JPWO2010116852A1 - 対物レンズ、カップリング素子及び光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズ、カップリング素子及び光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

複数の情報記録面を有する光ディスクを使用する光ピックアップ装置に好適な光学素子を提供するために、光学素子の光学面の有効径内に入射した波長λ1の光束を振り分け、カップリングレンズを固定したまま、異なる情報記録面に対して情報の記録/再生を行うことができる光学素子とすることで、光ピックアップ装置の構成の簡素化と省エネを図ることができる。

Description

本発明は、高密度光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置及びそれに用いる集光光学系の対物レンズ又はカップリング素子に関する。
近年、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録及び/又は再生(以下、「記録及び/又は再生」を「記録/再生」と記載する)を行える高密度光ディスクシステムの研究・開発が急速に進んでいる。一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報の記録/再生を行う光ディスク、いわゆるBlu−ray Disc(以下、BDという)では、DVD(NA0.6、光源波長650nm、記憶容量4.7GB)と同じ大きさである直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり25GBの情報の記録が可能である。
更に、従来から存在した複数の情報記録面を有するDVDと同様に、複数の情報記録面を有するBDも開発され、かかるDVDやBDの各情報記録面に情報の記録/再生を行うことができる光ピックアップ装置も既に上市されている。ところで、複数の情報記録面を有するDVD用の光ピックアップ装置においては、DVDの各情報記録面に対して情報の記録/再生を行う際には、光ディスク表面から各情報記録面までの光軸方向の距離の違いにより生じる球面収差を補正する必要がなく、対物レンズのフォーカシングで充分であった。しかし、DVDに比べ像側開口数NAが大きく、使用波長の短いBDにおいては、複数の情報記録面の各情報記録面に対して情報の記録/再生を行う際には、光ディスク表面から各情報記録面までの光軸方向の距離の違いにより生じる球面収差の発生量が多いため、対物レンズのフォーカシングだけでは充分な集光スポットを得ることが出来ず、球面収差を補正する必要があった。そこで、特許文献1等に記載されている光ピックアップ装置においては、カップリングレンズを光軸方向に移動させることにより対物レンズに入射する光束の発散角又は収束角を変化させ、それにより球面収差の補正を行っている。
特許第4144763号明細書
しかしながら、この様にカップリングレンズを光軸方向に移動させる機構として、モーターや圧電変換素子を光ピックアップ装置に設ける場合、大幅なコストの増加、また対応速度の低下に繋がるため、カップリングレンズを光軸方向に移動させずに、複数層を有するBDに対して良好に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置が求められている。
本発明は、上述の問題を考慮したものであり、光ピックアップ装置の小型化や省エネ化を図ることができる光ピックアップ装置及びそれに好適な光学素子を提供することを目的とする。
請求項1に記載の対物レンズは、波長λ1(390nm<λ1<420nm)の光束を出射する第1光源と、少なくとも対物レンズを含む集光光学系とを有し、少なくとも2つの情報記録面を有するBlu−ray Disc(BD)の情報記録面に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用の集光光学系の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、少なくとも第1の焦点と第2の焦点を有し、前記波長λ1の光束を前記第1の焦点に集光させることにより、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、前記波長λ1の光束を前記第2の焦点に集光させることにより、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、前記第1の焦点と前記第2の焦点は、以下の式を満たすことを特徴とする。
|Δf|≠|tA−tB|/n
0.75≦NA≦0.9
但し、
Δf:前記第1の焦点と前記第2の焦点の間の光軸方向の距離(μm)
tA:前記BDの表面から前記BDの前記或る情報記録面までの保護層の厚み(μm)
tB:前記BDの表面から前記BDの前記他の情報記録面までの保護層の厚み(μm)
n:前記BDの前記保護層の屈折率
NA:前記対物レンズの像側開口数
である。
本発明によれば、対物レンズが、少なくとも第1の焦点と第2の焦点を有し、波長λ1の光束を第1の焦点に集光させることにより、BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、波長λ1の光束を第2の焦点に集光させることにより、BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光できるので、BDの或る情報記録面に集光させる場合と他の情報記録面に集光させる場合とで、球面収差を補正するためにカップリングレンズ等を光軸方向に移動させることなく、対物レンズを光軸方向に移動させることのみによって、所望の情報記録面上に波長λ1の光束を入射・集光させることが可能となり、所望の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行うことができる。
また、BDの複数の情報記録層の記録/再生を行う際に発生する特有の課題としては、或る情報記録面に集光させて、情報の記録/再生を行っている際に、他の情報記録層から反射した光が迷光となり、誤検出の原因となってしまうことが挙げられる。しかしながら、上記条件式|Δf|≠|tA−tB|/n、を満たすことにより、波長λ1の光束を第1の焦点に集光させてBDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光している際に、同時に、波長λ1の光束がBDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光しないこととなる。このことにより、BDの複数の情報記録面に同時に集光することを抑制でき、誤検出を防止することが可能となる。尚、Δfは、第1の焦点のベストフォーカス位置と、第2の焦点のベストフォーカス位置との間の光軸方向の距離である。
請求項2に記載の対物レンズは、請求項1に記載の発明において、以下の式、
20μm≦|Δf|≦200μm
を満たすことを特徴とする。
上記条件式を満たすことにより、複数の焦点を形成した際に、或る焦点を形成する光束を使用する際に、他の焦点を形成する光束が悪影響を及ぼすことを回避でき、誤検出をより防止でき、安定した記録/再生を可能とすると共に、対物レンズが回折構造によって複数の焦点を形成している場合は、回折構造のピッチが細かくなりすぎることを防止でき、製造誤差がなく、高い光利用効率を保つことが可能な対物レンズを提供することを可能とする。
請求項3に記載の対物レンズは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記対物レンズは、少なくとも1つの光学面の有効径内全体に回折構造を有し、前記回折構造は、前記回折構造を前記波長λ1の光束が通過した際に、m次の回折光とn次(m≠n)の回折光とを他の回折次数の回折光に比して多く発生させ、前記m次の回折光は、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記n次の回折光は前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする。
更に、回折部を設けた対物レンズの具体例について説明する。図1は、本発明の対物レンズの断面図である。本例においては、対物レンズOBJの光源側の光学面S1の有効径内全面に回折構造が形成されている。かかる回折構造に波長λ1の光束が入射すると、m次の回折光とn次の回折光が、他の回折次数の回折光に比してより多く発生する。m次の回折光(光軸から上方に図示)はBDの第1情報記録面RL1に集光し、n次の回折光(光軸から下方に図示)は第2情報記録面RL2に集光するようになっている。(尚、図1では、便宜上、対物レンズが光軸方向上同じ位置で、第1情報記録面と第2情報記録面に集光するように記載されているが、実際は、同時に第1情報記録面と第2情報記録面に集光することはない。第1情報記録面に集光する場合は、第2情報記録面には集光せず、第2情報記録面に集光するためには、対物レンズを光軸方向に移動する必要がある。当然、第2情報記録面に集光する場合は、第1情報記録面には集光しない。)即ち、本発明の対物レンズは第1の焦点と第2の焦点とを有する。ここで、Δfを第1の焦点と第2の焦点の間の光軸方向の距離(μm)とし、tAをBDの表面から第1情報記録面RL1までの保護層の厚み(μm)とし、tBをBDの表面から第2情報記録面RL2までの保護層の厚み(μm)とし、nをBDの保護層の屈折率とすると、
|Δf|≠|tA−tB|/n
を満たす関係が成立する。
請求項4に記載の対物レンズは、請求項3に記載の発明において、m≠0、n≠0を満たすことを特徴とする。
請求項5に記載の対物レンズは、請求項4に記載の発明において、(m,n)=(2,1)、(1,2)、(3,2)又は(2,3)であることを特徴とする。
回折次数として0次を用いないことにより、回折構造のピッチが細かくなりすぎることを防止でき、製造誤差がなく、高い光利用効率を保つことが可能な対物レンズを提供することが可能となる。また、回折次数として0次を用いる場合は、回折構造の光軸方向の深さが深くなりがちである。回折構造の光軸方向の深さが深くなると、光源の波長が微小変動した際の光利用効率の変動が大きくなってしまい、好ましくない。しかし、回折次数として0次を用いないことにより、1次、2次、3次等、回折構造の光軸方向の深さが浅い回折構造を用いることが可能となり、波長微小変動時の光利用効率の変動を抑えることができ、好ましい。
