JP6367386B2 - 発光素子、照明装置、発光装置、表示装置、電子機器 - Google Patents

発光素子、照明装置、発光装置、表示装置、電子機器 Download PDF

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崇浩 石曽根
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Description

本発明は、有機化合物を発光物質として用いた発光素子、表示装置、発光装置、電子機器
及び照明装置に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を
利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、
一対の電極間に発光物質を含む層(EL層)を挟んだものである。この素子に電圧を印加
することにより、発光物質からの発光を得ることができる。
このような発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く
、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好
適であると考えられている。また、このような発光素子を用いたディスプレイは、薄型軽
量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つ
である。
これらの発光素子は発光層を膜状に形成することが可能であるため、面状に発光を得るこ
とができる。よって、大面積の素子を容易に形成することができる。このことは、白熱電
球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であ
るため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
発光物質に有機化合物を用い、一対の電極間に当該EL層を設けた有機EL素子の場合、
一対の電極間に電圧を印加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)が
それぞれ発光性のEL層に注入され、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が
再結合することによって発光性の有機化合物が励起状態となり、励起された発光性の有機
化合物から発光を得ることができる。
有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態があり
、一重項励起状態(S)からの発光が蛍光、三重項励起状態(T)からの発光がりん
光と呼ばれている。また、当該発光素子におけるその統計的な生成比率は、S:T
1:3であると考えられている。
一重項励起状態から発光する化合物(以下、蛍光性化合物と称す)では室温において、通
常、三重項励起状態からの発光(りん光)は観測されず、一重項励起状態からの発光(蛍
光)のみが観測される。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子における内部量子効
率(注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、S:T
1:3であることを根拠に25%とされている。
一方、三重項励起状態から発光する化合物(以下、りん光性化合物と称す)を用いれば、
三重項励起状態からの発光(りん光)が観測される。また、りん光性化合物は項間交差(
一重項励起状態から三重項励起状態へ移ること)が起こりやすいため、内部量子効率は1
00%まで理論上は可能となる。つまり、蛍光性化合物より高い発光効率が実現可能とな
る。このような理由から、高効率な発光素子を実現するために、りん光性化合物を用いた
発光素子の開発が近年盛んに行われている。
特許文献1では、複数の発光ドーパントを含む発光領域を有し、当該発光ドーパントがり
ん光を発する白色発光素子が開示されている。
特表2004−522276号公報
理論的に内部量子効率100%が可能なりん光性化合物ではあるが、素子構造や、他の材
料との組み合わせの最適化無しでは、高い効率を実現することは難しい。特に、異なるバ
ンド(発光色)のりん光性化合物を発光ドーパントとし複数種類用いる発光素子において
は、エネルギー移動を考慮するのはもちろんのこと、当該エネルギー移動自体の効率を最
適化せずには高い効率の発光を得ることは困難である。実際、上記特許文献1では、発光
ドーパントがすべてりん光の素子であってもその外部量子効率は3〜4%程度である。こ
れは、光取り出し効率を考慮したとしても、内部量子効率は20%以下であると考えられ
、りん光発光素子としては低い値であると言わざるを得ない。
また、発光効率を高めるだけでなく、異なる発光色のドーパントを用いた多色発光素子に
おいては、各発光色のドーパントがバランス良く発光することが必要である。高い発光効
率を達成しつつ、各ドーパントの発光バランスをも保つのは、容易なことではない。
そこで、本発明の一態様では、複数の発光ドーパントを用いた発光素子において、発光効
率が高い発光素子を提供することを目的とする。また、本発明の一態様は、上述の発光素
子を用いることにより、消費電力の低減された発光装置、表示装置、電子機器、及び照明
装置を各々提供することを目的とする。
本発明は上述の課題のうちいずれか一を解決すればよいものとする。
本発明では、分子間のエネルギー移動機構の一つであるフェルスター機構に注目し、エネ
ルギーを与える側の分子の発光スペクトルの山と、エネルギーを受け取る側の分子の吸収
スペクトルに波長の4乗を掛け合わせた特性曲線における最も長波長側の極大を有する山
とが重なりあうような分子の組み合わせを適用することによって上記フェルスター機構に
おけるエネルギー移動を効率よく可能とする。ここで、上記エネルギー移動は、一般的な
ホストからドーパントへのエネルギー移動ではなく、ドーパント間でのエネルギー移動で
あることが特徴の一つである。このように、ドーパント間でのエネルギー移動効率が高く
なるような組み合わせのドーパントを適用し、さらには各ドーパント分子間を適切に隔離
する素子構造を設計することで、本発明の一態様の発光素子を得ることができる。
すなわち、本発明の一態様は、一対の電極間に、第1のりん光性化合物が、第1のホスト
材料に分散された第1の発光層と、第1のりん光性化合物よりも長波長の発光を呈する第
2のりん光性化合物が、第2のホスト材料に分散された第2の発光層と、を含み、第2の
りん光性化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位置する極大値の波長が
第1のりん光性化合物のりん光発光スペクトルF(λ)と重なる発光素子である。(ただ
し、ε(λ)は各りん光性化合物のモル吸光係数を表し、波長λの関数。)
また、本発明の他の一態様は、一対の電極間に、第1のりん光性化合物が、第1のホスト
材料に分散された第1の発光層と、第1のりん光性化合物よりも長波長の発光を呈する第
2のりん光性化合物が、第2のホスト材料に分散された第2の発光層と、を含み、第1の
りん光性化合物におけるりん光発光スペクトルの最大値が含まれる山と、第2のりん光性
化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位置する極大値が含まれる山とが
重なり合う発光素子である。(ただし、ε(λ)は各りん光性化合物のモル吸光係数を表
し、波長λの関数。)
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、第1の発光層はさらに、第1の有機化
合物を含み、第1のホスト材料と第1の有機化合物は励起錯体を形成し、第1のりん光性
化合物の発光が励起錯体の発光より長波長である発光素子である。
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、励起錯体の発光スペクトルと、第1の
りん光性化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位置する極大値の波長が
重なる発光素子である。(ただし、ε(λ)は各りん光性化合物のモル吸光係数を表し、
波長λの関数。)
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、励起錯体の発光スペクトルの最大値が
含まれる山と、第1のりん光性化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位
置する極大値が含まれる山とが重なり合う発光素子である。(ただし、ε(λ)は各りん
光性化合物のモル吸光係数を表し、波長λの関数。)
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、第1のりん光性化合物は、500nm
乃至600nmの範囲にりん光の発光ピークを有し、第2のりん光性化合物は、600n
m乃至700nmの範囲にりん光の発光ピークを有する発光素子である。
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、電子と正孔の再結合領域が第1の発光
層である発光素子である。
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、第1の発光層が第2の発光層より陽極
側に位置しており、少なくとも第2の発光層は正孔輸送性よりも電子輸送性が高い発光素
子である。
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、第1の発光層が第2の発光層より陽極
側に位置しており、第1のホスト材料及び第2のホスト材料が共に電子輸送性を有する発
光素子である。なお、電子輸送性を有する材料としては正孔輸送性よりも電子輸送性が高
い材料が好ましい
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、第1の発光層が第2の発光層より陰極
側に位置しており、少なくとも第2の発光層は電子輸送性よりも正孔輸送性が高い発光素
子である。
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、第1の発光層が第2の発光層より陰極
側に位置しており、第1のホスト材料及び第2のホスト材料が共に正孔輸送性を有する発
光素子である。なお、正孔輸送性を有する材料としては電子輸送性よりも正孔輸送性が高
い材料が好ましい。
また、本発明の他の一態様は、上記構成において、第1の発光層及び第2の発光層は互い
に接して積層されている発光素子である。
また、本発明の他の一態様は、上記構成を有する発光素子を備えた発光装置、発光表示装
置、電子機器及び照明装置である。
なお、本明細書中における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスを含む。ま
た、発光素子にコネクター、例えば異方導電性フィルム、もしくはTCP(Tape C
arrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配
線板が設けられたモジュール、又は発光素子にCOG(Chip On Glass)方
式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする
。さらに、照明器具等に用いられる発光装置も含むものとする。
本発明の一態様は、発光効率が高い発光素子を提供できる。本発明の一態様は、該発光素
子を用いることにより、消費電力の低減された発光装置、発光表示装置、電子機器、及び
照明装置を提供できる。
発光素子の概念図。 発光層のエネルギー移動を表す図 フェルスター移動を説明する図。 アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 パッシブマトリクス型発光装置の概念図。 アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 照明装置の概念図。 電子機器を表す図。 電子機器を表す図。 照明装置を表す図。 照明装置および表示装置を表す図。 車載表示装置及び照明装置を表す図。 電子機器を表す図。 発光素子1の輝度−電流効率特性。 発光素子1の電圧−輝度特性。 発光素子1の輝度−外部量子効率特性。 発光素子1の輝度−パワー効率特性。 発光素子1の発光スペクトル。 発光素子1のフェルスター移動を説明する図。 発光素子1のフェルスター移動を説明する図。 発光素子1のフェルスター移動を説明する図。 2mDBTPDBq−II、PCBA1BP及びそれらの混合膜のPLスペクトル。 発光素子2の輝度−電流効率特性。 発光素子2の電圧−輝度特性。 発光素子2の輝度−外部量子効率特性。 発光素子2の輝度−パワー効率特性。 発光素子2の発光スペクトル。 発光素子2の信頼性試験結果を表す図。 発光素子3の輝度−電流効率特性。 発光素子3の電圧−輝度特性。 発光素子3の輝度−外部量子効率特性。 発光素子3の輝度−パワー効率特性。 発光素子3の発光スペクトル。 発光素子4の輝度−電流効率特性。 発光素子4の電圧−輝度特性。 発光素子4の輝度−外部量子効率特性。 発光素子4の輝度−パワー効率特性。 発光素子4の発光スペクトル。 発光素子5の輝度−電流効率特性。 発光素子5の電圧−輝度特性。 発光素子5の輝度−外部量子効率特性。 発光素子5の輝度−パワー効率特性。 発光素子5の発光スペクトル。 発光素子4のフェルスター移動を説明する図。 発光素子4のフェルスター移動を説明する図。 発光素子5のフェルスター移動を説明する図。 発光素子5のフェルスター移動を説明する図。 発光素子5のフェルスター移動を説明する図。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の
説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を
様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す
実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の一態様の発光素子の動作原理について説明する。本発明の主旨は、第1の
りん光性化合物と、該第1のりん光性化合物よりも長波長の発光を示す第2のりん光性化
合物を用い、第1のりん光性化合物及び第2のりん光性化合物の両方を効率良く発光させ
ることにより、高効率な多色発光素子を得るというものである。
りん光性化合物を用いた多色発光素子を得る一般的な手法としては、何らかのホスト材
料中に、異なる発光色の複数のりん光性化合物を適当な比率で分散する手法が考えられる
。しかしながらこのような手法の場合、最も長波長の発光を示すりん光性化合物が発光し
やすくなってしまうため、多色発光を得るための素子構造(特にホスト材料中の各りん光
性化合物の濃度)の設計・制御は非常に困難である。
多色発光素子を得る他の手法として、異なる発光色の発光素子を直列に積層する、いわゆ
るタンデム構造が挙げられる。例えば、青色発光素子と、緑色発光素子と、赤色発光素子
の3つを直列に積層して同時に発光させれば、容易に多色光(この場合白色光)が得られ
る。素子構造も、青、緑、赤色の各素子をそれぞれに最適化すればよいので、その設計・
制御は比較的容易である。しかしながら、3つの素子を積層するため、層数は増大し、作
製は煩雑となる。また、各素子の接続部(いわゆる中間層)での電気的接触に問題が生じ
ると、駆動電圧の増大、すなわち電力ロスを招いてしまう場合がある。
一方、本発明の一態様の発光素子は、一対の電極間に、第1のりん光性化合物が第1のホ
スト材料に分散された第1の発光層と、第1のりん光性化合物よりも長波長の発光を呈す
る第2のりん光性化合物が第2のホスト材料に分散された第2の発光層とが積層された発
光素子である。この時、第1の発光層及び第2の発光層は、タンデム構造とは異なり、互
いに接して設けられていても良い。
図1に、上述した本発明の一態様の発光素子の素子構造を模式的に示す。図1(C)には
第1の電極101、第2の電極102、EL層103が記載されている。EL層103に
は少なくとも発光層113が設けられており、その他の層については適宜設ければよい。
図1(C)においては、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層114及び電
子注入層115が設けられている構成を仮に示してある。なお、第1の電極101は陽極
として機能し、第2の電極102は陰極として機能するものとする。
また、図1(a)、(b)は、当該発光素子における発光層113を拡大して示した図
である。図1(a)、(b)には第1の発光層113a、第2の発光層113b、当該2
層を合わせた発光層113、第1のりん光性化合物113Da、第2のりん光性化合物1
13Db、第1のホスト材料113Ha、第2のホスト材料113Hbが示されている。
なお、図1(b)は、第1の発光層113aにさらに第1の有機化合物113Aが含まれ
ている場合の模式図である。いずれの場合においても、各りん光性化合物(第1及び第2
のりん光性化合物)はホスト材料中に分散されているため、各りん光性化合物は各ホスト
材料によって互いに隔離されている。なお、第1及び第2の各ホスト材料は、同一であっ
ても異なっていても良い。また、第1の発光層113a及び第2の発光層113bはその
どちらが陽極側であっても、陰極側であってもよい。
この場合、各りん光性化合物間において、電子交換相互作用(いわゆるデクスター機構)
によるエネルギー移動は抑制される。すなわち、第1のりん光性化合物113Daが励起
された後、その励起エネルギーがデクスター機構により第2のりん光性化合物113Db
へ移動する現象を防ぐことができる。したがって、最も長波長の発光を示す第2のりん光
性化合物113Dbが主として発光してしまう現象を抑制することができる。なお、第2
の発光層113bにて直接励起子が生成すると、第2のりん光性化合物113Dbが主と
して発光してしまうため、キャリアの再結合領域は、第1の発光層113a内とする(す
なわち、第1のりん光性化合物113Daを主として励起する)ことが好ましい。
ただし、第1のりん光性化合物113Daからのエネルギー移動が完全に抑制されてしま
うと、今度は第2のりん光性化合物113Dbの発光が得られないことになる。そこで本
発明の一態様では、第1のりん光性化合物113Daの励起エネルギーが、部分的に第2
のりん光性化合物113Dbへ移動するような素子設計を行う。このような隔離された分
子間でのエネルギー移動は、双極子−双極子相互作用(フェルスター機構)を利用するこ
とによって可能となる。
ここで、フェルスター機構について説明する。以下では、励起エネルギーを与える側の分
子をエネルギードナー、励起エネルギーを受け取る側の分子をエネルギーアクセプターと
記す。すなわち、本発明の一態様においては、エネルギードナー、エネルギーアクセプタ
ーのいずれもりん光性化合物であり、ホスト材料によって互いに隔離されている。
フェルスター機構は、エネルギー移動に、分子間の直接的接触を必要としない。エネルギ
ードナー及びエネルギーアクセプター間の双極子振動の共鳴現象を通じてエネルギー移動
が起こる。双極子振動の共鳴現象によってエネルギードナーがエネルギーアクセプターに
エネルギーを受け渡し、励起状態のエネルギードナーが基底状態になり、基底状態のエネ
ルギーアクセプターが励起状態になる。フェルスター機構によるエネルギー移動の速度定
数kを数式(1)に示す。
数式(1)において、νは、振動数を表し、F(ν)は、エネルギードナーの規格化され
た発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル
、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合はりん光スペクトル)を表し、ε(
ν)は、エネルギーアクセプターのモル吸光係数を表し、Nは、アボガドロ数を表し、n
は、媒体の屈折率を表し、Rは、エネルギードナーとエネルギーアクセプターの分子間距
離を表し、τは、実測される励起状態の寿命(蛍光寿命やりん光寿命)を表し、cは、光
速を表し、φは、発光量子収率(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍
光量子収率、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合はりん光量子収率)を表
し、Kは、エネルギードナーとエネルギーアクセプターの遷移双極子モーメントの配向
を表す係数(0〜4)である。なお、ランダム配向の場合はK=2/3である。
式(1)からわかるように、フェルスター機構によるエネルギー移動(フェルスター移動
)の条件は、1.エネルギードナーとエネルギーアクセプターが離れすぎないこと(距離
Rに関連)、2.エネルギードナーが発光すること(発光量子収率φに関連)、3.エネ
ルギードナーの発光スペクトルとエネルギーアクセプターの吸収スペクトルが重なりを有
すること(積分項に関連)、が挙げられる。
ここで、図1にて説明したように、各りん光性化合物(第1及び第2のりん光性化合物)
は各ホスト材料中に分散されており、各りん光性化合物は各ホスト材料によって互いに隔
離されているため、距離Rは少なくとも一分子以上(1nm以上)の距離を有している。
したがって、第1のりん光性化合物で生じた励起エネルギーの全てが、フェルスター機構
によって第2のりん光性化合物にエネルギー移動してしまうことはない。一方で、Rが1
0nm〜20nm程度までであれば、フェルスター移動は可能である。第1及び第2のり
ん光性化合物間に、少なくとも1分子以上の距離Rを確保するためには、ホスト材料中に
分散させる各りん光性化合物の体積を一定以下にすることが好ましい。これに対応する各
りん光性化合物の発光層内における濃度は、10wt%以下である。りん光性化合物の濃
度があまり薄すぎても良好な特性は得にくいため、本実施の形態におけるりん光性化合物
の濃度は0.1wt%以上10wt%以下であることが好ましい。特に、第1のりん光性
化合物は、0.1wt%以上5wt%以下の濃度で第1の発光層113aに含まれること
がより好ましい。
第1のりん光性化合物113Daと、第1のりん光性化合物よりも長波長の発光を呈する
第2のりん光性化合物113Dbを用いた本発明の一態様の発光素子における、各りん光
性化合物間でのフェルスター移動の模式図を図2に示す。図2においては、電極10、電
極11の間に第1の発光層113a及び第2の発光層113bが積層された構成を示した
。なお、電極10及び電極11はどちらか一方が陽極として機能し、他方が陰極として機
能する電極である。図2(A)に示すように、まず第1のりん光性化合物113Daで生
じた一重項励起状態(S)は、項間交差により三重項励起状態(T)に変換される。
すなわち、第1の発光層113aにおける励起子は、基本的にTに集約される。
次に、このT状態の励起子のエネルギーは、一部はそのまま発光に変換されるが、フェ
ルスター機構を利用することにより、一部は第2のりん光性化合物113Dbの三重項励
起状態(T)に移動することができる。これは、第1のりん光性化合物113Daが発
光性である(りん光量子収率φが高い)ことと、第2のりん光性化合物113Dbが一重
項基底状態から三重項励起状態への電子遷移に相当する直接吸収を有している(三重項励
起状態の吸収スペクトルが存在する)ことに起因している。これらの条件を満たせば、T
からTへの三重項−三重項フェルスター移動が可能となる。
なお、第2のりん光性化合物113Dbの一重項励起状態(S)は、第1のりん光性化
合物113Daの三重項励起状態(T)よりもエネルギーが高い場合が多いため、上述
したエネルギー移動にあまり寄与しない場合が多い。したがってここでは割愛している。
もちろん、第2のりん光性化合物113Dbの一重項励起状態(S)が第1のりん光性
化合物113Daの三重項励起状態(T)よりエネルギーが低い場合は、同様にエネル
ギー移動が起こりうる。この場合、第2のりん光性化合物113Dbの一重項励起状態(
)に移動したエネルギーは項間交差を経て第2のりん光性化合物113Dbの三重項
励起状態(T)にエネルギー移動し、発光に関与する。
なお、上述のフェルスター移動を効率よく、ドーパントであるりん光性化合物間で発生さ
せ、ホスト材料にはエネルギー移動しないように設計するためには、第1及び第2のホス
ト材料は、第1のりん光性化合物113Daの発光領域に吸収スペクトルを有さないこと
が好ましい。このように、ホスト材料(具体的には第2のホスト材料)を介することなく
、ドーパント間で直接エネルギー移動を行わせることにより、余分なエネルギー移動の経
路の発生を抑制し、高い発光効率に結びつけることができるため、好ましい構成である。
また、第1のホスト材料は、第1のりん光性化合物を消光させないよう、該第1のりん光
性化合物よりも高い三重項励起エネルギーを有していることが好ましい。
以上で述べたように、本発明の一態様の基本コンセプトは、まず第1及び第2の各りん光
性化合物をホスト材料および積層構造を用いて隔離しつつ、短波長の発光を示す第1のり
ん光性化合物を主として励起する素子構造とすることである。このような素子構造におい
ては、ある程度の距離以内(〜20nm)であればフェルスター型のエネルギー移動が一
部で生じるため、第1のりん光性化合物の励起エネルギーが、部分的に第2のりん光性化
合物へ移動し、第1及び第2の各りん光性化合物から発光を得ることができる。
しかし、ここで本発明の一態様においてさらに重要な点は、そのエネルギー移動を考慮し
た材料の選択および素子構造である。
まず、フェルスター移動を発生させるためには、エネルギードナー側の発光量子収率φが
高い必要があるが、本発明の一態様においてはりん光性化合物(具体的には、りん光量子
収率が0.1以上の発光性化合物)を用いるため、問題は生じない。重要な点は、式(1
)の積分項を大きくする、すなわち、エネルギードナーの発光スペクトルF(ν)とエネ
ルギーアクセプターのモル吸光係数ε(ν)をうまくオーバーラップさせることである。
一般には、エネルギーアクセプターのモル吸光係数ε(ν)が大きい波長領域で、エネル
ギードナーの発光スペクトルF(ν)を重ねればよい(つまり、F(ν)ε(ν)の積を
大きくすればよい)と考えられている。しかし、これはフェルスター機構においては必ず
しも真ではない。なぜならば、式(1)の積分項は、振動数νの4乗に反比例しており、
波長依存性が存在するためである。
より分かりやすくするために、まず式(1)を変形する。光の波長をλとすると、ν=c
/λであるから、式(1)は下記式(2)の通り書き換えることができる。
つまり、積分項は波長λが大きいほど大きくなることがわかる。端的には、長波長側ほど
エネルギー移動は起こりやすくなることを意味している。つまり、モル吸光係数ε(λ)
が大きい波長領域でF(λ)が重なればよいという単純なものではなく、ε(λ)λ
大きい領域においてF(λ)が重なるようにしなければならない。
したがって、本発明の一態様の発光素子における第2のりん光性化合物113Dbとして
