JPWO2011033891A1 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
小型化を図りコストを抑えつつも、異なる3種類の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置を提供するために、回折素子DEを光検出器PDに接近させるように変位させると、回折素子DEを通過した第2光束と第3光束の0次回折光の収束角は変わらないのに対し、第1光束の−1次回折光は、収束角が増大し受光部12Rに適切なスポットサイズで入射するようになる。即ち、回折素子DEを光検出器PDに対して相対的に光軸方向に変位することで、全ての光束をそれぞれ受光部に適切に集光することができる。
Description
本発明は、異なる種類の光ディスクに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置に関する。
近年、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録及び/又は再生(以下、「記録及び/又は再生」を「記録/再生」と記載する)を行える高密度光ディスクシステムの研究・開発が急速に進んでいる。一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光ディスク、いわゆるBlu−ray Disc(以下、BDという)では、DVD(NA0.6、光源波長650nm、記憶容量4.7GB)と同じ大きさである直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり25GBの情報の記録が可能である。
ところで、かかるタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤ/レコーダ(光情報記録再生装置)の製品としての価値は十分なものとはいえない。現在において、多種多様な情報を記録したDVDやCD(コンパクトディスク)が販売されている現実をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDやCDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダとしての商品価値を高めることに通じるのである。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる性能を有することが望まれる。
高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できるようにする方法として、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを情報を記録/再生する光ディスクの記録密度に応じて選択的に切り替える方法が考えられるが、複数の光学系が必要となるので、小型化に不利であり、またコストが増大する。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。そして、光ディスクに対向して配置される対物光学素子をなるべく共通化することが光ピックアップ装置の構成の小型化・低コスト化に最も有利となる。
特許文献1、2には、小型化・低コスト化を図るため、互いに異なる3つの波長の光束を出射できる半導体レーザを1パッケージに収容した光源及び共通の光検出器を用いて、高密度光ディスクと従来のDVD及びCDに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置が記載されている。
ところで、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源を用いれば、光学系の共通化を図ることが出来、光ピックアップ装置のコンパクト化・低コスト化を図ることができる。しかしながら、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源を用いる場合、以下に述べるような問題がある。
特許文献3には、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源が開示されている。特許文献3によれば、405nm前後の光束を出射するいわゆる青紫色半導体レーザは、GaN基板に形成されるが、655nm前後の光束を出射するいわゆる赤色半導体レーザと、785nm前後の光束を出射するいわゆる赤外半導体レーザとは、GaAs基板に形成されている。ここで、同一基板上に異なる半導体レーザを形成する場合(モノリシック構造という)、比較的容易に発光点の光軸方向の位置決めを精度良く行うことができる。
このような構成の3波長レーザ1パッケージの光源では、モノリシック構造の2波長レーザ素子の光軸方向の位置決めは精度よく行えるのに対し、残りの1波長レーザ素子は他の2波長チップとは異なるチップ上に設けられるため、残りの1波長レーザ素子の光軸方向位置を他の2波長レーザ素子の光軸方向位置に対して精度よく設けることが困難となる。
特にモノリシック構造でない1波長の光源の位置が残りの光源に較べて光軸方向に差異が生じると、受光部において、モノリシック構造でない1波長の光束の集光位置が光軸方向に関して他の波長の光束の集光位置と異なることになる。この結果、複数の受光部が一体化された光検出器を用いる場合には、1つの光源からの出射光に対しては光ディスクに対物レンズ出射光が結像したとき、光ディスクからの反射光が受光部上で適切に集光させるよう調整することはできても、3つの波長の光束すべてを、焦点誤差を検出するための受光面上に同様に集光させることができなくなる。従って、ある波長の光に対しては、受光部において良好な集光状態となり適切な焦点検出信号が得られるものの、他の波長の光束に対しては、他の受光部において所定より大きなサイズの集光スポットとなり適切な光ディスク再生信号が得られなくなったり、焦点誤差検出信号用の受光部において所定とは異なる形状サイズの集光スポットとなることで焦点検出信号にオフセットが発生するといった問題が生じることになる。
本発明は、上述の問題を考慮したものであり、小型化を図りコストを抑えつつも、異なる3種類の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部と、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部とがユニット化された光源と、対物レンズと、光検出器とを有し、前記第1発光部からの光束を、前記対物レンズにより第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を、前記対物レンズにより第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第3発光部からの光束を、前記対物レンズにより第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において、
前記光源は、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部に対して光軸方向に位置をずらせて配置され、
前記光検出器は、第1受光部と、第2受光部と、第3受光部とを有し、
前記光源と前記光検出器との間の光路内に、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子が配置されており、
前記回折素子は回折構造を有し、前記回折構造の回折作用により、前記第1光束が入射したときには発散角又は収束角を変更した前記第1光束が前記第1受光部に導かれ、前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには発散角又は収束角を変更しない前記第2光束および前記第3光束が前記第2受光部および前記第3受光部にそれぞれ導かれることを特徴とする。
前記光源は、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部に対して光軸方向に位置をずらせて配置され、
前記光検出器は、第1受光部と、第2受光部と、第3受光部とを有し、
前記光源と前記光検出器との間の光路内に、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子が配置されており、
前記回折素子は回折構造を有し、前記回折構造の回折作用により、前記第1光束が入射したときには発散角又は収束角を変更した前記第1光束が前記第1受光部に導かれ、前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには発散角又は収束角を変更しない前記第2光束および前記第3光束が前記第2受光部および前記第3受光部にそれぞれ導かれることを特徴とする。
本明細書で、焦点誤差を検出するための受光部(面)とあるのは、焦点誤差検出やトラッキング誤差検出以外の機能、たとえば光ディスクに記録されたマークの読み取り機能を合わせて持っていてもよいということはもちろんのことである。又、「受光部に導かれる」とは、例えば対物レンズの駆動制御やピット情報検出が可能な信号を出力できるように導かれることを意味する。
本発明の原理を説明する。図1において、平行平板である回折素子DEの表面には、輪帯状の回折構造が形成されているものとする。かかる回折構造は、波長λ2の第2光束と波長λ3の第3光束を通過させたとき、発散角又は収束角を変化させないが、波長λ1の第1光束は、発散角又は収束角を変化させる回折作用を発揮するようになっている。このような回折作用としては、例えば第1光束が入射したときは−N(Nは自然数)次回折光を発生させ、第2光束及び第3光束が入射したときはそれぞれ0次回折光を発生させるものがあるが、これに限られない。この例では、第1光束〜第3光束は、全て収束光の状態で回折素子DEに入射し、第1光束の−N次回折光は、更に収束角を減少して光検出器PDの第1受光部12Rに入射し、第2光束及び第3光束の0次回折光は、それぞれ光検出器PDの第2受光部22R及び第3受光部32Rに入射するようになっているものとする。
例えば、ユニット化された光源LDPにおける第2発光部LD2と第3発光部LD3が同一のチップ(モノリシックチップ)CP2上に形成され、第1発光部LD1が、第2発光部LD2及び第3発光部LD3とは異なるチップ(ハイブリッドチップ)CP1上に形成されている場合、チップCP1,CP2が別体であるため、製造誤差により第1発光部LD1が、第2発光部LD2及び第3発光部LD3に対して光軸方向に距離Δだけシフトしている可能性が高い。このような光軸方向のシフト、例えば図1に示すように、第1発光部LD1が、第2発光部LD2及び第3発光部LD3よりも対物レンズまでの距離が大きい場合、回折素子がないとすると、光ディスクDVD及びCDから反射された第2光束及び第3光束を、光束分離素子PBSで分離してセンサレンズSNを介して光検出器PDの第2受光部22R及び第3受光部32Rに適切なスポットサイズで入射させることができる状態のとき、光ディスクBDから反射された第1光束は、光束分離素子PBSで分離してセンサレンズSNを介して光検出器PDの第1受光部12Rより遠方において集光することとなり、かかる場合第1受光部12R上でスポットサイズが大きくなり過ぎ、適正な読み取り信号を得ることができない(第1発光部LD1が第2発光部LD2及び第3発光部LD3よりも対物レンズOBJから遠く、対物レンズOBJがBDに対し合焦している場合)。これに対し、光源LDPと光検出器PDとの間の光路内に、回折素子DEを挿入し、その回折構造の回折作用を利用して第1光束の収束角を減少させた−N次回折光を発生させ、更に回折素子DEを光軸方向の適切な位置に変位させることで、かかる−N次回折光を第1受光部12Rに入射させて、適切なスポットサイズ(図1(b)に示す第1受光部12R上の実線円→点線円)とすることができ、これによりいずれの受光部12R〜32Rにおいても適切な信号を発生させることができる。回折素子DEを光検出器PDに対して光軸方向に変位させ、例えば実線の位置から点線の位置に変位させれば、収束角自体は変化しないものの、第1光束の断面位置が変わるため、これにより第1受光部12R上における適切なスポットサイズを選択することができるのである。
