JP3789332B2 - 三次元表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元表示装置に係わり、特に、プロジェクタを用いて、複数の表示面に表示される二次元像の輝度を、それぞれ独立に変化させて三次元立体像を表示する三次元表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
観察者から見て異なった奥行き位置にある複数の表示面に、二次元像を表示し、かつ、それぞれの表示面に表示される二次元像の輝度を独立に変化させて、三次元立体像を連続的に表示可能な三次元表示装置が、例えば、特許第3022558号明細書(以下、文献(イ)という。)に開示されている。
この文献(イ)に記載されている三次元表示装置は、光学的に、複数の表示面、例えば、表示面Aと、表示面Bの2個の表示面を観察者から見て異なった奥行き位置に配置する。
ここで、表示面Aのほうが、表示面Bよりも観察者側に近いものとする。
【0003】
そして、表示面Aと表示面Bの間に存在する三次元物体の三次元立体像を表示する場合には、三次元物体を観察者から見て表示面Aと表示面Bとに射影した二次元像を生成し、これらの二次元像を、表示面Aと表示面Bとに各々表示し、かつ、これらの二次元像の輝度を三次元物体の奥行き位置に応じて変化させる。
このようにすることで、二次元像は、表示面Aと表示面Bの奥行き位置のみに表示されるにも拘わらず、観察者には、三次元立体像が、三次元物体の奥行き位置にあると感じさせることができる。
このように、前述の文献(イ)に記載の三次元表示装置では、立体視の生理的要因間の矛盾を抑制でき、かつ情報量を少なくでき、電気的に書き換え可能な三次元動画像を再生することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図10は、前述の文献(イ)に記載されている三次元表示装置の一例を示す図であり、前述の文献(イ)の図21に記載されている三次元表示装置を示す図である。
図10に示す三次元表示装置は、複数のプロジェクタ型二次元表示装置(例えば、CRT型、LCD型、ILV型、DMD型など)(161〜165)と、散乱板(166〜170)とを用いて、前述した表示面を構成したものである。
ここで、散乱板(166〜170)は、例えば、高分子分散型液晶素子、あるいはホログラフィック高分子分散型液晶素子、あるいは液晶とマルチレンズアレイの組み合わせ素子などのように散乱/透過、あるいは反射/透過を制御でき、またシャッタ(171〜175)は、例えば、ツイストネマティック液晶素子、あるいは強誘電液晶素子、あるいは機械的シャッタ素子などのように透過/遮断を制御できるものとする。
【0005】
図10に示す三次元表示装置では、散乱板(166〜170)を奥行き位置を変えて配置し、これらの散乱板(166〜170)にプロジェクタ型二次元表示装置(161〜165)の各々のピント面を合わせて、プロジェクタ型二次元表示装置(161〜165)から映像を投射し、かつ、散乱板(166〜170)の散乱/透過のタイミングとシャッタ(171〜175)の透過/遮断のタイミングを合わせて駆動することにより、時分割で、散乱板(166〜170)上に形成される像面の奥行き位置を制御できる。
したがって、三次元物体を観察者から見て散乱板(166〜170)に射影した二次元像を生成し、これらの二次元像を、時分割で散乱板(166〜170)に各々表示することにより、観察者には、三次元立体像が、三次元物体の奥行き位置にあると感じさせることができる。
このように、プロジェクタを用いる場合には、装置のレイアウトの自由度が大きい利点を有する。
【0006】
しかしながら、図10に示す三次元表示装置では、時分割で散乱板(166〜170)を散乱/透過状態に制御する必要があり、そのため、図10に示す三次元表示装置では、散乱板(166〜170)を散乱/透過状態にするため制御装置が必要となり、装置構成が複雑になるという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、プロジェクタを用いて、複数の表示面に表示される二次元像の輝度を、それぞれ独立に変化させて三次元立体像を表示する三次元表示装置において、簡単な構成で、観察者に三次元立体像を表示することが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
