JPWO2010086999A1 - 冷媒の受熱量推定方法および制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
内燃機関50は可変動弁機構として吸気側VVT55と排気側VVT56とを備えている。吸気側VVT55は吸気弁57の作用角(開弁期間)及びバルブリフト量を変更するための構成であり、排気側VVT56は排気弁58の作用角及びバルブリフト量を変更するための構成である。
ROM3はCPU2が実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPU2がROM3に格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAM4の一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU1では各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。
しかしながら、図7に示すように推定因子を冷却水温ethwのみとし、冷却水温ethwを冷却損失Qwの指標とした場合には、各データには線形的なまとまりが認められない。そしてこれらのデータを最小二乗法で近似した場合、相関の度合いを示すR2(1に近いほど相関の度合いが高い)は、0.3613となる。すなわち、この場合には冷却損失Qwとの間に高い線形的な相関関係は認められない。
また図8に示すように、推定因子を吸気温度ethaのみとし、吸気温度ethaを冷却損失Qwの指標とした場合には、R2が0.2387となる。この場合にも冷却損失Qwとの間に高い線形的な相関関係は認められない。
さらに図9に示すように、推定因子を冷却水温ethwおよび吸気温度ethaとし、ethw+ethaを冷却損失Qwの指標とした場合でもR2は0.3014となり、冷却損失Qwとの間に高い線形的な相関関係は認められない。
また図11に示すように、推定因子を冷却水温ethw、吸気温度ethaおよび吸入空気量GAとし、(ethw+etha)×GAを冷却損失Qwの指標とした場合にはR2は0.8737となり、この場合にも冷却損失Qwとの間に高い線形的な相関関係が認められる。
したがって、これら冷却水温ethw、吸気温度ethaは吸入空気量GAとともに推定因子とすることが好ましい。
この点、図12に示すように、推定因子を吸入空気量GAおよび回転数NEとし、GA×NE/100を冷却損失Qwの指標とした場合にはR2は0.8562となり、冷却損失Qwとの間に高い線形的な相関関係が認められる。
そしてこれら図6から図12により、吸入空気量GAを含む複数の推定因子(具体的には吸入空気量GAと、冷却水温ethw、吸気温度ethaまたは回転数NEのうち、少なくともいずれか1つ)に基づき推定することで、冷却損失Qwをより高い精度で推定できることがわかる。
なお、図13に示すように、推定因子を冷却水温ethw、吸気温度ethaおよび回転数NEとし、(ethw+etha)×NE/100を冷却損失Qwの指標とした場合にはR2は0.8618となり、この場合にも冷却損失Qwとの間に高い線形的な相関関係が認められる。
Qw=(ethw+etha)×NE×GA・・・式(1)
具体的には所定の制御として、例えば燃料噴射量を増量する燃料噴射制御を行うことができる。この場合、推定された冷却損失Qwの大きさに応じて燃料増量値を可変にすることが好ましい。これにより内燃機関50から発生する熱量を低減できる。したがってこれにより、内燃機関50のオーバーヒートを防止できる。
また所定の制御として、例えば燃料噴射量を減量し、空燃比を理論空燃比よりもリーンにする燃料噴射制御を行うことができる。これにより燃料消費を抑制でき、以って内燃機関50から発生する熱量を低減するとともに排気温度を低下させることができる。したがってこれにより、触媒の過熱によりエミッションが悪化することを防止しつつ、内燃機関50のオーバーヒートを防止できる。
また所定の制御として、例えばキックダウン操作に応じて多段自動変速機60の変速段が所定の変速段以下になることを禁止する制御を行うことができる。これにより、回転数NEが大幅に上昇することを防止し、内燃機関50から発生する熱量がさらに増大することを抑制できる。
また所定の制御として、例えば排気側VVT56を遅角させる制御を行うことができる。これにより膨張比を向上させて排気温度を低下させることができる。したがってこれにより、エミッションの悪化を抑制することができる。
また所定の制御として、例えば内燃機関50の減筒運転制御を行うことができる。これにより、内燃機関50から発生する熱量を低減することができ、以って内燃機関50のオーバーヒートを防止できる。
また所定の制御として、例えば電動ファン32の回転数を高める制御を行うことができる。これにより、ラジエータ31における冷却水Wの放熱を促進することができる。
そしてこれらの所定の制御により、直接的或いは間接的に冷却水Wの冷却性能の回復を図ることができる。
例えば本発明を適用する場合に用いられる水冷エキマニ20を含む内燃機関50の冷却系統の具体的な構成は必ずしも図1に示す構成に限られず、その他の適宜の構成であってもよい。
また例えば本発明を適用する場合に用いられる冷却エキマニ20の具体的な構成は必ずしも図2に示す構成に限られず、冷媒によって排気マニホルドの全部または一部を冷却することが可能なその他の適宜の構成であってもよい。
