JPWO2011007757A1 - 裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア、裸眼立体ディスプレイおよび裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法 - Google Patents
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Abstract
パララックスバリア方式を採用した裸眼立体ディスプレイに発生するモアレを解消する。一の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向一行分の平均個数、ディスプレイを形成するサブピクセルの幅、所定の斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離、裸眼立体映像を表示するために用いられる映像の視点数、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの距離Z、を用いてパララックスバリアの水平方向に隣接する可視光透過部の間隔を求める。
Description
本発明は、視差バリア方式を採用した裸眼立体ディスプレイに関する技術である。
従来の典型的な立体映像表示装置の一種として、左右二眼分の画像を、透明性フィルムに描画ないし撮像した立体用原画を設けた原画像表示板を、その手前側に一定の間隔を置いて配置した透明板に、透明部と不透明部が交互に整列配置された視差バリアを通してみることにより、前記立体原画を三次元映像として、視点において視覚することができるようにした、視差バリア方式の立体映像表示装置が古くから知られている。(特許文献1.参照)
この種の立体映像表示装置において、前記従来例のように二台のカメラで撮像された左右二眼分の立体用原画では立体用原画を立体的に視認できる位置は限られてくるが、近年、より多くの立体視覚位置を得るために、多数台のカメラによる撮影画像やコンピュータグラフッィクスによる多視点描画、及びそれらの合成画像等により多眼分の立体用原画を作成して多数視点を得ることも可能となっている。
このような、視差バリア方式では、視域が一定である場合、視点数が多いほど、観察位置の移動に伴う立体映像の変化は滑らかになる。
また、このように、N視点分の立体用原画を作成してより多くの立体視覚位置を確保する場合、サブピクセルの幅をPh、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をαとすると、裸眼立体ディスプレイを構成するパララックスバリアの水平方向に隣接する可視光透過部の間隔は、単にN×αPh(隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離)としている。
しかしながら、パララックスバリア方式を採用した裸眼立体映像表示装置は、映像提示対象者が可視光透過部から視認可能な範囲が異なり、各可視光透過部を通過して映像提示対象者側に進む光の強度に差が生じ、光が干渉しあってスジ状の干渉縞(モアレ)が映像提示対象者により視認され、表示画像の画質低下という問題があった。
そこで、映像提示対象者の視認位置によって発生するモアレを解消するための方法として、パララックスバリア上の隣り合うスリットの中心間距離をD、裸眼立体ディスプレイの映像表示面のサブピクセルの横方向に繰り返し配列してなるストライプ状パターンのピッチをP、とした場合に、D≠n×P(nは自然数)としてパララックスバリアを設計する技術が開示されている。(特許文献2、参照)
モアレが映像提示対象者により視認されるかどうかは、ディスプレイを形成する画像表示面からパララックスバリアまでの距離、映像提示対象者からパララックスバリアまでの距離、水平方向に隣接する該パララックスバリアを構成する複数のスリット領域のそれぞれを形成する一又は複数の可視光透過部の上下左右の間隔、ディスプレイを形成するサブピクセルの幅・高さ、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離、裸眼立体映像を表示する際に用いられる視点数などの相関的な関係により決まる。つまり、可視光透過部がスリット状である場合は可視光透過部の左右の間隔、可視光透過部が穴である場合は可視光透過部の左右および上下の間隔と、それぞれ他の要因によりモアレが発生する。
しかしながら、特許文献1には、前記のような概念が存在せず、D≠n×P(nは自然数)としており、またnは自然数であり裸眼立体映像を表示する際に用いられる視点数に限定されるものではないため、この数式によっては必ずしもモアレを解消しないポイントが存在する。
すなわち、モアレを適確に解消するためには、パララックスバリア上の隣り合うスリットの中心間距離Dは、以下の式の様に、必ず隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhに裸眼立体映像を表示する際に用いられる視点数Nを乗じた値より僅かに小さい値であり、かつ、αPhに(N−1)を乗じた値より相当大きい値となるように形成しなければならない。
(N−1)×αPh≪D<N×αPh
そこで、前記の値の範囲で、モアレを解消するため本件発明では以下の手段を採用した。
(1)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けられ、複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、斜め方向モアレ解消位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL2とした設計条件で、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(2)により決定することにより設計されたことを特徴としている。
前記の構成によれば、例えば、最も人溜まりのできる位置に所定の最適立体可視位置および所定の斜め方向のモアレ解消位置を設定し、これらの値から逆算して、前記距離Zおよび前記一又は複数の可視光透過部の水平方向における隣り合う間隔を定めることが可能となるため、所定の斜め方向のモアレ解消位置において映像提示対象者は、パララックスバリアの可視光透過部を通して、常に所定の視点の画像を表示する立体表示用ピクセルの所定位置を視認することができ、該所定のモアレ解消位置においては完全にモアレが解消される。
さらに、前記距離Zの値もパララックスバリアから所定の最適立体可視位置までの距離L1の値に基づいて設計することができる。
ここで、「立体表示用ピクセル」とは、立体映像を表示するための並びとなっている、R・G・Bを表示するサブピクセルの集まりをいい、例えば、図27において示すような並びとなっているサブピクセルの集まりをいう。ここでは、RGBを表示する3つのサブピクセルを横方向に配列してなるものを、単にピクセルと言い、立体映像を表示する際に複数視点分の映像を映し出すこと考慮して、効果的な立体映像を表示するため、前記RGBを表示するサブピクセルをブレンド(配置替え)したものを立体表示用ピクセルと言う。ただし、RGBを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されている場合であっても、複数視点分の映像を表示するものであるときには、立体映像の表示は可能であるため、このような場合(図32(4)のような場合)であっても立体表示用ピクセルということができる。
なお、図27において示されているディスプレイが、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルを横方向に配列してなるピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイである。
また、「立体表示用ピクセルユニット」とは、複数視点分の画像を表示する複数の立体表示用ピクセルを横方向に配列してなる、立体映像を表示するための立体表示用ピクセルの集まりをいい、例えば、図27において示すような並びとなっているものを言う。
また、「最適立体可視位置」とは、画像提示対象者は立体効果を特に効果的に得られる位置である。すなわち、最適立体可視位置においては、映像提示対象者の両眼それぞれが、パララックスバリアの可視光透過部を通して視認すべき視点分の立体表示用ピクセルの中心を視認する。
なお、最適立体可視位置において、映像提示対象者は、裸眼立体ディスプレイに対して平行に左右に移動したとしても、移動方向と逆方向に配置されている各視点用の映像を次々に連続して左右の眼で視認することとなるため、立体提示対象者は、効果的に立体映像を見ることができる。
つまり、複数視点映像を撮影する際、撮影対象物に向かって左側から右側に向かってカメラが配置された場合、複数視点映像を表示する際には、撮影の際とは逆方向の右側から左側に向かって、複数視点分の画像を表示する複数の立体表示用ピクセルが裸眼立体ディスプレイ上に横方向に配列されていることによる。
これにより、最も人溜まりができる位置に最適立体可視位置を設定すれば良く、パララックスバリアの設計が容易になる。
また、「モアレ解消位置」とは、映像提示対象者に対して、完全にモアレを低減させたかたちで、効果的に立体映像を視認させることのできる位置をいい、所定のモアレ解消位置において映像提示対象者は、左右いずれかの眼によって、パララックスバリアの可視光透過部を通して、常に所定の視点の画像を表示する立体表示用ピクセルの所定位置を視認することができる。モアレ解消位置においては、映像提示対象者が、裸眼立体ディスプレイに対して平行に左右または上下に移動したとしても、モアレ解消の効果は変わらない。なお、モアレ解消位置という概念には、後述の斜め方向モアレ解消位置および水平方向モアレ解消位置が含まれる。
すなわち、解消すべきモアレには、斜縞のように斜め方向に発生するモアレと、横縞のように垂平方向に発生するモアレがある。
斜め方向のモアレは、裸眼立体ディスプレイのパララックスバリアのスリット(可視光透過部)を斜めに設けた場合に発生する。
なお、スリットを垂直に設けた場合には、縦縞のように垂直方向にモアレが発生する。
一方、垂平方向のモアレは、例えば、パララックスバリアの可視光透過部を穴形状にした場合や、スリットのエッジの形状を階段状、円弧、楕円弧、多角形が連続した形状にした場合などに発生する。
前記構成によるパララックスバリアは、前記所定のモアレ解消位置においては、的確にモアレは解消することとなるが、モアレ解消位置からパララックスバリアに近づくと、モアレは徐々に発生し始め、同様に、モアレ解消位置から遠のくと、またモアレは徐々に発生し始める。
ただし、特に立体を効果的に視認することができる位置(最適立体可視位置)と、斜め方向のモアレを解消できる位置(斜め方向モアレ解消位置)や、垂平方向のモアレを解消できる位置(垂平方向モアレ解消位置)は、別の概念であり、必ずしもこれらの位置からパララックスバリアまでの距離は同一でなくても良い。
ただし、これらの所定のモアレ解消位置を最適立体可視位置と同一距離とすると、ディスプレイの全面で立体を最も効果的に視認できる。
このように、モアレ解消位置と最適立体可視位置とを別の距離、例えばモアレ解消位置を、最適立体可視位置よりパララックスバリアから遠い距離に設定することにより、まず遠くの映像提示対象者に特にモアレが解消されている立体映像を、映像提示対象者に対してモアレのストレスを感じさせることなく視認させ、そうすることで映像提示対象者の注意を引き、最適立体可視位置まで近づいてもらい、特に立体効果の高い立体映像を視認させることも考えられる。
ただし、異なる位置にモアレ解消位置を配置して最適立体可視位置で視認すると、ディスプレイ両側に一部見づらい領域が生じる。
すなわち、図69(a)に示す場合のように、最適立体可視位置(L1)と斜め方向モアレ解消位置(L2)が同一位置でなかった場合について説明すると、例えば、立体映像を表示するための複数視点分の映像として、5視点分の映像を採用し、所定の最適立体可視位置において、ディスプレイの中央では映像提示対象者の右目が第3視点、左目が第4視点の画像を視認したとすると(必ずしも中央が第3〜4視点とは限らない)、ディスプレイの中央から端部に向かって、右目が第2視点・左目が第3視点、または右目が第4・左目が第5視点の映像を視認するようになっている。このように、左目が視認する視点の画像は、右目が視認する視点の画像より、必ず、右側の視点の画像を視認するため、立体効果には大きな影響はない。ただし、ディスプレイ端部においては、右目が第1視点・左目が第2視点、または右目が第5・左目が第1視点の映像を視認するようになっており、右側端部でジャンプポイントとなり逆転現象を生じ、立体が見づらくなる部分が出てくる。このように、後述のモアレ解消領域内(L2n〜L3n)では、最大1か所の逆転現象を生じる。
また、「可視光透過部」とは、パララックスバリアを構成する可視光を透過しない面に設けられた可視光を透過する部分である。すなわち、本件発明にいう「可視光透過部」とは、そのスリットのエッジの形状が直線状、階段状、ジグザグ形状、または一定形状の円弧または楕円弧が連続した形状(団子形状)であっても良い。またスリットの配置の形状が正弦弧であっても良い。さらには、該可視光透過部はパララックスバリア上に独立して配置された穴型であっても良い。
なお、可視光を透過しないとは、(1)可視光を吸収する、(2)可視光を拡散反射する、(3)可視光を鏡面反射する、のいずれかの光学的特性を意味する。
なお、本件発明にかかる「ディスプレイ」には、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、および有機ELディスプレイおよびR・G・Bが横方向に配列されているLEDについても含まれることは勿論である。
(2)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けられ、複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記ディスプレイの水平解像度をIr、前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も近い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2nとした設計条件で、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(4)により決定することにより設計されたことを特徴としている。
(3)また、本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けられ、複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記ディスプレイの水平解像度をIr、前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も遠い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2fとした設計条件で、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(5)により決定することにより設計されたことを特徴としている。
本件発明によれば、前記所定の斜め方向のモアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2に代わり、斜め方向のモアレが一本発生する地点からパララックスバリアまでの距離L2nまたはL2fの値に基づいて、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を求めることができる。
モアレ解消位置においては、モアレは完全に解消し特に効果的に立体映像を視認することができるが、モアレ解消位置からパララックスバリアに近づく、または離れると徐々にモアレが発生することとなる。
しかし、映像提示対象者である人間は、モアレが発生したとしても、そのモアレが1つであれば、モアレを視認してしまうことによるストレスなしに効果的に立体映像を視認することができる。
従って、モアレが多くとも一本発生する地点を、映像提示対象者が効果的な立体映像を視認しつつ、裸眼立体ディスプレイに近づく又は裸眼立体ディスプレイから遠のくことができる最大の距離(モアレ適正解消領域)として想定して、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhを設計することができるため、該モアレ適正解消領域を映像提示対象者に対して明示して鮮明な立体映像を提供することや、最も人溜まりができる領域に調整して該モアレ解消領域を設定するなどのことが可能になる。
なお、水平方向における、立体表示用ピクセルユニットの総数Uxは立体表示用の視点数をN、水平解像度をIrとすると、
となる。
ここで、水平方向におけるパララックスバリアを構成する可視光透過部の総数は、水平方向における立体表示用ピクセルユニットの総数Ux以上設ける必要がある。なぜなら、立体映像は、正面からだけでなく左右からも視認されることから、ディスプレイの画像表示面の両端のピクセルを視認できるよう追加して可視光透過部を設けなければならないため、左右に余分に可視光透過部が必要となるからである。
また、所定の斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhとは、図55(a)において示すように、所定の斜め方向モアレ解消位置(L2)の一地点において、映像提示対象者が、ディスプレイ上の同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルを全て視認し、裸眼立体ディスプレイ立体映像の効果を得るために必要な、パララックスバリアの可視光透過部の数である。
(4)本件発明の、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、独立して複数形成された穴形状とし、一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数をβ、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの高さをPvとした裸眼立体視の場合に、前記式(1)により求まる前記距離Zと、水平方向モアレ解消位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL3とした設計条件で、垂直方向に連接する、前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を、以下の式(6)により決定することにより設計されたことが望ましい。
前述したように、パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合には、当該パララックスバリアには、斜め縞もしくは縦縞の模様のみならず、横縞の模様が表れるため、これを備えた裸眼立体ディスプレイからは水平方向のモアレが発生することがある。
すなわち、パララックスバリアを構成するスリットのエッジの形状が階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または可視光透過部が穴形状である場合には、パララックスバリアのスリットのエッジの形状が直線的である場合と異なり、パララックスバリア上に水平方向にも一種の模様が形成されることとなるため、映像提示対象者がパララックスバリアの可視光透過部から視認可能な画素の範囲が異なることにより、該各可視光透過部を通過して映像提示対象者側に進む光の強度に差が生じ、光が干渉しあって水平方向にスジ状の干渉縞が映像提示対象者により視認されることがある。
このように、水平方向のモアレが発生した場合、映像提示対象者に対して効果的に立体映像を視認させることができなくなるため、前記斜め方向のモアレを解消すると同時に、垂直方向のモアレも解消すること必要である。
そこで、前記構成によれば、前記の構成によれば、例えば、最も人溜まりのできる位置に所定の水平方向のモアレ解消位置を設定し、この値から逆算して、パララックスバリアの垂直方向に連接する前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvを求めることが可能となるため、所定の水平方向のモアレ解消位置において映像提示対象者は、パララックスバリアの前記可視光透過部を通して、常に所定の視点の画像を表示する立体表示用ピクセルの所定位置を視認することができ、該所定のモアレ解消位置においては完全にモアレが解消される。
ここで、スリットのエッジの形状が階段状である場合とは、図10(a)(b)において一例として示すような場合を言う。
スリットのエッジの形状が円弧である場合とは、図10(c)(d)(e)において一例として示すような場合を言う。
また、スリットのエッジの形状が楕円弧である場合とは、図11(a)(b)において一例として示すような場合を言う。
また、スリットのエッジの形状が多角形の開口部が連続した形状である場合とは、図12(a)(b)(c)(d)(e)において一例として示すような場合を言う。
また、該可視光透過部の形状が独立して複数形成された穴形状の開口部である場合とは、図13、図14(a)(b)及び図15において一例として示すように該可視光透過部の周囲がパララックスバリアのマスク部によって囲まれた穴である状態のことである。
また、この場合、図36(a)(d)に示すように、一つのサブピクセルに対し一つの連続するスリットのエッジの一単位または可視光透過部を用いても良いし、図36(b)(e)において一例として示すように、一つのサブピクセルに対し複数の連続するスリットのエッジの一単位または可視光透過部を用いても良いし、図36において一例として示すように、複数のサブピクセルに対し一の連続するスリットのエッジの一単位または可視光透過部を用いるようにしても良い。
このように、サブピクセルの数と、これに対応する連続するスリットのエッジの一単位または可視光透過部の数との相対的な関係により、係数βの値は変化する。
すなわちβとは、一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数である。
また、ここにいう、「前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位の数」とは、例えば、パララックスバリアの可視光透過部であるスリットの形状が楕円弧である場合、当該楕円弧が、同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの並びに対応した各スリット上にいくつ形成されているかという数を意味する。
また、「前記複数の穴形状の可視光透過部の数」とは、当該穴形状の可視光透過部が、同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの並びに対応して垂直方向にいくつ形成されているかという数を意味する。
(5)本件発明の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、水平方向に隣接する前記スリット毎に、複数の前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の配置位置(配置開始位置)のみ不規則性を持たせることにより、水平方向のモアレ発生を防止したことが望ましい。
これによれば、パララックスバリアの上下方向の可視光透過部の配置位置が不規則となるため、それぞれのスリット毎に発生するモアレも不規則となり、水平方向のモアレの連続性がなくなるため、水平方向の目立つモアレが発生しなくなる。
(6)本件発明の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記不規則性は、前記配置位置(配置開始位置)を乱数により決定することが望ましい。
このように、乱数を発生させることにより、より簡単かつ確実に不規則性を持たせることができる。
