JPWO2011013437A1 - 積層コイル部品 - Google Patents

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Abstract

フェライト層と内部導体層の間に従来のような空隙を形成することなく、フェライト層と内部導体層の間で、焼成収縮挙動や熱膨張係数の違いから発生する内部応力の問題を緩和することが可能な、信頼性の高い積層コイル部品を提供する。螺旋状コイル4を内部に備えたフェライト素子3の側面3aから、サイドギャップ部8を経て、錯化剤溶液を内部導体とその周囲のフェライト11との界面に到達させることにより、内部導体2とその周囲のフェライト11との界面を解離させる工程とを備えるとともに、錯化剤溶液として、アミノカルボン酸およびその塩、オキシカルボン酸およびその塩、アミン類、りん酸およびその塩、およびラクトン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む溶液を用いる。

Description

本発明は、フェライト層と、Agを主成分とするコイル形成用の内部導体とを積層したセラミック積層体を焼成することにより形成される、フェライト素子の内部に螺旋状コイルが配設された構造を有する積層コイル部品に関する。
近年、電子部品の小型化への要求が大きくなり、コイル部品に関しても、その主流は積層型のものに移りつつある。
ところで、フェライトと内部導体を同時焼成して得られる積層コイル部品は、フェライト層と内部導体層との間で熱膨張係数の違いから発生する内部応力が、フェライトの磁気特性を低下させ、積層コイル部品のインピーダンス値の低下やばらつきを引き起こすという問題点がある。
そこで、このような問題点を解消するために、焼成後のフェライト素子を酸性のめっき液中に浸漬処理して、フェライト層と内部導体層との間に空隙を設けることにより、内部導体層によるフェライト層への応力の影響を回避して、インピーダンス値の低下やばらつきを解消するようにした積層型インピーダンス素子が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この特許文献1の積層型インピーダンス素子においては,フェライト素子をめっき液に浸漬して、内部導体層がフェライト素子の表面に露出する部分からめっき液を内部に浸透させることにより、フェライト層と内部導体層の間に不連続な空隙を形成するようにしていることから、フェライト層間に内部導体層と空隙が形成されることになり、内部導体層が細って,フェライト層間に占める内部導体層の割合が小さくならざるを得ないのが実情である。
そのため、直流抵抗の低い製品を得ることが困難になるという問題点がある。特に寸法が、1.0mm×0.5mm×0.5mmの製品や、0.6mm×0.3mm×0.3mmの製品などのように小型の製品になると、フェライト層を薄くすることが必要になり、フェライト層間に内部導体層と空隙の両方を設けつつ、内部導体層を厚く形成することが困難になるため、直流抵抗の低減を図ることができなくなるばかりでなく、サージなどによる内部導体層の断線が発生しやすくなり、十分な信頼性を確保することができなくなるという問題点がある。
また、磁界の影響によりインダクタンス値が変化してしまうことを防止するために、積層コイル部品(積層チップインダクタ)に腐食性の溶液を含浸させて、内部導体の表面を腐食させ、磁性体素地と内部導体との間に空隙を形成してインダクタンス値を安定させる方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、この方法の場合、腐食性の溶液として、ハロゲン化物を含む水溶液、ハロゲン化水素酸を含む水溶液、硫酸を含む水溶液、蓚酸を含む水溶液または硝酸を含む水溶液などの腐食性の強い溶液が用いられているため、内部電極との界面だけでなく、外部電極との界面も腐食されてしまい、外部電極の固着力低下や、場合によっては外部電極の剥離を引き起こすというような問題点がある。
特開2004−22798号公報 特開平4−192403号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、積層コイル部品を構成するフェライト層と内部導体層の間に従来のような空隙を形成することなく、フェライト層と内部導体層の間で、焼成収縮挙動や熱膨張係数の違いから発生する内部応力の問題を緩和することが可能で、直流抵抗が低く、かつサージなどによる内部導体の断線が発生しにくい、信頼性の高い積層コイル部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、発明者等は種々検討を行い、内部導体とフェライトとの界面へのCuの偏析率が内部導体とその周囲のフェライトとの結合強度に関係していることを知り、さらに実験、検討を行って発明を完成した。
