JPWO2011049013A1 - 非平行軸伝動機構及びロボット - Google Patents

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Abstract

平行でない軸に動力を伝動できる、軽量で、バックラッシがなく、耐久性の高い機構を実現する。また、軽量で、バックラッシがなく、耐久性の高い直交軸差動機構を備えたロボットを実現する。円錐形のプーリと扇形のベルトを備える。複数の円錐プーリを仮想円錐面の頂点が一致し、仮想円錐面が接するように配置する。これを用いて直交軸差動機構とし、ロボットを構成する。

Description

本発明は、直交軸など平行でない軸に、ベルトを用いて動力を伝達する非平行軸ベルト伝動機構とそれを用いたロボットに関する。
平行でない軸に動力を伝達する非平行軸伝動機構は、ロボットの関節をはじめ、多くの機械に用いられている。
非平行軸伝動機構の中でも、直交軸伝動機構が特によく用いられ、差動機構とする例もある。
最も一般的な非平行軸伝動機構としては、傘歯車があるが、傘歯車は摩擦を抑えるためにある程度の隙間が必要であるためバックラッシが大きいことや、歯欠けが起こらないように剛性の高い材料を使用する必要があり、重量が重くなることなどが一般的な技術課題となっている。
この一般的な技術課題を解決するために、ワイヤを用いた非平行軸伝動機構が考案された(例えば、特許文献1参照)。
ワイヤは引張り方向の力しか伝動できないため、本従来技術では、段差を設けた2個のプーリを、回転軸が直交するように配置し、2本のワイヤを逆向きに巻き、双方向の回転を伝動できるようにしている。また、ベルトを用いた非平行軸伝動機構も従来ある(例えば、非特許文献1参照)。
特開平03―505067号公報(第12頁、図6) 伊藤茂著「メカニズムの事典」理工学社、1983年5月10日、p.108−112
しかしながら、従来のワイヤを用いた非平行軸伝動機構は、一般のワイヤを用いた機構と同様に、ワイヤへの負荷が大きくなるためワイヤの信頼性の問題から産業用機器への適用が妨げられていた。また、従来の機構ではワイヤの端をそれぞれプーリに固定する必要があり、1回転するとワイヤが重なってしまうため、可動範囲が1回転に限られるという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、耐久性が高く、可動範囲の制限なく直交する軸に動力を伝達でき、差動機構としても用いることができる非平行軸ベルト伝動機構を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、次のように構成した。
請求項1に記載の非平行軸伝動機構は、複数のプーリと、前記プーリをそれぞれ回転可能に支持する支持シャフトと、複数の前記プーリのうちのいずれかに入力された動力を回転軸が平行でない他のいずれかの前記プーリに伝える伝動媒体と、を有し、前記伝動媒体は、平面に展開した形状が扇形である扇ベルトとなっており、前記プーリは前記扇ベルトとの接触面に仮想円錐面を設定して前記仮想円錐面から前記扇ベルトの表面形状を差し引いた形状である円錐プーリとなっており、前記円錐プーリの回転軸は前記仮想円錐面がなす円錐の中心線となっており、複数の前記円錐プーリのうちの少なくとも2個はそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の非平行軸伝動機構は、複数の前記円錐プーリのうちの少なくとも2個はそれぞれの前記仮想円錐面が接するように配置されており、前記扇ベルトは隣接する2個の前記円錐プーリの前記仮想円錐面の接線を境に表裏が逆の面で2個の前記円錐プーリと接しているとするものである。
また、請求項3に記載の非平行軸伝動機構は、前記扇ベルトは断面がV形または台形の突起を少なくとも1つ備えたVベルトであり、前記円錐プーリはそれに対応する溝を備えたものである。
また、請求項4に記載の非平行軸伝動機構は、前記扇ベルトのV形または台形の突起の形状は扇形の中心側の面とベルト面とのなす角が扇形の外側の面とベルト面とのなす角よりも小さい非対称形状であるものである。
また、請求項5に記載の非平行軸伝動機構は、前記扇ベルトはベルトの進行方向に複数の歯状突起を備えたタイミングベルトであり、前記円錐プーリはそれに対応する溝を備えたタイミングプーリであるものである。
また、請求項6に記載の非平行軸伝動機構は、前記扇ベルトのタイミングベルトの歯形状は扇形の外側ほど広くなるくさび形突起であり、前記円錐プーリはそれに対応する溝を備えたものである。
また、請求項7に記載の非平行軸伝動機構は、複数の前記円錐プーリのうちのいずれか2個をそれぞれ円錐プーリ1および円錐プーリ2とし、前記扇ベルトは一方の端を前記円錐プーリ1に固定されかつもう一方の端を前記円錐プーリ2に固定された両端固定扇ベルトであるものである。
また、請求項8に記載の非平行軸伝動機構は、隣接する2個の前記円錐プーリをそれぞれ円錐プーリAおよび円錐プーリBとし、前記円錐プーリAの前記仮想円錐面と前記円錐プーリBの前記仮想円錐面との接線を仮想円錐接線とし、前記両端固定扇ベルトを2本備え、一方の前記両端固定扇ベルトは前記仮想円錐面の頂点方向から見て時計回りに前記円錐プーリAに巻き付けられ前記仮想円錐接線を境に前記仮想円錐面の頂点方向から見て反時計回りに前記円錐プーリBに巻き付けられており、もう一方の前記両端固定ベルトは前記仮想円錐面の頂点方向から見て反時計回りに前記円錐プーリAに巻き付けられ前記仮想円錐接線を境に前記仮想円錐面の頂点方向から見て時計回りに前記円錐プーリBに巻き付けられているものである。
また、請求項9に記載の非平行軸伝動機構は、前記扇ベルトは扇形の両端を繋いで環状とした扇環状ベルトであるものである。
また、請求項10に記載の非平行軸伝動機構は、複数の前記円錐プーリのうちの2以上の整数n個の主円錐プーリと、2(n−1)個の案内円錐プーリとを備え、前記主円錐プーリおよび前記案内円錐プーリはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されており、前記案内円錐プーリは数珠繋ぎに連結された前記主円錐プーリの間に2個ずつそれぞれ2個の前記主円錐プーリに隣接するように配置されており、前記扇環状ベルトは内側の面で前記主円錐プーリと接しており外側の面で前記案内円錐プーリと接しているものである。
また、請求項11に記載の非平行軸伝動機構は、複数の前記円錐プーリのうちの2以上の整数n個の主円錐プーリと、2n個の案内円錐プーリとを備え、前記主円錐プーリおよび前記案内円錐プーリはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されており、前記案内円錐プーリは環状に連結された前記主円錐プーリの間に2個ずつそれぞれ2個の前記主円錐プーリに隣接するように配置されており、前記扇環状ベルトは内側の面で前記主円錐プーリと接しており外側の面で前記案内円錐プーリと接しているものである。
