JPWO2011058610A1 - コンタクトレンズの処理方法及びそのための液剤組成物 - Google Patents

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Abstract

コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンを効果的に分解、除去せしめ得るコンタクトレンズの処理方法とそのための液剤組成物を提供する。アレルゲンが表面乃至は内部に存在するコンタクトレンズを、プロテアーゼに接触させて、その表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去せしめるようにした。

Description

本発明は、コンタクトレンズの処理方法及びそのための液剤組成物に係り、特に、コンタクトレンズの表面や内部に存在する、花粉等に由来のアレルゲンを効果的に無害化するための技術に関するものである。
花粉症患者が花粉の飛散する環境下においてコンタクトレンズを装用した場合に、裸眼時に比較して、痒みや涙目、充血等のアレルギー症状が、より顕著に現れるようになる。これは、ヒト眼に接触した花粉から放出されたアレルゲンが、コンタクトレンズと角膜の間に滞留することとなるからであると考えられている。このため、我が国において、スギ花粉やヒノキ花粉が飛散する1月〜5月には、花粉症患者に対してコンタクトレンズの装用を禁止する眼科医も少なくはない。また、止むを得ずコンタクトレンズを装用せざるを得ない場合においては、日々の装用において汚れの蓄積しない、1回使い捨てタイプの含水性ソフトコンタクトレンズの装用が勧められる場合もある。
しかし、そのような1回使い捨てタイプの含水性ソフトコンタクトレンズは、使用後に洗浄・消毒等のケアを行なわなくても良い利点がある反面、ケアを行ないながら使用する頻回使用タイプ(2週間交換や1ヶ月交換タイプ)のコンタクトレンズに比較して、1日当たりのコストが高くなるという欠点があり、そのために、眼鏡で代用する花粉症患者も少なくはない。勿論、言うまでもなく、眼鏡には、プリズム効果、収差の影響、網膜像の変化、湯気で曇る等といった、コンタクトレンズにはない眼鏡特有の問題点が多くあり、従って、眼鏡で代用することが根本的解決になっているとは言い難いものであった。
また、1回使い捨てタイプ以外のコンタクトレンズを使用する場合には、従来より、コンタクトレンズに付着した汚れの除去を目的とした洗浄が、行なわれている(特開平2−240199号公報等参照)。そして、特に、タンパク質の汚れが酷い場合には、特開平9−38180号公報や特開2003−167220号公報等にも明らかにされている如く、タンパク分解酵素を含有した洗浄剤に浸漬することにより、そのタンパク汚れを除去する方法が、採用されてきているのである。しかし、何れの方法も、タンパク汚れの全体を分解することを意図しているのみであって、取り立てて、アレルゲンを分解することを目的とはしていないのである。
ところで、花粉が飛散している環境下において、終日装用された後のコンタクトレンズには、花粉由来のアレルゲンが残留している可能性が高く、そのような状況下で、頻回使用タイプのコンタクトレンズを繰り返し装用しようとした場合に、その装着前のコンタクトレンズ表面及び/又は内部には、かかるアレルゲンが残留していないことが好ましいことは、言うまでもないところである。そして、それを実現するには、コンタクトレンズを花粉が飛散している環境下で使用した後、次に装用するまでの間に、コンタクトレンズに残留するアレルゲンを、適当な手法にて除去する必要がある。しかしながら、そのようなコンタクトレンズに残留乃至は付着せるアレルゲンを除去するに有効な技術について、現在までのところ、何等の提案も為されてはいない。
特開平2−240199号公報 特開平9−38180号公報 特開2003−167220号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンを効果的に分解、除去せしめ得るコンタクトレンズの処理方法と、そのための液剤組成物を提供することにあり、特に、頻回使用タイプのコンタクトレンズが花粉飛散環境下で使用されると、アレルゲンを吸着して、次回使用時にもその影響を残してしまうところから、そのような問題を解消して、毎回安心して頻回使用タイプのコンタクトレンズを装用することが出来るようにした技術を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また以下に記載の各態様は、任意の組合せにて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及びそこに開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) アレルゲンが表面乃至は内部に存在するコンタクトレンズを処理するための方法であって、かかるコンタクトレンズを、プロテアーゼに接触させて、その表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去せしめることを特徴とするコンタクトレンズの処理方法。
(2) 前記プロテアーゼが、それを含む液剤組成物の形態において用いられると共に、前記コンタクトレンズとの接触が、該液剤組成物中への浸漬によって行なわれる上記態様(1)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(3) 前記液剤組成物が、界面活性剤を更に含有している上記態様(2)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(4) 前記コンタクトレンズが浸漬せしめられる前記液剤組成物が、所定のプロテアーゼ含有溶液を希釈剤によって希釈して得られたものである上記態様(2)又は(3)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(5) 前記希釈剤が、界面活性剤を含有する水性溶液である上記態様(4)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(6) 前記コンタクトレンズが、眼から取り外された、装用後のコンタクトレンズである上記態様(1)乃至(5)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(7) 前記プロテアーゼが、ズブチリシンである上記態様(1)乃至(6)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(8) 前記プロテアーゼが、パンクレアチンである上記態様(1)乃至(6)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(9) 前記コンタクトレンズが、含水性コンタクトレンズである上記態様(1)乃至(8)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(10) 前記コンタクトレンズが、非含水性コンタクトレンズである上記態様(1)乃至(8)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(11) 前記コンタクトレンズが、シリコーンハイドロゲルからなるソフトコンタクトレンズである上記態様(1)乃至(10)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(12) 前記コンタクトレンズが、頻回使用タイプのソフトコンタクトレンズである上記態様(1)乃至(11)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(13) 前記アレルゲンが、スギ由来、ヒノキ由来及び/又はブタクサ由来のアレルゲンである上記態様(1)乃至(12)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
