本発明は、低コストな面状照明装置及びそれを用いた光利用効率の高い液晶表示装置に関する。
近年、環境問題や省電力の観点から、水銀を含まず、消費電力の低い発光ダイオード(LED)やレーザなどの半導体材料からなる光源を利用した面状照明装置や画像表示装置の開発が進められている。
画像表示装置の一つに、液晶表示装置がある。液晶表示装置は、空間変調素子として液晶パネルを用い、液晶パネルの背面から面状照明装置(バックライト)で照明し、透過する光を空間変調することにより画像を形成するものである。この液晶表示装置の低消費電力化策として、バックライトから出射する光を単一偏光にする手法や、液晶パネルを構成する、赤色、緑色及び青色の各サブピクセルに対して、入射する光を該当する色(波長)に分離して照明する手法がある。
それらの例として、レーザ光源から出射されたレーザ光を複数列の偏光プリズムに通過させることにより、偏光方向を揃えて導光板に入射させる構成が示されている(例えば、特許文献1参照)。この様な構成にすることにより、導光板の主面から出射するレーザ光の偏光方向を揃えることができるため、消費電力の低い液晶表示装置が実現できる。
また、他の例として、導光板の側面に配置したLED光源からの光を導光板に入射させ、導光板の裏面側に偏光変換手段としての微細溝を形成することにより、導光板から出射する光の偏光成分を所定方向に揃える様に構成した例もある(例えば、特許文献2参照)。この様な構成とすることにより、光源にLEDを用いても特定方向の偏光成分の光を出射させることができ、消費電力の低い液晶表示装置を実現できるとしている。
一方、導光板の側面に配置したLED光源からの白色光を導光板に入射させる構成において、導光板内部に、特定の波長域の光を反射させ、残りの波長域の光を透過させる干渉フィルタを設ける構成も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この様にして、入射した白色光を赤色と、緑色と、青色とに分離して液晶パネルを照明することで、光を効率よく利用することができるため、消費電力の低い液晶表示装置を実現できるとしている。
これらの例以外に、身の回りにおいても、例えば、道路等で用いられる進路案内板や信号機等、面状照明装置において所定の領域を所定の色の光で照明する例は多く見られる。
しかしながら、上記で説明した従来の技術においては、光利用効率は高いものの、光学系の構成が複雑であるため、装置の製作が容易ではなく、面状照明装置や液晶表示装置としては、高コストになってしまうという課題があった。
特開2008−277279号公報
特開2004−271871号公報
特開2006−12722号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明可能な面状照明装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に従う面状照明装置は、光を出射する複数の光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記複数の光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光方向が直交した直線偏光を含み、前記偏光変調板は、1/2波長板として機能する偏光変調セルと、偏光特性を変調しない非変調セルとを含む。
上記の面状照明装置は、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができる。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置の斜視図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置の上面図である。
図2に示すIII−III線における面状照明装置の断面図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第1の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第2の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第3の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第4の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置を用いたサインボードの一例を示す模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる他の面状照明装置の上面図である。
本発明の実施の形態1にかかるさらに他の面状照明装置の上面図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置に適用可能な無偏光光源の一例を示す模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の上面図である。
図12に示すXIII−XIII線における光の偏光状態を説明するための面状照明装置の第1の断面図である。
図12に示すXIII−XIII線における光の偏光状態を説明するための面状照明装置の第2の断面図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の1/4偏光板の前後における偏光状態を説明するための第1の模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の1/4偏光板の前後における偏光状態を説明するための第2の模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の偏光変調板の前後における偏光状態を説明するための第1の模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の偏光変調板の前後における偏光状態を説明するための第2の模式図である。
本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置の上面図である。
図19に示す偏光変調フィルタとカラーフィルタとの配置関係を説明するための模式図である。
本発明の実施の形態3にかかる他の液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態3にかかるさらに他の液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態3にかかるさらに他の液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態4にかかる液晶表示装置の上面図である。
図25に示すXXVI−XXVI線における面状照明装置の断面図である。
本発明の実施の形態4にかかる三次元液晶表示装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
(実施の形態1)
図1乃至図3は、本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置10を説明する図であり、図1及び図2は、面状照明装置10から、偏光フィルタ19と、偏光変調板18と、反射シート17とを除いた部分の斜視図及び上面図であり、図3は、図2に示すIII−III線における、偏光変調板18と、偏光フィルタ19と、反射シート17とを含めた面状照明装置10の断面図である。
本面状照明装置10は、光11a、11bをそれぞれ出射する光源12a、12bと、光源12aと12bとに接続された制御部16と、光11aと11bとを混合するコンバイナ13と、光11a、11bを線状に変換する導光棒14と、線状の光を面状に変換して出射する導光板15と、反射シート17と、偏光変調板18と、偏光フィルタ19とを備える。
まず、光11a、11bを面状に変換するまでの仕組みを、図1乃至図3を用いて説明する。複数の光源12a、12bから出射された光11a、11bは、コンバイナ13で合波された後、導光棒14に入射して線状光に変換される。導光棒14の長手方向の一面には、図2に示した様な全反射プリズム14aを多数配置したプリズムアレイが構成されている。この導光棒14を用いることで、各全反射プリズム14aに到達した光11a、11bは、反射ロスなく、導光板15側に向けて全反射され、線状光として導光棒14から導光板15に向けて出射し、導光板15に入射面15aから入射する。なお、複数の光源12a、12bから出射された光を入射する側面は、上記の入射面15aに特に限定されず、他の側面から光を入射してもよい。
導光板15に入射した光11a、11bは、導光板15の底面に設けられた線状の全反射プリズム15b(図3参照)により、導光棒14の全反射プリズム14aと同様にロスなく全反射され、導光板主面15cから略垂直に面状光として出射することになる。ここで、図3に示す通り、面状照明装置10の導光板15の主面15c側の近傍には、偏光変調板18と、偏光フィルタ19とが、導光板15側から偏光変調板18、偏光フィルタ19の順に配置され、さらに、導光板15の主面15cとは反対側の近傍に反射シート17が配置されている。なお、本面状照明装置10においては、導光棒14と導光板15とは別体としたが、もちろん一体化して一枚の導光板としても構わない。
次に、図2を用いて、偏光変調板18の動作の仕組みを説明する。まず、光源12a、12bから出射した光11a、11bは、直線偏光であり、両者の偏光方向が互いに直交しているとする。例えば、図4に示す通り、導光棒14の内部において、光11aの偏光方向が進行方向に対して左右方向の偏光方向となり、光11bの偏光方向が進行方向に対して上下方向の偏光方向となる様に、光源12a、12bを配置したとする。
この場合、図4に示す通り、導光棒14内の全反射プリズム14aで全反射され、さらに導光板15内の全反射プリズム15bで全反射して導光板の主面15cから出射した光11aの偏光方向は、紙面垂直方向(図中の黒丸で示す方向)になり、光11bの偏光方向は、紙面内左右方向(図中の矢印方向)となる。また、偏光変調板18は、1/2波長板として作用する偏光変調セル18aと、入射する光の偏光特性を変調しない非変調セル18bの二種類の領域から構成する。
このとき、1/2波長板として作用する偏光変調セル18aを透過した光11a、11bの偏光方向はそれぞれ90度回転するため、図5に示す様に、光11aは、紙面内左右方向に偏光し、光11bは、紙面垂直方向に偏光する。また、偏光特性を変調しない非変調セル18bを透過した光11a、11bの偏光方向は、偏光変調板18においてはともに変調されないため、光11aの偏光方向は、紙面に垂直なまま、光11bの偏光方向は、紙面内左右方向のまま、偏光フィルタ19に到達する。よって、偏光フィルタ19に到達した光11a、11bの偏光方向は、透過した偏光変調板18の偏光変調セル18a、非変調セル18b毎に異なることになる。
ここで、偏光フィルタ19が、紙面に垂直方向に偏光している光を透過し、紙面内水平方向に偏光している光を反射する特性を持っている場合、図6に示す通り、偏光変調セル18aを透過した光のうち、光11bのみが偏光フィルタ19を透過し、光11aは反射することになる。同様に、非変調セル18bを透過した光のうち、光11aのみが偏光フィルタ19を透過し、光11bは反射することになる。なお、図6においては、説明を容易にするために、偏光フィルタ19で反射する光11a、11bを、右隣の各偏光変調セル18a、18bへの反射として図示しているが、本来はもちろん同一の偏光変調セルや非変調セルに戻る。
さらに、偏光フィルタ19を反射した光11a、11bは、再度、偏光変調板18に戻るが、偏光変調板18と偏光フィルタ19とを密着させておけば、偏光フィルタ19で反射した光11aは、偏光変調セル18aに戻り、光11bは、非変調セル18bに戻ることになる。
次に、偏光変調板18を図面下向きに透過する光の偏光方向に関して、図7を用いて説明する。光11aは、偏光変調セル18aを透過すると、その偏光方向が進行方向に対して90度回転するため、偏光変調板18を透過した光11aの偏光方向は、紙面垂直方向に再度変換される。光11bは、非変調セル18bを透過する際には偏光方向に影響を受けないために、紙面内左右方向の偏光方向を維持したまま偏光変調板18を透過する。
ここで、導光板15と偏光変調板18とで挟まれた空間を伝播する光では、紙面上向きに伝播する光も、偏光フィルタ19で反射されて紙面下向きに伝播する光もともに、同じ偏光方向を有しており、光11aは、紙面垂直方向に偏光方向を持ち、光11bは、紙面内水平方向に偏光方向を持つ。したがって、偏光フィルタ19で反射されて紙面下向きに伝播して導光板15を透過し、さらに、反射シート17で正反射した光は、図4と同じ偏光方向を持つことになる。
よって、導光板15に入射して全反射プリズム15bで全反射した光が、紙面左右方向にわずかでも広がりながら、導光板15の主面15cから出射すれば、光11aであれば非変調セル18bを透過するまで、光11bであれば偏光変調セル18aを透過するまで、偏光フィルタ19と反射シート17との間を多重反射することになる。結果として、光量ロス無く、光11aは、非変調セル18bの直上からのみ出射し、光11bは、偏光変調セル18aの直上からのみ出射することになる。
なお、光11a、11bを導光板15の主面15cから紙面左右方向に広がりながら出射させるには、例えば、全反射プリズム15bにわずかに曲率を設けても構わないし、導光板15の入射面15aにわずかに曲率を設けても構わない。他の方法でももちろん構わず、その方法は限定しない。また、導光板15に入射して全反射プリズム15bで全反射した光が、紙面左右方向にわずかでも傾いた状態で導光板15の主面15cから出射するようにしてもよく、この場合も、上記と同様の効果を得ることができる。例えば、全反射プリズム15bの反射面を垂直方向に反射する角度から微小角度だけ傾けて形成するようにしてもよい。
以上の構成による効果を、一例として、図8を用いて説明する。例えば、道路標識等で表示したいサインボードとして、図8に示すような左右の矢印パターンがあり、この左右の表示を切り替えて使用することを考える。その場合、偏光変調板18の、図1〜図7で示した偏光変調セル18a及び非変調セル18bの形状を図8の通り矢印形状に設定し、矢印以外の部分の領域18cは、入射する光を全て反射するように金属や多層膜でコートしておく。
このとき、図1に示した面状照明装置10の光源12aを点灯させると、非変調セル18bの領域である右向きの矢印が点灯し、さらに光源12bを点灯させると、偏光変調セル18aである左向き矢印を点灯させることができる。即ち、制御部16が点灯させる光源を切り替えることにより、簡便に点灯領域を切り替えることができる。
さらに、本面状照明装置は、図8とは異なるパターンを点灯させる場合であっても、偏光変調板18の偏光変調セル18aや非変調セル18bや領域18cの構成を変えるだけで、回路構成等は何ら改造することなく、簡便に点灯領域を切り替えることができる。なお、偏光変調セル18a及び非変調セル18bの形状及び数等は、上記の例に特に限定されず、表示すべき対象物に応じて種々の変更が可能である。
次に、図9に示す面状照明装置30は、図2に示す面状照明装置10と比較して導光棒14以降の構成は同じであるが、光源が光11aを出射する単一の光源12aからなり、光源12aに対して1/2波長板20が設けられ、光源12a及び1/2波長板20を制御部16が制御する点が異なる。
図9の面状照明装置30に示す様に、光源が単一の光源12aであった場合、光源12aと導光棒14の間に1/2波長板20を配置し、1/2波長板20を回転可能に支持しておく。このとき、例えば、図9の通り、光源12aから出射した光の偏光方向が紙面水平方向であり、さらに、この光が1/2波長板20を透過すると、その偏光方向が90度回転する様に、1/2波長板20を配置する。この場合には、偏光変調セル18aの直上からのみ光11aが出射することになり、左向きの矢印が点灯することになる。
さらに、制御部16からの指令により、1/2波長板20をステッピングモータ等の回転機構(図示省略)を用いて回転させて偏光方向が紙面水平方向のまま導光棒14に入射するようにした場合、非変調セル18bの直上からのみ光11aが出射することになり、右向きの矢印が点灯することになる。
この様に、1/2波長板20を用いることで、単一の光源でありながら、偏光方向を好みのタイミングで切り替えることにより、領域毎に光源を設けることなく、単一の光源のまま、照明したい領域を簡便に切り替えることが可能になる。よって、光源が単一で、かつ偏光変調セル18a、非変調セル18b毎に点灯回路を別々に用意する必要がないため、面状照明装置を低コストに製作することが可能であるという効果を有する。
なお、ここでは、導光棒14に入射する光11aの偏光成分が、紙面垂直方向もしくは紙面内左右方向の場合を説明したが、もちろん1/2波長板20の配置角度を調整して光11aの偏光方向を紙面垂直方向と紙面内左右方向の間の角度(例えば、斜め方向)で偏光させても良く、その場合、光11aに含まれる紙面垂直方向の偏光の量と紙面内左右方向の偏光の量との比で、左向き矢印と、右向き矢印とを点灯させることができる。即ち、任意の光量比で任意の領域を点灯させることができる。
また、図9では、単一の光源を用いて偏光方向を所定のタイミングで変調したが、図10の面状照明装置40の通り、波長の異なる複数の光源を用いた場合には、さらに別の効果も有する。図10に示す面状照明装置40は、図9に示す面状照明装置30と比較して導光棒14以降の構成は同じであるが、光源が波長の異なる光23r、23g、23bを出射する3個の光源22r、22g、22bからなり、それぞれの光源に対して1/2波長板20r、20g、20bを設け、それぞれを制御部16に接続している点が異なる。
この状態で、点灯する光源として3個の光源22r、22g、22bの中から一つを制御部16で選択し、その偏光方向を、対応する波長板20r、20g、20bの中から一つを選択して制御することで、図8の偏光変調セル18a、非変調セル18bの領域を光源22r、22g、22bの任意の波長の光で切り替えて点灯することができる。
また、光源22r、22g、22bをそれぞれ赤色光源(中心波長570〜680nm)、緑色光源(中心波長490〜570nm)、青色光源(中心波長400〜490nm)とし、各光源を所定の光量で同時に点灯させることで、表示させたい領域を任意の色で点灯をさせることができる。また、点灯させたい色の光源の波長板を高速に切り替えることで、偏光変調セル18a、18bを視認上同時に点灯させることも可能である。さらには、光源22r、22g、22bにレーザ光源を用いると、各光源の色純度が極めて高くなるため、極めて広色域の表示をさせることが可能になる。
この他、光源22r、22g、22bには、スーパールミネッセントダイオード(SLD)を用いることももちろん可能である。光源にSLDを用いると、光源の波長幅が広くなり、スペックルノイズが抑制されるため、より視認しやすい面状照明装置を構成することができる。
もちろん、光源22r、22g、22bに発光ダイオード(LED)を用いることも可能である。一般に発光ダイオードから出射される光の偏光方向は単一方向に偏光していない場合が多いが、その場合でも、偏光ビームスプリッタ(PBS)等を用いれば、上記と同様に構成することが可能である。一例として、図11において、光源12としてLEDを用いた場合の構成を説明する。
