JPWO2010134509A1 - 含フッ素1,6−ジエン型エーテル化合物及び含フッ素重合物 - Google Patents

含フッ素1,6−ジエン型エーテル化合物及び含フッ素重合物 Download PDF

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Abstract

式[1]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物を用いて得られた含フッ素重合物は、低屈折率、高ガラス転移点、高透明性、溶剤可溶性を示す高機能ポリマーであり、コーティング材料やバルク材料として多くの用途が見込まれる。例えば、低反射膜や光導波路のクラッド等の光学材料、半導体リソグラフィーにおけるペリクルやレジスト等の半導体材料、さらには、保護膜材料、絶縁膜材料、撥水材料などの先端技術分野の用途に有効である。(式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基を表す。)

Description

本発明は、含フッ素1,6−ジエン型エーテル化合物、並びにこれを用いて得られる含フッ素重合物およびその製造方法に関する。
フッ素系ポリマーの代表例であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、高い耐熱性や耐薬品性を示すが、結晶性であるため不透明である。
また、サイトップ(登録商標)やテフロン(登録商標)AFは、非晶質、かつ、溶剤可溶の透明ポリマーで、低反射膜などに利用されているが、ガラス転移点が低く、その用途に制限を受ける。
一方、オクタフルオロシクロペンテン(OFCP)は、工業的に製造されているシクロオレフィンであるが、重合性に乏しいため、モノマーとしての利用例は非常に少ない。
本出願人は、OFCPとホモアリルアルコールとを反応させて得られる1,6−ジエン型エーテル化合物を重合することで、高いガラス転移点を有する含フッ素重合体が得られることを既に報告している(特許文献1参照)。
しかし、屈折率、耐熱性およびガラス転移点の全ての特性を満足する材料は未だ得られていない。
特開2007−314586号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低屈折率、高ガラス転移点、高透明性および溶剤可溶性の含フッ素重合物を与え得る含フッ素1,6−ジエン型エーテル化合物、並びにこれを用いて得られる含フッ素重合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の含フッ素1,6−ジエン型エーテル化合物を原料モノマーとして用いることで、低屈折率、高ガラス転移点、高透明性および溶剤可溶性を示す高機能な含フッ素重合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. 式[1]で表されることを特徴とする1,6−ジエン型エーテル化合物、
Figure 2010134509
(式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基を表す。)
2. 前記R1が、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基である1の1,6−ジエン型エーテル化合物、
3. 前記R1が、炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基である2の1,6−ジエン型エーテル化合物、
4. 2もしくは3の1,6−ジエン型エーテル化合物同士の重合により、または2もしくは3の1,6−ジエン型エーテル化合物と式[2]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物との重合により得られることを特徴とする含フッ素重合物、
Figure 2010134509
5. 式[3]および/または式[4]で表される構造単位を含むことを特徴とする含フッ素重合物、
Figure 2010134509
(式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。)
6. 前記R1が、炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基である5の含フッ素重合物、
7. 波長633nmにおける屈折率が、1.30〜1.45である4〜6のいずれかの含フッ素重合物、
8. 4〜7のいずれかの含フッ素重合物を含むワニス、
9. 4〜7のいずれかの含フッ素重合物を含む薄膜、
10. 2もしくは3の1,6−ジエン型エーテル化合物同士、または2もしくは3の1,6−ジエン型エーテル化合物と式[2]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物とを、ラジカル発生剤の存在下で重合させることを特徴とする式[3]および/または式[4]で表される構造単位を含む含フッ素重合物の製造方法
Figure 2010134509
(式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。)
を提供する。
本発明の含フッ素重合物は、低屈折率、高ガラス転移点、高透明性、溶剤可溶性を示す高機能ポリマーであり、コーティング材料やバルク材料として多くの用途が見込まれる。例えば、低反射膜や光導波路のクラッド等の光学材料、半導体リソグラフィーにおけるペリクルやレジスト等の半導体材料、さらには、保護膜材料、絶縁膜材料、撥水材料などの先端技術分野の用途に有効である。
この含フッ素重合物は、高透明、高耐熱、低屈折率、低誘電率、低表面エネルギーだけで無く、屈折率や耐熱性を調節することにより所望の特性を与える素材を提供するものである。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の1,6−ジエン型エーテル化合物は、上記式[1]で表される化合物である。
式[1]において、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基を表す。