は、第1のりん光性化合物113Daからのエネルギー移動効率を高めるために、第1の
りん光性化合物113Daの発光スペクトルの最大値が存在するスペクトルの山と、第2
のりん光性化合物113Dbのε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位置する極
大値が存在する山が重なるようなりん光性化合物を用いる。
なお、第2のりん光性化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位置する極
大値の波長が第1のりん光性化合物のりん光発光スペクトルF(λ)と重なっていること
が好ましい。また、第1のりん光性化合物113Daの発光スペクトルの上記最大値が存
在する山における、上記最大値の半分の強度を有する波長範囲と、第2のりん光性化合物
のε(λ)λで表される関数の上記極大値が存在する山における、上記極大値の半分の
強度を有する波長範囲に重なりがあると、スペクトル同士の重なりが大きくなるためより
好ましい。
以上のような構成を有する発光素子は、発光効率が高く、且つ、バランスよく各々のりん
光性化合物から発光を得ることが可能な発光素子とすることができる。
このようなりん光性化合物の構成に関し、理解を深めるため、以下では具体例を用いて説
明する。ここでは、第1のりん光性化合物113Daとして、下記化合物(1)(ビス[
2−(6−tert−ブチル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC](2,4−
ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)
(acac)))を、第1のりん光性化合物113Daよりも長波長の発光を示す第2
のりん光性化合物113Dbとして、下記化合物(2)(ビス(2,3,5−トリフェニ
ルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr
(dpm)))を、それぞれ用いた場合を例に説明する。
図3(a)は、第2のりん光性化合物である化合物(2)のモル吸光係数ε(λ)と、ε
(λ)λとを示したものである。モル吸光係数ε(λ)は、長波長側になるにつれて低
下していくが、ε(λ)λは550nm付近(化合物(2)の三重項MLCT吸収帯に
相当する)で極大値を有している。この例からわかるように、λの項の影響で、第2の
りん光性化合物のε(λ)λは、最も長波長側に位置する吸収帯(三重項MLCT吸収
帯)に極大値を有する。
一方、図3(b)は、化合物(1)のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルF(λ)
と、化合物(2)のε(λ)λとを示したものである。化合物(1)は第1のりん光性
化合物であり、545nm付近に発光ピークを有する緑色発光を呈する。この第1のりん
光性化合物のPLスペクトルF(λ)は、第2のりん光性化合物のε(λ)λの極大値
付近において、ε(λ)λと大きな重なりを有しており、第1のりん光性化合物から第
2のりん光性化合物へフェルスター機構によるエネルギー移動が発生する。なおこの場合
、極大値は三重項MLCT吸収帯に対応しているため、三重項−三重項のフェルスター型
エネルギー移動である(図2におけるT−Tエネルギー移動)。この際、第1のりん
光性化合物のPLスペクトルF(λ)の発光ピーク波長と、第2のりん光性化合物のε(
λ)λの極大値の波長の差が0.2eV以下であると、エネルギー移動が効率的に行わ
れるため好ましい構成である。化合物(1)のPLスペクトルF(λ)の発光ピーク波長
は546nm、化合物(2)のε(λ)λの極大値の波長は543nmでありその差は
3nmで0.01eVに相当する。そのため、化合物(1)と化合物(2)との間のエネ
ルギー移動は非常に効率よく行われることがわかる。
なお、以上のことから、第2のりん光性化合物は、吸収スペクトルの最も長波長側に、一
重項基底状態から三重項励起状態への電子遷移に相当する直接吸収(例えば、三重項ML
CT吸収)を有していることが好ましい。このような構成とすることで、図2に示したよ
うな三重項−三重項のエネルギー移動が効率よく生じることになる。
また、上述した再結合領域を得るために、第1の発光層113aが陽極側に位置する場合
、少なくとも第2の発光層113bは電子輸送性であることが好ましく、第1の発光層1
13a及び第2の発光層113bの双方が電子輸送性であってもよい。また第1の発光層
113aが陰極側に位置する場合、少なくとも第2の発光層113bは正孔輸送性である
ことが好ましく、第1の発光層113a及び第2の発光層113bの双方が正孔輸送性で
あってもよい。
ここで、第1の発光層113aにおいては、さらに、第1のホスト材料113Haのフォ
トルミネッセンス(PL)スペクトルF(λ)の極大値が存在する山と、第1のりん光性
化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位置する極大値が存在する山の重
なりが大きくなることが好ましい。
しかしながら、通常、ホスト材料のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルF(λ)
の極大値が存在する山と、ゲスト材料(第1のりん光性化合物113Da)のε(λ)λ
で表される関数の最も長波長側に位置する極大値が存在する山とを重ねることは困難で
ある。なぜならば、通常、ホスト材料のフォトルミネッセンス(PL)は蛍光発光であり
、蛍光発光は、りん光発光より高いエネルギー準位からの発光であるため、蛍光スペクト
ルがゲスト材料の最も長波長側の吸収スペクトル(ゲスト材料の三重項励起状態)に近接
するような波長にあるホスト材料の三重項励起エネルギー準位は、ゲスト材料の三重項励
起エネルギー準位を下回ってしまう蓋然性が高いからである。ホスト材料の三重項励起エ
ネルギー準位がゲスト材料の三重項励起エネルギー準位を下回ってしまうと、ゲスト材料
の三重項励起エネルギーがホスト材料に移動してしまい、発光効率の低下を招いてしまう
そこで本実施の形態においては、第1の発光層113aはさらに第1の有機化合物113
Aを含み、第1のホスト材料113Ha及び第1の有機化合物113Aは、励起錯体11
3Ec(エキサイプレックスとも言う)を形成する組み合わせであることが好ましい(図
1(b)、図2(B))。図2(B)中、10及び11は電極であり、電極10及び電極
11はどちらか一方が陽極、他方が陰極として機能する。なお、図中、励起錯体113E
cの一重項励起状態はSe、三重項励起状態はTeで表され、第1のりん光性化合物11
3Daの一重項励起状態はSa、三重項励起状態はTaで表され、第2のりん光性化合物
113Dbの一重項励起状態はSb、三重項励起状態はTbで表されている。
この場合、第1の発光層113aにおけるキャリア(電子及びホール)の再結合の際に第
1の有機化合物113Aと第1のホスト材料113Haは、電子及び正孔の再結合によっ
てエネルギーを得ると、励起錯体113Ecを形成する。励起錯体113Ecからの蛍光
発光は、第1の有機化合物113A単体、及び第1のホスト材料113Ha単体の蛍光ス
ペクトルより長波長側にスペクトルを有する発光となるが、励起錯体113Ecの一重項
励起状態Seと三重項励起状態Teはエネルギーが非常に近いという特徴を有する。した
がって、励起錯体113Ecの一重項励起状態からの発光であるPLスペクトルF(λ)
の極大値が存在する山と、ゲスト材料(第1のりん光性化合物113Da)のε(λ)λ
で表される関数の最も長波長側に位置する極大値が存在する山(ゲスト材料の三重項励
起状態Taの吸収スペクトルに相当)とを重ねることにより、SeからTaへのエネルギ
ー移動と、TeからTaへのエネルギー移動の双方を最大限に高めることができる。この
際、励起錯体113Ecの発光ピーク波長と、ゲスト材料(第1のりん光性化合物113
Da)のε(λ)λの極大値の波長の差は0.2eV以下であると、エネルギー移動が
効率的に行われるため好ましい構成である。また、第1の有機化合物113A及び第1の
ホスト材料113Haの三重項励起エネルギー準位を第1のりん光性化合物113Daの
三重項励起エネルギー準位より高く保つことが好ましい。
以上のようにして第1のりん光性化合物113Daへ移動したエネルギーは、上述のよう
に、一部が第2のりん光性化合物113Dbへ移動し、第1のりん光性化合物113Da
及び第2のりん光性化合物113Dbが共に効率よく発光する。
なお、励起錯体113Ecの三重項励起状態(Te)から第1のりん光性化合物113D
aへのエネルギー移動は、デクスター機構により効率よく起こる。一重項励起状態(Se
)からのエネルギー移動は、上記構成のフェルスター機構により効率よく起こるため、ト
ータルで効率よいエネルギー移動が実現する。
第1の有機化合物113A及び第1のホスト材料113Haとしては、励起錯体を生じる
組み合わせであればよいが、電子を受け取りやすい化合物(電子トラップ性化合物)と、
ホールを受け取りやすい化合物(正孔トラップ性化合物)とを組み合わせることが好まし
い。
電子を受け取りやすい化合物としては、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト
)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(
4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノ
リノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェ
ノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェ
ノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、2−(4−ビフェニリル
)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:P
BD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニ
ル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、1,3−ビス[5−(p−tert
−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OX
D−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェ
ニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベ
ンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI
)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベ
ンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)などのポリアゾール骨格を有する複素
環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h
]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェ
ン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mD
BTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−
3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、4,6−ビ
ス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2
Pm)、4,6−ビス〔3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル〕ピリミジン(略称:4
,6mDBTP2Pm−II)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビ
ス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPP
y)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)−フェニル]ベンゼン(略称:TmPy
PB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジ
ン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であ
り好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格を有する複素環化合物は、電
子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
ホールを受け取りやすい化合物としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−
フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TP
D)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェ
ニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフル
オレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−
(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、
4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルア
ミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H
−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1
−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルア
ミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル
−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9
−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル
)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフル
オレン−2−アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、
1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カル
バゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)
−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H
−カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4
’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:
DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレ
ン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[
4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾ
チオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,
4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:D
BF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フ
ェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨
格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカ
ルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動
電圧低減にも寄与するため好ましい。
第1の有機化合物113A及び第1のホスト材料113Haは、これらに限定されること
なく、励起錯体を形成できる組み合わせであり、励起錯体のフォトルミネッセンス(PL
)スペクトルF(λ)の極大値が存在する山と、第1のりん光性化合物のε(λ)λ
表される関数の最も長波長側に位置する極大値が存在する山とが重なり、励起錯体の発光
スペクトルのピークが、第1のりん光性化合物113Daの発光スペクトルのピークより
も長波長であればよい。
なお、電子を受け取りやすい化合物とホールを受け取りやすい化合物で第1の有機化合物
113A及び第1のホスト材料113Haを構成する場合、その混合比によってキャリア
バランスを制御することができる。具体的には、第1の有機化合物113A及び第1のホ
スト材料113Ha=1:9〜9:1の範囲が好ましい。
ここで、本構成では、励起錯体のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルF(λ)の極
大値が存在する山と、第1のりん光性化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長
側に位置する極大値が存在する山が重なるような励起錯体を構成する第1のホスト材料1
13Haと第1の有機化合物113Aとを選択する。この山の重なりは大きいほど好まし
い。
なお、第1のりん光性化合物のε(λ)λで表される関数の最も長波長側に位置する極
大値の波長が、励起錯体のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルF(λ)と重なって
いることが好ましい。また、励起錯体のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルF(λ
)の最大値が存在する山における、上記最大値の半分の強度を有する波長範囲と、第1の
りん光性化合物のε(λ)λで表される関数の極大値が存在する山における、上記極大
値の半分の強度を有する波長範囲に重なりがあると、スペクトル同士の重なりが大きくな
るためより好ましい。
本構成において、第1のホスト材料113Ha及び第1の有機化合物113Aからなる励
起錯体から第1のりん光性化合物113Daへ効率よくエネルギーを移動させることが可
能になることから、よりエネルギー移動効率を高めることができるため、さらに外部量子
効率の高い発光素子を実現することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では実施の形態1で説明した発光素子の詳細な構造の例について図1を用
いて以下に説明する。
本実施の形態における発光素子は、一対の電極間に複数の層からなるEL層を有する。
本実施の形態において、発光素子は、第1の電極101と、第2の電極102と、第1の
電極101と第2の電極102との間に設けられたEL層103とから構成されている。
なお、本形態では第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極102は陰極として
機能するものとして、以下説明をする。つまり、第1の電極101の方が第2の電極10
2よりも電位が高くなるように、第1の電極101と第2の電極102に電圧を印加した
ときに、発光が得られる構成となっている。
第1の電極101は陽極として機能するため、仕事関数の大きい(具体的には4.0e
V以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いて形成することが
好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium T
in Oxide)、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、
酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(
IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタリング法によ
り成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。作製方法の例として
は、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加
えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成する方法などがある。また、酸化タ
ングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対
し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲッ
トを用いてスパッタリング法により形成することもできる。この他、金(Au)、白金(
Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)
、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の
窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。グラフェンも用いることができる。なお
、後述する複合材料をEL層103における第1の電極101と接する層に用いることで
、仕事関数に関わらず、電極材料を選択することができるようになる。
EL層103の積層構造については、発光層113が実施の形態1に示したような構成
となって入れば他は特に限定されない。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子
輸送層、電子注入層、キャリアブロック層、中間層等を適宜組み合わせて構成することが
できる。本実施の形態では、EL層103は、第1の電極101の上に順に積層した正孔
注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115
を有する構成について説明する。各層を構成する材料について以下に具体的に示す。
正孔注入層111は、正孔注入性の高い物質を含む層である。モリブデン酸化物やバナ
ジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いること
ができる。この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPC)
等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル
)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス
(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフ
ェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポ
リ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS
)等の高分子等によっても正孔注入層111を形成することができる。
また、正孔注入層111として、正孔輸送性の物質にアクセプター性物質を含有させた
複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の物質にアクセプター性物質を含有さ
せたものを用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことが
できる。つまり、第1の電極101として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の
小さい材料も用いることができるようになる。アクセプター性物質としては、7,7,8
,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TC
NQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、遷移金属酸化物を挙げることができ
る。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができ
る。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブ
デン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい
。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため
好ましい。
複合材料に用いる正孔輸送性の物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導
体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種
々の有機化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正
孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm/Vs以
上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。以下では、複合材料における正孔輸
送性の物質として用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフ
ェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−
ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N
,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフ
ェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3
,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン
(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
複合材料に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−
