JPWO2011024893A1 - 記録ヘッドおよびこれを備える記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発熱素子列における各発熱素子の発熱温度のばらつきを低減することができる記録ヘッドおよびこれを備える記録装置を提供する。【解決手段】 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドは、放熱体40と、放熱体40上に配置された基板11、および基板11上に配列された複数の発熱素子13aからなる発熱素子列を有するヘッド基体10と、放熱体40と基板11との間に介在し、放熱体40と基板11とを接合する接合層17と、接合層17内に配置され、放熱体40および基板11の双方に当接する複数のスペーサ粒子19とを備え、接合層17は、発熱素子列の直下の第1領域S1と、第1領域S1に並行して延びる第2領域S2とを有しており、スペーサ粒子19は、第2領域S2に配置されていることを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、記録ヘッドおよびこれを備える記録装置に関する。
従来、ファクシミリやビデオプリンタ等の印画デバイスとして、サーマルヘッド等の種々の記録ヘッドが提案されている。例えば、特許文献1に記載のサーマルヘッド(サーマルプリントヘッド)では、複数の発熱素子が上面に一列に配列された支持基板を、放熱性接着材および両面テープを介して放熱板上に配置している。そして、この放熱性接着材からなる層(以下、接着材層という)の内部には、この接着材層の厚さと略同じ粒径を有するアルミナセラミックス等からなる粉体が含有されている。
特開2008−201013号公報
特許文献1に記載のサーマルヘッドでは、接着材層が複数の発熱素子からなる発熱素子列の下方の領域に配置されており、この層の内部にアルミナセラミックス等からなる粉体が含有されている。そのため、接着材層の内部に配置された粉体の配置ばらつきに起因して、接着材層での放熱性がばらつき、発熱素子列における各発熱素子の発熱温度にばらつきが生じるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、発熱素子列における各発熱素子の発熱温度のばらつきを低減することができる記録ヘッドおよびこれを備える記録装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る記録ヘッドは、放熱体と、該放熱体上に配置された基板、および該基板上に配列された複数の発熱素子からなる発熱素子列を有するヘッド基体と、前記放熱体と前記基板との間に介在し、前記放熱体と前記基板とを接合する接合層と、該接合層内に配置され、前記放熱体および前記基板の双方に当接する複数のスペーサ粒子とを備えている。前記接合層は、前記発熱素子列の直下の第1領域と、該第1領域に並行して延びる第2領域とを有している。前記スペーサ粒子は、前記第2領域に配置されている。
本発明の一実施形態に係る上記記録ヘッドにおいて、前記接合層の前記第2領域は、両面テープで形成されていてもよい。
また、前記接合層の前記第1領域は、接着剤で形成されていてもよい。
また、前記スペーサ粒子は、前記発熱素子列に沿って配置されていてもよい。
また、前記接合層の前記第2領域は、前記第1領域の両側に存在していてもよい。この場合、前記接合層の前記第2領域のうちの一方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子が、他方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子に対し、前記第1領域を挟んで対向するように配置されており、前記一方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子の前記発熱素子列からの距離と、前記他方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子の前記発熱素子列からの距離とが等しくなっていてもよい。
本発明の一実施形態に係る記録装置は、本発明の一実施形態に係る上記記録ヘッドと、前記複数の発熱素子上に記録媒体を搬送する搬送機構とを備えている。前記搬送機構は、前記複数の発熱素子上に記録媒体を押圧するプラテンローラを有している。
本発明の一実施形態に係る上記記録装置において、前記接合層の前記第2領域は、前記記録ヘッドと前記プラテンローラとの接触領域に対応する領域に少なくとも延びており、前記スペーサ粒子が、前記接合層の前記第2領域において、前記接触領域に対応する領域に配置されていてもよい。
本発明によれば、発熱素子列における各発熱素子の発熱温度のばらつきを低減することができる記録ヘッドおよびこれを備える記録装置を提供することができる。
(a)は、本発明の記録ヘッドの一実施形態であるサーマルヘッドの一実施形態の概略構成を示す平面図である。(b)は、(a)に示すサーマルヘッドの側面図である。 (a)は、図1に示すサーマルヘッドの要部を拡大した平面図である。(b)は、(a)に示すサーマルヘッドのIIb−IIb線断面図である。 図1に示す配線部材の概略構成を示す分解斜視図である。 図1に示すヘッド基体と放熱体との接合状態を示す概略構成図である。なお、(a)は、ヘッド基体の図示を省略した平面図である。(b)は、(a)のIVb−IVb線断面図である。 本発明の記録装置の一実施形態であるサーマルプリンタの概略構成を示す図である。 (a)は、図1に示すヘッド基体と放熱体との接合状態の変形例を概略構成で示す平面図である。なお、(a)では、ヘッド基体の図示を省略している。(b)は、(a)のVIb−VIb線断面図である。 (a)は、図1に示すヘッド基体と放熱体との接合状態の変形例を概略構成で示す平面図である。なお、(a)では、ヘッド基体の図示を省略している。(b)は、(a)のVIIb−VIIb線断面図である。 図4(b)に示すヘッド基体と放熱体との接合状態の変形例を概略構成で示す断面図である。 図4(b)に示すヘッド基体と放熱体との接合状態の変形例を概略構成で示す断面図である。 図5に示すサーマルプリンタのサーマルヘッドとして、図9に示すサーマルヘッドを適用した場合の概略構成を示す要部拡大図である。 印画の濃度測定結果を示すもので、(a)が副走査方向に印画開始位置から10cmの位置の結果を示すグラフ、(b)が副走査方向に印画開始位置から20cmの位置の結果を示すグラフ、(c)が印画の濃度測定位置を説明するための説明図である。
