JPH11290429A - コンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液及び消毒洗浄方法 - Google Patents

コンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液及び消毒洗浄方法

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JPH11290429A
JPH11290429A JP10097992A JP9799298A JPH11290429A JP H11290429 A JPH11290429 A JP H11290429A JP 10097992 A JP10097992 A JP 10097992A JP 9799298 A JP9799298 A JP 9799298A JP H11290429 A JPH11290429 A JP H11290429A
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solution
disinfecting
cleaning
contact lens
surfactant
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Yoshifumi Nakahara
喜史 中原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性が高く、操作が容易で簡便性が高く、か
つ十分な抗菌力と、洗浄力を併せ持つコンタクトレンズ
の消毒洗浄保存溶液を提供する。 【解決手段】ポリマービグアニド又はその塩を0.00
035〜0.01重量%の範囲で含み、かつアニオン性
界面活性剤以外の界面活性剤及び緩衝剤を含むことを特
徴とするコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンタクトレンズの
消毒洗浄保存溶液、及びそれを用いたコンタクトレンズ
の消毒洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に用いられている親水性コンタ
クトレンズの消毒方法は煮沸によるものである。この方
法は専用のコンタクトレンズ用煮沸消毒装置及び容器を
用いて、一般的には生理食塩水の沸点付近の高温で煮沸
消毒を行うものである。この煮沸消毒は高い消毒効果を
期待できると言う利点がある。
【0003】煮沸以外の消毒法として一般に用いられて
いるのは消毒剤溶液にコンタクトレンズを室温下浸漬す
る化学消毒法である。この方法はコールドソーキングと
呼ばれる。コールドソーキングによる消毒用には、過酸
化水素を抗菌力の本体としたコンタクトレンズ用消毒剤
が市販されている。この過酸化水素は強力な抗菌力をも
っている。過酸化水素を用いるコールドソーキングによ
る消毒では消毒の終了後、消毒液とコンタクトレンズ上
に残留する過酸化水素を還元剤を用いた還元などの、化
学的な方法で中和して無毒化している。
【0004】特許第2554237号公報では消毒剤と
してビグアニドを用いた、コンタクトレンズ消毒保存溶
液が提案されている。ビグアニド特に分子量の大きいポ
リマーはレンズ表面への吸着がきわめて少なく、他の消
毒剤、例えばベンザルコニウムクロライド又はクロロブ
タノール等をソフトコンタクトレンズの消毒に用いた場
合に生ずる、ソフトコンタクトレンズ材料又はソフトコ
ンタクトレンズ上に堆積した蛋白質との結合による消毒
剤のレンズ表面への累積と、これに起因する角膜炎症等
の眼疾患の発症となるような問題を生じない。またビグ
アニド自身の毒性も低いため消毒終了後の中和等の操作
が不要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来一般に用いられて
いる親水性コンタクトレンズの煮沸による消毒方法は、
専用の器具が必要であることや操作が煩雑であるため患
者のコンプライアンスが悪く、使用を周知徹底させるこ
とが難しかった。また、煮沸消毒では熱によるレンズの
劣化やレンズへの蛋白質の固着が生じ、この固着した蛋
白を原因とする巨大乳頭結膜炎のようなアレルギー反応
につながる例も見られた。
【0006】過酸化水素によるコールドソーキングによ
る消毒の場合、消毒終了後に残存する過酸化水素を中和
する必要があり、操作が煩雑な上に中和が不十分なため
残留した過酸化水素が原因で起こる角膜傷害の問題が常
に生じていた。
【0007】そのほかにコールドソーキングによる消毒
用の消毒剤としてビグアニドを用いた1液型、即ち、過
酸化水素で必要とされる中和を必要としない、コンタク
トレンズ用消毒保存溶液が提案されている。このビグア
ニドを用いたコンタクトレンズ用消毒保存溶液は0.0
0005〜0.0001重量%のビグアニドを含んでい
る製品が米国で販売されているが、抗菌力が弱いという
欠点があった。
【0008】本発明では、安全性が高く、操作が容易で
簡便性が高く、かつ十分な抗菌力と、洗浄力を併せ持つ
コンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ポリマービグアニド又はその塩を0.00035〜0.
