JPWO2010087199A1 - ハーモニックリジェクションミキサ - Google Patents

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Abstract

gm素子数の増大を抑制しながら、高調波応答を抑圧可能なハーモニックリジェクションミキサを開示する。複数のgm素子の後段に並列に接続された複数のミキサの出力を合成することにより、出力信号の波形を調整するハーモニックリジェクションミキサにおいて、少なくとも一部のミキサを、DUTY比が50%未満である制御信号を用いて駆動し、I相用のミキサが非アクティブとなる期間を利用して、Q相用のミキサをアクティブとすることにより、I相とQ相で一部のgm素子を共用する。

Description

本発明は、無線通信システムにおける高周波処理部に用いられるミキサの奇数次の高調波応答の抑圧(ハーモニックリジェクション)技術に関する。
テレビチューナは、テレビ放送信号に割り当てられている広い受信帯域をカバーする必要がある。例えば、日本においては、VHF(Very High Frequency)チャネル(100MHz帯、200MHz帯)、UHF(Ultra High Frequency)チャネル(470MHz〜770MHz)に対応する必要がある。また、ソフトウェア無線機は、異なる無線帯域を使用する複数の無線システムに対応する必要がある。
一般的に、無線機受信部を構成するミキサに対して、ミキサを駆動するための局部発振信号の奇数倍の周波数帯の無線周波数信号を入力すると、ミキサの非線形性に起因して、所望周波数を有する受信信号出力の近傍の周波数へと周波数変換された妨害信号が出力される(以下、この妨害信号を奇数次の高調波応答と呼ぶ)。
ここで、テレビチューナや、ソフトウェア無線機は対応すべき受信帯域が広く、所望周波数の信号を受信する時の信号振幅と、高調波応答に起因して出力される所望周波数成分以外の信号振幅との比が所定値になると受信感度が劣化する。そこで、ミキサ出力における高周波成分の出力波形を正弦波に近づけることで、奇数次の高調波応答を抑圧する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
図1は非特許文献1の第26.6.3図に記載された従来のハーモニックリジェクションミキサを示すブロック図である。図1に示すように、従来のハーモニックリジェクションミキサ10は、gm素子1、2、3と、ミキサ4、5、6とを備え、入力端子11から入力される信号を周波数変換して、出力端子12から出力する。
gm素子1、2、3は、入力端子11より入力される電圧を電流に変換する。ここで、gm素子1、2、3それぞれの出力電流に対する入力電圧の比は、gm1:gm2:gm3=1:√2:1に設定されている。
ミキサ4、5、6は、図2に示すような制御信号21、22、23を用いて駆動される。この制御信号21、22、23は、周波数が同一で、1周期に対するHi期間(オン期間)の比(以下、DUTY比と呼ぶ)が50%であり、45度ずつ位相がシフトされたパルス列である。
このように、入力信号を分岐後、各経路に配置するgm素子により振幅の重み付けを実施するとともに、45度ずつ位相をシフトした制御信号により駆動するミキサの出力信号を加算して合成することで、図3に示すような高周波成分の出力波形を得る。この出力波形は正弦波に近似しているため、奇数次の高調波応答を抑圧できる。
上記非特許文献1のほかにも、出力波形を正弦波に近づけることで、無線機受信部に用いる受信ミキサの高調波応答を抑圧する技術、及び、増幅器や無線機送信部に用いる送信ミキサの発生する高調波歪を抑制する技術が知られている(特許文献1から特許文献6、及び、非特許文献2参照)。
ここでは、一例として、特許文献6記載のパワーアンプにおけるハーモニックリジェクション技術について説明する。図4は、特許文献6の第1A図に記載されたパワーアンプの構成図である。図4に示すように、パワーアンプ50は、増幅回路51、増幅回路52を備え、入力端子61、入力端子62、入力端子63より入力される信号を増幅して、出力端子64より出力する。
増幅回路51は、PMOS(Positive channel Metal Oxide Semiconductor)とNMOS(Negative channel Metal Oxide Semiconductor)より構成されるインバータ構成で、PMOSのゲート端子が入力端子61に接続されるとともに、NMOSのゲート端子が入力端子62に接続され、PMOSとNMOSとは独立の入力信号(入力信号55と入力信号56)により駆動される。一方、増幅回路52は、PMOSとNMOSより構成されるインバータ構成で、PMOS及びNMOSのゲート端子が入力端子63に接続され、PMOSとNMOSとは同一の入力信号(入力信号57)により駆動される。
図5は、パワーアンプ50への入力信号55、56、57を示す図である。入力信号57は、DUTY比が50%の信号であり、入力端子63を介して、増幅回路52に対して入力される。入力信号55は、増幅回路51を構成するPMOSの動作時間が一周期間に対して50%未満となるように、入力信号57のHi区間中に立ち下がる信号であり、入力端子61を介して、増幅回路51を構成するPMOSに対して入力される。入力信号56は、増幅回路51を構成するNMOSの動作時間が一周期間に対して50%未満となるように、入力信号57のLow区間中に立ち上がる信号であり、入力端子62を介して、増幅回路51を構成するNMOSに対して入力される。
ここで、入力信号55及び56によって駆動される増幅回路51と、入力信号57によって駆動される増幅回路52とのトランジスタサイズ比を適切に設定することによって、出力端子64を介して出力される出力信号(増幅回路51及び増幅回路52の出力信号を加算することにより得られる信号)の波形を正弦波に近づけることができる。
米国特許第3962551号明細書 米国特許第5220607号明細書 特開昭55−095178号公報 特表2005−536099号公報 特表2007−535830号公報 国際公開第2008/032782号パンフレット 特開2004−289793号公報
R. Bagheri, et al、"An 800MHz to 5GHz Software-Defined RadioReceiver in 90nm CMOS"、Dig. Tech. Papers of the 2006 IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC), Feb. 2006, pp.480-481. Weldon, J.A. et al、"A 1.75GHz Highly-Integrated Narrow-Band CMOS Transmitter with Harmonic-Rejection Mixers,"Section 10.4 of Dig. Tech. Papers of the 2001 IEEE ISSCC, Feb. 5-7 2001, pp.160-162.
従来のハーモニックリジェクションミキサは、入力信号を分岐後、各経路に配置するgm素子により振幅の重み付けを実施するとともに、45度ずつ位相をシフトした制御信号により駆動するミキサの出力信号を加算して合成することで、高調波応答を抑圧する構成である。それゆえに、高調波応答を抑圧する構成とすることで、gm素子が増大し、回路規模、消費電流が増大するという課題があった。
また、直交復調器を構成する場合、I相とQ相のそれぞれで出力波形を調整するために、さらに多くのgm素子が必要となり、回路規模及び消費電流が増大するという課題があった。
本発明の目的は、gm素子数の増大を抑制しながら、高調波応答を抑圧可能なハーモニックリジェクションミキサを提供することである。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第一に、複数のgm素子の後段に並列に接続された複数のミキサの出力を合成することにより、出力信号の波形を調整するハーモニックリジェクションミキサであって、電圧信号を電流信号に変換する複数のgm素子として、I相用gm素子と、Q相用gm素子と、I相とQ相とで共用する共用gm素子とを有し、前記複数のgm素子の各々の出力は複数に分岐しており、前記複数のミキサの各々は、前記複数のgm素子のうちの一つの出力の分岐先の各々にスイッチング素子を接続した構成を有し、前記I相用gm素子及び前記Q相用gm素子の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%である駆動信号で制御され、前記共用gm素子の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%未満である駆動信号で制御され、共用gm素子に接続された複数のスイッチング素子のうちI相出力用のスイッチング素子がオフの期間の少なくとも一部において、Q相出力用のスイッチング素子がオンとなる構成をとる。
この構成により、1周期に対するオン期間の比が50%未満である駆動信号で制御スイッチング素子が接続されるgm素子をI相とQ相で共用可能となり、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第二に、第一の構成に加え、前記複数のgm素子のいずれにおいても、同じgm素子の出力の分岐先の各々に接続された前記スイッチング素子は、互いに同時にオン状態にならないようなパルス列からなる駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第三に、第一の構成、あるいは、第二の構成に加え、前記共用gm素子の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が25%である駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第四に、複数のgm素子の後段に並列に接続された複数のミキサの出力を合成することにより、出力信号の波形を調整するハーモニックリジェクションミキサであって、電圧信号を電流信号に変換する複数のgm素子として、I相用gm素子と、Q相用gm素子と、I相とQ相とで共用する共用gm素子とを有し、前記複数のgm素子の各々の出力は複数に分岐しており、前記複数のミキサの各々は、前記複数のgm素子のうちの一つの出力の分岐先の各々にスイッチング素子を接続した構成を有し、前記I相用gm素子、前記Q相用gm素子、及び、前記共用gm素子の各々の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%未満の共通した値である駆動信号で制御され、共用gm素子に接続された複数のスイッチング素子のうちI相出力用のスイッチング素子がオフの期間の少なくとも一部において、Q相出力用のスイッチング素子がオンとなる構成をとる。
この構成により、1周期に対するオン期間の比が50%未満である駆動信号で制御スイッチング素子が接続されるgm素子をI相とQ相で共用可能となり、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第五に、第四の構成に加え、前記複数のミキサの後段に接続された複数のキャパシタをさらに有し、前記複数のgm素子のいずれにおいても、同じgm素子の出力の分岐先の各々に接続された前記スイッチング素子のうち、異なるキャパシタに接続されるスイッチング素子については、互いに同時にオン状態にならないようなパルス列からなる駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第六に、第四の構成、あるいは、第五の構成に加え、前記I相用gm素子、前記Q相用gm素子、及び、前記共用gm素子の各々の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が25%である駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第七に、第一から第六のいずれかの構成に加え、前記スイッチング素子を制御する駆動信号群は、互いに位相の異なる同一周波数のパルス列で構成される。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第八に、第一から第七のいずれかの構成に加え、前記複数のgm素子は、入力信号に対して振幅の重み付けを行う構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
非特許文献1記載のハーモニックリジェクションミキサの構成を示す図 非特許文献1記載の制御信号波形を示す図 非特許文献1記載の出力信号波形を示す図 特許文献6記載のパワーアンプの構成を示す図 特許文献6記載のパワーアンプへの入力信号波形を示す図 実施の形態1におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態1から実施の形態4におけるミキサの構成例を示す図 実施の形態1における制御信号の波形を示す図 実施の形態1におけるハーモニックリジェクションミキサの別の例を示す図 実施の形態1における制御信号の波形を示す図 実施の形態2におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態2における制御信号の波形を示す図 実施の形態3におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態3における制御信号の波形を示す図 実施の形態4におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態4における制御信号の波形を示す図 実施の形態5におけるダイレクトサンプリングミキサの一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態は、DUTY比(1周期に対するオン期間の比)が50%以外、特に、50%未満となる制御信号を用いることで、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明するものである。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ100は、gm素子101、gm素子102と、ミキサ103、ミキサ104と、制御信号生成部105と、を備え、入力端子111より入力される信号を周波数変換して、出力端子112より出力信号123を出力する。
gm素子101、gm素子102は、入力端子111より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子101、gm素子102それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm101、gm102として、gm101:gm102=1:√2と設定する。
ミキサ103は、gm素子101に接続され、制御信号生成部105より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ104は、gm素子102に接続され、制御信号生成部105より出力される制御信号122によって駆動される。
ここで、ミキサ103及びミキサ104は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)スイッチで構成されるパッシブミキサであり、制御電圧によって駆動され、アクティブ状態となる期間中のみ、gm素子101、あるいは、gm素子102より出力される交流電流を、出力端子112に対して出力する。
図8は、制御信号121、制御信号122、及び、出力信号123の時間波形を示す図である。制御信号121は、DUTY比50%の矩形波である。制御信号122は、DUTY比25%の矩形波であり、好ましくは、制御信号121と同一の周波数を有し、かつ、位相差が45度のものである。出力信号123は、ミキサ103及びミキサ104の出力信号を加算したものである。
次に、図6に示すハーモニックリジェクションミキサ100の動作説明を行う。入力端子111より入力される交流電圧信号は、gm素子101及びgm素子102に分岐されて入力される。gm素子101は、gm101に応じた交流電流をミキサ103に対して出力する。ミキサ103は、制御信号121によって駆動され、gm素子101より出力される交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。また、gm素子102は、gm102に応じた交流電流をミキサ104に対して出力する。ミキサ104は、制御信号122によって駆動され、gm素子102より出力される交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
出力端子112には、ミキサ103及びミキサ104の出力電流を加算した電流が流れ、適切な負荷を接続することで、出力信号123に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の半周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる。なお、出力端子112に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。容量素子を用いる場合には、容量素子に対して電流を注入する時間に応じたフィルタ特性を付加することができる。
次に、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い出力波形を得る構成について図9、及び、図10を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成の別の例を示すブロック図である。図9に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ400は、gm素子401、gm素子402と、ミキサ403、ミキサ404、ミキサ405、ミキサ406と、制御信号生成部407と、を備え、入力端子411より入力される信号を周波数変換して、出力端子412及び出力端子413より、出力信号423及び出力信号424を出力する。
gm素子401、gm素子402は、入力端子411より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子401、gm素子402それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm401、gm402として、gm401:gm402=1:√2と設定する。
