JPWO2010140549A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、その駆動方法、及びこれらを含有する照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、その駆動方法、及びこれらを含有する照明装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、高輝度で、駆動電圧と発光効率及び消費電力に優れ、色温度を幅広く変化させることができる有機エレクトロルミネッセンス素子とその駆動方法及び照明装置を提供する。この有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を制御する制御機構を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記に示す1)から4)で規定する全ての要件を満足することを特徴とする。1)輝度が高くなるに従って、色温度が高くなる、2)発光層ユニットが発光波長の異なる2層以上の発光層から構成、3)最も陽極側の発光層の発光波長が最も短波長で、最も陰極側の発光層の発光波長が最も長波長、4)Δ色温度/Δ駆動電圧が300〜3000。

Description

本発明は、人が好ましく感じる輝度と色温度の関係を満足し、かつ駆動電圧が低く、高輝度が得られる有機エレクトロルミネッセンス素子とその駆動方法及びこれらを有する照明装置に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子を利用した照明装置は、その実用化の期待が近年ますます高まっている。照明装置に求められる重要な特性の1つに、Kruithofのカーブを満足することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この領域は人間の本能に基づき多くの人が好ましく感じる領域であり、この特性を有機エレクトロルミネッセンス素子の性能に変換すると、輝度が高いほど色温度が高く、しかもこの相関を任意に制御できることになる。一方、白色パネルにおいて、色度を変化させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。尚、色度は色温度に変換できるので、この特許文献1に記載されている方法では、発光色を幅広い色温度に制御できることを意味する。発光層を陽極側から青色、橙色の順番に積層し、パルス駆動を併用して発光させる方法である。しかしながら、実施例に記載されている具体的な方法では、発光効率や輝度の記載が一切無いので、Kruithofのカーブを満足するものであるか示唆すらできない。しかも、蛍光性発光材料を利用しており、駆動電圧が高く低発光効率なので実用化には不十分である。更に、同様な発光層の積層順が知られている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載されている方法も、蛍光性発光材料を用いる方法であり、低発光効率の問題を抱え、しかも目的効果がデバイスの保存時における色温度変化を抑制することであり、本発明とは目的効果が大きく異なる。また、無機発光材料を利用したLEDにおいて、色温度を改善する方法が開示されている(例えば、特許文献3及び4参照。)。
これら提案されているいずれの方法も、青色発光ダイオードを利用する技術であり、前者は輝度と色温度のばらつきを改善するものであり、本発明と目的効果が異なり、後者は色温度を黒体輻射上で変化させる方法である。これらは、いずれも点光源であり、面光源である有機エレクトロルミネッセンスデバイスに対して、輝度のばらつきが大きいことが問題になる。
従って、低駆動電圧かつ高効率にて、人が好ましく感じる輝度と色温度の関係を実現する技術が、未だ実現できていないのが現状である。
特開2000−243563号公報 特開2008−85363号公報 特開2002−134284号公報 特開2001−320094号公報
30 医療福祉研究 第2号 2006
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、人が好ましく感じる輝度と色温度の関係を満足し、かつ駆動電圧が低く、高輝度が得られる有機エレクトロルミネッセンス素子その駆動方法及びこれらを有する照明装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を制御する制御機構を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記に示す1)から4)で規定する全ての要件を満足することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
1)通電量の制御によって、輝度が高くなるに従って、色温度が高くなる特性を有すること、
2)発光層ユニットが、発光波長の異なる2層以上の発光層から構成されること、
3)最も陽極側の発光層の発光波長が最も短波長で、最も陰極側の発光層の発光波長が最も長波長であること、
4)有機エレクトロルミネッセンス素子のΔ色温度/Δ駆動電圧が、300以上、3,000以下であること、
2.下記に示す5)から7)で規定する全ての要件を満足することを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5)有機エレクトロルミネッセンス素子が、基板上に少なくとも陽極、正孔輸送層、発光層ユニット、電子輸送層、陰極を有すること、
6)有機エレクトロルミネッセンス素子の色温度が、2,000K以上、13,000K以下の範囲であること、
7)すべての発光層が、リン光発光型金属錯体ドーパントを含有すること。
3.前記発光層ユニットが、430〜480nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントA、500〜540nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントB、541〜560nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントC及び580〜640nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントDから選ばれる少なくとも2種を含有することを特徴とする前記2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記2層以上の発光層から構成される発光層ユニットは、最も陽極側の発光層が最大発光ピーク波長430〜480nmの青色リン光発光型金属錯体ドーパントを含有し、最も陰極側の発光層が、最大発光ピーク波長が500〜640nmの範囲内にある2種以上のリン光発光型ドーパントを含有することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記青色リン光発光型金属錯体ドーパントが、下記一般式(BD1)で示される化合物であることを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔式中、Rは置換基を表す。Zは5から7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。n1は0から5の整数を表す。BからBは、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。Mは元素周期表における8族から10族の金属を表す。XおよびXは、各々炭素原子、窒素原子または酸素原子を表し、LはXおよびXとともに2座の配位子を形成する原子群を表す。m1は1、2または3を表し、m2は0、1または2を表し、m1+m2は2または3である。〕
6.前記2層以上の発光層から構成される発光層ユニットは、共通の発光ホスト化合物を含有することを特徴とする前記1から5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記2層以上の発光層から構成される発光層ユニットの少なくとも1層は、異なる2種以上のリン光発光型金属錯体ドーパントを含有することを特徴とする前記1から6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記1から7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を間欠的にON/OFFするパルスにより駆動する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法であって、該パルスの振幅と幅の双方を可変、制御する機能を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法。