即ち、本発明は、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示面に対して、表示対象物体を観察者の視線方向から射影した二次元像を生成する第1の手段と、前記第1の手段で生成された二次元像を前記各表示面に表示する第2の手段と、前記各表示面に表示される二次元像の輝度を前記各表示面毎にそれぞれ独立に変化させる第3の手段とを備える三次元表示装置であって、前記第2の手段は、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の反射型ホログラフィック拡散板と、前記観察者側の方から、前記各反射型ホログラフィック拡散板に二次元像を投影する複数のプロジェクタとで構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記各プロジェクタの少なくとも一つは、前記反射型ホログラフィック拡散板側に配置されるシャッタを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態では、前記第3の手段は、前記表示対象物体が、前記観察者に近い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くし、前記観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、また、前記表示対象物体が、前記観察者から遠い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くすることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記第3の手段は、前記観察者の見る総体的な輝度が元の表示対象物体の輝度と等しくなるように、前記各表示面に表示される二次元像の輝度を変化させることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本実施の形態では、像を配置する「表示面」という表現を用いるが、これは光学などで多用される像面などと同様な表現であり、かつこのような像面を実現する手段としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲鏡、プリズム、偏光素子、波長板などの種々の光学素子と、二次元表示装置とを用いて、多くの光学的組み合わせ技術により、実現可能なことは明らかである。
また、提示する三次元立体像を主に2つの表示面に二次元像として表示する場合について述べるが、これを2つ以上の表示面としても同様な効果が期待できることは明らかである。
【0010】
[本発明の実施の形態の三次元表示方法の原理]
図2は、本発明の実施の形態の三次元表示方法の原理を説明するための図である。
本実施の形態では、図1に示すように、観察者100の前面に複数の表示面、例えば、表示面(101,102)(面101が面102より観察者100に近い)を設定し、これらの表示面(101,102)にそれぞれ二次元像を表示する。
これらの表示面(101,102)に複数の二次元像を表示するためには、二次元表示装置と種々の光学素子を用いて光学系を構築する。
【0011】
この二次元表示装置としては、例えば、CRT(陰極線管)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、LED(Light Emission Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、FED(Field Emission Display)、DMD(Digital Mirror Display)、プロジェクション型ディスプレイ、線描画型ディスプレイなどを用い、光学素子としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲鏡、プリズム、偏光素子、波長板などを用いる。
なお、図1は、前述の文献(イ)(特許第3022558号明細書)に記載されているものと同じ構成のものであり、また、この表示面の設定方法については、前述の文献(イ)を参照されたい。
【0012】
以下、本実施の形態の三次元表示方法について説明する。
初めに、図3に示すように、観察者100に提示したい三次元物体104を、観察者100の両眼の視線方向から、前記の表示面(101,102)へ射影した像(以下、「2D化像」と呼ぶ)である2D化像(105,106)を生成する。
この2D化像の生成方法としては、例えば、視線方向から三次元物体104をカメラで撮影した二次元像を用いる方法、あるいは別の方向から撮影した複数枚の二次元像から合成する方法、あるいはコンピュータグラフィックによる合成技術やモデル化を用いる方法など種々の方法がある。
【0013】
前記2D化像(105,106)を、図2に示すように、各々表示面101と表示面102の双方に、観察者100の右眼と左眼とを結ぶ線上の一点から見て重なるように表示する。
これは、例えば、2D化像(105,106)の各々の中心位置や重心位置の配置と、各々の像の拡大・縮小を制御することで可能となる。
