JPWO2011013645A1 - ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)人造黒鉛を30〜100質量部、(C)フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を有するオルガノポリシロキサン0.01〜5質量部、(D)フッ素化合物0.01〜5質量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物、該ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体、その成形体を含む電気・電子機器用部品、電気・電子機器用筐体、電気・電子機器用シャーシであり、熱伝導性が高く、機械的強度が高く、かつ薄肉でありながら難燃性が高いポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品を提供する。
Description
本発明はポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に関し、特に、熱伝導性が高く、機械的強度が高く、かつ難燃性が高い成形品を提供するポリカーボネート樹脂組成物に関する。
電気電子分野の製品開発においては、デジタルカメラ・デジタルビデオカメラでの高画素化・高速処理化、プロジェクターの小型化、パソコン・モバイル機器での高速処理化、各種光源のLED化により熱対策に重点がおかれるようになっている。
金属部品での放熱回路での対策も取られているが、小型化される機器では、放熱回路が複雑になってしまうため、樹脂筐体と放熱回路を一体化可能な、熱伝導性に優れ、かつ、筐体としての機械的強度にも優れる樹脂材料が要求されている。
また、小型電子機器においては、筐体、シャーシにおいても薄肉化が要求され、それに伴って薄肉での難燃性も要求されている。
このような要求に応じるために関連した技術として、特許文献1〜4が挙げられる。
特許文献1には、(A)熱可塑性樹脂100質量部、(B)平均粒子径が5μm〜300μmである黒鉛5〜100質量部、(C)有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩0.001〜1質量部からなる難燃性樹脂組成物が開示され、特許文献2には、(A)熱可塑性樹脂(A成分)99〜20質量部、(B)見掛け密度が0.15g/cm3以下でありかつ、黒鉛粉末5gを水100gに分散した時の水層のpHが4〜10である黒鉛1〜80質量部からなる熱可塑性樹脂組成物が開示されているが、この組成物では、難燃性が不十分であった。
特許文献3には、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜90質量部と、(B)黒鉛10〜40質量部の合計100質量部に対し、(C)アミノ基及び/又はエポキシ基をもつ、シラン化合物及び/又はシリコーン化合物0.001〜5質量部を含んでなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されているが、この技術でも、電子機器等の筐体に要求される1.5mm程度の肉厚で十分な難燃性が得られていない。
特許文献4には、発熱体が収容される放熱筐体であって、熱可塑性樹脂〔A〕と特定の熱伝導フィラー〔B〕とから成り、熱可塑性樹脂〔A〕100質量部に対する熱伝導フィラー〔B〕の配合量が10〜1000質量部である熱伝導性樹脂組成物にて構成されている放熱筐体が開示されているが、電子機器等の筐体に要求される難燃性に関する記述はなく、難燃剤、ドリップ防止剤の添加がないことから、十分な難燃性を有していないと考えられる。
金属部品での放熱回路での対策も取られているが、小型化される機器では、放熱回路が複雑になってしまうため、樹脂筐体と放熱回路を一体化可能な、熱伝導性に優れ、かつ、筐体としての機械的強度にも優れる樹脂材料が要求されている。
また、小型電子機器においては、筐体、シャーシにおいても薄肉化が要求され、それに伴って薄肉での難燃性も要求されている。
このような要求に応じるために関連した技術として、特許文献1〜4が挙げられる。
特許文献1には、(A)熱可塑性樹脂100質量部、(B)平均粒子径が5μm〜300μmである黒鉛5〜100質量部、(C)有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩0.001〜1質量部からなる難燃性樹脂組成物が開示され、特許文献2には、(A)熱可塑性樹脂(A成分)99〜20質量部、(B)見掛け密度が0.15g/cm3以下でありかつ、黒鉛粉末5gを水100gに分散した時の水層のpHが4〜10である黒鉛1〜80質量部からなる熱可塑性樹脂組成物が開示されているが、この組成物では、難燃性が不十分であった。
特許文献3には、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜90質量部と、(B)黒鉛10〜40質量部の合計100質量部に対し、(C)アミノ基及び/又はエポキシ基をもつ、シラン化合物及び/又はシリコーン化合物0.001〜5質量部を含んでなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されているが、この技術でも、電子機器等の筐体に要求される1.5mm程度の肉厚で十分な難燃性が得られていない。
特許文献4には、発熱体が収容される放熱筐体であって、熱可塑性樹脂〔A〕と特定の熱伝導フィラー〔B〕とから成り、熱可塑性樹脂〔A〕100質量部に対する熱伝導フィラー〔B〕の配合量が10〜1000質量部である熱伝導性樹脂組成物にて構成されている放熱筐体が開示されているが、電子機器等の筐体に要求される難燃性に関する記述はなく、難燃剤、ドリップ防止剤の添加がないことから、十分な難燃性を有していないと考えられる。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、熱伝導性が高く、機械的強度が高く、かつ薄肉でありながら難燃性が高いポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、下記の成分及び割合のポリカーボネート樹脂組成物とすることにより、前記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)人造黒鉛を30〜100質量部、(C)フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を有するオルガノポリシロキサン0.01〜5質量部、(D)フッ素化合物0.01〜5質量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物、該ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体、その成形体を含む電気・電子機器用部品、電気・電子機器用筐体、電気・電子機器用シャーシを提供するものである。
すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)人造黒鉛を30〜100質量部、(C)フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を有するオルガノポリシロキサン0.01〜5質量部、(D)フッ素化合物0.01〜5質量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物、該ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体、その成形体を含む電気・電子機器用部品、電気・電子機器用筐体、電気・電子機器用シャーシを提供するものである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体は、熱伝導性が高く、機械的強度が高く、かつ薄肉でありながら難燃性が高い。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)人造黒鉛を30〜100質量部、(C)フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を有するオルガノポリシロキサン0.01〜5質量部、(D)フッ素化合物0.01〜5質量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物である。
以下、各成分について説明する。
前記(A)成分のポリカーボネート樹脂(PC)としては、特に制限はなく種々のものが挙げられる。
通常、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。例えば、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法、具体的には、2価フェノールとホスゲンの反応、2価フェノールとジフェニルカーボネートなどとのエステル交換反応により製造されたものを使用することができる。
以下、各成分について説明する。
前記(A)成分のポリカーボネート樹脂(PC)としては、特に制限はなく種々のものが挙げられる。
通常、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。例えば、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法、具体的には、2価フェノールとホスゲンの反応、2価フェノールとジフェニルカーボネートなどとのエステル交換反応により製造されたものを使用することができる。
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。
これらの中でも、特に好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料としたものである。
この他、2価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメートなどであり、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
これらの中でも、特に好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料としたものである。
この他、2価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメートなどであり、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
本発明で用いる(A)ポリカーボネート樹脂は、高い衝撃強度を得るという点から、仕込み分子量(粘度平均分子量)[MV]が19000〜30000であると好ましく、成形性の観点から、19000〜27000であるとさらに好ましい。
前記(B)成分の人造黒鉛としては、特に限定されず公知のもの、市販のものを用いれば良い。人造黒鉛は、無定形炭素を熱処理し不規則な配列の微小黒鉛結晶の配向を人工的に行わせたものであり、一般炭素材料に使用される人造黒鉛の他、キッシュ黒鉛、分解黒鉛、及び熱分解黒鉛などを含む。一般炭素材料に使用される人造黒鉛は、通常石油コークスや石炭系ピッチコークスを主原料として黒鉛化処理により製造される。
なお、本発明において、天然黒鉛ではなく、人造黒鉛を必須とする理由は、薄肉での難燃性を得るためである。
本発明で用いる(B)人造黒鉛は、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して30〜100質量部であり、30〜70質量部が好ましい。30質量部未満であると十分な熱伝導率が得られず、100質量部を超えると薄肉での難燃性が得られず、衝撃強度の低下、造粒時の分子量低下を引き起こす。
なお、本発明において、天然黒鉛ではなく、人造黒鉛を必須とする理由は、薄肉での難燃性を得るためである。
本発明で用いる(B)人造黒鉛は、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して30〜100質量部であり、30〜70質量部が好ましい。30質量部未満であると十分な熱伝導率が得られず、100質量部を超えると薄肉での難燃性が得られず、衝撃強度の低下、造粒時の分子量低下を引き起こす。
前記(C)成分のオルガノポリシロキサンとしては、フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を有するものであれば特に限定されず、例えば、信越化学工業製 KR−511、東レ・ダウコーニング製 BY16−161等が挙げられる。
また、フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を必須として有するオルガノポリシロキサンを用いることにより、難燃性が向上する。
