JPWO2011096193A1 - 撮像レンズ及びそれを用いた撮像装置、並びに、当該撮像装置を搭載した携帯機器 - Google Patents

撮像レンズ及びそれを用いた撮像装置、並びに、当該撮像装置を搭載した携帯機器 Download PDF

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Abstract

イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有し、その焦点深度を実用的範囲に保って解像度の低下を抑制することができる撮像レンズを提供する。物体側から像面側に向かって順に配置された、開口絞り5と、正のパワーを有する両凸レンズからなる第1レンズ1と、負のパワーを有し、物体側のレンズ面が凸面であるメニスカスレンズからなる第2レンズ2と、正のパワーを有し、物体側のレンズ面が凹面であるメニスカスレンズからなる第3レンズ3と、負のパワーを有する両凹レンズからなる第4レンズ4とにより構成された撮像レンズ7である。第1レンズ1の物体側のレンズ面に、多焦点レンズ面が設けられている。撮像レンズ7は、多焦点レンズ面と開口絞り5の面との光軸上の距離の絶対値をD、イメージセンサに結像される像面における最大像高の絶対値をYmaxとしたとき、下記条件式(1)を満足する。0≦D/Ymax≦0.1 ・・・(1)

Description

本発明は、撮像装置を搭載した例えばPCカメラ、防犯カメラ、コンパクトカメラ、携帯電話機などの小型の携帯機器に好適な撮像レンズ、及び、当該撮像レンズを用いた撮像装置、並びに、当該撮像装置を搭載した携帯機器に関する。
近年、例えば携帯電話機などの小型の携帯機器にも撮像装置(カメラモジュール)を搭載したものが普及し、かかる小型の携帯機器を用いて簡易に写真撮影を行うことが一般的になってきている。そして、かかる小型の携帯機器に搭載される小型の撮像装置用の撮像レンズとしては、大型化を避けるために、フォーカスのためのレンズ駆動を必要としないものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の撮像レンズは、少なくとも1つのレンズ面が、光軸と同軸の内側領域と外側領域とで異なる曲率を有し、外側領域の曲率による全系の焦点距離をf1、内側領域の曲率による全系の焦点距離をf2としたとき、下記条件式(6)を満足している。
0.3≦f2/f1≦0.9 ・・・(6)
そして、特許文献1に記載の撮像レンズの構成によれば、物点距離の差が大きな物点を同時に同じ像面上で撮像することが可能となる(フォーカスのためのレンズ駆動を行うことなく、物点距離の差が大きな物点を同時に撮像することが可能となる)。
特開2003−270526号公報
しかし、上記特許文献1に記載の撮像レンズを用いた撮像装置は、コンパクトではあるが、焦点深度が深い二重焦点レンズ系のものであり、イメージセンサに結像される像面の中央部と外側部とで焦点深度が異なり、解像度が低下するという問題がある。
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有し、その焦点深度を実用的範囲に保って解像度の低下を抑制することができる撮像レンズ及びそれを用いた撮像装置、並びに、当該撮像装置を搭載した携帯機器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る撮像レンズの構成は、イメージセンサによって感知されたイメージを復元処理する撮像装置に用いられる撮像レンズであって、少なくとも1枚のレンズを備え、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に、領域ごとに複数の、焦点が異なる面が形成された多焦点レンズ面を有すると共に、前記多焦点レンズ面の隣接する位置に開口絞りが配置され、前記多焦点レンズ面と前記開口絞りの面との光軸上の距離の絶対値をD、前記イメージセンサに結像される像面における最大像高の絶対値をYmaxとしたとき、下記条件式(1)を満足することを特徴とする。
0≦D/Ymax≦0.1 ・・・(1)
本発明においては、複数のレンズ面を有する光学系の少なくとも1つのレンズ面が、異なる関数で定義される複数の領域を含む面であることにより、前記異なる領域へ入射する光線ごとに前記光学系による焦点特性が異なり、その結果、前記光学系によって得られるイメージが、これら入射領域ごとに異なる焦点特性の重畳によって得られることを、『多焦点である』とみなす。
例えば、同一のレンズ面に異なる曲率で定義される領域を複数有する光学系の場合、そのレンズ面での光線が入射する領域によって近軸焦点位置が異なる。このことは、領域ごとに焦点特性が異なることを意味しており、当該光学系は多焦点であると言える。
また、同一のレンズ面に異なる非球面係数及び/又は円錐常数で定義される領域を複数有する光学系の場合、それらの曲率が同じであっても、非球面係数及び/又は円錐常数が異なれば、そのレンズ面での光線が入射する領域によって発生する収差特性が異なる。このことも、領域ごとに焦点特性が異なることを意味しており、当該光学系は多焦点であると言える。
前記本発明の撮像レンズの構成によれば、イメージセンサによって感知されたイメージを復元しやすい高解像力な収差特性を有しながら、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有する撮像レンズを提供することができる。すなわち、前記本発明の撮像レンズの構成によれば、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有し、その焦点深度を実用的範囲に保って解像度の低下を抑制することができる撮像レンズを提供することができる。
また、前記本発明の撮像レンズの構成においては、前記1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域の焦点距離をf1、f2としたとき、下記条件式(2)を満足するのが好ましい。
0.95≦f1/f2≦1.05 ・・・(2)
この好ましい例によれば、1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域の焦点距離の差を±5%以内とすることにより、イメージセンサに結像される像面において、遠点から近点まで連続した被写体距離に対して一様な解像性能が得られやすくなる。一方、上記条件式(2)を満足しない場合には、遠点と近点との中間距離において十分な解像力が得られなくなりやすい。
尚、前記1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域の少なくとも一方の領域が非球面であって、2つの領域の非球面係数及び/又は円錐常数が互いに異なっていれば、前記任意の2つの領域の焦点距離が等しくても(f1/f2=1.00)、イメージセンサに結像される像面において、遠点から近点まで連続した被写体距離に対して一様な解像性能が得られやすくなる。
また、前記本発明の撮像レンズの構成においては、前記領域の境界が前記光軸を中心軸とする同心円状であるのが好ましい。この好ましい例によれば、多焦点レンズ面が光軸に対して回転対称なレンズ面となるため、レンズやその金型を製造しやすくなる。
また、前記本発明の撮像レンズの構成においては、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有するのが好ましい。