すなわち、本発明の積層コイル部品は、
Cuを含むフェライトを主たる成分とするフェライト層を積層してなる積層体を焼成することにより形成され、コイル形成用のAgを主成分とする内部導体を層間接続させることにより形成された螺旋状コイルをその内部に有する積層コイル部品であって、
前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面には空隙が存在せず、
前記内部導体と前記フェライトとの界面が解離し、
前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面へのCuの偏析率が5%以下であること
を特徴としている。
内部導体とその周囲のフェライトとの界面へのCuの偏析率は3%以下であることがさらに望ましい。
なお、本発明で「Cuの偏析率」という場合の「Cu」は、金属銅(Cu)に限らず、酸化銅(CuO)も含む概念である。
すなわち、「Cuの偏析率」という場合の「Cu」は、偏析している物質がCuとCuOのいずれか一方である場合において、CuまたはCuOを意味し、CuとCuOの両方が析出している場合には、CuとCuOの両方を意味する概念である。
本発明の積層コイル部品においては、前記フェライト素子の、前記内部導体の側部と、前記フェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を構成するフェライトのポア面積率が6〜20%の範囲にあることが望ましい。
また、本発明の積層コイル部品の製造方法は、
Cuを含むフェライトを主たる成分とする複数のフェライトグリーンシートと、前記フェライトグリーンシートを介して積層された、Agを主成分とするコイル形成用の複数の内部導体パターンとを備えた積層体を焼成して、螺旋状コイルを内部に備えたフェライト素子を形成する工程と、
前記フェライト素子の側面から、前記内部導体の側部と前記フェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を経て、錯化剤溶液を前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面に到達させることにより、前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面を解離させる工程と
を備え、
前記錯化剤溶液として、アミノカルボン酸およびその塩、オキシカルボン酸およびその塩、アミン類、りん酸およびその塩、およびラクトン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む溶液を用いること
を特徴としている。
本発明の積層コイル部品の製造方法においては、
前記アミノカルボン酸およびその塩が、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
前記オキシカルボン酸およびその塩が、くえん酸、酒石酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記アミン類が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、およびエチレンジアミン四酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
りん酸およびその塩が、ピロりん酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種であり、
ラクトン化合物が、グルコノラクトンおよびグルコヘプトノラクトンから選ばれる少なくとも1種であること
が望ましい。
また、前記フェライト素子を形成する工程において、前記内部導体の側部と、前記フェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を構成するフェライトのポア面積率が6〜20%の範囲にあるフェライト素子を形成することが望ましい。
本発明の積層コイル部品においては、内部導体とその周囲のフェライトとの界面へのCuの偏析率が5%以下とされているため、内部導体と周囲のフェライトとの界面に空隙を存在させることなく、内部導体とフェライトとの界面を十分に解離させることが可能になる。その結果、内部導体の周囲のフェライトに応力が加わることを抑制、防止して、インピーダンス値が高く、特性のばらつきが少ない、低抵抗でサージなどによる内部導体の断線を抑制、防止することが可能な、信頼性の高い積層コイル部品を提供することが可能になる。