ミキサ403は、gm素子401に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ404は、gm素子401に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号421によって駆動される。ミキサ405は、gm素子402に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号122によって駆動される。ミキサ406は、gm素子402に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号422によって駆動される。
ここで、ミキサ403、ミキサ404、ミキサ405、及び、ミキサ406は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは、図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチにて構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子401、あるいは、gm素子402より出力される交流電流を、出力端子412、出力端子413に対して出力する。
図10は、制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422、及び、出力信号423、出力信号424の時間波形を示す図である。制御信号121、制御信号122は、図8を用いて説明したものと同一の波形であり、説明を省略する。図10に示すように、制御信号421は、DUTY比50%の矩形波である。また、制御信号422は、DUTY比25%の矩形波であり、好ましくは、制御信号421と同一周波数、かつ、位相差が45度のものである。
出力信号423は、ミキサ403及びミキサ405の出力信号を加算したものであり、波形としては、図8に示す出力信号123と同一のものである。出力信号424は、ミキサ404及びミキサ406の出力信号を加算したものである。また、制御信号121と制御信号421、制御信号122と制御信号422、出力信号423と出力信号424は、それぞれ同一の周波数を有し、かつ、信号間の位相差が180度である。
次に、図9に示すハーモニックリジェクションミキサ400の動作説明を行う。入力端子411より入力される交流電圧信号は、gm素子401及びgm素子402に分岐されて入力される。
gm素子401は、gm401に応じた交流電流をミキサ403及びミキサ404に対して出力する。ミキサ403は、制御信号121によって駆動され、gm素子401より出力される交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ404は、制御信号421によって駆動され、gm素子401より出力される交流電流に対して、制御信号421の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号421によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
gm素子402は、gm402に応じた交流電流をミキサ405及びミキサ406に対して出力する。ミキサ405は、制御信号122によって駆動され、gm素子402より出力される交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ406は、制御信号422によって駆動され、gm素子402より出力される交流電流に対して、制御信号422の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号422によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
出力端子412には、ミキサ403及びミキサ405の出力電流を加算した電流が流れ、適切な負荷を接続することで、出力信号423に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の半周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる。
また、出力端子413には、ミキサ404及びミキサ406の出力電流を加算した電流が流れ、適切な負荷を接続することで、出力信号424に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の半周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる。なお、出力端子412及び413に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
ここで、出力信号423と出力信号424とは、同一周波数、かつ、信号間の位相差が180度であるので、負荷以降の後段にて、図示しない差動増幅器などを用いて、出力信号423と424の差分をとることで、図10の一番下に示すような、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い階段状の出力信号425を得ることができる。このようにして、高調波応答を抑圧することができる。
ここで、非特許文献1に記載のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子を3つ必要とするのに対し、本発明の第1の実施形態に記載のハーモニックリジェクションミキサは、2つのgm素子より構成されるので、gm素子数を削減する目的を実現できる。
なお、本実施の形態では、DUTY比50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号とを組み合わせて、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明したが、これに限定されない。DUTY比50%未満の制御信号のDUTY比をN%とする場合に、DUTY比50%の制御信号とDUTY比N%の制御信号との基準位相差を(180×N/100)度とするとともに、DUTY比50%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmと、DUTY比N%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmとの比を正弦波を矩形波で模擬できるように設定することでハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減することができる。
(実施の形態2)
本実施形の態は、実施の形態1に記載のハーモニックリジェクションミキサに対して、gm素子への入力信号を差動信号とした場合の例を説明するものである。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図11に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ600は、gm素子601、gm素子602と、ミキサ603、ミキサ604、ミキサ605、ミキサ606、ミキサ607、ミキサ608、ミキサ609、ミキサ610と、制御信号生成部407と、を備え、入力端子611より入力される差動信号を周波数変換して、出力端子612より、180度位相差となる出力信号621及び出力信号622を出力する。
gm素子601、gm素子602は、入力端子611より入力される差動交流電圧を差動交流電流に変換する。具体的には、gm素子601、gm素子602は、入力される差動交流電圧のうちの正相、負相に対応する位相差の差動交流電流を出力する。
ここで、gm素子601、gm素子602それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm601、gm602として、gm601:gm602=1:√2と設定する。
ミキサ603は、gm素子601の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ604は、gm素子601の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号421によって駆動される。ミキサ605は、gm素子601の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号421によって駆動される。ミキサ606は、gm素子601の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ607は、gm素子602の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号122によって駆動される。ミキサ608は、gm素子602の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号422によって駆動される。ミキサ609は、gm素子602の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号422によって駆動される。ミキサ610は、gm素子602の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号122によって駆動される。
ここで、ミキサ603、ミキサ604、ミキサ605、ミキサ606、ミキサ607、ミキサ608、ミキサ609、及び、ミキサ610は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは、図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチにて構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子601の正相出力部、負相出力部、あるいは、gm素子602の正相出力部、負相出力部より出力される交流電流を、出力端子612に対して出力する。
図12は、制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422、及び、出力信号621、出力信号622の時間波形を示す図である。制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422は、図8及び図10を用いて説明したものと同一の波形であり、説明を省略する。出力信号621は、ミキサ603とミキサ605とミキサ607とミキサ609の出力信号を加算したものある。また、出力信号622は、ミキサ604とミキサ606とミキサ608とミキサ610の出力信号を加算したものである。ここで、出力信号621と出力信号622は、それぞれ同一の周波数を有し、かつ、信号間の位相差が180度である。
次に、図11に示すハーモニックリジェクションミキサ600の動作説明を行う。
入力端子611より入力される差動交流電圧信号は、gm素子601及びgm素子602に分岐されて入力される。gm素子601は、gm601に応じた正相交流電流をミキサ603及びミキサ604に対して出力し、gm601に応じた負相交流電流をミキサ605及びミキサ606に対して出力する。
ミキサ603は、制御信号121によって駆動され、gm素子601より出力される正相交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ604は、制御信号421によって駆動され、gm素子601より出力される正相交流電流に対して、制御信号421の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号421によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ605は、制御信号421によって駆動され、gm素子601より出力される負相交流電流に対して、制御信号421の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号421によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ606は、制御信号121によって駆動され、gm素子601より出力される負相交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
さらに、gm素子602は、gm602に応じた正相交流電流をミキサ607及びミキサ608に対して出力し、gm602に応じた負相交流電流をミキサ609及びミキサ610に対して出力する。
ミキサ607は、制御信号122によって駆動され、gm素子602より出力される正相交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ608は、制御信号422によって駆動され、gm素子602より出力される正相交流電流に対して、制御信号422の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号422によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ609は、制御信号422によって駆動され、gm素子602より出力される負相交流電流に対して、制御信号422の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号422によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ610は、制御信号122によって駆動され、gm素子602より出力される負相交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
出力端子612には、ミキサ603とミキサ605とミキサ607とミキサ609の出力電流を加算した正相電流と、ミキサ604とミキサ606とミキサ608とミキサ610の出力電流を加算した負相電流とが出力される。出力端子612のそれぞれに、適切な負荷を接続することで、出力信号621と出力信号622に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる。このようにして、高調波応答を抑圧することができる。
なお、出力端子612に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
本実施の形態では、制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422を分岐する方法として、単に、配線を分岐する構成を示したが、分岐の後段に、バッファを設ける構成としてもよい。
実施の形態1、あるいは、実施の形態2にて示したハーモニックリジェクションミキサは、ハーモニックリジェクションミキサ100がシングルエンドミキサであり、ハーモニックリジェクションミキサ400がシングルバランスミキサであり、ハーモニックリジェクションミキサ600がダブルバランスミキサである。よって、実施の形態1、及び、実施の形態2をもとにすれば、いずれか一つの構成を開示することで、他の構成への変更が可能である。よって、以降の実施形態では、説明の簡素化のため、シングルバランス構成のみに関して説明する。
なお、本実施の形態では、DUTY比50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号とを組み合わせて、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明したが、これに限定されない。DUTY比50%未満の制御信号のDUTY比をN%とする場合に、DUTY比50%の制御信号とDUTY比N%の制御信号との基準位相差を(180×N/100)度とするとともに、DUTY比50%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmと、DUTY比N%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmとの比を正弦波を矩形波で模擬できるように設定することでハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態1に示すハーモニックリジェクションミキサ400(図9)を用いて、90度位相差となるI相出力、Q相出力を生成する直交復調器を構成するものである。一部のミキサをDUTY比が50%未満の制御信号を用いて駆動し、ミキサが非アクティブとなる期間(オフ期間)を利用して、I相とQ相でgm素子を共用する構成に関して説明するものである。
図13は、本発明の第3の実施形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図13に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ800は、I相用gm素子801、共用gm素子802、Q相用gm素子803と、ミキサ804、ミキサ805、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ810、ミキサ811と、制御信号生成部812と、を備え、入力端子821より入力される信号を周波数変換して、出力端子822よりI相の正相信号を、出力端子823よりI相の負相信号を、出力端子824よりQ相の正相信号を、出力端子825よりQ相の負相信号を、それぞれ、出力する。また、gm共用部840は、gm素子802と、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809とより構成される。
gm素子801、gm素子802、gm素子803は、入力端子821より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子801、gm素子802、gm素子803、それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm801、gm802、gm803として、gm801:gm802:gm803=1:√2:1と設定する。