軸上色収差が大きくなると、固定された像面での波長ごとの像特性が物体距離によって変化する。しかし、画像復元システムでは物体距離情報が得られず、良好な復元画像が様々な物体距離で得られなくなるため、できる限り軸上色収差を小さくしておく必要がある。また、倍率色収差が大きくなると、光軸に垂直な像面での解像力が低下する。一般に、倍率色収差は像高によって変化する(中心は0である)が、像高によって像特性が変化すると、良好な復元画像が得られなくなるため、像高によらずできる限り倍率色収差を小さくしておく必要がある。そして、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有するという好ましい例によれば、当該回折光学素子面によって色収差を良好に補正することができるので、より画像復元システムに適した深い焦点深度を有する撮像レンズを提供することができる。また、多焦点レンズ面を有しない標準レンズにおいては、回折光学素子面を設けることにより、回折不要次数光によってフレアが発生することが懸念される。ここで、回折不要次数光とは、設計回折次数以外の次数の光線のことであり、それが設計回折次数光の周辺に像を作り、フレア成分となる。しかし、本発明の撮像レンズは、多焦点レンズ面を有することにより、大きい収差を持った結像性能を有しており、その像の広がりと回折不要次数光によるフレア像とが重なるためにフレアが目立ちにくい。かかる観点からしても、前記本発明の撮像レンズの構成においては、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有するのが好ましい。
また、前記本発明の撮像レンズの構成においては、当該撮像レンズによって得られる前記像面でのMTF(Modulation Transfer Function:変調伝達関数)スルーフォーカス特性が、前記像面において正方向にMTFのピークがあり、負方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが好ましい。
ここで、MTFスルーフォーカス特性とは、撮像レンズの像界において、被写界から像界に向かう方向を正方向とした光軸方向を横軸に、その光軸と垂直を成す面を像面としたときのMTFを縦軸に定義したMTF特性のことであり、ある物体に対する焦点深度を評価するのに用いられる。
この好ましい例によれば、必要に応じて、遠点側の解像力を近点側の解像力よりも優位にすることができる。
また、前記本発明の撮像レンズの構成においては、当該撮像レンズによって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において負方向にMTFのピークがあり、正方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが好ましい。この好ましい例によれば、必要に応じて、近点側の解像力を遠点側の解像力よりも優位にすることができる。
また、前記本発明の撮像レンズの構成においては、前記1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域において、それぞれの領域を通過する光線に特定の位相差が生じるように、いずれか一方の領域を他方の領域に対して相対的に前記光軸方向にシフトさせるのが好ましい。この好ましい例によれば、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有するように、より制御しやすくなる。
また、前記本発明の撮像レンズの構成においては、前記撮像レンズによって得られる任意の像点の点像強度分布関数(PSF(Point Spread Function))において、当該点像強度分布関数の最大値を1としたとき、前記点像強度が0.01以上である幅Lが下記条件式(3)を満足するのが好ましい。
4≦L/P≦20 ・・・(3)
但し、上記条件式(3)中、Pは前記イメージセンサの画素ピッチを示している。
撮像レンズが、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有すると、点像がボケることによって、高輝度被写体においてフレアが発生するおそれがある。しかし、上記条件式(3)を満足するという好ましい例によれば、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有するように制御しながら、高輝度被写体におけるフレアの発生を抑えることが可能となる。
また、本発明に係る撮像装置の構成は、撮像レンズと、前記撮像レンズによって結像されるイメージを感知するイメージセンサと、前記イメージセンサによって感知されたイメージを復元処理する復元装置とを備えた撮像装置であって、前記撮像レンズとして前記本発明の撮像レンズを用いたことを特徴とする。
前記本発明の撮像装置の構成によれば、撮像レンズとして前記本発明の撮像レンズを用いていることにより、コンパクトで解像度性能の高い撮像装置を提供することができる。
また、本発明に係る携帯機器の構成は、前記本発明の撮像装置が搭載されたことを特徴とする。
前記本発明の携帯機器の構成によれば、前記本発明の撮像装置が搭載されていることにより、コンパクトで高性能な携帯電話機などの携帯機器を提供することができる。
以上のように、本発明によれば、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有し、その焦点深度を実用的範囲に保って解像度の低下を抑制することができる撮像レンズ、及び、当該撮像レンズを用いた、コンパクトで解像度性能の高い撮像装置、並びに、当該撮像装置を搭載した、コンパクトで高性能な携帯機器を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態における撮像レンズの構成を示す配置図 本発明の実施例1における撮像レンズの球面収差の図 本発明の実施例1における撮像レンズの非点収差の図 本発明の実施例1における撮像レンズの歪曲収差の図 本発明の実施例1における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す図 本発明の実施例の撮像レンズと焦点距離、最大像高、Fナンバー(F値)が同じで諸収差を良好に補正した一般的な撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す図 本発明の実施例1において開口絞りを光軸に沿って物体側に移動させたときに発生するスルーフォーカスMTFを示す図 本発明の第2の実施の形態における撮像レンズの構成を示す配置図 本発明の実施例2における撮像レンズの球面収差の図 本発明の実施例2における撮像レンズの非点収差の図 本発明の実施例2における撮像レンズの歪曲収差の図 本発明の実施例2における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す図 本発明の第3の実施の形態における撮像レンズの構成を示す配置図 本発明の実施例3における撮像レンズの球面収差の図 本発明の実施例3における撮像レンズの非点収差の図 本発明の実施例3における撮像レンズの歪曲収差の図 本発明の実施例3における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す図 本発明の第4の実施の形態における撮像レンズの多焦点レンズ面を模式的に示した断面図 本発明の第5の実施の形態における撮像レンズによって得られる任意の像点の点像強度分布を示すグラフ 本発明の第6の実施の形態における撮像装置の構成を示す模式図 本発明の第7の実施の形態における携帯機器としての携帯電話機の構成を示す図((a)は平面図、(b)は背面図)
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における撮像レンズの構成を示す配置図である。