1の具体例としては、直鎖状アルキル基、直鎖状フルオロアルキル基、分岐状アルキル基、分岐状フルオロアルキル基、環状アルキル基、環状フルオロアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
これらの中でも、化合物の重合反応性の観点から、直鎖状アルキル基、直鎖状フルオロアルキル基、分岐状アルキル基、分岐状フルオロアルキル基、環状アルキル基、環状フルオロアルキル基が好ましく、低屈折率の重合物を得る観点から直鎖状フルオロアルキル基、分岐状フルオロアルキル基、環状フルオロアルキル基がより好ましく、化合物の生体安全性の観点から、炭素原子数1〜6のフルオロアルキル基が特に好ましい。
上記直鎖状、分岐状または環状アルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、1−メチルシクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロブチル基、2−メチルシクロブチル基、3−メチルシクロブチル基、1,2−ジメチルシクロプロピル基、2,3−ジメチルシクロプロピル基、1−エチルシクロプロピル基、2−エチルシクロプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基、1−エチル−2−メチル−n−プロピル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロブチル基、2−エチルシクロブチル基、3−エチルシクロブチル基、1,2−ジメチルシクロブチル基、1,3−ジメチルシクロブチル基、2,2−ジメチルシクロブチル基、2,3−ジメチルシクロブチル基、2,4−ジメチルシクロブチル基、3,3−ジメチルシクロブチル基、1−n−プロピルシクロプロピル基、2−n−プロピルシクロプロピル基、1−イソプロピルシクロプロピル基、2−イソプロピルシクロプロピル基、1,2,2−トリメチルシクロプロピル基、1,2,3−トリメチルシクロプロピル基、2,2,3−トリメチルシクロプロピル基、1−エチル−2−メチルシクロプロピル基、2−エチル−1−メチルシクロプロピル基、2−エチル−2−メチルシクロプロピル基、2−エチル−3−メチルシクロプロピル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
これらのアルキル基はさらに置換されていてもよい。
上記直鎖状、分岐状または環状フルオロアルキル基の代表的な例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ノナフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフロオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。
なお、本発明の1,6−ジエン型エーテル化合物は、25℃において液状であることが好ましい。
本発明の1,6−ジエン型エーテル化合物の製造方法は特に限定されるものではない。その一例としては、ホモアリルアルコール誘導体を製造する第1工程と、このホモアリルアルコール誘導体を一原料として1,6−ジエン型エーテル化合物を製造する第2工程とを備える方法が挙げられる。
ホモアリルアルコール誘導体を製造する第1工程は、アルデヒドとアリル金属化合物とを反応させる方法、またはカルボン酸エステルとアリル金属化合物とを反応させた後に反応系中で還元する方法により行うことができる。
アルデヒドとアリル金属化合物とを反応させる方法は、アリル金属化合物をアルデヒドに求核付加させることにより、ホモアリルアルコール誘導体を製造するものである。
使用するアリル金属化合物の種類としては、アリルマグネシウムハライド、アリルアルミニウムハライド、アリルリチウム、アリルトリアルキルスズ、アリルスズハライド、アリルトリアルキルケイ素、アリルケイ素ハライド、アリルトリアルコキシケイ素等が挙げられるが、中でもアリルマグネシウムブロミドを用いることが好ましい。
アリル金属化合物の使用量は、アルデヒドに対して0.1〜10モル倍が好ましく、0.2〜5モル倍がより好ましい。
反応に用いる溶媒としては、反応に影響を及ぼさない限りにおいて各種の溶媒類が使用でき、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−ブタノール等のアルコール類などを用いることができる。
溶媒量は、通常、アルデヒド1質量部に対し、0.1〜100質量部であるが、安全性、経済性等の観点から、1〜20質量部が好ましい。
反応温度は、通常、−100〜200℃であるが、−20〜30℃が好ましい。
反応時間は、通常、0.1〜48時間であるが、12〜24時間が好ましい。
反応終了後は、一般的な後処理をし、必要に応じて精製することで、目的物を得ることができる。
精製法は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる方法、蒸留による方法等が挙げられるが、操作の簡便さから蒸留による方法が好ましい。
一方、カルボン酸エステルとアリル金属化合物とを反応させた後に反応系中で還元する方法は、アリル金属化合物をカルボン酸エステルに求核付加させることにより生成した反応中間体を、金属還元剤またはメーヤワイン・ポンドルフ・ヴァーレイ還元を促進する反応促進剤の添加により還元し、ホモアリルアルコール誘導体を製造するものである。
使用するアリル金属化合物の種類としては、アリルマグネシウムハライド、アリルアルミニウムハライド、アリルリチウム、アリルトリアルキルスズ、アリルスズハライド、アリルトリアルキルケイ素、アリルケイ素ハライド、アリルトリアルコキシケイ素等が挙げられるが、中でもアリルマグネシウムブロミドを用いることが好ましい。
アリル金属化合物の使用量は、カルボン酸エステルに対して0.1〜10モル倍が好ましく、0.2〜5モル倍がより好ましい。
