JPWO2011007492A1 - 荷電粒子線顕微鏡及びそれを用いた測定方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の荷電粒子線装置は、複数の画像間の視野ずれ量から試料ドリフトの近似関数を求め(S1)、それに基づきドリフト補正をしながら保存画像を撮影し(S2)、保存画像から試料ドリフトの影響を低減させた目的画像を作成する(S3)機能を備えたことを特徴とする。これにより、試料ドリフトを関数に近似することでランダムな視野ずれ測定誤差を平滑化できるようになり、更に、時間的に変化する試料ドリフトの予測も可能になるため、高倍率であっても試料ドリフトの影響の極めて少ない荷電粒子線装置及びそれを用いた測定方法を提供することができるようになった。

Description

本発明は、走査電子顕微鏡やイオン顕微鏡等の荷電粒子線顕微鏡及びそれを用いた測定方法に関する。
半導体デバイス開発、ナノ材料開発において、試料の構造をナノメートル(nm)オーダの空間分解能で観察できる走査電子顕微鏡(SEM)、走査透過電子顕微鏡(STEM)、透過電子顕微鏡(TEM)などの荷電粒子線顕微装置による試料構造解析は必須である。
荷電粒子線装置については、例えば特許文献1、2に開示されている。
特許第4065847号公報 特開平5−290787号公報
観察対象の微細化・複雑化に伴い、観察装置の高精度化が進められている。高精度化の阻害要因の一つとして試料ドリフトがある。試料ドリフトがあると撮影された画像がボケたり歪んだりする。その様子を図2A〜図2Cに示す。
図2Aは原画像を示す。細く絞った電子ビームで試料上を走査し、試料を透過した電子線を検出し、走査信号と同期させて画像を形成するのがSTEMであり、2次電子や反射電子を検出して画像を形成するのがSEMである。
画像がボケるか、歪むかは撮影方式に依存する。ビームを高速走査させて複数の画像を形成し、それらを積算して保存画像を撮影するFast scan方式と、1回の低速走査で保存画像を撮影するSlow scan方式がある。Fast scan方式に対して、試料ドリフトはフレーム間の視野ずれを発生させる。これを積算すると保存画像はドリフト方向にぼけてしまう(図2B)。
一方、Slow scan方式に対して、試料ドリフトはドリフト方向の像歪みを発生させる(図2C)。電子線を試料に平行照射し、試料を透過した電子線をカメラで検出して画像を形成するTEMに対しては、試料ドリフトは像ボケとして作用する。
これらの試料ドリフトの影響を低減させる技術を調査した結果、以下の技術が抽出された。特許文献1にはSEMにおけるドリフト補正技術が記載されている。その実施例1では目的画像をFast scan方式で撮影する場合、Fast scanのフレーム積算像を複数枚撮影し、画像間の視野ずれを補正しながらフレーム積算像を積算することでドリフトの影響が低減された目的画像を得ることが記載されている。
その実施例2ではFast scanのフレーム積算像を2枚撮影し、画像間の視野ずれを求め、視野ずれをキャンセルする方向にイメージシフト用偏向器(以下、略してイメージシフト)もしくは試料ステージを用いて視野を移動させながらFast scanのフレーム積算像を複数枚撮影する。さらにフレーム積算像間の視野ずれを測定し、それを補正しながら積算することで目的画像を得ることが記載されている。
その実施例3では目的画像をSlow scan方式で撮影する場合について、保存画像の撮影前後、前、もしくは後にFast scanのフレーム積算像を2枚撮影し、画像間のずれ量を求め、概ずれ量から保存画像の水平方向と垂直方向の変形量を求め、撮影された保存画像F0を変形して新たな目的画像F0′を構築することが記載されている。
また、特許文献2には以下の技術が記載されている。第1の走査電子顕微鏡は、観察領域内または観察領域外の小領域の画像データと一定期間経過後の走査によって得られる前記小領域の画像データとのマッチングをとる事により視野のドリフト量を検出する手段と、検出された視野のドリフトを補償するように試料に対する電子線の走査位置を補正するための手段とを備える。
第2の走査電子顕微鏡は、観察領域内または観察領域外の小領域の画像データと一定期間経過後の走査によって得られる前記小領域の画像データとのマッチングをとる事により視野のドリフト量を検出する手段と、検出された視野のドリフトを補償するように前記積算にあたって画素をずらして積算するための手段とを備える。
第3の走査電子顕微鏡は、電子線の試料上での1ラインまたは複数のライン走査により試料から得られる前記ライン走査分の信号を格納する手段と、該ライン走査によって得られる信号を単位として隣接する信号間の相関をとり、該相関処理によって相関が最大になるように前記単位毎に画素をずらせて画像メモリに記憶させる手段とを備える。
しかしながら、上記特許文献に記載の構成を有する荷電粒子線装置においても、例えば視野径が250nm×250nm程度の高倍率にした場合にはドリフト補正が不十分であることが分かった。
本発明の目的は、高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ない荷電粒子線装置及びそれを用いた測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するための一実施形態は、荷電粒子発生源及び前記荷電粒子発生源を制御する荷電粒子発生源制御回路と、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子が照射される試料を載せる試料ステージ及び前記試料ステージを制御する試料ステージ制御回路と、前記試料からの荷電粒子を検出する検出器及び前記検出器を制御する検出器制御回路と、前記各制御回路を制御する計算機と、前記計算機に接続された表示部とを有する荷電粒子線顕微鏡であって、前記計算機は、異なる時刻において、前記試料表面に形成された特定パターンからの荷電粒子を用いて作成される複数の画像を記録する記録部と、前記画像内の前記特定パターンを用いて、前記複数の画像間の視野ずれ量を求める計算部と、前記視野ずれ量から試料ドリフトによる視野ずれの補正に用いる近似関数を求める解析部と、を備えることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡とする。
また、荷電粒子線顕微鏡を用いて試料表面の特定パターンに荷電粒子線を照射することにより得られる画像から前記特定パターンを計測する計測方法において、異なる時刻において、前記特定パターンを含む複数の画像を撮影する第1工程と、複数の前記画像間の視野ずれ量を求める第2工程と、複数の前記画像間の視野ずれ量から試料ドリフトによる視野ずれの補正に用いる近似関数を求める第3工程と、前記近似関数に基づいて前記視野ずれを相殺する第4工程と、を備えることを特徴とする計測方法とする。
また、荷電粒子発生源及び前記荷電粒子発生源を制御する荷電粒子発生源制御回路と、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子が照射される試料を載せる試料ステージ及び前記試料ステージを制御する試料ステージ制御回路と、前記試料からの荷電粒子を検出する検出器及び前記検出器を制御する検出器制御回路と、前記各制御回路を制御する計算機と、前記計算機に接続された表示部とを有する荷電粒子線顕微鏡であって、前記表示部は、前記試料からの荷電粒子に基づいて得られる撮影画像における視野ずれを補正する補正条件設定と、前記視野ずれの補正に用いる前記試料の試料ドリフトの軌跡を近似する近似関数の設定と、前記試料の撮影終了条件設定と、を行なえるものであることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡とする。
高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ない荷電粒子線装置及びそれを用いた測定方法を提供することができる。