本実施の形態の撮像レンズ7は、少なくとも1枚のレンズを備え、イメージセンサによって感知されたイメージを復元処理する撮像装置に用いられる。また、本実施の形態の撮像レンズ7は、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に、領域ごとに複数の、焦点が異なる面が形成された多焦点レンズ面を有すると共に、前記多焦点レンズ面の隣接する位置に開口絞りが配置されている。そして、本実施の形態の撮像レンズ7は、前記多焦点レンズ面と前記開口絞りの面との光軸上の距離の絶対値をD、前記イメージセンサに結像される像面における最大像高の絶対値をYmaxとしたとき、下記条件式(1)を満足している。
0≦D/Ymax≦0.1 ・・・(1)
撮像レンズ7を上記のように構成すれば、イメージセンサによって感知されたイメージを復元しやすい高解像力な収差特性を有しながら、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有する撮像レンズを提供することができる。すなわち、撮像レンズ7を上記のように構成すれば、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有し、その焦点深度を実用的範囲に保って解像度の低下を抑制することができる撮像レンズを提供することができる。
例えば、本実施の形態の撮像レンズ7は、図1に示すように、物体側(図1では左側)から像面側(図1では右側)に向かって順に配置された、開口絞り5と、正のパワーを有する両凸レンズからなる第1レンズ1と、負のパワーを有し、物体側のレンズ面が凸面であるメニスカスレンズからなる第2レンズ2と、正のパワーを有し、物体側のレンズ面が凹面であるメニスカスレンズからなる第3レンズ3と、負のパワーを有する両凹レンズからなる第4レンズ4とにより構成されている。そして、本実施の形態の撮像レンズ7は、第1レンズ1の物体側のレンズ面に多焦点レンズ面を有している(開口絞り5は、多焦点レンズ面の隣接する位置に配置されている)。
ここで、パワーは、焦点距離の逆数で定義される量である。また、開口絞り5は、円形の開口を有している。
第4レンズ4とイメージセンサの撮像面Sとの間には、透明な平行平板6が配置されている。ここで、平行平板6は、光学ローパスフィルタと赤外線(IR)カットフィルタとイメージセンサのフェースプレート(カバーガラス)に等価な平板である。
第1レンズ1の物体側のレンズ面から平行平板6の像面側の面に至る各面(以下「光学面」ともいう)を、物体側から順に、「第1面」、「第2面」、「第3面」、「第4面」、・・・、「第8面」、「第9面」、「第10面」と呼ぶこととする(後述する第2及び第3の実施の形態についても同様である)。
本実施の形態の撮像レンズ7の構成においては、前記1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域の焦点距離をf1、f2としたとき、下記条件式(2)を満足するのが望ましい。
0.95≦f1/f2≦1.05 ・・・(2)
このように、1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域の焦点距離の差を±5%以内とすることにより、イメージセンサに結像される像面において、遠点から近点まで連続した被写体距離に対して一様な解像性能が得られやすくなる。一方、上記条件式(2)を満足しない場合には、遠点と近点との中間距離において十分な解像力が得られなくなりやすい。
尚、前記1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域の少なくとも一方の領域が非球面であって、2つの領域の非球面係数及び/又は円錐常数が互いに異なっていれば、前記任意の2つの領域の焦点距離が等しくても(f1/f2=1.00)、イメージセンサに結像される像面において、遠点から近点まで連続した被写体距離に対して一様な解像性能が得られやすくなる。
レンズ面の非球面形状は、下記(数1)で与えられる(後述する第2及び第3の実施の形態についても同様である)。
Figure 2011096193
但し、上記(数1)中、Yは光軸からの高さ、Xは光軸からの高さがYの非球面形状の非球面頂点の接平面からの距離、Rは非球面頂点の曲率半径、κは円錐常数、A4、A6、A8、A10、・・・はそれぞれ4次、6次、8次、10次、・・・の非球面係数を表わしている。
また、本実施の形態の撮像レンズ7の構成においては、前記領域の境界が前記光軸を中心軸とする同心円状であるのが望ましい。このように構成すれば、多焦点レンズ面が光軸に対して回転対称なレンズ面となるため、レンズやその金型を製造しやすくなる。
また、本実施の形態の撮像レンズ7の構成においては、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有するのが望ましい。図1に示す本実施の形態の撮像レンズ7は、第1レンズ1の像面側のレンズ面に回折光学素子面を有している。
回折光学素子面の形状は、例えば、下記(数2)で与えられる(後述する第2及び第3の実施の形態についても同様である)。
[数2]
φ(ρ)=(2π/λ )(C2ρ +C4ρ
Y=ρ
但し、上記(数2)中、φ(ρ)は位相関数、Yは光軸からの高さ、Cnはn次の位相係数、λ は設計波長を表わしている。尚、Xは、回折次数をMとし、φ(ρ)を形状変換することによって決定される。
軸上色収差が大きくなると、固定された像面での波長ごとの像特性が物体距離によって変化する。しかし、画像復元システムでは物体距離情報が得られず、良好な復元画像が様々な物体距離で得られなくなるため、できる限り軸上色収差を小さくしておく必要がある。また、倍率色収差が大きくなると、光軸に垂直な像面での解像力が低下する。一般に、倍率色収差は像高によって変化する(中心は0である)が、像高によって像特性が変化すると、良好な復元画像が得られなくなるため、像高によらずできる限り倍率色収差を小さくしておく必要がある。そして、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有していれば、当該回折光学素子面によって色収差を良好に補正することができるので、より画像復元システムに適した深い焦点深度を有する撮像レンズを提供することができる。
また、本実施の形態の撮像レンズ7の構成においては、当該撮像レンズ7によって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において正方向にMTFのピークがあり、負方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが望ましい。これによれば、必要に応じて、遠点側の解像力を近点側の解像力よりも優位にすることができる。
また、本実施の形態の撮像レンズ7の構成においては、当該撮像レンズ7によって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において負方向にMTFのピークがあり、正方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが望ましい。これによれば、必要に応じて、近点側の解像力を遠点側の解像力よりも優位にすることができる。また、この場合には、前記1つの多焦点レンズ面内のある焦点を有する領域の焦点距離が、それより外側(外周方向)の領域の焦点距離よりも小さいのが望ましい。そして、これによれば、より容易に、近点側の解像力を遠点側の解像力よりも優位にすることができるようになる。
(実施例1)
以下、具体的実施例を挙げて、本実施の形態における撮像レンズをさらに詳細に説明する。