なお、内部導体とフェライトとの界面へのCuの偏析率を3%以下とすることにより、さらに確実に内部導体とフェライトとの界面を解離させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
本発明の積層コイル部品においては、内部導体の側部と、フェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を構成するフェライトのポア面積率が6〜20%の範囲になるようにしているので、該サイドギャップ部から錯化剤溶液を、内部導体とフェライトとの界面に確実に、かつ効率よく到達させることが可能になる。
また、サイドギャップ部のポア面積率を6〜20%にすることは、通常の積層コイル部品の製造工程で用いられる、フェライトグリーンシートと内部導体形成用の導電性ペーストの組み合わせを考慮することにより効率よく実現することが可能である。
また、本発明の積層コイル部品の製造方法は、フェライト素子の側面から、内部導体の側部とフェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を経て、錯化剤溶液を内部導体とその周囲のフェライトとの界面に到達させることにより、内部導体とその周囲のフェライトとの界面を解離させるようにするとともに、錯化剤溶液として、アミノカルボン酸およびその塩、オキシカルボン酸およびその塩、アミン類、りん酸およびその塩、およびラクトン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む溶液を用いるようにしているので、内部導体とその周囲のフェライトとの界面のCuを溶解、除去して、Cuの偏析率を5%以下(さらに好ましくは3%以下)とすることが可能になり、内部導体とその周囲のフェライトとを確実に解離させることができる。
また、本発明において用いられている錯化剤溶液は、上記従来の方法で用いられている酸性溶液などに比べて、フェライトや電極などに対する腐食性が弱く、特性の良好な積層コイル部品を得ることができる。
また、本発明によれば、内部導体とその周囲の磁性体セラミックの結合を切断するために空隙を設けるようにした従来の積層コイル部品の場合のように、内部導体を細らせることなく、応力が緩和された状態を実現することができる。
したがって、低抵抗で、内部導体の占有率が高く、サージなどによる内部導体の断線が発生しにくく、かつ、インダクタンスやインピーダンスなどの特性が良好な、信頼性の高い積層コイル部品を効率よく製造することができる。
また、前記アミノカルボン酸およびその塩として、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を用い、前記オキシカルボン酸およびその塩として、くえん酸、酒石酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を用い、前記アミン類として、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、およびエチレンジアミン四酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を用い、りん酸およびその塩として、ピロりん酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種を用い、ラクトン化合物として、グルコノラクトンおよびグルコヘプトノラクトンから選ばれる少なくとも1種を用いることにより、内部導体とその周囲のフェライトとの界面へのCuの偏析率を5%以下として、内部導体とその周囲のフェライトとをより確実に解離させることができる。
また、フェライト素子を形成する工程において、サイドギャップ部を構成するフェライトのポア面積率が6〜20%の範囲となるようにすることにより、該サイドギャップ部から錯化剤溶液を、内部導体とフェライトとの界面に確実に到達させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
本発明の実施例1にかかる積層コイル部品の構成を示す正面断面図である。 本発明の実施例1にかかる積層コイル部品の製造方法を示す分解斜視図である。 本発明の実施例1にかかる積層コイル部品の構成を示す側面断面図である。 Cu偏析率の測定方法を説明するためのWDXによるCuのマッピング像を示す図である。 本発明の実施例1および比較例の積層コイル部品のポア面積率の測定方法を説明する図である。 (a)は、試料の錯化剤溶液への浸漬時間を12時間とした場合の、WDXによるCuのマッピング像を示す図であり、(b)は試料を錯化剤溶液に浸漬する前(応力緩和処理をする前)のWDXによるCuのマッピング像を示す図である。