第1の実施例に係るSTEM/SEMのSlow scan撮影における試料ドリフト補正システムの表示画面の一例である。 第1の実施例に係るSTEM/SEMのSlow scan撮影における試料ドリフト補正システムの表示画面の一例である。 第1の実施例に係るSTEM/SEMのSlow scan撮影における試料ドリフト補正システムの表示画面の一例である。 試料ドリフトによる像ボケ及び像歪を説明するための図で、原画像を示す。 試料ドリフトによる像ボケ及び像歪を説明するための図で、試料ドリフトによってボケた像を示す。 試料ドリフトによる像ボケ及び像歪を説明するための図で、試料ドリフトによって歪んだ像を示す。 実施の形態に係る荷電粒子線顕微鏡の試料ドリフト補正の基本フロー図である。 実施の形態に係る荷電粒子線顕微鏡のSlow scan撮影における試料ドリフト補正フロー図である。 実施の形態に係る荷電粒子線顕微鏡の撮影前の試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数と撮影前後の試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数の差を示す説明図である。 第1の実施例に係るSTEM/SEMのSlow scanで撮影した保存画像から目的画像を作成する方法を示す説明図である。 実施の形態に係る荷電粒子線顕微鏡のSlow scanで撮影した保存画像から目的画像を作成する方法を示す説明図である。 第2の実施例に係るSTEM/SEMのFast scan撮影における試料ドリフト補正フロー図である。 実施の形態に係る荷電粒子線顕微鏡のFast scanで撮影した保存画像から目的画像を作成する方法を示す説明図である。 実施の形態に係る荷電粒子線顕微鏡のFast scanで撮影した保存画像から目的画像を作成する方法を示す説明図である。 第1の実施例に係るSTEM/SEMの基本構成を示す概略図である。 第2の実施例に係るSTEM/SEMのFast scan撮影における試料ドリフト補正システムの表示画面の一例である。 第2の実施例に係るSTEM/SEMのFast scan撮影における試料ドリフト補正システムの表示画面の一例である。 第3の実施例に係るSTEM/SEMのSlow scanのライン分割撮影における試料ドリフト補正フロー図である。 第3の実施例に係るSTEM/SEMのSlow scanのライン分割撮影における試料ドリフト補正システムの表示画面の一例である。 第3の実施例に係るSTEM/SEMのSlow scanのライン分割撮影における試料ドリフト補正システムの表示画面の一例である。 第4の実施例に係る走査電子顕微鏡の基本構成を示す概略図である。 第5の実施例に係る透過電子顕微鏡の基本構成を示す概略図である。 STEM/TEMの試料ステージにおける、試料ステージ停止後の試料ドリフト速度の時間変化の一例である。
本発明者等は、従来技術について検討した結果、従来技術においては視野ずれ測定用画像から求めた視野ずれ量をそのまま補正量もしくは試料ドリフト速度に変換して視野ずれを補正していること、このため高精度な補正が実行されない場合があることを見出した。具体的には、視野ずれの測定誤差が無視できない場合である。
ボケた画像を用いると視野ずれの測定誤差が大きくなる。撮影倍率を増加させると1画素のサイズは小さくなるが、STEMの分解能には上限がある。分解能よりも画素サイズが小さくなると画像がボケてくる。
例えは、汎用STEMで試料厚さ数100nmの試料を観察した場合の分解能は1nm程度である。視野径250nm×250nmの領域を画素数500×500で撮影した場合の画素サイズは0.5nmになる。このような条件で撮影した画像の視野ずれ量には±0.5画素程度の測定誤差が含まれると推定される。一方、汎用STEMで想定される画像撮影中の試料ドリフト量は数nmから数10nmである。0.5nmの測定誤差は1nmに対しては50%、10nmに対しても5%であり、無視できない。
視野ずれ量を直接補正量に変換すると、測定誤差がそのまま補正誤差になり、目的画像を劣化させる。試料ドリフトによる像ボケや像歪が顕在化するのは高倍率撮影時であり、試料ドリフト補正が必要なのは高倍率撮影時である。しかし、従来技術では高倍率撮影で顕在化する視野ずれ測定誤差の増加を考慮していなかったと言える。
もう1つ、従来技術では高精度なドリフト補正が実行されない場合がある。具体的には試料ドリフト速度が変化している場合である。STEM/TEMの試料ステージにおける、試料ステージ停止後の試料ドリフトの時間変化の一例を図16に示す。
まず、試料ステージ停止直後は慣性によって数10nm/分の速度でドリフトする。このドリフトは数分で収束し、その後ステージの部材(オーリングなど)の応力緩和や電子線照射による温度変化などに起因する数nm/分の試料ドリフトが続く。
撮影中の試料ドリフト速度がほぼ一定の状態に収束するまで、一般に5分程度の待ち時間が必要と言われている。従来の高倍率像撮影では手動での焦点・非点微調整をしてから撮影するので試料ステージ停止と撮影の間に5分程度の時間が常に設定されていた。
しかし、近年の各種調整の自動化によって調整時間は1分以下に短縮されている。そのため、試料ドリフト速度が変化している状態でも試料ドリフト補正を適用したいというニーズが出てきた。CT用の回転シリーズ像撮影やSTEMによるデバイス測長のように、高倍率で多数毎の画像を撮影する場合、試料ドリフト速度が収束するまでの待ち時間を5分も設けるとTATが大幅に低下するからである。試料ドリフト速度が変化していても高精度な補正が行なえるようにする必要がある。
本発明は、上記知見により生まれたものである。以下実施の一形態について説明する。
実施の形態に係る荷電粒子線顕微鏡を用いた試料ドリフト補正システムの基本フローを図3に示す。試料ドリフト補正システムは、保存画像撮影前に試料ドリフトの近似関数を求めるステップ1、ドリフト補正しながら保存画像を撮影するステップ2、保存画像から試料ドリフトの影響を低減させた目的画像を作成するステップ3から構成される。
まず、保存画像をSlow scan方式で撮影する場合のフローを図4に示す。保存画像撮影前に試料ドリフトの近似関数を求めるステップ1において、従来は2枚の画像の視野ずれ量から試料ドリフト速度を求めていたが、本発明では3枚以上の画像から複数の視野ずれ量を測定し、試料ドリフトの軌跡を求める。この軌跡から試料ドリフトの近似関数を求める。
以下、近似関数を求める工程を説明する。始めに撮影した画像を参照画像とし、その後に撮影された画像を入力画像として参照画像に対する視野ずれ量を求め、イメージシフトで補正する。イメージシフトによって視野が試料ドリフトに追従していくので、イメージシフト制御値の軌跡を試料ドリフトの軌跡とみなすことができる。
この軌跡から試料ドリフトの近似関数を求める。近似関数には時間を変数とする適当な次数の多項式を用いる。三角関数や指数関数、対数関数を用いても良い。近似関数で記述することにより、時間的に変化する試料ドリフトも高精度に補正することが可能になり、課題の1つが解決される。
また、試料ドリフトを近似関数で記述することにより、もう1つの課題である視野ずれ測定誤差の影響も低減される。なぜなら、試料ドリフトは滑らかな移動であると仮定できるので、試料ドリフトの軌跡に含まれる高周波成分は視野ずれ測定誤差とみなすことができる。近似関数にフィッティングすることにより高周波成分が抑制され、実際の試料ドリフトをより正確に記述することが出来る。
高周波成分を抑制するために、フィッティング前に加算平均などのスムージング処理、ローパスフィルタなどの周波数処理を施しても良い。必要に応じて近似関数に適当な補正を施しても良い。例えば、撮影前の試料ドリフトを1次式で近似して試料ドリフトベクトルを求め、このベクトルに適当な係数、例えは0.5〜1.0を掛けた値で撮影中の補正を実施する。試料ステージ停止直後のように試料ドリフト速度が徐々に小さくなっていることが推定されるが、視野ずれ測定誤差が大きく、試料ドリフトの軌跡を2次以上の多項式で近似するとフィッティング結果が不安定なる場合に有効である。係数はステージ停止後の時間やステージの特性に合わせて調整する。
ステップ2(図3)では求めた近似関数に基づいて試料ドリフトを相殺するようにイメージシフトを制御しながら保存画像を撮影する。ステップ3では保存画像から試料ドリフトの影響を低減させた目的画像を作成する。