また、請求項12に記載の非平行軸伝動機構は、複数の前記円錐プーリのうちの2個の入力円錐プーリと、1以上の整数n個の主円錐プーリと、4n個の案内円錐プーリとを備え、前記入力円錐プーリと前記主円錐プーリと前記案内円錐プーリとはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されており、2個の前記入力円錐プーリの回転軸は同一直線上に配置され、前記主円錐プーリの回転軸は前記入力円錐プーリの回転軸と垂直になるように配置され、前記案内円錐プーリは前記主円錐プーリそれぞれに4つずつ接しておりかつ4つのうち2つが前記入力円錐プーリのうちの一方に接しており残り2つがもう一方の前記入力円錐プーリに接するように配置されているものである。
また、請求項13に記載の非平行軸伝動機構は、前記主円錐プーリはタイミングプーリであり、前記扇ベルトの展開中心角が主円錐プーリの歯溝ピッチの整数倍となるように前記案内円錐プーリの仮想円錐面の円錐台底面半径が設定されているものである。
また、請求項14に記載の非平行軸伝動機構は、前記案内円錐プーリをそれぞれ支持する前記支持シャフトおよび前記出力プーリを支持する前記支持シャフトを固定する支持フレームを備え、前記支持フレームは2個の前記入力円錐プーリの回転軸まわりに回転可能に支持されているものである。
また、請求項15に記載の非平行軸伝動機構は、前記扇ベルトを摺動接触支持する支持部材を少なくとも1つ備え、前記支持部材は前記扇ベルトとの接触面に仮想円錐面を設定して前記仮想円錐面から前記扇ベルトの表面形状を差し引いた形状である円錐形支持部材となっており、前記円錐形支持部材と複数の前記円錐プーリのうちのいずれかはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致しておりかつ前記仮想円錐面が接するようにするように配置されており、前記扇ベルトは前記仮想円錐面の接線を境に表裏が逆の面で前記円錐プーリおよび前記円錐形支持部材と接しているとするものである。
また、請求項16に記載のロボットは、複数のアーム材と、前記アーム材とを旋回または回転可能に連結する関節部と、を有し、前記関節部には、請求項1乃至15記載の非平行軸伝動機構を有していることを特徴としている。
請求項1、16に記載の発明によると、平行でない軸に、ベルトを捻ることなく動力を伝動することができる。ベルトを用いるため、傘歯車を用いた場合に比べ軽量な材料を用いることができるため機構が軽量であり、バックラッシも少なく伝動することができる。また、ベルトを用いるため、ワイヤを用いた場合に比べ耐久性を高くすることができる。
また、請求項2に記載の発明によると、プーリを離さずに配置することができ、機構を小型化できる。
また、請求項3に記載の発明によると、ベルトが円錐の先端方向に滑ることなく動力を伝動できる。
また、請求項4に記載の発明によると、円錐の先端方向に向かう力を垂直に近い面で受けることができるため、ベルトがはずれにくくすることができ、ベルトの突起部を変形しにくくすることができるため、突起を小さくすることができ、ベルトを曲げやすくでき、ベルトの耐久性を高めることができる。
また、請求項5に記載の発明によると、強い力でも滑ることなく伝動することができる。
また、請求項6に記載の発明によると、ベルトが円錐の先端方向に滑ることなく動力を伝動できる。
また、請求項7に記載の発明によると、案内プーリ等を用いることなく、回転軸が平行でないプーリに単純な機構で動力を伝動することができる。
また、請求項8に記載の発明によると、案内プーリ等を用いることなく、回転軸が平行でない隣接したプーリに単純な機構で動力を伝動することができる。
また、請求項9に記載の発明によると、回転軸が平行でないプーリに両方向の回転の動力を連続的に伝動することができる。
また、請求項10に記載の発明によると、回転軸が平行でない数珠繋ぎに隣接する複数のプーリに両方向の回転の動力を連続的に伝動することができる。
また、請求項11に記載の発明によると、回転軸が平行でない環状に隣接する複数のプーリに両方向の回転の動力を連続的に伝動することができる。
また、請求項12に記載の発明によると、回転軸が同一直線上にある2つのプーリと、それと垂直な回転軸を持ち環状に隣接する複数のプーリに両方向の回転の動力を連続的に伝動することができる。
また、請求項13に記載の発明によると、扇環状ベルトをタイミングベルトとした場合でも、ベルトのたわみ等がなく、歯と溝を正しくかみ合わせることができ、回転軸平行でない隣接する複数のプーリに両方向の回転の動力を連続的に伝動することができる。
また、請求項14に記載の発明によると、ベルトを用いて軽量でバックラッシがなく耐久性が高い直交軸差動機構を実現することができる。ワイヤを用いた場合には差動機構にするためにプーリに4段の段差が必要であったが、1段にすることができるため小型軽量化でき、ベルトを用いてバックラッシがなく耐久性が高い直交軸差動機構を実現することができる。
また、請求項15に記載の発明によると、板金やプラスチックなどを用いることができ、小型軽量化でき、コストを低減できる。
また、請求項16に記載の発明によると、ベルトが円錐の先端方向や伝動方向に滑ることなく動力を伝動できる。
また、請求項17に記載の発明によると、剛性の高い扇ベルトを容易に製造できる。
また、請求項18に記載の発明によると、ベルトが円錐の先端方向や伝動方向に滑ることなく動力を伝動できる。
また、請求項19に記載の発明によると、プーリ同士が干渉することなく伝動できる。
また、請求項20に記載の発明によると、ベルトが円錐の先端方向や伝動方向に滑ることなく動力を伝動できる。
また、請求項21に記載の発明によると、タイミング扇ベルトを容易に製造できる。
本発明の第1実施形態を示す非平行軸ベルト伝動機構の三面図 本発明の第2実施形態を示す非平行軸ベルト伝動機構の扇ベルトを示す展開図および断面図 本発明の第3実施形態を示す非平行軸ベルト伝動機構の上面図および正面図 本発明の第3実施形態の寸法算出方法説明のための断面図 本発明の第3実施形態の寸法算出方法説明のための断面図 本発明の第4実施形態を示す非平行軸ベルト伝動機構の扇環状ベルトを示す展開図 本発明の第5実施形態を示す直交軸差動ベルト伝動機構の主要部分を示す三面図および斜視図 本発明の第5実施形態を示す直交軸差動ベルト伝動機構の全体像を示す斜視図 本発明の第5実施形態を示す直交軸差動ベルト伝動機構の内部構造を示す分解図 本発明の第6実施形態を示す直交軸差動ベルト伝動機構の主要部分を示す正面図、右側面図および斜視図 本発明の第6実施形態の展開中心角の計算例を示すグラフ 本発明の第8実施形態の扇ベルトの一部を示す展開図 本発明の第9実施形態の構成の主要部分を示す図 本発明の第10実施形態を示す直交軸差動関節ユニットの外観図 本発明の第10実施形態を示す直交軸差動関節ユニットを用いたロボットアームの外観図 本発明の第11実施形態を示す円錐プーリと扇ベルトの形状を示す斜視図 本発明の第11実施形態を示す円錐プーリの噛み合い部分の断面図 本発明の第12実施形態を示す円錐プーリと扇ベルトの形状を示す斜視図 本発明の第12実施形態を示す円錐プーリと扇ベルトを分離した部品図
[第1実施形態]
図1は、本発明の非平行軸ベルト伝動機構の最も単純な構成例の一つを示す三面図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は右側面図、図1(c)は下面図である。理解しやすいように、主要部分のみを簡略的に示しているが、実際には支持機構等が必要である。図において、1、2は円錐プーリであり、3、4は扇ベルトである。円錐プーリとは、扇ベルトとの接触部分に仮想的に設定した円錐面を基準としてベルト厚みを差し引いた形状となっているプーリのことである。この仮想的に設定した円錐面を「仮想円錐面」と記述する。円錐プーリ1は回転軸5まわりに、円錐プーリ2は回転軸6まわりにそれぞれ回転可能となるように固定する。回転軸5および6は、それぞれの仮想円錐面の中心線となっている。