9.前記駆動するパルスの周波数が、60Hz以上であることを特徴とする前記8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法。
10.前記1から7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
11.前記8または9の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法により発光駆動させることを特徴とする照明装置。
本発明により、高輝度が実現され、駆動電圧と発光効率が改善され消費電力に優れ、かつ色温度を幅広く変化させることができる点が改善された有機エレクトロルミネッセンス素子とその駆動方法及びそれを用いた照明装置を提供することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法における駆動パルスの振幅(通電量)とパルス幅(通電時間)パターンの一例を示す図である。 輝度と色温度の関係を示す図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた照明装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を制御する制御機構を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記に示す1)から4)で規定する全ての要件を満足することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子により、高輝度ほど色温度が高くなる特性を備え、低駆動電圧にて、高輝度でかつ発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供でき、更に本発明の駆動方法により、任意の輝度において所望の色温度に調整することが可能になることを見出し、本発明に至った次第である。
1)通電量の制御によって、輝度が高くなるに従って、色温度が高くなる特性を有すること、
2)発光層ユニットが、発光波長の異なる2層以上の発光層から構成されること、
3)最も陽極側の発光層の発光波長が最も短波長で、最も陰極側の発光層の発光波長が最も長波長であること、
4)有機エレクトロルミネッセンス素子のΔ色温度/Δ駆動電圧が、300以上、3,000以下であること。
すなわち、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)は、発光層ユニットの積層順は最も陽極側の発光層の発光波長が最も短波で、最も陰極側の発光層の発光波長が最も長波であり、駆動電圧に対する色温度の変化巾が300から3,000であることを特徴とする。
以下、本発明の有機EL素子とその構成要素の詳細について説明をする。
《発光特性》
本発明の実施形態に従えば、照度が高いほど色温度が高くなる特性を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。すなわち、輝度が高いほど色温度が高くなる特性を備えていることが特徴である。この色温度の範囲は2,000Kから13,000Kである。蝋燭、マッチ、朝日や夕日は約2,000K、白熱灯は約2,800K、白色蛍光灯は約4,200K、そして晴天の日の正午の太陽光は約6,500Kと言われている。
なお、太陽光は大気中で短波光が吸収されているので、6,500Kは白ではなくやや黄色に感じられる。したがって、より高い色温度の光は、より白或いはやや青色に感じられ、最も色温度が高い具体例として晴天の日の青空を挙げることができ、10,000Kを超える。即ち、本発明においては、色温度の上限において実用性が高いと言える。
本発明の有機EL素子においては、Δ色温度/Δ駆動電圧が、300以上、3,000以下であることを特徴の1つとする。
すなわち、本発明の有機EL素子は、駆動電圧を低くすることができるので、従来知られている有機層構成よりも小さな駆動電圧の変化で、大きく色温度を変化させることができる。この特徴は、Kruithofのカーブの中で、人間が好ましく感じる領域を幅広く満足するために重要な特性である。
更には、駆動電圧を変化させるだけで、各人の好みに合った輝度と色温度に調整することが可能である。本発明の有機EL素子では、最低色温度Kl、最高色温度Kh、及び各々を発光させるために必要な駆動電圧Vl及びVhとしたとき、下式(1)に従って可変の容易性Xを示すことにする。
式(1)
X=(Kh−Kl)/(Vh−Vl)
例えば、前述の特許文献1(特開2000−243563号公報)に記載の実施例について、式(1)に従って計算すると、Xは約250になる。これでは色度を変化できる巾が小さく、輝度と色温度の関係を幅広く制御することは困難である。本発明の有機EL素子では、本発明に係る有機層の設計、及び本発明の駆動方法に係るパルス駆動の条件を最適化することにより、上記式(1)に従って計算した可変の容易性Xを、300以上、3,000以下の範囲に制御することができる。例えば、可変の容易性Xが3,000以上では、僅かな電圧変動に対して色度が変化しやすくなり、色温度制御が不安定になる。したがって、本発明の有機EL素子においては、上記範囲とすることにより、任意の輝度において所望の色温度を安定に制御することができる。
《有機エレクトロルミネッセンス素子の構成》
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、支持基板(基板)、電極、種々の機能を有する有機層等の構成要素によって構成される。好ましい構成の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(I)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(II)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(III)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(IV)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
また、発光層ユニット層と正孔輸送層の間に電子阻止層を設けると、陽極側に漏れる電子を発光層ユニット内にとどめることができるので、発光効率が高まることがある。
なお、上記の正孔輸送層、電子阻止層、正孔阻止層、電子輸送層及び下記中間層を総称して「キャリア制御層」という。また、「キャリア」とは電子及び正孔をいい、「キャリア輸送層」は、キャリア輸送材料からなる層であるが、p型又はn型半導体層から構成されることが好ましい。ここでいう「p型又はn型半導体層」とは、各々電子受容性化合物又は電子供与性化合物を含有し半導電性を示す有機層をいう。
また、「発光層ユニット」とは、2層以上の発光層を有する構成単位であって、最も陽極側の発光層から最も陰極側の発光層まで積層された有機積層体を指す。すなわち、各発光層は、異なる発光色の発光性化合物を含有する有機層からなる。なお、当該ユニットは、各発光層間に非発光性の中間層を有していても構わない。
当該発光層ユニットの代表例を以下に例示するが、これらの例に限定されない。
(i)発光層−1/発光層−2
(ii)発光層−1/中間層/発光層−2
(iii)発光層−1/正孔阻止層/発光層−2
(iv)発光層−1/電子阻止層/発光層−2
(v)発光層−1/発光層−2/発光層−3
(vi)発光層−1/中間層/発光層−2/中間層/発光層−3
(vii)発光層−1/中間層/発光層−2/正孔阻止層/発光層−3
(viii)発光層−1/電子阻止層/発光層−2/中間層/発光層−3
《発光層ユニット》
本発明に係る発光層ユニットは、上記のように複数の発光層を有する構成単位である。また、本発明に係る発光層は、電極、電子輸送層、又は正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に係る発光層ユニットは、発光色が異なる少なくとも2層以上の発光層から構成されるが、この構成は、白色を得る場合には必須の構成となる。本発明では、最も陽極側に配置する発光層の発光色が最も短波の発光色であって、最も陰極側に配置する発光層の発光色が最も長波となる。この積層順とすることにより、本発明で規定する色温度と輝度の最適の関係を実現することができる。特に、上記(i)、(v)に示した発光層の積層順とした場合に、極めて有効となる。これは、発光層間にキャリアの移動を大きく変化させる有機層がないからである。
本発明にて選択する異なる発光色とは、具体的には、下記の4区分からなる波長域の中から少なくとも2つ波長域の組み合わせとなる。(1)430〜480nm、(2)500〜540nm、(3)541〜560nm、(4)580〜640nm
特に好ましくは、上記波長域の(1)と(4)の組み合わせであって、更に(1)または(4)の波長を発光する発光層のいずれか一方に、異なる燐光性発光ドーパントが含有されることが好ましい。これは、取り出される発光色を調整しやすくするためであり、更には発光効率が高まる場合があるからである。
