JPWO2011043478A1 - 2−アルキルシクロアルカノンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

2−アルキルシクロアルカノンを高収率、高純度で得ることができる製造方法を提供する。また、香粧品、フレーバー等に有用な香料素材であるラクトン類を安価に効率よく提供する。2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノンを、酸及び白金族金属触媒の共存下、水素ガス流通下、圧力20〜200kPa(絶対圧)で脱水・水素化させる、下記一般式(2)で表される2−アルキルシクロアルカノンの製造方法、及び、2−アルキルシクロアルカノンをさらに過カルボン酸を用いて酸化反応させる、ラクトンの製造方法である。(式中、nは1又は2、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示すか、又はR1とR2とに隣接する炭素原子を介して環を形成してもよい。)

Description

本発明は、2−アルキルシクロアルカノンの製造方法に関する。
2−アルキルシクロアルカノンは、生理活性物質や香料の合成中間体として有用である。従来、2−アルキルシクロアルカノンは、2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノンの脱水反応によって、まず2−(アルキリデン)シクロアルカノンを合成し、次いでこれを水素化反応させることにより製造されている。
上記の脱水反応は、一般的に酸の存在下に行われることが知られており、例えば、特許文献1及び2には、シュウ酸やリン酸を用いた脱水反応が記載され、特許文献3には、固体酸を用いた脱水反応が記載されている。
また、次いで行われる水素化反応として金属触媒を用いる例が報告されており、例えば、非特許文献1には、白金族金属触媒を用いた水素化反応が記載されている。
一方、脱水反応及び水素化反応を一段階で行う方法も知られている。例えば、特許文献4には、ジアセトンアルコールを酸触媒及び還元触媒の共存下に水素ガスを加圧下で接触させることで、脱水と水素化とを一段階で行い、メチルイソブチルケトンに直接転化する方法が記載されている。
特開昭56−147740号公報 特開2004−217620号公報 特開2004−203844号公報 特開昭61−5038号公報
ウォーレン有機化学、株式会社東京化学同人発行、p.626
2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノンの脱水反応後、水素化反応を行う方法では、特許文献1〜3のように酸で脱水反応を行い、非特許文献1のように金属触媒で水素化反応を行うことができる。しかしながら、これらの方法では工程が増えて生産性が低下する上、収率も満足できるものではない。
また、特許文献4に記載された脱水反応と水素化反応を一段階で行う方法は、反応速度が反応時の水素圧に依存し、低加圧条件下では反応の進行が極めて遅いため、通常1.08MPa(絶対圧)程度の比較的高い圧力条件下で行なうが、該製造方法を2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノンに適用すると、目的物である2−アルキルシクロアルカノンのカルボニル基が還元された化合物が副生し、この副生物は精製工程において目的物である2−アルキルシクロアルカノンとの分離が困難である。
本発明は、2−アルキルシクロアルカノンを高収率、高純度で得ることができる製造方法に関する。
本発明はまた、2−アルキルシクロアルカノンをさらに酸化反応に賦し、香粧品、フレーバー等に有用な香料素材であるラクトン類の提供に関する。
本発明者らは、2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノンを、酸と白金族金属触媒の共存下、水素ガス流通下、低圧下で脱水・水素化させることにより、高収率、高純度で2−アルキルシクロアルカノンを合成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、[1] 下記一般式(1)で表される2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノンを、酸及び白金族金属触媒の共存下、水素ガス流通下、圧力20〜200kPa(絶対圧)で脱水・水素化させる、下記一般式(2)で表される2−アルキルシクロアルカノンの製造方法に関する。
本発明はまた、[2] 上記[1]記載の方法によって2−アルキルシクロアルカノンを得た後、さらに、過カルボン酸を用いて酸化反応させる、ラクトンの製造方法に関する。
Figure 2011043478