光源12をLEDとして、光源12から出射した無偏光の光11は、PBS21に入射すると、P偏光の光11pとS偏光の光11sとに分離されて出射する。さらに、P偏光の光11pを1/2波長板20pに入射させ、反射ミラー(図示省略)等の光学部品を用いてS偏光の光11sを1/2波長板20sに入射させる。このとき、1/2波長板20pと1/2波長板20sとの両方を制御部16に接続しておく。この構成において、1/2波長板20p及び1/2波長板20sの配置を、ステッピングモータ等の回転機構(図示省略)を用いて制御部16を通して制御することで、1/2波長板20pを透過した光11pの偏光方向と1/2波長板20sを透過した光11sの偏光方向とを任意に選択することができる。この様に構成することで、偏光変調セル18a及び非変調セル18bを同時に任意の光量で点灯させることも可能になるという効果も有する。
なお、ここではLEDを用いた例を説明したが、もちろん他の光源を用いても構わない。また、これまでは、偏光変調板18を構成する変調セルとして偏光変調セル18a及び非変調セル18bを固定していたが、変調セルの構成は、上記の例に特に限定されない。例えば、偏光変調セルとして、液晶セル等の空間変調素子等を用いると、入射する光に対する任意の領域の偏光変調量を任意かつ動的に調整することができるようになり、照明するパターン形状を任意かつ動的に変更することができるというメリットも有する。
また、上で説明した実施の形態では、サインボードに対する照明例を示したが、用途はこれに限定するものではない。また、本実施の形態において、導光棒14は上述の全反射プリズム14aを用いて線状に折り返したが、導光棒の構成はこの構成に限らず、ロス無く、偏光方向を維持したまま、線状光に変換できれば、どのような構成でも構わない。同様に、導光板15の全反射プリズム15bも、ロス無く、偏光方向を維持したまま、線状光に変換できれば、本実施の形態の形状に限定するものではない。
(実施の形態2)
図12乃至図14は、本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置50の説明図であり、図12は、面状照明装置50から、偏光フィルタ19と、偏光変調板58と、1/4波長板59と、反射シート17とを除いた面状照明装置50の上面図であり、図13及び図14は、図12のXIII−XIII線における面状照明装置50の断面図である。
本面状照明装置50では、光源52a、52bから出射した直線偏光の光51a、51bに対して、コンバイナ13で合波した後、1/4波長板53を挿入することで、光51a、51bの偏光を相異なる方向に回転する回転偏光に変換している点が、実施の形態1の面状照明装置10と大きく異なる。構成要素としては、上述の1/4波長板53と、1/4波長板59が追加されており、1/4波長板59は、導光板15と反射シート17の間に配置されている。さらに、偏光変調板58を構成する偏光変調セル58a、58bが、結晶軸方向の配置が相異なる1/4波長板、即ち、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板で構成されている。
上記の面状照明装置50の具体的な動作の仕組みを、図12乃至図18を用いて説明する。まず、光源52a、52bから出射してコンバイナ13で合波された直線偏光の光51a、51bを、1/4波長板53により回転偏光に変換する。このとき、例えば、図12の通り、光源52aから出射された光51aの偏光方向を紙面内左右方向とし、光源52bから出射された光51bの偏光方向を紙面垂直方向として、両者を直交させておき、コンバイナ13で合波した状態で1/4波長板53に入射させると、光51aと光51bとを、回転方向が互いに逆向きの回転偏光の光とすることができる。
図15は、光51aが左回転(光の進行方向において反時計回転)の回転偏光に変換される様子を説明しており、図16は、光51bが右回転(光の進行方向において時計回転)の回転偏光に変換される様子を説明している。ただし、理解し易くするため、1/4波長板53に入射する前の光51a、51bは互いに直交しているが、光51aの偏光方向は、光の進行方向に対して左上方向から右下方向としてあり、光51bの偏光方向は、光の進行方向において右上方向から左下方向としてある。さらに、1/4波長板53の遅軸方向をns、速軸方向をnfとして記載しており、光51a、51bの電界を遅軸方向と速軸方向に分解して記載している。
この1/4波長板53を光51aが透過すると、光51aの遅軸方向成分が1/4波長遅れるために、図15の通り、左回転の回転偏光に変換される。同様に、この1/4波長板53を光51bが透過すると、光51bの遅軸方向成分が1/4波長遅れるために、図16の通り、右回転の回転偏光に変換される。その後、導光板15の主面15cから出射するまでの光路は、実施の形態1と同じである。
ここで、全反射プリズム14aと全反射プリズム15bとのそれぞれで全反射する際に、S偏光成分の位相とP偏光成分の位相とに相対的なずれが生じるが、例えば、導光棒14内を伝搬する光の紙面垂直方向の偏光成分は、全反射プリズム14aにおいてS偏光として略垂直に全反射し、さらに全反射プリズム15bにてP偏光として略垂直に全反射するため、2回の全反射を経て、位相ずれ量は相殺されることになる。
このことは導光棒14内を伝搬する光の紙面内左右方向の偏光成分も同様で、全反射プリズム14aにおいてP偏光として略垂直に全反射し、さらに全反射プリズム15bにてS偏光として略垂直に全反射するため、2回の全反射を経て、位相ずれ量は相殺されることになる。よって、導光板15から出射した光51a、51bは、図13に示す様な回転偏光として偏光変調板58に入射する。
ここで、偏光変調板58の偏光変調セル58a、58bは双方1/4波長板から構成されているが、これも互いに光の偏光方向を回転させる向きが異なる。この様に構成された偏光変調板58の前後での振舞いを、図17と図18とを用いて説明する。
導光板15から出射して偏光変調板58に到着した左回転の回転偏光を持つ光51aは、偏光変調板58を構成する偏光変調セル58a、58bに入射する。ここで、偏光変調セル58aと偏光変調セル58bとでは、図17と図18に示す様に、遅軸nsの向きと速軸nfの向きとが相異なる方向を向いている。左回転の回転偏光を持つ光51aがこの様な偏光変調セル58a及び偏光変調セル58bを透過すると、偏光変調セル58aから出射する光と偏光変調セル58bから出射する光とは、互いに直交した直線偏光に変換されることが分かる。さらに、偏光変調セル58aから出射した光の偏光方向と、1/4波長板53に入射する前の光51aの偏光方向とは、光の進行方向に対して同じ向きとなることが分かる。
光51bに対しても同様に考えることができる。即ち、右回転の回転偏光を持つ光51bが偏光変調セル58a及び偏光変調セル58bを透過すると、偏光変調セル58aから出射した光と偏光変調セル58bから出射した光とは、やはり直線偏光に変換され、偏光方向は互いに直交することになる。さらに、偏光変調セル58aから出射した光の偏光方向と、1/4波長板53に入射する前の光51bの偏光方向とは、光の進行方向に対して同じ向きとなる。
偏光変調板58を透過した光51a、51bは、この後、偏光フィルタ19に入射する。偏光フィルタ19は、ここでは、実施の形態1と同様に、紙面内左右方向の偏光を反射し、紙面垂直方向の偏光を透過する特性を持っている。よって、図13及び図14に示す様に、偏光変調セル58aを透過した光51aは、偏光フィルタ19で反射され、偏光変調セル58aを透過した光51bは、偏光フィルタ19を透過する。また、偏光変調セル58bを透過した光51aは、偏光フィルタ19を透過し、偏光変調セル58bを透過した光51bは、偏光フィルタ19で反射される。
反射された光51aは、再び偏光変調セル58aを透過することで、再度、回転偏光となる。回転偏光となった光51aは、このまま導光板15を透過して反射シート17で反射され、再度、偏光変調セル58aに入射する。この様に、偏光フィルタ19と反射シート17との間を一往復する間で、偏光変調セル58aを2回通過することになるため、偏光は逆方向に回転することになる。そのため、1/4波長板59を挿入することにより、偏光フィルタ19と反射シート17との間を一往復する間での位相ずれを相殺している。即ち、1/4波長板59を一往復することにより、さらに1/2波長分の位相がずれるため、偏光変調セル58a、58bのピッチで1/4波長板59の構造を替える必要はない。この点については、光51bも同様である。
この様に、偏光フィルタ19と反射シート17との間を多重反射する間で、光51aが偏光変調セル58bを透過すれば、紙面垂直方向の偏光方向となって偏光フィルタ19を透過し、同様に光51bが偏光変調セル58aを透過すれば、紙面垂直方向の偏光方向となって偏光フィルタ19を透過することになる。以上のことから、実施の形態1の面状照明装置10と同様に、光51aは、偏光変調セル58bの直上からのみ偏光フィルタ19の外へ出射することになり、さらに、光51bは、偏光変調セル58aの直上からのみ偏光フィルタ19の外へ出射することになる。
以上により、本実施の形態では、実施の形態1の面状照明装置10と構成は異なるが、面状照明装置10と同様の機能を有することから、面状照明装置10と同様の効果を有する。即ち、サインボード等において、任意の点灯パターンで極めて簡便に領域を切り替えて点灯可能であり、低コストに構成可能である。さらに、面状照明装置10と同様に光源を複数用いて、任意の色で点灯させることも可能であり、光源も、LED、レーザ、SLD等様々な光源を用いることが可能であるが、改めての説明は割愛する。
また、光を出射する単一の光源を用いてもよく、例えば、光源52b及びコンバイナ13を省略し、図9に示す面状照明装置30と同様に、単一の光源52aに対して1/2波長板を新たに設け、単一の光源52a及び1/2波長板を制御部16が制御するようにしてもよい。この場合、1/2波長板は、光源52aから出射された光を任意のタイミングで偏光方向を切り替えて直線偏光に変換し、1/4波長板53は、この直線偏光を、導光板15に入射する段階において、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる回転偏光に変換する。
上記の構成により、回転偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光が導光板15の側面15aから入射して主面15cから出射されるので、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光を任意のタイミングで選択的に出射することができる。
このとき、左回転の回転偏光を持つ光51aは、偏光変調セル58bを透過し、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第1の光となった後、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。一方、右回転の回転偏光を持つ光51bは、偏光変調セル58bを透過し、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する第2の光となって、偏光フィルタ19により内部に反射される。
また、右回転の回転偏光を持つ光51bは、偏光変調セル58aを透過し、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第1の光となった後、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。一方、左回転の回転偏光を持つ光51aは、偏光変調セル58aを透過し、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する第2の光となって、偏光フィルタ19により内部に反射される。
したがって、光51aは、偏光変調セル58bのみを介して外部へ出射され、光51bは、偏光変調セル58aのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置について、図19乃至図21を用いて説明する。図19は、本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置80について示したものであり、本液晶表示装置80の液晶パネル81を背面から照明する面状照明装置90aの上面図を図20に示した。ただし、図20において、偏光変調板18、偏光フィルタ19、反射シート17は記載していない。
図20に示した面状照明装置90aは、図10に示した面状照明装置40と類似であるが、液晶表示装置80に対する面状照明装置90aとしては、照明パターンを切り替える必要がないため、図10における1/2波長板20r、20g、20bは取り除いている。また、本液晶表示装置80では、光源として、赤色光91r、緑色光91g、青色光91bを出射する赤色光源92r、緑色光源92g、青色光源92bを用いている。さらに、合波されて導光棒14に入射する赤色光91r、緑色光91g、青色光91bの各偏光方向としては、図20の通り、緑色光91gに対しては紙面垂直方向で、赤色光91r、青色光91bに対しては紙面水平方向に偏光する様に各光源を配置してある。
液晶パネル81は、面状照明装置90aから光が出射される側に配置され、液晶パネル81は、下側偏光板82、下側ガラス板83、液晶層84、カラーフィルタ85、上側ガラス板86及び上側偏光板87から構成されている。さらに、カラーフィルタ85は、赤色光91rを透過し、緑色光91gと青色光91bとを吸収する赤色サブピクセル85Rと、緑色光91gを透過し、赤色光91rと青色光91bとを吸収する緑色サブピクセル85Gと、青色光91bを透過し、赤色光91rと緑色光91gとを吸収する青色サブピクセル85Bとから構成される。
液晶パネル81と導光板15との間に、偏光変調板18と偏光フィルタ19とが挟まれている。図19では、説明上、偏光変調板18と導光板15との間に空隙があるが、無くても構わない。偏光変調板18は、面状照明装置10と同様に、1/2波長板として作用する偏光変調セル18aと、偏光特性を変調しない非変調セル18bとからなり、偏光変調セル18aは、緑色サブピクセル85Gの直下に、非変調セル18bは、赤色サブピクセル85R及び青色サブピクセル85Bの直下に配置されている。
また、面状照明装置10と同様に、偏光フィルタ19は、紙面垂直方向に偏光している光を透過し、紙面内左右方向に偏光している光を反射する様に配置しておく。この様な配置とすることで、緑色光91gの偏光方向は、偏光変調板18の偏光変調セル18aを透過すると、紙面垂直方向になるため、緑色光91gは、偏光フィルタ19を透過し、液晶パネル81の緑色サブピクセル85Gに入射することになる。また、緑色光91gの偏光方向は、偏光変調板18の非変調セル18bを透過しても、紙面内左右方向のままであるため、緑色光91gは、偏光フィルタ19で反射され、以後は面状照明装置10と同様に、偏光変調板18の偏光変調セル18aに入射するまで、偏光フィルタ19と反射シート17の間を多重反射することになる。
同様に、赤色光91rと青色光91bとは、偏光変調板18の非変調セル18bを透過しても、偏光方向は紙面垂直方向のままであるため、偏光フィルタ19を透過し、液晶パネル81の赤色サブピクセル85Rと青色サブピクセル85Gとに区別なく入射することになる。また、赤色光91rもしくは青色光91bが偏光変調板18の偏光変調セル18aを透過すると、偏光方向は紙面内左右方向になるため、偏光フィルタ19で反射され、以後は、面状照明装置10の場合と同様に、偏光変調板18の非変調セル18bに入射するまで、偏光フィルタ19と反射シート17の間を多重反射することになる。
また、カラーフィルタ85内の各サブピクセル85R、85G、85Bと、偏光変調板18内の偏光変調セル18a及び非変調セル18bとの大きさに関して、図21に示す構成の通り、偏光変調セル18a及び非変調セル18bは、マトリックス状に配列されており、偏光変調セル18a及び非変調セル18bの縦横のピッチを、各サブピクセル85R、85G、85Bの縦横のピッチと同じもしくは整数倍に構成している。
ここで、偏光変調セル18a及び非変調セル18bから変調セルが構成され、偏光変調板18は、マトリックス状に配列された複数の変調セル(偏光変調セル18a及び非変調セル18b)を含み、変調セルである偏光変調セル18a及び非変調セル18bの縦方向の一辺の長さは、カラーフィルタ85のサブピクセル85R、85G、85Bの縦方向の一辺の長さと同じに設定され、変調セルである偏光変調セル18aの横方向の一辺の長さは、カラーフィルタ85のサブピクセル85R、85G、85Bの横方向の一辺の長さと同じに設定され、変調セルである非変調セル18bの横方向の一辺の長さは、カラーフィルタ85のサブピクセル85R、85G、85Bの横方向の一辺の長さの整数倍(例えば、2倍)に設定されている。
こうすることで、偏光フィルタ19により偏光変調セル18aの直上からのみ出射する緑色光91gは、緑色サブピクセル85Gにのみ入射することになり、同様に、非変調セル18bの直上からのみ出射する青色光91b及び赤色光91rは、青色サブピクセル85B及び赤色サブピクセル85Rにのみ入射することになる。
従来の液晶表示装置では、カラーフィルタの各サブピクセルに対して、光源から出射された光は、色の区別なく入射していたため、各サブピクセルに入射した光のうち2/3は吸収され、1/3しか画像形成に寄与しなかった。それに対して、本液晶表示装置80では、緑色光91gは、カラーフィルタ85での吸収がなく、赤色サブピクセル85R及び青色サブピクセル85Bに入射する赤色光91r及び青色光91bも、入射する光のうち1/2が利用されるため、トータルでは2/3(=1/3+(1/2)×(2/3))の光が利用されることになり、光利用効率が従来の2倍になるという効果を有する。また、同一輝度の光量を得るためには、エネルギーが半分で済む。
また、一般に、レーザ光線は直進性に優れるため、各光源92r、92g、92bにレーザ光源やSLDを用いると、偏光変調板18から各サブピクセル85R、85G、85Bまで伝播する間の光の拡がりを抑えることができる。この結果、緑色光91gが緑色サブピクセル85G以外のサブピクセルに入射する割合を抑えることができ、同様に赤色光91rや青色光91bが緑色サブピクセル85Gに入射する割合も抑えることができるため、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
もちろん、光源にLEDを用いても構わない。通常、LEDは、スペクトル幅がレーザ光源よりも広く、また、出射したレーザ光の拡がり角も大きくばらつく。さらに、本実施の形態の様に、各サブピクセルに該当する色を選択的に入射させる場合、先行技術文献の特許文献3に示したような反射型波長フィルタを用いると、反射型波長フィルタの角度依存性や波長依存性が大きく、特にLEDを光源に用いた場合、上述の入射角のばらつきや、波長のばらつきによって、光利用効率は高くならない。しかし、本液晶表示装置80では、各光源から出射した光を、波長ではなく、偏光で分離しているため、入射角ばらつきや波長ばらつきが生じても、光の分離特性には何ら影響せず、高い分離特性が得られる。よって、光源にLEDを用いた場合でも、高い光利用効率を達成することができる。
