JP2014225556A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンスユニット、有機エレクトロルミネッセンス装置及び表示方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンスユニット、有機エレクトロルミネッセンス装置及び表示方法 Download PDF

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【課題】本発明の課題は、発光領域及び非発光領域を有し、発光領域の発光色が可変な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(10)は、陽極(4)と陰極(8)との間に有機機能層(6)を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされ、最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、下記式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内であり、かつ、パルス給電駆動により、発光色が可変であることを特徴とする。X=(Kh−Kl)/(Vh−Vl) (1)【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンスユニット、有機エレクトロルミネッセンス装置及び表示方法に関する。より詳しくは、発光領域及び非発光領域を有し、発光領域の発光色が可変な有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンスユニット、有機エレクトロルミネッセンス装置及び表示方法に関する。
有機材料のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:EL)を利用した有機EL素子は、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能な薄膜型の完全固体素子であり、高輝度、高発光効率、薄型、軽量といった多くの優れた特徴を有する。
このため、各種ディスプレイのバックライト、看板や非常灯等の表示板、照明光源等の面発光体として近年注目されている。
有機EL素子は、2枚の電極間に少なくとも有機材料からなる発光層が配置された構成であり、発光層で生じた発光光は電極を透過して外部に取り出される。このため、2枚の電極のうちの少なくとも一方は透明電極として構成され、透明電極側から発光光が取り出される。また、有機EL素子は、低電力で高い輝度を得ることができ、視認性、応答速度、寿命、消費電力の点で優れている。
このような有機EL素子において、特許文献1には、有機機能層又は電極のうちの1層以上の層について、その所定パターン領域の全部又は一部の機能を変化させる技術が開示されている。しかし、特許文献1に記載されている有機EL素子の発光色は単色であり、その表現には制限がある。
このように、従来の有機EL素子では、単色の発光を得るため、色温度の変動幅を抑制するように素子設計がなされているのが通常である。
一方で、特許文献2には、パルス給電駆動することにより色温度が制御された有機EL素子について開示されているが、パターニングされた有機EL素子をパルス駆動することについては想定されていない。
特開2012−028335号公報 国際公開第2010/140549号
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、輝度を変化させることなく、発光色が可変な有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンスユニット、有機エレクトロルミネッセンス装置及び表示方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、陽極と陰極との間に有機機能層を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされた有機EL素子が、最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、これらが特定の関係を満たす場合、パルス給電駆動により、発光色が可変であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.陽極と陰極との間に有機機能層を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、下記式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内であり、かつ、パルス給電駆動により、発光色が可変であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
X=(Kh−Kl)/(Vh−Vl) (1)
2.陽極と陰極との間に有機機能層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、複数有する有機エレクトロルミネッセンスユニットであって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一つが、第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスユニット。
3.発光領域と非発光領域とにパターニングされていない有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニット。
4.第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は第2項若しくは第3項に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニットと、パルス給電装置と、を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