(式中、nは1又は2の整数、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示すか、又はR1とR2とに隣接する炭素原子を介してシクロペンタン環又はシクロヘキサン環を形成してもよい。)
本発明によれば、2−アルキルシクロアルカノンを高収率、高純度で得ることができる製造方法を提供することができる。
また、香粧品、フレーバー等に有用な香料素材であるラクトン類を安価に効率よく提供することができる。
本発明の下記一般式(2)で表される2−アルキルシクロアルカノン(以下、「化合物(2)」ともいう)の製造方法は、下記一般式(1)で表される2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノン(以下、「化合物(1)」ともいう)を、酸及び白金族金属触媒の共存下、水素ガス流通下、圧力20〜200kPa(絶対圧)で脱水・水素化させることを特徴とする。
Figure 2011043478
(式中、nは1又は2の整数、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示すか、又はR1とR2とに隣接する炭素原子を介してシクロペンタン環又はシクロヘキサン環を形成してもよい。)
[化合物(1)及び(2)]
本発明の目的化合物(2)の製造方法においては、原料として化合物(1)を用いる。
前記一般式(1)及び(2)において、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示すか、又はR1とR2とに隣接する炭素原子を介してシクロペンタン環又はシクロヘキサン環を形成してもよい。R1及びR2は、水素原子又は直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は直鎖のアルキル基であることがより好ましい。
1及びR2であるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種へプチル基、各種オクチル基が挙げられる。ここで、「各種」とは、直鎖又は分岐を意味する。
また、「R1とR2とに隣接する炭素原子を介してシクロペンタン環又はシクロヘキサン環を形成」するとは、R1が炭素原子を介してR2と結合して、又は、R2が炭素原子を介してR1と結合して、5員環又は6員環を形成」することを意味する。なお、5員環又は6員環を形成する炭素原子に結合した水素原子は、例えば炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基等の炭化水素基で置換していてもよい。
化合物(1)の具体例としては、2−(1−ヒドロキシプロピル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシブチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシヘキシル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシヘプチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシ−2−メチルブチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシプロピル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシブチル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシヘキシル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシヘプチル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシ−2−メチルブチル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−シクロヘキサノン、2−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−シクロヘキサノン等が挙げられる。
これらの中では、2−(1−ヒドロキシプロピル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシブチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン、2−(1−ヒドロキシヘキシル)−シクロペンタノンが好ましく、2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノンが特に好ましい。