以下、本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例(実施例1)にかかる積層コイル部品(この実施例1では積層インピーダンス素子)の構成を示す正面断面図、図2はその製造方法を示す分解斜視図、図3は図1の積層コイル部品の構成を示す側面断面図である。
図1〜図3に示すように、この積層コイル部品10は、フェライト層1と、Agを主成分とするコイル形成用の内部導体2とを積層した積層体を焼成する工程を経て製造されており、フェライト素子3の内部に螺旋状コイル4を備えている。
また、フェライト素子3の両端部には、螺旋状コイル4の両端部4a,4bと導通するように一対の外部電極5a,5bが配設されている。
また、この積層コイル部品10においては、内部導体2と、その周囲のフェライト11との界面には空隙が存在せず、内部導体2とその周囲のフェライト11とは、ほぼ密着しているが、内部導体2とフェライト11とが界面で解離した状態となるように構成されている。
また、図3に示されているように、フェライト素子3の、上側最外層の内部導体2aと下側最外層の内部導体2b間に位置する中央領域7の、内部導体2の側部2sと、フェライト素子3の側面3aとの間の領域であるサイドギャップ部8は、ポア面積率が6〜20%(この実施例1の積層コイル部品では14%)のポーラスなフェライトから構成されている。
また、内部導体2と、その周囲のフェライト11との界面には空隙が存在せず、内部導体2とその周囲のフェライト11とは、ほぼ密着しているが、内部導体2とフェライト11とが界面で解離した状態となるように構成されている。
なお、この実施例の積層コイル部品10の寸法は、長さ寸法L=0.6mm、厚み寸法T=0.3mm、幅方向寸法W=0.3mmである。
そして、この積層コイル部品10においては、内部導体2とその周囲のフェライト11との界面へのCuの偏析率が5%以下とされているため、内部導体2と周囲のフェライト11との界面に空隙を存在させることなく、内部導体とフェライトとの界面を十分に解離させ、フェライトにかかる応力を緩和することができる。
また、内部導体2とフェライト11との界面に空隙がない状態で、内部導体2とフェライト11の界面が解離しているため、内部導体を細らせることなく、内部導体の周囲のフェライトに加わる応力が緩和された積層コイル部品10を得ることができる。したがって、特性のばらつきが少なく、直流抵抗を低減することが可能で、サージなどによる内部導体の断線が発生しにくい、高信頼性の積層コイル部品を得ることができる。
次に、この積層コイル部品10の製造方法について説明する。
(1)Fe23を48.0mol%、ZnOを29.5mol%、NiOを14.5mol%、CuOを8.0mol%の比率で秤量した磁性体原料を調製し、ボールミルにて48時間の湿式混合を行った。次に、湿式混合したスラリーをスプレードライヤーにより乾操し、700℃にて2時間仮焼した。それから、得られた仮焼粉を予備粉砕して、次の(2)の工程で使用するセラミック(フェライト)原料とした。
(2)上記(1)で作製したセラミック原料、純水、分散剤を湿式混合し、ボールミルを用いて16時間の湿式粉砕を行った。この溶液にバインダ、可塑剤、湿潤剤、消泡剤などを添加し、ボールミルで8時間の湿式混合を行った後、真空脱泡を行って、次の(3)で使用するセラミック(フェライト)スラリーとした。
(3)上記(2)で作製したセラミックスラリーをシート状に成形して、厚み12μmのセラミック(フェライト)グリーンシートを作製した。
(4)次に、フェライトグリーンシートの所定の位置にビアホールを形成した後、フェライトグリーンシートの表面に内部導体形成用の導電性ペーストをスクリーン印刷して、厚みが16μmのコイルパターン(内部導体パターン)を形成した。
なお、上記導電性ペーストとしては、不純物元素が0.1重量%以下のAg粉末と、ワニスと、溶剤とを配合してなり、Ag含有率が85重量%の導電性ペーストを用いた。
(5)次に、図2に模式的に示すように、内部導体パターン(コイルパターン)22が形成された、フェライトグリーンシート21を複数枚積層して圧着し、さらにその上下両面側にコイルパターンが形成されていない、外層領域用のフェライトグリーンシート21aを積層した後、1000kgf/cm2で圧着することにより、積層体(未焼成のフェライト素子)23を得た。なお、各フェライトグリーンシートの積層方法などに特別の制約はない。
この未焼成のフェライト素子23は、その内部に、各内部導体パターン(コイルパターン)22がビアホール24により接続されてなる積層型の螺旋状コイルを備えている。なお、コイルのターン数は19.5ターンとした。
(6)それから積層体23を所定のサイズにカットし、脱バインダを行った後、870℃で焼結させることにより、内部に螺旋状コイルを備えたフェライト素子を得た。
