JPWO2011093147A1 - セルロース及びポリ乳酸を含有する組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルロースファイバーとポリ乳酸の複合化においてより簡便に、ポリ乳酸中のセルロースファイバーの均一分散性が高く、且つ成形性に優れる複合樹脂を得る製造方法を提供すること。【解決手段】ポリ乳酸を溶解可能な有機溶媒中に微細化されたセルロースファイバーが分散した分散液を準備する工程、前記セルロースファイバーが分散した分散液にポリ乳酸を溶解して、ポリ乳酸溶液を調製する工程、及び前記ポリ乳酸溶液から有機溶媒を除去する工程を含む、セルロースファイバー含有樹脂組成物の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、セルロース及びポリ乳酸を含有する組成物の製造方法に関し、詳細にはポリ乳酸中にセルロースファイバーが分散された複合樹脂であって、該ファイバーの均一分散性並びに成形体の加工容易性が改良された組成物の製造方法に関する。
自然環境保護の観点からこれまで未利用の資源を有効活用する研究が盛んに行われている。中でもセルロースは、現存量が豊富であること、生分解性を有し環境負荷が低い資源であること、高い結晶化度、高い引張強度、低い熱膨張率など、材料として優れた性質を持つことなどから今後期待される材料である。
セルロースを有効活用する方法の一つとして補強材としての利用が挙げられる。従来では、樹脂成形体の機械的強度を高めるために、ガラス等の無機繊維を配合したものが用いられている。しかし、無機繊維が配合された樹脂成形体は、焼却時に無機繊維に由来する残渣が発生するため、埋め立て処理等により廃棄せざるを得ない点が問題となっている。補強材として相対的に強度の高い竹、麻、ケナフ等の植物繊維を有効利用できるなら、これらは最終的に水と二酸化炭素に分解されるため、上記の問題の解消につながるとして注目されている。
ところで植物由来の生分解性樹脂であるポリ乳酸は、非晶質であると耐熱性に劣り、結晶化させても弾性率が向上しないという不利点を有することから、これら物性を補うための補強材の併用が有効であると考えられる。ポリ乳酸それ自体が植物由来材料であることから、その補強材においても植物性天然繊維を使用することが好ましく、この観点から、セルロースとポリ乳酸との複合樹脂に関する特許がいくつか提案されている。
例えば特許文献1には、ポリ乳酸系樹脂と粉末状セルロース(平均粒径:1〜60μm)を溶融混合し、複合化させた成形品が開示されている。
特許文献2には、産生したバクテリアセルロースを離解処理(150メッシュフィルタで濾過)した後、アセトン、シクロヘキサン置換後に凍結乾燥し、粉状にしたバクテリアセルロースとポリ乳酸とを複合化させた材料が提案されている。
また特許文献3には、市販のミクロフィブリル化セルロース(繊維径:0.01〜10μm)をアセトンに浸漬して脱水したミクロフィブリル化セルロースを、分散剤を用いてポリ乳酸と複合化させた材料が提案されている。
ところで、セルロースとポリ乳酸からなる複合樹脂材料において、ポリ乳酸と繊維の界面の接着性や、成形体の外観を考慮すると、セルロースを微細化したものを使用することが好ましい。しかしながら、これまで提案された上記技術では、粉末状セルロース又はミクロフィブリル化セルロースとポリ乳酸との複合化において、セルロースの乾燥工程を伴い、工程が煩雑なものとなり、工業スケールでのセルロースファイバー含有樹脂成形品の作製は困難なものとされていた。
また、単にセルロースとポリ乳酸とを溶融・混合した複合樹脂材料では、成形後にセルロースが粒状に表出することが度々あり、優れた外観の成形品をもたらす樹脂組成物の提供が求められていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、セルロースファイバーとポリ乳酸の複合化においてより簡便に、ポリ乳酸中のセルロースファイバーの均一分散性が高く、且つ成形性に優れる複合樹脂を得る製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決する為に鋭意検討を進めた結果、微細化されたセルロースファイバーの有機溶媒分散液にポリ乳酸を溶解し、樹脂が均一に溶解した状態で溶媒を除去することにより、ポリ乳酸中のセルロースファイバーの分散性に優れた複合樹脂が得られ、且つ、該複合樹脂から表面外観に優れた成形体を容易に製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明はポリ乳酸を溶解可能な有機溶媒中に微細化されたセルロースファイバーが分散した分散液を準備する工程、前記セルロースファイバーが分散した分散液にポリ乳酸を溶解して、ポリ乳酸溶液を調製する工程、及び前記ポリ乳酸溶液から有機溶媒を除去する工程を含む、セルロースファイバー含有樹脂組成物の製造方法に関する。
前記有機溶媒の除去工程は、再沈殿法に従い行うことが好ましく、あるいは、溶媒濃縮法に従い行うことが好ましい。
前記微細化されたセルロースファイバーは、繊維径が0.001乃至1μmのセルロースファイバーであることが好ましく、特に、湿式粉砕法により調製されたセルロースファイバーを用いることが好ましい。
前記有機溶媒は、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン又はクロロホルムであることが好ましい。
さらに前記ポリ乳酸溶液を調製する工程において、該セルロースファイバーがジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、1,4−ジオキサン又はN,N−ジメチルホルムアミド中に分散した分散液を60乃至150℃の温度で加熱し、ポリ乳酸を溶解することが好ましい。
