JPWO2010103634A1 - 車両用交流発電機 - Google Patents

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芳壽 石川
宮田 健治
健治 宮田
小山 貴之
貴之 小山
本間 雅彦
雅彦 本間
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Abstract

偏磁を抑制する形状を有する磁極(113)が周方向に複数設けられ、界磁巻線(112)を有する回転子(1)と、回転子(1)に空隙を介して配置された固定子(2)と、回転子(1)の界磁巻線(112)に通電することにより、固定子(2)に巻回されたコイル(105)に誘起された交流電流を整流して直流電流に変換する半導体素子と、を有し、電磁鋼板を積層して固定子(2)を形成し、固定子(2)に巻回されるコイル(105)の抵抗値を所定値以下とした車両用交流発電機。

Description

本発明は、車両用交流発電機に関する。
車両用交流発電機の固定子コイルの構造としては、分布巻や集中巻などの方式が知られている。例えば、回転子の極ピッチに対し固定子コアのティースに短節重ね巻きした3個の固定子コイルを三相結線した第1三相結線コイルと、第1三相結線コイルの各固定子コイルに対してそれぞれ電気角でπ/3(rad)ずつずらしてティースに3個の固定子コイルを短節重ね巻きして、第1三相結線コイルと同様に結線した第2三相巻線コイルと、を備える巻線構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−165422号公報
ところで、昨今のエネルギー問題に鑑み、車両用交流発電機も高効率化が求められているが、従来の技術においては、効率は良くても70%程度に留まり、頭打ちとなっていた。
本発明の第1の態様による車両用交流発電機は、偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、回転子に空隙を介して配置された固定子と、回転子の界磁巻線に通電することにより、固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換する半導体素子と、を有し、電磁鋼板を積層して固定子を形成し、固定子に巻回されるコイルの抵抗値を所定値以下とした。
本発明の第2の態様による車両用交流発電機は、偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、回転子に空隙を介して配置された固定子と、回転子の界磁巻線に通電することにより、固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換する半導体素子と、を有し、電磁鋼板を積層して固定子を形成し、ハーフ負荷時の固定子銅損を所定値以下とした。
本発明の第3の態様による車両用交流発電機は、偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、回転子に空隙を介して配置され、公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等の直径を有する固定子と、回転子の界磁巻線に通電することにより、固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するダイオードと、を有し、電磁鋼板を積層して固定子を形成し、固定子銅損が、ダイオードの整流損失と機械損と界磁銅損との和よりも小さい。
本発明の第4の態様による車両用交流発電機は、偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、回転子に空隙を介して配置され、公称φ128の車両用交流発電機における固定子の直径と同等の直径を有する固定子と、回転子の界磁巻線に通電することにより、固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するダイオードと、を有し、電磁鋼板を積層して固定子を形成し、固定子銅損と鉄損との和が、ダイオードの整流損失と機械損と界磁銅損との和よりも小さい。
本発明の第5の態様による車両用交流発電機は、偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、回転子に空隙を介して配置された固定子と、回転子の界磁巻線に通電することにより、固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するダイオードと、を有し、固定子を、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成し、ハーフ負荷時の発電効率が76%以上となるように、固定子銅損と鉄損との和を所定値以下にした。
本発明の第6の態様による車両用交流発電機は、偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、回転子に空隙を介して配置された固定子と、回転子の界磁巻線に通電することにより、固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するMOSFETと、を有し、固定子を、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成し、ハーフ負荷時の発電効率が86%以上となるように、固定子銅損と鉄損との和を所定値以下にした。
本発明によれば、車両用交流発電機の効率をさらに向上させることができる。
実施例1における車両用交流発電機の概念図を示す図である。 実施例2における車両用交流発電機の概念図を示す図である。 実施例3における回転電機のコイルの巻き方の例を示す図である。 実施例4における車両用交流発電機のコイルの巻き方を示す図である。 実施例5における車両用交流発電機のコイルの巻き方を示す図である。 実施例6における車両用交流発電機のコイルの巻き方を示す図である。 実施例7における車両用交流発電機のコイルの巻き方の例を示す図である。 実施例8における車両用交流発電機のコイルの巻き方の例を示す図である。 実施例9における車両用交流発電機のコイルの巻き方の例を示す図である。 実施例10における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す図である。 実施例11における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す図である。 図11の変形例を示す図である。 図11の他の変形例を示す図である。 実施例12における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す図である。 U相コイルの巻線図を示す図であり、(a)は三相系AのU相コイルを示し、(b)は三相系BのU相コイルを示す。 U相コイルの拾う磁束量のフェザー図である。 実施例13における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す図である。 実施例13におけるU相コイルの巻線図を示す図である。 実施例13におけるU相コイルの拾う磁束量のフェザー図である。 実施例14における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す図である。 実施例14におけるU相コイルの巻線図を示す図である。 実施例14におけるU相コイルの拾う磁束量のフェザー図である。 実施例15における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す図である。 実施例15におけるU相コイルの拾う磁束量のフェザー図である。 本発明の一実施例をなす空冷式の車両用交流発電機100の断面図である。 三相整流回路を示す図であり、(a)は三相Y結線がシングルの場合を示し、(b)は三相Y結線がダブルの場合を示す。 図2の実施例の模式図である。 整流素子としてMOSFETダイオード用いた場合の整流回路を示す図である。 コイルの断面積を大きくする構成の第1の例を示す図である。 コイルの断面積を大きくする構成の第2の例を示す図である。 サンプルA,Bの実測値と分析結果とを示す図である。 公称Φ139オルタネータの分析結果を示す図である。 公称Φ128オルタネータの分析結果を示す図である。 ベベルを説明する図であり、(a)は回転子1の斜視図、(b)は爪形磁極113の平面図、(c)は爪形磁極113の断面図である。 公称Φ128オルタネータで極数16とした場合の分析結果を示す図である。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態を説明する。前述したように、車両用交流発電機のさらなる効率向上を図るためには、より適切な損失解析を行い、目標とする効率を実現するための各損失値を分離して評価する必要がある。まず、本実施の形態における損失の解析方法について説明する。
車両用交流発電機(以下では、オルタネータと呼ぶ場合もある)の損失の内訳は、(1)整流損(整流における損失)、(2)機械損、(3) 界磁銅損、(4) 鉄損(回転子の渦電流損も含む)、(5)固定子銅損に分類される。これらの5種類の損失の内、整流損、機械損、固定子銅損、界磁銅損は、使用条件から比較的正確に推定することができる。一方、鉄損は実測も推定も難しく、全損失から上記4つの損失を差し引いたものがトータルの鉄損であると推定せざるを得ない。