(7)それから、内部に螺旋状コイル4を備えたフェライト素子(焼結素子)3の両端部に外部電極形成用の導電性ペーストを浸漬法により塗布して乾燥した後、750℃で焼き付けることにより外部電極5a,5b(図1参照)を形成した。
なお、外部電極形成用の導電性ペーストとしては、平均粒径が0.8μmのAg粉末と耐めっき性に優れたB−Si−K系の平均粒径が1.5μmのガラスフリットとワニスと溶剤とを配合した導電性ペーストを用いた。そして、この導電性ペーストを焼き付けることにより形成された外部電極は、以下のめっき工程でめっき液によって侵食されにくい緻密なものであった。
(8)次に、錯化剤溶液として、くえん酸一水和物(ナカライテスク製)の0.2mol/L水溶液を用い、これに3、6、12、24時間浸漬させて、内部導体とその周囲のフェライトとの界面を解離させる応力緩和処理を施した後、水中で15分間超音波洗浄した。
なお、この実施例では、錯化剤溶液として、くえん酸一水和物の0.2mol/L水溶液を用いているが、その濃度はこれに限られるものではなく、種々の条件を考慮して適切な濃度とすることが可能である。また、水溶性に限らず、水以外の溶剤に溶解させた溶液を用いることも可能である。
(9)それから、形成された外部電極5a,5bに、バレルめっき法により、Niめっき、Snめっきを行い、下層にNiめっき膜層、上層にSnめっき膜層を備えた2層構造のめっき膜を外部電極5a,5b上に形成した。これにより、図1に示すような構造を有する積層コイル部品(積層インピーダンス素子)10が得られる。なお、この積層インピーダンス素子10は、100MHzにおけるインピーダンス(|Z|)の目標値が1000Ωのものである。
また、比較例として、上記(8)の工程で、くえん酸一水和物の代わりに、塩酸0.2mol/L水溶液(ナカライテスク製)に、3、6、12、24時間浸漬させて、内部導体とその周囲のフェライトとの界面を解離させる応力緩和処理を施したこと以外は上記(1)〜(9)と同じ条件、方法で、上記実施例のものと同じ構造を有する比較例の試料(積層インピーダンス素子)を作製した。
[特性の評価]
上述のように、浸漬時間を3、6、12、24時間の条件で、錯化剤(または塩酸)溶液に浸漬する工程を経て作製した、実施例および比較例の積層インピーダンス素子(試料)について、内部導体と、その周囲のフェライトとの界面のCu偏析率を調べるとともに、インピーダンス(|Z|at100Mz)の値を調べた。そして、|Z|の値と、内部導体2と、その周囲のフェライト11との界面のCu偏析率の関係について検討した。さらに、各試料について、抗折強度を調べるとともに、サイドギャップ部のポア面積率を調べた。
なお、Cu偏析率、|Z|(at100MHz)、抗折強度、およびサイドギャップ部のポア面積率の測定は、以下に説明する方法により行った。
[1]Cu偏析率の測定
1)チップをニッパで破断し、内部電極/フェライト界面を剥離させる。
2)次に、WDX(波長分散型X線分析マイクロアナライザー)により、フェライト表面のCuについてマッピング分析を行う。
装置名 : 日本電子 JXA8800R
分析条件 : 加速電圧 15kV
照射電流 :100nA
ピクセル数(画素数):256×256
ピクセルサイズ(1画素の大きさ):0.64μm
Dwell Time(1つの画素での取り込み時間):50ms
深さ方向の分析領域:約1〜2μm
3)Cu偏析率の算出
所定の測定点のカウント数が(測定点全体のカウント数の平均値+1σ)以上である時、その測定点をCu偏析とする。
そして、任意の測定エリアについて、Cu偏析数をその測定エリアの全測定点の数で割って100をかけた値をCu偏析率とする。
なお、図4のCuのマッピング像、および、表1のマッピング分析結果を用いて説明すると以下のようになる。
Figure 2011013437
図4の全領域において、測定点数が65536である場合に、Cu偏析数が4720であることから、Cu偏析率は、(4720/65536)×100=7.2%となる。
また、図4の領域(1)(内部導体接触部)では、測定点数が4225である場合に、Cu偏析数が72であることから、Cu偏析率は、(72/4225)×100=1.7%となる。
また、図4の領域(2)(コイルの内側の内部導体不接触部)では、測定点数が4225である場合に、Cu偏析数が367であることから、Cu偏析率は、(367/4225)×100=8.7%となる。
[2]インピーダンス|Z|の測定
50個の試料について、インピーダンスアナライザ(ヒューレット・パッカード社製HP4291A)を用いてインピーダンスの測定を行い平均値(n=50pcs)を求めた。