本発明で用いる(C)オルガノポリシロキサンは、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であり、1〜4質量部が好ましい。0.01質量部未満であると十分な難燃性が得られず、5質量部を超えると燃焼時に滴下を起こしやすくなる。
また、フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を必須として有するオルガノポリシロキサンを用いることにより、難燃性が向上する。
本発明で用いる(C)オルガノポリシロキサンは、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であり、1〜4質量部が好ましい。0.01質量部未満であると十分な難燃性が得られず、5質量部を超えると燃焼時に滴下を起こしやすくなる。
前記(D)フッ素化合物は、滴下防止剤として用いられ、フッ素を含有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、フィブリル形成能を有する含フッ素ポリマーを挙げることができ、このポリマーとしてはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体など)、部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート樹脂などを挙げることができる。中でも好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
本発明で用いる(D)フッ素化合物は、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であり、0.5〜4質量部が好ましい。0.01質量部未満であると滴下防止効果がなく、5質量部を超えると難燃性を低下させる。
本発明で用いる(D)フッ素化合物は、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であり、0.5〜4質量部が好ましい。0.01質量部未満であると滴下防止効果がなく、5質量部を超えると難燃性を低下させる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分に加え、(E)難燃剤としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の有機スルホン酸塩、(F)リン含有化合物である酸化防止剤を含有すると好ましい。
前記(E)成分のアルカリ金属又はアルカリ土類金属[以下、両者を合わせて「アルカリ(土類)金属」と記載することがある]の有機スルホン酸塩としては、パーフルオロアルキルスルホン酸とアルカリ金属又はアルカリ土類金属との金属塩のようなフッ素置換アルキルスルホン酸の金属塩、並びに芳香族スルホン酸とアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩との金属塩等が挙げられる。
前記(E)成分のアルカリ金属又はアルカリ土類金属[以下、両者を合わせて「アルカリ(土類)金属」と記載することがある]の有機スルホン酸塩としては、パーフルオロアルキルスルホン酸とアルカリ金属又はアルカリ土類金属との金属塩のようなフッ素置換アルキルスルホン酸の金属塩、並びに芳香族スルホン酸とアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩との金属塩等が挙げられる。
前記アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムが挙げられ、前記アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムが挙げられる。より好適にはアルカリ金属である。これらのアルカリ金属の中でも、難燃性と熱安定性の観点からカリウム及びナトリウムが好ましく、特にカリウムが好ましい。カリウム塩と他のアルカリ金属からなるスルホン酸アルカリ金属塩とを併用することもできる。
パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の具体例としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロヘプタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム、パーフルオロオクタンスルホン酸セシウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸ルビジウム、及びパーフルオロヘキサンスルホン酸ルビジウム等が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。ここでパーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜18の範囲が好ましく、1〜10の範囲がより好ましく、更に好ましくは1〜8の範囲である。これらの中で特にパーフルオロブタンスルホン酸カリウムが好ましい。
芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩の具体例としては、例えば、ジフェニルサルファイド−4,4'−ジスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルサルファイド−4,4'−ジスルホン酸ジカリウム、5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウム、1−メトキシナフタレン−4−スルホン酸カルシウム、4−ドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,3−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(2,6−ジフェニルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリカリウム、ポリ(2−フルオロ−6−ブチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸リチウム、ベンゼンスルホネートのスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3'−ジスルホン酸カルシウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3,4'−ジスルホン酸ジカリウムな、α,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3'−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸カルシウム、ベンゾチオフェンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、及びアントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物等が挙げられる。これら芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩では、特にカリウム塩が好適である。