使用する金属還元剤の種類としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の水素化アルミニウム化合物;水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の水素化ホウ素化合物、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物などが挙げられるが、中でも水素化ホウ素ナトリウムを用いることが好ましい。
金属還元剤の使用量は、カルボン酸エステルに対して0.1〜10モル倍が好ましく、0.2〜5モル倍がより好ましい。
使用する反応促進剤の種類としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−ブタノール等のアルコール類が挙げられるが、中でも2−プロパノールが好ましい。
反応に用いる溶媒としては、反応に影響を及ぼさない限りにおいて各種の溶媒類が使用できるが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類などを用いることができる。
溶媒量は、通常、カルボン酸エステル1質量部に対し、0.1〜100質量部であるが、安全性、経済性の観点から、1〜20質量部が好ましい。
反応温度は、通常、−100〜200℃であるが、−20〜100℃が好ましい。
反応時間は、通常、0.1〜48時間であるが、12〜24時間が好ましい。
反応終了後は、一般的な後処理をし、必要に応じて精製することで、目的物を得ることができる。
精製法は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる方法、蒸留による方法等が挙げられるが、操作の簡便さから蒸留による方法が好ましい。
第2工程は、上記第1工程で得られたホモアリルアルコール誘導体と、OFCPとを、塩基の存在下で反応させて、1,6−ジエン型エーテル化合物を得る工程である。
この反応は、ホモアリルアルコール誘導体を塩基によってそのアルコキシドへと導き、このアルコキシドとOFCPとを反応させて1,6−ジエン型エーテル化合物を得るものである。
この場合、OFCPの使用量は、ホモアリルアルコール誘導体に対して0.1〜10モル倍が好ましく、0.2〜5モル倍がより好ましい。
使用可能な塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物などが挙げられるが、中でも水酸化カリウムが好ましい。
塩基の使用量は、基質のホモアリルアルコール誘導体に対して0.5〜10モル倍が好ましく、1〜5モル倍がより好ましい。
この反応の際には、溶媒を使用してもしなくてもよい。溶媒を用いる場合、その種類は反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。
溶媒の使用量は特に制限はないが、多量に使用することは経済性の面から好ましくない。
反応温度は、通常、−100〜200℃であるが、−20〜20℃であることが好ましい。
反応時間は、通常、0.1〜24時間であるが、1〜5時間であることが好ましい。
反応終了後は、一般的な後処理をし、必要に応じて精製することで、目的物を得ることができる。
精製法としては、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる方法、蒸留による方法等が挙げられるが、操作が簡便であるため蒸留による方法が好ましい。
本発明の含フッ素重合物は、下記式[1]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物同士をラジカル発生剤の存在下で重合させ、または式[1]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物と式[2]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物とを、ラジカル発生剤の存在下で重合させて得ることができる。
Figure 2010134509
(式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。)
この場合、式[1]で表される化合物は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
すなわち、本発明の含フッ素重合物には、1種類の式[1]で表される化合物を重合させてなるホモポリマー、2種以上の式[1]で表される化合物を重合させてなるコポリマー、1種類の式[1]で表される化合物と式[2]で表される化合物とを重合させてなるコポリマー、2種類以上の式[1]で表される化合物と式[2]で表される化合物とを重合させてなるコポリマーが含まれる。
ラジカル発生剤存在下での重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等を用いることができるが、本発明においては、塊状重合を用いることが好ましい。
上記ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジtert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシアセテート、tert−ブチルペルオキシピバラート等の過酸化物類;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチラート、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ系化合物類;過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類などが挙げられる。
重合反応の温度は、使用するラジカル発生剤の種類に応じて適宜選択することができるが、60〜120℃が好ましい。
重合時間は、4〜48時間が好ましい。
以上のような重合反応によって、式[3]および/または式[4]で表される構造単位を含むと推測される、含フッ素重合物を得ることができる。
この場合、含フッ素重合物において、式[3]および/または式[4]で表される構造単位の含有量は、重合物中1〜100質量%が好ましい。
Figure 2010134509
(式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。)