下記(表1)に、本実施例における撮像レンズの具体的数値例を示す。
Figure 2011096193
上記(表1)において、r(mm)は光学面の曲率半径、d(mm)は第1〜第4レンズ1〜4並びに平行平板6の軸上での肉厚又は面間隔、nは第1〜第4レンズ1〜4並びに平行平板6のd線(587.5600nm)に対する屈折率、νは第1〜第4レンズ1〜4並びに平行平板6のd線に対するアッベ数を示している(下記の実施例2、3についても同様である)。尚、図1に示す撮像レンズ7は、上記(表1)のデータに基づいて構成されたものである。
また、下記(表2A)、(表2B)、(表2C)に、本実施例における撮像レンズの非球面係数(円錐常数を含む)を示す。下記(表2A)、(表2B)、(表2C)中、「E+00」、「E−02」等は、それぞれ「10+00 」、「10−02 」等を表わすものとする(下記(表3)及び下記の実施例2、3についても同様である)。
Figure 2011096193
Figure 2011096193
Figure 2011096193
尚、上記(表2A)、(表2B)、(表2C)に示すように、本実施例の撮像レンズ7においては、第1〜第4レンズ1〜4のすべてのレンズ面が非球面形状となっているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。
また、上記(表1)、(表2A)、(表2B)、(表2C)において、*印を付した面(第1面:第1レンズ1の物体側のレンズ面)は多焦点レンズ面である。多焦点レンズ面は、光軸からの高さ0.38mmの同心円を境界として2つの領域に分けられており、これら2つの領域は焦点距離(曲率半径)が同じで円錐常数が異なっている。また、これら2つの領域は、フレアの発生を防止するために、その境界位置でサグ量を一致させて、段差ができないように形成されている。つまり、上記領域同士の境界面に上記段差がある場合、フレアが発生するため、上記段差をなくしてフレアの発生を防止している。但し、設計波長の数分の一から数倍程度の量の段差であれば許容され、これにより新たな効果が期待される(後述する第4の実施の形態を参照)。
また、上記(表1)、(表2A)、(表2B)、(表2C)において、**印を付した面(第2面:第1レンズ1の像面側のレンズ面)は回折光学素子面であり、当該回折光学素子面の具体的数値例は下記(表3)に示す通りである。
Figure 2011096193
尚、本実施例の撮像レンズ7においては、第1レンズ1の物体側のレンズ面に多焦点レンズ面が設けられているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。第1レンズ1の像面側のレンズ面又は第2〜第4レンズ2〜4の物体側のレンズ面もしくは像面側のレンズ面に多焦点レンズ面を設けても、同様の効果を得ることができる。また、2つ以上のレンズ面に多焦点レンズ面を設けてもよい。
また、本実施例の撮像レンズ7においては、第1レンズ1の像面側のレンズ面に回折光学素子面が設けられているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。第1レンズ1の物体側のレンズ面又は第2〜第4レンズ2〜4の物体側のレンズ面もしくは像面側のレンズ面に回折光学素子面を設けても、同様の効果を得ることができる。また、回折光学素子面は、多焦点レンズ面と同じレンズ面に設けてもよく、2つ以上のレンズ面に設けてもよい。さらに、色収差補正の観点から、回折光学素子面は、開口絞りに比較的近いレンズ面に設けるのが好ましい。
また、下記(表4)に、本実施例における撮像レンズ7の、Fナンバー(F値)Fno、多焦点レンズ面の面頂を成す領域による撮像レンズ7全体の焦点距離f(mm)、空気換算でない光学全長TL(mm)、最大像高Y’、開口絞り5の開口直径(mm)、及び、条件式(1)、(2)の値を示す。
Figure 2011096193
上記(表4)に示すように、最大像高Y’は2.3mmであり、本実施例における撮像レンズ7は、イメージセンサとしての1/4インチ型固体撮像素子に対応した撮像レンズとなっている。
図2A〜図2Cに、本実施例における撮像レンズの収差図を示す。図2Aは球面収差の図であり、実線はg線(435.8300nm)、長い破線はC線(656.2700nm)、短い破線はF線(486.1300nm)、二点鎖線はd線(587.5600nm)、一点鎖線はe線(546.0700nm)に対する値を示している。図2Bは非点収差の図であり、実線はサジタル像面湾曲、破線はメリディオナル像面湾曲を示している。図2Cは歪曲収差の図である。尚、軸上色収差の図は、図2Aの球面収差の図と同じである。
図2A〜図2Cに示す収差図から明らかなように、深い焦点深度を得るための多焦点レンズ面により球面収差が大きくなっている一方で、回折光学素子面を設けているために色収差が良好に補正されていることが分かる。その結果、より画像復元システムに適した深い焦点深度を有する撮像レンズを提供することができる。また、像面湾曲・非点収差は良好に補正されており、像高によらず一様の解像特性が得られることが分かる。また、歪曲収差も良好に補正されている。
図3に、本実施例における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す。図3においては、物体距離60cmにおける120本/mmの波動光学MTFを縦軸に、像面の光軸方向の位置を横軸にとっており、最大像高を2.3mmとし、中心、5割像高、7割像高、9割像高でのMTFを示している。尚、図3中、“T”はメリディオナル方向のMTFを示しており、“R”はサジタル方向のMTFを示している(図4、図8、図11についても同様である)。
図3に示すように、本実施例における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性は、像面において正方向にMTFのピークがあり、負方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描いている。これにより、必要に応じて、遠点側の解像力を近点側の解像力よりも優位にすることができる。
尚、図3に示すMTFは白色MTFであり、波長ウエイトは、C線(656.2700nm)、d線(587.5600nm)、e線(546.0700nm)、F線(486.1300nm)、g線(435.8300nm)の順に5、25、34、22、14としている。しかし、上記効果は、この波長ウエイトによらず得られるものである。
図4に、焦点距離f(mm)、最大像高Y’、Fナンバー(F値)Fnoが同じで諸収差を良好に補正した一般的な撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す。
図3と図4を比べると、本実施例の撮像レンズの方が一般的な撮像レンズよりも深い焦点深度を有していることが分かる。また、本実施例の撮像レンズは、像高が高くなっても深い焦点深度を確保できていることが分かる。
ここでは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFを示しているが、無限物体や近点物体によるスルーフォーカスMTFは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFとおよそ同様の曲線を描きつつ光軸方向へシフトしたようになる。より具体的には、無限物体によるスルーフォーカスMTFは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFとおよそ同様の曲線を描きつつ撮像レンズの方向へシフトし、近点物体によるスルーフォーカスMTFは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFとおよそ同様の曲線を描きつつ撮像レンズの方向とは逆の方向へシフトする。これを考えた場合、本実施例においては、像面を例えば図3の横軸原点に固定したとして、その像面のMTFは、無限物体では高く、物体距離が近くなるにつれて緩やかに低くなる。そして、このことは、一般に撮影する対象が遠い物体である場合、撮影対象の情報量が多い(撮影面積が大きい)遠点側により高い解像力を必要とするという要求に対して効果を発揮することができる。尚、逆に近点側により高い解像力を必要とする場合には、それを考慮した光学設計を行えばよい。