(14) コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去するために用いられる、有効量のプロテアーゼが含有せしめられてなるコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
(15) コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去するために用いられる、有効量のプロテアーゼが含有せしめられてなる液剤組成物又は溶液であって、アレルゲンの分解・除去効果を訴求したことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
(16) 有効量のプロテアーゼを含有して、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンの分解・除去作用を有するものである旨の表示をしたコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
(17) 有効量のプロテアーゼを含有して、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンの分解・除去作用を有するものである旨の表示をしたコンタクトレンズ用洗浄液又はマルチパーパスソリューション。
(18) コンタクトレンズの処理に毎日用いられる上記態様(15)又は(16)に記載のコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
(19) コンタクトレンズの処理に毎日用いられる上記態様(17)に記載のコンタクトレンズ用洗浄液又はマルチパーパスソリューション。
このように、本発明によれば、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンが、プロテアーゼとの接触によって、コンタクトレンズ自体の特性を何等変化させることなく、効果的に分解、除去せしめられ得ることとなったのであり、これによって、花粉が飛散している環境下で装用された後のコンタクトレンズに残留する花粉由来のアレルゲンを効果的に除去せしめ得て、次の装用に有利に備え得ることとなるのであり、また、コンタクトレンズが毎日花粉に曝される状況に置かれている場合には、本発明に従って、そのアレルゲンが付着/含有せしめられたコンタクトレンズを、毎日処理して、無害化することが可能となるのである。
特に、頻回使用タイプのコンタクトレンズにあっては、その使用の毎に、本発明に従うプロテアーゼを含有する液剤組成物を用いて、それに浸漬処理した後、再び眼に装用するようにすれば、花粉由来のアレルゲン等によるアレルギー症状から、コンタクトレンズ使用者を有利に解放せしめて、態々、1回使い捨てタイプのコンタクトレンズを使用する必要性も全く解消し得るのである。
実験例1において得られた、レンズ試料上のCryj1量を示すグラフである。 実験例2において得られた電気泳動図(写真)である。 実験例3において得られた電気泳動図(写真)である。 実験例4において得られた電気泳動図(写真)である。 実験例5において得られた、抗体に結合したCryj1量を示すグラフである。 実験例6において得られた、4時間処理された処理液についての電気泳動図(写真)である。 実験例6において得られた、24時間処理された処理液についての電気泳動図(写真)である。 実験例7において得られた、レンズ試料中のCryj1残存率を示すグラフである。 実験例8において得られた、レンズ試料上のCryj1量を示すグラフである。
ここにおいて、本発明に従って処理されるコンタクトレンズとしては、通常の視力矯正用のコンタクトレンズの他、ファッション用カラーコンタクトレンズであっても何等差し支えなく、また、その種類が何等限定されるものでもなく、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性を含む)であっても、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズを含む)であっても良く、また、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズを組み合わせたハイブリッドコンタクトレンズであっても、更には、高酸素透過性のシリコーンハイドロゲル製コンタクトレンズであっても、何等差し支えない。しかし、本発明にあっては、特に、シリコーンハイドロゲルを素材として形成されたコンタクトレンズに対して有利に適用され、それによって、本発明に従う分解・除去作用が、より一層有利に発揮され得ることとなる。なお、そのようなシリコーンハイドロゲルは、公知の材料であって、よく知られているように、少なくとも1つのシリコーン含有モノマーと少なくとも1つの親水性モノマーを含む混合物を重合して得られる重合体等、シリコーンとハイドロゲルを合体させてなる重合体を材質とするものであって、酸素透過性等の特性に優れたソフトコンタクトレンズを与える材料として知られているものである。
加えて、そのような本発明が適用されるコンタクトレンズには、非含水性、低含水性、高含水性の何れもが、更に、表面処理されているか、否かを問わず、その対象となり得るものであり、また、定期交換型コンタクトレンズ、頻回交換型コンタクトレンズ、寿命が来るまで使用する従来型のコンタクトレンズ等が、何れも、その対象とされ得るものであり、また、そのようなコンタクトレンズは、終日装用型であっても、連続装用型であっても、何等差し支えない。
尤も、本発明にあっては、アレルゲンの付着し易い、また、そのようなアレルゲンが内部に侵入し易いソフトコンタクトレンズ、中でも、含水性のソフトコンタクトレンズが、有利にその対象とされ得るものであり、また、そのようなソフトコンタクトレンズには、眼に対する一定時間の装用と一定時間の取り外しが繰返し行なわれる頻回使用タイプのものが、有利に対象とされるのである。なお、そのような頻回使用タイプのコンタクトレンズは、一般に、それが眼から取り外されている間は、適当な溶液中に浸漬されて、保持されるようになっている。
また、かかるコンタクトレンズに付着し、その表面乃至は内部に存在するようになるアレルゲンとしては、自然環境下や生活環境下における各種のものが存在するが、特に、本発明にあっては、花粉由来のアレルゲン、例えばスギ由来のCryj1やCryj2、ヒノキ由来のアレルゲン等が、その対象とされることとなる。
そして、本発明にあっては、かくの如きアレルゲンが表面乃至は内部に存在するコンタクトレンズを処理して、そのコンタクトレンズに存在するアレルゲンに起因したアレルギー症状が、眼に現れることを回避しようとするものであって、そのために、コンタクトレンズをプロテアーゼに接触させて、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去せしめるようにしたのである。
