本発明は、ヘッドランプの光源を点灯するヘッドランプ光源点灯装置、ヘッドランプ光源点灯装置に対応する報知装置、及びヘッドランプ光源点灯装置に対応する通信装置に関するものであり、特にヘッドランプ光源点灯装置と他の外部機器との間における信号の入出力に関する。
車載用のヘッドランプとして、従来のハロゲン電球に代替し長寿命で明るい放電灯やLED(発光ダイオード)を光源として用いるものが普及してきており、その中でも近年ではAFS(Advance Front Lighting System)やDRL(Daytime Running Light)等の付加機能を備えた高機能のヘッドランプが登場している。このような高機能のヘッドランプの1つとして、ヘッドランプの光源やヘッドランプ光源点灯装置に関する異常事態を運転者に報知する機能を備えるものや、外部の通信装置と通信し情報の送受信を行うものがある。
異常事態を運転者に報知する機能を備える上記のヘッドランプに適用されるものとして、例えば、光源に流れる電流及び印加される電圧から光源の劣化状態を判定し異常として表示するもの(特許文献1)や、車載される機器の異常を運転者に報知するものがある(特許文献2)。
特開平10−69989号公報
特開2000−6736号公報
しかし、光源やヘッドランプ光源点灯装置に関する異常を運転者に報知し、及び外部の装置と通信によって伝達するためには、ヘッドランプ光源点灯装置の異常を報知する装置、及び通信対象となる装置を接続する必要がある。そのため、異常を報知する装置を接続するための接続端子と、通信対象となる装置を接続するための接続端子を、それぞれ当該ヘッドランプ用点灯装置に設けなければならないという問題がある。
そこで、本願発明は、光源及び/又は当該光源点灯装置に関する異常の報知、及び外部の装置との通信を、1つの接続端子を用いてできるようにしたヘッドランプ光源点灯装置を提案する。
本発明に係るヘッドランプ光源点灯装置は、ヘッドランプの光源を点灯するものであって、第1の装置が接続される接続端子と、光源の状態及び/又は当該光源点灯装置の状態に関する報知信号を、接続端子を介して第1の装置に出力する報知信号出力部と、第1の装置とは異なる第2の装置に、報知信号とは異なる信号形態を有する通信信号を、接続端子から出力する通信信号出力部とを備えるものである。
本発明によれば、報知信号と、当該報知信号とは異なる信号形態を有する通信信号とを同一の出力端子から出力するので、光源及び/又は当該光源点灯装置に関する異常の報知、及び外部の通信装置との通信を、1つの接続端子を用いて行うことができる。
本願の一実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の一実施形態に係る、点灯装置100の出力信号レベルを示す波形図
本願の一実施形態に係る、判定回路203の構成を示す回路図
本願の他の実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、判定回路203aの構成を示す構成図
本願の他の実施形態に係る、電圧レベル判定回路600における判定内容を示す図
本願の他の実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、点灯装置100bの出力信号のレベルを示す波形図
本願の他の実施形態に係る、定電流出力の回路構成を有する点灯装置100bを備えたヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、定電圧出力の回路構成を有する点灯装置100bを備えたヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、電圧レベル判定回路600cにおける判定内容を示す図
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る点灯装置100、異常報知装置200、及び外部通信装置300とそれらの接続関係を示す回路図である。点灯装置100及び異常報知装置200はヘッドランプ点灯システムを構成する。
点灯装置100は、光源2の点灯制御を行うと共に、異常報知装置200及び外部通信装置300に対し報知信号及び通信信号を出力する。異常報知装置200は、点灯装置100から出力された報知信号に基づいてアラームランプ204を点灯させることにより、光源2および/又は点灯装置100の異常状態を運転者に報知する。外部通信装置300は、接続SW4により信号線3を介して点灯装置100に接続されることにより、点灯装置100から出力される通信信号を受信し当該外部通信装置300の処理を行う。外部通信装置300は、例えば、光源2や点灯装置100の検査時に接続されることで、点灯装置100内に記憶された設定情報や異常情報などを読み出して表示する検査装置(ダイアグノーシス)である。点灯装置100、及び異常報知装置200はいずれも図示しない電源から供給される電力により動作し、特に点灯装置100には電源SW1を介して電力が供給される。以下、点灯装置100、異常報知装置200、及び外部通信装置300の構成について説明する。
点灯装置100は、制御回路101、抵抗102、トランジスタ103、抵抗104、抵抗105、トランジスタ106、ダイオード107、抵抗108、比較器109、及び接続端子110〜114から構成されている。
制御回路101は、接続端子111及び112を介して光源2に接続されている。また、制御回路101は、接続端子110を介して電源と接続され、接続端子114を介して接地されている。制御回路101のアラーム出力部123は、抵抗102を介してトランジスタ103のベースと接続されている。アラーム出力部123、抵抗102、トランジスタ103、及び抵抗104により報知信号出力部が構成されている。トランジスタ103のコレクタは抵抗104を介して接続端子113(出力端子)と接続されている。制御回路101の受信部124は、比較器109と接続されている。比較器109は、外部通信装置300からの通信信号を判別する通信信号入力部である。制御回路101の送信部125は、抵抗105を介してトランジスタ106のベースと接続されている。トランジスタ106のコレクタはダイオード107及び抵抗108を介して接続端子113と接続されている。送信部125、抵抗105、トランジスタ106、ダイオード107、及び抵抗108により通信信号出力部が構成されている。
異常報知装置200は、ダイオード201、抵抗202、判定回路203、アラームランプ204、及び接続端子205〜206から構成されている。
入力端子205は、信号線3を介して点灯装置100の接続端子113に接続されている。判定回路203の入力部は、入力端子205に接続されると共に、抵抗202、ダイオード201、及び接続端子206を介して図示しない電源と接続されている。判定回路203の出力部は、アラームランプ204を介して接続端子206に接続されている。以下、ダイオード201と抵抗202との間における電圧をIG基準電圧と呼ぶ。
アラームランプ204は、例えば運転席の計器パネル内のランプであり、判定回路203の出力に基づいて点灯することで、運転者に光源2および/又は点灯装置100に異常が生じたことを報知する。
外部通信装置300は、通信回路301、抵抗302、比較器303、ダイオード304、トランジスタ305、抵抗306、及び接続端子307から構成されている。
接続端子307は、接続SW4を介して信号線3と接続されている。比較器303は、抵抗302を介して接続端子307と接続されている。通信回路301の受信部310は、比較器303と接続されている。通信回路301の送信部311は、抵抗306を介してトランジスタ305のベースに接続されている。トランジスタ305のコレクタはダイオード304及び抵抗302を介して接続端子307と接続されている。
次に点灯装置100、異常報知装置200、及び外部通信装置300の動作について説明する。
点灯装置100の制御回路101は、接続端子110を介して接続された電源から供給される電力により動作し、光源2の点灯制御を行う。
制御回路101のアラーム出力部123は、0Vと5Vとからなる矩形波を出力することでトランジスタ103のONとOFFを切り換える。トランジスタ103のONとOFFの切り換えによる電圧の変化が報知信号として出力される。
報知信号により報知される情報としては、例えば、点灯装置100が正常動作していること、光源2にちらつきが発生していること、または接続端子111、112間が短絡していることなどがある。制御回路101は、光源2の電圧及び/又は電流を検出する検出部と、当該検出部の出力により光源2の状態を判定する判定部とを有しており、当該判定部の出力に基づきアラーム出力部123の出力する報知信号を制御している。
例えば、接続端子111、112間が短絡すると、電圧が大きく低下し電流が大きく増加するため、判定部は接続端子111、112間が短絡していると判定し、判定結果をアラーム出力部123に出力する。アラーム出力部123は、判定部の出力に基づいて、短絡を示す後述の報知信号を出力する。
また、光源2として用いた放電灯を交流点灯している場合、放電灯が寿命に近づくと、通電電流値がゼロになる極性の切り換わり点で立ち消えが発生することがある。立ち消えが発生すると、通電電流はゼロのままで印加電圧が上昇することから、点灯装置100は放電灯を再点灯するが、このときの放電灯の消灯及び点灯はちらつきとして観測される。そのため、放電灯の立ち消えにより通電電流がゼロで印加電圧が高い状態になった後に、再点灯のイグナイタパルスが発生し、点灯して所定の電圧及び電流に至る放電灯再点灯時の特有な電圧及び/又は電流の振る舞いを検出することにより、判定部は放電灯がちらついていると判定し、判定結果をアラーム出力部123に出力する。アラーム出力部123は、判定部の出力に基づいて、放電灯のちらつきを示す後述の報知信号を出力する。
また、放電灯の経年劣化により、放電灯内のガスが抜けた場合や対になっている電極劣化し通電電流が乱れる場合も、放電灯がちらつくことがある。通電電流が乱れる場合は、判定部は電流の乱れから放電灯がちらついていると判定し、判定結果をアラーム出力部123に出力する。
以上のように、点灯装置100は、光源2の印加電圧及び/又は通電電流を検出する検出部と、検出された電圧及び/又は電流に基づいて、光源2及び/又は当該点灯装置100の状態を判定する判定部と、判定部の判定結果に基づいて報知信号を出力するアラーム出力部123とを備えることにより、外部の異常報知装置200に光源2及び/又は当該点灯装置100の状態を報知することができる。
制御回路101の受信部124は、比較器109から出力される信号を受信する。制御回路101の送信部125は、0Vと5Vとからなる矩形波を出力することで、トランジスタ106のONとOFFを切り換える。トランジスタ106のONとOFFの切り換えによる電圧の変化が通信信号として出力される。通信信号により伝えられる情報として、例えば以下のような入力情報や出力情報がある。なお、ここで入力情報とは、外部通信装置300から点灯装置100へ通知される情報のことをいい、出力情報とは、点灯装置100から外部通信装置300へ通知される情報のことをいう。
入力情報の第1の例としては、点灯装置100の出力電力の調整値がある。ヘッドランプに装着される光源2は、特性にバラツキが存在するため、点灯の際には装着された光源2の特性に応じて出力電力の調整が必要な場合があり、この場合、点灯装置100は光源2の特性に応じた複数の出力特性を用意しなければならない。そこで、外部通信装置300から、ヘッドランプに装着した光源2に対応する出力電力の調整値を通信信号により点灯装置100に通知し設定することにより、光源2に応じた点灯制御が可能になる。