最初に、本実施の形態における鉄損の分析方法について簡単に説明する。なお、鉄損以外の損失の算出方法については後述する。鉄損には、固定子鉄損と回転子側の渦電流損とが含まれる。しかし、ハーフ負荷時のように負荷がかかっている状態においては、固定子鉄損と回転子側の渦電流損とを分離して実測することはできない。そのため、本実施の形態では以下のようにして推測値を見積もるようにした。無負荷時には固定子コイルに電流が流れないので、無負荷時の損失(無負荷損)には、機械損と界磁に起因する固定子鉄損とが含まれることになる。そのため、無負荷時に実測される損失から上述した機械損を減算することで、無負荷時の鉄損が得られることになる。
実際のハーフ負荷時には固定子コイルに流れる電流(誘起電圧による電流)によって磁界が生成される。この磁界は、回転子の磁界よりも90度位相がずれており、その影響を受けて回転子の爪形磁極において偏磁が生じる。偏磁が生じていない場合には、爪形磁極における磁界は正弦波的な分布になっているが、偏磁が生じた場合には、爪形磁極の回転方向下流側に磁界のピークが生じるように偏磁する。その結果、磁極表面付近に渦電流が生じて損失が発生する。そのため、偏磁が生じると、回転子の渦電流損を含むトータルの鉄損は、無負荷損実測値から機械損を減算した値よりも大きくなると考えられる。
本発明者は、種々のオルタネータに対する損失分析を行うことで、回転子爪形磁極の周方向の両縁にベベルと呼ばれる偏磁抑制形状を形成することにより偏磁が抑制され、このような偏磁による損失を低減できることを見出した。偏磁抑制形状としては、面取りやR形状などがある。
図34(a)はオルタネータの回転子1を示す斜視図である。なお、オルタネータの全体構成については後述する。回転子1には、一方の端面から軸方向に延在する爪形磁極113と、他方の端面から逆方向に延在する爪磁極113とが、周方向に交互に設けられている。図34(b)に示すように、隣接する爪形磁極113の隙間には永久磁石116が設けられている。なお、図34(a)では、永久磁石116の図示を省略した。爪形磁極113の周方向の両縁には、ベベル113a,113bが設けられている。図34(c)の断面図に示すように、回転方向に対して反対方向側のベベル113bの面取り幅Biは、回転方向側のベベル113aの面取り幅Bdより広く設定されている。このように、回転方向反対側のベベル113bの面取り幅Biをより大きくすることによって、偏磁に対する抑制効果が高められる。なお、ベベルほど効果は大きくないが、回転子表面に溝を多数形成することでも渦電流を低減することができる。
図31は、2つのサンプルに対して損失の分析を行った結果を表にしたものであり、実測値と分析値とを示した。図31のサンプルAは回転子にベベルが形成されておらず、サンプルBはベベルが形成されている。ベベルが形成されたサンプルBの場合には、推定した各損失をトータルしたものと、実測されたトータルの損失とがほぼ一致している。一方、ベベルが形成されていないサンプルAの場合には、各推定損失をトータルしたものと、実測されたトータルの損失とが大きく乖離している。すなわち、ベベルを形成することにより、鉄損に含まれる偏磁に起因する損失が小さくなり、実測されたトータルの損失内訳を、より正確に分析できるようになった。逆に、これらの結果から、ベベルの効果をある程度見積もることができ、この見積もり値と無負荷損実測値から機械損を減算した値とから、トータルの鉄損を推定することができる。
車両用交流発電機の効率評価において、現時点で最も高効率評価指標として明確なものとしてVDA(Verband der Automobil industrie:ドイツ自動車工業会)の示す評価方法がある。その評価方法では、ハーフ負荷時のデータに基づいて、1800rpmの値に対しては25%、3000rpmの値に対しては40%、6000rpmの値に対しては25%、10000rpmの値に対しては10%の重み付けをして評価するようにしている。本実施の形態では、この評価方法に基づいて損失の検討を行う。
ここでは、公称Φ139オルタネータ(出力180A)において、効率76%を実現する場合について説明する。ハーフ負荷時の出力電流を90A、出力電圧を14Vとすると、効率76%を実現するためには次の条件を満たす必要がある。なお、公称Φ139オルタネータとは、オルタネータの大きさを外径寸法で呼称したものである。一般的に、公称Φ139オルタネータには、外径寸法がΦ137〜Φ141のものが含まれる。また、出力電圧に関しては、実際にはオルタネータは14±0.5V程度の幅で動作しており、計算結果(後述する損失や抵抗値)についても出力電力の幅に応じた所定の幅を有していることはもちろんであるが、以下では出力電力が14Vであるとして計算をする。
出力:14V×90A=1260W
入力:1260W÷0.76≒1658W
損失:1658W−1260W=398W
前述したように、損失の内訳は、(1)整流損(整流における損失)、(2)機械損、(3) 界磁銅損、(4) 鉄損(ロータ表面渦電流損を含む)、(5)固定子銅損である。以下では、現時点で最も効率の良いオルタネータ(以下では実機と称する)に関して各損失の分析を行い、その分析結果に基づいて、要求される効率を達成するための条件を求めるようにした。すなわち、合計の損失が398W以下となるような条件を求める。
(1)整流損
整流損は、整流回路に用いられているダイオードにおける損失であり、その値はダイオードの順方向電圧降下に依存している。ここでは、ハーフ負荷(90A)時のダイオードの順方向電圧降下を0.84Vとする。この値は、pn接合ダイオードの実測値ベースでの値であり、この値より小さくするのは難しい。整流損失は、
90A×0.84V×2≒151W
となる。整流素子にpn接合ダイオードを用いる限りは、この値をさらに低減することはできない。
(2)機械損
固定子コイルの端子を開放状態とした無負荷の場合には、固定子コイルには電流が流れない。そのため、界磁電流がゼロで無負荷の場合には、電流や磁界に関係する損失(銅損、鉄損)が発生せず、計測される損失は機械損のみであると考えることができる。そこで、本実施の形態では、界磁電流がゼロで無負荷時の損失を機械損とした。実機の計測データから、ハーフ負荷評価の各回転数における界磁電流ゼロかつ無負荷時の損失を求めると、8W(1800rpm)、18W(3000rpm)、56W(6000rpm)、140W(10000rpm)であるので、ハーフ負荷時における機械損は、
8W×0.25+18W×0.4+56W×0.25+140W×0.1≒37W
となる。
(3)界磁銅損
ハーフ負荷(90A)時の界磁電流は、3000rpm時では2.5Aである。回転数が3000rpmよりも高回転の場合には界磁電流は2.5Aより少ないので、最も界磁銅損が大きくなる場合の2.5Aで界磁銅損を考える。界磁コイルの温度を100℃と考え、界磁コイルの常温における抵抗値を2.0Ωとすると、界磁銅損は、
2.0Ω×(234.5+100)/(234.5+20)×2.5≒16W
となる。
(4)鉄損
鉄損の分析方法については既に説明したが、上述したように無負荷時に実測される損失から上述した機械損を減算することで、無負荷時の鉄損が得られる。ここでは、3000rpmにおける無負荷損実測値から3000rpmにおける機械損18Wを減算すると、無負荷時の損失は11Wとなる。本実施の形態で用いている実機においては、回転子にベベルが施されており、上述した11Wは実測に近い値となっており、個別に求めた各損失の合計と、実際のトータルの損失とがほぼ一致している。
ところで、周波数をf、磁束密度をBmとすると、鉄損は、一般的に式「鉄損∝f×Bm」で表される。オルタネータの場合、回転数(周波数)が増加すると磁束密度は比例して減少するので、鉄損(含む回転子渦電流損)は回転数に拘らず一定と考えられる。よって、3000rpmにおいて得られた損失値11Wを、VDAベースにおける鉄損と考えて良い。なお、本実施の形態の車両用交流発電機では、固定子コアの材料に、厚さが0.35mmで、周波数50Hz、磁束密度1.5Tの場合の損失が2.16W/kgである電磁鋼板を用いることで、鉄損の低減化を図っている。ここでは、磁束密度1.5Tの場合の損失を2.16W/kgとしているが、2.15〜3.0W/kg程度のものを使用しても良く、また、厚さに関しても0.35mmに限らず、0.5mmであっても良い。
(5)固定子銅損
固定子銅損は、一次固定子の常温での抵抗値をrとし、固定子コイルの温度を80℃とすると、固定子銅損は次式のように書ける。なお、ここでの固定子コイルの結線構造はダブルスター結線であって、抵抗値rは、ダブルスター結線の1相分のコイルに関する値である。また、0.817は直流電流を交流電流に変換する係数である。
rΩ×(234.5+80)/(234.5+20)
×6個×(0.817×90A/2)≒10022r
前述したように、公称Φ139オルタネータ(出力180A)において効率76%以上を達成するためには、上述した各損失を合計した値が398W以下となることが必要である。上述した実機では、整流損、機械損、界磁銅損および鉄損の低減化が図られており、上述した損失値を前提とすると、固定子銅損が次式を満足するように固定子コイルを設計することが、効率76%以上を達成するための有効な方策であるといえる。
