JPWO2011034128A1 - コラーゲンネオエピトープ抗体 - Google Patents

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Abstract

コラーゲンフラグメントのC末端側のネオエピトープに特異的であって、当該ネオエピトープに含まれるプロリンが非水酸化体の場合における結合親和性と、水酸化体の場合における結合親和性が実質的に同一である新規なモノクローナル抗体およびそれを用いたイムノアッセイ、測定方法、キットなどを提供する。ネオエピトープ中のプロリン水酸化体の有無に影響されず、生体試料中のコラゲナーゼ消化に起因するコラーゲンフラグメントを定量することができる。

Description

本発明は、コラーゲンのネオエピトープを認識できるモノクローナル抗体、これに基づくイムノアッセイ、これに基づく測定方法、これに基づくスクリーニング方法、これに基づく患者の選別方法、およびこれに基づくキットに関する。
軟骨分解は、変形性関節症(OA)および慢性関節リウマチ(RA)のような関節疾患の主要な特徴である。このような疾患において軟骨喪失の進行をモニターすることは疾患の管理(予後、診断、および処置を含む)に有用な情報を提供する。現在、軟骨喪失はX線によって関節腔が狭くなっていることを検出することによりモニターされる。しかし、X線診断はその検出感度・精度ともに満足できるものではない。また、X線診断では過去に軟骨喪失が起きたことを示すに過ぎず、現在の軟骨分解の状況を示すものではない。したがって、種々の関節疾患における軟骨崩壊の進行をモニターする代替方法が非常に有用である。
現在、軟骨でのコラーゲン分解が、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)と呼ばれる一群の酵素によって行われることが明らかとなっている。特に、コラゲナーゼ(MMP−1,MMP−8およびMMP−13)のみが、未変性II型コラーゲンの3重らせんの切断を担うことから、コラゲナーゼによる975−976位のアミノ酸残基間の切断がその後のゲラチナーゼ等様々なプロテアーゼによるII型コラーゲンの軟骨マトリクスからの脱落を生じさせるキーイベントと考えられている。なお、ここでのアミノ酸残基はGenbankデータベース:COL2A1(Accession番号:NP001835)の全長配列を参照している。
分解された細胞外マトリクスタンパク質のフラグメントは、軟骨から滑液(SF)へ放出され、その後、血流に乗り全身を循環する。従って、血清中あるいは尿中の軟骨マトリクスタンパク質フラグメントのレベルは通常SFにおけるよりも低いが、これを検出することができればOAおよびRAにおける軟骨分解をより簡便に評価することが可能である。
全身性II型コラーゲンフラグメントを測定することに関しては2つの主要な問題がある。第1に、関節軟骨中のII型コラーゲンのターンオーバーは正常には非常に低いため、血清または尿中のII型コラーゲンフラグメントのレベルも非常に低い。OA軟骨においてII型コラーゲンのターンオーバーの増大はあるが、検出を著しく容易にするほどに十分大きい変化ではない。したがって、非常に感度の高いアッセイが必要とされる。
第2の問題は、コラーゲンを構成するプロリンおよびリジン残基の多くが水酸化修飾されていることである。特にプロリンはコラーゲン蛋白の約3割を占める主要構成成分であり、コラゲナーゼ切断部位近傍にも水酸化プロリンが存在するため、結合親和性に大きく影響することが知られている。
コラーゲンに含まれるプロリンの水酸化はProlyl 4-Hydroxylaseにより鉄とビタミンC依存的に触媒されるため、その程度はコラーゲン合成時の栄養状態などの影響を受けやすく、一定ではない。従って、II型コラーゲンフラグメントを測定するための抗体は、その結合親和性がプロリン水酸化の有無に影響されないものが望ましい。
これまでに、いくつかのコラゲナーゼによって生じるII型コラーゲンフラグメント測定系が発明されているが、いずれにおいても感度、精度において充分ではない。例えばRobin Pooleらのモノクロ抗体COL2-3/4C long(特許文献1)による競合ELISA法においては、コラゲナーゼ切断端構造に対する特異性が低く、さらに切断箇所上流5番目(N末端より971番目)のプロリンの非水酸化体に対しては反応性をほとんど持たない(非特許文献1)。また、Otternessらによるモノクローナル抗体9A4(特許文献2)を用いたサンドイッチELISA法については、コラゲナーゼ切断端構造に対する特異性は高いが、切断端より5残基上流(N末端より971番目)のプロリンの水酸化によりその結合親和性は、約1/90に低下する(非特許文献2)。そのため、大半が水酸化体であるII型コラーゲンフラグメントに対する検出感度は低下する。
以上のように、これまでの抗体はいずれも、コラゲナーゼ切断部位直近のプロリンの水酸化修飾の影響を受けやすいことから、水酸化体と非水酸化体が混在する生体試料中のコラーゲンフラグメント量を正確には測定することはできなかったと言える。
特許2999416号 特許第3258630号
J Immunol Methods 294 (2004) p145-153 J Immunol Methods 247(2001)p25-34
本発明が解決しようとする課題は、生体試料中のコラゲナーゼ消化に起因するコラーゲンフラグメント(コラーゲンネオエピトープ)の量を正確に測定することである。
本発明者らは、コラーゲンのネオエピトープに対するモノクローナル抗体の作製に関して鋭意研究した結果、ネオエピトープのプロリンがヒドロキシ体に変化しても結合能力が変化しない新規なモノクローナル抗体を作製することにより本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)コラーゲンネオエピトープ断片に特異的に結合し、配列番号20で示されるアミノ酸配列の962位から975位に結合する抗体であって、当該エピトープに含まれるプロリンが非水酸化体の場合における結合親和性と、水酸化体の場合における結合親和性が実質的に同一であるモノクローナル抗体、
(2)前記(1)記載のプロリンが、配列番号20で示されるアミノ酸配列における971位のプロリンである前記(1)に記載のモノクローナル抗体、
(3)エピトープが配列番号20で示されるアミノ酸配列の957位から975位の領域に存在する、前記(1)に記載のモノクローナル抗体、
(4)前記(2)に記載の抗体であって、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチドへの該抗体の免疫反応が阻害されるように、配列番号14、17又は18で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを競合させるイムノアッセイにおいて、該免疫反応の50%阻害濃度がいずれのペプチドにおいても0.04μM以下である抗体、
(5)1)相補性決定領域に下記アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;KYGIN(配列番号5)、WINTYSGMTT YADDFKG(配列番号6)、およびSLGYDYGGFAY(配列番号7)、並びに2)相補性決定領域に下記アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;RSGQTLVHDNENTYFH(配列番号8)、KISNRFS(配列番号9)、およびSQNTHVPFT(配列番号10)を有するモノクローナル抗体、