本実施の形態では、前記構成を有する装置上で、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元物体104の奥行き位置に対応して変えて、表示面101と表示面102の間に存在する三次元物体104の三次元立体像を表示する。
【0014】
その2D化像(105,106)の各々の輝度の変え方の一例について説明する。
例えば、三次元物体104が表示面101上にある場合には、図4に示すように、この上の2D化像105の輝度を三次元物体104の輝度に等しくし、表示面102上の2D化像106の輝度はゼロとする。
なお、図4ないし図7では、白黒図面であるため、分かりやすいように、輝度の高い方を濃く示してある。
次に、例えば、三次元物体104が観察者100より少し遠ざかって表示面101より表示面102側に少し寄った位置にある場合には、図5に示すように、2D化像105の輝度を少し下げ、2D化像106の輝度を少し上げる。
さらに、例えば、三次元物体104が観察者100よりさらに遠ざかって表示面101より表示面102側にさらに寄った位置にある場合には、図6に示すように、2D化像105の輝度をさらに下げ、2D化像106の輝度をさらに上げる。
【0015】
さらに、例えば、三次元物体104が表示面102上にある場合には、図7に示すように、この上の2D化像106の輝度を三次元物体104の輝度に等しくし、表示面101上の2D化像105の輝度はゼロとする。
なお、前述の説明において、表示面(101,102)上に表示される2D化像の輝度をゼロとすることは、表示面(101,102)上に何も表示しないことを意味する。
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(105,106)であっても、観察者100にはあたかも表示面(101,102)の中間に三次元物体104が位置しているように感じられる。
即ち、例えば、表示面(101,102)にほぼ等輝度の2D化像(105,106)を表示した場合には、表示面(101,102)の奥行き位置の中間付近に三次元物体104があるように感じられる。この場合に、この三次元物体104は、観察者100には立体感を伴って知覚される。
【0016】
なお、前記説明においては、例えば、三次元物体全体の奥行き位置を、例えば、表示面(101,102)に表示した二次元像を用いて表現する方法について主に述べたが、本実施の形態は、例えば、三次元物体自体が有する奥行きを表現する方法としても使用できることは明らかである。
三次元物体自体が有する奥行きを表現する場合における重要な要点は、図2に示す構成を有する装置上で、2D化像(105,106)の各々の部位の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元物体104の各部位が有する奥行き位置に対応して変えることである。
その2D化像(105,106)の各々の輝度の変え方の一例について説明する。
【0017】
図8(a)が観察者100に近い表示面、例えば、表示面101に表示される2D化像の一例であり、図8(b)が観察者100に遠い表示面、例えば、表示面102に表示される2D化像の一例である。
例えば、三次元物体として、図8に示したようなケーキを例に取ると、上に立てたロウソクを除き、ケーキ(三次元物体)の上面及び下面は、例えば、ほぼ平坦であり、かつその側面は、例えば、円柱状であり、ロウソクは、例えば、上面の円周近傍に配置する。
この場合の2D化像では、上面及び下表示面においては、上方の方が奥に位置し、かつその側面では真ん中が手前で端に行くに従って奥に位置し、さらに隠れている上方の真ん中は奥に位置することとなる。
【0018】
この場合、上面及び下表示面における輝度変化は、観察者100に近い表示面、例えば、表示面101においては、図8(a)に示すように、観察者100に近い部位(2D化像では、例えば下方)が輝度が高く、かつ遠い部位(2D化像では、例えば上方)が輝度が低くなるようにその奥行き位置に対応して徐々に変化させる。
また、観察者に遠い表示面、例えば表示面102においては、図8(b)に示すように、観察者に近い部位(2D化像では、例えば下方)が輝度が低く、かつ遠い部位(2D化像では、例えば上方)が輝度が高くなるようにその奥行き位置に対応して徐々に変化させる。
【0019】
次に、円柱部分の輝度変化もその奥行き位置に対応して、観察者100に近い表示面、例えば、表示面101においては、図8(a)に示すように、観察者100に近い部位(例えば、真中付近)が輝度が高く、かつ遠い部位(例えば、左右の端付近)が輝度が低くなるように徐々に変化させる。
また、観察者100に遠い表示面、例えば、表示面102においては、図8(b)に示すように、観察者100に近い部位(例えば、真中付近)が輝度が低く、かつ遠い部位(例えば、左右の端付近)が輝度が高くなるように徐々に変化させる。