また、入力情報の第2の例としては、接続する光源2の発光色や発光効率等の情報がある。光源2としてLEDを用いる場合、LEDの発光色をピーク電流によって調整し、発光効率の低いLEDには平均電流を高めにし、発光効率の高いLEDには平均電流を低めにするなどすれば、所定の発光色と発光量でLEDを点灯させることが可能である。そこで、外部通信装置300から、光源2の発光色や発光効率等の情報を点灯装置100に通知し設定することにより、所定の発光色や発光量に対応する条件で光源2を点灯制御することができる。
また、入力情報の第3の例としては、DRL(Daytime Running Lamps)等の減光点灯用の入力情報がある。DRL時の光源2は、夜間点灯時の光源2に対して減光した状態で点灯されるが、光源2の装着されるヘッドランプや車両の種類によって減光の程度を調整することが望ましい。そこで、外部通信装置300から、減光点灯用の入力情報を点灯装置100に通知し設定することにより、光源2を適用する対象に合わせて減光の程度を調整することができる。
また、出力情報の例としては、光源2の電圧に関する異常や、光源2のちらつきに関する異常、それに光源2の劣化や、点灯時間の情報等である。光源2に放電灯を用いる場合、放電灯の過去の点灯状態から、放電灯が劣化しているか否かを調べることができる。例えば、放電灯の電極が劣化すると、電極間距離が長くなることから放電灯の電圧が上昇する。そこで、放電灯の電圧を計測し記憶部内に記憶しておいた情報を、出力情報として外部通信装置300で取得することで、電極が劣化していかどうかを調べることができる。また、放電灯が寿命に近づいたときには、立ち消えが発生し、放電灯がちらつくことがある。そのため、立ち消えの回数や、ちらつきが発生したという情報を記憶部内に記憶しておくことで、放電灯が寿命に達しているかどうかを判断することができる。また、放電灯の経年劣化により、放電灯内のガスが抜けた場合や、対になっている電極が劣化して通電電流の乱れが発生した場合に当乱れた通電電流値を記憶部内に記憶しておくことで、放電灯の劣化を判断することができる。また、放電灯の累積の点灯時間を記憶しておくことで、放電灯の電極等の劣化の目安にすることができる。以上のように、光源2に関する情報を点灯装置100内に記憶しておき、それを外部通信装置300で取得することにより、光源2の劣化具合などの情報を得ることができる。
接続端子113と抵抗104を結ぶ信号線に抵抗108からの信号線が接合しており、制御回路101が制御するアラーム信号出力部123と送信部125は、報知信号と通信信号を同じ期間に出力することがある。このように、制御回路101と2つの信号線が結合した回路構成とからなる重畳部により報知信号と通信信号が重畳され、接続端子113からは、報知信号と通信信号とを重畳した出力信号が異常報知装置200、及び外部通信装置300に出力される。ここで、点灯装置100の出力信号について説明する。図2は、出力信号レベル(信号電圧)の例を示す波形図である。図中縦軸は信号レベルを示しており、縦軸の代表値として、IG基準電圧、及びGNDの値を示している。
点灯装置100の電源がOFFのときは、当該点灯装置100からは信号が出力されないため、出力信号レベルは一定の低い電圧の値になる(領域A)。点灯装置100の動作が開始すると、制御回路101のアラーム出力部123の出力に応じて報知信号が発生し出力信号レベルは変化する。光源2の正常点灯時には出力信号はDuty(デューティー)が1/2の矩形波となり(領域B)、光源2にちらつきが発生するとDuty2/3の矩形波となり(領域C)、短絡が発生するとDuty1/3の矩形波となる(領域D)。
制御回路101の送信部125の出力に応じて通信信号が発生すると、当該通信信号は報知信号に重畳される。送信部125の出力によりトランジスタ106がONの状態になると、接続端子113は抵抗108及びダイオード107を介して接地され、出力信号のレベルはGND付近まで低下する。そのため、通信信号の重畳した出力信号は、トランジスタ106がONになっている期間ではGND付近まで低下し、トランジスタ106がOFFになっている期間では報知信号による矩形波の電圧まで上昇するという形状になる(領域E)。
このように、通信信号の信号レベルが報知信号の信号レベルよりも小さくなるように設定すれば、信号の判別を容易に行うことができる。例えば、報知信号の矩形波の低レベル側電圧をIG基準電圧の1/3(信号判別電圧)以上に設定し、通信信号の矩形波の低レベル側電圧をIG基準電圧の1/3より低い値に設定すれば、点灯装置100の比較器109において接続端子113の電圧がIG基準電圧の1/3(信号判別電圧)以下になったことを検出することによって、点灯装置100は通信信号が入力されたことを判別することができる。これにより、当入力以外の切り換え操作をすることなく、通信動作への対応を開始することができる。なお、外部通信装置300の比較器303においても同様の動作により、入力信号を判別する。
異常報知装置200の判定回路203は、入力された報知信号が矩形波であるか否かを判定する。図3は、判定回路203の構成を示す回路図である。判定回路203は、入力された信号が矩形波であるか否かを判定する矩形波判定回路700により構成されている。
矩形波判定回路700は、コンデンサ701、抵抗702、抵抗703、トランジスタ704、抵抗705、コンデンサ706、電源707、比較器708、及び電源709から構成されており、特に、コンデンサ701、抵抗702、及び抵抗703は微分回路を構成し、コンデンサ706はタイマ用に用いられる。
以下、矩形波判定回路700の動作について、点灯装置100の状態が正常の場合と異常の場合とに分けて説明する。
まず、点灯装置100が正常に動作しているときは、矩形波判定回路700に入力される信号は矩形波である。コンデンサ701、抵抗702、及び抵抗703で構成される微分回路は、入力される信号に対し微分を行い矩形波のエッジを検出する。微分回路はトランジスタ704のベースに接続されており、トランジスタ704は微分回路によって矩形波のエッジから当該微分回路の時定数に対応する期間の間ONされる。
コンデンサ706は、トランジスタ704がOFFの間、抵抗705を介して電源709により充電されるが、トランジスタ704がONになるとコンデンサ706の電荷は放電される。矩形波判定回路700に矩形波が入力されているときは、トランジスタ704は矩形波の周期に対応する間隔でONされることになるので、コンデンサ706は一定間隔で放電され、コンデンサ706の端子電圧は電源707の電圧である例えば3V以上にならない。従って、比較器708からは、矩形波が入力されていることを示すL値(0V)が出力される。以上のようにして、入力された信号が矩形波であることを判定することができる。
一方、点灯装置100が正常に動作していないときは、矩形波判定回路700には矩形波が入力されない。この場合、エッジが存在しないので微分回路が動作せずに、トランジスタ704はONせず、コンデンサ706の端子電圧は上昇し例えば5Vに到達するため、比較器708からは矩形波が停止していることを示すH値(例えば5V)が出力される。これにより、矩形波が停止していることを判定することができる。
矩形波判定回路700は以上のようにして判定を行うので、点灯装置100が正常に動作しているときに当該点灯装置100から矩形波による報知信号が常時出力されるようにすれば、点灯装置100に異常が発生し報知信号の出力が停止してしまった場合に、異常報知装置200にて異常を検出することが可能となる。
次に、外部通信装置300と点灯装置100とが関連した動作について説明する。外部通信装置300は、接続SW4を介して点灯装置100に接続すると、点灯装置100に対して光源2の点灯制御情報及び/又は光源2の状態に関する情報を出力するよう要求する要求信号(通信信号)を出力する。この要求信号は、送信部311、抵抗306、トランジスタ305ダイオード304、及び抵抗302から構成される要求信号出力部(通信信号出力部)から出力される。
外部通信装置300から出力された要求信号は、点灯装置100の制御部101の受信部124にて検知される。要求信号を検知した制御部101は、送信部125に対して通信信号が外部通信装置300に出力されるトランジスタ106を制御するように指示する。送信部125は制御部101からの指示を受けトランジスタ106を制御することにより、点灯装置100から外部通信装置300への通信信号の出力が開始される。
点灯装置100から出力された通信信号は、外部通信装置300の比較器303にて検知される。比較器303は、点灯装置100から出力された通信信号を判別する通信信号入力部である。比較器303にて判別された通信信号は、通信回路301の受信部310に入力される。通信回路301は、通信信号を受け、図示しない通知部を制御して、光源2の点灯制御情報及び/又は光源2の状態に関する情報を検査者に通知する。
また、外部通信装置300の制御部301は操作部としての機能も有しており、これにより、外部通信装置300は、前記通信信号出力部から出力される通信信号を介して、光源2の点灯制御情報及び/又は光源2の状態に関する情報を点灯装置100中に記憶あるいは設定する。
基本的な配線構成が2本のハロゲン電球点灯用電源線を接続する構成と同様に考えられる点灯装置においては、新たな異常報知用信号線の1本の増設でさえ設計的違和感が強く、異常報知用の出力端子と、外部通信装置との通信用端子の2本を増設することは設計的に困難な課題となりうる。しかし、以上説明した実施の形態1に係る点灯装置100は、点灯装置100の異常を報知する異常報知用の信号線及び接続端子と、外部通信装置との通信用の信号線及び接続端子とを共用し、報知信号に通信信号を重畳しているので、通信用に専用の信号線及び接続端子を設ける必要が無く、設計的な困難を軽減することができる。また、点灯装置100の構成を簡素にして、安価な装置にすることができる。
また、報知信号の信号電圧の振幅と、通信信号の信号電圧の振幅を異なる電圧にしたので、共用端子である接続端子113に両信号を重畳しても、当該点灯装置100、異常報知装置200、外部通信装置300において両信号を識別しやすくすることができる。
また、通信信号の低レベル側電圧を、報知信号の低レベル側電圧より低い電圧にしているので、内部の初期化や自己診断用の通信に、複雑な回路を設ける必要が無く、点灯装置100aの構成を簡素にして、安価な装置にすることができる。
また、接続端子113とトランジスタ103のコレクタとの間に抵抗104を直列に設け、接続端子113とダイオード107の入力との間に抵抗108を直列に設けたので、報知信号の低レベル側電圧と通信信号の低レベル側電圧とを任意に設定でき、両信号を共通の信号線及び接続端子に重畳することが容易になる。さらに、信号線の天絡事故または地絡事故が発生したときに流れる異常な電流を抑制することができることから、回路素子の破損を回避でき、当該回路素子に定格の低い素子を使用することができる。
なお、上述では制御回路101はトランジスタ103のONとOFFを切り換えるDutyを変化させるものとしたが、周波数を変化させ報知信号の矩形波の周波数を変化させるようにしても、分別は可能である。また、Duty及び周波数を両方とも変化させるようにすることもできる。
なお、図2においては通信信号を重畳しながらも、報知信号を出力している様子を示したが、通信をおこなっているときには報知信号を停止するようにしても構わない。
なお、上述では、報知信号の振幅が通信信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としたが、逆に通信信号の振幅が報知信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としても、これらの信号を容易に識別することができる。
実施の形態2.