図5に示す様に、撮影前の試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数101で撮影中の試料ドリフトを補正しているので、実際の試料ドリフトとずれがある場合がある。そこで、保存画像撮影後も試料ドリフトを測定し、撮影前後の試料ドリフトの軌跡から近似関数102を求める。近似関数101と近似関数102との差を実際のドリフトと補正量とのずれとみなし、このずれから撮影中の視野ずれの近似関数を求める。この近似関数を用いて視野ずれに起因する画像歪みを画像処理にて補正する。
その手順を、図7を用いて説明する。離散画像における各画素の強度をI(xn,yn)とする。xn,ynは整数である。各画素の撮影時刻tにおける視野ずれ量(Δx(t),Δy(t))だけ移動させた補正データを作成する。(Δx(t),Δy(t))は実数であるので、補間計算によって各画素の強度を求め、目的画像を作成する。なお、実際の試料ドリフトと補正量との差が小さい場合は画像処理による補正を省略することができる。また、イメージシフトによる補正を省略して画像処理のみで補正することもできる。
次に、保存画像をFast scan方式で撮影する場合の例を示す。ステップ1はSlow scan方式の場合と同様である。ステップ2ではイメージシフトで試料ドリフトを補正しながらFast scan像を数枚積算したフレーム積算像を複数枚撮影し、保存する。フレーム積算像には積算枚数1枚の画像も含める。ステップ3では参照画像に対する各フレーム積算像の視野ずれ量を求め、これを補正しながらフレーム積算像を積算して目的画像を作成する。
従来技術では測定された視野ずれ量を直接補正量に変換していたが、本実施の形態では視野ずれの軌跡を求め、この軌跡から視野ずれの近似関数103を求める。測定された軌跡は、試料ドリフトに起因する滑らかな曲線と視野ずれ測定誤差に起因する細かなガタツキの合成と考えられる。軌跡から高周波成分を抑制した近似関数を求めることで、視野ずれ測定誤差の影響を抑制することができる。
高周波成分の抑制には、加算平均などのスムージング処理、ローパスフィルタによる周波数処理、適当な次数の多項式へのフィッティング処理などがあげられる。更に近似関数を用いることで、図9Aに示す補正が可能になる。ステップ2で保存するフレーム積算像の積算枚数を減らし、できれば1枚にして第1のフレーム積算像を保存する。第1のフレーム積算像は画像処理による視野ずれ測定困難なくらい低SNなので、第1のフレーム積算像を何枚か毎に積算し、視野ずれ測定可能なSNの第2のフレーム積算像を作成する。第2のフレーム積算像を用いて視野ずれの軌跡を求め、視野ずれの近似関数を求める。
次に、図9Bに示すように、この近似関数を用いて第1のフレーム積算像の視野ずれ量を求め、視野ずれを補正しながら積算して第3のフレーム積算像を作成する。視野ずれによる像ボケが低減されるので、第3のフレーム積算像は第2のフレーム積算像よりもシャープになる。第3のフレーム積算像を用いた方が視野ずれ量測定の誤差が低減されるので、第3のフレーム積算像を用いて視野ずれの軌跡を再測定し、視野ずれの近似関数を求める。
この工程を近似関数が収束するまで繰り返すことで、試料ドリフトによる像ボケを大幅に低減することができる。なお、試料ドリフト量が小さい場合はステップ1の撮影前のドリフト測定およびステップ2のイメージシフトによる撮影中のドリフト補正を省略することも可能である。試料ドリフト量が小さい場合とは、ドリフト量が測定誤差程度以下の場合をいう。
従来技術では視野ずれ量を補正量もしくは試料ドリフト速度に直接変換していたのに対し、本実施の形態では複数の視野ずれ量から試料ドリフト補正に用いる近似関数を求め、この近似関数を用いて補正している。近似関数を用いることによる効果の1つは視野ずれ測定誤差の影響の低減である。従来技術の様に画像間の視野ずれ量を直接試料ドリフトに変換すると、視野ずれ測定誤差が補正誤差に直接反映される。複数の視野ずれ測定結果を用いることにより、ランダムな測定誤差を相殺させ(平滑化し)、補正精度を向上させた。
近似関数に基づいて補正することによるもう1つの効果は、試料ドリフト速度が時間的に変化している場合でも高精度なドリフト補正が可能になることである。従来の方法では試料ドリフトがほぼ一定になるまでの待ち時間を設ける必要があった。CT用の回転シリーズ像自動撮影、半導体デバイスの断面寸法管理、不良箇所の検索のように、試料ステージの移動と撮影を繰り返す場合、試料ドリフトがほぼ一定になるまでの待ち時間を設けると測定TATが大幅に低下する。本実施の形態によって補正精度を劣化させずに待ち時間を短縮させることができる。
また、SEM観察で帯電起因の像コントラストを観察したい場合、試料ドリフトがほぼ一定になるまで待ち時間を設けると所望の像コントラストが得られなくなる場合がある。試料ドリフトが時間的に変化していてもドリフト補正を適用する必要があり、本実施の形態によるドリフト補正高精度化の効果が大きい事例といえる。以上、本実施の形態により、試料ドリフト補正の高精度化とTAT向上が図られ、電子顕微鏡によるナノデバイス、ナノ材料の計測、検査、解析の効率が大幅に向上する。
以下、実施例により詳細に説明する。
本実施例では、試料ドリフト自動補正システムをSTEMのSlow scan撮影に適用した事例を示す。発明を実施するための形態の欄に記載され、本実施例に未記載の事項は発明を実施するための形態と同様である。
実施例で用いたSTEM/SEMの基本構成図を図10に示す。1次電子線31を発生する電子銃11及びその制御回路11’、1次電子線31を収束する照射レンズ12−1,12−2及びその制御回路12’、1次電子線31の拡がり角を制御する絞り13及びその制御回路13’、試料30に対する入射角度を制御する軸ずれ補正用偏向器14及びその制御回路14’、試料30に入射する1次電子線31のビーム形状を補正するスティグメータ15及びその制御回路15’、試料30に入射する1次電子線31の照射領域を調整するイメージシフト用偏向器16及びその制御回路16’、試料30に入射する1次電子線31をラスター走査する走査用偏向器17及びその制御回路17’、1次電子線31の試料30に対する焦点位置の調整する対物レンズ18及びその制御回路18’、試料30の入射電子線31に対する位置及び回転角度を設定する試料ステージ19及びその制御回路19’、試料30から発生する電子線32を検出する電子検出器22及びその制御回路、電子線32を電子線検出器22に投影する投影レンズ20及びその制御回路20’、電子線32を偏向する偏向器21及びその制御回路21’、電子線32の拡がり角を制御する絞り23及びその制御回路23’、電子線検出器の出力信号とラスター走査信号からSTEM/SEM像を形成する画像形成回路28、制御ソフト及び画像処理ソフトを搭載した計算機29から構成される。
計算機29には複数の画像を記録する記録部29−1と、画像間の視野ずれ量を測定する計算部29−2と、視野ずれ補正に用いる近似関数を求める解析部29−3と、画像、計算結果及び解析結果を表示する表示部29−4が搭載されている。各制御回路、画像形成回路は計算機29によってコマンド制御される。
本装置には複数の電子線検出器22が搭載されており、試料30前方に出射した電子線のうち、低角散乱電子32−1を検出する明視野検出器22−1、高角散乱電子32−2を検出する暗視野検出器22−2、試料30後方に出射した反射電子及び2次電子32−3を検出する検出器22−3が搭載されている。各検出器に対応して制御回路22−1’、22−2’、22−3’が設けられている。
試料30前方に出射した電子で形成された画像をSTEM像、試料30後方に出射した電子で形成された画像をSEM像と呼ぶ。また、透過電子線をエネルギー損失電子分光器41及びその制御回路41’にて弾性散乱透過電子線32−4と非弾性散乱透過電子線32−5に分光して測定することができる。試料から発生するX線をエネルギー分散型X線分光器40及びその制御回路40’にて測定することができる。エネルギー分散型X線分光器40やエネルギー損失電子分光器41を用いることにより、試料の組成や化学結合状態を解析することができる。