ここでは、便宜上「円錐」と記述しているが、円錐プーリ1および2の仮想円錐面は、もちろん実際には先端まで備えた円錐形である必要はなく、扇ベルトとの接触部分だけが円錐形であればよい。円錐プーリ1および2は、仮想円錐面の頂点を一致させて隣接するように配置する。すなわち、回転軸5と回転軸6はそれぞれの仮想円錐面の頂点で交わる。
扇ベルトとは、平面に展開した形状が扇形となるベルトである。ここでは、「扇形」と記述しているが、扇ベルトはもちろん実際には先端まで備えた扇形である必要はなく、「扇形」とは、図2に示すように、円弧を描くような帯状の形状を含む。上述のように円錐プーリを配置すると、一定の半径の扇形のベルトを2個のプーリにたるみなく巻き付けることができ、プーリが回転しても接触部が滑ることなく連続して動力を伝達できる。このようにすることで、プーリの回転軸が平行でない場合でも、ベルトによる動力伝達が可能となる。扇ベルトを平ベルトとし、ベルトの厚みの中央がなす円錐面を仮想円錐面7と設定している。
従って円錐プーリ1および2は仮想円錐面7よりもベルト厚の半分だけ半径が小さい円錐形状である。円錐プーリ1および2は仮想円錐面が接するように配置するので、結果的に扇ベルト3および4の厚み分だけ隙間を空けて配置されることになる。以下では、図2に示すように、展開した際の扇ベルト外側の半径を「展開半径」と記述する。また、展開した場合の中心角を「展開中心角」と記述する。展開中心角はベルトの長さに相当する。本実施形態では、扇ベルト3および4の両端は円錐プーリ1および2にそれぞれ固定する。本実施形態では、扇ベルト3と扇ベルト4との干渉を防ぐため、位置をずらして配置する。このため、扇ベルト3の展開半径を扇ベルト4の展開半径より大きくする。
円錐プーリの仮想円錐面と扇ベルトの接触面を、円錐台の側面の一部とみなすことができる。このように見なすと、円錐プーリについても、扇ベルトとの接触面を平面に展開したときの展開半径と展開中心角を考えることができる。円錐プーリ1および2と扇ベルト3および4との接触部分は、展開半径がそれぞれ一致するような形状とする。以下では、この円錐台の底面の半径を「円錐台底面半径」と記述する。また、円錐の母線と回転軸とのなす角を「円錐角」と記述する。本実施形態のベルト伝動機構の幾何学的な寸法の設計においては、まず始めに、円錐プーリ1と扇ベルト3とがなす円錐台底面半径r1、円錐プーリ2と扇ベルト3とがなす円錐台底面半径r2、および回転軸5と回転軸6とがなす角ψを決定する。これらの値より、扇ベルト3の展開半径R、円錐プーリ1の円錐角θ1、円錐プーリ2の円錐角θ2は、次のような関係を満たすように決定する。
Figure 2011049013
すなわち、これを解いて、R、θ1、θ2を次のように決定する。
Figure 2011049013
扇ベルト4の展開半径R’は、円錐プーリ1と扇ベルト4とがなす円錐台底面半径r1’、円錐プーリ2と扇ベルト4とがなす円錐台底面半径r2’から扇ベルト3の場合と同様に求めればよい。ただし、円錐台底面半径r1’とr2’との比は、r1とr2との比と等しくなるように決定する。あるいは、先に扇ベルト3と重ならないように扇ベルト4の展開半径R’を決定し、円錐台底面半径r1’とr2’を次式により決定しても良い。
Figure 2011049013
本実施形態では、プーリを円錐形とし、ベルトを扇形とし、円錐プーリの頂点が一致するように配置したことにより、ベルトをねじらずに非直交軸の伝動が可能となっている。
本実施形態の機構の動作を以下に説明する。円錐プーリ1が回転軸5まわりに上面から見て時計回りに回転すると、扇ベルト3が巻き取られ、円錐プーリ2が回転軸6まわりに上面から見て反時計回りに回転する。その際、扇ベルト4は円錐プーリ2に巻き取られるため、緩み等が生じることはない。円錐プーリ1が回転軸5まわりに上面から見て反時計回りに回転すると、扇ベルト4が巻き取られ、円錐プーリ2が回転軸6まわりに上面から見て時計回りに回転する。このようにして回転軸5の回転を、平行でない回転軸6に伝動することができる。このとき、r1とr2の比により減速あるいは増速される。
ただし、本実施形態では、扇ベルト3および4の両端を固定しているため、せいぜい1回転しか伝動できない。r1≦r2であるとすると、扇ベルト3および4の展開中心角αは以下のようにすると、小さい方のプーリすなわち円錐プーリ1が約1回転する範囲まで伝動できる。
Figure 2011049013
r1=r2のときは、θ1=π/4となるので、以下のようになる。
Figure 2011049013
扇ベルト3および4が十分に薄いとすればベルトの展開中心角を大きくし、複数回巻き付けておくことで近似的に多回転の伝動が可能であるが、実際にはベルトが重なるとベルトの厚み分だけ半径が変化するため、精度のよい伝動は難しい。
[第2実施形態]
本実施形態では、扇ベルトをVリブドベルトとした場合の例について説明する。本実施形態の扇ベルトを平面に展開した形状を図2に示す。第1実施形態では、ベルトの表面形状は平ベルトを想定して説明したが、実際には扇ベルト3および4は円錐プーリ1および2の先端方向に向かう力を受けるため、ベルトの横ずれを防止する対策が必要である。これは、例えば扇ベルト3および4を、VベルトやVリブドベルトとすればよい。10は扇ベルトであり、第1実施形態と同様に円錐プーリと組み合わせて用いる。
扇ベルト10の断面形状を図2に示す。扇の中心側の面により大きな力がかかるため、V形状を対称とはせずに、図2に示すように中心側の面をより垂直に近づけた断面形状とするとよい。扇ベルトをタイミングベルトやVベルトなどとした場合、円錐プーリは、仮想円錐面を基準として扇ベルトの接触面形状に対応する凹凸を表面に設ける。図2に示すように、円錐プーリ9は仮想円錐面8から図2に示す扇ベルト10の接触面形状を差し引いた形状とする。
[第3実施形態]
図3は、本実施形態の非平行軸ベルト伝動機構の第3実施形態の構成について、主要部分のみを簡略に示した図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は正面図である。図において、11、12は主円錐プーリであり、17、18は案内円錐プーリであり、13は扇環状ベルトである。本実施形態では、扇ベルトは1本のみであり、環状である。第1実施形態と同様に、主円錐プーリ11、12および案内円錐プーリ17、18は、それぞれの仮想円錐面の中心線まわりに回転可能とし、頂点を一致させて隣接するように配置する。
すなわち、回転軸はそれぞれの仮想円錐面の頂点で交わる。このように円錐プーリを配置すると、扇ベルトを同じ半径の環状にすることができるため、連続多回転の伝動が可能である。ただし、主円錐プーリ11および12の円錐角が大きい場合、扇環状ベルト13の展開中心角は2πを超える場合がある。このような場合でも、扇ベルトを複数本に分けて製造し、繋ぎ合わせて環状にすることで実現可能である。
