JPWO2010113277A1 - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

電極構造体の第1面に第1ガス拡散層及び第1ガス流路形成体が積層され、第2面に第2ガス拡散層及び第2ガス流路形成体が積層される前記ガス流路形成体とセパレータとの間に連続気孔を有する多孔質層が介在される。前記第2ガス流路形成体の第2ガス流路T2の下流端に連通し、かつ前記多孔質層の連続気孔の下流端に連通するように、連続気孔を有する多孔質材料よりなる排水促進部材が配設される。前記第2ガス流路T2から毛管作用により前記多孔質層に吸い込まれた生成水は、水の表面張力によって下流側に流れ、前記排水促進部材に吸い込まれ、前記第2ガス流路T2内から前記排水促進部材の連続気孔を流動する酸化オフガスの流動圧力によって導出通路に排出される。よって、カソード側の第2ガス流路形成体の第2ガス流路T2に生成水が残留するのをなくして、電極構造体への酸化ガスの供給不足による発電出力の低下を未然に防止することができる燃料電池を提供する。

Description

本発明は、例えば電気自動車等に搭載される燃料電池に関する。
一般に、燃料電池は、積層された多数枚の発電セルによって構成された電池スタックを備えている。図7〜図10により従来の発電セルについて説明する。図7に示すように一対のフレーム13,14の接合部には電極構造体15が装着されている。この電極構造体15は、固体電解質膜16と、アノード側に位置する電極触媒層17と、カソード側に位置する電極触媒層18とにより構成されている。固体電解質膜16の外周縁は、前記両フレーム13,14により挟着されている。アノード側の電極触媒層17は、電解質膜16の上面に積層されており、カソード側の電極触媒層18は、電解質膜16の下面に積層されている。前記電極触媒層17の上面にはアノード側のガス拡散層19が積層され、前記電極触媒層18の下面にはカソード側のガス拡散層20が積層されている。さらに、ガス拡散層19の上面にはアノード側のガス流路形成体21が積層され、前記ガス拡散層20の下面には、カソード側のガス流路形成体22が積層されている。前記ガス流路形成体21の上面には平板状のセパレータ23が接合され、ガス流路形成体22の下面には平板状のセパレータ24が接合されている。
前記固体電解質膜16は、フッ素系の高分子膜により形成されている。前記電極触媒層17,18は、図8に示すように、触媒を担持する粒状の炭素粒子51を備えており、炭素粒子51の表面には、白金(Pt)からなる多数の触媒粒子52が付着している。電極触媒層17,18は、電極触媒層を形成するためのペーストによって前固体電解質膜16に接着されている。触媒としての前記触媒粒子52により燃料電池の発電が行われる際に発電効率を高めることができる。前記ガス拡散層19,20はカーボンペーパーにより構成されている。図9に示すように、前記ガス流路形成体21(22)は、ラスカットメタルにより形成されており、このラスカットメタルには、多数の六角形のリング部21a(22a)が蛇行するように形成されている。各リング部21a(22a)には、貫通孔21b(22b)が形成されている。燃料ガス(酸化ガス)は、リング部21a(22a)及び貫通孔21b(22b)によって形成されたガス流路を流れる。図9は、ガス流路形成体21,22の一部を拡大して描いたものである。
図7に示すように、前記フレーム13,14には、燃料ガスの供給通路M1及び燃料ガスの導出通路M2が形成されている。燃料ガスの供給通路M1は、燃料ガスとしての水素ガスをアノード側のガス流路形成体21のガス流路に供給するための通路である。燃料ガスの導出通路M2は、ガス流路形成体21のガス流路を通過した燃料ガス、すなわち燃料オフガスを外部に導出するための通路である。前記フレーム13,14には、酸化ガスの供給通路及び酸化ガスの導出通路が形成されている。酸化ガスの供給通路は、図7の紙面の裏側に位置し、酸化ガスとしての空気をカソード側のガス流路形成体22のガス流路に供給するための通路である。酸化ガスの導出通路は、図7の紙面の表側に位置し、ガス流路形成体22のガス流路を通過した酸化ガス、すなわち酸化オフガスを外部に導出するための通路である。
図示しない水素ガスの供給源から水素ガスが図7に矢印で示すガスの流れ方向Pに沿って前記燃料ガスの供給通路M1を通じて前記ガス流路形成体21に供給されるとともに、図示しない空気の供給源から空気がガス流路形成体22に供給されることにより、発電セル内で電気化学反応により発電が行われる。具体的には、アノード側のガス流路形成体21に供給された水素ガス(H)は、ガス拡散層19を通して電極触媒層17に流入する。この電極触媒層17において、水素(H)が次式(1)で示すように水素イオン(H)と電子(e)となり、電極触媒層17の電位は、周知のように標準電極電位として零ボルトとなる。
→2H+2e ・・・(1)
上記の反応によって得られた水素イオン(H)は、アノード側の電極触媒層17から固体電解質膜16を浸透してカソード側の電極触媒層18に至る。ガス流路形成体22側から電極触媒層18に供給された空気中の酸素(O)と、前記水素イオン(H)及び電子(e)とが化学的に反応して、次式(2)で示すように生成水が生成される。この化学反応によって電極触媒層18の電位は、周知のように標準電極電位として、1.0ボルト前後となる。
1/2・O+2H+2e→HO・・・(2)
このように、正常な燃料電池の発電状態においては、図10に示すように、アノード側の電極触媒層17(ガス拡散層19)の電位がカソード側の電極触媒層18(ガス拡散層20)の電位よりも低くなる。そのため、アノード側のガス流路形成体21においては、カソード側のガス流路形成体22と比較して、高電位による金属酸化が生じにくい。従って、図10に示すように、ガス流路形成体21の材料としては、耐腐蝕性が低いフェライト系SUS等の安価なステンレススチールが用いられている。反対に、高電位となるカソード側のガス流路形成体22は、図10に示すように、耐腐蝕性に優れた例えば金等により形成されている。特許文献1には図7に示す構成と同様の燃料電池が開示されている。
特開2007−87768号公報 特開2007−311089号公報
上記従来の燃料電池において発電の際に用いられなかった一部の水素ガスは、燃料オフガスとしてガス流路形成体21のガス流路及び導出通路M2を通じて外部に排出される。発電の際に還元されなかった酸素ガスの一部は、前述した式(2)の反応で生成された生成水及び空気中の窒素ガスとともに酸化オフガスとしてフレーム13,14に形成された導出通路(図示略)を通じて外部に排出される。前記生成水の一部はカソード側の前記電極触媒層18、固体電解質膜16、アノード側の電極触媒層17及びガス拡散層19を浸透して、ガス流路形成体21のガス流路へ浸透水として流入する。この浸透水は、前記燃料オフガスとともにガス流路形成体21のガス流路及び導出通路M2を通して外部に排出される。
図9に示すように、ガス流路形成体21(22)は、多数の六角形のリング部21a(22a)が蛇行状に形成され、各リング部21a(22a)及び貫通孔21b(22b)により形成されたガス流路を通して燃料ガスが流れる。この構成により、複雑に蛇行するガス流路の壁面に浸透水(生成水)が表面張力によって付着し易い。そのため、ガス流路形成体21(22)のガス流路から浸透水(生成水)の一部が外部に排出されずに、ガス流路内において水滴となって残留するおそれがある。このように浸透水(生成水)がガス流路内に残留すると、以下のような問題があることが判った。