(6)1)配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;および 2)配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;を有するモノクローナル抗体、
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体であってラベルされたモノクローナル抗体、
(8)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いたイムノアッセイ、
(9)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いたコラーゲンネオエピトープ断片の含有量の測定方法、
(10)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて測定したコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を指標とする、コラゲナーゼ活性の測定方法、
(11)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて測定したコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を指標とする、コラゲナーゼ阻害剤のスクリーニング方法、
(12)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて生体試料に含まれるコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を測定する工程を含む、コラゲナーゼが関与する疾患の患者の選別方法、
(13)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体を含むキット、
(14)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて生体試料に含まれるコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を測定する工程を含む、コラゲナーゼが関与する疾患の診断方法、および
(15)コラゲナーゼが関与する疾患の診断に使用するための前記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体、
に関する。
本発明のモノクローナル抗体は、ネオエピトープ末端構造を特異的に認識することができ、プロリン水酸化修飾の影響を受けないので、生体におけるコラーゲンネオエピトープ断片量を正確に検出・定量することができる。
3量体へリックス構造をとる線維性コラーゲン(I型、II型およびIII型)の模式図中のアミノ末端より2/3の位置にコラゲナーゼ切断部位を示す。下段に各種動物のII型コラーゲンのコラゲナーゼ切断部位及び前後のアミノ酸配列を示す。上からヒト,ウシ,イヌ,ラット,マウスの順である。ヒトII型コラーゲンの954−980部分に相当し、切断部位である975−976アミノ酸残基間をアスタリスクで示した。 20A10の様々なC末構造を持つペプチド断片による競合イムノアッセイの結果を示す。 上段の図は、20A10のコラゲナーゼ消化および未消化のコラーゲンによる競合イムノアッセイの結果を示す。下段の表は、コラゲナーゼ消化による特異性の変化とI型、II型およびIII型コラーゲン断片間の交差反応性を示す。 II型コラーゲン特異的モノクローナル抗体との組み合わせによるサンドイッチイムノアッセイの結果を示す。 1.2ng/well MMP−13添加によるII型コラーゲン分解反応において、様々な濃度のMMP阻害剤を添加した場合のコラーゲンネオエピトープ断片濃度の測定値を示す。 1ng/mlヒトインターロイキン1存在下でのウシ軟骨エクスプラント培養において、様々な濃度のMMP阻害剤を添加した場合におけるコラーゲンネオエピトープ断片濃度の測定値を示す。 20A10の可変領域のアミノ酸配列を示す。上段は重鎖について、下段は軽鎖についての可変領域である。また、それぞれにおいて下線をつけた配列は、相補性決定領域の位置を示している。
I 抗体
線維性コラーゲンであるI型、II型およびIII型コラーゲンは3本のペプチド鎖がらせん状に撚り合わさって構成されており、コラゲナーゼ(例えば、MMP−1、MMP−8、およびMMP−13)は、これらの線維性コラーゲン3重鎖を未変性の状態でN末から3:1の位置(975−976アミノ酸残基間)で切断する。そしてN末側4分の3断片のC末端およびC末側4分の1断片のN末端が新たに生じる末端構造を「ネオエピトープ」という(図1)。また、切断により生じたコラゲナーゼ断片を「コラーゲンネオエピトープ断片」という。中でも、ヒトII型コラーゲン(Accession No.NP_001835)のC末端側のネオエピトープ部分(969−975位に該当;以下、C末端ネオエピトープともいう)の7アミノ酸残基 Gly−Pro−Pro−Gly−Pro−Gln−Gly(配列番号1)はヒトからマウスまで動物種間で保存されていることが知られている。また、コラーゲンは高いヒドロキシプロリン含有率で特徴付けられるタンパク質の一つであり、この配列のC末側から5番目(もしくは、N末側から971番目)のプロリン残基も多くの場合に水酸化体(以下、ヒドロキシ体もしくはヒドロキシプロリンともいう)となっており、(配列番号2、Gly−Pro−Hyp−Gly−Pro−Gln−Gly、Hypは水酸化プロリン)その割合はコラーゲン合成時の健康状態や栄養状態による影響を受けやすく一定ではないことから、コラーゲンネオエピトープ断片の正確な定量を妨害していると考えられる。したがって、コラーゲンの分解を免疫学的に測定する場合であれば、ネオエピトープを検出する抗体の特性としては水酸化体と非水酸化体(プロリン)を同程度に免疫特異的に認識できることが本来は望ましい。
本発明のモノクローナル抗体は、C末端側にネオエピトープを有するII型コラーゲンネオエピトープ断片(配列番号20)に含まれるプロリンがヒドロキシ体に変化しても、その結合親和性が変化しないことにより特徴付けられる。ここで「結合親和性が変化しない」とは、ネオエピトープを構成するアミノ酸残基のプロリン(非水酸化体)の場合、およびヒドロキシプロリン(水酸化体)の場合の結合親和性が実質的に同一であることも意味する。
「結合親和性」とは、一般に、免疫グロブリン分子と、この免疫グロブリンが特異的な抗原との間で起こるタイプの非共有結合的な相互作用の強度または親和性をさし、しばしば解離定数(Kd)として表現されうる。
「実質的に同一」とは具体的には、水酸化体(ヒドロキシプロリン)の結合親和性が非水酸化体の結合親和性の値の80%〜120%の範囲内にあること、好ましくは90%〜110%の範囲内にあること、さらに好ましくは95%〜105%の範囲内にあることを意味する。また、非水酸化体(プロリン)である場合と水酸化体である場合の交差反応性が、80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であることを意味する。抗体の結合親和性は、既知の方法により、例えば、ELISAアッセイを用いたスキャッチャード分析(例えば、Campbell、1991;Segel、1976)により、決定され得る。