また例えば本発明を適用する場合に用いられる可変動弁機構の具体的な構成は必ずしも図4に示す構成に限られず、バルブ特性を可変にすることが可能なその他の適宜の構成であってもよい。
また、上述した実施例では内燃機関50の冷却水Wを冷媒とした場合について詳述したが、冷媒は必ずしもこれに限られず、例えば冷却エキマニ20に専用の冷却系統を別途設け、この冷却系統を流通させる冷却水を冷媒としてもよい。この場合の冷却水としては、さらに具体的には例えば内燃機関50の冷却水Wと同様にLLC(Long Life coolant)を適用することができる。但し、内燃機関50の冷却水Wを冷媒とすれば、専用の冷却系統を新たに備える必要がない点でコスト的に有利である。また内燃機関50の冷却水Wを冷媒とした場合には、受熱量の増大によって冷却水Wの冷却性能が大幅に低下し易くなることから、本発明は内燃機関50の冷却水Wを冷媒とした場合に特に効果的である。
の場合には、センサの故障やレンジ外れを検出できることから、排気温度センサを使用しても信頼性を確保できるともいえる。しかしながら、この場合には排気温度センサが2つ以上必要となるため、コストはさらに増大してしまうことになる。
[0010]
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、排気系冷却手段における冷媒の受熱量を推定することで、冷媒の冷却対象物である排気系の使用環境状態を低コストで把握することができる冷媒の受熱量推定方法、および当該冷媒の受熱量推定方法により推定された受熱量に基づき制御を行うことで、冷媒の冷却性能が低下した状況に好適に対応することができる制御装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0011]
上記課題を解決するための本発明の冷媒の受熱量推定方法は、内燃機関の排気系を冷媒により冷却する排気系冷却手段における前記冷媒の冷媒温度、前記内燃機関の吸気温度、前記内燃機関の回転数、及び内燃機関の吸入空気量を含む推定因子を検出するステップと、前記冷媒が排気から受ける受熱量を、前記冷媒温度と前記吸気温度との和、前記回転数、及び前記吸入空気量の積により算出した値に基づき推定するステップとを有する。
[0012]
また本発明の冷媒の受熱量推定方法は、内燃機関の吸入空気量を含む推定因子を検出するステップと、前記内燃機関の排気系を冷媒により冷却する排気系冷却手段で冷媒が排気から受ける受熱量を、前記推定因子に基づき推定するステップと、前記推定された受熱量が所定値以上であるときに、前記内燃機関から発生する熱量を低減する制御、前記内燃機関から発生する熱量がさらに増大することを抑制する制御、または冷媒からの放熱を促進する制御のうち、少なくともいずれか1つの制御を行うステップと、を有する。
[0013]
また本発明の冷媒の受熱量推定方法は、冷媒を前記内燃機関の冷却水とした構成であることが好ましい。
[0014]
また本発明の制御装置は、内燃機関の吸入空気量を含む推定因子を検出する検出手段と、前記内燃機関の排気系を冷媒により冷却する排気系冷却手段で冷媒が排気から受ける受熱量を、前記推定因子に基づき推定する推定手段と、前記推定手段により推定された受熱量が所定値以上であるときに、前記内燃機関から発生する熱量を低減する制御、前記内燃機関から発生する熱量がさらに増大することを抑制する制御、または冷媒からの放熱を促進する制御のうち、少なくともいずれか1つの制御を行う制御手段とを備える。
[0015]
また本発明の制御装置は、前記推定因子が、冷媒温度、前記内燃機関の吸気温度、または前記内燃機関の回転数のうち、少なくともいずれか1つをさらに含む構成であることが好ましい。
Claims (7)
- 内燃機関の吸入空気量を含む推定因子を検出するステップと、
前記内燃機関の排気系を冷媒により冷却する排気系冷却手段で冷媒が排気から受ける受熱量を、前記推定因子に基づき推定するステップと
を有する冷媒の受熱量推定方法。 - 請求項1記載の冷媒の受熱量推定方法であって、
前記推定因子が冷媒温度、前記内燃機関の吸気温度、または前記内燃機関の回転数のうち、少なくともいずれか1つをさらに含む冷媒の受熱量推定方法。 - 請求項1または2記載の冷媒の受熱量推定方法であって、
冷媒を前記内燃機関の冷却水とした冷媒の受熱量推定方法。 - 内燃機関の吸入空気量を含む推定因子を検出する検出手段と、
前記内燃機関の排気系を冷媒により冷却する排気系冷却手段で冷媒が排気から受ける受熱量を、前記推定因子に基づき推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された受熱量が所定値以上であるときに、前記内燃機関から発生する熱量を低減する制御、前記内燃機関から発生する熱量がさらに増大することを抑制する制御、または冷媒からの放熱を促進する制御のうち、少なくともいずれか1つの制御を行う制御手段と
を備える制御装置。 - 請求項4記載の制御装置であって、
前記推定因子が、冷媒温度、前記内燃機関の吸気温度、または前記内燃機関の回転数のうち、少なくともいずれか1つをさらに含む制御装置。 - 請求項4記載の制御装置であって、
前記内燃機関から発生する熱量を低減する制御が、前記内燃機関に対する燃料噴射量を減量し、空燃比を理論空燃比よりもリーンにする燃料噴射制御である制御装置。 - 請求項4記載の制御装置であって、
冷媒を前記内燃機関の冷却水とした制御装置。
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