即ち、図8に示すように、ガス拡散層19,20の表面に水滴Wが付着すると、燃料ガス(酸化ガス)がその水滴Wによって遮られ、前記ガス拡散層19,20及び電極触媒層17,18においてその水滴Wに対応する部分に供給されないことがある。その結果、電極触媒層17,18の燃料ガス(酸化ガス)が供給されない部分において、適正な電池反応が行われず、発電効率が低下するおそれがある。又、ガス拡散層19,20の表面に水滴Wが付着すると、ガス流路の通路面積が狭くなる。その結果、燃料ガス(酸化ガス)が流れ難くなり、燃料ガス(酸化ガス)の圧力損失が大きくなることに起因して、発電効率が低下するという問題があった。さらに、各発電セルのガス流路形成体21(22)のガス流路に残留した水滴Wの量の相違により、各発電セルにおける燃料ガス(酸化ガス)の流量、ひいては各発電セルの発電電圧のバラツキが生じることがある。その結果、燃料電池スタック全体の発電出力が低下し、この点からも発電効率が低下するという問題があった。
図8に示すように、アノード側のガス流路形成体21のガス流路に進入した浸透水が水滴Wとなってそのガス流路に残留すると、水素ガスが電極触媒層17に進入することが阻害される。その結果、電極触媒層17は、局所的に水素が欠乏する状態になる。周知のように、アノード側のガス拡散層19内の水素の一部は、前記電極触媒層17、固体電解質膜16及び電極触媒層18を浸透して、カソード側のガス拡散層20内に入る。ガス拡散層20内の酸素の一部は、電極触媒層18、固体電解質膜16及び電極触媒層17を浸透して、ガス拡散層19に入る。すなわち、ガス拡散層19とガス拡散層20との間において、微量ではあるが水素と酸素のクロスリークが生じる。このように水素と酸素とのクロスリークが発生した場合、電極触媒層17の水素が欠乏する部分において、該部分に入った酸素(O)を還元する水素が存在しないため、次の現象が生じる。
即ち、アノード側の電極触媒層17内に進入した酸素(O)は、固体電解質膜16のフッ素系の高分子膜に存在している水和プロトン(水分子をともなった水素イオンH・xHO)により還元される。すなわち、この水和プロトン、酸素及びマイナスの電子が反応して、次式(3)で示すように水が生成される。なお、水和プロトンは、固体電解質膜16を構成する高分子膜の電荷担体であり、これが高分子膜のスルホン酸基(−SO −)の間を移動し、固体電解質膜16から電極触媒層17へ移動する。
1/2×O+2H+2e→HO・・・(3)
この結果、アノード側の電極触媒層17及びガス拡散層19の電位は、前述したように通常は零ボルトであるが、式(3)の反応により水素が欠乏する状態にある両層17,19の標準電極電位が1.0ボルト前後に上昇する。両層17,19の標準電極電位の上昇により、耐腐蝕性が低いフェライト系SUSにより形成されたガス流路形成体21が腐蝕されて酸化され、その耐久性が低下するという問題があった。前記ガス流路形成体21が腐蝕されて酸化されると、腐蝕部分の電気抵抗が高くなるため、発電された電気の流れが阻害されて、発電出力が低下するという問題もあった。
カソード側の電極触媒層18においては、前述したように固体電解質膜16を形成する高分子膜内の水和プロトン(水素イオンH・xHO)が減少する。この水和プロトンの減少を補うために、前記電極触媒層18を構成する炭素(C)と水とが次式(4)のように反応して、二酸化炭素と水素イオン(H)が生成される。
C+2HO→CO+4H+4e・・・(4)
上記の化学反応によって、カソード側の電極触媒層18の炭素粒子51(C)が浸食されて減少し、炭素粒子51に付着されていた触媒粒子52が電極触媒層18及びガス拡散層20を経てガス流路形成体22のガス流路に流失する。これにより、電極触媒層18が早期に薄くなり、発電セルの耐久性が低下するという問題があった。更に、電極触媒層18の炭素粒子51が浸蝕されて、触媒粒子52が流失すると、電極触媒層18における触媒(白金)の量が減少して、電極触媒層18の触媒機能が低下することとなる。これにより、発電効率が低下し、発電出力が低下するという問題があった。
上述した問題を解消するため、従来、図11に示すような燃料電池が提案されている。この燃料電池は、アノード側のガス流路形成体21とセパレータ23との間及びカソード側のガス流路形成体22とセパレータ24との間に連続気孔を有する多孔質体61,62がそれぞれ介在されている。前記多孔質体61,62は、第1の多孔質層、第2の多孔質層及び緻密質層の三層構造になっており、順に連続気孔の気孔径が小さくなるようになっている。そして、アノード側の前記多孔質体61によりガス流路形成体21内の浸透水を毛管作用により吸い込むとともに、カソード側の多孔質体62によりガス流路形成体22内の生成水を毛管作用により吸い込む。両多孔質体61,62内の水は、ガス流路形成体21,22内を流れるガス流によって下流側へ押されて、導出通路に排出されるようになっている。(特許文献2には上記の燃料電池と同様の構成が開示されている)ところが、上記従来の燃料電池においては、多孔質体61,62に毛管作用より吸い込まれた水が多孔質体61,62の連続気孔に保持されたままになり易く、多孔質体61,62の下流端から導出通路に排出され難い。このため、多孔質体61,62の連続気孔が全て水で満たされた後、連続気孔に吸い込まれない水は、ガス流路形成体21,22のガス流路に溢れ出た状態となる。この水の一部は、ガス流路を流れる燃料ガス(酸化ガス)によって導出通路へ排出される。しかし、ガス流路形成体21,22のガス流路に排出されない水滴が残留し、この残留水滴によって生じる前述した各種の問題を解消することができない。
本発明の第1の目的は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、発電効率を向上させることができる燃料電池を提供することにある。本発明の第2の目的は、発電効率を向上させるとともに、アノード側のガス流路形成部材及びカソード側の電極触媒層の耐久性を向上させることができる燃料電池を提供することにある。
本発明の第1の目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、電解質膜のアノード側の面に積層された第1電極触媒層と、同電解質膜のカソード側の面に積層された第2電極触媒層と、前記第1電極触媒層の表面に積層され、燃料ガスを供給するための第1ガス流路を備えた第1ガス流路形成体と、前記第2電極触媒層の表面に積層され、酸化ガスを供給するための第2ガス流路を備えた第2ガス流路形成体と、前記第1ガス流路形成体に設けられた第1セパレータと、前記第2ガス流路形成体の表面側に積層された第2セパレータと、前記燃料ガスの導入通路及び導出通路と、前記酸化ガスの導入通路及び導出通路とを備える燃料電池において、前記第2ガス流路形成体の表面と、該第2ガス流路形成体と対応する前記第2セパレータの裏面との間に第2ガス流路の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する多孔質層が介在され、
前記第2ガス流路形成体の第2ガス流路の下流端と連通し、かつ前記多孔質層の連続気孔の下流端と連通するように、連続気孔を有する多孔質材料よりなる排水促進部材が配設され、
前記第2ガス流路から毛管作用により前記多孔質層に吸い込まれた水は、前記第2ガス流路を流れる酸化ガスの流動圧力によって下流側に流れて前記排水促進部材の連続気孔に吸い込まれ、該排水促進部材内の水は、前記第2ガス流路内から該排水促進部材の連続気孔を流動する酸化オフガスの流動圧力によって導出通路に排出される燃料電池が提供される。
また、本発明の燃料電池において、前記排水促進部材の連続気孔の平均気孔径は、多孔質層の連続気孔の平均気孔径と同じかそれ以下に設定されていることが好ましい。
また、本発明の燃料電池において、前記排水促進部材は、多孔質層と同じ材料により一体的に形成されていることが好ましい。