(固定子銅損)≦398−(151W+37W+16W+11W)=183W
したがって、「10022r≦183W」を満たすように、固定子コイルの抵抗値rを「r≦0.018Ω」のように設定すれば、効率76%以上を達成することができる。ここでは、上述した出力電圧の幅等も考慮して抵抗値rを有効数字2桁で表しているが、ここでの抵抗値0.018Ωは、0.018*Ωや0.017*Ω(*は適当な数字)のように幅を有しているものとして考える。従来は、オルタネータのトータルの損失を検討する際に、これらの損失を明確に分離して検討することがなかったが、このように、本実施の形態における分析方法を用いることで、要求される効率に対して、固定子銅損をどの程度にすれば良いかが明確に分かるようになった。
公称Φ139オルタネータ(出力180A)に関する以上の結果を、図32の「Φ139ALT」と示す欄にまとめた。公称Φ139オルタネータの場合、銅損を185W以下とすることで、ほぼ76%の効率を達成することができる。また、ダブルスター結線の場合には、上述したように1相分のコイルの抵抗値を0.018Ω以下に設定すれば良いので、シングルスター結線の場合にはコイル抵抗値はその半分(0.009Ω以下)に設定すれば良い。同様に、ダブルΔ結線の場合にはダブルスター結線の場合の3倍に設定し、シングルΔ結線の場合にシングルスター結線の3倍に設定すれば良い。また、上述したように、整流損、機械損および界磁銅損の下限値は、現状の技術からある程度決まってくるので、さらなる高効率化(76%以上)を達成するためには、目安として、固定子銅損を整流損と機械損と界磁銅損との和よりも小さく設定することが必要である。他の設定方法としては、固定子銅損と鉄損との和を、要求効率を満たすことができる所定値以下に設定すれば良い。
上述した例では、整流用のダイオードとしてpn接合ダイオードを用いたが、順方向電圧降下のより小さいショットキーダイオードを用いることにより、整流損を低減することができる。ショットキーダイオードの順方向電圧降下はpn接合ダイオード約3/4であり、温度Ta=100℃、順方向電流=30Aの場合には、pn接合ダイオードが順方向電圧降下=0.84Vであるのに対して、ショットキーダイオードの場合には順方向電圧降下=0.55Vとなる。そのため、整流損は「90A×0.55V×2=99W」となり、トータルの損失は346W、効率は79%になる。
さらに、ダイオードを用いた整流回路に代えて、整流素子としてオン抵抗の小さいMOSFETを用いた同期整流回路を採用することにより、損失の比率が比較的大きな整流損をさらに小さくすることができ、更なる効率の向上が可能となる(図32の「Φ139MOSFET」の欄)。MOSFETを用いた場合には、電圧降下を0.1V程度とすることができる。そのため、整流損は、
90A×0.1V×2=18W
と、大幅に低減することができる。その結果、トータルの損失は265W(=398W−151W+18W)となり、オルタネータの効率は82.6%に向上する。
また、後述するように、界磁巻線磁束を増加させる補助励磁の役目をする永久磁石を、爪磁極間に配置する構成が知られている。この磁石にネオジ磁石を用いることで誘起電圧を増加させることができ、固定子コイルのターン数を減らすことにより固定子銅損の低減を図ることができる。図32の「Φ139(MOSFET+ネオジ)」と示す欄には、MOSFET整流回路とネオジ磁石とを採用すると共に、固定子コイルのターン数を8ターンから6ターンに減らした場合の損失、効率、固定子コイル抵抗値を示した。その結果、整流損と固定子銅損とを低減することができ、効率が86.3%に向上した。この場合、固定子コイルの抵抗値は0.012Ωとなる。
上述の考え方は、公称Φ139オルタネータだけではなく、公称Φ128オルタネータにも同様に適用することができる。公称Φ128オルタネータには、一般的に、外径寸法がΦ128〜Φ129のものが含まれる。図33の「Φ128ALT」と示す欄に、公称Φ128オルタネータ(出力140A)に適用した場合の損失、効率、固定子コイル抵抗値を示した。
上述した図32,33に示した公称Φ139ALT、公称Φ128ALTは、固定子の極数が12の場合について示した。オルタネータでは16極が一般的であるが、本実施の形態では極数12が採用されている。12極を16極と比較した場合、ターン数が増えて銅損が大きくなるという欠点はあるが、同一回転数であっても12極の方が周波数が低くなるので、周波数に依存する鉄損をより小さくすることができる。さらに、この12極のオルタネータに後述する分散巻きを採用することでターン数が抑えられ、固定子銅損を低減することができる。すなわち、12極のオルタネータの固定子コイルに分散巻きを採用することで、周波数に依存しない損失(固定子銅損、整流損、機械損、界磁銅損)を16極のオルタネータと同程度とし、さらに、周波数に依存する鉄損を16極の場合よりも小さくすることが可能となり、固定子銅損と鉄損との和を下げてより高効率なオルタネータを実現することができる。
図33の公称Φ128オルタネータもダブルスター結線の場合を示しており、固定子銅損を140W以下、または、1相分のコイルの抵抗値を0.022Ω以下に設定することで、効率76%以上を達成することができる。
図33の内容から、固定子銅損と鉄損(固定子側の渦電流損を含む)との和を、整流損と機械損と界磁銅損との和よりも小さく設定することで、効率76%以上を達成できるとも言える。他の設定方法としては、要求効率76%以上となるように、固定子銅損と鉄損との和を所定値以下に設定すれば良い。
一方、公称Φ128オルタネータで極数16とした場合、ターン数が少ないため銅損を下げることができる。ただし、鉄損が増える。そのため、公称Φ128オルタネータで極数16の場合には、固定子銅損と鉄損との和を150W以下とすることで効率76%以上を達成することが分かった。公称Φ128オルタネータで極数16とした場合の各損失を図35に示した。固定子抵抗は、固定子銅損と鉄損との和を150W以下となるように設定される。
また、公称Φ139オルタネータの場合と同様に、公称Φ128オルタネータに関しても、MOSFETやネオジ磁石を採用することにより、さらなる効率向上を図ることができる。その場合の損失内訳は、図33の「Φ128(MOSFET+ネオジ)の欄に記載のようになる。
このような抵抗値または固定子銅損を達成するための固定子巻線構造として、以下に説明するような巻線構造がある。
車両用交流発電機は、固定子や回転子を巻線と鉄心で構成し、回転子に巻かれた巻線に直流電流を流す、または回転子に永久磁石を備えることにより、回転子に磁気を与え、この回転子を回転させることにより、固定子に回転磁界を発生することで、固定子に巻かれたコイルに起磁力を得ることで発電する。
発電機の固定子コイルには、固定子の磁極をなすティースに巻く方式として、分布巻と集中巻がある。分布巻には全節巻きと短節巻きがあるが、いずれも実質電気角で180度にわたってコイルを巻き、残りの180度を反対向きに巻く。固定子のティースには全ての相のコイルが巻かれた構造である。分布巻の場合、コイルに流れた電流が誘起する磁束は、すべて自己のコイルを鎖交する、すなわち1つのコイルターンで誘起される磁束は必ず隣接する同相のコイルターンを鎖交するために、コイルのインダクタンスは比較的大きなものになる。このため、発電機では発電電流が小さくなり、モータの場合にはコイル電流の制御応答性が悪化する。
一方、集中巻は、各相ごとにコイルは完全に分離されており、個別にティースに巻かれている。各コイルが回転子から受け取る磁束は、電気角360度領域において、概ね相数分の1になってしまう。例えば三相交流系では、概ね1/3になってしまう。このため、鎖交磁束を高めるために、コイルの巻き数を増やす必要があり、これにより、コイルインダクタンスが増加してしまい、集中巻きにおいても、分布巻きと同様に、発電機では発電電流が小さくなり、モータではコイル電流の制御応答性が悪化する。
さらに集中巻きでは、固定子コイルに流れる電流による電機子反作用による電磁力高調波成分が多く、回転中における騒音が比較的大きいという問題がある。騒音の主原因のひとつである6次の時間高調波成分を打ち消すために、2つの三相系を用い、その位相差φを概ね30度とすることによって、6次の時間高調波成分を打ち消すことができる。上述した従来技術の位相差φは60度であるため、騒音の主原因のひとつである6次の時間高調波成分を低減することは困難である。
また、上述した従来技術は、原理的に集中巻であるため、1相分の固定子コイルは、発電機の場合、ロータから供給される鎖交磁束のうち電気角で120度領域のものしか利用できていない。分布巻が電気角360度領域にわたり利用しているのに対して、三相系集中巻は部分的にしか利用していないのである。
以下の実施の形態によれば、固定子端部に配置されるコイルリターンの肥大化を抑えることにより銅損を低く抑えることができるため、回転電機の運転効率を高めることができる。
また以下の実施の形態によれば、集中巻よりも高調波電磁力成分を比較的小さく抑えることができるため、低騒音化の効果が得られる。