次に、多焦点レンズ面と撮像レンズの開口絞りとの間の光軸上の距離について考える。図5は、本実施例において開口絞りを光軸に沿って物体側に移動させたときに発生するスルーフォーカスMTFを示したものである。『開口絞りを光軸に沿って物体側に移動させる』とは、第1レンズ1の物体側のレンズ面に設けられた多焦点レンズ面と開口絞り5との間の光軸上の距離を大きくすることであり、図5には、多焦点レンズ面と開口絞り5の面との光軸上の距離の絶対値をD、撮像レンズ7によってイメージセンサに結像される像面における最大像高の絶対値をYmaxとしたときの、D/Ymaxとして算出される値を0、0.05、0.1、0.15として、それぞれの7割像高のスルーフォーカスMTFを示している。本実施例は『前絞り』であるため、この開口絞りの移動は中心のMTFには変化をもたらさない。図5から明らかなように、D/Ymaxが0.1よりも大きくなると、中心のMTFと7割像高のMTFは乖離してくることが分かる。これは、多焦点レンズ面と開口絞り5の面との光軸上の距離が大きくなるにつれて、多焦点レンズ面上での高い像高へ結像する光束の中心(主光線)が光軸から離れ、多焦点レンズ面による『焦点深度拡張の効果』を十分に得られなくなるからである。像面の中央部(中心)から高い像高の外側部にわたって深い焦点深度を得るためには、上記条件式(1)を満足する必要がある。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態における撮像レンズの構成を示す配置図である。
本実施の形態の撮像レンズ14は、少なくとも1枚のレンズを備え、イメージセンサによって感知されたイメージを復元処理する撮像装置に用いられる。また、本実施の形態の撮像レンズ14は、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に、領域ごとに複数の、焦点が異なる面が形成された多焦点レンズ面を有すると共に、前記多焦点レンズ面の隣接する位置に開口絞りが配置されている。そして、本実施の形態の撮像レンズ14も、上記条件式(1)を満足している。
例えば、本実施の形態の撮像レンズ14は、図6に示すように、物体側(図6では左側)から像面側(図6では右側)に向かって順に配置された、開口絞り12と、正のパワーを有する両凸レンズからなる第1レンズ8と、負のパワーを有する両凹レンズからなる第2レンズ9と、正のパワーを有し、物体側のレンズ面が凹面であるメニスカスレンズからなる第3レンズ10と、負のパワーを有し、物体側のレンズ面が凸面であるメニスカスレンズからなる第4レンズ11とにより構成されている。そして、本実施の形態の撮像レンズ14は、第1レンズ8の物体側のレンズ面に多焦点レンズ面を有している(開口絞り12は、多焦点レンズ面の隣接する位置に配置されている)。
ここで、開口絞り12は、円形の開口を有している。
第4レンズ11とイメージセンサの撮像面Sとの間には、上記第1の実施の形態の平行平板6と同様の透明な平行平板13が配置されている。
本実施の形態の撮像レンズ14の構成においても、上記条件式(2)を満足するのが望ましい。
また、本実施の形態の撮像レンズ14の構成においても、前記領域の境界が前記光軸を中心軸とする同心円状であるのが望ましい。
また、本実施の形態の撮像レンズ14の構成においても、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有するのが望ましい。図6に示す本実施の形態の撮像レンズ14は、第1レンズ8の像面側のレンズ面に回折光学素子面を有している。
また、本実施の形態の撮像レンズ14の構成においても、当該撮像レンズ14によって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において正方向にMTFのピークがあり、負方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが望ましい。
また、本実施の形態の撮像レンズ14の構成においても、当該撮像レンズ14によって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において負方向にMTFのピークがあり、正方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが望ましい。
(実施例2)
以下、具体的実施例を挙げて、本実施の形態における撮像レンズをさらに詳細に説明する。
下記(表5)に、本実施例における撮像レンズの具体的数値例を示す。尚、図6に示す撮像レンズ14は、下記(表5)のデータに基づいて構成されたものである。
Figure 2011096193
また、下記(表6A)、(表6B)、(表6C)に、本実施例における撮像レンズの非球面係数(円錐常数を含む)を示す。
Figure 2011096193
Figure 2011096193
Figure 2011096193
尚、上記(表6A)、(表6B)、(表6C)に示すように、本実施例の撮像レンズ14においては、第1〜第4レンズ8〜11のすべてのレンズ面が非球面形状となっているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。
また、上記(表5)、(表6A)、(表6B)、(表6C)において、*印を付した面(第1面:第1レンズ8の物体側のレンズ面)は多焦点レンズ面である。多焦点レンズ面は、光軸からの高さ0.37mm及び0.50mmの同心円を境界として3つの領域に分けられており、これら3つの領域は焦点距離(曲率半径)並びに円錐常数及び非球面係数が異なっている。また、これら3つの領域は、フレアの発生を防止するために、その境界位置でサグ量を一致させて、段差ができないように形成されている。但し、この場合も、設計波長の数分の一から数倍程度の量の段差であれば許容され、これにより新たな効果が期待される(後述する第4の実施の形態を参照)。
また、上記(表5)、(表6A)、(表6B)、(表6C)において、**印を付した面(第2面:第1レンズ1の像面側のレンズ面)は回折光学素子面であり、当該回折光学素子面の具体的数値例は下記(表7)に示す通りである。
Figure 2011096193
尚、本実施例の撮像レンズ14においては、第1レンズ8の物体側のレンズ面に多焦点レンズ面が設けられているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。第1レンズ8の像面側のレンズ面又は第2〜第4レンズ9〜11の物体側のレンズ面もしくは像面側のレンズ面に多焦点レンズ面を設けても、同様の効果を得ることができる。また、2つ以上のレンズ面に多焦点レンズ面を設けてもよい。
また、本実施例の撮像レンズ14においては、第1レンズ8の像面側のレンズ面に回折光学素子面が設けられているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。第1レンズ8の物体側のレンズ面又は第2〜第4レンズ9〜11の物体側のレンズ面もしくは像面側のレンズ面に回折光学素子面を設けても、同様の効果を得ることができる。また、回折光学素子面は、多焦点レンズ面と同じレンズ面に設けてもよく、2つ以上のレンズ面に設けてもよい。さらに、色収差補正の観点から、回折光学素子面は、開口絞りに比較的近いレンズ面に設けるのが好ましい。