本発明の燃料電池において、該排水促進部材の連続気孔の平均気孔径を水流路の深さよりも浅く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の濡れ性を水流路の濡れ性よりも高く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の水和性を水流路の水和性よりも高く設定する構成とのいずれか一つの構成が選択されていることが好ましい。
本発明の第2の目的を達成するため、本発明の第2の態様によれば、電解質膜のアノード側の面に積層された第1電極触媒層と、同電解質膜のカソード側の面に積層された第2電極触媒層と、前記第1電極触媒層の表面に積層され、燃料ガスを供給するための第1ガス流路を備えた第1ガス流路形成体と、前記第2電極触媒層の表面に積層され、酸化ガスを供給するための第2ガス流路を備えた第2ガス流路形成体と、前記第1ガス流路形成体の表面側に積層された第1セパレータと、前記第2ガス流路形成体に設けられた第2セパレータと、前記燃料ガスの導入通路及び導出通路と、前記酸化ガスの導入通路及び導出通路とを備える燃料電池において、
前記第1ガス流路形成体の表面と、該第1ガス流路形成体と対応する前記第1セパレータの裏面との間に第1ガス流路内の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する第1多孔質層が介在され、
前記第1ガス流路形成体の第1ガス流路の下流端に連通し、かつ前記多孔質層の連続気孔の下流端に連通するように、連続気孔を有する多孔質体よりなる第1排水促進部材を配設し、
前記第1ガス流路から毛管作用により前記第1多孔質層に吸い込まれた水は、前記第1ガス流路を流れる燃料ガスの流動圧力によって下流側に流れて前記第1排水促進部材の連続気孔に吸入され、該第1排水促進部材内の水は、前記第1ガス流路内から前記第1排水促進部材の連続気孔を流動する燃料オフガスの流動圧力によって導出通路に排出される燃料電池が提供される。
また、本発明の燃料電池において、前記前記第2ガス流路形成体の表面と、該第2ガス流路形成体と対応する前記第2セパレータの裏面との間に第2ガス流路の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する第2多孔質層が介在され、
前記第2ガス流路形成体の第2ガス流路の下流端と連通し、かつ前記第2多孔質層の連続気孔の下流端と連通するように、連続気孔を有する多孔質材料よりなる第2排水促進部材を配設し、
前記第2ガス流路から毛管作用により前記第2多孔質層に吸い込まれた水は、前記第2ガス流路を流れる酸化ガスの流動圧力によって下流側に流れて前記第2排水促進部材の連続気孔に吸入され、該排水促進部材内の水は、前記第2ガス流路内から前記排水促進部材の連続気孔を流動する酸化オフガスの流動圧力によって導出通路に排出されるように形成されていることが好ましい。
また、本発明の燃料電池において、前記排水促進部材の連続気孔の平均気孔径は、多孔質層の連続気孔の平均気孔径と同じかそれ以下に設定されていることが好ましい。
また、本発明の燃料電池において、前記排水促進部材は、多孔質層と同じ材料により一体的に形成されていることが好ましい。
本発明の燃料電池において、該排水促進部材の連続気孔の平均気孔径を水流路の深さよりも浅く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の濡れ性を水流路の濡れ性よりも高く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の水和性を水流路の水和性よりも高く設定する構成とのいずれか一つの構成が選択されていることが好ましい。
(作用)
カソード側に前記多孔質層及び排水促進部材が設けられている場合には、カソード側のガス流路形成体のガス流路内の生成水が前記多孔質層に毛管作用により吸い込まれた後、ガス流路を流れる酸化ガスの流動圧力によって排水促進部材側に流れる。この排水促進部材に吸い込まれた生成水は、該排水促進部材の連続気孔を流れる酸化オフガスの流動圧力によって導出通路側へ排出されるため、電極触媒層に酸化ガスが適正に供給される。そのため、酸化ガス欠乏の発生が回避され、発電効率が向上する。ガス流路に生成水が残留するのが防止され、ガス流路内を流れる酸化ガスの生成水による圧力損失が低減されて、発電効率が向上する。
アノード側に前記多孔質層及び排水促進部材が設けられている場合には、アノード側のガス流路形成体のガス流路内の浸透水が前記多孔質層に毛管作用により吸い込まれた後、ガス流路を流れる燃料ガスの流動圧力によって排水促進部材側に流れる。この排水促進部材に吸い込まれた浸透水は、該排水促進部の連続気孔を流れる燃料オフガスの流動圧力によって導出通路側へ排出されるため、電極触媒層に燃料ガスが適正に供給され、燃料欠乏の発生が回避され、発電効率が向上する。ガス流路形成体のガス流路に浸透水が残留することがないので、該浸透水によるガス流路内を流れる燃料ガスの圧力損失が低減されて、発電効率が向上する。アノード側の電極触媒層に水が浸入することが阻止されるため、該電極触媒層において燃料欠乏の発生が回避される。従って、燃料欠乏に起因する電極触媒層の電位の上昇が防止され、電極触媒層の電位の上昇によるガス流路形成体の腐蝕が防止される。加えて、アノード側の電極触媒層において燃料欠乏の発生が回避されるため、背景技術で述べた電解質膜内の水和プロトンの低減が防止される。その結果、水和プロトンの低減に起因するカソード側の電極触媒層の炭素の浸蝕が防止され、該電極触媒層の耐久性が向上する。
本発明によれば、アノード側に多孔質層及び排水促進部が設けられている場合には、発電効率を向上することができるとともに、アノード側のガス流路形成体及びカソード側の電極触媒層の耐久性を向上することができる。又、カソード側に多孔質層及び排水促進部が設けられている場合には、発電効率を向上することができる。
(a)〜(c)は、この発明の燃料電池を具体化した第1実施形態を示す部分縦断面図。 発電セルを示す縦断面図。 図2の3−3線断面図。 第1及び第2フレーム、電極構造体、第1及び第2ガス流路形成体、多孔質層、排水促進部材を示す分解斜視図。 この発明の燃料電池の第2実施形態を示す縦断面図。 この発明の燃料電池の第3実施形態を示す縦断面図。 従来の燃料電池を示す縦断面図。 図7に示す燃料電池の一部を拡大して示す断面図。 図7に示す燃料電池に用いられるガス流路形成体を示す部分斜視図。 燃料電池のアノード側及びカソード側の電位と腐蝕電流との関係を示すグラフ。 従来の燃料電池を示す縦断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる燃料電池を具体化した第1実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図2に示すように、この第1実施形態の燃料電池スタック11は、固体高分子型の燃料電池であり、積層された多数の発電セル12によって構成されている。
発電セル12は、図4に示すように四角枠状をなし、合成ゴム(又は合成樹脂)製の第1,第2フレーム13,14と、電極構造体としてのMEA15(Membrane−Electrode−Assembly: 膜−電極接合体)とを備えている。第1のフレーム13は、その内側に燃料ガスの流路空間S1を区画しており、第2のフレーム14は、その内側に酸化ガスの流路空間S2を区画している。MEA15は、両フレーム13,14間に配設されている。前記発電セル12は、図2及び図3に示すように前記燃料ガスの流路空間S1に収容されたフェライト系SUS(ステンレス鋼)よりなる第1ガス流路形成体21と、前記酸化ガスの流路空間S2に収容されたチタン或いは金よりなる第2ガス流路形成体22とを備えている。さらに、前記発電セル12は、チタンよりなる第1セパレータ23及び第2セパレータ24を備えている。第1セパレータ23は、平板状に形成され、第1フレーム13及び第1ガス流路形成体21の図示上面に接着されている。第2セパレータ24は、フレーム14及び第2ガス流路形成体22の図示下面に接着されている。図4は、前記ガス流路形成体21,22の構成を平板状に簡略化して示している。