なお、図19に示した様に、面状照明装置90aと液晶パネル81との間は、空いていても構わないが、密着させていても構わない。密着させた場合、偏光変調板18からカラーフィルタ85(各サブピクセル85R、85G、85B)までの距離が短くなるため、偏光変調板18からカラーフィルタ85まで伝播する間の光の拡がりによる光のロスを低減することができる。この場合、光利用効率をさらに向上させることができるため、より好ましい構成といえる。
さらに、非変調セル18bから出射した赤色光91rを赤色サブピクセル85Rへ、青色光91bを青色サブピクセル85Bへ入射させることができれば、さらに光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。例えば、図22に示す液晶表示装置100の様に、偏光フィルタ19と液晶パネル81との間に、波長フィルタ101を挿入すると、非変調セル18bから出射した赤色光91rを赤色サブピクセル85Rへ、青色光91bを青色サブピクセル85Bへ入射させることができる。
ここで、波長フィルタ101は、互いに異なるフィルタ特性を有する複数のサブフィルタ101B、101R、101Gを含み、具体的には、青色光91bを透過し、赤色光91rを反射するサブフィルタ101Bと、赤色光91rを透過し、青色光91bを反射するサブフィルタ101Rと、なんら変調をしないサブフィルタ101Gとからなる。本波長フィルタ101を用いることにより、赤色光91rは、サブフィルタ101Rに到達するまで、波長フィルタ101と反射シート17との間を多重反射し、同じく青色光91bも、サブフィルタ101Bに到達するまで、波長フィルタ101と反射シート17との間を多重反射することになる。
この結果、波長フィルタ101を透過した光のうち、緑色光91gは、サブピクセル85Gに、赤色光91rは、サブピクセル85Rに、青色光91bは、サブピクセル85Bに入射することになる。即ち、カラーフィルタ85において、他の色のサブピクセルに入射する成分はなくなるため、カラーフィルタでの吸収による光のロスが無くなる。上述の通り、従来はカラーフィルタに入射する光の2/3を吸収によりロスしていたが、本液晶表示装置100を用いると、光利用効率を従来の3倍高く改善することができ、非常に光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
なお、波長フィルタ101を構成するサブフィルタ101R、101Bは、通常、屈折率の異なる誘電体多層膜を複数層積層させることで構成することができる。今回の様に、波長フィルタ101を構成するサブフィルタ101Rとサブフィルタ101Bとが隣接している場合、例えば、サブフィルタ101Rを製作する場合は、サブフィルタ101B及びサブフィルタ101Gの領域をマスクした状態で誘電体多層膜を複数層積層させ、同様にサブフィルタ101Bを製作する場合は、サブフィルタ101R及びサブフィルタ101Gの領域をマスクした状態で誘電体多層膜を複数層積層させることで製作することができる。なお、ここで述べた波長フィルタ101の製作方法や構成は、あくまで一例であり、その製作方法や構成を限定するものではなく、所望の波長特性が得られるものであれば、どのようなものでも構わない。
ここで、波長フィルタ101のサブフィルタ101R、101Bを誘電体多層膜で構成する場合、透過させたい波長と反射させたい波長とが近接していると、波長フィルタを構成するサブフィルタ101R、101Bそれぞれに急峻な波長特性を持たせる必要が出てくるため、膜層数が多くなる。例えば、青色光を反射させて緑色光を透過させるサブフィルタの場合、緑色光の波長が530nmで、青色光の波長が450nmとすると、わずか80nmの間で透過特性と反射特性を切り替える必要がある。
そこで、本液晶表示装置100において、偏光変調板18と偏光フィルタ19とで分離する光を、三色の中で中間の波長である緑色光とし、波長フィルタ101で分離する光を青色光及び赤色光とすることで、例えば、赤色光の波長を630nm、青色光の波長を450nmとすると、180nmの間で透過特性と反射特性とを切りかえればよいため、波長フィルタ101の各サブフィルタには、急峻な波長特性を持たせる必要がなくなるため、コスト的にも有利な液晶表示装置を構成することが可能になる。
また、カラーフィルタ85の各サブピクセル85R、85G、85Bの境界には、図23に示す通り、通常はブラックマトリックス102が構成されており、この部分では、光は基本的に吸収されることが分かっているため、この部分に入射する光は全てロスになる。よって、偏光変調板18の偏光変調セル18aと非変調セル18bとの境界に、入射する光を導光板15側へ反射する反射コートから構成される全反射領域103を設けることで、この全反射領域103に入射する光は、すべて反射させることができる。この結果、光がブラックマトリックス102に入射することを抑えることが可能になり、さらに光利用効率の高い液晶表示装置110を構成することができる。
なお、図23では、偏光変調板18だけではなく、波長フィルタ101のサブフィルタ101Bとサブフィルタ101Rとの間にも、全反射領域103を設けて、同様にブラックマトリックス102に入射することによるロスを抑えている。こうすることで、さらに光利用効率の高い液晶表示装置110を構成することができる。
さらに、図24に示す液晶表示装置120においても、以下に説明する動作により、図22に示す液晶表示装置100と同様に、赤色サブピクセル85R、緑色サブピクセル85G、青色サブピクセル85Bそれぞれに、赤色光91r、緑色光91g、青色光91bを入射させることができ、従来の液晶表示装置において見られたカラーフィルタにおける光のロスが無くなるため、カラーフィルタにおける光利用効率を、従来と比較して3倍向上させることができ、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
図24に示す液晶表示装置120は、図19に示す液晶表示装置80と類似する構成を有しているが、偏光変調板18の内、非変調セル18bの代わりに、偏光変調セル18xと偏光変調セル18yとが付加されている。ここで、偏光変調セル18yは、非変調セル18bと同様に、偏光方向を変えずに、緑色光91gと赤色光91rを透過させるが、青色光91bのみ、偏光方向を紙面垂直方向から紙面内左右方向へ変えるような波長特性を有し、さらに、偏光変調セル18xは、偏光方向を変えずに、緑色光91gと青色光91bとを透過させるが、赤色光91rのみ、偏光方向を紙面垂直方向から紙面内左右方向へ変えるような波長特性を有する。さらに、偏光変調セル18xの直上に青色サブピクセル85Bを、偏光変調セル18yの直上に赤色サブピクセル85Rを配置する。
このとき、偏光変調セル18aにおける赤色光91r、緑色光91g、青色光91bの動作は、液晶表示装置80と同様である。一方、偏光変調セル18xを透過した後、赤色光91rの偏光方向は、紙面内左右方向であり、緑色光91gの偏光方向も、紙面内左右方向であるが、青色光91bの偏光方向のみが、紙面垂直方向になる。同様に、偏光変調セル18yを透過した後、青色光91bの偏光方向は、紙面内左右方向であり、緑色光91gの偏光方向も、紙面内左右方向であるが、赤色光91rの偏光方向のみが、紙面垂直方向になる。
また、偏光フィルタ19は、液晶表示装置80と同様に、紙面垂直方向の偏光成分を透過し、紙面内左右方向の偏光成分を反射する様に配置されている。こうすることで、偏光フィルタ19からは、偏光変調セル18aの直上のみから緑色光91gが出射し、偏光変調セル18xの直上のみから青色光91bが出射し、偏光変調セル18yの直上のみから赤色光91rが出射することになる。よって、赤色光91rのみがカラーフィルタ85内の赤色サブピクセル85Rに入射し、緑色光91gのみが緑色サブピクセル85Gに入射し、青色光91bのみが青色サブピクセル85Bに入射することになる。
こうすることで、図24に示す液晶表示装置120においても、図22に示す液晶表示装置100と同様に、従来の液晶表示装置において見られたカラーフィルタにおける光のロスが無くなるため、カラーフィルタにおける光利用効率を、従来と比較して3倍向上させることができ、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。また、上述の通り、偏光により各光源から出射した光を選択してサブフィルタに入射させているため、光源にLEDを用いたときに、偏光変調板18や偏光フィルタ19に対して入射角がばらついた場合や、波長がばらついた場合であっても、光の分離特性が高く、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
なお、ここでは、液晶表示装置100と液晶表示装置120とを用いて、偏光方向が同じ光(ここでは赤色光91r、青色光91b)を分離する方法を説明したが、他の方法であっても、偏光方向が同じ光(ここでは赤色光91r、青色光91b)を分離できていれば構わない。
また、液晶表示装置80や液晶表示装置100、110、120の様に、面状照明装置90(90a、90b、90c、90d)と液晶パネル81との間や偏光フィルタ19と偏光変調板18との間は、空いていても構わないが、密着させていても構わない。密着させた場合、偏光変調板18からカラーフィルタ85(サブピクセル85R、85G、85B)までの距離が短くなるため、偏光変調板18からカラーフィルタ85まで伝播する間の光の拡がりによる光のロスを低減することができるため、より好ましい構成といえる。
また、本液晶表示装置80や液晶表示装置100、110、120においても、光源にレーザ光源やSLDを用いることで、偏光変調板18や波長フィルタ101からカラーフィルタ85までの光の拡がりを抑えることができ、より光利用効率の高い、また色再現範囲の広い高画質な画像を表示することができる。もちろん、実施の形態1の面状照明装置10で説明した様に、光源としてLED等も用いることが可能であり、他の光源を用いても構わない。
また、本実施の形態における液晶表示装置80、100、110、120は、いずれも実施の形態1で説明した面状照明装置10の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/2波長板を含んだ系を用いているが、もちろん、実施の形態2で説明した面状照明装置50の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/4波長板を含んだ系で構成しても構わない。
例えば、図24に示す液晶表示装置120において、図12に示す面状照明装置と同様に、コンバイナ13と導光棒14との間に1/4波長板53を挿入し、導光板15と反射シート17の間に1/4波長板59を配置し、偏光変調板18の代わりに、互いに波長特性の異なる1/4波長板として機能する第1乃至第3の偏光変調セルから構成される偏光変調板を、導光板15と偏光フィルタ19との間に配置するようにしてもよい。ここで、第1の偏光変調セルは、偏光変調セル18yの位置に、第2の偏光変調セルは、偏光変調セル18xの位置に、第3の偏光変調セルは、偏光変調セル18aの位置に配置されているものとする。
この場合、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光(例えば、赤色光及び緑色光)と、2種類の回転偏光のうち一方(例えば、赤色光)と同じ回転方向を有する回転偏光(例えば、青色光)とが導光板15の側面15aから入射して主面15cから出射され、これら3つの回転偏光のうち逆向きの偏光方向を有する第3の回転偏光(例えば、緑色光)は、3つの回転偏光の波長に対して1/4波長板として機能する第3の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第3の光となり、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。一方、同じ回転方向を有する第1及び第2の回転偏光(例えば、赤色光及び青色光)は、第3の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタ19により内部に反射される。
また、第1の回転偏光(例えば、赤色光)は、第1の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第2の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタ19により内部に反射される。一方、第2の回転偏光(例えば、青色光)は、第2の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。
さらに、第2の回転偏光(例えば、青色光)は、第2の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタ19により内部に反射される。一方、第1の回転偏光(例えば、赤色光)は、第1の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。
したがって、第1の回転偏光(例えば、赤色光)は、第1の偏光変調セルのみを介して赤色サブピクセル85Rへ入射し、第2の回転偏光(例えば、青色光)は、第2の偏光変調セルのみを介して青色サブピクセル85Bへ入射し、第3の光(例えば、緑色光)は、第3の偏光変調セルのみを介して緑色サブピクセル85Gへ入射するので、1/4波長板を含んだ系を用いる場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4にかかる液晶表示装置130を、図25及び図26を用いて説明する。図25は、液晶パネル81と、偏光フィルタ19と、偏光変調板18と、反射シート17とを除いた液晶表示装置130の上面図であり、図26は、図25のXXVI-XXVI線における液晶表示装置130の断面図である。
本液晶表示装置130を構成する面状照明装置90eは、実施の形態1の面状照明装置10や面状照明装置40と類似であるが、偏光変調板18を構成する偏光変調セル18a及び非変調セル18bからなる変調セルのピッチが異なる。即ち、液晶パネル内のカラーフィルタ85を構成するサブピクセル85R、85G、85Bを一画素としたとき、偏光変調セル18a及び非変調セル18bからなる変調セルのピッチは、カラーフィルタの一画素を一ユニットとしたときの画素のピッチと同一であり、さらに、偏光変調セル18aと非変調セル18bとを交互に配列させている。即ち、変調セルである偏光変調セル18a及び非変調セル18bの一辺の長さは、カラーフィルタ85の3つのサブピクセル85R、85G、85Bの一辺の長さの合計値と同じに設定され、各サブピクセル85R、85G、85Bの一辺の長さの整数倍(例えば、3倍)に設定されている。
本液晶表示装置130において、各光源92r、92g、92bから出射して1/2波長板20r、20g、20bを出射した赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bが、コンバイナ13で合波される。ここで、制御部16は、1/2波長板20r、20g、20bを制御し、合波されて導光棒14に入射する赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bの偏光方向をいずれも、紙面内左右方向に偏光させたとする。
理解し易い様に、図26において、紙面左右方向に偏光しながら、導光棒14に入射する光を光131xとし、これと直交して紙面上下方向に偏光しながら、導光棒14に入射する光を光131yとしている。即ち、赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bは、全て光131xと同じ方向に偏光している。また、実施の形態1の面状照明装置10と同様に、偏光変調セル18aは、1/2波長板として機能し、非変調セル18bは、ここでは何ら偏光を変調しない。さらに、偏光フィルタ19は、これまでと同様に紙面内左右方向に偏光方向を持つ光を反射し、紙面垂直方向に偏光方向を持つ光を透過する機能を持つ。
この状態において、光131xは、実施の形態1の面状照明装置10と同様に、1/2波長板として機能する偏光変調セル18aを通過すると、偏光フィルタ19で反射されるために、非変調セル18bに到達するまで偏光フィルタ19と反射シート17の間を多重反射することになる。また、非変調セル18bに光131xが入射すると、面状照明装置10と同様に偏光フィルタ19を透過し、面状照明装置90eから紙面内上向きに出射する。よって、光131xの赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bは、偏光フィルタ19の非変調セル18bの直上からのみ出射することになる。
また、制御部16は、1/2波長板20r、20g、20bを制御し、合波されて導光棒14に入射する赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bの偏光方向が紙面内上下方向に偏光させたとすると、導光棒14に入射する光は、光131yとなり、光131yの赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bは、偏光フィルタ19の偏光変調セル18aの直上からのみ出射することになる。
上記のように構成された本液晶表示装置130を用いると、例えば、図27の様な三次元表示が可能な三次元液晶表示装置150を構成できる。図27の様に、液晶パネル81と、シャッターメガネ132とを制御部16に接続する。シャッターメガネ132は、通常のメガネにおけるレンズの部分がシャッターになっており、制御部16により任意のタイミングで左右独立にシャッターを開閉できる。図27では、制御部16と、シャッターメガネ132とを直接結線して接続しているが、もちろん、無線で制御しても構わない。
次に、三次元液晶表示装置150の動作の仕組みを説明する。ここでは、例えば、図26に示すように、非変調セル18bの直上に存在する液晶パネル81の画素133bは、左目用画像を表示し、偏光変調セル18aの直上に存在する液晶パネル81の画素133aは、右目用画像を表示するとする。
具体的には、各光源92r、92g、92bが点灯され、液晶パネル81に左目用画像及び右目用画像が表示された状態において、制御部16は、所定のタイミングで1/2波長板20r、20g、20bを制御して、赤色光91r、緑色光91g、青色光91bの偏光方向を図26の光131xの方向に偏光させる。さらに、制御部16は、同じタイミングでシャッターメガネ132の左目シャッターを開け、右目シャッターを閉じる。こうすることにより、液晶パネルに表示された左目用画像のみが左目に入射することになる。
次に、制御部16は、所定のタイミングで1/2波長板20r、20g、20bを制御して、赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bの偏光方向を図26の光131yの方向に偏光させる。さらに、制御部16は、同じタイミングでシャッターメガネ132の右目シャッターを開け、左目シャッターを閉じる。こうすることにより、液晶パネルに表示された右目用画像のみが右目に入射することになる。
