JP2007219258A - 投影スクリーン及び立体投影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】大画面映像を立体的に映像を映し出すことのできる投影スクリーン、及び当該投影スクリーンを用いた立体投影システムを提供する。
【解決手段】第一透明スクリーン1は、右円偏光21R,22R及び左円偏光21L,22Lに対し選択反射波長域内の右円偏光21Rを拡散反射し、その他の光を通過させる。第二スクリーン2は、第一透明スクリーン1を通過した光のうち選択反射波長域内の左円偏光21Lを拡散反射する。第一透明スクリーン1と第二スクリーン2は、互いに離間して配置され、一方の偏光成分を持つ光21R,22Rを主成分とする第一映像光26と、他方の偏光成分を持つ光21L,22Lを主成分とする第二映像光27とを有する映像光20が入射され、第一映像光26の少なくとも一部を第一透明スクリーン1により反射し、第一透明スクリーン1を通過した映像光20の一部を第二スクリーン2により反射することにより立体投影画像を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、大画面映像を立体的に映し出すことができる投影スクリーン及び立体投影システムに関する。
従来から、観察者に映像を立体的に見せる方法としては、パララックスステレオグラム(例えば、非特許文献1参照)を用いたものが知られているが、複雑な構成を有するとともに、大画面化が困難である。また、偏光眼鏡を装着することにより立体表示を実現することもできるが、特殊な眼鏡を装着することは非常に煩わしく、また目が疲労してしまう。また網膜走査型ディスプレイ(ブラザー工業)も知られているが、網膜走査型のものは目の位置が固定されるため視認環境が制限されてしまうし、ディスプレイを大画面化することは困難である。
この点、DFD方式を用いた立体ディスプレイ(例えば、特許文献1、特許文献2及び非特許文献2参照)は目に対する負担が少なく、またハーフミラーを用いることによって原理上大画面にすることもできる。しかしながら、ハーフミラーを用いたDFD立体ディスプレイは、装置の構成上、2枚のパネルの配置に自由度がなく、またハーフミラーの特性上、効率的な映像の輝度を得ることができない。またLCDを積層した構成のディスプレイは、光利用効率が悪く明るい映像を得ることができない。
なお特許文献3にはDFD方式のDFD立体ディスプレイの記戟はあるものの、LCDを用いたDFD立体ディスプレイの開示しかなく、プロジェクション方式の投影スクリーンに関する記述はいっさいない。また特許文献4にもDFD立体ディスプレイについての記載はあるものの、表示装置の一つとしてプロジェクション型ディスプレイが列記されているだけであって、プロジェクション方式を用いてどのように映像を映し出すかについての具体的な開示がない。
特表2002−504764 特開2005−12385 NHK放送技術研究所編「3次元映像の基礎」、オーム社、P.145 「前後2面のLCDを積層したDFDディスプレイ」、NTT技術ジャーナル2005.2
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、プロジェクション方式を用いて大画面映像を立体的に映し出すことのできる投影スクリーン、及び当該投影スクリーンを用いた立体投影システムを提供することを目的とする。
本発明は、一方の偏光成分及び他方の偏光成分を含む光に対し、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射し、その他の光を通過させる第一透明スクリーンと、第一透明スクリーンの裏面側に設けられ、第一透明スクリーンを通過した光を拡散反射する第二スクリーンとを備え、第一透明スクリーンと第二スクリーンは、互いに離間して配置されていることを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、第一透明スクリーンが、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第一偏光選択反射層を有することを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、第二スクリーンが、第一透明スクリーンを通過した光のうち、他方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第二偏光選択反射層を有することを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、第一透明スクリーンが、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第一偏光選択反射層を有し、第二スクリーンが、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第三偏光選択反射層を有し、第一偏光選択反射層と第三偏光選択反射層との間に、第一偏光選択反射層を通過した他方の偏光成分の光を一方の偏光成分の光に変換する位相差層が配置されていることを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、第一偏光選択反射層と第三偏光選択反射層とが、同一の構造を持つことを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、第二スクリーンが、透明性を有することを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、第二スクリーンが、裏面側に遮光層を有することを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、一方の偏光成分を持つ光及び他方の偏光成分を持つ光が円偏光であることを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、一方の偏光成分を持つ光及び他方の偏光成分を持つ光が直線偏光であることを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、第一透明スクリーンと第二スクリーンとの間に、一方の偏光成分を持つ光を吸収して遮断する吸収型偏光層が配置されていることを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、吸収型偏光層が吸収型円偏光層であり、当該吸収型円偏光層が、第一透明スクリーン側に配置された第一位相差層と、当該第一位相差層の第二スクリーン側に配置された吸収型直線偏光層とを有することを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、前記吸収型直線偏光層の第二スクリーン側に配置された第二位相差層を更に備えたことを特徴とする投影スクリーンである。