このようなモノクローナル抗体の代表例としては、20A10を挙げることができる。20A10の可変領域のアミノ酸配列は図6に示す。上段が重鎖(配列番号3)を、下段が軽鎖(配列番号4)の配列を示す。また、下線部は相補性決定領域(CDR)を示す。(配列番号5〜10)
本発明のモノクローナル抗体の作製に用いられる免疫原は、例えば、Antibodies:A Laboratory Manual(1989年、コールドスプリングハーバーラボラトトリープレス)等に記載されている方法により作製することができる。
免疫方法は一般的方法により、例えば免疫原を哺乳動物に静脈内、皮内、皮下、腹腔内注射などにより投与することにより行い得る。より具体的には、例えば免疫原を生理食塩水含有リン酸緩衝液(PBS)、生理食塩水などで適当濃度に希釈し、所望により通常のアジュバントと併用して、供試動物に2〜3週間間隔で数回投与する。マウスを用いる場合は、一回の投与量を一匹あたり50〜100μg程度とする。ここで前記アジュバントとは抗原と共に投与したとき、非特異的に抗原に対する免疫反応を増強する物質をいう。通常用いられるアジュバントとしては、百日咳ワクチン、フロインドアジュバントなどを例示できる。最終免疫後3〜10日目に哺乳動物の採血を行うことによって、抗血清を得ることができる。
モノクローナル抗体の製造方法は、免疫原で免疫した哺乳動物の形質細胞(免疫細胞)と哺乳動物の形質細胞腫細胞(ミエローマ細胞)との融合細胞(ハイブリドーマ)を作製し、これより所望の5’−デオキシ−5’−メチルチオアデノシンを認識するモノクロ−ナル抗体を産生するクローンを選択し、該クローンを培養することにより実施できる。このモノクロ−ナル抗体の製造は、基本的には常法に従うことができる。
該方法において、免疫原で免疫される哺乳動物は、細胞融合に使用する形質細胞腫細胞との適合性を考慮して選択するのが望ましく、マウス、ラットなどが用いられる。免疫方法についてはポリクロナル抗体の作製の場合と同様とする。但し最終免疫後3〜10日目に免疫動物から脾臓細胞を採取する。
得られた免疫細胞からハイブリドーマを得るには、例えば、「分子細胞生物学基礎実験法」(南江堂 堀江武一ら 1994年発行)等に記載されている方法により、継体培養可能な細胞とすることを目的として、例えば、センダイウイルスやポリエチレングリコール存在下、形質細胞腫細胞と抗体を産生する免疫細胞とを融合させて、ハイブリドーマを得ることができる。ここで用いられる形質細胞腫細胞は、同じ恒温動物でも同種の恒温動物由来の形質細胞腫細胞を用いることが望ましく、例えばマウスを免疫動物として得られた脾臓細胞と融合させる場合、マウスミエローマ細胞を用いることが好ましい。形質細胞腫細胞はp3x63−Ag8.UIなどの公知のものを利用できる。
ハイブリドーマは、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン添加培地)により選択し、コロニーが確認された段階で、培養上清に分泌される抗体と抗原との結合を調べる(スクリーニングする)ことにより目的の抗体を産生するハイブリドーマを得ることができる。
スクリーニングする方法としては、例えば、スポット法、凝集反応法、ウエスタンブロット法、ELISA法などの一般に抗体の検出に用いられている種々の方法が挙げられるが、好ましくは、例えば後記実施例に詳述するように、ハイブリドーマの培養上清について、ネオエピトープペプチドとの反応性を指標とするELISA法に従って実施される。このスクリーニングによって、ネオエピトープペプチドと特異的に反応する目的抗体産生株をスクリーニングすることができる。このプロセスに基づいて、得られたクローンとして、クローン20A10を例示する。
スクリーニングの結果得た目的の抗体を産生できる株のクローニングは、通常の限界希釈法、軟寒天法などにより実施できる。クローニングされたハイブリドーマは、必要に応じて、血清培地または無血清培地で大量培養することができる。この培養によれば、比較的高純度の所望抗体を培養上清として得ることができる。また、ハイブリドーマと適合性のある哺乳動物、例えばマウスなどの腹腔に、ハイブリドーマを接種して、所望抗体をマウス腹水として大量に回収することもできる。
本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを含有する培養上清およびマウスの腹水は、精製あるいは修飾することなく粗製抗体液として用いることができる。また
モノクローナル抗体の単離、精製は、上述の培養上清あるいは腹水を、飽和硫酸アンモニウム、イオン交換クロマトグラフィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグロブリンカラムあるいはプロテインAカラム等のアフィニティカラムクロマトグラフィーに供すること等により行うことができる。
また本発明のモノクローナル抗体として、抗体遺伝子をクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型抗体を用いることができる(例えば、Carlら、THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES、1990年発行)。
具体的には、目的とする抗体(例えば、20A10)の可変領域(例えば、20A10であれば配列番号3および4)をコードするcDNAを合成する。cDNAの合成および増幅を行うには5’−Ampli FINDER RACEKit (クローンテック製)およびPCRを用いた5’−RACE法(Frohman、M.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1988年、第85巻、 8998ページなど)を使用することができる。得られたPCR産物から目的とするDNA断片を精製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作成し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とするDNAの塩基配列を公知の方法、例えば、ジデオキシ法により確認する。
目的とする抗体のV領域をコードするDNAが得られれば、これを所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターへ組み込む。または、抗体のV領域をコードするDNAを、抗体C領域のDNAを含む発現ベクターへ組み込んでもよい。本発明で使用される抗体を製造するには、抗体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー/プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。
抗体遺伝子の発現は、抗体の重鎖(H鎖)または軽鎖(L鎖)を別々に発現ベクターに組み込んで宿主を同時形質転換させてもよいし、あるいはH鎖およびL鎖をコードするDNAを単一の発現ベクターに組み込んで宿主を形質転換させてもよい(WO94/11523参照)。