本発明で用いる(E)難燃剤は、アルカリ(土類)金属の有機スルホン酸塩は難燃剤として難燃性を高めるために添加され、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して通常0.01〜1質量部であり、0.01質量部以上であると難燃剤としての効果が得られ、1質量部以下であれば造粒工程・成形工程での熱安定性が良好である。
前記(F)リン含有化合物である酸化防止剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸及びこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。これらの中でも特に、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、及びホスホン酸、トリオルガノホスフェート化合物、及びアシッドホスフェート化合物が好ましい。尚、アシッドホスフェート化合物における有機基は、一置換、二置換、及びこれらの混合物のいずれも含む。該化合物に対応する下記の例示化合物においても同様にいずれをも含むものとする。
本発明で用いる(F)リン含有化合物は、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して通常0.001〜1質量部であり、0.001質量部以上であれば造粒工程・成形工程での熱安定性が良好であり、1質量部以下であれば分子量低下を引き起こすことが無い。
本発明で用いる(F)リン含有化合物は、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して通常0.001〜1質量部であり、0.001質量部以上であれば造粒工程・成形工程での熱安定性が良好であり、1質量部以下であれば分子量低下を引き起こすことが無い。
さらに、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、必要に応じ、離型剤を配合しても良い。離型剤としては、例えば、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス、1−アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、シリコーン化合物、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋等が挙げられる。離型剤の量としては、前記ポリカーボネート樹脂100質量部に対して通常0.1〜2質量部である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、高い衝撃強度を得るという点から、仕込み分子量(粘度平均分子量)[MV]が19000〜30000であると好ましく、成形性の観点から19000〜27000であるとさらに好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法によれば良い。
例えば、前記(A)〜(D)成分、及び必要に応じ(E)、(F)成分及び離型剤を添加し、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した後、必要に応じて、押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより予備混合物の造粒を行い、その後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練し、次いでペレタイザーによりペレット化する方法が挙げられる。
また、上記各成分をそれぞれ独立に、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機に供給する方法や、各成分の一部を予備混合した後、残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法なども挙げられる。
各成分の一部を予備混合する方法としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(A)成分以外の成分を予め予備混合した後、ポリカーボネート樹脂(A)成分に混合又は押出機に直接供給する方法が挙げられる。
例えば、前記(A)〜(D)成分、及び必要に応じ(E)、(F)成分及び離型剤を添加し、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した後、必要に応じて、押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより予備混合物の造粒を行い、その後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練し、次いでペレタイザーによりペレット化する方法が挙げられる。
また、上記各成分をそれぞれ独立に、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機に供給する方法や、各成分の一部を予備混合した後、残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法なども挙げられる。
各成分の一部を予備混合する方法としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(A)成分以外の成分を予め予備混合した後、ポリカーボネート樹脂(A)成分に混合又は押出機に直接供給する方法が挙げられる。
予備混合する方法としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(A成分)としてパウダーの形態を有するものを含む場合、パウダーの一部と配合する添加剤とをブレンドしてパウダーで希釈した添加剤のマスターバッチを製造し、マスターバッチを利用する方法が挙げられる。