これとは逆に、第2光束及び第3光束を光検出器PDの第2受光部22R及び第3受光部32Rに適切なスポットサイズで入射させた状態で、第1光束が第1受光部12Rより近い位置において集光する場合(第1発光部LD1が第2発光部LD2及び第3発光部LD3よりも対物レンズOBJに近い場合)には、別の回折素子を用いて第1光束の収束角を増大させた+N次回折光を発生させ、かかる+N次回折光を第1受光部12Rに入射させて、適切なスポットサイズを得ることができる。但し、上述と同様に第2光束及び第3光束が入射したら0次回折光を発生することが好ましいことは勿論である。
明らかであるが、回折素子DEの光軸方向位置を変化させることで、第2受光部22R及び第3受光部32Rにおけるスポットサイズを変えることなく、第1受光部12Rのスポットサイズを任意の大きさに設定できる。例えば図1の例では、回折素子DEを光ディスク側に変位させれば、スポットサイズは小さくなる。光ピックアップ装置において、適切な位置に回折素子DEをセットした状態で接着剤等を用いて固定すると好ましい。
尚、本発明にかかる回折素子は、波長λ1の第1光束のみに対して発散角又は収束角を変更し焦点補正作用を与えるが、波長λ2の第2光束、波長λ3の第3光束に関しては、焦点補正作用を与えなければ回折作用を持っていても構わない。例えば、第2の光束及び第3の光束について、所定の外側領域をフレアにするような回折作用を与えても良い。
又、「発散角又は収束角を変更する」とは、回折素子を介して(透過または反射して)光源から光ディスクへ向かう光束、または光ディスクからの光束を光検出器へ向かうよう分離させた光束に対してその発散・収束状態を変える作用を発揮することであり、方向は発散方向、収束方向のどちらでも構わない。また発散・収束状態を変える作用は光軸を中心とする軸対称の作用であるとは限らず、センサー系に適用の場合は受光部に導かれる光束に対して非点収差を与える作用、または(例えばシリンドリカルレンズが組み込まれた受光系において)非点収差の状態を変える作用である場合をも含む。
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、請求項1に記載の発明において、前記光源は、前記第2発光部と前記第3発光部が同一のチップ上に形成され、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部とは異なるチップ上に形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記回折構造に前記第1光束が入射したときに、前記回折構造から出射するn(nはゼロでない整数)次回折光が前記第1受光部に入射して、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられることを特徴とする。
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記光ディスクからの反射光と前記光源から出射した光束とを分離するための光束分離素子を有し、前記回折素子が、前記光束分離素子と前記光検出器との間に配置されていることを特徴とする。
図1を参照して説明したように、回折素子が、前記光束分離素子と前記光検出器との間に配置されており、例えば第1発光部LD1が、第2発光部LD2及び第3発光部LD3より対物レンズOBJに近い側に位置している場合、回折素子DEがないとすると、第1光束の集光位置が、第2光束の集光位置及び第3光束の集光位置より奥側(対物レンズOBJより遠い側)に位置してしまうので、これらが光検出器PDの同一面上にある第1受光部12R〜第3受光部32R上で適切なスポットサイズとなるよう補正するために、入射する第1光束に対して発散角を減少させ又は収束角を増大させる回折素子DEを用いる。これにより、第1発光部LD1の位置バラツキは回折素子DEの変位調整で、吸収することができる。逆に第1発光部LD1が、第2発光部LD2及び第3発光部LD3より対物レンズOBJより遠い側に位置している場合、第1光束の集光位置が、第2光束の集光位置及び第3光束の集光位置より手前側(対物レンズOBJに近い側)に位置してしまうので、これらが光検出器PDの同一面上にある第1受光部12R〜第3受光部32R上で適切なスポットサイズとなるよう補正するために、入射する第1光束に対して発散角を増大させ又は収束角を減少させる回折素子DEを用いればよい。尚、回折素子DEに入射する第1光束が収束光である場合、回折素子DEは収束光の収束角を増大もしくは減少させることとなるが、例えば光束分離素子PBSと光検出器PDとの光路内に別な光学系を挿入して、光ディスクからの反射光である第1光束を一旦発散光とした後に回折素子DEに入射させ、更に収束光に変換して光検出器に入射させる構成も考えられ、かかる場合には回折素子は発散光の発散角を減少もしくは収束角を増大させる機能を有することとなる。
以上の構成の場合、基本的には第1発光部LD1が光軸方向に位置シフトして第1受光部12Rに適正なサイズのスポットができないとき、これを適切サイズにするようにしたものだが、各受光部は光ディスク記録マークの再生のための受光部であっても焦点検出のためのものであってもよい。たとえば光ディスク記録マークの再生の場合であれば、受光部に入射する光ディスクからの反射光が受光部の範囲に入ればよい。つまり受光部内にスポットが入るか入らないかが問題となる。この場合、回折素子を移動させてスポットを受光素子に入れるような調整をすることになる。
また各受光部が焦点誤差検出のためである場合は次のようになる。第1発光部LD1が、第2発光部LD2及び第3発光部LD3に対して光軸方向にシフトしている場合、光ディスクからの第1光束の反射光は第2光束および第3光束の反射光とは光軸方向に異なる集光点位置を有すことになる。この結果、第1光束は、第2光束及び第3光束に対して焦点誤差信号に差異(オフセット)がのることになる。このため第2光束及び第3光束については適切なフォーカスサーボがかけられるが、第1光束は焦点ずれのままフォーカスサーボがかけられるといった問題が生じる。焦点誤差信号のずれは、受光部に入射するビームの集光点の位置、すなわち光ディスクの記録面に対して対物レンズが合焦したときにおける光ディスクからの反射ビームの(焦点誤差検出用)受光部上でのスポットサイズやスポット形状に依存する。合焦時における受光部でのスポットサイズや形状が適正なものからずれるほど、フォーカスサーボにオフセットがのることになり、記録再生性能が低下する。本発明によれば、かかる問題をクリアすることができる。
請求項5に記載の光ピックアップ装置は、請求項4記載の発明において、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられる前記第1光束が入射したときには発散角を増大させ又は収束角を減少させるが、前記第2光ディスク及び前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられる前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには発散角又は収束角を変更しない選択的発散角増大素子が、前記回折素子と前記光束分離素子との間に配置され、前記回折素子と前記選択的発散角増大素子の少なくとも一方が光軸方向に変位可能となっていることを特徴とする。
本発明の原理を説明する。光源から光ディスクまでの構成は図1と同じであるため省略した図2において、平行平板である回折素子DEの表面には、輪帯状の回折構造が形成されているものとする。かかる回折構造は、波長λ2の第2光束と波長λ3の第3光束を通過させたとき、発散角又は収束角を変化させないが、波長λ1の第1光束は、(発散角を減少させ又は)収束角を増大させる回折作用を発揮するようになっている。このような回折作用としては、例えば第1光束が入射したときは−N(Nは自然数)次回折光を発生させ、第2光束及び第3光束が入射したときはそれぞれ0次回折光を発生させるものがあるが、これに限られない。一方、回折素子DEの光ディスク側(光検出器側でも良い)に配置された選択的発散角増大素子RIEは、平行平板の表面に輪帯状の回折構造が形成されているものとする。かかる回折構造は、波長λ2の第2光束と波長λ3の第3光束を通過させたとき、発散角又は収束角を変化させないが、波長λ1の第1光束は、(発散角を増大させ又は)収束角を減少させるようになっている。このような回折作用としては、例えば第1光束が入射したときは+m(mは自然数でm>N)次回折光を発生させ、第2光束及び第3光束が入射したときはそれぞれ0次回折光を発生させるものがあるが、これに限られない。それ以外の構成は、図1の例と同様である。
図1の例では、例えば第1発光部LD1が、第2発光部LD2及び第3発光部LD3よりも対物レンズOBJに対して光軸方向の近い側にシフトしていた場合と、遠い側にシフトしていた場合とで、発散角を減少させ又は収束角を増大する回折素子と、発散角を増大させ又は収束角を減少する回折素子の2種類の回折素子を使い分ける必要があり、調整に手間取るという課題がある。そこで、本発明では、光ディスク側から反射した第1光束を、選択的発散角増大素子RIEで、強制的に(発散角を増大させ又は)収束角を減少させた+m次回折光を発生させることで、回折素子がないとした場合に、殆ど第1光束の集光位置が、第2光束の集光位置及び第3光束の集光位置より奥側(対物レンズOBJより遠い側)になるように集光させることができる。かかる場合、光源と光検出器との間の光路内に、回折素子DEを挿入し、その回折構造の回折作用を利用して第1光束の(発散角を減少させ又は)収束角を増大させた−N次回折光を発生させ、かかる−N次回折光を第1受光部12Rに入射させて、適切なスポットサイズとすることができ、これによりいずれの受光部においても適切な信号を発生させることができる。尚、これとは逆に、選択的発散角増大素子RIEで−m次回折光を発生させ、回折素子DEで+N次回折光を発生しても良い。
又、選択的発散角増大素子としては回折素子に限られず、例えば使う波長に応じて印加電圧をon・offすることで入射光束に対して選択的に発散角又は収束角の度合いを変えられる液晶素子を用いることもできる。
請求項6に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記回折素子が、前記光源から前記対物レンズまでの光路中に配置されていることを特徴とする。
例えば光ピックアップ装置におけるコンパクト化を図るなどの理由により、回折素子を光束分離素子と光検出器との間に配置できない場合もある。このような場合には、後述の図7のように、回折素子を光源から対物レンズまでの光路中に配置することもできる。このとき、第1発光部が、第2発光部及び第3発光部より光軸方向対物レンズに近い側に位置している場合、回折素子がないとすると、第1光束の集光位置が、第2光束の集光位置及び第3光束の集光位置より奥側(対物レンズより遠い側)に位置してしまうので、第1発光部を第2発光部及び第3発光部と光軸方向に関して等価位置とするため、第1光束に対して発散角を減少させ又は収束角を増大させる回折素子を用いることになる。