このように、乱数を発生させることにより、より簡単かつ確実に不規則性を持たせることができる。
(7)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、独立して複数形成された穴形状とし、一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数をβ、前記ディスプレイの垂直解像度をJr、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの高さをPvとした裸眼立体視の場合に、前記式(1)により求まる前記距離Zと、水平方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も近い位置が予め設定されており、該位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL3nとした設計条件で、前記パララックスバリアは、水平方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ上端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部から、ディスプレイ下端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部までの間の、垂直方向において前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の数Mvの値を、以下の式(7)により決定し、垂直方向に連接する、前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を、以下の式(8)により決定することにより設計されたことが望ましい。
(8)若しくは、本件発明の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記L3nに代えて、水平方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も遠い位置が予め設定されており、該位置から、該パララックスバリアまでの距離をL3f、とした設計条件で、前記パララックスバリアは、水平方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ上端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部から、ディスプレイ下端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部までの間の、垂直方向において前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の数Mvの値を、以下の式(7)により決定し、垂直方向に連接する、前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を、以下の式(8)により決定することにより設計されたことが望ましい。
本件発明によれば、前記所定の水平方向のモアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L3に代わり、水平方向のモアレが一本発生する地点からパララックスバリアまでの距離L3nまたはL3fの値に基づいて、垂直方向に連接する前記パララックスバリアを構成する、前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を求めることができる。
前述したように、モアレ解消位置からパララックスバリアに近づく、または離れると徐々にモアレが発生することとなるが、発生したモアレが1つ以内であればモアレを視認してしまうことによるストレスもなく効果的に立体映像を視認することができる。
従って、モアレが多くとも一本発生する地点を、映像提示対象者が効果的な立体映像を視認しつつ、裸眼立体ディスプレイに近づく又は裸眼立体ディスプレイから遠のくことができる最大の距離(モアレ適正解消領域)として想定して、垂直方向に連接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhを設計することができるため、該モアレ適正解消領域を映像提示対象者に対して明示して鮮明な立体映像を提供することや、最も人溜まりができる領域に調整して該モアレ解消領域を設定するなどが可能になる。
(9)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される有効可視領域の横幅をVh、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPhとした裸眼立体視の場合に、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の前記横幅Shの値を、以下の式(10)により決定することにより設計されたことが望ましい。
前記の構成よれば、パララックスバリアを構成する可視光透過部を通して、映像提示対象者の片目で視認される有効可視領域の幅Vhの任意の値に基づいて、適切な該パララックスリアの可視光透過部の幅Shを求めることができる。
ここで、「有効可視領域」とは、映像提示対象者が、パララックスバリアの可視光透過部を通して視認することのできる、画像表示面上の範囲をいう。有効可視領域の幅は設計者が任意にその幅を広狭させることができる設計事項である。有効可視領域の幅を狭く設計すれば、映像提示対象者が感じる立体映像の飛び出し感はより大きくなり、一方、有効可視領域の幅を広く設計すれば、ビューミックスによりジャンプポイントの低減をより図ることができる。
パララックスバリアの可視光透過部を通して片眼で視認される有効可視領域は、ビューミックスを発生させ、ジャンプポイントを軽減するために、本来視認すべき立体表示用ピクセルの左および/または右に配置された隣の視点の立体映表示用ピクセルも同時に視認することで制御するものである。
これにより、最適立体可視位置においては、もう一方の片眼で視認される有効可視領域と多少重複されて視認されるため、映像提示対象者が左右に移動した際にビューミックスにより滑らかな視点移動となる。
なお、有効可視領域の幅は、画像提示対象者に対して、その幅を狭くして立体の飛び出し度を強調するのか、その幅を広くしてジャンプポイントを低減させるかのように、どのような立体映像を提示するかというパララックスバリアの設計者の裁量による。ただし、有効可視領域の幅は、視認すべき視点の画像を表示する立体表示用ピクセルの幅以上でなければならない。
なお、ジャンプポイントとは、例えば、5視点による立体映像の場合、映像提示対象者が、第5の視点用の右目用映像を右目により、また第1の視点用の左目用映像を左目により視認した場合に手前の対象物が奥に、奥の対象物が手前に見える逆転現象が生じる位置である。つまり、適切な立体効果が得られている場所から、右方向に移動し、第5の視点用の右目用映像を左目により、また第1の視点用の左目用映像を右目により視認し、不適切な逆転現象が得られ、場合によっては画像提示対象が気持ち悪くなってしまう場所をいう。
これに対し、映像提示対象者に対して、右目または左目で視認すべき各視点用の映像を表示する立体表示用ピクセルと、隣り合う視点用の映像を表示する立体表示用ピクセルを少しずつ視認させることにより、可視光透過部を介して適切に立体が見える箇所と逆転現象が生じる箇所を、上下方向の位置によって、ビューミックスにより同時に視認させることができるため、飛び出ている対象物が二重にみえるものの逆転現象を押さえてジャンプポイントの低減を図ることができる。
なお、可視光透過部は実際にパララックスバリア上に存在する部分であるのに対し、有効可視領域は概念的に観念することのできる領域である。
有効可視領域Vhは、δ×αPhとして計算することが可能である。ここにいうδはαPhの値に対してVhがどれだけ大きい値であるかを示す係数である。
(10)本発明に係る、前記裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、独立して複数形成された穴形状とし、前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する高さSvの可視光透過部を通して映像提示対象者により視認される所定の有効可視領域の高さをVv、前記パララックスバリアの垂直方向に連接する、前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔をHv、前記垂直方向の開口率(Hvに対する係数)をλとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1とし、前記式(1)により求まる前記距離Zによる設計条件で、前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の前記高さSvの値を、以下の式(11)または式(11)′により決定することが望ましい。
前記構成によれば、パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または該可視光透過部の形状が独立して複数形成された開口穴形状であっても、最適立体可視位置における映像提示対象者からパララックスバリアまでの距離をL1および該最適立体可視位置において、画像提示対象者により該可視光透過部を通して視認される有効可視領域の高さVvを任意の所定の値とし、その値に基づいて、パララックスバリアの該連続する一単位の高さまたは可視光透過部の高さSvを逆算して求めることができる。
また、前記パララックスバリアの垂直方向に連接する、前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値に基づいて、前記高さSvの値が、前記間隔Hvの値に対してどれだけ短いかという係数λを乗じることにより、前記高さSvの値を求めることができる。
これにより、最も人溜まりができる位置に最適立体可視位置を設定し、映像提示対象者の需要や状況に対応させて、有効可視領域の高さVvを設定すれば良くパララックスバリアの設計が容易になる。
なお、前記有効可視領域の高さVvの値は、必ず立体表示用ピクセルの高さの値よりも僅かに小さくならなければならない。すなわち、1の立体表示用ピクセルを構成し、縦に連結するサブピクセルの数をε、各サブピクセルの高さをPvとすると、該有効可視領域の高さVvは以下の式で表すことができる。
(11)本発明に係る、裸眼立体ディスプレイは、前記式(1)により求まる前記距離Zと、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離Wと、前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される有効可視領域の横幅Vhと、を用いて、以下の式(12)により適正立体可視領域の最短距離L1nを決定し、以下の式(13)により適正立体可視領域の最長距離L1fを決定し、L1nからL1fまでの適正立体可視領域内に、前記斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2を予め設定することにより設計されたことが望ましい。
前記構成によれば、立体映像が特に効果的に視認することができる範囲に、モアレ解消位置を形成することができ、映像提示対象者に対し効果的に立体効果を与えつつ、モアレを解消することができる。
「適正立体可視領域」とは、映像提示対象者が、立体映像を適正に視認することのできる映像提示対象者からパララックスバリアまでの距離の範囲である。適正立体可視領域外であっても立体を視認することは可能であるが、効果的に立体を視認することはできない。
ここで、適正立体可視領域の最短距離L1nは、両眼で視認する有効可視領域が重複せず、かつ両眼が視認できない領域を中央に生じない場合の位置であり、このL1nからL1までが最も立体効果が大きく鮮明に見える。なお、L1より後方は、徐々に立体感が薄れていき最終的に2次元映像として視認され、適正立体可視領域の最長距離L1fは、コンテンツの飛び出し具合と個人差による差異はあるものの、有効可視領域の幅Vvの値が隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhの値と同一の値である場合は、概ねL1nの2倍程度である。また、L1nより近付くと視差が大きくなり立体感は強くなるものの、次第に焦点が合わなくなる。
したがって、L1nからL1fまでの適正立体可視領域の間が、適正に立体効果を得ることができる範囲となる。
このように、モアレ解消のための、前記可視光透過部の間隔Hhの補正は、L1nからL1までの範囲で最も人溜まりができる位置をモアレ解消位置として行うと良い。
なお、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの距離Zの設計は、前記L1、L1n、L1fのいずれからであっても計算により求めることが可能である。
(12)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記最適立体可視位置からパララックスバリアまでの距離L1は、前記斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2と同一距離に設定されていることが望ましい。
前記構成によれば、ジャンプポイントの軽減と斜め方向のモアレの解消を、同一位置において、同時に達成することができる。
(13)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、独立して複数形成された穴形状とした複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、前記最適立体可視位置からパララックスバリアまでの距離L1は、前記斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2と、前記水平方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L3と、同一距離に予め設定されていることが望ましい。
前記構成によれば、ジャンプポイントの軽減、斜め方向のモアレの解消、および水平方向のモアレの解消を、同一位置において、同時に達成することができる。
すなわち、最適立体可視位置と斜め方向モアレ解消位置が同一位置であった場合、例えば、図69(b)に示すように、立体映像を表示するための複数視点分の映像として5視点分の映像を用いた場合に、所定の最適立体可視位置において、ディスプレイの中央では右目が第3視点、左目が第4視点の画像を視認していたとすると、ディスプレイの全面に対して、右目が第3視点、左目が第4視点の画像を視認でき、いずれにもジャンプポイントは生じることはなく、映像提示対象者は最適な立体映像を視認することができる。
(14)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPhとした裸眼立体視の場合に、前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して、映像提示対象者に片眼で視認させようとする画像表示面上の最大領域を矩形領域とし、該矩形領域の横幅Vh maxを、2×αPh以上、3×αPh未満に決定し、前記パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して、映像提示対象者の片眼で視認される所定の有効可視領域の横幅Vhを、αPh以上、前記Vh max以下に決定することにより設計されたことが望ましい。
ビューミックスを発生させジャンプポイントの低減を図るためには、有効可視領域に幅を隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離よりも大きくし、映像提示対象者に対して、1視点分の映像を表示する立体表示用ピクセルだけでなく、それと隣り合う視点分の映像を表示する立体表示用ピクセルを視認させることが必要であるが、有効可視領域の幅を大きくしすぎると、映像提示対象者は、複数の視点の映像を視認することとなるため、映像提示対象者が視認する立体映像がぼやけてしまい、反対に有効可視領域の幅が狭すぎると1視点分の映像を表示する立体表示用ピクセルすら視認できなくなってしまう。
そこで、所定の最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者に視認させようとする画像表示面上の最大領域である、所定幅と所定の高さとを有する該画像表示面上の矩形領域の横幅Vh maxは、適正にビューミックスを発生させることができる2αPh以上、3αPh未満とし、かつ、該矩形領域の幅と有効可視領域の幅が一致していない場合であっても、パララックスバリアを構成する幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される所定の有効可視領域の幅Vhは、1αPh以上、前記Vh max以下であるとすることにより、効果的な立体効果を維持しつつ、適正にビューミックスを発生させ、ジャンプポイントの低減を図ることができる。
すなわち、図24において例示するように、サブピクセルの連結を考慮すると、前記有効可視領域の幅Vhが、立体表示用ピクセルの平均幅2つ分(2αPh)以上の値でないと、当該連結位置においては、映像提示対象者が視認すべき映像を表示するサブピクセルを視認する範囲が狭くなってしまい、立体映像が適正に映像提示対象者によって視認されなくなる。
そこで、当該サブピクセルの連結位置においても、映像提示対象者が適正に立体映像を視認できるようにするため、前記矩形領域の横幅Vh maxを2αh以上とする必要がある。
一方、前記矩形領域の幅Vh maxが3αPh以上の大きさであると、映像提示対象者が視認すべきサ映像以外の映像を表示するブピクセルが、映像提示対象者によって視認され、立体映像が不鮮明になってしまうため、前記矩形領域の幅Vh maxは3αPh未満の大きさである必要がある。
また、前記矩形領域の幅と有効可視領域の幅が一致していない場合においても、適正に立体映像を視認させるために、映像提示対象者の片眼で視認される所定の有効可視領域の幅Vhの値を、1αPh以上、前記Vh max以下とすることが必要である。
図24(a)に例示するように、有効可視領域が、該矩形領域内において平行四辺形となり、その幅Shの値が、該矩形領域の幅Vh maxの値よりも小さい場合には、ビューミックスが比較的発生しにくいものの、映像提示対象者が視認する立体映像よりシャープになる。
一方、図24(b)に例示するように、有効可視領域の幅Shの値と、該矩形領域の幅Vh maxの値が同一である場合は、よりビューミックスは発生し、多少映像の立体感は損なわれるものの、効果的にジャンプポイントを低減することができる。
(15)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、垂直方向に連接するサブピクセルの間隔をHpv、一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数をβとした裸眼立体視の場合に、前記垂直方向に連接する、前記階段形状、前記団子形状、または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvを、等式:Hv=Hpv/β(βは自然数)
により決定することにより設計されたことが望ましい。
により決定することにより設計されたことが望ましい。
なお、前記垂直方向に連接する可視光透過部の間隔Hvが、前記垂直方向に連接するサブピクセルの間隔Hpvを超えるものは、省かれる。
前記構成のように、前記Hvの値を、前記等式に示す関係を満足する値とすることで、前記微細な横縞線を解消することができる。
パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合には、縦方向に連結する可視光透過部の間隔に相当する、微細な横縞線が発生し、立体画像の画質が低下する恐れがある。
この微細な横縞線は、前記水平方向のモアレ解消位置において解消される水平方向のモアレではなく、立体映像提示対象者がモニターに近づかないと視認できない縞模様であって、縦方向に連結する可視光透過部の間隔に相当して微細に発生することがある。
例えば、17インチのモニターでは、映像提示対象者からモニターまでの距離が2〜30cmほどの近距離でないと微細な横縞線は視認されないが、40インチ以上になると、50cm〜100cm程度、モニターから離れても、映像提示対象者に視認されてしまう。
従って、大型モニターでは、特にこの微細な横縞線の発生によって、立体画像の画質の低下を招くことになるため、前記Hvの値を、前記等式に示す関係を満足する値とすることが有効である。
なお、前記の水平方向のモアレは、前記モアレ適正解消領域では、全く発生しないため、17インチ前後までの小・中モニターであれば、微細な横縞線もあまり気にならない。特に、前記可視光透過部の間隔が、垂直方向に連接するサブピクセルの間隔より小さければ、殆ど、気にならない。言うまでもなく、大型モニターでも前記可視光透過部の間隔が、前記サブピクセルの間隔に対して、数分の一以下であれば、殆ど、気にならない。
なお、前記垂直方向に連接する可視光透過部の間隔Hvが、前記垂直方向に連接するサブピクセルの間隔Hpvを超えるものは、省かれる。
(16)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、垂直方向にスリット状の可視光を透過するキャリブレーションラインが少なくとも左右いずれかの端部に設けられ、前記パララックスバリアに載置され、前記キャリブレーションラインを通して見える可視光が同一色となるように位置が調整され、前記キャリブレーションラインが映像提示対象者によって視認されない位置まで並行移動されるキャリブレーション作業により、前記ディスプレイに固定されることが望ましい。
前記構成によれば、パララックスバリアをディスプレイに設置する際のキャリブレーションを正確に行うことができる。
すなわち、作業者がパララックスバリアを設置する際にキャリブレーションを行うための垂直な可視光を透過するキャリブレーションラインが、パララックスバリアの両端に用意される。キャリブレーションは、パララックスバリアから作業者の片目までの距離をL4としたときに、L4においてキャリブレーションラインを通して見える画素の色が上から下まで1色に見えたときがディスプレイに対してパララックスバリアの可視光透過部が適正な傾きとなる。この状態で、パララックスバリアの可視光透過部の傾きを維持して、パララックスバリアを適正な位置に移動させることによりキャリブレーションが完了する。パララックスバリアの適正な位置とは、ディスプレイ中央とパララックスバリアの中央が概ね同じ位置で、且つ、例えば5視点映像で表示する立体複数視点画像の第3視点目の画像を白色、他を黒色とした画像をディスプレイに表示した際に、モニター真正面の最適立体可視位置において、パララックスバリアを介して片目で見える画像が全面均一な白色と見えればよい。
(17)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記キャリブレーションラインの幅Chは、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅Phと、前記キャリブレーション作業を行う際の、作業者の片眼から前記パララックスバリアまでの距離L4を用いた以下の式(14)により決定することが望ましい。
前述の様な、キャリブレーション作業を行う際に、キャリブレーションラインの幅Chが、サブピクセルの幅Phよりも広いと、隣り合うサブピクセルまで視認してしまい正確なキャリブレーションができない。また、キャリブレーションラインの幅Chが、サブピクセルの幅Phよりも狭すぎても、パララックスバリアの可視光透過部の適正な傾きを確認することができず、正確なキャリブレーションができない。そこで、前記式(14)を用いて、適正なキャリブレーションラインの幅を求めることにより、より正確にキャリブレーション作業を行うことができる。