本実施形態でも、まず始めに、主円錐プーリ11と扇環状ベルト13とがなす円錐台底面半径r1、主円錐プーリ12と扇環状ベルト13とがなす円錐台底面半径r2、および回転軸15と回転軸16とがなす角ψを決定する。これらの値より、扇環状ベルト13の展開半径R、主円錐プーリ11の円錐角θ1、主円錐プーリ12の円錐角θ2は第1実施形態と同様の式で決定できる。また、案内円錐プーリ17および18と扇環状ベルト13とがなす円錐台底面半径を決定する。案内円錐プーリ17および18の円錐台底面半径は異なっていても良いが、本実施形態では、簡単のため、どちらもr3とする。このとき、案内円錐プーリ17および18の円錐角θ3は、次式で求められる。
Figure 2011049013
以下では、本実施形態で案内円錐プーリ17および18の回転軸の角度、および扇環状ベルトの展開中心角の決定方法を説明する。案内円錐プーリ17と18を同じ形状とした場合、回転軸の角度は対称な位置となるので、案内円錐プーリ17についての算出方法のみ述べる。主円錐プーリ11、12、および17の円錐台底面と回転軸との交点をそれぞれN1、N2、N3とする。また、本実施例では、主円錐プーリ11の円錐台底面と主円錐プーリ12の円錐台底面との接点をR1、主円錐プーリ11の円錐台底面と案内円錐プーリ17の円錐台底面とは接しており、その接点をR2、主円錐プーリ12の円錐台底面と案内円錐プーリ17の円錐台底面との接点をR3とする。以下では、点Aから点Bへ向かうベクトルを「ベクトルA→B」のように記述する。円錐プーリの頂点を原点Oとし、ベクトルO→N1の方向にZ軸をとる。
また、ベクトルO→N1とベクトルO→N2とがなす平面上にありZ軸と垂直な直線の方向にY軸をとる。ベクトルO→N2とベクトルO→N1との外積ベクトルの方向にX軸をとる。ベクトルN1→R1とベクトルN1→R2とのなす角をφ1、ベクトルN2→R1とベクトルN2→R3とのなす角をφ2、ベクトルN3→R1とベクトルN3→R2とのなす角をφ3とする。点N3は平面O-N1-R2上にあり、かつ、平面O-N2-R3上にあるので、φ1およびφ2が決定できれば案内円錐プーリ17の回転軸方向を決定できる。また、扇環状ベルト13の展開中心角αはφ1、φ2およびφ3が決定できれば次式により決定できる。
Figure 2011049013
図4に断面O-N3-R2-N1を示す。図より、点N3のZ座標n3z、および点N3のZ軸からの距離L1は、それぞれ以下のように求められる。
Figure 2011049013
Figure 2011049013
図5に断面O-N2-R3-N3を示す。点N3から主円錐プーリ12の回転軸に下ろした垂線の足を点Mとする。図より、ベクトルO→Mの大きさh2、およびベクトルM→N3の大きさL2は、それぞれ以下のように求められる。
Figure 2011049013
図3(b)に平面YZにベクトルM→N3を射影した図を示す。図より、点N3のY座標n3yおよびZ座標n3zは以下のように求められる。
Figure 2011049013
Figure 2011049013
数式(1)および数式(3)よりn3zを消去し、数式(2)を代入すればφ2を以下のように求められる。
Figure 2011049013
図3(a)より、φ1は以下のように求められる。
Figure 2011049013
また、図3(a)より、n3xは以下のように求められる。
Figure 2011049013
以上で、点N3の座標が得られた。図3より点R2および点R3の座標は以下のように求められる。
Figure 2011049013
点N3、点R2、点R3の座標が得られたので、以下のようにφ3を決定する。
Figure 2011049013
以上で案内円錐プーリの回転軸方向および扇環状ベルト13の展開中心角が得られ、非平行軸のベルト伝動機構が実現できた。このような非平行軸ベルト伝動機構により、傘歯車に比べ軽量でバックラッシがなく、ワイヤ伝動機構に比べ剛性や耐久性が高い非平行軸の伝動が可能である。
[第4実施形態]
本実施形態では、扇環状ベルトをタイミングベルトとした場合の例について説明する。本実施形態の扇環状ベルトを平面に展開した形状を図6に示す。20は扇環状ベルトであり、片面にのみ歯を備えたタイミングベルトである。歯を備えた面を主円錐プーリ側とし、主円錐プーリをその形状に合わせた溝を備えたタイミングプーリとする。タイミングベルトにすることで、円錐プーリと扇環状ベルトとの接触面が滑ることなく、両方向の回転を伝達できる。2枚の扇ベルトを線分PP'と線分QQ'で繋いで扇環状ベルト20する。このような形状はもちろんベルトが可撓性であるおかげで実現可能な形状である。この場合の扇環状ベルト20の展開中心角はα1+α2となる。タイミングベルトの歯形状を、図6に示すように扇の外側ほど広がった形状とすることにより、扇ベルトの歯が円錐プーリの溝にくさびのように挟まって円錐プーリの先端方向に向かう力を受ける役割を果たし、横ずれが生じなくなる。案内プーリ側は歯を備えずに円錐面で接触すればよい。
第3実施形態では、先に案内円錐プーリの円錐台底面半径r3を決定し、それに対応する扇環状ベルト13の展開中心角αを求めた。しかし、r3は、扇環状ベルトの耐久性が十分確保できる程度以上に大きく、他の部品と機構的に干渉しない程度以下に小さければ、特にどのような大きさでも構わない場合が多い。一方、扇環状ベルトをタイミングベルトとした場合、αはベルトの歯数が整数となるように決定する必要がある。そのため、先にαを決定し、それに対応するr3を求める方がよいのであるが、この計算式を解析的に求めるのは困難である。その場合は、計算機を用いて、上述のようなr3からαを求める計算を、十分な精度に収束するまで繰り返して求めればよい。
[第5実施形態]
図7は第5実施形態の構成の主要部分を示す図あり、図7(a)は正面図、図7(b)は右側面図、図7(c)は下面図、図7(d)は斜視図である。図において、21、22は入力円錐プーリ、23は主円錐プーリ、24、25、26、27は案内円錐プーリ、28は扇環状ベルトとなっている。本実施形態では、1本の扇環状ベルト28のみで動力を伝動する。扇環状ベルト28は、中心角が2πを超える扇形で、環状である。入力円錐プーリ21、22、主円錐プーリ23、および案内円錐プーリ24、25、26、27は、第2実施形態と同様に、それぞれの中心線まわりに回転可能とし、頂点を一致させて隣接するように配置する。すなわち、回転軸はそれぞれの円錐の頂点で交わる。ただし、扇環状ベルト28の厚み分の隙間を空ける。本実施形態では、入力円錐プーリ21と入力円錐プーリ22との円錐台底面半径を一致させ、その回転軸を同一直線上に対向させて配置する。
主円錐プーリ23の回転軸はこれらと直交するように配置する。扇環状ベルト28は、入力円錐プーリ21、22、主円錐プーリ23、および案内円錐プーリ24、25、26、27のまわりに、図示したように巻く。扇環状ベルト28は、4つの案内円錐プーリで挟みつけることで張力を得ている。このように円錐プーリを配置すると、ベルトを同じ半径の環状にすることができるため、連続多回転の伝動が可能である。本実施形態では、扇環状ベルト28は、例えば入力円錐プーリ21、22、および主円錐プーリ23との接触面に歯を刻んだタイミングベルトとする。タイミングベルトにすることで、主円錐プーリと扇環状ベルトとの接触面が滑ることなく、両方向の回転を伝達できる。もちろん、円錐プーリと扇ベルトは平ベルトやVベルトのようにして、摩擦によって伝動しても良い。あるいは第1実施形態と同様に、扇ベルトの一部を円錐プーリに固定しても良いが、その場合は可動範囲が1回転未満に制限される。