また、本発明に係る発光層の少なくとも1層には、発光色が異なる燐光性発光ドーパントを含有することが、発光効率が高めることができる観点から極めて好ましい。短波の発光色を発光するドーパント内で、励起されたエネルギーが消失される時に発生する光エネルギーが、より長波の発光色を発光するドーパントに遷移される。したがって、短波のドーパントを励起するために必要な通電量で、より長波の光を発光させることができる。特に、上記波長域の(2)または(3)の光を発光するドーパントと(4)の光を発光するドーパントの組み合わせが有効である。
次に、発光層に含まれるホスト化合物及び発光性ドーパント(以下、「発光ドーパント」、「発光性ドーパント化合物」ともいう。)について説明する。
〔ホスト化合物〕
本発明に係る有機EL素子の発光層に含まれるホスト化合物とは、その化合物上のキャリアの再結合によって生成した励起子のエネルギーを、発光性化合物(発光性ドーパント:ゲスト化合物)に移動し、その結果、当該発光性化合物を発光させる化合物、及び当該ホスト化合物上のキャリアを発光性化合物にトラップさせ、当該発光性化合物上で励起子を生成させ、その結果、当該発光性化合物を発光させる化合物をいう。したがって、ホスト化合物自体の発光能は低い程好ましい。例えば、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満、好ましくは0.01未満である化合物である。また、発光層に含有される化合物の中で、そのホスト化合物の比率は20質量%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光性ドーパントとして用いられるリン光性化合物等を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することが可能であり、照明、バックライトへの応用もできる。
本発明に係るホスト化合物としては、下記一般式(H1)で表される化合物が、好ましく用いられる化合物の一例として挙げられる。また、一般式(H1)で表される化合物は発光層の隣接層(例えば、正孔阻止層等)にも好ましく用いられる。
上記一般式(H1)において、Zは置換基を有していてもよい芳香族複素環を表し、Zは、各々置換基を有していてもよい芳香族複素環または芳香族炭化水素環を表し、Zは2価の連結基または単なる結合手を表す。R101は水素原子または置換基を表す。
また、本発明に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもいい。公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等が挙げられる。
なお、本発明においては、ホスト化合物の50質量%以上が、リン光発光エネルギーが2.9eV以上であり、且つ、ガラス転移温度(Tg)が、90℃以上の化合物が好ましく、更に好ましくは、100℃以上の化合物である。また、有機EL素子の保存性向上(耐久性向上ともいう)、発光層界面での化合物の分布のむらを低減させる観点から、発光層ユニットを構成する全ての発光層において、ホスト化合物の物理化学的特性が、同一または分子構造が同一であることが好ましい。
(ガラス転移温度:Tg)
本発明の有機エレクトロルミネセンス素子を構成する各層の有機化合物は、100℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する材料を、各々の層の少なくとも80質量%以上含有することが好ましい。
本発明でいうガラス転移温度(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。上記のような同一の物理的特性を有するホスト化合物を用いること、更に好ましくは、同一の分子構造を有するホスト化合物を用いることにより、有機EL素子の有機化合物層(有機層ともいう)全体に渡って均質な膜性状が得られ、更にまた、ホスト化合物のリン光発光エネルギーを2.9eV以上になるように調整することが、ドーパントからのエネルギー移動を効率的に抑制し、高輝度を得ることが出来る。
(リン光発光エネルギー)
本発明でいうリン光発光エネルギーとは、ホスト化合物を支持基板(単に基板でもよい。)上に100nmの蒸着膜のフォトルミネッセンスを測定した時、得られるリン光発光スペクトルの0−0遷移バンドのピークエネルギーをいう。
〈リン光発光の0−0遷移バンドの測定方法〉
まず、リン光スペクトルの測定方法について説明する。
測定するホスト化合物を、十分に脱酸素したエタノール/メタノール=4/1(体積比)の混合溶媒に溶かし、リン光測定用セルに入れた後、液体窒素温度77°Kで励起光を照射し、励起光照射後100msでの発光スペクトルを測定する。リン光は蛍光に比べ発光寿命が長いため、100ms後に残存する光はほぼリン光であると考えることができる。なお、リン光寿命が100msより短い化合物に対しては遅延時間を短くして測定しても構わないが、蛍光と区別できなくなるほど遅延時間を短く設定するとリン光と蛍光が分離できないので問題となるため、その分離が可能な最適の遅延時間を選択する必要がある。また、上記溶媒系で溶解できない化合物については、その化合物を溶解しうる任意の溶媒を使用してもよい。この場合、実質上、上記測定法ではリン光波長の溶媒効果はごくわずかなので問題はない。次に、0−0遷移バンドの求め方であるが、本発明においては、上記測定法で得られたリン光スペクトルチャートのなかで発光極大波長をもって0−0遷移バンドと定義する。リン光スペクトルは、通常、強度が弱いことが多いため、拡大するとノイズとピークの判別が難しくなるケースがある。このような場合には、励起光照射中の発光スペクトル(便宜上、これを定常光スペクトルと言う)を拡大し、励起光照射後100ms後の発光スペクトル(便宜上、これをリン光スペクトルと言う)と重ねあわせリン光スペクトルに由来する定常光スペクトル部分からリン光スペクトルのピーク波長を読みとることで決定することができる。また、リン光スペクトルをスムージング処理することで、ノイズとピークを分離してピーク波長を読みとることもできる。なお、スムージング処理としては、Savitzky&Golayの平滑化法等を適用することができる。
〔発光性ドーパント〕
本発明に係る発光性ドーパントとしては、蛍光性化合物、リン光性化合物(以下、「リン光発光性化合物」、「リン光発光体」、「リン光性ドーパント」ともいう)を用いることが出来るが、より発光効率の高い有機EL素子を得る観点からは、本発明の有機EL素子の発光層や発光ユニットに使用される発光性ドーパント(単に、「発光材料」ということもある)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、少なくとも1種のリン光発光体を含有することが好ましい。なお、蛍光発光体を併用する場合は、青色を選択することが好ましい。
(リン光性化合物:リン光発光体)
本発明に係るリン光性化合物は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は、種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るリン光発光体は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。リン光発光体の発光の原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光発光体に移動させることでリン光発光体からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光発光体がキャリアトラップとなり、リン光発光体上でキャリアの再結合が起こりリン光発光体からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、リン光発光体の励起状態のエネルギーは、ホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン発光体は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。本発明に係るリン光発光体としては、好ましくは元素の周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)または希土類錯体であり、中でも最も好ましいのは、イリジウム化合物である。本発明では、特に、赤色はイリジウム化合物から選択されることが好ましい。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