図4は実施の形態2に係る点灯装置100a、異常報知装置200a、及び外部通信装置300とそれらの接続関係を示す回路図である。点灯装置100aに制御回路101a、ダイオード115、及び抵抗116が含まれている点と、異常報知装置200aに判定回路203a、及び抵抗207が含まれている点が図1と異なっている。その他同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
点灯装置100aにおいて、ダイオード115及び抵抗116は、電源に接続される接続端子110と、トランジスタ103及び抵抗104との間に接続されている。これにより、図4においては、点灯装置100aから異常報知装置200a、及び外部通信装置300に向かって電流が流れるようになっている。
異常報知装置200aにおいて、接続端子205は抵抗207を介して接地されているため、接続端子205に外部の装置が接続されていないときの当該接続端子205における電圧は、IG基準電圧を抵抗202及び207で分圧した電圧となる。これにより、後述の異常判定を行うに十分な電圧差を発生させることができる。
図2において、点灯装置100aから出力される入力信号に含まれる報知信号には、点灯装置100a及び光源2の異常事態に関するより詳細な情報が含まれている。例えば、光源2に電流が流れない出力のオープン状態や過剰に電流が流れる出力のショート状態などである。判定回路203aは、入力された入力信号に基づいて、異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生している場合には、アラームランプ204を点灯させる。
次に、異常報知装置200aの判定回路203aの構成について図5を用いて説明する。図5は、異常報知装置200aの判定回路203aの構成を示す構成図である。説明のため、異常報知装置200aの構成のうちアラームランプ204とIG電源208を記載している。ここで、IG電源208は外部から電源が供給されているものとして接続端子206を電源として表現したものである。図5において、判定回路203aは、電圧レベル判定回路600、矩形波判定回路700、及びNAND回路209から構成されている。
点灯装置100aから出力された入力信号は、電圧レベル判定回路600、及び矩形波判定回路700にそれぞれ入力され、電圧レベル判定回路600は異常判定信号をNAND回路209に出力し、矩形波判定回路700は矩形波判定信号をNAND回路209に出力する。NAND回路209は、入力された異常判定信号、及び矩形波判定信号に基づいて判定信号を出力し、当該判定信号の値がL値の時アラームランプ204は点灯し、当該判定信号の値がH値の時アラームランプ204は消灯する。
次に、電圧レベル判定回路600の構成及び動作について説明する。電圧レベル判定回路600は、報知信号の電圧と電源電圧とを比較して異常事態の判別をおこなう。異常報知装置200aの電圧レベル判定回路600は、電源電圧(IG基準電圧)を所定の比率で分圧した電圧を一方の端子に入力し、他方の入力端子に信号線の電圧を入力する比較器を備えている。当該比較器は、前記分圧した電圧に対する信号電圧の高低比較によって、天絡・地絡・車載機器の未接続等を判断する。電圧レベル判定回路600は、比較器の判断に基づき、各異常に対応する点滅回数や点滅周期でアラームランプを点滅させるための点灯パターンを生成し、異常判定信号として出力する。図6は、電圧レベル判定回路600における判定内容を示す図である。図中縦軸は信号レベルを示しており、縦軸の代表値として、IG基準電圧、比較電圧(1/2)、及びGNDの値を示している。
電圧レベル判定回路600は、点灯装置100aの電源がOFFのとき(領域A)、及び入力信号が矩形波であると判断されたとき(領域B)は異常の判定を行わず、入力信号のレベルが一定のレベルになったと判断されると異常の判定を行う(領域C〜H)。
入力信号の電圧がIG基準電圧の1/8以上であり3/8以下の場合(領域C)、点灯回路100a内のトランジスタ103がONし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる5Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の17/24以上であり7/8以下の場合(領域D)、点灯回路100a内のトランジスタ103がOFFし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる3Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の3/8以上であり17/24以下の場合(領域E)、信号線3が断線しているか点灯装置100aが未接続であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる4Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の1/8以下の場合(領域F)、信号線3が地絡していると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる6Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の8/9以上の場合(領域G)、信号線3が天絡していると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる1Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の7/8以上であり8/9以下の場合(領域H)、GNDがOpenであると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる2Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。なお、以上例を挙げて説明した入力信号に対するIG基準電圧の割合は、抵抗202を1.5kΩ、抵抗207を3.3kΩ、抵抗104を560Ω、抵抗116を3.6kΩとした場合の値であり、これらのパラメータを変更したときは適宜割合についても変更することで対応が可能である。また、異常判定信号としての矩形波は各異常によって識別できるような波形であればよい。
矩形波判定回路700は、点灯装置100aの状態が正常の場合にはL値(0V)を出力し、異常の場合にはH値(例えば5V)を出力する。そのため、NAND回路209の出力は、点灯装置100aの状態に異常があって電圧レベル判定回路600が異常判定信号を出力しているときは当該異常判定信号に応じたH値とL値からなる矩形波となる。一方、点灯装置100aの状態に異常があっても電圧レベル判定回路600が異常判定信号を出力していないときや、点灯装置100aの状態が正常の場合にはH値となる。NAND回路209の出力がL値のときは、アラームランプ204が点灯し、H値のときはアラームランプ204が消灯するので、点灯装置100aの状態に異常があって電圧レベル判定回路600が異常判定信号を出力しているときは、異常の内容に応じた周期でアラームランプ204を点滅させ、それぞれの異常内容を運転者に報知することができる。
以上のように、本実施の形態に係る異常報知装置200aは、各異常に対応する異常判定出力と矩形波の判定出力と合わせて、光源2の異常の内容に対応した波形の報知信号を出力し、異常時に各種の異常をアラームランプ204の点滅によって報知するようにしたので、点灯システムに発生した個々の異常事態を分別して報知することができ、速やかな修理を促すことができる。
また、点灯する光源2が正常に点灯しているときは定常的に矩形波を出力し、異常発生時に当矩形波出力を停止する構成にすれば、制御回路101a内のCPUの動作が停止した場合や信号出力素子(トランジスタ103)が動作不能になった場合でも、光源2が異常動作をする場合と同様に矩形波出力が停止することとなり、異常報知装置200aは当光源2の異常と点灯装置100aの両方の異常を判断することができる。これにより、点灯装置100a内に異常が発生しても、当異常動作を報知(表示)することができるので、ヘッドランプが異常な点灯状態あることを運転者に知らしめ、ヘッドランプの異常点灯を起因とする危険な状態を回避させ、速やかな修理を促すことができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、通信信号の信号レベルを報知信号の信号レベルよりも小さくなるように設定することで両信号の判別を行っていたが、逆に通信信号の信号レベルを報知信号の信号レベルよりも大きくなるように設定することで両信号を判別することもできる。以下では、通信信号の信号レベルを大きくしたヘッドランプ点灯システムについて説明する。
図7は、実施の形態3に係る点灯装置100b、異常報知装置200b、及び外部通信装置300bとそれらの接続関係を示す回路図である。図4と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。図4では、点灯装置100aのL(GND)側にNPNトランジスタ103を配置することにより信号出力を構成していたが、図7では、点灯装置100bのH(電源)側にPNPトランジスタ120を配置することにより信号出力を構成している。
点灯装置100bにおいて制御回路101bのアラーム出力部123は、トランジスタ117のベースに接続されており、0Vと5Vとからなる矩形波を出力することでトランジスタ117のONとOFFを切り換える。トランジスタ117のエミッタは抵抗118を介して接地されており、コレクタはトランジスタ120のベースに接続されるとともに抵抗119を介して接続端子110にも接続されている。トランジスタ120のコレクタは接続端子110に接続されており、エミッタはダイオード121及び抵抗104を介して接続端子113に接続されている。トランジスタ117のONとOFFが切り換わることにより、トランジスタ120のONとOFFが切り換わるので、トランジスタ120のONとOFFの切り換えによる電圧の変化が報知信号として出力される。
外部通信装置300bは、プルアップ抵抗309と当抵抗309を介して接続端子307に接続された電源308を有している。接続SW4がONに切り換わると、点灯装置100bの接続端子113は信号線3、接続端子307、及び抵抗309を介して電源308に接続され、接続端子113の電圧は電源308の電圧付近まで上昇する。
図8は、点灯装置100bの出力信号のレベルを示す波形図である。図2と同一または対応する部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