以上の動作により、視聴者は、液晶パネル81に表示された画像を三次元画像として認識することになる。さらに、次のフレーム画像が液晶パネル81に表示され、上記の動作を繰り返すことにより、三次元の動画を視聴することができる。この様に構成することで、例えば、右目用画像を表示している間は、左目用画像に該当する画素133bには、光が入射しないため、光のロスがなく、高効率な三次元液晶表示装置を構成することができる。
また、通常の三次元表示装置の液晶パネルのように、1フレーム期間において、左目用画像と右目用画像とを交互に切り替えるのではなく、1フレーム期間の間、画素133bには左目用画像を、画素133aには右目用画像を書き込んだ状態を維持することができるため、液晶パネル81として応答特性が遅い液晶パネルを用いた場合でも、クロストークのない良好な三次元画像を表示することができる。また、液晶パネル81の画素133bの上に、視聴者の左目に左目用画像を導くようにレンチキュラーレンズを形成するとともに、画素133aの上に、視聴者の右目に右目用画像を導くようにレンチキュラーレンズを形成すれば、視聴者は、シャッターメガネを用いることなく、三次元画像を視聴することができる。
なお、本三次元液晶表示装置150においても、光源にレーザ光を用いることで、色再現範囲の広い高画質な画像を表示することができる。もちろん、実施の形態1の面状照明装置10で説明した様に、光源としてLEDやSLD等も用いることが可能であり、他の光源を用いても構わない。
また、本実施の形態における三次元液晶表示装置150は、いずれも実施の形態1で説明した面状照明装置10の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/2波長板を含んだ系を用いているが、もちろん、実施の形態2で説明した面状照明装置50の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/4波長板を含んだ系で構成しても構わない。
また、上記の各実施の形態に示す構成は、一例であって、発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな変形を加えることができるのは言うまでも無い。また、上で述べた各実施の形態やそれらを変形した発明を組み合わせて用いることも、もちろん可能である。
上記の各実施の形態から本発明について要約すると、以下のようになる。即ち、本発明に係る面状照明装置は、光を出射する複数の光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記複数の光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光方向が直交した直線偏光を含み、前記偏光変調板は、1/2波長板として機能する偏光変調セルと、偏光特性を変調しない非変調セルとを含む。
この面状照明装置においては、互いの偏光方向が直交した2種類の直線偏光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、これら2種類の光のうち、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光は、非変調セル及び偏光フィルタを透過して外部へ出射され、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光は、非変調セルを透過した後、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第1及び第2の光が1/2波長板として機能する偏光変調セルを透過する際に、第1及び第2の光の偏光方向が変換され、第1の光は、第2の光となって偏光フィルタにより内部に反射され、第2の光は、第1の光となって偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の光は、非変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の光は、偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記光源から出射された光は、前記導光板に入射する段階において、直線偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光を含み、前記偏光変調板は、1/2波長板として機能する偏光変調セルと、偏光特性を変調しない非変調セルとを含む。
この面状照明装置においては、直線偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射されるので、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光が入射されているときは、第1の光は、非変調セル及び偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光が入射されているときは、第2の光は、非変調セルを透過した後、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第1又は第2の光が1/2波長板として機能する偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、第1の光は、第2の光となって偏光フィルタにより内部に反射され、第2の光は、第1の光となって偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の光が入射されているときは、第1の光は、非変調セルのみを介して外部へ出射され、一方、第2の光が入射されているときは、第2の光は、偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。また、光源が単一で、かつ偏光変調セル及び非変調セル毎に点灯回路を別々に用意する必要がないため、面状照明装置をより低コストに製作することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、相異なる波長の光を出射する少なくとも3つの光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記少なくとも3つの光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光方向が直交した直線偏光を含み、前記偏光変調板は、互いに波長特性の異なる1/2波長板として機能する少なくとも3種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、少なくとも3つの光源から、互いの偏光方向が直交した2種類の直線偏光と、この2種類の直線偏光のうちの一方と同じ偏光方向を有する直線偏光とが導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、これら3つの光のうち、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1及び第2の光は、3つの光の波長に対して1/2波長板として機能する第3の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第3の光は、第3の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
また、第1の光は、第1の光の波長に対してのみ1/2波長板として機能する第2の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、第2の光は、第2偏光変調セルを透過しても、その偏光方向は変換されず、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
さらに、第2の光は、第2の光の波長に対してのみ1/2波長板として機能する第1の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、第1の光は、第1の偏光変調セルを透過しても、その偏光方向は変換されず、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の光は、第2の光に対してのみ1/2波長板として機能する第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の光は、第1の光に対してのみ1/2波長板として機能する第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第3の光は、3つの光に対して1/2波長板として機能する第3の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、光を出射する複数の光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調セルを含む偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記複数の光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる回転偏光を含み、前記偏光変調板は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する複数種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、出射される2種類の回転偏光のうち第1の回転偏光は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1及び第2の偏光変調セルのうち第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第2の回転偏光は、第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第1の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
したがって、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記光源から出射された光は、前記導光板に入射する段階において、回転偏光でかつ任意のタイミングで偏光の回転方向を切り替え可能な光を含み、前記偏光変調板は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する複数種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、回転偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射されるので、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光を任意のタイミングで選択的に出射することができる。
このとき、出射される2種類の回転偏光のうち第1の回転偏光は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1及び第2の偏光変調セルのうち第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第2の回転偏光は、第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第1の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
したがって、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。また、光源が単一で、かつ第1及び第2の偏光変調セル毎に点灯回路を別々に用意する必要がないため、面状照明装置を低コストに製作することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、相異なる波長の光を出射する少なくとも3つの光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記少なくとも3つの光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる回転偏光を含み、前記偏光変調板は、互いに波長特性の異なる1/4波長板として機能する少なくとも3種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光と、2種類の回転偏光のうちの一方と同じ回転方向を有する回転偏光とが導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、これら3つの回転偏光のうち逆向きの偏光方向を有する第3の回転偏光は、3つの回転偏光の波長に対して1/4波長板として機能する第3の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第3の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、同じ回転方向を有する第1及び第2の回転偏光は、第3の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となって、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第1の回転偏光は、第1の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
さらに、第2の回転偏光は、第2の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタにより内部に反射され、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第3の回転偏光は、第3の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
前記複数の光源は、相異なる波長の光を出射する2つの光源を含むことが好ましい。この場合、波長の異なる2つの光を用いて、任意の領域を選択的に照明することができるとともに、簡便に点灯領域を切り替えることができる。
前記複数の光源は、相異なる波長の光を出射する少なくとも3つの光源を含み、前記偏光フィルタに対して前記偏光変調板とは逆側に配置され、互いに異なるフィルタ特性を有する複数のサブフィルタを含む波長フィルタをさらに備え、前記複数のサブフィルタは、所定波長の光を透過し、前記所定波長以外の光のうち少なくとも一部を反射させるサブフィルタを含むことが好ましい。
この場合、波長の異なる3つの光を複数のサブフィルタにより分離して出射することができるので、この面状照明装置を液晶表示装置に用いた場合、光の利用効率を向上することができる。
前記3つの光源は、青色光を出射する青色光源、緑色光を出射する緑色光源、及び赤色光を出射する赤色光源を含み、前記偏光変調板及び前記偏光フィルタは、前記緑色光を分離し、前記波長フィルタは、前記青色光と前記赤色光とを分離することが好ましい。
この場合、偏光変調板と偏光フィルタとで分離する光を、三色の中で中間の波長である緑色光とし、波長フィルタで分離する光を青色光及び赤色光とすることができるので、波長フィルタにおいて透過特性と反射特性とを切り替えるために使用可能な波長範囲が広くなり、波長フィルタの各サブフィルタに急峻な波長特性を持たせる必要がなくなるため、波長フィルタを容易に製造することができるとともに、低コスト化を図ることができる。
前記偏光変調セルは、入射する光に対する任意の領域の偏光変調量を任意かつ動的に調整することが好ましい。この場合、照明するパターン形状を任意かつ動的に変更することができる。
前記3つの光源は、中心波長400〜490nmの光を出射する青色光源、中心波長490〜570nmの光を出射する緑色光源、及び中心波長570〜680nmの光を出射する赤色光源を含むことが好ましい。
この場合、各光源を所定の光量で同時に点灯させることで、表示させたい領域を任意の色で点灯をさせることができる。
前記光源は、レーザ光源を含むことが好ましい。この場合、光源の色純度が極めて高くなるため、極めて広色域の表示をさせることが可能になる。
前記光源は、スーパールミネッセントダイオードを含んでもよい。この場合、光源の波長幅が広くなり、スペックルノイズが抑制されるため、より視認しやすい面状照明装置を構成することができる。
前記光源は、発光ダイオードを含んでもよい。この場合、装置の低コスト化を図ることができる。
本発明に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、前記液晶パネルを背面から照明する上記面状照明装置とを備え、前記液晶パネルは、カラーフィルタを内蔵し、前記偏光フィルタの前記偏光変調板とは逆側に配置される。
この液晶表示装置においては、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができる面状照明装置を用いているので、光利用効率が高く、消費電力の低い液晶表示装置を簡便な構成で低コストに構成することができる。
前記偏光変調板は、マトリックス状に配列された複数の変調セルを含み、前記変調セルの一辺の長さは、前記カラーフィルタのサブピクセルの一辺の長さと同じ又は整数倍であることが好ましい。
この場合、各変調セルの直上から対応する色の光のみを、対応する色のカラーフィルタへ入射することができるので、光利用効率を向上することができ、同一輝度の光量を得る場合は、使用するエネルギーを減少させて消費電力を削減することができる。
前記変調セル間の境界領域に設けられ、入射する光を導光板側へ反射する反射コートをさらに備えることが好ましい。
この場合、反射コートに入射するすべての光を内部へ反射させることができるので、カラーフィルタの各サブピクセルの境界にブラックマトリックスが形成されている場合、ブラックマトリックスに光が不要に吸収されることを防止し、光利用効率をさらに高めることができる。
本発明の面状照明装置は、簡便な光学系の構成により面状照明装置から出射される光の領域を制御することができるので、安価な面状照明装置として利用することができる。また、本発明の面状照明装置を用いて液晶表示装置を構成することで、簡便な構成で液晶パネルのサブピクセルに対して該当する色の光を分離して入射させることができるため、低コストでかつ光利用効率が高く消費電力の低い液晶表示装置を構成することができる。したがって、本発明の面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置は、照明装置やディスプレイ装置全般に適用することができ、有用である。
本発明は、低コストな面状照明装置及びそれを用いた光利用効率の高い液晶表示装置に関する。
近年、環境問題や省電力の観点から、水銀を含まず、消費電力の低い発光ダイオード(LED)やレーザなどの半導体材料からなる光源を利用した面状照明装置や画像表示装置の開発が進められている。