請求項6に記載の対物レンズは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記対物レンズは、少なくとも1つの光学面を、同心円状の複数の領域に分割し、前記複数の領域の或る領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記複数の領域の他の領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする。
図3は、本発明の対物レンズの断面図である。図3において、光源側光学面S1は回折部を設けておらず、その代わり光軸を中心とした輪帯状の内側領域MDと外側領域OTに分けられており、それぞれ異なる非球面形状となっている。対物レンズOBJの内側領域MDを通過した波長λ1の光束はBDの第1情報記録面RL1に集光し、外側領域OTを通過した残りの光束は第2情報記録面RL2に集光するようになっている。即ち、本発明の対物レンズは第1の焦点と第2の焦点とを有する。(尚、図3では、便宜上、対物レンズが光軸方向上同じ位置で、第1情報記録面と第2情報記録面に集光するように記載されているが、実際は、同時に第1情報記録面と第2情報記録面に集光することはない。第1情報記録面に集光する場合は、第2情報記録面には集光せず、第2情報記録面に集光するためには、対物レンズを光軸方向に移動する必要がある。当然、第2情報記録面に集光する場合は、第1情報記録面には集光しない。)かかる場合にも、上述した条件式、
|Δf|≠|tA−tB|/n
が成立する。
請求項7に記載の対物レンズは、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の発明において、前記対物レンズの光利用効率は、前記光学面の有効径内全体で略一様であることを特徴とする。
光利用効率が光学面内の大きく不均一となる場合、光スポットのNAが大きくなったり、小さくなったりする等、スポット性能が悪化する恐れがあるが、光利用効率を光学面の有効径内全体で略一様にすることにより、より良好な光スポットを得ることが可能となる。
請求項8に記載の対物レンズは、請求項1から請求項7までのいずれかに記載の発明において、前記対物レンズはプラスチック製であり、前記対物レンズの温度が30℃変化した際の3次球面収差の変化量が±0.040λrms以内となるような、温度特性を補正する温度特性補正構造を有することを特徴とする。
集光光学系がプラスチック製の光学素子を有する場合、特に対物レンズがプラスチックレンズである場合、温度変化によって収差を生じる可能性が高くなる。当該収差を補正するために、カップリング素子を光軸方向に動かすことが行なわれているが、本発明により、温度変化に伴う収差補正のためにもカップリング素子を光軸方向に動かす必要もなくなるため、複数層の情報記録面対応においても、温度変化対応のいずれにおいても、カップリング素子を光軸方向に動かす必要がなくなり、プラスチック製の光学素子を有する光ピックアップ装置においても、固定カップリング素子を用いることが可能となる。なお、カップリング素子とは、コリメートレンズやカップリングレンズ等の総称であり、カップリングレンズとは、対物レンズと光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。コリメートレンズは、カップリングレンズの一種で、入射した光を平行光にして射出するレンズである。
請求項9に記載のカップリング素子は、波長λ1(390nm<λ1<420nm)の光束を出射する第1光源と、少なくともカップリング素子と単焦点の対物レンズを含む集光光学系とを有し、少なくとも2つの情報記録面を有するBlu−ray Disc(BD)の情報記録面に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用の集光光学系のカップリング素子において、前記集光光学系は、前記カップリング素子と前記対物レンズを通過した前記波長λ1の光束が集光する少なくとも第1の焦点と第2の焦点を有し、前記カップリング素子と前記対物レンズを通過した前記波長λ1の光束を前記第1の焦点に集光させることにより、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、前記カップリング素子と前記対物レンズを通過した前記波長λ1の光束を前記第2の焦点に集光させることにより、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、前記第1の焦点と前記第2の焦点は、以下の式を満たすことを特徴とする。
|Δf|≠|tA−tB|/n
但し、
Δf:前記第1の焦点と前記第2の焦点の間の光軸方向の距離(μm)
tA:前記BDの表面から前記BDの前記或る情報記録面までの保護層の厚み(μm)
tB:前記BDの表面から前記BDの前記他の情報記録面までの保護層の厚み(μm)
n:前記BDの前記保護層の屈折率
である。
図2は、本発明の一例であるカップリング素子及び対物レンズの断面図である。本例においては、カップリング素子であるカップリングレンズCULの光源側の光学面CS1の有効径内全面に回折構造が形成されている。かかる回折構造に波長λ1の光束が入射すると、m次の回折光とn次の回折光が、他の回折次数の回折光に比してより多く発生する。m次の回折光(光軸から上方に図示)は対物レンズOBJを通過してBDの第1情報記録面RL1に集光し、n次の回折光(光軸から下方に図示)は対物レンズOBJを通過して第2情報記録面RL2に集光するようになっている。即ち、本発明のカップリング素子及び対物レンズは第1の焦点と第2の焦点とを有する。(尚、図2では、便宜上、対物レンズが光軸方向上同じ位置で、第1情報記録面と第2情報記録面に集光するように記載されているが、実際は、同時に第1情報記録面と第2情報記録面に集光することはない。第1情報記録面に集光する場合は、第2情報記録面には集光せず、第2情報記録面に集光するためには、対物レンズを光軸方向に移動する必要がある。当然、第2情報記録面に集光する場合は、第1情報記録面には集光しない。)ここで、Δfを第1の焦点と第2の焦点の間の光軸方向の距離(μm)とし、tAをBDの表面から第1情報記録面RL1までの保護層の厚み(μm)とし、tBをBDの表面から第2情報記録面RL2までの保護層の厚み(μm)とし、nをBDの保護層の屈折率とすると、
|Δf|≠|tA−tB|/n
を満たす関係が成立する。
請求項10に記載のカップリング素子は、請求項9に記載の発明において、以下の式、
20μm≦|Δf|≦200μm
を満たすことを特徴とする。
請求項11に記載のカップリング素子は、請求項9又は請求項10に記載の発明において、前記カップリング素子は、少なくとも1つの光学面の有効径内全体に回折構造を有し、前記回折構造は、前記回折構造を前記波長λ1の光束が通過した際に、m次の回折光とn次(m≠n)の回折光とを他の回折次数の回折光に比して多く発生させ、前記m次の回折光は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記n次の回折光は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする。
請求項12に記載のカップリング素子は、請求項11に記載の発明において、m≠0、n≠0を満たすことを特徴とする。
請求項13に記載のカップリング素子は、請求項12に記載の発明において、(m,n)=(2,1)、(1,2)、(3,2)又は(2,3)であることを特徴とする。
請求項14に記載のカップリング素子は、請求項9又は請求項10に記載の発明において、前記カップリング素子は、少なくとも1つの光学面を、同心円状の複数の領域に分割し、前記複数の領域の或る領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記複数の領域の他の領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする。
請求項15に記載のカップリング素子は、請求項9から請求項14までのいずれかに記載の発明において、前記カップリング素子の光利用効率は、前記光学面の有効径内全体で略一様であることを特徴とする。
請求項16に記載のカップリング素子は、請求項9から請求項15までのいずれかに記載の発明において、前記カップリング素子及び前記対物レンズはプラスチック製であり、前記カップリング素子及び前記対物レンズの温度が30℃変化した際の3次球面収差の変化量が±0.040λrms以内となるような、温度特性を補正する温度特性補正構造を有することを特徴とする。
請求項17に記載の光ピックアップ装置は、請求項1から請求項8までのいずれかに記載の対物レンズを有することを特徴とする。
請求項18に記載の光ピックアップ装置は、請求項9から請求項16までのいずれかに記載のカップリング素子を有することを特徴とする。
請求項19に記載の光ピックアップ装置は、請求項17に記載の発明において、前記光ピックアップ装置はカップリング素子を有し、前記BDの或る情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合と、前記BDの他の情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合とで、前記カップリング素子の光軸方向の位置が同じであることを特徴とする。
請求項20に記載の光ピックアップ装置は、請求項18に記載の発明において、前記カップリング素子は、前記BDの或る情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合と、前記BDの他の情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合とで、光軸方向の位置が同じであることを特徴とする。