[3]抗折強度の測定
50個の試料について、EIAJ−ET−7403に規定の試験方法にて測定を行い、ワイブルプロットした場合における破壊確率=1%のときの強度を抗折強度とした(n=50pcs)。
[4]ポア面積率の測定
図3の内部導体2の側部2sと、フェライト素子3の側面3aとの間のサイドギャップ部8のポア面積率は、以下の方法で測定した。
積層インピーダンス素子(試料)の幅方向と厚み方向で規定される断面(以下、「W−T面」という)を鏡面研磨し、収束イオンビーム加工(FIB加工)した面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察し、磁性体セラミック中のポア面積率を測定した。
具体的には、ポア面積率は画像処理ソフト「WINROOF(三谷商事(株)」により測定した。その具体的な測定方法は、以下の通りである。
FIB装置 :FEI製FIB200TEM
FE−SEM(走査電子顕微鏡) :日本電子製JSM−7500FA
WINROOF(画像処理ソフト):三谷商事株式会社製、Ver.5.6
<収束イオンビーム加工(FIB加工)>
図5に示すように、上述の方法で鏡面研磨した試料の研磨面に対し、入射角θ=5°でFIB加工を行った。
<走査電子顕微鏡(SEM)による観察>
SEM観察は、以下の条件で行った。
加速電圧 :15kV
試料傾斜 :0゜
信号 :二次電子
コーティング :Pt
倍率 :5000倍
<ポア面積率の算出>
ポア面積率は、以下の方法で求めた。
a)計測範囲を決める。小さすぎると測定箇所による誤差が生じる。
(この実施例では、22.85μm×9.44μmとした)
b)磁性体セラミックとポアが識別しにくければ明るさ、コントラストを調節する。 c)2値化処理を行い、ポアのみを抽出する。画像処理ソフトWINROOFの「色抽出」では完全でない場合には手動で補う。
d)ポア以外を抽出した場合はポア以外を削除する。
e)画像処理ソフトの「総面積・個数計測」で総面積、個数、ポアの面積率、計測範囲の面積を測定する。
本発明におけるポア面積率は、上述のようにして測定した値である。
Figure 2011013437
表2に示すように、この実施例1の方法で製造した積層インピーダンス素子の場合、錯化剤溶液(くえん酸一水和物0.2mol/L水溶液)への浸漬時間3時間以上で、目標とする|Z|である1000Ω(at100MHz)を取得できることが確認された。また、浸漬時間3時間以上で、Cu偏析率が5%以下になることが確認された。
この結果から、Cu偏析率が5%以下になると、十分な応力緩和効果が得られることがわかる。
図6(a)は、浸漬時間を12時間とした場合の、WDXによるCuのマッピング像を示す図であり、このマッピング像から、Cu偏析率が1.7%であることが求められた。
なお、図6(b)は、試料を錯化剤溶液(くえん酸一水和物0.2mol/L水溶液)に浸漬する前(すなわち、応力緩和処理をする前)のWDXによるCuのマッピング像を示す図であり、このマッピング像から、応力緩和処理を行う前の段階ではCu偏析率が5%を超える高い値であることがわかる。
また、この結果は、実施例1では積層インピーダンス素子のサイドギャップのポア面積率が、表2に示すように14%と大きく、錯化剤溶液がサイドギャップを経て内部導体とその周囲のフェライトの界面に確実に到達することから、効率よく応力緩和が行われたことによるものでもある。
また、比較例では、塩酸0.2mol/L水溶液に12時間以上浸漬した積層インピーダンス素子の場合、超音波洗浄後に外部電極が剥がれてしまい、|Z|を測定することができなかった。また、3時間および6時間浸漬した積層インピーダンス素子(試料)については、Cu偏析率を分析するために、試料をニッパで破断した際に粉々になってしまい、Cu偏析率を測定することができなかった。このように、塩酸0.2mol/L水溶液を用いた場合には、著しく強度が低下することが確認された。
上記実施例1における上記(8)の応力緩和工程において用いた錯化剤溶液(くえん酸一水和物0.2mol/L水溶液)に代えて、グルコノラクトン(ナカライテスク製)の0.2mol/L水溶液を用い、積層インピーダンス素子(試料)をこのグルコノラクトン0.2mol/L水溶液に、3、6、12、24時間浸漬させて応力緩和処理したことを除いて、上記実施例1の場合と同様の方法で積層インピーダンス素子(試料)を作製した。
なお、この実施例では、錯化剤溶液として、グルコノラクトン0.2mol/L水溶液を用いているが、その濃度はこれに限られるものではなく、種々の条件を考慮して適切な濃度とすることが可能である。また、水溶性に限らず、水以外の溶剤に溶解させた溶液を用いることも可能である。