1次電子31の走査を停止させて微小領域スペクトルを測定することを点分析、1次電子線の走査と所定のエネルギー幅の信号を同期させて、組成や化学結合状態の分布を測定することを面分析と呼ぶ。エネルギー分散型X線分光器40の面分析で得られた画像をEDX像、エネルギー損失電子分光器41の面分析で得られた画像をEELS像と呼ぶ。
本実施例ではドリフト補正システムをSTEM像に適用した場合のみについて説明するが、他の信号画像への適用も可能である。筐体200の光軸とほぼ平行な方向をZ方向、光軸とほぼ直交する面をXY平面とする。
図4にSlow scan方式で保存画像を撮影する場合の試料ドリフト補正のフローを示す。まず、視野ずれ測定に用いる参照画像を撮影する(S1−1)。STEMには表示用と保存用という2つの画像形成モードがある。保存用画像は電子ファイルに保存するための画像であり、10秒程度の時間を設けて高画質な画像を撮影する。表示用画像はモニター表示用の画像であり、画質は低いがいつでも画像処理装置に画像を取り込むことができる。試料ドリフトの測定には表示用画像を用いる。
Slow scan方式の表示用画像は電子線走査によって画像内の各画素の値が逐次更新されるので、試料ドリフトがあると画像の上下で違う視野が撮影される。そのため、走査開始と画像処理装置に取り込むタイミングを同期させなければ、画像の上下で違う視野が撮影された画像で視野ずれを測定することになる。走査波形をモニターしてタイミングを同期させることは不可能ではないが、システムを複雑化させる。
一方、Fast scan方式の表示画像は最新n枚のFast scan像のフレーム積算像である。試料ドリフトがあると表示画像はボケるが、画像処理装置に取り込むタイミングを電子線走査と同期させる必要はない。つまり撮影のタイミングを自由に設定できる。
以上の理由から視野ずれ測定用画像にはFast scan方式の表示用画像を用いることにした。以後、撮影中以外で特別な表記がなければ、視野ずれ測定用画像はFast scan方式の表示用画像とする。
参照画像を撮影した後、約1秒間隔で画像を撮影し、参照画像に対する視野ずれ量を画像処理にて測定する。イメージシフトを用いて参照画像に対する視野ずれを相殺するように視野を移動させる。試料ドリフトに追従して視野が移動していくので、イメージシフトの制御値の軌跡を試料ドリフトの軌跡とみなすことができる(S1−2)。
視野ずれ測定には規格化相互相関法、位相限定相関法、最少二乗法など、汎用の画像処理を用いる。入力画像によって視野ずれ測定に適した方法が異なるので、視野ずれ測定誤差や相関値などを参照しながら適当な方法を選択する。なお、試料ステージ微動用のピエゾステージが搭載されている装置では、試料ドリフト補正をイメージシフトではなくピエゾステージで実行しても良い。ピエゾステージを用いることにより、1μm程度の移動距離を0.1nmのオーダで制御可能である。
次に、試料ドリフトの軌跡から試料ドリフトの近似関数101を求める(S1−3)。試料ドリフトは滑らかな移動であると仮定し、測定された試料ドリフトの軌跡に現れるガタツキは視野ずれ測定誤差とみなす。複雑な式で視野ずれの軌跡を近似すると結果が不安定になるので、近似関数としては時間を変数とする2次以下の多項式が適している。
近似関数にフィッティングすることにより高周波成分が抑制され、実際の試料ドリフトをより正確に記述することが出来る。高周波成分を抑制するために、フィッティング前に加算平均などのスムージング処理、ローパスフィルタなどの周波数処理を施しても良い。
必要に応じてフィッティンから求めた近似関数に適当な補正を施しても良い。例えば、撮影前の試料ドリフトを1次式で近似して試料ドリフト速度を求め、この試料ドリフト速度に適当な係数、例えは0.5〜1.0を掛けた値で撮影中の補正を実施する。試料ステージ停止直後のように試料ドリフト速度が徐々に小さくなっていることが推定されるが、視野ずれ測定誤差が大きく、試料ドリフトの軌跡を2次以上の多項式で近似するとフィッティング結果が不安定なる場合に有効である。係数はステージ停止後の時間やステージの特性に合わせて調整する。
なお、近似関数の推定に画像処理で測定された結果をすべて用いるのではなく、一部の測定結果を選択できるように設定しておくことにより補正精度が向上する。例えば、画像間の相関値が一定値以下の視野ずれ測定結果は近似関数の推定には用いない、前後の視野ずれ測定結果と大きく離れた結果は近似関数の推定には用いない、などの設定である。
また、試料ドリフト補正誤差が大きかったために補正をやり直す場合、はじめに測定される視野ずれ量は図4のS3−1とS1−2の間の試料ドリフトであるので、この視野ずれ量をイメージシフトで補正した後、試料ドリフトの軌跡の測定を開始するように設定する。どの近似関数が適しているかは、保存画像撮影後に参照画像に対する視野ずれ量を測定し、視野ずれ量が最も小さくなるかで判断する。
次にドリフト補正しながら保存画像を撮影する(ステップ2)。撮影方式をSlow scanに設定し、試料ドリフトの近似関数に基づいてイメージシフトを制御しながら(S2−2)、保存画像を撮影する(S2−1)。
イメージシフトの制御は等時間、例えば0.5秒間隔で近似関数から求められる制御値を送っても良いし、等移動量、例えば近似関数から制御値変化量が0.1画素になる時間を計算して、その時間に制御値を送信しても良い。等時間で指定する場合、送信間隔は高倍率ほど細かい間隔にした方が良いので、倍率にリンクして自動的に補正間隔が調整されるようになっている。
最後に、保存画像から試料ドリフトの影響を低減させた目的画像を作成する(ステップ3)。図5に示す様に、撮影前の試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数101で撮影中の試料ドリフトを補正すると、実際の試料ドリフトとはずれる場合がある。
そこで、保存画像撮影後も試料ドリフトを測定し、撮影前後の試料ドリフトの軌跡から近似関数102を求める(S3−2)。近似関数102と近似関数101との差を実際の試料ドリフトと予測ドリフトとのずれとみなし、このずれから撮影中の視野ずれの近似関数を求める。この近似関数に基づいて、視野ずれに起因する画像歪みを画像処理にて補正する(S3−3)。
近似関数102を求める際、ステップ1で用いた近似関数フッティングのほかに、スプライン補間などで作製した補間関数を用いても良い。ステップ1では撮影前の軌跡から撮影中の試料ドリフトを予測するので、補間式で外挿するより多項式で近似した方が実際の試料ドリフトとのずれが小さいと予想される。
一方、ステップ3では撮影前後の軌跡から撮影中の試料ドリフトを予測するので、補間式による内挿で撮影中の試料ドリフトを精度よく予測できると考えられる。どの近似関数を用いるかは試料ドリフトの軌跡と近似関数との平均二乗残差などを参照して選択する。
次に、近似関数101と近似関数102から各時刻における視野ずれ量Δx(t),Δy(t)を求める。求めた視野ずれ量Δx(t),Δy(t)を用いて保存画像から目的画像を作成する方法を、図7を用いて説明する。離散画像における各画素の強度をI(xn,yn)とする。xn,ynは整数である。各画素の撮影時刻tにおける視野ずれ量(Δx(t),Δy(t))だけ移動させた補正データを作成する。(Δx(t),Δy(t))は実数であるので、補間計算によって各画素の強度を求め、目的画像を作成する。それにより、像ボケや像歪みが大幅に低減された画像を得ることができた。また、このようにして作成した画像を用いて試料表面に形成されたパターン寸法を測定したところ、像ボケや像歪みに起因する数nmの誤差が低減された結果が得られた。
なお、近似関数101、近似関数102とも1次関数を用いた場合、図6に示すように、x方向のずれ量は保存画像をアファイン変換することで、y方向のずれ量は保存画像を拡大縮小することで、目的画像を作成することが出来る。