請求項21に記載の光ピックアップ装置は、請求項19又は請求項20に記載の発明において、前記カップリング素子は、常に光軸方向の位置が固定されていることを特徴とする。
本発明に係る光ピックアップ装置は、波長λ1の光束(以下、第1光束という)を出射する光源(以下、第1光源という)を有するが、そのほかに波長λ2の第2光束を出射する第2光源、波長λ3の第3光束を出射する第3光源を有していてもよい。さらに、本発明の光ピックアップ装置は、第1光束を複数の情報記録面を有するBDの各情報記録面上に集光させる集光光学系を有するが、第2光束をDVDの情報記録面上に集光させ、第3光束をCDの情報記録面上に集光させるための集光光学系を共通もしくは別個に有していても良い。また、本発明の光ピックアップ装置は、BD、DVD又はCDの情報記録面からの反射光束を受光する受光素子を有していて良い。
本発明において好ましく用いられるBDは、複数の情報記録面を有する複数層のBDである。2009年3月時点では、2つの情報記録面を有するBDが市場に出回っているが、そのようなものを含むものである。本発明の光ピックアップ装置は、複数の情報記録面を有するBDに加えて、単一の情報記録面のみを有するBDの記録/再生を行えるものであっても良い。DVDも同様であってもよい。尚、保護基板の厚さというときは、0の場合も含み、或いは光ディスクに厚さ数〜数十μmの保護膜が塗布されている場合には、その膜厚も含むものとする。
BDは、NA0.85の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さt1が情報記録面によって0.03〜0.12mm程度である。更に、DVDとは、NA0.60〜0.67程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さt2が0.6mm程度であるDVD系列光ディスクの総称であり、DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等を含む。また、本明細書においては、CDとは、NA0.45〜0.53程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さt3が1.2mm程度であるCD系列光ディスクの総称であり、CD−ROM、CD−Audio、CD−Video、CD−R、CD−RW等を含む。尚、記録密度については、BDの記録密度が最も高く、次いでDVD、CDの順に低くなる。
本明細書において、第1光源、第2光源、第3光源は、好ましくはレーザ光源である。レーザ光源としては、好ましくは半導体レーザ、シリコンレーザ等を用いることが出来る。第1光源から出射される第1光束の第1波長λ1、第2光源から出射される第2光束の第2波長λ2(λ2>λ1)、第3光源から出射される第3光束の第3波長λ3(λ3>λ2)は以下の条件式、
1.5×λ1<λ2<1.7×λ1
1.8×λ1<λ3<2.0×λ1
を満たすことが好ましい。
BDに対して情報の記録/再生を行う場合、DVDやCDに比べて集光スポットを小さくする必要が有り、そのためには第1光束の波長は第2光束の波長や第3光束の波長より短くする必要がある。光源に用いるレーザ装置は温度変化によって射出する光の波長に変化が生じる。そのうえで温度変化及び波長変化に対して発生する球面収差を、光ディスクの情報の記録/再生が行える程度に抑えるために上記条件式を満たすことが好ましい。
また、BD、DVD及びCDが用いられる場合、第1光源の第1波長λ1は、390nm以上、420nm以下であって、第2光源の第2波長λ2は好ましくは570nm以上、680nm以下、より好ましくは630nm以上、670nm以下であって、第3光源の第3波長λ3は好ましくは、750nm以上、850nm以下、より好ましくは、760nm以上、820nm以下である。
また、第1光源、第2光源、第3光源のうち少なくとも2つの光源をユニット化してもよい。ユニット化とは、例えば第1光源と第2光源とが1パッケージに固定収納されているようなものをいう。また、光源に加えて、後述する受光素子を1パッケージ化してもよい。
受光素子としては、フォトダイオードなどの光検出器が好ましく用いられる。光ディスクの情報記録面上で反射した光が受光素子へ入射し、その出力信号を用いて、各光ディスクに記録された情報の読み取り信号が得られる。さらに、受光素子上のスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、この検出に基づいて、合焦、トラッキングのために対物レンズを移動させることが出来る。受光素子は、複数の光検出器からなっていてもよい。受光素子は、メインの光検出器とサブの光検出器を有していてもよい。例えば、情報の記録再生に用いられるメイン光を受光する光検出器の両脇に2つのサブの光検出器を設け、当該2つのサブの光検出器によってトラッキング調整用のサブ光を受光するような受光素子としてもよい。また、受光素子は各光源に対応した複数の受光素子を有していてもよい。
光ピックアップ装置で用いられる集光光学系は、対物レンズを有する。集光光学系は、対物レンズのみを有していても良いが、対物レンズの他にコリメートレンズやカップリングレンズ等のカップリング素子を有していてもよい。
カップリングレンズとは、対物レンズと光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。コリメートレンズは、カップリングレンズの一種で、コリメートレンズに入射した光を平行光にして出射するレンズである。但し、透明な平行平板上に回折構造を形成したような素子もカップリング素子に含まれる。
更に集光光学系は、光源から射出された光束を、情報の記録再生に用いられるメイン光束と、トラッキング等に用いられる二つのサブ光束とに分割する回折光学素子などの光学素子を有していてもよい。
本明細書において、対物レンズとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系を指す。好ましくは、対物レンズとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系であって、更に、アクチュエータにより少なくとも光軸方向に一体的に変位可能とされた光学系を指す。
対物レンズは、単玉の対物レンズであっても良いし、複数の光学素子から構成されていても良い。また、対物レンズは、ガラスレンズであってもプラスチックレンズであっても、又は、ガラスレンズの上に光硬化性樹脂などで回折構造などを設けたハイブリッドレンズであってもよいが、成形の容易性やコストの低さの点から見てプラスチックレンズが一番好適である。また、対物レンズは、屈折面が非球面であることが好ましい。また、対物レンズは、回折構造が設けられる場合、そのベース面(母非球面ともいう)が非球面であることが好ましい。対物レンズから母非球面を判断する場合、回折構造の段差の最も光ディスク側の部分をつないだ包絡面を母非球面と捉えることができる。
また、対物レンズをガラスレンズとする場合は、ガラス転移点Tgが500℃以下であるガラス材料を使用することが好ましく、480℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点Tgが500℃以下であるガラス材料を使用することにより、比較的低温での成形が可能となるので、金型の寿命を延ばすことが出来る。
さらに、ガラスレンズは一般的に樹脂レンズよりも比重が大きいため、対物レンズをガラスレンズとすると、質量が大きくなり対物レンズを駆動するアクチュエータに負担がかかる。そのため、対物レンズをガラスレンズとする場合には、比重が小さいガラス材料を使用するのが好ましい。具体的には、比重が3.0以下であるのが好ましく、2.75以下であるのがより好ましい。
このようなガラス材料として具体的には、特開2005−306627号公報の実施例1〜12を例示することができる。例えば、特開2005−306627号公報の実施例1は、ガラス転移点Tgが460℃、比重が2.58、屈折率ndが1.594、アッベ数が59.8である。
また、対物レンズをプラスチックレンズとする場合は、環状オレフィン系の樹脂材料を使用するのが好ましく、環状オレフィン系の中でも、波長405nmに対する温度25℃での屈折率が1.52乃至1.60の範囲内であって、−5℃から70℃の温度範囲内での温度変化に伴う波長405nmに対する屈折率変化率dN/dT(℃−1)が−20×10−5乃至−5×10−5(より好ましくは、−10×10−5乃至−8×10−5)の範囲内である樹脂材料を使用するのがより好ましい。また、対物レンズをプラスチックレンズとする場合、カップリングレンズもプラスチックレンズとすることが好ましい。
また、対物レンズを構成する材料のアッベ数は、50以上であることが好ましい。
本発明の光学素子が対物レンズである場合について、以下に記載する。
対物レンズは、少なくとも第1の焦点と第2の焦点を有する。対物レンズは、波長λ1の光束を第1の焦点に集光させることにより、BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光できる。更に、波長λ1の光束を第2の焦点に集光させることにより、BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光できる。
更に、第1の焦点と第2の焦点は、以下の式を満たす。
|Δf|≠|tA−tB|/n
但し、Δfは、第1の焦点と第2の焦点の間の光軸方向の距離(μm)を表す。尚、Δfは、第1の焦点のベストフォーカス位置と、第2の焦点のベストフォーカス位置との間の光軸方向の距離である。tAは、BDの表面からBDの前記或る情報記録面までの保護層の厚み(μm)を表す。tBは、BDの表面からBDの他の情報記録面までの保護層の厚み(μm)を表す。nは、BDの保護層の屈折率を表す。この条件式を満たすことにより、波長λ1の光束を第1の焦点に集光させてBDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光している際に、同時に、波長λ1の光束が光ディスクの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生が行えるように集光しないこととなる。このことにより、BDの複数の情報記録面に同時に集光することを抑制でき、誤検出を防止することが可能となる。