本発明において、リン光性化合物(リン光発光体)のうち、好ましく用いられる青色発光性化合物(ドーパント)としては、下記一般式(BD1)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(BD1)において、Rは置換基を表す。Zは5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。n1は0〜5の整数を表す。B〜Bは、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。Mは元素周期表における8族〜10族の金属を表す。XおよびXは、各々炭素原子、窒素原子または酸素原子を表し、LはXおよびXとともに2座の配位子を形成する原子群を表す。m1は1、2または3を表し、m2は0、1または2を表すが、m1+m2は2または3である。
一般式(BD1)で表されるリン光性化合物において、HOMO準位が−5.15〜−3.50eVかつLUMO準位が−1.25〜+1.00eVの範囲にある化合物が好ましい。特に、HOMO準位が−4.80〜−3.50eVであり、かつLUMO準位が−0.80〜+1.00eVである化合物が好ましい。
一般式(BD1)で表されるリン光性化合物において、Rで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素環基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。これらの置換基のうち、好ましいものはアルキル基もしくはアリール基である。
Zは5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。Zにより形成される5〜7員環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環及びチアゾール環等が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、ベンゼン環である。
〜Bは各々炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。これら5つの原子により形成される芳香族含窒素複素環としては単環が好ましい。例えば、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサジアゾール環及びチアジアゾー環ル等が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、ピラゾール環、イミダゾール環であり、さらに好ましくはイミダゾール環である。これらの環は上記の置換基によって更に置換されていてもよい。置換基として好ましいものはアルキル基およびアリール基である。置換基として好ましいものはアルキル基およびアリール基であり、さらに好ましくは、アリール基である。
は、X、Xと共に2座の配位子を形成する原子群を表す。X−L−Xで表される2座の配位子の具体例としては、例えば、置換または無置換のフェニルピリジン、フェニルピラゾール、フェニルイミダゾール、フェニルトリアゾール、フェニルテトラゾール、ピラザボル、ピコリン酸及びアセチルアセトン等が挙げられる。これらの基は上記の置換基によって更に置換されていてもよい。
m1は1、2または3を表し、m2は0、1または2を表すが、m1+m2は2または3である。中でも、m2が0である場合が好ましい。
で表される金属としては、元素周期表の8族〜10族の遷移金属元素(単に遷移金属ともいう)が用いられるが、中でも、イリジウム、白金が好ましく、さらに好ましくはイリジウムである。なお一般式(BD1)で表されるリン光性化合物は、重合性基または反応性基を有していてもよい。
以下に、一般式(BD1)で表されるリン光性化合物の具体的な例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
これらの金属錯体は、例えば、Organic Letter誌、vol3、No.16、2579〜2581頁(2001)、Inorganic Chemistry,第30巻、第8号、1685〜1687頁(1991年)、J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第40巻、第7号、1704〜1711頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第41巻、第12号、3055〜3066頁(2002年)、New Journal of Chemistry.,第26巻、1171頁(2002年)、European Journal of Organic Chemistry,第4巻、695〜709頁(2004年)、更にこれらの文献中に記載の参考文献等の方法を適用することにより合成できる。
リン光発光体として用いられる化合物のその他の具体例としては、特開2004−311410号公報の段落(0106)〜(0109)に記載された化合物が挙げられる。
《非発光性の中間層》
本発明においては、キャリア制御層として、非発光性の中間層を設けることが好ましい。非発光性の中間層の層厚としては、1.0〜15nmの範囲にあるのが好ましく、更には3〜10nmの範囲にあることが、隣接発光層間のエネルギー移動など相互作用を抑制し、且つ、素子の電流電圧特性に大きな負荷を与えないという観点から好ましい。
この非発光性の中間層に用いられる材料としては、発光層のホスト化合物と同一でも異なっていてもよいが、隣接する2つの発光層の少なくとも一方の発光層のホスト材料と同一であることが好ましい。
非発光性の中間層は、各発光層と共通の化合物(例えば、ホスト化合物等)を含有していてもよい。各々共通のホスト材料(ここで、共通ホスト材料が用いられるとは、リン光発光エネルギー、ガラス転移温度等の物理化学的特性が同一である場合やホスト化合物の分子構造が同一である場合等を示す。)を含有することにより、発光層−非発光層間の層間の注入障壁が低減され、電圧(電流)を変化させても正孔と電子の注入バランスが保ちやすいという効果を得ることができる。また、電圧(電流)をかけたときの色ずれが改善されるという効果が得られる。
更に、上記のように、共通ホスト材料の最低励起三重項エネルギー準位T1が、リン光発光体の最低励起三重項エネルギー準位T2よりも高い励起三重項エネルギーを有する材料を用いることで、発光層の三重項励起子を効果的に発光層内に閉じ込めるので高効率な素子を得られる。
また、青・緑・赤の3色の有機EL素子においては、各々の発光材料にリン光発光体を用いる場合、青色のリン光発光体の励起3重項エネルギーが一番大きくなるが、前記青色のリン光発光体よりも大きい励起3重項エネルギーを有するホスト材料を、発光層と非発光性の中間層とが共通のホスト材料として含んでいてもよい。
本発明の有機EL素子においては、ホスト材料はキャリアの輸送を担うため、キャリア輸送能を有する材料が好ましい。キャリア輸送能を表す物性値としてキャリア移動度が用いられるが、有機材料のキャリア移動度は、一般的に電界強度に依存性が見られる。電界強度依存性の高い材料は、正孔と電子注入・輸送バランスを崩しやすい為、中間層材料、ホスト材料は、移動度の電界強度依存性の少ない材料を用いることが好ましい。また、一方では、正孔や電子の注入バランスを最適に調整するためには、非発光性の中間層は、阻止層、即ち正孔阻止層、電子阻止層として機能することも好ましい態様として挙げられる。
《有機EL素子の層構成》
白色の光を取り出すために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成層である発光層は、青色、緑色、黄色、赤色に発光する発光色から任意に選択され、白色光を取り出す。
本発明では、異なる発光色を発光するドーパントを同一層中に複数種含有させると、更に本発明の効果が得られる。好ましくは、選択された発光色のうち、発光波長が近い発光性化合物が同一層に含有される。これによって、長波の発光性化合物へのエネルギー遷移が高まり、発光効率が向上する。
一例を示すと、青色−緑色−赤色から構成される場合、青色−緑色、又は緑色−赤色の少なくとも一方が同一層に含有される。青色−緑色−黄色−赤色から構成される場合、青色−緑色、緑色−黄色、黄色−赤色の少なくとも一種が同一層に含有され、より長波の発光性化合物を含有する発光色が同一層に含まれる場合が好ましい。具体的には、黄色−赤色、緑色−黄色である。更に、発光色が異なる複数の発光性化合物を含有する発光層が複数であることが好ましい。エネルギー遷移が有利な構成が複数ある方がより有利となる。また、発光色の異なる複数の発光性化合物のうち、より長波光の発光性化合物の体積濃度が4%以下であることが好ましい。長波の発光性化合物ほどイオン化ポテンシャルが小さく、HOMOのエネルギー準位が高い場合が多い。即ち、正孔を保持しやすく導電性が下がるため、含有率を低下することにより正孔保持が緩和され、導電性上有利となり、その結果、所望の輝度を得るための駆動電圧が低下し、消費電力が改善される。しかし、重要なのはHOMOのエネルギー準位と発光性化合物の構造である。例えば、本発明に係る一般式(BD1)で表される化合物のようなHOMOのエネルギー準位が高い青色発光性化合物を用いる場合は、この限りではない。HOMOのエネルギー準位が高い発光性化合物を含む発光層は、発光層の中で最も陰極側に配置することが好ましい。