ところで、そのような本発明に従うコンタクトレンズとプロテアーゼとの接触には、公知の各種の手法が適宜に選択されて用いられ得るものであるが、一般に、プロテアーゼは、それを含む液剤組成物の形態において使用され、そのプロテアーゼを含む液剤組成物中に、コンタクトレンズを、所定時間の間浸漬せしめることにより、アレルゲンの有効な除去が行なわれることとなるのである。
なお、このコンタクトレンズの浸漬せしめられる液剤組成物中のプロテアーゼの濃度としては、コンタクトレンズから目的とするアレルゲンを除去する条件等によって、適宜に選定されることとなるが、一般に、1ppm以上、望ましくは10ppm以上の濃度が、有利に採用されることとなる。また、プロテアーゼの濃度が高くなれば、それだけ、アレルゲンの除去作用を高めることが出来るが、経済性等の観点から、その上限は、一般に、5w/v%、好ましくは1w/v%程度とされることとなる。
さらに、かかるプロテアーゼ含有液剤組成物へのコンタクトレンズの浸漬時間にあっても、プロテアーゼの濃度等によって、適宜に決定されるものであるが、一般に、1時間以上、好ましくは3時間以上の浸漬時間が採用されることとなる。この浸漬時間の上限は、特に限定されるものではなく、コンタクトレンズの次回の使用時期に合わせて適宜に決定され、一般に、24時間程度、好ましくは10時間程度とされることとなる。
ここで、上述の如きコンタクトレンズの処理に用いられるプロテアーゼは、一般に、その活性部位における残基の種類によって、セリンプロテアーゼ、チオールプロテアーゼ、金属プロテアーゼ、カルボキシルプロテアーゼに分類されるが、中でも、本発明にあっては、セリンプロテアーゼが、好んで用いられることとなる。また、プロテアーゼは、他の酵素との混合物の形態においても用いられ得るものである。特に、本発明において有利に用いられ得るプロテアーゼとしては、微生物由来のズブチリシンや膵臓から抽出される消化酵素であるパンクレアチン等があり、それらは、市場において容易に入手可能である。
また、本発明にあっては、アレルゲンが表面乃至は内部に存在するコンタクトレンズが浸漬せしめられる、プロテアーゼを含む液剤組成物中には、更に、界面活性剤が有利に含有せしめられ、これによって、コンタクトレンズからのアレルゲンの分解・除去効果を、より一層高めることが可能となる。ここで用いられる界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの組合せがあり、それらの中から適宜に選択されることとなる。
なお、上記のアニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキロイルメチルタウリンナトリウム、アルキロイルザルコシンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジ(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)リン酸ナトリウム等を使用することが出来る。このアニオン系界面活性剤は、本発明に従う液剤組成物中において、一般に0.01w/v%以上、好ましくは0.02w/v%以上であって、10w/v%以下、好ましくは5w/v%以下の割合において、含有せしめられる。
また、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、高級アルキルアミンのポリエチレングリコール付加物、高級脂肪酸アミドのポリエチレングリコール付加物、高級脂肪酸のポリグリセリンエステル、高級脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、高級脂肪酸のポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコールコポリマーエステル、高級脂肪酸のポリエチレングリコールの付加した多価アルコールエステル、高級アルコールのポリエチレングリコールエーテル、高級アルコールのポリグリセリンエーテル、アルキルフェノールのポリエチレングリコールエーテル、アルキレンフェノールのポリエチレングリコールエーテルのホルムアルデヒド縮合物、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合体、リン酸エステル、ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ステロールのポリエチレングリコール付加物等を用いることが出来る。このノニオン系界面活性剤は、本発明に従う液剤組成物中において、一般に、0.01w/v%以上、好ましくは0.02w/v%以上であって、10w/v%以下、好ましくは5w/v%以下となるように、含有せしめられるものである。
さらに、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを併用する場合において、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の含有量は、それぞれ、上記した範囲内で且つ合計量が0.02〜20w/v%、好ましくは0.05〜10w/v%となるように調整される。
そして、かくの如き本発明に従ってコンタクトレンズが浸漬処理される、プロテアーゼを含有する液剤組成物は、従来から公知の調製手法に従って容易に製造され、例えば、プロテアーゼを適当な水性媒体中に添加、含有せしめることによって、直接的に製造され得るものであるが、また、そのようなコンタクトレンズが浸漬せしめられる液剤組成物を直接に製造する方式に代えて、よく知られているように、プロテアーゼを、高濃度、例えば0.1〜10w/v%程度の割合で含む溶液を、適当な希釈剤によって希釈することによって、目的とする液剤組成物を調製し、そしてその調製された液剤組成物に、コンタクトレンズを浸漬せしめるようにする方式も、採用可能である。なお、ここで用いられる希釈剤としては、一般に、水性媒体が採用され、水道水や精製水、蒸留水等の水そのものの他にも、水を主体とする溶液であれば、生体への安全性が高く且つ眼科的に充分に許容され得るものである限りにおいて、何れも利用することが可能である。このため、従来からコンタクトレンズ用溶液として知られている各種の水性溶液や、コンタクトレンズ用として市販されている洗浄液、保存液、消毒液、殺菌液、濯ぎ液やマルチパーパスソリューション等の水性溶液を用いることが可能である。
また、本発明に従って、アレルゲンの存在するコンタクトレンズが浸漬せしめられる液剤組成物には、上述の如きプロテアーゼや界面活性剤の他にも、更に、必要に応じて、従来よりコンタクトレンズ用液剤組成物において用いられている各種の添加成分、例えば、pH調整剤、緩衝剤、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、粘性調整剤乃至は増粘剤、キレート化剤、張度調整剤等の各種の成分が、液剤組成物中に含有せしめられていても、何等差し支えない。