また、以下の条件式、
20μm≦|Δf|≦200μm
を満たすことが好ましい。
上記条件式を満たすことにより、複数の焦点を形成した際に、或る焦点を形成する光束を使用する際に、他の焦点を形成する光束が悪影響を及ぼすことを回避でき、誤検出をより防止でき、安定した記録/再生を可能とすると共に、対物レンズが回折構造によって複数の焦点を形成している場合は、回折構造のピッチが細かくなりすぎることを防止でき、製造誤差がなく、高い光利用効率を保つことが可能な対物レンズを提供することを可能とする。尚、対物レンズの回折構造のピッチは、2μm以上であることが好ましい。より好ましくは4μm以上である。
対物レンズに回折構造を設けることにより、対物レンズが2つの焦点を有するようにしても良い。その場合、対物レンズは、少なくとも1つの光学面の有効径内全体に回折構造を有することが好ましい。また、回折構造は、回折構造を波長λ1の光束が通過した際に、m次の回折光とn次(m≠n)の回折光とを他の回折次数の回折光に比して多く発生させる。その際に、m次の回折光は、BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、n次の回折光はBDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光される。但し、m次回折光とn次回折光とが、同時にBDの或る情報記録面と他の情報記録面に集光することはない。BDの或る情報記録面にm次回折光を集光する場合は、BDの他の情報記録面にはn次回折光は集光せず、当該他の情報記録面にn次回折光を集光するためには、対物レンズを光軸方向に移動する必要がある。当然、BDの他の情報記録面にn次回折光を集光する場合は、BDの或る情報記録面にはm次回折光は集光しない。具体的な実施形態の一例については、図1を用いて先述した通りである。
なお、本明細書でいう回折構造は段差を有し、回折によって光束を収束あるいは発散させる作用を持たせる構造の総称である。回折構造は、好ましくは段差を複数有する。段差は、光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。又、対物レンズの光学面が、光軸を中心とし、段差で区切られた複数の輪帯を有し、輪帯ごとに個別の非球面で構成したものであっても、回折作用によって光束を収束又は発散させている対物レンズは、回折構造を有する対物レンズである。
回折構造は、光軸を中心とする同心円状の複数の輪帯を有することが好ましい。また、回折構造は、様々な断面形状(光軸を含む面での断面形状)をとり得、光軸を含む断面形状がブレーズ型構造と階段型構造とに大別される。
ブレーズ型構造とは、図4(a)、(b)に示されるように、回折構造を有する光学素子の光軸を含む断面形状が、鋸歯状の形状ということであり、回折構造が母非球面に対して、直角でも平行でもない、斜めの面を有する。尚、図4の例においては、上方が光源側、下方が光ディスク側であって、母非球面としての平面に回折構造が形成されているものとする。
また、階段型構造とは、図4(c)、(d)に示されるように、回折構造を有する光学素子の光軸を含む断面形状が、小階段状のもの(階段単位と称する)を複数有するということである。尚、本明細書中、「Xレベル」とは、階段型構造の1つの階段単位において光軸垂直方向に対応する(向いた)輪帯状の面(以下、光学機能面と称することがある)が、段差によって区分けされX個の輪帯面毎に分割されていることをいい、特に3レベル以上の階段型構造は、小さい段差と大きい段差を有し、「小さい段差」とは、1つの階段単位において、最も小さな光軸方向の段差をいい、「大きい段差」とは、1つの階段単位において、最も大きな光軸方向の段差をいうものとする。
図4(c)に示す回折構造を、5レベルの階段型構造といい、図4(d)に示す回折構造を、2レベルの階段型構造という。第1回折構造は2レベルの階段型構造であって、光軸を中心とした同心円状の複数の輪帯を含み、対物レンズの光軸を含む複数の輪帯の断面の形状は、光軸に平行に延在する複数の段差面Pa、Pbと、隣接する段差面Pa、Pbの光源側端同士を連結する光源側光学機能面Pcと、隣接する段差面Pa、Pbの光ディスク側端同士を連結する光ディスク側光学機能面Pdとから形成され、光源側光学機能面Pcと光ディスク側光学機能面Pdとは、光軸に交差する方向に沿って交互に配置されている。
また、階段型構造において、1つの階段単位の光軸垂直方向の長さをピッチPという。段差面は光軸に平行又は略平行であることが好ましいが、光学機能面は母非球面に平行である場合だけでなく、母非球面に対して斜めであってもよい。
尚、回折構造は、ある単位形状が周期的に繰り返されている構造であることが好ましい。ここでいう「単位形状が周期的に繰り返されている」とは、同一の形状が同一の周期で繰り返されている形状は当然含む。さらに、周期の1単位となる単位形状が、規則性を持って、周期が徐々に長くなったり、徐々に短くなったりする形状も、「単位形状が周期的に繰り返されている」ものに含まれているとする。
回折構造が、ブレーズ型構造を有する場合、単位形状である鋸歯状の形状が繰り返された形状となる。図4(a)に示されるように、同一の鋸歯状形状が繰り返されてもよいし、図4(b)に示されるように、母非球面の方向に進むに従って、徐々に鋸歯状形状の大きさが大きくなっていく形状、又は、小さくなっていく形状であってもよい。また、徐々に鋸歯状形状の大きさが大きくなった形状と、徐々に鋸歯状形状の大きさが小さくなっていく形状を組み合わせた形状としてもよい。但し、鋸歯状形状の大きさが徐々に変化する場合であっても、鋸歯状形状において、光軸方向(又は通過する光線の方向)の段差量の大きさはほとんど変化しないことが好ましい。加えて、ある領域においては、ブレーズ型構造の段差が光軸(中心)側とは逆を向いている形状とし、他の領域においては、ブレーズ型構造の段差が光軸(中心)側を向いている形状とし、その間に、ブレーズ型構造の段差の向きを切り替えるために必要な遷移領域が設けられている形状としてもよい。この様な形状とすることにより、輪帯ピッチを広げることが可能となり、回折構造の形状誤差による透過率低下を抑制できる。
回折構造が、階段型構造を有する場合、図4(c)で示されるような5レベルの階段単位が、繰り返されるような形状等があり得る。さらに、母非球面の方向に進むに従って、徐々に階段の大きさが大きくなっていく形状や、徐々に階段の大きさが小さくなっていく形状であってもよいが、光軸方向(又は通過する光線の方向)の段差量はほとんど変化しないことが好ましい。
本発明の光学素子に用いられる回折構造は、m≠0、n≠0を満たすことが好ましい。更に好ましくは、(m,n)=(2,1)、(1,2)、(3,2)又は(2,3)である。
回折次数として0次を用いないことにより、回折構造のピッチが細かくなりすぎることを防止でき、製造誤差がなく、高い光利用効率を保つことが可能な対物レンズを提供することを可能とする。また、回折次数として0次を用いる場合は、回折構造の光軸方向の深さが深くなりがちである。回折構造の光軸方向の深さが深くなると、光源の波長が微小変動した際の光利用効率の変動が大きくなってしまい、好ましくない。しかし、回折次数として0次を用いないことにより、回折構造の光軸方向の深さが浅い回折構造を用いることが可能となり、波長微小変動時の光利用効率の変動を抑えることができ、好ましい。また、0次の回折光を用いなくても、(m、n)=(1、−1)、(2、−2)のような場合は、回折構造の深さが深くなりがちであるが、(m,n)=(2,1)、(1,2)、(3,2)又は(2,3)とすることにより、より確実に回折構造の深さを浅くでき、波長微小変動時の光利用効率の変動を抑えることができる。
また、対物レンズは、少なくとも1つの光学面を、同心円状の複数の領域に分割することにより、対物レンズが2つの焦点を有するようにしても良い。この場合、複数の領域の或る領域を通過した波長λ1の光束は、BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、複数の領域の他の領域を通過した波長λ1の光束は、BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光される。但し、或る領域を通過した光束と他の領域を通過した光束とが、同時にBDの或る情報記録面と他の情報記録面に集光することはない。BDの或る情報記録面に或る領域を通過した光束を集光する場合は、BDの他の情報記録面には他の領域を通過した光束は集光せず、当該他の情報記録面に他の領域を通過した光束を集光するためには、対物レンズを光軸方向に移動する必要がある。当然、BDの他の情報記録面に他の領域を通過した光束を集光する場合は、BDの或る情報記録面には或る領域を通過した光束は集光しない。具体的な実施形態の一例については、図3を用いて先述した通りである。複数の領域は、図3に示すように2領域でもよいが、3領域以上に分割されることが好ましく、より好ましくは4領域以上である。また、領域を増やしすぎると加工が困難となり、また段差が増えると回折現象の影響が増加するため、10領域以下であることが好ましい。
また、対物レンズは、光利用効率が光学面の有効径内全体で略一様であることが好ましい。なお、光利用効率とは、回折構造による回折効率とレンズの透過率とを掛け合わしたものとする。また、略一様とは、光軸付近の光利用効率と、有効径最外領域付近の光利用効率の差が、30%以下であることをいう。好ましくは、15%以下である。
光学素子の有効径内で光量が不均一となる場合、光スポットのNAが大きくなってしまったり、小さくなってしまう可能性があるが、光学素子の光利用効率を有効径内全体で略一様とすることにより、より良好な光スポットを得ることが可能となる。光利用効率が不均一な箇所が、光学設計上発生してしまう場合は、光利用効率が高い領域に透過率を低減するフィルター等の透過率調整膜を設けることや、光利用効率が高い領域に回折構造であって、一部の光束をフレアにしてしまう回折構造などを設けることが望ましい。