本発明によれば、使用するセルロース種によらずに、ポリ乳酸中のセルロースファイバーの均一分散性が高く、且つ成形性に優れる樹脂組成物を製造することができる。
また本発明によれば、セルロースファイバーの均一分散性が高く、且つ成形性に優れる樹脂組成物を簡便に、しかも工業的スケールで製造することができる。
さらに本発明によれば、表面外観に優れ、しかも曲げ弾性率及び衝撃強度に優れた成形体を製造することができる樹脂組成物を製造することができる。
図1は実施例4で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図2は実施例5で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図3は実施例6で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図4は実施例7で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図5は実施例8で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図6は実施例9で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図7は実施例10で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図8は比較例1で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図9は比較例2で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。 図10は比較例3で調製した樹脂組成物におけるセルロースファイバーの分散状態を観察した偏光顕微鏡写真である。
本発明のセルロースファイバー含有樹脂組成物の製造方法は、(a)ポリ乳酸を溶解可能な有機溶媒中に微細化されたセルロースファイバーが分散した分散液を準備する工程、(b)前記セルロースファイバーが分散した分散液にポリ乳酸を溶解して、ポリ乳酸溶液を調製する工程、及び(c)前記ポリ乳酸溶液から有機溶媒を除去する工程を含む。
<(a)工程>
本発明で使用するセルロースファイバーが分散した分散液に用いるセルロースとしては、例えばパルプ、バクテリアセルロース、ホヤセルロースを原料とするセルロースが挙げられる。
本発明においては、これらセルロースを粉砕し、微細化されたセルロースファイバーを用いる。セルロースの粉砕法は特に限定されないが、特開2005−270891号公報に開示されるような湿式粉砕法を用いて微細化することが好ましい。すなわち、セルロースを分散させた分散液を、一対のノズルから高圧でそれぞれ噴射して衝突させることにより、セルロースを粉砕するものであって、例えば(株)スギノマシン製の高圧粉砕装置を用いることにより実施できる。
こうして微細化されたセルロースファイバーの繊維径は、0.001乃至1μmである。
湿式粉砕法を用いることにより微細化されたセルロースファイバーの分散液が水分散液である場合、例えば溶媒置換法を用いて、容易に有機溶媒中のセルロースファイバーの分散液とすることができる。
溶媒置換法を用いる場合、水分散液から容易に有機溶媒分散液に置換でき、ポリ乳酸を溶解できる比較的沸点の高い有機溶媒が好ましく、例えばジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、特にジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの水との親和性及びセルロースとの親和性の高い溶媒が好ましい。なお、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルム等の、ポリ乳酸を溶解できる低沸点有機溶媒を使用してもよい。
なお、本発明で使用するセルロースファイバーが分散した分散液は、水分散液から溶媒置換をおこなって得られたものに限定されず、溶媒置換を経ずに直接有機溶媒分散液として調製したものを用いることができる。この場合、ジメチルスルホキシドを用いると、微細化されたセルロースファイバーが分散した所望の分散液が得られるため、好ましい。
<(b)工程>
本発明で使用するポリ乳酸は、ポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーを含む。ポリ乳酸がコポリマーの場合、コポリマーの配列様式はランダムコポリマー、交互コポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーのいずれであっても良い。また、ポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーを主体とした、他樹脂とのブレンドポリマーであっても良い。他樹脂とは、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂、汎用の熱可塑性樹脂、汎用の熱可塑性エンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。
ポリ乳酸としては特に限定されるものではないが、例えばラクチドを開環重合させたものや、乳酸のD体、L体、ラセミ体などを直接重縮合させたものが挙げられ、ポリ−D−乳酸、ポリ−L−乳酸、D−乳酸とL−乳酸のコポリマー、ポリ−D−乳酸とポリ−L−乳酸の混合物のいずれでもよい。当該ポリ−D−乳酸とポリ−L−乳酸の混合物として、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸は、ポリ−D−乳酸又はポリ−L−乳酸よりも高耐熱性を示す。ポリ乳酸の数平均分子量は、一般に10,000から500,000程度である。またポリ乳酸を熱、光、放射線などを利用して架橋剤で架橋させたものも使用できる。