また以下の実施の形態によれば、同じ誘起電圧を得る体系、すなわち回転子側との相互インダクタンスを同じにした体系で、コイルの自己インダクタンスを分布巻や集中巻に比べて低く抑えることができる。なぜならば、全領域にコイル巻きしている分布巻と違って、以下の実施の形態では1相分のコイルは電気角360度のうちの一部しか利用していないので、コイル自身が作る鎖交磁束の一部しかコイル自身と鎖交しないためである。また、集中巻では固定コイルと回転子磁極との対向面積が本発明の半分であるため、誘起電圧を上げるためにコイルターン数を増やす必要があり、コイルインダクタンスはコイルターン数の二乗で増大するため、必然的にコイルインダクタンスが増大する。本実施形態では、コイルの自己インダクタンスを低く抑えることができるため、モータとして使う場合、コイル電流の制御特性が高められ、また、発電機として使う場合、発電特性も高めることができる。
また以下の実施の形態によれば、2000rpm以下の低回転域から15000rpm以上の高回転域までの広い範囲で使用される自動車用交流発電機において非常に良好な電気的特性を得ることができる。自動車用交流発電機は自動車の走行に使用される内燃機関の回転エネルギーに基づいて電力を発生する。使用される回転域が非常に広いため、高速回転域において固定子コイルのインダクタンスに基づくインピーダンスが増大し、出力電流が抑えられる問題がある。この減少は効率低下にも結び付く。以下の実施の形態ではインダクタンスの増加が抑えられ、高速回転域において電流の出力特性が改善される。
上記説明では、電気的な作成の改善について説明したが、以下の実施の形態ではさらに上記とは異なる課題の解決が可能で上記とは異なる効果を奏する。以下の実施の形態によれば、固定子巻線の巻数が少なく、自動車用交流発電機に適用した場合に生産性が向上する。すなわち自動車用交流発電機は車両に搭載されるため、小型化の要求が強い。以下の実施の形態では固定子の巻数を少なくできるので、小型化の要求に沿って固定子を小型化した場合であっても、生産性に優れている。また従来の方式に比べ固定子の巻数を少なくできるため、小型化のニーズに沿うことが容易となる。
以下の実施の形態では固定子巻線の接続点数が増えないため、生産性に優れ、また高い信頼性を得ることができる。特に自動車用交流発電機では車体の振動や内燃機関の振動が伝わり易い環境で使用される。また、マイナスの温度から高温まで変化する温度変化の激しい環境で使用される。このため溶接などの接続点が多くないことが望ましい。さらには、コイルのターン数が少なく、コイルの露出面積が大きいため、コイルが他のコイルに埋もれることによって生じる熱のこもりなどを回避しやすくなり、耐熱性の面でも優れている。このような観点から以下の実施の形態は自動車用交流発電機に非常に適している。
(実施例1)
図1は、実施例1における車両用交流発電機の概念図を示す図であり、交流発電機の一部である回転子1および固定子2を直線状に展開して示したものである。回転子1には、複数の回転子磁極11が装備されている。回転子1と空隙を介して対向する固定子2には、固定子2の磁極を形成する複数のティース21が装備されている。複数のティース21には、U相コイル31,V相コイル32,W相コイル33が巻かれている。ここで、V相コイルとは、U相コイルを流れる交流電流に対して位相が120度遅れた(240度進んだ)交流電流が流れるコイルと定義する。また、W相コイルとは、U相コイルを流れる交流電流に対して位相が240度遅れた(120度進んだ)交流電流が流れるコイルと定義する。
実線はコイルが正巻き(ティースを内径側から見て時計方向巻き)されており、点線はそれとは反対の逆巻き(ティースを内径側から見て反時計方向巻き)されていることを意味する。図1には正巻きのコイルを回転子から遠い位置に巻いた場合を載せてあるが、回転子から近い位置に巻いても良い。図1に示すように、本実施例の固定子コイル構造は、2つの集中巻コイルを互いに電気角180度ずれた位置に2重に配置し、それぞれのU相コイル、V相コイル、W相コイル同士を直列に接続した構造になっている。
言い換えれば、固定子2が回転子1に空隙を介して配置され、電気角幅360度領域内に、同相のコイルターンによって形成される2つの固定子磁極91,92が配置されるようにコイルが巻回され、固定子磁極91,92を形成するそれぞれのコイルターンは周方向角度幅が電気角180度よりも小さく、2つの固定子磁極91,92をなすコイルターンが互いに重ならないように設けられているとともに、個々の固定子磁極91,92が互いに逆極性をなすようにコイルターンが巻回されている回転電機である。
ここでは、2つの固定子磁極91,92をなすコイルターンが、互いに電気角180度ずらして設けられている。そして、U,V,Wの3つの相の固定子磁極を構成し、それぞれ電気角60度ずつずらして配置されている。なお、V相コイルはU相コイルとは逆に巻く。これにより、+60度−180度=−120度となり、V相コイルはU相コイルよりも位相が120度遅れる。また、W相コイルは、U相コイルと同じ向きに巻くため、U相コイルよりも2×60度=120度位相が進む。また、この実施例では、1つのコイルターンがなす電気角幅は120度であり、同相では2つのコイルターンで240度の領域、すなわち全体の2/3の数のティースに巻かれている。このようなコイルの巻き方を、以下、「分散巻」と呼ぶことにする。
このため、本実施例における固定子コイルは、電気角360度以内に1つの集中巻コイルを設ける集中巻構造に比べて、回転子の磁束と鎖交する各コイルターンの回路面積が2倍であり、コイル利用効率は集中巻の2倍になっている。集中巻と同じ鎖交磁束を得るためには、ティースに巻くコイルターン数は、ある1本のティースに着目した場合、本実施例では、集中巻に比べて半分で済む。U相,V相,W相の各コイルは、集中巻に比べて2倍に分散されており、さらに、分布巻のように全てのティースにコイルが巻かれた構造ではなく、全体の2/3の数のティースにしか巻かれていない。このため、集中巻や分布巻に比べて、コイルインダクタンスを低く抑えることができる。
さらに本実施例は、集中巻に比べて、コイルが2倍に分散配置されており、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルは半分程度重複しながら巻かれているので、電機子反作用は集中巻に比べて周方向に比較的なめらかに分布することになり、高次の電磁力高調波成分が低減された構造になっている。このため、集中巻に比べると、より静かな回転電機として機能できる。
なお、図1の例は、固定子ティースを電気角60度毎に1本配置し、コイルターンが電気角度幅120度で巻回された構造であるが、固定子ティースを電気角30度毎に1本配置し、コイルターンを電気角度幅で90度、あるいは120度、もしくは150度で巻回された構造にしても同様の効果を持たせることができる。また、以下に示す図2〜図9に示す単一三相系による実施例も、固定子ティースを電気角60度毎に1本配置し、コイルターンが電気角度幅120度で巻回された構造になっているが、固定子ティースを電気角30度毎に1本配置し、コイルターンを電気角度幅で90度、あるいは120度、もしくは150度で巻回された構造にしても同様の効果を持たせることができる。
(実施例2)
図2は、実施例2における車両用交流発電機の概念図を示す。以下に述べる事項の他は、上記実施例1と同様である。
本実施例は、実施例1に対して、固定子コイルの巻き方が異なる。全ての固定子コイルは、ティース21に対して、それぞれスロットの回転子に近い位置と回転子から遠い位置の2層にわたって斜めに巻かれており、コイルの半径方向位置がすべてのコイルに対して平等に巻かれている。すなわち、各々のコイルターンの2つのスロット挿入部のうち、一方をスロットの回転子に近い位置に、他方をスロットの回転子から遠い位置に配置して、各相のコイルインダクタンスを平均化してある。実施例1では、各相のコイルは、直列接続することでティース21の半径方向のコイル配置に関して平等になっているが、本実施例では、直列接続する前のすべてのコイルに関して平等になっている。図27にその模式図を示す。全周期の各1/3の領域におけるコイルの位置を、順に循環するように配置し、全周期でみて各コイルに対して平等になるように配置したものである。
ティース21の半径方向のコイル配置に関して、各相のコイルが平等になっていることは、均等な三相交流系を構成する上で非常に好ましい。
(実施例3)
図3は、実施例3を示す図であり、回転電機のコイルの巻き方の例を示す。図3は、回転子1の外側に配置された固定子2を半径方向内側から見た図であり、U相コイル31,V相コイル32およびW相コイル33の巻き方を、上段、中段および下段に個別に示したものである。図3では、コイルの巻き方をわかりやすく示すために、コイルの太さを無視し、コイル間には隙間をあけて巻き方の概略がわかるように示してある。図面横方向が固定子2の周方向に相当する。ここでは電気角360度に対して6つのスロット(6つのティース)を設けている。従って、隣り合ったスロット(ティース)は電気角で60度の位相差がある。
図3の例では、U相,V相およびW相コイル31,32,33は、コイルの巻き方に関しては同様の構成となっている。以下では、一つの相を例に説明する。まず、周方向角度幅が電気角120度(ここでは2つのティース21)をなすようにコイルを2ターン巻回して、1つの固定子磁極91を形成する。このときのコイルの巻回し方向を、正巻と称することにする。次に、固定子磁極91の最後に挿入したスロットから、電気角180度(ここではティース21を3つ分)離れたスロットに当該コイルを挿入し、当該スロットから、固定子磁極91を構成するコイルターンとは逆向きにコイルを2ターン巻回して、固定子磁極92を形成する。このときのコイルの巻回し方向を、逆巻と称することにする。ここで2ターン巻回したとは、コイルが巻回される2つのスロットそれぞれにコイルがそれぞれ2本挿入されていることを意味している。同様にして、正巻の固定子磁極91と、逆巻の固定子磁極92とを交互に形成する、これらの固定子磁極91,92は1本のコイル線により形成され、直列に接続されている。これにより、コイルの全長を最も短くできるため、銅損を大きく減らすことができる。