また、下記(表8)に、本実施例における撮像レンズ14の、Fナンバー(F値)Fno、多焦点レンズ面の面頂を成す領域による撮像レンズ14全体の焦点距離f(mm)、空気換算でない光学全長TL(mm)、最大像高Y’、開口絞り12の開口直径(mm)、及び、条件式(1)、(2)の値を示す。
Figure 2011096193
図7A〜図7Cに、本実施例における撮像レンズの収差図を示す。図7Aは球面収差の図であり、実線はg線、長い破線はC線、短い破線はF線、二点鎖線はd線、一点鎖線はe線に対する値を示している。図7Bは非点収差の図であり、実線はサジタル像面湾曲、破線はメリディオナル像面湾曲を示している。図7Cは歪曲収差の図である。尚、軸上色収差の図は、図7Aの球面収差の図と同じである。
図7A〜図7Cに示す収差図から明らかなように、深い焦点深度を得るための多焦点レンズ面により球面収差が大きくなっている一方で、回折光学素子面を設けているために色収差が良好に補正されていることが分かる。その結果、より画像復元システムに適した深い焦点深度を有する撮像レンズを提供することができる。また、像面湾曲・非点収差は良好に補正されており、像高によらず一様の解像特性が得られることが分かる。また、歪曲収差も良好に補正されている。
図8に、本実施例における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す。図8においては、物体距離60cmにおける120本/mmの波動光学MTFを縦軸に、像面の光軸方向の位置を横軸にとっており、最大像高を2.3mmとし、中心、5割像高、7割像高、9割像高でのMTFを示している。
尚、図8に示すMTFは白色MTFであり、波長ウエイトは、C線(656.2700nm)、d線(587.5600nm)、e線(546.0700nm)、F線(486.1300nm)、g線(435.8300nm)の順に5、25、34、22、14としている。しかし、上記効果は、この波長ウエイトによらず得られるものである。
図8と図4を比べると、本実施例の撮像レンズの方が一般的な撮像レンズよりも深い焦点深度を有していることが分かる。また、本実施例の撮像レンズは、像高が高くなっても深い焦点深度を確保できていることが分かる。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態における撮像レンズの構成を示す配置図である。
本実施の形態の撮像レンズ21は、少なくとも1枚のレンズを備え、イメージセンサによって感知されたイメージを復元処理する撮像装置に用いられる。また、本実施の形態の撮像レンズ21は、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に、領域ごとに複数の、焦点が異なる面が形成された多焦点レンズ面を有すると共に、前記多焦点レンズ面の隣接する位置に開口絞りが配置されている。そして、本実施の形態の撮像レンズ21も、上記条件式(1)を満足している。
例えば、本実施の形態の撮像レンズ21は、図9に示すように、物体側(図9では左側)から像面側(図9では右側)に向かって順に配置された、開口絞り19と、正のパワーを有する両凸レンズからなる第1レンズ15と、負のパワーを有する両凹レンズからなる第2レンズ16と、正のパワーを有し、物体側のレンズ面が凹面であるメニスカスレンズからなる第3レンズ17と、負のパワーを有し、物体側のレンズ面が凸面であるメニスカスレンズからなる第4レンズ18とにより構成されている。そして、本実施の形態の撮像レンズ21は、第1レンズ15の物体側のレンズ面に多焦点レンズ面を有している(開口絞り19は、多焦点レンズ面の隣接する位置に配置されている)。
ここで、開口絞り19は、円形の開口を有している。
第4レンズ18と撮像素子の撮像面Sとの間には、上記第1の実施の形態の平行平板6と同様の透明な平行平板20が配置されている。
本実施の形態の撮像レンズ21の構成においても、上記条件式(2)を満足するのが望ましい。
また、本実施の形態の撮像レンズ21の構成においても、前記領域の境界が前記光軸を中心軸とする同心円状であるのが望ましい。
また、本実施の形態の撮像レンズ21の構成においても、前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有するのが望ましい。図9に示す本実施の形態の撮像レンズ21は、第1レンズ15の像面側のレンズ面に回折光学素子面を有している。
また、本実施の形態の撮像レンズ21の構成においても、当該撮像レンズ21によって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において正方向にMTFのピークがあり、負方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが望ましい。
また、本実施の形態の撮像レンズ21の構成においても、当該撮像レンズ21によって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において負方向にMTFのピークがあり、正方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描くのが望ましい。
(実施例3)
以下、具体的実施例を挙げて、本実施の形態における撮像レンズをさらに詳細に説明する。
下記(表9)に、本実施例における撮像レンズの具体的数値例を示す。尚、図9に示す撮像レンズ21は、下記(表9)のデータに基づいて構成されたものである。
Figure 2011096193
また、下記(表10A)、(表10B)、(表10C)に、本実施例における撮像レンズの非球面係数(円錐常数を含む)を示す。
Figure 2011096193
Figure 2011096193
Figure 2011096193
尚、上記(表10A)、(表10B)、(表10C)に示すように、本実施例の撮像レンズ21においては、第1〜第4レンズ15〜18のすべてのレンズ面が非球面形状となっているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。
また、上記(表9)、(表10A)、(表10B)、(表10C)において、*印を付した面(第1面:第1レンズ15の物体側のレンズ面)は多焦点レンズ面である。多焦点レンズ面は、光軸からの高さ0.4mmの同心円を境界として2つの領域に分けられており、これら2つの領域は円錐常数及び非球面係数が同じで焦点距離(曲率半径)が異なっている。また、これら2つの領域は、フレアの発生を防止するために、その境界位置でサグ量を一致させて、段差ができないように形成されている。但し、この場合も、設計波長の数分の一から数倍程度の量の段差であれば許容され、これにより新たな効果が期待される(後述する第4の実施の形態を参照)。
また、上記(表9)、(表10A)、(表10B)、(表10C)において、**印を付した面(第2面:第1レンズ15の像面側のレンズ面)は回折光学素子面であり、当該回折光学素子面の具体的数値例は下記(表11)に示す通りである。
Figure 2011096193
尚、本実施例の撮像レンズ21においては、第1レンズ15の物体側のレンズ面に多焦点レンズ面が設けられているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。第1レンズ15の像面側のレンズ面又は第2〜第4レンズ16〜18の物体側のレンズ面もしくは像面側のレンズ面に多焦点レンズ面を設けても、同様の効果を得ることができる。また、2つ以上のレンズ面に多焦点レンズ面を設けてもよい。