5.第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は第2項若しくは第3項に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニットを用いた表示方法であって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子又は有機エレクトロルミネッセンスユニットの発光色をあらかじめ定められたプログラムに従って変化させることを特徴とする表示方法。
本発明の上記手段により、輝度を変化させることなく、発光色が可変な有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンスユニット、有機エレクトロルミネッセンス装置及び表示方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構、作用機構については明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の有機EL素子は、光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされ、パルス給電駆動により、所定のパルス給電パターンで発光させられる。これにより、輝度を変化させることなく、発光色(色温度)が可変となるものである。
有機EL素子が、輝度と色温度との間に正又は負の相関を有する場合、色温度を変化させると、それに対応して輝度も変化し、一定の輝度で発光させることができなかった。そのため、従来の有機EL素子では、一定の輝度で発光させることを目的として(すなわち、単色発光)、色温度の変動幅を抑制するように素子設計がなされていた。
本発明では、有機EL素子をパルス給電駆動し、一定時間内の通電量を制御することにより、輝度を変化させることなく、色温度の制御を可能としたものである。すなわち、視覚上の輝度(見かけの輝度)は、通電量と通電時間との積で表されるため、異なる色温度間での通電量を等しくすることにより、同輝度で、色温度を変化させることができると考えている。
また、本発明の有機EL素子は、最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、式(1)で示される発光色の可変容易性Xを、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内と調整することにより、色温度制御を容易とすることができたものと考えている。
本発明の有機EL素子の構成の一例を示す概略断面図 本発明の有機EL素子の発光領域及び非発光領域を示す模式図 駆動パルスの振幅(駆動電圧)と幅(通電時間)とのパターンの一例を示す図 輝度と色温度との正の相関の一例を示す図 パルス給電パターンの一例を示す図 輝度と色温度との負の相関の一例を示す図 本発明の有機ELユニットの構成の一例を示す模式図 実施例にて作製した有機EL素子を用いた照明装置の一例を示す概略断面図 実施例にて作製した有機EL素子のパルス給電パターンを示す図 実施例にて作製した有機ELユニットの構成を示す模式図 実施例にて作製した有機ELユニットを構成する各有機EL素子のパルス給電パターンを示す図
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に、有機機能層を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされ、最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内であり、かつ、パルス給電駆動により、発光色が可変であることを特徴とする。この特徴は、請求項1〜5までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の有機ELユニットは、陽極と陰極との間に有機機能層を有する有機EL素子を、複数有し、有機EL素子の少なくとも一つが、光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされ、パルス給電駆動により、発光色が可変である有機EL素子であることが好ましい態様である。
また、本発明の有機ELユニットは、発光領域と非発光領域とにパターニングされていない有機EL素子を併用することも可能である。
本発明の有機EL装置は、有機EL素子又は有機ELユニットと、パルス給電装置と、を備えることが、輝度を変化させることなく、発光色を変化させることができることから好ましい。
本発明の有機EL素子又は有機ELユニットを用いた表示方法は、発光色をあらかじめ定められたプログラムに従って変化させることが、状況(環境)に応じた発光パターンを表示できることから好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
≪有機EL素子の構成≫
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機機能層を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされ、パルス給電駆動により、発光色が可変となっている。
有機EL素子の構成としては、種々の構成を採用することができるが、その一例を図1に示す。図1に示すとおり、有機EL素子10は、支持基板2上に設けられており、支持基板2側から順に、陽極4、有機材料等を用いて構成された有機機能層6、陰極8をこの順に積層して構成されている。
有機EL素子10の層構造が限定されることはなく、一般的な層構造であってもよい。
例えば、有機機能層6は、陽極4側から順に正孔注入層6a/正孔輸送層6b/発光層6c/電子輸送層6d/電子注入層6eを積層した構成が例示されるが、このうち、少なくとも有機材料を用いて構成された発光層6cを有することが必須である。正孔注入層6a及び正孔輸送層6bは、正孔輸送注入層として設けられてもよい。電子輸送層6d及び電子注入層6eは、電子輸送注入層として設けられてもよい。また、これらの有機機能層6のうち、例えば、電子注入層6eは無機材料で構成されている場合もある。