ここで、上記したpH調整剤は、コンタクトレンズが浸漬せしめられる液剤組成物のpHの調整のために用いられるものであって、一般に、水酸化ナトリウムや塩酸等が利用される。そして、その液剤組成物のpHを、所定の範囲に有効に且つ眼に対して安全な範囲に保つために、pH緩衝剤が、従来から公知の各種のものの中から適宜に選択されて、用いられ得るのである。このpH緩衝剤としては、具体的には、例えば、リン酸、ホウ酸等の無機酸、カルボン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸等のオキシカルボン酸等の有機酸やそれらの塩類(例えば、ナトリウム塩等)、更には、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)等のGood−Bufferや 、炭酸水素ナトリウム、アミノエチルスルホン酸、グリシン、アルギニン、グルタミン酸等のアミノ酸類が、眼に対して安全であり、しかも、コンタクトレンズに対する影響を少なくすることが出来るという理由から、有利に使用されることとなる。
そして、そのようなpH調整剤やpH緩衝剤にて調整される液剤組成物のpHは、一般に、6以上、好ましくは6.5以上に調整され、また、その上限は、pH9程度、好ましくはpH8.5程度とされることとなる。そのようなpH値において、本発明の目的とするアレルゲンの分解除去効果が有利に発揮せしめられ得るのである。なお、かかるpH値が高くなり過ぎても、また逆に低くなり過ぎても、眼に対して刺激を与えたり、眼障害を招来する恐れがある。加えて、このpH値が低くなり過ぎると、レンズが変形して、規格変化を惹起する問題も生じる。このため、本発明で用いられる液剤組成物にあっては、通常、pH7.0付近に調整されることとなる。
また、防腐剤や殺菌剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸或いはその塩、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB:塩酸ポリヘキサニド)、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム塩(CPC)、クロルヘキシジン、アレキシジン、クロルフェニラミン又はその塩、アラントイン、塩化ポリドロニウム等のポリクオタニウム類等が挙げられ、これらの防腐剤の中でも、本発明にあっては、ソルビン酸やソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化ポリドロニウムが、コンタクトレンズの規格に対する悪影響が極めて少ないところから、特に好ましく採用される。なお、これらの防腐剤は、一般に、0.00001〜1w/w%程度の濃度において用いられることとなる。
さらに、抗菌剤としては、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフィソキサゾール、スルフィソミジンナトリウム等のサルファ剤、及びオフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、キモシフロキサシン、トスフロキサシン、ロメフロキサシン、シプロフロキサシン等のニューキノロン系抗菌剤、トブラマイシン、ゲンタマイシン、ミクロノマイシン、ジベカシン、シソマイシン等のアミノグリコシド系抗菌剤、テトラサイクリン、ミノサイクリン等のテトラサイクリン系抗菌剤、エリスロマイシン等のマクロライド系抗菌剤、クロラムフェニコール等のクロラムフェニコール系抗菌剤、セフメノキシム等のセフェム系抗菌剤等を挙げることが出来る。
加えて、粘性調整剤や増粘剤は、本発明において用いられる液剤組成物の粘度を調整するために含有せしめられるものであって、例えば、アルギン酸、キトサン及びそれらの塩等の多糖類、ヒアルロン酸(塩)、コンドロイチン酸硫酸(塩)等のムコ多糖類、ヘテロ多糖類等の種々のガム類や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールの末端水酸基の一方にメチル基がエーテル結合したポリエチレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコール類、ポリビニルアルコール(完全鹸化型、部分鹸化型)、ポリ(メタアクリル酸)、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルカプロラクタム等のポリビニルカプロラクタム類、ポリアクリルアミド(塩)、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミド等のポリアクリルアミド類、Copolymer 845(ポリビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとの共重合ポリマー)等の合成有機高分子化合物、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体やスターチ誘導体等が用いられ、また、グリセリン、プロピレングリコール、低分子ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が用いられる。
また、キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩、具体的には、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)等を挙げることが出来、それらが、一般に、0.001〜0.5w/w%程度の濃度において用いられる。
さらに、張度調整剤(浸透圧調整剤)は、液剤組成物の浸透圧を涙液の浸透圧に近いものに調整して、眼に対する刺激やコンタクトレンズの規格変化、眼障害等が惹起されることを回避するために含有せしめられるものであって、一般に、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類、ブドウ糖、デキストラン、トレハロース等の糖類及びその誘導体、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール及びプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール若しくはそのエーテル又はそのエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物が、通常、生理食塩液に対する浸透圧比にて(生理食塩液の浸透圧を1として)、0.5〜2.0程度の範囲、好ましくは0.6〜1.6程度の範囲となるような量において含有せしめられる。
そして、かくの如き各種の任意の添加成分は、それぞれ所定の割合において、コンタクトレンズが浸漬せしめられる液剤組成物に直接に添加、含有せしめられる他、かかる液剤組成物を調整するために用いられるプロテアーゼ含有溶液及び/又は希釈剤に含有せしめて用いられることとなる。例えば、プロテアーゼ含有溶液を希釈剤によって希釈して、液剤組成物を調製するに際して、それらプロテアーゼ含有溶液と希釈剤の両方若しくはその何れか一方に、界面活性剤等の成分を添加、含有せしめたものを用いて、目的とする液剤組成物を調製することが出来るのである。
また、以上のようにして得られるコンタクトレンズ用液剤組成物に対して、アレルゲンが表面乃至は内部に存在するコンタクトレンズ、特に、装用中においてアレルゲンが付着したコンタクトレンズを眼から取り外して得られる装用後のコンタクトレンズを、所定時間の間浸漬せしめることにより、そのようなコンタクトレンズに付着せるアレルゲンを効果的に分解、除去せしめ得ることとなるのであり、以て、そのようなコンタクトレンズを再び眼に装用しても、残存するアレルゲンによるアレルギー症状の発症は、効果的に回避され得るのである。そして、かかるコンタクトレンズの処理は、有利には、毎日実施され、それによってコンタクトレンズからのアレルゲンの除去が効果的に行なわれることとなる。
