JPWO2010079538A1 - データ伝送装置 - Google Patents

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Abstract

データの伝送周期を監視し、その伝送周期から上記データが次回伝送される伝送タイミングを予測する監視部2を設け、自装置におけるデータの送信タイミングが、監視部2により予測された伝送タイミングに差し迫っていれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせ、その伝送タイミングに差し迫っていなければ、自装置におけるデータの送信をネットワークI/F部1に指示する。

Description

本発明は、例えば、車載ネットワークにおける制御系ネットワークと情報系ネットワークの間に位置するゲートウェイ装置などのデータ伝送装置に関し、特に、優先度の高いデータの伝送を極力阻害しないようにしながら優先度の低いデータを伝送するデータ伝送装置に関する。
現在の自動車内部の通信は、ネットワーク化の進展が著しい。
エンジンの制御、ドアミラーやパワーウィンドウの制御などは、複数の制御装置間をネットワークで接続し、複数の制御装置が必要な情報を相互に交換して行っている。
また、車両の制御情報以外の情報である情報系のデータにおいても、車内ネットワークの構築が進みつつある。
例えば、前席のDVDプレイヤーの映像を後部座席の画面に表示したり、音声を車内各所に接続されたスピーカから出力させたりするような場合には、関連する装置間を個別に接続するよりも、ネットワーク化することで、配線数を削減することができる。
一般的には、前者のネットワークを制御系ネットワーク、後者のネットワークを情報系ネットワークと称し、信頼性や帯域幅など、ネットワークに対する要求条件が異なるため、物理的に別々のネットワークを構築している。
一方で、制御系ネットワークと情報系ネットワークの融合が、自動車のシステムとしての高度化に大きく貢献する。
例えば、車載カメラの映像に基づいて、ブレーキやステアリングの制御を行うシステムを考える場合は、情報系ネットワークに伝送されるデータを制御系ネットワークにゲートウェイ装置を介して伝達する必要がある。
ただし、上述したように、制御系のネットワークは、高い信頼性が要求されるシステムであるため、単純に情報系ネットワークに伝送されるデータをフィルタリングして、制御系ネットワークに流入させるわけには行かない。即ち、制御系ネットワークの通信を阻害しないように考慮する必要がある。
自動車の制御系ネットワークで幅広く用いられている方式であるCAN(Controller Area Network)では、データ(メッセージ)に優先度付けを行う仕組みが存在している。
例えば、複数のメッセージの送信タイミングが一致し、メッセージが衝突する場合には、優先度が低いメッセージ送信をキャンセルする仕組みがある。
ただし、優先度が低いメッセージの送信が先に開始されている場合、そのメッセージの送信が完了まで、優先度が高いメッセージの送信処理が待たされてしまうことになる。
自動車の制御系ネットワークでは、周期伝送のメッセージが多いため、その特徴を利用して衝突を避ける制御システムが、以下の特許文献1に開示されている。
この制御システムでは、ネットワーク上で、マスタとなる装置(以下、「マスタ装置」と称する)を用意し、マスタ装置が、他の複数の装置(以下、「スレブ装置」と称する)から送信メッセージの伝送周期を示すリストを受け取って、各送信メッセージの伝送周期を集計し、いずれかの送信メッセージの伝送周期が重なる場合には、その伝送周期の位相をずらすようにスレブ装置に指示する。
この場合、スレブ装置は、マスタ装置の指示の下、送信メッセージの送信タイミングを変更する機能を実装している必要がある。
特開2007−184833号公報(段落番号[0008]、図1)
従来のデータ伝送装置は以上のように構成されているので、マスタ装置の指示の下、送信メッセージの送信タイミングを変更する機能を実装していれば、送信メッセージの衝突を回避することができる。しかし、ネットワーク上を伝送する全てのデータが最初から伝送周期が決まっているとは限らず、何らかのトリガを受けて初めてデータの伝送周期が決まるケースもあるが、そのようなケースには対応することができない課題があった。
なお、マスタ装置をシステムに組み込む必要があるためシステム構成が複雑になる。また、事前に送信メッセージの伝送周期を示すリストをマスタ装置に伝送する必要があるため、その分だけ、ネットワークの帯域を圧迫する課題もあった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、事前に伝送周期が分らないデータの通信を阻害しないタイミングで、自装置におけるデータを送信することができるデータ伝送装置を得ることを目的とする。
この発明に係るデータ伝送装置は、ネットワークに対するデータの送受信処理を実施するとともに、ネットワーク中を伝送しているデータを検出して、そのデータに付与されている識別子とデータの伝送タイミングを通知するネットワークインタフェース手段と、ネットワークインタフェース手段から通知されたデータの伝送タイミングを識別子別に記録して、同一の識別子が付与されているデータの伝送周期を監視し、その伝送周期から上記データが次回伝送される伝送タイミングを予測する伝送タイミング予測手段とを設け、自装置におけるデータの送信タイミングが、伝送タイミング予測手段により予測された伝送タイミングに差し迫っていれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせ、伝送タイミングに差し迫っていなければ、自装置におけるデータの送信をネットワークインタフェース手段に指示するようにしたものである。