また、有機機能層6は、これらの層の他にも正孔阻止層や電子阻止層等が必要に応じて必要箇所に積層されていてもよい。さらに、発光層6cは、各波長領域の発光光を発生させる各色発光層を有し、これらの各色発光層を、非発光性の中間層を介して積層させた構成としてもよい。中間層は、正孔阻止層、電子阻止層として機能してもよい。さらに、陰極も、必要に応じた積層構造であってもよい。
また、本発明の有機EL素子10は、有機機能層6の所定領域に光照射され、当該照射部分が非発光領域とされているものである。
すなわち、陽極4と陰極8とで有機機能層6が挟持された部分であって、光照射されていない部分が、有機EL素子10における発光領域となる。
例えば、図2に示すように、光照射されていない領域12が発光領域であり、光照射された領域14が非発光領域となっている。
≪発光特性≫
本発明の有機EL素子は、輝度が高いほど色温度が高く(正の相関)、若しくは輝度が高いほど色温度が低い(負の相関)といった発光特性を備えている。
色温度は、2000〜13000Kの範囲内であることが好ましい。
また、本発明の有機EL素子は、駆動電圧を変化させるだけで、各人の好みに合った輝度と色温度とに調整することが可能である。
本発明の有機EL素子においては、Δ色温度/Δ駆動電圧が−3000〜−300又は300〜3000の範囲内である。
すなわち、最低色温度をKl(K)、最高色温度をKh(K)、及びそれぞれの色温度で発光させるために必要な駆動電圧をそれぞれVl(V)、Vh(V)としたとき、下記式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内に調整される。
X=(Kh−Kl)/(Vh−Vl) (1)
例えば、特開2000−243563号公報に記載の実施例について、式(1)に従って計算すると、可変容易性Xは約250になる。これでは色温度を変化できる幅が小さく、輝度と色温度との関係を幅広く制御することは困難である。本発明の有機EL素子では、本発明に係る有機機能層の設計、及び本発明に係るパルス駆動の条件を最適化することにより、上記式(1)に従って計算した発光色の可変容易性Xを−3000〜−300又は300〜3000の範囲内に制御することができる。可変容易性Xが上記範囲外であれば、色温度制御が困難となる。
したがって、本発明の有機EL素子においては、可変容易性Xを上記範囲とすることにより、任意の輝度において所望の色温度を安定して制御することができる。
以下、上述した有機EL素子10を構成するための主要各層の詳細とその製造方法について説明する。
≪有機機能層6≫
(1)発光層(6c)
有機機能層には、少なくとも発光層が含まれる。
本発明に用いられる発光層には、発光材料としてリン光発光化合物が含有されている。なお、発光材料として、蛍光材料が使用されてもよいし、リン光発光化合物と蛍光材料とを併用してもよい。
この発光層は、電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層間には、非発光性の中間層(図示略)を有していることが好ましい。
発光層の層厚の総和は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから、1〜30nmの範囲内であることがより好ましい。
なお、発光層の層厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む層厚である。
複数層を積層した構成の発光層の場合、個々の発光層の層厚としては、1〜50nmの範囲内に調整することが好ましく、更に、1〜20nmの範囲内に調整することがより好ましい。積層された複数の発光層が、青、緑、赤のそれぞれの発光色に対応する場合、青、緑、赤の各発光層の層厚の関係については、特に制限はない。
以上のような発光層は、公知の発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜形成方法により成膜して形成することができる。
また、発光層は、複数の発光材料を混合してもよい。
発光層の構成として、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう。)、発光材料(発光ドーパントともいう)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
(2)正孔輸送層(6b)
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなる層であり、正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、更には、米国特許第5061569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3個スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も使用することができる。
上記正孔輸送材料は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
正孔輸送層の層厚としては、通常は1nm〜1μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲内である。
(3)電子輸送層(6d)
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなる層であり、電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。
電子輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