前記ポリ乳酸を、(a)工程で準備したセルロースファイバーが分散した分散液に溶解させる際、有機溶媒として前述のジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いた場合には、ポリ乳酸が溶解する温度(使用する有機溶媒によって異なる)まで、該分散液を加熱することが望ましい。高温に加熱するほどポリ乳酸の分解が促進されることから、40℃以上、好ましくは60℃以上で、150℃以下の温度で該分散液を加熱し、ポリ乳酸を溶解させ、ポリ乳酸溶液を調製することが好ましい。一方、有機溶媒として前述のテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン又はクロロホルムを用いた場合、室温でポリ乳酸が溶解するため、加熱は不要である。
<(c)工程>
こうして得られたポリ乳酸溶液から有機溶媒を除去する工程は、(i)再沈殿法、或いは、(ii)溶媒濃縮法により、実施される。
(i)再沈殿法を用いる場合、再沈殿に用いる溶媒はポリ乳酸の貧溶媒であれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール及び水を用いることができる。
再沈殿を行う際、ポリ乳酸が完全に溶解している状態で、貧溶媒に該ポリ乳酸溶液を滴下することが好ましい。
こうして析出した樹脂を、好ましくは40乃至80℃にて、真空乾燥させることにより、セルロースファイバー含有樹脂組成物を製造する。
また、(ii)溶媒濃縮法を用いる場合、ポリ乳酸が完全に溶解している状態で溶媒を留去することが好ましい。具体的には60乃至150℃で、ポリ乳酸溶液をそのまま減圧濃縮させることにより、セルロースファイバー含有樹脂組成物を製造する。
<その他添加剤>
本発明の製造方法により得られる樹脂組成物は、公知の無機充填剤を含有し得る。無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、クレー、ウオラストナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらの無機充填剤の形状は、繊維状、粒状、板状、針状、球状、粉末のいずれでもよい。これらの無機充填剤は、ポリ乳酸100質量部に対して、300質量部以内で使用できる。
また、本発明の製造方法により得られる樹脂組成物は、公知の難燃剤を含有し得る。難燃剤としては、例えば、臭素化合物、塩素化合物等のハロゲン系難燃剤、メラミン系難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリコーン化合物等の無機系難燃剤、赤リン、リン酸エステル類、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン等のリン系難燃剤、PTFE等のフッ素樹脂等が挙げられる。これらの難燃剤は、ポリ乳酸100質量部に対して、200質量部以内で使用できる。
さらに上記成分以外にも、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、衝撃改良剤、帯電防止剤、顔料、着色剤、離型剤、滑剤、可塑剤、相溶化剤、発泡剤、香料、抗菌抗カビ剤、その他の各種充填剤、一般的な合成樹脂の製造時に通常使用される各種添加剤も、本発明の製造方法により得られる樹脂組成物に併用することができる。
本発明の製造方法により得られる樹脂組成物を成形する場合、一般の射出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等の慣用の成形法を使用することによって、各種成形品を容易に製造することができる。
[実施例1:セルロースファイバー水分散液の調製]
特開2005−270891号公報に開示された「多糖類の湿式粉砕方法」の手順に準拠し、以下の通り(1)〜(3)のセルロースファイバー水分散液を作製した。
(1)市販パルプ由来セルロース(Celite社製 Fibra−Cell BH−100)10gに水740gを加え分散させた後、(株)スギノマシン製高圧粉砕装置を用いて200MPaにて100回粉砕処理を行い、0.7質量%パルプ由来セルロースファイバー水分散液を作製した。
(2)市販パルプ由来微結晶セルロース(フナコシ(株)製 カラムクロマトグラフィー用 フナセル粉末II)15gに水1,235gを加え分散させた後、(株)スギノマシン製高圧粉砕装置を用いて200MPaにて100回粉砕処理を行い、1.0質量%パルプ由来微結晶セルロースファイバー水分散液を作製した。
(3)バクテリアセルロース(PT.NIRAMAS UTAMA社製)に水を加え家庭用ミキサーで粉砕した後、(株)スギノマシン製高圧粉砕装置を用いて200MPaにて30回粉砕処理を行い、0.4質量%バクテリアセルロースファイバー水分散液を作製した。
[実施例2:セルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液の調製]
(1)実施例1(1)で作製した0.7質量%パルプ由来セルロースファイバー水分散液150gにジメチルスルホキシド150gを加え撹拌し、濃縮により完全に水を留去し、パルプ由来セルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液81.5gを作製した。
(2)実施例1(2)で作製した1.0質量%パルプ由来微結晶セルロースファイバー水分散液50gにジメチルスルホキシド50gを加え撹拌し、濃縮により完全に水を留去し、パルプ由来微結晶セルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液28.5gを作製した。