画像処理による歪補正はせず、近似関数と実際の試料ドリフトの差があった場合は再撮影するというフローを採用しても良い。撮影後に視野ずれ測定用画像を1枚撮影し、視野ずれ量が許容範囲内か否かのチェックし、範囲外であれば再撮影する(図4)。また、範囲内の画像は歪補正を実行せず、範囲外の画像のみに歪補正を施すと言うフローにしても良い。イメージシフトによる撮影中のドリフト補正は実行せず、画像処理による撮影後のドリフト補正のみを実行しても良い。
上記フローの設定及び近似関数の設定を行う画面を図1A〜図1Cに示す。図1Aのメイン画面には各時刻で測定された視野ずれ量、イメージシフトによる補正量つまり試料ドリフトの軌跡と近似関数を表示するグラフと、補正条件や近似関数を設定するサブウィンドウを開くための設定ボタン、ドリフト補正の開始を指示する開始ボタンと途中終了を指示する終了ボタンが配置されている。
設定ボタンをクリックすると各ボタンに対応するサブ画面が表示される(図1B)。補正条件設定ボタンをクリックすると撮影前、撮影後のドリフト補正数と補正間隔、撮影時間と補正間隔を入力する画面が表示される。撮影中の補正間隔の単位は時間に設定することも距離に設定することも可能である。近似関数設定では試料ドリフトの軌跡を近似する関数を指定する。近似方法をクリックすると使用可能な近似方式が表示されるので、指定する方式までドラッグ&ドロップするとその方式が選択される。
そして、選択した近似方式のパラメータ設定をするサブ画面が表示される(図1C)。必要なパラメータ設定し、サブ画面を閉じる。スムージングをクリックするとスムージングのパラメータ設定をするサブ画面が表示されるので、必要なパラメータ設定をし、サブ画面を閉じる。
撮影終了条件設定では、まず、再撮影の要不要を自動で判断するか手動で判断するかを選択する(図1B)。自動を選択した場合、視野ずれ許容範囲と測定繰り返し上限を入力する。視野ずれ許容範囲は固定値に設定しても良いし、視野ずれ量の3σ、試料ドリフトの軌跡に対する近似関数の2乗残差など、試料によって変化する基準に設定することもできる。視野ずれ許容範囲以下であれ再補正の必要なしとして次のステップ(S3−2)に進み、許容範囲以上であれば撮影前のドリフト測定(S1−2)からやり直す(図4)。
全画像保存がオフになっており、かつ繰り返し上限数が2以上の場合、撮影後の試料ドリフトの軌跡を測定して近似関数102を求めるのは最後の回のみとし、それ以外は補正数を1回にして視野ずれ量が許容範囲か否かの判断のみ行う。最後の回において、試料ずれ量が歪補正適用範囲以上の場合、補正条件設定で指定された補正数と補正間隔で撮影後の試料ドリフトの軌跡を測定し、画像処理による歪補正を実行する。歪補正適用範囲を無限大に設定した場合は全ての画像で歪補正を実施しない。
全画像保存がオンになっている場合、S2−1で撮影された画像は全て保存する。また、試料ずれ量が歪補正適用範囲以上の場合は撮影後の試料ドリフト軌跡測定をすべての回において行う。各保存画像撮影に対して画像処理による歪補正を行ない、複数の目的画像を得る。これらの画像から最も高精細な画像を選択しても良いし、これらの画像を積算することで更に高SNの画像を作成しても良い。
手動を選択した場合、視野ずれ補正許容範囲、測定繰り返し上限、歪補正適用範囲の設定は不能になる。撮影が終了すると撮影後の補正数と間隔で試料ドリフトの軌跡が測定されてメイン画面に表示される。そして再測定をするか否か、歪補正をするか否かを入力する画面が表示されるので、測定結果をみてユーザーが次の処理を入力する。
なお、ユーザーを一般ユーザーと管理者に分けて登録する場合、設定ボタンが表示されるのは管理者用画面のみとし、一般ユーザー用画面では非表示にしておいた方が良い。初心者が不適切なパラメータ設定をしてドリフト補正を誤動作させることを防ぐためである。また、管理者がレシピを作成し、一般ユーザーは指定されたレシピを読み出すようにしておいても良い。例えば、CT用の回転シリーズ像撮影とSTEMによるデバイス測長はどちらも高倍率で多数枚の画像を撮影するが、使用する試料フォルダの種類や試料ステージの移動手順も違う。各々の条件に合わせて試料ドリフト補正システムのパラメータを調整してレシピとして保存し、使用時に読み出せるようにしておく。
本実施例によれば、視野径が250nm×250nm程度の高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ないSTEM/SEM及びそれを用いた測定方法を提供することができる。
実施例2では実施例1と同じく図10の装置を用い、保存画像をFast scan方式で撮影する場合について述べる。なお、実施例1に記載され、本実施例に未記載の事項は実施例1と同様である。
図8にFast scan方式で保存画像を撮影する場合の試料ドリフト補正のフローを示す。保存画像撮影前に試料ドリフトの軌跡の近似関数をもとめるステップ(ステップ1)は実施例1とほぼ同じである。実施例2ではイメージシフトにて試料ドリフトを補正しながら保存画像を撮影する(ステップ2)際、所定枚数のFast scan像を積算したフレーム積算像を保存画像とする。ステップ3では、参照画像に対するこのフレーム積算像の視野ずれの軌跡を求める(S3−1)。
なお、ステップ2における試料ドリフト補正が実際の試料ドリフトとずれているためにフレーム積算像のボケが大きく、視野ずれ量が測定できない場合は撮影前の試料ドリフト測定(S1−2)からやり直す。撮影中の視野ずれの軌跡から視野ずれの近似関数103を求める(S3−2)際も、測定された軌跡に現れる高周波成分は視野ずれ測定誤差とみなし、演算にて低減させる。例えば軌跡に加算平均などのスムージング処理を施す。軌跡にローパスフィルタをかける。軌跡を適当な次数の多項式関数に近似しても良い。スムージングやフィルタ処理の後、多項式に近似するなど、複数の処理を実行しても良い。
得られた近似関数に基づいて、視野ずれを補正しながらフレーム積算像を積算し、目的画像を得る(S3−3)。それにより、像ボケや像歪みが大幅に低減された画像を得ることができた。また、このようにして作成した画像を用いて試料表面に形成されたパターン寸法を測定したところ、像ボケや像歪みに起因する数nmの誤差が低減された結果が得られた。
なお、ステップ1にて試料ドリフト速度が遅いという結果が得られた場合はステップ2で実施するイメージシフトによるドリフト補正を省略できる。さらに試料ドリフト速度が充分遅いと仮定できる場合はステップ1の試料ドリフト測定を省略することも可能である。
さらに、視野ずれを近似関数で記述することで図9A、図9Bに示す処理も可能になる。ステップ2で保存するフレーム積算像の積算枚数を減らし、できれば1枚にして第1のフレーム積算像を保存する。
第1のフレーム積算像は画像処理による視野ずれ測定困難なくらい低SNなので、第1のフレーム積算像を何枚か毎に積算し、視野ずれ測定可能なSNの第2のフレーム積算像を作成する。第2のフレーム積算像を用いて参照画像に対する視野ずれの軌跡を測定し、その近似関数103を求める。
近似関数103にはスプライン補間などの補間式が適している。視野ずれ測定誤差が大きい場合は多項式近似を用いてもよい。また、軌跡をスムージングした後スプライン補間や多項式近似を適用しても良い。軌跡と近似関数との平均2乗残差などを参照して近似方式を選択する。
求めた近似関数に基づいて第1のフレーム積算像間のずれを補正した第3のフレーム積算像を作成する。試料ドリフトによる像ボケが低減されるので、第3のフレーム積算像は第2のフレーム積算像よりもシャープになる。第3のフレーム積算像を用いた方が視野ずれ量測定の誤差が低減されるので、第3のフレーム積算像を用いて視野ずれの軌跡を再測定し、近似関数103を求める。この工程を近似関数103が収束するまで繰り返すことで、試料ドリフトによる像ボケを大幅に低減することができる。収束した近似関数103に基づいて、第3のフレーム積算像を、視野ずれを補正しながら積算することで目的画像を作成する。
最後に、試料ドリフト補正の実行に使用する表示画面の一例を図11A、図11Bに示す。この画面はステップ1及びステップ2における試料ドリフト補正は省略し、ステップ3の保存画像から試料ドリフトの影響を低減させた目的画像を作成する工程のみを実行する時に用いる画面である。図11Aのメイン画面には参照画像に対するフレーム積算像の視野ずれの軌跡と近似関数を表示するグラフと、撮影条件、近似関数及び補正条件を設定するサブウィンドウを開くための設定ボタン、撮影、補正の実行を命令するボタンが配置されている。