キャリブレーション作業を行う際の、作業者の片眼から該パララックスバリアまでの距離L4は、キャリブレーション作業が手作業で行われる場合には、当該作業者片目の瞳から作業者の腕を伸ばした長さまでの距離として計算すればよい。
(18)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記ディスプレイの画像表示面からパララックスバリアまでの前記距離Zは、式(1)に代わり、前記パララックスバリアから、予め設定された適正立体可視領域までの最短距離L1nにおいて、横幅Shの可視光透過部を通して片眼で視認される有効可視領域の横幅Vhと、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離Wを用いた、以下の式(15)により決定することにより設計されることができる。
(18)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記ディスプレイの画像表示面からパララックスバリアまでの前記距離Zは、式(1)に代わり、前記パララックスバリアから、予め設定された適正立体可視領域までの最短距離L1nにおいて、横幅Shの可視光透過部を通して片眼で視認される有効可視領域の横幅Vhと、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離Wを用いた、以下の式(15)により決定することにより設計されることができる。
(19)また、前記ディスプレイを形成する画像表示面からパララックスバリアまでの前記距離Zは、式(1)に代わり、前記パララックスバリアから、予め設定された適正立体可視領域までの最長距離L1fにおいて、横幅Shの可視光透過部を通して片眼で視認される有効可視領域の横幅Vhと、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離Wを用いた、
以下の式(16)により決定することもできる。
以下の式(16)により決定することもできる。
これらの発明によれば、パララックスバリアから最適立体可視位置までの距離L1の値ではなく、パララックスバリアから適正立体可視領域までの最短距離L1nまたは最長距離L1fの値に基づいて、前記距離Zの値を求めることができる。
(20)本件発明の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記ディスプレイはプラズマディスプレイであり、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、独立して複数形成された穴形状とし、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の横幅をSh、前記複数の穴形状の可視光透過部の高さをSv、前記プラズマディスプレイから発生する電磁波を遮断する有効最大振幅幅をErとした場合に、前記一のサブピクセルに対応する、前記可視光透過部の上下方向の数βの値を、以下(17)(□の間の計算により求めた値以上の最小の整数を求める。式(18)において同じ。)の式により決定し、前記一のサブピクセルに対応する、前記可視光透過部の左右方向の数γの値を、以下の式(18)により決定し、前記パララックスバリアを、前記プラズマディスプレイから発生する電磁波を遮蔽する素材で形成することにより設計されたことが望ましい。
プラズマディスプレイは電磁波による人体への健康被害を防止するために、導電性の部材による電磁波シールドを、プラズマパネルの前面に設けることが必要とされる。
ここで、プラズマディスプレイを用いてパララックスバリア方式の裸眼立体ディスプレイを製造しようとすると、パララックスバリアをさらにプラズマパネルの前面に設ける必要があるため、装置全体が大型化する。
また、パララックスバリアを製造して組み込む工程が新たに必要となるため、高価な部材を多数使用しなければならないプラズマディスプレイの歩留まりが極めて悪くなる。
そこで、電磁波シールドとパララックスバリアを一つの部材が兼用することができるようにすれば工程数が減り、歩留まりもよくなって便利である。
本発明にかかるパララックスバリアは、以上のように、電磁波シールドを兼用し、しかも一度の工程で製造できるため、プラズマディスプレイを用いた裸眼立体ディスプレイをより簡易に製造することができるという顕著な効果を奏する。
前記パララックスバリアは、導電性の部材により形成されることが好ましい。
パララックスバリアに導電性の部材を用いることで、パララックスバリアは電磁波シールドを兼用する。
この場合、パララックスバリアと電磁波シールドを一つの工程で形成することができるという効果を奏する。
特に、印刷の精度によらずにパララックスバリアと電磁波シールドの配置のズレをなくすことができることは、極めて顕著な効果である。
パララックスバリアを印刷により形成する際に、パララックスバリア本来の部材に導電性の部材を混合することが好ましい。
前記パララックスバリアは、電磁波シールドが重畳して形成されることが好ましい。
パララックスバリアに電磁波シールドを重畳して形成することにより、パララックスバリアは電磁波シールドを兼用する。
この場合、高価な導電性の部材を使用する量が少なくて済む。
前記パララックスバリアは、電磁波シールドが重畳して形成されることが好ましい。
前記パララックスバリアは、前記スリットまたは前記可視光透過部の長軸方向の長さが、電磁波を遮断するために必要な所定の幅を超える場合には、該スリットまたは該可視光透過部を電磁波シールドにより二以上の領域に分割することが好ましい。
この場合、パララックスバリアの可視光透過部であるスリットまたは穴の高さおよび幅が、パララックスバリアが電磁波シールドを兼用する上で必要な設計基準の幅を超える場合であっても、スリットまたは穴を分割または区画することによりスリットまたは穴の高さおよび幅を設計基準内におさめることができる。
なお、ここで言う、可視光透過部の幅Sh及び可視光透過部の高さSvは、一のサブピクセル対し、一の可視光透過部が設けられている場合の、可視光透過部の幅及び高さをいい、すなわち、ここにいうβ及びγは、一のサブピクセルに対し一つ設けられている可視光透過部を、縦横にいくつ分割するかという値を示したものであると言い換えることができる。
したがって、パララックスバリアを設計するにあたって、前記(10)および前記(11)の式を用いて適正なShおよびSvの値を求めた後に、該可視光透過部の縦横の分割数βおよびγを求めて、パララックスバリアが電磁波バリアを兼用するように調整すると良い。
なお、□x□という記号は、x以上の最小の整数を示す。すなわち、x=1.6とすると、□x□=2となる。
(21)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、独立して複数形成された穴形状の可視光透過部は、楕円孤形、楕円孤形の上下をカットした提灯形または四角形以上の凸偶数角形の形状であることが望ましい。
前記構成によれば、効果的な立体効果を維持しつつ、画像提示対象者の視点の水平移動に伴う、有効可視領域の移動変化およびジャンプポイント(逆転現象)の緩和に寄与するという効果を奏する。
すなわち、上記視点移動による有効可視領域の移動変化およびジャンプポイントの緩和を図るために、本来見せるべき画素以外の画素も、一部、画像提示対象者に視認させる(ビューミックスを生じさせる)ことが必要となるが、ビューミックスを生じさせるために本来見せるべき画素以外の画素の一部を画像提示対象者に視認させると、当然ながら立体効果は低減することとなる。
この点、本発明の前記構成によれば、パララックスバリアの可視光透過部である穴部の形状を楕円弧の形状とし、楕円弧の水平方向のふくらみを調整することにより、所望の立体効果とビューミックスを得ることが容易に可能となる。
また、上記の効果は、穴部の形状を四角形以上の凸多角形とし、左右の凸部の内角を調整することによっても所望の立体効果とビューミックスを得ることが可能となる。
(22)また、本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの、パララックスバリアを構成する、独立して複数形成された穴形状の可視光透過部は、前記楕円弧形、楕円弧形の上下をカットした提灯形または四角形以上の凸偶数多角形を、水平方向に所定の角度だけ傾けた形状であることが望ましい。
前記構成によれば、前記形状の可視光透過部を通して視認することができる有効可視領域を、各視点用の立体表示用ピクセルの配置の傾き、および/または、一の立体表示ピクセル内でのサブピクセルの配置の傾きにより適合した有効可視領域とすることができ、これにより、映像提示対象者に対して、視認させるべき映像を表示するサブピクセルをより的確に視認させることができる。
ここで、独立して複数形成された穴形状の可視光透過部が楕円形である場合とは、図15(a)において例示するような場合をいう。また、前記可視光透過部が楕円形の上下をカットした提灯形である場合とは、図15(b)において例示するような場合をいう。さらに図15(c)においては六角形、(e)においては八角形の前記可視光透過部の形状をそれぞれ例示している。
(23)また、本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者に片眼で視認させようとする画像表示面上の最大領域である矩形領域を決定し、前記最適立体可視位置における画像提示対象者の左右いずれかの眼を基点として、該いずれかの眼と前記矩形領域とを結ぶ線分と、前記パララックスバリア面との交点からなる前記矩形領域の相似形をなす領域の、上下および左右の辺に内接する形状または左右の辺にのみ内接する形状とし、前記最適立体可視位置における画像提示対象者の左右いずれかの眼を基点として、前記穴部を通して画像提示対象者に視認される画素配列面上の領域を、前記穴部の相似形をなす有効可視領域とすることにより、前記パララックスバリアを構成する、独立して複数形成された穴形状の可視光透過部を設計することが望ましい。
その構成とは、パララックスバリアのスリットの役割を、文字通りの連続した可視光透過部であるスリットに担わせる代わりに、独立しており、かつ、ブレンドされたサブピクセルの1個または数個に対応した可視光透過部を、複数個配置することにより、担わせる構成である。要するに、本発明の可視光透過部とは、可視光を透過しない面(可視光不透過部)に可視光を透過する領域として、複数設けられた穴である。
前記の構成によれば、ビューミックスを発生させ、かつジャンプポイントを緩和するために一度に片方の眼で視認すべきディスプレイの領域を最初に定め、そこから逆算して、パララックスバリア上の可視光透過領部を定めるので、最も適切な可視光透過領部の形状を、容易に設計することが出来るという効果を奏する。
(24)本件発明に係る、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアは、板状透明媒体であって、画像提示対象者側に可視光不透過部を設け、前記可視光不透過部を、可視光を吸収する素材および/または、可視光を拡散反射する素材のいずれかによって形成することにより、写り込みを防止することが望ましい。
映り込みとは、外部光がディスプレイ表面において鏡面反射することにより、ディスプレイからの画像を映像提示対象者が視認し得なくなる現象をいう。すなわち、ディスプレイの表面がガラスのように光沢がある素材で形成されている場合、太陽光や照明器具などの発光体からの光が、当該ディスプレイの表面で反射してしまい、映像提示対象者がディスプレイに表示されている映像を効果的に視認できなくなってしまうことをいう。
従来、パララックスバリア方式の裸眼立体ディスプレイにおいて、このような映り込みを防止しようと場合、外部光の鏡面反射を防ぐ写りこみ防止層と、パララックスバリアの層の、二重の層を設ける必要があった。
しかし、前記構成によれば、パララックスバリアの可視光不透過部が、可視光を吸収する素材および/または、可視光を拡散反射する素材のいずれかによって形成されているため、パララックスバリアによって映り込み防止層を兼用することができ、前述のように、写りこみ防止層とパララックスバリアの層の二重の層を設ける必要がない。
(25)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイは、請求項1〜24のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアを用いたことを特徴とする。
(26)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法は、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けるパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値を、予め定められた設計条件に基づき計算して設計する、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法であって、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、斜め方向モアレ解消位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL2とした設計条件で、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(2)により決定することを特徴とする。
(25)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイは、請求項1〜24のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアを用いたことを特徴とする。
(26)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法は、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けるパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値を、予め定められた設計条件に基づき計算して設計する、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法であって、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、斜め方向モアレ解消位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL2とした設計条件で、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(2)により決定することを特徴とする。
前記の構成によれば、例えば、最も人溜まりのできる位置に所定の最適立体可視位置および所定の斜め方向のモアレ解消位置を設定し、これらの値から逆算して、前記距離Zおよび前記一又は複数の可視光透過部の水平方向における隣り合う間隔を定めることが可能となるため、所定の斜め方向のモアレ解消位置において映像提示対象者は、パララックスバリアの可視光透過部を通して、常に所定の視点の画像を表示する立体表示用ピクセルの所定位置を視認することができ、該所定のモアレ解消位置においては完全にモアレが解消される。
さらに、前記距離Zの値もパララックスバリアから所定の最適立体可視位置までの距離L1の値に基づいて設計することができる。
(27)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法は、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けるパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値を、予め定められた設計条件に基づき計算して設計する、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法であって、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記ディスプレイの水平解像度をIr、前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も近い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2nとした設計条件で、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(4)により決定することを特徴とする。
(28)本件発明に係る裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法は、R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けるパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値を、予め定められた設計条件に基づき計算して設計する、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法であって、複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、前記ディスプレイの水平解像度をIr、前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も遠い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2fとした設計条件で、前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(5)により決定することを特徴とする。
本件発明によれば、前記所定の斜め方向のモアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2に代わり、斜め方向のモアレが一本発生する地点からパララックスバリアまでの距離L2nまたはL2fの値に基づいて、水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を求めることができる。
本発明に係る裸眼立体ディスプレイは、特に効果的にモアレを解消した形で映像提示対象者に立体映像を提供することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ本件発明の実施形態について説明をする。
まず図1および図32を参照して、可視光透過部の横幅Shを求める。
Vhは幅Shの可視光透過部を通して片眼で視認される有効可視領域の幅、αPhは隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離、Zは前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの距離、L1は最適立体可視位置における映像提示対象者からパララックスバリアまでの距離、Wは映像提示対象者の左右の目の瞳間の距離、Kは映像提示対象者の両眼の注視点間距離をそれぞれ示す。また映像提示対象者の片眼からディスプレイに向かって伸びている一点鎖線は映像提示対象者の注視線を示す。
例えば、最適立体可視位置は、立体映像表示装置の用途、設置場所等を考慮して、特に効果的に映像提示対象者に裸眼立体映像を視認させたい位置とすれば良い。すなわち、最適立体可視位置からパララックスバリアまでの距離L1は任意の値を取ることができる。
また、映像提示対象者の左右の目の瞳間の距離Wは、その立体映像の主たる対象者が、欧米人であれば65mm、アジア人であれば70mm、子供であれば50〜60mm程度に設定し計算すれば良い。
また、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhは、図32に例示するように、例えば、3つのサブピクセルで1つの立体表示用ピクセルを構成し、サブピクセルを規則的に斜め方向に連結して配置した場合(図32(1))のαPhの値は1Phとなる。
次に、パララックスバリアの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される有効可視領域の幅Vhの値を決定する。
有効可視領域とは、最適立体可視位置において、映像提示対象者が、パララックスバリアの可視光透過部を通して視認することのできる画像表示面上の領域をいう。すなわち、最適立体可視位置において、映像提示対象者に対し視認させることを意図したディスプレイの範囲である。
有効可視領域の幅Vhとは、人が移動した際に、他の視点の映像の視認への移り変わりの際の映像の乱れと、左右の眼が左右逆の視点の映像を視認する際に起きる、対象物の位置が前後に逆転するジャンプポイントを低減するために、本来両眼が視認すべき隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルを中心に、その左右の立体表示用ピクセルの一部を視認して適度なビューミックスを生じさせるために必要な、映像表示面の片眼で視認させる水平方向の幅である。
したがって、Vhが大きいと視点の移り変わりとジャンプポイントの低減になるが、その分だけ本来両眼が視認すべき隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルとは異なる立体表示用ピクセル(特に、両眼がだぶって同一の映像を視認する)を視認するため立体感が乏しくなる。一方、Vhの値が小さいと画像の立体感は強調され映像は鮮明に映るが、ジャンプポイントは大きくなる。ただし、以上の効果は、スリットもしくは可視光透過部の形状と配置によって大きく異なる。
このように、有効可視領域の幅の大きさを、立体映像の用途等に合わせて適宜広狭させることにより、映像提示対象者の需要や状況に対応させて、より効果的に立体映像を提供することができる。
なお、図1からもわかるように、最適立体可視位置においては、映像提示対象者の注視線(図1、一点鎖線)が各立体表示用ピクセルの中心を視認するのであるから、左右の眼の注視点間距離Kは、αPhと同じ値となる。
次に、決定された有効可視領域の幅Vhの値に基づいて、ディスプレイの画像表示面からパララックスバリアまでの距離Zの値を求める。Zは次の式により算定される。
なお、立体映像表示装置のディスプレイ面に移りこみ防止等の加工処理、または、写りこみ防止等の透明シートを貼りつけた場合であっても、Zはディスプレイ面からパララックスバリアまでの距離とする。
図1からわかるように、Z:L1とαPh:Wとの間には、以下の数式により表される関係がある。
したがって、前記距離Zは以下の数式によって表される。
次に、決定された前記距離Zの値に基づいて、可視光透過部の横幅Shの値を求める。
前記〈1〉の式から、L1は以下の数式のように表される。
また、図1からわかるように、S:VhとL1:(L1+Z)の間には、以下の数式により表される関係がある。
したがって、可視光透過部の高さShは以下の数式によって表される。
そこで、〈3〉に式に〈2〉の式を代入すると、Shは以下の数式によって表される。
このように、Shの値はW、αPh及びVhの値から求めることができる。
図2を参照して、前記裸眼立体ディスプレイであって、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合の、前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の高さSvを求める。
ここで、パララックスバリアの有効可視領域の高さVvは、最適立体可視位置において、高さSvの可視光透過部を通して視認されるディスプレイの範囲であり、その値は裸眼立体ディスプレイを設置する場所等の条件に合わせて、所定の値とすることができる。
例えば、パララックスバリアの開効率を抑え、ディスプレイの照度を落としたいときには、該有効可視領域の値は小さくすれば良い。