画像表示装置の一つに、液晶表示装置がある。液晶表示装置は、空間変調素子として液晶パネルを用い、液晶パネルの背面から面状照明装置(バックライト)で照明し、透過する光を空間変調することにより画像を形成するものである。この液晶表示装置の低消費電力化策として、バックライトから出射する光を単一偏光にする手法や、液晶パネルを構成する、赤色、緑色及び青色の各サブピクセルに対して、入射する光を該当する色(波長)に分離して照明する手法がある。
それらの例として、レーザ光源から出射されたレーザ光を複数列の偏光プリズムに通過させることにより、偏光方向を揃えて導光板に入射させる構成が示されている(例えば、特許文献1参照)。この様な構成にすることにより、導光板の主面から出射するレーザ光の偏光方向を揃えることができるため、消費電力の低い液晶表示装置が実現できる。
また、他の例として、導光板の側面に配置したLED光源からの光を導光板に入射させ、導光板の裏面側に偏光変換手段としての微細溝を形成することにより、導光板から出射する光の偏光成分を所定方向に揃える様に構成した例もある(例えば、特許文献2参照)。この様な構成とすることにより、光源にLEDを用いても特定方向の偏光成分の光を出射させることができ、消費電力の低い液晶表示装置を実現できるとしている。
一方、導光板の側面に配置したLED光源からの白色光を導光板に入射させる構成において、導光板内部に、特定の波長域の光を反射させ、残りの波長域の光を透過させる干渉フィルタを設ける構成も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この様にして、入射した白色光を赤色と、緑色と、青色とに分離して液晶パネルを照明することで、光を効率よく利用することができるため、消費電力の低い液晶表示装置を実現できるとしている。
これらの例以外に、身の回りにおいても、例えば、道路等で用いられる進路案内板や信号機等、面状照明装置において所定の領域を所定の色の光で照明する例は多く見られる。
特開2008−277279号公報
特開2004−271871号公報
特開2006−12722号公報
しかしながら、上記で説明した従来の技術においては、光利用効率は高いものの、光学系の構成が複雑であるため、装置の製作が容易ではなく、面状照明装置や液晶表示装置としては、高コストになってしまうという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明可能な面状照明装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に従う面状照明装置は、光を出射する複数の光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記複数の光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光方向が直交した直線偏光を含み、前記偏光変調板は、1/2波長板として機能する偏光変調セルと、偏光特性を変調しない非変調セルとを含む。
上記の面状照明装置は、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができる。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置の斜視図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置の上面図である。
図2に示すIII−III線における面状照明装置の断面図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第1の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第2の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第3の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置における光の偏光方向を説明するための第4の模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置を用いたサインボードの一例を示す模式図である。
本発明の実施の形態1にかかる他の面状照明装置の上面図である。
本発明の実施の形態1にかかるさらに他の面状照明装置の上面図である。
本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置に適用可能な無偏光光源の一例を示す模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の上面図である。
図12に示すXIII−XIII線における光の偏光状態を説明するための面状照明装置の第1の断面図である。
図12に示すXIII−XIII線における光の偏光状態を説明するための面状照明装置の第2の断面図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の1/4偏光板の前後における偏光状態を説明するための第1の模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の1/4偏光板の前後における偏光状態を説明するための第2の模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の偏光変調板の前後における偏光状態を説明するための第1の模式図である。
本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置の偏光変調板の前後における偏光状態を説明するための第2の模式図である。
本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置の上面図である。
図19に示す偏光変調フィルタとカラーフィルタとの配置関係を説明するための模式図である。
本発明の実施の形態3にかかる他の液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態3にかかるさらに他の液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態3にかかるさらに他の液晶表示装置の断面図である。
本発明の実施の形態4にかかる液晶表示装置の上面図である。
図25に示すXXVI−XXVI線における面状照明装置の断面図である。
本発明の実施の形態4にかかる三次元液晶表示装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
(実施の形態1)
図1乃至図3は、本発明の実施の形態1にかかる面状照明装置10を説明する図であり、図1及び図2は、面状照明装置10から、偏光フィルタ19と、偏光変調板18と、反射シート17とを除いた部分の斜視図及び上面図であり、図3は、図2に示すIII−III線における、偏光変調板18と、偏光フィルタ19と、反射シート17とを含めた面状照明装置10の断面図である。
本面状照明装置10は、光11a、11bをそれぞれ出射する光源12a、12bと、光源12aと12bとに接続された制御部16と、光11aと11bとを混合するコンバイナ13と、光11a、11bを線状に変換する導光棒14と、線状の光を面状に変換して出射する導光板15と、反射シート17と、偏光変調板18と、偏光フィルタ19とを備える。
まず、光11a、11bを面状に変換するまでの仕組みを、図1乃至図3を用いて説明する。複数の光源12a、12bから出射された光11a、11bは、コンバイナ13で合波された後、導光棒14に入射して線状光に変換される。導光棒14の長手方向の一面には、図2に示した様な全反射プリズム14aを多数配置したプリズムアレイが構成されている。この導光棒14を用いることで、各全反射プリズム14aに到達した光11a、11bは、反射ロスなく、導光板15側に向けて全反射され、線状光として導光棒14から導光板15に向けて出射し、導光板15に入射面15aから入射する。なお、複数の光源12a、12bから出射された光を入射する側面は、上記の入射面15aに特に限定されず、他の側面から光を入射してもよい。
導光板15に入射した光11a、11bは、導光板15の底面に設けられた線状の全反射プリズム15b(図3参照)により、導光棒14の全反射プリズム14aと同様にロスなく全反射され、導光板主面15cから略垂直に面状光として出射することになる。ここで、図3に示す通り、面状照明装置10の導光板15の主面15c側の近傍には、偏光変調板18と、偏光フィルタ19とが、導光板15側から偏光変調板18、偏光フィルタ19の順に配置され、さらに、導光板15の主面15cとは反対側の近傍に反射シート17が配置されている。なお、本面状照明装置10においては、導光棒14と導光板15とは別体としたが、もちろん一体化して一枚の導光板としても構わない。
次に、図2を用いて、偏光変調板18の動作の仕組みを説明する。まず、光源12a、12bから出射した光11a、11bは、直線偏光であり、両者の偏光方向が互いに直交しているとする。例えば、図4に示す通り、導光棒14の内部において、光11aの偏光方向が進行方向に対して左右方向の偏光方向となり、光11bの偏光方向が進行方向に対して上下方向の偏光方向となる様に、光源12a、12bを配置したとする。
この場合、図4に示す通り、導光棒14内の全反射プリズム14aで全反射され、さらに導光板15内の全反射プリズム15bで全反射して導光板の主面15cから出射した光11aの偏光方向は、紙面垂直方向(図中の黒丸で示す方向)になり、光11bの偏光方向は、紙面内左右方向(図中の矢印方向)となる。また、偏光変調板18は、1/2波長板として作用する偏光変調セル18aと、入射する光の偏光特性を変調しない非変調セル18bの二種類の領域から構成する。
このとき、1/2波長板として作用する偏光変調セル18aを透過した光11a、11bの偏光方向はそれぞれ90度回転するため、図5に示す様に、光11aは、紙面内左右方向に偏光し、光11bは、紙面垂直方向に偏光する。また、偏光特性を変調しない非変調セル18bを透過した光11a、11bの偏光方向は、偏光変調板18においてはともに変調されないため、光11aの偏光方向は、紙面に垂直なまま、光11bの偏光方向は、紙面内左右方向のまま、偏光フィルタ19に到達する。よって、偏光フィルタ19に到達した光11a、11bの偏光方向は、透過した偏光変調板18の偏光変調セル18a、非変調セル18b毎に異なることになる。
ここで、偏光フィルタ19が、紙面に垂直方向に偏光している光を透過し、紙面内水平方向に偏光している光を反射する特性を持っている場合、図6に示す通り、偏光変調セル18aを透過した光のうち、光11bのみが偏光フィルタ19を透過し、光11aは反射することになる。同様に、非変調セル18bを透過した光のうち、光11aのみが偏光フィルタ19を透過し、光11bは反射することになる。なお、図6においては、説明を容易にするために、偏光フィルタ19で反射する光11a、11bを、右隣の各偏光変調セル18a、18bへの反射として図示しているが、本来はもちろん同一の偏光変調セルや非変調セルに戻る。
さらに、偏光フィルタ19を反射した光11a、11bは、再度、偏光変調板18に戻るが、偏光変調板18と偏光フィルタ19とを密着させておけば、偏光フィルタ19で反射した光11aは、偏光変調セル18aに戻り、光11bは、非変調セル18bに戻ることになる。
次に、偏光変調板18を図面下向きに透過する光の偏光方向に関して、図7を用いて説明する。光11aは、偏光変調セル18aを透過すると、その偏光方向が進行方向に対して90度回転するため、偏光変調板18を透過した光11aの偏光方向は、紙面垂直方向に再度変換される。光11bは、非変調セル18bを透過する際には偏光方向に影響を受けないために、紙面内左右方向の偏光方向を維持したまま偏光変調板18を透過する。
ここで、導光板15と偏光変調板18とで挟まれた空間を伝播する光では、紙面上向きに伝播する光も、偏光フィルタ19で反射されて紙面下向きに伝播する光もともに、同じ偏光方向を有しており、光11aは、紙面垂直方向に偏光方向を持ち、光11bは、紙面内水平方向に偏光方向を持つ。したがって、偏光フィルタ19で反射されて紙面下向きに伝播して導光板15を透過し、さらに、反射シート17で正反射した光は、図4と同じ偏光方向を持つことになる。
よって、導光板15に入射して全反射プリズム15bで全反射した光が、紙面左右方向にわずかでも広がりながら、導光板15の主面15cから出射すれば、光11aであれば非変調セル18bを透過するまで、光11bであれば偏光変調セル18aを透過するまで、偏光フィルタ19と反射シート17との間を多重反射することになる。結果として、光量ロス無く、光11aは、非変調セル18bの直上からのみ出射し、光11bは、偏光変調セル18aの直上からのみ出射することになる。
なお、光11a、11bを導光板15の主面15cから紙面左右方向に広がりながら出射させるには、例えば、全反射プリズム15bにわずかに曲率を設けても構わないし、導光板15の入射面15aにわずかに曲率を設けても構わない。他の方法でももちろん構わず、その方法は限定しない。また、導光板15に入射して全反射プリズム15bで全反射した光が、紙面左右方向にわずかでも傾いた状態で導光板15の主面15cから出射するようにしてもよく、この場合も、上記と同様の効果を得ることができる。例えば、全反射プリズム15bの反射面を垂直方向に反射する角度から微小角度だけ傾けて形成するようにしてもよい。
以上の構成による効果を、一例として、図8を用いて説明する。例えば、道路標識等で表示したいサインボードとして、図8に示すような左右の矢印パターンがあり、この左右の表示を切り替えて使用することを考える。その場合、偏光変調板18の、図1〜図7で示した偏光変調セル18a及び非変調セル18bの形状を図8の通り矢印形状に設定し、矢印以外の部分の領域18cは、入射する光を全て反射するように金属や多層膜でコートしておく。
このとき、図1に示した面状照明装置10の光源12aを点灯させると、非変調セル18bの領域である右向きの矢印が点灯し、さらに光源12bを点灯させると、偏光変調セル18aである左向き矢印を点灯させることができる。即ち、制御部16が点灯させる光源を切り替えることにより、簡便に点灯領域を切り替えることができる。
さらに、本面状照明装置は、図8とは異なるパターンを点灯させる場合であっても、偏光変調板18の偏光変調セル18aや非変調セル18bや領域18cの構成を変えるだけで、回路構成等は何ら改造することなく、簡便に点灯領域を切り替えることができる。なお、偏光変調セル18a及び非変調セル18bの形状及び数等は、上記の例に特に限定されず、表示すべき対象物に応じて種々の変更が可能である。
次に、図9に示す面状照明装置30は、図2に示す面状照明装置10と比較して導光棒14以降の構成は同じであるが、光源が光11aを出射する単一の光源12aからなり、光源12aに対して1/2波長板20が設けられ、光源12a及び1/2波長板20を制御部16が制御する点が異なる。
図9の面状照明装置30に示す様に、光源が単一の光源12aであった場合、光源12aと導光棒14の間に1/2波長板20を配置し、1/2波長板20を回転可能に支持しておく。このとき、例えば、図9の通り、光源12aから出射した光の偏光方向が紙面水平方向であり、さらに、この光が1/2波長板20を透過すると、その偏光方向が90度回転する様に、1/2波長板20を配置する。この場合には、偏光変調セル18aの直上からのみ光11aが出射することになり、左向きの矢印が点灯することになる。
さらに、制御部16からの指令により、1/2波長板20をステッピングモータ等の回転機構(図示省略)を用いて回転させて偏光方向が紙面水平方向のまま導光棒14に入射するようにした場合、非変調セル18bの直上からのみ光11aが出射することになり、右向きの矢印が点灯することになる。
この様に、1/2波長板20を用いることで、単一の光源でありながら、偏光方向を好みのタイミングで切り替えることにより、領域毎に光源を設けることなく、単一の光源のまま、照明したい領域を簡便に切り替えることが可能になる。よって、光源が単一で、かつ偏光変調セル18a、非変調セル18b毎に点灯回路を別々に用意する必要がないため、面状照明装置を低コストに製作することが可能であるという効果を有する。
なお、ここでは、導光棒14に入射する光11aの偏光成分が、紙面垂直方向もしくは紙面内左右方向の場合を説明したが、もちろん1/2波長板20の配置角度を調整して光11aの偏光方向を紙面垂直方向と紙面内左右方向の間の角度(例えば、斜め方向)で偏光させても良く、その場合、光11aに含まれる紙面垂直方向の偏光の量と紙面内左右方向の偏光の量との比で、左向き矢印と、右向き矢印とを点灯させることができる。即ち、任意の光量比で任意の領域を点灯させることができる。
また、図9では、単一の光源を用いて偏光方向を所定のタイミングで変調したが、図10の面状照明装置40の通り、波長の異なる複数の光源を用いた場合には、さらに別の効果も有する。図10に示す面状照明装置40は、図9に示す面状照明装置30と比較して導光棒14以降の構成は同じであるが、光源が波長の異なる光23r、23g、23bを出射する3個の光源22r、22g、22bからなり、それぞれの光源に対して1/2波長板20r、20g、20bを設け、それぞれを制御部16に接続している点が異なる。
この状態で、点灯する光源として3個の光源22r、22g、22bの中から一つを制御部16で選択し、その偏光方向を、対応する波長板20r、20g、20bの中から一つを選択して制御することで、図8の偏光変調セル18a、非変調セル18bの領域を光源22r、22g、22bの任意の波長の光で切り替えて点灯することができる。
また、光源22r、22g、22bをそれぞれ赤色光源(中心波長570〜680nm)、緑色光源(中心波長490〜570nm)、青色光源(中心波長400〜490nm)とし、各光源を所定の光量で同時に点灯させることで、表示させたい領域を任意の色で点灯をさせることができる。また、点灯させたい色の光源の波長板を高速に切り替えることで、偏光変調セル18a、18bを視認上同時に点灯させることも可能である。さらには、光源22r、22g、22bにレーザ光源を用いると、各光源の色純度が極めて高くなるため、極めて広色域の表示をさせることが可能になる。
この他、光源22r、22g、22bには、スーパールミネッセントダイオード(SLD)を用いることももちろん可能である。光源にSLDを用いると、光源の波長幅が広くなり、スペックルノイズが抑制されるため、より視認しやすい面状照明装置を構成することができる。
もちろん、光源22r、22g、22bに発光ダイオード(LED)を用いることも可能である。一般に発光ダイオードから出射される光の偏光方向は単一方向に偏光していない場合が多いが、その場合でも、偏光ビームスプリッタ(PBS)等を用いれば、上記と同様に構成することが可能である。一例として、図11において、光源12としてLEDを用いた場合の構成を説明する。
光源12をLEDとして、光源12から出射した無偏光の光11は、PBS21に入射すると、P偏光の光11pとS偏光の光11sとに分離されて出射する。さらに、P偏光の光11pを1/2波長板20pに入射させ、反射ミラー(図示省略)等の光学部品を用いてS偏光の光11sを1/2波長板20sに入射させる。このとき、1/2波長板20pと1/2波長板20sとの両方を制御部16に接続しておく。この構成において、1/2波長板20p及び1/2波長板20sの配置を、ステッピングモータ等の回転機構(図示省略)を用いて制御部16を通して制御することで、1/2波長板20pを透過した光11pの偏光方向と1/2波長板20sを透過した光11sの偏光方向とを任意に選択することができる。この様に構成することで、偏光変調セル18a及び非変調セル18bを同時に任意の光量で点灯させることも可能になるという効果も有する。