ミキサ804は、gm素子801に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号831によって駆動される。ミキサ805は、gm素子801に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号832によって駆動される。ミキサ806は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号835によって駆動される。ミキサ807は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号836によって駆動される。ミキサ808は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号837によって駆動される。ミキサ809は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号838によって駆動される。ミキサ810は、gm素子803に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号833によって駆動される。ミキサ811は、gm素子803に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号834によって駆動される。
ここで、ミキサ804、ミキサ805、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ810、及び、ミキサ811は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチで構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子801、gm素子802、あるいは、gm素子803より出力される交流電流を、出力端子822、出力端子823、出力端子824、あるいは、出力端子825に対して出力する。
図14は、制御信号831、832、833、834、835、836、837及び838の時間波形を示す図である。これらの制御信号は、同一の周波数を有するが、位相やDUTY比が異なる。
制御信号831、制御信号832、制御信号833、制御信号834は、DUTY比50%の矩形波である。また、制御信号831と制御信号832の位相差、及び、制御信号833と制御信号834の位相差は180度である。さらに、制御信号831と制御信号833の位相差、及び、制御信号832と制御信号834の位相差は、90度である。
一方、制御信号835、836、837、838は、DUTY比25%の矩形波であり、各々、90度位相をシフトしたものである。また、DUTY比50%の矩形波群の基準位相と、DUTY比25%の矩形波群の基準位相は45度の位相差をもつ。
ここで、制御信号831、832、833、833、834、835、836、837、838は、同一の周波数を有するとともに、同期が取れていることが好ましい。
また、制御信号831と制御832、制御信号833と制御信号834、制御信号835と制御信号836と制御信号837と制御信号838は、それぞれの制御信号によって駆動されるミキサが同時にアクティブとならないように制御することが望ましい。例えば、各制御信号がHiとなる時間(オン期間)が重ならないように、DUTY比が50%の場合には、実際の制御信号の波形が50%未満となるように整形し、DUTY比が25%の場合には、実際の制御信号の波形が25%未満となるように整形することが望ましい。さらに、制御信号の波形整形に伴い、擬似的正弦波からの誤差が大きくならないように、DUTY50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号との位相調整を行うことが望ましい。
次に、図13に示すハーモニックリジェクションミキサ800の動作説明を行う。入力端子821より入力される交流電圧信号は、gm素子801、gm素子802及びgm素子803に分岐されて入力される。gm素子801は、gm801に応じた交流電流をミキサ804とミキサ805に対して出力する。
ミキサ804は、制御信号831によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号831の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号831によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。ミキサ805は、制御信号832によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号832の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号832によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。
gm素子802は、gm802に応じた交流電流をミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809に対して出力する。ミキサ806は、制御信号835によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号835の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号835によってアクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。ミキサ807は、制御信号836によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号836の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号836によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。ミキサ808は、制御信号837によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号837の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号837によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。ミキサ809は、制御信号838によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号838の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号838によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。
gm素子803は、gm803に応じた交流電流をミキサ810とミキサ811に対して出力する。ミキサ810は、制御信号833によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号833の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号833によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。ミキサ811は、制御信号834によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号834の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号834によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。
出力端子822には、ミキサ804及びミキサ806の出力電流を加算した電流が流れる(I正相)。出力端子823には、ミキサ805及びミキサ807の出力電流を加算した電流が流れる(I負相)。出力端子824には、ミキサ808及びミキサ810の出力電流を加算した電流が流れる(Q正相)。出力端子825には、ミキサ809及びミキサ811の出力電流を加算した電流が流れる(Q負相)。
ここで、出力端子822、出力端子823に適切な負荷を接続することで、図10に示すような階段状の出力信号423、及び、出力信号424を取り出すことができる。また、出力端子824、出力端子825に適切な負荷を接続することで、出力信号423、及び、出力信号424のそれぞれに対して90度位相差となる2つの階段状の電圧波形を取り出すことができる。
すなわち、gm素子801、gm素子802と、ミキサ804、ミキサ805、ミキサ806、ミキサ807とを用いて、I相の出力信号が得られる。また、gm素子803、gm素子802と、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ810、ミキサ811とを用いて、Q相の出力信号が得られる。
このように、gm共用部840に対して、DUTY比が25%の制御信号を用いることで、gm素子802をI相及びQ相にて共用できる。
また、第1の実施形態に記載したように、負荷以降の後段にて、図示しない差動増幅器などを用いて、出力端子822の出力信号と出力端子823の出力信号との差分をとることで、図10に示す、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い階段状の出力信号425を得ることができる。同様に、出力端子824の出力信号と出力端子825の出力信号との差分をとることで、出力信号425に対して90度位相差となる出力信号を得ることができる。このようにして、用いるgm素子の数を抑制しつつ、高調波応答を抑圧することができる。
なお、出力端子822、823、824及び825に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
ここで、非特許文献1に記載のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子を3つ必要としており、仮に非特許文献1の技術を用いて直交復調器を構成すると、gm素子が6つ必要となる。これに対し、本実施の形態の構成によれば、3つのgm素子を用いて直交復調器を構成できるので、gm素子数を削減することができ、回路規模を減少させることができる。さらに、回路全体の消費電力を抑えることもできる。
また、本技術をもとに、シングルエンドミキサ構成や、ダブルバランスミキサ構成を実現することもできる。
なお、本実施の形態では、DUTY比50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号とを組み合わせて、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明したが、制御信号のDUTY比の組み合わせはこれに限定されない。DUTY比50%未満の制御信号のDUTY比をN%とする場合に、DUTY比50%の制御信号とDUTY比N%の制御信号との基準位相差を(180×N/100)度とするとともに、DUTY比50%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmと、DUTY比N%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmとの比を正弦波を矩形波で模擬できるように設定することでハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、ハーモニックリジェクションミキサを用いて、90度位相差となるI相出力、Q相出力を生成する直交復調器を構成するものであり、実施の形態3とは別の構成例を示す。実施の形態3では、一部のミキサのみをDUTY比が50%未満の制御信号を用いて駆動したが、本実施の形態では、全てのミキサを、DUTY比が50%未満の共通した値である制御信号を用いてミキサを駆動する点が異なる。ミキサが非アクティブとなる期間を利用して、I相とQ相でgm素子を共用する点については、実施の形態3と共通である。
図15は、本実施の形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図15に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ1000は、I相用のgm素子801と、Q相用のgm素子803と、共用gm素子802、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809より構成されるgm共用部840と、ミキサ1001と、ミキサ1002と、ミキサ1003と、ミキサ1004と、ミキサ1005と、ミキサ1006と、ミキサ1007と、ミキサ1008と、制御信号生成部1009と、を備え、入力端子821より入力される信号を周波数変換して、出力端子822よりI相の正相信号を、出力端子823よりI相の負相信号を、出力端子824よりQ相の正相信号を、出力端子825よりQ相の負相信号を、それぞれ、出力する。ここで、第3の実施形態において図13を用いて説明したものと同一の構成要素については、図13と同一の番号を付して、説明を省略する。
gm素子801、gm素子802、gm素子803は、入力端子821より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子801、gm素子802、gm素子803、それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm801、gm802、gm803として、gm801:gm802:gm803=1:√2:1と設定する。
ミキサ1001は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1031によって駆動される。ミキサ1002は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1032によって駆動される。ミキサ1003は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1033によって駆動される。ミキサ1004は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1034によって駆動される。
さらに、ミキサ1005は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1032によって駆動される。ミキサ1006は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1033によって駆動される。ミキサ1007は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1034によって駆動される。ミキサ1008は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1031によって駆動される。
ここで、ミキサ1001、ミキサ1002、ミキサ1003、ミキサ1004、ミキサ1005、ミキサ1006、ミキサ1007、及び、ミキサ1008は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチで構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子801、あるいは、gm素子803より出力される交流電流を、出力端子822、出力端子823、出力端子824、あるいは、出力端子825に対して出力する。
図16は、制御信号1031、1032、1033、1034、835、836、837及び838の時間波形を示す図である。これらの制御信号は、同一の周波数を有するとともに、共通のDUTY比を有し、位相のみが異なる。
gm共用部840に入力される制御信号835、836、837及び838は、実施の形態3において図14を用いて説明したものと同一であり、説明を省略する。また、制御信号1031、1032、1033、1034は、DUTY比25%の矩形波であり、各々、90度位相をシフトしたものである。
また、制御信号1031、1032、1033、1034の基準位相と、制御信号835、836、837、838の基準位相は45度の位相差をもつ。
ここで、制御信号1031、1032、1033、1034、835、836、837及び838は、同一の周波数を有するとともに、同期が取れていることが好ましい。
また、制御信号835と制御信号836と制御信号837と制御信号838は、それぞれの制御信号によって駆動されるミキサが同時にアクティブとならないように制御することが望ましい。
次に、図15に示すハーモニックリジェクションミキサ1000の動作説明を行う。入力端子821より入力される交流電圧信号は、gm素子801、gm素子802、及びgm素子803に分岐されて入力される。
I相用のgm素子801は、gm801に応じた交流電流をミキサ1001、ミキサ1002、ミキサ1003とミキサ1004に対して出力する。
ミキサ1001は、制御信号1031によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1031の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1031によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。ミキサ1002は、制御信号1032によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1032の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1032によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。