本発明は、上述したいずれかの投影スクリーンと、一方の偏光成分を持つ光を主成分とする第一映像光を照射する第一投影機と、他方の偏光成分を持つ光を主成分とする第二映像光を照射する第二投影機と、を備えたことを特徴する立体投影システムである。
本発明は、上述したいずれかの投影スクリーンと、一方の偏光成分を持つ光を主成分とする第一映像光と他方の偏光成分を持つ光を主成分とする第二映像光とを、交互に投影する分割投影機と、を備えたことを特徴とする立体投影システムである。
本発明によれば、プロジェクション方式を用いて大画面映像を立体的に映し出すことのできる投影スクリーン、及び当該投影スクリーンを用いた立体投影システムを提供することができる。
第1の実施の形態
以下、本発明に係る投影スクリーン10の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図3は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
図1(a)(b)に示すように、本発明の投影スクリーン10は、第一透明スクリーン1と、第一透明スクリーン1の裏面1b側に離間して設けられた第二スクリーン2とを備えている。このうち第一透明スクリーン1は、第一偏光選択反射層11からなっている。後述するように、第一透明スクリーン1の第一偏光選択反射層11は、右円偏光(一方の偏光成分を持つ光)21R,22R及び左円偏光(他方の偏光成分を持つ光)21L,22Lに対し、選択反射波長域内の右円偏光21Rを拡散反射し、選択反射波長域外の右円偏光22Rと、左円偏光21L,22Lを通過させる。
上述した第一偏光選択反射層11は、コレステリック規則性を示す液晶性組成物からなり、液晶分子の物理的な分子配列として、液晶分子のダイレクターが層の厚さ方向に連続的に回転してなる螺旋構造をとっている。
そして、第一偏光選択反射層11は、このような液晶分子の物理的な分子配列に基づいて、一方向の円偏光成分と、これと逆回りの円偏光成分とを分離する偏光分離特性を有している。すなわち、第一偏光選択反射層11において、螺旋軸に沿って入射した無偏光状態の光は、2つの偏光状態の光(右円偏光21R,22R及び左円偏光21L,22L)に分離され、一方は透過され、残りは反射される。この現象は、円偏光二色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における螺旋巻き方向を適宜選択すると、この螺旋巻き方向と同一の旋光方向を有する円偏光成分が選択的に反射される。
この場合の最大旋光光散乱は、次式(1)の波長λで生じる。
λ=nav・p … (1)
ここで、pは液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチ長(液晶分子の分子螺旋の1ピッチ当たりの長さ)、navは螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率である。
また、このときの反射光の波長バンド幅△λは次式(2)で表される。ここで、△nは複屈折値である。
△λ=△n・p … (2)
このため、第一偏光選択反射層11からなる第一透明スクリーン1に、観察者側から入射する選択反射波長域内の右円偏光21R及び左円偏光21Lと、選択反射波長域外の右円偏光22R及び左円偏光22Lとからなる光のうち、上述したような偏光分離特性に従って、選択反射中心波長λを中心とした波長バンド幅△λの範囲(選択反射波長域)に属する一方の偏光成分を持つ光(選択反射波長域内の右円偏光21R)が拡散反射され、その他の光(選択反射波長域外の右円偏光22R及び左円偏光21L,22L)が通過する(図1(b)及び図2参照)。
この際、第一透明スクリーン1を通過する光(選択反射波長域外の右円偏光22R及び左円偏光21L,22L)は、実質的に散乱せず、かつその偏光成分が乱されることはない。
なお第一偏光選択反射層11からなる第一透明スクリーン1は透明性を有している。ここで透明性とは、第一透明スクリーン1の裏面1b側の背景が白濁、くもり、かすみ、モザイクなどによって不鮮明になることなく、視認することのできる状態をいう。このため、第一透明スクリーン1としては、刷りガラス、マットフィルム、ディスプレイなどに用いられるAGフィルムなどを用いることはできない。
また第一透明スクリーン1は、右円偏光21Rのみを拡散することが好ましい。その他の成分の光(選択反射波長域外の右円偏光22R及び左円偏光21L,22L)まで反射してしまうと、第二スクリーン2で拡散反射される反射光24の量が減ってしまい、第二スクリーン2で反射される映像が不鮮明になってしまうためである。なお映像光が拡散されることによって初めて、観察者が映像を認職できるようになる。
また第一透明スクリーン1は、第一透明スクリーン1を通過する光(選択反射波長域外の右円偏光22R及び左円偏光21L,22L)を実質的に拡散しないことが好ましい。これは第一透明スクリーン1を通過する光が拡散されると、第二スクリーン2で拡散反射される映像がぼやけてしまい、また、偏光の乱れなどにより、反射光24の光量が減ってしまい、やはり第二スクリーン2で反射される映像が不鮮明になってしまうためである。
第一透明スクリーン1としては、具体的には、DNP製のクリスタルンリュージョンスクリーンを用いることができる。なお、拡散性を有するコレステリックポリマーなども用いることができる。
また図1(a)(b)において、第二スクリーン2は非透明性の材料からなっている。しかしながら、第二スクリーン2として、第一透明スクリーン1と同様に透明性を有するものを用いることができる(図2参照)。このような透明性を有する第二スクリーン2を用いることによって、投影スクリーン10全体が透明性を有することになるため、図2に示すように、投影スクリーン10の裏面10b側から入射する背景光23が裏面10b側から投影スクリーン10を通過することができ、投影スクリーン10の裏面10b側の背景を視認することができる。このため、投影スクリーン10のデザイン性を向上させることができるとともに、投影スクリーン10に映し出される映像に臨場感をもたせることができる。