抗体を用いて下記に述べるイムノアッセイ(免疫学的測定法)などを行うにあたって、通常は抗体の挙動を検出可能とするため抗体そのものが種々の物質で標識されうる。本発明のモノクローナル抗体の好ましい態様としては、標識したモノクローナル抗体が挙げられる。抗体を標識するには、例えば「分子細胞生物学基礎実験法」(南江堂 堀江武一ら1994年)等に記載されている常法を用いることにより行うことができる。種々の物質としては化学発光物質、酵素、蛍光物質、着色ビーズ、放射性同位元素、元素、金属類、ビオチンが挙げられる。以下に具体例を示すがこれらに限定されるものではない。化学発光物質とは例えばルミノールやアクリジニウムエステルなどをさす。酵素とは例えばβ−ガラクトシダーゼやアルカリホスファターゼやペルオキシダーゼなどをさす。蛍光物質とは例えばユウロピウムクリプテートやFITCやRITC(などをさす。着色ビーズとは例えばプロテインAビーズ、wheat germ agglutinin(WGA)ビーズ、ストレプトアビジンビーズなどをさす。放射性同位元素とは例えば14Cや125Iや3Hなどをさす。元素とは例えばユウロピウムなどのランタニド元素をさす。金属類とは例えばフェリチンや金コロイドなどをさす。

II イムノアッセイ
本発明のモノクローナル抗体は、コラーゲンネオエピトープ断片のC末端ネオエピトープ構造を特異的に認識することができる。また、このネオエピトープはコラーゲンタイプに非依存的である。そのため、例えば、各種コラーゲンに特異的なエピトープを認識できる抗体(作製方法については上記参照)と組み合わせたサンドイッチアッセイを行うことにより、任意のコラーゲンについてコラーゲンネオエピトープ断片を定量することができる。各タイプのコラーゲンに特異的配列は、この分野における当業者にとっては公知となっている。例えば以下の配列が挙げられる。
I型コラーゲン特異的配列:Gly-Ser-Pro-Gly-Ala-Asp-Gly-Pro-Ala(配列番号11)
II型コラーゲン特異的配列:Gly-Glu-Pro-Gly-Asp-Asp-Gly-Pro-Ser(配列番号12)
III型コラーゲン特異的:Gly-Glu-Lys-Gly-Ser-Pro-Gly-Ala-Gln (配列番号13)
本発明のモノクローナル抗体は標識されたものであってもなくても、イムノアッセイ(免疫学的測定法)に有用である。本発明のモノクローナル抗体を用いたイムノアッセイとしては競合的な測定でも非競合的な測定でも良い。「競合イムノアッセイにおいて抗体の免疫反応の50%阻害濃度が0.04μM以下である」とは例えば配列番号14、17または18で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを0.04μM添加したとき、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチドと抗体との結合の阻害率が50%以上であることを意味する(実施例2)。50%阻害濃度は好ましくは0.04μM以下であり、より好ましくは0.022μM以下である。また、ホモジニアスアッセイ法(均一系による測定)でもヘテロジニアスアッセイ法(不均一系による測定)でもよい。具体的には、例えば、酵素免疫測定法(EIA)、固相酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射線免疫測定法(RIA)、時間分解蛍光免疫測定(TR−FIA)、化学発光免疫測定法、イムノブロット法、ウエスタンブロット法、免疫染色法、SPA法、蛍光偏光測定法(FP)、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)などが挙げられる。
本発明のイムノアッセイの好ましい態様として、ELISA法が挙げられる。ELISA法とは、酵素で標識された抗体または抗原を用い、抗体または抗原の量を標識酵素の活性度により定量する方法である。酵素で標識された抗原抗体結合物と遊離型の標識抗原、または抗体を分離するのに固相化された抗体や抗原が用いられる。固相はアガロース、マイクロタイタープレートの内面、ラテックス粒子等が利用できる。ELISA法として具体的には競合法イムノアッセイやサンドイッチイムノアッセイなどが挙げられる。また標識酵素としては西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼ(以下HRPともいう)やアルカリホスファターゼ等が挙げられる。

III 有用性
本発明のモノクローナル抗体やイムノアッセイは、種々の用途において有用である。たとえば、本発明のモノクローナル抗体やイムノアッセイは、MMPなどのコラゲナーゼの活性の測定に有用である。線維性コラーゲンであるI型、II型、III型コラーゲンの3重鎖を未変性の状態で切断できるのは三種類のコラゲナーゼ( Pendas AM ら、Genomics 1995; 26: 615-8.および Mitchell PGら、J Clin Invest 1996; 97: 761-8)であることが知られている。本発明のモノクローナル抗体は、コラゲナーゼ切断により生じたネオエピトープ断片を特異的に認識できるため、その量を測定することができ、コラゲナーゼの活性の評価が可能である。
また、本発明のモノクローナル抗体やイムノアッセイは、コラーゲンネオエピトープ断片の含有量を指標とするスクリーニング方法に有用である。かかるスクリーニングは被験物質の存在下、発現ベクターなどにより調製したリコンビナントのコラゲナーゼ(精製または部分精製品)を、該酵素の基質(コラーゲン)との結合を可能にする条件下(例えば0.1Mリン酸緩衝液pH7.4、室温)に維持し、被験物質が該酵素の基質の結合を阻害するか否かを調べること、すなわちコラーゲンネオエピトープ断片を定量する。このとき被験物質は、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物(低分子化合物等)、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などのいずれであってもよい。またこれらを含む試料であってもよい。
スクリーニングにより、コラゲナーゼ阻害剤として選別された候補物質はコラゲナーゼが関与することが知られている疾患(例えば変形性関節症、ガンを初めとする増殖性疾患、骨粗鬆症、アルツハイマー病、高血圧症)の予防・治療剤になりうるものである。
また、本発明のモノクローナル抗体やイムノアッセイは、生体試料に含まれるコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を測定する工程を含む疾患患者の選別方法に有用である。例えば、本発明のイムノアッセイは、患者からの生体試料(臨床サンプルにおいて一般的に試験される任意の生物学的液体。例えば、血液、尿、唾液、および汗などの体液、並びに細胞および/または組織の抽出物および上清を含む)中のコラーゲンエピトープ断片の含有量を測定することができる。また生体試料は患者への危険なく容易に得られ、そして測定は簡単および安価である。したがって、コラーゲンネオエピトープ断片の含有量が進行度の指標となるような疾患(例えば、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、ならびに骨の良性腫瘍および悪性腫瘍や軟骨破壊が生じる他の疾患)についての集団の日常的な診断に可能である。さらに本発明のモノクローナル抗体やイムノアッセイは、異なるタイプの変形性関節症または慢性関節リウマチを有する患者において進行中の軟骨コラーゲン分解の程度を決定するために使用され得る。
