JPWO2011065228A1 - 硬化性組成物、その硬化物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)分子中にカルボキシ基を有さず、2以上の不飽和基を有する分子量500〜5000の化合物(A)と、光重合開始剤(B)と、分子中に2以上の不飽和基を有する反応性希釈剤(C)と、分子中にアミノ基又はイミノ基を少なくとも一つ以上有する化合物(D)と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
(2)前記化合物(A)が下記一般式(i)で表される化合物である、(1)に記載の硬化性組成物。
(3)前記化合物(A)が、アリル基含有ジイミド化合物であることを特徴とする、(1)に記載の硬化性組成物。
(4)前記反応性希釈剤(C)が、下記一般式(ii)で表されるトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする、(1)〜(3)いずれかに記載の硬化性組成物。
(5)前記反応性希釈剤(C)が、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上を含有することを特徴とする、(1)〜(4)何れかに記載の硬化性組成物。
(6)前記化合物(D)が、トリアジン系化合物である、(1)〜(5)いずれかに記載の硬化性組成物。
(7)前記トリアジン系化合物が、メラミン、メラミン誘導体又はN'-tert-ブチル-N-シクロプロピル-6-(メチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンであることを特徴とする、(6)に記載の硬化性組成物。
(8)ソルダーレジストのインキ用である、(1)〜(8)何れかに記載の硬化性組成物。
(9)(8)に記載の硬化性組成物であって、インクジェットによるソルダーレジストのインキ用であり、粘度が25℃で200mPa・s以下であることを特徴とする硬化性組成物。
(10)(1)〜(9)いずれかに記載の硬化性組成物の硬化物。
(11)(10)に記載の硬化物を用いたプリント配線板。
(12)さらに酸化チタンを含有する、(1)〜(7)いずれかに記載の硬化性組成物の硬化物による皮膜を有する反射シート。
[硬化性組成物]
化合物(A)
化合物(A)としては、カルボキシル基を有さず、2以上の不飽和基を有し、分子量(モノマーを構成単位とする高分子化合物にあっては、重量平均分子量を言う。本発明において同じ。)が5000以下のものであれば制限されないが、好ましくは、アリル基含有ジイミド化合物を用いることが好ましい。
なお、点線の結合箇所が二重結合である場合には、3箇所すべてが二重結合であることが好ましい。
なお、上記の一般式(ia)〜(ic)において、波線と交差した結合は、(i)式におけるGとN原子の間の結合を示す。式から明らかなとおり、一般式(i)のN原子は、酸素原子又はカルボニル基のオルト位、メタ位又はパラ位のいずれでも良いが、好ましくはパラ位である。
光重合開始剤としては、熱又は活性エネルギー線照射によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤を好適に使用することができる。ラジカル重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドや、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール系化合物;2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシ−フェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン等のハロメチル−s−トリアジン系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド系化合物が挙げられる。なお、銅箔等の金属表面を酸化させるおそれがあることから、過酸化物は使用しないことが好ましい。
式(I)において、R9は、任意に置換されていて良い、単環式又は多環式の芳香族基である。R9の具体例としては、フェニル及びナフチル基等があげられる。R9の可能な置換基としては、フッ素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のヒドロキシアルコキシ基等があげられる。
反応性希釈剤(C)としては、分子中に2以上の不飽和基を有するものであれば特に制限はなく、通常公知のものを使用することが出来る。より具体的には、1,3―ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのなどの1分子中にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基が2個以上有する化合物が挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートのいずれかであっても、両方であっても良いことを意味する。
1分子中にアミノ基またはイミノ基を少なくとも1以上有する化合物としては、従来公知のものであれば、いずれも使用することができ、例えば、トリアジン系化合物をあげることが出来る。トリアジン系化合物としては、式(ix)で表される化合物があげられる。
本発明の組成物は、更に、密着性、硬度などの特性を向上する目的で必要に応じて、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸アルミニウム、雲母粉等の通常公知の無機充填剤が使用できる。その使用量は、本発明の組成物中の0〜60重量が好ましく、特に好ましくは5〜40重量%である。
上述のようにして得られた本発明の硬化性組成物は、例えば銅張り積層板の銅箔をエッチングして形成した回路のパターンを有するプリント配線板に所望の厚さ、例えば5〜100μmの厚さで塗布される。インクジェット方式以外の塗工の手段としては、現在スクリーン印刷法による全面印刷が一般に多く用いられるが、均一に塗工できる塗工手段であれば、これに限らずどのような手段を用いてもよい。例えば、スプレーコーター、ホンメルトコーター、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、エアナイフコータ、カーテンフローコータ、ロールコータ、グラビアコータ、オフセット印刷、ディップコータ、刷毛塗り、その他通常の方法は全て使用できる。
本発明に係るプリント配線板は、上記の硬化物を用いることを特徴とする。ここで、プリント配線板としては、集積回路、抵抗器、コンデンサー等の電子部品を含まない基板だけのもの及び電子部品を実装した状態のものをも含む。