(3)実施例1(3)で作製した0.4質量%バクテリアセルロースファイバー水分散液200gにジメチルスルホキシド200gを加え撹拌し、濃縮により完全に水を留去し、バクテリアセルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液170gを作製した。
[実施例3:セルロースファイバー・N,N−ジメチルアセトアミド分散液の調製]
実施例1(3)で作製した0.4質量%バクテリアセルロースファイバー水分散液100gにN,N−ジメチルアセトアミド100gを加え、濃縮により完全に水を留去し、バクテリアセルロースファイバー・N,N−ジメチルアセトアミド分散液34gを作製した。
[実施例4:溶媒濃縮法による樹脂組成物の調製(1)]
実施例2(1)で作製したパルプ由来セルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液61.0gにポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)6.8gを加え、110℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液を110℃で加熱下、減圧濃縮することによりジメチルスルホキシドを留去し、パルプ由来セルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物7.21gを作製した。
[実施例5:溶媒濃縮法による樹脂組成物の調製(2)]
実施例2(2)で作製したパルプ由来微結晶セルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液4.0gにポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)1.0gを加え、さらにジメチルスルホキシドを少量添加し110℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液を110℃で加熱下、減圧濃縮することによりジメチルスルホキシドを留去し、パルプ由来微結晶セルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物0.69gを作製した。
[実施例6:溶媒濃縮法による樹脂組成物の調製(3)]
実施例2(3)で作製したバクテリアセルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液160gにポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)17.8gを加え、110℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液を110℃で加熱下、減圧濃縮することによりジメチルスルホキシドを留去し、バクテリアセルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物18.4gを作製した。
[実施例7:溶媒濃縮法による樹脂組成物の調製(4)]
実施例3で作製したバクテリアセルロースファイバー・N,N−ジメチルアセトアミド分散液4.5gにポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)0.50gを加え、80℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液を80℃で加熱下、減圧濃縮することによりN,N−ジメチルアセトアミドを留去し、バクテリアセルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物0.30gを作製した。
[実施例8:再沈法による樹脂組成物の調製(1)]
実施例2(1)で作製したパルプ由来セルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液50gにN,N−ジメチルアセトアミド50gとポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)4.5gを加え、100℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液20gをメタノール50gに再沈殿させ、析出した樹脂をろ過、40℃で真空乾燥を行い、パルプ由来セルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物0.85gを作製した。
本実施例ではN,N−ジメチルアセトアミドを使用したが、用いなくてもパルプ由来セルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物を作製することができる。
[実施例9:再沈法による樹脂組成物の調製(2)]
実施例2(3)で作製したバクテリアセルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液50gにポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)2.6gを加え、110℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液をメタノール200gに再沈殿させ、析出した樹脂をろ過、40℃で真空乾燥を行い、バクテリアセルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物2.70gを作製した。
[実施例10:再沈法による樹脂組成物の調製(3)]
実施例3で作製したバクテリアセルロースファイバー・N,N−ジメチルアセトアミド分散液50gにポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)2.6gを加え、110℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液をメタノール200gに再沈殿させ、析出した樹脂をろ過、40℃で真空乾燥を行い、バクテリアセルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物2.78gを作製した。