本発明の含フッ素重合物は、上述のとおり低屈折率を示すものであるが、波長633nmにおける屈折率は1.30〜1.45であることが好ましい。
以上説明した本発明の含フッ素重合物は、溶剤可溶性であるためワニスとして用いることができる。
ワニスの調製に用いられる溶剤は、含フッ素重合物および必要に応じて添加する添加剤が、均一に溶解または分散するものであれば特に制限はないが、特に含フッ素重合物を均一に溶解するものが好ましい。
ワニス中の固形分濃度は、含フッ素重合物が均一に溶解または分散する範囲であれば特に限定されるものではないが、固形分濃度0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%である。
なお、本発明のワニスには、必要に応じ、目的とする特性を発揮する各種添加剤を加えてもよい。
ワニスの調製に用いられる溶剤としては、例えば、ジエチルオキサラート、エチルアセトアセタート、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酪酸エチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘキサノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のプロピレングリコール系溶剤;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセタート等のセロソルブ系溶剤;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤;エタノール、イソプロパノール、イソペンチルアルコール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
上述したワニスを、基材等に塗布し、その後、必要に応じて加熱することで薄膜を形成することができる。
塗布方法は任意であり、例えば、ロールコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、フローコート法、バーコート法、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法等が挙げられ、これらの方法の中から、生産性、膜厚コントロール性、歩留まり等のバランスを考慮して、最適な塗布法を決定することができる。
なお、薄膜の製造方法は、上記塗布法に限定されるものではなく、蒸着法等のその他の方法を用いてもよい。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例にて使用した分析装置および条件は、下記のとおりである。
[1]1H NMR
(1)合成例1,2および実施例1,3
装置:日本電子(株)製 GSX−400
測定溶媒:CDCl3
基準物質:テトラメチルシラン(0ppm)
(2)実施例5,6
装置:日本電子(株)製 JNM−ECX300
測定溶媒:CDCl3(実施例5),(CD32CO(実施例6)
基準物質:テトラメチルシラン(0ppm)
[2]19F NMR
(1)合成例1および実施例1,3
装置:(株)日立製作所製 R−1200F
測定溶媒:ジエチルエーテル
基準物質:トリフルオロ酢酸(0ppm)
(2)実施例5
装置:バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製 INOVA−400
測定溶媒:CDCl3
基準物質:トリフルオロ酢酸(0ppm)
[3]ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
(1)実施例2,4
装置:日本分光(株)製 LC−2000Plus series
カラム:Polymer Laboratories Ltd.製 PLgel 5μ MIXED−C×2本
カラム温度:35℃
検出器:RI
溶離液:THF
カラム流速:1.0mL/分
(2)実施例6
装置:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:SHODEX GPC−8051×2本 + SHODEX GPC KF−G(ガードカラム)
リファレンスカラム:SHODEX GPC KF−800RH×2本
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶離液:THF
カラム流速:1.0mL/分
リファレンスカラム流速:0.2mL/分
[4]屈折率
装置:ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株)製 高速分光エリプソメトリー M2000−VI
[合成例1]1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−オールの合成
アルゴン雰囲気下、1.0Mアリルマグネシウムブロミド/ジエチルエーテル溶液40ml(40mmol)を、0℃に冷却したトリフルオロ酢酸エチル5.68g(40mmol)に滴下した。この反応液をそのまま0℃で30分間撹拌した後、20℃に昇温し、さらに2時間撹拌した。次に、この反応液に2−プロパノール5.0ml(65mmol)を加えて24時間加熱還流した。その後、反応液に3.0M塩酸を加え、飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗生成物をクーゲルロールによる蒸留(オーブン温度140℃,大気圧下)で精製し、1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−オール3.85g(収率69%)を得た。得られた目的物の1H NMR、19F NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz):δ 2.20〜2.30(1H,m),2.34〜2.43(1H,m),2.49〜2.55(1H,m),3.95〜4.03(1H,m),5.22〜5.27(2H,m),5.78〜5.89(1H,m)ppm.
19F NMR(56.46MHz):δ −1.83(3F,s)ppm.