ミキサ1003は、制御信号1033によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1033の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1033によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。ミキサ1004は、制御信号1034によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1034の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1034によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。
Q相用のgm素子803は、gm803に応じた交流電流をミキサ1005、ミキサ1006、ミキサ1007とミキサ1008に対して出力する。
ミキサ1005は、制御信号1032によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1032の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1032によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。ミキサ1006は、制御信号1033によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1033の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1033によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。
ミキサ1007は、制御信号1034によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1034の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1034によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。ミキサ1008は、制御信号1031によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1031の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1031によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。
出力端子822には、ミキサ806、ミキサ1001、及び、ミキサ1002の出力電流を加算した電流が流れる(I正相)。出力端子823には、ミキサ807、ミキサ1003及びミキサ1004の出力電流を加算した電流が流れる(I負相)。出力端子824には、ミキサ808、ミキサ1005及びミキサ1006の出力電流を加算した電流が流れる(Q正相)。出力端子825には、ミキサ809、ミキサ1007及びミキサ1008の出力電流を加算した電流が流れる(Q負相)。
ここで、出力端子822、出力端子823に適切な負荷を接続することで、図10に示すような階段状の出力信号423、及び、出力信号424を取り出すことができる。また、出力端子824、出力端子825に適切な負荷を接続することで、出力信号423、及び、出力信号424に対して90度位相差となる階段状の電圧波形を取り出すことができる。
すなわち、gm素子801、gm素子802と、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ1001、ミキサ1002、ミキサ1003、ミキサ1004とを用いて、I相の出力信号が得られる。また、gm素子803、gm素子802と、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ1005、ミキサ1006、ミキサ1007、ミキサ1008とを用いて、Q相の出力信号が得られる。
このように、DUTY比が25%の制御信号を用いることで、gm素子802をI相及びQ相にて共用できる。また、本実施の形態の構成によれば、DUTY比が25%の制御信号のみで全てのミキサを駆動できるため、ダイレクトコンバージョン構成、あるいは、Low−IF構成にて問題となる、セルフミキシングを回避できる。
また、実施の形態1に記載したように、負荷以降の後段にて、図示しない差動増幅器などを用いて、出力端子822の出力信号と出力端子823の出力信号との差分をとることで、図10に示す、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い階段状の出力信号425を得ることができる。同様に、出力端子824の出力信号と出力端子825の出力信号との差分をとることで、出力信号425に対して90度位相差となる出力信号を得ることができる。このようにして、用いるgm素子の数を抑制しつつ、高調波応答を抑圧することができる。
なお、出力端子822、823、824及び825に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
ここで、非特許文献1に記載のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子を3つ必要としており、仮に非特許文献1の技術を用いて直交復調器を構成すると、gm素子が6つ必要となる。これに対し、本実施の形態の構成によれば、3つのgm素子を用いて直交復調器を構成できるので、gm素子数を削減することができ、回路規模を減少させることができる。さらに、回路全体の消費電力を抑えることもできる。さらに、DUTY比が共通の値の制御信号のみを用いて全てのミキサを駆動するため、ダイレクトコンバージョン構成、あるいは、Low−IF構成にて問題となる、セルフミキシングを回避できるという効果もある。
また、本技術をもとに、シングルエンドミキサ構成や、ダブルバランスミキサ構成を実現することもできる。なお、本実施の形態では、DUTY比25%の制御信号のみを用いる構成例を用いて説明したが、制御信号のDUTY比は50%未満であって、一部のgm素子をI相及びQ相で共用できるものであれば、これに限定されない。
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態1から4に示すハーモニックリジェクションミキサを用いて、ダイレクトサンプリングミキサを実現する構成を示すものである。
図17は、本発明の第5の実施形態に係るダイレクトサンプリングミキサの概略構成を示すブロック図である。図17に示すように、ダイレクトサンプリングミキサ1200は、ハーモニックリジェクションミキサ1201と、スイッチドキャパシタフィルタ部1202と、制御信号生成部1203と、を備え、入力端子1221より入力される信号を周波数変換して、出力端子1222よりI相の正相信号を、出力端子1223よりI相の負相信号を、出力端子1224よりQ相の正相信号を、出力端子1225よりQ相の負相信号を、それぞれ、出力する。
ハーモニックリジェクションミキサ1201の構成としては、実施の形態1又は実施の形態2に示すハーモニックリジェクションミキサを用いて直交復調器を構成したもの、あるいは、実施の形態3又は実施の形態4に示す直交復調器構成のハーモニックリジェクションミキサである。
スイッチドキャパシタフィルタ部1202は、例えば、特許文献7に示されるサンプリング回路を用いてI相、Q相処理を行うものであり、MOSスイッチ及び容量によって構成されるフィルタである。
制御信号生成部1203は、ハーモニックリジェクションミキサ1201を駆動するための、ハーモニックリジェクションミキサ1201に含まれるミキサを制御するための制御信号と、スイッチドキャパシタフィルタ部1202を駆動するための制御信号を生成するデジタルコントロールユニットより構成される。スイッチドキャパシタフィルタ部1202を駆動するため制御信号を生成するデジタルコントロールユニットとしては、例えば、特許文献7に示される構成を用いることができる。
本構成とすることで、実施の形態1から4に示すハーモニックリジェクションミキサを用いて、ダイレクトサンプリングミキサを実現することができる。
なお、本発明の実施の形態1から4において、制御信号がHiの期間(矩形波パルスの山の期間)にミキサをアクティブ状態にするとして説明しているが、ミキサとして、PMOS構成、あるいは、PMOSとNMOSの相補型のCMOS構成を用いる場合には、Hi期間をLow期間(矩形波パルスの谷の期間)として読みかえることで、PMOSを用いたミキサをアクティブ状態にすることができることは言うまでもない。いずれの場合でも、ミキサがアクティブ状態である期間はオン期間であり、ミキサが非アクティブ状態である期間はオフ期間と呼ぶことができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。例えば、制御信号生成部を半導体素子で実現する場合には、駆動信号において、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%から数%ずれる可能性がある。この場合には、ハーモニックリジェクションミキサの出力信号の波形形状が変動する。しかし、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%からのずれが大きくなく数%の場合には、ハーモニックリジェクションミキサからは、正弦波の1周期(又は半周期)の繰り返し波形に近い階段状の出力信号が得られる。したがって、駆動信号において、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%から数%ずれる場合には、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%の場合に比べ、高調波応答の抑制効果は若干低下するものの、本発明の効果を享受できる。なお、本発明者らは、開発の過程において、制御信号生成部を半導体素子で実現する場合に、半導体素子のばらつきを考慮しても、本発明の効果が得られることを確認した。
2009年1月29日出願の特願2009−017898に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子数の増大を抑制しながら、高調波応答を抑圧可能なハーモニックリジェクションミキサを実現することができ、無線通信システムにおける高周波処理部に用いられるミキサの奇数次の高調波応答の抑圧(ハーモニックリジェクション)技術等に有用である。
1、2、3 gm素子
4、5、6 ミキサ
10 ハーモニックリジェクションミキサ
11 入力端子
12 出力端子
21、22、23 制御信号
50 パワーアンプ
51、52 増幅回路
55、56、57 入力信号
61、62、63 入力端子
64 出力端子
100 ハーモニックリジェクションミキサ
101、102 gm素子
103、104 ミキサ
105 制御信号生成部
111 入力端子
112 出力端子
121、122 制御信号
123 出力信号
400 ハーモニックリジェクションミキサ
401、402 gm素子
403、404、405、406 ミキサ
407 制御信号生成部
411 入力端子
412、413 出力端子
421、422 制御信号
423、424、425 出力信号
600 ハーモニックリジェクションミキサ
601、602 gm素子
603、604、605、606、607、608、609、610 ミキサ
611 入力端子
612 出力端子
621、622 出力信号
800 ハーモニックリジェクションミキサ
801、802、803 gm素子
804、805、806、807、808、809、810、811 ミキサ
812 制御信号生成部
821 入力端子
822、823、824、825 出力端子
831、832、833、834、835、836、837、838 制御信号
1000 ハーモニックリジェクションミキサ
1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008 ミキサ
1009 制御信号生成部
1031、1032、1033、1034 制御信号
1200 ダイレクトサンプリングミキサ
1201 ハーモニックリジェクションミキサ
1202 スイッチドキャパシタフィルタ部
1203 制御信号生成部
1221 入力端子
1222、1223、1224、1225 出力端子
本発明は、無線通信システムにおける高周波処理部に用いられるミキサの奇数次の高調波応答の抑圧(ハーモニックリジェクション)技術に関する。
テレビチューナは、テレビ放送信号に割り当てられている広い受信帯域をカバーする必要がある。例えば、日本においては、VHF(Very High Frequency)チャネル(100MHz帯、200MHz帯)、UHF(Ultra High Frequency)チャネル(470MHz〜770MHz)に対応する必要がある。また、ソフトウェア無線機は、異なる無線帯域を使用する複数の無線システムに対応する必要がある。
一般的に、無線機受信部を構成するミキサに対して、ミキサを駆動するための局部発振信号の奇数倍の周波数帯の無線周波数信号を入力すると、ミキサの非線形性に起因して、所望周波数を有する受信信号出力の近傍の周波数へと周波数変換された妨害信号が出力される(以下、この妨害信号を奇数次の高調波応答と呼ぶ)。
ここで、テレビチューナや、ソフトウェア無線機は対応すべき受信帯域が広く、所望周波数の信号を受信する時の信号振幅と、高調波応答に起因して出力される所望周波数成分以外の信号振幅との比が所定値になると受信感度が劣化する。そこで、ミキサ出力における高周波成分の出力波形を正弦波に近づけることで、奇数次の高調波応答を抑圧する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
図1は非特許文献1の第26.6.3図に記載された従来のハーモニックリジェクションミキサを示すブロック図である。図1に示すように、従来のハーモニックリジェクションミキサ10は、gm素子1、2、3と、ミキサ4、5、6とを備え、入力端子11から入力される信号を周波数変換して、出力端子12から出力する。
gm素子1、2、3は、入力端子11より入力される電圧を電流に変換する。ここで、gm素子1、2、3それぞれの出力電流に対する入力電圧の比は、gm1:gm2:gm3=1:√2:1に設定されている。
ミキサ4、5、6は、図2に示すような制御信号21、22、23を用いて駆動される。この制御信号21、22、23は、周波数が同一で、1周期に対するHi期間(オン期間)の比(以下、DUTY比と呼ぶ)が50%であり、45度ずつ位相がシフトされたパルス列である。
このように、入力信号を分岐後、各経路に配置するgm素子により振幅の重み付けを実施するとともに、45度ずつ位相をシフトした制御信号により駆動するミキサの出力信号を加算して合成することで、図3に示すような高周波成分の出力波形を得る。この出力波形は正弦波に近似しているため、奇数次の高調波応答を抑圧できる。
上記非特許文献1のほかにも、出力波形を正弦波に近づけることで、無線機受信部に用いる受信ミキサの高調波応答を抑圧する技術、及び、増幅器や無線機送信部に用いる送信ミキサの発生する高調波歪を抑制する技術が知られている(特許文献1から特許文献6、及び、非特許文献2参照)。
ここでは、一例として、特許文献6記載のパワーアンプにおけるハーモニックリジェク
ション技術について説明する。図4は、特許文献6の第1A図に記載されたパワーアンプの構成図である。図4に示すように、パワーアンプ50は、増幅回路51、増幅回路52を備え、入力端子61、入力端子62、入力端子63より入力される信号を増幅して、出力端子64より出力する。
増幅回路51は、PMOS(Positive channel Metal Oxide Semiconductor)とNMOS(Negative channel Metal Oxide Semiconductor)より構成されるインバータ構成で、PMOSのゲート端子が入力端子61に接続されるとともに、NMOSのゲート端子が入力端子62に接続され、PMOSとNMOSとは独立の入力信号(入力信号55と入力信号56)により駆動される。一方、増幅回路52は、PMOSとNMOSより構成されるインバータ構成で、PMOS及びNMOSのゲート端子が入力端子63に接続され、PMOSとNMOSとは同一の入力信号(入力信号57)により駆動される。
図5は、パワーアンプ50への入力信号55、56、57を示す図である。入力信号57は、DUTY比が50%の信号であり、入力端子63を介して、増幅回路52に対して入力される。入力信号55は、増幅回路51を構成するPMOSの動作時間が一周期間に対して50%未満となるように、入力信号57のHi区間中に立ち下がる信号であり、入力端子61を介して、増幅回路51を構成するPMOSに対して入力される。入力信号56は、増幅回路51を構成するNMOSの動作時間が一周期間に対して50%未満となるように、入力信号57のLow区間中に立ち上がる信号であり、入力端子62を介して、増幅回路51を構成するNMOSに対して入力される。
ここで、入力信号55及び56によって駆動される増幅回路51と、入力信号57によって駆動される増幅回路52とのトランジスタサイズ比を適切に設定することによって、出力端子64を介して出力される出力信号(増幅回路51及び増幅回路52の出力信号を加算することにより得られる信号)の波形を正弦波に近づけることができる。
米国特許第3962551号明細書 米国特許第5220607号明細書 特開昭55−095178号公報 特表2005−536099号公報 特表2007−535830号公報 国際公開第2008/032782号パンフレット 特開2004−289793号公報
R. Bagheri, et al、"An 800MHz to 5GHz Software-Defined RadioReceiver in 90nm CMOS"、Dig. Tech. Papers of the 2006 IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC), Feb. 2006, pp.480-481. Weldon, J.A. et al、"A 1.75GHz Highly-Integrated Narrow-Band CMOS Transmitter with Harmonic-Rejection Mixers,"Section 10.4 of Dig. Tech. Papers of the 2001 IEEE ISSCC, Feb. 5-7 2001, pp.160-162.