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが二次元像であっても、観察者100にはあたかも上面、下表示面がほぼ平らな円柱状のケーキがあるように感じられる。
【0020】
なお、前述の説明では、二次元像を配置する表示面の中で主に2つの表示面に関してのみ記述し、かつ観察者に提示する物体が2つの表示面の間にある場合について述べたが、二次元像を配置する表示面の個数がこれよりも多く、あるいは提示する物体の位置が異なる場合であっても、同様な手法により三次元立体像を表示することが可能であることは明らかである。
例えば、表示面が3つで、観察者100に近い表示面と、中間の表示面との間に第1の三次元物体が、中間の表示面と、観察者100に遠い表示面との間に第2の三次元物体が存在する場合には、観察者100に近い表示面と、中間の表示面とに、第1の三次元物体の2D化像を表示し、中間の表示面と、観察者100に遠い表示面とに第2の三次元物体の2D化像を表示することで、第1および第2の三次元物体の三次元立体像を表示することができる。
【0021】
さらに、本実施の形態においては、2D化像が三次元的に移動する場合に関しては特に述べなかったが、観察者の左右上下方向への移動に関しては通常の二次元表示装置の場合と同様に表示面内での動画再生によって可能であり、奥行き方向への移動に関しては、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元立体像の奥行き位置の時間的変化に対応して変化させることにより、三次元像の動画を表現できることは明らかである。
例えば、三次元立体像が表示面101より表示面102まで時間的に移動する場合について説明する。
三次元立体像が表示面101上にある場合には、表示面101上の2D化像105の輝度を三次元立体像の輝度に等しくし、表示面102上の2D化像106の輝度はゼロとする。
【0022】
次に、例えば、三次元立体像が、次第に観察者100より時間的に少し遠ざかり、表示面101より表示面102側に時間的に少し寄ってくる場合には、三次元立体像の奥行き位置の移動に対応させて2D化像105の輝度を時間的に少し下げ、かつ2D化像106の輝度を時間的に少し上げる。
次に、例えば、三次元立体像が観察者100より時間的にさらに遠ざかり、表示面101より表示面102側にさらに寄った位置に時間的に移動する場合には、三次元立体像の奥行き位置の移動に対応させて2D化像105の輝度を時間的にさらに下げ、かつ2D化像106の輝度を時間的にさらに上げる。
また、例えば、三次元立体像が、遂に表示面102上まで時間的に移動してきた場合には、三次元立体像の奥行き位置の移動に対応させてこの上の2D化像106の輝度を三次元立体像の輝度に等しくなるまで時間的に変化させ、かつ表示面101上の2D化像105の輝度がゼロとなるまで変化させる。
【0023】
このように表示することにより、人の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(105,106)であっても、観察者100にはあたかも表示面(101,102)の間を、表示面101から表示面102に三次元立体像が奥行き方向に移動するように感じられる。
なお、前述の説明では、三次元立体像が表示面101から表示面102まで移動する場合について述べたが、これが表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置から表示面102まで移動する場合や、表示面101から表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置まで移動する場合や、表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置から表示面(101,102)の間の途中の別な奥行き位置まで移動する場合であっても、同様なことが可能なことは明らかである。
【0024】
また、前述の説明では、2D化像を配置する表示面の中で主に2つの表示面に関してのみ記述し、かつ観察者100に提示する三次元立体像が2つの表示面の間を移動する場合について述べたが、二次元像を配置する表示面の個数がこれよりも多く、あるいは提示する三次元物体が複数の表示面をまたがって移動する場合であっても、同様な手法により、三次元立体像を表示可能であり、同様な効果が期待できることは明らかである。
さらに、前述の説明では、1個の三次元立体像が二次元像を配置する2つの表示面内で移動する場合について説明したが、複数個の三次元物体が移動する場合、即ち、表示される二次元像が、それぞれ移動方向の異なる複数の物体像を含む場合には、各表示面に表示される物体像の輝度を、物体像毎に、その物体の移動方向および移動速度に応じて変化させればよいことは明らかである。