HOMOのエネルギー準位が高い発光性化合物としては赤色発光性化合物である場合が多いが、例えば、白色となるために選択した発光色の中で、青色発光性化合物が最もHOMOのエネルギー準位が高い場合には、青色発光性化合物を含有する発光層を最も陰極側に配置することも可能であるが、本発明では最も発光波長が短い発光層が最も陽極に近く設置する。なお、同一発光層内に含有させる発光色が異なる発光性化合物は2種が好ましい。3種以上であると、蒸着条件のコントロールが困難になるからである。
(p型半導体層、n型半導体層)
本発明においては、p型又はn型半導体層が好ましく用いられる。ここで、p型又はn型半導体層とは、各々エレクトロンアクセプター、エレクトロンドナーを含有し、半導性を示す層をいう。
《エレクトロンアクセプター》
本発明でいうエレクトロンアクセプターとは、電子授与性化合物をいう。単体ではなく、ドーパントとしてホスト化合物と混合することにより有機層を形成することにより機能を発現させる。すなわち、エレクトロンアクセプターにより酸化されたホスト化合物がカチオンラジカル状態で存在することで、陽極側の層界面付近における正孔障壁が軽減され、正孔の供給密度が高まり、低電圧化効果が認められる。所謂、p型半導体層を形成する。したがって、当該エレクトロンアクセプターは、正孔輸送層に含有されることが好ましい。なお、エレクトロンアクセプターを含有する層は発光層でも構わない。この場合、ドーパントとしては、エレクトロンアクセプターと発光性化合物を含有することとなる。発光種は蛍光でもリン光でも構わない。
《エレクトロンドナー》
本発明でいうエレクトロンドナーとは、電子供与性化合物をいう。単体ではなく、ドーパントとしてホスト化合物と混合することにより有機層を形成することにより機能を発現させる。すなわち、エレクトロンドナーにより還元されたホスト化合物がアニオンラジカル状態で存在することで、陰極側の層界面付近における電子障壁が軽減され、電子の供給密度が高まり、低電圧化効果が認められる。所謂、n型半導体層を形成する。したがって、当該エレクトロンドナーは、電子輸送層に含有されることが好ましい。
なお、エレクトロンドナーを含有する層は、発光層であっても構わない。この場合、ドーパントとしては、エレクトロンドナーと発光性化合物を含有することとなる。発光種は蛍光でもリン光でも構わない。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、本発明では正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
本発明においては、正孔輸送層は、所謂p型半導体層であることが好ましい。低駆動電圧化に効果が認められ、キャリア(エレクトロン)アクセプターのドープにより、正孔密度を高め、高いHOMO準位を形成しホッピング伝導による正孔移動度を高めているためと解釈されている。
従来、ドープされる不純物の濃度については、正孔輸送層中において一律な濃度の検討がなされてきた。しかしながら、不純物の濃度が一律ではなく、局所的に変化させると、従来の低駆動電圧化に加えて、発光効率の向上効果が得られる。特に、平均アクセプター濃度よりも局所的に高濃度領域を設けた場合に、顕著な効果が得られる。僅かではあるが、駆動電圧の上昇傾向が認められたが、電力効率としては有利である。理由は定かではないが、アクセプター濃度が局所的に高くなると、固定電子数が増え、電子障壁が高くなるために、発光層内における電子や励起子の封じ込めがなされていると推測される。本発明において、正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も使用することができる。
本発明において、キャリア(エレクトロン)アクセプター材料としては、既知の材料を使用できる。例えば、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002), p.139)、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、特開2004−281371号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。また、特開2006−41020号公報に記載の一般式(1)〜(7)で表される化合物も好ましく用いられる。
上記正孔輸送材料やキャリア(エレクトロン)アクセプターは、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
材料の種類により特定はできないが、アクセプター含有平均体積濃度は0.1%〜30%であり、少なくとも該平均濃度よりも3%以上濃度が異なる領域が存在する。最高濃度と最低濃度の差は1%〜30%であるが、好ましくは1%〜20%。更に好ましくは、1%〜10%である。最高濃度領域の層厚比は1%〜50%であり、更に好ましくは2%から45%である。
層厚としては通常は1nm〜1μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。本発明の正孔輸送層と陰極側に隣接する有機層界面から5nm以内では、キャリア(エレクトロン)アクセプターの濃度は導電性を損なわない範囲で低いほど、連続駆動寿命の観点から好ましい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、本発明では電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
本発明においては、電子輸送層は所謂n型半導体層であることが好ましい。駆動電圧に効果が認められ、キャリア(エレクトロン)ドナーのドープにより、電子密度を高め、高いLUMO準位を形成しホッピング伝導による電子移動度を高めているためと解釈されている。
ドープされる不純物の濃度については、電子輸送層中において一律な濃度の検討のみがなされてきたが、不純物の濃度が一律ではなく、局所的に変化させると、従来の低駆動電圧化に加えて、発光効率の向上効果が認められる。特に、平均ドナー濃度よりも局所的に高濃度領域を設けた場合に、顕著な効果が得られる。僅かではあるが、駆動電圧の上昇傾向が認められたが、電力効率としては有利である。理由は定かではないが、ドナー濃度が局所的に高くなると、固定正孔数が増え、正孔障壁が高くなるために、発光層内における正孔や励起子の封じ込めがなされていると推測している。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送材料としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、既知のものを使用できる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。また、ホスト化合物に記載の一般式(H1)で表される化合物も好ましく適用できる。
本発明において、キャリアドナー材料としては、既知の材料を使用できる。例えば、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)などに記載されたものが挙げられる。また、特開2006−41020号公報に記載の一般式(8)〜(10)で表される化合物も好ましく用いられる。本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層をp性半導体層と併用することにより、低消費電力の素子を作製することが可能となる。
上記電子輸送材料やキャリア(エレクトロン)ドナーは、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
好ましいドナー蒸着条件材料の種類により特定できないが、ドナー含有平均体積濃度は5%〜95%であり、少なくとも最大濃度と最低濃度の差が、5%以上濃度が異なる領域が存在することが好ましい。最高濃度と最低濃度の差は20%〜90%であるが、好ましい最高濃度は15%〜95%。更に好ましくは、25%〜90%である。電子輸送層における最高濃度領域の膜厚比は1%〜50%であり、更に好ましくは2%から45%である。層厚としては通常は1nm〜1μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。