なお、ここではLEDを用いた例を説明したが、もちろん他の光源を用いても構わない。また、これまでは、偏光変調板18を構成する変調セルとして偏光変調セル18a及び非変調セル18bを固定していたが、変調セルの構成は、上記の例に特に限定されない。例えば、偏光変調セルとして、液晶セル等の空間変調素子等を用いると、入射する光に対する任意の領域の偏光変調量を任意かつ動的に調整することができるようになり、照明するパターン形状を任意かつ動的に変更することができるというメリットも有する。
また、上で説明した実施の形態では、サインボードに対する照明例を示したが、用途はこれに限定するものではない。また、本実施の形態において、導光棒14は上述の全反射プリズム14aを用いて線状に折り返したが、導光棒の構成はこの構成に限らず、ロス無く、偏光方向を維持したまま、線状光に変換できれば、どのような構成でも構わない。同様に、導光板15の全反射プリズム15bも、ロス無く、偏光方向を維持したまま、線状光に変換できれば、本実施の形態の形状に限定するものではない。
(実施の形態2)
図12乃至図14は、本発明の実施の形態2にかかる面状照明装置50の説明図であり、図12は、面状照明装置50から、偏光フィルタ19と、偏光変調板58と、1/4波長板59と、反射シート17とを除いた面状照明装置50の上面図であり、図13及び図14は、図12のXIII−XIII線における面状照明装置50の断面図である。
本面状照明装置50では、光源52a、52bから出射した直線偏光の光51a、51bに対して、コンバイナ13で合波した後、1/4波長板53を挿入することで、光51a、51bの偏光を相異なる方向に回転する回転偏光に変換している点が、実施の形態1の面状照明装置10と大きく異なる。構成要素としては、上述の1/4波長板53と、1/4波長板59が追加されており、1/4波長板59は、導光板15と反射シート17の間に配置されている。さらに、偏光変調板58を構成する偏光変調セル58a、58bが、結晶軸方向の配置が相異なる1/4波長板、即ち、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板で構成されている。
上記の面状照明装置50の具体的な動作の仕組みを、図12乃至図18を用いて説明する。まず、光源52a、52bから出射してコンバイナ13で合波された直線偏光の光51a、51bを、1/4波長板53により回転偏光に変換する。このとき、例えば、図12の通り、光源52aから出射された光51aの偏光方向を紙面内左右方向とし、光源52bから出射された光51bの偏光方向を紙面垂直方向として、両者を直交させておき、コンバイナ13で合波した状態で1/4波長板53に入射させると、光51aと光51bとを、回転方向が互いに逆向きの回転偏光の光とすることができる。
図15は、光51aが左回転(光の進行方向において反時計回転)の回転偏光に変換される様子を説明しており、図16は、光51bが右回転(光の進行方向において時計回転)の回転偏光に変換される様子を説明している。ただし、理解し易くするため、1/4波長板53に入射する前の光51a、51bは互いに直交しているが、光51aの偏光方向は、光の進行方向に対して左上方向から右下方向としてあり、光51bの偏光方向は、光の進行方向において右上方向から左下方向としてある。さらに、1/4波長板53の遅軸方向をns、速軸方向をnfとして記載しており、光51a、51bの電界を遅軸方向と速軸方向に分解して記載している。
この1/4波長板53を光51aが透過すると、光51aの遅軸方向成分が1/4波長遅れるために、図15の通り、左回転の回転偏光に変換される。同様に、この1/4波長板53を光51bが透過すると、光51bの遅軸方向成分が1/4波長遅れるために、図16の通り、右回転の回転偏光に変換される。その後、導光板15の主面15cから出射するまでの光路は、実施の形態1と同じである。
ここで、全反射プリズム14aと全反射プリズム15bとのそれぞれで全反射する際に、S偏光成分の位相とP偏光成分の位相とに相対的なずれが生じるが、例えば、導光棒14内を伝搬する光の紙面垂直方向の偏光成分は、全反射プリズム14aにおいてS偏光として略垂直に全反射し、さらに全反射プリズム15bにてP偏光として略垂直に全反射するため、2回の全反射を経て、位相ずれ量は相殺されることになる。
このことは導光棒14内を伝搬する光の紙面内左右方向の偏光成分も同様で、全反射プリズム14aにおいてP偏光として略垂直に全反射し、さらに全反射プリズム15bにてS偏光として略垂直に全反射するため、2回の全反射を経て、位相ずれ量は相殺されることになる。よって、導光板15から出射した光51a、51bは、図13に示す様な回転偏光として偏光変調板58に入射する。
ここで、偏光変調板58の偏光変調セル58a、58bは双方1/4波長板から構成されているが、これも互いに光の偏光方向を回転させる向きが異なる。この様に構成された偏光変調板58の前後での振舞いを、図17と図18とを用いて説明する。
導光板15から出射して偏光変調板58に到着した左回転の回転偏光を持つ光51aは、偏光変調板58を構成する偏光変調セル58a、58bに入射する。ここで、偏光変調セル58aと偏光変調セル58bとでは、図17と図18に示す様に、遅軸nsの向きと速軸nfの向きとが相異なる方向を向いている。左回転の回転偏光を持つ光51aがこの様な偏光変調セル58a及び偏光変調セル58bを透過すると、偏光変調セル58aから出射する光と偏光変調セル58bから出射する光とは、互いに直交した直線偏光に変換されることが分かる。さらに、偏光変調セル58aから出射した光の偏光方向と、1/4波長板53に入射する前の光51aの偏光方向とは、光の進行方向に対して同じ向きとなることが分かる。
光51bに対しても同様に考えることができる。即ち、右回転の回転偏光を持つ光51bが偏光変調セル58a及び偏光変調セル58bを透過すると、偏光変調セル58aから出射した光と偏光変調セル58bから出射した光とは、やはり直線偏光に変換され、偏光方向は互いに直交することになる。さらに、偏光変調セル58aから出射した光の偏光方向と、1/4波長板53に入射する前の光51bの偏光方向とは、光の進行方向に対して同じ向きとなる。
偏光変調板58を透過した光51a、51bは、この後、偏光フィルタ19に入射する。偏光フィルタ19は、ここでは、実施の形態1と同様に、紙面内左右方向の偏光を反射し、紙面垂直方向の偏光を透過する特性を持っている。よって、図13及び図14に示す様に、偏光変調セル58aを透過した光51aは、偏光フィルタ19で反射され、偏光変調セル58aを透過した光51bは、偏光フィルタ19を透過する。また、偏光変調セル58bを透過した光51aは、偏光フィルタ19を透過し、偏光変調セル58bを透過した光51bは、偏光フィルタ19で反射される。
反射された光51aは、再び偏光変調セル58aを透過することで、再度、回転偏光となる。回転偏光となった光51aは、このまま導光板15を透過して反射シート17で反射され、再度、偏光変調セル58aに入射する。この様に、偏光フィルタ19と反射シート17との間を一往復する間で、偏光変調セル58aを2回通過することになるため、偏光は逆方向に回転することになる。そのため、1/4波長板59を挿入することにより、偏光フィルタ19と反射シート17との間を一往復する間での位相ずれを相殺している。即ち、1/4波長板59を一往復することにより、さらに1/2波長分の位相がずれるため、偏光変調セル58a、58bのピッチで1/4波長板59の構造を替える必要はない。この点については、光51bも同様である。
この様に、偏光フィルタ19と反射シート17との間を多重反射する間で、光51aが偏光変調セル58bを透過すれば、紙面垂直方向の偏光方向となって偏光フィルタ19を透過し、同様に光51bが偏光変調セル58aを透過すれば、紙面垂直方向の偏光方向となって偏光フィルタ19を透過することになる。以上のことから、実施の形態1の面状照明装置10と同様に、光51aは、偏光変調セル58bの直上からのみ偏光フィルタ19の外へ出射することになり、さらに、光51bは、偏光変調セル58aの直上からのみ偏光フィルタ19の外へ出射することになる。
以上により、本実施の形態では、実施の形態1の面状照明装置10と構成は異なるが、面状照明装置10と同様の機能を有することから、面状照明装置10と同様の効果を有する。即ち、サインボード等において、任意の点灯パターンで極めて簡便に領域を切り替えて点灯可能であり、低コストに構成可能である。さらに、面状照明装置10と同様に光源を複数用いて、任意の色で点灯させることも可能であり、光源も、LED、レーザ、SLD等様々な光源を用いることが可能であるが、改めての説明は割愛する。
また、光を出射する単一の光源を用いてもよく、例えば、光源52b及びコンバイナ13を省略し、図9に示す面状照明装置30と同様に、単一の光源52aに対して1/2波長板を新たに設け、単一の光源52a及び1/2波長板を制御部16が制御するようにしてもよい。この場合、1/2波長板は、光源52aから出射された光を任意のタイミングで偏光方向を切り替えて直線偏光に変換し、1/4波長板53は、この直線偏光を、導光板15に入射する段階において、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる回転偏光に変換する。
上記の構成により、回転偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光が導光板15の側面15aから入射して主面15cから出射されるので、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光を任意のタイミングで選択的に出射することができる。
このとき、左回転の回転偏光を持つ光51aは、偏光変調セル58bを透過し、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第1の光となった後、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。一方、右回転の回転偏光を持つ光51bは、偏光変調セル58bを透過し、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する第2の光となって、偏光フィルタ19により内部に反射される。
また、右回転の回転偏光を持つ光51bは、偏光変調セル58aを透過し、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第1の光となった後、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。一方、左回転の回転偏光を持つ光51aは、偏光変調セル58aを透過し、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する第2の光となって、偏光フィルタ19により内部に反射される。
したがって、光51aは、偏光変調セル58bのみを介して外部へ出射され、光51bは、偏光変調セル58aのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置について、図19乃至図21を用いて説明する。図19は、本発明の実施の形態3にかかる液晶表示装置80について示したものであり、本液晶表示装置80の液晶パネル81を背面から照明する面状照明装置90aの上面図を図20に示した。ただし、図20において、偏光変調板18、偏光フィルタ19、反射シート17は記載していない。
図20に示した面状照明装置90aは、図10に示した面状照明装置40と類似であるが、液晶表示装置80に対する面状照明装置90aとしては、照明パターンを切り替える必要がないため、図10における1/2波長板20r、20g、20bは取り除いている。また、本液晶表示装置80では、光源として、赤色光91r、緑色光91g、青色光91bを出射する赤色光源92r、緑色光源92g、青色光源92bを用いている。さらに、合波されて導光棒14に入射する赤色光91r、緑色光91g、青色光91bの各偏光方向としては、図20の通り、緑色光91gに対しては紙面垂直方向で、赤色光91r、青色光91bに対しては紙面水平方向に偏光する様に各光源を配置してある。
液晶パネル81は、面状照明装置90aから光が出射される側に配置され、液晶パネル81は、下側偏光板82、下側ガラス板83、液晶層84、カラーフィルタ85、上側ガラス板86及び上側偏光板87から構成されている。さらに、カラーフィルタ85は、赤色光91rを透過し、緑色光91gと青色光91bとを吸収する赤色サブピクセル85Rと、緑色光91gを透過し、赤色光91rと青色光91bとを吸収する緑色サブピクセル85Gと、青色光91bを透過し、赤色光91rと緑色光91gとを吸収する青色サブピクセル85Bとから構成される。
液晶パネル81と導光板15との間に、偏光変調板18と偏光フィルタ19とが挟まれている。図19では、説明上、偏光変調板18と導光板15との間に空隙があるが、無くても構わない。偏光変調板18は、面状照明装置10と同様に、1/2波長板として作用する偏光変調セル18aと、偏光特性を変調しない非変調セル18bとからなり、偏光変調セル18aは、緑色サブピクセル85Gの直下に、非変調セル18bは、赤色サブピクセル85R及び青色サブピクセル85Bの直下に配置されている。
また、面状照明装置10と同様に、偏光フィルタ19は、紙面垂直方向に偏光している光を透過し、紙面内左右方向に偏光している光を反射する様に配置しておく。この様な配置とすることで、緑色光91gの偏光方向は、偏光変調板18の偏光変調セル18aを透過すると、紙面垂直方向になるため、緑色光91gは、偏光フィルタ19を透過し、液晶パネル81の緑色サブピクセル85Gに入射することになる。また、緑色光91gの偏光方向は、偏光変調板18の非変調セル18bを透過しても、紙面内左右方向のままであるため、緑色光91gは、偏光フィルタ19で反射され、以後は面状照明装置10と同様に、偏光変調板18の偏光変調セル18aに入射するまで、偏光フィルタ19と反射シート17の間を多重反射することになる。
同様に、赤色光91rと青色光91bとは、偏光変調板18の非変調セル18bを透過しても、偏光方向は紙面垂直方向のままであるため、偏光フィルタ19を透過し、液晶パネル81の赤色サブピクセル85Rと青色サブピクセル85Gとに区別なく入射することになる。また、赤色光91rもしくは青色光91bが偏光変調板18の偏光変調セル18aを透過すると、偏光方向は紙面内左右方向になるため、偏光フィルタ19で反射され、以後は、面状照明装置10の場合と同様に、偏光変調板18の非変調セル18bに入射するまで、偏光フィルタ19と反射シート17の間を多重反射することになる。
また、カラーフィルタ85内の各サブピクセル85R、85G、85Bと、偏光変調板18内の偏光変調セル18a及び非変調セル18bとの大きさに関して、図21に示す構成の通り、偏光変調セル18a及び非変調セル18bは、マトリックス状に配列されており、偏光変調セル18a及び非変調セル18bの縦横のピッチを、各サブピクセル85R、85G、85Bの縦横のピッチと同じもしくは整数倍に構成している。
ここで、偏光変調セル18a及び非変調セル18bから変調セルが構成され、偏光変調板18は、マトリックス状に配列された複数の変調セル(偏光変調セル18a及び非変調セル18b)を含み、変調セルである偏光変調セル18a及び非変調セル18bの縦方向の一辺の長さは、カラーフィルタ85のサブピクセル85R、85G、85Bの縦方向の一辺の長さと同じに設定され、変調セルである偏光変調セル18aの横方向の一辺の長さは、カラーフィルタ85のサブピクセル85R、85G、85Bの横方向の一辺の長さと同じに設定され、変調セルである非変調セル18bの横方向の一辺の長さは、カラーフィルタ85のサブピクセル85R、85G、85Bの横方向の一辺の長さの整数倍(例えば、2倍)に設定されている。
こうすることで、偏光フィルタ19により偏光変調セル18aの直上からのみ出射する緑色光91gは、緑色サブピクセル85Gにのみ入射することになり、同様に、非変調セル18bの直上からのみ出射する青色光91b及び赤色光91rは、青色サブピクセル85B及び赤色サブピクセル85Rにのみ入射することになる。
従来の液晶表示装置では、カラーフィルタの各サブピクセルに対して、光源から出射された光は、色の区別なく入射していたため、各サブピクセルに入射した光のうち2/3は吸収され、1/3しか画像形成に寄与しなかった。それに対して、本液晶表示装置80では、緑色光91gは、カラーフィルタ85での吸収がなく、赤色サブピクセル85R及び青色サブピクセル85Bに入射する赤色光91r及び青色光91bも、入射する光のうち1/2が利用されるため、トータルでは2/3(=1/3+(1/2)×(2/3))の光が利用されることになり、光利用効率が従来の2倍になるという効果を有する。また、同一輝度の光量を得るためには、エネルギーが半分で済む。
また、一般に、レーザ光線は直進性に優れるため、各光源92r、92g、92bにレーザ光源やSLDを用いると、偏光変調板18から各サブピクセル85R、85G、85Bまで伝播する間の光の拡がりを抑えることができる。この結果、緑色光91gが緑色サブピクセル85G以外のサブピクセルに入射する割合を抑えることができ、同様に赤色光91rや青色光91bが緑色サブピクセル85Gに入射する割合も抑えることができるため、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
もちろん、光源にLEDを用いても構わない。通常、LEDは、スペクトル幅がレーザ光源よりも広く、また、出射したレーザ光の拡がり角も大きくばらつく。さらに、本実施の形態の様に、各サブピクセルに該当する色を選択的に入射させる場合、先行技術文献の特許文献3に示したような反射型波長フィルタを用いると、反射型波長フィルタの角度依存性や波長依存性が大きく、特にLEDを光源に用いた場合、上述の入射角のばらつきや、波長のばらつきによって、光利用効率は高くならない。しかし、本液晶表示装置80では、各光源から出射した光を、波長ではなく、偏光で分離しているため、入射角ばらつきや波長ばらつきが生じても、光の分離特性には何ら影響せず、高い分離特性が得られる。よって、光源にLEDを用いた場合でも、高い光利用効率を達成することができる。
なお、図19に示した様に、面状照明装置90aと液晶パネル81との間は、空いていても構わないが、密着させていても構わない。密着させた場合、偏光変調板18からカラーフィルタ85(各サブピクセル85R、85G、85B)までの距離が短くなるため、偏光変調板18からカラーフィルタ85まで伝播する間の光の拡がりによる光のロスを低減することができる。この場合、光利用効率をさらに向上させることができるため、より好ましい構成といえる。