設定ボタンをクリックすると各ボタンに対応するサブ画面が表示される(図11B)。撮影条件設定ボタンをクリックすると第1のフレーム積算数、第1のフレーム積算像の枚数、保存先フォルダ、ファイル名を入力する画面が表示されるのでそれぞれの値を入力する。
撮影ボタンをクリックすると撮影が開始される。近似関数設定のサブウィンドウは実施例1と同じなので省略する。補正条件設定のボタンをクリックすると第2及び第3のフレーム積算数、図9A、図9Bで示した繰り返し補正の回数、補正後のファイルを保存するフォルダとファイル名を入力する画面が表示されるのでそれぞれの値を入力する。
第2のフレーム積算数は第1のフレーム積算数の倍数のみ入力可能である。また、第1のフレーム積算数と第2のフレーム積算数が同じ場合は繰り返し回数の入力は無効になる。補正ボタンをクリックすると第1のフレーム積算像から第2のフレーム積算像が作成され、参照画像に対する第2のフレーム積算像の視野ずれ量が測定され、視野ずれの軌跡が表示される。
第2のフレーム積算数が第1のフレーム積算数と同じ場合は、視野ずれの近似関数103に基づいて第2のフレーム積算像を、視野ずれを補正しながら積算した目的画像が作成される。第2のフレーム積算数が第1のフレーム積算数よりも大きく、かつ繰り返し回数が1回の場合は、視野ずれの近似関数103に基づいて第1のフレーム積算像を、視野ずれを補正しながら積算した目的画像が作成される。
繰り返し回数が2回以上の場合は、視野ずれの近似関数103に基づいて第1のフレーム積算像を、視野ずれを補正して積算した第3のフレーム画像が形成され、補正条件で指定されたフォルダに保存される。そして参照画像に対する第3のフレーム積算像の視野ずれ量が測定され、第2の視野ずれの軌跡がメイン画面に表示される。第2の軌跡から求めた第2の近似関数に基づいて第1のフレーム積算像を、視野ずれを補正しながら積算した目的画像が形成される。
繰り返し回数が3回以上の場合は第2の近似関数に基づいて第1のフレーム積算像を、視野ずれを補正して積算した第4のフレーム積算像が形成され、上記工程を繰り返す。第nの近似関数と第n−1の近似関数との平均二乗残差がメイン画面に表示されるので、残差が収束するように繰り返し回数nを最適化する。
本実施例によれば、視野径が250nm×250nm程度の高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ないSTEM/SEM及びそれを用いた測定方法を提供することができる。
実施例3では実施例1と同じく図10の装置を用い、ステップ2において、Slow scan方式で数ライン保存した後、Fast scanに切替えて参照画像に対する視野ずれ量を測定する。その後Slow scanに切替えて再び数ラインのデータを保存
するという工程を繰り返すことによって保存画像を得る場合について述べる。
この場合の試料ドリフト補正フローを図12に示す。保存画像撮影前に試料ドリフトの軌跡の近似関数をもとめるステップ(ステップ1)は実施例1とほぼ同じである。実施例3ではイメージシフトにて試料ドリフトを補正しながら保存画像を撮影する際、Slow scan方式で数ライン保存した(S2−1)後、Fast scanに切替えて参照画像に対する視野ずれ量を測定し、測定時刻とともに保存する(S3−1)。
その後Slow scanに切替えて再び数ラインのデータを保存するという工程を繰り返し、保存画像を撮影する。なお、ステップ2における試料ドリフト補正が実際の試料ドリフトとずれているために、保存画像撮影中の視野ずれが大きくなりすぎた場合は撮影前の試料ドリフト測定からやり直す(S1−2)。
保存画像の撮影が終了した後、視野ずれの近似関数103を求める(S3−2)。保存画像の各画素における撮影時間を近似関数に入力することで、視野ずれ量Δx(t),Δy(t)を求めることが出来る。保存画像から視野ずれを補正した目的画像を作成する方法は実施例1の図7にて説明したので省略する。それにより、像ボケや像歪みが大幅に低減された画像を得ることができた。また、このようにして作成した画像を用いて試料表面に形成されたパターン寸法を測定したところ、像ボケや像歪みに起因する数nmの誤差が低減された結果が得られた。
最後に、試料ドリフト補正の実行に使用する表示画面の一例を図13A、図13Bに示す。この画面はステップ1及びステップ2における試料ドリフト補正は省略し、ステップ3における試料ドリフトによる像歪低減のみを実行する時に用いる画面である。
図13Aのメイン画面には視野ずれの軌跡と近似関数を表示するグラフと、撮影条件、近似関数及び補正条件を設定するサブウィンドウを開くための設定ボタン、撮影、補正の実行を命令するボタンが配置されている。
設定ボタンをクリックすると各ボタンに対応するサブ画面が表示される(図13B)。撮影条件設定ボタンをクリックすると保存画像を撮影する際のライン数、保存画像のファイル名、視野ずれを保存するファイル名を入力する画面が表示されるのでそれぞれの値を入力する。撮影ボタンをクリックすると撮影が開始される。近似関数設定のサブウィンドウは実施例1と同じなので省略する。補正条件設定のボタンをクリックすると補正後の画像を保存するファイル名を入力する画面が表示されるので値を入力する。補正ボタンをクリックすると実施例1の図7で説明した補正が実行される。
視野ずれ量をそのまま補正量に変換する従来方式では、保存画像のライン撮影と視野ずれ測定の切り替えを頻繁に実行する必要があった。一度に撮影するライン数を増加させるとラインのつなぎ目が離散的なるからである。また、ライン撮影時刻と視野ずれ測定時刻にずれがあり、測定された視野ずれ量とライン撮影中の視野ずれ量に差異がある。これらの課題は近似関数で視野ずれを補正することで解決される。
撮影されたラインごとではなく画素毎のずれ量を求めることが出来るので、ラインのつなぎ目が離散的になることはない。視野ずれ量が測定された時刻とその画素が撮影された時刻の違いを考慮した補正が行える。
したがって、ライン撮影と視野ずれ測定の切り替え間隔を長くしても、試料ドリフトによる画像歪みを高精度に補正出来る。切り替え間隔を長くすると、視野ずれ補正に要する時間を大幅に短縮できるので、撮影のTATが大幅に向上する。
本実施例によれば、視野径が250nm×250nm程度の高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ないSTEM/SEM及びそれを用いた測定方法を提供することができる。
実施例4ではSEMにおける試料ドリフト補正を示す。本実施例で使用するウェハ対応SEMの基本構成図を図14に示す。1次電子線31を発生する電子銃11及び一次電子線31の加速電圧や引き出し電圧を制御する制御回路11’、1次電子線31の収束条件を調整する照射レンズ12−1、12−2及びその電流値を制御する制御回路12’、1次電子線31の拡がり角を制御するコンデンサ絞り13及びコンデンサ絞りの位置を制御する制御する制御回路13’、試料30に入射する1次電子線31の入射角度を調整する軸ずれ補正用偏向器14及びその電流値を制御する制御回路14’、試料30に入射する1次電子線31のビーム形状を調整するスティグメータ15及びその電流値を制御する制御回路15’、試料30に入射する1次電子線31の照射領域を調整するイメージシフト用偏向器16及びその電流値を制御する制御回路16’、試料30に入射する1次電子線31をラスター走査する走査用偏向器17およびその電流値を制御する制御回路17’、1次電子線31の試料30に対する焦点位置を調整する対物レンズ18およびその電流値を制御する制御回路18’、試料30の試料室内での位置を設定する試料ステージ19およびその位置を制御する制御回路19’、試料表面から出射する電子32を所定の方向へ偏向するE×B用偏向器27及びその電流値を制御する制御回路27’、偏向された電子線32が衝突する反射板28、反射板28から出射する電子線を検出する電子検出器20及びそのゲインやオフセットを制御する制御回路20’、レーザー光33を用いた試料高さセンサー34及びそれを制御する制御回路34’、SEM制御ソフトおよび画像処理ソフトを搭載した計算機29から構成される。なお、符号200は筐体を示す。