01重量%の範囲で含み、かつアニオン性界面活性剤以
外の界面活性剤及び緩衝剤を含むことを特徴とするコン
タクトレンズの消毒洗浄保存溶液を提供する。
【0010】上記構成のようにポリマービグアニド又は
その塩を0.00035〜0.01重量%の範囲で含む
ことで、これよりも少ない量のポリマービグアニド又は
その塩を含む場合に比較して細菌、酵母或いはカビ等の
微生物に対して有効な抗菌力を得ることができる。特に
カビに対する抗菌力は、低い濃度のポリマービグアニド
を含有する消毒溶液では静菌的、即ちカビの増殖を抑え
る作用をもつ程度である。しかし、高い濃度のポリマー
ビグアニドを含む場合は消毒的な、即ち生存するカビの
数を有意に減少させる働きををもつ。
【0011】また、ポリマービグアニドの塩の1種であ
るポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩は0.005%
(w/v)程度の濃度でアカントアメーバに対して殺作
用があることがわかっている。このことは、ソフトコン
タクトレンズ装着との因果関係が疑われているアカント
アメーバの角膜への感染を防止する上で、請求項1に記
載のコンタクトレンズの消毒洗浄保存液が有効である可
能性を示唆している。
【0012】また本発明で用いているポリマービグアニ
ドは毒性が低く、消毒操作を終了した後には中和操作、
或いは生理食塩水などの溶液でレンズを洗浄することな
くレンズ上に消毒剤が残留した状態で装用することが可
能である。このことは、本発明によるコンタクトレンズ
の消毒洗浄保存溶液についてのウサギを用いた反復投与
眼粘膜刺激性試験での刺激性は認められていないという
結果が支持している。
【0013】特許第2554237号公報では、5pp
mよりも高い濃度のビグアニドを用いたコンタクトレン
ズ消毒水溶液の点眼試験において、角膜着色が見られ、
5ppmより多いビグアニドを含むコンタクトレンズ消
毒水溶液は製品として不適切であるとの結論に達してい
る。しかしながら、驚くべきことに、本発明によるコン
タクトレンズ消毒洗浄保存溶液は0.0035〜0.0
1重量%のポリマービグアニドを含んでいるにも関わら
ず、前述のようにウサギを用いた反復投与眼刺激性試験
によって眼粘膜刺激性は無いという結果を得ている。こ
れはこの眼粘膜刺激性試験に用いたポリヘキサメチレン
ビグアニド塩酸塩の重合度が約12であるのに対して、
特許第2554237号公報で用いられているものの重
合度は4.5〜6.5であることに起因してると考えら
れる。
【0014】ウサギを用いた眼粘膜刺激性試験は、同じ
物質を人体で試験する場合と比較して被験物質の眼粘膜
刺激性が顕著に現れるため、医薬品等の安全性試験で一
般に広く用いられている。また、眼粘膜刺激性の評価方
法に用いたドレーズ法による採点項目には角膜着色が含
まれている。前記反復投与眼粘膜刺激性試験については
本明細書中の実施形態を参照されたい。
【0015】請求項1の構成のコンタクトレンズの消毒
洗浄保存液は、緩衝剤を含むことで液の水素イオン濃
度、即ちpHを7付近で安定化させる。pHが酸性或い
はアルカリ性に傾いた場合に生ずる、コンタクトレンズ
の形状への影響や、眼粘膜への刺激が生ずることを防止
することができる。
【0016】また、上記コンタクトレンズの消毒洗浄保
存液は、アニオン系以外の界面活性剤を含むことで洗浄
力を有する。ビグアニド等の4級アンモニウム抗菌剤は
アニオン系の界面活性剤を同時に処方すると、抗菌剤と
界面活性剤の結合により著しい抗菌力の低下を示すこと
は一般に知られている。本発明ではアニオン系以外の界
面活性剤である、非イオン性界面活性剤もしくはカチオ
ン性界面活性剤もしくは両性界面活性剤を含むことで、
特に脂質に対する化学的な洗浄力を高めるという効果を
有する。一般にコンタクトレンズ用消毒剤を用いた常温
での漬け置き消毒、いわゆるコールドソーキングによる
消毒にてコンタクトレンズの手入れを行う場合は消毒効
果を十分に発揮させるため同消毒剤を用いてこすり洗い
を行うことが奨励される。界面活性剤を含有した本発明
のコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液の場合、こすり
洗い時のレンズの滑りがよくなり、前記の化学的な洗浄
力の増強に加えて物理的にも汚れを落としやすい条件を
提供し結果的に消毒効果の増強に寄与する効果も有す
る。
【0017】請求項2記載の発明は、前記緩衝剤がホウ
酸緩衝剤であることを特徴とする、請求項1記載のコン
タクトレンズの消毒洗浄保存溶液を提供する。
【0018】上記構成によれば請求項1のコンタクトレ
ンズの消毒洗浄保存溶液において、他の緩衝剤、例えば
酒石酸酸緩衝剤又はクエン酸緩衝剤を使用する場合より
も強い抗菌力を付与することができる。
【0019】請求項3記載の発明は、前記アニオン性界
面活性剤以外の界面活性剤が、ポロキサミン系の界面活
性剤であることを特徴とする、請求項1又は2記載のコ
ンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液を提供する。
【0020】ポロキサミン系界面活性剤即ちポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンコブロックポリマーを含
むことを特徴とするコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶
液の場合、洗浄力の向上に加えて装用感が改善される。
これはポロキサミン自身が非常に低刺激性であることに
加えて、コンタクトレンズの接触角を低くする効果を有
し、濡れ性の向上をもたたらすことによる。
【0021】請求項4記載の発明は、前記ポリマービグ
アニド又はその塩の重合度が、10より大きいことを特
徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクト
レンズの消毒洗浄保存溶液を提供する。
【0022】上記構成によれば、請求項1乃至3のいず
れかに記載のコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液にお
いて、ポリマービグアニドのコンタクトレンズへの吸着
をより少なくする効果を有すると同時に、前記コンタク
トレンズの消毒洗浄保存溶液の眼刺激性をより少なくす
る効果を有する。
【0023】請求項5記載の発明は、酵素を用いたコン
タクトレンズ用蛋白除去洗浄剤を請求項1乃至4のいず
れかに記載のコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液に溶
解した溶液にコンタクトレンズを浸漬することを特徴と
する、コンタクトレンズの消毒洗浄方法を提供する。こ
の構成によると酵素のもつ強力な蛋白分解能力によって
コンタクトレンズ上に蓄積した蛋白汚れを除去洗浄する
と同時に消毒保存をおこなうことができる。この時、本
発明のコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液は前記コン
タクトレンズ用蛋白除去洗浄剤の酵素の活性に影響を与
えない。また、前記コンタクトレンズ用蛋白除去洗浄剤
は本発明のコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液の抗菌
活性に影響を与えない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコンタクトレンズ
の消毒洗浄保存溶及び消毒洗浄方法の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるも
のではない。
【0025】本発明で述べるポリマービグアニドは式
(1)
【0026】
【化1】
【0027】で表され、ヘキサメチレンビグアニドのポ
リマーが含まれる。ポリマービグアニドの塩とはビグア
ニドのポリマーの遊離塩基と酸が中和した水溶性塩で、
例えば塩酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、スル
ホン酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩が含まれる。前記