前記MEA15は、図2及び図3に示すように電解質膜16と、第1電極触媒層17及び第2電極触媒層18と、導電性を有する第1ガス拡散層19及び第2ガス拡散層20とにより構成されている。第1電極触媒層17は、電解質膜16のアノード側の面、即ち図示上面に積層された触媒により形成されており、第2電極触媒層18は、電解質膜16のカソード側の面、即ち図示下面に積層された触媒によって形成されている。ガス拡散層19,20は、電極触媒層17,18の表面にそれぞれ接着されている。本実施形態に係る燃料電池の使用の際に、図2に示す燃料電池スタック11の各発電セル12の電極構造体15は、鉛直方向と平行になっている。
前記固体電解質膜16は、フッ素系の高分子膜により形成されている。前記電極触媒層17,18は、背景技術で説明した図8に示すように、触媒を担持する炭素粒子51を備えており、炭素粒子51の表面には、多数の白金(Pt)からなる触媒粒子52が付着している。電極触媒層17,18は、電極触媒層を形成するためのペーストによって固体電解質膜16に接着されている。触媒としての前記触媒粒子52により、燃料電池の発電が行われる際にその発電効率を高めることができる。本実施形態において、炭素粒子51の粒径は数μmであり、触媒粒子52の粒径は2nmである。前記ガス拡散層19,20はカーボンペーパーにより構成されている。
アノード側に位置する第1ガス流路形成体21とカソード側に位置する第2ガス流路形成体22とは、同様に構成されている。両ガス流路形成体21,22は、この実施形態においては、背景技術において説明した図9に示すラスカットメタルにより構成されている。
図2に示すように、前記第1ガス流路形成体21と第1セパレータ23との間には、連続気孔を有する導電性多孔質材料よりなる第1多孔質層25が介在されている。同様に前記第2ガス流路形成体22と第2セパレータ23との間にも、連続気孔を有する導電性多孔質材料よりなる第2多孔質層26が介在されている。
図4に示すように、前記第1フレーム13の燃料ガスの流路空間S1は、平面視四角形状に形成されている。前記第1フレーム13において互いに対向する平行な二辺131,132には、前記燃料ガスの流路空間S1と連通する長孔状の燃料ガス導入口13a及び燃料ガス導出口13bが形成されている。フレーム13において二辺131,132と隣接する二辺133,134には、それぞれ長孔状の酸化ガス導入口13c及び酸化ガス導出口13dが形成されている。
前記第2フレーム14は、前記第1フレーム13と同様に構成されている。第2フレーム14には、前記フレーム13の燃料ガス導入口13a、燃料ガス導出口13b、酸化ガス導入口13c 及び酸化ガス導出口13dと対応するように、燃料ガス導入口14a、燃料ガス導出口14b、酸化ガス導入口14c及び酸化ガス導出口14dが形成されている。
第1セパレータ23の四辺には、第1フレーム13に形成された燃料ガス導入口13a、燃料ガス導出口13b、酸化ガス導入口13c及び酸化ガス導出口13dに対応して、燃料ガス導入口23a、燃料ガス導出口23b、酸化ガス導入口23c及び酸化ガス導出口23dが形成されている。同様に、第2セパレータ24の四辺には、第2フレーム14に形成された燃料ガス導入口14a、燃料ガス導出口14b、酸化ガス導入口14c及び酸化ガス導出口14dに対応して、燃料ガス導入口24a、燃料ガス導出口24b、酸化ガス導入口24c及び酸化ガス導出口24dが形成されている。
図1に示すように、前記第1,第2ガス流路形成体21(22)は、第1(第2)フレーム13(14)の燃料ガスの流路空間S1(酸化ガスの流路空間S2)内において、前記ガス拡散層19(20)の表面と、第1(第2)多孔質層25(26)の裏面とに接触されている。
図3及び図4に示すように、前記第1セパレータ23の燃料ガス導入口23a、フレーム13の燃料ガス導入口13a、第2フレーム14の燃料ガス導入口14a及び第2セパレータ24の燃料ガス導入口24aによって、各発電セル12に燃料ガスを供給するための供給通路M1が形成されている。第1セパレータ23の燃料ガス導出口23b、第1フレーム13の燃料ガス導出口13b、第2フレーム14の燃料ガス導出口14b、セパレータ23の燃料ガス導出口23b及び第2セパレータ24の燃料ガス導出口24bによって、各発電セル12に燃料オフガスの導出通路M2が形成されている。燃料電池の外部から燃料ガスの供給通路M1に供給された燃料ガスは、第1ガス流路形成体21のガス流路T1を通り、発電に供された後、燃料ガスの導出通路M2に燃料オフガスとして導かれる。
第1セパレータ23の酸化ガス導入口23c、フレーム13の酸化ガス導入口13c、第2フレーム14の酸化ガス導入口14c及び第2セパレータ24の酸化ガス導入口24cによって、各発電セル12に酸化ガスを供給するための供給通路R1が形成されている。第1セパレータ23の酸化ガス導出口23d、第1フレーム13の酸化ガス導出口13d、第2フレーム14の酸化ガス導出口14d及び第2セパレータ24の酸化ガス導出口24dによって、各発電セル12に酸化オフガスを導出するための導出通路R2が形成されている。燃料電池の外部から酸化ガスの供給通路R1に供給された酸化ガスは、第2ガス流路形成体22のガス流路T2を通り、発電に供された後、前記酸化ガスの導出通路R2に酸化オフガスとして導かれる。
図3に示すように、前記第1ガス流路形成体21に形成された流路空間S1の上流部は、第1フレーム13の燃料ガス導入口13aに連通され、下流部は第1フレーム13の燃料ガス導出口13bに連通されている。前記流路空間S1の下流部の空間は、前記第1ガス流路形成体21及び第1多孔質層25が存在しない連通路27となっており、この連通路27に例えばウレタンスポンジ、海面等の連続気孔を有する多孔質材料よりなる排水促進部材28が配設されている。そして、この排水促進部材28に前記第1ガス流路形成体21の下流側の端縁及び前記第1多孔質層25の連続気孔の下流側の端縁が全域にわたって接触されている。また、前記第1ガス流路形成体21のガス流路T1の下流端は、前記排水促進部材28の連続気孔に連通され、第1多孔質層25の連続気孔の下流端も、前記排水促進部材28の連続気孔に連通されている。
図2に示すように、前記第2ガス流路形成体22に形成された流路空間S2の上流部は、第2フレーム14の燃料ガス導入口14aに連通され、下流部は第2フレーム14の燃料ガス導出口14bに連通されている。前記流路空間S2の下流部の空間は、前記第2ガス流路形成体22及び第2多孔質層26が存在しない連通路29となっており、この連通路29に例えばウレタンスポンジ、海面等の連続気孔を有する多孔質材料よりなる第2排水促進部材30が配設されている。そして、この第2排水促進部材30に前記第2ガス流路形成体22の下流側の端縁及び前記第2多孔質層26の連続気孔の下流側の端縁が全域にわたって接触されている。また、前記第2ガス流路形成体22のガス流路T2の下流端は、前記排水促進部材30の連続気孔に連通され、第2多孔質層26の連続気孔の下流端も、前記排水促進部材30の連続気孔に連通されている。