次に、集光光学系がプラスチック製の光学素子を少なくとも一つ有する場合、特に、プラスチック製の対物レンズを有する場合、集光光学系の温度が+30℃変化したときの3次球面収差の変化量が+0.040λrms以内となるような温度特性補正構造を対物レンズが有することが好ましい。温度特性補正構造の具体例としては回折構造が挙げられる。複数の焦点を形成するための周辺領域の回折構造と温度特性補正構造の回折構造とを重畳するようにしてもよい。また、複数の焦点を形成するために複数の領域に分割した周辺領域の各屈折面に、温度特性補正構造の回折構造を設けてもよい。温度特性補正構造の回折構造は、段差の深さを浅くするという観点から、5次以下の回折次数を発生させる回折構造であることが好ましい。
以上、本発明の光学素子が対物レンズである場合について説明をしてきたが、本発明の光学素子がカップリングレンズや平板素子などのカップリング素子である場合も、上述の説明を適用可能である。但し、この場合、対物レンズは単焦点であることが好ましい。また、カップリング素子は、カップリング素子と対物レンズを通過した波長λ1の光束が集光する少なくとも第1の焦点と第2の焦点を有するものとなる。そして、カップリング素子と対物レンズを通過した波長λ1の光束を第1の焦点に集光させることにより、BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、カップリング素子と対物レンズを通過した波長λ1の光束を第2の焦点に集光させることにより、BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光できるものである。本発明の光学素子がカップリング素子である場合の実施態様の一例は、図2を用いて先述した通りである。
更に、対物レンズに互換用の回折構造を設けることで、BD、DVD、CDのいずれに対しても情報の記録/再生が可能な対物レンズとすることができる。
BDに対して情報を再生及び/又は記録するために必要な対物レンズの像側開口数をNA1とするが、これに加えてDVD、CDを互換使用する場合、DVDに対して情報を再生及び/又は記録するために必要な対物レンズの像側開口数をNA2(NA1≧NA2)とし、CDに対して情報を再生及び/又は記録するために必要な対物レンズの像側開口数をNA3(NA2>NA3)とする。NA1は、好ましくは、0.75以上、0.9以下である。特にNA1は0.85であることが好ましい。NA2は、0.55以上、0.7以下であることが好ましい。特にNA2は0.60又は0.65であることが好ましい。また、NA3は、0.4以上、0.55以下であることが好ましい。特にNA3は0.45又は0.53であることが好ましい。
また、対物レンズは、非点収差や偏心コマ収差を抑えるという観点から、以下の条件式、
1.0<d/f<3.0
を満たすことが好ましい。d(mm)は、対物レンズの軸上厚であり、f(mm)は、対物レンズの波長λ1の光束における焦点距離である。
尚、以下の条件式、
1.1<d/f<2.0
を満たすことが更に好ましい。
光ピックアップ装置がカップリング素子を有する場合、光ディスクの或る情報記録面に情報の記録/再生ができるように集光する場合と、光ディスクの他の情報記録面に情報の記録/再生ができるように集光する場合とで、カップリング素子の光軸方向の位置が同じであることが好ましい。更に好ましくは、カップリング素子が、常に光軸方向の位置が固定されていることである。尚、本発明の光学素子が対物レンズである場合、或る情報記録面上に情報の記録/再生を行う場合と、他の情報記録面上に情報の記録/再生を行う場合とで、対物レンズに入射する光束の入射角度を変化させないことが好ましい。この様な構成とすることで、カップリング素子を可動するアクチュエータを設ける必要がなくなるため、光ピックアップ装置のコストを低減することが可能となる。
第1光束は平行光として対物レンズに入射してもよいし、発散光若しくは収束光として対物レンズに入射してもよいが、対物レンズに入射する光束の発散角又は収束角は固定されている。好ましくは、第1光束が対物レンズに入射する時の、対物レンズの結像倍率m1が、下記の式(8)、
−0.02<m1<0.02 (8)
を満たすことである。
光情報記録再生装置は、上述の光ピックアップ装置を有する光ディスクドライブ装置を有する。
ここで、光情報記録再生装置に装備される光ディスクドライブ装置に関して説明すると、光ディスクドライブ装置には、光ピックアップ装置等を収納している光情報記録再生装置本体から光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイのみが外部に取り出される方式と、光ピックアップ装置等が収納されている光ディスクドライブ装置本体ごと、外部に取り出される方式とがある。
上述した各方式を用いる光情報記録再生装置には、概ね、次の構成部材が装備されているがこれに限られるものではない。ハウジング等に収納された光ピックアップ装置、光ピックアップ装置をハウジングごと光ディスクの内周あるいは外周に向けて移動させるシークモータ等の光ピックアップ装置の駆動源、光ピックアップ装置のハウジングを光ディスクの内周あるいは外周に向けてガイドするガイドレールなどを有した光ピックアップ装置の移送手段及び、光ディスクの回転駆動を行うスピンドルモータ等である。
前者の方式には、これら各構成部材の他に、光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイおよびトレイを摺動させるためのローディング機構等が設けられ、後者の方式にはトレイおよびローディング機構がなく、各構成部材が外部に引き出し可能なシャーシに相当するドロワーに設けられていることが好ましい。
本発明によれば、カップリング素子を光軸方向に移動させず、複数層を有するBDに対して、球面収差を補正した上で、良好に情報の記録再生を行うことが可能となると共に、複数の情報記録面に同時に集光することがなくなり、誤検出を防止することができる光ピックアップ装置及び光学素子を提供することが可能となる。
本発明の対物レンズの断面図である。 本発明のカップリング素子の一例であるカップリングレンズ及び対物レンズの断面図である。 本発明の対物レンズの断面図である。 回折構造の例を示す拡大断面図である。 BDとDVDとCDとに対して、適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図5は、複数(例えば二層)の情報記録面を有するBDと、DVDとCDとに対して、適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置は、光情報記録再生装置に搭載できる。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
図5に示す光ピックアップ装置は、BD専用の第1対物レンズOL1、CD/DVD用の第2対物レンズOL2、第1反射面RP1と第2反射面RP2とを有するダイクロイックミラーDM、λ/4波長板QWP、光ピックアップ装置に固定された(光軸方向に移動しない)カップリングレンズCUL、偏光ビームスプリッタPBS、波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する半導体レーザLD1(第1光源)と、波長λ2=650nmのレーザ光束(第2光束)を射出する半導体レーザ(第2光源)と波長λ3=785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する半導体レーザ(第3光源)とを共通のパッケージに収容した2レーザ1パッケージ2L1P、センサ用レンズSL、BDの情報記録面RL1、RL1’、DVDの情報記録面RL2、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する受光素子PDとを有する。
尚、ここでは第1対物レンズOL1は、プラスチック製であり、図1に示すように光源側の光学面の有効径内全面に回折構造が形成されている。かかる回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに、m次の回折光とn次の回折光とを発生させるようになっている。第1対物レンズOL1は、単玉のレンズの例が示されているが、この対物光学素子に代えて、複数の光学素子からなる対物光学素子を使用してもよい。第2対物レンズOL2としては、良く知られているDVD/CD互換用の対物光学素子を用いることができる。このように、波長λ1の光束は第1対物レンズOL1に入射させ、波長λ2,λ3の光束は第2対物レンズOL2に入射させると、光ピックアップ装置の構成を簡素化できる。
BDの第1情報記録面に対して記録/再生を行う場合について説明する。まず、青紫色半導体レーザLD1を発光させると、青紫色半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、ダイクロイックプリズムDP、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、カップリングレンズCULにより平行光束とされた後、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、ダイクロイックミラーDMの第1反射面RP1を通過し第2反射面RP2で反射され、図示しない絞りによりその光束径が規制され、第1対物レンズOL1に入射する。ここで、フォーカシング動作により光軸方向(第1の位置)に位置調整された第1対物レンズOL1の回折構造を通過してm次光に変換された光束は、保護基板PL1を介してBDに入射し、表面から第1の深さにある第1情報記録面RL1に形成されるスポットとなる。その際に、第1対物レンズOL1の回折構造を通過してn次光に変換された光束は、保護基板PL1′を介してBDに入射し、表面から第2の深さにある第2情報記録面RL1′にはスポットを形成しない。
第1情報記録面RL1上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOL1、絞りを透過した後、ダイクロイックミラーDMの第2反射面RP2で反射され第1反射面RP1を通過し、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、カップリングレンズCULにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBSで反射した後、センサ用レンズSLによって、受光素子PDの受光面上に収束する。そして、受光素子PDの出力信号を用いて、不図示のアクチュエータにより第1対物レンズOL1をフォーカシングやトラッキングさせることで、BDの第1情報記録面RL1に記録された情報を読み取ることができる。