ポリマービグアニドの水溶性塩は、一般にはポリヘキサ
メチレンビグアニドの塩酸塩がゼネカ社(ZENECA
LIMITED)からコスモシルCQ(COSMOS
IL CQ)の商品名で販売されている。
【0028】本発明で述べるホウ酸緩衝剤とは例えばホ
ウ酸、ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタ
ホウ酸カリウム又はそれらの混合物を含有している。
【0029】本発明のコンタクトレンズの消毒洗浄保存
溶液を用いたコンタクトレンズの消毒操作はコールドソ
ーキングによる消毒である。しかしながら、本発明に於
けるコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液は高温でも安
定であるため、煮沸消毒器を用いた高温消毒法へ適用す
ることもできる。
【0030】(実施例1)表1の組成のコンタクトレン
ズ消毒洗浄保存溶液を調整する。
【0031】
【表1】
【0032】上記溶液の調整手順としては、蒸留水約8
0%を用意しその中に酒石酸2ナトリウム2水和物、塩
化ナトリウム、塩化カリウム及びEDTA・2ナトリウ
ムを加えて溶解する。この溶液にポロキサミンを加え溶
解する。更にこの溶液にポリヘキサメチレンビグアニド
を加え溶解した後、希水酸化ナトリウム水溶液を添加し
てpHを7に調整する。この溶液に蒸留水を加えて全量
を100%とする。この溶液を無菌操作が可能なクリー
ンベンチ内で細孔径0.45ミクロンの酢酸セルロース
製のフィルターに通し除菌と工程中に混入の可能性があ
る微細なゴミを取り除く操作をする。濾過された液は予
め滅菌された容器中に保存する。
【0033】上記溶液を用いたコンタクトレンズの消毒
洗浄保存方法は、眼から取り出したコンタクトレンズを
初め上記溶液ですすいだ後、手のひらに載せて更に少量
の上記溶液を加え、他方の手の指を用いて手のひらにこ
すりつけるようにして洗う。コンタクトレンズを裏返し
上記と同様にこすり洗いする。コンタクトレンズを上記
溶液で再びよくすすいだ後、レンズケースに上記溶液を
コンタクトレンズが完全に浸漬するように満たし、ここ
にコンタクトレンズを入れて密閉して保存する。約4時
間室温で放置することで消毒が行われる。それ以降は必
要な時にコンタクトレンズを取り出して、装着する。
【0034】前記の溶液の抗菌力を確認するために以下
の試験を行った。前記溶液10mlにE.coli又は
S.marcescensの培養した菌液を添加し、溶
液中の菌数が1×10微生物/mlとなるようにして
抗菌性の試験を行う。抗菌力の評価は消毒剤としての実
使用を想定して菌液添加4時間後の生存菌数を計数して
行う。これらの菌を用いた試験の場合、少なくとも3対
数減少があることが望ましい。試験の結果、E.col
iでは6対数減少、S.marcescensでは4対
数減少を示した。
【0035】(実施例2)表2の組成のコンタクトレン
ズ消毒洗浄保存溶液を調整する。
【0036】
【表2】
【0037】上記溶液の調整手順としては、蒸留水約8
0%を用意しその中にホウ酸ナトリウム10水和物、塩
化ナトリウム、塩化カリウム及びEDTA・2ナトリウ
ムを加えて溶解する。この溶液にホウ酸及びポロキサミ
ンを加え溶解する。更にこの溶液にポリヘキサメチレン
ビグアニドを加え溶解し、蒸留水を加えて全量を100
%とする。この溶液を無菌操作が可能なクリーンベンチ
内で細孔径0.45ミクロンの酢酸セルロース製のフィ
ルターに通し除菌と工程中に混入の可能性がある微細な
ゴミを取り除く操作をする。濾過された液は予め滅菌さ
れた容器中に保存する。
【0038】上記溶液を用いたコンタクトレンズのコン
タクトレンズの消毒洗浄保存方法は実施例1と同様であ
る。
【0039】前記の溶液の抗菌力を確認するために以下
の試験を行った。前記の溶液10mlにE.coli又
はS.marcescensの培養した菌液を添加し、
溶液中の菌数が1×10微生物/mlとなるようにし
て抗菌性の試験を行う。抗菌力の評価は消毒剤としての
実使用を想定して菌液添加4時間後の生存菌数を計数し
て行う。これらの菌を用いた試験の場合、少なくとも3