なお、そのような優れたアレルゲンの分解・除去効果を有する液剤組成物や、それを与えるプロテアーゼ含有コンタクトレンズ用溶液は、そのようなアレルゲンの分解・除去効果乃至は作用を有するものとして表示乃至は訴求された形態において、コンタクトレンズの使用者に対して、具体的には、コンタクトレンズのメンテナンスに用いられるコンタクトレンズケア剤、例えば、洗浄剤、消毒液、濯ぎ剤、保存剤、湿潤剤、マルチパーパスソリューション等として提供されることとなる。
以下に、本発明の代表的な実施例の幾つかを示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えて、実施され得るものであることが、理解されるべきである。
−実験例1−
コンタクトレンズ表面からのスギ花粉アレルゲンの除去効果を調べるために、以下の実験を行なった。
先ず、市販の含水性ソフトコンタクトレンズ(マンスウエア:株式会社メニコン製)を用いて、それより5mmφの大きさの円形レンズ試料を切り出した後、それに20mgの日本スギ花粉(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号304−35141)を乗せて、手指により押し付けることにより、花粉付着試料を準備した。なお、この花粉付着試料は、以下の処理のために多数作製された。
次いで、かかる準備された花粉付着試料の8枚ずつに対して、以下に示す処理1〜3を施した。
処理1:花粉付着試料を、リン酸緩衝液の3mLに、4時間、室温下
で浸漬した。なお、ここで用いられた、また以下において用
いられるリン酸緩衝液は、PBS(−)タブレット(タカラ
バイオ株式会社製品:カタログ番号T900)の1錠を精製
水100mLに溶解して、121℃の温度で、20分間、高
圧蒸気滅菌したものである。pHは7.4である。
処理2:花粉付着試料を、市販のコンタクトレンズ用マルチパーパス
ソリューション(株式会社メニコン製品:エピカコールド、
PHMB1ppm含有、pH7.4)の3mLに、4時間、
室温下で浸漬せしめた。
処理3:花粉付着試料を、アルカリプロテアーゼのズブチリシンを1
8.4ppmの濃度において添加、含有せしめた上記の市販
マルチパーパスソリューション(エピカコールド)の3mL
(pH=8.1)に、4時間、室温下で浸漬した。
かかる処理1〜3の施された花粉付着試料と共に、比較対照として、スギ花粉を付けていない試料を準備し、それら各試料を96ウェルプレートに移した。そして、それぞれのウェルに対して、抗Cryj1ペルオキシダーゼ標識抗体053(生化学工業株式会社製品:カタログ番号HBL−Ab−1−053P)の0.25μg/mLを、それぞれ100μL添加し、2時間静置した。次いで、各ウェル内の標識抗体溶液を除去し、0.05%Tween20含有リン酸緩衝液の100μLで、3回、各ウェル内を洗浄した。その後、各ウェルに基質溶液(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号TMBE−100)を100μL加え、3〜5分静置して、呈色反応を進行せしめ、その後、各ウェルに2N硫酸を100μL加えて、呈色反応を停止させた。
そして、かかる硫酸添加の後、30分以内に、各試料について吸光光度分析を行ない、485nmの波長での吸光度を測定した。そして、その得られた吸光度の平均値を、対照及び処理1〜3について求め、その結果を、下記表1に示すと共に、図1に棒グラフにて示した。
Figure 2011058610
かかる表1の結果や図1から明らかな如く、処理3のように、プロテアーゼとしてズブチリシンを含む溶液で処理することにより、円形のレンズ試料上に付着せしめたアレルゲン:Cryj1量は、有利に減少させられており、このことから、ズブチリシンによって、ソフトコンタクトレンズ表面から、効果的にスギ花粉アレルゲンが除去され得ることを認めることが出来る。
−実験例2−
スギ花粉アレルゲンCryj1(生化学工業株式会社製品:カタログ番号HBL−C−1)及びCryj2(生化学工業株式会社製品:カタログ番号HBL−C−2)を用い、以下に示す処理液1〜6を調製して、室温下に4時間静置した。また、比較対照のために、スギ花粉アレルゲン溶液を配合しないズブチリシン溶液を準備した。
処理液1:リン酸緩衝液10μL+100μg/mL Cryj1溶
液10μL、pH=7.4
処理液2:市販マルチパーパスソリューション(エピカコールド)1
0μL+100μg/mL Cryj1溶液10μL、p
H=7.4
処理液3:ズブチリシンを18.4ppm添加した市販マルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj1溶液10μL、pH=8.0
処理液4:リン酸緩衝液10μL+100μg/mL Cryj2溶
液10μL、pH=7.4
処理液5:市販マルチパーパスソリューション(エピカコールド)1
0μL+100μg/mL Cryj2溶液10μL、p
H=7.4
処理液6:ズブチリシンを18.4ppm添加した市販マルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj2溶液10μL、pH=8.0
処理液7(対照):ズブチリシンを18.4ppm含む市販マルチパ
ーパスソリューション(エピカコールド)、pH=8.1
そして、上記で調製された処理液1〜7の各液とSDS−PAGE用2×サンプルバッファとを1:1の割合で混合して、95℃で5分間、加熱処理した後、それぞれの溶液の10μLを採取して、10%アクリルアミドゲルにロードし、20〜25mAで60〜70分間電気泳動を行なった。次いで、かかる電気泳動の終わったゲルを取り出し、銀染色キット(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号299−13841)を用いて、固定及び銀染色を行なうことにより、図2に示される如き電気泳動図(写真)を得て、既知の分子量に泳動されたバンドの濃さから、スギ花粉アレルゲン:Cryj1及びCryj2の分解の有無を調べた。なお、スギ花粉のアレルゲン:Cryj1の分子量が40kDaであり、Cryj2の分子量が37kDaであることは、判明している。
その結果、図2に示される電気泳動図から明らかな如く、処理液3及び処理液6においては、プロテアーゼとしてズブチリシンが添加されていることにより、40kDa及び37kDa付近のバンドが全て消失していることから、かかるズブチリシンにより、スギ花粉のアレルゲンが分解せしめられ得ることが認められる。
−実験例3−
先ず、ヒノキ花粉(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号165−20921)の20mgを、リン酸緩衝液の500μLに懸濁せしめた。そして、その懸濁液を静置して得られる上清をヒノキ花粉タンパク抽出液として用い、以下に示す処理液1〜3を調製して、4時間、室温下で静置した。
処理液1:リン酸緩衝液10μL+ヒノキ花粉タンパク抽出液10μ
L、pH=7.4
処理液2:市販マルチパーパスソリューション(エピカコールド)1
0μL+ヒノキ花粉タンパク抽出液10μL、pH=7.