また、パララックスバリアの開効率を調整する他の方法として、一つのサブピクセルに対し複数の連続するスリットのエッジの一単位または可視光透過部を用いるようにしても良いし、2以上のサブピクセルに対し、一の前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部を用いるようにしても良い。
このように、一のサブピクセルに対する、可視光透過部の数の比率を、1:1以外とした場合であっても、前記有効可視領域の高さVvは、可視光透過部の高さを通して視認されるディスプレイの範囲を言う。
図2からわかるように、Sv:VvとL1:(L1+Z)との間には、以下の数式により表される関係がある。
したがって、可視光透過部の高さSvは以下の式により表される。
このように、可視光透過部の高さSvの値も、まず当該有効可視領域高さVvの値を決定することで逆算することが可能である。
また、可視光透過部の高さSvは、前記可視光透過部の間隔Hvに基づいて、以下の式により求めることもできる。
すなわち、図56に示すように、まず、前記式に基づいて可視光透過部の間隔Hvを求めた後に、λの値(図面においては1/2)を決定し、前記式に代入することにより、前記可視光透過部の高さを求めることができる。
次に図3を参照して、所定の斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離をL2に基づき、水平方向に隣接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhを求める。
図3では、映像提示対象者4は、所定の斜め方向モアレ解消位置において、片眼(左眼)で、パララックスバリアの可視光透過部を通して、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニット12を構成する立体表示用ピクセル2と、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニット12を構成する立体表示用ピクセル2を視認しており、映像提示対象者4が視認している該立体表示用ピクセル2は同一視点の映像を表示するものである。
このように、パララックスバリアの可視光透過部を通して視認する二次元画像表示用サブピクセルが常に同一視点の映像を表示するものであれば、映像提示対象者が画面上のモアレを視認することはない。
ここで、まず、所定の斜め方向モアレ解消位置における、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhは、立体映像を表示するための映像の視点数Nと、水平解像度Irを用いた以下の式により表すことができる。
すなわち、水平解像度Irに3(R・G・B)を乗じた、3Irは水平方向におけるサブピクセルの数である。ここから1を引くのは、例えば図34において図示するように、視点数を仮に7とした場合、ディスプレイ右端のサブピクセルが該視点の最後の視点である第7視点の映像を表示せず、第1視点である場合があり、この場合には余った第1視点の映像を表示するサブピクセルの数を引いて計算をする必要があるからである。また、最後に1を足すのは、前記第1視点の映像を表示するサブピクセルがディスプレイ右端に余った場合以外の場合にも、全サブピクセル数から1を引いて整数化しているため、実際のMh値から1足りなくなるのでそれを補うためである。
また、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットを構成する立体表示用ピクセルに対する可視光透過部の中心から、これと同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルであってディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットを構成するものに対する可視光透過部の中心までの距離は、Hh(水平方向における可視光透過部の間隔)に(Mh−1)を乗じた値となる。
さらに、水平方向において、映像提示対象者がパララックスバリアの可視光透過部を通して視認する、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットを構成する立体表示用ピクセルの中心から、これと同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルであってディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットを構成するものの中心までの距離は、裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNと、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhを用いた以下の式により表すことができる。
図3からわかるように、[Hh×(Mh−1)]:[N×(Mh−1)×αPh]とL2:(Z+L2)の間には以下の式により表すことができる関係がある。
従って、Hhの値は以下の式により求めることができる。
このように、所定の斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離をL2に基づき、水平方向に隣接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を求めることができる。
次に、図4及び図5を参照して、パララックスバリアから、斜め方向のモアレが1本発生する地点までの距離に基づいて前記水平方向に隣接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhを求める。
図4において例示する、斜め方向のモアレが一本発生する位置からパララックスバリア6までの距離であって、遠近二種の該位置のうち、より該パララックスバリア6に近い位置から、該パララックスバリア6までの所定の距離L2nにおいては、図33においても例示するように、映像提示対象者4は、所定の斜め方向のモアレ解消位置(L2)と同様にディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニット12を構成する立体表示用ピクセル2のうち第一視点用の画像を表示するものをパララックスバリアの可視光透過部を通して視認しているが、視点が右方向にずれるにつれて、該可視光透過部を通して、第一視点用の立体表示用ピクセルではなく、他の視点用の立体表示用ピクセルを視認していくことになる。そして最終的には、L2の地点においてディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニット12のうち第一視点用の立体表示用ピクセル2を視認する際に可視光が透過する可視光透過部を通して、ディスプレイ右端の右隣に仮想画素14を想定した場合、再び第一視点用の立体表示用ピクセル(仮想)14を視認することとなる。この様なサイクルが一度発生しているため、L2nにおいてはモアレが一回発生していると考えられる。
このようなL2nの値を所定の値とした場合に、この値に基づいて、前記水平方向に隣接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhを求める。
すなわち、図4からもわかるように、[Hh×(M−1)]:[N×M×αPh]とL2n:(Z+L2n)の間には以下の式に表されるような関係がある。
従って、Hhは以下の式により求めることができる。
また、L2nに基づいてHhの値を求めるのと同様に、斜め方向のモアレが一本発生する位置からパララックスバリアまでの距離であって、遠近二種の該位置のうち、より該パララックスバリアに遠い位置から、該パララックスバリアまでの所定の距離L2fに基づいて、該Hhの値を求めることができる。
図5において例示する、L2fの地点においては、映像提示対象者は、所定の斜め方向のモアレ解消位置(L2)と同様にディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニット12を構成する立体表示用ピクセル2のうち第一視点用の画像を表示するものをパララックスバリアの可視光透過部を通して視認しているが、視点が右方向にずれるにつれて、該可視光透過部を通して、第一視点用の立体表示用ピクセル2ではなく、他の視点用の立体表示用ピクセル2を視認していくことになる。そして最終的には、L2の地点においてディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニット12のうち第一視点用の立体表示用ピクセル2を視認する際に可視光が透過する可視光透過部を通して、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニット12の左隣の立体表示用ピクセルユニット12中の第一視点用の立体表示用ピクセル2を視認することとなる。この様なサイクルが一度発生しているため、L2fにおいてもモアレが一回発生していると考えられる。
なお、図6においては、前記L2、L2n、L2fの相対的な関係を図示している。
このような、L2fの値を所定の値とした場合に、この値に基づいて、前記水平方向に隣接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhを求める。
すなわち、図5からわかるように、[Hh×(M−1)]:[N×(M−2)×αPh]とZ:(Z+L2)の間には以下の式に表されるような関係がある。
従って、Hhの値は以下の式により求めることができる。
このように、モアレが一本発生する地点(L2n・L2f)の値に基づいて、水平方向に隣接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhを求めることができるため、例えば、L2nの地点からL2fの地点までの領域を、モアレ適正解消領域として、立体映像が特に効果的に視認できる地点を映像提示対象者に対して明示することもできる。さらに、該モアレ解消領域を最も人溜まりができる範囲に設定することにより、映像提示対象者の注意を引きつけることもできる。
また、L2nとL2fの値は以下で述べる計算により、L2の値に基づき求めることができる。
図16、図17および図18を参照して、前述したものとは別の観点から、斜め方向のモアレ解消位置(L2)からどの程度パララックスバリアに近づく、または離れると、映像提示対象者にモアレが1本発生するかについて説明する。
図16おいて示されているIrとは、ディスプレイの水平方向の解像度を示す。また、破線で表された円は、所定のモアレ解消位置における、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットを構成する所定の視点の映像を表示する立体表示用ピクセルおよびこれと同一視点の映像用のディスプレイ右端の右隣の仮想画素に対応するパララックスバリアの可視光透過部を示す。
斜め方向のモアレ解消位置において、映像提示対象者は、すべてのパララックスバリアの可視光透過部を通して、常に同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルを視認していることから、斜め方向のモアレを視認することはないが、当該モアレ解消位置からパララックスバリアに近づいて行ったり、離れて行ったりすると、映像提示対象者は徐々に隣の視点の映像を表示する立体表示用ピクセルを視認するようになり、最終的には、斜め方向のモアレ位置解消位置において視認していたパララックスバリアの可視光透過部の隣の可視光透過部を通して、再び元の視認するべき視点の映像を表示する立体表示用ピクセルを視認することとなる。このサイクルが一回発生したときに、映像提示対象者は斜め方向のモアレを1本視認することとなる。
従って、パララックスバリアから所定のモアレ解消位置までの距離L2の値が決定すると、その値に基づき、モアレが1本発生する位置を以下の式により求めることができる。
なお、パララックスバリアから斜め方向のモアレが1本発生する最短距離をL2n、パララックスバリアから斜め方向のモアレが1本発生する最長距離をL2fとし、このL2nからL2fまでの領域を、モアレ適正解消領域とする。
まず、パララックスバリアから映像提示対象者までの距離がL2である場合には、図16に示すように、映像提示対象者は、パララックスバリアの可視光透過部を通して、常に同視点の映像を表示する立体表示用ピクセルを視認していることとなる。
このとき、Irを3倍すると、ディスプレイを構成する水平方向におけるサブピクセル数が求まり、これに隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhの値を掛けると、ディスプレイ左端からディスプレイ右端までの距離が求まる。
したがって、ディスプレイ左端の画素の中心から、ディスプレイ右端の右隣の仮想の画素の中心までの距離も(3×Ir×αPh)で表すことができる。
さらに、斜め方向のモアレ解消位置において、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルに対応するパララックスバリアの可視光透過部の中心から、ディスプレイ右端の右隣の仮想画素に対応するパララックスバリアの可視光透過部までの距離は、
と表すことができる。
また、図16からわかるように、Hh:(N×αPh)とL2:(L2+Z)の間には、以下の式に表されるような関係がある。
したがって、Hhは以下の式により表される。
次に、図17を参照して、L2の値に基づいて、水平方向におけるL2nの値を求める。
L2nにおいては、映像提示対象者に斜め方向のモアレが1本視認されるため、立体表示用ピクセルユニット数より、映像提示対象者が立体映像を視認する際に透過するパララックスバリアの可視光透過部の数が一つ少ないが、映像提示対象者は、該可視光透過部を通して全ての立体表示用ピクセルユニットを構成する立体表示用ピクセルを視認していることとなる。
したがって、L2nは斜め方向のモアレ発生のサイクルが一回発生した地点であるといえる。
すなわち、L2nにおいて、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットを構成する立体表示用ピクセルに対応するパララックスバリアの可視光透過部の中心から、これと同一視点の映像用のディスプレイ右端の右隣の仮想画素に対応するパララックスバリアの可視光透過部までの距離は、
と表す事ができる。
ここで、前記〈6〉の式のHhを、これに代入すると、以下ように表す事ができる。
したがって、L2nは以下の式により表される。
次に、図18を参照して、L2の値に基づいて、L2fの値を求める。
L2fにおいても、映像提示対象者に斜め方向のモアレが1本視認されるため、立体表示用ピクセルユニットの数より、映像提示対象者が立体映像を視認する際に透過するパララックスバリアの可視光透過部の数が一つ多いが、映像提示対象者は、該可視光透過部を通して全ての立体表示用ピクセルユニットを構成する立体表示用ピクセルを視認していることとなる。
すなわち、L2fにおいて、ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルに対応するパララックスバリアの可視光透過部の中心から、これと同一視点用のディスプレイ右端の右隣の仮想画素14に対応するパララックスバリアの可視光透過部までの距離は、
と表す事ができる。
したがって、前記L2nを求める式と同様の考え方をすると、L2fは以下の式により表される。
このように、L2nおよびL2fの値は、L2の値に基づいて求めることもできる。
なお、本件発明においてL2nおよびL2fの値は、パララックスバリアの設計者が適宜定めることもできる事項であり、前述したL2の値に基づく計算式により定まる値に限定されるものではない。
次に、図7を参照して、パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合に、所定の水平方向のモアレ解消位置から前記パララックスバリアまでの距離L3の値に基づいて、前記パララックスバリアの垂直方向に連接する前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を求める方法について説明する。
ここで、図7の一点鎖線は映像提示対象者の注視線を示し、Kは映像提示対象者の上下の注視点間距離を示す。
パララックスバリアから所定の水平方向のモアレ解消位置までの距離L3の値は、ディスプレイからどの距離をもって映像提示対象者に特にモアレを解消した形で立体映像を提供したいかによって決まる。
また、水平方向のモアレ解消位置において、映像提示対象者、常に、パララックスバリアの可視光透過部を通してサブピクセルの中心を注視することとなるため、映像提示対象者の注視点間距離Kは、サブピクセルの高さPvに等しい。
また、βとは、一のサブピクセルに対応する可視光透過部の上下方向の数を表し、例えば、図36(a)(d)に示すように、1のサブピクセル8に対して1の可視光透過部が形成されているような場合、βは1となる。また図36(b)(e)に示すように、1のサブピクセル8に対して2の可視光透過部が形成されているような場合、βは2となる。さらに、図36(c)(f)に示すように、3のサブピクセル8対して1の可視光透過部が形成されているような場合、βは1/3となる。
すなわちβとは、一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部上下方向の数である。
なお、1のサブピクセルに対して設けられる複数の可視光透過部は、整数個であることが望ましい。また、複数のサブピクセルに対し1の可視光透過部を設ける場合には、1の立体表示用ピクセルに対し、整数個の可視光透過部を設けることが望ましい。
ここで、該連続する一単位または該可視光透過部の間隔Hvの値を求める。
図31からわかるように、Hv×β:L3における上下の注視点間距離K(=Pv)とL3:(L3+Z)の関係は以下の式により表すことができる。
したがって、Hvは以下の式により表される。
このように、所定の水平方向のモアレ解消位置において、L3の値から逆算して特にモアレを解消することのできるHvの値を定めることができる。
図8及び図9を参照して、パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合に、水平方向のモアレが一本発生する位置からパララックスバリアまでの距離であって、遠近二種の該位置のうち、より該パララックスバリアに近い位置から、該パララックスバリアまでの所定の距離をL3nの値に基づいて、前記パララックスバリアの垂直方向に連接する前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を求める方法について説明する。
図8において例示する、前記L3nにおいては、映像提示対象者4は、所定の横向のモアレ解消位置(L3)と同様にディスプレイ下端のサブピクセルをパララックスバリアの可視光透過部を通して視認しているが、視点が上方向にずれるにつれて、L3の地点において本来視認すべきサブピクセルではなく、その上方のサブピクセルを、可視光透過部を通して視認することとなる。そして最終的には、L3の地点においてディスプレイ上端のサブピクセルを視認する際に可視光が透過する可視光透過部を通して、ディスプレイ上端の上方に仮想サブピクセル16を想定した場合、該仮想サブピクセル16を視認することとなる。この様なサイクルが一度発生しているため、L3nにおいてはモアレが一回発生していると考えられる。
まず、前記ディスプレイ上端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部から、ディスプレイ下端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部までの間の、垂直方向において前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の数Mvについて説明する。
なお、Mvとは、図55(b)は、図55(b)において示すように、所定の水平方向モアレ解消位置(L3)の一地点において、映像提示対象者が、ディスプレイ上の同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルを全て視認し、裸眼立体ディスプレイ立体映像の効果を得るために必要な、パララックスバリアの可視光透過部の数である。。
ここにいう、「前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位の数」とは、例えば、パララックスバリアの可視光透過部であるスリットの形状が楕円弧である場合、当該楕円弧が、同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの並びに対応した各スリット上にいくつ形成されているかという数を意味する。また。「前記複数の穴形状の可視光透過部の数」とは、当該穴形状の可視光透過部が、同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの並びに対応していくつ形成されているかという数を意味する。また、Jrとはディスプレイの垂直解像度を示す。
従って、Mvは、Jr×βという式によって表すことができる。
L3nの値を所定の値とした場合に、この値に基づいて、前記垂直方向に連接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hvを求める。
すなわち、図8からもわかるように、[Hv(Mv−1)]:[(Jr−1/β+1)×Pv]とZ:(Z+L3n)の間には以下の式に表されるような関係がある。
従って、Hvは以下の式により求めることができる。
次に、パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合に、水平方向のモアレが一本発生する位置からパララックスバリアまでの距離であって、遠近二種の該位置のうち、より該パララックスバリアに遠い位置から、該パララックスバリアまでの所定の距離をL3fの値に基づいて、前記パララックスバリアの垂直方向に連接する前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を求める方法について説明する。
図9において例示する、前記L3fにおいては、映像提示対象者4は、所定の横向のモアレ解消位置(L3)と同様に、ディスプレイ下端のサブピクセルをパララックスバリアの可視光透過部を通して視認しているが、視点が上方向にずれるにつれて、L3の地点において本来視認すべきサブピクセルではなく、その下方のサブピクセルを、可視光透過部を通して視認することとなる。そして最終的には、L3の地点においてディスプレイ上端のサブピクセルを視認する際に可視光が透過する可視光透過部を通して、ディスプレイ上端の下方のサブピクセルを視認することとなる。この様なサイクルが一度発生しているため、L3nにおいてはモアレが一回発生していると考えられる。
このようなL3fの値を所定の値とした場合に、この値に基づいて、前記垂直方向に連接するパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hvを求める。
すなわち、図9からもわかるように、[Hv×(Mv−1)]:[(Jr−1/β−1)×Pv]とZ:(Z+L3f)の間には以下の式に表されるような関係がある。
従って、Hvは以下の式により求めることができる。
なお、β=2の場合には[Hv×(Mv−1)]と[(Jr−1/β)×Pv]の関係は図42において示すような関係となる。
前記Hvの値は、垂直方向に連接するサブピクセルの間隔をHpvとした場合に、等式:Hv=Hpv/β(βは自然数)の関係を満足する値であることが望ましい。
図38(a)(c)において例示するように、一のサブピクセルに対して一の可視光透過部が形成されている場合には、Hv=Hpv/1となり、(b)(d)において例示するように、一のサブピクセルに対して二の可視光透過部が形成されている場合には、Hv=Hpv/2となる。