従来のハーモニックリジェクションミキサは、入力信号を分岐後、各経路に配置するgm素子により振幅の重み付けを実施するとともに、45度ずつ位相をシフトした制御信号により駆動するミキサの出力信号を加算して合成することで、高調波応答を抑圧する構成
である。それゆえに、高調波応答を抑圧する構成とすることで、gm素子が増大し、回路規模、消費電流が増大するという課題があった。
また、直交復調器を構成する場合、I相とQ相のそれぞれで出力波形を調整するために、さらに多くのgm素子が必要となり、回路規模及び消費電流が増大するという課題があった。
本発明の目的は、gm素子数の増大を抑制しながら、高調波応答を抑圧可能なハーモニックリジェクションミキサを提供することである。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第一に、複数のgm素子の後段に並列に接続された複数のミキサの出力を合成することにより、出力信号の波形を調整するハーモニックリジェクションミキサであって、電圧信号を電流信号に変換する複数のgm素子として、I相用gm素子と、Q相用gm素子と、I相とQ相とで共用する共用gm素子とを有し、前記複数のgm素子の各々の出力は複数に分岐しており、前記複数のミキサの各々は、前記複数のgm素子のうちの一つの出力の分岐先の各々にスイッチング素子を接続した構成を有し、前記I相用gm素子及び前記Q相用gm素子の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%である駆動信号で制御され、前記共用gm素子の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%未満である駆動信号で制御され、共用gm素子に接続された複数のスイッチング素子のうちI相出力用のスイッチング素子がオフの期間の少なくとも一部において、Q相出力用のスイッチング素子がオンとなる構成をとる。
この構成により、1周期に対するオン期間の比が50%未満である駆動信号で制御スイッチング素子が接続されるgm素子をI相とQ相で共用可能となり、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第二に、第一の構成に加え、前記複数のgm素子のいずれにおいても、同じgm素子の出力の分岐先の各々に接続された前記スイッチング素子は、互いに同時にオン状態にならないようなパルス列からなる駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第三に、第一の構成、あるいは、第二の構成に加え、前記共用gm素子の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が25%である駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第四に、複数のgm素子の後段に並列に接続された複数のミキサの出力を合成することにより、出力信号の波形を調整するハーモニックリジェクションミキサであって、電圧信号を電流信号に変換する複数のgm素子として、I相用gm素子と、Q相用gm素子と、I相とQ相とで共用する共用gm素子とを有し、前記複数のgm素子の各々の出力は複数に分岐しており、前記複数のミキサの各々は、前記複数のgm素子のうちの一つの出力の分岐先の各々にスイッチング素子を接続した構成を有し、前記I相用gm素子、前記Q相用gm素子、及び、前記共用gm素子の
各々の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%未満の共通した値である駆動信号で制御され、共用gm素子に接続された複数のスイッチング素子のうちI相出力用のスイッチング素子がオフの期間の少なくとも一部において、Q相出力用のスイッチング素子がオンとなる構成をとる。
この構成により、1周期に対するオン期間の比が50%未満である駆動信号で制御スイッチング素子が接続されるgm素子をI相とQ相で共用可能となり、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第五に、第四の構成に加え、前記複数のミキサの後段に接続された複数のキャパシタをさらに有し、前記複数のgm素子のいずれにおいても、同じgm素子の出力の分岐先の各々に接続された前記スイッチング素子のうち、異なるキャパシタに接続されるスイッチング素子については、互いに同時にオン状態にならないようなパルス列からなる駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第六に、第四の構成、あるいは、第五の構成に加え、前記I相用gm素子、前記Q相用gm素子、及び、前記共用gm素子の各々の出力の分岐先に接続されたスイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が25%である駆動信号で制御される構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第七に、第一から第六のいずれかの構成に加え、前記スイッチング素子を制御する駆動信号群は、互いに位相の異なる同一周波数のパルス列で構成される。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、第八に、第一から第七のいずれかの構成に加え、前記複数のgm素子は、入力信号に対して振幅の重み付けを行う構成をとる。
この構成により、gm素子数の増大を抑制しながら、ハーモニックリジェクションミキサを構成できるとともに、高調波応答の抑圧効果を向上できる。
gm素子数の増大を抑制しながら、高調波応答を抑圧可能なハーモニックリジェクションミキサを提供することができる。
非特許文献1記載のハーモニックリジェクションミキサの構成を示す図 非特許文献1記載の制御信号波形を示す図 非特許文献1記載の出力信号波形を示す図 特許文献6記載のパワーアンプの構成を示す図 特許文献6記載のパワーアンプへの入力信号波形を示す図 実施の形態1におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態1から実施の形態4におけるミキサの構成例を示す図 実施の形態1における制御信号の波形を示す図 実施の形態1におけるハーモニックリジェクションミキサの別の例を示す図 実施の形態1における制御信号の波形を示す図 実施の形態2におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態2における制御信号の波形を示す図 実施の形態3におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態3における制御信号の波形を示す図 実施の形態4におけるハーモニックリジェクションミキサの一例を示す図 実施の形態4における制御信号の波形を示す図 実施の形態5におけるダイレクトサンプリングミキサの一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態は、DUTY比(1周期に対するオン期間の比)が50%以外、特に、50%未満となる制御信号を用いることで、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明するものである。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ100は、gm素子101、gm素子102と、ミキサ103、ミキサ104と、制御信号生成部105と、を備え、入力端子111より入力される信号を周波数変換して、出力端子112より出力信号123を出力する。
gm素子101、gm素子102は、入力端子111より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子101、gm素子102それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm101、gm102として、gm101:gm102=1:√2と設定する。
ミキサ103は、gm素子101に接続され、制御信号生成部105より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ104は、gm素子102に接続され、制御信号生成部105より出力される制御信号122によって駆動される。
ここで、ミキサ103及びミキサ104は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)スイッチで構成されるパッシブミキサであり、制御電圧によって駆動され、アクティブ状態となる期間中のみ、gm素子101、あるいは、gm素子102より出力される交流電流を、出力端子112に対して出力する。
図8は、制御信号121、制御信号122、及び、出力信号123の時間波形を示す図である。制御信号121は、DUTY比50%の矩形波である。制御信号122は、DUTY比25%の矩形波であり、好ましくは、制御信号121と同一の周波数を有し、かつ、位相差が45度のものである。出力信号123は、ミキサ103及びミキサ104の出力信号を加算したものである。
次に、図6に示すハーモニックリジェクションミキサ100の動作説明を行う。入力端子111より入力される交流電圧信号は、gm素子101及びgm素子102に分岐されて入力される。gm素子101は、gm101に応じた交流電流をミキサ103に対して出力する。ミキサ103は、制御信号121によって駆動され、gm素子101より出力される交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力
する。また、gm素子102は、gm102に応じた交流電流をミキサ104に対して出力する。ミキサ104は、制御信号122によって駆動され、gm素子102より出力される交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
出力端子112には、ミキサ103及びミキサ104の出力電流を加算した電流が流れ、適切な負荷を接続することで、出力信号123に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の半周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる。なお、出力端子112に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。容量素子を用いる場合には、容量素子に対して電流を注入する時間に応じたフィルタ特性を付加することができる。
次に、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い出力波形を得る構成について図9、及び、図10を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成の別の例を示すブロック図である。図9に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ400は、gm素子401、gm素子402と、ミキサ403、ミキサ404、ミキサ405、ミキサ406と、制御信号生成部407と、を備え、入力端子411より入力される信号を周波数変換して、出力端子412及び出力端子413より、出力信号423及び出力信号424を出力する。
gm素子401、gm素子402は、入力端子411より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子401、gm素子402それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm401、gm402として、gm401:gm402=1:√2と設定する。
ミキサ403は、gm素子401に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ404は、gm素子401に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号421によって駆動される。ミキサ405は、gm素子402に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号122によって駆動される。ミキサ406は、gm素子402に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号422によって駆動される。
ここで、ミキサ403、ミキサ404、ミキサ405、及び、ミキサ406は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは、図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチにて構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子401、あるいは、gm素子402より出力される交流電流を、出力端子412、出力端子413に対して出力する。
図10は、制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422、及び、出力信号423、出力信号424の時間波形を示す図である。制御信号121、制御信号122は、図8を用いて説明したものと同一の波形であり、説明を省略する。図10に示すように、制御信号421は、DUTY比50%の矩形波である。また、制御信号422は、DUTY比25%の矩形波であり、好ましくは、制御信号421と同一周波数、かつ、位相差が45度のものである。
出力信号423は、ミキサ403及びミキサ405の出力信号を加算したものであり、
波形としては、図8に示す出力信号123と同一のものである。出力信号424は、ミキサ404及びミキサ406の出力信号を加算したものである。また、制御信号121と制御信号421、制御信号122と制御信号422、出力信号423と出力信号424は、それぞれ同一の周波数を有し、かつ、信号間の位相差が180度である。
次に、図9に示すハーモニックリジェクションミキサ400の動作説明を行う。入力端子411より入力される交流電圧信号は、gm素子401及びgm素子402に分岐されて入力される。
gm素子401は、gm401に応じた交流電流をミキサ403及びミキサ404に対して出力する。ミキサ403は、制御信号121によって駆動され、gm素子401より出力される交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ404は、制御信号421によって駆動され、gm素子401より出力される交流電流に対して、制御信号421の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号421によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
gm素子402は、gm402に応じた交流電流をミキサ405及びミキサ406に対して出力する。ミキサ405は、制御信号122によって駆動され、gm素子402より出力される交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ406は、制御信号422によって駆動され、gm素子402より出力される交流電流に対して、制御信号422の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号422によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
出力端子412には、ミキサ403及びミキサ405の出力電流を加算した電流が流れ、適切な負荷を接続することで、出力信号423に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の半周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる。