(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバ
ゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3
−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)
、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]
−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、複合材料に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−
ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−
カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−
9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[
4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用
いることができる。
また、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert
−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−
tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,
5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9
,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,1
0−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラ
セン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAn
th)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)
、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセ
ン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−
テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメ
チル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,1
0’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニ
ル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフ
ェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、
ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。ま
た、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6
cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いる
ことがより好ましい。
なお、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよ
い。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−
ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−
ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェ
ニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニル
アミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](
略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス
(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることも
できる。
正孔注入層を形成することによって、正孔の注入性が良好となり、駆動電圧の小さい発
光素子を得ることが可能となる。
正孔輸送層112は、正孔輸送性の物質を含む層である。正孔輸送性の物質としては、
例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略
称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,
1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス
(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4
’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン
(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2
−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−
(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)など
の芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、正孔輸送性が高く
、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。また、上述の複合材
料における正孔輸送性の物質として挙げた有機化合物も正孔輸送層112に用いることが
できる。また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルト
リフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。なお
、正孔輸送性の物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上
積層したものとしてもよい。
発光層113は、第1のりん光性化合物及び第2のりん光性化合物を含む層である。発
光層113は、実施の形態1で説明したような構成を有していることから、本実施の形態
における発光素子は非常に発光効率の良好な発光素子とすることができる。発光層113
の主な構成については実施の形態1の記載を参照されたい。
発光層113において、第1のりん光性化合物及び第2のりん光性化合物として用いる
ことが可能な材料としては、実施の形態1で説明したような関係を有する組み合わせであ
れば、特に限定は無い。第1のりん光性化合物及び第2のりん光性化合物としては例えば
、以下のようなものが挙げられる。
トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H
−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN]フェニル−κC}イリジウム(III
)(略称:Ir(mpptz−dmp))、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル
−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)
)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2
,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b))の
ような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル
−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリ
ジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp))、トリス(1−メチル−5−フ
ェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称
:Ir(Prptz1−Me))のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イ
リジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェ
ニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi))、
トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナ
ントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me))のよう
なイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフ
ルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラ
ゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)
ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、
ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C
}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、
ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(
III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)のような電子吸引基を有するフ
ェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。これらは青
色のりん光発光を示す化合物であり、440nmから520nmに発光のピークを有する
化合物である。上述した中でも、4H−トリアゾール、1H−トリアゾール、イミダゾー
ルのようなポリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、正孔トラップ性が高い
。したがって、これらの化合物を本発明の一態様の発光素子における第1のりん光性化合
物として用い、且つ第1の発光層が第2の発光層よりも陰極側に設けられ、且つ第2の発
光層が正孔輸送性である場合(具体的には、第2のホスト材料が正孔輸送材料である場合
)、キャリアの再結合領域を第1の発光層内に制御することが容易となるため好ましい。
なお、4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率に
も優れるため、特に好ましい。
また、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:
Ir(mppm))、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウ
ム(III)(略称:Ir(tBuppm))、(アセチルアセトナト)ビス(6−メ
チル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)
acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリ
ミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)(acac))、(ア
セチルアセトナト)ビス[6−(2−ノルボルニル)−4−フェニルピリミジナト]イリ
ジウム(III)(略称:Ir(nbppm)(acac))、(アセチルアセトナト
)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジ
ウム(III)(略称:Ir(mpmppm)(acac))、(アセチルアセトナト
)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dpp
m)(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(ア
セチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(I
II)(略称:Ir(mppr−Me)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス
(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略
称:Ir(mppr−iPr)(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属
イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III
)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウ
ム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(ベ
ンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bz
q)(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称
:Ir(bzq))、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(I
II)(略称:Ir(pq))、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジ
ウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)(acac))のようなピ
リジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノ
フェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))の
ような希土類金属錯体が挙げられる。これらは主に緑色のりん光発光を示す化合物であり
、500nm〜600nmに発光のピークを有する。上述した中でも、ピリミジン、ピラ
ジンのようなジアジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、正孔トラップ性が弱く、
電子トラップ性が高い。したがって、これらの化合物を本発明の一態様の発光素子におけ
る第1のりん光性化合物として用い、且つ第1の発光層が第2の発光層よりも陽極側に設
けられ、且つ第2の発光層が電子輸送性である場合(具体的には、第2のホスト材料が電
子輸送材料である場合)、キャリアの再結合領域を第1の発光層内に制御することが容易
となるため好ましい。なお、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性
や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジイソブチリルメタ
ノ)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)(dibm))、ビス[4,
6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(
III)(略称:Ir(5mdppm)(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン
−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:I
r(d1npm)(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯
体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム
(III)(略称:Ir(tppr)(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニ
ルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr
(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル
)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))の
ようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノ
リナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq))、ビス(1−フ
ェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称
:Ir(piq)(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯
体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポ
ルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジ
フェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III
)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,
3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称
:Eu(TTA)(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。これらは、赤
色のりん光発光を示す化合物であり、600nmから700nmに発光のピークを有する
。上述した中でも、ピリミジン、ピラジンのようなジアジン骨格を有する有機金属イリジ
ウム錯体は、正孔トラップ性が弱く、電子トラップ性が高い。したがって、ジアジン骨格
を有する有機金属イリジウム錯体を第2のりん光性化合物として用い、且つ第1の発光層
が第2の発光層よりも陰極側に設けられ、且つ第2の発光層が正孔輸送性である場合(具
体的には、第2のホスト材料が正孔輸送材料である場合)、キャリアの再結合領域を第1
の発光層内に制御することが容易となるため好ましい。なお、ピリミジン骨格を有する有
機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。ま
た、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られるた
め、白色発光素子に適用すると演色性を高めることができる。
また、以上で述べたりん光性化合物の他、公知のりん光性発光材料の中から、実施の形態
1に示したような関係を有する第1のりん光材料及び第2のりん光材料を選択し、用いて
もよい。
なお、りん光性化合物(第1のりん光性化合物113aおよび第2のりん光性化合物1
13b)に換えて、熱活性化遅延蛍光を示す材料、すなわち熱活性化遅延蛍光(TADF
)材料を用いても良い。ここで、遅延蛍光とは、通常の蛍光と同様のスペクトルを持ちな
がら、寿命が著しく長い発光をいう。その寿命は、10−6秒以上、好ましくは10−3
秒以上である。熱活性化遅延蛍光材料として、具体的には、フラーレンやその誘導体、プ
ロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg
)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(I
n)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属
含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:Sn
(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF(M
eso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF(Hemat
o IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(略称:Sn
(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(
略称:SnF(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF
Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(略称:PtCl(OE
P))等が挙げられる。さらに、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−
フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン
(略称:PIC−TRZ)等のπ過剰系複素芳香環及びπ欠如系複素芳香環を有する複素
環化合物を用いることもできる。なお、π過剰系複素芳香環とπ欠如系複素芳香環とが直
接結合した物質は、π過剰系複素芳香環のドナー性とπ欠如系複素芳香環のアクセプター
性が共に強くなり、SとTのエネルギー差が小さくなるため、特に好ましい。
上記第1及び第2のホスト材料として用いることが可能な材料としては、特に限定はな
く、種々のキャリア輸送材料を選択し、図1に示した素子構造が得られるように適宜組み
合わせればよい。
例えば、電子輸送性を有するホスト材料としては、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]
キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス
(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾ
リル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾ
リル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、2−(4−ビ
フェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール
(略称:PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブ
チルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、1,3−ビス[5−(p
−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(
略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−
イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’−(1,
3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称
:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル
−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)などのポリアゾール骨格を
有する複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベン
ゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベン
ゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略
称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビ
フェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、
4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6
mPnP2Pm)、4,6−ビス〔3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル〕ピリミジン
(略称:4,6mDBTP2Pm−II)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、
3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35
DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)−フェニル]ベンゼン(略称
:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中で
も、ジアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性
が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格を有する複素環化
合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
また、正孔輸送性を有するホスト材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)
−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェ
ニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称
:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N
―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニ
ルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−
3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFL
P)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェ
ニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル
−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4
−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェ
ニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フ
ェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、
9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3
−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−
[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−
ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合
物や、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N
−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェ
ニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル
−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、
4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(
略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フ
ルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、
4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジ
ベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や
、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略
称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イ
ル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフ
ラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合
物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く
、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
また、以上で述べたホスト材料の他、公知の物質の中からホスト材料を用いても良い。な
お、ホスト材料としては、りん光性化合物の三重項準位(基底状態と三重項励起状態との
エネルギー差)よりも大きい三重項準位を有する物質を選択することが好ましい。また、
これらホスト材料は青色の領域に吸収スペクトルを有さないことが好ましい。具体的には
、吸収スペクトルの吸収端が440nm以下であることが好ましい。
以上のような構成を有する発光層113は、真空蒸着法での共蒸着や、混合溶液として
インクジェット法やスピンコート法やディップコート法などを用いて作製することができ
る。
電子輸送層114は、電子輸送性の物質を含む層である。例えば、トリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アル
ミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリ
リウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨
格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール
系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体
以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3
,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチ
ルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7
)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)
−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhe
n)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質
は、電子輸送性が高く、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である
。なお、上述した電子輸送性のホスト材料を電子輸送層114に用いても良い。
また、電子輸送層114は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積
層したものとしてもよい。
また、電子輸送層と発光層との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。
これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加し
た層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節す
ることが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発
生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、電子輸送層114と第2の電極102との間に、第2の電極102に接して電子
注入層115を設けてもよい。電子注入層115としては、フッ化リチウム(LiF)、
フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又は
アルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有す
る物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させ
たものを用いることができる。なお、電子注入層115として、電子輸送性を有する物質
からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより
、第2の電極102からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
第2の電極102を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV
以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる
。このような陰極材料の具体例としては、リチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアル
カリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)
等の元素周期表の第1族または第2族に属する元素、およびこれらを含む合金(MgAg
、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこ
れらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、第2の電極102と電子輸送層との間に
、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、ケ
イ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を第2
の電極102として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリング法やイン
クジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また、EL層103の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用い
ることができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用い
ても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない
電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペース
トを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法
を用いて形成しても良い。
以上のような構成を有する発光素子は、第1の電極101と第2の電極102との間に
生じた電位差により電流が流れ、発光性の高い物質を含む層である発光層113において
正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまり発光層113に発光領域が形成さ
れるような構成となっている。
発光は、第1の電極101または第2の電極102のいずれか一方または両方を通って
外部に取り出される。従って、第1の電極101または第2の電極102のいずれか一方
または両方は、透光性を有する電極で成る。第1の電極101のみが透光性を有する電極
である場合、発光は第1の電極101を通って取り出される。また、第2の電極102の
みが透光性を有する電極である場合、発光は第2の電極102を通って取り出される。第
1の電極101および第2の電極102がいずれも透光性を有する電極である場合、発光
は第1の電極101および第2の電極102を通って、両方から取り出される。
なお、第1の電極101と第2の電極102との間に設けられる層の構成は、上記のも
のには限定されない。しかし、発光領域と電極やキャリア注入層に用いられる金属とが近
接することによって生じる消光が抑制されるように、第1の電極101および第2の電極
102から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成が好ましい。
また、発光層113に接する正孔輸送層や電子輸送層、特に発光層113における発光
領域に近い方に接するキャリア輸送層は、発光層で生成した励起子からのエネルギー移動
を抑制するため、そのバンドギャップが発光層を構成する発光物質もしくは、発光層に含
まれる発光中心物質が有するバンドギャップより大きいバンドギャップを有する物質で構
成することが好ましい。
本実施の形態における発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製す
ればよい。基板上に作製する順番としては、第1の電極101側から順に積層しても、第
2の電極102側から順に積層しても良い。発光装置は一基板上に一つの発光素子を形成
したものでも良いが、複数の発光素子を形成しても良い。一基板上にこのような発光素子
を複数作製することで、素子分割された照明装置やパッシブマトリクス型の発光装置を作
製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば薄膜ト
ランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光素子を作製し
てもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス
型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTF
Tでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTに用いる半導体の結晶性につい
ても特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導体を用いてもよい。ま
た、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるも
のでもよいし、若しくはN型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方からのみなるも
のであってもよい。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を用いた発光装置
について説明する。
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を用いて作製され
た発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図
、図4(B)は図4(A)をA−BおよびC−Dで切断した断面図である。この発光装置
は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース線駆動回
路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート線駆動回路)603を含んでいる。また
、604は封止基板、625は乾燥剤、605はシール材であり、シール材605で囲ま
れた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース線駆動回路601及びゲート線駆動回路603に入
力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプ
リントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号
等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント
配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光
装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものと
する。
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路
部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース線駆動回路601
と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース線駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT62
4とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路
、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板
上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を
基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とその
ドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。
なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ
型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有
する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性ア
クリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有
する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型の感光性樹脂、
或いはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成され
ている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数
の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したイン
ジウム錫酸化物膜、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、
クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウ
ムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタ
ン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗
も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート
法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、実施の形態1及び実施の形態2
で説明したような構成を含んでいる。また、EL層616を構成する他の材料としては、
低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材
料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化
合物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616
で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を
薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジ
ウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いる
のが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617でもって、発光素子が形成
されている。当該発光素子は実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子である。な
お、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置
では、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子と、それ以外の構成を有する発光
素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、
素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素
子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されてお
り、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填され
る場合もある。封止基板には凹部を形成し、そこに乾燥材625を設けると水分の影響に
よる劣化を抑制することができ、好ましい構成である。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。ま
た、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また
、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberg
lass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド
)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を用いて作製され
た発光装置を得ることができる。
本実施の形態における発光装置は、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を
用いているため、良好な特性を備えた発光装置を得ることができる。具体的には、実施の
形態1及び実施の形態2で示した発光効率の良好な発光素子であり、消費電力の低減され
た発光装置とすることができる。また、駆動電圧の小さい発光素子であり、駆動電圧の小
さい発光装置を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、アクティブマトリクス型の発光装置について説明し
たが、この他、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。図5には本発明を適用
して作製したパッシブマトリクス型の発光装置を示す。なお、図5(A)は、発光装置を
示す斜視図、図5(B)は図5(A)をX−Yで切断した断面図である。図5において、
基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。
電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層9
54が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁
と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短
辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁
層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層9
53と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に
起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブマトリクス型の発光装置に
おいても、低駆動電圧で動作する実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を有す
ることによって、低消費電力で駆動させることができる。また、実施の形態1及び実施の
形態2に記載の発光素子を有することによって信頼性の高い発光装置とすることが可能と
なる。
また、フルカラー表示とするためには、発光素子からの光が発光装置の外部に出る為の
光路上に着色層もしくは色変換層を設ければ良い。着色層等を設けることによってフルカ
ラー化した発光装置の例を図6(A)及び(B)に示す。図6(A)には基板1001、
下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008
、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部10
40、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G
、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基
板1031、シール材1032などが図示されている。また、着色層(赤色の着色層10
34R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)は透明な基材1033に設
ける。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及
び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。
なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、本実施
の形態においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過
して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は
赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取
り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を
取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。トップエミッション型
の発光装置の断面図を図7に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いる
ことができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトム
エミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極
1022を覆って形成する。この第3の層間絶縁膜1037は平坦化の役割を担っていて
も良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の公知の材
料を用いて形成することができる。
発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024Bはここでは陽
極とするが、陰極であっても構わない。また、図7のようなトップエミッション型の発光
装置である場合、第1の電極を反射電極とすることが好ましい。EL層1028の構成は
、実施の形態1及び実施の形態2で説明したような構成とし、白色の発光が得られるよう
な素子構造とする。白色の発光が得られる構成としては、EL層を2層用いた場合には一
方のEL層における発光層から青色の光が、もう一方のEL層における発光層から橙色の
光が得られるような構成や、一方のEL層における発光層から青色の光が、もう一方のE
L層における発光層からは赤色と緑色の光が得られるような構成などが考えられる。また
、EL層を3層用いた場合には、それぞれの発光層から、赤色、緑色、青色の発光が得ら
れるようにすることで白色発光を呈する発光素子を得ることができる。なお、実施の形態
1及び実施の形態2で示した構成を適用しているのであれば、白色発光を得る構成はこれ
に限らないことはもちろんである。
着色層は、発光素子からの光が外部へとでる光路上に設ける。図6(A)のようなボト
ムエミッション型の発光装置の場合、透明な基材1033に着色層1034R、1034
G、1034Bを設けて基板1001に固定することによって設けることができる。また