また図1(b)及び図2に示すように、左円偏光21Lは第二スクリーン2で拡散反射され反射光24となるが、第二スクリーン2は、入射された左円偏光21L,22Lを右円偏光成分に変換させることなく、同じ左円偏光21L,22Lで拡散反射することが好ましい。拡散反射される反射光24が左円偏光21L,22Lになっていれば、この反射光24は、第一透明スクリーン1で再度反射されることなく観察者側へ通過することができ(図1(b)及び図2参照)、投影スクリーン10に映される映像を明るくすることができるためである。なお、第二スクリーン2に入射した左円偏光21L,22Lが反転したり、乱れたりした場合には、投影スクリーン10に映される映像が暗くなるため、第一透明スクリーン1及び第二スクリーン2と、映像光20を照射する投影機(第一投影機31及び第二投影機32)を調整する必要がある。
このような第二スクリーン2としては、通常の市販スクリーンである、マットスクリーン、パールスクリーン、ビーズスクリーンや、金属の反射板を用いたフロントスクリーン、ホログラムを使用したホログラムフロントスクリーンなどを用いることができる。
このような構成からなる上記投影スクリーン10は、DFD方式ディスプレイに適用することが可能で、2面の映像の重なりと、厚さ方向の距離とによって奥行き感を認識させることができる。視聴環境にもよるが、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2の間の離間距離は、5mm以上あることが好ましい。この離間距離には上限は特にないが、距離が大きくなりすぎると、投影機31,32によって照射される映像光20(図3(a)参照)の映像ソースを構築することが難しくなり、視差も大きくなるため、好ましくない。
また図1(a)(b)及び図2に示すように、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2との間の離間距離を維持するために、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2との間には透明性のある媒質4が設けられている。この媒質4は透明性を有していればよく、気体、液体、固体のいずれであってもよい。
媒質4として透明固体を用いる場合には、その透明固体を第一透明スクリーン1と第二スクリーン2との間に挿入することによって、離間距離を維持することができる。また媒質として気体や液体を設ける場合には、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2との間に柱やスペーサーなどを設けることによって、離間距離を維持することができる。なお透明固体としては、ガラス、プラスチックフィルム、板状のプラスチックなどを用いることができる。
ところで、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2の視野角は同じであることが好ましい。それぞれに投影される映像光は異なるものであるが、互いに関連性のある映像であるので、視野角特性を揃えることによって映像品位を高くすることができるためである。
また第一透明スクリーン1及び第二スクリーン2の視野角は、ある程度の映像の輝度を確保するために、完全拡散より狭い拡散性を有するほうが望ましい。用途にもよるが、視野角は、±5〜60°、好ましくは±10〜50°、さらに好ましくは±20〜40°となっていることが良い。なお視野角とは、正面の最も輝度が高い輝度を1としたときに、輝度が1/2となる角度のことをいう。
次に図3(a)乃至(d)を用いて上述した投影スクリーン10を用いた立体投影システム30について説明する。
図3(a)乃至(d)に示すように、立体投影システム30は、投影スクリーン10と、選択反射波長域内の右円偏光21R(一方の偏光成分を持つ光)を主成分とする第一映像光26を照射する第一投影機31と、左円偏光21L,22L(他方の偏光成分を持つ光)を主成分とする第二映像光27を照射する第二投影機32とを備えている。そして、これら第一映像光26と第二映像光27とから映像光20が構成されている。
このような映像光20を照射するために上述のように、図3(a)に示す第一映像光26を照射する第一投影機31と、第二映像光27を照射する第二投影機32を用いることもできるが、時分割により2つの偏光(右円偏光21Rと左円偏光21L,22L)を交互に投影することのできる分割投影機33(図9及び図10参照)を用いることもできる。なお、投影機31,32及び分割投影機33の構成については、後で説明する。
なお偏光分離特性によって、第一透明スクリーン1の第一偏光選択反射層11において分離される偏光として右円偏光21R,22R及び左円偏光21L,22Lを用いて説明したが、これに限らず、偏光分離特性によって分離される偏光としては、互いに直交する直線偏光であってもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
まず投影スクリーン10に、選択反射波長域内の右円偏光21Rを主成分とする第一映像光26を第一投影機31から入射させ、左円偏光21L,22Lを主成分とする第二映像光27を第二投影機32によって入射させる。次に、第一映像光26のうち選択反射波長域内の右円偏光成分を有する光(右円偏光21R)が第一透明スクリーン1によって反射される。このため、観察者は第一映像光26が反射されることによって映し出される第一映像36を認識することができる(図3(b)(d)参照)。
また、第一透明スクリーン1を通過した左円偏光21L,22Lを主成分とする第二映像光27が第二スクリーン2によって拡散反射される。その後、第二スクリーン2によって拡散反射された第二映像光27のうち左円偏光成分を有する光(左円偏光21L,22L)が、第一透明スクリーン1を裏面1b側から通過するため、観察者は第二映像光27が反射されることによって映し出される第二映像37を認識することができる(図3(c)(d)参照)。
ここで図1(b)、図2及び図3(a)に示すように、第一透明スクリーン1は観察者側に配置され、透明スクリーン2は観察者から離れた位置に配置されているため、観察者は、第一透明スクリーン1で反射させる第一映像36を手前にあると感じ、第二スクリーン2で反射させる第二映像37を奥側にあると感じることとなる。このため、投影スクリーン10に、奥行き感のある立体的な映像を映し出すことができる。