ここで、3波長の光束ともそれぞれの光束に対して焦点誤差検出に非点収差法を用いるとする。各受光部はいずれも田の字に4分割されており、非点収差法による焦点誤差信号FEを得る。(公知なのでFE信号の説明は省略する。)フォーカスサーボ調整は、波長λ2の第2光束で一旦フォーカスサーボ調整を行い、次に波長λ1の第1光束を用いて対物レンズが光ディスク記録面に合焦位置に来たときにFE=0となるよう回折素子を光軸方向に変位調整する。
逆に第1発光部が、第2発光部及び第3発光部より対物レンズより光軸方向に遠い側に位置している場合、回折素子がないとすると、第1光束の集光位置が、第2光束の集光位置及び第3光束の集光位置より手前側(対物レンズに近い側)に位置してしまうので、第1発光部を第2発光部及び第3発光部と光軸方向に関して等価位置とするため、第1光束に対して発散角を増大させ又は収束角を減少させる回折素子を用いることになる。尚、光源とコリメートレンズとの間に回折素子を挿入すると、回折素子に入射する第1光束が発散光となるが、かかる場合には回折素子は発散光の発散角を増大もしくは減少させることとなる。しかし、例えば前記光源と前記対物レンズとの光路内に別な光学系を挿入して、第1発光部LD1からの発散光である第1光束を一旦収束光とした後に回折素子DEに入射させ、更に発散光に変換して光検出器に入射させる構成も考えられ、かかる場合には回折素子は収束光の収束角を増大もしくは減少させる機能を有することとなる。
請求項7に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記回折構造に前記第1光束が入射したときに、前記回折構造から出射する+n(nは自然数)次回折光及び−n’(n’は自然数)次回折光のうち一方が前記第1受光部に入射して、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられることを特徴とする。
本発明の原理を説明する。図3において、平行平板である回折素子DEの表面には、輪帯状の回折構造が形成されているものとする。かかる回折構造は、波長λ2の第2光束と波長λ3の第3光束を通過させたとき、発散角又は収束角を変化させないが、波長λ1の第1光束は、(発散角を減少させ又は)収束角を増大させる回折作用を発揮するようになっている。このような回折作用としては、例えば第1光束が入射したときは−n’(n’は自然数)次回折光及び+n(nは自然数)次回折光を発生させ、第2光束及び第3光束が入射したときはそれぞれ0次回折光を発生させるものがあるが、これに限られない。尚、+n次回折光と−n’次回折光とは、それぞれ光量が等しいか、或いは一方が最大の時は他方が2番目に光量が大きいと好ましい。n=n’でもよい。
図3の例では、第2光束及び第3光束は省略されており、回折素子DEの光ディスク側に、非点収差光学系CYが配置されている。非点収差光学系CYに第1光束λ1が入射したときに、2つの焦線を形成する非点収差が与えられるようになっている。図3で示す実線は、奥側(対物レンズから遠い側)に集光する焦線を作る光線を示し、点線は、手前側(対物レンズに近い側)に集光する焦線を作る光線を示している。更に、非点収差が与えられた第1光束λ1は、回折素子DEに入射して、収束角を増大させた−n’次回折光(以下、図3においては、符号(−λ1)で示す)と、収束角を減少させた+n次回折光(以下、図3においては、符号(+λ1)で示す)とが発生することとなる。
図1の例では、例えば第1発光部が、第2発光部及び第3発光部よりも対物レンズに対して光軸方向の近い側にシフトしていた場合と、遠い側にシフトしていた場合とで、発散角を減少させ又は収束角を増大する回折素子と、発散角を増大させ又は収束角を減少する回折素子を使い分ける必要があり、調整に手間取るという課題がある。これに対し、本発明では、回折素子に第1光束を入射させると同軸で焦点位置が異なる2つの回折光が発生するので、光検出器PDを図3の実線で示す位置(後方最小錯乱円が形成される奥側位置)と、一点鎖線で示す位置(前方最小錯乱円が形成される手前側位置)のいずれに配置しても、適切なスポットサイズの第1光束を検出できることとなる。従って、光検出器PDが図3の奥側位置と手前側位置との間にある場合であって、発散角を増大させ又は収束角を減少する回折素子DEを用いる場合、第1発光部が第2発光部及び第3発光部に対して対物レンズに近いときは、光検出器PDを奥側位置に固定して、回折素子DEを光軸方向に変位調整すればよい。一方、第1発光部が第2発光部及び第3発光部に対して対物レンズから遠いときは、光検出器PDを手前位置に固定して、回折素子DEを光軸方向に変位調整すればよい。尚、発散角を減少させ又は収束角を増大する回折素子を用いる場合、以上とは逆の関係となる。以上により、第1発光部の第2発光部及び第3発光部に対する光軸方向位置に関わらず、同一の回折素子DEを用いて、第1受光部12Rにおけるスポットサイズの調整を行える。本発明は、特に分割した2本の光束が同軸であるから、受光部を共通化できるというメリットがある。
ここで、第1発光部の光軸方向位置ずれにともなう焦点誤差信号のオフセットを取り除く方法を説明する。図3において、不図示の光ディスクから反射された3つの各光束は、非点収差光学系CY及び回折素子DEを通過し、個別に田の字に分割された光検出器PDの各受光部(後述する図8の12R〜32R参照)に導かれる。まず、波長λ2の第2光束について対物レンズ(不図示)が光ディスクの情報記録面に合焦したとき、光ディスクからの反射光束が第2受光部の田の字の中心で最小錯乱円となるよう非点収差光学系CYを光軸方向に、また光検出器PDを光軸垂直方向に調整することで、第2光束のフォーカスサーボ調整がおこなわれる。一方、第3発光部は第2発光部と同一チップに形成されているので、第2光束のフォーカスサーボが調整された時点で第3光束についてもフォーカスサーボ調整が行われたことになる。ただし第2受光部及び第3受光部の光軸垂直面内の位置関係は、両発光点の位置関係と光学倍率に基づいて適切に設計されているものとする。
次に第1光束について調整する。回折素子DEを介した光束は、同一の光軸上に沿って+n次回折光(+λ1)と、それよりも集光位置が回折素子DEに近い−n’次回折光(−λ1)の2光束に分割される。ただし、これらの光束は別個の非点収差光学系CYによって非点収差が与えられ、+n次回折光(+λ1)と−n’次回折光(−λ1)のそれぞれの集光点には、光束の非点収差による最小錯乱円が生じる。
いま第1発光点が、第2発光点及び第3発光点に対して対物レンズ側に位置しているとする。先の説明と同じようにして、回折素子DEで分割されたλ1の+n次回折光(+λ1)と−n’次回折光(−λ1)のうち、手前側に集光する−n’次回折光(−λ1)の光束の最小錯乱円が、第1受光部に位置するよう回折素子DEを光軸方向に変位調整することができる。これにより第1光束、第2光束、第3光束の全てが適切にフォーカスサーボ調整される。
なお、このとき+n次回折光(+λ1)の与えられたスポットは、−n’次回折光(−λ1)の与えられたスポットと同一の光軸上にあるため、同様に光検出器PDに入射することになるが、手前側集光点(収束作用の与えられた光束の集光点)と後方集光点(発散作用の与えられた光束の集光点)の間隔を所定以上の距離としておけば(例えばn,n’を適切な値とする)、光検出器PD上でのこのスポットは受光部面積よりはるかに大きなものとなり、対象としない光束による影響は十分小さなものにすることができる。非点収差光学系は、回折素子と一体的に形成されていても良い。
図4は、図3の構成において、光検出器PDを手前側位置近傍に配置した状態におけるスポットの例を示しており、(a)が対物レンズのフォーカス状態、(b)、(c)がそれぞれ対物レンズのデフォーカス状態を示している。図4においては、−n’次回折光(−λ1)が第1受光部12Rに集光して円形もしくは楕円形のスポットを形成するので、スポット形状を検出することで、フォーカス状態を検出できる。かかる場合、図3の構成によれば、+n次回折光(+λ1)も光検出器PDに入射するが、焦点位置が異なるので点線で示すようにフレア光となって薄く広がるため、第1受光部12Rの誤検出を招かないようになっている。
請求項8に記載の光ピックアップ装置は、波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部と、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部とがユニット化された光源と、対物レンズと、光検出器とを有し、前記第1発光部からの光束を、前記対物レンズにより第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を、前記対物レンズにより第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第3発光部からの光束を、前記対物レンズにより第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において、
前記光源は、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部に対して光軸方向に位置をずらせて配置され、
前記光ディスクからの反射光と前記光源から出射した光束とを分離するための光束分離素子を有し、前記光束分離素子と前記光検出器との間の光路内に、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子が配置されており、
前記光検出器は、第1a受光部と第1b受光部と、第2受光部と、第3受光部とを有し、
前記回折素子は回折構造を有し、前記回折構造の回折作用により、前記第1光束が入射したときには第1a光束と第1b光束を分岐させ、更に入射した前記第1光束の発散角又は収束角に対して前記第1a光束の発散角を増大させ又は収束角を減少させるが、前記第1b光束の発散角を減少させ又は収束角を増大させ、前記回折構造を通過して発散角を増大させ又は収束角を減少させた前記第1a光束が前記第1a受光部に導かれるか或いは前記回折構造を通過して発散角を減少させ又は収束角を増大させた前記第1b光束が前記第1b受光部に導かれる一方で、前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには光束を分岐させず且つ発散角又は収束角を変更せず、前記回折構造を通過して発散角又は収束角を変更しない前記第2光束および前記第3光束が前記第2受光部および前記第3受光部にそれぞれ導かれることを特徴とする。
前記光源は、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部に対して光軸方向に位置をずらせて配置され、
前記光ディスクからの反射光と前記光源から出射した光束とを分離するための光束分離素子を有し、前記光束分離素子と前記光検出器との間の光路内に、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子が配置されており、
前記光検出器は、第1a受光部と第1b受光部と、第2受光部と、第3受光部とを有し、
前記回折素子は回折構造を有し、前記回折構造の回折作用により、前記第1光束が入射したときには第1a光束と第1b光束を分岐させ、更に入射した前記第1光束の発散角又は収束角に対して前記第1a光束の発散角を増大させ又は収束角を減少させるが、前記第1b光束の発散角を減少させ又は収束角を増大させ、前記回折構造を通過して発散角を増大させ又は収束角を減少させた前記第1a光束が前記第1a受光部に導かれるか或いは前記回折構造を通過して発散角を減少させ又は収束角を増大させた前記第1b光束が前記第1b受光部に導かれる一方で、前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには光束を分岐させず且つ発散角又は収束角を変更せず、前記回折構造を通過して発散角又は収束角を変更しない前記第2光束および前記第3光束が前記第2受光部および前記第3受光部にそれぞれ導かれることを特徴とする。
