JPWO2010134616A1 - 極薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、鋼板の製造面からは、低コスト化、生産性の観点から低温で焼鈍できることが好ましいが、薄手材は鋼板製造時の連続焼鈍工程においてヒートバックルと呼ばれる鋼板の腰折れを起こし易く、これを避けるため再結晶温度が低く、より低温での焼鈍を可能とすることが求められている。特に、通板コイルの板幅が広い場合には全板幅にわたった均一な外力制御の困難さに起因してヒートバックルが発生しやすくなるため、極薄材においては、鋼板ユーザーが使用時の生産性向上の観点から幅の広いコイルを要求しているにもかかわらず、広い幅のコイルを提供できないことが慢性的な課題となっている。
加工性を向上させ、かつストレッチャーストレインを抑えるためには、含有C、N量を低くし、さらにTi、Nb、Bなどの炭窒化物形成元素を添加することで非時効化する技術が下記特許文献1〜6に記載されている。しかし、これらの元素は鋼板の再結晶温度を大幅に上昇させるため、本発明が目的とする薄手材においては、ヒートバックルの観点から使用が制限される。また、多量の添加は合金コストの影響も避けられず、さらに食品関係素材においては健康問題も懸念される。
また、特許文献7には、含有C量を低くした深絞り性とイヤリング性に優れた缶用鋼板が開示されている。さらに、特許文献8には、肌荒れの防止のためにTiN、NbCの微細析出を図ることを狙って、あるいは、特許文献9には鋼板表面からの鉄イオンの溶出の低減を狙って、含有N及びAl量を低くした表面処理用原板あるいは製缶用鋼板が開示されている。また、特許文献10には、製造コストの低減を狙って含有C及びN量を低くした製缶用鋼板の製造方法が開示されている。
しかしながら、上記1〜10の特許文献に記載されているような含有C、N量を低くした材料は強度が低下するため、本発明が目的とする薄手材においては、容器の強度確保の懸念が生じ、強度確保のためMn、Si、Pなどの強化元素を添加すると、メッキ性や耐食性など表面特性の問題を生ずる。また、強化元素の添加によらず強化する方法として焼鈍後に再冷延する方法も実用化されているが、加工性の大幅な低下は避けられない。
さらに、容器の製造過程において、容器そのものまたは取っ手などを形成するために溶接が用いられることも多いが、含有C,N量が低い材料は、鋼の冷却過程での組織変化において、溶接強度が不足することも多い。また、溶接現場で溶接の良否を簡易に測定する方法として、ハインテストと呼ばれる、溶接線部を引っ張り、溶接部を溶接熱影響部で引きちぎり、その際の溶接線部の形態を観察する試験が行われるが、この際に溶接線部が軟らかすぎると溶接線部が破断してしまい正常な試験ができず、適正な溶接条件の決定に支障をきたすばかりでなく、良好な溶接性を有する材料の選択も不可能になる。また、含有C、Nが低いと溶接時の熱影響部で結晶組織が粗大化し軟質化するため、溶接部を加工する際に軟質化した熱影響部に歪が集中し加工性が劣化する。
また極低C、N鋼は製造工程の途中で、製造条件によっては浸炭や吸窒が起こりコイル内および製造ロットの材質がばらつくことがある。TiやNbなどの添加量によっては、製造工程の熱履歴により析出物の形態や量が変化しやすく、これがコイル内材質ばらつきの原因ともなる。
つまり、これらの従来技術において、強度と加工性、耐時効性、メッキ性などの特性、そしてヒートバックルや合金コスト、さらには溶接部特性や溶接時の材料の取扱い易さも考慮した生産性や製造コストまでを高い次元で満足する鋼板は得られていなかった。
具体的には、本発明は、下記(a)〜(C)の特徴を有する。
(a)Cの含有量は低くしつつNの含有量を極度に低減せず、C量以上とする。
Nは、(b)、(c)に示すTi、Nb、Alと結合させ窒化物を形成させることで常温強度の確保、高温強度の確保、再結晶温度適正化に効果を発揮する。
また、冷延時に存在する固溶Nは、冷延加工歪の蓄積を高め、焼鈍時の再結晶を促進する。さらに溶接時の結晶組織変化を制御し焼入れ性を適度に付与することで、溶接部の強度、加工性を付与する。また、溶接評価試験(ハインテスト)において、溶接線部の強度を高めることで溶接線部での破断を抑止し、正常な試験を可能とする。
(b)Ti、Nbは少なくとも1種を必須元素として特定の範囲に限定して添加する。これらの元素を窒化物、炭化物として形成させ、常温強度の確保、高温強度の確保、再結晶温度適正化に効果を発揮させるとともに、固溶C、固溶Nによる時効を抑制し耐時効性を高める。
(c)Alを多量に添加する。これと(a)の結果、多量のAlNを形成させ、常温強度の確保、高温強度の確保、再結晶温度適正化に効果を発揮させるとともに、固溶Nによる時効を抑制し耐時効性を高める。
本発明の要旨とするところは、特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)質量%で、
C:0.0004〜0.0108%、
N:0.0032〜0.0749%、
Si:0.0001〜1.99%、
Mn:0.006〜1.99%、
S:0.0001〜0.089%、
P:0.001〜0.069%、
Al:0.070〜1.99%、を含有し、
さらに、TiとNbのうち1種または2種を、
Ti:0.0005〜0.0804%、
Nb:0.0051〜0.0894%、
Ti+Nb:0.0101〜0.1394%、の範囲で含有し、
さらに、N−C≧0.0020%、C+N≧0.0054%、Al/N>10、(Ti+Nb)/Al≦0.8、(Ti/48+Nb/93)×12/C≧0.5、0.31<(Ti/48+Nb/93)/(C/12+N/14)≦2.0の関係を満たし、残部鉄および不可避的不純物からなり、かつ、板厚:0.4mm以下であることを特徴とする極薄鋼板。
(2)結晶粒の平均直径が30μm以下であることを特徴とする(1)に記載の極薄鋼板。
(3)210℃で30分の時効後の降伏点伸びが4.0%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の極薄鋼板。
(4)表面硬度HR30T:51〜71、降伏応力:200〜400MPa、引張強度:320〜450MPa、全伸び:15〜45%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の極薄鋼板。
(5)表面硬度HR30T:51〜71、降伏応力:200〜400MPa、引張強度:320〜450MPa、全伸び:15〜45%であることを特徴とする(3)に記載の極薄鋼板。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の極薄鋼板の製造方法であって、(1)に記載の組成を有する鋼片又は鋳片を加熱して熱間圧延した後、冷間圧延を冷延率80〜99%で行い、再結晶率が100%となる焼鈍をすることを特徴とする極薄鋼板の製造方法。
(7)前記冷間圧延後の焼鈍が連続焼鈍で行なわれ、その際の焼鈍温度を641〜789℃とすることを特徴とする(6)に記載の極薄鋼板の製造方法。
(8)前記焼鈍後に再冷延を乾式圧延で行い、その圧下率を5%以下とすることを特徴とする(6)または(7)に記載の極薄鋼板の製造方法。
まず、本発明が対象とする鋼板の板厚について説明する。
本発明は板厚0.40mm以下の鋼板に限定する。本発明の効果そのものは、板厚に関わらず発現するものではあるが、本発明の大きな目的が連続焼鈍時の通板性の向上であり、板厚が0.40mmを超えるような材料では連続焼鈍時の通板性が問題となることは少なく、課題そのものが存在しないためである。
また、板厚が0.40mmを超えるような厚手の材料は本発明が対象としている鋼板とは異なり、さらに高い伸び、高いr値が求められるため、一般的に800℃を超えるような高温で焼鈍されることが多く、このような高温においては本発明の効果も小さくなってしまうこともある。すなわち、本発明の効果は従来の厚手の材料を対象とした技術からは生み出されないものであると同時に、厚手材の製造技術への適用も意味がないものである。このため、対象材の板厚を0.40mm以下に限定する。好ましくは0.30mm以下、さらに好ましくは0.20mm以下、さらに好ましくは0.15mm以下、さらに好ましくは0.12mm以下、さらに好ましくは0.10mm以下である。