また、第一透明スクリーン1及び第二スクリーン2を大型化することが容易であるため、プロジェクション方式を用いて大画面映像を映し出すことのできる投影スクリーン10を容易に得ることができる。
なお透明性を有する第二スクリーン2を用いた場合(図2参照)には、投影スクリーン10全体が透明になるため、デザイン性を向上させることができる。また、投影スクリーン10に映し出される立体映像と、背景との融合により、優れた臨場感を実現することもできる。
変形例
次に図11(a)(b)により本実施の形態の変形例について説明する。図11(a)(b)に示す変形例は、第一透明スクリーン1を通過した光(選択反射波長域外の右円偏光22R及び左円偏光21L,22L)のうち、選択反射波長域内の左円偏光(他方の偏光成分を持つ光)21Lを拡散反射する第二偏光選択反射層12からなる第二スクリーンを用いたものであり、他は図1乃至図3に示す上述の実施の形態と略同一である。
図11(a)(b)に示す変形例おいて、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第二スクリーン2は、選択反射波長域内の左円偏光21Lのみを拡散反射する第二偏光選択反射層12からなっているので、第一透明スクリーン1を通過した選択反射波長域外の右円偏光22Rが、第二スクリーン2で拡散反射されることはない。このため、第一映像光26として、選択反射波長域内の右円偏光21Rを主成分とするものに限られることなく、選択反射波長域内の右円偏光21Rと選択反射波長域外の右円偏光22Rの両方を含むものを用いることができる。
なお第一透明スクリーン1は、第一透明スクリーン1を通過する光(選択反射波長域外の右円偏光22R及び左円偏光21L,22L)の偏光成分を乱さないことが好ましい。これは、第一透明スクリーン1を通過する光の偏光成分が乱されると、第二スクリーン2によって反射される左円偏光21Lの比率が下がってしまい、やはり第二スクリーン2で反射される映像が不鮮明になってしまうためである。
また透明な第二偏光選択反射層12からなる第二スクリーン2を用いる場合には、第一透明スクリーン1及び第二スクリーン2の選択反射率を調整してもよい。これは、第1透明スクリーン1で右円偏光21R、第2スクリーン2で左円偏光21Lを反射すると、それぞれの偏光反射率がある波長域で100%である場合に、その波長域の光は原理上、投影スクリーン10を透過できなくなり、よって、背景の光が透過せず、シースルー性を損なうことがあるからである。なお、選択反射率とは、反射する偏光成分における反射率のことをいう。
またこのような透明な第二スクリーン2としては、第一透明スクリーン1と同様、DNP製のクリスタルイリュージョンスクリーンを用いることができる。
第2の実施の形態
次に図4(a)(b)により本発明の第2の実施の形態について説明する。図4(a)(b)に示す第2の実施の形態は、第二スクリーン2の裏面2b側に遮光層16を設けたものであり、他は図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。
図4(a)(b)に示す第2の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第二スクリーン2の裏面2b側に遮光層16を設けることによって、裏面2bから第二スクリーン2に入射する外光と、投影スクリーン10内部で発生する不用光を吸収することができる。このように、第二スクリーン2に外光や不用光による余分な光が映り込むことを防止することができるため、第一透明スクリーン1及び第二スクリーン2に鮮明に映像を映し出すことができる。
遮光層16の性質としては、光を吸収できる性質があれば良く、紙、プラスチック布、一般的に投影スクリーンに用いられる生地等を用いることができる。
通常、遮光される光は可視光全域にあるため、遮光層16は黒色であることが好ましい。しかしながら、フルカラー映像でなく、マルチカラー映像を映し出す場合などでは、青や赤などの吸収しない波長があってもよく、色の着いた遮光層16を用いることができる。
なお遮光という意味では、光を吸収するものに限らず、金属などの反射するものでもよい。また用途によって、完全に遮光する必要もなく、特定波長や、特定強度を有する一部の光を通過させないものでもよく、例えば、散乱反射するマットフィルム、刷りガラス、プラスチックなどを用いることができる。
第3の実施の形態
次に図5(a)(b)により本発明の第3の実施の形態について説明する。図5(a)に示す第3の実施の形態は、選択反射波長域内の右円偏光(一方の偏光成分を持つ光)21Rを拡散反射する第三偏光選択反射層13からなる第二スクリーン2を用いるとともに、第一偏光選択反射層11と第三偏光選択反射層13との間に、媒質4と、第一偏光選択反射層11を通過した左円偏光21L,22Lを右円偏光21R,22Rに変換する位相差層15とを順次配置したものであり、他は図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。なお図5(a)(b)において、位相差層15は第二スクリーン2の表面2aに隣接して設けられている。
図5(a)(b)に示す第3の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5(a)(b)に示すように、第二スクリーン2の表面2aに隣接して位相差層15が設けられているため、第一透明スクリーン1を透過した左円偏光21L,22Lは、右円偏光21R,22Rに変換されて第三偏光選択反射層13に入射する。このため、第二スクリーン2として第一偏光選択反射層11と同一の構造を持つ第三偏光選択反射層13を用いても、第1の実施の形態の変形例と同様の効果を得ることができる。このため、本実施の形態の投影スクリーン10によると、一種類の構造を持つ反射層、すなわち第一偏光選択反射層11及び第三偏光選択反射層13のみを作製すれば良く、二種類の構造の反射層(例えば、第一偏光選択反射層11及び第二偏光選択反射層12)を作製する必要が無くなる。
なお、本実施の形態で用いられる位相差層15は1/2位相差層となっているため、第一透明スクリーン1を通過した左円偏光21L,22Lを、ほぼ確実に右円偏光21R,22Rに変換することができる。ただし、位相差層15としては1/2位相差層15に限らず、例えば、1/4位相差層や3/4位相差層などを用いることもできる。
また位相差層15としては、LCDに用いられる位相差フィルムなどを使用することができるし、液晶高分子を用いて所望の位相差を有する液晶フィルムを用いることもできる。