尚、複数のティース21間に形成されるスロットに挿入される三相コイルの本数の合計が、各スロットで同一になるように巻いている。このように各スロットでコイル本数を同一にしておけば、コイルを均等に配置でき、コイルの集中がないため、コイルが巻き易く、コイルの通風冷却において、均等に冷却できるという効果がある。なお、同一の本数でなくとも、本実施形態における分散巻の構造をとることができることは言うまでもない。
実施例3では、ひとつのスロットに合計4本のコイルが挿入される。尚、ひとつのスロットに挿入されるコイルの合計本数が偶数の場合は、この実施例を応用することが可能である。
(実施例4)
図4は、実施例4における車両用交流発電機のコイルの巻き方を示す。次に示す事項の他は、上記実施例3と同様であり、U相コイル31,V相コイル32およびW相コイル33の巻き方を、上段、中段および下段に個別に示した。
上述した実施例3ではコイルターン数が2であったが、実施例4では、コイルターン数を2.5とした。すなわち、固定子磁極91を構成するために、周方向角度幅が電気角120度(ここでは2つのティース21)をなすようにコイルを2.5ターン巻回して1つ目の固定子磁極91を形成する。次に、最後に挿入したスロットから電気角180度(ここではティース21を3つ分)離れたスロットに当該コイルを挿入し、当該スロットから、固定子磁極91のコイルターンとは逆向きにコイルを2.5ターン巻回して、固定子磁極92を形成する。ここで2.5ターン巻回したとは、コイルが挿入される2つのスロットの一方にコイルが2本、他方にコイルが3本挿入されていることを表している。実施例4では、各相すべてのコイルのコイル端部を両側均等に配置できるため、コイル端部の肥大化を防止できる。ここでは2.5ターンの例を示したが、半整数回のターン数であれば、本実施例を適用可能である。
尚、実施例4は、ひとつのスロットに合計5本のコイルが挿入される。ひとつのスロットに挿入されるコイルの合計本数が奇数の場合、この実施例を応用することが可能である。
(実施例5)
図5は、実施例5における車両用交流発電機のコイルの巻き方を示す。次に示す事項の他は、上記実施例と同様であり、U相コイル31,V相コイル32およびW相コイル33の巻き方を、上段、中段および下段に個別に示した。図5においてコイルに施された矢印は、各相において2つのコイル系の電流のある時刻における向きを表している。
上述した実施例3,4では、正巻きコイル(固定子磁極91)と逆巻きコイル(固定子磁極92)とを1本のコイル線で形成したが、実施例5では、正巻きコイルと逆巻きコイルとを別のコイル線で形成し、それぞれを分離して構成した。すなわち、U相コイル31は正巻きコイル311と逆巻きコイル312とから成り、V相コイル32は正巻きコイル321と逆巻きコイル322とから成り、W相コイル33は正巻きコイル331と逆巻きコイル332とからなる。なお、巻き方に関しては、U,V,W相コイル31,32,33は同様の構成となっている。
正巻きの固定子磁極91を構成するために、コイルをその周方向角度幅が電気角120度(ここでは2つのティース21)をなすように巻回して1つ目の固定子磁極91を形成する。次に、当該コイルが最後に挿入されたスロットから電気角240度(ここではティース21を4つ分)離れたスロットに当該コイルを挿入し、当該スロットから、1つ目の固定子磁極91のコイルターンと同じ向きにコイルを2ターン巻回して2つ目の固定子磁極91を形成する。以下同様にして全ての固定子磁極91を形成する。
同様に、逆巻きの固定子磁極92を構成するために、前記正巻きのコイルで越えた電気角240度内に固定子磁極91とは位相が180度ずれるように、周方向角度幅が電気角120度(ここでは2つのティース)に跨ってコイルを固定子磁極91とは逆巻きに巻回して、1つ目の逆巻きの固定子磁極92を形成する。次に、最後に挿入したスロットから電気角240度(ここではティース21を4つ分)離れたスロットに当該コイルを挿入し、当該スロットから、1つ目の固定子磁極92のコイルターンと同じ向きにコイルを巻回して、2つ目の固定子磁極92を形成する。以下同様にして全ての固定子磁極92を形成する。
正巻きコイルと逆巻きコイルは直列接続されていることが好ましい。これにより、各相すべてのコイルのコイル端部を両側均等に配置できるため、コイル端部の肥大化を防止でき、またコイルが巻きやすく、量産性に優れている。
尚、実施例5は、ひとつのスロットに合計4本のコイルが挿入される。ひとつのスロットに挿入するコイルの合計本数が偶数の場合は、この実施例を応用することが可能である。
(実施例6)
図6は、実施例6における車両用交流発電機のコイルの巻き方を示す。次に示す事項の他は、上記実施例と同様であり、U相コイル31,V相コイル32およびW相コイル33の巻き方を、上段、中段および下段に個別に示した。図6において、コイルに施された矢印は、各相において2つのコイル系の電流のある時刻における向きを表している。
実施例6では、図5の実施例5の構成に加え、破線で示す第三のコイルであるU相コイル313,V相コイル323,W相コイル333を設けた。これらのコイルは、正巻きおよび逆巻きのコイルターンそれぞれが挿入されている2つのスロットのいずれか一方に、電気角180度の位相差をなす波巻で巻回されている。言わば分散巻き構造と分布巻き構造のハイブリッドになっており、分布巻きのメリットである高調波低減の特性をやや高めた構造になっている。
尚、実施例6は、ひとつのスロットに合計5本のコイルが挿入される。ひとつのスロットに挿入するコイルの合計本数が奇数の場合は、この実施例を応用することが可能である。
(実施例7)
図7は、実施例7における車両用交流発電機のコイルの巻き方の例を示す。次に示す事項の他は、上記実施例と同様であり、U相コイル31,V相コイル32およびW相コイル33の巻き方を、上段、中段および下段に個別に示した。図7において、コイルに施された矢印は、各相において2つのコイル系の電流のある時刻における向きを表している。
実施例7においても、正巻きコイルと逆巻きコイルとを分離して構成している。正巻きの固定子磁極91を構成するために、2つのコイルをその周方向角度幅が電気角120度(ここでは2つのティース21)をなすように波巻に巻回する。さらに、当該コイルが最後に挿入されたスロットから電気角240度離れた(ここではティース21を4つ分)スロットに挿入し、当該スロットから、固定子磁極91を構成するコイルターンと同じ向きに2つのコイルを波巻に巻回する。
同様に、逆巻きの固定子磁極92を構成するために、正巻きのコイルで越えた電気角240度内に、正巻きの固定子磁極91とは位相が180度ずれるように、2つのコイルをその周方向角度幅が電気角120度をなすように逆巻で波巻に巻回する。次に、その2つのコイルを電気角240度(ここではティース21を4つ分)離れたスロットに挿入し、そのスロットから、2つのコイルをその周方向角度幅が電気角120度をなすように逆巻で波巻に巻回する。このような巻き方を繰り返して逆巻きの固定子磁極92を構成する。2つのコイルは並列接続でも直列接続でも良いが、正巻きコイルと逆巻きコイルは直列接続されていることが好ましい。これにより、各相すべてのコイルのコイル端部を両側均等に配置できるため、コイル端部の肥大化を防止できる。またコイルを巻回するのではなく波巻で構成するので、コイルが巻きやすく、量産性に優れている。
尚、実施例7では、ひとつのスロットに合計4本のコイルが挿入される。ひとつのスロットに挿入するコイルの合計本数が偶数の場合は、この実施例を応用することが可能である。
(実施例8)
図8は、実施例8における車両用交流発電機のコイルの巻き方の例を示す。次に示す事項の他は、上記実施例と同様である。図8においてコイルに施された矢印は、各相において2つのコイル系の電流のある時刻における向きを表している。
実施例8では、図7の実施例7の構成に加え、第三のコイルであるU相コイル313,V相コイル323,W相コイル333を、正巻きおよび逆巻きのコイルターンそれぞれが挿入されている2つのスロットのいずれか一方に、電気角180度の位相差をなす波巻に巻回している。言わば、分散巻き構造と分布巻き構造のハイブリッドになっており、分布巻きのメリットである高調波低減の特性をやや高めた構造になっている。
尚、実施例8では、ひとつのスロットに合計5本のコイルが挿入される。ひとつのスロットに挿入するコイルの合計本数が奇数の場合は、この実施例を応用することが可能である。
(実施例9)
図9は、実施例9における車両用交流発電機のコイルの巻き方の例を示す。次に示す事項の他は、上記実施例と同様である。図9においてコイルに施された矢印は、各相において2つのコイル系の電流のある時刻における向きを表している。
実施例9は、図7の実施例7を変形したものである。固定子磁極92を構成するコイルは、固定子磁極91を構成するコイルを電気角180度(ここではティース21を3つ分)ずらしたものであり、電流方向を固定子磁極91とは逆にしている。これにより、2つのティース21を取り囲むようなループ電流が構成可能である。