対数減少があることが望ましい。試験の結果、 E.c
oliでは6対数減少、S.marcescensでは
4対数減少を示した。
【0040】(実施例3)実施例3は高濃度のビグアニ
ドを用いたコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液の安全
性を示す。表3に示す組成に従って、実施例2の方法に
より調整したコンタクトレンズの消毒洗浄保存液を被験
物質として、反復投与眼粘膜刺激性試験を行った。前記
反復投与眼粘膜刺激試験は、各被験物質当たり3匹のウ
サギを用い、1日1回、被験物質0.1mlを各ウサギ
の片眼に投与し、残りの片眼を対照として、28日間連
続投与時に於ける前眼部の傷害を検索した。投与1日
目、2日目、3日目、7日目、14日目、21日目、2
8日目の各日、投与後1時間、3時間、6時間、24時
間目にドレーズ法を用いて採点を行ったところ、何れの
被験物質に前眼部への傷害性は認められず、刺激性は無
いことが証明された。
【0041】
【表3】
【0042】(実施例4)実施例4では、ホウ酸及びホ
ウ酸ナトリウムよりなるホウ酸緩衝剤が抗菌力に寄与し
ていることを示す。実施例2の方法に従って調整した、
表4に示す組成のコンタクトレンズの消毒保存溶液につ
いて、抗菌力の試験を行った。表4の溶液各10mlに
S.marcescensの培養した菌液を添加し、溶
液中の菌数が1×10微生物/mlとなるように調整
して抗菌性の試験を行う。抗菌力の評価は消毒剤として
の実使用を想定して菌液添加4時間後の生存菌数を計数
して行う。試験の結果は表4に示すとおり、ポリヘキサ
メチレンビグアニド塩酸塩の濃度が同じ場合、ホウ酸及
びホウ酸ナトリウムの濃度が高い溶液ほど高い抗菌力を
示すことがわかった。このことから、ホウ酸緩衝剤を用
いることが溶液の抗菌力を高めるのみでなく、ホウ酸緩
衝剤の量を調節することで望みの抗菌力を溶液に付与す
ることが可能であることがわかった。
【0043】
【表4】
【0044】(実施例5)実施例5では本発明のコンタ
クトレンズの消毒洗浄保存液がコンタクトレンズ洗浄用
の酵素洗浄剤との併用時に抗菌力を損なわないことを示
す。表5の組成のコンタクトレンズ消毒洗浄保存溶液を
実施例2の方法に従って調整する。
【0045】
【表5】
【0046】前記の溶液10mlに蛋白分解酵素のパン
クレアチンを含む市販のコンタクトレンズ用酵素洗浄剤
1錠を溶解した。これの比較対照として上記コンタクト
レンズ用酵素洗浄剤を溶解しないもの10mlを用意し
た。前記の各溶液10mlにS.marcescens
の培養した菌液を添加し、溶液中の菌数が1×10
生物/mlとなるようにして抗菌性の試験を行った。抗
菌力の評価は消毒剤としての実使用を想定して菌液添加
4時間後の生存菌数を計数して行った。これらの菌を用
いた試験の場合、少なくとも3対数減少があることが望
ましい。前記コンタクトレンズ用酵素洗浄剤を含む溶液
と前記比較対照溶液の何れもS.marcescens
で4対数減少を示した。本発明のコンタクトレンズの消
毒洗浄保存液は酵素洗浄剤との併用でより強力な洗浄力
を得ると共に消毒剤として有用に機能することがわかっ
た。
【0047】(比較例1)比較例1は高い濃度のポリヘ
キサメチレンビグアニドを含有するコンタクトレンズ消
毒保存溶液の抗菌有効性と緩衝剤としてのホウ酸塩の抗
菌力の面での優位性を示す。実施例1及び実施例2の方
法に従って調整した、表6に示す組成のコンタクトレン
ズの消毒洗浄保存溶液について、抗菌力の試験を行っ
た。表2の溶液各10mlにS.marcescens
の培養した菌液を添加し、溶液中の菌数が1×10
生物/mlとなるように、また、A.nigerを培養
して得た胞子液を添加し溶液中の菌数が1×10微生
物/mlとなるように、調整して抗菌性の試験を行う。
抗菌力の評価は消毒剤としての実使用を想定して菌液添
加4時間後の生存菌数を計数して行う。これらの菌を用
いた試験の場合、S.marcescensの場合少な
くとも3対数減少があることが望ましく、A.nige
rの場合少なくとも1対数減少がある望ましい。試験の