また位相差層15を第一偏光選択反射層11と第三偏光選択反射層13との間に設ければ同様の効果を得ることができるため、図5(b)に示すように、第一偏光選択反射層11と第三偏光選択反射層13との間に、位相差層15と、媒質4を順次配置することもできる。
第4の実施の形態
次に図6(a)(b)により本発明の第4の実施の形態について説明する。図6(a)(b)に示す第4の実施の形態は、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2との間に、媒質4と、右円偏光21R,22Rを吸収して遮断する吸収型偏光層17と、媒質4とを順次配置したもの用いたものであり、他は図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。
図6(a)(b)に示す第4の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6(a)(b)に示すように、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2との間に、右円偏光21R,22Rを吸収して遮断する吸収型偏光層17を配置することによって、第一透明スクリーン1の偏光分離機能が不十分である場合に、第一透明スクリーン1を通過してしまった光のうち、右円偏光21R,22Rを完全に遮断することができる(図6(b)参照)。このように右円偏光21R,22Rを遮断することによって、第二スクリーン2に鮮明に映像を映し出すことができる。
なお第一透明スクリーン1によって拡散反射される光が円偏光の場合には、図12(a)乃至(c)に示すように、吸収型偏光層17は吸収型円偏光層50であることが好ましい。ここで、図12(a)に示すように、吸収型円偏光層17は一般的に、吸収型直線偏光層51と第一位相差層52から構成され、第一透明スクリーン1側に第一位相差層52が配置されることが好ましい。
具体的には、第一透明スクリーン1で反射される光が右円偏光21Rである場合には、吸収型円偏光層50として吸収型左円偏光層50aを用いる。これにより、第一透明スクリーン1を透過してしまった不用な右円偏光21Rを主成分とする第一映像光26を、第二スクリーン2に入射しないようにカットすることができる。
さらに好ましくは、吸収型左円偏光層50aとスクリーン2の間に第二位相差層54を配置することが望ましい(図12(b)(c)参照)。これは、第二スクリーン2が第二偏光選択反射層12を有する場合、つまり第二スクリーン2によって拡散反射される反射光24が左円偏光21L,22Lの場合、第二位相差層54を設けないと、吸収型左円偏光層50aの直線偏光層51で当該反射光24の半分が吸収されてしまうのに対して、第二位相差層54を設けることによって、反射光24が直線偏光層51で吸収されずに効率的に通過することができるためである。
なおこのような第二位相差層54を設けるには、反射光24の左円偏光21L,22Lを、吸収型左円偏光層50aの直線偏光層51を通過できる直線偏光に変換する位相差層54を所定の光軸の角度をもって配置すればよい。
この光軸の関係は、第一透明スクリーン1と第二スクリーン2の間において、二枚の吸収型左円偏光層50a,50bの直線偏光層51,53同士の吸収軸を一致させて向かい合わせに配置することで実現される(図12(b)参照)。なおこの際、直線偏光層51,53は共通の部材となるため、図12(c)に示すように、二つある直線偏光層51,53の内、一層(例えば、直線偏光層53)を省略することもできる。
なお吸収型偏光層17としては一般的に市販されているものでよく、直線偏光板や円偏光板を用いることができる。
次に上記各実施の形態に用いられる偏光選択反射層(第一偏光選択反射層11、第二偏光選択反射層12及び第三偏光選択反射層13)、投影機(第一投影機31及び第二投影機32)及び分割投影機33について、更に詳細に説明する。
(偏光選択反射層)
偏光選択反射層11,12,13のコレステリック液晶構造は、上述したように螺旋軸の方向が異なる複数の螺旋構造領域を含んでいるが、この螺旋構造領域は、可視光域(例えば例えば400〜700nmの波長域)の一部のみをカバーする特定の波長域の光を選択的に反射するように、特定の螺旋ピッチ長を有していることが好ましい。より具体的には、偏光選択反射層11,12,13のコレステリック液晶構造は、投影機31,32,33により照射される映像光26,27の波長域に対応する波長域の光のみを選択的に反射するように、不連続的に異なる少なくとも2種類以上の螺旋ピッチ長を有していることが好ましい。なお、投影機31,32,33は一般に、光の三原色である赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域の光によりカラー表示を実現しているので、例えば、偏光選択反射層11,12,13に対して光が垂直に入射する場合を基準にして、選択反射中心波長が430〜470nm、530〜570nm及び580〜640nmの範囲に存在する光を選択的に反射するように、コレステリック液晶構造の螺旋ピッチ長を決定すればよい。
なお、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域として用いられる、430〜470nm、530〜570nm及び580〜640nmは、光の三原色によって白色を表現するディスプレイに用いられるカラーフィルターや光源などの波長域として一般的なものである。ここで、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色は特定の波長(例えば緑色(G)は代表的なものでは550nm)にピークを持つ輝線として表される。しかしながら、このような輝線にはある程度の幅があり、また、装置の設計や光源の種類などによって波長に差があることから、各色について、30〜40nmの波長バンド幅を持つことが好ましい。なお、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色の波長域を上述した範囲以外に設定した場合には、白色を表現することができず、白色が、黄味がかった白色や赤味がかった白色などになってしまう。
ここで、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域が互いに独立した選択反射波長域として表される場合には、偏光選択反射層11,12,13のコレステリック液晶構造は、不連続的に異なる3種類の螺旋ピッチ長を有することが好ましい。なお、赤色(R)及び緑色(G)の波長域は一つの螺旋ピッチ長での選択反射波長域の波長バンド幅に含まれる場合があるが、この場合には、コレステリック液晶構造は、不連続的に異なる2種類の螺旋ピッチ長を有することが好ましい。