化合物(2)の具体例としては、2−プロピルシクロペンタノン、2−ブチルシクロペンタノン、2−ペンチルシクロペンタノン、2−ヘキシルシクロペンタノン、2−ヘプチルシクロペンタノン、2−(1−メチルブチル)シクロペンタノン、2−(2−メチルブチル)シクロペンタノン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、2−シクロヘキシルシクロペンタノン、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ブチルシクロヘキサノン、2−ペンチルシクロヘキサノン、2−ヘキシルシクロヘキサノン、2−ヘプチルシクロヘキサノン、2−(1−メチルブチル)シクロヘキサノン、2−(2−メチルブチル)シクロヘキサノン、2−シクロペンチルシクロヘキサノン、2−シクロヘキシルシクロヘキサノン等が挙げられる。
これらの中では、2−プロピルシクロペンタノン、2−ブチルシクロペンタノン、2−ペンチルシクロペンタノン、2−ヘキシルシクロペンタノンが好ましく、2−ペンチルシクロペンタノンが特に好ましい。
[化合物(1)の製法]
化合物(1)は、公知の方法により製造することができる。例えば、炭素数5又は6のシクロアルカノンと、下記一般式(3)で表されるアルデヒド又はケトンを反応させることにより得ることができる。
本発明では、このような方法で得られる化合物(1)を精製せずに用いることもできるが、蒸留等により精製して使用してもよい。
Figure 2011043478
(式中、R1及びR2は前記と同じである。)
[化合物(2)の製法]
本発明の目的物である化合物(2)は、酸及び白金族金属触媒の共存下、水素ガス流通下、圧力20〜200kPa(絶対圧)で、化合物(1)を脱水・水素化反応させることにより製造される。
<酸>
本発明に用いられる酸としては、無機酸、有機酸、及び固体酸等を用いることができる。
(無機酸、有機酸)
無機酸及び有機酸としては、一般的な酸を用いることができる。具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸等の縮合リン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、p−トルエンスルホン酸やメタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
これらの酸の中でも、副反応である重合反応を抑制し、かつ設備コスト負荷を低減する観点から、25℃における1段目の酸解離指数(pKa)が0以上、好ましくは0.5以上の酸が好ましく、具体的には、リン酸(1段目pKa:2.15)、ピロリン酸(1段目pKa:0.8)、トリポリリン酸等の縮合リン酸、酢酸(pKa:4.56)、乳酸(pKa:3.66)、吉草酸(pKa:4.64)、オクタン酸(pKa:4.89)等の炭素数2〜8の脂肪族1価カルボン酸、シュウ酸(1段目pKa:1.04)、クエン酸(1段目pKa:2.87)、マレイン酸(1段目pKa:1.75)、フマル酸(1段目pKa:2.85)、リンゴ酸(1段目pKa:3.24)、アジピン酸(1段目pKa:4.26)等の炭素数2〜8の脂肪族2価又は3価のカルボン酸や、安息香酸(pKa:4.20)、フタル酸(1段目pKa:2.95)等の芳香族カルボン酸等の有機酸が挙げられる。
さらに沸点の点から、リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸等の縮合リン酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸がより好ましく、リン酸、シュウ酸が特に好ましい。
酸解離指数(pKa)は、例えば日本化学会編の化学便覧(改訂3版、昭和59年6月25日、丸善株式会社発行)に記載の酸解離指数等を利用することができる。
これらの酸は、担体に担持させて用いることもできる。担体としては、例えばシリカや活性炭が挙げられ、活性炭がより好ましい。酸の担持方法としては、酸を担体に含浸させる方法や、木質材料(オガ屑、木材チップ等)に、高温でタールの生成を抑制しながら、リン酸を添加、浸透させて木質材料の繊維質を浸食し、空気を断って500〜700℃の温度で炭化反応させてリン酸担持活性炭(リン酸賦活活性炭ともいう)を得る方法が挙げられる。これらの中では、リン酸担持活性炭が特に好ましい。
このように担体に担持させた酸は、後述する固体酸と同様に取り扱うこともでき、反応混合物からの分離・除去等も容易である。
これらの酸は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(固体酸)
固体酸としては、公知の固体酸を用いることができる。具体的には、活性アルミナ、硫酸ジルコニア、金属リン酸塩、トリポリリン酸二水素アルミニウム、酸化チタン等の無機金属固体や、カチオン交換樹脂、シリカ−チタニア複合酸化物、シリカ−酸化カルシウム複合酸化物、シリカ−マグネシア複合酸化物、ゼオライト等が挙げられる。