本発明の原理を説明する。本発明においては、図5に示すように、波長λ1の第1光束が入射したときに、例えば第1回折光としての第1a光束と、第1a光束とは光軸が異なる第2回折光としての第1b光束を発生させる回折構造を有する回折素子DE’を、光束分離素子である偏光ビームスプリッタPBSと光検出器PDとの間に配置して用いる(図1参照)。入射した第1光束の発散角又は収束角に対して、第1a光束の発散角は増大し又は収束角は減少する一方、第1b光束の発散角は減少し又は収束角は増大するようになっている。更に、回折素子DE’の回折構造は、第2光束及び第3光束が入射したときには光束を分岐させず且つ発散角又は収束角を変更しないようになっている。このような回折構造を持つ回折素子は、例えば特開2005−174503号公報に示されている。光検出器PD’は、第1a光束を受光する第1a受光部12Rと、第1b光束を受光する第1b受光部12R’を光軸直交方向にずらせて配置している。尚、図5においては、第2光束及び第3光束、光検出器PD’の第2受光部及び第3受光部は省略しており、点線は回折素子DE’がない場合における第1光束を示している。
図1の例では、例えば第1発光部が、第2発光部及び第3発光部よりも対物レンズに対して光軸方向の近い側にシフトしていた場合と、遠い側にシフトしていた場合とで、発散角を減少させ又は収束角を増大する回折素子と、発散角を増大させ又は収束角を減少する回折素子の2種類を使い分ける必要があり、調整に手間取るという課題がある。これに対し本発明では、回折素子DE’に第1光束を入射させると非同軸で焦点位置が異なる2つの光束が発生するので、回折素子DE’と光検出器PDとの相対位置を調整することで、適切なスポットサイズの第1光束を検出できることとなる。例えば、第1発光部が第2発光部及び第3発光部に対して対物レンズに近いときは、光検出器PD’の第1a受光部12Rを用いて、第1a光束を検出すればよい。一方、第1発光部が第2発光部及び第3発光部に対して対物レンズから遠いときは、光検出器PD’の第1b受光部12R’を用いて、第1b光束を検出すればよい。尚、発散角を減少させ又は収束角を増大する回折素子を用いる場合、以上とは逆の関係となる。以上により、第1発光部の第2発光部及び第3発光部に対する光軸方向位置に関わらず、同一の回折素子DE’を用いて、第1a受光部12R又は第1b受光部12R’におけるスポットサイズの調整を行える。
請求項9に記載の光ピックアップ装置は、請求項8に記載の発明において、前記光源は、前記第2発光部と前記第3発光部が同一のチップ上に形成され、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部とは異なるチップ上に形成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記回折素子に前記第2光束及び前記第3光束が入射したときに、回折作用が与えられない光束が前記第2受光部及び前記第3受光部にそれぞれ入射して、前記第2光ディスク及び前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられることを特徴とする。例えば、前記第2光束及び前記第3光束については前記回折素子を素通りする光束を、それぞれ第2受光部及び第3受光部に導くことができる。なお、前記回折素子は、前記第2光束及び前記第3光束については集光/発散作用を与えないが、方向を変えるなどの回折作用を発揮することは任意である。
請求項11に記載の光ピックアップ装置は、請求項10に記載の発明において、前記回折素子に前記第2光束及び前記第3光束が入射したときに、それぞれ0次回折光が最大の回折効率を発揮することを特徴とする。
請求項12に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜11のいずれかに記載の発明において、以下の式、
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
を満たすことを特徴とする。
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
を満たすことを特徴とする。
なお、以下の式、
400(nm)≦λ1≦410(nm) (1’)
650(nm)≦λ2≦680(nm) (2’)
760(nm)≦λ3≦800(nm) (3’)
を満たすことがより好ましい。
400(nm)≦λ1≦410(nm) (1’)
650(nm)≦λ2≦680(nm) (2’)
760(nm)≦λ3≦800(nm) (3’)
を満たすことがより好ましい。
なお、本明細書でいう回折構造とは、段差を有し、回折によって光束を収束あるいは発散させる作用を持たせる構造の総称である。例えば、単位形状が複数並ぶことによって構成されており、それぞれの単位形状に光束が入射し、透過した光の波面が、隣り合う輪帯毎に略整数波長又は整数波長分だけズレを起こし、新たな波面を形成することによって光を集光させるような構造を含むものである。回折構造は、好ましくは段差を複数有し、段差は光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。
又、回折構造は、光軸に直交する面に沿って直線的に延在する溝を有すると好ましい。更に、回折構造は、様々な断面形状(光軸を含む面での断面形状)をとり得、光軸を含む断面形状がブレーズ型構造と階段型構造とに大別される。一例として、4段の階段型回折構造を図6に示す。
尚、回折構造は、ある単位形状が周期的に繰り返されている構造であることが好ましい。ここでいう「単位形状が周期的に繰り返されている」とは、同一の形状が同一の周期で繰り返されている形状は当然含む。さらに、周期の1単位となる単位形状が、規則性を持って、周期が徐々に長くなったり、徐々に短くなったりする形状も、「単位形状が周期的に繰り返されている」ものに含まれているとする。
本発明によれば、小型化を図りコストを抑えつつも、異なる3種類の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置を提供することが可能になる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図7は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第1の実施の形態の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU1は、光情報記録再生装置に搭載できる。図8は、図7に示す光検出器PDの受光面を矢印VIII方向に見た図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図7は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第1の実施の形態の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU1は、光情報記録再生装置に搭載できる。図8は、図7に示す光検出器PDの受光面を矢印VIII方向に見た図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PU1は、対物光学系としての単一の対物レンズOBJ、絞りAP、λ/4波長板QWP、コリメートレンズCOL、光束分離素子としての偏光ビームスプリッタPBS、BDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1半導体レーザLD1(第1発光部)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ2=655nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2半導体レーザLD2(第2発光部)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ3=785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3半導体レーザLD3(第3発光部)を、1つのパッケージに収容した光源ユニットLDP、センサレンズSN、回折構造を有する回折素子DE、光検出器PD等を有する。尚、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3はGa系半導体基板の同一チップに形成され(モノリシック構成)、第1半導体レーザLD1は、それとは異なる窒化物系半導体基板のチップに形成されている(ハイブリッド構成)。このような光源の例が、特開2004−319915号公報に開示されている。尚、センサレンズSNと回折素子DEとを一体化することもできる。
光源ユニットLDPとコリメートレンズCOLとの間に配置された回折素子DEは、輪帯状の回折溝を備え、第1光束が入射したときに最も光量が高い回折光として−1次回折光を発生し(即ち入射した発散光に対して発散角を減少させ)、第2光束及び第3光束が入射したときに最も光量が高い回折光として0次回折光を発生する(即ち入射した発散光に対して発散角を変更しない)回折構造を表面に形成している。又、回折素子DEは、不図示のガイドにより光軸方向に変位可能に保持されている。
図8に示されるように、光検出器PDは、光軸に略直交する受光面側に並んだ3つの受光部12R〜32Rを有する。受光部12RはBDからの反射光を受光する第1受光部であり、受光部22RはDVDからの反射光を受光する第2受光部であり、受光部32RはCDからの反射光を受光する第3受光部である。受光部12Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ1a、1b、1c、1dとし、受光部22Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ2a、2b、2c、2dとし、受光部32Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ3a、3b、3c、3dとする。
次に光ピックアップ装置PU1の動作について説明する。第1半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、回折素子DEを通過して−1次回折光が発生し、コリメートレンズCOL、偏光ビームスプリッタPBSを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、絞りAPによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.1mmの保護基板を介して、BDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
BDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りAPを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、センサレンズSNを通過して光検出器PDの受光部12R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、BDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(1a+1d)−(1b+1c)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボは、サブビームが不要なDPD法を用いることとする。DPD法において、TE信号は、(1a+1d)−(1b+1c)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(1a+1b+1c+1d)で表される。
次に、第2半導体レーザLD2から射出された第2光束(λ2=655nm)の発散光束は、一点鎖線で示すように、回折素子DEを通過して0次回折光が発生し、コリメートレンズCOL、偏光ビームスプリッタPBSを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、絞りAPによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.6mmの保護基板を介して、DVDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
DVDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りAPを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、センサレンズSNを通過して光検出器PDの受光部22R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、DVDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、DVDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(2a+2d)−(2b+2c)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPD法を用いることとする。DPD法において、TE信号は、(2a+2d)−(2b+2c)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(2a+2b+2c+2d)で表される。
次に、第3半導体レーザLD3から射出された第3光束(λ3=785nm)の発散光束は、点線で示すように、回折素子DEを通過して0次回折光が発生し、偏光ビームスプリッタPBS、コリメートレンズCOLを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、絞りAPによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ1.2mmの保護基板を介して、CDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
CDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りAPを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、センサレンズSNを通過して光検出器PDの受光部32R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、CDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、CDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(3a+3d)−(3b+3c)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPD法を用いることとする。DPD法において、TE信号は、(3a+3d)−(3b+3c)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(3a+3b+3c+3d)で表される。
ところで、上述したように第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3は同じチップに形成され、第1半導体レーザLD1は、それとは異なるチップに形成されているので、光源ユニットLDPに組み付ける際に、第1半導体レーザLD1と、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3とに光軸方向位置のバラツキが生じる。一方、光検出器PDの受光部12R〜32Rは、光軸方向の相対位置をずらすことができない。従って、半導体レーザの光軸方向位置が許容誤差を超えると、各光束を受光部12R〜32Rに適切に受光させることができなくなる。そこで本実施の形態では、回折素子DEを用いることで、かかる問題を解決している。
より具体的には、図7を参照して、第1半導体レーザLD1の発光点が、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3の発光点より光軸方向にズレていた場合(第1半導体レーザLD1が対物レンズOBJに近い場合)、回折素子DEがないとすると、第2光束及び第3光束を光検出器PDの第2受光部22R及び第3受光部32Rに適切なスポットサイズで入射させた状態で、第1光束は第1受光部12Rより遠方において集光する。そこで、光源ユニットLDPとコリメートレンズCOLとの間の光路内に回折素子DEを挿入し、その回折構造の回折作用を利用して第1光束の収束角を増大させた−1次回折光を発生させ、更に回折素子DEを光軸方向の適切な位置に変位させることで、かかる−1次回折光を第1受光部12Rに入射させて、適切なスポットサイズとすることができ、これによりいずれの受光部12R〜32Rにおいても適切な信号を発生させることができる。尚、第1半導体レーザLD1の発光点が第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3の発光点より対物レンズOBJから遠い場合には、第1光束が入射したときに+1次回折光を発生させ、第2光束及び第3光束が入射したときに0次回折光を発生させる回折素子DEを用いればよい。
ここで、焦点誤差検出のための光学系調整手順例を説明しておく。焦点検出用の基準光をモノリシックチップ光源とするかハイブリッドチップ光源にするかで異なるが、モノリシックチップ光源を焦点検出の基準光とする場合、第2半導体レーザLD2又は第3半導体レーザLD3を発光させ(第2半導体レーザLD2を発光させるのが妥当)、この第2光束が光ディスクで反射して、光検出器PDに戻ってきたとき、対応する受光部22Rにおいて所望の形状またはサイズのスポットとなるよう、センサレンズSNを光軸方向に変位調整することになる。このあと第1半導体レーザLD1を発光させ、光ディスクで反射した第1光束が受光部12Rにおいて所望の形状またはサイズのスポットとなるよう回折素子DEを光軸方向に変位調整してやることで、第1半導体レーザLD1の発光点のズレを補正することができる。
次に、非点収差法を用いた例を説明する。図8に示すように、受光部12R〜32Rは、それぞれが田の字形に分割された4分割となっている。第2受光部12Rの中心に、波長λ2の第2光束による光ディスクからの反射光の中心が一致して入射するように、センサレンズSNと光検出器PDの位置を調整する。センサレンズSNは一方の面がシリンドリカルレンズであり、他方の面が球面の凹または凸レンズであって、光ディスクのトラック溝に対してその母線が45°傾くよう配置されている。センサレンズSNを光軸方向に変位させることで、第2受光部22R上におけるスポット形状を2つの極性の楕円の中間であるところの最小錯乱円とする。なお第2受光部22Rの中心位置にスポットが位置していない場合は、光検出器PDを光軸垂直方向にずらすことで中心に位置させることができる。第3半導体レーザLD3は第2半導体レーザLD2と同じモノリシックチップ上にあるため光軸方向の位置誤差はなく、従って第2半導体レーザLD2の代わりに第3半導体レーザLD3を発光すれば、光ディスクからの反射光は、同じ光検出器PD内に形成された焦点誤差検出用の第3受光部32Rに非点収差の最小錯乱円状態で集光することになる。つまり第3半導体レーザLD3は第2半導体レーザLD2に対してフォーカスオフセットを持たない。
次に、第1光束の調整を行う。第1半導体レーザLD1は第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3とは別チップに設けられているため、光軸方向に第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3と位置ずれを有すことがある。たとえば第1半導体レーザLD1が本来の位置より光軸方向に対物レンズOBJから離れているとすると、第1半導体レーザLD1を発光させると光ディスクからの反射光は、同じ光検出器PD内に設けられた第1光束用の受光部12R上で、対物レンズOBJが光ディスクに対して合焦位置にあっても最小錯乱円とならず楕円形状となる。ここで、回折素子DEを光軸に対して前後方向に変位させる。この回折素子DEは波長λ1の第1光束を入射して−1次回折光を発生させる作用を有するため、適当な位置に回折素子DEを変位させることで、第2光束及び第3光束と同じように第1受光部12Rにおいて、第1光束も最小錯乱円にすることができる。この結果、3光束それぞれオフセットの生じない焦点誤差検出信号を得ることができる。なお、このとき回折素子DEは受光部22R、32Rに導かれる第2光束及び第3光束に対しては、0次回折光が発生する(集光または発散作用が与えられない)ので、第1光束の調整時に、先に調整された第2光束及び第3光束の焦点位置調整は、ずれることがない。
(第2の実施の形態)
図9は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第2の実施の形態の光ピックアップ装置PU2の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU2は、光情報記録再生装置に搭載できる。図10は、図9に示す光検出器PDの受光面を矢印X方向に見た図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
図9は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第2の実施の形態の光ピックアップ装置PU2の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU2は、光情報記録再生装置に搭載できる。図10は、図9に示す光検出器PDの受光面を矢印X方向に見た図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PU2は、対物光学系としての単一の対物レンズOBJ、λ/4波長板QWP、コリメートレンズCOL、光束分離素子としての偏光ビームスプリッタPBS、BDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1半導体レーザLD1(第1発光部)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ2=655nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2半導体レーザLD2(第2発光部)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ3=785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3半導体レーザLD3(第3発光部)を一体化し、1つのパッケージに収容した光源ユニットLDP、入射光束を3分割して出射するグレーティングGRT、センサレンズSN、回折構造を有する回折素子DE、光検出器PD等を有する。尚、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3はGa系半導体基板の同一チップに形成され(モノリシック構成)、第1半導体レーザLD1は、それとは異なる窒化物系半導体基板のチップに形成されている(ハイブリッド構成)。センサレンズSNは一方の面がシリンドリカルレンズであり、他方の面が球面の凹または凸レンズであって、光ディスクのトラック溝に対してその母線が45°傾くよう配置されている。