入力円錐プーリ21と22は対称な形状とすればよいため、入力円錐プーリ21、22の円錐台底面半径をr1、主円錐プーリ23の円錐台底面半径をr2、案内円錐プーリ24、25、26、27の円錐台底面半径をr3とおけば、第2実施形態と同様にφ1、φ2、φ3が計算できる。ただし、本実施形態では入力円錐プーリ21と23の回転軸のなす角、および入力円錐プーリ22と23の回転軸のなす角がそれぞれ直角であるため、ψ=π/2とおけば、φ1、φ2、n3y、ベクトルO→R2、ベクトルO→R3の算出式が以下のように簡単になる。
Figure 2011049013
扇環状ベルト28の展開中心角αはφ1、φ2およびφ3より次式で決定できる。
Figure 2011049013
ここで、主円錐プーリ23は2箇所で扇環状ベルト28に接しているが、それらが互いに矛盾無く噛み合うようにする必要がある。例えば入力円錐プーリ21と23が同一形状で歯溝数が奇数であれば、扇環状ベルト28の歯数も奇数である必要があり、入力円錐プーリ21と23が同一形状で歯溝数が偶数であれば、扇環状ベルト28の歯数も偶数である必要がある。
このような直交軸差動ベルト伝動機構により、傘歯車に比べ軽量でバックラッシがなく、ワイヤ伝動機構に比べ剛性や耐久性が高い直交軸差動伝動が可能である。この伝動機構は、入力円錐プーリ21と入力円錐プーリ22それぞれに独立に動力を入力し、主円錐プーリ23を出力シャフトに固定して用いる。
図8は本実施形態の機構の支持機構やアクチュエータを含めた全体の構造図であり、図9はその分解構造図である。図の都合により、片側のみしか示されていない部品もあるが、図示されていない部分も、前後および左右対称に同じ部品を備えている。以下では、片側のみ説明する。また、以下では、入力円錐プーリ21および入力円錐プーリ22の回転軸をピッチ軸、主円錐プーリ23の回転軸をロール軸と記述する。図において、51は固定支持円盤であり、中空固定支持シャフト63、およびハーモニックギヤ67のサーキュラスプラインを固定支持している。
本実施形態では、減速機にはサーキュラースプラインを2枚備えたタイプのハーモニックギヤ67を想定しているが、他のタイプのハーモニックギヤや他の減速機を用いても良い。中空固定支持シャフト63にはアウターロータモータ固定子66が固定されている。アウターロータモータ回転子64は、ベアリングを介してピッチ軸まわりに回転可能に支持される。ハーモニックギヤ67の入力となるウェーブジェネレータはアウターロータモータ回転子64に固定される。ハーモニックギヤ67の出力となるもう1つのサーキュラースプラインには、入力円錐プーリ21を固定する。入力円錐プーリ21は主プーリ支持円盤65およびクロスローラベアリング68を介して、ピッチ軸まわりに回転可能に支持する。本実施形態では、機構全体の寸法を小型化するために、入力円錐プーリ21をアウターロータモータ回転子64の外側で支持しているが、もちろん中空固定支持シャフト63など固定部分で支持しても良い。
61は案内プーリ支持シャフトであり、ベアリング70を介して案内円錐プーリ24を案内プーリ支持シャフト61の中心軸周りに回転可能に支持している。案内プーリ支持シャフト61は支持フレーム小56に固定されている。支持フレーム小56と同様の部品が前後左右対象な位置に4つ配置されている。これらと、支持フレーム横52および53と、支持フレーム上55とは一体に固定されており、支持フレーム横52および53にそれぞれ備えたベアリングを介してピッチ軸まわりにこれら全体が回転可能に支持されている。60は出力シャフトであり、支持フレーム上55にベアリング70を介してロール軸まわりに回転可能に支持されている。出力シャフト60には主円錐プーリ23が固定されており、扇環状ベルト28によって伝えられたロール軸まわりの動力を出力する。
本実施形態の動作を以下に説明する。入力円錐プーリ21と入力円錐プーリ22を同じ方向に回転させた場合、それらのトルクの和が出力シャフト60をピッチ軸周りに回転させる力として伝えられる。例えば、入力円錐プーリ21と入力円錐プーリ22を図の右からみて反時計回りに回転させた場合。扇環状ベルト28、案内円錐プーリ24および25、ベアリング69、案内プーリ支持シャフト61および62を介して支持フレーム小56および57に伝わり、出力シャフト60は、支持フレーム横51および52、支持フレーム上55、ベアリング70とともにこれらと一体となって、ピッチ軸周りに回転する。一方、入力円錐プーリ21と入力円錐プーリ22の回転トルクに差があった場合、その差に相当するトルクが扇環状ベルト28によって伝達され、出力シャフト60をロール軸まわりに回転させるトルクとなる。ただし、この機構の回転方向は傘歯車による差動機構とは逆になる。
特許文献1の従来技術では、差動機構にするためにプーリに4段の段差が必要であったが、本実施形態では1段でよいため、小型軽量化が可能である。また、ベルトを用いるのでワイヤを用いた場合に比べ、耐久性が高い。さらに、特許文献1の従来技術では、せいぜい1回転までしか伝動できないが、本実施形態では連続多回転の伝動が可能である。本機構をロボットの干渉駆動関節機構として適用し、小形軽量なロボットを実現可能である。
[第6実施形態]
図10は第6実施形態の構成を示す図あり、図10(a)は正面図、図10(b)は右側面図、図10(c)は斜視図である。図において、33、34は入力円錐プーリ、35、36は主円錐プーリ、37、38、40、41、42、44は案内円錐プーリ、31および32は扇環状ベルトとなっている。図では隠れているものもあるが、案内円錐プーリは8個あり、前後左右対称な位置に配置されている。本実施形態では、扇環状ベルト31と32の2本の扇環状ベルトを用いて動力を伝動する。扇環状ベルトはどちらか一方のみでも差動機構として動作させることができるが、2本用いることでベルトにかかる負荷を分散でき、より大きい負荷に耐えられる。あるいは、同じ負荷トルクを発生させたい場合に、それぞれのベルトを細くできる。扇環状ベルト31および32は、中心角が2πを超える扇形で、環状である。
入力円錐プーリ33、34、主円錐プーリ35、36、および案内円錐プーリ37、38、40、41、42、44は、第2及び第3実施形態と同様に、それぞれの仮想円錐面の中心線まわりに回転可能とし、頂点を一致させて隣接するように配置する。すなわち、回転軸はそれぞれの仮想円錐面の頂点で交わる。本実施形態では、入力円錐プーリ33と主円錐プーリ34との円錐台底面半径を一致させ、その回転軸を同一直線上に対向させて配置する。さらに、主円錐プーリ35と主円錐プーリ36の円錐台底面半径を一致させ、その回転軸を同一直線上に対向させて配置する。主円錐プーリ35および主円錐プーリ36の回転軸は、入力円錐プーリ33および主円錐プーリ34の回転軸と直交するように配置する。扇環状ベルト31は、入力円錐プーリ33、34、主円錐プーリ35、36、および案内円錐プーリ37、38、41、42のまわりに、図7(a)示したように巻く。
扇環状ベルト31は、4つの案内円錐プーリで抑えつけることで張力を得ている。扇環状ベルト32は、これと前後対称の位置に同様に4つの案内円錐プーリで抑えつけるように配置する。このように円錐プーリを配置すると、ベルトを同じ半径の環状にすることができるため、連続多回転の伝動が可能である。扇環状ベルト31および32は、第2又は第3実施形態と同様に、例えばタイミングベルトとすればよい。