次に、BDの第2情報記録面に対して記録/再生を行う場合について説明する。まず、青紫色半導体レーザLD1を発光させると、青紫色半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、ダイクロイックプリズムDP、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、カップリングレンズCULにより平行光束とされた後、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、ダイクロイックミラーDMの第1反射面RP1を通過し第2反射面RP2で反射され、図示しない絞りによりその光束径が規制され、第1対物レンズOL1に入射する。ここで、フォーカシング動作により光軸方向(第1の位置とは異なる第2の位置)に位置調整された第1対物レンズOL1の回折構造を通過してn次光に変換された光束は、保護基板PL1’を介してBDに入射し、表面から、第1の深さとは異なる第2の深さにある第2情報記録面RL1’に形成されるスポットとなる。その際に、第1対物レンズOL1の回折構造を通過してm次光に変換された光束は、保護基板PL1を介してBDに入射し、表面から第1の深さにある第1情報記録面RL1にはスポットを形成しない。
第2情報記録面RL1’上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOL1、絞りを透過した後、ダイクロイックミラーDMの第2反射面RP2で反射され第1反射面RP1を通過し、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、カップリングレンズCULにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBSで反射した後、センサ用レンズSLによって、受光素子PDの受光面上に収束する。そして、受光素子PDの出力信号を用いて、不図示のアクチュエータにより第1対物レンズOL1をフォーカシングやトラッキングさせることで、BDの第1情報記録面RL1’に記録された情報を読み取ることができる。
このように、本実施の形態によれば、BDが複数の情報記録面を有する場合であっても、カップリングレンズを固定したまま、異なる情報記録面に対して情報の記録/再生を行うことができるため、光ピックアップ装置の構成の簡素化と省エネを図ることができる。更に、第1情報記録面RL1に対して情報の記録/再生を行う場合、第1の対物レンズOL1を光軸方向における第2の位置とは異なる第1の位置へとフォーカシング駆動するので、第2情報記録面RL1’に信号の読み取り可能な集光スポットを形成することが抑制され、又、第2情報記録面RL1’に対して情報の記録/再生を行う場合、第1の対物レンズOL1を光軸方向における第1の位置とは異なる第2の位置へとフォーカシング駆動するので、第1情報記録面RL1に信号の読み取り可能な集光スポットを形成することが抑制され、誤検出を有効に回避できる。尚、対物レンズに回折構造を設ける代わりに、カップリングレンズCULに回折構造を設けても良い。
次に、DVDの記録/再生を行う場合について説明する。まず、2レーザ1パッケージ2L1Pの赤色半導体レーザを発光させると、その赤色半導体レーザから射出された第2光束(λ2=650nm)の発散光束は、ダイクロイックプリズムDPで反射され、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、カップリングレンズCULにより平行光束とされた後、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、ダイクロイックミラーDMの第1反射面RP1で反射され、図示しない絞りによりその光束径が規制され、第2対物レンズOL2によって厚さ0.6mmの保護基板PL2を介して、DVDの情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。
情報記録面RL2上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOL2、絞りを透過した後、ダイクロイックミラーDMの第1反射面RP1で反射され、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、カップリングレンズCULにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBSで反射した後、センサ用レンズSLによって、受光素子PDの受光面上に収束する。そして、受光素子PDの出力信号を用いて、不図示のアクチュエータにより第2対物レンズOL2をフォーカシングやトラッキングさせることで、DVDに記録された情報を読み取ることができる。
次に、CDの記録/再生を行う場合について説明する。まず、2レーザ1パッケージ2L1Pの赤外半導体レーザを発光させると、その赤外半導体レーザから射出された第3光束(λ3=785nm)の発散光束は、ダイクロイックプリズムDPで反射され、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、カップリングレンズCULにより平行光束とされた後、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、ダイクロイックミラーDMの第1反射面RP1で反射され、図示しない絞りによりその光束径が規制され、第2対物レンズOL2によって厚さ1.2mmの保護基板PL3を介して、CDの情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。
情報記録面RL3上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOL2、絞りを透過した後、ダイクロイックミラーDMの第1反射面RP1で反射され、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、カップリングレンズCULにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBSで反射した後、センサ用レンズSLによって、受光素子PDの受光面上に収束する。そして、受光素子PDの出力信号を用いて、不図示のアクチュエータにより第2対物レンズOL2をフォーカシングやトラッキングさせることで、CDに記録された情報を読み取ることができる。
以下、上述した実施の形態に用いることができる実施例について説明する。以下に述べる実施例において設けられた回折構造は、以下の光路差関数φ(mm)に表の係数を代入して表せる。
[光路差関数]
φ=λ/λ×dor×(C+C+C+C
1010
但し、
φ:光路差関数
λ:回折構造に入射する光束の波長
λ:製造波長
dor:光ディスクに対する記録/再生に使用する回折光の回折次数
y:光軸からの距離
,C,C,C,C10:回折面係数
である。
又、対物レンズの光学面は、それぞれ以下の非球面表現式に表に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
[非球面表現式]
z=(y/R)/[1+√{1−(K+1)(y/R)}]+
+A+A+A1010+A1212+A1414
1616+A1818+A2020
但し、
z:非球面形状(非球面の面頂点から光軸に沿った方向の距離)
y:光軸からの距離
R:曲率半径
K:コーニック係数
,A,A,A10,A12,A14,A16,A18,A20:非球面係数
である。
これ以降(表のレンズデータ含む)において、10のべき乗数(例えば、2.5×10−3)を、E(例えば、2.5×E−3)を用いて表すものとする。
(実施例1)
実施例1のレンズデータを表1に示す。実施例1では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに2次回折光と3次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した3次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、2次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=72.32μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.017λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0147λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、4.9μmとなる。
(実施例2)
実施例2のレンズデータを表2に示す。実施例2では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに2次回折光と3次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した2次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、3次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=76.98μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0171λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0174λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、4.92μmとなる。
(実施例3)