、図6(B)のように着色層をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間
に設ける構成としても良い。図7のようなトップエミッションの構造であれば着色層(赤
色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封
止基板1031で封止を行うこともできる。封止基板1031には画素と画素との間に位
置するように黒色層(ブラックマトリックス)1035を設けても良い。着色層(赤色の
着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラ
ックマトリックス)1035はオーバーコート層1036によって覆われていても良い。
なお封止基板1031は透光性を有する基板をもちいることとする。
こうして得られた有機発光素子の一対の電極間に電圧を印加すると白色の発光領域10
44Wが得られる。また、着色層と組み合わせることで、赤色の発光領域1044Rと、
青色の発光領域1044Bと、緑色の発光領域1044Gとが得られる。本実施の形態の
発光装置は実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を用いていることから、消費
電力の小さい発光装置の実現が可能である。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定さ
れず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、マイクロキャビティー
構造を設けることによって色純度を向上させても良い。この際、マイクロキャビティー構
造は全画素に設けても良いが、青色の画素のみに設けても良い。
また、本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を照明装置として
用いる例を図8を参照しながら説明する。図8(B)は照明装置の上面図、図8(A)は
図8(B)におけるe−f断面図である。
本実施の形態における照明装置は、支持体である透光性を有する基板400上に、第1
の電極401が形成されている。第1の電極401は実施の形態3における第1の電極1
01に相当する。
第1の電極401上には補助電極402が設けられている。本実施の形態では、第1の
電極401側から発光を取り出す例を示したため、第1の電極401は透光性を有する材
料により形成する。補助電極402は透光性を有する材料の導電率の低さを補うために設
けられており、第1の電極401の抵抗が高いことによる電圧降下を起因とする発光面内
の輝度むらを抑制する機能を有する。補助電極402は少なくとも第1の電極401の材
料よりも導電率の大きい材料を用いて形成し、好ましくはアルミニウムなどの導電率の大
きい材料を用いて形成すると良い。なお、補助電極402における第1の電極401と接
する部分以外の表面は絶縁層で覆われていることが好ましい。これは、取り出すことがで
きない補助電極402上部からの発光を抑制するためであり、無効電流を低減し、電力効
率の低下を抑制するためである。なお、補助電極402の形成と同時に第2の電極404
に電圧を供給するためのパッド412を形成しても良い。
第1の電極401と補助電極402上にはEL層403が形成されている。EL層40
3は実施の形態1及び実施の形態2に説明した構成を有する。なお、これら構成について
は当該記載を参照されたい。なお、EL層403は第1の電極401よりも平面的に見て
少し大きく形成することが、第1の電極401と第2の電極404とのショートを抑制す
る絶縁層の役割も担えるため好ましい構成である。
EL層403を覆って第2の電極404を形成する。第2の電極404は実施の形態3
における第2の電極102に相当し、同様の構成を有する。本実施の形態においては、発
光は第1の電極401側から取り出されるため、第2の電極404は反射率の高い材料に
よって形成されることが好ましい。本実施の形態において、第2の電極404はパッド4
12と接続することによって、電圧が供給されるものとする。
以上、第1の電極401、EL層403、及び第2の電極404(及び補助電極402
)を有する発光素子を本実施の形態で示す照明装置は有している。当該発光素子は発光効
率の高い発光素子であるため、本実施の形態における照明装置は消費電力の小さい照明装
置とすることができる。また、当該発光素子は信頼性の高い発光素子であることから、本
実施の形態における照明装置は信頼性の高い照明装置とすることができる。
以上の構成を有する発光素子を、シール材405、406を用いて封止基板407を固
着し、封止することによって照明装置が完成する。シール材405、406はどちらか一
方でもかまわない。また、内側のシール材406には乾燥剤を混ぜることもでき、これに
より、水分を吸着することができ、信頼性の向上につながる。
また、パッド412、第1の電極401及び補助電極402の一部をシール材405、
406の外に伸張して設けることによって、外部入力端子とすることができる。また、そ
の上にコンバータなどを搭載したICチップ420などを設けても良い。
以上、本実施の形態に記載の照明装置は、EL素子に実施の形態1及び実施の形態2に
記載の発光素子を有することから、消費電力の小さい照明装置とすることができる。また
、駆動電圧の低い照明装置とすることができる。また、信頼性の高い照明装置とすること
ができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子をその一部に含む
電子機器の例について説明する。実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子は発光
効率が良好であり、消費電力が低減された発光素子である。その結果、本実施の形態に記
載の電子機器は、消費電力が低減された発光部を有する電子機器とすることが可能である
。また、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子は、駆動電圧の小さい発光素子
であるため、駆動電圧の小さい電子機器とすることが可能である。
上記発光素子を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテ
レビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタル
ビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう
)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機など
が挙げられる。これらの電子機器の具体例を以下に示す。
図9(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置は、筐体710
1に表示部7103が組み込まれている。また、ここでは、スタンド7105により筐体
7101を支持した構成を示している。表示部7103により、映像を表示することが可
能であり、表示部7103は、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子をマトリ
クス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率の良好な発光素子とするこ
とが可能である。また、駆動電圧の小さい発光素子とすることが可能である。また、寿命
の長い発光素子とすることが可能である。そのため、当該発光素子で構成される表示部7
103を有するテレビジョン装置は消費電力の低減されたテレビジョン装置とすることが
できる。また、駆動電圧の小さいテレビジョン装置とすることが可能である。また、信頼
性の高いテレビジョン装置とすることができる。
テレビジョン装置の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作
機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キー7109
により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示される映像を
操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作機7110
から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般
のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信
ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者
と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図9(B1)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キ
ーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む
。なお、このコンピュータは、実施の形態2又は実施の形態3で説明したものと同様の発
光素子をマトリクス状に配列して表示部7203に用いることにより作製される。図9(
B1)のコンピュータは、図9(B2)のような形態であっても良い。図9(B2)のコ
ンピュータは、キーボード7204、ポインティングデバイス7206の代わりに第2の
表示部7210が設けられている。第2の表示部7210はタッチパネル式となっており
、第2の表示部7210に表示された入力用の表示を指や専用のペンで操作することによ
って入力を行うことができる。また、第2の表示部7210は入力用表示だけでなく、そ
の他の画像を表示することも可能である。また表示部7203もタッチパネルであっても
良い。二つの画面がヒンジで接続されていることによって、収納や運搬をする際に画面を
傷つける、破損するなどのトラブルの発生も防止することができる。当該発光素子は発光
効率の良好な発光素子とすることが可能である。そのため、当該発光素子で構成される表
示部7203を有するコンピュータは消費電力の低減されたコンピュータとすることがで
きる。
図9(C)は携帯型遊技機であり、筐体7301と筐体7302の2つの筐体で構成され
ており、連結部7303により、開閉可能に連結されている。筐体7301には、実施の
形態1及び実施の形態2で説明した発光素子をマトリクス状に配列して作製された表示部
7304が組み込まれ、筐体7302には表示部7305が組み込まれている。また、図
9(C)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部7306、記録媒体挿入部7307
、LEDランプ7308、入力手段(操作キー7309、接続端子7310、センサ73
11(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化
学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動
、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン7312)等を備えて
いる。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも表示部73
04および表示部7305の両方、または一方に実施の形態1及び実施の形態2に記載の
発光素子をマトリクス状に配列して作製された表示部を用いていればよく、その他付属設
備が適宜設けられた構成とすることができる。図9(C)に示す携帯型遊技機は、記録媒
体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携
帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図9(C)に示す携
帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。上述の
ような表示部7304を有する携帯型遊技機は、表示部7304に用いられている発光素
子が、良好な発光効率を有することから、消費電力の低減された携帯型遊技機とすること
ができる。また、表示部7304に用いられている発光素子が低い駆動電圧で駆動させる
ことができることから、駆動電圧の小さい携帯型遊技機とすることができる。また、表示
部7304に用いられている発光素子が寿命の長い発光素子であることから、信頼性の高
い携帯型遊技機とすることができる。
図9(D)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機は、筐体7401に組み込ま
れた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ74
05、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、実施の形態1及
び実施の形態2に記載の発光素子をマトリクス状に配列して作製された表示部7402を
有している。当該発光素子は発光効率の良好な発光素子とすることが可能である。また、
駆動電圧の小さい発光素子とすることが可能である。また、寿命の長い発光素子とするこ
とが可能である。そのため、当該発光素子で構成される表示部7402を有する携帯電話
機は消費電力の低減された携帯電話機とすることができる。また、駆動電圧の小さい携帯
電話機とすることが可能である。また、信頼性の高い携帯電話機とすることが可能である
図9(D)に示す携帯電話機は、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力す
ることができる構成とすることもできる。この場合、電話を掛ける、或いはメールを作成
するなどの操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表
示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示
モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力を
主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合
、表示部7402の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好
ましい。
また、携帯電話機内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検
出装置を設けることで、携帯電話機の向き(縦か横か)を判断して、表示部7402の画
面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部7402を触れること、又は筐体7401の操作
ボタン7403の操作により行われる。また、表示部7402に表示される画像の種類に
よって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画の
データであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部7402の光センサで検出される信号を検知し、表示
部7402のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モード
から表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部7402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部74
02に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。ま
た、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光
源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
なお、本実施の形態に示す構成は、実施の形態1乃至実施の形態4に示した構成を適宜組
み合わせて用いることができる。
以上の様に実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を備えた発光装置の適用範
囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を用いることにより、消費電力の低減さ
れた電子機器を得ることができる。
図10は、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子をバックライトに適用した
液晶表示装置の一例である。図10に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902
、バックライトユニット903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC90
5と接続されている。また、バックライトユニット903には、実施の形態1及び実施の
形態2に記載の発光素子が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を液晶表示装置のバックライトに適用
したことにより、消費電力の低減されたバックライトが得られる。また、実施の形態2に
記載の発光素子を用いることで、面発光の照明装置が作製でき、また大面積化も可能であ
る。これにより、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能
になる。さらに、実施の形態2に記載の発光素子を適用した発光装置は従来と比較し厚み
を小さくできるため、表示装置の薄型化も可能となる。
図11は、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を、照明装置である電気ス
タンドに用いた例である。図11に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002
を有し、光源2002として、実施の形態4に記載の発光装置が用いられている。
図12は、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を、室内の照明装置300
1および表示装置3002として用いた例である。実施の形態1及び実施の形態2に記載
の発光素子は消費電力の低減された発光素子であるため、消費電力の低減された照明装置
とすることができる。また、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子は大面積化
が可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、実施の形態1及
び実施の形態2に記載の発光素子は、薄型であるため、薄型化した照明装置として用いる
ことが可能となる。
実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子は、自動車のフロントガラスやダッシ
ュボードにも搭載することができる。図13に実施の形態2に記載の発光素子を自動車の
フロントガラスやダッシュボードに用いる一態様を示す。表示5000乃至表示5005
は実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を用いて設けられた表示である。
表示5000と表示5001は自動車のフロントガラスに設けられた実施の形態1及び
実施の形態2に記載の発光素子を搭載した表示装置である。実施の形態1及び実施の形態
2に記載の発光素子は、第1の電極と第2の電極を透光性を有する電極で作製することに
よって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置とすることができる
。シースルー状態の表示であれば、自動車のフロントガラスに設置したとしても、視界の
妨げになることなく設置することができる。なお、駆動のためのトランジスタなどを設け
る場合には、有機半導体材料による有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジ
スタなど、透光性を有するトランジスタを用いると良い。
表示5002はピラー部分に設けられた実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素
子を搭載した表示装置である。表示5002には、車体に設けられた撮像手段からの映像
を映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。また、同様に
、ダッシュボード部分に設けられた表示5003は車体によって遮られた視界を、自動車
の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を
高めることができる。見えない部分を補完するように映像を映すことによって、より自然
に違和感なく安全確認を行うことができる。
表示5004や表示5005はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター
、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供すること
ができる。表示は使用者の好みに合わせて適宜その表示項目やレイアウトを変更すること
ができる。なお、これら情報は表示5000乃至表示5003にも設けることができる。
また、表示5000乃至表示5005は照明装置として用いることも可能である。
実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子は発光効率の高い発光素子とすること
ができる。また、消費電力の小さい発光素子とすることができる。このことから、表示5
000乃至表示5005のような大きな画面を数多く設けても、バッテリーに負荷をかけ
ることが少なく、快適に使用することができることから実施の形態1及び実施の形態2に
記載の発光素子を用いた発光装置または照明装置は、車載用の発光装置又は照明装置とし
て好適に用いることができる。
図14(A)及び図14(B)は2つ折り可能なタブレット型端末の一例である。図1
4(A)は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a
、表示部9631b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省
電力モード切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有す
る。なお、当該タブレット端末は、実施の形態1及び実施の形態2に記載の発光素子を備
えた発光装置を表示部9631a、表示部9631bの一方又は両方に用いることにより
作製される。
表示部9631aは、一部をタッチパネル領域9632aとすることができ、表示され
た操作キー9637にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部963
1aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域
がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部963
1aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部96
31aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示
画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一
部をタッチパネル領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード
表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで
表示部9631bにキーボードボタンを表示することができる。
また、タッチパネル領域9632aとタッチパネル領域9632bに対して同時にタッ
チ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向き
を切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替え
スイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外
光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光セ
ンサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置
を内蔵させてもよい。
また、図14(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示
しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表
示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネ
ルとしてもよい。
図14(B)は、閉じた状態であり、本実施の形態におけるタブレット型端末では、筐
体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCD
Cコンバータ9636を備える例を示す。なお、図14(B)では充放電制御回路963
4の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する構成について
示している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態
にすることができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、
耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図14(A)及び図14(B)に示したタブレット型端末は、様々な
情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻な
どを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ
入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有する
ことができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル
、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は
、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的
に行う構成とすることができる。