入力円錐プーリ33と34、主円錐プーリ35、36は対称な形状とすればよいため、入力円錐プーリ33、34の円錐台底面半径をr1、主円錐プーリ35、36の円錐台底面半径をr2、8個の案内円錐プーリの円錐台底面半径をr3とおけば、第2及び第3実施形態と同様にφ1、φ2、φ3が計算できる。円錐プーリ扇環状ベルト31および32の展開中心角αは、φ1、φ2およびφ3より次式で決定できる。
Figure 2011049013
このような直交軸差動ベルト伝動機構により、傘歯車に比べ軽量でバックラッシがなく、ワイヤ伝動機構に比べ剛性や耐久性が高い直交軸差動伝動が可能である。この伝動機構は、入力円錐プーリ33と主円錐プーリ34それぞれに独立に動力を入力し、主円錐プーリ35(または主円錐プーリ36)を出力シャフトに固定して用いる。
このような構造とすると、片側から案内円錐プーリを4つ取り外すだけで扇環状ベルトを取り外すことができ、メンテナンスがしやすい。
図11に数式(4)を用いて計算した展開中心角の数値例を示す。4つの主円錐プーリと8つの案内円錐プーリはそれぞれ同じ形状とする。この場合の展開中心角は、主円錐プーリの円錐台底面半径r1と案内円錐プーリの円錐台底面半径r3との比によって決まる。図より、扇環状ベルトの展開中心角は462°から474°程度が適当であることが分かる。主円錐プーリの歯数をTとすると、展開した扇ベルトでは歯のピッチpは展開中心角で表すと以下のようになる。
Figure 2011049013
扇ベルトの長さはpの整数倍である必要がある。歯数Tを50とすれば、p=5.09であり、扇ベルトの長さは、歯数91のとき463.3°、歯数92のとき468.4°、歯数93のとき473.5°となり、それ以外では適当な長さにならない。扇環状ベルトの長さ(中心展開角α)をこのいずれかとし、この長さになるようなr1とr3の比を図11から求め、r3を決定すればよい。
[第7実施形態]
第6実施形態では主円錐プーリ35と36の回転軸を一致させているが、特に一致させる必要はなく、3枚以上の円錐プーリを入力円錐プーリ33および34と直交するように配置することもできる。こうすることで扇環状ベルト1本あたりにかかる負荷を減らせるが、機構重量が重くなるという問題があるため、さほど多くすることは得策ではない場合が多い。また、3枚以上とすることで、寸法の条件によっては扇環状ベルトを単純な円にすることができ、ベルトの製造がしやすくなる。
[第8実施形態]
本実施形態ではベルトと記述しているが、チェーンを用いても同様の伝動機構が実現できる。図12に本実施形態の扇ベルトとして用いるチェーンを示す。一般的なチェーンは小さいリンクが平行な軸まわりに回転可能につながったものと見ることができるが、この軸を平行ではなく少し角度をつけることで、扇ベルトとして用いることができる。この場合、円錐プーリは、突起の方向が円錐面に垂直となるようにしたスプロケットとしてもよい。円錐プーリにベルトを巻き付けて張力を発生させると円錐の細くなる方向に力を受けるため、ゴム材等を用いたベルトでは、Vベルトのように溝を利用してずれないようにする必要があったが、チェーンによって扇ベルトを構成した場合には、チェーン自体がそのようなずれを生じる力を支えるという利点がある。
[第9実施形態]
図13は第9実施形態の構成の主要部分を示す図である。本実施形態は第3実施形態の案内円錐プーリ24乃至27の代わりに摺動支持部材を用いた場合の例である。その他の構成については第3実施形態と同様である。80および81は摺動支持部材であり、図では後方の2つが隠れていて図示されていないが前後左右対称な位置に同様の形状の摺動支持部材を4つ備えている。摺動支持部材80および81は、第3実施形態の支持フレーム小56乃至59に相当する部材に固定されており、扇環状ベルト28を摺動接触支持する。扇環状ベルト28との接触面の形状は仮想円錐面である。
案内円錐プーリを用いた場合に比べ、摺動接触部で摩擦が生じるため伝達効率が悪いことや、扇環状ベルト28の摩耗が生じやすいこと、発熱することなどの欠点があるが、回転しないため、片側の接触面のみ備えていればよく、板金やプラスチックなどを用いることができ、小型軽量化できることやコストを低減できることなどの利点がある。
[第10実施形態]
第5〜第9実施形態のような直交軸差動ベルト伝動機構を用いてロボットアームを構成した場合の例について説明する。図14は本実施形態の関節ユニット136の外観図である。110はカバー付支持構造であり、支持フレーム横53および54、支持フレーム上55、支持フレーム小56乃至59にカバーを固定した物である。101は支持円盤であり、図5の固定支持円盤52にケーブル類を保護するためのカバーを固定したものである。
符号109は出力体であり、図5の出力シャフト60に固定されている。支持円盤101は中空支持アーム102を介して支持ベース103につながっている。中空固定支持シャフト63から支持ベース103へ至る支持構造は中空でつながっており、内部に配線を通すことが可能になっている。配線は、アウターロータモータ固定子66のコイルへ電力を供給するモータ電力線と、図示しないエンコーダからの信号をコントローラへ渡すためのエンコーダ信号線などがある。また、出力体109の先に接続された他の差動関節ユニットなどの機器からの配線である他機器配線も含む。他機器配線は、出力体109の中空部分を通して中空固定支持シャフト63の中に通す。縦横の回転軸の近くに配線を通すことができるため、関節を動作させた場合に配線のたるみや引っ張りが生じにくく、繰り返し動作時の耐久性を向上できる。
支持円盤101を中心としてカバー付支持構造110が横軸周りに回転し、出力体109は縦軸周りに回転する。このような構造の差動関節ユニットにより、出力体109の先に取付けた搬送物を横軸および縦軸周りに回転させることができる。この2つの出力軸は、干渉駆動機構となるように構成されているため、最大でモータ単体の出力の2倍の出力をそれぞれの軸で発生させることができる。
本関節ユニット136を用いて図10に示すように、7自由度ロボットアームを構成する。ロボットアーム150は旋回軸モータ付きロボットベース134、関節ユニット131、132、133乃至133及びハンド130により構成されている。 旋回軸モータ付きロボットベース134は、ロボットアーム150を固定面(例えば、工場等のフロア)151に固定するとともに、ロボットアーム150全体を鉛直方向軸周りに回転させるためのモータを備えたベース(基台)である。関節ユニット131、132、133は、それぞれ出力対109と支持ベース103とを結合し、直列に連結されている。130はハンドであり、本ロボットアームによって位置および姿勢を制御され、搬送、組み立て、溶接、塗装等の仕事をする作業部である。本実施形態はこのような構成となっているので、ロボットアーム150を小型化(特に、細身化)しながらも最大出力を向上させた7自由度の垂直多関節ロボットを構成することができる。
[第11実施形態]