固体酸は、アンモニア昇温脱離(TPD;Temperature Programmed Desorption)法において、100〜250℃の温度範囲でアンモニア(NH3)の脱離を起こす酸点の量(mmol/g)が、250℃より高い温度でNH3の脱離を起こす酸点の量(mmol/g)より多いものがより好ましい。100〜250℃の範囲でNH3の脱離を起こす酸点の量は、0.3mmol/g以上であり、かつ250℃より高い温度でNH3の脱離を起こす酸点の量は、0.3mmol/g未満であることがより好ましい。
上記の酸点の量は、触媒学会参照触媒であるゼオライト;JRC−Z5−25Hのhighピーク(観測される2種のピークのうち、高温側のピーク)を0.99mmol/gとしてこれに対する相対的な量として測定する。ピークの検出は、質量スペクトルにおけるアンモニアのm/e=16のフラグメントでアンモニアを定量することにより行う。
TPD(アンモニア昇温脱離)の測定法としては、一般的に行われる測定法を用いることができる。例えば、以下のような条件で前処理、NH3吸着処理、真空処理を順に行った後、TPD測定を行う。
前処理:ヘリウム中200℃まで20分で昇温、1時間保持
NH3吸着処理:50℃、2.7kPaで10分間NH3を吸着
真空処理:50℃、4時間処理
TPD測定:ヘリウムガスを50ml/min.で流通、昇温速度5℃/min.で600℃まで昇温
このような酸点の分布をもつ固体酸としては、例えば、下記構造(A)、構造(B)及び金属原子(C)の少なくとも1つを有するものが好ましく挙げられ、なかでも構造(A)と金属原子(C)、構造(B)と金属原子(C)、及び構造(A)と構造(B)と金属原子(C)を含む固体酸が好ましい。
・構造(A):無機リン酸が有するOH基の少なくとも一つから水素原子が除かれた構造
・構造(B):下記一般式(4)又は(5)で表される有機リン酸が有するOH基の少なくとも一つから水素原子が除かれた構造
・金属原子(C):アルミニウム、ガリウム及び鉄から選ばれる1種以上の金属原子
Figure 2011043478
(式中、R3及びR4は、それぞれR6、OR6、OH、Hから選ばれ、R3及びR4の少なくとも一方は、R6又はOR6である。R6は炭素数1〜22の有機基を示す。)
構造(A)としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸等の縮合リン酸等が挙げられる。これらの中では、性能の点から、オルトリン酸から誘導される構造(A)が好ましい。
また構造(B)において、一般式(4)又は(5)で表される有機リン酸としては、ホスホン酸、ホスホン酸モノエステル、ホスフィン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル等が挙げられる。これらの中では、ホスホン酸から誘導される構造(B)が好ましい。
また、R6としては、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜8の有機基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基等のアルキル基、フェニル基、3−メチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
金属原子(C)としては、性能及び/又はコストの点から、アルミニウムが好ましい。
なお、選択性その他性能を改良する目的で、アルミニウム、ガリウム、鉄以外の金属原子を少量有してもよい。また触媒中に含まれる金属原子(C)の全てが、必ずしも、構造(A)又は構造(B)と結合している必要はなく、金属原子(C)の一部分が金属酸化物又は金属水酸化物等の形で存在していてもよい。
固体酸の調製法として、沈殿法や金属酸化物又は水酸化物に無機リン酸及び有機リン酸を含浸する方法、無機リン酸アルミニウムゲル中の無機リン酸基を有機リン酸基へ置換する方法等が用いられるが、これらの中では沈殿法が好ましい。
また、固体酸を調製する際に、高表面積の担体を共存させ、担持触媒を得ることも可能である。担体として、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、ケイソウ土、活性炭等を用いることができる。担体を過剰に用いると、活性成分の含有量が低下し、活性を低下させるため、触媒中の担体の占める割合は、90質量%以下が好ましい。
固体酸の形状は、粉末でも成型したものでもよい。また、固体酸は、全て同一組成であってもよく、異なる組成の固体酸を組み合わせて用いてもよい。
上記の無機酸、有機酸、及び固体酸は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。固体酸のみを用いる場合は、中和工程を省略することもできる。