[実施例11:再沈法による樹脂組成物の調製(4)]
実施例2(1)と同様の方法にて作製したパルプ由来セルロースファイバー・ジメチルスルホキシド分散液50kgにポリ乳酸(三井化学(株)製 LACEA〔登録商標〕H−100)4.5kgを加え、100℃に加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。この溶液54.5kgをメタノール500kgに再沈殿させ、析出した樹脂をろ過、40℃で真空乾燥を行い、パルプ由来セルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物4.8kgを作製した。
[比較例1:湿式粉砕セルロースファイバー水分散液を用いた樹脂組成物の調製]
市販パルプ由来セルロース(Celite社製 Fibra−Cell BH−100)10gに水740gを加え分散させた後、(株)スギノマシン製高圧粉砕装置を用いて200MPaにて100回粉砕処理を行い、1.0質量%パルプ由来セルロースファイバー水分散液を作製した。
この水分散液10gにポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)を910mg加え、室温で撹拌した。この分散液をメタノール50gに滴下、ろ過した後、40℃で真空乾燥を行い、パルプ由来セルロースファイバーとポリ乳酸の混合物0.98gを作製した。この混合物0.4gとポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)3.6gをラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)で185℃、50rpm、5分間混練を行い、パルプ由来セルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物4.0gを作製した。
[比較例2:未粉砕処理のセルロースを用いた樹脂組成物の調製]
ジメチルスルホキシド9.9gに市販パルプ由来セルロース(Celite社製 Fibra−Cell BH−100)102mgとポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)896mgを加え、100℃で加熱し撹拌することによりポリ乳酸を溶解させた。本比較例では、湿式粉砕処理を行わなかった。なお、本比較例で使用したセルロースの平均繊維径は20μm、平均繊維長は60μmである。
この溶液をメタノール50gに再沈殿させ、析出した樹脂をろ過、40℃で真空乾燥を行い、パルプ由来セルロースとポリ乳酸との樹脂組成物888mgを作製した。
[比較例3:湿式粉砕・凍結乾燥セルロースファイバーを用いた樹脂組成物の調製]
市販パルプ由来セルロース(Celite社製 Fibra−Cell BH−100)10gに水740gを加え分散させた後、(株)スギノマシン製高圧粉砕装置を用いて200MPaにて100回粉砕処理を行い、1.0質量%パルプ由来セルロースファイバー水分散液を作製した。
この水分散液を透析にてアセトンと溶媒置換を行い、セルロースファイバー・アセトン分散液を作製した。その後、アセトンからシクロヘキサンへ溶媒置換を行い、セルロースファイバー・シクロヘキサン分散液を作製した。このセルロースファイバー・シクロヘキサン分散液を0℃以下で凍結乾燥を行うことにより粉状のセルロースファイバーを得た。
次に、この粉状のセルロースファイバー0.2gとポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)3.8gをラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を用いて185℃、50rpm、5分間混練を行い、パルプ由来セルロースファイバーとポリ乳酸との樹脂組成物4.0gを作製した。
[偏光顕微鏡による観察]
実施例4乃至実施例10及び比較例1乃至比較例3で調製した各樹脂組成物について、偏光顕微鏡を用いてセルロースファイバーの分散状態を観察した。結果を図1乃至図7及び図8乃至図10に示す。
なお、偏光顕微鏡写真の撮影条件は以下の通りである。
<測定装置>(株)ニコン製 偏光顕微鏡 ECLIPSE LV100POL
<測定条件>185℃に樹脂組成物を加熱し、溶融状態を観察、倍率200倍
図1乃至図10中、白く輝度の高い部分は、セルロースの存在を示している。
図1乃至図7に示すように、実施例4乃至実施例10で調製した各樹脂組成物は、ポリ乳酸へのセルロースファイバーの分散性が高いことが観察された。一方、比較例1乃至比較例3で調製した樹脂組成物(図8乃至図10)は実施例に比べてセルロースが凝集し、均一分散性に劣るとする結果となった。
[外観評価]
試料作製方法:
上記実施例4乃至実施例6、実施例8、実施例10並びに比較例2及び比較例3で作製した各樹脂組成物に、ポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)を加え、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を用いて、溶融混練(185℃、50rpm、5分)を行い、ポリ乳酸中にセルロースファイバーを1質量%含む樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物をホットプレス(185℃)により成形し、膜厚が約200μmのフィルムを作製した。なお、比較例1で作製した樹脂組成物はポリ乳酸中にセルロースファイバーを1質量%含むため、ポリ乳酸を新たに加えることなく、当該樹脂組成物をそのままホットプレスにより成形した。