なお、偏光選択反射層11,12,13のコレステリック液晶構造が不連続的に異なる2種類以上の螺旋ピッチ長を有する場合には、偏光選択反射層11,12,13は、螺旋ピッチ長が互いに異なる少なくとも2層以上の部分選択反射層を互いに積層することにより構成することができる。具体的には、図7に示すように、青色(B)の波長域の光を選択的に反射する部分選択反射層14aと、緑色(G)の波長域の光を選択的に反射する部分選択反射層14bと、赤色(R)の波長域の光を選択的に反射する部分選択反射層14cとを順に積層するようにするとよい。なお、部分選択反射層14a,14b,14cの積層の順番は必ずしもこれに限られるものではなく、適宜任意の順番をとることができる。
なお、偏光選択反射層11,12,13(又は偏光選択反射層11,12,13を構成する各部分選択反射層14a,14b,14c)の厚さは、選択的に反射される特定の偏光状態の光を50〜100%反射する程度の大きさ(反射率が飽和する程度の大きさ)とすることが好ましい。なお、偏光選択反射層11,12,13(又は偏光選択反射層11,12,13を構成する各部分選択反射層14a,14b,14c)の反射率は直接的には螺旋ピッチ数に依存しているが、螺旋ピッチ長が固定であるとすれば間接的には偏光選択反射層11,12,13の厚さに依存している。例えば100%の反射率を得る場合には、4〜8ピッチ程度必要となり、液晶性組成物の材料の種類や選択反射波長域にもよるが、例えば赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のいずれかの波長域の光を反射する一層分の部分選択反射層14a,14b,14cであれば1〜10μm程度の厚さが必要となる。一方で、部分選択反射層14a,14b,14cの厚さは、厚くなればなるほどよいというわけではなく、厚くなりすぎると配向の制御などが困難となったり、ムラが生じたり、また材料自体による光吸収の程度が大きくなるので、上述した範囲が適切である。
(投影機)
投影機31,32としてプロジェクターを用いる場合には、その動作原理から、実質的に直線偏光が出射されている場合が多い。このような場合には、図8に示すように、投影機31,32から出射された映像光26,27に対して投影位相差板39などを介在させることにより、光量の損失なく直線偏光を円偏光へと変換することができる。
なお、投影位相差板39としては、1/4波長位相差を持つものが好ましく用いられ、具体的には視感度が最も高い550nmに合わせて137.5nmの位相差を持つものが理想的である。また、出射される赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の全ての波長域の光に適用することができるという意味で、広帯域1/4波長位相差板がさらに好ましい。さらに、材料の複屈折を制御することで得られる単体の位相差板、又は、1/4波長位相差板と1/2波長位相差板とを組み合わせたものなどを用いることもできる。
このような投影位相差板39は、図8に示すように、外付けで投影機31,32の出射口に装着される他、投影機31,32の内部に組み込まれていてもよい。
なお、投影機31,32としてCRTやDLPプロジェクターが用いられる場合には、投影機31,32から出射される光が無偏光状態の光であるので、円偏光を出射する場合には、直線偏光板及び位相差板からなる円偏光板を配置する必要がある。この場合、投影機31,32自体の光量は半減するが、投影スクリーン10の偏光選択反射層11,12,13で選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光(例えば左円偏光)に起因した迷光などの発生を効果的に防止して映像のコントラストを高めることができる。
ここで、投影機31,32は一般に、光の三原色である赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域の光によりカラー表示を実現しており、例えば、投影スクリーン10に対して光が垂直に入射する場合を基準にして、選択反射中心波長が430〜470nm、530〜570nm及び580〜640nmの範囲に存在する光を照射している。このため、投影スクリーン10においては、投影機31,32により照射される映像光の波長域に対応する波長域の光のみを選択的に反射するようにすることが好ましい。これにより、外光や照明光などの環境光のうち上述した波長域から外れた範囲にある可視光域の光の反射を防止して映像のコントラストを高めることができる。
(分割投影機)
図9に示すように、分割投影機33は、投影スクリーン10上に映像光26,27を投射するものであり、照明光源42と、照明光源42から出射された映像光の偏光状態を制御する偏光制御ホイル45とを有している。
このうち、照明光源42は、投影スクリーン10上に投射されるべき映像光を出射するものであり、例えば、液晶プロジェクター、CRTプロジェクター、DMD素子によるプロジェクター、LEDプロジェクター、レーザープロジェクターなどの任意のものを用いることができる。
偏光制御ホイル45は、照明光源42から出射された映像光の偏光状態を制御して、旋光方向の異なる2種類の円偏光(右円偏光21R,22R及び左円偏光21L,22L)を含む映像光26,27を生成するものであり、偏光特性の異なる複数の領域に分割された偏光層や位相差層などからなる光学素子からなっている。より具体的には、偏光制御ホイル45は、図10に示すように、右円偏光21R,22Rのみを通過させる右円偏光領域45aと、左円偏光21L,22Lのみを通過させる左円偏光領域45bとを有する円板状部材からなり、これらが全体として一定の速度で回転することにより、映像光26,27に含まれる右円偏光21R,22R及び左円偏光21L,22Lが交互に時分割的に出射されるように構成されている。なお、偏光制御ホイル45は、図9に示すように、照明光源42の出射口の手前に配置される他、照明光源42の内部に内蔵されていてもよい。
ここで、分割投影機33から投影スクリーン10上に投射される映像光26,27は、互いに異なる2種類の偏光を含んでいればよく、上述したような2種類の円偏光(右円偏光21R,22R及び左円偏光21L,22L)を含む場合に限らず、偏光軸が直交する2種類の直線偏光を含んでいてもよい。また、厳密な意味での円偏光及び直線偏光である必要はなく、楕円偏光(右楕円偏光及び左楕円偏光)などでもよい。