上記した本発明の実施形態例に係る硬化性組成物に、さらにルチル型酸化チタン等の酸化チタンを所定量配合することで、白色の組成物とし、この白色の硬化性組成物をシート状のベースフィルム上に塗布して反射シートを得ることができる。例えば、上記反射シートを、太陽電池モジュールの裏面側、すなわち日射を受ける表面とは反対側の表面上に配置する。すると、太陽電池モジュールの発電素子に受光されずに太陽電池モジュール内を透過した太陽光が、上記反射シートにより反射されて太陽電池モジュールの裏面側から再度太陽電池モジュール内部に戻されるので、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。なお、太陽電池モジュール裏面への反射シートの設置方法には、例えば、接着剤や接着用テープを用いて太陽電池モジュール裏面に直接貼り合わせる方法が挙げられる。また、酸化チタンの配合量としては、化合物(A)100質量部に対して、30〜250質量部、50〜100質量部、さらには60〜80質量部の範囲が好ましい。
(1−1)化合物(A−1)の合成
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)JER834)240質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸72質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、化合物(A)に相当する合成樹脂1を得た(重量平均分子量500)。
(1−2)化合物(A−2)の合成
(1−2−1)トリアミン化合物の合成
1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−1,1−ビス[4−ヒドロキシフェニル]エタン(本州化学工業社製 trisP−PA)42.5g(0.1mol)とp−クロロニトロベンゼン50.4g(0.32mol)と炭酸カリウム55.3g(0.4mol)を加え、N−メチルピロリドン150g溶媒中で、窒素気流下5時間還流、攪拌し反応させた。室温まで冷却した後、減圧濾過により複製した無機塩及び残留した炭酸カリウム取り除くことにより、トリニトロ体のN−メチルピロリドン溶液を得た。
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた300ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)39.63g(0.2mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン30gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、(1−2−1)で合成したトリアミン化合物46.5g(0.067mol)をガンマブチロラクトン70gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル30gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいてグリシジルメタクリレート(ブレンマーGH、日油製)42.7g(0.3mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン0.2g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.2gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物(A)に相当する下記式(xi)の構造の化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量1665)。固形分は57%で、GPCでの重量平均分子量約2800であった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた500ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)237.8g(1.2mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン540gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、上記トリアミン化合物279.14g(0.4mol)をガンマブチロラクトン60gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル100gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいて4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE、日本化成製)360.18g(1.8mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン3.0g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.5gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物A3のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量1838)。固形分は53.5%で、GPCでの重量平均分子量約2400であった。合成スキームを以下に示す。
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた500ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)99.09g(0.5mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン180gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、(2,2-ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン102.55g(0.25mol)をガンマブチロラクトン30gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル50gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいてグリシジルメタクリレート(ブレンマーGH、日油製)106.88g(0.75mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン0.5g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.5gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物A4のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量1055)。固形分は62.5%で、GPCでの重量平均分子量約1190であった。合成スキームを以下に示す。