そして、作製した積層インピーダンス素子について、上記実施例1の場合と同じ方法で、Cu偏析率、インピーダンス(|Z|at100Mz)、抗折強度、サイドギャップ部のポア面積率を調べた。
その結果を表3に示す。
Figure 2011013437
表3に示すように、錯化剤溶液として、グルコノラクトン0.2mol/L水溶液を用いた場合、錯化剤溶液への浸漬時間6時間以上で、目標とする|Z|である1000Ω(at100MHz)を取得できることが確認された。また、浸漬時間6時間以上で、Cu偏析率が5%以下になることが確認された。
この結果より、Cu偏析率が5%以下(より望ましくは3%以下)になると、十分な応力緩和効果が得られることがわかる。
なお、実施例2では、実施例1に比べて応力緩和に要する時間が長くなっているが、これは、錯化剤溶液として、グルコノラクトン0.2mol/L水溶液を用いた場合、実施例1のように、くえん酸一水和物0.2mol/L水溶液を用いた場合に比べて、Cuの溶出性が低くなることによるものと考えられる。
サイドギャップ部のポア面積率の、応力緩和効果に与える影響を調べるため、実施例1における(6)の焼成温度を840〜900℃の範囲で変化させ、サイドギャップ部のポア面積率が26〜3%の積層インピーダンス素子(試料)を作製し、錯化剤溶液として、くえん酸一水和物0.2mol/L水溶液を用いて応力緩和処理を行った。なお、その他の点においては、上記実施例1の場合と同様の方法および条件とした。
そして、作製した積層インピーダンス素子について、上記実施例1の場合と同じ方法で、Cu偏析率、インピーダンス(|Z|at100Mz)、抗折強度、サイドギャップ部のポア面積率を調べた。
その結果を表4に示す。
Figure 2011013437
表4に示すように、855〜885℃で焼結させた試料の場合、サイドギャップ部のポア面積率が6〜20%の範囲となり、Cu偏析率も5%以下(1.5〜1.8%)となり、目標とする|Z|である1000Ω(at100MHz)を取得できることが確認された。
しかし、840℃で焼結させた試料の場合、ポア面積率が26%と高く、強度が著しく低くて、試料をニッパで破断した際に粉々になってしまい、Cu偏析率の分析を行うことができなかった。また、|Z|も目標値である1000Ω(at100MHz)より低く、930Ωであった。
また、900℃で焼結させた試料の場合、サイドギャップ部のポア面積率が低い(3%)ため、錯化剤溶液(くえん酸一水和物0.2mol/L水溶液)が、試料の内部にまで十分に浸入できず、満足な応力緩和を行うことができなかった。そのため、|Z|も目標値である1000Ω(at100MHz)より大幅に低く、570Ωにとどまった。
また、試料をニッパで破断した際に、内部電極とフェライトの界面で剥離せず、Cu偏析率を測定することはできなかった。
なお、上記の各実施例では、フェライトグリーンシートを積層する工程を備えた、いわゆるシート積層工法により製造する場合を例にとって説明したが、本発明の積層コイル部品は、フェライトスラリーおよび内部導体形成用の導電性ペーストを用意し、これらを、各実施例で示したような構成を有する積層体が形成されるように印刷してゆく、いわゆる逐次印刷工法によっても製造することが可能である。
さらに、例えば、キャリアフィルム上にセラミックスラリーを印刷(塗布)することにより形成されたセラミック層をテーブル上に転写し、その上に、キャリアフィルム上に電極ペーストを印刷(塗布)することにより形成された電極ペースト層を転写し、これを繰り返して、各実施例で示したような構成を有する積層体を形成する、いわゆる逐次転写工法によっても製造することが可能である。
また、上記の各実施例では、1個ずつ積層コイル部品を製造する場合(個産品の場合)を例にとって説明したが、量産する場合には、例えば、多数のコイル導体パターンをマザーフェライトグリーンシートの表面に印刷し、このマザーフェライトグリーンシートを複数枚積層圧着して未焼成の積層体ブロックを形成した後、積層体ブロックをコイル導体パターンの配置に合わせてカットし、個々の積層コイル部品用の積層体を切り出す工程を経て多数個の積層コイル部品を同時に製造する、いわゆる多数個取りの方法を適用して製造することが可能である。
本発明の積層コイル部品は、さらに他の方法によっても製造することが可能であり、その具体的な製造方法に特別の制約はない。
また、上記各実施例では、積層コイル部品が積層インピーダンス素子である場合を例にとって説明したが、本発明は、積層インダクタや積層トランスなど種々の積層コイル部品に適用することが可能である。