評価方法:目視による外観評価
評価基準:○:成形品中に凝集塊なし
△:成形品中にマイクロ単位の凝集塊を確認
×:成形品中にミリ単位の凝集塊を確認
表1、表2に示すとおり、実施例4乃至実施例6、実施例8及び実施例10の樹脂組成物を用いて作製したフィルムは、目視にて成形品中に凝集塊は認められず、優れた外観を有する成形品を形成することができた。
一方、比較例1乃至比較例3の樹脂組成物を用いて作製したフィルムは、目視にて成形品中にマイクロ単位或いはミリ単位の凝集塊が認められ、表面外観に劣るとする結果が得られた。
[機械的特性評価用試験片(1)の作製]
上記実施例11で作製した樹脂組成物に、ポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)を加え、二軸押出機((株)テクノベル製 KZW15−30TGN)を用いて、バレル温度185℃で溶融混練を行い、ポリ乳酸中にセルロースファイバーを1質量%含む樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物を、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SE18S)を用い、シリンダー温度185℃で溶融させて、30℃の金型内へ射出した。15秒保持し樹脂を硬化させた後、金型から成形品(長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)を取り出すことにより、試験片(1)を作製した。
[機械的特性評価用試験片(2)の作製]
セルロースファイバー含有樹脂組成物を用いない以外は上記[機械的特性評価用試験片(1)の作製]と同様の方法で、ポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)を射出成形して、試験片(2)を作製した。
[機械的特性評価用試験片(3)の作製]
セルロースファイバー含有樹脂組成物の代わりに市販パルプ由来セルロース(Celite社製 Fibra−Cell BH−100)を湿式粉砕処理することなく用いた以外は上記“試験片(1)の作製”と同様の方法で、当該パルプ由来セルロースとポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 Ingeo〔登録商標〕3001D)を溶融混練し、得られた樹脂組成物(ポリ乳酸中にセルロースを1質量%含む)を射出成形して、試験片(3)を作製した。
[機械的特性評価]
評価方法:万能材料試験機(インストロン社製 model5582)を使い、JIS K7171に準じ、曲げ速度2mm/分で曲げ試験を行った。また、衝撃試験機(CEAST社製6546、2Jハンマー)を使い、JIS K 7110に準じてアイゾット衝撃試験(エッジワイズ、ノッチ無し)を行った。各試験片の締め付けトルクは6Nmとした。
表3に示すとおり、実施例11で作製した樹脂組成物を用いた試験片(1)は、該樹脂組成物を含まないポリ乳酸のみを用いた試験片(2)と比較して曲げ弾性率、衝撃強度が向上した。また、未粉砕のパルプ由来セルロース含有樹脂組成物を用いた試験片(3)は、試験片(2)より曲げ弾性率、衝撃強度ともに向上が見られるが、湿式粉砕により微細化されたセルロースファイバーを含有する樹脂組成物を用いた試験片(1)の方が物性の向上の度合はより大きい結果が得られた。以上の結果は、微細化されたセルロースファイバーを使用することにより、機械的特性である曲げ弾性率及び衝撃強度が向上するという効果が得られる点を示すものであると言える。
特開2005−145028号公報 特開平11−241027号公報 特開2007−238812号公報

Claims (7)

  1. ポリ乳酸を溶解可能な有機溶媒中に微細化されたセルロースファイバーが分散した分散液を準備する工程、
    前記セルロースファイバーが分散した分散液にポリ乳酸を溶解して、ポリ乳酸溶液を調製する工程、及び
    前記ポリ乳酸溶液から有機溶媒を除去する工程
    を含む、セルロースファイバー含有樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記有機溶媒の除去工程は、再沈殿法に従い行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記有機溶媒の除去工程は、溶媒濃縮法に従い行う、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記微細化されたセルロースファイバーは、繊維径が0.001乃至1μmのセルロースファイバーである、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記微細化されたセルロースファイバーは、湿式粉砕法により調製されたセルロースファイバーである、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記有機溶媒は、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン又はクロロホルムである、請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記ポリ乳酸溶液を調製する工程において、該セルロースファイバーがジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、1,4−ジオキサン又はN,N−ジメチルホルムアミド中に分散した分散液を60乃至150℃の温度で加熱し、これにポリ乳酸を溶解することを含む、請求項1に記載の製造方法。
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