図16は、第11実施例の円錐プーリと扇ベルトの形状を示す斜視図である。161は円錐プーリに突起161aを備えた、スプロケット円錐プーリである。突起161aは等間隔に配置されている。163は穴付扇ベルトであり、突起161aに対応する穴を備えている。穴に突起が噛み合うことにより、ベルトの滑りを防止することができる。図16では穴の形状は円、突起の形状は先端部に半球を備えた円柱としているが、これらの形状は任意であり、例えば突起を円錐形状としたり、穴を長方形や2つの円をつないだ長穴などとして突起の形状もそれに噛み合う形状としても良い。穴付扇ベルト163は、スチールベルトとしても良い。162は溝付円錐プーリであり、溝162aを備えている。噛み合い部分の断面図を図17に示す。溝162aにより、穴付扇ベルト163からはみ出した突起161aと溝付プーリ162との干渉を避けることができている。
実施例3、5、6、9では、主円錐プーリや入力円錐プーリの仮想円錐面が互いに接するものとしていた。本実施例のスプロケット円錐プーリを主円錐プーリや入力円錐プーリとして用いてこのように配置すると、突起161aが干渉する。この場合、主円錐プーリや入力円錐プーリの仮想円錐面を離して配置すればよい。主円錐プーリや入力円錐プーリの仮想円錐面は、それら同士が接している必要はなく、それぞれが案内円錐プーリの仮想円錐面と接していれば良い。主円錐プーリや入力円錐プーリの仮想円錐面を、角度Δψだけ離して配置する場合、寸法の計算は、
Figure 2011049013
として、先に説明した実施例と同様に計算すればよい。
先に説明した実施例のうちの、扇ベルトと円錐プーリが噛み合って伝動するものでも同様であったが、扇ベルトの展開中心角は、噛み合いのピッチの整数倍となっていなければならない。実施例6では、扇環状ベルトの展開中心角が主円錐プーリの歯のピッチpの整数倍となるように案内円錐プーリの円錐台底面半径を決定したが、本実施例のように主円錐プーリや入力円錐プーリの仮想円錐面を、角度Δψだけ離して配置する場合、案内円錐プーリの円錐台底面半径は先に適当に決定しておき、扇ベルトの展開中心角が噛み合いのピッチの整数倍となるようにΔψを決定しても良い。
[第12実施形態]
図18は、第12実施例の円錐プーリと扇ベルトの形状を示す斜視図である。181は円錐プーリにV溝181aおよび突起181bを備えた、タイミング円錐プーリである。突起181bは等間隔に配置されている。183はタイミング扇ベルトであり、V溝181aに対応するV突起183aおよび突起181b対応する窪み183bを備えている。ベルトとプーリの接触部分がわかるように分離した図を図19に示す。窪みに突起が噛み合うことにより、一般のタイミングベルトのように、伝動方向のベルトの滑りを防止することができる。また、V溝181aとV突起183aが噛み合うことにより、一般のVベルトのように、横方向のベルトの滑りを防止することができる。タイミング扇ベルト183のベルト部分は、スチールベルトとし、V溝181aとV突起183aの部分はウレタンやゴム等の弾性材料とし、スチールベルトに接着して製造しても良い。本実施例では、タイミング扇ベルト183と円錐プーリ182との接触面は平らとし、182は通常の円錐プーリとした。もちろん、両面にV溝181aとV突起183aを備えた形状としたり、他の実施例で述べたような形状と組み合わせて表裏で異なる形状としても良い。
直交軸にベルト伝動することによってバックラッシがなく耐久性が高く小型軽量な差動機構を実現することができるので、ロボットの肩、肘、手首、股関節、膝、足首、首、腰、指などの関節機構として適用できる他、2個のアクチュエータで車両のステアリングとタイヤの回転を実現する動力伝動機構、カメラのパン・チルト・ロール機構という用途にも適用できる。
1 円錐プーリ
2 円錐プーリ
3 扇ベルト
4 扇ベルト
5 回転軸
6 回転軸
7 仮想円錐面
10 扇ベルト
11 円錐プーリ
12 円錐プーリ
13 扇環状ベルト
17 案内円錐プーリ
18 案内円錐プーリ
20 扇環状ベルト
21 入力円錐プーリ
22 入力円錐プーリ
23 主円錐プーリ
24 案内円錐プーリ
25 案内円錐プーリ
26 案内円錐プーリ
27 案内円錐プーリ
28 扇環状ベルト
51 固定支持円盤
52 固定支持円盤
53 支持フレーム横
54 支持フレーム横
55 支持フレーム上
56 支持フレーム小
57 支持フレーム小
58 支持フレーム小
59 支持フレーム小
60 出力シャフト
61 案内プーリ支持シャフト
62 案内プーリ支持シャフト
63 中空固定支持シャフト
64 アウターロータモータ回転子
65 主プーリ支持円盤
66 アウターロータモータ固定子
67 ハーモニックギヤ
68 クロスローラベアリング
69 ベアリング
70 ベアリング
31 扇環状ベルト
32 扇環状ベルト
33 入力円錐プーリ
34 入力円錐プーリ
35 主円錐プーリ
36 主円錐プーリ
37 案内円錐プーリ
38 案内円錐プーリ
40 案内円錐プーリ
41 案内円錐プーリ
44 案内円錐プーリ
80 摺動支持部材
81 摺動支持部材
100 扇ベルトチェーン
101 支持円盤
102 中空支持アーム
103 支持ベース
109 出力体
110 カバー付支持構造
136 関節ユニット
131 関節ユニット
132 関節ユニット
133 関節ユニット
134 旋回軸モータ付きロボットベース
150 ロボットアーム
151 固定面
161 スプロケット円錐プーリ
161a 突起
162 溝付円錐プーリ
162a 溝
163 穴付扇ベルト
181 タイミング円錐プーリ
181a V溝
181b 歯状突起
182 円錐プーリ
183 タイミング扇ベルト
183a V突起
183b 窪み

Claims (22)

  1. 複数のプーリと、
    前記プーリをそれぞれ回転可能に支持する支持シャフトと、
    複数の前記プーリのうちのいずれかに入力された動力を回転軸が平行でない他のいずれかの前記プーリに伝える伝動媒体と、を有し、
    前記伝動媒体は、
    平面に展開した形状が扇形である扇ベルトとなっており、
    前記プーリは前記扇ベルトとの接触面に仮想円錐面を設定して前記仮想円錐面から前記扇ベルトの表面形状を差し引いた形状である円錐プーリとなっており、
    前記円錐プーリの回転軸は前記仮想円錐面がなす円錐の中心線となっており、
    複数の前記円錐プーリのうちの少なくとも2個はそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されている
    ことを特徴とする非平行軸伝動機構。
  2. 複数の前記円錐プーリのうちの少なくとも2個はそれぞれの前記仮想円錐面が接するように配置されており、前記扇ベルトは隣接する2個の前記円錐プーリの前記仮想円錐面の接線を境に表裏が逆の面で2個の前記円錐プーリと接している
    ことを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  3. 前記扇ベルトは断面がV形または台形の突起を少なくとも1つ備えたVベルトであり、前記円錐プーリはそれに対応する溝を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  4. 前記扇ベルトのV形または台形の突起の形状は扇形の中心側の面とベルト面とのなす角が扇形の外側の面とベルト面とのなす角よりも小さい非対称形状である
    ことを特徴とする請求項3記載の非平行軸伝動機構。
  5. 前記扇ベルトはベルトの進行方向に複数の歯状突起を備えたタイミングベルトであり、前記円錐プーリはそれに対応する溝を備えたタイミングプーリである