回折素子DEは、第1光束が入射したときに最も光量が高い回折光として−1次回折光を発生し、第2光束及び第3光束が入射したときに最も光量が高い回折光として0次回折光を発生する回折構造を表面に形成している。又、回折素子DEは、不図示のガイドにより光軸方向に変位可能に保持されている。
図10に示されるように、光検出器PDは、光軸に略直交する受光面側に、3行3列に並んだ受光部11R〜33Rを有する。受光部11R〜13RはBDからの反射光を受光する第1受光部であり、受光部21R〜23RはDVDからの反射光を受光する第2受光部であり、受光部31R〜33RはCDからの反射光を受光する第3受光部である。受光部12Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ1e、1c、1f、1dとする。又受光部12Rの両側の受光部11R、13Rは、左右に2分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ1h、1g、及び1b、1aとする。受光部22Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ2e、2c、2f、2dとする。又受光部22Rの両側の受光部21R、23Rは、左右に2分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ2h、2g、及び2b、2aとする。更に受光部32Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ3e、3c、3f、3dとする。又受光部32Rの両側の受光部31R、33Rは、左右に2分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ3h、3g、及び3b、3aとする。
次に光ピックアップ装置PU2の動作について説明する。第1半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.1mmの保護基板を介して、BDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
BDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部11R〜13R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、BDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(1c+1f)−(1e+1d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(1a+1g+1e+1f)−(1b+1h+1c+1d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(1a+1b+1c+1d+1e+1f+1g+1h)で表される。
次に、第2半導体レーザLD2から射出された第2光束(λ2=655nm)の発散光束は、一点鎖線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.6mmの保護基板を介して、DVDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
DVDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部21R〜23R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、DVDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、DVDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(2c+2f)−(2e+2d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(2a+2g+2e+2f)−(2b+2h+2c+2d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(2a+2b+2c+2d+2e+2f+2g+2h)で表される。
次に、第3半導体レーザLD3から射出された第3光束(λ3=785nm)の発散光束は、点線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ1.2mmの保護基板を介して、CDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
CDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部31R〜33R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、CDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、CDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(3c+3f)−(3e+3d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(3a+3g+3e+3f)−(3b+3h+3c+3d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(3a+3b+3c+3d+3e+3f+3g+3h)で表される。
本実施の形態においては、BDから反射した第1光束が回折素子DEに入射すると−1次回折光が発生するので、図1を参照して説明したように位置調整を行った後、フォーカスサーボやトラッキングサーボを行うことができる。尚、波長λ1の第1光束が入射したときに、例えば第1回折光としての第1a光束と、第1a光束とは光軸が異なる第2回折光としての第1b光束を発生させる回折構造を有する回折素子を用いた場合、図5を参照して説明したように位置調整を行った後、フォーカスサーボやトラッキングサーボを行うことができる。
次に、光ピックアップ装置PU2の調整方法について述べる。尚、以下の調整は、光ピックアップ装置を仮組みした状態で行うものとする。
(1)第2半導体レーザLD2から射出された第2光束によるサーボ調整
a) 通常の非点収差法を用いたDVD用光ピックアップ装置の調整と同様にして、調整用光ディスク(DVD)に対する遠近の往復運動を対物レンズOBJに与えながら、光ディスクの情報記録面において第2光束が結像したとき、メインビームが受光部22Rの4分割の中心で円径スポットとなるよう(すなわち2c、2d、2e、2fの各出力信号が等しく、またこれらの和信号が最大となるよう)、光検出器PDを光軸垂直面内で、センサレンズSNを光軸方向に変位させて位置調整を行う。
b) 回転する光ディスクに対してフォーカスサーボを適用したあと、第2光束用のグレーティングGRTを、TE信号が最大となるよう光軸を中心に回転調整を行う。ただしグレーティングGRTは第1光束、第2光束、第3光束それぞれ個別調整できるものとする(不図示)。
c) トラッキングサーボを適用した状態でRF信号が最大となるよう、光検出器PDとセンサレンズSNの位置を微調整する(調整方向は上記aと同じ)。
(2)第1半導体レーザLD1から射出された第1光束によるサーボ調整(第2光束の代わりに第1光束を用いる)。
a) 調整用光ディスク(BD)に対する遠近の往復運動を対物レンズOBJに与えながら、光ディスクの情報記録面において第1光束が結像したとき、メインビームが受光部12Rの4分割の中心で円径スポットとなるよう(すなわち1c、1d、1e、1fの各出力信号が等しく、またこれらの和信号が最大となるよう)、回折素子DEを光軸方向に変位させて位置調整を行う。
b) 回転する光ディスクに対してフォーカスサーボを適用した後、第1光束用のグレーティングGRTを、TE信号が最大となるよう光軸を中心に回転調整を行う。
c) トラッキングサーボを適用した状態でRF信号が最大になるよう、回折素子DEを光軸方向に微調整する。
(3)第3半導体レーザLD3から射出された第3光束によるサーボ調整(第1光束の代わりに第3光束を用いる)。
a) 回転する調整用光ディスク(CD)にフォーカスサーボを適用した後、第3光束用のグレーティングGRTを、TE信号が最大となるよう光軸を中心に回転調整を行う。
(1)第2半導体レーザLD2から射出された第2光束によるサーボ調整
a) 通常の非点収差法を用いたDVD用光ピックアップ装置の調整と同様にして、調整用光ディスク(DVD)に対する遠近の往復運動を対物レンズOBJに与えながら、光ディスクの情報記録面において第2光束が結像したとき、メインビームが受光部22Rの4分割の中心で円径スポットとなるよう(すなわち2c、2d、2e、2fの各出力信号が等しく、またこれらの和信号が最大となるよう)、光検出器PDを光軸垂直面内で、センサレンズSNを光軸方向に変位させて位置調整を行う。
b) 回転する光ディスクに対してフォーカスサーボを適用したあと、第2光束用のグレーティングGRTを、TE信号が最大となるよう光軸を中心に回転調整を行う。ただしグレーティングGRTは第1光束、第2光束、第3光束それぞれ個別調整できるものとする(不図示)。
c) トラッキングサーボを適用した状態でRF信号が最大となるよう、光検出器PDとセンサレンズSNの位置を微調整する(調整方向は上記aと同じ)。
(2)第1半導体レーザLD1から射出された第1光束によるサーボ調整(第2光束の代わりに第1光束を用いる)。
a) 調整用光ディスク(BD)に対する遠近の往復運動を対物レンズOBJに与えながら、光ディスクの情報記録面において第1光束が結像したとき、メインビームが受光部12Rの4分割の中心で円径スポットとなるよう(すなわち1c、1d、1e、1fの各出力信号が等しく、またこれらの和信号が最大となるよう)、回折素子DEを光軸方向に変位させて位置調整を行う。
b) 回転する光ディスクに対してフォーカスサーボを適用した後、第1光束用のグレーティングGRTを、TE信号が最大となるよう光軸を中心に回転調整を行う。
c) トラッキングサーボを適用した状態でRF信号が最大になるよう、回折素子DEを光軸方向に微調整する。
(3)第3半導体レーザLD3から射出された第3光束によるサーボ調整(第1光束の代わりに第3光束を用いる)。
a) 回転する調整用光ディスク(CD)にフォーカスサーボを適用した後、第3光束用のグレーティングGRTを、TE信号が最大となるよう光軸を中心に回転調整を行う。
調整方法は以上であるが、光源を切り換える際、対物レンズOBJの設計によってはコリメートレンズCOLを所定の位置になるよう光軸方向に変位させる必要がある場合があるが、この技術は公知であるため、ここでは説明を省略した。
(第3の実施の形態)