陽極側に隣接する有機層界面から電子輸送層の1/3の層厚における領域では、キャリアドナーの濃度は導電性を損なわない範囲で低いほど、連続駆動寿命の観点から好ましい。材料によって異なるが、5以下である場合が多い。本発明はドナー体積濃度が5%以上異なる領域が3つ以上あると、発光効率が更に向上する場合があり、その一例は連続的に変化する場合である。本発明で言う局所的とは、例えば、ドナー体積濃度が異なる1nm以上の膜厚構成を任意に組み合わせた場合を挙げることができる。この場合でも、ドナー体積濃度は、最大濃度と最低濃度の差は5%以上である。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
注入層は必要に応じて設け、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、前述した電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
阻止層は、上記の如く、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
本発明においては、正孔阻止層に含有される化合物の50質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化合物に対し、そのイオン化ポテンシャルが0.2eV以上大きいことが好ましい。本発明の正孔阻止層は、前記エレクトロンドナーを含有すると、電子密度が増加するので、更なる低電圧化のために好ましい。
なお、イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、例えば下記に示すような方法により求めることができる。
(1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用い、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)の小数点第2位を四捨五入した値としてイオン化ポテンシャルを求めることができる。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
(2)イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定する方法により求めることもできる。例えば、理研計器社製の低エネルギー電子分光装置「Model AC−1」を用いて、あるいは紫外光電子分光として知られている方法を好適に用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。本発明に好ましく用いられる電子阻止層は、前記正孔輸送層の材料である。更に前記エレクトロンアクセプターを含有すると更なる低電圧化の効果が得られる。
本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては好ましくは3nm〜100nmであり、更に好ましくは5nm〜30nmである。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に適用する支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等、種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)或いはアペル(商品名、三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
高バリア性フィルムとするため、樹脂フィルム表面に形成されるバリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など有機EL素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることができる。更に、バリア膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
〔バリア膜の形成方法〕
バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ処理法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ処理法によるものが、特に好ましい。不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板・フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここで、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
《封止》
本発明の有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と、電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に限定されない。具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウムおよびタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。更には、ポリマーフィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系などの熱および化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に、該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。
これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ処理法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることができる。封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相および液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体や、フッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。吸湿性化合物としては例えば金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等があげられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物および過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の封止膜あるいは封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に、封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式など湿式製膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であることが必須の要件である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《光取り出し及び/又は集光シート》
特に、バックライト用の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、通常、全方位に光が放射され視野角が変わっても明るさが変わらないような特性が望ましいが、使用形態によっては、正面輝度をより高くし、大きな視野角(斜め方向から観察する角度)においては輝度を低下させることが望ましい。そのために、有機エレクトロルミネッセンス素子の上に、放射角を制御する拡散板、プリズムシート等が組み合わされることが好ましい。
通常、基板(ガラス基板、樹脂基板など)から光を放射するような有機エレクトロルミネッセンス素子においては、発光層から放射された光の一部が基板と空気との界面において全反射を起こし、光を損失するという問題が発生する。この問題を解決するために、基板の表面にプリズムやレンズ状の加工を施す、もしくは基板の表面にプリズムシートやレンズシートを貼り付けることにより、全反射を抑制して光の取り出し効率を向上させる。
上記のような光取り出し及び/又は集光シートを用いた有機EL素子においては、正面輝度増幅率が高められているが、光取り出し及び/又は集光シートの種類を好ましく選択すれば、基板より外側に取り出される光は、全方位において輝度を高められ、かつ全方位いずれも均等の輝度にできる。
連続駆動等における寿命においては、一般的に青色が律速になるので、この様な光取りだし及び又は集光シートを用いた場合、有機エレクトロルミネッセンス素子においてより高寿命が可能となる。また、駆動電圧の制約となるのは、HOMOとLUMOのエネルギーギャップが最も大きい青色であるため、前記光取り出しを向上させた有機EL素子は、青色の正面輝度が少なくて済む設計となり、駆動電圧を下げることが可能となる。
即ち、青色発光層の膜厚が薄くでき、かつ駆動電圧が下げられるため、光取り出し及び/又は集光シートがない場合に比べ、高寿命が可能となり、この組み合わせにより、トータルで白色光を得るようにすることができる。