また、図14(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図14(
C)にブロック図を示し説明する。図14(C)には、太陽電池9633、バッテリー9
635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9638、スイッチSW1乃至SW3
、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ963
6、コンバータ9638、スイッチSW1乃至SW3が、図14(B)に示す充放電制御
回路9634に対応する箇所となる。
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する
。太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDC
DCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に
太陽電池9633で充電された電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コン
バータ9638で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また
、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバ
ッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、発電手段は特に
限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電
手段によってバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。無線(非接触)で電
力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて
行う構成としてもよく、発電手段を有さなくとも良い。
また、上記表示部9631を具備していれば、図14に示した形状のタブレット型端末
に限定されない。
本実施例では実施の形態1及び実施の形態2に記載の本発明の一態様に相当する発光素
子の作製方法及び特性について説明する。以下に、本実施例で使用した有機化合物の構造
式を示す。
次に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリン
グ法にて成膜し、第1の電極101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極
面積は2mm×2mmとした。ここで、第1の電極101は、発光素子の陽極として機能
する電極である。
次に、基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200
℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着
装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度
放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成さ
れた基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減
圧した後、第1の電極101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により上記構造式(i)で表
される4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェ
ン)(略称:DBT3P−II)、と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔
注入層111を形成した。その膜厚は、33nmとし、DBT3P−IIと酸化モリブデ
ンの比率は、重量比で4:2(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節
した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で、複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着
法である。
次に、正孔注入層111上に、上記構造式(ii)で表される、4−フェニル−4’−(
9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を20
nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層112を形成した。
さらに、正孔輸送層112上に、上記構造式(iii)で表される2−[3−(ジベンゾ
チオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBT
PDBq−II)と上記構造式(iv)で表される4−フェニル−4’−(9−フェニル
−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)と上記
構造式(v)で表されるビス[2−(6−tert−ブチル−4−ピリミジニル−κN3
)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)
(略称:Ir(tBuppm)(acac))とを、重量比0.8:0.2:0.05
(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:Ir(tBuppm)(acac)
)となるように20nm共蒸着して第1の発光層113aとし、2mDBTPDBq−I
Iと上記構造式(vi)で表されるビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピ
バロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(dpm))とを
、重量比1:0.06(=2mDBTPDBq−II:Ir(tppr)(dpm))
となるように20nm共蒸着して第2の発光層113bを形成した。なお、ホスト材料で
ある2mDBTPDBq−IIとPCBA1BPとは励起錯体を形成する。
その後、発光層113上に2mDBTPDBq−IIを膜厚15nmとなるように成膜し
、さらに、上記構造式(vii)で表されるバソフェナントロリン(略称:BPhen)
を15nmとなるように成膜して、電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成したら、その後、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚とな
るように蒸着し、電子注入層115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極102として、アルミニウムを200nmの膜厚
となるように蒸着することで、本実施例の発光素子1を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子1の素子構造を表1に示す。
発光素子1を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、大気に曝されないようにガラ
ス基板により封止する作業(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時に80℃にて1時間
熱処理)を行った。
発光素子1では第1のりん光性化合物113DaとしてIr(tBuppm)(ac
ac)を、第2のりん光性化合物113DbとしてIr(tppr)(dpm)を用い
ている。ここで、Ir(tBuppm)(acac)のPLスペクトルと、Ir(tp
pr)(dpm)のε(λ)λの関係について述べる。なお、λは波長、ε(λ)は
モル吸光係数である。
まず、図20(a)にIr(tppr)(dpm)のモル吸光係数ε(λ)と、ε(λ
)λとを表すグラフを示した。モル吸光係数ε(λ)には長波長側の領域に目立ったピ
ークが存在しないのに対し、ε(λ)λのグラフにおいては、543nmに極大値を有
するピーク(山)が存在する。このピークはIr(tppr)(dpm)の三重項ML
CT吸収であり、このピークに第1のりん光性化合物113Daの発光のピークを重ね合
わせることで、エネルギー移動の効率を大きく高めることが可能となる。
図20(b)に、第1のりん光性化合物113DaであるIr(tBuppm)(ac
ac)のPLスペクトルF(λ)と第2のりん光性化合物113DbであるIr(tpp
r)(dpm)のε(λ)λを表すグラフを示した。このグラフより、Ir(tBu
ppm)(acac)のPLスペクトルF(λ)のピークが存在する山とIr(tpp
r)(dpm)のε(λ)λの最も長波長側の極大値を有する山とは大きく重なって
おり、エネルギー移動が非常に効率よく行われる組み合わせであることがわかる。また、
第1のりん光性化合物113DaであるIr(tBuppm)(acac)の発光のピ
ークは546nmに存在し、第2のりん光性化合物113DbであるIr(tppr)
(dpm)のε(λ)λを表すスペクトルにおける長波長側の極大は543nmに存在
するため、その差は3nmである。546nmは2.27eV、543nmは2.28e
Vに相当するため、その差は0.01eVとなり、0.2eVよりその差が小さいことか
ら、ピーク位置からも効率的なエネルギー移動が行われることが示唆される。
続いて、図21(a)に第1のりん光性化合物113DaであるIr(tBuppm)
(acac)のモル吸光係数ε(λ)と、ε(λ)λとを表すグラフを示した。モル吸
光係数ε(λ)を表すグラフにおける長波長側の領域のピークは、短波長側のピークと比
較してその強度が小さいのに対して、ε(λ)λのグラフにおいては、494nmに大
きな強度を有する極大値が存在する。この極大値が存在するピーク(山)はIr(tBu
ppm)(acac)の三重項MLCT吸収であり、このピークにエネルギードナーの
発光ピークを重ね合わせることで、エネルギー移動の効率を大きく高めることが可能とな
る。
ここで、本実施例の発光素子1では、第1のホスト材料である2mDBTPDBq−II
と第1の有機化合物であるPCBA1BPとが励起錯体113Ecを形成し、当該励起錯
体113Ecから第1のりん光性化合物113Daにエネルギーが供給される構成となっ
ている。図23は、2mDBTPDBq−II、PCBA1BP、およびそれらの混合膜
(質量比にして0.8:0.2)のPLスペクトルを示す図であり、2mDBTPDBq
−IIと第1の有機化合物であるPCBA1BPとが励起錯体113Ecを形成している
ことがわかる。また、図21(b)にはその励起錯体のPLスペクトルF(λ)と第1の
りん光性化合物113DaであるIr(tBuppm)(acac)のε(λ)λ
表すグラフを示した。このグラフより、励起錯体のPLスペクトルF(λ)のピークが存
在する山とIr(tBuppm)(acac)のε(λ)λの最も長波長側の極大値
を有する山とが重なっており、エネルギー移動が効率よく行われる組み合わせであること
がわかる。また、励起錯体のPLスペクトルのピークは519nmに存在し、第1のりん
光性化合物113DaであるIr(tBuppm)(acac)のε(λ)λを表す
スペクトルにおける、長波長側の極大は494nmに存在するため、その差は25nmで
ある。519nmはエネルギーに換算すると2.39eV、494nmはエネルギーに換
算すると2.51eVに相当するため、その差は0.12eVとなり、0.2eVよりそ
の差が小さいことから、ピーク位置からも効率的なエネルギー移動が行われることが示唆
される。
なお、図23からわかるように、第1のホスト材料113Haである2mDBTPDBq
−IIのPLスペクトルのピークは426nmであり、エネルギーに換算すると2.91
eVに相当する。また、第1の有機化合物113AであるPCBA1BPのPLスペクト
ルのピークは405nmであり、エネルギーに換算すると3.06eVに相当する。Ir
(tBuppm)(acac)のε(λ)λを表すスペクトルにおける、長波長側の
極大値は494nmに存在するため、エネルギーに換算すると2.51eVに相当し、そ
れぞれの差は0.4eV(第1のホスト材料113Ha:2mDBTPDBq−II)、
0.55eV(第1の有機化合物113A:PCBA1BP)となり、どちらも0.2e
V以上のエネルギー差を有することから2mDBTPDBq−II、PCBA1BPから
Ir(tBuppm)(acac)へはエネルギー移動がしにくいことがわかる。
また、図22に励起錯体のPLスペクトルF(λ)、Ir(tBuppm)(acac
)のPLスペクトルF(λ)、Ir(tppr)(dpm)のPLスペクトルF(λ)
、Ir(tBuppm)(acac)のε(λ)λ、Ir(tppr)(dpm)
のε(λ)λを一つにまとめたグラフを示す。励起錯体のPLスペクトルとIr(tB
uppm)(acac)のε(λ)λとの重なり(極大値A付近)を使って励起錯体
からIr(tBuppm)(acac)へ、そして、Ir(tBuppm)(aca
c)のPLスペクトルとIr(tppr)(dpm)のε(λ)λとの重なり(極大
値B付近)を使ってIr(tBuppm)(acac)からIr(tppr)(dp
m)へ、段階的にエネルギー移動が可能であることがわかる。なお、励起錯体から、第2
のりん光性化合物であるIr(tppr)(dpm)に直接エネルギー移動することも
できる。これは、図22からわかるように、Ir(tppr)(dpm)の三重項ML
CT吸収帯(極大値B付近)の短波長側で、励起錯体のPLスペクトルF(λ)ともIr
(tppr)(dpm)のε(λ)λが重なっているためである。
この発光素子の素子特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰
囲気)で行った。
発光素子1の輝度−電流効率特性を図15に示す。図15において、横軸は輝度(cd/
)、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、電圧−輝度特性を図16に示す。図
16において、横軸は電圧(V)、縦軸は輝度(cd/m)を表す。また、輝度−外部
量子効率特性を図17に示す。図17において、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は外部
量子効率(%)を示す。また、輝度−パワー効率特性を図18に示す。図18において、
横軸は輝度(cd/m)、縦軸はパワー効率(%)を示す。
以上のように、発光素子1は良好な素子特性を示すことがわかった。特に、図15、図1
7、図18からわかるように、非常に良好な発光効率を有し、外部量子効率は実用輝度(
1000cd/m)付近において、20%以上の高い値を示した。また同様に電流効率
も60cd/A前後、パワー効率も60lm/W前後の非常に良好な値を示している。
また、発光素子1に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図19に示す。図
19において、横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。図19より、
発光素子1はビス[2−(6−tert−ブチル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル
−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:I
r(tBuppm)(acac))由来の緑色の波長の光とビス(2,3,5−トリフ
ェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tp
pr)(dpm))由来の赤色の波長の光がバランスよく含まれる発光スペクトルを示
すことがわかった。
このように本発明の一態様に相当する発光素子1は良好な発光効率を有し、且つ、2種類
の発光中心物質からの光がバランスよく得られる発光素子であることがわかった。
本実施例では実施の形態1及び実施の形態2に記載の本発明の一態様に相当する発光素
子の作製方法及び特性について説明する。以下に、本実施例で使用した有機化合物の構造
式を示す。
次に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリン
グ法にて成膜し、第1の電極101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極
面積は2mm×2mmとした。ここで、第1の電極101は、発光素子の陽極として機能
する電極である。
次に、基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200
℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着
装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度
放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成さ
れた基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減
圧した後、第1の電極101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により上記構造式(viii
)で表される3−〔4−(9−フェナントリル)−フェニル〕−9−フェニル−9H−カ
ルバゾール(略称:PCPPn)、と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔
注入層111を形成した。その膜厚は、33.3nmとし、PCPPnと酸化モリブデン
の比率は、重量比で1:0.5(=PCPPn:酸化モリブデン)となるように調節した
。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で、複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法で
ある。
次に、正孔注入層111上に、上記構造式(ii)で表される、4−フェニル−4’−(
9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を20
nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層112を形成した。
さらに、正孔輸送層112上に、上記構造式(ix)で表される2−[3’−(ジベンゾ
チオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称
:2mDBTBPDBq−II)と上記構造式(x)で表される4,4’−ジ(1−ナフ
チル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン
(略称:PCBNBB)と上記構造式(v)で表されるビス[2−(6−tert−ブチ
ル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κ
,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)(acac))とを、重
量比0.8:0.2:0.06(=2mDBTBPDBq−II:PCBNBB:Ir(
tBuppm)(acac))となるように20nm共蒸着して第1の発光層113a
とし、2mDBTBPDBq−IIと上記構造式(vi)で表されるビス(2,3,5−
トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir
(tppr)(dpm))とを、重量比1:0.06(=2mDBTBPDBq−II
:Ir(tppr)(dpm))となるように20nm共蒸着して第2の発光層113
bを形成した。なお、ホスト材料である2mDBTBPDBq−IIとPCBNBBとは
励起錯体を形成する。
その後、発光層113上に2mDBTBPDBq−IIを膜厚15nmとなるように成膜
し、さらに、上記構造式(vii)で表されるバソフェナントロリン(略称:BPhen
)を15nmとなるように成膜して、電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成したら、その後、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚とな
るように蒸着し、電子注入層115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極102として、アルミニウムを200nmの膜厚
となるように蒸着することで、本実施例の発光素子2を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子2の素子構造を表2に示す。
発光素子2を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、大気に曝されないようにガラ
ス基板により封止する作業(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時に80℃にて1時間
熱処理)を行った。
発光素子2では発光素子1と同様に第1のりん光性化合物113DaとしてIr(tB
uppm)(acac)を、第2のりん光性化合物113DbとしてIr(tppr)
(dpm)を用いている。そのため、Ir(tBuppm)(acac)のPLスペ
クトルと、Ir(tppr)(dpm)のε(λ)λの関係については、発光素子1
と同じであるため、繰り返しとなる説明を割愛する。実施例1の図20(a)(b)に関
する記載を参照されたい。このように、発光素子2における第1のりん光性化合物113
Daと第2のりん光性化合物113Dbとの間のエネルギー移動は効率よく行われること
が示唆される。
この発光素子の素子特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰
囲気)で行った。
発光素子2の輝度−電流効率特性を図24に示す。また、電圧−輝度特性を図25に示す
。また、輝度−外部量子効率特性を図26に示す。また、輝度−パワー効率特性を図27
に示す。
以上のように、発光素子2は良好な素子特性を示すことがわかった。特に、図24、図2
6、図27からわかるように、非常に良好な発光効率を有し、外部量子効率は実用輝度(
1000cd/m)付近において、20%以上の高い値を示した。また同様に電流効率
も60cd/A付近、パワー効率も60lm/W付近の非常に良好な値を示している。
また、発光素子2に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図28に示す。図
28より、発光素子2はビス[2−(6−tert−ブチル−4−ピリミジニル−κN3
)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)
(略称:Ir(tBuppm)(acac))由来の緑色の波長の光とビス(2,3,
5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:
Ir(tppr)(dpm))由来の赤色の波長の光がバランスよく含まれる発光スペ
クトルを示すことがわかった。
また、初期輝度を5000cd/mとして、電流密度一定の条件で、初期輝度を100
とした場合の信頼性試験を行った結果を図29に示す。図29から、発光素子2は初期輝
度5000cd/mの信頼性試験にも関わらず、70時間経過時点で初期輝度の96%
を保っており、信頼性の良好な発光素子であることがわかった。
このように本発明の一態様に相当する発光素子2は良好な発光効率を有し、且つ、2種類
の発光中心物質からの光がバランスよく得られる発光素子であることがわかった。さらに
、信頼性の良い、寿命の長い発光素子であることもわかった。
本実施例では実施の形態1及び実施の形態2に記載の本発明の一態様に相当する発光素
子の作製方法及び特性について説明する。以下に、本実施例で使用した有機化合物の構造
式を示す。
次に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリン
グ法にて成膜し、第1の電極101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極
面積は2mm×2mmとした。ここで、第1の電極101は、発光素子の陽極として機能
する電極である。
次に、基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200
℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着
装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度
放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成さ
れた基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減
圧した後、第1の電極101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により上記構造式(i)で表
される4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェ
ン)((略称:DBT3P−II)、と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正
孔注入層111を形成した。その膜厚は、40nmとし、DBT3P−IIと酸化モリブ
デンの比率は、重量比で4:2(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調
節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で、複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸
着法である。
次に、正孔注入層111上に、上記構造式(xi)で表される、4,4’,4’’−トリ
(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)を10nmの膜厚となるよ
うに成膜し、正孔輸送層112を形成した。
さらに、正孔輸送層112上に、TCTAと上記構造式(vi)で表されるビス(2,3
,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称
:Ir(tppr)(dpm))とを、重量比1:0.1(=TCTA:Ir(tpp
r)(dpm))となるように10nm共蒸着して第2の発光層113bとし、上記構
造式(iii)で表される2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベ
ンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)と上記構造式(iv)
で表される4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリ
フェニルアミン(略称:PCBA1BP)と上記構造式(v)で表されるビス[2−(6
−tert−ブチル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC](2,4−ペンタン
ジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)(ac
ac))とを、重量比0.8:0.2:0.05(=2mDBTPDBq−II:PCB
A1BP:Ir(tBuppm)(acac))となるように5nm共蒸着して第1の
発光層113aを形成した。なお、ホスト材料である2mDBTPDBq−IIとPCB
A1BPとは励起錯体を形成する。
その後、発光層113上に2mDBTPDBq−IIとIr(tBuppm)(aca
c)とを1:0.05(=2mDBTPDBq−II:Ir(tBuppm)(aca
c))となるように20nm共蒸着し、2mDBTPDBq−IIを10nm成膜し、さ
らに、上記構造式(vii)で表されるバソフェナントロリン(略称:BPhen)を2
0nmとなるように成膜して、電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成したら、その後、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚とな
るように蒸着し、電子注入層115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極102として、アルミニウムを200nmの膜厚
となるように蒸着することで、本実施例の発光素子3を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子3の素子構造を表3に示す。発光素子3は、正孔輸送層の材
料と、第2のホスト材料を、発光素子1及び発光素子2と大きく異なる材料を用いて作製
した発光素子である。また、第1の発光層と第2の発光層の電極に対する位置や、電子輸
送層の構造も大きく異なっている。
発光素子3を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、大気に曝されないようにガラ
ス基板により封止する作業(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時に80℃にて1時間
熱処理)を行った。
発光素子3では発光素子1と同様に第1のりん光性化合物113DaとしてIr(tB
uppm)(acac)を、第2のりん光性化合物113DbとしてIr(tppr)
(dpm)を用いている。そのため、Ir(tBuppm)(acac)のPLスペ
クトルと、Ir(tppr)(dpm)のε(λ)λの関係については、発光素子1
と同じであるため、繰り返しとなる説明を割愛する。実施例1の図20(a)(b)に関
する記載を参照されたい。このように、発光素子3における第1のりん光性化合物113
Daと第2のりん光性化合物113Dbとの間のエネルギー移動は効率よく行われること
が示唆される。
この発光素子の素子特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰
囲気)で行った。
発光素子3の輝度−電流効率特性を図30に示す。また、電圧−輝度特性を図31に示す
。また、輝度−外部量子効率特性を図32に示す。また、輝度−パワー効率特性を図33
に示す。
以上のように、発光素子3は良好な素子特性を示すことがわかった。特に、図30、図3
2、図33からわかるように、非常に良好な発光効率を有し、外部量子効率は実用輝度(
1000cd/m)付近において、20%以上の高い値を示した。また同様に電流効率
も60cd/A付近、パワー効率も70lm/W付近の非常に良好な値を示している。
また、発光素子3に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図34に示す。図
34より、発光素子3はビス[2−(6−tert−ブチル−4−ピリミジニル−κN3
)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)
(略称:Ir(tBuppm)(acac))由来の緑色の波長の光とビス(2,3,
5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:
Ir(tppr)(dpm))由来の赤色の波長の光がバランスよく含まれる発光スペ
クトルを示すことがわかった。
このように本発明の一態様に相当する発光素子3は発光素子1及び発光素子2とは異なる
ホスト材料を用いているが、良好な発光効率を有し、且つ、2種類の発光中心物質からの
光がバランスよく得られる発光素子であることがわかった。
本実施例では実施の形態1及び実施の形態2に記載の本発明の一態様に相当する発光素
子の作製方法及び特性について説明する。以下に、本実施例で使用した有機化合物の構造
式を示す。
次に、本実施例の発光素子(発光素子4、発光素子5)の作製方法を示す。
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリン
グ法にて成膜し、第1の電極101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極
面積は2mm×2mmとした。ここで、第1の電極101は、発光素子の陽極として機能
する電極である。
次に、基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200
℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着
装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度
放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成さ
れた基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減
圧した後、第1の電極101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により上記構造式(ii)で
表される、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルア
ミン(略称:BPAFLP)、と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入
層111を形成した。その膜厚は、33.3nmとし、BPAFLPと酸化モリブデンの
比率は、重量比で1:0.5(=BPAFLP:酸化モリブデン)となるように調節した
。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で、複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法で
ある。
次に、正孔注入層111上に、BPAFLPを膜厚20nmとなるように成膜し、正孔輸
送層112を形成した。
さらに、正孔輸送層112上に、上記構造式(iii)で表される2−[3−(ジベンゾ
チオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBT
PDBq−II)と上記構造式(iv)で表される4−フェニル−4’−(9−フェニル
−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)と上記
構造式(v)で表されるビス[2−(6−tert−ブチル−4−ピリミジニル−κN3
)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)
(略称:Ir(tBuppm)(acac))とを、重量比0.8:0.2:0.06
(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:Ir(tBuppm)(acac)
)となるように20nm共蒸着して第1の発光層113aとし、2mDBTPDBq−I
Iと上記構造式(xii)で表されるビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジ
メチルフェニル)−5−フェニル−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,6−
ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’’)イリジウム(III)(略称:
[Ir(dmdppr−P)(dibm)])とを、重量比1:0.06(=2mDB
TPDBq−II:[Ir(dmdppr−P)(dibm)])となるように20n
m共蒸着して第2の発光層113bを形成した。なお、ホスト材料である2mDBTPD
Bq−IIとPCBA1BPとは励起錯体を形成する。
その後、発光層113上に2mDBTPDBq−IIを膜厚15nmとなるように成膜し
、さらに、上記構造式(vii)で表されるバソフェナントロリン(略称:BPhen)
を15nmとなるように成膜して、電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成したら、その後、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚とな
るように蒸着し、電子注入層115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極102として、アルミニウムを200nmの膜厚
となるように蒸着することで、本実施例の発光素子4を作製した。
発光素子5は、第1の発光層113aの、[Ir(tBuppm)(acac)]を
上記構造式(xiii)で表されるトリス[2−(6−tert−ブチル−4−ピリミジ
ニル−κN3)フェニル−κC]イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)
)])に代えて作製した他は発光素子4と同様に作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子4の素子構造を表4、発光素子5の素子構造を表5に示す。
発光素子4及び発光素子5を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、大気に曝され
ないようにガラス基板により封止する作業(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時に8
0℃にて1時間熱処理)を行った。
発光素子4では第1のりん光性化合物113DaとしてIr(tBuppm)(ac
ac)を、第2のりん光性化合物113Dbとして[Ir(dmdppr−P)(di
bm)]を用いている。ここで、Ir(tBuppm)(acac)のPLスペクトル
と、[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λの関係について述べる
。なお、λは波長、ε(λ)はモル吸光係数である。
まず、図45(a)に発光素子4第2のりん光性化合物113Dbである[Ir(dmd
ppr−P)(dibm)]のモル吸光係数ε(λ)と、ε(λ)λとを表すグラフ
を示した。モル吸光係数ε(λ)には長波長側の領域に目立ったピークが存在しないのに
対し、ε(λ)λのグラフにおいては、509nmの極大値及び550nm、605n
m付近の肩を有するピーク(山)が存在する。このピークは[Ir(dmdppr−P)
(dibm)]の三重項MLCT吸収であり、このピークに第1のりん光性化合物11
3Daの発光のピークを重ね合わせることで、エネルギー移動の効率を大きく高めること
が可能となる。
図45(b)に、発光素子4の第1のりん光性化合物113DaであるIr(tBupp
m)(acac)のPLスペクトルF(λ)と第2のりん光性化合物113Dbである
[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λを表すグラフを示した。こ
のグラフより、Ir(tBuppm)(acac)のPLスペクトルF(λ)のピーク
が存在する山と[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λの最も長波
長側の極大値を有する山とは大きく重なっており、エネルギー移動が非常に効率よく行わ
れる組み合わせであることがわかる。また、第1のりん光性化合物113DaであるIr
(tBuppm)(acac)の発光のピークは546nmに存在し、第2のりん光性
化合物113Dbである[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λ
表すスペクトルにおける長波長側の極大は509nmに存在するため、その差は37nm
である。546nmは2.27eV、509nmは2.44eVに相当するため、その差
は0.17eVとなり、0.2eVよりその差が小さいことから、ピーク位置からも効率
的なエネルギー移動が行われることが示唆される。なお、[Ir(dmdppr−P)
(dibm)]のε(λ)λを表すスペクトルにおける長波長側の極大(極大値C)と
Ir(tBuppm)(acac)の発光のスペクトルF(λ)は殆ど重なっていない
が、[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λを表すスペクトルにお
ける極大値Cを有する山は長波長側にブロードな形状をしており、この長波長側のスペク
トルとIr(tBuppm)(acac)の発光のスペクトルF(λ)は大きな重なり
を有している。そのため、非常に良好なエネルギー移動が実現する
発光素子4では第1のホスト材料である2mDBTPDBq−IIと第1の有機化合物
であるPCBA1BPが励起錯体を形成し、第1のりん光性化合物113DaであるIr
(tBuppm)(acac)に効率良くエネルギー移動が行われている。これらの関
係については発光素子1と同様であり、実施例1で詳しく説明しているため、繰り返しと
なる記載を省略する。実施例1の該当する記載を参照されたい。
また、図46に励起錯体のPLスペクトルF(λ)、Ir(tBuppm)(acac
)のPLスペクトルF(λ)、[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のPLスペ
クトルF(λ)、Ir(tBuppm)(acac)のε(λ)λ、[Ir(dmd
ppr−P)(dibm)]のε(λ)λを一つにまとめたグラフを示す。励起錯体
のPLスペクトルとIr(tBuppm)(acac)のε(λ)λとの重なり(極
大値A付近)を使って励起錯体からIr(tBuppm)(acac)へ、そして、I
r(tBuppm)(acac)のPLスペクトルと[Ir(dmdppr−P)
dibm)]のε(λ)λとの重なり(極大値Cから650nm付近)を使ってIr(
tBuppm)(acac)から[Ir(dmdppr−P)(dibm)]へ、段
階的にエネルギー移動が可能であることがわかる。なお、励起錯体から、第2のりん光性
化合物である[Ir(dmdppr−P)(dibm)]に直接エネルギー移動するこ
ともできる。これは、図46からわかるように、[Ir(dmdppr−P)(dib
m)]の三重項MLCT吸収帯(極大値C付近)で、励起錯体のPLスペクトルF(λ)
とも[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λが重なっているためで
ある。
発光素子5では第1のりん光性化合物113DaとしてIr(tBuppm)を、第
2のりん光性化合物113Dbとして[Ir(dmdppr−P)(dibm)]を用
いている。ここで、Ir(tBuppm)のPLスペクトルと、[Ir(dmdppr
−P)(dibm)]のε(λ)λの関係について述べる。なお、λは波長、ε(λ
)はモル吸光係数である。
まず、図47(a)に発光素子4第2のりん光性化合物113Dbである[Ir(dmd
ppr−P)(dibm)]のモル吸光係数ε(λ)と、ε(λ)λとを表すグラフ
を示した。モル吸光係数ε(λ)には長波長側の領域に目立ったピークが存在しないのに
対し、ε(λ)λのグラフにおいては、509nmの極大値及び550nm、605n
m付近の肩を有するピーク(山)が存在する。このピークは[Ir(dmdppr−P)
(dibm)]の三重項MLCT吸収であり、このピークに第1のりん光性化合物11
3Daの発光のピークを重ね合わせることで、エネルギー移動の効率を大きく高めること
が可能となる。
図47(b)に、発光素子5の第1のりん光性化合物113DaであるIr(tBupp
m)のPLスペクトルF(λ)と第2のりん光性化合物113Dbである[Ir(dm
dppr−P)(dibm)]のε(λ)λを表すグラフを示した。このグラフより
Ir(tBuppm)のPLスペクトルF(λ)のピークが存在する山と[Ir(dm
dppr−P)(dibm)]のε(λ)λの最も長波長側の極大値を有する山とは
大きく重なっており、エネルギー移動が非常に効率よく行われる組み合わせであることが
わかる。また、第1のりん光性化合物113DaであるIr(tBuppm)の発光の
ピークは540nmに存在し、第2のりん光性化合物113Dbである[Ir(dmdp
pr−P)(dibm)]のε(λ)λを表すスペクトルにおける長波長側の極大は
509nmに存在するため、その差は31nmである。540nmは2.30eV、50
9nmは2.44eVに相当するため、その差は0.14eVとなり、0.2eVよりそ
の差が小さいことから、ピーク位置からも効率的なエネルギー移動が行われることが示唆
される。なお、[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λを表すスペ
クトルにおける長波長側の極大(極大値C)とIr(tBuppm)の発光のスペクト
ルF(λ)は殆ど重なっていないが、[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε
(λ)λを表すスペクトルにおける極大値Cを有する山は長波長側にブロードな形状を
しており、この長波長側のスペクトルとIr(tBuppm)の発光のスペクトルF(
λ)は大きな重なりを有している。そのため、非常に良好なエネルギー移動が実現する
続いて、図48(a)に発光素子5の第1のりん光性化合物113DaであるIr(tB
uppm)のモル吸光係数ε(λ)と、ε(λ)λとを表すグラフを示した。ε(λ
)λのグラフにおいては、409及び465nmに大きな強度を有する極大値と、49
4nmに肩があるピーク(山)存在する。このピーク(山)はIr(tBuppm)
三重項MLCT吸収であり、このピークにエネルギードナーの発光ピークを重ね合わせる
ことで、エネルギー移動の効率を大きく高めることが可能となる。
ここで、本実施例の発光素子5では、第1のホスト材料である2mDBTPDBq−II
と第1の有機化合物であるPCBA1BPとが励起錯体113Ecを形成し、当該励起錯
体113Ecから第1のりん光性化合物113Daにエネルギーが供給される構成となっ
ている。図23は、2mDBTPDBq−II、PCBA1BP、およびそれらの混合膜
(質量比にして0.8:0.2)のPLスペクトルを示す図であり、2mDBTPDBq
−IIと第1の有機化合物であるPCBA1BPとが励起錯体113Ecを形成している
ことがわかる。また、図48(b)にはその励起錯体のPLスペクトルF(λ)と第1の
りん光性化合物113DaであるIr(tBuppm)のε(λ)λを表すグラフを
示した。このグラフより、励起錯体のPLスペクトルF(λ)のピークが存在する山の半
分の強度を有する波長範囲の一部とIr(tBuppm)のε(λ)λの最も長波長
側の極大値を有する山における半分の強度を有する波長範囲の一部とが重なっており、エ
ネルギー移動が効率よく行われる組み合わせであることがわかる。
また、図49に励起錯体のPLスペクトルF(λ)、Ir(tBuppm)のPLスペ
クトルF(λ)、[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のPLスペクトルF(λ
)、Ir(tBuppm)のε(λ)λ、[Ir(dmdppr−P)(dibm
)]のε(λ)λを一つにまとめたグラフを示す。励起錯体のPLスペクトルとIr(
tBuppm)のε(λ)λとの重なり(極大値A付近)を使って励起錯体からIr
(tBuppm)へ、そして、Ir(tBuppm)のPLスペクトルと[Ir(d
mdppr−P)(dibm)]のε(λ)λとの重なり(極大値Cから650nm
付近)を使ってIr(tBuppm)から[Ir(dmdppr−P)(dibm)
]へ、段階的にエネルギー移動が可能であることがわかる。なお、励起錯体から、第2の
りん光性化合物である[Ir(dmdppr−P)(dibm)]に直接エネルギー移
動することもできる。これは、図49からわかるように、[Ir(dmdppr−P)
(dibm)]の三重項MLCT吸収帯(極大値C付近)で、励起錯体のPLスペクトル
F(λ)とも[Ir(dmdppr−P)(dibm)]のε(λ)λが重なってい
るためである。
これらの発光素子の素子特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれ
た雰囲気)で行った。
発光素子4の輝度−電流効率特性を図35に示す。また、電圧−輝度特性を図36に示す
。また、輝度−外部量子効率特性を図37に示す。また、輝度−パワー効率特性を図38
に示す。
以上のように、発光素子4は良好な素子特性を示すことがわかった。特に、図35、図3
7、図38からわかるように、非常に良好な発光効率を有し、外部量子効率は実用輝度(
1000cd/m)付近において、20%以上の高い値を示した。また同様に電流効率
も50cd/A前後、パワー効率も50lm/W前後の非常に良好な値を示している。
また、発光素子4に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図39に示す。図
39において、横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。図39より、
発光素子4は[Ir(tBuppm)(acac)]由来の緑色の波長の光と[Ir(
dmdppr−P)(dibm)]由来の赤色の波長の光がバランスよく含まれる発光
スペクトルを示すことがわかった。
発光素子5の輝度−電流効率特性を図40に示す。また、電圧−輝度特性を図41に示す
。また、輝度−外部量子効率特性を図42に示す。また、輝度−パワー効率特性を図43
に示す。
以上のように、発光素子5は良好な素子特性を示すことがわかった。特に、図40、図4
2、図43からわかるように、非常に良好な発光効率を有し、外部量子効率は実用輝度(
1000cd/m)付近において、25%付近の高い値を示した。また同様に電流効率
も65cd/A前後、パワー効率も70lm/W前後の非常に良好な値を示している。
また、発光素子5に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図44に示す。図
44において、横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。図44より、
発光素子5は[Ir(tBuppm)(acac)]由来の緑色の波長の光と[Ir(
dmdppr−P)(dibm)]由来の赤色の波長の光がバランスよく含まれる発光
スペクトルを示すことがわかった。
このように本発明の一態様に相当する発光素子4及び発光素子5は良好な発光効率を有し
、且つ、2種類の発光中心物質からの光がバランスよく得られる発光素子であることがわ
かった。
(参考例1)
上記実施の形態で用いた有機金属錯体、ビス[2−(6−tert−ブチル−4−ピリミ
ジニル−κN3)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジ
ウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)])の合成例を示す。な
お、[Ir(tBuppm)(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;4−tert−ブチル−6−フェニルピリミジン(略称:HtBuppm
)の合成>
まず、4,4−ジメチル−1−フェニルペンタン−1,3−ジオン22.5gとホルムア
ミド50gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部を窒素置換した。この反応容器
を加熱することで反応溶液を5時間還流させた。その後、この溶液を水酸化ナトリウム水
溶液に注ぎ、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過した。この溶液の溶
媒を留去した後、得られた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比)を展開溶
媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ピリミジン誘導体HtBupp
mを得た(無色油状物、収率14%)。ステップ1の合成スキームを以下に示す。
<ステップ2;ジ−μ−クロロ−ビス[ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリ
ミジナト)イリジウム(III)](略称:[Ir(tBuppm)Cl])の合成

次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たHtBupp
m1.49g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)1.04gを、還流管を付
けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.4
5GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣を
エタノールで吸引濾過、洗浄し、複核錯体[Ir(tBuppm)Cl]を得た(黄
緑色粉末、収率73%)。ステップ2の合成スキームを以下に示す。
<ステップ3;(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリ
ミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)]の合
成>
さらに、2−エトキシエタノール40mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(tB
uppm)Cl] 1.61g、アセチルアセトン0.36g、炭酸ナトリウム1.
27gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後
、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射し、反応させた。溶媒を留去
し、得られた残渣をエタノールで吸引濾過し、水、エタノールで洗浄した。この固体をジ
クロロメタンに溶解させ、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−1
6855)、アルミナ、セライトの順で積層した濾過補助剤を通して濾過した。溶媒を留
去して得られた固体をジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより、
目的物を黄色粉末として得た(収率68%)。ステップ3の合成スキームを以下に示す。
上記ステップ3で得られた黄色粉末の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果
を下記に示す。この結果から、有機金属錯体Ir(tBuppm)(acac)が得ら
れたことがわかった。
H NMR.δ(CDCl):1.50(s,18H),1.79(s,6H),
5.26(s,1H),6.33(d,2H),6.77(t,2H),6.85(t,
2H),7.70(d,2H),7.76(s,2H),9.02(s,2H).
(参考例2)
本参考例では、実施例で用いた有機金属イリジウム錯体、ビス{4,6−ジメチル−2
−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−5−フェニル−2−ピラジニル−κN]フェニ
ル−κC}(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’’)イリジウ
ム(III)(略称:[Ir(dmdppr−P)(dibm)])の合成方法につい
て説明する。なお、[Ir(dmdppr−P)(dibm)](略称)の構造を以下
に示す。
<ステップ1:2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)ピラジン(略称:Hdmdp
pr)の合成>
まず、2,3−ジクロロピラジン5.00gと3,5−ジメチルフェニルボロン酸10
.23g、炭酸ナトリウム7.19g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(I
I)ジクロリド(略称:Pd(PPhCl)0.29g、水20mL、アセトニ
トリル20mLを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この
反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した
。ここで更に3,5−ジメチルフェニルボロン酸2.55g、炭酸ナトリウム1.80g
、Pd(PPhCl 0.070g、水5mL、アセトニトリル5mLをフラス
コに入れ、再度マイクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱
した。
その後、この溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥
した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ヘ
キサン:酢酸エチル=5:1(体積比)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラ
フィーで精製した。溶媒を留去し、得られた固体をジクロロメタン:酢酸エチル=10:
1(体積比)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的
のピラジン誘導体Hdmdppr(略称)を得た(白色粉末、収率44%)。なお、マイ
クロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。ステッ
プ1の合成スキームを下記(a−1)に示す。
<ステップ2:2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−5−フェニルピラジン(略
称:Hdmdppr−P)の合成>
まず、上記ステップ1で得たHdmdppr(略称)4.28gとdryTHF80m
Lを三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラスコを氷冷後、フェニルリチウム(
1.9Mブチルエーテル溶液)9.5mLを滴下し、室温で23時間半攪拌した。反応溶
液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物に酸化マンガンを加え、30分攪拌した。そ
の後、溶液をろ過し、溶媒を留去した。得られた残渣を、ジクロロメタンを展開溶媒とす
るシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的のピラジン誘導体Hdmdppr
−P(略称)を得た(橙色オイル、収率26%)。ステップ2の合成スキームを下記(a
−2)に示す。
<ステップ3:ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−
ジメチルフェニル)−5−フェニル−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}ジイリジ
ウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−P)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ2で得たHdmdp
pr−P(略称)1.40g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)(Sigm
a−Aldrich社製)0.51gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ
内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射
し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣をエタノールで吸引ろ過、洗浄し、複
核錯体[Ir(dmdppr−P)Cl](略称)を得た(赤褐色粉末、収率58%
)。ステップ3の合成スキームを下記(a−3)に示す。
<ステップ4:ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−5
−フェニル−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,6−ジメチル−3,5−ヘ
プタンジオナト−κO,O’’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr
−P)(dibm)]の合成>
さらに、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ3で得た複核錯体[Ir(d
mdppr−P)Cl] 0.94g、ジイソブチリルメタン(略称:Hdibm)
0.23g、炭酸ナトリウム0.52gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラス
コ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間
照射することで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣をエタノールで吸引ろ過した。得
られた固体を水、エタノールで洗浄し、ジクロロメタンとエタノールの混合溶媒にて再結
晶することにより、本発明の有機金属錯体[Ir(dmdppr−P)(dibm)]
(略称)を暗赤色粉末として得た(収率75%)。ステップ4の合成スキームを下記(a
−4)に示す。
なお、上記合成方法で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による
分析結果を下記に示す。この結果から、本合成例において有機金属錯体[Ir(dmdp
pr−P)(dibm)](略称)が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.79(d,6H),0.96(d,6H),1
.41(s,6H),1.96(s,6H),2.24−2.28(m,2H),2.4
1(s,12H),5.08(s,1H),6.46(s,2H),6.82(s,2H
),7.18(s,2H),7.39−7.50(m,10H),8.03(d,4H)
,8.76(s,2H).
10 電極
11 電極
101 第1の電極
102 第2の電極
103 EL層
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
113a 第1の発光層
113Da 第1のりん光性化合物
113Ha 第1のホスト材料
113b 第2の発光層
113Db 第2のりん光性化合物
113Hb 第2のホスト材料
113A 第1の有機化合物
113Ec 励起錯体
114 電子輸送層
115 電子注入層
400 基板
401 第1の電極
402 補助電極
403 EL層
404 第2の電極
405 シール材
406 シール材
407 封止基板
412 パッド
420 ICチップ
601 駆動回路部(ソース線駆動回路)
602 画素部
603 駆動回路部(ゲート線駆動回路)
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
612 電流制御用TFT
613 第1の電極
614 絶縁物
616 EL層
617 第2の電極
618 発光素子
623 nチャネル型TFT
624 pチャネル型TFT
625 乾燥材
901 筐体
902 液晶層
903 バックライトユニット
904 筐体
905 ドライバIC
906 端子
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 EL層
956 電極
1001 基板
1002 下地絶縁膜
1003 ゲート絶縁膜
1006 ゲート電極
1007 ゲート電極
1008 ゲート電極
1020 第1の層間絶縁膜
1021 第2の層間絶縁膜
1022 電極
1024W 発光素子の第1の電極
1024R 発光素子の第1の電極
1024G 発光素子の第1の電極
1024B 発光素子の第1の電極
1025 隔壁
1028 EL層
1029 発光素子の第2の電極
1031 封止基板
1032 シール材
1033 透明な基材
1034R 赤色の着色層
1034G 緑色の着色層
1034B 青色の着色層
1035 黒色層(ブラックマトリックス)
1036 オーバーコート層
1037 第3の層間絶縁膜
1040 画素部
1041 駆動回路部
1042 周辺部
1044W 白色の発光領域
1044R 赤色の発光領域
1044B 青色の発光領域
1044G 緑色の発光領域
2001 筐体
2002 光源
3001 照明装置
3002 表示装置
5000 表示
5001 表示
5002 表示
5003 表示
5004 表示
5005 表示
7101 筐体
7103 表示部
7105 スタンド
7107 表示部
7109 操作キー
7110 リモコン操作機
7201 本体
7202 筐体
7203 表示部
7204 キーボード
7205 外部接続ポート
7206 ポインティングデバイス
7210 第2の表示部
7301 筐体
7302 筐体
7303 連結部
7304 表示部
7305 表示部
7306 スピーカ部
7307 記録媒体挿入部
7308 LEDランプ
7309 操作キー
7310 接続端子
7311 センサ
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
9033 留め具
9034 スイッチ
9035 電源スイッチ
9036 スイッチ
9038 操作スイッチ
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a タッチパネル領域
9632b タッチパネル領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 操作キー
9638 コンバータ
9639 ボタン

Claims (7)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、第1の発光層と、第2の発光層と、を有し、
    前記第1の発光層は、前記第1の電極と前記第2の発光層との間に設けられ、
    前記第2の発光層は、前記第1の発光層と前記第2の電極との間に設けられ、
    前記第1の発光層は、第1のりん光性化合物と、第1のホスト材料と、を有し、
    前記第2の発光層は、第2のりん光性化合物と、第2のホスト材料と、を有し、
    前記第2のりん光性化合物の発光は、前記第1のりん光性化合物の発光よりも長波長であり、
    前記第2のりん光性化合物のε(λ)λで表される関数は、前記関数における最も長波長側の極大値Cの波長以上の波長領域において、前記第1のりん光性化合物のりん光発光スペクトルF(λ)と重なりを有する発光素子。
    (ただし、ε(λ)はモル吸光係数を表し、波長λの関数である。)
  2. 第1の電極と、第2の電極と、第1の発光層と、第2の発光層と、を有し、
    前記第1の発光層は、前記第1の電極と前記第2の発光層との間に設けられ、
    前記第2の発光層は、前記第1の発光層と前記第2の電極との間に設けられ、
    前記第1の発光層は、第1のりん光性化合物と、第1のホスト材料と、を有し、
    前記第2の発光層は、第2のりん光性化合物と、第2のホスト材料と、を有し、
    前記第2のりん光性化合物の発光は、前記第1のりん光性化合物の発光よりも長波長であり、
    前記第2のりん光性化合物のε(λ)λで表される関数における最も長波長側の極大値Cの波長をλとし、
    前記第1のりん光性化合物のりん光発光スペクトルF(λ)の波長範囲をλ〜λとしたとき、
    λおよびλより長波長側の波長領域は、λ〜λの波長範囲と重なりを有する発光素子。
    (ただし、ε(λ)はモル吸光係数を表し、波長λの関数である。)
  3. 第1の電極と、第2の電極と、第1の発光層と、第2の発光層と、を有し、
    前記第1の発光層は、前記第1の電極と前記第2の発光層との間に設けられ、
    前記第2の発光層は、前記第1の発光層と前記第2の電極との間に設けられ、
    前記第1の発光層は、第1のりん光性化合物と、第1のホスト材料と、を有し、
    前記第2の発光層は、第2のりん光性化合物と、第2のホスト材料と、を有し、
    前記第2のりん光性化合物の発光は、前記第1のりん光性化合物の発光よりも長波長であり、
    前記第2のりん光性化合物のε(λ)λで表される関数における、最も長波長側の極大値Cの波長をλとし、λより長波長側に位置する端部の波長をλとし、
    前記第1のりん光性化合物のりん光発光スペクトルF(λ)の短波長の端部の波長をλとし、長波長側の端部の波長をλとしたとき、
    λ〜λの波長範囲は、λ〜λの波長範囲と重なりを有する発光素子。
    (ただし、ε(λ)はモル吸光係数を表し、波長λの関数である。)
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の発光素子を有する照明装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の発光素子と、前記発光素子を制御する手段と、を有する発光装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の発光素子を表示部に有し、前記発光素子を制御する手段を有する表示装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の発光素子を有する電子機器。
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