計算機29には複数の画像を記録する記録部29−1と、画像間の視野ずれ量を測定する計算部29−2と、視野ずれ補正に用いる近似関数を求める解析部29−3と、画像、計算結果及び解析結果を表示する表示部29−4が搭載されている。各制御回路は計算機29によってコマンド制御される。
実施例1のSTEM/SEMを比較し、E×B用偏向器27や反射板28によってSEM像のSNを増加させる、リターディング電極(図示せず)にて低加速でも高分解能な画像が得られるなど、装置構成に多少の違いはあるが、実施例1から3で示した試料ドリフト補正システムをそのまま適用することが可能である。それにより、像ボケや像歪みが大幅に低減された画像を得ることができた。また、このようにして作成した画像を用いて試料表面に形成されたパターン寸法を測定したところ、像ボケや像歪みに起因する数nmの誤差が低減された結果が得られた。
本実施例によれば、視野径が250nm×250nm程度の高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ない走査電子顕微鏡(SEM)及びそれを用いた測定方法を提供することができる。
実施例5ではTEMにおける試料ドリフト補正を示す。本実施の形態で用いるTEMの基本構成図を図15に示す。1次電子線31を発生する電子銃11及び1次電子線31の加速電圧や引出し電圧を制御する制御回路11’、1次電子線31の収束条件を調整する照射レンズ12−1、12−2及びその電流値を制御する制御回路12’、1次電子線31の拡がり角を制御するコンデンサ絞り13及びコンデンサ絞りの位置を制御する制御する制御回路13’、試料30に入射する1次電子線31の入射角度を調整する軸ずれ補正用偏向器14及びその電流値を制御する制御回路14’、試料30に入射する1次電子線31のビーム形状を調整するスティグメータ15及びその電流値を制御する制御回路15’、1次電子線31の試料30に対する焦点位置を調整する対物レンズ18およびその電流値を制御する制御回路18’、試料30の試料室内での位置を設定する試料ステージ19およびその位置を制御する制御回路19’、対物絞り24及びその制御回路24’、制限視野絞り25及びその制御回路25’、試料30を通過した透過電子線32を投影する投影レンズ21−1、21−2、21−3、21−4及びその電流値を制御する制御回路21’、透過電子線32の軸ずれを補正する軸ずれ補正用偏向器22−1、22−2及びその制御回路22’、透過電子線32を検出する電子検出カメラ26およびそのゲインやオフセットを制御する制御回路26’、制御ソフトおよび画像処理ソフトを搭載した計算機29から構成される。なお、符号200は筐体を示す。
計算機29には複数の画像を記録する記録部29−1と、画像間の視野ずれ量を測定する計算部29−2と、視野ずれ補正に用いる近似関数を求める解析部29−3と、画像、計算結果及び解析結果を表示する表示部29−4が搭載されている。各制御回路は計算機29によってコマンド制御される。
TEM像の撮影中に試料がドリフトすると、電子検出カメラ26で撮影される視野が徐々にずれるため、ドリフト方向にボケた画像が保存される。つまり、STEMのFast scan方式で撮影した場合と同様の現象が見られる(図2B)。試料ドリフトの影響を補正するためには、保存画像の撮影時間を複数に分割し、実施例2におけるフレーム積算像に相当する短時間積算画像を複数保存する。画像間の視野ずれを補正しながら短時間積算像を積算して目的画像を作成する。試料ドリフト補正のフローは図3のフレーム積算像を短時間画像に置き換えたものと同じである。それにより、像ボケや像歪みが大幅に低減された画像を得ることができた。また、このようにして作成した画像を用いて試料表面に形成されたパターン寸法を測定したところ、像ボケや像歪みに起因する数nmの誤差が低減された結果が得られた。
本実施例によれば、視野径が250nm×250nm程度の高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ない透過電子顕微鏡(TEM)及びそれを用いた測定方法を提供することができる。
実施例1から4で視野ずれ測定用画像と保存画像は同じ電子線で形成している例を示したが、入射電子線のラスター走査信号と検出器信号を同期させて画像を形成するSEM/STEMでは、試料ドリフト測定用の画像と保存画像を別の電子線で形成することも可能である。
例えばSTEM像を視野ずれ測定用画像とし、EDX像を保存画像とする。STEM像を視野ずれ測定用画像とし、EELS像を保存画像とする。SEMの反射電子線像を視野ずれ測定用画像とし、2次電子像を保存画像にする。
その他、多種の組み合わせが考えられる。保存画像に像SNの低い画像を保存画像とする場合、それよりも像SNの高い画像をドリフト測定用画像に設定したほうが良い。また、保存画像のSNが低く、ドリフト補正画像のSNが高い組み合わせに実施例2を適用する場合、保存画像である第1のフレーム積算像と、視野ずれ測定用画像から得られた視野ずれの軌跡を保存し、視野ずれ測定用画像は保存しないようにすることも可能である。これによって処理に必要なメモリを削減できる。撮影終了後に視野ずれの軌跡から求めた近似式に基づいて第1のフレーム積算像から目的画像を作成する。
さらにメモリを削減するために、第1のフレーム積算像と視野ずれの軌跡から目的画像を得る工程を複数回に分割しても良い。第1のフレーム積算像の枚数が一定以上になると、その期間に得られた視野ずれの軌跡から近似式を求めて目的画像を作成して保存し、第1のフレーム積算像はメモリから消去する。この工程を繰り返して複数の保存画像を得る。複数の保存画像を視野ずれ補正しながら積算することで高SNな目的画像を作成する。
それにより、像ボケや像歪みが大幅に低減された画像を得ることができた。また、このようにして作成した画像を用いて試料表面に形成されたパターン寸法を測定したところ、像ボケや像歪みに起因する数nmの誤差が低減された結果が得られた。
なお、EELS像撮影の場合、イメージシフトを大きく動かすとエネルギー損失電子分光器41に入射する電子線の位置がずれ、その結果、検出されるエネルギーの絶対値がずれという問題がある。この対策として、軸ずれ補正用偏向器21を用い、エネルギー損失電子分光器41に入射する電子線の位置ずれをイメージシフト16制御値に合わせて自動的に相殺する機能を設けておくと良い。
また、イメージシフトの稼動範囲を小領域に制限し、稼動範囲を超える場合は試料ステージでイメージシフトの移動を相殺するという機能を用いても良い。ピエゾステージを備えた装置ではイメージシフトを用いずにピエゾステージでドリフト補正を実施した方が良い。
また、実施例1から5では試料に入射する荷電粒子線として電子線を用いた場合の例を説明したが、集束イオンビームなど、他の荷電粒子先を入射て画像を形成する場合も同じドリフト補正システムが適用できる。
本実施例によれば、視野径が250nm×250nm程度の高倍率であっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ない荷電粒子線顕微鏡及びそれを用いた測定方法を提供することができる。また、試料ドリフト測定用の画像と保存画像を別の電子線で形成することで、保存画像がきわめて低SNであっても試料ドリフトの影響のない、又は極めて影響の少ない目的画像を得ることができる。
STEM、SEM、TEMなどの高分解能な顕微鏡に本発明を適用することにより、試料ドリフト補正の高精度化とTATの向上が図られる。試料ドリフト補正の性能が向上すると、画像のボケや歪が低減され、画像から得られる情報が増加する。電子顕微鏡によるナノデバイス、ナノ材料の計測、検査、解析の効率が大幅に向上し、それらの開発が加速される。