ここにおいて、光取り出し及び/又は集光シートによる正面輝度の増幅率は、分光放射輝度計(例えば、CS−1000(コニカミノルタセンシング社製))等を用い、正面からの発光輝度(2°視野角正面輝度)を、光取出し及び/又は集光シートがある状態ともたない状態で、発光面からの法線に分光放射輝度計の光軸が一致するようにして、必要な可視光波長範囲で測定、積算し比をとればよい。
《有機エレクトロルミネッセンス素子の発光、正面輝度、色度、色温度》
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子や、有機EL素子に適用する化合物の発光色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光色が白色とは、光が照射する場所を分光放射色彩照度計CL−200(コニカミノルタセンシング社製)で測定し、色温度が2,000Kから13,000Kの範囲を指す。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
まず適当な支持基板上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。更に層毎に異なる製膜法を適用してもよい。
製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
《パルス駆動》
一般に、照明光源としては、人間が本能的に好ましいと感じるKruithofカーブ〔照度(輝度)と色温度(色度)の関係〕の特定の領域を満足する特性が求められる。即ち、照度が低い領域では、色温度も低く、照度が高くなると色温度も高くという照度と色温度を相関する特性に設定することが重要である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法としては、有機エレクトロルミネッセンス素子を間欠的にON/OFFするパルスにより駆動する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法であって、該パルスの振幅と幅の双方を可変、制御する機能を有することを特徴とするとする駆動方法により、任意の輝度条件において、所望の色温度を得ることができたものである。すなわち、駆動パルスの振幅(通電量)とパルス幅(通電時間)を制御することによって、各輝度において、より色温度を高い方向に任意に制御でき、その結果、個人の好みに応じた調光を実現したものである。
本発明の駆動方法は、一定の通電量ではなく、通電量と通電時間を変化させる効果を示す。即ち、通電量を大きくすると色温度が高くなるが、輝度も高くなる。そこでPWM(Pulse Width Modulation)を導入して、1パルス中の通電時間を短くすると視覚上輝度が同じに感じるようにできる。このパルス駆動を組み合わせることによって、高輝度ほど色温度が上がり高効率な有機EL素子を、更に任意のKruithofカーブ領域に調整できるので、個人の好みに応じた(Only me)有機EL素子照明を提供することができた。
以下、図を用いて、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法について説明する。
図1は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法における駆動パルスの振幅(通電量)とパルス幅(通電時間)パターンの一例を示す図である。
また、図2は、輝度と色温度の関係を示す図である。
図1に示す様に、有機EL素子を駆動するパルスは有機EL素子を発光させるために順方向の電界を印加する振幅Pとその印加時間Pの双方を変化できるようにする。パルスの振幅Pを変えることで、図2に示す様に輝度と色温度の関係は実線上を移動する。この状態から、任意の輝度(色温度)からパルス幅Pを変えることで、色温度を変えることなく、輝度の調整、すなわち実線より下側の領域へ自由に制御することができる。Kruithofにより好ましい領域が点線より上側であるならば、実線と点線とで挟まれる領域でのみPとPを制御すればよい。
なお、有機EL素子はキャリア注入型デバイスなので、順方向は電流源で駆動するのが望ましく、更にOFF期間に有機層内に蓄積した電荷を引き抜き、確実に消灯させるために電圧源による0V以上の逆バイアスPを印加することが望ましい。
また、パルスの周波数は、低すぎるとちらつきとして感じてしまうため、60Hz以上、好ましくは100Hz以上であることが望ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《有機EL素子101の作製》
30mm×30mm、厚さ0.4mmのガラス基板上に、陽極としてITO(インジウムチンオキシド)を120nmで成膜してパターニングを行った後、このITO透明電極を有するガラス基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。このITO透明電極を有するガラス基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、m−MTDATA、NPD、TPB、DCM、Alq、アルミニウムのそれぞれを、有機EL素子101の作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼは、モリブデン製またはタングステン製抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
次いで、真空度4×10−4Paまで減圧した後、m−MTDATAの入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、m−MTDATAを蒸着速度0.2nm/秒で、ITO透明電極を有するガラス基板のITO電極側に蒸着し、100nmの正孔注入層を形成した。
次いで、同様にして、NPDを、上記正孔注入層上に蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、100nmの正孔輸送層を設けた。
次いで、同様にして、TPBを正孔輸送層上に蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、80nmの青色発光層(発光層1)を設けた。
次いで、同様にして、青色発光層上に20nmの橙色発光層(発光層2)を設けた。即ち、DCMを0.01nm/秒で蒸着し、同時にAlqを蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、Alqに対して蛍光性発光ドーパントDCMを5質量%ドープした。
次いで、同様にして、橙色発光層上にAlqを蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、100nmの電子輸送層を設けた。
最後にアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子101を作製した。
次いで、上記形成した蒸着面側をガラスケースで覆い、有機エレクトロルミネッセンス素子101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で封止を行った。図3に、照明装置である有機EL素子101の断面図を示す。図3において、105は陰極、106は有機EL層、107はITO透明電極、101はガラス基板を示す。尚、ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
《有機EL素子102〜109の作製》
上記有機EL素子101の作製において、構成層の材料種及び形成膜厚を表1に記載の様に変更した以外は同様にして、有機EL素子102〜109を作製した。
なお、有機EL素子102〜109で用いる発光性化合物は、全てリン光性化合物である。
また、上記有機EL素子101〜109の各発光層の形成に用いた各リン光発光型金属錯体ドーパントの最大ピーク発光波長(nm)は、以下の通りである。
Ir(ppy):520nm(500〜540nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントB)
Ir(pic):619nm(580〜640nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントD)
TPB:460nm(430〜480nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントA)
Fir(pic):460nm(430〜480nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントA)
BDI−5:475nm(430〜480nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントA)