なお、前記垂直方向に連接する可視光透過部の間隔Hvが、前記垂直方向に連接するサブピクセルの間隔Hpvを超えることは好ましくないため、nの値が、例えば1/2となる場合は除かれる。
また、前記L3nおよびL3fの値は、L3の値に基づいて定めることもできる。図19から図21を参照して説明する。
垂直解像度Jrに、各サブピクセルの高さPvを掛けると、ディスプレイ下端からディスプレイ上端までの距離となる。(Pv×Jr)よって、ディスプレイ下端のサブピクセルの中心から、ディスプレイ上端の上の仮想サブピクセル14の中心までの距離も、(Pv×Jr)表すことができる。
また、Jrに、垂直方向に連接する可視光透過部の間隔Hvを掛けると、モアレ解消位置において、ディスプレイ下端のサブピクセルに対応する可視光透過部の中心から、ディスプレイ上端の上の仮想サブピクセル14に対応する可視光透過部の中心までの距離となる。(Hv×Jr)
次に、図20を参照して、前記L3nを求める。
次に、図20を参照して、前記L3nを求める。
L3nにおいては、映像提示対象者に垂直方向のモアレが1本視認されるため、垂直方向におけるサブピクセルの数より、映像提示対象者が立体映像を視認する際に透過するパララックスバリアの可視光透過部の数が一つ少ないが、映像提示対象者は、該可視光透過部を通して全てのサブピクセルを視認していることとなる。
したがって、L3nは垂直方向におけるモアレ発生のサイクルが一回発生した地点であるといえる。
すなわち、L3nにおいて、ディスプレイ下端のサブピクセルに対応するパララックスバリアの可視光透過部の中心から、ディスプレイ上端の上の仮想サブピクセル14に対応するパララックスバリアの可視光透過部までの距離は、Hv×(Jr−1)と表す事ができる。
ここで、前記(4)の式のHvを、これに代入すると、以下ように表す事ができる。
したがって、L3nは以下の式により表される。
次に、図21を参照して、L3の値に基づいて、L3fの値を求める。
L3fにおいても、映像提示対象者に垂直方向のモアレが1本視認されるため、垂直方向のサブピクセル数より、映像提示対象者が立体映像を視認する際に透過するパララックスバリアの可視光透過部の数が一つ多いが、映像提示対象者は、該可視光透過部を通して全てのサブピクセルを視認していることとなる。
すなわち、L3fにおいて、ディスプレイ下端のサブピクセルに対応するパララックスバリアの可視光透過部の中心から、ディスプレイ上端の上の仮想サブピクセル14に対応するパララックスバリアの可視光透過部までの距離は、Hv×(Jr+1)と表す事ができる。
したがって、前記L3nを求める式と同様の考え方をすると、L3fは以下の式により表される。
なお、前記L3nから前記L3fまで範囲が、垂直方向における、モアレ適正解消領域である。
図68を参照して、最適立体可視位置と斜め方向モアレ解消位置が同一位置でなかった場合と、最適立体可視位置と斜め方向モアレ解消位置が同一位置であった場合について説明する。なお、最適立体可視位置からパララックスバリアまでの距離L1の値と、斜め方向もモアレ解消領域からパララックスバリアまでの距離L2の値は、裸眼立体ディスプレイの設計者が、立体映像を表示する場所・状況等に応じて任意に定めることが値である。
図68(a)は、最適立体可視位置と斜め方向モアレ解消位置が同一位置でない場合を例示した図であり、所定の最適立体可視位置において、例えば、立体映像を表示するための複数視点分の映像として、5視点分の映像を用いた場合、ディスプレイの中央において右目が第3視点、左目が第4視点の画像を視認したとすると(必ずしも中央が第3〜4視点とは限らない)、ディスプレイの中央から端部に向かって、右目が第2視点・左目が第3視点、または右目が第4・左目が第5視点の映像を視認するようになっている。このように、左目が視認する視点の画像は、右目が視認する視点の画像より、必ず、右側の視点の画像を視認するため、立体効果には大きな影響はない。しかし、端部に向かうと、右目が第1視点・左目が第2視点、または右目が第5・左目が第1視点の映像を視認するようになっており、右側端部でジャンプポイントとなり逆転現象を生じ、立体が見づらくなる部分が出てくる。このように、モアレ解消領域内(L2n〜L3n)では、最大1か所の逆転現象を生じる。
図68(b)は、最適立体可視位置と斜め方向モアレ解消位置が同一位置であった場合について例示した図であり、所定の最適立体可視位置において、例えば、立体映像を表示するための複数視点分の映像として、5視点分の映像を用いた場合、ディスプレイの中央において右目が第3視点、左目が第4視点の画像を視認したとすると(必ずしも中央が第3〜4視点とは限らない)、ディスプレイの全面に対して、右目が第3視点、左目が第4視点の画像を視認でき、いずれにもジャンプポイントは生じることはなく、映像提示対象者は最適な立体映像を視認することができる。
図24および図25を参照して、パララックスバリアの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される所定の有効可視領域の幅Vhの最小値および最大値について説明する。
図24および25において、斜線により描かれたサブピクセルは、映像提示対象者が視認すべき映像を表示するサブピクセルを表しており、また、これらの斜線で表したサブピクセルの集まりが、立体表示用ピクセルである。
まず、所定の最適立体可視位置において、パララックスバリアの可視光透過部を通して映像提示対象者に視認させようとする画像表示面上の最大領域である矩形領域を定めることが必要であるが、該矩形領域の幅Vh maxは、N視点分の映像を表示するサブピクセルが斜め方向にずれて一の立体表示用ピクセルを構成している場合、該サブピクセルの連結部においても、各サブピクセルを視認させることが必要であるため2αPh以上の値であることを要する。また、2以上の視点の映像を視認させると、主たるN視点の画像以外の視点の映像を視認させることとなり、映像が不鮮明となることを防ぐため、該矩形領域の幅Vh maxは、3αPh以下の値であることを要する。
また、図24(a)、図25(a)のように、パララックスバリアの可視光透過部の形状が斜めに傾いている場合は、前記矩形領域の幅Vh maxの値より、前記可視光透過部を通して視認することができる有効可視領域の幅Vhの値は小さくなるが、この場合該Vhは、少なくとも隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhより大きい値でなければ映像提示対象者は立体を視認することができないため1αPh以上の値でなければならず、かつ、前記矩形領域も幅Vh maxの値を超える値をとることができない。
このように、有効可視領域の幅Vhの所定の値が、1αPh以上、Vh max以下であるとき、映像提示対象者は特に効果的に立体映像を視認することができる。
また、図24(b)(c)において例示するように、前記矩形領域に上下の辺および/または左右の辺が内接するような形であれば、有効可視領域の形は任意に定めることができる。
なお、図24(d)(e)おいて例示したように、サブピクセルをブレンドした場合には、前記Vh maxの値は、αPhの値に比例して適宜増減される。
なお、図24(a)、図25(a)のように、パララックスバリアの可視光透過部の形状が斜めに傾いており、それを通して視認される有効可視領域も斜めに傾いている場合には、ビューミックスは発生しにくいもののより立体映像は鮮明に視認される。一方、図24(b)、図25(b)のように、前記矩形領域と前記有効可視領域が同一である場合、立体映像の鮮明さでは劣るものの、ビューミックスが発生しよりジャンプポイントの低減を図ることができる。
次に、図29、図30および図35を参照して、適正立体可視領域について説明する。
適正立体可視領域とは、図35に示すL1nからL1fまでの領域をいう。
ここで、L1nとは適正立体可視領域の最短距離であり、図29に示すように両眼が視認する有効可視領域が重複せず、かつ両眼が視認できない領域を中央に生じない場合の位置である。
したがって、両眼の注視点間距離Kは片眼の有効可視領域の中点と中点を結んだ距離であるため、その値は片眼の有効可視領域Vhの値と等しくなる。
このL1nからL1までが最も立体効果が大きく鮮明に見える範囲である。一方、ビューミックスは発生しにくいため、ジャンプポイントは大きくなる。
なお、L1より後方は、徐々に立体が薄れていき最終的に2次元映像として視認される。立体を適正に視認できる領域は、コンテンツの飛び出し具合と個人差による差異はあるものの、概ねL2の2倍程度として考えてよい。また、L1nより近付くと視差が大きくなり立体感は強くなるものの、次第に焦点が合わなくなる。
適正立体可視領域は計算で求めることができる。
まず、図29を参照してL1nの値を求める。
図29からわかるようにZ:L1nとL1nにおける両眼の注視点間距離K(=Vh):Wの関係は以下の数式により表すことができる。
したがって、適正立体可視領域の最短距離L1nは以下の数式により表すことができる。
なお、Vhを(δ×αPh)と表すと、L1fは以下の数式により表すことができる。
ここにいう、δとは、水平方向におけるパララックスバリアの開口率を表し、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPhの値に対して、パララックスバリアの可視光透過部を通して視認される、片眼の有効可視領域の幅Vhがどれだけ短い値をとるかという係数でもある。
続いて、図面30を参照して、適正立体可視領域の最長距離L1fの値を求める。
L1fにおいては、両眼の注視点間距離Kが、Vh/2となる値となる。(K=Vh/2)すなわち、L1における両眼の注視点間距離Kの値の1/2となる。
L1fにおいては、両眼の注視点間距離Kが、Vh/2となる値となる。(K=Vh/2)すなわち、L1における両眼の注視点間距離Kの値の1/2となる。
図30からわかるようにZ:L1fとL1fにおける両眼の注視点間距離K(=Vh/2):Wの関係は以下の数式により表すことができる。
したがって、適正立体可視領域の最長距離L1fは以下の数式により表すことができる。
以上の式に基づいて、定めたL1nからL1fまでの範囲を適正立体可視領域とよぶ。
前記適正立体可視領域においては、個人差によらず、概ねほとんどの者が、効果的に立体映像を視認することができる。
なお、適正立体可視領域外であっても、立体映像を視認することは可能であるが、効果的に立体効果を得ることはできない。最適立体可視位置からパララックスバリアまでの距離L1を以下の式のように表すとすると、個人差にもよるが、概ねL1の距離の2倍程度までの距離である後述するL1ffまでは、映像提示対象者は立体映像を視認することが可能である。
図1からもわかるように、L1:ZとW:αPhの間には以下の式に表されるような関係があり、L1の値は以下の式によって求めることができる。
このことから、L1ffの値は以下の式によって求めることができる。
これらの式に基づいて、定めた適正立体可視領域内に、前記モアレ解消位置を設定することが望ましい。すなわち、モアレ解消位置を該適正立体可視領域外に設けることも可能であるが、モアレを解消することは可能であるが立体を適正に視認することができず効果的ではない。
前記距離Zの値は、当該パララックスバリアから適正立体可視領域までの所定の最短距離L1nまたは所定の最長距離L1fの値に基づいて求めることもできる。
この場合、まず該L1nとL1fの値を所定の値とすることができる。
すなわち、まず、図29からわかるように、Z:L1fとK(=Vh):Wとの間には、以下の式により表わされる関係がある。
したがって、この場合、空隙距離Zは以下の式によって表わされる。
また、図30からわかるように、Z:L1fとK(=Vh/2):Wとの間には、以下の数式により表される関係がある。
したがって、この場合、前記距離Zは以下の式によって表わされる。
また、図26において示すように、前記L1nからL1f領域(立体適正可視領域32)、前記L2nからL2fまでの領域(縦方向のモアレ適正解消領域34)と前記L3nからL3f(水平方向のモアレ適正解消領域36)が重複するように設定することにより、該重複している範囲内においては、映像提示対象者に、モアレを適切に解消した形で、適正な立体映像を視認させることが可能である。
当該立体適正可視領域とモアレ適正解消領域が重複するように設定する方法としては、例えば、図26(a)のように、前記パララックスバリアから立体最適可視位置34までの距離L1の値と前記パララックスバリアからモアレ解消位置までの距離L2または/およびL3の値を一致させる方法、(b)のように、適正立体可視領域の中心位置とモアレ適正解消領域の中心位置を一致させる方法、(c)のように、前記適正立体可視領域の最短距離L1nの値と前記モアレ適正解消領域の最短距離の値L2nまたは/およびL3nの値を一致させる方法、または(d)のように、前記適正立体可視領域の最長距離L1fの値と前記モアレ適正解消領域の最長距離の値L2fまたは/L3fの値を一致させる方法が考えられる。
次に、図28を参照して、水平方向に隣接する該パララックスバリアを構成する複数のスリット領域の間隔Hhを、別の計算式を用いて求める。
図28からわかるように、Hh:L2と(N×αPh):(L2+Z)との間には、以下の数式により表される関係がある。
したがって、スリット領域の間隔Hは以下の数式によって表される。
このように、どのようなスリット間隔Hhでパララックスバリアを設計すべきかは、パララックスバリアから斜め方向のモアレ解消位置までの距離L2をどの距離に設定するかによって決まる。
図31を参照して、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合に、前記パララックスバリアの垂直方向に連接する、前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を、別の計算式を用いて求める。
図31において、Jrとはディスプレイの垂直解像度をいい、Pvとはサブピクセルの高さを表している。
図7で、映像提示対象者4は、所定の斜め方向モアレ解消位置において、パララックスバリアの可視光透過部を通して、ディスプレイ上端のサブピクセルとディスプレイ下端のサブピクセルを視認している。
このように、パララックスバリアの可視光透過部を通して、常に、サブピクセルの中心を注視しているため、映像提示対象者が画面上のモアレを視認することはない。
まず、前記ディスプレイ上端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部から、ディスプレイ下端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部までの間の、垂直方向において前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の数Mvについて説明する。
ここにいう、「前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位の数」とは、例えば、パララックスバリアの可視光透過部であるスリットの形状が楕円弧である場合、当該楕円弧が、同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの並びに対応した各スリット上にいくつ形成されているかという数を意味する。また、「前記複数の穴形状の可視光透過部の数」とは、当該穴形状の可視光透過部が、同一視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの並びに対応していくつ形成されているかという数を意味する。
従って、Mvは、Jr×βという式によって表すことができる。
例えば、図36(a)(d)に示すように、1のサブピクセル8に対して1の可視光透過部が形成されているような場合、βは1となる。また図36(b)(e)に示すように、1のサブピクセル8に対して2の可視光透過部が形成されているような場合、βは2となる。さらに、図36(c)(f)に示すように、3のサブピクセル8対して1の可視光透過部が形成されているような場合、βは1/3となる。
すなわちβとは、一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部上下方向の数である。
なお、1のサブピクセルに対して設けられる複数の可視光透過部は、整数個であることが望ましい。また、複数のサブピクセルに対し1の可視光透過部を設ける場合には、1の立体表示用ピクセルに対し、整数個の可視光透過部を設けることが望ましい。
また、L3において、下端のサブピクセルに対応した可視光透過部の中心から、上端のサブピクセルに対応した可視光透過部の中心までの距離は以下の式によって表すことができる。
ただし、以下の式は、図42において例示するように、βの値が1超過である場合には、最下部のサブピクセルに対応する可視光透過部のうち最も下部に位置する可視光透過部の中心から、最上部のサブピクセルに対応する可視光透過部のうち最も上部に位置する可視光透過部の中心までの距離を示す。また、図43において例示するように、βの値が1未満である場合には、最上部のサブピクセルを含んで対応する可視光透過部の中心から、最下部のサブピクセルを含んで対応する可視光透過部の中心までの距離を示す。
さらに、L3においてはモアレが完全に解消されることから、パララックスバリアの可視光透過部を通して、ディスプレイ上端から下端までの全てのサブピクセルの中心を注視することができることが前提となるため、ディスプレイ上端のサブピクセルの中心から下端のサブピクセルの中心までの距離は、以下の式によって表すことができる。
ただし、以下の式は、図42または図43において例示するように、βの値が1超過または1未満である場合には、ディスプレイ最下部の有効可視領域(可視光透過部を通して視認することができるディスプレイの範囲)の中心から、ディスプレイ最上部の有効可視領域の中心までの距離を示す。
以上のことから、図7からもわかるように、Hv(Mv−1):〔(Jr−1/β)×Pv〕とL3:(L3+Z)の間には、以下の式に表すことができるような関係がある。
従って、Hvの値は、以下の式によっても求めることができる。
次に、図40を参照して、キャリブレーションラインの幅Chを求める。
キャリブレーションラインとは、作業者44が、パララックスバリアをディスプレイに設置しキャリブレーション作業を行う際に、該パララックスバリアの正確な角度・位置を確かめるための、パララックスバリア上に設けられた垂直な可視光を透過する部位である。
正確なキャリブレーションを行うために、キャリブレーションラインの幅Chは適正な値であることが必要となる。
すなわち、図40からもわかるように、キャリブレーションラインの幅をCh、前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、作業者が前記パララックスバリアをディスプレイに設置しキャリブレーション作業を行う際の該作業者の片眼から該パララックスバリアまでの距離をL4とした場合に、Ch:PhとL4:(Z+L4)との間には、以下の式に表されるような関係がある。
したがって、Chの値は、以下の式により求めることができる。
次に、図44〜図54を参照して、パララックスバリアが電磁波バリアを兼用する場合について説明する。
βとは、一のサブピクセルに対応する可視光透過部の上下方向の数、γは一のサブピクセルに対応する可視光透過部の左右方向の数であり、図51(a)に示すような場合には、(β=1・γ=1)、同図(b)に示すような場合には(β=2・γ=1)、同図(c)に示すような場合には(β=3・γ=1)となり、同図(d)に示すような場合には(β=3・γ=2)となる。
ここで、本件発明に係る裸眼立体ディスプレイのパララックスバリアは、電磁波バリアを兼用するため、該電磁波を遮断することができるようなβ及びγの値を求めることが必要である。すなわち、本件発明は、パララックスバリアの可視光透過部を縦横に分割することで、該電磁波を遮断する。
従って、ShおよびSvを、Erで割って求めた値以上の最小の整数を、βおよびγの値とすることにより、電磁波を遮断する素材で形成されたパララックスバリアはプラズマディスプレイから発生する電磁波バリアを遮断することができる。
ここで、フルハイビジョン40インチの裸眼立体ディスプレイの場合における、本件発明の第一の実施例を記載する。この場合に、水平解像度Irは1920とし、垂直解像度Jrは1080とする。
サブピクセルの横幅Phは0.15375mm、パララックスバリアから最適立体可視位置までの距離L1は2500mm、視点数Nは5視点、映像提示対象者の左右の目の瞳間の距離Wは65mm、水平解像度Irは1920、垂直解像度Jrは1080とする。また、パララックスバリアから斜め方向および水平方向のモアレ解消位置までの距離L2およびL3も2500mmとする。なお、第一実施例においてはL1、L2、L3は同じ値であるが、必ずしもL1、L2、L3は同じ値である必要はない。
また、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhは1Phとし、パララックスバリアの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される有効可視領域の幅Vhは1.2Phとする。
したがって、αPhとVhの値は以下の値である。
次に、前記距離Zの値が以下の式により求まる。
次に、求められたZ、Vhの値に基づきShを求める。
なお、Vhに対して、Shがどれだけ短いかは以下の式の通りである。
次に、パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合に、前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の高さSvの値を求める。
パララックスバリアの有効可視領域の高さVvの値は、ε×Pvとする。なお、εとは、Svを通して視認することのできるサブピクセルの範囲、すなわちサブピクセルの高さPvにおける有効可視領域高さVvの割合を示す係数である。垂直方向におけるパララックスバリアの開口率と言い換えることもできる。本実施例においてεは0.9とする。
またここでは、RGBの3個のサブピクセルにおいて1画素が構成される裸眼立体ディスプレイであって、1画素が正方形である場合を想定しPvは3Ph(=0.46125)とする。
また、一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数βは1とする。
したがって、Vvの値は、以下の値となる。
また、Svの値は、以下の値となる。
なお、Vvの値に対して、Svがどれだけ短いかは、以下の式の通りである。
次に、所定の斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離をL2の値に基づいて、水平方向に隣接する該パララックスバリアを構成する複数のスリット領域の間隔Hhを以下のように求める。
なお、N×αPhに対して、Hhがどれだけ短いかは以下の式の通りである。
また、水平方向に隣接するパララックスバリアを構成する複数のスリット領域の間隔Hhの値は、斜め方向のモアレが一本発生する位置からパララックスバリアまでの距離であって、遠近二種の該位置のうち、より該パララックスバリアに近い位置から該パララックスバリアまでの所定の距離L2n、または、より該パララックスバリアに遠い位置から該パララックスバリアまでの所定の距離L2fの値からも求めることができる。
一例として、該L2nの所定の値を1000mm、該L2fの値を3000mmとして前記Hhの値を求める。
まず、所定の斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値は以下の式により求めることができる。
従って、前記L2nの値(1000mm)の値に基づいて、前記Hhの値は以下の式により求めることができる。
また、前記L2fの値(3000mm)の値に基づいて、前記Hhの値は以下の式により求めることができる。