本発明はさらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、錯化剤溶液に用いられる錯化剤の種類や錯化剤溶液における錯化剤の濃度、錯化剤を溶解させる溶剤の種類、内部導体の厚みやフェライト層の厚み、製品の寸法、積層体(フェライト素子)の焼成条件などに関し、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることができる。
1 フェライト層
2 内部導体
2a 上側最外層の内部導体
2b 下側最外層の内部導体
2s 内部導体の側部
3 フェライト素子
3a フェライト素子の側面
4 螺旋状コイル
4a,4b 螺旋状コイルの両端部
5a,5b 外部電極
7 中央領域
8 サイドギャップ部
10 積層コイル部品(積層インピーダンス素子)
11 フェライト
21 中央領域用のフェライトグリーンシート
21a 外層領域用のフェライトグリーンシート
22 内部導体パターン(コイルパターン)
23 積層体(未焼成のフェライト素子)
24 ビアホール

Claims (5)

  1. Cuを含むフェライトを主たる成分とするフェライト層を積層してなる積層体を焼成することにより形成され、コイル形成用のAgを主成分とする内部導体を層間接続させることにより形成された螺旋状コイルをその内部に有する積層コイル部品であって、
    前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面には空隙が存在せず、
    前記内部導体と前記フェライトとの界面が解離し、
    前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面へのCuの偏析率が5%以下であること
    を特徴とする積層コイル部品。
  2. 前記フェライト素子の、前記内部導体の側部と、前記フェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を構成するフェライトのポア面積率が6〜20%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の積層コイル部品。
  3. Cuを含むフェライトを主たる成分とする複数のフェライトグリーンシートと、前記フェライトグリーンシートを介して積層された、Agを主成分とするコイル形成用の複数の内部導体パターンとを備えた積層体を焼成して、螺旋状コイルを内部に備えたフェライト素子を形成する工程と、
    前記フェライト素子の側面から、前記内部導体の側部と前記フェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を経て、錯化剤溶液を前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面に到達させることにより、前記内部導体とその周囲のフェライトとの界面を解離させる工程と
    を備え、
    前記錯化剤溶液として、アミノカルボン酸およびその塩、オキシカルボン酸およびその塩、アミン類、りん酸およびその塩、およびラクトン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む溶液を用いること
    を特徴とする積層コイル部品の製造方法。
  4. 前記アミノカルボン酸およびその塩が、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
    前記オキシカルボン酸およびその塩が、くえん酸、酒石酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記アミン類が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、およびエチレンジアミン四酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    りん酸およびその塩が、ピロりん酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種であり、
    ラクトン化合物が、グルコノラクトンおよびグルコヘプトノラクトンから選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項3記載の積層コイル部品の製造方法。
  5. 前記フェライト素子を形成する工程において、前記内部導体の側部と、前記フェライト素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を構成するフェライトのポア面積率が6〜20%の範囲にあるフェライト素子を形成することを特徴とする請求項3または4記載の積層コイル部品の製造方法。
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