次に、成分について説明する。成分はすべて質量%で示している。
Cは、一般に加工性などの点から低い方が好ましいが、製鋼工程での脱ガス負荷低減を目的とするのであれば高いに越したことはなく、上限を0.0108%とする。特に、時効性が小さく良好な延性が必要な場合は、0.0068%以下まで低減すれば、特性を大幅に向上させることが可能で、好ましくは0.0048%以下であり、0.0038%以下であればTi、Nb添加量にもよるが時効の問題は回避できる。さらに好ましくは0.0033%以下、さらに好ましくは0.0029%以下、さらに好ましくは0.0026%以下、さらに好ましくは0.0023%以下、さらに好ましくは0.0018%以下であり、0.0013%以下とすればTi、Nb添加量にもよらず時効の回避が可能となる。しかし一方で、0.01%以下の領域でのC低減は脱ガスコストの上昇を招くとともに浸炭などによるC量変動による材質変化も生じやすくなるので、下限を0.0004%とする。好ましくは0.0006%以上、さらに好ましくは0.0011以上、さらに好ましくは0.0016以上である。
これに加え、高温強度確保や再結晶温度低温化、溶接時熱影響部の組織粗大化抑制による溶接部加工性の観点からは、さらに高くすることが有利となる。
好ましくは0.0021%以上、さらに好ましくは0.0026%以上、さらに好ましくは0.0031%以上、さらに好ましくは0.0036%以上である。C量が高くなると時効性の観点で、Ti、Nb添加量を多くする必要が生ずる。
Nは、本発明における重要な効果である耐時効性と強度、強度は製品強度のみならず焼鈍工程での高温強度を制御する上で、さらに溶接時熱影響部の組織粗大化抑制による溶接部加工性を確保する上で重要な元素である。
本発明ではNは多くの部分が何らかの窒化物を形成しているので、あまりに多量に含有すると加工性が劣化する場合があるため、上限を0.0749%とする。また、窒化物形成元素の含有量との兼ね合いはあるが、耐時効性を顕著に劣化させる場合があるため、N量としては0.0549%以下にとどめることが好ましい。さらに好ましくは0.0299%以下、さらに好ましくは0.0199%以下、さらに好ましくは0.0149%以下、さらに好ましくは0.0129%以下、さらに好ましくは0.0109%以下、さらに好ましくは0.0099%以下、さらに好ましくは0.0089%以下、さらに好ましくは0.0079%以下、さらに好ましくは0.0069%以下、さらに好ましくは0.0059%以下、さらに好ましくは0.0049%以下、さらに好ましくは0.0039%以下である。一方で、低すぎると窒化物量が不十分となり、高温強度や製品強度、溶接時熱影響部の組織粗大化抑制による溶接部加工性を確保するための本発明の効果を発揮できず、真空脱ガス処理コストを増すだけである。
このため下限を0.0032%とする。必要とする製品強度を確保できなくなることや本発明の特徴である高温強度の確保が困難となることを考えると、好ましくは0.0042%以上、さらに好ましくは0.0047%以上、さらに好ましくは0.0052%以上、さらに好ましくは0.0057%以上、さらに好ましくは0.0062%以上、さらに好ましくは0.0072%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0092%以上、さらに好ましくは0.0102%以上、さらに好ましくは0.0122%以上、さらに好ましくは0.0142%以上、さらに好ましくは0.0162%以上、さらに好ましくは0.0182%以上、さらに好ましくは0.0202%以上、さらに好ましくは0.0222%以上、さらに好ましくは0.0242%以上、さらに好ましくは0.0272%以上、さらに好ましくは0.0302%以上、さらに好ましくは0.0352%以上、さらに好ましくは0.0402%以上である。
Siは、変態挙動を介し熱延時の炭化物や窒化物形態を制御し耐時効性を得るため0.0001〜1.99%の範囲に限定する。メッキ性と延性確保の観点からは、1.49%以下が好ましく、さらに好ましくは0.99%以下、さらに好ましくは0.49%以下、さらに好ましくは0.29%以下、さらに好ましくは0.19%以下、さらに好ましくは0.099%以下、さらに好ましくは0.049%以下、さらに好ましくは0.029%以下、さらに好ましくは0.019%以下、さらに好ましくは0.014%以下である。
一方で、製品強度の確保および焼鈍工程での高温強度の確保のために積極的に添加することも可能であり、好ましくは0.0006%以上、さらに好ましくは0.0011%以上、さらに好ましくは0.0016%以上、さらに好ましくは0.0021%以上、さらに好ましくは0.0041%以上、さらに好ましくは0.0061%以上、さらに好ましくは0.0081%以上、さらに好ましくは0.011%以上である。
Mnは、変態挙動を介し熱延時の炭化物や窒化物や硫化物の形態を制御し耐時効性を得るため0.006〜1.99%の範囲に限定する。メッキ性と延性確保の観点からは、1.49%以下が好ましく、さらに好ましくは1.29%以下、さらに好ましくは0.99%以下、さらに好ましくは0.79%以下、さらに好ましくは0.59%以下、さらに好ましくは0.49%以下、さらに好ましくは0.39%以下、さらに好ましくは0.29%以下、さらに好ましくは0.19%以下である。一方で、製品強度確保および焼鈍工程での高温強度確保のために積極的に添加することも可能で、好ましくは0.006%以上、さらに好ましくは0.011%以上、さらに好ましくは0.016%以上、さらに好ましくは0.021%以上、さらに好ましくは0.041%以上、さらに好ましくは0.061%以上、さらに好ましくは0.081%以上、さらに好ましくは0.11%以上である。
Sは、変態挙動を介し熱延時の硫化物の形態を制御すると同時に、CやNの粒界偏析挙動を制御することで耐時効性を得るため0.0001〜0.089%の範囲に限定する。硫化物が多くなるとこれを起点とした破断が起きやすくなるため延性確保の観点からは、0.059%以下が好ましく、さらに好ましくは0.049%以下、さらに好ましくは0.039%以下、さらに好ましくは0.029%以下、さらに好ましくは0.019%以下、さらに好ましくは0.014%以下、さらに好ましくは0.011%以下、さらに好ましくは0.009%以下、さらに好ましくは0.007%以下、さらに好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.004%以下である。一方で、Ti系炭硫化物形成により炭素時効(Cによる時効)を抑制する効果もあるため、積極的に添加することも可能で、好ましくは0.0006%以上、さらに好ましくは0.0011%以上、さらに好ましくは0.0021%以上、さらに好ましくは0.0031%以上、さらに好ましくは0.0041%以上、さらに好ましくは0.0051%以上、さらに好ましくは0.0061%以上、さらに好ましくは0.0071%以上、さらに好ましくは0.0081%以上、さらに好ましくは0.0091%以上、さらに好ましくは0.0101%以上、さらに好ましくは0.011%以上、さらに好ましくは0.012%以上、さらに好ましくは0.013%以上、さらに好ましくは0.014%以上、さらに好ましくは0.016%以上、さらに好ましくは0.018%以上、さらに好ましくは0.021%以上、さらに好ましくは0.026%以上である。
Pは、CやNの粒界偏析挙動を制御することで耐時効性を得るため0.001〜0.069%の範囲に限定する。耐食性確保の観点からは、0.059%以下が好ましく、さらに好ましくは0.049%以下、さらに好ましくは0.039%以下、さらに好ましくは0.029%以下、さらに好ましくは0.019%以下、さらに好ましくは0.014%以下、さらに好ましくは0.011%以下、さらに好ましくは0.009%以下、さらに好ましくは0.007%以下、さらに好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.004%以下である。一方で、結晶粒の微細化による強度確保の観点および焼鈍工程での高温強度確保から積極的に添加することも可能で、好ましくは0.0031%以上、さらに好ましくは0.0051%以上、さらに好ましくは0.0071%以上、さらに好ましくは0.0091%以上、さらに好ましくは0.011%以上、さらに好ましくは0.016%以上、さらに好ましくは0.021%以上、さらに好ましくは0.026%以上である。