実施例3のレンズデータを表3に示す。実施例3では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに2次回折光と3次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した3次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、2次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=66.77μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0043λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0076λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、4.48μmとなる。
(実施例4)
実施例4のレンズデータを表4に示す。実施例4では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに2次回折光と3次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した2次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、3次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=69.45μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.006λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.007λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、4.5μmとなる。
(実施例5)
実施例5のレンズデータを表5に示す。実施例5では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに0次回折光と1次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した1次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、0次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=26.83μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.001λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0007λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、10.69μmとなる。
(実施例6)
実施例6のレンズデータを表6に示す。実施例6では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに0次回折光と1次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した1次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、0次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=65.67μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0048λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0058λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、4.52μmとなる。
(実施例7)
実施例7のレンズデータを表7に示す。実施例7では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに0次回折光と1次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した1次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、0次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=88.17μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0036λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0054λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、3.55μmとなる。
(実施例8)
実施例8のレンズデータを表8に示す。実施例8では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに0次回折光と1次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した1次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、0次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=174.22μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0002λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0027λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、2.48μmとなる。
(実施例9)
実施例9のレンズデータを表9に示す。実施例9では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに1次回折光と0次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した1次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、0次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=191.98μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0002λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0025λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、2.3μmとなる。
(実施例10)
実施例10のレンズデータを表10に示す。実施例10では、対物レンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに1次回折光と2次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した1次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、2次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=68.35μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.027λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は−0.0136λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、4.6μmとなる。
(実施例11)
実施例11のレンズデータを表11に示す。実施例11では、カップリングレンズに回折構造が形成されている。カップリングレンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに1次回折光と2次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した1次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、2次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=33.68μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0264λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.021λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、29.0μmとなる。
(実施例12)
実施例12のレンズデータを表12に示す。実施例12では、カップリングレンズに回折構造が形成されている。カップリングレンズの光源側光学面の有効径内全面に設けられた回折構造は、光束振り分け用の第1回折構造(表中の光路差関数φ1で示される)と、温度変化に起因した球面収差を補正する温度特性補正構造である第2回折構造(表中の光路差関数φ2で示される)とを重畳したものである。第1回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに2次回折光と3次回折光とを発生し、第2回折構造は、波長λ1の光束が入射したときに4次回折光を発生する。第1回折構造で発生した2次の回折光は、BD表面から75μmの深さの情報記録層に集光し、3次の回折光は、BD表面から100μmの深さの情報記録層に集光する。又、|Δf|=55.38μmであるのに対し、|tA−tB|/n=15.41μmと異なっている。基準温度から+30℃温度上昇が生じた場合、BDの保護基板厚が0.075mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0165λrmsであり、保護基板厚が0.100mmの場合、発生する3次球面収差の変化量は0.0217λrmsである。また、第1回折構造の最小ピッチは、30.2μmとなる。