さらに、非変調セル18bから出射した赤色光91rを赤色サブピクセル85Rへ、青色光91bを青色サブピクセル85Bへ入射させることができれば、さらに光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。例えば、図22に示す液晶表示装置100の様に、偏光フィルタ19と液晶パネル81との間に、波長フィルタ101を挿入すると、非変調セル18bから出射した赤色光91rを赤色サブピクセル85Rへ、青色光91bを青色サブピクセル85Bへ入射させることができる。
ここで、波長フィルタ101は、互いに異なるフィルタ特性を有する複数のサブフィルタ101B、101R、101Gを含み、具体的には、青色光91bを透過し、赤色光91rを反射するサブフィルタ101Bと、赤色光91rを透過し、青色光91bを反射するサブフィルタ101Rと、なんら変調をしないサブフィルタ101Gとからなる。本波長フィルタ101を用いることにより、赤色光91rは、サブフィルタ101Rに到達するまで、波長フィルタ101と反射シート17との間を多重反射し、同じく青色光91bも、サブフィルタ101Bに到達するまで、波長フィルタ101と反射シート17との間を多重反射することになる。
この結果、波長フィルタ101を透過した光のうち、緑色光91gは、サブピクセル85Gに、赤色光91rは、サブピクセル85Rに、青色光91bは、サブピクセル85Bに入射することになる。即ち、カラーフィルタ85において、他の色のサブピクセルに入射する成分はなくなるため、カラーフィルタでの吸収による光のロスが無くなる。上述の通り、従来はカラーフィルタに入射する光の2/3を吸収によりロスしていたが、本液晶表示装置100を用いると、光利用効率を従来の3倍高く改善することができ、非常に光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
なお、波長フィルタ101を構成するサブフィルタ101R、101Bは、通常、屈折率の異なる誘電体多層膜を複数層積層させることで構成することができる。今回の様に、波長フィルタ101を構成するサブフィルタ101Rとサブフィルタ101Bとが隣接している場合、例えば、サブフィルタ101Rを製作する場合は、サブフィルタ101B及びサブフィルタ101Gの領域をマスクした状態で誘電体多層膜を複数層積層させ、同様にサブフィルタ101Bを製作する場合は、サブフィルタ101R及びサブフィルタ101Gの領域をマスクした状態で誘電体多層膜を複数層積層させることで製作することができる。なお、ここで述べた波長フィルタ101の製作方法や構成は、あくまで一例であり、その製作方法や構成を限定するものではなく、所望の波長特性が得られるものであれば、どのようなものでも構わない。
ここで、波長フィルタ101のサブフィルタ101R、101Bを誘電体多層膜で構成する場合、透過させたい波長と反射させたい波長とが近接していると、波長フィルタを構成するサブフィルタ101R、101Bそれぞれに急峻な波長特性を持たせる必要が出てくるため、膜層数が多くなる。例えば、青色光を反射させて緑色光を透過させるサブフィルタの場合、緑色光の波長が530nmで、青色光の波長が450nmとすると、わずか80nmの間で透過特性と反射特性を切り替える必要がある。
そこで、本液晶表示装置100において、偏光変調板18と偏光フィルタ19とで分離する光を、三色の中で中間の波長である緑色光とし、波長フィルタ101で分離する光を青色光及び赤色光とすることで、例えば、赤色光の波長を630nm、青色光の波長を450nmとすると、180nmの間で透過特性と反射特性とを切りかえればよいため、波長フィルタ101の各サブフィルタには、急峻な波長特性を持たせる必要がなくなるため、コスト的にも有利な液晶表示装置を構成することが可能になる。
また、カラーフィルタ85の各サブピクセル85R、85G、85Bの境界には、図23に示す通り、通常はブラックマトリックス102が構成されており、この部分では、光は基本的に吸収されることが分かっているため、この部分に入射する光は全てロスになる。よって、偏光変調板18の偏光変調セル18aと非変調セル18bとの境界に、入射する光を導光板15側へ反射する反射コートから構成される全反射領域103を設けることで、この全反射領域103に入射する光は、すべて反射させることができる。この結果、光がブラックマトリックス102に入射することを抑えることが可能になり、さらに光利用効率の高い液晶表示装置110を構成することができる。
なお、図23では、偏光変調板18だけではなく、波長フィルタ101のサブフィルタ101Bとサブフィルタ101Rとの間にも、全反射領域103を設けて、同様にブラックマトリックス102に入射することによるロスを抑えている。こうすることで、さらに光利用効率の高い液晶表示装置110を構成することができる。
さらに、図24に示す液晶表示装置120においても、以下に説明する動作により、図22に示す液晶表示装置100と同様に、赤色サブピクセル85R、緑色サブピクセル85G、青色サブピクセル85Bそれぞれに、赤色光91r、緑色光91g、青色光91bを入射させることができ、従来の液晶表示装置において見られたカラーフィルタにおける光のロスが無くなるため、カラーフィルタにおける光利用効率を、従来と比較して3倍向上させることができ、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
図24に示す液晶表示装置120は、図19に示す液晶表示装置80と類似する構成を有しているが、偏光変調板18の内、非変調セル18bの代わりに、偏光変調セル18xと偏光変調セル18yとが付加されている。ここで、偏光変調セル18yは、非変調セル18bと同様に、偏光方向を変えずに、緑色光91gと赤色光91rを透過させるが、青色光91bのみ、偏光方向を紙面垂直方向から紙面内左右方向へ変えるような波長特性を有し、さらに、偏光変調セル18xは、偏光方向を変えずに、緑色光91gと青色光91bとを透過させるが、赤色光91rのみ、偏光方向を紙面垂直方向から紙面内左右方向へ変えるような波長特性を有する。さらに、偏光変調セル18xの直上に青色サブピクセル85Bを、偏光変調セル18yの直上に赤色サブピクセル85Rを配置する。
このとき、偏光変調セル18aにおける赤色光91r、緑色光91g、青色光91bの動作は、液晶表示装置80と同様である。一方、偏光変調セル18xを透過した後、赤色光91rの偏光方向は、紙面内左右方向であり、緑色光91gの偏光方向も、紙面内左右方向であるが、青色光91bの偏光方向のみが、紙面垂直方向になる。同様に、偏光変調セル18yを透過した後、青色光91bの偏光方向は、紙面内左右方向であり、緑色光91gの偏光方向も、紙面内左右方向であるが、赤色光91rの偏光方向のみが、紙面垂直方向になる。
また、偏光フィルタ19は、液晶表示装置80と同様に、紙面垂直方向の偏光成分を透過し、紙面内左右方向の偏光成分を反射する様に配置されている。こうすることで、偏光フィルタ19からは、偏光変調セル18aの直上のみから緑色光91gが出射し、偏光変調セル18xの直上のみから青色光91bが出射し、偏光変調セル18yの直上のみから赤色光91rが出射することになる。よって、赤色光91rのみがカラーフィルタ85内の赤色サブピクセル85Rに入射し、緑色光91gのみが緑色サブピクセル85Gに入射し、青色光91bのみが青色サブピクセル85Bに入射することになる。
こうすることで、図24に示す液晶表示装置120においても、図22に示す液晶表示装置100と同様に、従来の液晶表示装置において見られたカラーフィルタにおける光のロスが無くなるため、カラーフィルタにおける光利用効率を、従来と比較して3倍向上させることができ、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。また、上述の通り、偏光により各光源から出射した光を選択してサブフィルタに入射させているため、光源にLEDを用いたときに、偏光変調板18や偏光フィルタ19に対して入射角がばらついた場合や、波長がばらついた場合であっても、光の分離特性が高く、光利用効率の高い液晶表示装置を構成することができる。
なお、ここでは、液晶表示装置100と液晶表示装置120とを用いて、偏光方向が同じ光(ここでは赤色光91r、青色光91b)を分離する方法を説明したが、他の方法であっても、偏光方向が同じ光(ここでは赤色光91r、青色光91b)を分離できていれば構わない。
また、液晶表示装置80や液晶表示装置100、110、120の様に、面状照明装置90(90a、90b、90c、90d)と液晶パネル81との間や偏光フィルタ19と偏光変調板18との間は、空いていても構わないが、密着させていても構わない。密着させた場合、偏光変調板18からカラーフィルタ85(サブピクセル85R、85G、85B)までの距離が短くなるため、偏光変調板18からカラーフィルタ85まで伝播する間の光の拡がりによる光のロスを低減することができるため、より好ましい構成といえる。
また、本液晶表示装置80や液晶表示装置100、110、120においても、光源にレーザ光源やSLDを用いることで、偏光変調板18や波長フィルタ101からカラーフィルタ85までの光の拡がりを抑えることができ、より光利用効率の高い、また色再現範囲の広い高画質な画像を表示することができる。もちろん、実施の形態1の面状照明装置10で説明した様に、光源としてLED等も用いることが可能であり、他の光源を用いても構わない。
また、本実施の形態における液晶表示装置80、100、110、120は、いずれも実施の形態1で説明した面状照明装置10の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/2波長板を含んだ系を用いているが、もちろん、実施の形態2で説明した面状照明装置50の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/4波長板を含んだ系で構成しても構わない。
例えば、図24に示す液晶表示装置120において、図12に示す面状照明装置と同様に、コンバイナ13と導光棒14との間に1/4波長板53を挿入し、導光板15と反射シート17の間に1/4波長板59を配置し、偏光変調板18の代わりに、互いに波長特性の異なる1/4波長板として機能する第1乃至第3の偏光変調セルから構成される偏光変調板を、導光板15と偏光フィルタ19との間に配置するようにしてもよい。ここで、第1の偏光変調セルは、偏光変調セル18yの位置に、第2の偏光変調セルは、偏光変調セル18xの位置に、第3の偏光変調セルは、偏光変調セル18aの位置に配置されているものとする。
この場合、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光(例えば、赤色光及び緑色光)と、2種類の回転偏光のうち一方(例えば、赤色光)と同じ回転方向を有する回転偏光(例えば、青色光)とが導光板15の側面15aから入射して主面15cから出射され、これら3つの回転偏光のうち逆向きの偏光方向を有する第3の回転偏光(例えば、緑色光)は、3つの回転偏光の波長に対して1/4波長板として機能する第3の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第3の光となり、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。一方、同じ回転方向を有する第1及び第2の回転偏光(例えば、赤色光及び青色光)は、第3の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタ19により内部に反射される。
また、第1の回転偏光(例えば、赤色光)は、第1の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第2の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタ19により内部に反射される。一方、第2の回転偏光(例えば、青色光)は、第2の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。
さらに、第2の回転偏光(例えば、青色光)は、第2の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19により反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタ19により内部に反射される。一方、第1の回転偏光(例えば、赤色光)は、第1の偏光変調セルを透過して、偏光フィルタ19を透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタ19を透過して外部へ出射される。
したがって、第1の回転偏光(例えば、赤色光)は、第1の偏光変調セルのみを介して赤色サブピクセル85Rへ入射し、第2の回転偏光(例えば、青色光)は、第2の偏光変調セルのみを介して青色サブピクセル85Bへ入射し、第3の光(例えば、緑色光)は、第3の偏光変調セルのみを介して緑色サブピクセル85Gへ入射するので、1/4波長板を含んだ系を用いる場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4にかかる液晶表示装置130を、図25及び図26を用いて説明する。図25は、液晶パネル81と、偏光フィルタ19と、偏光変調板18と、反射シート17とを除いた液晶表示装置130の上面図であり、図26は、図25のXXVI-XXVI線における液晶表示装置130の断面図である。
本液晶表示装置130を構成する面状照明装置90eは、実施の形態1の面状照明装置10や面状照明装置40と類似であるが、偏光変調板18を構成する偏光変調セル18a及び非変調セル18bからなる変調セルのピッチが異なる。即ち、液晶パネル内のカラーフィルタ85を構成するサブピクセル85R、85G、85Bを一画素としたとき、偏光変調セル18a及び非変調セル18bからなる変調セルのピッチは、カラーフィルタの一画素を一ユニットとしたときの画素のピッチと同一であり、さらに、偏光変調セル18aと非変調セル18bとを交互に配列させている。即ち、変調セルである偏光変調セル18a及び非変調セル18bの一辺の長さは、カラーフィルタ85の3つのサブピクセル85R、85G、85Bの一辺の長さの合計値と同じに設定され、各サブピクセル85R、85G、85Bの一辺の長さの整数倍(例えば、3倍)に設定されている。
本液晶表示装置130において、各光源92r、92g、92bから出射して1/2波長板20r、20g、20bを出射した赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bが、コンバイナ13で合波される。ここで、制御部16は、1/2波長板20r、20g、20bを制御し、合波されて導光棒14に入射する赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bの偏光方向をいずれも、紙面内左右方向に偏光させたとする。
理解し易い様に、図26において、紙面左右方向に偏光しながら、導光棒14に入射する光を光131xとし、これと直交して紙面上下方向に偏光しながら、導光棒14に入射する光を光131yとしている。即ち、赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bは、全て光131xと同じ方向に偏光している。また、実施の形態1の面状照明装置10と同様に、偏光変調セル18aは、1/2波長板として機能し、非変調セル18bは、ここでは何ら偏光を変調しない。さらに、偏光フィルタ19は、これまでと同様に紙面内左右方向に偏光方向を持つ光を反射し、紙面垂直方向に偏光方向を持つ光を透過する機能を持つ。
この状態において、光131xは、実施の形態1の面状照明装置10と同様に、1/2波長板として機能する偏光変調セル18aを通過すると、偏光フィルタ19で反射されるために、非変調セル18bに到達するまで偏光フィルタ19と反射シート17の間を多重反射することになる。また、非変調セル18bに光131xが入射すると、面状照明装置10と同様に偏光フィルタ19を透過し、面状照明装置90eから紙面内上向きに出射する。よって、光131xの赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bは、偏光フィルタ19の非変調セル18bの直上からのみ出射することになる。
また、制御部16は、1/2波長板20r、20g、20bを制御し、合波されて導光棒14に入射する赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bの偏光方向が紙面内上下方向に偏光させたとすると、導光棒14に入射する光は、光131yとなり、光131yの赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bは、偏光フィルタ19の偏光変調セル18aの直上からのみ出射することになる。
上記のように構成された本液晶表示装置130を用いると、例えば、図27の様な三次元表示が可能な三次元液晶表示装置150を構成できる。図27の様に、液晶パネル81と、シャッターメガネ132とを制御部16に接続する。シャッターメガネ132は、通常のメガネにおけるレンズの部分がシャッターになっており、制御部16により任意のタイミングで左右独立にシャッターを開閉できる。図27では、制御部16と、シャッターメガネ132とを直接結線して接続しているが、もちろん、無線で制御しても構わない。
次に、三次元液晶表示装置150の動作の仕組みを説明する。ここでは、例えば、図26に示すように、非変調セル18bの直上に存在する液晶パネル81の画素133bは、左目用画像を表示し、偏光変調セル18aの直上に存在する液晶パネル81の画素133aは、右目用画像を表示するとする。
具体的には、各光源92r、92g、92bが点灯され、液晶パネル81に左目用画像及び右目用画像が表示された状態において、制御部16は、所定のタイミングで1/2波長板20r、20g、20bを制御して、赤色光91r、緑色光91g、青色光91bの偏光方向を図26の光131xの方向に偏光させる。さらに、制御部16は、同じタイミングでシャッターメガネ132の左目シャッターを開け、右目シャッターを閉じる。こうすることにより、液晶パネルに表示された左目用画像のみが左目に入射することになる。
次に、制御部16は、所定のタイミングで1/2波長板20r、20g、20bを制御して、赤色光91r、緑色光91g及び青色光91bの偏光方向を図26の光131yの方向に偏光させる。さらに、制御部16は、同じタイミングでシャッターメガネ132の右目シャッターを開け、左目シャッターを閉じる。こうすることにより、液晶パネルに表示された右目用画像のみが右目に入射することになる。
以上の動作により、視聴者は、液晶パネル81に表示された画像を三次元画像として認識することになる。さらに、次のフレーム画像が液晶パネル81に表示され、上記の動作を繰り返すことにより、三次元の動画を視聴することができる。この様に構成することで、例えば、右目用画像を表示している間は、左目用画像に該当する画素133bには、光が入射しないため、光のロスがなく、高効率な三次元液晶表示装置を構成することができる。