以下、本発明の記録ヘッドの一実施形態であるサーマルヘッドの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態のサーマルヘッドX1は、ヘッド基体10と、駆動IC20と、配線部材30と、放熱体40とを含んで構成されている。なお、説明の便宜上、図2(a)では、駆動IC20、配線部材30および放熱体40および後述する保護層15の図示を省略し、図2(b)では、放熱体40の図示を省略している。
ヘッド基体10は、ヘッド基板(基板)11と、ヘッド基板11上に順に形成されたグレーズ層12、電気抵抗層13および電極配線14を備えている。また、グレーズ層12は、平坦状の基部12aと、この基部12aの上面から突出する突出部12bとを有している。グレーズ層12の突出部12bの頂部に位置する電気抵抗層13の領域は、その上面に電極配線14が形成されておらず、この領域が発熱素子13aを構成している。この発熱素子13aの上面および電極配線14の一部の上面には、保護層15が形成されている。
ヘッド基板11は、グレーズ層12、電気抵抗層13、電極配線14、保護層15および駆動IC20を支持する機能を有している。このヘッド基板11は、平面視において矢印D1−D2方向に延びる矩形状に形成されており、主面が長方形状となっている。ヘッド基板11を形成する材料としては電気絶縁性を有する材料が挙げられ、例えばアルミナセラミックスなどのセラミックスやガラス材料等の無機材料が好適に用いられる。
このヘッド基板11の上面には、フォトリソグラフィによる電気抵抗層13および電極配線14のパターニングが容易になるとともに、平滑性を高められるという理由および製造が容易であるという理由から、グレーズ層12が全体に亘って設けられている。
グレーズ層12は、電気抵抗層13の後述する発熱素子13aにおいて発生する熱の一部を一時的に蓄積する機能を有している。すなわち、グレーズ層12は、発熱素子13aの温度を上昇させるのに要する時間を短くして、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高める役割を担う。このグレーズ層12を形成する材料としては、例えばガラスが挙げられる。
グレーズ層12の基部12aは、ヘッド基板11の上面全体に亘って略平坦状に設けられており、その厚みは、20〜250μmとされている。グレーズ層12の突出部12bは、記録媒体を発熱素子13a上に位置する保護層15に対して良好に押し当てるのに寄与する部位である。この突出部12bは、基部12aより上方(D5方向)に突出している。また、この突出部12bは、主走査方向(D1−D2方向)に延びる帯状に構成されている。この突出部12bは、主走査方向(D1−D2方向)に直交する副走査方向(D3−D4方向)における断面形状が略半楕円状となっている。本実施形態では、発熱素子13aの配列方向がサーマルヘッドX1の主走査方向となる。なお、グレーズ層12は、少なくとも発熱素子13aとヘッド基板11との間にあればよく、ヘッド基板11の上面全面に形成しなくてもよい。
電気抵抗層13は、グレーズ層12上に形成されている。電気抵抗層13の厚みは、0.01〜0.5μmとされている。本実施形態では、電極配線14から電圧が印加される電気抵抗層13のうち電極配線14が形成されていない部位が発熱素子13aとして機能しており、発熱素子13aは、グレーズ層12の突出部12b上に形成されている。電気抵抗層13を形成する材料としては、例えばTaN系材料、TaSiO系材料、TaSiNO系材料、TiSiO系材料、TiSiCO系材料、またはNbSiO系材料が挙げられる。
発熱素子13aは、電極配線14からの電圧印加により発熱するものである。この発熱素子13aは、電極配線14からの電圧印加による発熱温度が、例えば200〜550℃の範囲となるように構成されている。
また、発熱素子13aは、矢印D1−D2方向に所定間隔をおいて一列に形成されており、発熱素子列を形成している。なお、本発明では、発熱素子列は2列以上形成されていてもよい。
電極配線14は、第1電極配線141と、第2電極配線142と、第3電極配線143とを含んで構成されている。
第1電極配線141は、その端部が複数の発熱素子13aの一端側、及び図示しない電源装置に接続されている。この第1電極配線141の一端部は、発熱素子13aの矢印D3方向側に位置している。
第2電極配線142は、各々の一端部が発熱素子13aの他端側に接続され、他端部が駆動IC20に接続されている。この第2電極配線142の一端部は、発熱素子13aの矢印D4方向側に位置している。
第3電極配線143は、第2電極配線142と離間して形成されており、言い換えれば第3電極配線143は、第2電極配線142に近接して設けられている。この第3電極配線143は、複数の駆動IC20と配線部材30との間に設けられている。また、この第3電極配線143は、駆動IC20および配線部材30に接続されており、駆動IC20と配線部材30とを電気的に接続している。