    ことを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  6. 前記扇ベルトのタイミングベルトの歯形状は扇形の外側ほど広くなるくさび形突起であり、前記円錐プーリはそれに対応する溝を備えた
    ことを特徴とする請求項5記載の非平行軸伝動機構。
  7. 複数の前記円錐プーリのうちのいずれか2個をそれぞれ円錐プーリ1および円錐プーリ2とし、前記扇ベルトは一方の端を前記円錐プーリ1に固定されかつもう一方の端を前記円錐プーリ2に固定された両端固定扇ベルトである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の非平行軸伝動機構。
  8. 隣接する2個の前記円錐プーリをそれぞれ円錐プーリAおよび円錐プーリBとし、
    前記円錐プーリAの前記仮想円錐面と前記円錐プーリBの前記仮想円錐面との接線を仮想円錐接線とし、
    前記両端固定扇ベルトを2本備え、
    一方の前記両端固定扇ベルトは前記仮想円錐面の頂点方向から見て時計回りに前記円錐プーリAに巻き付けられ前記仮想円錐接線を境に前記仮想円錐面の頂点方向から見て反時計回りに前記円錐プーリBに巻き付けられており、
    もう一方の前記両端固定ベルトは前記仮想円錐面の頂点方向から見て反時計回りに前記円錐プーリAに巻き付けられ前記仮想円錐接線を境に前記仮想円錐面の頂点方向から見て時計回りに前記円錐プーリBに巻き付けられている
    ことを特徴とする請求項7記載の非平行軸伝動機構。
  9. 前記扇ベルトは扇形の両端を繋いで環状とした扇環状ベルトである
    ことを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  10. 複数の前記円錐プーリのうちの2以上の整数n個の主円錐プーリと、2(n−1)個の案内円錐プーリとを備え、
    前記主円錐プーリおよび前記案内円錐プーリはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されており、
    前記案内円錐プーリは数珠繋ぎに連結された前記主円錐プーリの間に2個ずつそれぞれ2個の前記主円錐プーリに隣接するように配置されており、
    前記扇環状ベルトは内側の面で前記主円錐プーリと接しており外側の面で前記案内円錐プーリと接している
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の非平行軸伝動機構。
  11. 複数の前記円錐プーリのうちの2以上の整数n個の主円錐プーリと、
    2n個の案内円錐プーリとを備え、
    前記主円錐プーリおよび前記案内円錐プーリはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されており、
    前記案内円錐プーリは環状に連結された前記主円錐プーリの間に2個ずつそれぞれ2個の前記主円錐プーリに隣接するように配置されており、
    前記扇環状ベルトは内側の面で前記主円錐プーリと接しており外側の面で前記案内円錐プーリと接している
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の非平行軸伝動機構。
  12. 複数の前記円錐プーリのうちの2個の入力円錐プーリと、
    1以上の整数n個の主円錐プーリと、
    4n個の案内円錐プーリとを備え、
    前記入力円錐プーリと前記主円錐プーリと前記案内円錐プーリとはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致するように配置されており、
    2個の前記入力円錐プーリの回転軸は同一直線上に配置され、
    前記主円錐プーリの回転軸は前記入力円錐プーリの回転軸と垂直になるように配置され、
    前記案内円錐プーリは前記主円錐プーリそれぞれに4つずつ接しておりかつ4つのうち2つが前記入力円錐プーリのうちの一方に接しており残り2つがもう一方の前記入力円錐プーリに接するように配置されている
    ことを特徴とする請求項10記載の非平行軸伝動機構。
  13. 前記主円錐プーリはタイミングプーリであり、
    前記扇ベルトの展開中心角が主円錐プーリの歯溝ピッチの整数倍となるように前記案内円錐プーリの仮想円錐面の円錐台底面半径が設定されている
    ことを特徴とする請求項10乃至12記載の非平行軸伝動機構。
  14. 前記案内円錐プーリをそれぞれ支持する前記支持シャフトおよび前記出力プーリを支持する前記支持シャフトを固定する支持フレームを備え、前記支持フレームは2個の前記入力円錐プーリの回転軸まわりに回転可能に支持されている
    ことを特徴とする請求項12記載の非平行軸伝動機構。
  15. 前記扇ベルトを摺動接触支持する支持部材を少なくとも1つ備え、
    前記支持部材は前記扇ベルトとの接触面に仮想円錐面を設定して前記仮想円錐面から前記扇ベルトの表面形状を差し引いた形状である円錐形支持部材となっており、
    前記円錐形支持部材と複数の前記円錐プーリのうちのいずれかはそれぞれの前記仮想円錐面の頂点の位置が一致しておりかつ前記仮想円錐面が接するようにするように配置されており、
    前記扇ベルトは前記仮想円錐面の接線を境に表裏が逆の面で前記円錐プーリおよび前記円錐形支持部材と接している
    ことを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  16. 前記扇ベルトは、チェーンのリンクを平行でない回転軸まわりに回動可能に連結した扇ベルトチェーンであることを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  17. 前記扇ベルトは、スチールベルトを用いたことを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  18. 前記扇ベルトは穴を備えた穴付扇ベルトであり、
    前記円錐プーリは前記穴と噛み合う突起を備えたスプロケット円錐プーリであることを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  19. 前記スプロケット円錐プーリと隣接する前記円錐プーリのうち少なくとも1つは前記突起が前記穴付扇ベルトから突出する部分に溝を備えた溝付円錐プーリであることを特徴とする請求項18記載の非平行軸伝動機構。
  20. 前記扇ベルトは、断面がV形または台形のV突起を少なくとも1つ備えかつ前記V突起は複数の窪みを備えたタイミング扇ベルトであり、前記円錐プーリは前記V突起に噛み合うV溝と前記窪みに噛み合う歯状突起を備えたことを特徴とする請求項1記載の非平行軸伝動機構。
  21. 前記タイミング扇ベルトは、弾性材料をスチールベルトに貼付けてあることを特徴とする請求項20記載の非平行軸伝動機構。
  22. 複数のアーム材と、
    前記アーム材とを旋回または回転可能に連結する関節部と、を有し、
    前記関節部には、
    請求項1〜21のいずれか1項に記載の非平行軸伝動機構を有している
    ことを特徴とする、ロボット。
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