なお、本実施の形態の三次元表示方法の詳細な説明については、前述の文献(イ)(特許第3022558号明細書)を参照されたい。
【0025】
[本実施の形態の三次元表示装置の特徴]
図1は、本発明の実施の形態の三次元表示装置の概略構成を示す図である。
本実施の形態の三次元表示装置は、図2に示す表示面(101,102)を、プロジェクタ型二次元表示装置と、反射型ホログラフィック拡散板とを用いて構成したものである。
同図に示すように、図1に示す三次元表示装置は、散乱板(166〜170)に代えて、反射型ホログラフィック拡散板(131,132)を使用する点で、図10に示す三次元表示装置と相異する。
ここで、それぞれの反射型ホログラフィック拡散板(131,132)は、その各部分が各々設定された一定の方向からの光は反射・散乱させるのに対して、その他の方向からの光は透過させる。
したがって、図1に示す三次元表示装置では、それぞれの反射型ホログラフィック拡散板(131,132)に対応するプロジェクタ(161,162)からの光は、それぞれの反射型ホログラフィック拡散板(131,132)で反射(または、散乱)し、その他の光は透過する。
【0026】
したがって、図1に示す三次元表示装置において、反射型ホログラフィック拡散板(131,132)に、プロジェクタ型二次元表示装置(161,162)の各々のピント面を合わせて、プロジェクタ型二次元表示装置(161,162)から二次元像を投射し、かつ、反射型ホログラフィック拡散板(131,132)に投影される二次元像の輝度を、各反射型ホログラフィック拡散板(131,132)毎に、独立に変化させることにより、前述の[本発明の実施の形態の三次元表示方法の原理]で述べた原理により、三次元立体像を表示することが可能である。
その上、図1に示す三次元表示装置では、図10に示す三次元表示装置のように、時分割で散乱板(166〜170)を散乱/透過状態に制御する必要がなく、そのため、シャッタ(171〜175)も必要ではないので、装置構成を簡略化することが可能となる。
なお、図1では、対を成すプロジェクタ型二次元表示装置(161,162)と反射型ホログラフィック拡散板(131,132)とが2個の場合の構成を図示しているが、対を成すプロジェクタ型二次元表示装置と反射型ホログラフィック拡散板とが2個以上であってもよいことはいうまでもない。
この場合に、二次元像を投影しないプロジェクタは、ランプをOFFにする必要がある。
【0027】
図9は、本実施の形態の三次元表示装置の変形例を示す図である。
図9に示す三次元表示装置は、プロジェクタ型二次元表示装置(161,162)の前方(換言すれば、プロジェクタ型二次元表示装置(161,162)と、反射型ホログラフィック拡散板(131,132)との間)にシャッタ(171,172)を設けた点で、図1に示す三次元表示装置と相異する。
ここで、シャッタ(171,172)は、透過/遮断が制御可能であり、例えば、ツイストネマティック液晶素子、あるいは強誘電液晶素子、あるいは機械的シャッタ素子などが使用される。
即ち、図9に示す三次元表示装置は、プロジェクタ型二次元表示装置(161,162)が二次元像を投影、あるいは、投影しない場合、ランプをON/OFFする代わりに、シャッタ(171,172)を透過/遮断状態にするようにしたものである。
【0028】
図9に示す三次元表示装置においても、シャッタ(171,172)が透過状態の時に、反射型ホログラフィック拡散板(131,132)に投影される二次元像の輝度を、各反射型ホログラフィック拡散板(131,132)毎に、独立に変化させることにより、前述の[本発明の実施の形態の三次元表示方法の原理]で述べた原理により、三次元立体像を表示することが可能である。
なお、図9に示す三次元表示装置では、図10に示す三次元表示装置のように、時分割で散乱板(166〜170)を散乱/透過状態とするタイミングに合わせて、シャッタ(171〜175)を透過/遮断状態とする必要がないので、図10に示す三次元表示装置に比して、シャッタ(171,172)を制御するための制御機構を簡略化することが可能となる。
なお、図9では、対を成すプロジェクタ型二次元表示装置(161,162)と反射型ホログラフィック拡散板(131,132)とが2個の場合の構成を図示しているが、対を成すプロジェクタ型二次元表示装置と反射型ホログラフィック拡散板とが2個以上であってもよいことはいうまでもない。
【0029】
さらに、本実施の形態において、透過型ホログラフィック拡散板を使用することも考えられるが、反射型ホログラフィック拡散板を用いることにより、下記のような効果を得ることが可能である。
(1)反射型ホログラフィック拡散板は、透過型ホログラフィック拡散板に比して、光が通過する層数が大幅に増えるため、方向と波長に対する選択性が格段に向上する。