第1電極配線141、第2電極配線142、第3電極配線143を形成する材料としては、例えばアルミニウム、金、銀、銅のいずれか一種の金属、またはこれらの合金が挙げられる。その厚みは、0.7〜1.2μmとされている。
保護層15は、発熱素子13aと、電極配線14とを保護する機能を有するものである。この保護層15は、発熱素子13aと電極配線14の一部とを覆っている。保護層15を形成する材料としては、例えばダイヤモンドライクカーボン系材料、SiC系材料、SiN系材料、SiCN系材料、SiAlON系材料、SiO系材料、またはTaO系材料が挙げられ、スパッタリング法等により形成される。ここで「ダイヤモンドライクカーボン系材料」とは、sp混成軌道をとる炭素原子(C原子)の割合が1[原子%]以上、100[原子%]未満の範囲であるものをいう。
駆動IC20は、複数の発熱素子13aへの電力供給を制御する機能を有している。この駆動IC20は、その接続端子がハンダからなる導電性接続部材49を介して、第2電極配線142上および第3電極配線143に接続されている。このような構成とすることにより、電極配線14を介して入力される電気信号に応じて発熱素子13aを選択的に発熱させることができる。
図2に示すように、配線部材30は、その接続端子が、ハンダからなる導電性接続部材49を介して、第1電極配線141および第3電極配線143に接続されている。この配線部材30は、外部から伝送される電気信号を駆動IC20および電極配線14に伝達する機能を有している。この電気信号としては、発熱素子13aおよび駆動IC20への供給電力と、発熱素子13aの電力供給状態を選択的に制御するための画像情報などが挙げられる。
本実施形態の配線部材30は、図1および図3に示すように、配線体31と、外部接続端子32と、支持板33と、第1接着層34とを含んで構成されている。
配線体31は、可撓性を有するものであり、第1配線体311と、第2配線体312と、配線部313とを備えている。
第1配線体311と第2配線体312とは、複数の配線部313を支持し、その電気的絶縁性を確保する機能を有している。この第1配線体311と第2配線体312とは、配線部313を挟持している。この第1配線体311と第2配線体312とを形成する材料としては、例えばポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等の可撓性を有する樹脂材料が挙げられる。本実施形態において配線体31は、ポリイミド系樹脂により形成されており、その熱膨張係数は、約1.1×10−5−1である。本実施形態における第1配線体311および第2配線体312の厚みとしては、例えば0.5〜2.0mmの範囲が挙げられる。
配線部313を形成する材料としては、金、銀、銅、アルミニウムのいずれか一種の金属またはその合金などが挙げられる。本実施形態において配線部313は、銅により形成されており、その熱膨張係数は、約1.7×10−5−1である。
外部接続端子32は、外部から電気信号が入力される部位である。この外部接続端子32は、配線部313を介して駆動IC20および電極配線14に電気的に接続されている。なお、図3では、説明の便宜上、外部接続端子32の図示を省略している。
支持板33は、配線体31を支持する機能を有するものである。この支持板33を形成する材料としては、例えばセラミックス、樹脂、セラミックスおよび樹脂の複合材が挙げられる。ここで、セラミックスとしては、例えばアルミナセラミックス、窒化アルミニウムセラミックス、炭化珪素セラミックス、窒化珪素セラミックス、ガラスセラミックス、ムライト質焼結体が挙げられ、樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、およびポリエステル系樹脂などの熱硬化型、紫外線硬化型、または化学反応硬化型のものが挙げられる。本実施形態において支持板33は、ガラス繊維にエポキシ系樹脂を含有させたものにより形成されており、その熱膨張係数は、約1.7×10−5−1である。
第1接着層34は、配線体31と、支持板33とを接着する機能を有している。この第1接着層34の厚みとしては、例えば10〜35μmの範囲が挙げられる。
図1に示すように、支持板33は、両面テープ等からなる第2接着層35によって、放熱体40上に接着されている。
図1に示すように、放熱体40は、発熱素子13aを駆動することによって生じた熱を外部に伝達する機能を有している。また、本実施形態において放熱体40は、ヘッド基体10および配線部材30の支持母材として機能している。放熱体40を形成する材料としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。
図4は、本実施形態のサーマルヘッドX1におけるヘッド基体10と放熱体40との接合状態を示す概略構成図である。図4に示すように、放熱体40上にはヘッド基体10が配置されており、ヘッド基体10と放熱体40との間には、接着剤層16および両面テープ17が介在している。なお、図4では、ヘッド基体10の近傍の放熱体40の要部のみを記載しており、放熱体40の配線部材30側を省略して示している。
より詳細には、接着剤層16は、ヘッド基板11の下面における発熱素子列(複数の発熱素子13aからなる列)の直下の領域(以下、第1下面領域という)と放熱体40との間に介在し、発熱素子13aの配列方向に延びるとともに、この第1下面領域と放熱体40とを接合している。両面テープ17は、ヘッド基板11の下面において第1下面領域に並行して延びる領域(以下、第2下面領域という)と放熱体40との間に介在し、発熱素子13aの配列方向に延びるとともに、この第2下面領域と放熱体40とを接合している。このように、ヘッド基体10を接着剤層16および両面テープ17によって放熱体40上に接着した理由は、ヘッド基板11と放熱体40との熱膨張率の差によってヘッド基体10を湾曲させるような力が作用したときに、両面テープ17の面内方向の柔軟性により、ヘッド基体10と放熱体40との熱膨張による延びの差を吸収し、ヘッド基体10の湾曲を低減するためである。