なお、前記L2nの値は、前記斜め方向のモアレ解消位置L2の値に基づいて定めることもできる。
すなわち、前記L2の値を2500mmとした場合、前記L2nは以下の値となる。
また、前記L2fの値は、前記斜め方向のモアレ解消位置L2の値に基づいて定めることもできる。
すなわち、前記L2の値を2500mmとした場合、前記L2fは以下の値となる。
次に、パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状が、
階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合の、垂直方向に連接する、前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を以下のように求める。
階段状もしくは円弧、楕円弧、多角形が連続した形状、または、前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状が、独立して複数形成された穴形状である場合の、垂直方向に連接する、前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を以下のように求める。
なお、本実施例において、パララックスバリアの可視光透過部は、1のサブピクセルに対し、1つずつ設けられているもの(図36(a)(d)参照)とし、前記βの値は1とする。
よって、前記Hvの値は、以下のように求めることができる。
なお、Pvの値に対して、Hvがどれだけ短いかは、以下の式の通りである。
また、垂直方向に連接する、前記連続する前記形状の可視光透過部または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値は、水平方向のモアレが一本発生する位置からパララックスバリアまでの距離であって、遠近二種の該位置のうち、より該パララックスバリアに近い位置から該パララックスバリアまでの所定の距離L3n、または、より該パララックスバリアに遠い位置から、該パララックスバリアまでの所定の距離をL3fの値に基づいて求めることもできる。
一例として、該L3nの所定の値を1000mm、該L3fの値を3000mmとして前記Hvの値を求める。
本実施例において前記β値は1とするため、所定の水平方向モアレ解消位置における、ディスプレイ上端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部から、ディスプレイ下端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部までの間の、垂直方向において前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の数Mvの値は以下の値となる。
前記L3nの値(1000mm)の値に基づいて、前記Hvの値は以下の式により求めることができる。
また、前記L3fの値(3000mm)の値に基づいて、前記Hvの値は以下の式により求めることができる。
なお、前記L3nの値は、前記水平方向のモアレ解消位置L3の値に基づいて定めることもできる。
すなわち、前記L3の値を2500mmとした場合、前記L3nは以下の値となる。
なお、前記L3fの値は、前記水平方向のモアレ解消位置L3の値に基づいて定めることもできる。
すなわち、前記L3の値を2500mmとした場合、前記L3fは以下の値となる。
次に、適正立体可視領域を求める。
適正立体可視領域の最短距離L1nは以下の値となる。
適正立体可視領域の最長距離L1fは以下の値となる。
したがって、適正立体可視領域は2078mm〜4988mmとなる。
なお、このようにVhを1.2Phとして計算する場合、L1n:L1は、およそ0.8:1の関係となる。
ここで、フルハイビジョン40インチの裸眼立体ディスプレイの場合における、本件発明の第二の実施例を記載する。
第二の実施例では、前記L1n(最適立体可視領域までの最短距離)と、前記L2n(斜め方向のモアレ適正解消領域までの最短距離)、前記L3n(水平方向のモアレ適正解消領域までの最短距離)が同一距離に設定されている場合について説明する。
なお、L1n、L2n、L3nは、前述したように、それぞれ別の概念であるため、本実施例に挙げるように、これら全てが同一距離の設定されている場合に限定されるものではない。
この場合も第一の実施例と同様に、水平解像度Irは1920、垂直解像度Jrは1080、サブピクセルの横幅Phは0.15375mm、サブピクセルの高さは、0.46125mm、視点数Nは5視点、映像提示対象者の左右の目の瞳間の距離Wは65mm、パララックスバリアから最適立体可視位置までの距離は2500mm、隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離αPhは0.15375mm、パララックスバリアの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される有効可視領域の幅Vhは0.1845mm、パララックスバリアの可視光透過部を通して映像提示対象者に視認される有効可視領域の高さVvは0.415125mmとする。
また、所定の斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値は1152個、一のサブピクセルに対応する可視光透過部の左右方向の数γは1、一のサブピクセルに対応する連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数βは1とする。
まず、L1nであるが、L1nは前記Z、W、Vhを用いた以下の式により求めることができる。
従って、L1nは、以下の値となる。
なお、この場合L1f(適正立体可視位領域までの最長距離)は以下の値となる。
すなわち、適正立体可視領域は、2078mm〜4988mmである。
そこで、前記L2nと前記L3nも、L1nと同一の距離である2078mmに設定されているものとする。
次に、ディスプレイの画像表示面からパララックスバリアまでの距離Zを求める。
前記Zの値は、L1nの値に基づいて求めることができる。
従って、Zは、以下の値となる。
次に、前記水平方向に隣接する可視光透過部の間隔Hhを求める。
前記Hhの値は、L2nの値に基づいて求めることができる。
従って、Hhは、以下の値となる。
次に、前記垂直方向に連接する可視光透過部の間隔Hvを求める。
前記Hvの値は、L3nの値に基づいて求めることができる。
従って、Hvは、以下の値となる。
従って、Shは、以下の値となる。
次に、パララックスバリアの可視光透過部の高さSvを求める。
前記Svの値は、以下の式に基づいて求めることができる。
従って、Svは、以下の値となる。
<裸眼立体ディスプレイの製造方法について>
図23において、パララックスバリア方式の裸眼立体ディスプレイの製造に関わる構造を示す。図に示すように、裸眼立体ディスプレイは、画像を表示する通常のディスプレイ(画像発光部)の前面に、スペーサを設け、そのさらに前面に、背後にパララックスバリアが形成された強化ガラスを設けて製造される。
図23において、パララックスバリア方式の裸眼立体ディスプレイの製造に関わる構造を示す。図に示すように、裸眼立体ディスプレイは、画像を表示する通常のディスプレイ(画像発光部)の前面に、スペーサを設け、そのさらに前面に、背後にパララックスバリアが形成された強化ガラスを設けて製造される。
ここで、強化ガラスへのパララックスバリアを形成する際、パララックスバリアと映り込み防止機能を兼用させる方法について説明する。映り込みとは、ディスプレイの保護層である強化ガラスが外部光を鏡面反射することにより、ディスプレイが本来表示しようとする映像をユーザーが一部視認できなくなる現象をいう。ディスプレイの映り込みを防止するには、保護層の表面にアンチグレア加工(マット加工)を施すことにより外部光を拡散反射させるか、または偏光板を用いることが周知の技術であるが、パララックスバリアを用いることによっても映り込みの防止を図ることが可能となることを以下に説明する。
通常、パララックスバリアは黒色を用いて印刷形成するのが一般的である。また、強化ガラスのディスプレイ側の面と、ユーザー側の面のうち、パララックスバリアは塗膜を保護するためにディスプレイ側の面に印刷するのが通常であるが、パララックスバリアをユーザー側の面に印刷することにより、パララックスバリアが黒色であるため外部光を吸収し、ディスプレイの映り込みを防止することが可能となる。また、インクにフラットブラックを用いることにより、外部光を拡散反射させ、より確実に映り込みを防止できる。 次に、スペーサを用いてディスプレイの画像表示面とパララックスバリアとの間に適切な空隙距離を設定することにより、予め設定された適正立体可視位置、モアレ適正解消位置において、適切な立体効果を得ることが出来る。
さらに、パララックスバリアの可視光透過部の配置とディスプレイ上の一視点用の画素の配置とを適切に調整した後、ディスプレイとスペーサと強化ガラスとを固定することにより、裸眼立体ディスプレイを製造することが出来る。
該パララックスバリア6は、図37(a)に示すように、パターンエリア35とキャリブレーションライン38から構成され、該パララックスバリアは、ガラスに貼られてディスプレイに設置される。以下にその一例を示すが、その数値はこれに限定されるものではない。
パターンエリアは、パララックスバリア方式用のパターンを配置するエリアであり、パララックスバリアの全面に配置される。
パララックスバリアの大きさ(例 高さ520mm、幅910mm)は、パララックスバリアを貼るガラス42の大きさ(例 高さ530mm、幅920mm)から上下・左右から多少の幅(例 5mm)引いたものとなる。このガラス42のパララックスバリアが貼られない周囲の幅(例 5mm)の領域は、モニターフレーム上に設けられるスペーサとの接着部分となる。
キャリブレーションライン38は、パララックスバリアを貼りつけたガラス42をモニターに設置する際にキャリブレーションを行うための垂直な可視光透過部で、パララックスバリアの両端に用意される。大きさは高さがパターンエリアと同等となり、その幅は計算により求めた値であり、立体表示用ピクセルの幅よりも僅かに小さい。
キャリブレーションラインはパララックスバリアの左側、右側から内側の位置に配置するが、このとき、立体映像の美観を損なわないようにするため、キャリブレーションラインが映像提示対象者から視認されない位置に配置することが必要である。
例えば、図41(a)に示すように、キャリブレーションラインは、少なくとも左右60度方向の内側に位置する映像提示対象者からキャリブレーションライン38が見えないことが必要である。左右60度より外側の位置であれば、映像提示対象者は、裸眼立体ディスプレイの構造上、立体映像を視認することができないため、当該位置から裸眼立体ディスプレイ観たときにキャリブレーションラインが視野に入ったとしても、美観を損なうと言うことはないためである。なお、図41(b)において示すように、前記の様に左右60度という角度を維持しなくとも、裸眼立体ディスプレイの構造上、キャリブレーションラインが視認されない場合は、角度θはある程度自由に設定ができる。
キャリブレーション38は、ディスプレイから500mm程度離れた位置から、可視光透過部から見える画素の色が上から下まで1色に見えたときがディスプレイに対してパララックスバリアの可視光透過部が適正な傾きとなる。この状態で、パララックスバリアの可視光透過部の傾きを維持して、ガラス42を適正な位置に移動させることによりキャリブレーションが完了する。
ガラス42の適正な位置とは、ディスプレイ20の中央とガラス42の中央が概ね同じ位置で、且つ、複数視点の画像を表示する立体複数視点画像の、いずれか一視点の画像を白色、他を黒色とした画像をブレンドしてディスプレイに表示した際に、ディスプレイ真正面の適正立体可視位置において、パララックスバリアを介して片目で見える画像が全面均一な白色と見えればよい。
パララックスバリア6の構成は、図37(b)において示すように、ガラス42の大きさより四方が多少(例5mm四方分)小さいものであり、かつ、キャリブレーションライン38はモニター有効画素領域にかからないこと (モニターにベゼルをはめた後、モニター有効画素領域はすべてパターンで覆われており、少なくとも左右60度方向内側に位置するユーザーからキャリブレーションライン38は見えないこと)が必要である。
ここで、前記キャリブレーションラインの幅Chの値を求める。
ここでは、サブピクセルの幅Phは0.15375mm、ディスプレイの画像表示面からパララックスバリアまでの距離Zは5.9mmとし、また、作業者が両腕を使って前記パララックスバリアをディスプレイに設置しキャリブレーション作業を行うことを想定し、該作業者の片眼から該パララックスバリアまでの距離L4は500mmとする。
従って、キャリブレーションラインの幅Chは、以下の値となる。
〈プラズマディスプレイの場合〉
また、プラズマディスプレイパネルのように、電磁波シールドを必要とするディスプレイの場合は、パララックスバリアシートと電磁波シールドとを兼用させることも出来る。
また、プラズマディスプレイパネルのように、電磁波シールドを必要とするディスプレイの場合は、パララックスバリアシートと電磁波シールドとを兼用させることも出来る。
パララックスバリアシートに電磁波シールドの機能を兼用させることにより、電磁波シールドを別途用意したり、別工程により形成したりする必要が無くなる。
特に、パララックスバリアシートおよび電磁波シールドを、印刷により形成する場合には、印刷工程の1段階として、パララックスバリアも電磁波シールドも形成出来るので、機能を兼用させることは有効である。
なお、印刷によりパララックスバリアシートおよび電磁波シールドを形成する場合は、ガラス板またはアクリル板などの透明媒体に直接行ってもよいし、薄膜透明シートに印刷してから、その薄膜透明シートを透明媒体に貼り付けてもよい。
印刷およびインクに関しては、以下の3通りの方法を用いることが出来る。
(A)可視光を透過する領域と分けるために、可視光を透過しない特性を有するインク(例えばカーボンブラック)を用いて、図46(a)に示すように、パララックスバリアのバリア領域を印刷し、電磁波を透過しない特性を有するインク(例えばシールド用金属含有インク)を用いて、図46(b)に示すように、電磁波シールドを印刷する方法がある。完成すると、図46(c)に示すように見える。
この場合、可視光透過部には、電磁波を透過しない特性を有するインクによる印刷が行われてもよい。但し、可視光を透過する効果に影響が及ばないかまたは影響が少なくなるように、考慮する必要がある。
(B)可視光透過部は、通常の電磁波シールドと同様に、細い縦横の線として、電磁波を透過しない特性を有するインクにより印刷し、可視光を透過しない領域は、同じインクを用いて、可視光を透過しないように、面として印刷する方法がある。この方法では1個の版下と1種類のインクとを用いるだけで、印刷することが出来る。完成すると、図46(c)に示すように見える。
(C)可視光透過部は、通常の電磁波シールドと同様に、細い縦横の線として、電磁波を透過しない特性を有するインクにより印刷し、可視光を透過しない領域は、電磁波を透過しない特性を有する高価なインクに代わり、電磁波遮断特性を有するカーボンブラック等により印刷する方法がある。面として印刷する部分には、大量のインクが必要であるが、安価なカーボンブラックとすることにより、コストを低減させることが出来る。完成すると、図46(c)に示すように見える。
(D)さらに、パララックスバリアの可視光透過部の個々の面積が少ないことを利用し、パンチングメタルのように、可視光透過部には、電磁波を透過しない特性を有するインクを用いて電磁波シールドを印刷することを省く印刷方法でもよい。この場合、可視光を透過しない特性と電磁波を透過しない特性とを兼ね備えた1種類のインクを用いて、一度の印刷工程により、パララックスバリアと電磁波シールドとを形成することが出来る。
穴型パララックスバリアであれば、パンチングメタルと同様なので、特に有効である。
もちろん、本発明に係るパララックスバリアシートの形成に限らず、通常のパララックスバリアを形成する際にも、パララックスバリアと電磁波シールドとを兼用させる構成は、部品点数の削減および製作工程の削減が出来るという観点から有効である。
<穴型パララックスバリアでの電磁波シールド実施例>
本発明においてパララックスバリアシートに形成する電磁波シールドのメッシュの規格は、既存の電磁波シールドの規格を使用するものとする。
本発明においてパララックスバリアシートに形成する電磁波シールドのメッシュの規格は、既存の電磁波シールドの規格を使用するものとする。
たとえば、大日本印刷株式会社製の電磁波シールドフィルムの規格においてはメッシュの開口幅(ピッチ)は約0.2mmであり、線幅は約0,01mmとされている。
また、従来技術としては大日本印刷株式会社の特願2006−234683号にかかる特開2008−60280号公報に記載されているメッシュ状の電磁波シールドに関する技術が使用できる。
かかる公報においては、メッシュの開口幅は、0.12mm以上とするのが、表示発光の透過性の点から好ましいとされている。メッシュの線幅は少なくとも0.005mm以上確保することが好ましいとされている。
さらに、富士フイルム株式会社の特願2006−140559号にかかる特開2007−311646号公報に記載されているメッシュ状の電磁波シールドに関する技術が使用できる。
かかる公報においては、メッシュの開口幅は、0.25mm以上0.35mm以下とするのが、透光性電磁波シールド膜の用途において最も好ましいとされている。
前述の各公報を考慮し、本発明にかかる電磁波シールドであるメッシュの開口幅は約0.2mm〜約0.25mmとして設計基準とし、また、メッシュの形状は概ね正方形に近い矩形であるものとする。
ただし、上記のメッシュの開口幅および形状は、本発明の説明の便宜を図るための一例にすぎず、当然ながら求められる実施形態に応じて種々変更して実施可能である。
ここで、本発明においては必ずしも実際に透明部材上にメッシュ状の電磁波シールドを印刷するわけではなく、メッシュの開口幅と同等の幅で区画されたパララックスバリアのスリットもしくは穴が形成されれば、電磁波シールドを兼用することができる。パララックスバリアのマスク部分は、電磁波を透過しない特性を有するインクで形成されるが、メッシュ状の電磁波シールドを重ねて印刷してもよいことは言うまでもない。
<各種パララックスバリアシートへの適用>
図47(a)は、小型モニタの穴型パララックスバリアであり、(b)は、電磁波シールドのメッシュである。(a)は、可視光を透過しないインクを用いて印刷し、(b)は、電磁波遮断特性を有するインクで、(a)に重ねて印刷する版の例である。なお、点線部分は、開口部を示すための仮想の線であり、版には形成しない。(c)は、電磁波遮断特性を有するインクで印刷する版の例である。
<各種パララックスバリアシートへの適用>
図47(a)は、小型モニタの穴型パララックスバリアであり、(b)は、電磁波シールドのメッシュである。(a)は、可視光を透過しないインクを用いて印刷し、(b)は、電磁波遮断特性を有するインクで、(a)に重ねて印刷する版の例である。なお、点線部分は、開口部を示すための仮想の線であり、版には形成しない。(c)は、電磁波遮断特性を有するインクで印刷する版の例である。
図48(a)は、中型モニタの穴型パララックスバリアであり、(b)は、電磁波シールドのメッシュである。(a)は、可視光を透過しないインクを用いて印刷し、(b)は、電磁波遮断特性を有するインクで、(a)に重ねて印刷する版の例である。なお、点線部分は、開口部を示すための仮想の線であり、版には形成しない。(c)は、電磁波遮断特性を有するインクで印刷する版の例である。
なお、(b)、(c)の穴中央の線は、穴の幅が所定の電磁波を遮断するためのピッチを超えたため2分割するものである。
図49(a)は穴型パララックスバリアであり、(b)は、可視光を透過する金属薄膜を設けたガラスもしくは透明シートである。(a)は可視光を透過しないインクを用いて印刷し、その上もしくは下に(b)を重ねて貼り付けて、(c)を形成するパララックスバリアと電磁波シールドを兼用する例である。
図50は、パララックスバリアのスリットを電磁波を遮断するために必要な所定の幅となるよう、スリットを横方向および/または縦方向に区画した例である。
ここで、以下に、本発明において穴型パララックスバリアが電磁波シールドを完全に兼用する場合の実施形態を説明する。ただし、パララックスバリアは必ずしも本発明の穴型パララックスバリアである必要はなく、通常のパララックスバリアに応用可能である。
17インチのプラズマディスプレイの場合、図52に示すように、パララックスバリアの可視光透過部の幅Sh=0.124mm、高さSv=0.248mmであり、いずれも上記設計基準内におさまり、パララックスバリアは電磁波シールドを完全に兼用する。
40インチのプラズマディスプレイの場合、図53に示すように、パララックスバリアの本来の穴の高さが、上記設計基準を超えるため、2つの穴で形成することにより、パララックスバリアの可視光透過部の幅Sh=0.217mm、高さSv=0.208mmであり、いずれも上記設計基準内におさまり、パララックスバリアは電磁波シールドを完全に兼用する。
65インチのプラズマディスプレイの場合、図54に示すように、パララックスバリアの本来の穴の高さおよび幅が、上記設計基準を超えるため、2つの穴で形成し、さらにその穴を左右に区画することにより、パララックスバリアの穴の幅Sh/2=0.175mm、高さHh=0.225mmであり、いずれも上記設計基準内におさまり、パララックスバリアは電磁波シールドを完全に兼用する。
<プラズマ3Dモニタ>
図45は、本発明の実施形態の一つである、プラズマ3Dモニタの構造を説明する図である。
図45は、本発明の実施形態の一つである、プラズマ3Dモニタの構造を説明する図である。
図45(a)はパララックスバリアを印刷した、所定の強度を有する透明部材を、既製のプラズマディスプレイに新たに取り付けたプラズマ3Dモニタの構造を説明する図である。
同図(a)のプラズマ3Dモニタにおいては、透明部材がプラズマ3Dモニタ全体を覆うカバーによって固定されている。
また、プラズマパネルのパネル側の面とパララックスバリアとが、立体表示を行うにおいて適正な空隙距離Zを維持するように、プラズマディスプレイのパネル脇の枠にスペーサが設けられている。
ただし、プラズマディスプレイのパネル脇の枠が、適正な空隙距離Zを維持する上で十分な厚みを持っている場合は、スペーサを設けずともよい。
モニタ装着のモニタ面側ガラスの電磁波シールド層と近赤外線遮断層は逆の順序で形成されてもよい。また、写り込み防止層と、電磁波シールド層または近赤外線遮断層が複合した層を形成してもよい。
図45(b)はパララックスバリアを印刷した、所定の強度を有する透明部材を、製造行程において組み込んだプラズマ3Dモニタの構造を説明する図である。
同図(b)のプラズマ3Dモニタにおいては、プラズマパネルのパネル側の面とパララックスバリアとが、立体表示を行うにおいて適正な空隙距離Zを維持するように、透明部材が固定されている。
また、透明部材にはパララックスバリアの他に、前述の方法で印刷した電磁波シールドが印刷されている。電磁波シールドは前述の方法により、パララックスバリアが電磁波シールドを兼用するものとしてもよいし、パララックスバリアとは別に電磁波シールドを新たに重畳して印刷するものとしてもよい。
写り込み防止層は、近赤外線遮断層と複合して形成されてもよい。
<穴型パララックスバリア設計の概略について>
図57において示すように、まず、画像提示対象者は、所定の最適立体可視位置に位置していると仮定する。片眼の有効可視領域の幅をVhとし、パララックスバリアの可視光透過部の幅をShとし、画素配列面からパララックスバリアまでの距離をZとし、パララックスバリアから最適立体可視位置までの距離をL1とすると、Sh/Vh=L1/(L1+Z)なので、Sh=L1×Vh/(L1+Z)となる。