Alは、一般的には脱酸のため添加されるが、本発明では後述のように窒化物形態を制御するために他の窒化物形成元素の添加量も加味した制御が必要である。少なすぎると鋼中酸化物が多くなり加工性を低下させる場合があり、多量に含有するとメッキ性が低下するので0.070〜1.99%とする。添加コストも考えれば1.49%以下が好ましく、さらに好ましくは0.99%以下、さらに好ましくは0.69%以下、さらに好ましくは0.49%以下、さらに好ましくは0.44%以下、さらに好ましくは0.39%以下、さらに好ましくは0.34%以下、さらに好ましくは0.29%以下、さらに好ましくは0.24%以下、さらに好ましくは0.195%以下、さらに好ましくは0.145%以下である。一方で、窒素時効(Nによる時効)の抑制および焼鈍工程での高温強度の確保の観点からは積極的に添加することが効果的で、好ましくは0.076%以上、さらに好ましくは0.081%以上、さらに好ましくは0.086%以上、さらに好ましくは0.096%以上、さらに好ましくは0.106%以上、さらに好ましくは0.116%以上、さらに好ましくは0.126%以上、さらに好ましくは0.146%以上、さらに好ましくは0.166%以上、さらに好ましくは0.186%以上、さらに好ましくは0.206%以上、さらに好ましくは0.256%以上、さらに好ましくは0.306%以上、さらに好ましくは0.406%以上、さらに好ましくは0.506%以上である。
TiとNbは、本発明では少なくともどちらかの1種が必須の元素であり、意図的に含有させる必要がある。どちらか1種のみでもよいし、2種とも含有させてもよい。本発明の効果の発現にはTiよりNbが好ましく、合計が同じ量になるのであればTiよりNbを多く含有させることが好ましく、Ti<Nbとすることが目的とする効果を得るのに都合が良い。このため各元素の適切な含有量範囲もNbの方がTiより高い領域に設定される。なお、意図的に添加しないものについても、原料等から不可避的な混入が認められる場合もあるが、これについても含有している量についても本発明の効果を発揮するものであり、本発明における含有量の対象とするものとする。
Tiは、炭化物、窒化物または炭窒化物形成元素として耐時効性を期待して含有させるが、炭化物、窒化物または炭窒化物の形態を制御するため他の炭化物、窒化物または炭窒化物形成元素の含有量も加味し、再結晶温度や高温強度、溶接時熱影響部の組織粗大化の抑制による溶接部加工性への影響を考慮した制御が必要である。少なすぎると耐時効性を劣化させるばかりでなく、高温強度の確保を困難にする場合があり、多量に添加すると合金コストが上昇するとともに、C、N、Al、Nb量にもよるが、過度に多量の炭化物、窒化物または炭窒化物の形成や固溶Tiの過度の残存のため再結晶温度の上昇が著しくなるので0.0005〜0.0804%とする。窒化物形成の観点では、本発明鋼ではAlが主として添加されるので、Tiの重要性は低くなる。メッキ性も考えれば0.0694%以下が好ましく、さらに好ましくは0.0594%以下、さらに好ましくは0.0494%以下、さらに好ましくは0.0394%以下、さらに好ましくは0.0344%以下、さらに好ましくは0.0294%以下、さらに好ましくは0.0244%以下、さらに好ましくは0.0194%以下、さらに好ましくは0.0174%以下、さらに好ましくは0.0154%以下、さらに好ましくは0.0134%以下である。目処として0.010%以上の十分な量のNbが添加され、または目処として0.11%以上の十分な量のAlが添加されていれば、さらに好ましくは0.0114%以下、さらに好ましくは0.0094%以下、さらに好ましくは0.0074%以下、さらに好ましくは0.0054%以下とすることもできる。一方で、炭素時効と窒素時効の抑制および焼鈍工程での高温強度の確保の観点からは積極的に添加することが効果的で、好ましくは0.0042%以上、さらに好ましくは0.0052%以上、さらに好ましくは0.0062%以上、さらに好ましくは0.0072%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0092%以上、さらに好ましくは0.0102%以上、さらに好ましくは0.0116%以上、さらに好ましくは0.0136%以上、さらに好ましくは0.0156%以上、さらに好ましくは0.0186%以上、さらに好ましくは0.0206%以上、さらに好ましくは0.0256%以上、さらに好ましくは0.0306%以上、さらに好ましくは0.0406%以上である。
Nbは、Tiと同様、炭化物、窒化物または炭窒化物、特に炭化物、炭窒化物形成元素として耐時効性を期待して含有させるが、炭化物、窒化物または炭窒化物形態を制御するため他の炭化物、窒化物または炭窒化物形成元素の含有量も加味し、再結晶温度や高温強度、溶接時熱影響部の組織粗大化の抑制による溶接部加工性への影響を考慮した制御が必要である。少なすぎると炭化物、炭窒化物の形成が不足し、耐時効性を大きく劣化させることがあるばかりでなく、高温強度の確保を困難にする場合があり、多量に添加すると合金コストが上昇するとともに、C、N、Al、Ti量にもよるが、過度に多量の炭化物、窒化物または炭窒化物の形成や固溶Nbの過度の残存のため再結晶温度の上昇が著しくなるので0.0051〜0.0894%とする。メッキ性も考えれば0.0694%以下が好ましく、さらに好ましくは0.0594%以下、さらに好ましくは0.0494%以下、さらに好ましくは0.0394%以下、さらに好ましくは0.0344%以下、さらに好ましくは0.0294%以下、さらに好ましくは0.0244%以下、さらに好ましくは0.0194%以下、さらに好ましくは0.0174%以下、さらに好ましくは0.0154%以下、さらに好ましくは0.0134%以下である。一方で、炭素時効と窒素時効の抑制および焼鈍工程での高温強度の確保の観点からは積極的に添加することが効果的で、好ましくは0.0062%以上、さらに好ましくは0.0072%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0092%以上、さらに好ましくは0.0102%以上、さらに好ましくは0.0112%以上、さらに好ましくは0.0122%以上、さらに好ましくは0.0136%以上、さらに好ましくは0.0156%以上、さらに好ましくは0.0176%以上、さらに好ましくは0.0206%以上、さらに好ましくは0.0256%以上、さらに好ましくは0.0306%以上、さらに好ましくは0.0406%以上、さらに好ましくは0.0506%以上である。
〔Ti+Nb〕は、TiまたはNbに関する記述に示したように、炭化物、窒化物または炭窒化物の形成、さらには高温強度の確保において必要な量を確保する必要があり、0.0101%以上とする必要がある。好ましくは0.0121%以上、さらに好ましくは0.0141%以上、さらに好ましくは0.0161%以上、さらに好ましくは0.0181%以上、さらに好ましくは0.0211%以上、さらに好ましくは0.0241%以上、さらに好ましくは0.0271%以上、さらに好ましくは0.0301%以上、さらに好ましくは0.0331%以上、さらに好ましくは0.0361%以上、さらに好ましくは0.0391%以上、さらに好ましくは0.0421%以上、さらに好ましくは0.0461%以上、さらに好ましくは0.0501%以上、さらに好ましくは0.0561%以上である。一方で、C、N、Al量にもよるが、過剰な添加は固溶Ti、固溶Nbを多量に残存させ、本発明鋼の有用な特徴を損なう。このため、上限を0.1394%とする。好ましくは0.1194%以下、さらに好ましくは0.0994%以下、さらに好ましくは0.0794%以下、さらに好ましくは0.0594%以下、さらに好ましくは0.0494%以下、さらに好ましくは0.0444%以下、さらに好ましくは0.0394%以下、さらに好ましくは0.0344%以下、さらに好ましくは0.0294%以下、さらに好ましくは0.0244%以下、さらに好ましくは0.0194%以下である。