接続SW4がONになり、外部通信装置300bが信号線3に接続されるまでは(領域A〜D)は、図2と同様となる。接続SW4がONになり、外部通信装置300bが信号線3に接続されると、通信信号レベルはIG基準電圧付近まで上昇する。また、点灯装置100bは、当該点灯装置100bでの過大電流の発生を防ぐために、トランジスタ120をOFFとし、報知信号を停止させる。制御回路101bの送信部125の出力によりトランジスタ106がONの状態になると、接続端子113は抵抗108及びダイオード107を介して接地され、出力信号のレベルはGND付近まで低下する。そのため、出力信号は、トランジスタ106がONになっている期間ではGND付近まで低下し、トランジスタ106がOFFになっている期間ではIG基準電圧付近まで上昇するという形状になる(領域F)。
このように、通信信号の信号レベルが報知信号の信号レベルよりも大きくなるように設定すれば、信号の判別を容易に行うことができる。また、例えば、接続SW4がOFFで外部通信装置300bが切り離されている状態では、報知信号の信号レベルがIG基準電圧の2/3(信号判別電圧)以下になるようにしておき、接続SW4がONで外部通信装置300bが接続されている状態では、通信信号のレベルがIG基準電圧の2/3(信号判別電圧)より高い値になるようにしておく。このようにすれば、点灯装置100bは、接続端子113の電圧がIG電圧の2/3(信号判別電圧)以上になったことを検出することにより、外部通信装置300bが接続されたことを判別することができ、通信動作への対応を開始することができる。
以上のように、本実施の形態では、通信信号の信号レベルが報知信号の信号レベルよりも大きくなるように設定したので、通信用と異常報知用の接続端子113を共用のもとしても、点灯装置100b、報知信号200b、及び外部通信装置300bにおいて、両信号を識別しやすくすることができる。
また、通信信号の高レベル側電圧を、報知信号の高レベル側電圧よりも高い電圧にすることにより、外部通信装置300bが接続されたことを判別することができる。
また。外部通信装置300bにプルアップ抵抗309を設けたことにより、報知信号の高レベル側電圧と通信信号の高レベル側電圧を任意に設定することができ、両信号の信号レベルの設定が容易となる。
また、外部通信装置300bの接続時に点灯装置100bのトランジスタ106及び120が同時にONすると点灯装置100bに過大な電流が流れてしまうが、点灯装置100bは外部通信装置300bが接続されたときにトランジスタ120をOFFにし報知信号の出力を停止するようにした。このように、切り替え部としての制御回路101bにより、報知信号出力するか通信信号を出力するかを切り換えるようにしたので、過大電流の発生を防ぐことができる。なお、この切り替えは、例えば、接続端子113の電圧が大きく上昇したことを検出した時点で行う。
なお、点灯装置100bの回路構成は、図9に示すように定電流出力の回路構成とすることもできる。このような回路構成では、設定された定電流を越える電流が流れるように、プルアップ抵抗309を設定しておけば、外部通信装置300bが接続されたときに、通信信号の高レベル側電圧を、定電流が流れることにより一定の電圧降下が生じている抵抗207における報知信号の高レベル側電圧よりも、高い電圧にすることができる。
また、点灯装置100bの回路構成は、図10に示すように定電圧出力の回路構成とすることもできる。このような回路構成では、出力される定電圧を越える電圧が印加されるように、プルアップ抵抗309を設定しておけば、外部通信装置300bが接続されたときに、通信信号の高レベル側電圧を、定電圧が印加される抵抗207における報知信号の高レベル側電圧よりも、高い電圧にすることができる。
なお、上述では、報知信号の振幅が通信信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としたが、逆に通信信号の振幅が報知信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としても、これらの信号を容易に識別することができる。
実施の形態4.
図11は実施の形態4に係る点灯装置100c、異常報知装置200c、及び外部通信装置300bとそれらの接続関係を示す回路図である。点灯装置100cに抵抗122が含まれている点と、異常報知装置200cに判定回路203c、ダイオード201、及び抵抗202が含まれている点が図7と異なっている。その他同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
異常報知装置200cにおいて、接続端子205は抵抗202及びダイオード201を介してバッテリに接続されており、点灯装置100cにおいて、抵抗104とダイオード121との中点は抵抗122を介して接地されている。これにより、判定回路203cが異常判定を行うに十分な電圧差を発生させることができる。
異常報知装置200cの判定回路203cは、電圧レベル判定回路600c及び矩形波判定回路700、及びNAND回路209から構成されている。電圧レベル判定回路600cは、電圧レベル判定回路600aと内部の判定内容が異なっている。図12は、電圧レベル判定回路600cにおける判定内容を示す図である。図6と同一または対応する部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
入力信号の電圧がIG基準電圧の1/8以上であり3/8以下の場合(領域C')、点灯回路100c内のトランジスタ120がOFFし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる5Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の17/24以上であり7/8以下の場合(領域D')、点灯回路100c内のトランジスタ120がONし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる3Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の3/8以上であり17/24以下の場合(領域E')、信号線3が断線しているか点灯装置100cが未接続であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる4Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。その他の判定は、電圧レベル判定回路600aのものと同様である。なお、以上例を挙げて説明した入力信号に対するIG基準電圧の割合は、抵抗202を3.3kΩ、抵抗207を1.5kΩ、抵抗104を560Ω、抵抗122を3.6kΩとした場合の値であり、これらのパラメータを変更したときは適宜割合についても変更することで対応が可能である。また、異常判定信号としての矩形波は各異常によって識別できるような波形であればよい。
以上のように、本実施の形態に係る異常報知装置200cは、各異常に対応する異常判定出力と矩形波の判定出力と合わせて、光源2の異常の内容に対応した波形の報知信号を出力し、異常時に各種の異常をアラームランプ204の点滅によって報知するようにしたので、点灯システムに発生した個々の異常事態を分別して報知することができ、速やかな修理を促すことができる。
なお、実施の形態1〜4における光源2としては、ハロゲンランプ、HID(High Intensity Discharge)ランプといった放電灯、またはLED(Light Emitting Diode)等を用いることができる。
なお、実施の形態1〜4においては、外部通信装置が点灯装置に接続される際の信号線は、点灯装置と異常報知装置とを接続する信号線3のみに限られない。信号線3に代えて別の信号線により外部通信装置と点灯装置とを接続してもよい。
なお、実施の形態1〜4においては、異常報知信号と通信信号の電圧レベルを異ならせることで、これらの信号を判別できるようにしたが、周波数、Dutyなどを異ならせることでこれらの信号を判別することもできる。このように、異常報知信号と通信信号とで異なる信号形態を有していれば、これらの信号を判別することができる。
なお、上記説明おいては、異常報知装置200等と外部通信装置300等及び点灯装置100等の接続構成に、接続SW4を設けたが、点灯装置100等と異常報知装置200等、あるいは、点灯装置100等と外部通信装置300等の組み合わせにおいて、それぞれの機能を動作させることも可能である。また、接続スイッチによる接続と切り離しを、外部通信装置300等の接続コネクタの挿入と抜去によって代替することも可能である。
なお、上記説明における信号線3は、一端が点灯装置100等の接続端子113に接続され、2股に分かれた他端が異常報知装置200等の接続端子205及び接続SW4に接続されるものとした。このように、異常報知装置200等と点灯装置100等との間を接続する信号線と、外部通信装置300等と点灯装置100等との間を接続する信号線との一部を共用の信号線とすることもできるが、別々の信号線としてもよい。すなわち、外部通信装置300等を点灯装置100等に接続する際に、異常報知装置200等を点灯装置100等に接続している信号線を接続端子113から取り外し、取り外された信号線に代わる外部通信装置300等の接続端子307に接続された別の信号線を点灯装置100等の接続端子113に取り付けるようにもできる。
なお、上記説明においては、外部通信装置300等の一例として検査装置を挙げたが、当外部通信装置300等は例えばヘッドランプを含む車載灯火の点灯制御をおこなう制御の一機能として、通信によって点灯装置にDRL用の減光点灯を指示する機能を有する制御装置のような、車載される機器を制御する車載用制御装置であってもよい。
100、100a、100b、100c 点灯装置
101、101a、101b、101c 制御回路
200、200a、200b、200c 異常報知装置
203、203a、203b、203c 判定回路
300、300b 外部通信装置
本発明は、ヘッドランプの光源を点灯するヘッドランプ光源点灯装置、及びヘッドランプ光源点灯装置に対応する通信装置に関するものであり、特にヘッドランプ光源点灯装置と他の外部機器との間における信号の入出力に関する。
車載用のヘッドランプとして、従来のハロゲン電球に代替し長寿命で明るい放電灯やLED(発光ダイオード)を光源として用いるものが普及してきており、その中でも近年ではAFS(Advance Front Lighting System)やDRL(Daytime Running Light)等の付加機能を備えた高機能のヘッドランプが登場している。このような高機能のヘッドランプの1つとして、ヘッドランプの光源やヘッドランプ光源点灯装置に関する異常事態を運転者に報知する機能を備えるものや、外部の通信装置と通信し情報の送受信を行うものがある。
異常事態を運転者に報知する機能を備える上記のヘッドランプに適用されるものとして、例えば、光源に流れる電流及び印加される電圧から光源の劣化状態を判定し異常として表示するもの(特許文献1)や、車載される機器の異常を運転者に報知するものがある(特許文献2)。
特開平10−69989号公報
特開2000−6736号公報