前記第1及び第2多孔質層25,26の層厚は、例えば0.5〜1.0mmに設定されている。又、第1及び第2多孔質層25,26の全容積に対する連続気孔の割合である気孔率は、30〜60%に設定されている。このように気孔率が設定されているため、連続気孔の毛管作用によりガス流路T1,T2内の水が第1及び第2多孔質層25,26に吸い込まれ易くなる。前記第1及び第2排水促進部材28,30の気孔率は、50〜80容量%の範囲に設定さている。又、この実施形態では、前記多孔質層25,26の連続気孔の平均気孔径が例えば5μm〜30μmの範囲に設定され、前記第1及び第2排水促進部材28,30の連続気孔の平均気孔径が10μm〜50μmの範囲に設定されている。
次に、前記のように構成した燃料電池の作用について説明する。
図3において、前記燃料ガスの供給通路M1に供給された燃料ガスは、前記第1ガス流路形成体21のガス流路T1内を矢印方向に流れる際に、乱流となる。これにより、燃料ガスは、ガス流路T1内において拡散した状態となる。この燃料ガスは、第1ガス拡散層19を通過することによってさらに適正に拡散されて、第1電極触媒層17に均一に供給される。
図2において、前記酸化ガスの供給通路R1に供給された酸化ガスは、前記第2ガス流路形成体22のガス流路T2内を矢印方向に流れる際に、乱流となる。これにより、酸化ガスは、ガス流路T2内において拡散した状態となる。この酸化ガスは、第2ガス拡散層20を通過することによってさらに適正に拡散されて、電極触媒層18に均一に供給される。燃料ガスと酸化ガスとの供給により、MEA15において電極反応が発生し、発電が行われる。積層された複数の発電セル12によって構成された燃料電池スタック11から、所望の電力が出力される。
上述の発電状態においては、背景技術で述べたように、カソード側の第2ガス流路形成体22のガス流路T2に生成水が生成される。発電の際に用いられなかった一部の水素ガスは、燃料オフガスとして第1ガス流路形成体21のガス流路T1、第1排水促進部材28の連続気孔及び燃料ガスの導出通路M2を通って外部に排出される。発電の際に酸化されなかった酸素ガスの一部は、窒素ガス及び生成水とともに酸化オフガスとして、前記第2排水促進部材30の連続気孔を通して、フレーム13,14に形成された酸化ガスの導出通路R2へ導かれ、外部に排出される。前記生成水の一部は、カソード側の前記第2電極触媒層18、固体電解質膜16、第1電極触媒層17及び第1ガス拡散層19を浸透して、第1ガス流路形成体21のガス流路T1へ浸透水として流入する。
図3に矢印で示すように燃料ガスがガス流路T1を流れる際に、燃料ガスに含まれる浸透水は、水滴Wとなってガス流路T1の壁面に付着する。この水滴W(浸透水)は、第1多孔質層25の連続気孔の毛管作用により、図1(b)に示すように第1多孔質層25の連続気孔に吸い込まれる。ガス流路T1内を流れる燃料ガスは燃料オフガスとなって前記第1排水促進部材28の連続気孔を通過し、燃料オフガスの導出通路M2へ排出される。前記第1多孔質層25に吸い込まれた水滴W(浸透水)は、ガス流路T1内を流れる燃料ガスの流動圧力によってガスの流れ方向Pの下流側へ流動し、図1(c)に示すように、前記第1排水促進部材28の連続気孔に毛管作用により吸い込まれる。この第1排水促進部材28に吸い込まれた浸透水Wは、該促進部材28の連続気孔を通過する燃料オフガスの流動圧力よって押し出される。即ち、促進部材28の連続気孔を流動する燃料オフガスのガス流によって、該促進部材28の連続気孔に吸い込まれた浸透水Wが圧力差により押し出される。このため、促進部材28の連続気孔内の圧力が第1多孔質層25の連続気孔の圧力よりも低くなり、この圧力差により第1多孔質層25の連続気孔内の浸透水が促進部材28の連続気孔に吸い出され、燃料オフガスの導出通路M2へ排出される。
図2に示すように、カソード側の第2ガス流路形成体22のガス流路T2に生成された生成水は、カソード側の前記第2多孔質層26及び第2排水促進部材30の連続気孔の毛管作用及び第2排水促進部材30の連続気孔を流れるガスの流動圧力によって、前述したガス流路T1の浸透水と同様に酸化オフガスの導出通路R2側へ排出される。
第1実施形態の燃料電池によれば、以下のような利点を得ることができる。
(1)上記第1実施形態では、アノード側の第1ガス流路形成体21とセパレータ23との間には、第1多孔質層25が介在され、流路空間S1の下流部に形成された連通路27に第1排水促進部材28が設けられている。第1ガス流路形成体21に形成されたガス流路T1内の浸透水は、第1多孔質層2の毛管作用により該多孔質層25に吸い込まれる。この多孔質層25内に吸い込まれた浸透水は、水の表面張力によって第1排水促進部材28側へ流動する。その後、前述したように促進部材28を流れる燃料オフガスの流動圧力により、多孔質層25内から排水促進部材28内に浸透水が効率よく吸い込まれ、燃料オフガスの導出通路M2側へ排出される。このような構成により、第1電極触媒層17に燃料ガスが適正に供給されるため、第1電極触媒層17の水素欠乏状態が回避され、発電効率が向上する。
又、前記第1ガス流路形成体21のガス流路T1内の浸透水は、第1多孔質層25に吸い込まれ、第1排水促進部材28を通して燃料オフガスの導出通路M2へ排出される。これにより、前記ガス流路T1内に浸透水が残留するのが防止され、浸透水によるガス流路T1内を流れる燃料ガスの圧力損失が低減されるので、発電効率が向上する。さらに、第1電極触媒層17の水素欠乏状態によって生じるアノード側の第1電極触媒層17の電位の上昇による第1ガス流路形成体21の腐蝕が防止されるため、その耐久性を向上することができる。第1ガス流路形成体21の材料の選択基準が緩和され、第1ガス流路形成体21の材料として安価な材料を用いることができ、材料コストを低減することができる。加えて、アノード側の第1電極触媒層17の水素欠乏状態が回避されるため、背景技術で述べた電解質膜16内の水和プロトンの低減が防止される。この水和プロトンの低減を補うためにカソード側の電極触媒層18の炭素粒子51が浸蝕されるのが防止され、該電極触媒層18の耐久性を向上することができる。
(2)上記第1実施形態では、カソード側の第2ガス流路形成体22とセパレータ24との間に第2多孔質層26を介在し、流路空間S2の下流部の連通路29に第2排水促進部材30を設けたので、カソード側の第2ガス流路形成体22のガス流路T2内の生成水が前述したように前記第2多孔質層及び第2排水促進部材によって酸化オフガスの導出通路R2側へ排出される。これにより、第2ガス流路形成体22のガス流路T2に生成水が残留するのが防止されて、ガス流路T2内を流れる酸化ガスの生成水による圧力損失が低減されるので、発電効率が向上する。又、電極触媒層18に酸化ガスが適正に供給されて、酸化ガス欠乏状態が回避されるので、発電効率が向上する。
(3)上記第1実施形態では、アノード側及びカソード側に前記第1及び第2多孔質層25,26と第1及び第2排水促進部材28,30が設けられ、ガス流路T1,T2内の浸透水及び生成水は、共に燃料ガスの導出通路M2,R2に適正に排出される。そのため、各発電セル12の発電出力のバラツキをなくすことができ、燃料電池の発電特性を安定化することができる。例えば、燃料電池の低負荷運転状態においては、ガス流路形成体21,22のガス流路T1,T2を流れるガスの流速が低く、ガス流路T1,T2内に滞留する浸透水及び生成水の水量がアンバランスとなる。しかし、第1実施形態では、前述したように各発電セル12の水の排水が適正に行われるため、各発電セル12の発電出力のバラツキが解消され、電池特性を向上することができる。又、燃料電池の高負荷運転状態においては、カソード側の第2ガス流路形成体22のガス流路T2に生成される生成水の水量が多くなる。この生成水も前述したように適正に排水されるため、酸化ガスのガス流路T2内における拡散性が向上し、発電出力を安定化させることができる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図5に基づいて説明する。以下に示す各実施形態において、前述した第1実施形態と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付してその説明を省略し、第1実施形態との異なる構成、作用及び効果を中心に説明する。