さらに、ある一成分を独立に溶融押出機の途中から供給する方法なども挙げられる。
なお、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融押出機への供給に所謂液注装置又は液添装置を使用することができる。
押出機としては、原料中の水分や、溶融混練ポリカーボネート樹脂組成物から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。
ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。
また、押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。
スクリーンとしては、金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
溶融混練機としては、二軸押出機の他に、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。
さらに、ある一成分を独立に溶融押出機の途中から供給する方法なども挙げられる。
なお、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融押出機への供給に所謂液注装置又は液添装置を使用することができる。
押出機としては、原料中の水分や、溶融混練ポリカーボネート樹脂組成物から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。
ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。
また、押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。
スクリーンとしては、金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
溶融混練機としては、二軸押出機の他に、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。
押出されたポリカーボネート樹脂組成物は、直接切断してペレット化するか、又はストランドを形成した後、ストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、通常、上記のように製造されたペレットを射出成形して成形品を得ることにより各種製品を製造することができる。
射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形及び超高速射出成形などを挙げることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、通常、上記のように製造されたペレットを射出成形して成形品を得ることにより各種製品を製造することができる。
射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形及び超高速射出成形などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1〜5及び比較例1〜8
各配合成分をそれぞれ乾燥した後、表1及び表2に示す配合割合及び配合比率で、二軸押出機(東芝機械(株)製、商品名TEM35)を用い、バレル温度300〜320℃、スクリュ回転数100〜600回転、吐出10〜30kg/hrにて溶融混練し、評価用サンプルを得た。
実施例1〜5及び比較例1〜8
各配合成分をそれぞれ乾燥した後、表1及び表2に示す配合割合及び配合比率で、二軸押出機(東芝機械(株)製、商品名TEM35)を用い、バレル温度300〜320℃、スクリュ回転数100〜600回転、吐出10〜30kg/hrにて溶融混練し、評価用サンプルを得た。
実施例及び比較例で用いた組成物材料は、以下の通りである。
成分(A):FN1900A[MV=19500]、FN2200A[MV=21500]、FN2600A[MV=25500][商品名、出光興産(株)製]
仕込み分子量(粘度平均分子量)[MV]19000〜30000に調整
成分(B):
・天然黒鉛:鱗片黒鉛粉末CB−150[商品名、日本黒鉛工業(株)製]:鱗片状、粒度分布63μm以下77〜87質量%、106μm以上5質量%以下、見かけ密度0.2〜0.3g/cu・cm、50質量%累積径31〜48μm、固定炭素98質量%以上、灰分1質量%以下、揮発分1%以下
・人造黒鉛:人造黒鉛粉末PAG−420[商品名、日本黒鉛工業(株)製]:不定形、50質量%累積径30〜40μm(50μm以上 50%以下)、見かけ密度0.29−0.37g/cu・cm、固定炭素99.4以上、揮発分0.3以下、灰分0.3以下
成分(C):
KR−511(メトキシ基及びビニル基を有するオルガノシロキサン)[商品名、信越化学工業(株)製]
SH−6040(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)[商品名、東レ・ダウコーニング(株)製]
BY16−161[商品名、東レ・ダウコーニング(株)製](メトキシ基が2価炭化水素を介してケイ素原子に結合したメトキシシリル基を含むシリコーン)
成分(D):高分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE):
CD076[商品名、旭硝子株式会社(株)製]
アルゴフロンF5[商品名、ソルベイ ソレクシス(株)製]
成分(E):パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩[三菱マテリアル(株)製 エフトップ、商品名KFBS]
成分(F):
JC263(トリフェニルホスフィン)[商品名、城北化学工業(株)製]
アデカスタブ C(ジフェニルイソオクチルフォスファイト)(ADK StabC)[商品名、ADEKA(株)製]
Irganox1076(オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル− ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト)[商品名、チバ・ジャパン(株)製]
離型剤:
S−100A[商品名、理研ビタミン(株)製]
EW−440A[商品名、理研ビタミン(株)製]
成分(A):FN1900A[MV=19500]、FN2200A[MV=21500]、FN2600A[MV=25500][商品名、出光興産(株)製]
仕込み分子量(粘度平均分子量)[MV]19000〜30000に調整