図11は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第3の実施の形態の光ピックアップ装置PU3の構成を概略的に示す図である。本実施の形態においては、図9の実施の形態に対して、光束分離素子である偏光ビームスプリッタPBSの光検出器PD側の出射面に、選択的発散角増大素子としての回折素子RIEを密着固定した点が異なり、それ以外の構成については同様である。
図11は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第3の実施の形態の光ピックアップ装置PU3の構成を概略的に示す図である。本実施の形態においては、図9の実施の形態に対して、光束分離素子である偏光ビームスプリッタPBSの光検出器PD側の出射面に、選択的発散角増大素子としての回折素子RIEを密着固定した点が異なり、それ以外の構成については同様である。
本実施の形態によれば、BDから反射した第1光束が収束光の状態で偏光ビームスプリッタPBSに入射した後、回折素子RIEから出射したときに、+n(nは自然数)次回折光を発生させ、これにより収束角を減少させるようになっており、一方、DVD及びCDから反射した第2光束及び第3光束が収束光の状態で偏光ビームスプリッタPBSに入射した後、回折素子RIEから出射したときに、0次回折光を発生させ、即ち収束角を変更しないようになっている。
図7に示した第2の実施の形態では、例えば第1半導体レーザLD1が、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3よりも対物レンズOBJに対して光軸方向の近い側にシフトしていた場合と、遠い側にシフトしていた場合とで、収束角を増大する回折素子と、収束角を減少する回折素子の2種類を使い分ける必要があり、調整に手間取るという課題がある。そこで、第3の実施の形態では、BDから反射した第1光束を、回折素子RIEで+n次回折光とすることで強制的に収束角を減少させるように構成した。このように構成することで、回折素子DEがないとした場合の、第2光束及び第3光束を光検出器PDの第2受光部22R及び第3受光部32Rに適切なスポットサイズで入射させた状態において、第1光束を第1受光部12Rより遠方に集光させることができる。従って、収束角の減少した第1光束が入射した回折素子DEは、更に第1光束の収束角を増大させた−1次回折光を発生させ、かかる−1次回折光を第1受光部12Rに入射させて、適切なスポットサイズとすることができ、これによりいずれの受光部においても適切な信号を発生させることができる(図2参照)。尚、第1受光部12R上におけるスポットサイズの調整は、上述のように回折素子DEを光軸方向に変位させて行うが、偏光ビームスプリッタPBSと回折素子RIEとを別体にした場合、回折素子RIEを光軸方向に変位させても良い。
(第4の実施の形態)
図12は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第4の実施の形態の光ピックアップ装置PU4の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU4は、光情報記録再生装置に搭載できる。図13は、図12に示す光検出器PDの受光面を矢印XIII方向に見た図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
図12は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる第4の実施の形態の光ピックアップ装置PU4の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU4は、光情報記録再生装置に搭載できる。図13は、図12に示す光検出器PDの受光面を矢印XIII方向に見た図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PU4は、対物光学系としての単一の対物レンズOBJ、λ/4波長板QWP、コリメートレンズCOL、光束分離素子としての偏光ビームスプリッタPBS、BDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1半導体レーザLD1(第1発光部)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ2=655nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2半導体レーザLD2(第2発光部)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ3=785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3半導体レーザLD3(第3発光部)を、1つのパッケージに収容した光源ユニットLDP、入射光束を3分割して出射するグレーティングGRT、センサレンズSN、回折構造を有する回折素子DE、光検出器PD等を有する。尚、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3はGa系半導体基板の同一チップに形成され(モノリシック構成)、第1半導体レーザLD1は、それとは異なる窒化物系半導体基板のチップに形成されている(ハイブリッド構成)。センサレンズSNは一方の面がシリンドリカルレンズであり、他方の面が球面の凹または凸レンズであって、光ディスクのトラック溝に対してその母線が45°傾くよう配置されている。
回折素子DEは、第1光束が入射したときに最も光量が高い回折光として±1次回折光を発生し、第2光束及び第3光束が入射したときに最も光量が高い回折光として0次回折光を発生する回折構造を表面に形成している。又、回折素子DEは、不図示のガイドにより光軸方向に変位可能に保持されている。
本実施の形態においては、BDから反射した第1光束が回折素子DEに入射すると、集光位置が異なる同軸の±1次回折光が発生するので、図3を参照して説明したように位置調整を行った後、フォーカスサーボやトラッキングサーボを行うことができる。
図13に示されるように、光検出器PDは、光軸に略直交する受光面側に、3行3列に並んだ受光部11R〜33Rを有する。受光部11R〜13RはBDからの反射光を受光する第1受光部であり、受光部21R〜23RはDVDからの反射光を受光する第2受光部であり、受光部31R〜33RはCDからの反射光を受光する第3受光部である。受光部12Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ1e、1c、1f、1dとする。又受光部12Rの両側の受光部11R、13Rは、分割されておらず、その受光量に応じた信号をそれぞれ1b及び1aとする。受光部22Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ2e、2c、2f、2dとする。又受光部22Rの両側の受光部21R、23Rは、分割されておらず、その受光量に応じた信号をそれぞれ2b及び2aとする。更に受光部32Rは、上下左右に4分割され、その受光量に応じた信号をそれぞれ3e、3c、3f、3dとする。又受光部32Rの両側の受光部31R、33Rは、分割されておらず、その受光量に応じた信号をそれぞれ3b及び3aとする。
次に光ピックアップ装置PU4の動作について説明する。第1半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.1mmの保護基板を介して、BDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
BDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部11R〜13R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、BDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(1c+1f)−(1e+1d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボは3ビーム法を用いることとする。3ビーム法において、TE信号は、(1a−1b)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(1a+1b+1c+1d+1e+1f)で表される。
次に、第2半導体レーザLD2から射出された第2光束(λ2=655nm)の発散光束は、一点鎖線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.6mmの保護基板を介して、DVDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
DVDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部21R〜23R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、DVDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、DVDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(2c+2f)−(2e+2d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボは3ビーム法を用いることとする。3ビーム法において、TE信号は、(2a−2b)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(2a+2b+2c+2d+2e+2f)で表される。
次に、第3半導体レーザLD3から射出された第3光束(λ3=785nm)の発散光束は、点線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過し、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ1.2mmの保護基板を介して、CDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
CDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部31R〜33R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、CDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、CDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(3c+3f)−(3e+3d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボは3ビーム法を用いることとする。3ビーム法において、TE信号は、(3a−3b)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(3a+3b+3c+3d+3e+3f)で表される。
(実施例1)