処理液3:プロテアーゼとしてズブチリシンを18.4ppm添加し
た市販マルチパーパスソリューション(エピカコールド)
10μL+ヒノキ花粉タンパク抽出液10μL、pH=8
.0
次いで、上記した各処理液を用いて、先の実験例2と同様にして電気泳動を行ない、図3に示される如き電気泳動図(写真)を得た。なお、ヒノキ花粉のアレルゲンであるChao1は、45kDaの分子量を有していることが判明している。
そして、図3に示される電気泳動図から、既知の分子量に電気泳動されたバンドの濃さに基づき、ヒノキ花粉のアレルゲンの分解の有無を判断すると、ズブチリシンを加えた処理液3においては、45kDa付近のバンドが全て消失していることが認められ、これにより、ズブチリシンによりヒノキ花粉のアレルゲンが良好に分解され得ることが認められるのである。
−実験例4−
ブタクサ花粉抽出物(コスモバイオ株式会社製品:カタログ番号LG−5889)を用い、その0.3mgをリン酸緩衝液の100μLに懸濁せしめた。次いで、その懸濁液を静置して得られる上清をブタクサ花粉タンパク抽出液として用い、以下に示す処理液1〜3を調製した後、4時間、室温下で静置した。
処理液1:リン酸緩衝液10μL+ブタクサ花粉タンパク抽出液10
μL、pH=7.4
処理液2:市販マルチパーパスソリューション(エピカコールド)1
0μL+ブタクサ花粉タンパク抽出液10μL、pH=7
.4
処理液3:プロテアーゼとしてズブチリシンの18.4ppmを添加
、含有せしめた市販マルチパーパスソリューション(エピ
カコールド)10μL+ブタクサ花粉タンパク抽出液10
μL、pH=8.0
そして、かくして得られた処理液1〜3の各々について、先の実験例2と同様にして電気泳動を行ない、図4に示される如き電気泳動図(写真)を得た。そして、既知の分子量に泳動されたバンドの濃さに基づいて、ブタクサ花粉のアレルゲンの分解の有無について評価した。なお、ブタクサ花粉のアレルゲンは、以下の6種の分子量を有していることが知られている。
Amb a1:37.8kDa、Amb a2:38.0kDa、
Amb a3:12.1kDa、Amb a4:28.0kDa、
Amb a5:5.0kDa、Amb a6:11.5kDa
図4に示される電気泳動図から明らかな如く、プロテアーゼとしてズブチリシンが添加されてなる処理液3においては、ブタクサ花粉のアレルゲンに相当する分子量のバンドが消失していることが認められ、このことから、ズブチリシンによりブタクサ花粉のアレルゲンが良好に分解され得ることは、明らかである。なお、図4において、10kDa以下のタンパクは、アクリルアミドゲルの外に流れ出てしまっている。
−実験例5−
先のスギ花粉アレルゲン:Cryj1を用い、以下に示す処理液1〜5を調製して、室温下で、4時間、静置した。
処理液1:リン酸緩衝液150μL+100μg/mL Cryj1
溶液7.5μL、pH=7.4
処理液2:市販マルチパーパスソリューション(エピカコールド)1
50μL+100μg/mL Cryj1溶液7.5μL
、pH=7.4
処理液3:プロテアーゼとしてズブチリシンを18.4ppm添加し
た市販マルチパーパスソリューション(エピカコールド)
150μL+100μg/mL Cryj1溶液7.5μ
L、pH=8.1
処理液4:市販マルチパーパスソリューション(日本アルコン株式会
社製品:オプティフリープラス)150μL+100μg
/mL Cryj1溶液7.5μL、pH=7.0
処理液5:プロテアーゼとしてパンクレアチンを71.8ppm添加
、含有せしめた市販マルチパーパスソリューション(オプ
ティフリープラス)150μL+100μg/mL Cr
yj1溶液7.5μL、pH=8.0
一方、ストレプトアビジンでコートされた96ウェルプレートの各ウェルに、500μg/mL抗Cryj1モノクローナル抗体013(生化学工業株式会社製品:カタログ番号HBLAb1−013)の100μLを加え、1.5時間静置した。
次いで、かかる96ウェルプレートの別個のウェルに、先に調製した処理液1〜5をそれぞれ加えて、1.5時間静置した後、各処理液を除去し、次いで、0.05%Tween20含有リン酸緩衝液の100μLで、3回、各ウェル内を洗浄した。その後、0.25μg/mLの抗Cryj1ペルオキシダーゼ標識抗体053を100μL加え、2時間静置した後、その標識抗体溶液を除去し、更に、0.05%Tween20含有リン酸緩衝液の100μLで、3回、各ウェル内を洗浄した。
かくして得られた96ウェルプレートの各ウェルに、基質溶液(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号TMBE−100)を100μL加え、3〜5分間静置することにより、呈色反応を進行せしめた後、各ウェルに2N硫酸を100μL加え、その呈色反応を停止させた。その後、かかる硫酸の添加後30分以内に、吸光光度測定を行ない、485nmの波長における吸光度を測定して、その結果を、下記表2及び図5に示した。なお、かかる吸光度は、各処理液について、それぞれ、8個のウェルを用いて得られた結果の平均値で示されている。
Figure 2011058610
かかる表2の結果や図5から明らかな如く、ズブチリシン又はパンクレアチンを含む溶液(処理液3、処理液5)を用いて処理することにより、抗体と結合するCryj1量は有利に減少していることが認められ、このことから、ズブチリシンやパンクレアチンにより、スギ花粉アレルゲンを効果的に変性せしめ得ることが認められる。
−実験例6−
先のスギ花粉アレルゲン:Cryj1を用い、以下に示す処理液1〜11(何れも、pH=7.4〜8.5に調整)を調製して、室温下で、4時間、静置した。
処理液1:ズブチリシンを1.8ppm添加した市販のマルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj1溶液10μL
処理液2:ズブチリシンを2.4ppm添加した市販のマルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj1溶液10μL
処理液3:ズブチリシンを3.6ppm添加した市販のマルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj1溶液10μL
処理液4:ズブチリシンを4.6ppm添加した市販のマルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj1溶液10μL
処理液5:ズブチリシンを6.2ppm添加した市販のマルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj1溶液10μL
処理液6:ズブチリシンを9.2ppm添加した市販のマルチパーパ
スソリューション(エピカコールド)10μL+100μ
g/mL Cryj1溶液10μL
処理液7:ズブチリシンを18.4ppm添加した市販のマルチパー
パスソリューション(エピカコールド)10μL+100
μg/mL Cryj1溶液10μL
処理液8:ズブチリシンを36.8ppm添加した市販のマルチパー
パスソリューション(エピカコールド)10μL+100
μg/mL Cryj1溶液10μL
処理液9:ズブチリシンを73.6ppm添加した市販のマルチパー
パスソリューション(エピカコールド)10μL+100
μg/mL Cryj1溶液10μL
処理液10:ズブチリシンを184.0ppm添加した市販のマルチ
パーパスソリューション(エピカコールド)10μL+1
00μg/mL Cryj1溶液10μL
処理液11:市販のマルチパーパスソリューション(エピカコールド
)の10μL+100μg/mL Cryj1溶液10μ