また、出力端子413には、ミキサ404及びミキサ406の出力電流を加算した電流が流れ、適切な負荷を接続することで、出力信号424に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の半周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる。なお、出力端子412及び413に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
ここで、出力信号423と出力信号424とは、同一周波数、かつ、信号間の位相差が180度であるので、負荷以降の後段にて、図示しない差動増幅器などを用いて、出力信号423と424の差分をとることで、図10の一番下に示すような、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い階段状の出力信号425を得ることができる。このようにして、高調波応答を抑圧することができる。
ここで、非特許文献1に記載のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子を3つ必要とするのに対し、本発明の第1の実施形態に記載のハーモニックリジェクションミキサは、2つのgm素子より構成されるので、gm素子数を削減する目的を実現できる。
なお、本実施の形態では、DUTY比50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号とを組み合わせて、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明したが、これに限定されない。DUTY比50%未満の制御信号のDUT
Y比をN%とする場合に、DUTY比50%の制御信号とDUTY比N%の制御信号との基準位相差を(180×N/100)度とするとともに、DUTY比50%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmと、DUTY比N%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmとの比を正弦波を矩形波で模擬できるように設定することでハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減することができる。
(実施の形態2)
本実施形の態は、実施の形態1に記載のハーモニックリジェクションミキサに対して、gm素子への入力信号を差動信号とした場合の例を説明するものである。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図11に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ600は、gm素子601、gm素子602と、ミキサ603、ミキサ604、ミキサ605、ミキサ606、ミキサ607、ミキサ608、ミキサ609、ミキサ610と、制御信号生成部407と、を備え、入力端子611より入力される差動信号を周波数変換して、出力端子612より、180度位相差となる出力信号621及び出力信号622を出力する。
gm素子601、gm素子602は、入力端子611より入力される差動交流電圧を差動交流電流に変換する。具体的には、gm素子601、gm素子602は、入力される差動交流電圧のうちの正相、負相に対応する位相差の差動交流電流を出力する。
ここで、gm素子601、gm素子602それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm601、gm602として、gm601:gm602=1:√2と設定する。
ミキサ603は、gm素子601の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ604は、gm素子601の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号421によって駆動される。ミキサ605は、gm素子601の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号421によって駆動される。ミキサ606は、gm素子601の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号121によって駆動される。ミキサ607は、gm素子602の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号122によって駆動される。ミキサ608は、gm素子602の正相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号422によって駆動される。ミキサ609は、gm素子602の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号422によって駆動される。ミキサ610は、gm素子602の負相出力部に接続され、制御信号生成部407より出力される制御信号122によって駆動される。
ここで、ミキサ603、ミキサ604、ミキサ605、ミキサ606、ミキサ607、ミキサ608、ミキサ609、及び、ミキサ610は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは、図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチにて構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子601の正相出力部、負相出力部、あるいは、gm素子602の正相出力部、負相出力部より出力される交流電流を、出力端子612に対して出力する。
図12は、制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422、及び、出力信号621、出力信号622の時間波形を示す図である。制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422は、図8及び図10を用いて説明したものと
同一の波形であり、説明を省略する。出力信号621は、ミキサ603とミキサ605とミキサ607とミキサ609の出力信号を加算したものある。また、出力信号622は、ミキサ604とミキサ606とミキサ608とミキサ610の出力信号を加算したものである。ここで、出力信号621と出力信号622は、それぞれ同一の周波数を有し、かつ、信号間の位相差が180度である。
次に、図11に示すハーモニックリジェクションミキサ600の動作説明を行う。
入力端子611より入力される差動交流電圧信号は、gm素子601及びgm素子602に分岐されて入力される。gm素子601は、gm601に応じた正相交流電流をミキサ603及びミキサ604に対して出力し、gm601に応じた負相交流電流をミキサ605及びミキサ606に対して出力する。
ミキサ603は、制御信号121によって駆動され、gm素子601より出力される正相交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ604は、制御信号421によって駆動され、gm素子601より出力される正相交流電流に対して、制御信号421の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号421によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ605は、制御信号421によって駆動され、gm素子601より出力される負相交流電流に対して、制御信号421の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号421によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ606は、制御信号121によって駆動され、gm素子601より出力される負相交流電流に対して、制御信号121の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号121によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
さらに、gm素子602は、gm602に応じた正相交流電流をミキサ607及びミキサ608に対して出力し、gm602に応じた負相交流電流をミキサ609及びミキサ610に対して出力する。
ミキサ607は、制御信号122によって駆動され、gm素子602より出力される正相交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ608は、制御信号422によって駆動され、gm素子602より出力される正相交流電流に対して、制御信号422の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号422によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ609は、制御信号422によって駆動され、gm素子602より出力される負相交流電流に対して、制御信号422の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号422によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。ミキサ610は、制御信号122によって駆動され、gm素子602より出力される負相交流電流に対して、制御信号122の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号122によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を出力する。
出力端子612には、ミキサ603とミキサ605とミキサ607とミキサ609の出力電流を加算した正相電流と、ミキサ604とミキサ606とミキサ608とミキサ610の出力電流を加算した負相電流とが出力される。出力端子612のそれぞれに、適切な負荷を接続することで、出力信号621と出力信号622に示す階段状の電圧波形を取り出すことができ、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い出力波形を出力することができる
。このようにして、高調波応答を抑圧することができる。
なお、出力端子612に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
本実施の形態では、制御信号121、制御信号122、制御信号421、制御信号422を分岐する方法として、単に、配線を分岐する構成を示したが、分岐の後段に、バッファを設ける構成としてもよい。
実施の形態1、あるいは、実施の形態2にて示したハーモニックリジェクションミキサは、ハーモニックリジェクションミキサ100がシングルエンドミキサであり、ハーモニックリジェクションミキサ400がシングルバランスミキサであり、ハーモニックリジェクションミキサ600がダブルバランスミキサである。よって、実施の形態1、及び、実施の形態2をもとにすれば、いずれか一つの構成を開示することで、他の構成への変更が可能である。よって、以降の実施形態では、説明の簡素化のため、シングルバランス構成のみに関して説明する。
なお、本実施の形態では、DUTY比50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号とを組み合わせて、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明したが、これに限定されない。DUTY比50%未満の制御信号のDUTY比をN%とする場合に、DUTY比50%の制御信号とDUTY比N%の制御信号との基準位相差を(180×N/100)度とするとともに、DUTY比50%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmと、DUTY比N%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmとの比を正弦波を矩形波で模擬できるように設定することでハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態1に示すハーモニックリジェクションミキサ400(図9)を用いて、90度位相差となるI相出力、Q相出力を生成する直交復調器を構成するものである。一部のミキサをDUTY比が50%未満の制御信号を用いて駆動し、ミキサが非アクティブとなる期間(オフ期間)を利用して、I相とQ相でgm素子を共用する構成に関して説明するものである。
図13は、本発明の第3の実施形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図13に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ800は、I相用gm素子801、共用gm素子802、Q相用gm素子803と、ミキサ804、ミキサ805、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ810、ミキサ811と、制御信号生成部812と、を備え、入力端子821より入力される信号を周波数変換して、出力端子822よりI相の正相信号を、出力端子823よりI相の負相信号を、出力端子824よりQ相の正相信号を、出力端子825よりQ相の負相信号を、それぞれ、出力する。また、gm共用部840は、gm素子802と、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809とより構成される。
gm素子801、gm素子802、gm素子803は、入力端子821より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子801、gm素子802、gm素子803、それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm801、gm802、gm803として、gm801:gm802:gm803=1:√2:1と設定する。
ミキサ804は、gm素子801に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号831によって駆動される。ミキサ805は、gm素子801に接続され、制御信
号生成部812より出力される制御信号832によって駆動される。ミキサ806は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号835によって駆動される。ミキサ807は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号836によって駆動される。ミキサ808は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号837によって駆動される。ミキサ809は、gm素子802に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号838によって駆動される。ミキサ810は、gm素子803に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号833によって駆動される。ミキサ811は、gm素子803に接続され、制御信号生成部812より出力される制御信号834によって駆動される。
ここで、ミキサ804、ミキサ805、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ810、及び、ミキサ811は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチで構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子801、gm素子802、あるいは、gm素子803より出力される交流電流を、出力端子822、出力端子823、出力端子824、あるいは、出力端子825に対して出力する。
図14は、制御信号831、832、833、834、835、836、837及び838の時間波形を示す図である。これらの制御信号は、同一の周波数を有するが、位相やDUTY比が異なる。