電子輸送材料としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、既知のものを使用できる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料としても用いられるジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。
(4)注入層:正孔注入層(6a)、電子注入層(6e)
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
正孔注入層は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的には、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記注入層は、ごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその層厚は0.1〜5μmの範囲内であることが好ましい。
(5)阻止層:正孔阻止層、電子阻止層
阻止層は、上記のように、有機機能層の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは、広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、前述した電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いることができる。本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。本発明に好ましく用いられる電子阻止層は、上記正孔輸送層の材料である。
本発明に係る正孔阻止層及び電子阻止層の層厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲内であり、更に好ましくは5〜30nmの範囲内である。
≪支持基板(2)≫
本発明の有機EL素子に適用する支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう。)としては、ガラス、プラスチック等、種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)あるいはアペル(商品名、三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・atm以下、及び水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
高バリア性フィルムとするため、樹脂フィルム表面に形成されるバリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等の有機EL素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。さらに、バリア膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ処理法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ処理法によるものが、特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板・フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
≪陽極(4)≫
陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度を余り必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等の湿式製膜法を用いることもできる。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに、膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲内で選ばれる。
≪陰極(8)≫
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲内で選ばれる。
なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であることが必須の要件である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極及び陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
≪封止≫
本発明の有機EL素子は、有機材料等を用いて構成された有機機能層の劣化を防止することを目的として、支持基板上において封止されていることが好ましい。
有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と、電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に限定されない。具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。さらには、ポリマーフィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、及び水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤としては、具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温(25℃)から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機機能層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に、該電極と有機機能層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し、封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等の素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。さらに、膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。
これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ処理法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体や、フッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
≪保護膜、保護板≫
有機機能層を挟み支持基板と対向する側の封止膜あるいは封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に、封止が封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
≪光取出し及び/又は集光シート≫
特に、バックライト用の有機EL素子においては、通常、全方位に光が放射され視野角が変わっても明るさが変わらないような特性が望ましいが、使用形態によっては、正面輝度をより高くし、大きな視野角(斜め方向から観察する角度)においては輝度を低下させることが望ましい。そのために、有機EL素子の上に、放射角を制御する拡散板、プリズムシート等が組み合わされることが好ましい。
通常、基板(ガラス基板、樹脂基板等)から光を放射するような有機EL素子においては、発光層から放射された光の一部が基板と空気との界面において全反射を起こし、光を損失するという問題が発生する。この問題を解決するために、基板の表面にプリズムやレンズ状の加工を施す、若しくは基板の表面にプリズムシートやレンズシートを貼り付けることにより、全反射を抑制して光の取り出し効率を向上させる。
上記のような光取出し及び/又は集光シートを用いた有機EL素子においては、正面輝度増幅率が高められているが、光取出し及び/又は集光シートの種類を好ましく選択すれば、基板より外側に取り出される光は、全方位において輝度を高められ、かつ全方位いずれも均等の輝度にできる。
連続駆動等における寿命においては、一般的に青色が律速になるので、この様な光取出し及び/又は集光シートを用いた場合、有機EL素子においてより高寿命が可能となる。また、駆動電圧の制約となるのは、HOMOとLUMOのエネルギーギャップが最も大きい青色であるため、光取出しを向上させた有機EL素子は、青色の正面輝度が少なくて済む設計となり、駆動電圧を下げることが可能となる。
すなわち、青色発光層の層厚が薄くでき、かつ駆動電圧が下げられるため、光取出し及び/又は集光シートがない場合に比べ、高寿命が可能となり、この組み合わせにより、トータルで白色光を得るようにすることができる。
ここにおいて、光取出し及び/又は集光シートによる正面輝度の増幅率は、分光放射輝度計(例えば、CS−1000(コニカミノルタ社製))等を用い、正面からの発光輝度(2°視野角正面輝度)を、光取出し及び/又は集光シートがある状態とない状態で、発光面からの法線に分光放射輝度計の光軸が一致するようにして、必要な可視光波長範囲で測定、積算し、その比をとればよい。
≪有機EL素子(10)の製造方法≫
本発明の有機EL素子の製造方法は、支持基板上に、陽極、有機機能層、陰極を積層する積層工程と、有機機能層の所定領域に紫外線等の光を照射する光照射工程と、を有することを特徴とする。
ここでは、一例として、図1に示す有機EL素子10の製造方法を説明する。
(1)積層工程
本発明の有機EL素子の製造方法は、支持基板上に、陽極、有機機能層、陰極を積層して形成する工程を有している。
以下、その一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の製造方法について説明する。
まず、適当な支持基板上に、所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲内の膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。
次いで、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。さらに、層ごとに異なる製膜法を適用してもよい。
製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、層厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲内で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲内の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製することが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
(2)パターニング工程
本発明の有機EL素子の製造方法は、有機EL素子が所定のパターンで発光できるように、素子内部の有機機能層又は電極のうちの1以上の層の所定の領域をパターニングする工程を有している。
具体的には、有機機能層又は電極のうちの1層以上の層の所定の領域をパターニングする工程は、有機EL素子の陽極と陰極とに挟持された発光領域のうち、所定の領域の発光機能を変化させ、非発光領域とする。
当該パターニング工程により、有機EL素子を構成する層のうちの1層以上の層において、所定の領域とその他の残りの領域の発光機能を相異なるようにし、有機EL素子が所定パターンで発光できるようになる。
具体的に説明すれば、本発明では所定パターン領域の機能を変化(又は喪失)させる層を有機機能層又は電極のうちから選択することができる。本発明において、所定パターン領域の機能を変化させる層が電荷輸送層、例えば、正孔を注入及び/又は輸送する層、又は電子を注入及び/又は輸送する層である場合、これらの層はパターニング工程によって、所定パターン領域の機能が変化することにより、所定パターン領域と残りの領域との間の電荷輸送効率が相異なるようになる。すなわち、電荷輸送が行われる領域と、電荷輸送が行われない領域とが形成される。このような発光層への電荷輸送効率の差により、発光層から発生する光は、電荷輸送層の所定パターン領域に対応する発光パターンを表すようになる。