酸の使用量は、反応性の観点から、原料に対し0.0001質量%以上が好ましい。一方、重合を抑え、収率を向上させるという観点から、酸の使用量は25質量%以下が好ましい。上記観点から、酸の使用量は、0.001〜12質量%がより好ましく、0.01〜6質量%が特に好ましい。
<白金族金属触媒>
本発明に用いられる白金族金属触媒とは、周期律表第5〜6周期の第8〜10族元素に含まれる、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種以上の金属成分を主成分として含む触媒である。これらの金属成分の中では、触媒活性等の観点から、Pt及びPdが好ましい。またこれらの金属成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、「主成分として含む」とは、触媒金属成分中に、当該成分を好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上含むことを意味する。
これらの白金族金属触媒は、他の金属成分又は副次量の助触媒を含有していてもよい。このような他の金属成分の例としては、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等の周期律表第4周期の第4〜11族元素や、W、Ag及びAu等が挙げられる。
触媒は、担持型、ラネー型、可溶型、粉末状、顆粒状等の形態に適宜調製して使用することができる。
担持型触媒は、触媒の耐久性等の物理的特性を改善するために金属成分を担体に担持した触媒である。担持型触媒の調製は、沈殿法、イオン交換法、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、混練法等の公知の方法により行うことができる。担体としては、炭素(活性炭)、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、硫酸バリウム及び炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中では、炭素(活性炭)、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナが好ましい。
触媒としてパラジウム又は白金触媒を用いる場合の具体例としては、パラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナ、パラジウム担持硫酸バリウム、パラジウム担持炭酸カルシウム、白金カーボン、白金担持アルミナ、白金担持硫酸バリウム、白金担持炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中では、反応性が高く、反応後に触媒を容易に回収可能なパラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナが好ましく、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、パラジウムカーボンが特に好ましい。
担持型触媒における金属成分の担持量は、触媒活性の点から、担体と担持された金属成分との合計量に基づき、通常0.1〜70質量%程度が好ましい。
ラネー型触媒は多孔質のスポンジ状金属触媒であり、例えば、久保松照夫、小松信一郎著、「ラネー触媒」、共立出版(1971))等により調製することができる。
可溶型触媒を用いる場合は、例えば、硝酸、塩酸などの無機酸などの金属塩水溶液、又は各種金属塩の混合水溶液を反応系に滴下すればよい。
なお、上記の触媒として市販品を使用することもできる。
白金族金属触媒の使用量は、反応形式により適宜最適化することができる。
回分式の場合は、反応性及び経済性の観点から、原料である化合物(1)に対して、金属量として0.0002〜3質量%が好ましく、0.002〜2質量%がより好ましく、0.005〜1質量%が更に好ましい。
酸と白金族金属触媒は、別々の形態で用いることもでき、また一つの形態を有する触媒として使用することもできる。例えば、酸性の担体に白金族金属を担持する形態とすれば、酸を別途添加する必要がない。
酸及び白金族金属触媒を用いる場合は、懸濁床でも固定床でもよい。
担体に担持させた酸、又は固体酸を用いた固定床反応の場合には、触媒等と反応終了物との分離工程が要らないことから、大量生産する際には有効である。
懸濁床反応でも固体触媒を使用すれば、濾過等により触媒等と反応液とを容易に分離することができ、触媒をリサイクルすることも可能である。
<脱水・水素化反応>
脱水・水素化反応は、前記の酸及び白金族金属触媒を用い、水素ガス流通下、圧力20〜200kPa(絶対圧)で行う。