次いで、かくして得られた各種の処理液1〜11について、それぞれ、先の実験例2と同様にして電気泳動を行ない、各処理液1〜11について、図6に示される如き泳動バンドを示す電気泳動図(写真)を得た。そして、その電気泳動図に示される泳動されたバンドの濃さから、Cryj1の分解の有無について評価した。
図6に示される結果から明らかな如く、4時間の処理を行なった処理液のうち、ズブチリシン濃度が9.2ppm以上である処理液6〜10においては、その溶液10μLで100μg/mLのCryj1溶液10μLを充分に分解し得ることが認められる。
また、前記した4時間の静置処理に代えて、24時間の静置処理を施した処理液1〜10においては、図7に示される電気泳動図(写真)から明らかな如く、何れの処理液であっても、100μg/mLのCryj1溶液10μLを殆ど分解し得ることを認めることが出来る。
−実験例7−
市販の含水性ソフトコンタクトレンズの4種、即ち、アキュビュー2(ジョンソン・アンド・ジョンソン社製)、マンスウエア(株式会社メニコン製)、O2オプティクス(チバビジョン社製)及びメダリストプレミア(ボシュロム・ジャパン社製)を用い、それらレンズから5mmφの大きさの円板状のレンズ試料を切り出し、それに20mgの日本スギ花粉(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号304−35141)を乗せて、手指により押し付けて、付着せしめた。
次いで、それぞれのレンズ試料の6枚を用い、それぞれ、以下に示す処理1又は処理2に供した。
処理1:花粉を付着させた試料をリン酸緩衝液3mLに浸漬して、4
時間、室温下に保持した。
処理2:花粉を付着させた試料を、ズブチリシンが18.4ppmと
なるように添加せしめてなる市販のマルチパーパスソリュー
ション(エピカコールド)の3mLに浸漬して、4時間、室
温下に保持した。
その後、かかる処理の施された花粉付着試料について、それらを96ウェルプレートに移し、抗Cryj1ペルオキシダーゼ標識抗体053(生化学工業株式会社製品:カタログ番号HBL−Ab−1−053P)0.25μg/mLを、100μL添加し、2時間静置した。次いで、その標識抗体溶液を除去して、0.05%Tween20含有リン酸緩衝液の100μLで、3回、各ウェル内を洗浄した後、各ウェルに基質溶液(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号TMBE−100)を100μL加え、3〜5分間静置することにより、呈色反応を進行せしめた。次いで、各ウェルに2N硫酸を100μL加えて、呈色反応を停止せしめ、そして、この硫酸添加後、30分以内に、485nmでの吸光度を測定した。そして、下式により、ズブチリシン処理を行なったレンズ試料のアレルゲン残存率を算出した。その結果を、下記表3及び図7に示した。
(OD2−ODlens)/(OD1−ODlens)×100(%)
[但し、 OD1:処理1の試料を入れたウェルの吸光度(平均値)、
OD2:処理2の試料を入れたウェルの吸光度(平均値)、
ODlens:スギ花粉を付けていない試料を入れたウェルの吸光度
(平均値)]
Figure 2011058610
上記の表3及び図8より明らかな如く、含水性ソフトコンタクトレンズの中でも、従来のハイドロゲルレンズであるアキュビュー2やマンスウエアと比較して、シリコーンハイドロゲルを素材として形成されたシリコーンハイドロゲル製コンタクトレンズであるO2オプティクスやメダリストプレミアを対象とした場合においては、本発明に従うズブチリシン処理によって、より一層効果的にアレルゲンを除去することが出来るものと考えられるのである。
−実験例8−
市販の含水性ソフトコンタクトレンズ(マンスウエア)を用い、それから5mmφの大きさの円形のレンズ試料を切り出し、それに20mgの日本スギ花粉(和光純薬工業株式会社製品:カタログ番号304−35141)を乗せて、手指により押し付けることにより、花粉付着試料を作製した。そして、上記の花粉付着試料について、その6枚ずつを用いて、以下に示す処理1〜5に供した。
処理1:上記の花粉付着試料をリン酸緩衝液の3mLに浸漬して、室
温下に4時間保持した。
処理2:リン酸緩衝液の3mLにズブチリシンを18.4ppmの濃
度となるように添加して得られる溶液に、上記の花粉付着試
料を浸漬して、4時間、室温下で保持した。
処理3:界面活性剤としてポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油
を0.05%含むリン酸緩衝液の3mLに、ズブチリシンを
18.4ppmの濃度となるように添加して得られる溶液に
、上記の花粉付着試料を浸漬せしめ、室温下において、4時
間保持した。
処理4:界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ブロックコポリマー(ポロクサマー407)を0.1%含む
リン酸緩衝液の3mLに、ズブチリシンを18.4ppmの
濃度となるように添加して得られる溶液に、上記の花粉付着
試料を浸漬せしめ、室温下において、4時間保持した。
処理5:界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモ
ノオレエートを0.1%含むリン酸緩衝液の3mLに、ズブ
チリシンを18.4ppmの濃度となるように添加して得ら
れる溶液に、上記の花粉付着試料を浸漬せしめ、室温下にお
いて、4時間保持した。
かくの如き処理1〜5の施された花粉付着試料について、先の実験例7と同様にして、96ウェルプレートにおいて、アレルゲン除去効果の確認のための試験を実施し、485nmでの吸光度を測定して、その結果を、下記表4及び図9に示した。
Figure 2011058610
かかる表4の結果や図9から明らかな如く、ズブチリシンのみを含む溶液を用いた処理2に比較し、ズブチリシン及び界面活性剤を含む溶液を用いた処理3〜5にあっては、何れも、レンズ試料上のCryj1量をより一層減少せしめることが出来た。このことから、界面活性剤を添加することにより、より効果的にコンタクトレンズ表面からアレルゲンを除去し得ることが認められる。
(1) スギ由来、ヒノキ由来及び/又はブタクサ由来のアレルゲンが表面乃至は内部に存在するコンタクトレンズを処理するための方法であって、かかるコンタクトレンズを、ズブチリシン又はパンクレアチンに接触させて、その表面乃至は内部に存在する前記アレルゲンを分解、除去せしめることを特徴とするコンタクトレンズの処理方法。
(2) 前記ズブチリシン又はパンクレアチンが、それを含む液剤組成物の形態において用いられると共に、前記コンタクトレンズとの接触が、該液剤組成物中への浸漬によって行なわれる上記態様(1)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(3) 前記液剤組成物が、界面活性剤を更に含有している上記態様(2)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(4) 前記コンタクトレンズが浸漬せしめられる前記液剤組成物が、所定のズブチリシン又はパンクレアチン含有溶液を希釈剤によって希釈して得られたものである上記態様(2)又は(3)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(5) 前記希釈剤が、界面活性剤を含有する水性溶液である上記態様(4)に記載のコンタクトレンズの処理方法。
(6) 前記コンタクトレンズが、眼から取り外された、装用後のコンタクトレンズである上記態様(1)乃至(5)の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