上述の成分範囲については、個々の成分について見れば特段の規定条件ではない。本発明の特徴は、これらの成分範囲を以下に示すような特殊な関係を満足する範囲に限定することにあり、これにより本発明の特徴的な極めて有効な効果を発揮する。特に、C、N、Al、Ti、Nbの制御は本発明の特徴となる。
CとNは、これらが固溶して存在するものについては、冷間加工での歪の蓄積を効果的にし、焼鈍時の再結晶の駆動力を上昇させ、結晶粒微細化も伴ない、結果として再結晶温度が低くなり、工業的には焼鈍温度を低下させることが可能となる。また、固溶C、固溶N、およびこれらに起因する結晶粒微細化は、高温強度の確保にも有効に寄与する。これらにより省エネルギーや設備投資の面で有効となるとともに、通板性向上にも寄与するものである。これと同時に、これらは、溶接時に適度な焼入れ性を付与するとともに結晶組織粗大化を抑制し、溶接部の強度と加工性を確保するために有用な元素であり、溶接部を硬化させることで、溶接部の耐破断性が高まりハインテストの実施を可能とする。
しかし本発明では、以下の点でCとNの制御の方向性が大きく異なる。Cは工業的脱ガス工程で低減することが比較的易しいので、この低減を主とする。
一方、Nは大気中に多量に存在し大気から溶鋼中に侵入するため工業的脱ガス工程での低減が困難な元素であるため、これは鋼中に含有させ積極的に活用する。
また、耐時効性の観点から固溶Cを鋼中で析出物として固定するには、Ti、Nbなどの特殊元素、特にNbに頼らざるを得ない面があり、添加コストや微細析出物形成、固溶Ti、固溶Nbの不可避的残存による再結晶温度の上昇など悪影響も大きい。一方、Nは、鋼中での固定にAlを活用することが出来、添加コストの点で有利となるばかりでなく、AlNは工業的プロセスの中で比較的容易に粗大化させることが出来、固溶Alによる再結晶温度の上昇も小さく、工業的な悪影響を小さく抑えることが可能である。このようにして形成される各種の析出物も、冷間加工での歪の蓄積や、結晶粒径制御なども通じて、再結晶温度や高温強度の好ましい制御に寄与する。これらの観点から、C、N、Al、Ti、Nbについては本発明では特定の範囲に制御することが必須となる。
〔N−C〕は、0.0020%以上とすることが本発明の重要な条件である。Ti、Nb、Alの析出物を精緻に制御した本発明鋼においてこの値を0.0020%以上とすることで、薄手材料で特に問題となる高温強度を大幅に改善することが可能となる。また、溶接時の焼入れ性向上や結晶組織粗大化の抑制については、後述するように析出物形成の観点も含めてCよりもNを活用することが有利で、好ましい効果を発揮する。好ましくは0.0023%以上、さらに好ましくは0.0027%以上、さらに好ましくは0.0030%以上、さらに好ましくは0.0024%以上、さらに好ましくは0.0038%以上、さらに好ましくは0.0043%以上、さらに好ましくは0.0048%以上、さらに好ましくは0.0053%以上、さらに好ましくは0.0058%以上、さらに好ましくは0.0063%以上、さらに好ましくは0.0068%以上、さらに好ましくは0.0075%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0089%以上である。上限は前述のCとNの限定のため0.0745%となるが、極低Cで高Nとする製法の特殊性から製造効率が低下するため、0.0590%以下とすることが好ましい。また、Nが多い場合には、Al量にもよるが、粗大なAlNを形成し、これが鋼板表面に露出すると表面性状を劣化させたり、鋼板内部に形成したものが加工時の割れ起点になることもある。このため、さらに好ましくは0.0490%以下、さらに好ましくは0.0390%以下、さらに好ましくは0.0290%以下である。
製造効率の管理が厳しく求められる場合は、0.0240%以下が好ましく、さらに好ましくは0.0190%以下、さらに好ましくは0.0140%以下、さらに好ましくは0.0120%以下、さらに好ましくは0.0100%以下、さらに好ましくは0.0090%以下とする。
〔C+N〕は、0.0054%以上とすることも本発明の重要な要件である。本発明では製品強度および高温強度の確保、さらに冷延歪の蓄積による焼鈍時の再結晶の促進(再結晶温度の低温化)や溶接強度の確保にCとNが重要な役割を果たしている。この値が低い場合は、製品での強度不足、焼鈍通板性の劣化、溶接強度の不足やハインテストの実施不可能という問題を引き起こす。また、この値が低いと冷延歪の蓄積の低下、冷延前結晶粒径の粗大化、Ti、Nb含有量によっては固溶Ti、固溶Nbの上昇、などが起因となり冷延後の再結晶温度が高くなり高温焼鈍が必要となるため焼鈍通板性が劣化する。一般に製品強度を高めるにはSi、Mn、Pなどの含有量を高める手段が用いられるが、この方法では高温強度の確保が十分とはならず、再結晶温度も低くならず本発明の好ましい特徴が失われてしまう。
従って、〔C+N〕の制御は本発明の好ましい特徴を確保するのに重要である。好ましくは0.0061%以上、さらに好ましくは0.0068%以上、さらに好ましくは0.0075%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0092%以上、さらに好ましくは0.00102%以上、さらに好ましくは0.0112%以上、さらに好ましくは0.0122%以上、さらに好ましくは0.0132%以上、さらに好ましくは0.0152%以上である。一方、多すぎると、加工性や耐時効性が劣化する。上限は前述のCとNの限定により0.0857%である。好ましくは0.0800%以下であり、さらに好ましくは0.0600%以下、さらに好ましくは0.0400%以下、さらに好ましくは0.0300%以下、さらに好ましくは0.0250%以下、さらに好ましくは0.0200%以下、さらに好ましくは0.0150%以下、さらに好ましくは0.0120%以下、さらに好ましくは0.0100%以下、さらに好ましくは0.0090%以下、さらに好ましくは0.0080%以下、さらに好ましくは0.0070%以下、さらに好ましくは0.0060%以下である。
さらに本発明の効果はAlをNに対して多量に含有させることで発現する。〔Al/N〕を10超にすることが必要である。好ましくは11.1超、さらに好ましくは12.1超、さらに好ましくは13.1超、さらに好ましくは14.1超、さらに好ましくは15.1超、さらに好ましくは16.1超、さらに好ましくは17.1超、さらに好ましくは18.1超、さらに好ましくは19.1超、さらに好ましくは21.1超、さらに好ましくは23.1超、さらに好ましくは25.1超、さらに好ましくは30.1超、さらに好ましくは35.1超、さらに好ましくは40.1超、さらに好ましくは45.1超、さらに好ましくは55.1超である。
前述のAlとNの限定のため、上限は781となるが、Al量が過剰に多くなると添加コストが上昇する他、前述のように含有N量によっては粗大AlNが形成し、鋼板表面性状や加工性を劣化させる原因にもなる。また、Nが少なくAlだけが過剰で固溶Alが多量に残存すると製造工程での吸窒が起きやすく、鋼中に侵入したNが微細AlNを形成し、コイル内の材質変動を大きくする。さらには溶接時にAlNの溶解が起き難くなり、材料の焼入れ性が低下するため、溶接部が軟質化しハインテストの正常な実施に支障を生じる。N量にも依存するため一概には言えないが、〔Al/N〕の上限はこれらの点に注意して制御する必要がある。好ましくは70.0以下、さらに好ましくは60.0以下、さらに好ましくは50.0以下、さらに好ましくは40.0以下、さらに好ましくは30.0以下である。