BDI−20:470nm(430〜480nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントA)
BDI−23:460nm(430〜480nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントA)
DCM:650nm(比較例のリン光発光型金属錯体ドーパント)
なお、上記ドーパントの最大ピーク発光波長(nm)は、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)を用いて、上記作製した有機EL素子を印加し、1000cd/cmで発光させたときに得られる発光強度分布スペクトルから求めた。
《表示素子の評価》
〔色温度の輝度依存性の評価〕
各有機EL素子の駆動電圧を変化させて、輝度と色温度との関係が、図2に記載の比例関係を示す場合を「○」とし、逆に反比例の関係を示す場合を「×」と判定した。
〔照度の測定〕
各有機EL素子について、直流で駆動電圧を変化させ、コニカミノルタセンシング社製の色彩照度計CL−200を用いて照度をモニターし、照度10(lx)を最小照度と定義し、次いで、駆動電圧を高めて照度を変化させ、照度の上昇が止まり一定値となったときの照度を最高照度として求めた。
〔色温度の測定〕
上記照度の測定と同様にして、コニカミノルタセンシング社製の色彩照度計CL−200を用いて、最小照度(10(lx))における色温度を、色温度の最小値とし、また最大照度における色温度を色温度の最大値として求めた。
〔駆動電圧の測定〕
上記照度の測定において、10(lx)の照度を得るのに要する駆動電圧を、駆動電圧の最小値(V)とし、照度の最大値を得るのに要する駆動電圧を、駆動電圧の最大値(V)として求めた。
〔可変の容易性Xの算出〕
上記測定した色温度の最大値と最小値の差ΔKと、駆動電圧の最大値と最小値との差ΔVを算出し、ΔK/ΔVにより、可変の容易性Xを求めた。
以上により得られた結果を、表2に示す。
表2に記載の結果より明らかな様に、比較例である有機EL素子101は輝度が低く、発光させるための駆動電圧が高いので、ΔK/ΔVが低い値となっている。発光性化合物を全て燐光性ドーパントに変更し、非発光層の膜厚を調整した有機EL素子102は、最低色温度を2,000Kまで下げることができ、高輝度かつ低電圧に改善されるため、ΔK/ΔVとして、高い値を得ることができた。以下、本発明の実施形態に順次変更した有機EL素子103〜108は、更に高輝度で、かつ低駆動電圧となるため効率が飛躍的に向上することが分かる。よってΔK/ΔVも次第に高くなる。一方、有機EL素子107と同じ有機層構成において、発光層の順番を交換し本発明外の構成にした有機EL素子109は、効率や電圧は同様に大きく改善されるが、輝度に応じて変化する色温度の方向が逆になり、好ましくないことが分かった。
また、本発明の有機EL素子においては、全ての発色層を、それぞれ1種のドーパントで構成した有機EL素子102、103に対し、2種のドーパントを併用して形成した発光層(発光層2)を有する有機EL素子104〜108では、更に低駆動電圧となるため、より効率が向上することが分かる。
実施例2
実施例1で作製した有機EL素子107を使用して、本発明のパルス駆動方法の効果について評価した。
有機EL素子107を常法に従って駆動させ、可変電流電源Pとパルス幅Pをそれぞれ表3のように設定して、その時の輝度及び色温度を測定した。なお、パルスの周波数は100Hz(繰返し周期=10ms)とした。色温度及び輝度は、コニカミノルタセンシング社製の色彩輝度計CS−200を用いて測定した。
表3に記載の結果より明らかな様に、可変電流電源Pとパルス幅Pを可変することにより、任意の輝度及び色温度に制御することができることが分かる。
101 ガラス基板
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 ITO透明電極
108 窒素ガス
109 捕水剤

Claims (11)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を制御する制御機構を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記に示す1)から4)で規定する全ての要件を満足することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    1)通電量の制御によって、輝度が高くなるに従って、色温度が高くなる特性を有すること、
    2)発光層ユニットが、発光波長の異なる2層以上の発光層から構成されること、
    3)最も陽極側の発光層の発光波長が最も短波長で、最も陰極側の発光層の発光波長が最も長波長であること、
    4)有機エレクトロルミネッセンス素子のΔ色温度/Δ駆動電圧が、300以上、3,000以下であること、
  2. 下記に示す5)から7)で規定する全ての要件を満足することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    5)有機エレクトロルミネッセンス素子が、基板上に少なくとも陽極、正孔輸送層、発光層ユニット、電子輸送層、陰極を有すること、
    6)有機エレクトロルミネッセンス素子の色温度が、2,000K以上、13,000K以下の範囲であること、
    7)すべての発光層が、リン光発光型金属錯体ドーパントを含有すること。
  3. 前記発光層ユニットが、430〜480nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントA、500〜540nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントB、541〜560nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントC及び580〜640nmに最大ピーク波長を有するリン光発光型金属錯体ドーパントDから選ばれる少なくとも2種を含有することを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記2層以上の発光層から構成される発光層ユニットは、最も陽極側の発光層が最大発光ピーク波長430〜480nmの青色リン光発光型金属錯体ドーパントを含有し、最も陰極側の発光層が、最大発光ピーク波長が500〜640nmの範囲内にある2種以上のリン光発光型ドーパントを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記青色リン光発光型金属錯体ドーパントが、下記一般式(BD1)で示される化合物であることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

    〔式中、Rは置換基を表す。Zは5から7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。n1は0から5の整数を表す。BからBは、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。Mは元素周期表における8族から10族の金属を表す。XおよびXは、各々炭素原子、窒素原子または酸素原子を表し、LはXおよびXとともに2座の配位子を形成する原子群を表す。m1は1、2または3を表し、m2は0、1または2を表し、m1+m2は2または3である。〕
  6. 前記2層以上の発光層から構成される発光層ユニットは、共通の発光ホスト化合物を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記2層以上の発光層から構成される発光層ユニットの少なくとも1層は、異なる2種以上のリン光発光型金属錯体ドーパントを含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を間欠的にON/OFFするパルスにより駆動する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法であって、該パルスの振幅と幅の双方を可変、制御する機能を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法。
  9. 前記駆動するパルスの周波数が、60Hz以上であることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
  11. 請求項8または9の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法により発光駆動させることを特徴とする照明装置。
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