また、所定パターン領域の機能が変化する層が有機機能層のうちの発光層である場合、発光層のうちの機能が変化した領域と機能が変化しない領域が相異なる発光効率を有するようになる。すなわち、発光する領域と、発光しない領域とが形成され、これに応じた発光パターンを表す。所定パターン領域の機能が変化する層が電極である場合にも、類似原理が適用される。
有機機能層又は電極のうちの1層以上の層の所定の領域をパターニングする方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、光学的方法によって行うことができる。具体的には、紫外線(UV)、レーザー、e−ビーム等を用いることができる。
特に、有機機能層又は電極のうちの1層以上の層の所定パターン領域の機能を変化させる手段として、DLP(Digital Light Processing)方式を用いることが、より微細に所定パターン領域の機能を変化させることができることから好ましい。
DLP方式は、DMD(Digital Micromirror Device)を介して映像を処理する方法である。DMDは、一般的に75万個以上の微細な反射鏡の集合体で構成され、反射鏡の原理を用いて映像を表すため、光効率がよく、微細な画質の映像を表現できるという長所がある。
デジタル方式は、アナログ方式に比べ、正確に所望の映像を高い信頼度の画質で表現することができ、製品の小型化、軽量化が可能であるという長所を有する。デジタル映像の基本構成は、数多い0と1の信号組み合わせである。DLP技術の核心となるDMDモジュールは、デジタル信号の組み合わせに応じて作動する方式であると言えるが、簡単に言えば、ビデオメモリやビデオプロセッサから伝えられるデジタル映像信号の組み合わせをDMDの構成要素である微細反射鏡の作動で表現するものである。
例えば、DMDモジュールのマイクロミラーは、縦16μm×横16μmの正方形状を呈し、各反射鏡の間の間隔は1μm未満である。DLP方式を行うためのDMDモジュールに含まれたそれぞれのマイクロミラーは、0と1のデジタル信号を用いて鏡の両側端を動かす方式でデジタル映像信号を表現する。それぞれのマイクロミラーは、左右方向に、例えば、約0°〜10°の範囲内で動くことができ、ビデオメモリに格納されたデジタル映像信号が各マイクロミラーの駆動装置に伝えられて作動する。このような鏡の動きは微細な画素で表され、画素の明暗はこのような原理で表される。
DMDにおけるそれぞれの板は鏡からなっており、定められた位置で光源が一定方向に光を照らすと、各鏡の一律的な動きによって光が反射し、レンズに透過する部分と透過しない各部分が集められて一つの映像をなす。
このような原理により、DLP方式は、エネルギー源を有機機能層又は電極に選択的に加えることができる。すなわち、DLP方式を用いれば、有機機能層又は電極の所定パターン領域の機能を選択的に変化させることができる。
本発明において、パターニング工程は、パターニングしようとする層を形成した後であれば、他の有機機能層を形成した後、又は陰極まで全て形成した後に行われてもよい。
≪有機EL装置≫
本発明の有機EL装置は、少なくとも、上述のパターニングされた有機EL素子とパルス給電装置とから構成されている。
<パルス給電装置>
本発明に係るパルス給電装置は、直流電源供給機能とパルス給電パターンの制御機能とを有する。電源供給は、外部電源の交流、直流により交流直流変換機能を有しており、そのようなパルス給電装置としては、従来公知のパルス給電装置を制限なく用いることができる。
<パルス給電パターン>
本発明の有機EL素子の駆動方法としては、有機EL素子を間欠的にON/OFFするパルスにより駆動し、該パルスの振幅と幅の双方を可変、制御する機能を有することにより、任意の輝度条件において、所望の色温度を得ることができるものである。すなわち、駆動パルスの振幅(駆動電圧)とパルス幅(通電時間)を制御することによって、各輝度において、色温度を任意に制御することができる。
本発明の駆動方法は、一定の駆動電圧を印加するのではなく、駆動電圧と通電時間とを変化させる。すなわち、例えば、駆動電圧を大きくすると色温度が高くなるが、輝度も高くなる。そこで、PWM(Pulse Width Modulation)を導入することにより、1パルス中の通電時間を短くし、異なる色温度で発光させた場合であっても視覚上の輝度(見かけの輝度)を同等の強さの輝度に感じるようにするものである。
以下、図を用いて、本発明の有機EL素子の駆動方法について説明する。
図3は、本発明の有機EL素子の駆動方法における駆動パルスの振幅(駆動電圧)とパルス幅(通電時間)とのパターンの一例を示す図であり、図4は、輝度と色温度との正の相関を示す図である。
図3に示すとおり、有機EL素子を駆動するパルスは、有機EL素子を発光させるために順方向の電界を印加する振幅Pとその幅Pの双方を変化できるようにする。パルスの振幅Pを変えることで、図4に示すように、輝度と色温度との関係は実線上を移動する。
この状態から、任意の輝度からパルス幅Pを変えることで、色温度を変えることなく、輝度の調整を自由に制御することができる。
例えば、異なる色温度での有機EL素子の駆動を考えた場合、図4に示されるとおり、点Aと点Bとでは輝度が異なっている。そこで、点Aで示される色温度の場合には、図5(a)に示すように、パルス幅Pを長くし、通電量を多くすることで輝度を高くする。一方で、点Bで示される色温度の場合には、図5(b)に示すように、パルス幅Pを短くし、通電量を少なくすることで輝度を低くする。これにより、異なる色温度間での輝度を等しくすることができる。
これは、図6に示されるような輝度と色温度とが負の相関である場合にも、同様である。