また、本発明のキットは、被験試料中のコラーゲンネオエピトープ断片を検出するための結合剤として本発明のモノクローナル抗体を含むことを特徴とする。このようなキットは、更に一般的にアッセイを実行するために必要な1つ以上の構成要素を含む。構成要素は、標準品、試薬(希釈液、緩衝液など)、容器および/または装置であり得る。例えば、キット内の1つの容器は、コラーゲンのタイプに特異的な配列(例えば、配列番号11〜13)に結合するモノクローナル抗体を含み得る。このような抗体は、当業者に公知の任意の支持材料(例えば、マイクロタイタープレートにおけるウェルやニトロセルロースなどの適切な膜)に付着されて提供され得る。さらには、アッセイにおいて使用されるべき構成要素(例えば、試薬または緩衝液)を含み得る。このようなキットはまた、あるいは、抗体結合の直接的検出または間接的検出に適切な上記の物質により標識され得る。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、抗体作製手法として、特に断らない限り、Immunochemistry in Practice (Blackwell Scientific Publications)に記載されている方法を用いた。また、遺伝子工学的手法として、特に断らない限り、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd Edition (Cold Spring Harbor Laboratory)に記載されている方法を用いた。
コラーゲンネオエピトープ抗体の作製
(1)抗原の免疫:
Gly−Pro−Hyp−Gly−Pro−Gln−Gly(配列番号:2)に示すヒドロキシプロリンを含むネオエピトープペプチドを合成した(Greiner Bio-one社製)。合成ネオエピトープペプチド10mgを1mlの5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものと、10mgのgiant keyhole limpetsヘモシアニン(マレイミド化KLH、PIERCE社製)を1mlの精製水に溶解したものとを混合し、室温にて4時間、さらに4℃で一晩反応させた。上記の混合液を蒸留水に対して透析後に、凍結乾燥し、ネオエピトープペプチド‐KLH複合体 13mgを得た。
このペプチド‐KLH複合体0.1mgをフロイント完全アジュバントと共に4週令A/J Jms Slc雌マウス7匹に腹腔内投与し、初回免疫とした。その後、21日後、42日後および63日後にペプチド‐KLH複合体0.1mgをフロイント不完全アジュバントと共に追加免疫し、さらに71日後にペプチド‐KLH複合体0.1mgを生理食塩水0.1mlに懸濁した溶液を腹腔内投与し、最終免疫とした。
(2)ネオエピトープペプチドのビオチン標識:
合成ネオエピトープペプチド0.2mgを0.4mlの5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものと、0.60mgのPEO-マレイミド活性化ビオチン(PIERCE社製)を0.1mlの蒸留水に溶解したものとを混合し、室温で2時間反応後に逆相HPLCにてビオチン標識ネオエピトープペプチドを精製した。
(3)ハイブリドーマの作製:
最終免疫の3日後に脾臓を摘出し、脾臓細胞を回収した。脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(p3×63-Ag8.U1、東京腫瘤研究所)を50%のポリエチレングリコール4000を用いて融合させ、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含む培地で選択した。
(4)ネオエピトープ抗体の選択:
細胞融合10日後に特異抗体産生細胞のスクリーニングを以下に説明するELISAを用いて行なった。384穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の各ウェルに0.35μgの抗マウスIgG抗体(シバヤギ社製)を含むトリス緩衝液(50mM Tris-HCl、pH7.5)35μlを加えて4℃で16時間固定した。これらのウェルを90μlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で1回洗浄した後、ブロックエース(大日本製薬社製)を90μl加えて室温で2時間放置して、ブロッキングを行なった(抗マウスIgG抗体固相化プレート)。各ウェルを90μlの洗浄液で1回洗浄した後、15μlのハイブリドーマ培養上清を含む10μlの緩衝液A(0.5% ウシ血清アルブミン、0.01% Tween80、0.05% Proclin150、0.15M NaClを含む50mM トリス緩衝液、pH7.4)および0.05ngのビオチン標識ネオエピトープベプチドと2ngのStreptavidin-HRP(PIERCE社製)を含む10μlの緩衝液Aを混合し、4℃で16時間反応させた。
次に各ウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後に、25μlのTMB-Substrate Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させた後に、25μlの0.05M硫酸を添加して反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。
スクリーニングの結果から、ヒドロキシプロリンを含むネオエピトープペプチドと反応するハイブリドーマクローン9個のうち、ヒドロキシプロリンを含まないネオエピトープペプチドとも親和性を示したハイブリドーマクローンを3個選択した。獲得されたクローンのうち、水酸化の有無に関わらずネオエピトープペプチドに対して強い親和性を示し、さらに上記ネオエピトープペプチドとの結合がコラゲナーゼ消化したII型コラーゲンによって阻害されるクローンを1つ選択し、20A10と命名した。20A10のアイソタイプについてマウスモノクローナル抗体アイソタイピングELISAキット(BDバイオサイエンス社製)を用いて調べた結果、IgG1/κであった。
合成ペプチドを用いたネオエピトープ抗体(20A10)のエピトープ解析
ネオエピトープ抗体(20A10)のネオエピトープ認識特異性を調べるために以下のアミノ酸配列を有するネオエピトープペプチドを用いて以下の方法で行なった。
Asp-Gly-Pro-Ser-Gly-Ala-Glu-Gly-Pro-HyP-Gly-Pro-Gln-Gly (配列番号20で示されるアミノ酸配列の962-975位に該当、配列番号:14)
Gly-Pro-Gln-Gly (972-975位に該当、配列番号:15)
Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Gln-Gly-Leu-Ala-Gly-Gln-Arg (配列番号20で示されるアミノ酸配列の969-980位に該当、配列番号:16)
Gly-Glu-Pro-Gly-Asp-Asp-Gly-Pro-Ser-Gly-Ala-Glu-Gly-Pro-HyP-Gly-Pro-Gln-Gly (配列番号20で示されるアミノ酸配列の957-975位に該当、配列番号:17)