〔(Ti+Nb)/Al〕は、AlをN固定のため比較的多量に含有させ、TiとNbはNおよびC固定、さらには固溶による高温強度確保のための必要最小量にとどめるという本発明の基本的指針から上限を定め、0.8以下とする。本発明の効果を十分に得るには、Alを多くすることが重要で、好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.44以下、さらに好ましくは0.39以下とする。Alが少なく、Ti、Nbが多いと、含有N量にもよるが、Nが微細なTi、Nbの窒化物として多量に析出したり、固溶Ti、固溶Nbが多くなり、再結晶温度を不用意に上昇させてしまうこともある。また、Ti、Nbの炭化物や窒化物が過度に安定化してしまうと、溶接時の熱で溶解せず、焼入れ性を確保する固溶Cや固溶Nが少なくなり、溶接部の破断によるハインテストの不具合が生じることもある。なお、TiおよびNbは必須の元素であるため、〔(Ti+Nb)/Al〕の値はゼロになることはなく、上記の各元素の限定により下限値は0.005となるが、Ti、Nbの効果を得つつ、過剰Alの影響を抑制するには、0.04以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.06以上、さらに好ましくは0.08以上、さらに好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.12以上、さらに好ましくは0.14以上、さらに好ましくは0.16以上、さらに好ましくは0.18以上、さらに好ましくは0.20以上、さらに好ましくは0.22以上、さらに好ましくは0.26以上、さらに好ましくは0.31以上、さらに好ましくは0.36以上である。Alが少ないうえに、Ti、Nbも不足すると、C、Nの固定が不十分となり耐時効性が劣化したり、焼鈍時や溶接時の結晶粒粗大化抑止効果が小さくなり、所望の焼鈍通板性が発現しないことや、溶接部の加工性が劣化することもある。
〔(Ti/48+Nb/93)×12/C〕は、固溶Cを低減し耐時効性を高めるために、0.5以上とする。好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.9以上、さらに好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.7以上、さらに好ましくは2.0以上である。この値が高すぎると、固溶Ti、固溶Nbが多くなり再結晶温度が不用意に高くなってしまうばかりか、炭化物および窒化物が過度に安定化し、溶接時の焼入れ性が低下するなど、本発明鋼の好ましい特徴を損なう面もあるので、15.0以下とすることが好ましい。さらに好ましくは10.0以下、さらに好ましくは8.0以下、さらに好ましくは7.0以下、さらに好ましくは6.0以下、さらに好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.0以下である。
〔(Ti/48+Nb/93)/(C/12+N/14)〕は固溶Ti、固溶Nbによる過度な再結晶温度上昇や、炭化物や窒化物の過度な安定化による溶接強度不足を回避するために、2.0以下とする。好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、さらに好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.3以下、さらに好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下、さらに好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下である。この値が低すぎると、固溶C、固溶Nが多くなり本発明鋼の好ましい特徴を損なうので、0.31超とする。好ましくは0.36超、さらに好ましくは0.41超、さらに好ましくは0.46超、さらに好ましくは0.51超、さらに好ましくは0.61超である。
本発明におけるC,N,Al,Ti,Nbの影響は、固溶状態にあるもの、析出物を形成するもの、その量と種類、また各種特性を評価する状況などで複雑に変化し、お互いが相互に影響するため非常に複雑となることもありメカニズムについても完全に解明できているとは言い難い面もある。とは言え、本発明の範囲内で制御された鋼板においては、本発明の好ましい効果を確実に得ることが可能となる。
一般的に工業的鉄鋼製品には原材料に起因して不可避的、または何らかの目的を持って各種の元素が含有される。これらは目的や用途により制御、添加することが可能であり、それにより本発明の効果が完全に失われることはない。一応の目安として、本発明が主たる目的としている容器用極薄鋼板において想定される添加範囲を以下に示す。
Cr:0.49%以下、V:0.049%以下、Mo:0.049%以下、Co:0.049%以下、W:0.049%以下、Zr:0.049%以下、Ta:0.049%以下、B:0.0079%以下、Ni:0.29%以下、Cu:0.069%以下、Sn:0.069%以下、O:0.059%以下、REM:0.019%以下、Ca:0.049%以下 である。好ましくは、Cr:0.29%以下、V:0.009%以下、Mo:0.009%以下、Co:0.009%以下、W:0.009%以下、Zr:0.009%以下、Ta:0.009%以下、B:0.0029%以下、Ni:0.19%以下、Cu:0.029%以下、Sn:0.019%以下、O:0.009%以下、REM:0.009%以下、Ca:0.009%以下 である。より好ましくは、Cr:0.06%以下、V:0.003%以下、Mo:0.004%以下、Co:0.003%以下、W:0.003%以下、Zr:0.003%以下、Ta:0.003%以下、B:0.0009%以下、Ni:0.04%以下、Cu:0.019%以下、Sn:0.009%以下、O:0.004%以下、REM:0.003%以下、Ca:0.003%以下であり、残部は鉄及び不可避的不純物からなる。
ただし、本発明の効果および範囲はこれに限定されるものではなく、目的や用途により一般に知られた範囲でこれ以上に添加することができることは言うまでもない。ただし、本発明への適用においては特に炭化物形成元素や窒化物形成元素が多量に含有された場合は本発明の効果を弱くする影響が大きいことは注意を要する。
次に成分以外の好ましい要件について記述する。
本発明では上述のように結晶粒の微細化が鋼板製造工程での焼鈍通板性や、鋼板利用時の溶接部加工性などに好ましく寄与するが、この結果、製品板において結晶粒径が微細化することが好ましい形態のひとつであり、結晶粒の平均直径が30μm以下であることを特徴とする。さらに好ましくは24μm以下、さらに好ましくは19μm以下、さらに好ましくは14μm以下、さらに好ましくは9μm以下、さらに好ましくは7μm以下である。これは強度延性バランスを考えた場合は結晶粒径の微細化効果を使った方が有利であることに加え、肌荒れなどの表面外観が向上することによる。ただし、あまりに微細化すると過度に硬質化し、加工性を損なうので、1μm以上、さらには2μm以上、さらには4μm以上を好ましい範囲とする。
材料特性も本発明は好ましい範囲に調整されることが好ましい。これは、C、Nなどに起因した時効性や焼鈍通板性など生産性の制約がなければ、本発明によらず成分を自由に設計してそれなりの特性を有する材料を製造することが可能だからである。言い換えると、時効性や板厚なども含めた焼鈍通板性の制約の中で特にこれまで製造が困難であった範囲において本発明を適用することでの工業的意味合いが大きい。
時効性は、210℃で30分の時効を施した後の引張試験において降伏点伸びが4.0%以下となることが特徴である。さらに好ましくは2.9%以下、さらに好ましくは1.4%以下、さらに好ましくは0.9%以下、さらに好ましくは0.4%以下であり、降伏点伸びを全く示さないものが最も好ましいものであることは言うまでもない。
この値が4.0%以下であれば何らかの時効性の制御がされた鋼板ということができ、2.9%以下であれば国内での通常の使用において問題は生じない。また1.4%以下であれば、海外への輸送船の倉庫内で赤道を通過するような海外ユーザーでの使用においても通常であれば問題は生じない。0.4%以下では、引張試験のチャートで降伏現象は確認できるものの、実際の引張サンプルにおいてリューダース帯などの顕著な表面性状の変化は問題にならない程度である。
表面硬度は、容器用鋼板で通常用いられるロックウェルスーパーフィシャル硬度HR30Tで、51以上のものに適用することが好ましい。これはこれ以下の軟質材であれば本発明を適用せずとも、通常の極低炭素系の材料またはBAF材での製造が工業的に確立されているからである。さらに好ましくは53以上、さらに好ましくは55以上、さらに好ましくは57以上である。一方、硬度の上限は71以下のものに適用することが好ましい。