しかし、光源やヘッドランプ光源点灯装置に関する異常を運転者に報知し、及び外部の装置と通信によって伝達するためには、ヘッドランプ光源点灯装置の異常を報知する装置、及び通信対象となる装置を接続する必要がある。そのため、異常を報知する装置を接続するための接続端子と、通信対象となる装置を接続するための接続端子を、それぞれ当該ヘッドランプ用点灯装置に設けなければならないという問題がある。
そこで、本願発明は、光源及び/又は当該光源点灯装置に関する異常の報知、及び外部の装置との通信を、1つの接続端子を用いてできるようにしたヘッドランプ光源点灯装置を提案する。
本発明に係るヘッドランプ光源点灯装置は、ヘッドランプの光源を点灯するものであって、第1の装置が接続される接続端子と、光源の状態及び/又は当該光源点灯装置の状態に関する報知信号を、接続端子を介して第1の装置に出力する報知信号出力部と、第1の装置とは異なる第2の装置に、報知信号とは異なる信号形態を有する通信信号を、接続端子から出力する通信信号出力部とを備えるものである。
本発明によれば、報知信号と、当該報知信号とは異なる信号形態を有する通信信号とを同一の出力端子から出力するので、光源及び/又は当該光源点灯装置に関する異常の報知、及び外部の通信装置との通信を、1つの接続端子を用いて行うことができる。
本願の一実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の一実施形態に係る、点灯装置100の出力信号レベルを示す波形図
本願の一実施形態に係る、判定回路203の構成を示す回路図
本願の他の実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、判定回路203aの構成を示す構成図
本願の他の実施形態に係る、電圧レベル判定回路600における判定内容を示す図
本願の他の実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、点灯装置100bの出力信号のレベルを示す波形図
本願の他の実施形態に係る、定電流出力の回路構成を有する点灯装置100bを備えたヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、定電圧出力の回路構成を有する点灯装置100bを備えたヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、ヘッドランプ点灯システムを示す回路図
本願の他の実施形態に係る、電圧レベル判定回路600cにおける判定内容を示す図
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る点灯装置100、異常報知装置200、及び外部通信装置300とそれらの接続関係を示す回路図である。点灯装置100及び異常報知装置200はヘッドランプ点灯システムを構成する。
点灯装置100は、光源2の点灯制御を行うと共に、異常報知装置200及び外部通信装置300に対し報知信号及び通信信号を出力する。異常報知装置200は、点灯装置100から出力された報知信号に基づいてアラームランプ204を点灯させることにより、光源2および/又は点灯装置100の異常状態を運転者に報知する。外部通信装置300は、接続SW4により信号線3を介して点灯装置100に接続されることにより、点灯装置100から出力される通信信号を受信し当該外部通信装置300の処理を行う。外部通信装置300は、例えば、光源2や点灯装置100の検査時に接続されることで、点灯装置100内に記憶された設定情報や異常情報などを読み出して表示する検査装置(ダイアグノーシス)である。点灯装置100、及び異常報知装置200はいずれも図示しない電源から供給される電力により動作し、特に点灯装置100には電源SW1を介して電力が供給される。以下、点灯装置100、異常報知装置200、及び外部通信装置300の構成について説明する。
点灯装置100は、制御回路101、抵抗102、トランジスタ103、抵抗104、抵抗105、トランジスタ106、ダイオード107、抵抗108、比較器109、及び接続端子110〜114から構成されている。
制御回路101は、接続端子111及び112を介して光源2に接続されている。また、制御回路101は、接続端子110を介して電源と接続され、接続端子114を介して接地されている。制御回路101のアラーム出力部123は、抵抗102を介してトランジスタ103のベースと接続されている。アラーム出力部123、抵抗102、トランジスタ103、及び抵抗104により報知信号出力部が構成されている。トランジスタ103のコレクタは抵抗104を介して接続端子113(出力端子)と接続されている。制御回路101の受信部124は、比較器109と接続されている。比較器109は、外部通信装置300からの通信信号を判別する通信信号入力部である。制御回路101の送信部125は、抵抗105を介してトランジスタ106のベースと接続されている。トランジスタ106のコレクタはダイオード107及び抵抗108を介して接続端子113と接続されている。送信部125、抵抗105、トランジスタ106、ダイオード107、及び抵抗108により通信信号出力部が構成されている。
異常報知装置200は、ダイオード201、抵抗202、判定回路203、アラームランプ204、及び接続端子205〜206から構成されている。
入力端子205は、信号線3を介して点灯装置100の接続端子113に接続されている。判定回路203の入力部は、入力端子205に接続されると共に、抵抗202、ダイオード201、及び接続端子206を介して図示しない電源と接続されている。判定回路203の出力部は、アラームランプ204を介して接続端子206に接続されている。以下、ダイオード201と抵抗202との間における電圧をIG基準電圧と呼ぶ。
アラームランプ204は、例えば運転席の計器パネル内のランプであり、判定回路203の出力に基づいて点灯することで、運転者に光源2および/又は点灯装置100に異常が生じたことを報知する。
外部通信装置300は、通信回路301、抵抗302、比較器303、ダイオード304、トランジスタ305、抵抗306、及び接続端子307から構成されている。
接続端子307は、接続SW4を介して信号線3と接続されている。比較器303は、抵抗302を介して接続端子307と接続されている。通信回路301の受信部310は、比較器303と接続されている。通信回路301の送信部311は、抵抗306を介してトランジスタ305のベースに接続されている。トランジスタ305のコレクタはダイオード304及び抵抗302を介して接続端子307と接続されている。
次に点灯装置100、異常報知装置200、及び外部通信装置300の動作について説明する。
点灯装置100の制御回路101は、接続端子110を介して接続された電源から供給される電力により動作し、光源2の点灯制御を行う。
制御回路101のアラーム出力部123は、0Vと5Vとからなる矩形波を出力することでトランジスタ103のONとOFFを切り換える。トランジスタ103のONとOFFの切り換えによる電圧の変化が報知信号として出力される。
報知信号により報知される情報としては、例えば、点灯装置100が正常動作していること、光源2にちらつきが発生していること、または接続端子111、112間が短絡していることなどがある。制御回路101は、光源2の電圧及び/又は電流を検出する検出部と、当該検出部の出力により光源2の状態を判定する判定部とを有しており、当該判定部の出力に基づきアラーム出力部123の出力する報知信号を制御している。
例えば、接続端子111、112間が短絡すると、電圧が大きく低下し電流が大きく増加するため、判定部は接続端子111、112間が短絡していると判定し、判定結果をアラーム出力部123に出力する。アラーム出力部123は、判定部の出力に基づいて、短絡を示す後述の報知信号を出力する。
また、光源2として用いた放電灯を交流点灯している場合、放電灯が寿命に近づくと、通電電流値がゼロになる極性の切り換わり点で立ち消えが発生することがある。立ち消えが発生すると、通電電流はゼロのままで印加電圧が上昇することから、点灯装置100は放電灯を再点灯するが、このときの放電灯の消灯及び点灯はちらつきとして観測される。そのため、放電灯の立ち消えにより通電電流がゼロで印加電圧が高い状態になった後に、再点灯のイグナイタパルスが発生し、点灯して所定の電圧及び電流に至る放電灯再点灯時の特有な電圧及び/又は電流の振る舞いを検出することにより、判定部は放電灯がちらついていると判定し、判定結果をアラーム出力部123に出力する。アラーム出力部123は、判定部の出力に基づいて、放電灯のちらつきを示す後述の報知信号を出力する。
また、放電灯の経年劣化により、放電灯内のガスが抜けた場合や対になっている電極劣化し通電電流が乱れる場合も、放電灯がちらつくことがある。通電電流が乱れる場合は、判定部は電流の乱れから放電灯がちらついていると判定し、判定結果をアラーム出力部123に出力する。
以上のように、点灯装置100は、光源2の印加電圧及び/又は通電電流を検出する検出部と、検出された電圧及び/又は電流に基づいて、光源2及び/又は当該点灯装置100の状態を判定する判定部と、判定部の判定結果に基づいて報知信号を出力するアラーム出力部123とを備えることにより、外部の異常報知装置200に光源2及び/又は当該点灯装置100の状態を報知することができる。
制御回路101の受信部124は、比較器109から出力される信号を受信する。制御回路101の送信部125は、0Vと5Vとからなる矩形波を出力することで、トランジスタ106のONとOFFを切り換える。トランジスタ106のONとOFFの切り換えによる電圧の変化が通信信号として出力される。通信信号により伝えられる情報として、例えば以下のような入力情報や出力情報がある。なお、ここで入力情報とは、外部通信装置300から点灯装置100へ通知される情報のことをいい、出力情報とは、点灯装置100から外部通信装置300へ通知される情報のことをいう。
入力情報の第1の例としては、点灯装置100の出力電力の調整値がある。ヘッドランプに装着される光源2は、特性にバラツキが存在するため、点灯の際には装着された光源2の特性に応じて出力電力の調整が必要な場合があり、この場合、点灯装置100は光源2の特性に応じた複数の出力特性を用意しなければならない。そこで、外部通信装置300から、ヘッドランプに装着した光源2に対応する出力電力の調整値を通信信号により点灯装置100に通知し設定することにより、光源2に応じた点灯制御が可能になる。
また、入力情報の第2の例としては、接続する光源2の発光色や発光効率等の情報がある。光源2としてLEDを用いる場合、LEDの発光色をピーク電流によって調整し、発光効率の低いLEDには平均電流を高めにし、発光効率の高いLEDには平均電流を低めにするなどすれば、所定の発光色と発光量でLEDを点灯させることが可能である。そこで、外部通信装置300から、光源2の発光色や発光効率等の情報を点灯装置100に通知し設定することにより、所定の発光色や発光量に対応する条件で光源2を点灯制御することができる。