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた500ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)99.09g(0.5mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン180gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、(トリメチレン ビス(4−アミノベンゾアート:CUA-4イハラケミカル工業製)78.53g(0.25mol)をガンマブチロラクトン20gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル50gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいてグリシジルメタクリレート(ブレンマーGH、日油製)106.88g(0.75mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン0.5g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.5gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物A5のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量958)。固形分は57%で、GPCでの重量平均分子量約1080であった。合成スキームを以下に示す。
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)JER834)240質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸72質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、続いて、テトラヒドロ無水フタル酸83質量部を定法により反応させて重量平均分子量500の1分子中にカルボキシル基を有し、且つ2以上の不飽和基を有する樹脂を得た。
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)JER1010)400質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸7.2質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、重量平均分子量5800の1分子中にカルボキシル基を有さず、2以上の不飽和基を有する樹脂を得た。
(2−1)実施例1〜7及び比較例1〜5
表1に示される重量比で各配合物を3本ロールで混合分散させて、硬化性樹脂組成物を調製した。また、硬化塗膜の作製工程は以下の通りである。
塗膜膜厚:dry20〜23μm
塗工:バーコーター塗布
UV照射: レジスト上: 400mJ/cm2(オーク社製HMW−680GW)
加熱処理: 150℃−60分(BOX炉内70分)
表2に示される重量比で各配合物を3本ロールで混合分散させて、白色の硬化性樹脂組成物を調製した。厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製、「ルミラー」)の表面を3%硫酸水溶液で処理して表面を洗浄後、DRY膜厚が20〜23μmとなるように白色の硬化性樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面全体にスクリーン印刷法にて塗布し、上記と同様のUV照射及び加熱処理条件で硬化塗膜を作製し、試験片とした。なお、反射率に関しては、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、ガラス板(1.2mm厚)上に同様な方法にて硬化塗膜を形成し評価した。
表3に示される重量比で各配合物を3本ロールで混合分散させて樹脂組成物を調製した。厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ製)の表面をイソプロピルアルコールを用いて脱脂処理した。次いで、DRY膜厚が10〜15μmとなるように樹脂組成物を当該フィルムにバーコーター塗布し、500〜2000mJ/cm2(ランプ光源:メタルハライドランプ)のUVを照射した。ついで、120〜150℃で60分(BOX炉内70分)ポストキュアして試験片を作製した。
(3−1)粘度測定
硬化性組成物の粘度を音叉型振動式粘度計により測定した。
固有周波数:30Hz、測定温度:25℃
樹脂組成物を音叉型振動式粘度計にて粘度測定(25℃)を行い、恒温槽にて50℃−7日間後の増粘率を求めた。増粘率1.1未満を◎、1.1以上−1.2未満を○、1.2以上−1.5未満を△、1.5以上を×と評価した。
実施例1〜7及び比較例1〜5については、硬化塗膜を260℃で5分間加熱後、変色を目視にて評価した。変色なしのものを○、変色が若干認められるものを△、黄変したものを×と評価した。実施例15〜30に関しては、上記(2−3)におけるポストキュア後の基板を目視にて確認し同様に評価した。
銅箔上の硬化塗膜の鉛筆硬度を、JIS K−5600−5−4の試験方法に従って評価した。
はんだ耐熱性は、試験片の硬化塗膜を、JIS C−6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない。
○:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認められる。
△:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められる。
×:1サイクル繰り返し後の塗膜に剥離が認められる。
絶縁特性はIPC−TM−650のIPC−SM840B B−25テストクーポンのくし形電極を用い、85℃、85%R.H.で200時間加湿した後の絶縁抵抗を、DC50Vを印加して測定した。
分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)を用いて、硬化塗膜を被覆した試験片の450nmにおける反射率を測定した。また、「初期」とは評価試験片作製直後、評価試験片を作製後、「加温加湿後」とは85℃、85%RHにて、1000時間放置後を意味する。