これはこれ以上の硬質材であれば本発明を適用せずとも、通常の低炭素系の材料または再冷延材での製造が工業的に確立されているからである。さらに好ましくは69以下、さらに好ましくは67以下、さらに好ましくは65以下である。
本発明の極薄鋼板は、上述の組成に調整し、製造した鋼片又は鋳片を加熱して熱間圧延した後、この熱間圧延鋼板を酸洗し、冷間圧延を施し、焼鈍した後、再度、冷間圧延(再冷延)を施す常法によって製造することができるが、製造条件としては、本発明の目的が薄手材の効率的な製造にあることから、冷延率、焼鈍温度、再冷延率について、適用が好ましい範囲を設定する。
冷延率は80%以上が好ましい。これは、通常これ以下の冷延率で製造されるのは厚手材であり、本発明が解決しようとしている焼鈍時の通板性などの問題が生じにくいためである。さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上である。現在、材料の薄手化が進んでおり冷延率は上昇する傾向にあるが、上限は工業的な実現可能性から99%とする。
焼鈍は、基本的には連続焼鈍で行なわれる。もちろん焼鈍温度が比較的低く、時効性が抑制され、強度延性バランスが良好であるという本発明の特徴はバッチ焼鈍でも得ることが可能であるが、バッチ焼鈍では、通板性の問題は生じず、焼鈍鋼板の冷却速度が十分に遅いため時効性も十分に抑制されており、工業的なメリットは小さい。連続焼鈍時の焼鈍温度については、冷間圧延後の焼鈍温度を低くすることが本発明の目的の一つであり、これを低くできることが本発明鋼の特徴の一つにもなることから、冷間圧延後の焼鈍温度を789℃以下とすることが本発明の好ましい形態の一つとなる。さらに好ましくは769℃以下、さらに好ましくは759℃以下、さらに好ましくは739℃以下、さらに好ましくは719℃以下、さらに好ましくは699℃以下である。もちろん焼鈍温度を高めることで加工性を向上させることは本発明の効果を損なうものではない。ただし、あまりに高温で焼鈍した場合、本発明で特徴的な炭窒化物が多量に溶解してしまい、その後の冷却速度によっては時効性が大きくなる場合があることに注意が必要である。下限温度は641℃とする。この温度は、90%程度の冷延率で製造通常の低炭素鋼において、再結晶温度が600℃程度まで低くなっており、一般的に600〜680℃程度で焼鈍が行なわれていることを考えると高めの温度設定にはなるが、これ以下の温度では、成分や熱延条件(スラブ加熱温度、巻取温度など)にもよるが、良好な強度延性バランスを得ることが困難となる。さらに好ましくは661℃以上、さらに好ましくは681℃以上、さらに好ましくは701℃以上、さらに好ましくは721℃以上、さらに好ましくは741℃以上である。
本発明鋼板は通常の薄手材と同様に、焼鈍後に形状制御や材質調整のため、再冷延を施すことが可能である。ここでいう再冷延は通常、スキンパスと呼ばれる圧延も含むものである。この圧延は乾式圧延で行ない、この際の圧下率は5%以下とすることが好ましい。
これは湿式圧延では一般的に圧下率が低い領域の制御が困難で5%超の圧延を余儀なくされるため材料が硬質化してしまうが、このような硬質な材料は本発明によらなくとも従来技術でも製造が可能だからである。圧下率はさらに好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは1.9%以下、さらに好ましくは1.4%以下である。圧下率が高いほど硬質で耐時効性が向上することは言うまでもない。
本発明鋼板は表面処理鋼板用の原板としても使用されるが、表面処理により本発明の効果はなんら損なわれるものではない。自動車、建材、電機、電器、容器用の表面処理として通常行われる、錫、クロム(ティンフリー)、ニッケル、亜鉛、アルミ、鉄およびこれらの合金などが電気メッキ、溶融メッキを問わず施すことができる。また、近年使用されるようになっている有機皮膜を貼ったラミネート鋼板用の原板としても発明の効果を損なうことなく使用できる。
容器用に使用する場合、絞り、しごき、引き伸ばし、溶接などにより成形される各種容器に使用できる。容器製造工程における、フランジ成形、縮径成形、拡缶成形、エンボス成形、巻締め成形の他、蓋材にもとめられるスコア加工、張り出し成形など、加工性が向上する。
機械的特性はJIS5号引張試験片での引張試験により測定した。
容器用鋼板での材質グレードで重要な値である硬さはロックウェルスーパーフィシャル硬度HR30Tで測定した。
結晶粒径は鋼板断面を研磨、エッチングした組織を光学顕微鏡で観察し測定し平均値を算出した。
時効性は210℃×30分の時効を行った鋼板で、JIS5号引張試験片による引張試験を行い評価した。評価は、○:降伏点伸び=0%、●:0%<降伏点伸び≦0.4%、△:0.4%<降伏点伸び≦1.4%、×:降伏点伸び>1.4%とした。
ハインテスト性は、溶接で製造した3ピース缶胴において、一般的に行なわれている方法でハインテストを10回行い、溶接線部で破断しテスト不可となったものの回数で評価した。評価は、○:テスト不可なし、△:テスト不可が1回または2回、×:テスト不可が3回以上とした。
溶接部加工性は、溶接で製造した3ピース缶胴において、一般的に行なわれている方法でダイフランジ成形を行い、限界フランジ出し長さで評価した。評価は、○:6mm以上(非常に良好)、△:3mm以上6mm未満(実用可能)、×:3mm未満(実用不能)とした。
表面性状は、一般的な鋼板製造で行なわれる通板ラインでの目視試験で実施した。評価は、○:非常に良好(非常に美麗)、△:良好(一般的な出荷合格品レベル/許容できる表面の不均一が部分的に見られるが、切除部はない。切除が必要な表面欠陥部がコイル全体の3%以下)、×:不良(疵による切除部がコイル全体の3%超〜全面疵発生による出荷停止レベル)とした。
焼鈍通板性は、一般的な鋼板製造現場で行なっている、連続焼鈍ライン通板時の腰折れ防止のための張力制御性で判断した。張力制御の絶対値は、ライン設備そのものはもちろん、鋼種や通板速度、板サイズなどで少なからず変動するが、本実施例では、通板時の板ズレ(ウォーキング)を回避する最低張力(張力制御下限)として、0.3kgf/mm2を基準として、ヒートバックル発生限界の張力(張力制御上限)までの幅で判定した。評価は、○:非常に良好(制御の余裕代が大きい/制御幅:1.4kgf/mm2以上)、△:良好(プロパー材製造レベル/制御幅:0.2kgf/mm2以上1.4kgf/mm2未満)、×:不良(全長にわたる完全な制御困難、一部で軽いヒートバックル発生する場合あり/制御幅:0.2kgf/mm2未満)とした。
コイル内材質均一性は、製造したコイルの長手のトップ20m部、中央部、ボトム20m部について、幅ワークサイド100mm部、中央部、ドライブサイド100mm部の計9点で、JIS5号引張試験片での引張試験により0.2%耐力を測定し、(最大値と最小値の差)/(平均値)で評価した。評価は、○:0.10以下、△:0.10超0.20以下、×:0.20超とした。
この結果から明らかなように本発明の範囲内で製造された発明例は良好な特性が得られている一方で、本発明の範囲外で製造された比較例は、何れかの評価結果が×となり、本発明の効果が確認された。
具体的には、本発明は、下記(a)〜(C)の特徴を有する。
(a)Cの含有量は低くしつつNの含有量を極度に低減せず、C量以上とする。
Nは、(b)、(c)に示すTi、Nb、Alと結合させ窒化物を形成させることで常温強度の確保、高温強度の確保、再結晶温度適正化に効果を発揮する。
また、冷延時に存在する固溶Nは、冷延加工歪の蓄積を高め、焼鈍時の再結晶を促進する。さらに溶接時の結晶組織変化を制御し焼入れ性を適度に付与することで、溶接部の強度、加工性を付与する。また、溶接評価試験(ハインテスト)において、溶接線部の強度を高めることで溶接線部での破断を抑止し、正常な試験を可能とする。
(b)Ti、Nbは少なくとも1種を必須元素として特定の範囲に限定して添加する。これらの元素を窒化物、炭化物として形成させ、常温強度の確保、高温強度の確保、再結晶温度適正化に効果を発揮させるとともに、固溶C、固溶Nによる時効を抑制し耐時効性を高める。