水素ガスを使用する場合は、水素ガス単独でも、水素ガスと不活性ガスとの混合ガスとして用いてもよいが、水素ガス単独で行うことがより好ましい。混合ガスとして用いる場合、その水素ガス濃度は、45%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が好ましく、窒素ガスがより好ましい。
ここで、「水素ガス流通下」とは、水素を含むガスが連続又は断続的に反応混合物内に導入され、かつ反応混合物から反応で消費されなかった余剰の水素ガス及び/又は反応で生成した水蒸気を含むガスが連続又は断続的に排出され、反応装置から排出される態様を意味する。
脱水・水素化反応の温度は、反応を短時間で終了させ、原料及び中間体の重合又は分解を防いで収率を高めるという観点から、70〜300℃が好ましく、90〜200℃がより好ましく、100〜170℃が更に好ましく、130〜160℃が特に好ましい。
脱水・水素化反応においては、副生物として、目的化合物(2)のカルボニル基の還元体である一般式(6)で示される化合物(以下、「化合物(6)」ともいう)が生成する可能性がある。
そこで、化合物(6)の生成を抑制して収率を高めるために、減圧〜低加圧条件下で反応を行うことが好ましい。その反応圧力は、反応温度に応じ、20〜200kPa(絶対圧)の範囲であり、50kPa〜150kPa(絶対圧)の範囲が好ましく、70〜120kPa(絶対圧)の範囲が更に好ましく、大気圧が特に好ましい。
Figure 2011043478
(式中、n、R1及びR2は前記と同じである。)
本発明においては脱水反応で生じた水が系内に含まれが、水素ガス流通により、反応で生じた水を効率的に反応系外に除去することができる。水素ガス流通下で系内から水を除去しながら反応を行うことにより、特許文献4(特開昭61−5038号公報)の実施例に記載されているような高圧条件(1.08MPa(絶対圧))でなく、200kPa(絶対圧)以下という常圧に近い条件下においても脱水・水素化反応が進行し、低圧であるため副生物である化合物(6)の生成を抑制することができると考えられる。
水素ガスの導入量は、反応での消費速度及び経済性の観点から、化合物(1)の仕込み量1gあたり1〜1000N−mL/hが好ましく、5〜500N−mL/hがより好ましく、10〜100N−mL/hが更に好ましい。なお、水素の導入量が反応で消費されうる水素量よりも少ない場合、反応により導入された水素が完全に消費され、排出されるガス中に水素が含まれない場合もありうる。
(反応装置)
反応装置は、反応の進行に伴い水素ガスを系内に導入しながら余剰の水素ガス及び/又は生成する水蒸気を排出でき、その他の本発明の反応条件を適用可能であれば特に限定されず、バッチ式反応装置、連続管型反応装置のどちらであっても良いが、装置コストの観点からバッチ式反応装置が好ましい。
<溶媒>
本発明は、溶媒の存在下でも不存在下でも行うことができる。溶媒を使用しない場合は生産性、経済性の観点から有利である。
溶媒は特に制限されず、不活性有機溶媒を用いることができる。不活性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソペンタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−エチルブタノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、オクタノール、2−オクタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、イソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、テトラヒドロピラン2−メチルフラン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル等のエーテル類、ギ酸n−メチル、ギ酸n−プロピル、ギ酸n−ブチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸メチル、酪酸n−ブチル、イソ吉草酸メチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸プロピル、フタル酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のエステル類、n−へキサン、n−オクタン、n−デカン、リグロイン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、p−シメン、テトラリン、デカリン等の炭化水素類等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量は、原料の化合物(1)に対して、0.1〜5質量倍とすることが好ましく、0.3〜2質量倍とすることがより好ましい。