また、入力情報の第3の例としては、DRL(Daytime Running Lamps)等の減光点灯用の入力情報がある。DRL時の光源2は、夜間点灯時の光源2に対して減光した状態で点灯されるが、光源2の装着されるヘッドランプや車両の種類によって減光の程度を調整することが望ましい。そこで、外部通信装置300から、減光点灯用の入力情報を点灯装置100に通知し設定することにより、光源2を適用する対象に合わせて減光の程度を調整することができる。
また、出力情報の例としては、光源2の電圧に関する異常や、光源2のちらつきに関する異常、それに光源2の劣化や、点灯時間の情報等である。光源2に放電灯を用いる場合、放電灯の過去の点灯状態から、放電灯が劣化しているか否かを調べることができる。例えば、放電灯の電極が劣化すると、電極間距離が長くなることから放電灯の電圧が上昇する。そこで、放電灯の電圧を計測し記憶部内に記憶しておいた情報を、出力情報として外部通信装置300で取得することで、電極が劣化していかどうかを調べることができる。また、放電灯が寿命に近づいたときには、立ち消えが発生し、放電灯がちらつくことがある。そのため、立ち消えの回数や、ちらつきが発生したという情報を記憶部内に記憶しておくことで、放電灯が寿命に達しているかどうかを判断することができる。また、放電灯の経年劣化により、放電灯内のガスが抜けた場合や、対になっている電極が劣化して通電電流の乱れが発生した場合に当乱れた通電電流値を記憶部内に記憶しておくことで、放電灯の劣化を判断することができる。また、放電灯の累積の点灯時間を記憶しておくことで、放電灯の電極等の劣化の目安にすることができる。以上のように、光源2に関する情報を点灯装置100内に記憶しておき、それを外部通信装置300で取得することにより、光源2の劣化具合などの情報を得ることができる。
接続端子113と抵抗104を結ぶ信号線に抵抗108からの信号線が接合しており、制御回路101が制御するアラーム信号出力部123と送信部125は、報知信号と通信信号を同じ期間に出力することがある。このように、制御回路101と2つの信号線が結合した回路構成とからなる重畳部により報知信号と通信信号が重畳され、接続端子113からは、報知信号と通信信号とを重畳した出力信号が異常報知装置200、及び外部通信装置300に出力される。ここで、点灯装置100の出力信号について説明する。図2は、出力信号レベル(信号電圧)の例を示す波形図である。図中縦軸は信号レベルを示しており、縦軸の代表値として、IG基準電圧、及びGNDの値を示している。
点灯装置100の電源がOFFのときは、当該点灯装置100からは信号が出力されないため、出力信号レベルは一定の低い電圧の値になる(領域A)。点灯装置100の動作が開始すると、制御回路101のアラーム出力部123の出力に応じて報知信号が発生し出力信号レベルは変化する。光源2の正常点灯時には出力信号はDuty(デューティー)が1/2の矩形波となり(領域B)、光源2にちらつきが発生するとDuty2/3の矩形波となり(領域C)、短絡が発生するとDuty1/3の矩形波となる(領域D)。
制御回路101の送信部125の出力に応じて通信信号が発生すると、当該通信信号は報知信号に重畳される。送信部125の出力によりトランジスタ106がONの状態になると、接続端子113は抵抗108及びダイオード107を介して接地され、出力信号のレベルはGND付近まで低下する。そのため、通信信号の重畳した出力信号は、トランジスタ106がONになっている期間ではGND付近まで低下し、トランジスタ106がOFFになっている期間では報知信号による矩形波の電圧まで上昇するという形状になる(領域E)。
このように、通信信号の信号レベルが報知信号の信号レベルよりも小さくなるように設定すれば、信号の判別を容易に行うことができる。例えば、報知信号の矩形波の低レベル側電圧をIG基準電圧の1/3(信号判別電圧)以上に設定し、通信信号の矩形波の低レベル側電圧をIG基準電圧の1/3より低い値に設定すれば、点灯装置100の比較器109において接続端子113の電圧がIG基準電圧の1/3(信号判別電圧)以下になったことを検出することによって、点灯装置100は通信信号が入力されたことを判別することができる。これにより、当入力以外の切り換え操作をすることなく、通信動作への対応を開始することができる。なお、外部通信装置300の比較器303においても同様の動作により、入力信号を判別する。
異常報知装置200の判定回路203は、入力された報知信号が矩形波であるか否かを判定する。図3は、判定回路203の構成を示す回路図である。判定回路203は、入力された信号が矩形波であるか否かを判定する矩形波判定回路700により構成されている。
矩形波判定回路700は、コンデンサ701、抵抗702、抵抗703、トランジスタ704、抵抗705、コンデンサ706、電源707、比較器708、及び電源709から構成されており、特に、コンデンサ701、抵抗702、及び抵抗703は微分回路を構成し、コンデンサ706はタイマ用に用いられる。
以下、矩形波判定回路700の動作について、点灯装置100の状態が正常の場合と異常の場合とに分けて説明する。
まず、点灯装置100が正常に動作しているときは、矩形波判定回路700に入力される信号は矩形波である。コンデンサ701、抵抗702、及び抵抗703で構成される微分回路は、入力される信号に対し微分を行い矩形波のエッジを検出する。微分回路はトランジスタ704のベースに接続されており、トランジスタ704は微分回路によって矩形波のエッジから当該微分回路の時定数に対応する期間の間ONされる。
コンデンサ706は、トランジスタ704がOFFの間、抵抗705を介して電源709により充電されるが、トランジスタ704がONになるとコンデンサ706の電荷は放電される。矩形波判定回路700に矩形波が入力されているときは、トランジスタ704は矩形波の周期に対応する間隔でONされることになるので、コンデンサ706は一定間隔で放電され、コンデンサ706の端子電圧は電源707の電圧である例えば3V以上にならない。従って、比較器708からは、矩形波が入力されていることを示すL値(0V)が出力される。以上のようにして、入力された信号が矩形波であることを判定することができる。
一方、点灯装置100が正常に動作していないときは、矩形波判定回路700には矩形波が入力されない。この場合、エッジが存在しないので微分回路が動作せずに、トランジスタ704はONせず、コンデンサ706の端子電圧は上昇し例えば5Vに到達するため、比較器708からは矩形波が停止していることを示すH値(例えば5V)が出力される。これにより、矩形波が停止していることを判定することができる。
矩形波判定回路700は以上のようにして判定を行うので、点灯装置100が正常に動作しているときに当該点灯装置100から矩形波による報知信号が常時出力されるようにすれば、点灯装置100に異常が発生し報知信号の出力が停止してしまった場合に、異常報知装置200にて異常を検出することが可能となる。
次に、外部通信装置300と点灯装置100とが関連した動作について説明する。外部通信装置300は、接続SW4を介して点灯装置100に接続すると、点灯装置100に対して光源2の点灯制御情報及び/又は光源2の状態に関する情報を出力するよう要求する要求信号(通信信号)を出力する。この要求信号は、送信部311、抵抗306、トランジスタ305ダイオード304、及び抵抗302から構成される要求信号出力部(通信信号出力部)から出力される。
外部通信装置300から出力された要求信号は、点灯装置100の制御部101の受信部124にて検知される。要求信号を検知した制御部101は、送信部125に対して通信信号が外部通信装置300に出力されるトランジスタ106を制御するように指示する。送信部125は制御部101からの指示を受けトランジスタ106を制御することにより、点灯装置100から外部通信装置300への通信信号の出力が開始される。
点灯装置100から出力された通信信号は、外部通信装置300の比較器303にて検知される。比較器303は、点灯装置100から出力された通信信号を判別する通信信号入力部である。比較器303にて判別された通信信号は、通信回路301の受信部310に入力される。通信回路301は、通信信号を受け、図示しない通知部を制御して、光源2の点灯制御情報及び/又は光源2の状態に関する情報を検査者に通知する。
また、外部通信装置300の制御部301は操作部としての機能も有しており、これにより、外部通信装置300は、前記通信信号出力部から出力される通信信号を介して、光源2の点灯制御情報及び/又は光源2の状態に関する情報を点灯装置100中に記憶あるいは設定する。
基本的な配線構成が2本のハロゲン電球点灯用電源線を接続する構成と同様に考えられる点灯装置においては、新たな異常報知用信号線の1本の増設でさえ設計的違和感が強く、異常報知用の出力端子と、外部通信装置との通信用端子の2本を増設することは設計的に困難な課題となりうる。しかし、以上説明した実施の形態1に係る点灯装置100は、点灯装置100の異常を報知する異常報知用の信号線及び接続端子と、外部通信装置との通信用の信号線及び接続端子とを共用し、報知信号に通信信号を重畳しているので、通信用に専用の信号線及び接続端子を設ける必要が無く、設計的な困難を軽減することができる。また、点灯装置100の構成を簡素にして、安価な装置にすることができる。
また、報知信号の信号電圧の振幅と、通信信号の信号電圧の振幅を異なる電圧にしたので、共用端子である接続端子113に両信号を重畳しても、当該点灯装置100、異常報知装置200、外部通信装置300において両信号を識別しやすくすることができる。
また、通信信号の低レベル側電圧を、報知信号の低レベル側電圧より低い電圧にしているので、内部の初期化や自己診断用の通信に、複雑な回路を設ける必要が無く、点灯装置100aの構成を簡素にして、安価な装置にすることができる。
また、接続端子113とトランジスタ103のコレクタとの間に抵抗104を直列に設け、接続端子113とダイオード107の入力との間に抵抗108を直列に設けたので、報知信号の低レベル側電圧と通信信号の低レベル側電圧とを任意に設定でき、両信号を共通の信号線及び接続端子に重畳することが容易になる。さらに、信号線の天絡事故または地絡事故が発生したときに流れる異常な電流を抑制することができることから、回路素子の破損を回避でき、当該回路素子に定格の低い素子を使用することができる。
なお、上述では制御回路101はトランジスタ103のONとOFFを切り換えるDutyを変化させるものとしたが、周波数を変化させ報知信号の矩形波の周波数を変化させるようにしても、分別は可能である。また、Duty及び周波数を両方とも変化させるようにすることもできる。
なお、図2においては通信信号を重畳しながらも、報知信号を出力している様子を示したが、通信をおこなっているときには報知信号を停止するようにしても構わない。
なお、上述では、報知信号の振幅が通信信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としたが、逆に通信信号の振幅が報知信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としても、これらの信号を容易に識別することができる。
実施の形態2.
