり、Mw=170000、Mw/Mn=1.5であった。
(実施例6)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 2.02g(収率67%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)98.9%であり、Mw=191000、Mw/Mn=1.8であった。
(実施例7)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をトルエン5mLに溶かし、この溶液に0℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4] 18.4mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに15分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 0.76g(収率25%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)98.2%であり、Mw=256000、Mw/Mn=1.5であった。
(実施例8)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をトルエン5mLに溶かし、この溶液に0℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4] 18.4mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに30分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 2.20g(収率73%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)99.7%であり、Mw=421000、Mw/Mn=1.6であった。
(比較例1)
50mLのシュレンク管中、25℃で[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルジルコニウム17.7mg(0.020mmol)とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン[B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)に無溶媒で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 2.68g(収率89%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)95.3%であり、Mw=43000、Mw/Mn=1.9であった。
(比較例2)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルジルコニウム17.7mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 2.86g(収率95%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)97.6%であり、Mw=43000、Mw/Mn=1.9であった。
(比較例3)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルジルコニウム17.7mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4] 18.4mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 2.90g(収率97%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)97.4%であり、Mw=41000、Mw/Mn=2.1であった。
(比較例4)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルジルコニウム17.7mg(0.020mmol)をベンゼン2mLとヘキサン10mLに溶かし、この溶液に25℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4] 18.4mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に0℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 2.76g(収率92%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)98.7%であり、Mw=120000、Mw/Mn=1.6であった。
(比較例5)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルジルコニウム1.8mg(0.0020mmol)をベンゼン1mLに溶かし、この溶液に25℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4] 1.8mg(0.0020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 0.83g(収率28%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)97.9%であり、Mw=59000、Mw/Mn=1.7であった。
(比較例6)
50mLのシュレンク管中、[シクロヘキサンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム18.9mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 0.03g(収率1%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)86.2%であり、Mw=28400、Mw/Mn=1.9であった。
(比較例7)
50mLのシュレンク管中、[シクロヘキサンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム18.9mg(0.020mmol)をトルエン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4] 18.4mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に0℃で1-ヘキセン3g(35.6mmol)を加え、さらに15分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、70℃で揮発成分を真空ポンプを用いて留去し、ポリ(1-ヘキセン) 0.03g(収率1%)を得た。得られたポリ(1-ヘキセン)の立体選択性は13C-NMRよりアイソ選択性(mmmm)88.6%であり、Mw=56000、Mw/Mn=1.9であった。
表2に実験条件と合成したポリ(4-メチル-1-ペンテン)の分子量測定の結果をまとめる。
以下の実験はアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行い、分子量は<分子量測定条件2>、規則性は<規則性測定条件2>と<算出方法2>により求めた。
(実施例9)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン [B(C6F5)3] 10.2mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で4-メチル-1-ペンテン3g(35.6mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、白色固体を濾別し、70℃で真空下乾燥し、ポリ(4-メチル-1-ペンテン) 0.09g(3%)を得た。得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)の13C-NMRを測定したが、アイソ選択性(mmmm)以外のスペクトルは確認できなかった。