Gly-Glu-Pro-Gly-Asp-Asp-Gly-Pro-Ser-Gly-Ala-Glu-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Gln-Gly (配列番号20で示されるアミノ酸配列の957-975位に該当、配列番号:18)
96ウェルマイクロタイタープレート(ヌンク社製)に1.5μgの抗マウスIgG抗体(シバヤギ社製)を含むトリス緩衝液(50mM Tris-HCl、pH7.5)を150μl加えて4℃で一晩固定した。各ウェルを0.3mlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で1回洗浄した後、ブロックエース(大日本製薬社製)を0.3ml加えて室温で2時間放置してブロッキングを行なった。(抗マウスIgG抗体固相化プレート)各ウェルを0.3mlの洗浄液で1回洗浄した後、0.001−125μMの上記の各ネオエピトープペプチドを含む50μlの緩衝液Aと0.1ngのビオチン標識ネオエピトープペプチド(配列番号:2)と4ngのStreptavidin-HRPを含む50μlの緩衝液Aおよび0.5ngのネオエピトープ抗体(20A10)を含む50μlの緩衝液Aをそれぞれ混合し、4℃で16時間反応させた。次に各ウェルを0.3mlの洗浄液で3回洗浄した後に、0.1mlのTMB-Substrate Chromogenを添加して室温30分間発色させ、0.1mlの0.05M硫酸で反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。
その結果、抗ネオエピトープ抗体20A10との結合にはネオエピトープペプチドの975番目のグリシン残基のカルボキシ末端が必須であること、およびこの末端より上流5残基以上が必須であった(図2の上段のグラフおよび下段の表)。
また、19残基からなるII型コラーゲンのC末端側のネオエピトープ部分のペプチドで、971位がヒドロキシプロリンであるペプチド、およびプロリンであるペプチドを用いた競合イムノアッセイを上記の方法に従って行った。その結果、非水酸化体の交差反応性は91%であり、末端から上流5番目のプロリン残基の水酸化の有無にはほとんど影響を受けないことが確認された(図2の中段のグラフおよび下段の表)。ヒト軟骨コラーゲンにおいて971番目のプロリン残基は81%の割合で水酸化修飾を受けていた例が報告されている。また、先行技術として報告があるネオエピトープ抗体の9A4は同じ位置のプロリンの水酸化体に対する親和性が非水酸化体に比べて90倍以上低いことが報告されている(Downs JTら、Journal of Immunological methods 247 (2001) 25-34)。これに対して、20A10は、非水酸化体、水酸化体のいずれにおいても等しい親和性で結合することができるため、ネオエピトープ断片の検出感度は高く、水酸化修飾の比率が変化しても正確に定量することが可能といえる。
ネオエピトープ抗体(20A10)のコラーゲンのタイプによる特異性評価
ヒトI型、II型あるいはIII型コラーゲン溶液(Chondrex社製)10μg/10μlに2×酵素反応バッファー(0.3M NaCl、10mM CaCl2、0.005% Brij35を含む50mMトリス緩衝液、pH7.6)を10μl添加して中和し、ヒト活性化MMP13(ヒトPro-MMP13(Calbiochem社製)を1mM APMAで37℃、2時間インキュベートして活性化したもの) 0.2μgを添加して37℃で一晩反応した。その後、停止液(EDTA、終濃度5mM)を加えて天然型ネオエピトープ溶液とした。
384ウェルマイクロタイタープレート(ヌンク社製)に0.35μgの抗マウスIgG-Fc抗体(Jackson Immuno Research社製)を含むトリス緩衝液(50mM Tris-HCl、pH7.5)を35μl 加えて4℃で一晩固定した。各ウェルを90μlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で1回洗浄した後、ブロックエース(大日本製薬社製)を0.1ml加えて室温で2時間放置してブロッキングを行なった。(抗マウスIgG抗体固相化プレート)
各ウェルを90μlの洗浄液で1回洗浄した後、6.4−250nMの天然型ネオエピトープ溶液を含む10μlの緩衝液Aと1ng/mlのビオチン標識ネオエピトープペプチド(配列番号:2)と200ng/mlのStreptavidin-HRPを含む10μlの緩衝液Aおよび、15ng/mlのネオエピトープ抗体(20A10)を含む10μlの緩衝液Aをそれぞれ混合し、4℃、16時間反応させた。
次に各ウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後に、25μlのTMB-Substrate Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させた後に、25μlの0.05M硫酸を添加して反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。
その結果、抗ネオエピトープ抗体20A10はMMP13未消化のコラーゲンとは反応しないが、ネオエピトープ末端を含む、MMP13消化コラーゲンとは特異的に反応することが確認された。また、20A10は、I型、II型またはIII型コラーゲンのいずれのネオエピトープともほぼ同等の親和性を持って結合することが確認できた。(図3) 従って、当該抗体は大量の未消化コラーゲンが共存してもバックグランドとならず、高感度でコラーゲンの消化断片を検出できるので、コラゲナーゼ活性を正確に定量することができる。また、サンドイッチ抗体(capture抗体)としてI型あるいはIII型コラーゲンに特異的な部位を認識できる抗体と組み合わせることによってI型およびIII型コラーゲンの分解も測定することが可能である。
II型コラーゲン特異的ネオエピトープ測定系の構築
II型コラーゲンの測定を行うために、C末端側にネオエピトープを有するII型コラーゲンネオエピトープの一部(配列番号20で示されるアミノ酸配列の957-965位に相当)に該当するGly-Glu-Pro-Gly-Asp-Asp-Gly-Pro-Ser(配列番号12)の合成ペプチドを免疫原とし、アミノ末端にシステインリンカー付加、カルボキシル末端にアミド化を施した。この合成ペプチド2.1mgを1mlの5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものと、8mgのgiant keyhole limpetsヘモシアニン(マレイミド化KLH、PIERCE社製)を3mlの5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものと混合し、室温にて3時間反応させた。
上記の混合液を蒸留水に対して透析後に、凍結乾燥し、II型コラーゲン特異的内部配列ペプチド‐KLH複合体 8 mgを得た。このペプチド‐KLH複合体0.004mgをフロイント完全アジュバントと共に4週令A/J Jms SlcおよびBalb/c 雌マウス各4匹に腹腔内投与し、初回免疫とした。