成分(B):
・天然黒鉛:鱗片黒鉛粉末CB−150[商品名、日本黒鉛工業(株)製]:鱗片状、粒度分布63μm以下77〜87質量%、106μm以上5質量%以下、見かけ密度0.2〜0.3g/cu・cm、50質量%累積径31〜48μm、固定炭素98質量%以上、灰分1質量%以下、揮発分1%以下
・人造黒鉛:人造黒鉛粉末PAG−420[商品名、日本黒鉛工業(株)製]:不定形、50質量%累積径30〜40μm(50μm以上 50%以下)、見かけ密度0.29−0.37g/cu・cm、固定炭素99.4以上、揮発分0.3以下、灰分0.3以下
成分(C):
KR−511(メトキシ基及びビニル基を有するオルガノシロキサン)[商品名、信越化学工業(株)製]
SH−6040(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)[商品名、東レ・ダウコーニング(株)製]
BY16−161[商品名、東レ・ダウコーニング(株)製](メトキシ基が2価炭化水素を介してケイ素原子に結合したメトキシシリル基を含むシリコーン)
成分(D):高分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE):
CD076[商品名、旭硝子株式会社(株)製]
アルゴフロンF5[商品名、ソルベイ ソレクシス(株)製]
成分(E):パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩[三菱マテリアル(株)製 エフトップ、商品名KFBS]
成分(F):
JC263(トリフェニルホスフィン)[商品名、城北化学工業(株)製]
アデカスタブ C(ジフェニルイソオクチルフォスファイト)(ADK StabC)[商品名、ADEKA(株)製]
Irganox1076(オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル− ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト)[商品名、チバ・ジャパン(株)製]
離型剤:
S−100A[商品名、理研ビタミン(株)製]
EW−440A[商品名、理研ビタミン(株)製]
得られたサンプルについて以下の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
(1)難燃性
12.7mm×127mm×(1.35mmt、1.2mmt、1.0mmt)の試験片を射出成形にて成形。UL94 V試験に準拠した方法にて燃焼試験を行い、難燃性のランク(V−0,V−1,V−2)を判定した。
なお、表1及び表2において、NOTとは、UL94 V試験に準拠した方法において、試験結果がV−0〜V−2の基準に満たないことを示す。
(2)引張破断強度[MPa]
ASTM D638に準拠して測定した。
(3)伸び[%]
ASTM D638に準拠して測定した。
(4)曲げ強度[MPa]
ASTM D790に準拠して測定した。
(5)曲げ弾性率[MPa]
ASTM D790に準拠して測定した。
(6)IZOD衝撃強度(ノッチ有)[kJ/m2]
ASTM D256に準拠して測定した。
(7)IZOD衝撃強度(ノッチなし)[kJ/m2]
ASTM D256に準拠して測定した。
(8)熱伝導率[W/m・K]
ホットディスク法にて測定した。
(1)難燃性
12.7mm×127mm×(1.35mmt、1.2mmt、1.0mmt)の試験片を射出成形にて成形。UL94 V試験に準拠した方法にて燃焼試験を行い、難燃性のランク(V−0,V−1,V−2)を判定した。
なお、表1及び表2において、NOTとは、UL94 V試験に準拠した方法において、試験結果がV−0〜V−2の基準に満たないことを示す。
(2)引張破断強度[MPa]
ASTM D638に準拠して測定した。
(3)伸び[%]
ASTM D638に準拠して測定した。
(4)曲げ強度[MPa]
ASTM D790に準拠して測定した。
(5)曲げ弾性率[MPa]
ASTM D790に準拠して測定した。
(6)IZOD衝撃強度(ノッチ有)[kJ/m2]
ASTM D256に準拠して測定した。
(7)IZOD衝撃強度(ノッチなし)[kJ/m2]
ASTM D256に準拠して測定した。
(8)熱伝導率[W/m・K]
ホットディスク法にて測定した。
表1より、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃剤なしでも厚さ1.2mmでV−1の難燃性を発現できる。
以上詳細に説明したように、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体は、熱伝導率が高く、機械的強度が高く、かつ薄肉でありながら難燃性が高い。
このため、難燃性が求められる各種の成形体として有用であり、特に、放熱部品、熱伝達用部品、例えば、電気電子機器用部品、例えば、筐体やシャーシとして有用である。
このため、難燃性が求められる各種の成形体として有用であり、特に、放熱部品、熱伝達用部品、例えば、電気電子機器用部品、例えば、筐体やシャーシとして有用である。
Claims (8)
- (A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)人造黒鉛を30〜100質量部、(C)フェニル基、メトキシ基及びビニル基から選ばれる基を有するオルガノポリシロキサン0.01〜5質量部、(D)フッ素化合物0.01〜5質量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、(E)難燃剤としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の有機スルホン酸塩を含有し、その含有量が0.01〜1質量部である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、成分(F)リン含有化合物である酸化防止剤を含有し、その含有量が0.001〜1質量部である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項4に記載の成形体を含む放熱部品、熱伝達用部品。
- 請求項4に記載の成形体を含む電気・電子機器用部品。
- 請求項4に記載の成形体を含む電気・電子機器用筐体。
- 請求項4に記載の成形体を含む電気・電子機器用シャーシ。
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