本発明で得られる化合物(2)は、例えば、特開平9−104681号公報に記載されているように、過酢酸等を酸化剤として用い、バイヤービリガー(Baeyer−Villiger)酸化反応(ケトンと過カルボン酸を反応させて、ケトンのカルボニル基の隣に酸素原子が挿入されたカルボン酸エステルを得る酸化反応)を行わせることにより、下記一般式(7)で表される、香料素材として有用なラクトン(5−アルキル−5−アルカノリド、6−アルキル−6−アルカノリド)を製造することができる。
Figure 2011043478
(式中、n、R1、R2は前記と同じである。)
酸化工程は前段の脱水・水素化工程に引き続き行われる。酸化工程の前に精製することもできるが、触媒のみを除去してから酸化工程を行うことが、簡便性、反応の制御の観点から好ましい。触媒として可溶性の貴金属触媒を用いた場合は、吸着剤を添加して、除去する事が出来る。触媒として可溶性の酸を用いた場合は、塩基を加えて中和するか吸着剤を添加して、除去することができる。固体触媒を用いた場合はろ過、遠心分離等の固液分離操作によって除去することができる。
基質である2−アルキルシクロアルカノンの環構造としては、一般式(7)のnが1又は2のシクロペンタノンまたはシクロヘキサノンであるものが好ましく、それぞれ対応する5−アルキル−5−アルカノリドまたは6−アルキル−6−アルカノリドを与える。
2−アルキルシクロアルカノンのアルキル基R1、R2としては、水素又は炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、特にR1、R2の一方が水素で、他方が炭素数4〜7のアルキル基であるものが好ましい。
酸化剤としては各種の過カルボン酸が用いられる。反応性・精製工程の容易さの観点から、メタクロロ過安息香酸、過酢酸が好適に用いられる。また、過カルボン酸そのものを用いるのではなく、カルボン酸と過酸化水素を混合することで、反応系中で発生させることもできる。
酸化反応における過カルボン酸の使用量に特に制限はないが、基質である2−アルキルシクロアルカノンに対して0.9〜2.0モル倍用いるのが好ましい。
酸化工程においては、溶媒を用いても用いなくても良い。混合の容易性や反応速度の調整の観点からは溶媒を用いることが好ましい。溶媒の種類としては、酸化反応を受けるケトン等を除き通常のものが用いられる。前段の脱水・水素化工程で溶媒を用いる場合は、そのまま用いても良い。過酸化水素とカルボン酸を用いる場合は、水相・油相の2相系で反応させることもできる。
反応温度は反応速度、生成物の純度の点から10〜90℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。
反応後、通常の精製により、フレーバー、香粧品用香料等に有用なラクトンを得る。
以下の実施例、比較例において、「%」は特記しない限り「質量%」である。また、反応圧力は、すべて大気圧;101kPa(絶対圧)である。
生成物の定量は、ガスクロマトグラフィー(GC)分析(Agilent Technology社製、6890N、カラム:DB−1(30m×0.25mm×0.25μm)、オーブン:100℃→5℃/min.→210℃→20℃/min.→280℃(4.5min.hold)(計30min.)、キャリア:He、流量:1.6mL/min.、注入口:200℃、検出器(FID):280℃、注入量:1μL,スプリット:100:1)による内部標準法(内部標準:ウンデカン(ナカライテスク株式会社製、純度99%))によって行った。
合成例1(2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノンの合成)
滴下槽を備えた6m3の反応槽に、シクロペンタノン2241kg(26.6kmol)、水1007kg、48%NaOH11kgを仕込み、撹拌しながら15℃に冷却した後、同温度でバレルアルデヒド985kg(11.4kmol)を5時間かけて滴下した後、1時間撹拌した。反応終了後、中和し、過剰のシクロペンタノンを蒸留回収した。有機層の反応終了品1868kg中には2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン 1706kgが含まれていた。
実施例1