尚、実施例9では、ひとつのスロットに合計4本のコイルが挿入される。ひとつのスロットに挿入するコイルの合計本数が偶数の場合は、この実施例を応用することが可能である。
(実施例10)
図10は、実施例10における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す。以下に述べる事項の他は、上記実施例と同様である。
本実施例では、上記の分散巻構造とダブル三相構造を組み合わせた構造を備えている。すなわち、図1で示した巻線群を2つ設け、互いに位相をずらして配置する。また、図10に示すように、ティース21の本数を電気角360度あたり12本にし、隣接するティース21間の電気角位相差が30度になるような構成にする。ティース21において、半径方向外側の部分に分散巻構造の三相交流系コイル(三相系A)を配置し、半径方向内側の部分に分散巻構造の三相交流系コイル(三相系B)を配置する。三相系Aに対して、三相系Bは電気角で30度ずれた位置に配置され、並列に接続される。三相系A,Bともに各コイルは例えば4本のティースを束ねるように巻く。
(実施例11)
図11は、実施例11における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す。以下に述べる事項の他は、上記実施例と同様である。
実施例11においても、三相系Aの巻線群と三相系Bの巻線群とを備えている。三相系Aの巻線群と三相系Bの巻線群とは、電気回路素子として同等であることが望ましい。そうすることで、高調波電磁力は効果的に低減でき、また、発電機としてみたときの出力電流が均等になり、合成された出力電流におけるリップルを小さく抑えることができる。
そこで、図11に示すように、周方向に巻くコイルを半径方向にずらして斜めになるように配線する。すなわち、三相系Aの巻線群と三相系Bの巻線群は、それぞれ3つの相の固定子磁極を構成し、互いに電気角30度ずれている相の巻線は、当該相の巻線同士が互いに隣り合ったスロットに巻回されるとともに、コイルエンド部において互いに交わらないようにスロットの回転子に近い位置と回転子から遠い位置にそれぞれ挿入されている。こうすることにより、2つの三相系A,Bは互いに平等な電気回路特性を有するようになる。
図11では、各コイルターンが4本のティースを巻く、すなわち周方向に電気角120度をなすように巻回されている例を示したが、図12に示すように3本のティースを巻く、すなわち周方向に電気角90度をなすように巻回しても良い。また、図13に示すように、5本のティースを巻く、すなわち周方向に電気角150度をなすように巻回しても良い。
本実施例のように、分散巻構造の二重三相系を構成し、2つの三相系A,Bの電気角位相差を30度あるいはその近辺に設定することにより、電磁力に関する6次の時間高調波成分を効果的に低減でき、発電機の騒音を大幅に低減できる。
(実施例12)
図14は、実施例12における車両用交流発電機のコイルの概念図を示す。以下に述べる事項の他は、上記実施例と同様である。図11では、ダブル三相構造をとるために、ティースの数を2倍にしたが、本実施例は、ティースの数はそのままで、すなわち、回転子1磁極当たりのティースが3本のままでダブル三相構造を実現する実施例である。
図14にその一例を示す。基本となる分散巻構造をここでは一部変更してある。図14の三相系AのU相コイルでは、実線で示した正巻きコイルは3本のティース間に跨るように巻回され、破線で示す逆巻きコイルは2本のティース間に跨るように巻回されている。一方、三相系BのU相コイルでは、実線で示す正巻きコイルは2本のティース間に跨るように巻回され、破線で示す逆巻きコイルは3本のティース間に跨るように巻回されている。いずれの場合も、正巻きコイルと逆巻きコイルとは同じスロットを共有し、その位置は三相系Aと三相系Bで同一の場所である。
このときのU相コイルの巻き線図を図15に示す。図15において、(a)は三相系AのU相コイルを示し、(b)は三相系BのU相コイルを示す。図15に示すように、三相系Aの正巻きコイル314と逆巻きコイル315、および、三相系Bの正巻きコイル317と逆巻きコイル316は、それぞれ波巻き状に巻かれている。このときの正巻きコイルと逆巻きコイルの巻き数は同数である。このときのU相コイルが拾う磁束量を、位相を考慮してフェザー図で示したのが図16である。図中の数値6と2は、正巻きコイルと逆巻きコイルの巻き数を2にした場合の磁束量のフェザーの相対的な大きさを示す量であり、ベクトル演算により、三相系Aと三相系BのU相コイルが拾う磁束量のフェザーの電気角位相差は27.8度となる。30度よりややずれるが、このときの6次の時間高調波電磁加振力成分の低減率は、
(1+cos(6×27.8deg))/2=0.013より、1.3%となり、十分な低減効果が得られ静音化が達成できる。
このように、U相コイル,V相コイルおよびW相コイルで形成される三相コイル系において、正巻きコイルと逆巻きコイルが巻くティースの数が異なる。本実施例によれば、ティースの数を2倍に増やさないで済むため、コイルが巻きやすいという効果がある。
ここで、ダブル三相系の相対角度が20度の場合は、(1+cos(6×20deg))/2=0.25、40度の場合は、(1+cos(6×40deg))/2=0.25でともに6次の時間高調波電磁加振力成分の低減率は25%にすることができる。従って、ダブル三相系の相対角度は、20〜40度の領域に設定しておけば、6次の時間高調波電磁加振力成分の低減率を25%以下に抑えることができる。
(実施例13)
図17〜図19は実施例13を説明する図である。実施例13は、上述した実施例12と同様な考えに基づく実施例であり、図15の例に補助コイルを追加した例である。図17はコイルの概念図を示し、図18はコイルの巻き方を示し、図19は図16と同様のフェザー図である。図18に示すように、コイルはすべて波巻き状に巻かれている。この場合も、6次の時間高調波電磁加振力成分の低減率は同じ値が得られ、上記実施例12と同じ効果が得られる。
(実施例14)
図20〜図22は実施例14を説明する図であり、図20はコイルの概念図を示し、図21はコイルの巻き方を示し、図22はフェザー図を示す。実施例14は、上述した図17の三相系Bを変更した例である。図21に示すように、コイルはすべて波巻き状に巻かれている。この場合の、6次の時間高調波電磁加振力成分の低減率は、(1+cos(6×32.2deg))/2=0.013より、前述の実施例と同じ値が得られ、前述の実施例と同じ効果が得られる。
(実施例15)
図23は、実施例15におけるコイル配置の概念図を示す図である。三相系Aと三相系Bのコイルの位置を少しシフトすることにより、三相系Aと三相系B間の電気角位相差を30度近くにもってくることができる。本実施例では、図24のフェザー図により、三相系Aと三相系B間の電気角位相差は、43.9−16.1=27.8deg)となる。この場合の、6次の時間高調波電磁加振力成分の低減率は、(1+cos(6×27.8deg))/2=0.013となり、前述の実施例と同じ効果がある。図23のコイル配置は概念図を示しており、適宜コイルを半径方向に移動して、巻きやすくしても、6次の時間高調波電磁加振力成分は効果的に低減できることは言うまでもない。
上記のいずれの実施例も、電力電機用,産業用,家電用,自動車用などに幅広く使用されるモータ、発電機などの回転電機に適用することが可能である。幅広く様々な分野に応用が期待でき、大きいものでは、風力発電機,自動車駆動用,発電用回転電機,産業用回転電機,中型機では、産業用,自動車用補機などで使用される回転電機、小さいものでは、家電用、OA用機器などに使用される回転電機への適用が可能である。
例えば、発電機に利用した場合の実施例を示す。上記のような二重三相系を構成することにより、よりリップルの少ない発電電流を得ることができる。
図25は、本発明の一実施例をなす空冷式の車両用交流発電機100の断面図を示す。回転子1にはシャフトの中心部に爪形磁極113とその中心部に界磁巻線112が配置される。シャフトの先端にはプーリ101が取り付けられており、その反対側には前記界磁巻線に給電するためのスリップリング109が設けられている。更に回転子1の爪形磁極113の両端面には回転と同期して回転する冷却ファンのフロントファン107Fとリアファン107Rから構成されている。また、爪磁極極113には永久磁石116が配置され界磁巻線磁束を増加させる補助励磁の役目を果たしている。一方、固定子2は固定子磁極91,92と固定子巻線から構成され、回転子1と僅かなギャップを介して対向配置されている。固定子2はフロントブラケット114とリアブラケット115によって保持され、両ブラケットと回転子1はベアリング102Fおよび102Rで回転可能に支持されている。先に述べたスリップリング109はブラシ108と接触し電力を給電される構成となっている。固定子巻線は上記実施例のように三相巻線で構成されており、それぞれの巻線の口出し線は、整流回路111に接続されている。整流回路111はダイオード等の整流素子から構成され、全波整流回路を構成している。例えばダイオードの場合、カソード端子はターミナル106に接続されている。また、アノード側の端子は車両用交流発電機本体に電気的に接続されている。リアカバー110は整流回路111の保護カバーの役割を果たしている。