結果は表6に示すとおり、本発明に従い0.00035
%のポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩を含む溶液
が、本発明で示すポリヘキサメチレンビグアニド濃度の
範囲よりも少ない0.00005%を含む溶液に比較し
て高い抗菌力を示した。A.nigerを用いた試験に
おいては、本発明に従い0.01%のポリヘキサメチレ
ンビグアニドを含有している場合は3対数減少を示した
のに対して、前記0.00005%のポリヘキサメチレ
ンビグアニド濃度の溶液の場合は全く減少を示さないこ
とがわかった。
【0048】一方、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸
塩の濃度が同じで、緩衝剤として酒石酸ナトリウムとホ
ウ酸及びホウ酸ナトリウムを使用した溶液を比較する
と、S.marcescensとA.niger何れの
場合もホウ酸及びホウ酸ナトリウムを使用した溶液が強
い抗菌力を示していることがわかる。
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、抗
菌力が高くかつ安全性の高いコンタクトレンズの消毒洗
浄保存溶液を得ることができる。また、中和等の操作が
不要なため簡便性も高い。また、請求項5記載のコンタ
クトレンズの消毒洗浄方法によれば市販のコンタクトレ
ンズ用蛋白除去洗浄剤を溶解して用いることが可能なた
め強力な洗浄力と同時に抗菌力を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 63/00 A01N 63/00 D C11D 3/37 C11D 3/37 10/02 10/02 G02C 13/00 G02C 13/00 //(C11D 10/02 3:37 1:722 3:386)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマービグアニド又はその塩を0.00
    035〜0.01重量%の範囲で含み、かつアニオン性
    界面活性剤以外の界面活性剤及び緩衝剤を含むことを特
    徴とするコンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液。
  2. 【請求項2】前記緩衝剤が、ホウ酸緩衝剤であることを
    特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズの消毒洗浄
    保存溶液。
  3. 【請求項3】前記アニオン性界面活性剤以外の界面活性
    剤が、ポロキサミン系の界面活性剤であることを特徴と
    する請求項1又は2記載のコンタクトレンズの消毒洗浄
    保存溶液。
  4. 【請求項4】前記ポリマービグアニド又はその塩の重合
    度が、10〜50の範囲にあることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズの消毒洗
    浄保存溶液。
  5. 【請求項5】酵素を用いたコンタクトレンズ用蛋白除去
    洗浄剤を請求項1乃至4のいずれかに記載のコンタクト
    レンズの消毒洗浄保存溶液に溶解した溶液にコンタクト
    レンズを浸漬することを特徴とするコンタクトレンズの
    消毒洗浄方法。
JP10097992A 1998-04-09 1998-04-09 コンタクトレンズの消毒洗浄保存溶液及び消毒洗浄方法 Withdrawn JPH11290429A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001242428A (ja) * 1999-12-20 2001-09-07 Tomey Corp コンタクトレンズ用液剤およびソフトコンタクトレンズの洗浄、消毒、保存方法
JP3564067B2 (ja) * 1998-08-21 2004-09-08 千寿製薬株式会社 コンタクトレンズ用剤

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