また、本実施例の撮像レンズ21においては、第1レンズ15の像面側のレンズ面に回折光学素子面が設けられているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。第1レンズ15の物体側のレンズ面又は第2〜第4レンズ16〜18の物体側のレンズ面もしくは像面側のレンズ面に回折光学素子面を設けても、同様の効果を得ることができる。また、回折光学素子面は、多焦点レンズ面と同じレンズ面に設けてもよく、2つ以上のレンズ面に設けてもよい。さらに、色収差補正の観点から、回折光学素子面は、開口絞りに比較的近いレンズ面に設けるのが好ましい。
また、下記(表12)に、本実施例における撮像レンズ21の、Fナンバー(F値)Fno、多焦点レンズ面の面頂を成す領域による撮像レンズ14全体の焦点距離f(mm)、空気換算でない光学全長TL(mm)、最大像高Y’、開口絞り12の開口直径(mm)、及び、条件式(1)、(2)の値を示す。
Figure 2011096193
図10A〜図10Cに、本実施例における撮像レンズの収差図を示す。図10Aは球面収差の図であり、実線はg線、長い破線はC線、短い破線はF線、二点鎖線はd線、一点鎖線はe線に対する値を示している。図10Bは非点収差の図であり、実線はサジタル像面湾曲、破線はメリディオナル像面湾曲を示している。図10Cは歪曲収差の図である。尚、軸上色収差の図は、図10Aの球面収差の図と同じである。
図10A〜図10Cに示す収差図から明らかなように、深い焦点深度を得るための多焦点レンズ面により球面収差が大きくなっている一方で、回折光学素子面を設けているために色収差が良好に補正されていることが分かる。その結果、より画像復元システムに適した深い焦点深度を有する撮像レンズを提供することができる。また、像面湾曲・非点収差は良好に補正されており、像高によらず一様の解像特性が得られることが分かる。また、歪曲収差も良好に補正されている。
図11に、本実施例における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性を示す。図11においては、物体距離60cmにおける120本/mmの波動光学MTFを縦軸に、像面の光軸方向の位置を横軸にとっており、最大像高を2.3mmとし、中心、5割像高、7割像高、9割像高でのMTFを示している。
図11に示すように、本実施例における撮像レンズによって得られる像面でのMTFスルーフォーカス特性は、像面において負方向にMTFのピークがあり、正方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描いている。これにより、必要に応じて、近点側の解像力を遠点側の解像力よりも優位にすることができる。
尚、図11に示すMTFは白色MTFであり、波長ウエイトは、C線(656.2700nm)、d線(587.5600nm)、e線(546.0700nm)、F線(486.1300nm)、g線(435.8300nm)の順に5、25、34、22、14としている。しかし、上記効果は、この波長ウエイトによらず得られるものである。
図11と図4を比べると、本実施例の撮像レンズの方が一般的な撮像レンズよりも深い焦点深度を有していることが分かる。また、本実施例の撮像レンズは、像高が高くなっても深い焦点深度を確保できていることが分かる。
ここでは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFを示しているが、無限物体や近点物体によるスルーフォーカスMTFは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFとおよそ同様の曲線を描きつつ光軸方向へシフトしたようになる。より具体的には、無限物体によるスルーフォーカスMTFは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFとおよそ同様の曲線を描きつつ撮像レンズの方向へシフトし、近点物体によるスルーフォーカスMTFは、物体距離60cmのスルーフォーカスMTFとおよそ同様の曲線を描きつつ撮像レンズの方向とは逆の方向へシフトする。これを考えた場合、本実施例においては、像面を例えば図11の横軸原点に固定したとして、その像面のMTFは、近点物体では高く、物体距離が遠くなるにつれて緩やかに低くなる。そして、このことは、目的によって近点側により高い解像力を必要とするという要求に対して効果を発揮することができる。尚、逆に遠点側により高い解像力を必要とする場合には、それを考慮した光学設計を行えばよい。
[第4の実施の形態]
図12(a)、(b)は、本発明の第4の実施の形態における撮像レンズの多焦点レンズ面を模式的に示した断面図である。
本実施の形態の撮像レンズは、上記第1〜第3の実施の形態の撮像レンズ7、14、21と同様に、多焦点レンズ面内の各領域の曲率半径、円錐常数及び非球面係数などによる面定義を異ならせることにより、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有するものとなっている。また、本実施の形態の撮像レンズにおいては、図12(a)、(b)に示すように、多焦点レンズ面内の任意の2つの領域において、それぞれの領域を通過する光線に特定の位相差が生じるように、いずれか一方の領域を他方の領域に対して相対的に光軸方向にシフトさせている。この場合のシフト量は、設計波長の数分の一から数倍程度の量である。
図12に示す撮像レンズの多焦点レンズ面は、光軸Aを中心軸とする2つの同心円を境界として曲率の異なる3つの領域B、C、Dに分けられている。そして、図12(a)に示す多焦点レンズ面においては、中央の領域Bがその外側の領域C、Dに対して相対的に光軸方向にシフトしている。また、図12(b)に示す多焦点レンズ面においては、最も外側の領域Dがその内側の領域B、Cに対して相対的に光軸方向にシフトしている。
このように、多焦点レンズ面内の任意の2つの領域において、それぞれの領域を通過する光線に特定の位相差が生じるように、いずれか一方の領域を他方の領域に対して相対的に光軸方向にシフトさせることにより、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有するように、より制御しやすくなる(焦点深度の拡大をより制御しやすくなる)。
より具体的には、そのシフト量をdとしたとき、下記条件式(4)を満足するのが望ましい。
0.04μm≦|d|≦3.25μm ・・・(4)
|d|が上記条件式(4)の下限を下回ると、生じる位相差が小さすぎて、十分な焦点深度拡大効果が得られない可能性がある。一方、|d|が上記条件式(4)の上限を上回ると、隣接する領域の境界に大きさ段差が形成され、その段差部分に入射する光線がフレアとなって、画質に影響を及ぼすおそれがある。
さらに好ましくは、下記条件式(5)を満足するのが望ましい。
0.07μm≦|d|≦1.5μm ・・・(5)
上記条件式(5)を満足することは、可視光を用いた撮像レンズであって、主にプラスチックレンズからなる撮像レンズにおいて、特に望ましい。
[第5の実施の形態]
図13は、本発明の第5の実施の形態における撮像レンズによって得られる任意の像点の点像強度分布を示すグラフである。