) 前記コンタクトレンズが、含水性コンタクトレンズである上記態様(1)乃至()の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
) 前記コンタクトレンズが、非含水性コンタクトレンズである上記態様(1)乃至()の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
) 前記コンタクトレンズが、シリコーンハイドロゲルからなるソフトコンタクトレンズである上記態様(1)乃至()の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
10) 前記コンタクトレンズが、頻回使用タイプのソフトコンタクトレンズである上記態様(1)乃至()の何れか一つに記載のコンタクトレンズの処理方法。
11) コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するスギ由来、ヒノキ由来及び/又はブタクサ由来のアレルゲンを分解、除去するために用いられる、有効量のズブチリシン又はパンクレアチンが含有せしめられてなるコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
12) コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するスギ由来、ヒノキ由来及び/又はブタクサ由来のアレルゲンを分解、除去するために用いられる、有効量のズブチリシン又はパンクレアチンが含有せしめられてなる液剤組成物又は溶液であって、前記アレルゲンの分解・除去効果を訴求したことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
13) 有効量のズブチリシン又はパンクレアチンを含有して、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するスギ由来、ヒノキ由来及び/又はブタクサ由来のアレルゲンの分解・除去作用を有するものである旨の表示をしたコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
14) 有効量のズブチリシン又はパンクレアチンを含有して、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するスギ由来、ヒノキ由来及び/又はブタクサ由来のアレルゲンの分解・除去作用を有するものである旨の表示をしたコンタクトレンズ用洗浄液又はマルチパーパスソリューション。
15) コンタクトレンズの処理に毎日用いられる上記態様(12)又は(13)に記載のコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
16) コンタクトレンズの処理に毎日用いられる上記態様(14)に記載のコンタクトレンズ用洗浄液又はマルチパーパスソリューション。

Claims (19)

  1. アレルゲンが表面乃至は内部に存在するコンタクトレンズを処理するための方法であって、かかるコンタクトレンズを、プロテアーゼに接触させて、その表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去せしめることを特徴とするコンタクトレンズの処理方法。
  2. 前記プロテアーゼが、それを含む液剤組成物の形態において用いられると共に、前記コンタクトレンズとの接触が、該液剤組成物中への浸漬によって行なわれる請求項1に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  3. 前記液剤組成物が、界面活性剤を更に含有している請求項2に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  4. 前記コンタクトレンズが浸漬せしめられる前記液剤組成物が、所定のプロテアーゼ含有溶液を希釈剤によって希釈して得られたものである請求項2又は請求項3に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  5. 前記希釈剤が、界面活性剤を含有する水性溶液である請求項4に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  6. 前記コンタクトレンズが、眼から取り外された、装用後のコンタクトレンズである請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  7. 前記プロテアーゼが、ズブチリシンである請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  8. 前記プロテアーゼが、パンクレアチンである請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  9. 前記コンタクトレンズが、含水性コンタクトレンズである請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  10. 前記コンタクトレンズが、非含水性コンタクトレンズである請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  11. 前記コンタクトレンズが、シリコーンハイドロゲルからなるソフトコンタクトレンズである請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  12. 前記コンタクトレンズが、頻回使用タイプのソフトコンタクトレンズである請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  13. 前記アレルゲンが、スギ由来、ヒノキ由来及び/又はブタクサ由来のアレルゲンである請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載のコンタクトレンズの処理方法。
  14. コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去するために用いられる、有効量のプロテアーゼが含有せしめられてなるコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
  15. コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンを分解、除去するために用いられる、有効量のプロテアーゼが含有せしめられてなる液剤組成物又は溶液であって、アレルゲンの分解・除去効果を訴求したことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
  16. 有効量のプロテアーゼを含有して、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンの分解・除去作用を有するものである旨の表示をしたコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
  17. 有効量のプロテアーゼを含有して、コンタクトレンズの表面乃至は内部に存在するアレルゲンの分解・除去作用を有するものである旨の表示をしたコンタクトレンズ用洗浄液又はマルチパーパスソリューション。
  18. コンタクトレンズの処理に毎日用いられる請求項15又は請求項16に記載のコンタクトレンズ用液剤組成物又は溶液。
  19. コンタクトレンズの処理に毎日用いられる請求項17に記載のコンタクトレンズ用洗浄液又はマルチパーパスソリューション。
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