脱水管を備えた200mlの3つ口セパラブルフラスコ(ガラス製)に、合成例1で得られた2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン93.5g(純度91%、0.51mol)、リン酸担持活性炭(H3PO4/C:太平化学産業株式会社製,粉末、22.1%含水品、リン含有量;0.012(元素分析))1.93g、5%Pd/C(エボニック デグサ ジャパン社製、粉末、58.6%含水品)7.42g(乾燥重量4.35g)を加え、圧力101kPa(絶対圧)で、水素ガス流通(原料の2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン純分1gあたり12N−mL/hの流量で反応液に吹き込み)下、140℃になるように加熱し混合し、温度が140℃に達した後20時間の反応を行った。反応終了後、反応終了物をGCにより定量した結果、2−ペンチル−2−シクロペンタノンが0.50mol生成し、収率は98%であった。なお、副生物であるカルボニル基の還元体である2−ペンチルシクロペンタノールは検出されなかった。
参考比較例1
200mL SUS製オートクレーブにジアセトンアルコール 100g、5%Pd/C 1g、強酸性イオン交換樹脂「アンバーリスト15」(ローム・アンド・ハース株式会社の登録商標)1gを仕込み、反応温度120℃、水素圧力1.08MPa(絶対圧)で反応を行ったところ、約80分で所定量の水素吸収が認められた。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ジアセトンアルコールの転化率は94.9%、目的物であるメチルイソブチルケトンへの選択率は92.8%となった一方、副生物であるカルボニル基還元体メチルイソブチルカルビノールへの選択率は2.6%であった。
実施例2
1Lの4つ口フラスコに実施例1と同様にして得られたペンチルシクロペンタノンを543g(3.45mol)加え8cmのビグリュー管を付けた蒸留装置で蒸留(槽内温度〜89℃、トップ温度〜80℃、減圧度500Pa;3.8Torr)を行い、純度97.9%の留分を得た。
冷却管・温度計・滴下漏斗を付けた2Lの4つ口フラスコに、上記で得られたペンチルシクロペンタノン200g、トルエン800g、酢酸1.0eq(対原料純分)、水16gを加え、65℃に昇温した。65℃に到達後、35%過酸化水素水173g(1.4eq)を1.5時間で滴下した。滴下後、70℃まで昇温し、そのまま48時間熟成を行った。
熟成後、攪拌を止め静置・分層を行い下層を抜出した。上層に残った過酸を10%亜硫酸ナトリウム水溶液165gで2回水洗する事で分解除去し、更に10%硫酸ナトリウム水溶液100gで2回水洗した。
水洗後の上層を硫酸マグネシウムで乾燥・ろ過し、エバポレーターにより溶媒を留去(〜70℃/2.7kPa(20Torr))した。得られたデルタデカラクトン転化率は92%、選択率は86%であった。溶媒留去後、単蒸留により高沸点部を除去し、20段精留塔で精留精製する事で、純度99%のデルタデカラクトンが得られた。
本発明によれば、2−アルキルシクロアルカノンを高収率、高純度で得ることができる製造方法を提供できる。また、香粧品、フレーバー等に有用な香料素材であるラクトン類を安価に効率よく提供できる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロアルカノンを、酸及び白金族金属触媒の共存下、水素ガス流通下、圧力20〜200kPa(絶対圧)で脱水・水素化させる、下記一般式(2)で表される2−アルキルシクロアルカノンの製造方法。
    Figure 2011043478
    (式中、nは1又は2の整数、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示すか、又はR1とR2とに隣接する炭素原子を介してシクロペンタン環又はシクロヘキサン環を形成してもよい。)
    Figure 2011043478
    (式中、n、R1及びR2は前記と同じである。)
  2. 酸の25℃における1段目の酸解離指数(pKa)が0以上である、請求項1に記載の2−アルキルシクロアルカノンの製造方法。
  3. 酸がリン酸担持活性炭である、請求項1又は2に記載の2−アルキルシクロアルカノンの製造方法。
  4. 酸が固体酸である、請求項1に記載の2−アルキルシクロアルカノンの製造方法。
  5. 固体酸が、アンモニア昇温脱離(TPD)法において、100〜250℃の温度でNH3の脱離を起こす酸点の量(mmol/g)が、250℃より高い温度でNH3の脱離を起こす酸点の量(mmol/g)より多いものである、請求項4に記載の2−アルキルシクロアルカノンの製造方法。
  6. 白金族金属触媒がPd及び/又はPtを含む触媒である、請求項1〜5のいずれかに記載の2−アルキルシクロアルカノンの製造方法。
  7. 反応圧力が50〜150kPa(絶対圧)である、請求項1〜6のいずれかに記載の2−アルキルシクロアルカノンの製造方法。
  8. 請求項1記載の方法によって2−アルキルシクロアルカノンを得た後、さらに、過カルボン酸を用いて酸化反応させる、ラクトンの製造方法。
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