また、分割投影機33から投影スクリーン10上に投射される映像光26,27の波長域は、特に限定されるものではないが、光の三原色である赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域を含むことが好ましい。なお、分割投影機33の照明光源42として一般的に用いられる液晶プロジェクターなどは、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域にピーク強度を持っているので、分割投影機33から投影スクリーン10上に投射される映像光26,27は、このような波長域に対応する波長域を持つ光とするとよい。具体的には例えば、投影スクリーン10に対して光が垂直に入射する場合を基準にして、選択反射中心波長が430〜470nm、530〜570nm及び580〜640nmの範囲に存在する光を映像光26,27として投射するようにするとよい。なお、分割投影機33から投影スクリーン10上に投射される映像光26,27は、上述したようなフルカラー光に限らず、レーザなどの単色光でもよい。
なお、上述したような分割投影機33において、照明光源42から偏光制御ホイル45へ出射される映像光は、照明光源42としてCRTプロジェクターやDLP(テキサス・インスツルメンツ社の商標)プロジェクターが用いられる場合には、無偏光状態の光となる。この場合、偏光制御ホイル45としては、直線偏光層及び1/4波長位相差層が入射側からこの順番で配置された円偏光フィルターが用いられ、これにより、無偏光状態の光が円偏光に変換される。ここで、偏光制御ホイル45は、図10に示すような複数の領域(右円偏光領域45a又は左円偏光領域45b)を有し、全体として一定の速度で回転する。また、照明光源42から偏光制御ホイル45へ出射される映像光は、偏光制御ホイル45の各領域を通して偏光成分の異なる所望の映像光(反射用映像光又は透過用映像光)が時分割的に出射されるよう、偏光制御ホイル45の回転に合わせて、時分割的に制御される。なお、このような偏光制御ホイル45は、図10に示すように、2つの領域(右円偏光領域45a及び左円偏光領域45b)に分割される他、より多数の領域(例えば4つ又は8つの領域)に分割されてもよい。
一方、分割投影機33の照明光源42として液晶プロジェクターが用いられる場合には、照明光源42から偏光制御ホイル45へ出射される映像光は、特定の偏光状態の光(直線偏光)となる。この場合、偏光制御ホイル45としては、位相差層からなる位相差フィルターが用いられ、これにより、直線偏光が円偏光に変換される。ここで、偏光制御ホイル45は、偏光軸の異なる2種類の円偏光(右円偏光又は左円偏光)を得るための複数の領域(例えば、遅相軸が+45°、−45°の2種類の位相差領域)を有し、全体として一定の速度で回転する。また、照明光源42から偏光制御ホイル45へ出射される映像光は、偏光制御ホイル45の各領域を通して偏光成分の異なる所望の映像光(反射用映像光又は透過用映像光)が時分割的に出射されるよう、偏光制御ホイル45の回転に合わせて、時分割的に制御される。なおこのとき、偏光制御ホイル45の各領域(例えば、遅相軸が+45°、−45°の2種類の位相差領域)は所定の向きの遅相軸を有しており、この遅相軸は、照明光源42から偏光制御ホイル45へ出射される直線偏光の軸と特定の角度をなす。このため、照明光源42から偏光制御ホイル45へ出射される直線偏光の軸と偏光制御ホイル45の各領域の遅相軸とが特定の角度(例えば45°)をなすタイミングでのみ照明光源42から直線偏光が投射されるよう、照明光源42と偏光制御ホイル22との間にシャッターを設け、偏光制御ホイル45の回転速度に合わせて当該シャッタを開閉するようにするとよい。なお、このような偏光制御ホイル45は、2つの領域に分割されてもよいが、より好ましくは、より多数の領域(例えば8つの領域)に分割されるとよい。
また、上述したような分割投影機33において、投影スクリーン10上に投射される映像光26,27に含まれる右円偏光21R,22R及び左円偏光21L,22Lは、互いに異なる映像を担う光である。ここで、照明光源42による第一映像光26と第二映像光27とを時分割的に交互に投射するとともに、それぞれの映像光26,27の投影タイミングに合わせて偏光制御ホイル45を回転させるとよい。これにより、異なる映像を担うそれぞれの映像光26,27が、偏光制御ホイル45の対応する領域(右円偏光領域45a又は左円偏光領域45b)を通過して、異なる偏光成分の光として投影スクリーン10上に投射することができる。なお、このような1台の分割投影機33(照明光源42)による偏光映像の制御方法については例えば特願2003−391998号にも詳細に記載されている。
なお、上述した第一投影機31、第二投影機32及び分割投影機33において、プロジェクター光源、又はカラーフィルターなど色制御部材の波長域を調整することによって、選択反射波長域内の右円偏光21Rや、選択反射波長域内の左円偏光21Lを選択的に照射することができる。
(実施例1)
DNP製のクリスタルイリュージョンスクリーン(第一透明スクリーン)1を15mmの無色透明のアクリルホボードに貼り付け、そのアクリルポードの裏面に延伸PETフィルム(位相差層)15を設ける。この延伸PETフィルム15の裏面にDNP製のクリスタルイリュージョンスクリーン(第二スクリーン)2を設ける。延伸PETフィルム15として東レ製T60を用いた。以上によりスクリーンA(投影スクリーン10)(サイズ1600mm×900mm)を得た。
次にプロジェクター(東芝製T621)を2台用意し、一方のプロジェクターのレンズの前には右円偏光板を設け第一プロジェクター(第一投影機)31とし、他方のプロジェクターのレンズの前には左円偏光板を設け第二プロジェクター(第二投影機)32とした。なおこのような構成によって、第一プロジェクターは右円偏光21R,22Rを主成分とする第一映像光26を照射することができ、第二プロジェクターは左円偏光21L,22Lを主成分とする第二映像光27を照射することができる。
図3(b)乃至(d)に示したように、第一プロジェクター31によって照射される第一映像光26が作り出す第一映像36を黒塗りの円の映像とし、第二プロジェクター32によって照射される第二映像光27が作り出す第二映像37を黒塗りの四角の映像とした。第一プロジェクター31及び第二プロジェクター32による投影は明室で行い、スクリーンAの裏面から背景の光が入射する環境とした。