なお、図4(a)では、説明の便宜上、図4(b)で示すヘッド基体10の図示を省略し、図4(b)では、ヘッド基体10をヘッド基板11およびグレーズ層12の隆起部12bのみで示している。また、図4(b)に示すように、本実施形態おいて、本発明における接合層は、接着剤層16および両面テープ17によって構成されており、より詳細には、複数の発熱素子13aからなる発熱素子列の直下の第1領域が、接着剤層16によって構成されているとともに、接着剤層16の両側において、この第1領域に並行して延びる第2領域が、両面テープ17によって構成されている。
接着剤層16は、放熱性樹脂からなる接着剤で形成されており、例えばフィラーを含有する、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、およびポリエステル系樹脂などの熱硬化型、常温硬化型、または化学反応硬化型のもので形成されている。
両面テープ17は、不織布等の基材がない粘着剤によって形成されたものであり、例えば、アクリル系粘着剤によって形成されている。
図4に示すように、両面テープ17の内部には、ヘッド基板11の下面および放熱体40の双方に当接している複数のスペーサ粒子19が配置されている。より詳細には、各スペーサ粒子19は、同じ粒径を有する球形状を成しており、発熱素子13aの配列方向における両面テープ17の両端部(図4(a)では、左側および右側の端部)にそれぞれ1個ずつ配置されているとともに、中央部に1個配置されている。また、これらの3つのスペーサ粒子19は、複数の発熱素子13aの配列方向に沿う直線上に配置されている。
なお、図4(a)では、理解を容易にするため、両面テープ17に埋設されたスペーサ粒子19の外形をそれぞれ実線で示している。また、本実施形態において、スペーサ粒子19が、同じ粒径を有するとは、完全に同一の粒径を有する場合だけではなく、実質的に同一の粒径を有する場合を含んでおり、誤差範囲が±5%の粒径を有するものも含む。また、このようなスペーサ粒子19は、本実施形態の接着剤層16の内部には配置されていない。
また、本実施形態では、図4に示すように、スペーサ粒子19を含有する両面テープ17を発熱素子列の両側(図4(a)では上側および下側、図4(b)では、左側および右側)に配置し、ヘッド基体10と放熱体40とをこの両面テープ17で接着固定したので、スペーサ粒子19によってヘッド基体10を発熱素子列の両側で支持でき、ヘッド基体10を放熱体40に安定した状態で固定することができる。なお、図4(b)では、発熱素子列を形成する発熱素子13aを図示していないが、上記のように、発熱素子13aは、グレーズ層12の突出部12bの頂部に配置されている。
また、本実施形態では、図4に示すように、発熱素子列の両側に配置された両面テープ17のうちの一方の両面テープ17(例えば、図4(a)では上側の両面テープ17)中のスペーサ粒子19が、他方の両面テープ17(例えば、図4(a)では下側の両面テープ17)中のスペーサ粒子19に対し、発熱素子列を挟んで対向するように配置されている。そして、図4(b)に示すように、一方の両面テープ17中のスペーサ粒子19の発熱素子列からの距離L1と、他方の両面テープ17中のスペーサ粒子19の発熱素子列からの距離L2とが等しくなるように、スペーサ粒子19が配置されている。つまり、発熱素子列が平面視において、一方の両面テープ17中のスペーサ粒子19と、他方の両面テープ17中のスペーサ粒子19との間の中央位置に配置されるように、スペーサ粒子19が配置されている。
また、スペーサ粒子19は、接着剤層16および両面テープ17よりも弾性率が高くなるように形成されており、例えば、セラミック粒子、ガラスセラミック粒子、ガラス粒子、プラスチック粒子、金属粒子等が用いられる。セラミック粒子としては、例えば、アルミナ、ジルコニアで形成されたものが挙げられる。ガラスセラミック粒子としては、例えば、フィラーとしてアルミナを含有するガラスで形成されたものが挙げられる。ガラス粒子としては、例えば、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラスで形成されたものが挙げられる。プラスチック粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ジビニルベンゼンで形成されたものが挙げられる。また、プラスチック粒子を用いる場合には、放熱性を向上すべく、表面を金属で被覆してもよい。金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、アルミウム、ニッケルで形成されたものが挙げられる。
上記のように、スペーサ粒子19の弾性率が、接着剤層16および両面テープ17の弾性率よりも高くなっていることにより、ヘッド基体10と放熱体40とを接着剤層16および両面テープ17を介して接合した際に、ヘッド基板11の下面および放熱体40の上面の双方にスペーサ粒子19がそれぞれ当接する。これにより、ヘッド基体10の下面と放熱体40の上面との間隔が、スペーサ粒子19の粒径と略同じ大きさになる。