[合成例2]1−シクロへキシル−3−ブテン−1−オールの合成
アルゴン雰囲気下、1.0Mアリルマグネシウムブロミド/ジエチルエーテル溶液20ml(20mmol)を、0℃に冷却したシクロヘキサンカルボキシアルデヒド2.24g(20mmol)に滴下した。この反応液をそのまま0℃で30分間撹拌した後、20℃に昇温し、さらに24時間撹拌した。その後、反応液に3.0M塩酸を加え、飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗生成物をクーゲルロールによる減圧蒸留(オーブン温度160℃,4mmHg)で精製し、1−シクロへキシル−3−ブテン−1−オール2.70g(収率88%)を得た。得られた目的物の1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz):δ 0.93〜21.41(6H,m),1.53〜1.91(6H,m),2.07〜2.22(1H,m),2.26〜2.38(1H,m),3.35〜3.46(1H,m),5.10〜5.13(1H,m),5.13〜5.17(1H,m),5.76〜5.94(1H,m)ppm.
[実施例1]1−(1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの合成
Figure 2010134509
アルゴン雰囲気下、オクタフルオロシクロペンテン(OFCP)3.39g(16mmol)に水酸化カリウム0.67g(12mmol)を加え、0℃に冷却した後、この反応液へ、合成例1で得られた1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−オール1.12g(8mmol)を滴下した。この反応液をそのまま0℃で30分間撹拌した後、20℃に昇温し、さらに24時間撹拌した。その後、反応液に3.0M塩酸を加え、飽和食塩水で3回洗浄した。得られた有機層から未反応のOFCPを留去し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物をクーゲルロールによる減圧蒸留(オーブン温度140℃,4mmHg)で精製し、1−(1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン1.55g(収率58%)を得た。得られた目的物の1H NMR、19F NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz):δ 2.65(2H,dd,J=6Hz,6Hz),4.76〜4.86(1H,m),5.26〜5.33(2H,m),5.71〜5.84(2H,m)ppm.
19F NMR(56.46MHz):δ −77.5〜−80.9(1F,m),−53.2〜−55.0(2F,m),−37.4〜−40.9(4F,m),−0.81(3F,s)ppm.
[実施例2]1−(1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの単独塊状重合
ガラス製重合管に、実施例1で得られた1−(1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン0.33g(1.0mmol)およびベンゾイルペルオキシド2mg(キシダ化学(株)製,25%含水)(0.5mol%)を入れ、(1)−78℃冷却下脱気、および(2)室温融解を3回繰り返し、封管した。80℃で24時間重合後、得られたポリマーを少量のテトラヒドロフランに溶かし、メタノール中に滴下し、再沈殿、デカンテーションの後、含有溶媒を減圧留去し、1−(1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの重合物0.071g(収率22%)を得た。得られた重合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは、15,800であった。
[実施例3]1−(1−シクロヘキシル−3−ブテン−1−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの合成
Figure 2010134509
アルゴン雰囲気下、オクタフルオロシクロペンテン(OFCP)4.24g(20mmol)に水酸化カリウム0.84g(15mmol)を加え、0℃に冷却した後、この反応液へ合成例2で得られた1−シクロへキシル−3−ブテン−1−オール1.10g(7.7mmol)を滴下した。この反応液をそのまま0℃で30分間撹拌した後、20℃に昇温し、さらに24時間撹拌した。その後、反応液に3.0M塩酸を加え、飽和食塩水で3回洗浄した。得られた有機層から未反応のOFCPを留去し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物をクーゲルロールによる減圧蒸留(オーブン温度160℃,4mmHg)で精製後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン)で精製し、1−(1−シクロヘキシル−3−ブテン−1−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン1.69g(収率64%)を得た。得られた目的物の1H NMR、19F NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz):δ 0.93〜1.39(6H,m),1.56〜1.88(6H,m),1.95〜2.48(2H,m),3.35〜3.46(1H,m),5.10〜5.13(1H,m),5.13〜5.17(1H,m),5.76〜5.94(1H,m)ppm.
19F NMR(56.46MHz):δ −81.8〜−87.0(1F,m),−51.0〜−53.7(2F,m),−37.2〜−40.0(2F,m),−35.4〜−37.2(2F,m)ppm.