本発明によれば、簡素な構成で省エネに適した光ディスクドライブ装置に好適な対物レンズ及び光ピックアップ装置を提供できる。
CUL カップリングレンズ
DM ダイクロイックミラー
DP ダイクロイックプリズム
LD1 青紫色半導体レーザ
OL1 第1対物レンズ
OL2 第2対物レンズ
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD 受光素子
PL1、PL1’ BDの保護基板
PL2 DVDの保護基板
PL3 CDの保護基板
QWP λ/4波長板
RL1、RL1’ BDの情報記録面
RL2 DVDの情報記録面
RL3 CDの情報記録面
RP1 第1反射面
RP2 第2反射面
SL センサ用レンズ

Claims (21)

  1. 波長λ1(390nm<λ1<420nm)の光束を出射する第1光源と、少なくとも対物レンズを含む集光光学系とを有し、少なくとも2つの情報記録面を有するBlu−ray Disc(BD)の情報記録面に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用の集光光学系の対物レンズにおいて、
    前記対物レンズは、少なくとも第1の焦点と第2の焦点を有し、
    前記波長λ1の光束を前記第1の焦点に集光させることにより、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、
    前記波長λ1の光束を前記第2の焦点に集光させることにより、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、
    前記第1の焦点と前記第2の焦点は、以下の式を満たすことを特徴とする対物レンズ。
    |Δf|≠|tA−tB|/n
    0.75≦NA≦0.9
    但し、
    Δf:前記第1の焦点と前記第2の焦点の間の光軸方向の距離(μm)
    tA:前記BDの表面から前記BDの前記或る情報記録面までの保護層の厚み(μm)
    tB:前記BDの表面から前記BDの前記他の情報記録面までの保護層の厚み(μm)
    n:前記BDの前記保護層の屈折率
    NA:前記対物レンズの像側開口数
  2. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
    20μm≦|Δf|≦200μm
  3. 前記対物レンズは、少なくとも1つの光学面の有効径内全体に回折構造を有し、
    前記回折構造は、前記回折構造を前記波長λ1の光束が通過した際に、m次の回折光とn次(m≠n)の回折光とを他の回折次数の回折光に比して多く発生させ、
    前記m次の回折光は、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記n次の回折光は前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の対物レンズ。
  4. m≠0、n≠0を満たすことを特徴とする請求項3に記載の対物レンズ。
  5. (m,n)=(2,1)、(1,2)、(3,2)又は(2,3)であることを特徴とする請求項4に記載の対物レンズ。
  6. 前記対物レンズは、少なくとも1つの光学面を、同心円状の複数の領域に分割し、前記複数の領域の或る領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記複数の領域の他の領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の対物レンズ。
  7. 前記対物レンズの光利用効率は、前記光学面の有効径内全体で略一様であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の対物レンズ。
  8. 前記対物レンズはプラスチック製であり、
    前記対物レンズの温度が30℃変化した際の3次球面収差の変化量が±0.040λrms以内となるような、温度特性を補正する温度特性補正構造を有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の対物レンズ。
  9. 波長λ1(390nm<λ1<420nm)の光束を出射する第1光源と、少なくともカップリング素子と単焦点の対物レンズを含む集光光学系とを有し、少なくとも2つの情報記録面を有するBlu−ray Disc(BD)の情報記録面に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用の集光光学系のカップリング素子において、
    前記集光光学系は、前記カップリング素子と前記対物レンズを通過した前記波長λ1の光束が集光する少なくとも第1の焦点と第2の焦点を有し、
    前記カップリング素子と前記対物レンズを通過した前記波長λ1の光束を前記第1の焦点に集光させることにより、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、
    前記カップリング素子と前記対物レンズを通過した前記波長λ1の光束を前記第2の焦点に集光させることにより、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光でき、
    前記第1の焦点と前記第2の焦点は、以下の式を満たすことを特徴とするカップリング素子。
    |Δf|≠|tA−tB|/n
    但し、
    Δf:前記第1の焦点と前記第2の焦点の間の光軸方向の距離(μm)
    tA:前記BDの表面から前記BDの前記或る情報記録面までの保護層の厚み(μm)
    tB:前記BDの表面から前記BDの前記他の情報記録面までの保護層の厚み(μm)
    n:前記BDの前記保護層の屈折率
  10. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項9に記載のカップリング素子。
    20μm≦|Δf|≦200μm
  11. 前記カップリング素子は、少なくとも1つの光学面の有効径内全体に回折構造を有し、
    前記回折構造は、前記回折構造を前記波長λ1の光束が通過した際に、m次の回折光とn次(m≠n)の回折光とを他の回折次数の回折光に比して多く発生させ、
    前記m次の回折光は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記n次の回折光は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のカップリング素子。
  12. m≠0、n≠0を満たすことを特徴とする請求項11に記載のカップリング素子。
  13. (m,n)=(2,1)、(1,2)、(3,2)又は(2,3)であることを特徴とする請求項12に記載のカップリング素子。
  14. 前記カップリング素子は、少なくとも1つの光学面を、同心円状の複数の領域に分割し、前記複数の領域の或る領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの或る情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光され、前記複数の領域の他の領域を通過した前記波長λ1の光束は、前記カップリング素子と前記対物レンズによって、前記BDの他の情報記録面上に情報の記録及び/又は再生を行えるように集光されることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のカップリング素子。
  15. 前記カップリング素子の光利用効率は、前記光学面の有効径内全体で略一様であることを特徴とする請求項9から請求項14までのいずれか一項に記載のカップリング素子。
  16. 前記カップリング素子及び前記対物レンズはプラスチック製であり、
    前記カップリング素子及び前記対物レンズの温度が30℃変化した際の3次球面収差の変化量が±0.040λrms以内となるような、温度特性を補正する温度特性補正構造を有することを特徴とする請求項9から請求項15までのいずれか一項に記載のカップリング素子。
  17. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の対物レンズを有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  18. 請求項9から請求項16までのいずれか一項に記載のカップリング素子を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  19. 前記光ピックアップ装置はカップリング素子を有し、
    前記BDの或る情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合と、前記BDの他の情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合とで、前記カップリング素子の光軸方向の位置が同じであることを特徴とする請求項17に記載の光ピックアップ装置。
  20. 前記カップリング素子は、
    前記BDの或る情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合と、前記BDの他の情報記録面に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する場合とで、光軸方向の位置が同じであることを特徴とする請求項18に記載の光ピックアップ装置。
  21. 前記カップリング素子は、常に光軸方向の位置が固定されていることを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の光ピックアップ装置。
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