図4(a)および図4(b)に示すように、放熱体40の上面において、接着剤層16が設けられる領域と両面テープ17が設けられる領域の間には、発熱素子13aの配列方向に延びる凹溝18が形成されている。この凹溝18は、放熱体40上へのヘッド基体10の接合時に、放熱体40の上面における接着剤層16が設けられる領域(図4(b)では、2つの凹溝18の間の領域)からはみ出た接着剤を収容するために形成されている。
次に、本実施形態のサーマルヘッドX1の製造方法の一実施形態について説明する。
まず、複数のヘッド基板領域を有する母基板を準備する。次に、母基板の上面全面にグレーズ層12を形成する。この形成方法としては、例えば印刷法および焼成法などの周知のものが挙げられる。
次に、各ヘッド基板領域上に形成されたグレーズ層12の上面全面に抵抗体膜を成膜する。この成膜方法としては、例えばスパッタリング技術および蒸着技術を含む従来周知のものが挙げられる。次に、抵抗体膜の上面全面に導電膜を成膜する。この導電膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング技術および蒸着技術を含む従来周知のものが挙げられる。
次に、導電膜を所定パターンにエッチングし、電極配線14を形成するとともに、電極配線14から抵抗体膜の一部を露出させて発熱素子13aとして機能させる。このとき、複数の発熱素子13aからなる発熱素子列を矢印方向D1−D2に沿って配列させる。このエッチング方法としては、例えばフォトレジスト技術およびウェットエッチング技術の組み合わせを含む従来周知のものが挙げられる。
次に、抵抗体膜をエッチングし、電気抵抗層13を形成する。このエッチング方法としては、例えばフォトレジスト技術およびウェットエッチング技術の組み合わせを含む従来周知のものが挙げられる。
次に、スパッタリング法により発熱素子13aと電極配線14の一部とを覆うように保護層15を形成する。
次に、母基板をヘッド基板領域ごとに分割し、複数のヘッド基板11を得る。
次に、配線部材を準備する。具体的には、まず、第1配線体311と、第2配線体312と、配線部313とを含んで構成される配線体31を準備する。次に、支持板33の上面に第1接着層34となる接着剤を塗布し、配線体31を支持板33に接合する。
次に、ヘッド基体10の第1電極配線141上と第3電極配線143上とに導電性接続部材49となるハンダペーストを塗布する。そして、第1電極配線141、第3電極配線143と配線部材30の接続端子とをハンダペーストを介して対向させ、加熱し、第1電極配線141、第3電極配線143と配線部材30の接続端子とを熱溶融したハンダにより固着する。
次に、第2電極配線142と第3電極配線143とに導電性接続部材49となるハンダペーストを塗布し、第2電極配線142および第3電極配線143にハンダペーストを介して駆動IC20の接続端子を対向させる。そして、ハンダペーストを熱溶融させ、第2電極配線142および第3電極配線143と、駆動IC20の接続端子とを接続する。
次に、放熱体40上にヘッド基体10および配線部材30を接合する。具体的には、矢印D1−D2方向に凹溝18が形成された放熱体40の前記凹溝18間の突出面に、ディスペンサ等の塗布装置を用い放熱性の接着剤を塗布し、接着剤層16を形成する。
一方、凹溝18間の突出面以外の放熱体40の上面には、両面テープ17を貼り付ける。この後、スペーサ粒子19を、ディスペンサ等により、両面テープ17の上面に所定間隔をおいて一列に配置する。スペーサ粒子19の直径は両面テープ17の厚みとほぼ同一である。放熱性の接着剤を塗布する工程と、両面テープ17を貼り付け、スペーサ粒子19を配置する工程とは逆でもよい。
そして、接着剤層16が形成され、両面テープ17が貼り付けられた放熱体40上にヘッド基体10を配置し、ヘッド基体10を接着剤層16および両面テープ17上に押圧する。これにより、スペーサ粒子19が、ヘッド基板11の下面で押圧されて両面テープ17内に埋没し、放熱体40の上面に当接することで、ヘッド基板11および放熱体40の双方に当接した状態となる。また、これにより、ヘッド基板11が接着剤層16および両面テープ17に接着され、放熱体40とヘッド基体10とが接合される。
なお、予め、スペーサ粒子が所定間隔をおいて埋設された両面テープを、放熱体40の上面に貼り付けてもよい。
以上のようにして、上記実施形態のサーマルヘッドX1が形成される。
<記録装置>
次に、本発明の記録装置の一実施形態であるサーマルプリンタの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図5に示すように、本実施形態のサーマルプリンタYは、上述のサーマルヘッドX1と、搬送機構59と、制御機構69とを有している。
搬送機構59は、記録媒体Pを矢印D3方向に搬送しつつ、該記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱素子13a上に押圧する機能を有するものである。この搬送機構59は、プラテンローラ61と、搬送ローラ62、63、64、65とを含んで構成されている。
プラテンローラ61は、記録媒体Pを発熱素子13a上に押圧する機能を有するものである。このプラテンローラ61は、発熱素子13a上に位置する保護層15に接触した状態で回転可能に支持されている。このプラテンローラ61は、円柱状の基体の外表面を弾性部材により被覆した構成を有している。この基体は、例えばステンレスなどの金属により形成されており、この弾性部材は、例えば厚みの寸法が3〜15mmの範囲のブタジエンゴムにより形成されている。
搬送ローラ62、63、64、65は、記録媒体Pを搬送する機能を有するものである。すなわち、搬送ローラ62、63、64、65は、サーマルヘッドX1の発熱素子13aとプラテンローラ61との間に記録媒体Pを供給するとともに、サーマルヘッドX1の発熱素子13aとプラテンローラ61との間から記録媒体Pを引き抜く役割を担うものである。これらの搬送ローラ62、63、64、65は、例えばプラテンローラ61と同様に円柱状の基体の外表面を弾性部材により被覆した構成にすることができる。