以下、上述した実施の形態に用いることができる実施例について説明する。表1に実施例1のデータを示す。実施例1の回折素子は、図6に示すように、ストレートな4段の階段状回折構造を平行平板に輪帯状に形成したものである。図6において、階段状回折構造に入射した入射光に対して同方向に出射する光束を0次回折光としたときに、この0次回折光に対して、階段状回折構造の段差がシフトしてゆく方向(図6で右側)に曲げられた出射光束を正の(+)次数回折光とし、逆側(図6で左側)に曲げられた出射光束を負の(−)次数回折光とする。ここで、1段の光軸方向段差量Dは、N1を素材の屈折率とし、N2を空気の屈折率としたときに、D=dor×λ1(N1−N2)で表される。但しdor=8.25とした。横方向のピッチは所望する出射角に応じて任意に変更できる。かかる実施例によれば、波長λ1の光束が入射した場合、1次回折光が最も強度が高くなるので、これを光検出器の第1受光部に入射させれば良く、また波長λ2,λ3の光束が入射した場合、0次回折光が最も強度が高くなるので、これを第2受光部及び第3受光部に入射させれば良い。
以下、上述した実施の形態に用いることができる実施例について説明する。表1に実施例1のデータを示す。実施例1の回折素子は、図6に示すように、ストレートな4段の階段状回折構造を平行平板に輪帯状に形成したものである。図6において、階段状回折構造に入射した入射光に対して同方向に出射する光束を0次回折光としたときに、この0次回折光に対して、階段状回折構造の段差がシフトしてゆく方向(図6で右側)に曲げられた出射光束を正の(+)次数回折光とし、逆側(図6で左側)に曲げられた出射光束を負の(−)次数回折光とする。ここで、1段の光軸方向段差量Dは、N1を素材の屈折率とし、N2を空気の屈折率としたときに、D=dor×λ1(N1−N2)で表される。但しdor=8.25とした。横方向のピッチは所望する出射角に応じて任意に変更できる。かかる実施例によれば、波長λ1の光束が入射した場合、1次回折光が最も強度が高くなるので、これを光検出器の第1受光部に入射させれば良く、また波長λ2,λ3の光束が入射した場合、0次回折光が最も強度が高くなるので、これを第2受光部及び第3受光部に入射させれば良い。
(実施例2)
表2に実施例2のデータを示す。実施例2の回折素子は、図12に示す光ピックアップ装置PU4で用いることが出来、ストレートな4段の階段状回折構造を平行平板に輪帯状に形成したものであり、回折構造の形状は実施例1と同じである。ここで、1段の光軸方向段差量Dは、N1を素材の屈折率とし、N2を空気の屈折率としたときに、D=dor×λ1(N1−N2)で表される。但しdor=8.35とした。横方向のピッチは所望する出射角に応じて任意に変更できる。かかる実施例によれば、波長λ1の光束が回折素子に入射した場合に発生する±2次回折光の一方か、或いは+1次回折光及び−2次回折光の一方を光検出器の第1受光部に入射させれば良く、また波長λ2,λ3の光束が入射した場合、0次回折光を第2受光部及び第3受光部に入射させれば良い。
表2に実施例2のデータを示す。実施例2の回折素子は、図12に示す光ピックアップ装置PU4で用いることが出来、ストレートな4段の階段状回折構造を平行平板に輪帯状に形成したものであり、回折構造の形状は実施例1と同じである。ここで、1段の光軸方向段差量Dは、N1を素材の屈折率とし、N2を空気の屈折率としたときに、D=dor×λ1(N1−N2)で表される。但しdor=8.35とした。横方向のピッチは所望する出射角に応じて任意に変更できる。かかる実施例によれば、波長λ1の光束が回折素子に入射した場合に発生する±2次回折光の一方か、或いは+1次回折光及び−2次回折光の一方を光検出器の第1受光部に入射させれば良く、また波長λ2,λ3の光束が入射した場合、0次回折光を第2受光部及び第3受光部に入射させれば良い。
COL コリメートレンズ
DE 回折素子
GRT グレーティング
LD1 第1半導体レーザ
LD2 第2半導体レーザ
LD3 第3半導体レーザ
LDP 光源ユニット
OBJ 対物レンズ
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD 光検出器
PU1〜4 光ピックアップ装置
RIE 回折素子
QWP λ/4波長板
SN センサレンズ
DE 回折素子
GRT グレーティング
LD1 第1半導体レーザ
LD2 第2半導体レーザ
LD3 第3半導体レーザ
LDP 光源ユニット
OBJ 対物レンズ
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD 光検出器
PU1〜4 光ピックアップ装置
RIE 回折素子
QWP λ/4波長板
SN センサレンズ
Claims (12)
- 波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部と、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部とがユニット化された光源と、対物レンズと、光検出器とを有し、前記第1発光部からの光束を、前記対物レンズにより第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を、前記対物レンズにより第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第3発光部からの光束を、前記対物レンズにより第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において、
前記光源は、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部に対して光軸方向に位置をずらせて配置され、
前記光検出器は、第1受光部と、第2受光部と、第3受光部とを有し、
前記光源と前記光検出器との間の光路内に、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子が配置されており、
前記回折素子は回折構造を有し、前記回折構造の回折作用により、前記第1光束が入射したときには発散角又は収束角を変更した前記第1光束が前記第1受光部に導かれ、前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには発散角又は収束角を変更しない前記第2光束および前記第3光束が前記第2受光部および前記第3受光部にそれぞれ導かれることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光源は、前記第2発光部と前記第3発光部が同一のチップ上に形成され、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部とは異なるチップ上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記回折構造に前記第1光束が入射したときに、前記回折構造から出射するn(nはゼロでない整数)次回折光が前記第1受光部に入射して、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光ディスクからの反射光と前記光源から出射した光束とを分離するための光束分離素子を有し、前記回折素子が、前記光束分離素子と前記光検出器との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられる前記第1光束が入射したときには発散角を増大させ又は収束角を減少させるが、前記第2光ディスク及び前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられる前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには発散角又は収束角を変更しない選択的発散角増大素子が、前記回折素子と前記光束分離素子との間に配置され、前記回折素子と前記選択的発散角増大素子の少なくとも一方が光軸方向に変位可能となっていることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 前記回折素子が、前記光源から前記対物レンズまでの光路中に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記回折構造に前記第1光束が入射したときに、前記回折構造から出射する+n(nは自然数)次回折光及び−n’(n’は自然数)次回折光のうち一方が前記第1受光部に入射して、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部と、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部とがユニット化された光源と、対物レンズと、光検出器とを有し、前記第1発光部からの光束を、前記対物レンズにより第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を、前記対物レンズにより第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第3発光部からの光束を、前記対物レンズにより第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において、
前記光源は、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部に対して光軸方向に位置をずらせて配置され、
前記光ディスクからの反射光と前記光源から出射した光束とを分離するための光束分離素子を有し、前記光束分離素子と前記光検出器との間の光路内に、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子が配置されており、
前記光検出器は、第1a受光部と第1b受光部と、第2受光部と、第3受光部とを有し、
前記回折素子は回折構造を有し、前記回折構造の回折作用により、前記第1光束が入射したときには第1a光束と第1b光束を分岐させ、更に入射した前記第1光束の発散角又は収束角に対して前記第1a光束の発散角を増大させ又は収束角を減少させるが、前記第1b光束の発散角を減少させ又は収束角を増大させ、前記回折構造を通過して発散角を増大させ又は収束角を減少させた前記第1a光束が前記第1a受光部に導かれるか或いは前記回折構造を通過して発散角を減少させ又は収束角を増大させた前記第1b光束が前記第1b受光部に導かれる一方で、前記第2光束及び前記第3光束が入射したときには光束を分岐させず且つ発散角又は収束角を変更せず、前記回折構造を通過して発散角又は収束角を変更しない前記第2光束および前記第3光束が前記第2受光部および前記第3受光部にそれぞれ導かれることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光源は、前記第2発光部と前記第3発光部が同一のチップ上に形成され、前記第1発光部が、前記第2発光部及び前記第3発光部とは異なるチップ上に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
- 前記回折素子に前記第2光束及び前記第3光束が入射したときに、回折作用が与えられない光束が前記第2受光部及び前記第3受光部にそれぞれ入射して、前記第2光ディスク及び前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いられることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記回折素子に前記第2光束及び前記第3光束が入射したときに、それぞれ0次回折光が最大の回折効率を発揮することを特徴とする請求項10に記載の光ピックアップ装置。
- 以下の式を満たすことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
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