(実施例10)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をベンゼン1mLとヘキサン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4] 18.4mg(0.020mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で4-メチル-1-ペンテン3g(35.6mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、白色固体を濾別し、70℃で真空下乾燥し、ポリ(4-メチル-1-ペンテン) 0.21g(7%)を得た。得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)の13C-NMRを測定したが、アイソ選択性(mmmm)以外のスペクトルは確認できなかった。
(実施例11)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をトルエン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4]を加え、さらに5分間攪拌した。この溶液に25℃で4-メチル-1-ペンテン1g(11.9mmol)を加え、さらに10分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、白色固体を濾別し、70℃で真空下乾燥し、ポリ(4-メチル-1-ペンテン) 0.10g(10%)を得た。得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)の13C-NMRを測定したが、アイソ選択性(mmmm)以外のスペクトルは確認できなかった。
(実施例12)
50mLのシュレンク管中、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム19.4mg(0.020mmol)をジクロロメタン5mLに溶かし、この溶液に25℃でトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4]を加え、さらに10分間攪拌した。この溶液に25℃で4-メチル-1-ペンテン1.0g(11.9mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。この反応溶液にメタノールを加えて反応を停止し、白色固体を濾別し、70℃で真空下乾燥し、ポリ(4-メチル-1-ペンテン) 0.34g(34%)を得た。得られたポリ(4-メチル-1-ペンテン)の13C-NMRを測定したが、アイソ選択性(mmmm)以外のスペクトルは確認できなかった。
また、実施例13〜21及び比較例8の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)融点
熱分析装置 示差走査熱量計(Diamond DSC Perkin Elmer社製)を用いて下記の方法で測定した。
1)サンプル約10mgを窒素雰囲気下、220℃ 5分間保持
2)冷却 150℃〜50℃(5℃/分)1分間保持
3)測定 50℃〜180℃(5℃/分)
(2)分子量および分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で測定した。検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。分子量分布は重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)との比(M/M)で評価した。
機種: ミリポアウオーターズ社製 150C型
カラム: TSK−GEL GMH−HT 7.5×600×2本
測定温度:152℃
溶媒: オルトジクロロベンゼン、
測定濃度:5mg/5mL
(3)アイソタクチック・ペンタッド分率([mmmm])
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.Zambelliらによって「Macromolecules」、Vol.6、925(1973)に発表されている方法、すなわち13C−NMRを使用して測定される結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。10mmΦの試験管中で約200mgの重合体を3mLのオルトジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調製し、その試料を13C−NMRスペクトルで測定した。核磁気共鳴装置(ブルカー社製AVANCE600)を使用し、以下の条件で測定された値である。NMR吸収ピークの帰属に関しては、F.A.Boveyらの「Macromolecules」、Vol.8、687(1975)に従った。
測定温度:135℃;
パルス繰り返し時間:10秒;
パルス幅:45°;
積算回数:2500回;
(4)固有粘度([η])(単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用い、測定温度135℃にて溶媒にテトラリンを用いて測定した。
(参考例7)
(d−MAOの調製方法)
3方コックを取り付けた攪拌子入りの200mL2口フラスコを窒素置換し、東ソー・ファインケム社製PMAO−Sトルエン溶液(アルミニウム含量6.1wt%)を100mLシリンジで測り取り、フラスコに投入した。この溶液を減圧し揮発成分を除去した。得られた白色固体を脱水トルエン100mLに再溶解した後、揮発成分を減圧除去した。この操作を更に2回繰り返し、白色粉末14.1gを得た。
(参考例8)
(d−MMAO−3Aの調製方法)
東ソー・ファインケム社製PMAO−Sトルエン溶液(アルミニウム含量6.1wt%)を東ソー・ファインケム社製MMAO−3Aトルエン溶液(アルミニウム含量7.0wt%)にしたこと以外は参考例7と同様に実施した。
(参考例9)
(d−MMAO−4の調製方法)
東ソー・ファインケム社製PMAO−Sトルエン溶液(アルミニウム含量6.1wt%)を東ソー・ファインケム社製MMAO−4トルエン溶液(アルミニウム含量7.4wt%)にしたこと以外は参考例7と同様に実施した。
(実施例13)
内容積400mLの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてトルエン40mL、モノマーとしてプロピレン80gを仕込み、反応器を0℃まで降温した。降温後、d−MAO 118mgを投入し、続いて[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム(1μmol/mL、トルエン溶液)1mL(1.0μmol)を投入して重合を開始した。温度を0℃に保ちながら、60分間重合を行った。
重合の結果0.5gのポリプロピレンが得られた。重合活性5.0×10 g/mol、融点=156.2℃、M=50400、M/M=2.1、[mmmm]=93.7%であった。
(実施例14)
重合温度を14℃にしたこと以外は実施例13と同様に実施した。
(実施例15)
重合温度を40℃にしたこと以外は実施例13と同様に実施した。
(実施例16)
重合温度を70℃にしたこと以外は実施例13と同様に実施した。
(実施例17)
d−MAOをd−MMAO−3Aに重合温度を40℃にしたこと以外は実施例13と同様に実施した。
(実施例18)
d−MAOをd−MMAO−4に重合温度を40℃にしたこと以外は実施例13と同様に実施した。
(実施例19)
内容積400mLの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてトルエン40mL、モノマーとしてプロピレン80gを仕込み、反応器を0℃まで降温した。降温後、d−MAO 118mgを投入し、続いて[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジクロロハフニウム(0.33μmol/mL、トルエン溶液)1.5mL(0.5μmol)を投入して重合を開始した。温度を70℃に保ちながら、60分間重合を行った。