この第2実施形態では、カソード側の前記第2多孔質26の下流側の端部に、該第2多孔質層26の材料と同じ材料で形成された第2排水促進部材30を一体的に形成している。又、図示しないが、アノード側の前記第1多孔質層25の下流側の端部に、該第1多孔質層25の材料と同じ材料で形成された第1排水促進部材28を一体的に形成している。
この第2実施形態においては、第1(第2)多孔質層25(26)及び第1(第2)排水促進部材28(30)が一体的に形成されているので、第1(第2)多孔質層25(26)に吸い込まれた浸透水(生成水)が第1(第2)排水促進部材28(30)へ円滑に流動され、排水をさらに適正に行うことができる。
(第3実施形態)
この第3実施形態では、図6に示すように、カソード側のセパレータ24には、排出口35が形成されている。セパレータ24と、隣接された発電セルのアノード側のセパレータ23との間には、前記排出口35と連通する酸化オフガス及び生成水の連通路36が形成されている。前記排出口35には、前記第2多孔質層26と同じ多孔質材料により該層26と一体的に形成した第2排水促進部材30が収容されている。図示しないが、アノード側においてもカソード側と同様に構成されている。
上記のような構成により、酸化オフガス及び生成水が排出口35に設け第2排水促進部材30によって、連通路36から酸化オフガスの導出通路R2に排出される。
(変形例)
なお、本発明は以下のような実施形態に変更してもよい。
・図示しないが、前記各実施形態において、アノード側のみに多孔質層25及び排水促進部材28が設けられてもよい。このような構成によれば、燃料電池の発電効率を向上することができるとともに、アノード側の第2ガス流路形成体22及びカソード側の電極触媒層18の耐久性を向上することができる。また、カソード側のみに多孔質層26及び排水促進部材30が設けられてもよい。このような構成により、燃料電池の発電効率を向上することもできる。
第1又は第2実施形態では、排水促進部材30の連続気孔の平均気孔径を、前記多孔質層25,26の連続気孔の平均気孔径よりもよりも小さく又は同じに設定して、毛管作用により多孔質層25,26の連続気孔の水を排水促進部材30の連続気孔に吸い込むようにした。これに代えて、前記排水促進部材30の連続気孔の濡れ性が多孔質層25,26の連続気孔の濡れ性よりも大きくされてもよい。換言すれば、前記排水促進部材30の連続気孔の液滴接触角が多孔質層25,26の連続気孔の液滴接触角よりも大きく設定されていてもよい。又、前記排水促進部材30の連続気孔の水和性が、多孔質層25,26の水和性よりも良くなるようにしてもよい。これらの場合には、排水促進部材30の連続気孔の平均気孔径が、多孔質層25,26の連続気孔の平均気孔径よりもよりも大きく設定されていても、多孔質層25,26の連続気孔の水が排水促進部材30の連続気孔に適正に吸い込まれる。
・前記各実施形態の燃料電池において、発電セル12のセパレータ23,24に冷却水を通過させるための溝が形成されてもよい。
・前記各実施形態の燃料電池において、ガス拡散層19,20が省略されてもよい。
・カソード側のみに前記多孔質26を設けた燃料電池において、アノード側の第1ガス流路形成体21と第1セパレータ23とが一体的に構成されていてもよい。又、フレーム13と第1セパレータ23とが金属材料により例えば鍛造により一体的に構成されていてもよい。
・アノード側のみに前記多孔質層25を設けた燃料電池において、カソード側の第2ガス流路形成体22と第2セパレータ24とが一体的に構成されていてもよい。又、フレーム14と第2セパレータ24とが金属材料により例えば鍛造により一体的に構成されていてもよい。
【0007】
層が介在され、
前記第2ガス流路形成体の第2ガス流路の下流端と連通し、かつ前記多孔質層の連続気孔の下流端と連通するように、連続気孔を有する多孔質材料よりなる排水促進部材が配設され、
前記第2ガス流路から毛管作用により前記多孔質層に吸い込まれた水は、前記第2ガス流路を流れる酸化ガスの流動圧力によって下流側に流れて前記排水促進部材の連続気孔に吸い込まれ、該排水促進部材内の水は、前記第2ガス流路内から該排水促進部材の連続気孔を流動する酸化ガスの流動圧力によって導出通路に排出される燃料電池が提供される。
[0019]
また、本発明の燃料電池において、前記排水促進部材は、多孔質層と同じ材料により一体的に形成されていることが好ましい。
[0020]
本発明の燃料電池において、前記排水促進部材の連続気孔の濡れ性を前記多孔質層の連続気孔の濡れ性よりも高く設定する構成と、前記排水促進部材の連続気孔の水和性を前記多孔質層の連続気孔の水和性よりも高く設定する構成とのいずれか一つの構成が選択されていることが好ましい。
[0021]
本発明の第2の目的を達成するため、本発明の第2の態様によれば、電解質膜のアノード側の面に積層された第1電極触媒層と、同電解質膜のカソード側の面に積層された第2電極触媒層と、前記第1電極触媒層の表面に積層され、燃料ガスを供給するための第1ガス流路を備えた第1ガス流路形成体と、前記第2電極触媒層の表面に積層され、酸化ガスを供給するための第2ガス流路を備えた第2ガス流路形成体と、前記第1ガス流路形成体の表面側に積層された第1セパレータと、前記第2ガス流路形成体に設けられた第2セパレータと、前記燃料ガスの導入通路及び導出通路と、前記酸化ガスの導入通路及び導出通路とを備える燃料電池において、
前記第1ガス流路形成体の表面と、該第1ガス流路形成体と対応する前記第1セパ
【0008】
レータの裏面との間に第1ガス流路内の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する第1多孔質層が介在され、
前記第1ガス流路形成体の第1ガス流路の下流端に連通し、かつ前記多孔質層の連続気孔の下流端に連通するように、連続気孔を有する多孔質体よりなる第1排水促進部材を配設し、
前記第1ガス流路から毛管作用により前記第1多孔質層に吸い込まれた水は、前記第1ガス流路を流れる燃料ガスの流動圧力によって下流側に流れて前記第1排水促進部材の連続気孔に吸入され、該第1排水促進部材内の水は、前記第1ガス流路内から前記第1排水促進部材の連続気孔を流動する燃料ガスの流動圧力によって導出通路に排出される燃料電池が提供される。
[0022]
また、本発明の燃料電池において、前記前記第2ガス流路形成体の表面と、該第2ガス流路形成体と対応する前記第2セパレータの裏面との間に第2ガス流路の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する第2多孔質層が介在され、
前記第2ガス流路形成体の第2ガス流路の下流端と連通し、かつ前記第2多孔質層の連続気孔の下流端と連通するように、連続気孔を有する多孔質材料よりなる第2排水促進部材を配設し、
前記第2ガス流路から毛管作用により前記第2多孔質層に吸い込まれた水は、前記第2ガス流路を流れる酸化ガスの流動圧力によって下流側に流れて前記第2排水促進部材の連続気孔に吸入され、該排水促進部材内の水は、前記第2ガス流路内から前記排水促進部材の連続気孔を流動する酸化ガスの流動圧力によって導出通路に排出されるように形成されていることが好ましい。
[0023]
また、本発明の燃料電池において、前記排水促進部材は、多孔質層と同じ材料により一体的に形成されていることが好ましい。
[0024]
本発明の燃料電池において、前記排水促進部材の連続気孔の濡れ性を
【0009】