(c)Alを多量に添加する。これと(a)の結果、多量のAlNを形成させ、常温強度の確保、高温強度の確保、再結晶温度適正化に効果を発揮させるとともに、固溶Nによる時効を抑制し耐時効性を高める。
(1)質量%で、
C:0.0004〜0.0108%、
N:0.0032〜0.0749%、
Si:0.0001〜1.99%、
Mn:0.006〜1.99%、
S:0.0001〜0.089%、
P:0.001〜0.069%、
Al:0.070〜1.99%、を含有し、
さらに、TiとNbのうち1種または2種を、
Ti:0.0005〜0.0804%、
Nb:0.0051〜0.0894%、
Ti+Nb:0.0101〜0.1394%、の範囲で含有し、
さらに、N−C≧0.0020%、C+N≧0.0054%、Al/N>10、(Ti+Nb)/Al≦0.8、(Ti/48+Nb/93)×12/C≧0.5、0.31<(Ti/48+Nb/93)/(C/12+N/14)≦2.0の関係を満たし、残部鉄および不可避的不純物からなり、かつ、板厚:0.4mm以下であることを特徴とする極薄鋼板。
(2)結晶粒の平均直径が30μm以下であることを特徴とする(1)に記載の極薄鋼板。
(3)210℃で30分の時効後の降伏点伸びが4.0%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の極薄鋼板。
(4)表面硬度HR30T:51〜71、降伏応力:200〜400MPa、引張強度:320〜450MPa、全伸び:15〜45%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の極薄鋼板。
(5)表面硬度HR30T:51〜71、降伏応力:200〜400MPa、引張強度:320〜450MPa、全伸び:15〜45%であることを特徴とする(3)に記載の極薄鋼板。
(7)前記冷間圧延後の焼鈍が連続焼鈍で行なわれ、その際の焼鈍温度を641〜789℃とすることを特徴とする(6)に記載の極薄鋼板の製造方法。
(8)前記焼鈍後に再冷延を乾式圧延で行い、その圧下率を5%以下とすることを特徴とする(6)または(7)に記載の極薄鋼板の製造方法。
また、板厚が0.40mmを超えるような厚手の材料は本発明が対象としている鋼板とは異なり、さらに高い伸び、高いr値が求められるため、一般的に800℃を超えるような高温で焼鈍されることが多く、このような高温においては本発明の効果も小さくなってしまうこともある。すなわち、本発明の効果は従来の厚手の材料を対象とした技術からは生み出されないものであると同時に、厚手材の製造技術への適用も意味がないものである。このため、対象材の板厚を0.40mm以下に限定する。好ましくは0.30mm以下、さらに好ましくは0.20mm以下、さらに好ましくは0.15mm以下、さらに好ましくは0.12mm以下、さらに好ましくは0.10mm以下である。
これに加え、高温強度確保や再結晶温度低温化、溶接時熱影響部の組織粗大化抑制による溶接部加工性の観点からは、さらに高くすることが有利となる。
好ましくは0.0021%以上、さらに好ましくは0.0026%以上、さらに好ましくは0.0031%以上、さらに好ましくは0.0036%以上である。C量が高くなると時効性の観点で、Ti、Nb添加量を多くする必要が生ずる。
本発明ではNは多くの部分が何らかの窒化物を形成しているので、あまりに多量に含有すると加工性が劣化する場合があるため、上限を0.0749%とする。また、窒化物形成元素の含有量との兼ね合いはあるが、耐時効性を顕著に劣化させる場合があるため、N量としては0.0549%以下にとどめることが好ましい。さらに好ましくは0.0299%以下、さらに好ましくは0.0199%以下、さらに好ましくは0.0149%以下、さらに好ましくは0.0129%以下、さらに好ましくは0.0109%以下、さらに好ましくは0.0099%以下、さらに好ましくは0.0089%以下である。一方で、低すぎると窒化物量が不十分となり、高温強度や製品強度、溶接時熱影響部の組織粗大化抑制による溶接部加工性を確保するための本発明の効果を発揮できず、真空脱ガス処理コストを増すだけである。
このため下限を0.0032%とする。必要とする製品強度を確保できなくなることや本発明の特徴である高温強度の確保が困難となることを考えると、好ましくは0.0042%以上、さらに好ましくは0.0047%以上、さらに好ましくは0.0052%以上、さらに好ましくは0.0057%以上、さらに好ましくは0.0062%以上、さらに好ましくは0.0072%以上、さらに好ましくは0.0082%以上である。
一方で、製品強度の確保および焼鈍工程での高温強度の確保のために積極的に添加することも可能であり、好ましくは0.0006%以上、さらに好ましくは0.0011%以上、さらに好ましくは0.0016%以上、さらに好ましくは0.0021%以上、さらに好ましくは0.0041%以上、さらに好ましくは0.0061%以上、さらに好ましくは0.0081%以上、さらに好ましくは0.011%以上である。
一方で、製品強度確保および焼鈍工程での高温強度確保のために積極的に添加することも可能で、好ましくは0.006%以上、さらに好ましくは0.011%以上、さらに好ましくは0.016%以上、さらに好ましくは0.021%以上、さらに好ましくは0.041%以上、さらに好ましくは0.061%以上、さらに好ましくは0.081%以上、さらに好ましくは0.11%以上である。
一方で、窒素時効(Nによる時効)の抑制および焼鈍工程での高温強度の確保の観点からは積極的に添加することが効果的で、好ましくは0.076%以上、さらに好ましくは0.081%以上、さらに好ましくは0.086%以上、さらに好ましくは0.096%以上、さらに好ましくは0.106%以上、さらに好ましくは0.116%以上、さらに好ましくは0.126%以上、さらに好ましくは0.146%以上、さらに好ましくは0.166%以上、さらに好ましくは0.186%以上である。
目処として0.010%以上の十分な量のNbが添加され、または目処として0.11%以上の十分な量のAlが添加されていれば、さらに好ましくは0.0114%以下とすることもできる。一方で、炭素時効と窒素時効の抑制および焼鈍工程での高温強度の確保の観点からは積極的に添加することが効果的で、好ましくは0.0042%以上、さらに好ましくは0.0052%以上、さらに好ましくは0.0062%以上、さらに好ましくは0.0072%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0092%以上、さらに好ましくは0.0102%以上である。
一方で、炭素時効と窒素時効の抑制および焼鈍工程での高温強度の確保の観点からは積極的に添加することが効果的で、好ましくは0.0062%以上、さらに好ましくは0.0072%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0092%以上、さらに好ましくは0.0102%以上、さらに好ましくは0.0112%以上、さらに好ましくは0.0122%以上、さらに好ましくは0.0136%以上、さらに好ましくは0.0156%以上である。
一方で、C、N、Al量にもよるが、過剰な添加は固溶Ti、固溶Nbを多量に残存させ、本発明鋼の有用な特徴を損なう。このため、上限を0.1394%とする。好ましくは0.1194%以下、さらに好ましくは0.0994%以下、さらに好ましくは0.0794%以下、さらに好ましくは0.0594%以下、さらに好ましくは0.0494%以下、さらに好ましくは0.0444%以下、さらに好ましくは0.0394%以下、さらに好ましくは0.0344%以下である。
しかし本発明では、以下の点でCとNの制御の方向性が大きく異なる。Cは工業的脱ガス工程で低減することが比較的易しいので、この低減を主とする。
一方、Nは大気中に多量に存在し大気から溶鋼中に侵入するため工業的脱ガス工程での低減が困難な元素であるため、これは鋼中に含有させ積極的に活用する。
また、耐時効性の観点から固溶Cを鋼中で析出物として固定するには、Ti、Nbなどの特殊元素、特にNbに頼らざるを得ない面があり、添加コストや微細析出物形成、固溶Ti、固溶Nbの不可避的残存による再結晶温度の上昇など悪影響も大きい。