図4は実施の形態2に係る点灯装置100a、異常報知装置200a、及び外部通信装置300とそれらの接続関係を示す回路図である。点灯装置100aに制御回路101a、ダイオード115、及び抵抗116が含まれている点と、異常報知装置200aに判定回路203a、及び抵抗207が含まれている点が図1と異なっている。その他同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
点灯装置100aにおいて、ダイオード115及び抵抗116は、電源に接続される接続端子110と、トランジスタ103及び抵抗104との間に接続されている。これにより、図4においては、点灯装置100aから異常報知装置200a、及び外部通信装置300に向かって電流が流れるようになっている。
異常報知装置200aにおいて、接続端子205は抵抗207を介して接地されているため、接続端子205に外部の装置が接続されていないときの当該接続端子205における電圧は、IG基準電圧を抵抗202及び207で分圧した電圧となる。これにより、後述の異常判定を行うに十分な電圧差を発生させることができる。
図2において、点灯装置100aから出力される入力信号に含まれる報知信号には、点灯装置100a及び光源2の異常事態に関するより詳細な情報が含まれている。例えば、光源2に電流が流れない出力のオープン状態や過剰に電流が流れる出力のショート状態などである。判定回路203aは、入力された入力信号に基づいて、異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生している場合には、アラームランプ204を点灯させる。
次に、異常報知装置200aの判定回路203aの構成について図5を用いて説明する。図5は、異常報知装置200aの判定回路203aの構成を示す構成図である。説明のため、異常報知装置200aの構成のうちアラームランプ204とIG電源208を記載している。ここで、IG電源208は外部から電源が供給されているものとして接続端子206を電源として表現したものである。図5において、判定回路203aは、電圧レベル判定回路600、矩形波判定回路700、及びNAND回路209から構成されている。
点灯装置100aから出力された入力信号は、電圧レベル判定回路600、及び矩形波判定回路700にそれぞれ入力され、電圧レベル判定回路600は異常判定信号をNAND回路209に出力し、矩形波判定回路700は矩形波判定信号をNAND回路209に出力する。NAND回路209は、入力された異常判定信号、及び矩形波判定信号に基づいて判定信号を出力し、当該判定信号の値がL値の時アラームランプ204は点灯し、当該判定信号の値がH値の時アラームランプ204は消灯する。
次に、電圧レベル判定回路600の構成及び動作について説明する。電圧レベル判定回路600は、報知信号の電圧と電源電圧とを比較して異常事態の判別をおこなう。異常報知装置200aの電圧レベル判定回路600は、電源電圧(IG基準電圧)を所定の比率で分圧した電圧を一方の端子に入力し、他方の入力端子に信号線の電圧を入力する比較器を備えている。当該比較器は、前記分圧した電圧に対する信号電圧の高低比較によって、天絡・地絡・車載機器の未接続等を判断する。電圧レベル判定回路600は、比較器の判断に基づき、各異常に対応する点滅回数や点滅周期でアラームランプを点滅させるための点灯パターンを生成し、異常判定信号として出力する。図6は、電圧レベル判定回路600における判定内容を示す図である。図中縦軸は信号レベルを示しており、縦軸の代表値として、IG基準電圧、比較電圧(1/2)、及びGNDの値を示している。
電圧レベル判定回路600は、点灯装置100aの電源がOFFのとき(領域A)、及び入力信号が矩形波であると判断されたとき(領域B)は異常の判定を行わず、入力信号のレベルが一定のレベルになったと判断されると異常の判定を行う(領域C〜H)。
入力信号の電圧がIG基準電圧の1/8以上であり3/8以下の場合(領域C)、点灯回路100a内のトランジスタ103がONし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる5Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の17/24以上であり7/8以下の場合(領域D)、点灯回路100a内のトランジスタ103がOFFし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる3Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の3/8以上であり17/24以下の場合(領域E)、信号線3が断線しているか点灯装置100aが未接続であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる4Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の1/8以下の場合(領域F)、信号線3が地絡していると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる6Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の8/9以上の場合(領域G)、信号線3が天絡していると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる1Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の7/8以上であり8/9以下の場合(領域H)、GNDがOpenであると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる2Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。なお、以上例を挙げて説明した入力信号に対するIG基準電圧の割合は、抵抗202を1.5kΩ、抵抗207を3.3kΩ、抵抗104を560Ω、抵抗116を3.6kΩとした場合の値であり、これらのパラメータを変更したときは適宜割合についても変更することで対応が可能である。また、異常判定信号としての矩形波は各異常によって識別できるような波形であればよい。
矩形波判定回路700は、点灯装置100aの状態が正常の場合にはL値(0V)を出力し、異常の場合にはH値(例えば5V)を出力する。そのため、NAND回路209の出力は、点灯装置100aの状態に異常があって電圧レベル判定回路600が異常判定信号を出力しているときは当該異常判定信号に応じたH値とL値からなる矩形波となる。一方、点灯装置100aの状態に異常があっても電圧レベル判定回路600が異常判定信号を出力していないときや、点灯装置100aの状態が正常の場合にはH値となる。NAND回路209の出力がL値のときは、アラームランプ204が点灯し、H値のときはアラームランプ204が消灯するので、点灯装置100aの状態に異常があって電圧レベル判定回路600が異常判定信号を出力しているときは、異常の内容に応じた周期でアラームランプ204を点滅させ、それぞれの異常内容を運転者に報知することができる。
以上のように、本実施の形態に係る異常報知装置200aは、各異常に対応する異常判定出力と矩形波の判定出力と合わせて、光源2の異常の内容に対応した波形の報知信号を出力し、異常時に各種の異常をアラームランプ204の点滅によって報知するようにしたので、点灯システムに発生した個々の異常事態を分別して報知することができ、速やかな修理を促すことができる。
また、点灯する光源2が正常に点灯しているときは定常的に矩形波を出力し、異常発生時に当矩形波出力を停止する構成にすれば、制御回路101a内のCPUの動作が停止した場合や信号出力素子(トランジスタ103)が動作不能になった場合でも、光源2が異常動作をする場合と同様に矩形波出力が停止することとなり、異常報知装置200aは当光源2の異常と点灯装置100aの両方の異常を判断することができる。これにより、点灯装置100a内に異常が発生しても、当異常動作を報知(表示)することができるので、ヘッドランプが異常な点灯状態あることを運転者に知らしめ、ヘッドランプの異常点灯を起因とする危険な状態を回避させ、速やかな修理を促すことができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、通信信号の信号レベルを報知信号の信号レベルよりも小さくなるように設定することで両信号の判別を行っていたが、逆に通信信号の信号レベルを報知信号の信号レベルよりも大きくなるように設定することで両信号を判別することもできる。以下では、通信信号の信号レベルを大きくしたヘッドランプ点灯システムについて説明する。
図7は、実施の形態3に係る点灯装置100b、異常報知装置200b、及び外部通信装置300bとそれらの接続関係を示す回路図である。図4と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。図4では、点灯装置100aのL(GND)側にNPNトランジスタ103を配置することにより信号出力を構成していたが、図7では、点灯装置100bのH(電源)側にPNPトランジスタ120を配置することにより信号出力を構成している。
点灯装置100bにおいて制御回路101bのアラーム出力部123は、トランジスタ117のベースに接続されており、0Vと5Vとからなる矩形波を出力することでトランジスタ117のONとOFFを切り換える。トランジスタ117のエミッタは抵抗118を介して接地されており、コレクタはトランジスタ120のベースに接続されるとともに抵抗119を介して接続端子110にも接続されている。トランジスタ120のコレクタは接続端子110に接続されており、エミッタはダイオード121及び抵抗104を介して接続端子113に接続されている。トランジスタ117のONとOFFが切り換わることにより、トランジスタ120のONとOFFが切り換わるので、トランジスタ120のONとOFFの切り換えによる電圧の変化が報知信号として出力される。
外部通信装置300bは、プルアップ抵抗309と当抵抗309を介して接続端子307に接続された電源308を有している。接続SW4がONに切り換わると、点灯装置100bの接続端子113は信号線3、接続端子307、及び抵抗309を介して電源308に接続され、接続端子113の電圧は電源308の電圧付近まで上昇する。