前記多孔質層の連続気孔の濡れ性よりも高く設定する構成と、前記排水促進部材の連続気孔の水和性を前記多孔質層の連続気孔の水和性よりも高く設定する構成とのいずれか一つの構成が選択されていることが好ましい。
[0025]
(作用)
カソード側に前記多孔質層及び排水促進部材が設けられている場合には、カソード側のガス流路形成体のガス流路内の生成水が前記多孔質層に毛管作用により吸い込まれた後、ガス流路を流れる酸化ガスの流動圧力によって排水促進部材側に流れる。この排水促進部材に吸い込まれた生成水は、該排水促進部材の連続気孔を流れる酸化オフガスの流動圧力によって導出通路側へ排出されるため、電極触媒層に酸化ガスが適正に供給される。そのため、酸化ガス欠乏の発生が回避され、発電効率が向上する。ガス流路に生成水が残留するのが防止され、ガス流路内を流れる酸化ガスの生成水による圧力損失が低減されて、発電効率が向上する。
[0026]
アノード側に前記多孔質層及び排水促進部材が設けられている場合には、アノード側のガス流路形成体のガス流路内の浸透水が前記多孔質層に毛管作用により吸い込まれた後、ガス流路を流れる燃料ガスの流動圧力によって排水促進部材側に流れる。この排水促進部材に吸い込まれた浸透水は、該排水促進部の連続気孔を流れる燃料オフガスの流動圧力によって導出通路側へ排出されるため、電極触媒層に燃料ガスが適正に供給され、燃料欠乏の発生が回避され、発電効率が向上する。ガス流路形成体のガス流路に浸透水が残留することがないので、該浸透水によるガス流路内を流れる燃料ガスの圧力損失が低減されて、発電効率が向上する。アノード側の電極触媒層に水が浸入することが阻止されるため、該電極触媒層において燃料欠乏の発生が回避される。従って、燃料欠乏に起因する電極触媒層の電位の上昇が防止され、電極触媒層の電位の上昇によるガス流路形成体の腐蝕が防止される。加えて、アノード側の電極触媒層において燃料欠乏の発生が回避されるため、背景技術で述べた電解質膜内の水和プロトンの低減が防止される。その結果、水和プロトンの低減に起因するカソード側の電極触媒層の炭素の浸蝕が防止され、該電極触媒層の耐久性が向上する。
発明の効果
【0013】
タ24の燃料ガス導入口24aによって、各発電セル12に燃料ガスを供給するための供給通路M1が形成されている。第1セパレータ23の燃料ガス導出口23b、第1フレーム13の燃料ガス導出口13b、第2フレーム14の燃料ガス導出口14b、セパレータ23の燃料ガス導出口23b及び第2セパレータ24の燃料ガス導出口24bによって、各発電セル12に燃料オフガスの導出通路M2が形成されている。燃料電池の外部から燃料ガスの供給通路M1に供給された燃料ガスは、第1ガス流路形成体21のガス流路T1を通り、発電に供された後、燃料ガスの導出通路M2に燃料オフガスとして導かれる。
[0040]
第1セパレータ23の酸化ガス導入口23c、フレーム13の酸化ガス導入口13c、第2フレーム14の酸化ガス導入口14c及び第2セパレータ24の酸化ガス導入口24cによって、各発電セル12に酸化ガスを供給するための供給通路R1が形成されている。第1セパレータ23の酸化ガス導出口23d、第1フレーム13の酸化ガス導出口13d、第2フレーム14の酸化ガス導出口14d及び第2セパレータ24の酸化ガス導出口24dによって、各発電セル12に酸化オフガスを導出するための導出通路R2が形成されている。燃料電池の外部から酸化ガスの供給通路R1に供給された酸化ガスは、第2ガス流路形成体22のガス流路T2を通り、発電に供された後、前記酸化ガスの導出通路R2に酸化オフガスとして導かれる。
[0041]
図3に示すように、前記第1ガス流路形成体21に形成された流路空間S1の上流部は、第1フレーム13の燃料ガス導入口13aに連通され、下流部は第1フレーム13の燃料ガス導出口13bに連通されている。前記流路空間S1の下流部の空間は、前記第1ガス流路形成体21及び第1多孔質層25が存在しない連通路27となっており、この連通路27に例えばウレタンスポンジ、海綿等の連続気孔を有する多孔質材料よりなる排水促進部材28が配設されている。そして、この排水促進部材28に前記第1ガス流路形成体21の下流側の端縁及び前記第1多孔質層25の連続気孔の下流側の端縁が全域にわたって接触されている。また、前記第1ガス流路形成体21のガス流路T1の下流端は、前記排水促進部材28の連続気孔に連通され、第1多孔質層25の連続気孔の下流端も、前記排水促進部材28の連続気孔に連通されている。
[0042]
図2に示すように、前記第2ガス流路形成体22に形成された流路空間S2の上流部
【0014】
は、第2フレーム14の燃料ガス導入口14aに連通され、下流部は第2フレーム14の燃料ガス導出口14bに連通されている。前記流路空間S2の下流部の空間は、前記第2ガス流路形成体22及び第2多孔質層26が存在しない連通路29となっており、この連通路29に例えばウレタンスポンジ、海綿等の連続気孔を有する多孔質材料よりなる第2排水促進部材30が配設されている。そして、この第2排水促進部材30に前記第2ガス流路形成体22の下流側の端縁及び前記第2多孔質層26の連続気孔の下流側の端縁が全域にわたって接触されている。また、前記第2ガス流路形成体22のガス流路T2の下流端は、前記排水促進部材30の連続気孔に連通され、第2多孔質層26の連続気孔の下流端も、前記排水促進部材30の連続気孔に連通されている。
[0043]
前記第1及び第2多孔質層25,26の層厚は、例えば0.5〜1.0mmに設定されている。又、第1及び第2多孔質層25,26の全容積に対する連続気孔の割合である気孔率は、30〜60%に設定されている。このように気孔率が設定されているため、連続気孔の毛管作用によりガス流路T1,T2内の水が第1及び第2多孔質層25,26に吸い込まれ易くなる。前記第1及び第2排水促進部材28,30の気孔率は、50〜80容量%の範囲に設定さている。又、この実施形態では、前記多孔質層25,26の連続気孔の平均気孔径が例えば5μm〜30μmの範囲に設定され、前記第1及び第2排水促進部材28,30の連続気孔の平均気孔径が10μm〜50μmの範囲に設定されている。
[0044]
次に、前記のように構成した燃料電池の作用について説明する。
図3において、前記燃料ガスの供給通路M1に供給された燃料ガスは、前記第1ガス流路形成体21のガス流路T1内を矢印方向に流れる際に、乱流となる。これにより、燃料ガスは、ガス流路T1内において拡散した状態となる。この燃料ガスは、第1ガス拡散層19を通過することによってさらに適正に拡散されて、第1電極触媒層17に均一に供給される。
[0045]
図2において、前記酸化ガスの供給通路R1に供給された酸化ガスは、前記第2ガス流路形成体22のガス流路T2内を矢印方向に流れる際に、乱流となる。これにより、酸化ガスは、ガス流路T2内において拡散した状態となる。この酸化ガスは、第2ガ
【0016】
燃料オフガスの導出通路M2へ排出される。
[0048]
図2に示すように、カソード側の第2ガス流路形成体22のガス流路T2に生成された生成水は、カソード側の前記第2多孔質層26及び第2排水促進部材30の連続気孔の毛管作用及び第2排水促進部材30の連続気孔を流れるガスの流動圧力によって、前述したガス流路T1の浸透水と同様に酸化ガスの導出通路R2側へ排出される。
[0049]
第1実施形態の燃料電池よれば、以下のような利点を得ることができる。
(1)上記第1実施形態では、アノード側の第1ガス流路形成体21とセパレータ23との間には、第1多孔質層25が介在され、流路空間S1の下流部に形成された連通路27に第1排水促進部材28が設けられている。第1ガス流路形成体21に形成されたガス流路T1内の浸透水は、第1多孔質層2の毛管作用により該多孔質層25に吸い込まれる。この多孔質層25内に吸い込まれた浸透水は、水の表面張力によって第1排水促進部材28側へ流動する。その後、前述したように促進部材28を流れる燃料オフガスの流動圧力により、多孔質層25内から排水促進部材28内に浸透水が効率よく吸い込まれ、燃料オフガスの導出通路M2側へ排出される。このような構成により、第1電極触媒層17に燃料ガスが適正に供給されるため、第1電極触媒層17の水素欠乏状態が回避され、発電効率が向上する。