[実施例4]1−(1−シクロヘキシル−3−ブテン−1−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの単独塊状重合
ガラス製重合管に、実施例3で得られた1−(1−シクロヘキシル−3−ブテン−1−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン0.35g(1.0mmol)およびベンゾイルペルオキシド2mg(キシダ化学(株)製,25%含水)(0.5mol%)を入れ、(1)−78℃冷却下脱気、および(2)室温融解を3回繰り返し、封管した。80℃で24時間重合後、得られたポリマーを少量のテトラヒドロフランに溶かし、メタノール中に滴下し、再沈殿、デカンテーションの後、含有溶媒を減圧留去し、1−(1−シクロヘキシル−3−ブテン−1−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの重合物0.048g(収率14%)を得た。得られた重合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは、11,600であった。
[実施例5]1−(4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの合成
Figure 2010134509
アルゴン雰囲気下、オクタフルオロシクロペンテン(OFCP)6.36g(30mmol)に水酸化カリウム1.39g(25mmol)を加え、0℃に冷却した後、この反応液へ4−ペンテン−2−オール1.72g(20mmol)を滴下した。この反応液をそのまま0℃で10分間撹拌した後、20℃に昇温し、さらに24時間撹拌した。その後、反応液に3.0M塩酸を加え、飽和食塩水で3回洗浄した。得られた有機層から未反応のOFCPを留去し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物を減圧蒸留(バス温度180℃,4mmHg)で精製し、1−(4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン5.03g(収率91%)を得た。得られた目的物の1H NMR、19F NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(300MHz):δ 1.35〜1.42(3H,m),2.30〜2.56(2H,m),4.69(1H,dq,J=2Hz,6Hz),5.09〜5.22(2H,m),5.66〜5.85(1H,m)ppm.
19F NMR(376MHz):δ −85.4〜−85.7(1F,m),−53.9〜−54.1(2F,m),−40.6〜−40.9(2F,m),−38.8〜−39.0(2F,m)ppm.
[実施例6]1−(4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの単独塊状重合
ガラス製重合管に、実施例5で得られた1−(4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン0.83g(3.0mmol)およびベンゾイルペルオキシド4mg(キシダ化学(株)製,25%含水)(0.5mol%)を入れ、室温下(およそ20℃)、4mmHgで30分間脱気し、封管した。80℃で24時間重合後、得られたポリマーを少量の酢酸エチルに溶かし、メタノール中に滴下し、再沈殿、デカンテーションの後、含有溶媒を減圧留去し、1−(4−ペンテン−2−イルオキシ)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの重合物0.65g(収率78%)を得た。得られた重合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは、36,700であった。得られた目的物の1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR(300MHz):δ 1.15〜1.69(3H,m),1.69〜3.48(5H,m),4.19〜4.79(1H,m)ppm.
[実施例7]屈折率の測定
実施例2、実施例4および実施例6で得られた重合物3質量部を、それぞれ酢酸エチル97質量部に溶解させ、固形分濃度3質量%のワニスを調製した。このワニスをそれぞれガラス基板上にスピンコート法(300rpm×5秒間、引き続いて1,500rpm×30秒間)によって塗布した。このガラス基板を、ホットプレート上60℃にて30分間加熱することで塗布膜中の溶媒を除去し、実施例2、実施例4および実施例6で得られた重合物の塗膜をそれぞれ得た。
得られたそれぞれの塗膜の波長633nmにおける屈折率を測定したところ、それぞれ1.36(実施例2の重合物の塗膜)、1.42(実施例4の重合物の塗膜)および1.39(実施例6の重合物の塗膜)であった。

Claims (10)

  1. 式[1]で表されることを特徴とする1,6−ジエン型エーテル化合物。
    Figure 2010134509
    (式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基を表す。)
  2. 前記R1が、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基である請求項1記載の1,6−ジエン型エーテル化合物。
  3. 前記R1が、炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基である請求項2記載の1,6−ジエン型エーテル化合物。
  4. 請求項2もしくは3記載の1,6−ジエン型エーテル化合物同士の重合により、または請求項2もしくは3記載の1,6−ジエン型エーテル化合物と式[2]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物との重合により得られることを特徴とする含フッ素重合物。
    Figure 2010134509
  5. 式[3]および/または式[4]で表される構造単位を含むことを特徴とする含フッ素重合物。
    Figure 2010134509
    (式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。)
  6. 前記R1が、炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基である請求項5記載の含フッ素重合物。
  7. 波長633nmにおける屈折率が、1.30〜1.45である請求項4〜6のいずれか1項記載の含フッ素重合物。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項記載の含フッ素重合物を含むワニス。
  9. 請求項4〜7のいずれか1項記載の含フッ素重合物を含む薄膜。
  10. 請求項2もしくは3記載の1,6−ジエン型エーテル化合物同士、または請求項2もしくは3記載の1,6−ジエン型エーテル化合物と式[2]で表される1,6−ジエン型エーテル化合物とを、ラジカル発生剤の存在下で重合させることを特徴とする式[3]および/または式[4]で表される構造単位を含む含フッ素重合物の製造方法。
    Figure 2010134509
    (式中、R1は、置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。)
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