制御機構69は、駆動IC20に画像情報を供給する機能を有するものである。つまり、制御機構69は、外部接続端子32を介して発熱素子13aを選択的に駆動する画像情報を駆動IC20に供給する役割を担うものである。
本実施形態のサーマルプリンタYは、図5に示すように、搬送機構59によって記録媒体PをサーマルヘッドX1上に搬送しつつ、制御機構69によってサーマルヘッドX1の発熱素子13aを選択的に発熱させることで、記録媒体Pに所定の印画を行うことができる。
上記実施形態のサーマルヘッドX1によれば、スペーサ粒子19が両面テープ17の内部に配置されており、このスペーサ粒子19が放熱体40およびヘッド基板11の双方に当接している。これにより、プラテンローラ等によって記録媒体が発熱素子13a上に押圧された際に、ヘッド基板11がスペーサ粒子19によって支持され、ヘッド基体10の傾きの発生が低減される。そのため、ヘッド基体10の傾きの発生に起因して、例えば、プラテンローラ等による記録媒体の発熱素子13a上への押圧力が低下したり、接着剤層16および両面テープ17とヘッド基体10との間で剥離が生じたりすることを抑制することができる。
さらに、上記実施形態のサーマルヘッドX1によれば、複数の発熱素子13aからなる発熱素子列の直下に位置する接着剤層16にはスペーサ粒子19が配置されておらず、接着剤層16の両側で、この接着剤層16に並行して延びる両面テープ17にスペーサ粒子19が配置されている。そのため、発熱素子列の直下の領域(第1領域)にスペーサ粒子19が存在しないため、発熱素子列における各発熱素子13aの発熱温度のばらつきを低減することができる。つまり、接着剤層16における発熱素子列の直下の領域にスペーサ粒子19が配置されている場合は、スペーサ粒子19の配置ばらつきに起因して、接着剤層16での放熱性がばらつき、発熱素子列における各発熱素子13aの発熱温度にばらつきが生じるという問題があった。また、この場合は、接着剤層16とこれに埋設されたスペーサ粒子19と間に隙間が形成され、この隙間によっても接着剤層16での放熱性がばらつくことがある。これに対し、本実施形態のサーマルヘッドX1では、発熱素子列における各発熱素子13aの発熱温度に大きな影響を及ぼす発熱素子列の直下の領域に、スペーサ粒子19が存在していないため、発熱素子列における各発熱素子13aの発熱温度のばらつきを低減することができる。
また、上記実施形態のサーマルヘッドX1によれば、両面テープ17の内部にスペーサ粒子19が配置されている。そのため、スペーサ粒子19を所定の位置に配置し易くなっている。つまり、接着剤層16の内部にスペーサ粒子19を配置する場合は、硬化前の接着剤の流動に伴ってスペーサ粒子19が移動し易く、スペーサ粒子19を所定の位置に配置することが難しい。これに対し、両面テープ17の内部にスペーサ粒子19を配置する場合は、両面テープ17内をスペーサ粒子19が移動し難いため、スペーサ粒子19を所定の位置に配置し易くなる。
また、上記実施形態のサーマルヘッドX1によれば、図4(b)に示すように、一方の両面テープ17中のスペーサ粒子19の発熱素子列からの距離L1と、他方の両面テープ17中のスペーサ粒子19の発熱素子列からの距離L2とが等しくなるように、スペーサ粒子19が配置されている。そのため、発熱素子列を形成する発熱素子13a上に、プラテンローラによって記録媒体を押圧する際に、発熱素子13a上の所定の位置を押圧することができ、押圧位置のずれに起因する印画のかすれ等の発生を抑制することができる。つまり、この距離L1と距離L2とが等しくない場合は、プラテンローラによって記録媒体を発熱素子13a上に押圧した時に、発熱素子13aの配列方向に直交する方向(D3−D4方向)においてヘッド基体10が最も撓む位置(以下、最大撓み位置という)が、プラテンローラの軸心の位置とずれることになる。そのため、プラテンローラによる発熱素子13a上の押圧位置が、所定の位置からずれる。より具体的には、このプラテンローラによる発熱素子13a上の押圧位置は、所定の押圧位置に対して、最大撓み位置がずれた方向とは反対側にずれる。これに対し、本実施形態のように、この距離L1と距離L2とが等しい場合は、ヘッド基体10の最大撓み位置が、プラテンローラの軸心の位置と一致する。そのため、プラテンローラによって発熱素子13a上の所定の位置を押圧することができ、押圧位置のずれに起因する印画のかすれ等の発生を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
上記実施形態のサーマルヘッドX1では、図4に示すように、スペーサ粒子19が、発熱素子13aの配列方向における両面テープ17の両端部にそれぞれ1個ずつ配置されているとともに、中央部に1個配置されているが、スペーサ粒子19の配置個数や配置位置は、これに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、一方の両面テープ17には、複数(図示例では21個)のスペーサ粒子19を所定の間隔で一列に配置し、他方の両面テープ17には、複数(図示例では21個)のスペーサ粒子19を所定の間隔で二列に配置してもよい。
また、上記実施形態のサーマルヘッドX1では、図4に示すように、発熱素子13aの配列方向とは直交する方向(D3−D4方向)における接着剤層16の両側で、ヘッド基体10(より詳細にはヘッド基板11)が両面テープ17を介して放熱体40上に接合されているが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、D3−D4方向における接着剤層16の片側で、ヘッド基体10が両面テープ17を介して放熱体40上に接合されていてもよい。