なお、有機EL素子は、キャリア注入型デバイスなので、順方向は電流源で駆動するのが好ましく、更にOFF期間に有機機能層内に蓄積した電荷を引き抜き、確実に消灯させるために、電圧源による0V以上の逆バイアスPLを印加することが好ましい。
また、パルスの周波数は、低すぎるとちらつきとして感じてしまうため、60Hz以上、好ましくは100Hz以上である。
≪有機EL素子の表示方法≫
本発明の有機EL素子を用いた表示方法は、あらかじめ定められたプログラムに従って、発光領域を発光させるものである。なお、当該プログラムは、有機EL装置内に設けられた制御装置(図示略)からの指示により、実行される。
当該プログラムは、例えば、湿度や温度等の外環境の変化をセンサーで感知し、当該センサーからの情報に基づいて有機EL素子の発光領域の発光色を変化させるものであってもよいし、また、あらかじめ設定された単位時間ごと(例えば、四季)に規則的に発光色を変化させるものであってもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、主に、下記の点で第1の実施形態と異なっている。
第1の実施形態における有機EL素子は、有機ELユニットとして構成されていてもよい。
図7に示すとおり、有機ELユニット20は、複数の有機EL素子10が配設されて、構成されている。図7では、その一例として、複数の有機EL素子10が正方形状に配設された場合を示しているが、特にこれに限定されるものではない。
有機ELユニット20に用いられる有機EL素子としては、その全てがパターニングされた有機EL素子10であってもよいし、パターニングされた有機EL素子10とパターニングされていない有機EL素子とを組み合わせたものであってもよい。
また、パターニングされた各有機EL素子10のパターン形状(発光領域の形状)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、有機ELユニット20全体として、一つの形状を呈するように、各有機EL素子10が異なる形状でパターニングされていてもよい。
複数の有機EL素子10は、配線を介して、互いに電気的に接続されている。このような複数の有機EL素子同士の電気的接続は、例えば、特開2008−269962号公報等を参照にすることができる。
また、有機ELユニット20がパルス給電装置に接続される場合には、例えば、図7中、左右両端に配設された一列の有機EL素子10がパルス給電装置に接続される(図示略)。各有機EL素子10の電気的接続は、直列、並列を任意に選択可能である。
有機ELユニットの駆動方法は、第1の実施形態における有機EL素子の駆動方法(パルス給電駆動)と同様である。
有機ELユニットを用いた表示方法は、第1の実施形態における有機EL素子同様に、あらかじめ定められたプログラムに従って発光させるものである。
また、その他の表示方法として、有機ELユニットを構成する全ての有機EL素子を同時に発光させてもよいし、ランダムに発光させてもよい。また、時間の経過に伴って発光させる有機EL素子を適宜選択して、時間的・空間的に任意の形状で発光するように、パターン発光させてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
[実施例1]
≪有機EL素子の作製≫
(1)有機EL素子101の作製
30mm×30mm、厚さ0.4mmのガラス基板上に、陽極としてITO(インジウムチンオキシド)を厚さ120nmで成膜してパターニングを行った後、このITO透明電極を有するガラス基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
このITO透明電極を有するガラス基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、下記に示すm−MTDATA、α−NPD、TPB、DCM、Alq、アルミニウムのそれぞれを、有機EL素子101の作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼは、モリブデン製又はタングステン製抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
Figure 2014225556
次いで、真空度4×10−4Paまで減圧した後、m−MTDATAの入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、m−MTDATAを蒸着速度0.2nm/秒で、ITO透明電極を有するガラス基板のITO電極側に蒸着し、層厚100nmの正孔注入層を形成した。
次いで、α−NPDを正孔注入層上に蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、層厚100nmの正孔輸送層を設けた。
次いで、TPBを正孔輸送層上に蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、層厚80nmの青色発光層を設けた。
次いで、青色発光層上に20nmの橙色発光層を設けた。すなわち、DCMを0.01nm/秒で蒸着し、同時にAlqを蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、Alqに対して蛍光性発光ドーパントDCMを5質量%ドープした。
次いで、橙色発光層上にAlqを蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、層厚100nmの電子輸送層を設けた。
次いで、アルミニウムを厚さ110nmとなるように蒸着して陰極を形成した。
次いで、上記のようにして作製した有機EL素子の蒸着面側をガラスケースで覆い、有機EL素子を大気に接触させることなく、窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で封止を行った。
図8に、照明装置である有機EL素子の断面図を示す。図8において、32はガラス基板、34はITO透明電極、36は有機機能層、38は陰極を示す。なお、ガラスカバー40内には、窒素ガス42が充填され、捕水剤46が設けられている。