一方、Nは、鋼中での固定にAlを活用することが出来、添加コストの点で有利となるばかりでなく、AlNは工業的プロセスの中で比較的容易に粗大化させることが出来、固溶Alによる再結晶温度の上昇も小さく、工業的な悪影響を小さく抑えることが可能である。このようにして形成される各種の析出物も、冷間加工での歪の蓄積や、結晶粒径制御なども通じて、再結晶温度や高温強度の好ましい制御に寄与する。これらの観点から、C、N、Al、Ti、Nbについては本発明では特定の範囲に制御することが必須となる。
上限は前述のCとNの限定のため0.0745%となるが、極低Cで高Nとする製法の特殊性から製造効率が低下するため、0.0590%以下とすることが好ましい。また、Nが多い場合には、Al量にもよるが、粗大なAlNを形成し、これが鋼板表面に露出すると表面性状を劣化させたり、鋼板内部に形成したものが加工時の割れ起点になることもある。このため、さらに好ましくは0.0490%以下、さらに好ましくは0.0390%以下、さらに好ましくは0.0290%以下である。
製造効率の管理が厳しく求められる場合は、0.0240%以下が好ましく、さらに好ましくは0.0190%以下、さらに好ましくは0.0140%以下、さらに好ましくは0.0120%以下、さらに好ましくは0.0100%以下、さらに好ましくは0.0090%以下とする。
従って、〔C+N〕の制御は本発明の好ましい特徴を確保するのに重要である。好ましくは0.0061%以上、さらに好ましくは0.0068%以上、さらに好ましくは0.0075%以上、さらに好ましくは0.0082%以上、さらに好ましくは0.0092%以上、さらに好ましくは0.0102%以上、さらに好ましくは0.0112%以上、さらに好ましくは0.0122%以上、さらに好ましくは0.0132%以上である。一方、多すぎると、加工性や耐時効性が劣化する。上限は前述のCとNの限定により0.0857%である。好ましくは0.0800%以下であり、さらに好ましくは0.0600%以下、さらに好ましくは0.0400%以下、さらに好ましくは0.0300%以下、さらに好ましくは0.0250%以下、さらに好ましくは0.0200%以下、さらに好ましくは0.0150%以下である。
前述のAlとNの限定のため、上限は781となるが、Al量が過剰に多くなると添加コストが上昇する他、前述のように含有N量によっては粗大AlNが形成し、鋼板表面性状や加工性を劣化させる原因にもなる。また、Nが少なくAlだけが過剰で固溶Alが多量に残存すると製造工程での吸窒が起きやすく、鋼中に侵入したNが微細AlNを形成し、コイル内の材質変動を大きくする。さらには溶接時にAlNの溶解が起き難くなり、材料の焼入れ性が低下するため、溶接部が軟質化しハインテストの正常な実施に支障を生じる。N量にも依存するため一概には言えないが、〔Al/N〕の上限はこれらの点に注意して制御する必要がある。好ましくは70.0以下、さらに好ましくは60.0以下、さらに好ましくは50.0以下、さらに好ましくは40.0以下、さらに好ましくは30.0以下である。
Alが少なく、Ti、Nbが多いと、含有N量にもよるが、Nが微細なTi、Nbの窒化物として多量に析出したり、固溶Ti、固溶Nbが多くなり、再結晶温度を不用意に上昇させてしまうこともある。また、Ti、Nbの炭化物や窒化物が過度に安定化してしまうと、溶接時の熱で溶解せず、焼入れ性を確保する固溶Cや固溶Nが少なくなり、溶接部の破断によるハインテストの不具合が生じることもある。なお、TiおよびNbは必須の元素であるため、〔(Ti+Nb)/Al〕の値はゼロになることはなく、上記の各元素の限定により下限値は0.005となるが、Ti、Nbの効果を得つつ、過剰Alの影響を抑制するには、0.04以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.06以上、さらに好ましくは0.08以上、さらに好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.12以上、さらに好ましくは0.14以上、さらに好ましくは0.16以上、さらに好ましくは0.18以上、さらに好ましくは0.20以上、さらに好ましくは0.22以上、さらに好ましくは0.26以上、さらに好ましくは0.31以上、さらに好ましくは0.36以上である。Alが少ないうえに、Ti、Nbも不足すると、C、Nの固定が不十分となり耐時効性が劣化したり、焼鈍時や溶接時の結晶粒粗大化抑止効果が小さくなり、所望の焼鈍通板性が発現しないことや、溶接部の加工性が劣化することもある。
これはこれ以上の硬質材であれば本発明を適用せずとも、通常の低炭素系の材料または再冷延材での製造が工業的に確立されているからである。さらに好ましくは69以下、さらに好ましくは67以下、さらに好ましくは65以下である。
これは湿式圧延では一般的に圧下率が低い領域の制御が困難で5%超の圧延を余儀なくされるため材料が硬質化してしまうが、このような硬質な材料は本発明によらなくとも従来技術でも製造が可能だからである。圧下率はさらに好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは1.9%以下、さらに好ましくは1.4%以下である。圧下率が高いほど硬質で耐時効性が向上することは言うまでもない。
容器用に使用する場合、絞り、しごき、引き伸ばし、溶接などにより成形される各種容器に使用できる。容器製造工程における、フランジ成形、縮径成形、拡缶成形、エンボス成形、巻締め成形の他、蓋材にもとめられるスコア加工、張り出し成形など、加工性が向上する。
容器用鋼板での材質グレードで重要な値である硬さはロックウェルスーパーフィシャル硬度HR30Tで測定した。
Claims (8)
- 質量%で、
C:0.0004〜0.0108%、
N:0.0032〜0.0749%、
Si:0.0001〜1.99%、
Mn:0.006〜1.99%、
S:0.0001〜0.089%、
P:0.001〜0.069%、
Al:0.070〜1.99%、を含有し、
さらに、TiとNbのうち1種または2種を、
Ti:0.0005〜0.0804%、
Nb:0.0051〜0.0894%、
Ti+Nb:0.0101〜0.1394%、の範囲で含有し、
さらに、N−C≧0.0020%、C+N≧0.0054%、Al/N>10、(Ti+Nb)/Al≦0.8、(Ti/48+Nb/93)×12/C≧0.5、0.31<(Ti/48+Nb/93)/(C/12+N/14)≦2.0の関係を満たし、残部鉄および不可避的不純物からなり、かつ、板厚:0.4mm以下であることを特徴とする極薄鋼板。 - 結晶粒の平均直径が30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の極薄鋼板。
- 210℃で30分の時効後の降伏点伸びが4.0%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の極薄鋼板。
- 表面硬度HR30T:51〜71、降伏応力:200〜400MPa、引張強度:320〜450MPa、全伸び:15〜45%であることを特徴とする請求項1または2に記載の極薄鋼板。
- 表面硬度HR30T:51〜71、降伏応力:200〜400MPa、引張強度:320〜450MPa、全伸び:15〜45%であることを特徴とする請求項3に記載の極薄鋼板。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の極薄鋼板の製造方法であって、請求項1に記載の組成を有する鋼片又は鋳片を加熱して熱間圧延した後、冷間圧延を冷延率80〜99%で行い、再結晶率が100%となる焼鈍をすることを特徴とする極薄鋼板の製造方法。
- 前記冷間圧延後の焼鈍が連続焼鈍で行なわれ、その際の焼鈍温度を641〜789℃とすることを特徴とする請求項6に記載の極薄鋼板の製造方法。
- 前記焼鈍後に再冷延を乾式圧延で行い、その圧下率を5%以下とすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の極薄鋼板の製造方法。
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