以上の状態でスクリーンAの正面から映像を確認すると、第一映像光26によって映し出される黒塗りの円(第一映像36)が手前に、また黒塗りの四角(第一映像37)が奥側にあるように認臓でき、立体感のある映像を得ることができた。また、背景の景色もぼやけることなくはっきり確認することができた。
(実施例2)
第二スクリーン2を、有沢製作所製の反射スクリーン1−FCS−60とした以外は実施例1と同構成のものを作製し、スクリーンB(投影スクリーン10)(サイズ1600mm×900mm)を得た。次に実施例1と同様に第一プロジェクター31と第二プロジェクター32によって、映像光20を投影した。第二スクリーン2に透明性がないので背景を見ることはできないが、高コントラストの大画面の立体感のある映像を確認できた。
本発明による投影スクリーンの第1の実施の形態を示す概略断面図。 本発明による投影スクリーンの第二スクリーンとして透明性を有するものを用いた場合の概略断面図。 本発明による投影スクリーンの第1の実施の形態を示す概略図。 本発明による投影スクリーンの第2の実施の形態を示す概略断面図。 本発明による投影スクリーンの第3の実施の形態を示す概略断面図。 本発明による投影スクリーンの第4の実施の形態を示す概略断面図。 本発明による偏光選択反射層の層構成を示す概略断面図。 本発明による投影機を示す概略断面図。 本発明による分割投影機を示す概略断面図。 本発明による偏光制御ホイルを示す斜視図。 本発明による投影スクリーンの第1の実施の形態の変形例を示す概略断面図。 本発明による投影スクリーンの第4の実施の形態における吸収型偏光層の層構成を説明するための概略断面図。
符号の説明
1 第一透明スクリーン
2 第二スクリーン
10 投影スクリーン
11 第一偏光選択反射層
12 第二偏光選択反射層
13 第三偏光選択反射層
15 位相差層
16 遮光層
17 吸収型偏光層
20 映像光
21R 選択反射波長域内の右円偏光
22R 選択反射波長域外の右円偏光
21L 選択反射波長域内の左円偏光
22L 選択反射波長域外の左円偏光
26 第一映像光
27 第二映像光
30 立体投影システム
31 第一投影機
32 第二投影機
50 吸収型円偏光層
51 第一位相差層
52,53 吸収型直線偏光層
54 第二位相差層

Claims (14)

  1. 一方の偏光成分及び他方の偏光成分を含む光に対し、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射し、その他の光を通過させる第一透明スクリーンと、
    第一透明スクリーンの裏面側に設けられ、第一透明スクリーンを通過した光を拡散反射する第二スクリーンとを備え、
    第一透明スクリーンと第二スクリーンは、互いに離間して配置されていることを特徴とする投影スクリーン。
  2. 第一スクリーンは、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第一偏光選択反射層を有することを特徴とする請求項1記載の投影スクリーン。
  3. 第二スクリーンは、第一透明スクリーンを通過した光のうち、他方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第二偏光選択反射層を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の投影スクリーン。
  4. 第一透明スクリーンは、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第一偏光選択反射層を有し、
    第二スクリーンは、一方の偏光成分を持つ光を拡散反射する第三偏光選択反射層を有し、
    第一偏光選択反射層と第三偏光選択反射層との間に、第一偏光選択反射層を通過した他方の偏光成分の光を一方の偏光成分の光に変換する位相差層が配置されていることを特徴とする請求項1記載の投影スクリーン。
  5. 第一偏光選択反射層と第三偏光選択反射層とは、同一の構造を持つことを特徴とする請求項4記載の投影スクリーン。
  6. 第二スクリーンは、透明性を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の投影スクリーン。
  7. 第二スクリーンは、裏面側に遮光層を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の投影スクリーン。
  8. 一方の偏光成分を持つ光及び他方の偏光成分を持つ光は円偏光であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の投影スクリーン。
  9. 一方の偏光成分を持つ光及び他方の偏光成分を持つ光は直線偏光であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の投影スクリーン。
  10. 第一透明スクリーンと第二スクリーンとの間に、一方の偏光成分を持つ光を吸収して遮断する吸収型偏光層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の投影スクリーン。
  11. 吸収型偏光層は吸収型円偏光層であり、
    当該吸収型円偏光層は、第一透明スクリーン側に配置された第一位相差層と、当該第一位相差層の第二スクリーン側に配置された吸収型直線偏光層とを有することを特徴とする請求項10記載の投影スクリーン。
  12. 前記吸収型直線偏光層の第二スクリーン側に配置された第二位相差層を更に備えたことを特徴とする請求項11記載の投影スクリーン。
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載の投影スクリーンと、
    一方の偏光成分を持つ光を主成分とする第一映像光を照射する第一投影機と、
    他方の偏光成分を持つ光を主成分とする第二映像光を照射する第二投影機と、
    を備えたことを特徴する立体投影システム。
  14. 請求項1乃至11のいずれかに記載の投影スクリーンと、
    一方の偏光成分を持つ光を主成分とする第一映像光と他方の偏光成分を持つ光を主成分とする第二映像光とを、交互に投影する分割投影機と、
    を備えたことを特徴とする立体投影システム。
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