(2)反射型ホログラフィック拡散板は、透過型ホログラフィック拡散板に比して、後面からの光の方向とプロジェクタからの光の方向に大きな角度差があるため、選択制を大きく取りやすい。
即ち、透過型ホログラフィック拡散板では、後面からの成分が前面部分で若干散乱されて白茶けた画像になるのに対して、反射型ホログラフィック拡散板では、前面部分を透過しても散乱されないため、後面の画像をかなり鮮明な画像とみることが可能である。
また、プロジェクタの輝線に合わせることにより、画像を効率的で鮮明な画像とすることが可能である。
【0030】
なお、本実施の形態において、前記した2D化像(105,106)を観察者100の右眼と左眼を結ぶ線上の一点から見て重なるように表示する場合において、特に、特に、観察者100の右眼と左眼とを結ぶ線上の一点として、右眼と左眼の間の一点を用いる場合には、前述した表示面(101,102)の中間位置における三次元知覚の効果を得られる信頼性が大きくなる(簡単に言うと多くの人が、あるいは多くの場合に効果が得られる)。
さらに、観察者100の左右眼の中心位置を前述の一点として用いると、さらに効果を得やすくなるとともに、左右眼における、表示面(101,102)上に表示される二次元像から生じる二重像の大きさを小さくできる利点を有する。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、プロジェクタを用いて、複数の表示面に表示される二次元像の輝度を、それぞれ独立に変化させて三次元立体像を表示する三次元表示装置において、装置構成を簡略化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の三次元表示装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の三次元表示装置の表示原理を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態の表示面に表示される2D化像の一例を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態の三次元表示装置において、三次元物体自体が有する奥行きを表現する場合に、前方の透過型表示装置に表示される2D化像の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の三次元表示装置の変形例の基本構成を示す図である。
【図10】特許第3022558号明細書に記載されている三次元表示装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
100…観察者、101,102…表示面、104…三次元物体、105,106…2D化像、131,132…反射型ホログラフィック拡散板、161〜165…プロジェクタ型二次元表示装置、166〜170…散乱板、171〜175…シャッタ。
Claims (4)
- 観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示面に対して、表示対象物体を観察者の視線方向から射影した二次元像を生成する第1の手段と、
前記第1の手段で生成された二次元像を前記各表示面に表示する第2の手段と、
前記各表示面に表示される二次元像の輝度を前記各表示面毎にそれぞれ独立に変化させる第3の手段とを備える三次元表示装置であって、
前記第2の手段は、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の反射型ホログラフィック拡散板と、
前記観察者側の方から、前記各反射型ホログラフィック拡散板に二次元像を投影する複数のプロジェクタとで構成されることを特徴とする三次元表示装置。 - 前記各プロジェクタの少なくとも一つは、前記反射型ホログラフィック拡散板側に配置されるシャッタを備えることを特徴とする請求項1に記載の三次元表示装置。
- 前記第3の手段は、前記表示対象物体が、前記観察者に近い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くし、前記観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、
また、前記表示対象物体が、前記観察者から遠い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の三次元表示装置。 - 前記第3の手段は、前記観察者の見る総体的な輝度が元の表示対象物体の輝度と等しくなるように、前記各表示面に表示される二次元像の輝度を変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の三次元表示装置。
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