また、上記実施形態のサーマルヘッドX1では、図4に示すように、接着剤層16にスペーサ粒子19を配置していないが、複数の発熱素子13aからなる発熱素子列の直下の領域にスペーサ粒子19が配置されない限り、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、接着剤層16において、複数の発熱素子13aからなる発熱素子列の直下の第1領域S1以外の領域に、スペーサ粒子19を配置してもよい。なお、図8では、発熱素子列の直下の第1領域S1とスペーサ粒子19の配置位置との関係を示すことを目的としているため、ヘッド基板11上のグレーズ層12、電気抵抗層13、電極配線14および保護層15を概略的に示している。
また、上記実施形態のサーマルヘッドX1では、放熱体40とヘッド基体10のヘッド基板11とを接着剤層16および両面テープ17によって接合しているが、本発明における接合層の構成は、複数の発熱素子13aからなる発熱素子列の直下の領域にスペーサ粒子19が配置されない限り、これに限定されるものではない。例えば、図4に示す接着剤層16の代わりに、両面テープ17を設け、放熱体40とヘッド基体10のヘッド基板10とを両面テープ17のみからなる接合層によって接合してもよい。また、逆に、図4に示す両面テープ17の代わりに、接着剤層16を設け、放熱体40とヘッド基体10のヘッド基板11とを接着剤層16のみからなる接合層によって接合してもよい。また、図9に示すように、放熱体40とヘッド基体10のヘッド基板11とを、1つの接着剤層16で接合してもよい。この場合、この1つの接着剤層16が本発明における接合層に相当し、この接着剤層16が、発熱素子列の直下の第1領域S1と、この第1領域に並行して延びる第2領域S2とを有している。なお、図9に示す接着剤層16では、複数の発熱素子13aからなる発熱素子列の直下の第1領域S1に、スペーサ粒子19が配置されていない。また、図9に示す放熱体40の上面には、図4に示す放熱体40で形成されている凹溝18が形成されていない。
また、上記実施形態のサーマルプリンタYに適用されたサーマルヘッドX1の代わりに、例えば、図9に示すサーマルヘッドX2を適用した場合は、図10に示すように、接着剤層16において、発熱素子列の直下の第1領域S1以外の領域において、スペーサ粒子19が、サーマルヘッドX2とプラテンローラ61との接触領域に対応する領域S3に配置されるようにしてもよい。この場合、接着剤層16における第1領域S1以外の領域が、本発明における第1領域(S1)に並行して延びる第2領域(S2)に相当する。このように構成した場合、発熱素子列の直下の第1領域S1にはスペーサ粒子19が存在しないので、上述したように発熱素子列における各発熱素子13aの発熱温度のばらつきを低減することができる。さらに、この場合、サーマルヘッドX2とプラテンローラ61との接触領域の直下の領域で、スペーサ粒子19によってヘッド基体10を支持することができるため、プラテンローラ61による押圧力を発熱素子13a上により効果的に与えることができる。
なお、ヘッド基体10のヘッド基板11は、熱伝導性の観点から薄く(1mm以下に)形成された場合には、ヘッド基板11が変形し易くなるため、本発明を好適に用いることができる。また、ヘッド基板11の長さが100mm以上ある場合、すなわち、発熱素子列が長い場合にも、ヘッド基板11が変形し易くなるため、本発明を好適に用いることができる。さらにヘッド基板11の幅(矢印D3−D4方向の長さ)が10mm以下の場合にも、ヘッド基板11が変形し易くなるため、本発明を好適に用いることができる。
特に、画像用、医療用の記録ヘッドでは、ヘッド基板11が長くなる傾向にあるため、本発明を好適に用いることができる。
次に、図4に示したサーマルヘッドX1の実施例と比較例とを比較する。
まず、図4に示したサーマルヘッドX1の実施例であるサーマルヘッドAを作製するため、ヘッド基体および放熱体を準備した。ヘッド基体は、幅9mm、長さ168mm、厚み1mmのアルミナ基板からなるヘッド基板を用いた。このヘッド基板の長さ方向には、発熱素子列が形成されていた。放熱体はAlからなり、幅20mm、長さ170mm、厚み4mmであり、発熱素子列と対応する部分の両側に2条の凹溝が形成されていた。
この凹溝の間の突出面以外の放熱体の上面に厚み50μmの両面テープ(3M製467:アクリル系粘着剤を使用した基材のないタイプ)を貼り付け、これらの両面テープの上に、両面テープの厚みと同じ粒径(50μm)のスペーサ粒子(セキスイ化学工業製:ミクロパールAU−250)を配置した。
スペーサ粒子は、図4に示すように、凹溝の両側のそれぞれの両面テープの上面に、凹溝の形成方向に、両端部と中央部に直線状に3個配置した。
この後、放熱体の凹溝の間の突出面にディスペンサを用い、加熱硬化型の放熱性樹脂(東芝シリコーン製:TSE3282G)を50μmの厚みで塗布した。
次に、ヘッド基体を放熱性樹脂およびスペーサ粒子が配置された両面テープの上面に配置し、発熱素子列と駆動ICとの間の平らな領域をプレス機で放熱体側に押圧し、90℃で1時間加熱し、放熱性樹脂を硬化させた。こうして、本発明のサーマルヘッドX1の実施例であるサーマルヘッドAを作製した。
また、両面テープ内にスペーサ粒子を配置せず、放熱性樹脂内にスペーサ粒子を含有させ、放熱体の凹溝間の突出面にディスペンサを用いてこの放熱性樹脂を塗布する以外は上記のサーマルヘッドAと同様にして、比較例であるサーマルヘッドBを作製した。さらに、両面テープ内にスペーサ粒子を配置せず、放熱性樹脂内にスペーサ粒子を含有しない以外は上記のサーマルヘッドAと同様にして、比較例であるサーマルヘッドCを作製した。