その後、21日後、42日後および63日後にペプチド‐KLH複合体0.1mgをフロイント不完全アジュバントと共に追加免疫し、さらに71日後にペプチド‐KLH複合体0.1mgを生理食塩水0.1mlに懸濁した溶液を腹腔内投与し、最終免疫とした。合成ペプチド0.2mgを0.1mlの5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものと、0.25mgのHPDP-ビオチン(PIERCE社製)を0.1mlのジメチルホルムアミドに溶解したものとを混合し、4℃で一晩反応後に逆相HPLCにてビオチン標識ペプチドを精製した。
最終免疫の3日後に脾臓を摘出し、脾臓細胞を回収した。
脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(p3×63-Ag8.U1、東京腫瘤研究所)を50%のポリエチレングリコール4000を用いて融合させ、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含む培地で選択した。細胞融合10日後に特異抗体産生細胞のスクリーニングを以下に説明するELISAを用いて行なった。384穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の各ウェルに0.35μgの抗マウスIgG抗体(シバヤギ社製)を含むトリス緩衝液(50mM Tris-HCl、pH7.5)35μlを加えて4℃で16時間固定した。これらのウェルを90μlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で1回洗浄した後、ブロックエース(大日本製薬社製)を90μl加えて室温で2時間放置して、ブロッキングを行なった。(抗マウスIgG抗体固相化プレート)各ウェルを90μlの洗浄液で1回洗浄した後、15μlのハイブリドーマ培養上清を含む10μlの緩衝液A(0.5% ウシ血清アルブミン、0.01% Tween80、0.05% Proclin150、0.15M NaClを含む50mM トリス緩衝液、pH7.4)および0.05ngのビオチン標識ベプチドと2ngのStreptavidin-HRP(PIERCE社製)を含む10μlの緩衝液Aを混合し、4℃で16時間反応させた。
次に各ウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後に、25μlのTMB-Substrate Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させた後に、25μlの0.05M硫酸を添加して反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。スクリーニングの結果から、II型コラーゲンの免疫原ペプチド(配列番号12)に強い親和性を示すが、その他のタイプのコラーゲンとは反応しないハイブリドーマクローンを4個選択した。獲得されたクローンのうち、天然II型コラーゲンと反応し、I型、III型コラーゲンとは反応しないクローンを1つ選択し、6G4と命名した。6G4は未変性II型コラーゲンとは反応せず、コラゲナーゼ消化後の変性II型コラーゲンと反応した。
サンドイッチELISA法によるII型コラーゲンネオエピトープ定量測定系の構築
ネオエピトープおよびコラーゲンタイプ特異的内部配列を含む22残基からなる合成ペプチドGly-Glu-Lys-Gly-Glu-Pro-Gly-Asp-Asp-Gly-Pro-Ser-Gly-Ala-Glu-Gly-Pro-Hyp-Gly-Pro-Gln-Gly(954−975位に相当、配列番号19)を検量標準ペプチドとして合成した。HRP標識20A10を調製した。すなわち、20A10のIgG画分1mgを含む5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.5mlに0.1Mメルカプトエチルアミン水溶液0.05mlを加えて37℃で1.5時間反応したのち、PD-10カラム(GEヘルスケア社製)によるゲルろ過を行って還元IgG画分を分取した。Peroxidase(Horse radish由来、Roche社製、HRP)1mgを含む5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.2mlにSulfo-SMCC(PIERCE社製)を加えて室温で2時間反応したのち、PD-10カラム(GEヘルスケア社製)によるゲルろ過を行ってマレイミド化HRP画分を分取した。これに前記の20A10の還元IgG画分を加えて4℃で一夜反応し、高速ゲルろ過(5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0で平衡化したTSK-GEL G3000カラム(東ソー社製)を付属したLC-6Aシステム(島津社製))を行ってHRP標識20A10画分約0.5mgを分取した。96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の各ウェルに1.5μgのII型コラーゲン内部配列特異的抗体6G4を含むトリス緩衝液(50mM Tris-HCl、pH7.5)150μlを加えて4℃で16時間固定した。これらのウェルを300μlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で1回洗浄した後、ブロックエース(大日本製薬社製)を150μl加えて室温で2時間放置して、ブロッキングを行なった。各ウェルを300μlの洗浄液で1回洗浄した後、10-500pM標準ペプチドあるいは被検試料を含む50μlの緩衝液A(0.5% ウシ血清アルブミン、0.01% Tween80、0.05% Proclin150、0.15M NaClを含む50mM トリス緩衝液、pH7.4)および0.05ngのHRP標識ネオエピトープ抗体20A10を含む100μlの緩衝液Aを混合し、4℃で16時間反応させた。次に各ウェルを300μlの洗浄液で3回洗浄した後に、100μlのTMB-Substrate Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させ、100μlの0.05M硫酸を添加して反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。
その結果、コラゲナーゼ消化したII型コラーゲンにのみ反応し、最低検出限界は10pMであった。(図4) 前述の水酸化体に対する親和性が低いネオエピトープ抗体9A4と異なり当該抗体20A10は、非水酸化体、水酸化体のいずれにおいても等しい親和性で結合することから測定値をプロリン/水酸化プロリン比率で換算する必要がなく、また水酸化修飾の影響を受けることなくネオエピトープ濃度を正確に定量することが可能である。
In vitro コラゲナーゼ活性測定系
5 ng/mlのヒトII型コラーゲン溶液(Chondrex社製)を96ウェルマキシソーププレート(NUNC社製)に添加し、4℃で一晩インキュベート後、洗浄バッファー(0.05 M Tris-HCl、 pH7.6)で2回洗浄してコラーゲンコーティングプレートとする。プレインキュベート用プレート(Costar 社製)に酵素反応バッファー(0.3M NaCl、10mM CaCl2、0.005% Brij35を含む50mMトリス緩衝液、pH7.6)とヒトII型コラゲナーゼの一種であるヒト活性化MMP13およびMMP阻害剤を加えて室温で30分間プレインキュベートした後、酵素反応溶液中のコラーゲンネオエピトープ量を上記実施例4で説明したサンドイッチELISA系により測定した。