制御信号831、制御信号832、制御信号833、制御信号834は、DUTY比50%の矩形波である。また、制御信号831と制御信号832の位相差、及び、制御信号833と制御信号834の位相差は180度である。さらに、制御信号831と制御信号833の位相差、及び、制御信号832と制御信号834の位相差は、90度である。
一方、制御信号835、836、837、838は、DUTY比25%の矩形波であり、各々、90度位相をシフトしたものである。また、DUTY比50%の矩形波群の基準位相と、DUTY比25%の矩形波群の基準位相は45度の位相差をもつ。
ここで、制御信号831、832、833、833、834、835、836、837、838は、同一の周波数を有するとともに、同期が取れていることが好ましい。
また、制御信号831と制御832、制御信号833と制御信号834、制御信号835と制御信号836と制御信号837と制御信号838は、それぞれの制御信号によって駆動されるミキサが同時にアクティブとならないように制御することが望ましい。例えば、各制御信号がHiとなる時間(オン期間)が重ならないように、DUTY比が50%の場合には、実際の制御信号の波形が50%未満となるように整形し、DUTY比が25%の場合には、実際の制御信号の波形が25%未満となるように整形することが望ましい。さらに、制御信号の波形整形に伴い、擬似的正弦波からの誤差が大きくならないように、DUTY50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号との位相調整を行うことが望ましい。
次に、図13に示すハーモニックリジェクションミキサ800の動作説明を行う。入力端子821より入力される交流電圧信号は、gm素子801、gm素子802及びgm素子803に分岐されて入力される。gm素子801は、gm801に応じた交流電流をミキサ804とミキサ805に対して出力する。
ミキサ804は、制御信号831によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号831の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号831によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。ミキサ805は、制御信号832によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号832の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号832によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。
gm素子802は、gm802に応じた交流電流をミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809に対して出力する。ミキサ806は、制御信号835によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号835の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号835によってアクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。ミキサ807は、制御信号836によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号836の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号836によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。ミキサ808は、制御信号837によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号837の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号837によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。ミキサ809は、制御信号838によって駆動され、gm素子802より出力される交流電流に対して、制御信号838の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号838によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。
gm素子803は、gm803に応じた交流電流をミキサ810とミキサ811に対して出力する。ミキサ810は、制御信号833によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号833の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号833によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。ミキサ811は、制御信号834によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号834の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号834によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。
出力端子822には、ミキサ804及びミキサ806の出力電流を加算した電流が流れる(I正相)。出力端子823には、ミキサ805及びミキサ807の出力電流を加算した電流が流れる(I負相)。出力端子824には、ミキサ808及びミキサ810の出力電流を加算した電流が流れる(Q正相)。出力端子825には、ミキサ809及びミキサ811の出力電流を加算した電流が流れる(Q負相)。
ここで、出力端子822、出力端子823に適切な負荷を接続することで、図10に示すような階段状の出力信号423、及び、出力信号424を取り出すことができる。また、出力端子824、出力端子825に適切な負荷を接続することで、出力信号423、及び、出力信号424のそれぞれに対して90度位相差となる2つの階段状の電圧波形を取り出すことができる。
すなわち、gm素子801、gm素子802と、ミキサ804、ミキサ805、ミキサ806、ミキサ807とを用いて、I相の出力信号が得られる。また、gm素子803、gm素子802と、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ810、ミキサ811とを用いて、Q相の出力信号が得られる。
このように、gm共用部840に対して、DUTY比が25%の制御信号を用いることで、gm素子802をI相及びQ相にて共用できる。
また、第1の実施形態に記載したように、負荷以降の後段にて、図示しない差動増幅器などを用いて、出力端子822の出力信号と出力端子823の出力信号との差分をとることで、図10に示す、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い階段状の出力信号425を得ることができる。同様に、出力端子824の出力信号と出力端子825の出力信号との差分をとることで、出力信号425に対して90度位相差となる出力信号を得ることができる。このようにして、用いるgm素子の数を抑制しつつ、高調波応答を抑圧することができる。
なお、出力端子822、823、824及び825に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
ここで、非特許文献1に記載のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子を3つ必要としており、仮に非特許文献1の技術を用いて直交復調器を構成すると、gm素子が6つ必要となる。これに対し、本実施の形態の構成によれば、3つのgm素子を用いて直交復調器を構成できるので、gm素子数を削減することができ、回路規模を減少させることができる。さらに、回路全体の消費電力を抑えることもできる。
また、本技術をもとに、シングルエンドミキサ構成や、ダブルバランスミキサ構成を実現することもできる。
なお、本実施の形態では、DUTY比50%の制御信号とDUTY比25%の制御信号とを組み合わせて、ハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減する構成に関して説明したが、制御信号のDUTY比の組み合わせはこれに限定されない。DUTY比50%未満の制御信号のDUTY比をN%とする場合に、DUTY比50%の制御信号とDUTY比N%の制御信号との基準位相差を(180×N/100)度とするとともに、DUTY比50%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmと、DUTY比N%で駆動されるミキサの前段のgm素子のgmとの比を正弦波を矩形波で模擬できるように設定することでハーモニックリジェクションミキサに用いるgm素子数を削減することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、ハーモニックリジェクションミキサを用いて、90度位相差となるI相出力、Q相出力を生成する直交復調器を構成するものであり、実施の形態3とは別の構成例を示す。実施の形態3では、一部のミキサのみをDUTY比が50%未満の制御信号を用いて駆動したが、本実施の形態では、全てのミキサを、DUTY比が50%未満の共通した値である制御信号を用いてミキサを駆動する点が異なる。ミキサが非アクティブとなる期間を利用して、I相とQ相でgm素子を共用する点については、実施の形態3と共通である。
図15は、本実施の形態に係るハーモニックリジェクションミキサの概略構成を示すブロック図である。図15に示すように、ハーモニックリジェクションミキサ1000は、I相用のgm素子801と、Q相用のgm素子803と、共用gm素子802、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ808、ミキサ809より構成されるgm共用部840と、ミキサ1001と、ミキサ1002と、ミキサ1003と、ミキサ1004と、ミキサ1005と、ミキサ1006と、ミキサ1007と、ミキサ1008と、制御信号生成部1009と、を備え、入力端子821より入力される信号を周波数変換して、出力端子82
2よりI相の正相信号を、出力端子823よりI相の負相信号を、出力端子824よりQ相の正相信号を、出力端子825よりQ相の負相信号を、それぞれ、出力する。ここで、第3の実施形態において図13を用いて説明したものと同一の構成要素については、図13と同一の番号を付して、説明を省略する。
gm素子801、gm素子802、gm素子803は、入力端子821より入力される交流電圧を交流電流に変換する。ここで、gm素子801、gm素子802、gm素子803、それぞれの出力電流に対する入力電圧の比をgm801、gm802、gm803として、gm801:gm802:gm803=1:√2:1と設定する。
ミキサ1001は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1031によって駆動される。ミキサ1002は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1032によって駆動される。ミキサ1003は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1033によって駆動される。ミキサ1004は、gm素子801に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1034によって駆動される。
さらに、ミキサ1005は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1032によって駆動される。ミキサ1006は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1033によって駆動される。ミキサ1007は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1034によって駆動される。ミキサ1008は、gm素子803に接続され、制御信号生成部1009より出力される制御信号1031によって駆動される。
ここで、ミキサ1001、ミキサ1002、ミキサ1003、ミキサ1004、ミキサ1005、ミキサ1006、ミキサ1007、及び、ミキサ1008は、好ましくは、図7Aに示すNMOSスイッチ、図7Bに示すPMOSスイッチ、あるいは図7Cに示すPMOS及びNMOSを相補的に用いたCMOSスイッチで構成されるパッシブミキサである。ミキサの各々は、制御信号によって駆動され、アクティブ状態となる期間(オン期間)中のみ、gm素子801、あるいは、gm素子803より出力される交流電流を、出力端子822、出力端子823、出力端子824、あるいは、出力端子825に対して出力する。
図16は、制御信号1031、1032、1033、1034、835、836、837及び838の時間波形を示す図である。これらの制御信号は、同一の周波数を有するとともに、共通のDUTY比を有し、位相のみが異なる。
gm共用部840に入力される制御信号835、836、837及び838は、実施の形態3において図14を用いて説明したものと同一であり、説明を省略する。また、制御信号1031、1032、1033、1034は、DUTY比25%の矩形波であり、各々、90度位相をシフトしたものである。
また、制御信号1031、1032、1033、1034の基準位相と、制御信号835、836、837、838の基準位相は45度の位相差をもつ。
ここで、制御信号1031、1032、1033、1034、835、836、837及び838は、同一の周波数を有するとともに、同期が取れていることが好ましい。
また、制御信号835と制御信号836と制御信号837と制御信号838は、それぞれの制御信号によって駆動されるミキサが同時にアクティブとならないように制御するこ
とが望ましい。
次に、図15に示すハーモニックリジェクションミキサ1000の動作説明を行う。入力端子821より入力される交流電圧信号は、gm素子801、gm素子802、及びgm素子803に分岐されて入力される。
I相用のgm素子801は、gm801に応じた交流電流をミキサ1001、ミキサ1002、ミキサ1003とミキサ1004に対して出力する。
ミキサ1001は、制御信号1031によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1031の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1031によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。ミキサ1002は、制御信号1032によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1032の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1032によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子822に対して出力する。
ミキサ1003は、制御信号1033によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1033の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1033によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。ミキサ1004は、制御信号1034によって駆動され、gm素子801より出力される交流電流に対して、制御信号1034の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1034によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子823に対して出力する。