作製したサーマルヘッドA,BおよびCをそれぞれ、高速カラープリンターに搭載し、印画試験を行った。記録媒体として合成紙を用いた。
図11(c)に示すように、印画開始位置を0とし、副走査方向に印画開始位置から10cmおよび20cmの位置で、主走査方向に一定間隔で数点、印画の濃度測定を行い、濃度の安定度を観察した。結果を図11(a)および図11(b)に示した。図11(a)および図11(b)に示すグラフにおいて、縦軸は濃度(O.D)、横軸は主走査方向における印画位置(印画領域の端部からの距離)を示す。
この図11から、サーマルヘッドAでは主走査方向の濃度に大きな変化がみられないことがわかる。放熱性樹脂内にスペーサ粒子が存在しないことで、放熱性樹脂内の放熱性分布が一様で安定した印画が得られることがわかる。また、印画開始位置から20cmの位置では、印画開始位置から10cmの位置よりも、グレーズ層での蓄熱が進むが、この場合でも安定した印画が得られることがわかる。
一方、比較例のサーマルヘッドBは、放熱性樹脂内にスペーサ粒子が含有されており、放熱性樹脂内でのスペーサ粒子の分布に偏りが生じているため、放熱性が一様でなく、結果として濃度ムラが発生することがわかる。
さらに、比較例のサーマルヘッドCは、放熱性樹脂にも両面テープにもスペーサ粒子が存在しないため、ヘッド基体が傾き、結果として濃度ムラが発生することがわかる。
X1,X2 サーマルヘッド(記録ヘッド)
Y サーマルプリンタ(記録装置)
10 ヘッド基体
11 ヘッド基板(基板)
12 グレーズ層
13 電気抵抗層
13a 発熱素子
14 電極配線
141 第1電極配線
142 第2電極配線
143 第3電極配線
15 保護層
16 接着剤層
17 両面テープ
18 凹溝
19 スペーサ粒子
20 駆動IC
30 配線部材
40 放熱体
59 搬送機構
61 プラテンローラ
62、63、64、65 搬送ローラ
69 制御機構
P 記録媒体
S1 第1領域
S2 第2領域
S3 サーマルヘッドとプラテンローラとの接触領域に対応する領域
本発明の一実施形態に係る記録ヘッドは、放熱体と、該放熱体上に配置された基板、および該基板上に配列された複数の発熱素子からなる発熱素子列を有するヘッド基体と、前記放熱体と前記基板との間に介在し、前記放熱体と前記基板とを接合する接合層と、該接合層内に配置され、前記放熱体および前記基板の双方に当接する複数のスペーサ粒子とを備えている。前記接合層は、前記発熱素子列の直下の第1領域と、該第1領域に並行して延びる第2領域とを有している。前記スペーサ粒子は、前記第1領域に配置されておらず、前記第2領域に配置されている。

Claims (8)

  1. 放熱体と、
    該放熱体上に配置された基板、および該基板上に配列された複数の発熱素子からなる発熱素子列を有するヘッド基体と、
    前記放熱体と前記基板との間に介在し、前記放熱体と前記基板とを接合する接合層と、
    該接合層内に配置され、前記放熱体および前記基板の双方に当接する複数のスペーサ粒子と
    を備え、
    前記接合層は、前記発熱素子列の直下の第1領域と、該第1領域に並行して延びる第2領域とを有しており、
    前記スペーサ粒子は、前記第2領域に配置されていることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記接合層の前記第2領域は、両面テープで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記接合層の前記第1領域は、接着剤で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録ヘッド。
  4. 前記スペーサ粒子は、前記発熱素子列に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の記録ヘッド。
  5. 前記接合層の前記第2領域は、前記第1領域の両側に存在していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録ヘッド。
  6. 前記接合層の前記第2領域のうちの一方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子が、他方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子に対し、前記第1領域を挟んで対向するように配置されており、
    前記一方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子の前記発熱素子列からの距離と、前記他方の前記第2領域に配置された前記スペーサ粒子の前記発熱素子列からの距離とが等しいことを特徴とする請求項5に記載の記録ヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の記録ヘッドと、前記複数の発熱素子上に記録媒体を搬送する搬送機構とを備え、
    前記搬送機構は、前記複数の発熱素子上に記録媒体を押圧するプラテンローラを有していることを特徴とする記録装置。
  8. 前記接合層の前記第2領域は、前記記録ヘッドと前記プラテンローラとの接触領域に対応する領域に少なくとも延びており、
    前記スペーサ粒子が、前記接合層の前記第2領域において、前記接触領域に対応する領域に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
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