次に、発電動作について説明する。エンジン(図示せず)と車両用交流発電機100は一般的にはベルトで連結されている。車両用交流発電機100はプーリ101でエンジン側とベルトで接続され、エンジンの回転と共に回転子1は回転する。回転子1の爪形磁極113の中心部に設けられた界磁巻線112に電流が流れることで、この爪形磁極113が磁化され、その回転子1が回転することで固定子巻線に三相の誘導起電力が発生する。その電圧は先に述べた整流回路111で全波整流され、直流電圧が発生する。この直流電圧のプラス側はターミナル106と接続されており、更にバッテリー(図示せず)と接続されている。詳細は省略するが、整流後の直流電圧はバッテリーを充電するのに適した電圧となるように、界磁電流は制御されている。
図26は、図25で示した巻線で構成される三相整流回路を示す。図26(a)は図1〜図9の実施例、図26(b)は図10以降の実施例に対応する。各相巻線は三相Y結線で接続されている。三相コイルの反中性点側の端子は図示したように6個のダイオードD1+〜D3−に接続されている。また、プラス側のダイオードのカソードは共通となっており、バッテリーのプラス側に接続されている。マイナス側のダイオード端子のアノード側は同様にバッテリーのマイナス端子に接続されている。
図26(b)において、電気的に独立した三相巻線のU1巻線とU2巻線の電圧は等しく電気的位相は30度ずれているため、電位の大きいところが選択され最終的には30度幅のリプルとなる。
尚、ここではスター結線の例を示したが、デルタ結線を採用しても良い。デルタ結線を採用した場合は、スター結線の場合に比べてコイル誘起電圧を11.5%高めることができるという効果が得られる。
尚、上記した実施例は、言い換えれば、単一の三相交流系の電流が流れる固定子コイルと、これを巻きつけるティース、ティースを流れる磁束を還流させるコアバックからなる固定子、およびティースに対向する磁極を有する回転子、で構成される発電機において、各ティースに巻かれる固定子コイルが、U相コイルとV相コイル、あるいはV相コイルとW相コイル、もしくはW相コイルとU相コイルのみである発電機である。
また、単一の三相交流系の電流が流れる固定子コイルと、これを巻きつけるティース、ティースを流れる磁束を還流させるコアバックからなる固定子、およびティースに対向する磁極を有する回転子、で構成される発電機において、ティースにおいて半径方向外側の位置にU相コイル,V相コイルおよびW相コイルの集中巻コイル系を配置し、さらに半径方向内側の位置に先に述べた集中巻コイル系とは逆巻きのU相コイル,V相コイルおよびW相コイルの集中巻コイル系を配置し、これら2つの集中巻コイル系を各相毎に直列に接続するものである。
また、U相コイル,V相コイルおよびW相コイルで形成される三相コイル系を2つもち、それぞれのコイル系統の電気角位相差を略30度、あるいは20度から40度の範囲内に設定した発電機である。
図26では、整流素子としてダイオードを用いた場合の回路を示したが、ダイオードの代わりにMOSFETを用いた同期整流回路の場合には、図28に示すような回路となる。図28は図26(a)に対応するシングルスター結線の固定子コイルY1の場合を示したものであり、図26(a)のダイオードD1+,D2+,D3+,D1−,D2−,D3−に対応してMOSFT401a,402a、403a、401b、402b、403bが設けられている。MOS制御回路404は、U,V,W相の電圧の正負に応じて各MOSFET401a〜403bのオンオフを制御し、整流動作を行わせる。
固定子コイルの抵抗を小さくして銅損を低減する対策としては、上述した巻線方法の変更の他に、スロット内におけるコイルの断面積を大きくすることも有効である。そのような対策の例を図29,30に示す。
図29に示す例では、スロットの断面積を拡大することにより、固定子コイル抵抗の低減を図っている。図29は、固定子コア500の断面の一部を示す図である。図29の左側半分は改善前のコア形状を示しており、図29の右側半分は改善後のコア形状を示している。固定子コア500は、ティース501とスロット502とが周方向に交互に形成されている。固定子コイル(不図示)はスロット502内に収められ、所定のティース501と他のティース501との間で巻回される。右側に示す改善後においては、スロット502を矢印で示すようにコアバック方向に拡大することにより、スロット502の断面積を改善前の面積A1よりも面積A2だけ大きくしている。これにより、固定子コイルの断面積を大きくすることができ、コイル抵抗および銅損の低減を図ることができる。
図30に示す第2の例は、コイルを挿入する入口が半分閉じた半閉スロットタイプのスロット602において、より線径の大きなコイル線が使用できるような構造とし、コイル占有率の向上を図ったものである。図29(b)は、スロット602内に固定子コイル603が収められた状態の断面を示す図である。半閉スロットの場合、ティース601の先端部分に周方向への突起(以下、凸部と呼ぶことにする)601aが形成され、スロット入口が窄まっている。そのため、従来の構造の場合には、径寸法がこの入口の幅Hよりも小さなコイル線しか使用することができなかった。
図30に示す固定子コア600では、ティース601の先端の凸部601aを図29(a)に示すような開いた形に形成し、スロット入口の幅をスロット602内の幅とほぼ等しくした。このような形状とすることにより、スロット幅と程同程度の線径を有するコイル線を用いることが可能となる。ここでは、コイル線として角線を用いて、コイル断面積を可能な限り大きくするようにしている。なお、角線は、断面形状が厳密な矩形とは限らず、角部が丸くなっているものも各線と呼ばれている。また、604は、絶縁紙等の絶縁材である。
図29(a)に示すようにコイル603をスロット602内に挿入したならば、その後、図29(b)の矢印で示すように、凸部601aを加締めてティース先端の形状を略T字形状に変形することにより、従来の半閉スロットタイプと同様の形状にする。このような構成とすることで、より線径の太いコイル線を用いることができ、固定子コイル抵抗を低減することができる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。

Claims (28)

  1. 偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、
    前記回転子に空隙を介して配置された固定子と、
    前記回転子の界磁巻線に通電することにより、前記固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換する半導体素子と、を有し、
    電磁鋼板を積層して前記固定子を形成し、
    前記固定子に巻回されるコイルの抵抗値を所定値以下とした車両用交流発電機。
  2. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記半導体素子にはダイオードが用いられ、
    前記固定子は、直径が公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子コイルはダブルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.018Ω以下である車両用交流発電機。
  3. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記半導体素子にはダイオードが用いられ、
    前記固定子は、直径が公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子コイルはシングルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.009Ω以下である車両用交流発電機。
  4. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記半導体素子にはMOSFETが用いられ、
    前記固定子は、直径が公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子コイルはダブルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.018Ω以下である車両用交流発電機。
  5. 請求項4に記載の車両用交流発電機において、
    前記回転子にネオジ磁石から成る爪磁極間磁石を設け、
    前記固定子コイルはダブルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.012Ω以下である車両用交流発電機。
  6. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記半導体素子にはMOSFETが用いられ、
    前記固定子は、直径が公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子コイルはシングルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.009Ω以下である車両用交流発電機。
  7. 請求項6に記載の車両用交流発電機において、
    前記回転子にネオジ磁石から成る爪磁極間磁石を設け、