Q相用のgm素子803は、gm803に応じた交流電流をミキサ1005、ミキサ1006、ミキサ1007とミキサ1008に対して出力する。
ミキサ1005は、制御信号1032によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1032の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1032によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。ミキサ1006は、制御信号1033によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1033の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1033によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子824に対して出力する。
ミキサ1007は、制御信号1034によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1034の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1034によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。ミキサ1008は、制御信号1031によって駆動され、gm素子803より出力される交流電流に対して、制御信号1031の周波数をもとに周波数変換処理を行い、制御信号1031によってアクティブ状態となる期間中のみ、周波数変換された交流電流を、出力端子825に対して出力する。
出力端子822には、ミキサ806、ミキサ1001、及び、ミキサ1002の出力電流を加算した電流が流れる(I正相)。出力端子823には、ミキサ807、ミキサ1003及びミキサ1004の出力電流を加算した電流が流れる(I負相)。出力端子824には、ミキサ808、ミキサ1005及びミキサ1006の出力電流を加算した電流が流れる(Q正相)。出力端子825には、ミキサ809、ミキサ1007及びミキサ1008の出力電流を加算した電流が流れる(Q負相)。
ここで、出力端子822、出力端子823に適切な負荷を接続することで、図10に示すような階段状の出力信号423、及び、出力信号424を取り出すことができる。また、出力端子824、出力端子825に適切な負荷を接続することで、出力信号423、及び、出力信号424に対して90度位相差となる階段状の電圧波形を取り出すことができる。
すなわち、gm素子801、gm素子802と、ミキサ806、ミキサ807、ミキサ1001、ミキサ1002、ミキサ1003、ミキサ1004とを用いて、I相の出力信号が得られる。また、gm素子803、gm素子802と、ミキサ808、ミキサ809、ミキサ1005、ミキサ1006、ミキサ1007、ミキサ1008とを用いて、Q相の出力信号が得られる。
このように、DUTY比が25%の制御信号を用いることで、gm素子802をI相及びQ相にて共用できる。また、本実施の形態の構成によれば、DUTY比が25%の制御信号のみで全てのミキサを駆動できるため、ダイレクトコンバージョン構成、あるいは、Low−IF構成にて問題となる、セルフミキシングを回避できる。
また、実施の形態1に記載したように、負荷以降の後段にて、図示しない差動増幅器などを用いて、出力端子822の出力信号と出力端子823の出力信号との差分をとることで、図10に示す、正弦波の1周期の繰り返し波形に近い階段状の出力信号425を得ることができる。同様に、出力端子824の出力信号と出力端子825の出力信号との差分をとることで、出力信号425に対して90度位相差となる出力信号を得ることができる。このようにして、用いるgm素子の数を抑制しつつ、高調波応答を抑圧することができる。
なお、出力端子822、823、824及び825に接続する負荷としては、例えば、キャパシタなどの容量素子を用いることができる。
ここで、非特許文献1に記載のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子を3つ必要としており、仮に非特許文献1の技術を用いて直交復調器を構成すると、gm素子が6つ必要となる。これに対し、本実施の形態の構成によれば、3つのgm素子を用いて直交復調器を構成できるので、gm素子数を削減することができ、回路規模を減少させることができる。さらに、回路全体の消費電力を抑えることもできる。さらに、DUTY比が共通の値の制御信号のみを用いて全てのミキサを駆動するため、ダイレクトコンバージョン構成、あるいは、Low−IF構成にて問題となる、セルフミキシングを回避できるという効果もある。
また、本技術をもとに、シングルエンドミキサ構成や、ダブルバランスミキサ構成を実現することもできる。なお、本実施の形態では、DUTY比25%の制御信号のみを用いる構成例を用いて説明したが、制御信号のDUTY比は50%未満であって、一部のgm素子をI相及びQ相で共用できるものであれば、これに限定されない。
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態1から4に示すハーモニックリジェクションミキサを用いて、ダイレクトサンプリングミキサを実現する構成を示すものである。
図17は、本発明の第5の実施形態に係るダイレクトサンプリングミキサの概略構成を示すブロック図である。図17に示すように、ダイレクトサンプリングミキサ1200は、ハーモニックリジェクションミキサ1201と、スイッチドキャパシタフィルタ部12
02と、制御信号生成部1203と、を備え、入力端子1221より入力される信号を周波数変換して、出力端子1222よりI相の正相信号を、出力端子1223よりI相の負相信号を、出力端子1224よりQ相の正相信号を、出力端子1225よりQ相の負相信号を、それぞれ、出力する。
ハーモニックリジェクションミキサ1201の構成としては、実施の形態1又は実施の形態2に示すハーモニックリジェクションミキサを用いて直交復調器を構成したもの、あるいは、実施の形態3又は実施の形態4に示す直交復調器構成のハーモニックリジェクションミキサである。
スイッチドキャパシタフィルタ部1202は、例えば、特許文献7に示されるサンプリング回路を用いてI相、Q相処理を行うものであり、MOSスイッチ及び容量によって構成されるフィルタである。
制御信号生成部1203は、ハーモニックリジェクションミキサ1201を駆動するための、ハーモニックリジェクションミキサ1201に含まれるミキサを制御するための制御信号と、スイッチドキャパシタフィルタ部1202を駆動するための制御信号を生成するデジタルコントロールユニットより構成される。スイッチドキャパシタフィルタ部1202を駆動するため制御信号を生成するデジタルコントロールユニットとしては、例えば、特許文献7に示される構成を用いることができる。
本構成とすることで、実施の形態1から4に示すハーモニックリジェクションミキサを用いて、ダイレクトサンプリングミキサを実現することができる。
なお、本発明の実施の形態1から4において、制御信号がHiの期間(矩形波パルスの山の期間)にミキサをアクティブ状態にするとして説明しているが、ミキサとして、PMOS構成、あるいは、PMOSとNMOSの相補型のCMOS構成を用いる場合には、Hi期間をLow期間(矩形波パルスの谷の期間)として読みかえることで、PMOSを用いたミキサをアクティブ状態にすることができることは言うまでもない。いずれの場合でも、ミキサがアクティブ状態である期間はオン期間であり、ミキサが非アクティブ状態である期間はオフ期間と呼ぶことができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。例えば、制御信号生成部を半導体素子で実現する場合には、駆動信号において、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%から数%ずれる可能性がある。この場合には、ハーモニックリジェクションミキサの出力信号の波形形状が変動する。しかし、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%からのずれが大きくなく数%の場合には、ハーモニックリジェクションミキサからは、正弦波の1周期(又は半周期)の繰り返し波形に近い階段状の出力信号が得られる。したがって、駆動信号において、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%から数%ずれる場合には、1周期に対するオン期間の比が50%又は25%の場合に比べ、高調波応答の抑制効果は若干低下するものの、本発明の効果を享受できる。なお、本発明者らは、開発の過程において、制御信号生成部を半導体素子で実現する場合に、半導体素子のばらつきを考慮しても、本発明の効果が得られることを確認した。
2009年1月29日出願の特願2009−017898に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明のハーモニックリジェクションミキサは、gm素子数の増大を抑制しながら、高
調波応答を抑圧可能なハーモニックリジェクションミキサを実現することができ、無線通信システムにおける高周波処理部に用いられるミキサの奇数次の高調波応答の抑圧(ハーモニックリジェクション)技術等に有用である。
1、2、3 gm素子
4、5、6 ミキサ
10 ハーモニックリジェクションミキサ
11 入力端子
12 出力端子
21、22、23 制御信号
50 パワーアンプ
51、52 増幅回路
55、56、57 入力信号
61、62、63 入力端子
64 出力端子
100 ハーモニックリジェクションミキサ
101、102 gm素子
103、104 ミキサ
105 制御信号生成部
111 入力端子
112 出力端子
121、122 制御信号
123 出力信号
400 ハーモニックリジェクションミキサ
401、402 gm素子
403、404、405、406 ミキサ
407 制御信号生成部
411 入力端子
412、413 出力端子
421、422 制御信号
423、424、425 出力信号
600 ハーモニックリジェクションミキサ
601、602 gm素子
603、604、605、606、607、608、609、610 ミキサ
611 入力端子
612 出力端子
621、622 出力信号
800 ハーモニックリジェクションミキサ
801、802、803 gm素子
804、805、806、807、808、809、810、811 ミキサ
812 制御信号生成部
821 入力端子
822、823、824、825 出力端子
831、832、833、834、835、836、837、838 制御信号
1000 ハーモニックリジェクションミキサ
1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008
ミキサ
1009 制御信号生成部
1031、1032、1033、1034 制御信号
1200 ダイレクトサンプリングミキサ
1201 ハーモニックリジェクションミキサ
1202 スイッチドキャパシタフィルタ部
1203 制御信号生成部
1221 入力端子
1222、1223、1224、1225 出力端子

Claims (10)

  1. 複数のgm素子の後段に並列に接続された複数のミキサの出力を合成することにより、出力信号の波形を調整するハーモニックリジェクションミキサであって、
    電圧信号を電流信号に変換する複数のgm素子として、I相用gm素子と、Q相用gm素子と、I相とQ相とで共用する共用gm素子とを有し、前記複数のgm素子の各々の出力は複数に分岐しており、
    前記複数のミキサの各々は、前記複数のgm素子のうちの一つの出力の分岐先の各々にスイッチング素子を接続した構成を有し、
    前記I相用gm素子及び前記Q相用gm素子の出力の分岐先に接続された前記スイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%である駆動信号で制御され、前記共用gm素子の出力の分岐先に接続された前記スイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%未満である駆動信号で制御され、
    前記共用gm素子に接続された複数の前記スイッチング素子のうちI相出力用のスイッチング素子がオフの期間の少なくとも一部において、Q相出力用のスイッチング素子がオンとなる、
    ハーモニックリジェクションミキサ。
  2. 前記複数のgm素子のいずれにおいても、同じgm素子の出力の分岐先の各々に接続された前記スイッチング素子は、互いに同時にオン状態にならないようなパルス列からなる駆動信号で制御される、
    請求項1に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
  3. 前記共用gm素子の出力の分岐先に接続された前記スイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が25%である駆動信号で制御される、
    請求項1に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
  4. 前記スイッチング素子を制御する駆動信号群は、互いに位相の異なる同一周波数のパルス列で構成される、
    請求項1に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
  5. 前記複数のgm素子は、入力信号に対して振幅の重み付けを行う、
    請求項1に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
  6. 複数のgm素子の後段に並列に接続された複数のミキサの出力を合成することにより、出力信号の波形を調整するハーモニックリジェクションミキサであって、
    電圧信号を電流信号に変換する複数のgm素子として、I相用gm素子と、Q相用gm素子と、I相とQ相とで共用する共用gm素子とを有し、前記複数のgm素子の各々の出力は複数に分岐しており、
    前記複数のミキサの各々は、前記複数のgm素子のうちの一つの出力の分岐先の各々にスイッチング素子を接続した構成を有し、
    前記I相用gm素子、前記Q相用gm素子、及び、前記共用gm素子の各々の出力の分岐先に接続された前記スイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が50%未満の共通した値である駆動信号で制御され、
    前記共用gm素子に接続された複数の前記スイッチング素子のうちI相出力用のスイッチング素子がオフの期間の少なくとも一部において、Q相出力用のスイッチング素子がオンとなる、
    ハーモニックリジェクションミキサ。
  7. 前記複数のミキサの後段に接続された複数のキャパシタをさらに有し、
    前記複数のgm素子のいずれにおいても、同じgm素子の出力の分岐先の各々に接続された前記スイッチング素子のうち、異なるキャパシタに接続されるスイッチング素子については、互いに同時にオン状態にならないようなパルス列からなる駆動信号で制御される、
    請求項6に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
  8. 前記I相用gm素子、前記Q相用gm素子、及び、前記共用gm素子の各々の出力の分岐先に接続された前記スイッチング素子は、1周期に対するオン期間の比が25%である駆動信号で制御される、
    請求項6に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
  9. 前記スイッチング素子を制御する駆動信号群は、互いに位相の異なる同一周波数のパルス列で構成される、
    請求項6に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
  10. 前記複数のgm素子は、入力信号に対して振幅の重み付けを行う、
    請求項6に記載のハーモニックリジェクションミキサ。
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