図8は、点灯装置100bの出力信号のレベルを示す波形図である。図2と同一または対応する部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
接続SW4がONになり、外部通信装置300bが信号線3に接続されるまでは(領域A〜D)は、図2と同様となる。接続SW4がONになり、外部通信装置300bが信号線3に接続されると、通信信号レベルはIG基準電圧付近まで上昇する。また、点灯装置100bは、当該点灯装置100bでの過大電流の発生を防ぐために、トランジスタ120をOFFとし、報知信号を停止させる。制御回路101bの送信部125の出力によりトランジスタ106がONの状態になると、接続端子113は抵抗108及びダイオード107を介して接地され、出力信号のレベルはGND付近まで低下する。そのため、出力信号は、トランジスタ106がONになっている期間ではGND付近まで低下し、トランジスタ106がOFFになっている期間ではIG基準電圧付近まで上昇するという形状になる(領域F)。
このように、通信信号の信号レベルが報知信号の信号レベルよりも大きくなるように設定すれば、信号の判別を容易に行うことができる。また、例えば、接続SW4がOFFで外部通信装置300bが切り離されている状態では、報知信号の信号レベルがIG基準電圧の2/3(信号判別電圧)以下になるようにしておき、接続SW4がONで外部通信装置300bが接続されている状態では、通信信号のレベルがIG基準電圧の2/3(信号判別電圧)より高い値になるようにしておく。このようにすれば、点灯装置100bは、接続端子113の電圧がIG電圧の2/3(信号判別電圧)以上になったことを検出することにより、外部通信装置300bが接続されたことを判別することができ、通信動作への対応を開始することができる。
以上のように、本実施の形態では、通信信号の信号レベルが報知信号の信号レベルよりも大きくなるように設定したので、通信用と異常報知用の接続端子113を共用のもとしても、点灯装置100b、報知信号200b、及び外部通信装置300bにおいて、両信号を識別しやすくすることができる。
また、通信信号の高レベル側電圧を、報知信号の高レベル側電圧よりも高い電圧にすることにより、外部通信装置300bが接続されたことを判別することができる。
また。外部通信装置300bにプルアップ抵抗309を設けたことにより、報知信号の高レベル側電圧と通信信号の高レベル側電圧を任意に設定することができ、両信号の信号レベルの設定が容易となる。
また、外部通信装置300bの接続時に点灯装置100bのトランジスタ106及び120が同時にONすると点灯装置100bに過大な電流が流れてしまうが、点灯装置100bは外部通信装置300bが接続されたときにトランジスタ120をOFFにし報知信号の出力を停止するようにした。このように、切り替え部としての制御回路101bにより、報知信号出力するか通信信号を出力するかを切り換えるようにしたので、過大電流の発生を防ぐことができる。なお、この切り替えは、例えば、接続端子113の電圧が大きく上昇したことを検出した時点で行う。
なお、点灯装置100bの回路構成は、図9に示すように定電流出力の回路構成とすることもできる。このような回路構成では、設定された定電流を越える電流が流れるように、プルアップ抵抗309を設定しておけば、外部通信装置300bが接続されたときに、通信信号の高レベル側電圧を、定電流が流れることにより一定の電圧降下が生じている抵抗207における報知信号の高レベル側電圧よりも、高い電圧にすることができる。
また、点灯装置100bの回路構成は、図10に示すように定電圧出力の回路構成とすることもできる。このような回路構成では、出力される定電圧を越える電圧が印加されるように、プルアップ抵抗309を設定しておけば、外部通信装置300bが接続されたときに、通信信号の高レベル側電圧を、定電圧が印加される抵抗207における報知信号の高レベル側電圧よりも、高い電圧にすることができる。
なお、上述では、報知信号の振幅が通信信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としたが、逆に通信信号の振幅が報知信号の振幅よりも大きくなるような回路構成としても、これらの信号を容易に識別することができる。
実施の形態4.
図11は実施の形態4に係る点灯装置100c、異常報知装置200c、及び外部通信装置300bとそれらの接続関係を示す回路図である。点灯装置100cに抵抗122が含まれている点と、異常報知装置200cに判定回路203c、ダイオード201、及び抵抗202が含まれている点が図7と異なっている。その他同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
異常報知装置200cにおいて、接続端子205は抵抗202及びダイオード201を介してバッテリに接続されており、点灯装置100cにおいて、抵抗104とダイオード121との中点は抵抗122を介して接地されている。これにより、判定回路203cが異常判定を行うに十分な電圧差を発生させることができる。
異常報知装置200cの判定回路203cは、電圧レベル判定回路600c及び矩形波判定回路700、及びNAND回路209から構成されている。電圧レベル判定回路600cは、電圧レベル判定回路600aと内部の判定内容が異なっている。図12は、電圧レベル判定回路600cにおける判定内容を示す図である。図6と同一または対応する部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
入力信号の電圧がIG基準電圧の1/8以上であり3/8以下の場合(領域C')、点灯回路100c内のトランジスタ120がOFFし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる5Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の17/24以上であり7/8以下の場合(領域D')、点灯回路100c内のトランジスタ120がONし続けているユニット異常であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる3Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。入力信号の電圧がIG基準電圧の3/8以上であり17/24以下の場合(領域E')、信号線3が断線しているか点灯装置100cが未接続であると判断し、L値(0V)とH値(例えば5V)からなる4Hzの矩形波を異常判定信号として出力する。その他の判定は、電圧レベル判定回路600aのものと同様である。なお、以上例を挙げて説明した入力信号に対するIG基準電圧の割合は、抵抗202を3.3kΩ、抵抗207を1.5kΩ、抵抗104を560Ω、抵抗122を3.6kΩとした場合の値であり、これらのパラメータを変更したときは適宜割合についても変更することで対応が可能である。また、異常判定信号としての矩形波は各異常によって識別できるような波形であればよい。
以上のように、本実施の形態に係る異常報知装置200cは、各異常に対応する異常判定出力と矩形波の判定出力と合わせて、光源2の異常の内容に対応した波形の報知信号を出力し、異常時に各種の異常をアラームランプ204の点滅によって報知するようにしたので、点灯システムに発生した個々の異常事態を分別して報知することができ、速やかな修理を促すことができる。
なお、実施の形態1〜4における光源2としては、ハロゲンランプ、HID(High Intensity Discharge)ランプといった放電灯、またはLED(Light Emitting Diode)等を用いることができる。
なお、実施の形態1〜4においては、外部通信装置が点灯装置に接続される際の信号線は、点灯装置と異常報知装置とを接続する信号線3のみに限られない。信号線3に代えて別の信号線により外部通信装置と点灯装置とを接続してもよい。
なお、実施の形態1〜4においては、異常報知信号と通信信号の電圧レベルを異ならせることで、これらの信号を判別できるようにしたが、周波数、Dutyなどを異ならせることでこれらの信号を判別することもできる。このように、異常報知信号と通信信号とで異なる信号形態を有していれば、これらの信号を判別することができる。
なお、上記説明おいては、異常報知装置200等と外部通信装置300等及び点灯装置100等の接続構成に、接続SW4を設けたが、点灯装置100等と異常報知装置200等、あるいは、点灯装置100等と外部通信装置300等の組み合わせにおいて、それぞれの機能を動作させることも可能である。また、接続スイッチによる接続と切り離しを、外部通信装置300等の接続コネクタの挿入と抜去によって代替することも可能である。
なお、上記説明における信号線3は、一端が点灯装置100等の接続端子113に接続され、2股に分かれた他端が異常報知装置200等の接続端子205及び接続SW4に接続されるものとした。このように、異常報知装置200等と点灯装置100等との間を接続する信号線と、外部通信装置300等と点灯装置100等との間を接続する信号線との一部を共用の信号線とすることもできるが、別々の信号線としてもよい。すなわち、外部通信装置300等を点灯装置100等に接続する際に、異常報知装置200等を点灯装置100等に接続している信号線を接続端子113から取り外し、取り外された信号線に代わる外部通信装置300等の接続端子307に接続された別の信号線を点灯装置100等の接続端子113に取り付けるようにもできる。
なお、上記説明においては、外部通信装置300等の一例として検査装置を挙げたが、当外部通信装置300等は例えばヘッドランプを含む車載灯火の点灯制御をおこなう制御の一機能として、通信によって点灯装置にDRL用の減光点灯を指示する機能を有する制御装置のような、車載される機器を制御する車載用制御装置であってもよい。
100、100a、100b、100c 点灯装置、101、101a、101b、101c 制御回路、200、200a、200b、200c 異常報知装置、203、203a、203b、203c 判定回路、300、300b 外部通信装置。