    前記固定子コイルはシングルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.006Ω以下である車両用交流発電機。
  8. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記半導体素子にはMOSFETが用いられ、
    前記固定子は、直径が公称φ128の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子コイルはダブルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.022Ω以下である車両用交流発電機。
  9. 請求項8に記載の車両用交流発電機において、
    前記回転子にネオジ磁石から成る爪磁極間磁石を設け、
    前記固定子コイルはダブルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.015Ω以下である車両用交流発電機。
  10. 請求項1に記載の車両用交流発電機において、
    前記半導体素子にはMOSFETが用いられ、
    前記固定子は、直径が公称φ128の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子コイルはシングルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.011Ω以下である車両用交流発電機。
  11. 請求項10に記載の車両用交流発電機において、
    前記回転子にネオジ磁石から成る爪磁極間磁石を設け、
    前記固定子コイルはシングルスター結線により結線され、周囲温度が20℃〜25℃のときの1相当たりのコイル抵抗値が0.0075Ω以下である車両用交流発電機。
  12. 偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、
    前記回転子に空隙を介して配置された固定子と、
    前記回転子の界磁巻線に通電することにより、前記固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換する半導体素子と、を有し、
    電磁鋼板を積層して前記固定子を形成し、
    ハーフ負荷時の固定子銅損を所定値以下とした車両用交流発電機。
  13. 請求項12に記載の車両用交流発電機において、
    要求効率におけるハーフ負荷想定時の発電機の損失から、ハーフ負荷時の前記半導体素子の整流損失と、無負荷無励磁損失で定義される機械損と、ハーフ負荷でかつ所定回転数における、回転子の渦電流損も含む鉄損と、ハーフ負荷でかつ所定回転数における界磁銅損とを差し引いた残余の損失値を、前記所定値に設定した車両用交流発電機。
  14. 請求項13に記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子は、直径が公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    コイル温度が略80℃のときの前記固定子銅損が185W以下である車両用交流発電機。
  15. 請求項13に記載の車両用交流発電機において、
    極数が12であって、
    前記固定子は、直径が公称φ128の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    コイル温度が略80℃のときの前記固定子銅損が140W以下である車両用交流発電機。
  16. 請求項13に記載の車両用交流発電機において、
    極数が16であって、
    前記固定子は、直径が公称φ128の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    コイル温度が略80℃のときの前記固定子銅損と前記鉄損との和が150W以下である車両用交流発電機。
  17. 請求項13に記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子は、直径が公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子銅損を、前記整流損失と前記機械損と前記界磁銅損との和よりも小さくした車両用交流発電機。
  18. 請求項13に記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子は、直径が公称φ128の車両用交流発電機における固定子の直径と同等であって、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成され、
    前記固定子銅損と前記鉄損との和を、前記整流損失と前記機械損と前記界磁銅損との和よりも小さくした車両用交流発電機。
  19. 偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、
    前記回転子に空隙を介して配置され、公称φ139の車両用交流発電機における固定子の直径と同等の直径を有する固定子と、
    前記回転子の界磁巻線に通電することにより、前記固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するダイオードと、を有し、
    電磁鋼板を積層して前記固定子を形成し、
    固定子銅損が、前記ダイオードの整流損失と機械損と界磁銅損との和よりも小さい車両用交流発電機。
  20. 偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、
    前記回転子に空隙を介して配置され、公称φ128の車両用交流発電機における固定子の直径と同等の直径を有する固定子と、
    前記回転子の界磁巻線に通電することにより、前記固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するダイオードと、を有し、
    電磁鋼板を積層して前記固定子を形成し、
    固定子銅損と鉄損との和が、前記ダイオードの整流損失と機械損と界磁銅損との和よりも小さい車両用交流発電機。
  21. 請求項19または20に記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子を、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成した車両用交流発電機。
  22. 偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、
    前記回転子に空隙を介して配置された固定子と、
    前記回転子の界磁巻線に通電することにより、前記固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するダイオードと、を有し、
    前記固定子を、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成し、
    ハーフ負荷時の発電効率が76%以上となるように、固定子銅損と鉄損との和を所定値以下にした車両用交流発電機。
  23. 偏磁を抑制する形状を有する磁極が周方向に複数設けられ、界磁巻線を有する回転子と、
    前記回転子に空隙を介して配置された固定子と、
    前記回転子の界磁巻線に通電することにより、前記固定子に巻回されたコイルに誘起された交流電流を整流して直流電流に変換するMOSFETと、を有し、
    前記固定子を、回転周波数が50Hzで磁束密度が1.5Tのときの損失が2〜3W/kg以下である厚さ0.35mmの電磁鋼板を積層して形成し、
    ハーフ負荷時の発電効率が86%以上となるように、固定子銅損と鉄損との和を所定値以下にした車両用交流発電機。
  24. 請求項1〜23のいずれか一項に記載の車両用交流発電機において、
    前記回転子の磁極に、渦電流低減のための溝を形成した車両用交流発電機。
  25. 請求項2または3に記載の車両用交流発電機において、
    前記ダイオードに、ショットキーダイオードを用いた車両用交流発電機。
  26. 請求項1〜25に記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子は、丸線のコイルが巻回されている車両用交流発電機。
  27. 請求項1〜25に記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子は、角線のコイルが巻回されている車両用交流発電機。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子は、前記回転子の磁極がなす電気角360度以内に、同相のコイルターン及び固定子コアによって形成される固定子磁極が2つ配置されるように固定子コイルが巻回され、それぞれの固定子磁極を形成する前記コイルターンは周方向角度幅が電気角180度よりも小さいコイルターンであり、2つの前記固定子磁極をなす前記コイルターンが互いに重ならないように設けられているとともに、隣接する前記固定子磁極が互いに逆極性をなすように前記コイルターンが巻回されている車両用交流発電機。
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