11…電子銃、11’…電子銃制御回路、12…照射レンズ、12’…照射レンズ制御回路、13…コンデンサ絞り、13’…コンデンサ絞り制御回路、14…軸ずれ補正用偏向器、14’…軸ずれ補正用偏向器制御回路、15…スティグメータ、15’…スティグメータ制御回路、16…イメージシフト用偏向器、16’…イメージシフト用偏向器制御回路、17…走査用偏向器、17’…走査用偏向器制御回路、18…対物レンズ、18’…対物レンズ制御回路、19…試料ステージ、19’…試料ステージ制御回路、20…投影レンズ、20’…投影レンズ制御回路、21…軸ずれ補正用偏向器、21’…軸ずれ補正用偏向器制御回路、22…電子検出器、22’…電子検出器制御回路、23…散乱角度制限絞り、23’…散乱角度制限絞り制御回路、24…対物絞り、24’…対物絞り制御回路、25…制限視野絞り、25’…制限視野絞り制御回路、26…電子線検出カメラ、26’…電子線検出カメラ制御回路、28…画像形成回路、29…制御ソフトおよび画像処理ソフトを搭載した計算機、29−1…記録部、29−2…計算部、29−3…複数の視野ずれから試料ドリフトによる視野ずれの補正に用いる近似関数を求める解析部、29−4…複数の視野ずれから求めた試料ドリフトの軌跡もしくは視野ずれの軌跡と視野ずれの近似関数を表示する表示部、30…試料、31…1次電子線、32−1…低角散乱電子、32−2…高角散乱電子、32−3…2次電子、32−4…弾性散乱透過電子線、32−5…非弾性散乱透過電子線、33…レーザー光、34…レーザー光33を用いた試料高さセンサー、34’…高さセンサー制御回路、40…エネルギー分散型X線分光器、40’…エネルギー分散型X線分光器制御回路、41…エネルギー損失電子分光器、41’…エネルギー損失電子分光器制御回路、101…撮影前の試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数、102…撮影前後の試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数、103…撮影中の視野ずれの軌跡から求めた近似関数、200…筐体。

Claims (13)

  1. 荷電粒子発生源及び前記荷電粒子発生源を制御する荷電粒子発生源制御回路と、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子が照射される試料を載せる試料ステージ及び前記試料ステージを制御する試料ステージ制御回路と、前記試料からの荷電粒子を検出する検出器及び前記検出器を制御する検出器制御回路と、前記各制御回路を制御する計算機と、前記計算機に接続された表示部とを有する荷電粒子線顕微鏡であって、
    前記計算機は、
    異なる時刻において、前記試料表面に形成された特定パターンからの荷電粒子を用いて作成される複数の画像を記録する記録部と、
    前記画像内の前記特定パターンを用いて、複数の前記画像間の視野ずれ量を求める計算部と、
    前記視野ずれ量から試料ドリフトによる視野ずれの補正に用いる近似関数を求める解析部と、
    を備えることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記表示部は、複数の前記画像間の視野ずれ量から求めた試料ドリフトの軌跡及び前記視野ずれの近似関数を表示するものであることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  3. 請求項1記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記表示部は、複数の前記画像間の視野ずれ量から求めた視野ずれの軌跡及び前記視野ずれの近似関数を表示するものであることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  4. 荷電粒子線顕微鏡を用いて試料表面の特定パターンに荷電粒子線を照射することにより得られる画像から前記特定パターンを計測する計測方法において、
    異なる時刻において、前記特定パターンを含む複数の画像を撮影する第1工程と、
    複数の前記画像間の視野ずれ量を求める第2工程と、
    複数の前記画像間の視野ずれ量から試料ドリフトによる視野ずれの補正に用いる近似関数を求める第3工程と、
    前記近似関数に基づいて前記視野ずれを相殺する第4工程と、を備えることを特徴とする計測方法。
  5. 請求項4記載の計測方法において、
    前記第3の工程は、近似関数を複数の候補から選択する工程を含むことを特徴とする計測方法。
  6. 荷電粒子発生源及び前記荷電粒子発生源を制御する荷電粒子発生源制御回路と、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子が照射される試料を載せる試料ステージ及び前記試料ステージを制御する試料ステージ制御回路と、前記試料からの荷電粒子を検出する検出器及び前記検出器を制御する検出器制御回路と、前記各制御回路を制御する計算機と、前記計算機に接続された表示部とを有する荷電粒子線顕微鏡であって、
    前記表示部は、
    前記試料からの荷電粒子に基づいて得られる撮影画像における視野ずれを補正する補正条件設定と、
    前記視野ずれの補正に用いる前記試料の試料ドリフトの軌跡を近似する近似関数の設定と、
    前記試料の撮影終了条件設定と、を行なえるものであることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  7. 請求項6記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記補正条件設定は、
    前記試料の保存画像撮影前の補正数と補正間隔、
    前記試料の保存画像撮影時間と補正間隔、
    前記試料の保存画像撮影後の補正数と補正間隔の少なくとも1つの設定であることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  8. 請求項6記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記近似関数設定は、前記試料の保存画像撮影前における前記試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数の設定であることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  9. 請求項8記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記近似関数が、1次関数の場合には補正係数、
    スプライン補間の場合には次数、が更に設定が行なえるものであることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  10. 請求項9記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記近似関数の設定は、前記試料の保存画像撮影前後における前記試料ドリフトの軌跡から求めた近似関数の設定であることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  11. 請求項10記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記近似関数が、1次関数の場合には補正係数、
    スプライン補間の場合には次数、の設定が更に行なえるものであることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  12. 請求項6記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記撮影終了条件設定は、再撮影の要不要を自動で判断するか手動で判断するかを選択する設定であることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
  13. 請求項12記載の荷電粒子線顕微鏡において、
    前記設定が自動の場合、視野ずれ許容範囲及び測定繰り返し上限の設定が更に行なえるものであることを特徴とする荷電粒子線顕微鏡。
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