[0050]
又、前記第1ガス流路形成体21のガス流路T1内の浸透水は、第1多孔質層25に吸い込まれ、第1排水促進部材28を通して燃料オフガスの導出通路M2へ排出される。これにより、前記ガス流路T1内に浸透水が残留するのが防止され、浸透水によるガス流路T1内を流れる燃料ガスの圧力損失が低減されるので、発電効率が向上する。さらに、第1電極触媒層17の水素欠乏状態によって生じるアノード側の第1電極触媒層17の電位の上昇による第1ガス流路形成体21の腐蝕が防止されるため、その耐久性を向上することができる。第1ガス流路形成体21の材料の選択基準が緩和され、第1ガス流路形成体21の材料として安価な材料を用いることができ、材料コストを低減することができる。加えて、アノード側の第1電極触媒層17の水素欠乏状態が回避されるため、背景技術で述べた電解質膜16内の水和プロトンの低減が防止される。この水和プロトンの低減を補うためにカソード側の電極触媒層18の炭素粒子51

Claims (9)

  1. 電解質膜のアノード側の面に積層された第1電極触媒層と、
    同電解質膜のカソード側の面に積層された第2電極触媒層と、
    前記第1電極触媒層の表面に積層され、燃料ガスを供給するための第1ガス流路を備えた第1ガス流路形成体と、
    前記第2電極触媒層の表面に積層され、酸化ガスを供給するための第2ガス流路を備えた第2ガス流路形成体と、
    前記第1ガス流路形成体に設けられた第1セパレータと、
    前記第2ガス流路形成体の表面側に積層された第2セパレータと、
    前記燃料ガスの導入通路及び導出通路と、
    前記酸化ガスの導入通路及び導出通路と
    を備える燃料電池において、
    前記第2ガス流路形成体の表面と、該第2ガス流路形成体と対応する前記第2セパレータの裏面との間に第2ガス流路の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する多孔質層が介在され、
    前記第2ガス流路形成体の第2ガス流路の下流端と連通し、かつ前記多孔質層の連続気孔の下流端と連通するように、連続気孔を有する多孔質材料よりなる排水促進部材が配設され、
    前記第2ガス流路から毛管作用により前記多孔質層に吸い込まれた水は、水の表面張力によって下流側に流れて前記排水促進部材の連続気孔に吸入され、該排水促進部材内の水は、前記第2ガス流路内から前記排水促進部材の連続気孔を流動する酸化オフガスの流動圧力によって導出通路に排出される
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記排水促進部材の連続気孔の平均気孔径は、多孔質層の連続気孔の平均気孔径と同じかそれ以下に設定されている
    ことを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池において、
    前記排水促進部材は、多孔質層と同じ材料により一体的に形成されている
    ことを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記排水促進部材の連続気孔の平均気孔径を水流路の深さよりも浅く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の濡れ性を水流路の濡れ性よりも高く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の水和性を水流路の水和性よりも高く設定する構成とのいずれか一つの構成が選択されている
    ことを特徴とする燃料電池。
  5. 電解質膜のアノード側の面に積層された第1電極触媒層と、
    同電解質膜のカソード側の面に積層された第2電極触媒層と、
    前記第1電極触媒層の表面に積層され、燃料ガスを供給するための第1ガス流路を備えた第1ガス流路形成体と、
    前記第2電極触媒層の表面に積層され、酸化ガスを供給するための第2ガス流路を備えた第2ガス流路形成体と、
    前記第1ガス流路形成体の表面側に積層された第1セパレータと、
    前記第2ガス流路形成体に設けられた第2セパレータと、
    前記燃料ガスの導入通路及び導出通路と、
    前記酸化ガスの導入通路及び導出通路と
    を備える燃料電池において、
    前記第1ガス流路形成体の表面と、該第1ガス流路形成体と対応する前記第1セパレータの裏面との間に第1ガス流路内の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する第1多孔質層が介在され、
    前記第1ガス流路形成体の第1ガス流路の下流端に連通し、かつ前記多孔質層の連続気孔の下流端に連通するように、連続気孔を有する多孔質体よりなる第1排水促進部材を配設し、
    前記第1ガス流路から毛管作用により前記第1多孔質層に吸い込まれた水は、前記第1ガス流路を流れる燃料ガスの流動圧力によって下流側に流れて前記第1排水促進部材の連続気孔に吸入され、該第1排水促進部材内の水は、前記第1ガス流路内から前記第1排水促進部材の連続気孔を流動する燃料オフガスの流動圧力によって導出通路に排出される
    ことを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項5に記載の燃料電池において、
    前記第2ガス流路形成体の表面と、該第2ガス流路形成体と対応する前記第2セパレータの裏面との間に第2ガス流路の水を毛管作用により吸い込む連続気孔を有する第2多孔質層が介在され、
    前記第2ガス流路形成体の第2ガス流路の下流端と連通し、かつ前記第2多孔質層の連続気孔の下流端と連通するように、連続気孔を有する多孔質材料よりなる第2排水促進部材を配設し、
    前記第2ガス流路から毛管作用により前記第2多孔質層に吸い込まれた水は、水の表面張力によって下流側に流れて前記第2排水促進部材の連続気孔に吸入され、該排水促進部材内の水は、前記第2ガス流路内から前記排水促進部材の連続気孔を流動する酸化オフガスの流動圧力によって導出通路に排出される
    ことを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項5又は6に記載の燃料電池において、
    前記排水促進部材の連続気孔の平均気孔径は、多孔質層の連続気孔の平均気孔径と同じかそれ以下に設定されている
    ことを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項5又は6に記載の燃料電池において、
    前記排水促進部材は、多孔質層と同じ材料により一体的に形成されている
    ことを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項5に記載の燃料電池において、
    前記排水促進部材の連続気孔の平均気孔径を水流路の深さよりも浅く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の濡れ性を水流路の濡れ性よりも高く設定する構成と、排水促進部材の連続気孔の水和性を水流路の水和性よりも高く設定する構成とのいずれか一つの構成が選択されている
    ことを特徴とする燃料電池。
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