次いで、基板の上記各層が設けられている側と反対側の面上に、パターンマスク及び紫外線吸収フィルター(五鈴精工硝子株式会社製)を配置した状態で減圧密着させ、UVテスター(岩崎電気株式会社製、SUV−W151:100mW/cm)を用いて、基板側から紫外線を3時間照射し、パターニングして、有機EL素子のサンプル101を作製した。
なお、パターンマスクは、紫外線照射領域と紫外線非照射領域との面積比がおおよそ1:1となるように配置し、かつ、紫外線照射領域に幅0.25mmのマスクを十字パターンとなるように配置した。紫外線吸収フィルターは、320nm以下の波長成分の光透過率が50%以下のもの(カット波長:320nm)を用いた。
また、有機EL素子101の可変容易性Xは、1124であった。
次いで、有機EL素子101をパルス給電装置に接続し、図9(a)及び(b)で示されるパルス給電パターンとなるように、パルス給電駆動した。なお、図9(a)及び(b)中、駆動電圧は、駆動電圧5.78Vを100とする相対値で示している。
図9(a)で示されるパルス給電駆動においては、駆動電圧100、パルス給電時間10ms(休止時間30ms)とした。その結果、色温度3011Kの発光が観測された。
図9(b)で示されるパルス給電駆動においては、駆動電圧50、パルス給電時間20ms(休止時間20ms)とした。その結果、色温度1993Kの発光が観測された。
以上から、有機EL素子101は、パルス給電駆動することにより、輝度を変化させることなく、所望の発光色で発光させることが可能であることが確認できた。
[実施例2]
実施例1で作製した有機EL素子101(以下、有機EL素子101a〜101dとする。)を、図10に示すように、4行4列にタイリングし、有機ELユニットのサンプル201を作製した。各有機EL素子101a〜101dは、図11(a)〜(d)で示されるように、それぞれ異なるパルスパターンでパルス給電駆動した。なお、図11(a)〜(d)中、駆動電圧は、駆動電圧5.78Vを100とする相対値で示している。
有機EL素子101aは、図11(a)に示すように、駆動電圧100、パルス給電時間10ms(休止時間30ms)で、パルス給電駆動した。その結果、色温度3011Kの発光が観測された。有機EL素子101aは、見かけ上、連続点灯していた。
有機EL素子101bは、図11(b)に示すように、駆動電圧50、パルス給電時間20ms(休止時間20ms)で、パルス給電駆動した。その結果、色温度1993Kの発光が観測された。有機EL素子101bは、見かけ上、連続点灯していた。
有機EL素子101cは、図11(c)に示すように、駆動電圧25でパルス給電駆動させずに、連続点灯させた。その結果、色温度1489Kの発光が観測された。
有機EL素子101dは、図11(d)に示すように、駆動電圧200、パルス給電時間10ms(休止時間70ms)で、パルス給電駆動した。その結果、色温度4932Kの発光が観測された。有機EL素子101dは、点滅していた。
以上から、複数の有機EL素子101(101a〜101d)をタイリングした有機ELユニット201は、パルス給電駆動することにより、発光輝度を変化させることなく、所望の発光色で発光させることが可能であることが確認できた。また、通電時間(休止時間)を調整することにより、各有機EL素子の発光の態様を制御できることが確認できた。
2 支持基板
4 陽極
6 有機機能層
6a 正孔注入層
6b 正孔輸送層
6c 発光層
6d 電子輸送層
6e 電子注入層
8 陰極
10 有機EL素子
12 領域(発光領域)
14 領域(非発光領域)
20 有機ELユニット
32 ガラス基板
34 ITO透明電極
36 有機機能層
38 陰極
40 ガラスカバー
42 窒素ガス
46 捕水剤
101a〜101d 有機EL素子

Claims (5)

  1. 陽極と陰極との間に有機機能層を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、下記式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内であり、かつ、パルス給電駆動により、発光色が可変であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    X=(Kh−Kl)/(Vh−Vl) (1)
  2. 陽極と陰極との間に有機機能層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、複数有する有機エレクトロルミネッセンスユニットであって、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一つが、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスユニット。
  3. 発光領域と非発光領域とにパターニングされていない有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニット。
  4. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は請求項2若しくは請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニットと、パルス給電装置と、を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は請求項2若しくは請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニットを用いた表示方法であって、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子又は有機エレクトロルミネッセンスユニットの発光色をあらかじめ定められたプログラムに従って変化させることを特徴とする表示方法。
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