図57において示すように、まず、画像提示対象者は、所定の最適立体可視位置に位置していると仮定する。片眼の有効可視領域の幅をVhとし、パララックスバリアの可視光透過部の幅をShとし、画素配列面からパララックスバリアまでの距離をZとし、パララックスバリアから最適立体可視位置までの距離をL1とすると、Sh/Vh=L1/(L1+Z)なので、Sh=L1×Vh/(L1+Z)となる。
次に、片眼の有効可視領域を、画素配列面において定める。有効可視領域は、立体用表示ピクセルの平均幅と1画素を構成するサブピクセルの高さとから求めることが出来る。
次に、画素配列面において定まった有効可視領域に対応する、パララックスバリア上の矩形領域を定める。この矩形領域は、画像提示対象者の片眼と、当該有効可視領域とを結んだ四角柱の、パララックスバリア面での断面に相当するので、有効可視領域と相似形となる。
次に、矩形領域の上下および/または左右の辺に内接する可視光透過部を定める。
次に、定めた可視光透過部を、画素配列面において、裸眼立体表示用にブレンドされたサブピクセルの配列に合わせて、複数配置する。
なお、オプションとして、可視光透過部を、矩形領域の高さを保ったまま、矩形領域の左右の辺を斜めに倒して平行四辺形とする変形に合わせて、変形させてもよい。矩形領域を平行四辺形とする変形は簡単なので、矩形領域内の可視光透過部がどのような形状であっても容易に変形出来ると共に、可視光透過部を斜めに変形させる事により、より多くのサブピクセルのブレンド配置に対しても、より適切に対応可能な穴型パララックスバリアを設計することが出来る。
すなわち、可視光透過部の設計は、ローカル座標系を用いて行い、パララックスバリア上に、各可視光透過部を配置する際は、可視光透過部の中心点を、パララックスバリア全体の絶対座標系を用いて配置する。
なお、画素配列面上の有効可視領域に基づき、パララックスバリア上の可視光透過部を定める際、可視光透過部の鉛直方向の大きさは、相似形とする代わりに、有効可視領域と同一としてもよい。この構成により、画像提示対象者が視認する立体画像において、画像の上下方向の連続性を確保することが出来る。
<αの計算方法について>
以下の、可視光透過部の設計方法の説明において用いる、1個の立体表示用ピクセルにおける水平方向の平均サブピクセル数αの計算方法について述べる。当該平均サブピクセル数αは、ディスプレイの画素配列面において、ブレンドされた立体画像用のサブピクセルの配置のうち、1視点用の1の立体用表示ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数のことである。(複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数)
以下の、可視光透過部の設計方法の説明において用いる、1個の立体表示用ピクセルにおける水平方向の平均サブピクセル数αの計算方法について述べる。当該平均サブピクセル数αは、ディスプレイの画素配列面において、ブレンドされた立体画像用のサブピクセルの配置のうち、1視点用の1の立体用表示ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数のことである。(複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数)
なお、各視点用の画素を構成するサブピクセルの配置が、視点ごとに異なる場合は、異なる配置を組み合わせた最小単位の画素数を用いて算定する。
例えば、図58(a)に示す例では、1画素を構成する3個のサブピクセルのうち、2個が1つの行にあり、残りの1個が上下隣り合う行に配置されている。したがって、2画素分のサブピクセル数が6であり、行数が2であり、画素数が2であるので、当該平均サブピクセル数αは、(2画素分のサブピクセル数)/(行数×画素数)=6/(2×2)=3/2(個)となる。
また、図58(b)に示す例では、3画素分のサブピクセル数が12であり、行数が3であり、画素数が3であるので、画素平均幅Dは、12/(3×3)=4/3(個)となる。
また、図58(c)に示す例では、明らかに、当該平均サブピクセル数αは、3(個)である。
また、図58(d)に示す例では、明らかに、当該平均サブピクセル数αは、2(個)である。
また、図58(e)に示す例では、明らかに、当該平均サブピクセル数αは、1(個)である。
<可視光透過部の設計方法について>
以下において、穴型パララックスバリアにおける、個々の可視光透過部の設計方法の詳細を説明する。
以下において、穴型パララックスバリアにおける、個々の可視光透過部の設計方法の詳細を説明する。
(1)まず、1個の画素を構成するサブピクセルの水平方向の平均個数と大きさとから、立体用表示ピクセルの平均幅Dを求める。幅Phおよび高さPvのサブピクセルを考え、1個の画素における水平方向の平均サブピクセル数をαとすると、立体用表示ピクセルの平均幅Dは、D=αPhにより求められる。
(2)次に、片眼の有効可視領域の幅を、Vhとする。
ここで、立体視を行う為には、視認すべき映像を表示するサブピクセルの少なくとも一部を、映像提示対象者が、片眼によって視認できる事が必要である。
また、画素1個の幅の全部を、片眼により視認することができる事が必要である。何故なら、少なくとも画素1個の幅の全部を、片眼により視認することができなければ、映像提示対象者は立体映像を視認することができないからである。
(3)次に、片眼の有効可視領域の幅Vhは、Vh=1.5Dとすることが望ましい。
なお、画素平均幅Dの乗数は、可視光透過部の形状と、サブピクセルのブレンド方法と、上下の画素の連結方法(隣り合う画素同士の配置位置の関係)とにより異なる。
具体的には、1個の立体表示用ピクセルにおける水平方向の平均サブピクセル数αが小さければ、立体用表示ピクセルの平均幅Dの乗数は小さい。画素の連結方法により、1個の立体表示用ピクセル内での複数のサブピクセルの配置の傾きに較べて、複数の可視光透過部同士の配置の傾きの方が大きく倒れているほど、立体用表示ピクセルの平均幅Dの乗数は大きくなる。
なお、両端がすぼんでいる様な形状では、片眼による1つの視点用相当の画素の注視点を中心に、左右の画素が離れた領域ほど、視認できる画素の面積が小さくなり、ジャンプポイントの影響が少なくなるようにビューミックスが生じるので、ジャンプポイントを適度に低減することが出来る。
(4)次に、矩形領域(Square Area)SAは、幅が有効可視領域の幅Vhであり、高さがPv以内である1個の片眼の有効可視領域(Single eye's Effective Viewable Area)SEVAを収めるように形成される。片眼の有効可視領域SEVAの一部が、スリットの代わりとなる1個の可視光透過部を通して片眼により視認される領域となる。
(5)次に、矩形領域SAに収まる可視光透過部の形状は、左右対称および/または上下対称であることが望ましい。何故なら、左右両側に位置する画素が均一に視認されるので、安定したビューミックスを生じさせ、立体視特有の目の疲れを低減させることが出来るからである。
また、上下方向に配置される複数の可視光透過部を同形状とする事により、画像の連続性を維持する事が出来る。
なお、立体をシャープに表現するには、片眼の有効可視領域SEVAが、画像提示対象者の視点の移動に伴って、片眼の注視点の中心から左右に離れるに従い、片眼の有効可視領域SEVAの面積が縮小する変化率が大きいことが望ましい。
ジャンプポイントを低減し、ディスプレイの輝度を確保するには、可視光透過部の面積が大きいほど望ましい。従って、同時に、立体をシャープに表現し、ジャンプポイントを低減し、かつ、ディスプレイの輝度を確保するには、上記の2つの条件を備える形状の可視光透過部であることが望ましい。
<個々の可視光透過部の具体的な形状について>
上記の説明により、パララックスバリア上に形成される、スリットの代わりとなる複数の可視光透過部において、個々の可視光透過部が満たすべき条件を定めた。
上記の説明により、パララックスバリア上に形成される、スリットの代わりとなる複数の可視光透過部において、個々の可視光透過部が満たすべき条件を定めた。
次に、これらの条件を満たす、個々の可視光透過部の形状の具体例を説明する。なお、立体効果を損なわない範囲であれば、全ての可視光透過部の形状を同一の形状としてもよいし、個々の可視光透過部の形状を互いに異ならせたものとしてもよい。
よりシャープな立体画像を得て、眼が疲れないビューミックスによりジャンプポイントを低減し、ディスプレイの輝度を確保するには、片眼の有効可視領域SEVAが片眼の注視点の中心から左右に離れても、片眼の有効可視領域SEVAの面積が縮小する変化率を大きくし、可視光透過部の面積が出来るだけ大きく、可視光透過部のエッジ形状が、左右対称であったり、上下対称であったりすることが望ましい。
個々の可視光透過部の形状としては、楕円を用いてもよいし、三角形、菱形などを用いてもよいし、四角形、六角形、八角形などの偶数角を持つ多角形を用いてもよいし、金平糖のような形状を用いてもよい。
また、隅角部が所定の円周率の円弧を用いて描かれる多角形でもよい。
もちろん、楕円、菱形、偶数角を持つ多角形、金平糖のような形状を配置する際には、上下対称および/または左右対称として配置することが望ましい。
図59において、可視光透過部の具体的な形状を示す。図59(a)が四角形、(b)が四角形(菱形)、(c)および(d)が六角形、(e)が八角形、(f)から(j)までが、(a)から(e)までの図形を変形し、さらに矩形領域SAの四隅の角部が所定の円周率となる円弧を用いて描いた多角形の例である。
なお、矩形領域を平行四辺形に変形する場合、可視光透過部は、上下対称または左右対称とはならないが、その場合でも、変形前の矩形領域内に可視光透過部を設定する際に、上下対称および/または左右対称となるように、可視光透過部を設定することが望ましい。
<矩形領域の変形の詳細について>
矩形領域を平行四辺形に変形する際、矩形領域の高さを保ったまま、矩形領域の左右の辺を斜めに倒して平行四辺形に変形する。
矩形領域を平行四辺形に変形する際、矩形領域の高さを保ったまま、矩形領域の左右の辺を斜めに倒して平行四辺形に変形する。
この時、斜めに倒す角度を角度θとし、各視点用の画素の配置の傾き、すなわちパララックスバリア上における可視光透過部の配置の傾きを角度θ1とし、一画素内の各サブピクセルの配置の傾きを角度θ2とする(1画素を構成する複数のサブピクセルが2行以上に渡って配置される場合)と、角度θが取り得る範囲は、垂直すなわち角度0から、角度θ1および角度θ2のうち、いずれか大きい方までの範囲であることが望ましい。
また、裸眼立体効果を最も得る為には、角度θは、角度θ1と角度θ2との間の値であることが、特に望ましい。
図60(a)に示すように、変形前の矩形領域のある点の座標を(x,y)とすると、変形後の座標は、(x+ytanθ,y)となる。
なお、図60(b)に示すように、実際の変形は、矩形領域の中心点の位置を変えないように、上辺および下辺を等量だけ、反対方向にずらして行う。
なお、図60(c)に示すように、矩形領域の変形は、平行四辺形への変形以外に、矩形領域をその中心点を中心として回転し、長辺および短辺の長さを調整する変形でもよい。
この変形では、矩形領域を角度θだけ回転させた状態において、矩形領域の大きさの変形に関し、幅を1/2Vcosθとし、高さをh/cosθとすることにより、水平方向の幅として可視領域長1/2Vを維持しつつ、上下に配置される矩形領域同士が連結されるように伸縮することが望ましい。
<複数の可視光透過部の配置について>
複数の可視光透過部は、垂直方向に直線上に配置してもよいし、斜め方向の直線上に配置してもよいし、上記において説明したようなジグザグ形状に配置してもよい。
複数の可視光透過部は、垂直方向に直線上に配置してもよいし、斜め方向の直線上に配置してもよいし、上記において説明したようなジグザグ形状に配置してもよい。
但し、複数の可視光透過部の配置状態に応じて、各視点用のサブピクセルのブレンド方法を調整する必要がある。なお、具体的なブレンド方法については、後述する。
<穴型パララックスバリアの具体例について>
穴型パララックスバリアの具体的な実施例を3ケースのブレンド配列を示す。さらに1ケースのブレンド方法当たり、2通りの矩形領域(四角形および平行四辺形)について示す。以下の例では、可視光透過部の形状は、楕円弧とする。
穴型パララックスバリアの具体的な実施例を3ケースのブレンド配列を示す。さらに1ケースのブレンド方法当たり、2通りの矩形領域(四角形および平行四辺形)について示す。以下の例では、可視光透過部の形状は、楕円弧とする。
なお、矩形領域を平行四辺形とした場合の特徴は、立体を鮮明に見せるため、可視光透過部が狭い場合でも、ビューミックスを実現して、水平方向に視点を移動しても、ジャンプポイントに至るまで立体効果を維持でき、ジャンプポイントも多少緩和することが出来る。
但し、可視光透過部が左右非対称になるため、目に疲労を生じさせる場合があると考えられる。
ケース1では、3行3サブピクセルにより構成されるブレンド配置に対応した可視光透過部の配置の傾きが、画素を構成するサブピクセルの配置の傾きと同一となるように、上下方向に連結されている。
それ故、立体の飛び出し度も大きく、鮮明に見えるものの、水平方向に視点を少し移動すると、立体が見えづらくなる。
図61において、ケース1のブレンド方法と長方形の矩形領域により設計された可視光透過部との組み合わせを示す。
また、図62において、ケース1のブレンド方法と平行四辺形の矩形領域により設計された可視光透過部との組み合わせを示す。
また、図62において、ケース1のブレンド方法と平行四辺形の矩形領域により設計された可視光透過部との組み合わせを示す。
ケース2では、3行3サブピクセルにより構成されるブレンド配置に対応した可視光透過部の配置の傾きが、画素を構成するサブピクセルの配置の傾きと異なるように、1サブピクセルずれて上下方向に連結されている。
それ故、立体の飛び出し度は大きいが、多少鮮明度が欠ける。しかし、水平方向に視点を移動しても、ジャンプポイントに至るまで、立体効果を維持することが出来る。
図63において、ケース2のブレンド方法と長方形の矩形領域により設計された可視光透過部との組み合わせを示す。
また、図64において、ケース2のブレンド方法と平行四辺形の矩形領域により設計された可視光透過部との組み合わせを示す。
ケース3では、3行3サブピクセルにより構成されるブレンド配置に対応した可視光透過部と、画素を構成するサブピクセルとが、適正なビューミックスを生じるように配置されている。
それ故、立体の飛び出し度、鮮明度とも多少劣るが、水平方向に視点を移動しても、ジャンプポイントに至るまで立体効果を維持することが出来ると共に、ジャンプポイントも相当解消することが出来る。
図65において、ケース3のブレンド方法と長方形の矩形領域により設計された可視光透過部との組み合わせを示す。3行4サブピクセルの画素では、完全にビューミックスを意識した配置となる。
また、図66において、ケース3のブレンド方法と平行四辺形の矩形領域により設計された可視光透過部との組み合わせを示す。
<可視光透過部の求め方について>
画素配列面上の有効可視領域から、パララックスバリア上の可視光透過部を求める際には、最適立体可視位置における画像提示対象者のいずれか一方の眼を基点として、有効可視領域と相似形となる可視光透過部を求める。
画素配列面上の有効可視領域から、パララックスバリア上の可視光透過部を求める際には、最適立体可視位置における画像提示対象者のいずれか一方の眼を基点として、有効可視領域と相似形となる可視光透過部を求める。
この際、水平方向には、相似形とすることに問題は無いが、垂直方向には、相似形とすると、図67(a)に示す状態となる。
図67(a)においては、図の左側にある、実線により表された大きな楕円は、設計時の画素配列面上の2個の有効可視領域を表す。その右側にある実線により表された小さな楕円は、パララックスバリア上に形成される2個の可視光透過部を表す。
図の右側の3個の視点のうち、上側および下側の視点は、各可視光透過部を設計する際に用いる視点である。中央の視点は、実際に画像を見る際の視点である。
このように、設計時の視点と実際の視点が異なるので、設計された可視光透過部では、実際に視認される有効可視領域の位置が、破線により示す位置にずれてしまう。
そこで、図67(b)に示すように、水平方向(x座標)には相似形変換するものの、垂直方向(y座標)には相似形変換を行わない方法を用いることにより、垂直方向の間隔を適切に保って、可視光透過部を設計し、配置することが出来る。
なお、有効可視領域を収める矩形領域が、平行四辺形への変形または回転伸縮による変形を施されている場合には、長軸方向(長辺方向)に延長して、有効可視領域の垂直方向の高さを維持することが望ましい。
<映り込み防止層の兼用>
パララックスバリアは、映像提示対象者側に設けられた可視光不透過部46が、微細な凹凸の表面加工(例えば、シボ加工、アンチグレア処理加工)を施した表面加工部となっている(図68参照)。すなわち、前記パララックスバリアの可視光不透過部46は、光拡散フィルムとしても機能し、各発光素子から個別に発光した光を入射すると同時に表面加工部により拡散することができる。しかも、凹凸が微細であるので、パララックスバリアの可視光不透過部46は、光を極端に拡散することはない。また、前記パララックスバリアの可視光不透過部は、面内で直交する一方の向きに振動する直線偏光を透過し、他方の向きに振動する直線偏光を吸収するタイプの、一般に偏光フィルムまたは偏光板として知られる素材で形成してもよい。
パララックスバリアは、映像提示対象者側に設けられた可視光不透過部46が、微細な凹凸の表面加工(例えば、シボ加工、アンチグレア処理加工)を施した表面加工部となっている(図68参照)。すなわち、前記パララックスバリアの可視光不透過部46は、光拡散フィルムとしても機能し、各発光素子から個別に発光した光を入射すると同時に表面加工部により拡散することができる。しかも、凹凸が微細であるので、パララックスバリアの可視光不透過部46は、光を極端に拡散することはない。また、前記パララックスバリアの可視光不透過部は、面内で直交する一方の向きに振動する直線偏光を透過し、他方の向きに振動する直線偏光を吸収するタイプの、一般に偏光フィルムまたは偏光板として知られる素材で形成してもよい。
なお、前記可視光不透過部は、ガラス面上に印刷によって形成することもできるし、フォトリゾグラフィ方式等のパララックスバリアを製造する方法として一般的に用いられている方法により形成することもできる。
<水平方向のモアレを解消する他の方法>
次に、水平方向のモアレを解消する他の方法について説明する。
次に、水平方向のモアレを解消する他の方法について説明する。
上述の方法では、水平方向のモアレを解消するために、予め水平方向モアレ解消位置、水平方向のモアレが一本発生する位置を設定し(図7〜9参照)、それらの位置に数式を当てはめることにより、水平方向のモアレを解消するパララックスバリアを設計していた。
しかし、水平方向においては、水平方向のモアレが一本発生する、上下方向の可視光透過部の間隔が水平方向の可視光透過部の間隔より短いため、斜め方向モアレに比べ、モアレが発生しないパララックスバリアに近い位置と遠い位置との狭い範囲でしか、モアレが発生しないようにすることができない。
そこで、図70(a)〜(d)に示すように、水平方向におけるスリットの階段、団子、穴の上下方向の配置位置が異なる、すなわち、不規則性を持たせるようにした。これにより、水平方向の上端において、穴等が規則的に並ばないため、モアレの発生を防止することができる。パララックスバリアの上下方向の可視光透過部の配置位置を不規則にして、それぞれのスリット毎に発生するモアレも不規則となり、水平方向のモアレの連続性がなくなるため、水平方向の目立つモアレが発生しなくなる。
穴等の配置位置(配置開始位置)は、乱数を発生させることにより決定する。そのほか、波長を変える等、他の方法によって決定してもよい。
なお、不規則性とは、開始位置を変更することであり、隣り合うラインで不規則であればよい。したがって、大きな規則性も、不規則性に含まれる。
2 立体表示用ピクセル
4 映像提示対象者
6 パララックスバリア
8 サブピクセル
10 可視光透過部
12 立体表示用ピクセルユニット
14 仮想画素
16 仮想サブピクセル
18 スペーサー
20 ディスプレイ
22 画像表示面
24 有効可視領域
26 矩形領域
28 最適立体可視位置
30 モアレ解消位置
32 適正立体可視領域
34 斜め方向のモアレ適正解消領域
35 パターンエリア
36 水平方向のモアレ適正解消領域
38 キャリブレーションライン
40 モニター有効画素領域
42 ガラス
44 作業者
46 可視光不透過部
4 映像提示対象者
6 パララックスバリア
8 サブピクセル
10 可視光透過部
12 立体表示用ピクセルユニット
14 仮想画素
16 仮想サブピクセル
18 スペーサー
20 ディスプレイ
22 画像表示面
24 有効可視領域
26 矩形領域
28 最適立体可視位置
30 モアレ解消位置
32 適正立体可視領域
34 斜め方向のモアレ適正解消領域
35 パターンエリア
36 水平方向のモアレ適正解消領域
38 キャリブレーションライン
40 モニター有効画素領域
42 ガラス
44 作業者
46 可視光不透過部
Claims (28)
- R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けられ、複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、
複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、
映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、
前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、
最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、
斜め方向モアレ解消位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL2とした設計条件で、
前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、
水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(2)により決定する
ことにより設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(1)
式(2)
- R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けられ、複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、
複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、
映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、
前記ディスプレイの水平解像度をIr、
前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、
最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、
斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も近い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2nとした設計条件で、
前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、
斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、
水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(4)により決定する