その結果、添加したMMP13の用量依存的にネオエピトープ測定値は増大し、そのMMP13によるネオエピトープ産生はMMP阻害剤により用量依存的に阻害された。(図5)
ヒト軟骨細胞培養系におけるコラゲナーゼ活性測定系
10ng/mlのヒトII型コラーゲン溶液を96ウェル培養プレート(住友ベークライト社製)に添加し、4℃で一晩インキュベート後、培養メディウム(0.1mg/ml BSA、ITS、50μM L-アスコルビン酸を含むDMEM培地)で1回洗浄してコラーゲンコーティングプレートとする。
正常ヒト由来軟骨細胞(Chondrex社)をコーティングプレートにウェルあたり4×104個播種し、培養メディウムを用いて37℃、5%CO2条件下で培養する。1日後に培養液を交換して、1ng/mlヒトインターロイキン1β(Genzyme社製)および10ng/ml Oncostatin M(Sigma社製)と被験対象のMMP阻害剤を様々な濃度で添加してさらに2日間培養する。4日後に反応停止液(EDTA、終濃度5mM)を添加した後培養上清を回収し、この中に含まれるコラーゲンネオエピトープ濃度を上記実施例4に記載したサンドイッチELISA系により測定することにより、MMP阻害剤の活性を測定した。
その結果、培養軟骨細胞からIL-1β刺激によりMMP13発現が誘導されてII型コラーゲン分解を促進し、MMP阻害剤は用量依存的に軟骨細胞によるコラーゲン分解を阻害していることが確認された。(図6)このことから、本測定系は被験対象のMMP阻害剤の測定に有用であることがわかる。
20A10のアミノ酸配列の解析
樹立されたハイブリドーマ細胞から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて、RNAの抽出を行った。抽出したRNAを1μgから、5’RACE Syatem for Rapid Amplification of cDNA Ends、Version 2.0(Invitrogen社製)を用いて、DNA断片の増幅を行った。増幅された断片は、TOPO TA Cloning Kit(Invitrogen社製)でクローニングされ、Applied Biosystems 3130 Genetic Analyzer(Applied Biosystems社製)で塩基配列を解析した。それにより、可変領域のアミノ酸配列を特定した(図7)。
本発明により、I型、II型、III型コラーゲンのコラーゲンタイプ別にネオエピトープを健康・栄養状態により変化するプロリン水酸化修飾の影響を受けることなく正確に検出・定量することができる。特にII型コラーゲンのコラゲナーゼによる切断は軟骨代謝の指標となり、変形性関節症などの軟骨病変においては、病態進行や治療効果を評価する診断方法やキットとして有用である。また、I型コラーゲンのコラゲナーゼによる切断は全身の結合組織の細胞外基質代謝の指標となり、各種臓器の線維化進行や抗繊維化治療の効果を評価する診断方法やキットとして有用である。

Claims (15)

  1. コラーゲンネオエピトープ断片に特異的に結合し、配列番号20で示されるアミノ酸配列の962位から975位に結合する抗体であって、当該エピトープに含まれるプロリンが非水酸化体の場合における結合親和性と、水酸化体の場合における結合親和性が実質的に同一であるモノクローナル抗体。
  2. 請求項1記載のプロリンが、配列番号20で示されるアミノ酸配列における971位のプロリンである請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. エピトープが、配列番号20で示されるアミノ酸配列の957位から975位の領域に存在する、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  4. 請求項2に記載の抗体であって、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチドへの該抗体の免疫反応が阻害されるように配列番号14、17又は18で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを競合させるイムノアッセイにおいて、該免疫反応の50%阻害濃度がいずれのペプチドにおいても0.04μM以下である抗体。
  5. 1)相補性決定領域に下記アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;KYGIN(配列番号5)、WINTYSGMTT YADDFKG(配列番号6)、およびS LGYDYGGFAY(配列番号7)、並びに2)相補性決定領域に下記アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;RSGQTLVHDN ENTYFH(配列番号8)、KISNRFS(配列番号9)、およびSQNTHVPFT(配列番号10)
    を有するモノクローナル抗体。
  6. 1)配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;および 2)配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;を有するモノクローナル抗体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体であってラベルされたモノクローナル抗体。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いたイムノアッセイ。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いたコラーゲンネオエピトープ断片の含有量の測定方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて測定したコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を指標とする、コラゲナーゼ活性の測定方法。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて測定したコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を指標とする、コラゲナーゼ阻害剤のスクリーニング方法。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて生体試料に含まれるコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を測定する工程を含む、コラゲナーゼが関与する疾患の患者の選別方法。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体を含むキット。
  14. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて生体試料に含まれるコラーゲンネオエピトープ断片の含有量を測定する工程を含む、コラゲナーゼが関与する疾患の診断方法。
  15. コラゲナーゼが関与する疾患の診断に使用するための請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
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