また、通常の三次元表示装置の液晶パネルのように、1フレーム期間において、左目用画像と右目用画像とを交互に切り替えるのではなく、1フレーム期間の間、画素133bには左目用画像を、画素133aには右目用画像を書き込んだ状態を維持することができるため、液晶パネル81として応答特性が遅い液晶パネルを用いた場合でも、クロストークのない良好な三次元画像を表示することができる。また、液晶パネル81の画素133bの上に、視聴者の左目に左目用画像を導くようにレンチキュラーレンズを形成するとともに、画素133aの上に、視聴者の右目に右目用画像を導くようにレンチキュラーレンズを形成すれば、視聴者は、シャッターメガネを用いることなく、三次元画像を視聴することができる。
なお、本三次元液晶表示装置150においても、光源にレーザ光を用いることで、色再現範囲の広い高画質な画像を表示することができる。もちろん、実施の形態1の面状照明装置10で説明した様に、光源としてLEDやSLD等も用いることが可能であり、他の光源を用いても構わない。
また、本実施の形態における三次元液晶表示装置150は、いずれも実施の形態1で説明した面状照明装置10の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/2波長板を含んだ系を用いているが、もちろん、実施の形態2で説明した面状照明装置50の様に、偏光変調板を構成する偏光変調セルとして、1/4波長板を含んだ系で構成しても構わない。
また、上記の各実施の形態に示す構成は、一例であって、発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな変形を加えることができるのは言うまでも無い。また、上で述べた各実施の形態やそれらを変形した発明を組み合わせて用いることも、もちろん可能である。
上記の各実施の形態から本発明について要約すると、以下のようになる。即ち、本発明に係る面状照明装置は、光を出射する複数の光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記複数の光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光方向が直交した直線偏光を含み、前記偏光変調板は、1/2波長板として機能する偏光変調セルと、偏光特性を変調しない非変調セルとを含む。
この面状照明装置においては、互いの偏光方向が直交した2種類の直線偏光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、これら2種類の光のうち、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光は、非変調セル及び偏光フィルタを透過して外部へ出射され、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光は、非変調セルを透過した後、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第1及び第2の光が1/2波長板として機能する偏光変調セルを透過する際に、第1及び第2の光の偏光方向が変換され、第1の光は、第2の光となって偏光フィルタにより内部に反射され、第2の光は、第1の光となって偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の光は、非変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の光は、偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記光源から出射された光は、前記導光板に入射する段階において、直線偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光を含み、前記偏光変調板は、1/2波長板として機能する偏光変調セルと、偏光特性を変調しない非変調セルとを含む。
この面状照明装置においては、直線偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射されるので、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光が入射されているときは、第1の光は、非変調セル及び偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光が入射されているときは、第2の光は、非変調セルを透過した後、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第1又は第2の光が1/2波長板として機能する偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、第1の光は、第2の光となって偏光フィルタにより内部に反射され、第2の光は、第1の光となって偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の光が入射されているときは、第1の光は、非変調セルのみを介して外部へ出射され、一方、第2の光が入射されているときは、第2の光は、偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。また、光源が単一で、かつ偏光変調セル及び非変調セル毎に点灯回路を別々に用意する必要がないため、面状照明装置をより低コストに製作することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、相異なる波長の光を出射する少なくとも3つの光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記少なくとも3つの光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光方向が直交した直線偏光を含み、前記偏光変調板は、互いに波長特性の異なる1/2波長板として機能する少なくとも3種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、少なくとも3つの光源から、互いの偏光方向が直交した2種類の直線偏光と、この2種類の直線偏光のうちの一方と同じ偏光方向を有する直線偏光とが導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、これら3つの光のうち、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1及び第2の光は、3つの光の波長に対して1/2波長板として機能する第3の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第3の光は、第3の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
また、第1の光は、第1の光の波長に対してのみ1/2波長板として機能する第2の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、第2の光は、第2偏光変調セルを透過しても、その偏光方向は変換されず、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
さらに、第2の光は、第2の光の波長に対してのみ1/2波長板として機能する第1の偏光変調セルを透過する際に、その偏光方向が変換され、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、第1の光は、第1の偏光変調セルを透過しても、その偏光方向は変換されず、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の光は、第2の光に対してのみ1/2波長板として機能する第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の光は、第1の光に対してのみ1/2波長板として機能する第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第3の光は、3つの光に対して1/2波長板として機能する第3の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、光を出射する複数の光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調セルを含む偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記複数の光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる回転偏光を含み、前記偏光変調板は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する複数種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、出射される2種類の回転偏光のうち第1の回転偏光は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1及び第2の偏光変調セルのうち第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第2の回転偏光は、第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第1の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
したがって、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記光源から出射された光は、前記導光板に入射する段階において、回転偏光でかつ任意のタイミングで偏光の回転方向を切り替え可能な光を含み、前記偏光変調板は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する複数種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、回転偏光でかつ任意のタイミングで偏光方向を切り替え可能な光が導光板の側面から入射して一方の主面から出射されるので、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光を任意のタイミングで選択的に出射することができる。
このとき、出射される2種類の回転偏光のうち第1の回転偏光は、互いに遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1及び第2の偏光変調セルのうち第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第2の回転偏光は、第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、第1の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタにより内部に反射される。
したがって、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。また、光源が単一で、かつ第1及び第2の偏光変調セル毎に点灯回路を別々に用意する必要がないため、面状照明装置を低コストに製作することができる。
本発明に係る他の面状照明装置は、相異なる波長の光を出射する少なくとも3つの光源と、前記光源から出射された光をいずれかの側面から入射して一方の主面から出射する導光板と、所定の偏光方向の光を透過し、前記所定の偏光方向に対して直交する偏光方向の光を反射する偏光フィルタと、入射する光の偏光特性に対して所定の変調を行う偏光変調板と、入射する光を正反射する反射シートとを備え、前記偏光フィルタ及び前記偏光変調板は、前記導光板の前記一方の主面近傍に、前記導光板側から前記偏光変調板、前記偏光フィルタの順に配置され、前記反射シートは、前記導光板の前記一方の主面とは逆側の主面近傍に配置され、前記少なくとも3つの光源から出射された光のうち少なくとも2つは、前記導光板に入射する段階において、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる回転偏光を含み、前記偏光変調板は、互いに波長特性の異なる1/4波長板として機能する少なくとも3種類の偏光変調セルを含む。
この面状照明装置においては、互いの偏光の回転方向が逆向きとなる2種類の回転偏光と、2種類の回転偏光のうちの一方と同じ回転方向を有する回転偏光とが導光板の側面から入射して一方の主面から出射され、これら3つの回転偏光のうち逆向きの偏光方向を有する第3の回転偏光は、3つの回転偏光の波長に対して1/4波長板として機能する第3の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第3の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射され、一方、同じ回転方向を有する第1及び第2の回転偏光は、第3の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となって、偏光フィルタにより内部に反射される。
また、第1の回転偏光は、第1の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタにより内部に反射され、一方、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第2の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
さらに、第2の回転偏光は、第2の回転偏光の波長に対してのみ第3の偏光変調セルと遅軸及び速軸の向きが異なる1/4波長板として機能する第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタにより反射される偏光方向を有する光となり、偏光フィルタにより内部に反射され、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルを透過し、偏光フィルタを透過する偏光方向を有する第1の光となり、偏光フィルタを透過して外部へ出射される。
したがって、第1の回転偏光は、第1の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第2の回転偏光は、第2の偏光変調セルのみを介して外部へ出射され、第3の回転偏光は、第3の偏光変調セルのみを介して外部へ出射されるので、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができ、簡便に点灯領域の切り替えが可能な面状照明装置を簡便かつ安価に構成することができる。
前記複数の光源は、相異なる波長の光を出射する2つの光源を含むことが好ましい。この場合、波長の異なる2つの光を用いて、任意の領域を選択的に照明することができるとともに、簡便に点灯領域を切り替えることができる。
前記複数の光源は、相異なる波長の光を出射する少なくとも3つの光源を含み、前記偏光フィルタに対して前記偏光変調板とは逆側に配置され、互いに異なるフィルタ特性を有する複数のサブフィルタを含む波長フィルタをさらに備え、前記複数のサブフィルタは、所定波長の光を透過し、前記所定波長以外の光のうち少なくとも一部を反射させるサブフィルタを含むことが好ましい。
この場合、波長の異なる3つの光を複数のサブフィルタにより分離して出射することができるので、この面状照明装置を液晶表示装置に用いた場合、光の利用効率を向上することができる。
前記3つの光源は、青色光を出射する青色光源、緑色光を出射する緑色光源、及び赤色光を出射する赤色光源を含み、前記偏光変調板及び前記偏光フィルタは、前記緑色光を分離し、前記波長フィルタは、前記青色光と前記赤色光とを分離することが好ましい。
この場合、偏光変調板と偏光フィルタとで分離する光を、三色の中で中間の波長である緑色光とし、波長フィルタで分離する光を青色光及び赤色光とすることができるので、波長フィルタにおいて透過特性と反射特性とを切り替えるために使用可能な波長範囲が広くなり、波長フィルタの各サブフィルタに急峻な波長特性を持たせる必要がなくなるため、波長フィルタを容易に製造することができるとともに、低コスト化を図ることができる。
前記偏光変調セルは、入射する光に対する任意の領域の偏光変調量を任意かつ動的に調整することが好ましい。この場合、照明するパターン形状を任意かつ動的に変更することができる。
前記3つの光源は、中心波長400〜490nmの光を出射する青色光源、中心波長490〜570nmの光を出射する緑色光源、及び中心波長570〜680nmの光を出射する赤色光源を含むことが好ましい。
この場合、各光源を所定の光量で同時に点灯させることで、表示させたい領域を任意の色で点灯をさせることができる。
前記光源は、レーザ光源を含むことが好ましい。この場合、光源の色純度が極めて高くなるため、極めて広色域の表示をさせることが可能になる。
前記光源は、スーパールミネッセントダイオードを含んでもよい。この場合、光源の波長幅が広くなり、スペックルノイズが抑制されるため、より視認しやすい面状照明装置を構成することができる。
前記光源は、発光ダイオードを含んでもよい。この場合、装置の低コスト化を図ることができる。
本発明に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、前記液晶パネルを背面から照明する上記面状照明装置とを備え、前記液晶パネルは、カラーフィルタを内蔵し、前記偏光フィルタの前記偏光変調板とは逆側に配置される。
この液晶表示装置においては、極めて簡便な光学系の構成により任意の領域を選択的に照明することができる面状照明装置を用いているので、光利用効率が高く、消費電力の低い液晶表示装置を簡便な構成で低コストに構成することができる。
前記偏光変調板は、マトリックス状に配列された複数の変調セルを含み、前記変調セルの一辺の長さは、前記カラーフィルタのサブピクセルの一辺の長さと同じ又は整数倍であることが好ましい。
この場合、各変調セルの直上から対応する色の光のみを、対応する色のカラーフィルタへ入射することができるので、光利用効率を向上することができ、同一輝度の光量を得る場合は、使用するエネルギーを減少させて消費電力を削減することができる。
前記変調セル間の境界領域に設けられ、入射する光を導光板側へ反射する反射コートをさらに備えることが好ましい。
この場合、反射コートに入射するすべての光を内部へ反射させることができるので、カラーフィルタの各サブピクセルの境界にブラックマトリックスが形成されている場合、ブラックマトリックスに光が不要に吸収されることを防止し、光利用効率をさらに高めることができる。
本発明の面状照明装置は、簡便な光学系の構成により面状照明装置から出射される光の領域を制御することができるので、安価な面状照明装置として利用することができる。また、本発明の面状照明装置を用いて液晶表示装置を構成することで、簡便な構成で液晶パネルのサブピクセルに対して該当する色の光を分離して入射させることができるため、低コストでかつ光利用効率が高く消費電力の低い液晶表示装置を構成することができる。したがって、本発明の面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置は、照明装置やディスプレイ装置全般に適用することができ、有用である。