重合の結果11.3gのポリプロピレンが得られた。重合活性2.3×10 g/mol、融点=139.7℃、M=16500、M/M=2.3、[mmmm]=85.4%、[η] = 0.22であった。
(比較例8)
内容積400mLの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてトルエン40mL、モノマーとしてプロピレン80gを仕込み、反応器を40℃まで昇温した。昇温後、d−MAO 118mgを投入し、続いて[シクロヘキサンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム(0.456μmol/mL、トルエン溶液)1.1mL(0.50μmol)を投入して重合を開始した。温度を40℃に保ちながら、60分間重合を行った。
重合の結果1.5gのポリプロピレンが得られた。重合活性3.0×10 g/mol、融点=76.9℃、M= 6900 、M/M=1.7、[mmmm]=40.5%、[η] = 0.12、であった。
(実施例20)
内容積400mLの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてトルエン40mL、モノマーとしてプロピレン80gを仕込み、反応器を40℃まで昇温した。昇温後、トリイソブチルアルミニウム (1.0mol/L、トルエン溶液)0.5mL(0.5mmol)を投入し、続いて[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム(1.85μmol/mL、トルエン溶液)2.7mL(5.00μmol)、さらに続いてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(4.0μmol/mL、トルエン溶液)6.25mL(25.00μmol)を投入して重合を開始した。温度を40℃に保ちながら、60分間重合を行った。
重合の結果17.1gのポリプロピレンが得られた。重合活性3.4×10 g/mol、融点=148.5℃、M= 31900 、M/M=2.4、[mmmm]=90.9%、[η] = 0.36であった。
(実施例21)
内容積400mLの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてトルエン40mL、モノマーとしてプロピレン80gを仕込み、反応器を40℃まで昇温した。昇温後、トリイソブチルアルミニウム (1.0mol/L、トルエン溶液)0.5mL(0.5mmol)を投入し、続いて[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジクロロハフニウム(0.33μmol/mL、トルエン溶液)3.0mL(1.00μmol)、さらに続いてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(4.0μmol/mL、トルエン溶液)1.25mL(5.00μmol)を投入して重合を開始した。温度を40℃に保ちながら、60分間重合を行った。
重合の結果2.6gのポリプロピレンが得られた。重合活性2.6×10 g/mol、融点=140.0℃、M= 11800 、M/M=2.2、[mmmm]=86.4%、[η] = 0.18であった。
実施例13〜21および比較例8で得られた重合結果を表3に示す。
(実施例22)
ハフニウム錯体量を5.0μmolに重合温度を40℃にモノマーを1-ブテンにしたこと以外は実施例13と同様に実施した。
重合の結果20.0gのポリブテンが得られた。重合活性4.0×10 g/mol、融点=107.0℃、A= 4190 、M/M=2.2、[mmmm]=96.0%であった。
(実施例23)
内容積400mLの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてトルエン40mL、モノマーとして1-ブテン80gを仕込み、反応器を40℃まで昇温した。昇温後、トリイソブチルアルミニウム (1.0mol/L、トルエン溶液)0.5mL(0.5mmol)を投入し、続いて[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(2-オキソイル-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム(1.85μmol/mL、トルエン溶液)2.7mL(5.00μmol)、さらに続いてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(4.0μmol/mL、トルエン溶液)6.25mL(25.00μmol)を投入して重合を開始した。温度を40℃に保ちながら、60分間重合を行った。
重合の結果7.7gのポリブテンが得られた。重合活性1.5×10 g/mol、融点=107.7℃、A=1900、M/M=2.0、[η] = 0.45、[mmmm]=96.1%であった。
本発明は、立体選択的ポリオレフィンの製造に関する分野に有用である。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で示される錯体を含む立体選択的オレフィン重合用触媒。
    (式中、nは2または3であり、
    及びRは、独立に、置換基を有してもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、LはCH、ハロゲン原子、OR、またはNRで示される配位子であり、
    は水素原子、芳香族基、またはトリアルキルシリル基であり、
    は炭素数1〜6の低級アルキル基であり、
    及びRは独立に水素原子または炭素数1〜6の低級アルキル基である。)
  2. nが3である請求項1に記載の触媒。
  3. 及びRが、独立に、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基である、請求項1または2に記載の触媒。
  4. 助触媒としてホウ素化合物または有機アルミニウム化合物をさらに含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒。
  5. ホウ素化合物が、BR111213、W+ (BR11121314または(V−H)+ (BR11121314である、請求項4に記載の触媒。
    (式中、R11〜R14 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、
    1〜20個の 炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基、
    1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、
    1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含む2置換アミノ基であり、
    それらは同じであっても異なっていても良く、
    + は無機または有機のカチオンであり、
    Vは中性ルイス塩基であり、(V−H)+ はブレンステッド酸である。)
  6. 有機アルミニウム化合物が、環状のアルミノキサンおよび/または線状のアルミノキサンである、請求項4に記載の触媒。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の触媒の存在下にオレフィンを重合させることを含む、立体選択的ポリオレフィンの製造方法。
  8. オレフィンがモノオレフィンまたはジオレフィンである請求項7に記載の製造方法。
  9. モノオレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および4−メチル−1−ペンテンから成る群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンである請求項8に記載の製造方法。
  10. ジオレフィンが、ブタジエン、1,5-ヘキサジエンおよび1,6-ヘプタジエンから成る群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンである請求項8に記載の製造方法。
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