(3−8)透過率
樹脂組成物を石英ガラス(50×50×1mm)に塗工し、(2−3)の条件で硬化させた後、硬化膜に対してJIS-K-7105、JIS-K-7136に準じて、日立ハイテク社製U-3310分光高度計を用いて全光線透過率を測定した。
(3−9)ヘーズ
樹脂組成物を石英ガラス(50×50×1mm)に塗工し、(2−3)の条件で硬化させた後、硬化膜に対してJIS-K-7105、JIS-K-7136に準じて、日立ハイテク社製U-3310分光高度計を用いてヘーズを測定した。
(3−10)折り曲げ試験
(2−3)の条件で硬化塗膜を形成した試験片をハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、その際の透明絶縁膜におけるクラック発生状況を目視及び200倍の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生し無かった回数を評価した。
(3−11)伸び率(%)
樹脂組成物をPETフィルムに厚さ50μm±10μmになるようにバーコーターを用いて均一に塗布した後、(2−3)の予備乾燥からポストキュアまでの工程を行い、硬化塗膜を形成した。つづいて作成された硬化塗膜をPETフィルム(125μm)から剥がし所定の大きさに切断したものついて、SHIMAZU社製オートグラフを使用し、引っ張り速度5mm/minの条件で伸び率を測定した。
各樹脂組成物(硬化物)の評価結果を表1〜表3に示した。
*2:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ スペシャルティ ケミカルズ社製)
*3:メラミン誘導体(MX−750LM、(株)三和ケミカル社製)
*4:フタロシアニングリーン(リオノールグリーン2Y−301、東洋インキ製造(株)社製)
*5:シリカ(MIN−U−SIL 5、林化成(株)社製)
*6:消泡剤(KS−66、信越化学工業(株)社製)
*7:チクソ性付与剤(R−974、日本アエロジル(株)社製)
*8:2.4.6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(SPEEDCURE TPO、日本シイベルヘグナー(株)社製)
*9:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819、チバ スペシャルティ ケミカルズ(株)社製)
EBECRYL3708:ダイセル・サイテック(株)製、二官能変性エポキシアクリレート、重量平均分子量1500
EBECRYL9270:ダイセル・サイテック(株)製、二官能ウレタンアクリレート、重量平均分子量1000
イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
ダロキュア1173:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン
イルガキュア2959:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、1‐[4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル]‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン
イルガキュア127:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン
イルガキュア651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、ベンジルジメチルケタール系光重合開始剤(2,2‐ジメトキシ‐1,2‐ジフェニルエタン‐1‐オン)
イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、α‐アミノケトン系光重合開始剤(2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタノン‐1)
MX708:メラミン誘導体、(株)三和ケミカル社製
MX002:メラミン誘導体、(株)三和ケミカル社製
また、表3から、実施例15〜30の硬化性組成物の硬化物、特に実施例15〜25の硬化性組成物の硬化物は、良好な透明性を有することが分かる。
また、本発明の硬化性組成物の硬化物は、優れた反射率を有し、塗膜硬度も良好であることから、太陽電池モジュール用の反射シートとしても好適である。
また、本発明の硬化性組成物による透明な硬化物は、タッチパネル電極基板などの製造に好適である。
Claims (12)
- 分子中にカルボキシ基を有さず、2以上の不飽和基を有する分子量500〜5000の化合物(A)と、
光重合開始剤(B)と、
分子中に2以上の不飽和基を有する反応性希釈剤(C)と、
分子中にアミノ基又はイミノ基を少なくとも一つ以上有する化合物(D)と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。 - 前記化合物(A)が下記一般式(i)で表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記化合物(A)が、アリル基含有ジイミド化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記反応性希釈剤(C)が、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜4何れかに記載の硬化性組成物。
- 前記化合物(D)が、トリアジン系化合物である、請求項1〜5いずれかに記載の硬化性組成物。
- 前記トリアジン系化合物が、メラミン、メラミン誘導体又はN'-tert-ブチル-N-シクロプロピル-6-(メチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンであることを特徴とする、請求項6に記載の硬化性組成物。
- ソルダーレジストのインキ用である、請求項1〜8何れかに記載の硬化性組成物。
- 請求項8に記載の硬化性組成物であって、インクジェットによるソルダーレジストのインキ用であり、粘度が25℃で200mPa・s以下であることを特徴とする硬化性組成物。
- 請求項1〜9いずれかに記載の硬化性組成物の硬化物。
- 請求項10に記載の硬化物を用いたプリント配線板。
- さらに酸化チタンを含有する、請求項1〜7いずれかに記載の硬化性組成物の硬化物による皮膜を有する反射シート。
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