上記第1〜第4の実施の形態のように、撮像レンズが、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有すると、点像がボケることによって、高輝度被写体においてフレアが発生するおそれがある。これは、撮像レンズによって得られる任意の像点の点像強度分布関数(PSF(Point Spread Function))において、当該点像強度分布関数の最大値を1としたとき、前記点像強度が0.01程度となる裾野部分を広く有していることによるものである。図13のE部分がフレアの原因となる裾野のことであり、フレアが目立つ点像強度分布II(一点鎖線)においては、この裾野部分がかなり広くなっている。また、前述の画像復元システムが、あらかじめ設定された撮像レンズの点像強度分布関数を元にそれを復元するシステムであった場合でも、撮影画像によって処理可能な画素領域は限られている。また、この裾野部分での点像強度を小さくするために点像を鮮鋭にすると、十分な焦点深度拡大効果が得られない。
そこで、本実施の形態では、撮像レンズによって得られる任意の像点の点像強度分布関数において、当該点像強度分布関数の最大値を1としたとき、前記点像強度が0.01以上である幅Lが下記条件式(3)を満足するようにした(図13の点像強度分布I(実線)参照)。
4≦L/P≦20 ・・・(3)
但し、上記条件式(3)中、Pはイメージセンサの画素ピッチを示している。
点像強度分布の裾野がこの範囲にある像特性を有することにより、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有するように制御しながら、高輝度被写体におけるフレアの発生を抑えることが可能となる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の撮像レンズを用いて構成される撮像装置について、図14を参照しながら説明する。図14は、本発明の第6の実施の形態における撮像装置の構成を示す模式図である。
図14に示すように、本実施の形態の撮像装置22は、撮像レンズ23と、撮像レンズ23によって結像されるイメージを感知するイメージセンサ24と、イメージセンサ24によって感知されたイメージを復元処理する復元装置25とを用いて構成されている。ここで、撮像レンズ23としては、本発明の撮像レンズ、例えば、上記第1〜第3の実施の形態で示した撮像レンズ7、14、21が用いられている。また、イメージセンサ24としては、例えば、画素ピッチが1.75μm、画素数が5メガピクセルのCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサから画素ピッチが1.4μm、画素数が8メガピクセルのCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを用いることができる。
本実施の形態の撮像装置22の構成によれば、撮像レンズ23として本発明の撮像レンズを用いていることにより、コンパクトで解像度性能の高い撮像装置を提供することができる。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の撮像装置が搭載された携帯機器について、図15を参照しながら説明する。図15は、本発明の第7の実施の形態における携帯機器としての携帯電話機の構成を示す図((a)は平面図、(b)は背面図)である。
図15に示すように、本実施の形態の携帯機器26は、カメラ付き携帯電話機であって、本体ケース27と、本体ケース27に設けられたディスプレイ27a及び操作部27bと、本体ケース27に搭載された撮像装置28とを備えている。
撮像装置28としては、本発明の撮像装置、例えば、上記第6の実施の形態で示した撮像装置22が用いられている。尚、図15(b)中、29は撮像装置28を構成する撮像レンズの第1レンズである。
本実施の形態の携帯機器26の構成によれば、撮像装置28として本発明の撮像装置が搭載されていることにより、コンパクトで高性能な携帯電話機などの携帯機器を提供することができる。
本発明の撮像レンズは、イメージセンサに結像される像面の中央部から外側部にわたって深い焦点深度を有し、その焦点深度を実用的範囲に保って解像度の低下を抑制することができるので、コンパクトで高解像度性能化が望まれる撮像装置を内蔵した携帯電話機などの小型の携帯機器の分野において特に有用である。
1、8、15、29 第1レンズ
2、9、16 第2レンズ
3、10、17 第3レンズ
4、11、18 第4レンズ
5、12、19 開口絞り
6、13、20 平行平板
7、14、21、23 撮像レンズ
22、28 撮像装置
24 イメージセンサ
25 復元装置
26 携帯機器
27 本体ケース
S 撮像面

Claims (10)

  1. イメージセンサによって感知されたイメージを復元処理する撮像装置に用いられる撮像レンズであって、
    少なくとも1枚のレンズを備え、
    前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に、領域ごとに複数の、焦点が異なる面が形成された多焦点レンズ面を有すると共に、
    前記多焦点レンズ面の隣接する位置に開口絞りが配置され、
    前記多焦点レンズ面と前記開口絞りの面との光軸上の距離の絶対値をD、前記イメージセンサに結像される像面における最大像高の絶対値をYmaxとしたとき、下記条件式(1)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0≦D/Ymax≦0.1 ・・・(1)
  2. 前記1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域の焦点距離をf1、f2としたとき、下記条件式(2)を満足する、請求項1に記載の撮像レンズ。
    0.95≦f1/f2≦1.05 ・・・(2)
  3. 前記領域の境界が前記光軸を中心軸とする同心円状である、請求項1に記載の撮像レンズ。
  4. 前記レンズの少なくとも1つのレンズ面に回折光学素子面を有する、請求項1に記載の撮像レンズ。
  5. 前記撮像レンズによって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において正方向にMTFのピークがあり、負方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描く、請求項1に記載の撮像レンズ。
  6. 前記撮像レンズによって得られる前記像面でのMTFスルーフォーカス特性が、前記像面において負方向にMTFのピークがあり、正方向にディフォーカスするにつれて低くなる曲線を描く、請求項1に記載の撮像レンズ。
  7. 前記1つの多焦点レンズ面内の任意の2つの領域において、それぞれの領域を通過する光線に特定の位相差が生じるように、いずれか一方の領域を他方の領域に対して相対的に前記光軸方向にシフトさせた、請求項1に記載の撮像レンズ。
  8. 前記撮像レンズによって得られる任意の像点の点像強度分布関数において、当該点像強度分布関数の最大値を1としたとき、前記点像強度が0.01以上である幅Lが下記条件式(3)を満足する、請求項1に記載の撮像レンズ。
    4≦L/P≦20 ・・・(3)
    但し、上記条件式(3)中、Pは前記イメージセンサの画素ピッチを示している。
  9. 撮像レンズと、前記撮像レンズによって結像されるイメージを感知するイメージセンサと、前記イメージセンサによって感知されたイメージを復元処理する復元装置とを備えた撮像装置であって、
    前記撮像レンズとして請求項1〜8のいずれかに記載の撮像レンズを用いたことを特徴とする撮像装置。
  10. 請求項9に記載の撮像装置が搭載されたことを特徴とする携帯機器。
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