ことにより設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(1)
式(3)
式(4)
- R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けられ、複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、
複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、
映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、
前記ディスプレイの水平解像度をIr、
前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、
最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、
斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も遠い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2fとした設計条件で、
前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、
斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、
水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(5)により決定する
ことにより設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(1)
式(3)
式(5)
- 前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、
階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、
または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、
独立して複数形成された穴形状とし、
一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数をβ、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの高さをPvとした裸眼立体視の場合に、
前記式(1)により求まる前記距離Zと、
水平方向モアレ解消位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL3とした設計条件で、
垂直方向に連接する、前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を、以下の式(6)により決定することにより設計された、請求項1から請求項3のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(6)
- 水平方向に隣接する前記スリット毎に、複数の前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の配置位置(配置開始位置)のみ不規則性を持たせることにより、水平方向のモアレ発生を防止したことを特徴とする請求項4記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
- 前記不規則性は、前記配置位置(配置開始位置)を乱数により決定することを特徴とする請求項5記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
- 前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、
階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、
または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、
独立して複数形成された穴形状とし、
一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数をβ、
前記ディスプレイの垂直解像度をJr、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの高さをPvとした裸眼立体視の場合に、
前記式(1)により求まる前記距離Zと、
水平方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も近い位置が予め設定されており、該位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL3nとした設計条件で、
前記パララックスバリアは、
水平方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ上端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部から、ディスプレイ下端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部までの間の、垂直方向において前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の数Mvの値を、以下の式(7)により決定し、
垂直方向に連接する、前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を、以下の式(8)により決定することにより設計された、請求項1から請求項3のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(7)
式(8)
- 前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、
階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、
または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、
独立して複数形成された穴形状とし、
一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数をβ、
前記ディスプレイの垂直解像度をJr、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの高さをPvとした裸眼立体視の場合に、
前記式(1)により求まる前記距離Zと、
水平方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も遠い位置が予め設定されており、該位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL3fとした設計条件で、
前記パララックスバリアは、
水平方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ上端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部から、ディスプレイ下端のサブピクセルに対する前記形状の可視光透過部までの間の、垂直方向において前記連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の数Mvの値を、以下の式(7)により決定し、
垂直方向に連接する、前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvの値を、
以下の式(9)により決定する
ことにより設計された請求項1から請求項3のいずれかに記載の、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(7)
式(9)
- 映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、
前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される有効可視領域の横幅をVh、
複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPhとした裸眼立体視の場合に、
前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の前記横幅Shの値を、
以下の式(10)により決定する
ことにより設計された請求項1から請求項8のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(10)
- 前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、
階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、
または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、
独立して複数形成された穴形状とし、
前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する高さSvの可視光透過部を通して映像提示対象者により視認される所定の有効可視領域の高さをVv、
前記パララックスバリアの垂直方向に連接する、前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔をHv、
前記垂直方向の開口率(Hvに対する係数)をλ
とした裸眼立体視の場合に、
最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1とし、
前記式(1)により求まる前記距離Zによる設計条件で、
前記階段形状または前記団子形状、もしくは前記複数の穴形状の可視光透過部の前記高さSvの値を、
以下の式(11)または式(11)′により決定することを特徴とする請求項4から請求項9のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法。
式(11)
式(11)′
- 前記式(1)により求まる前記距離Zと、
映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離Wと、
前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者の片眼で視認される有効可視領域の横幅Vhと、
を用いて、
以下の式(12)により適正立体可視領域の最短距離L1nを決定し、
以下の式(13)により適正立体可視領域の最長距離L1fを決定し、
L1nからL1fまでの適正立体可視領域内に、前記斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2を予め設定する
ことにより設計された、請求項1から請求項10のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法。
式(12)
式(13)
- 前記最適立体可視位置からパララックスバリアまでの距離L1は、
前記斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2と
同一距離に設定されている
ことを特徴とする請求項1または、請求項4から請求項11のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法。 - 前記パララックスバリアを構成する可視光透過部であるスリットのエッジの形状を、
階段形状もしくは円弧、楕円弧、多角形、のいずれかが連接した団子形状とし、
または前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、
独立して複数形成された穴形状とした複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値が、予め定められた設計条件に基づき計算して設計された、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアであって、
前記最適立体可視位置からパララックスバリアまでの距離L1は、
前記斜め方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L2と、
前記水平方向モアレ解消位置からパララックスバリアまでの距離L3と、
同一距離に予め設定されている
ことを特徴とする、請求項4または、請求項9から請求項11のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。 - 複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPhとした裸眼立体視の場合に、
前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して、映像提示対象者に片眼で視認させようとする画像表示面上の最大領域を矩形領域とし、
該矩形領域の横幅Vh maxを、
2×αPh以上、3×αPh未満に決定し、
前記パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して、映像提示対象者の片眼で視認される所定の有効可視領域の横幅Vhを、
αPh以上、前記Vh max以下に決定することにより設計された、請求項1から請求項13のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。 - 垂直方向に連接するサブピクセルの間隔をHpv、
一のサブピクセルに対応する、連続する前記形状の可視光透過部の一単位または前記複数の穴形状の可視光透過部の上下方向の数をβとした裸眼立体視の場合に、
前記垂直方向に連接する、前記階段形状、前記団子形状、または前記複数の穴形状の可視光透過部の間隔Hvを、
等式:Hv=Hpv/β(βは自然数)
により決定する
ことにより設計された請求項4から請求項14のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法。 - 前記パララックスバリアは、
垂直方向にスリット状の可視光を透過するキャリブレーションラインが少なくとも左右いずれかの端部に設けられ、
前記パララックスバリアに載置され、
前記キャリブレーションラインを通して見える可視光が同一色となるように位置が調整され、
前記キャリブレーションラインが映像提示対象者によって視認されない位置まで並行移動されるキャリブレーション作業により、
前記ディスプレイに固定される、ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。 - 前記ディスプレイはプラズマディスプレイであり、
前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の形状を、
独立して複数形成された穴形状とし、
前記パララックスバリアを構成する可視光透過部の横幅をSh、
前記複数の穴形状の可視光透過部の高さをSv、
前記プラズマディスプレイから発生する電磁波を遮断する有効最大振幅幅をErとした場合に、
前記一のサブピクセルに対応する、前記可視光透過部の上下方向の数βの値を、以下(17)(□の間の計算により求めた値以上の最小の整数を求める。式(18)において同じ。)の式により決定し、
前記一のサブピクセルに対応する、前記可視光透過部の左右方向の数γの値を、以下の式(18)により決定し、
前記パララックスバリアを、前記プラズマディスプレイから発生する電磁波を遮蔽する素材で形成する
ことにより設計された請求項4から請求項19のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。
式(17)
式(18)
- 前記パララックスバリアを構成する、独立して複数形成された穴形状の可視光透過部は、
楕円弧形、楕円弧形の上下をカットした提灯形または四角形
以上の凸偶数多角形の形状であることを特徴とする請求項4から請求項20のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。 - 前記パララックスバリアを構成する、独立して複数形成された穴形状の可視光透過部は、
前記楕円弧形、楕円弧形の上下をカットした提灯形または四角形以上の凸偶数多角形を、水平方向に所定の角度だけ傾けた形状であることを特徴とする請求項21に記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。 - 前記最適立体可視位置において、パララックスバリアを構成する横幅Shの可視光透過部を通して映像提示対象者に片眼で視認させようとする画像表示面上の最大領域である矩形領域を決定し、
前記最適立体可視位置における画像提示対象者の左右いずれかの眼を基点として、該いずれかの眼と前記矩形領域とを結ぶ線分と、前記パララックスバリア面との交点からなる前記矩形領域の相似形をなす領域の、上下および左右の辺に内接する形状または左右の辺にのみ内接する形状とし、
前記最適立体可視位置における画像提示対象者の左右いずれかの眼を基点として、前記穴部を通して画像提示対象者に視認される画素配列面上の領域を、前記穴部の相似形をなす有効可視領域とする
ことにより、前記パララックスバリアを構成する、独立して複数形成された穴形状の可視光透過部を設計する、ことを特徴とする請求項4から請求項20のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。 - 前記パララックスバリアは板状透明媒体であり、
画像提示対象者側に可視光不透過部を設け、
前記可視光不透過部を、可視光を吸収する素材および/または、可視光を拡散反射する素材のいずれかによって形成することにより、写り込みを防止する
ことを特徴とする請求項1から請求項23のいずれかに記載の
裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリア。 - 請求項1〜24のいずれかに記載の裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアを用いた裸眼立体ディスプレイ。
- R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けるパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値を、予め定められた設計条件に基づき計算して設計する、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法であって、
複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、
映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、
前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、
最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、
斜め方向モアレ解消位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL2とした設計条件で、
前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、
水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(2)により決定する
ことを特徴とする、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法。
式(1)
式(2)
- R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けるパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値を、予め定められた設計条件に基づき計算して設計する、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法であって、
複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、
映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、
前記ディスプレイの水平解像度をIr、
前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、
最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、
斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も近い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2nとした設計条件で、
前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、
斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、
水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(4)により決定する
ことを特徴とする、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法。
式(1)
式(3)
式(4)
- R,G,Bを表示する3つのサブピクセルが横方向に配列されたピクセルが縦横に複数配列されたディスプレイの画像表示面から距離Zを持って設けるパララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の大きさ・配置に関する値および前記距離Zの値を、予め定められた設計条件に基づき計算して設計する、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法であって、
複数視点の映像から生成される裸眼立体映像の1視点分の立体表示用ピクセルを構成するサブピクセルの水平方向の平均個数をα、
前記ディスプレイを形成するサブピクセルの幅をPh、
隣り合う視点の映像を表示する立体表示用ピクセルの中心間の距離をαPh、
映像提示対象者の左右の眼の瞳間の距離をW、
前記ディスプレイの水平解像度をIr、
前記裸眼立体映像を生成するための映像の視点数をNとした裸眼立体視の場合に、
最適立体可視位置が予め設定されており、該位置からパララックスバリアまでの距離をL1、
斜め方向のモアレが一本発生する位置のうち、前記パララックスバリアに最も遠い適正立体可視位置が予め設定されており、該適正立体可視位置から、前記パララックスバリアまでの距離をL2fとした設計条件で、
前記ディスプレイの画像表示面から前記パララックスバリアまでの前記距離Zの値を、以下の式(1)により決定し、
斜め方向モアレ解消位置における、前記ディスプレイ左端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部から、ディスプレイ右端の立体表示用ピクセルユニットに対する前記パララックスバリアの可視光透過部までの間の、水平方向における可視光透過部の数Mhの値を、以下の式(3)により決定し、
水平方向に隣接する前記パララックスバリアを構成する複数の可視光透過部の間隔Hhの値を、以下の式(5)により決定する
ことを特徴とする、裸眼立体ディスプレイ用パララックスバリアの設計方法。
式(1)
式(3)
式(5)
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