この発明によれば、ネットワークに対するデータの送受信処理を実施するとともに、ネットワーク中を伝送しているデータを検出して、そのデータに付与されている識別子とデータの伝送タイミングを通知するネットワークインタフェース手段と、ネットワークインタフェース手段から通知されたデータの伝送タイミングを識別子別に記録して、同一の識別子が付与されているデータの伝送周期を監視し、その伝送周期から上記データが次回伝送される伝送タイミングを予測する伝送タイミング予測手段とを設け、自装置におけるデータの送信タイミングが、伝送タイミング予測手段により予測された伝送タイミングに差し迫っていれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせ、伝送タイミングに差し迫っていなければ、自装置におけるデータの送信をネットワークインタフェース手段に指示するように構成したので、事前に伝送周期が分らないデータの通信を阻害しないタイミングで、自装置におけるデータを送信することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるデータ伝送装置を示す構成図である。 記録部3内のテーブルの記録内容を示す説明図である。 2つのデータ伝送装置(1)(2)が高優先度・低優先度のデータを送信する様子を示す説明図である。 2つのデータ伝送装置(1)(2)の送信タイミングが重なっている様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態3によるデータ伝送装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5によるデータ伝送装置を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるデータ伝送装置を示す構成図である。
図1のデータ伝送装置は、車載ネットワークにおける制御系ネットワークと情報系ネットワークの間に位置するゲートウェイ装置である例を示している。
図1において、ネットワークI/F部1はネットワーク(1)とネットワーク(2)に接続されており、ネットワーク(1)(2)に対するデータの送受信処理を実施するとともに、ネットワーク(1)(2)中を伝送しているデータを検出して、そのデータに付与されているID(識別子)と、そのデータの伝送タイミング(送出時刻)を監視部2に通知する処理を実施する。なお、ネットワークI/F部1はネットワークインタフェース手段を構成している。
監視部2はネットワークI/F部1から通知されたデータの伝送タイミングを記録部3のテーブルにID別に記録して、同一のIDが付与されているデータの伝送周期を監視し、その伝送周期から上記データが次回伝送される伝送タイミング(送出時刻)を予測する処理を実施する。
記録部3はID別にデータの伝送周期、最新送出時刻及び次回予想送出時刻を示すテーブルを記録しているメモリである。
なお、監視部2及び記録部3から伝送タイミング予測手段が構成されている。
タイミング制御部4は記録部3内のテーブルに記録されている次回予想送出時刻の中に、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)に差し迫っている次回予想送出時刻があれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせ、差し迫っている次回予想送出時刻がなければ、自装置におけるデータの送信をネットワークI/F部1に指示する処理を実施する。なお、タイミング制御部4は送信タイミング制御手段を構成している。
次に動作について説明する。
ネットワークI/F部1は、ネットワーク(1)とネットワーク(2)に接続されており、一方のネットワークから受信したデータを他方のネットワークに送信するゲートウェイ処理を行う。
この際、受信したデータに対して、何らかの変換処理等を行うことが一般的であるが、この発明の説明には関係しないため、その変換処理については説明を省略する。
ここでは、説明の便宜上、ネットワーク(2)から受信したデータを自装置におけるデータとして、ネットワーク(1)に送信する際、ネットワーク(1)を伝送されるデータの通信を阻害しないようにするものを説明する。
ネットワークI/F部1は、ネットワーク(1)を流れているデータの検出処理を実施する。
ネットワークI/F部1は、ネットワーク(1)を流れているデータを検出すると、そのデータに付与されているIDと、そのデータの伝送タイミングである送出時刻(データの検出時刻)を監視部2に通知する。
例えば、CANが採用されている場合、データのヘッダ部分にID(11ビット又は29ビット)が付与されているので、そのヘッダ部分からIDを読み取って、そのIDを通知する。
監視部2は、ネットワークI/F部1からデータのIDと伝送タイミングの通知を受けると、記録部3内のテーブルに、その伝送タイミングを最新送出時刻としてID別に記録する。
ここで、図2は記録部3内のテーブルの記録内容を示す説明図である。
図2では、3つのデータの伝送周期、最新送出時刻及び次回予想送出時刻が記録されている例を示している。
ただし、監視部2は、伝送タイミングを最新送出時刻としてテーブルに記録する際、前回通知された伝送タイミング(現在、テーブルに記録されている最新送出時刻)と、今回通知された伝送タイミング(最新送出時刻)との差分を伝送周期として算出し、その伝送周期をテーブルに記録する。
また、監視部2は、その伝送周期を今回通知された伝送タイミング(最新送出時刻)に加算し、その加算結果を次回予想送出時刻としてテーブルに記録する。
例えば、ID=70hのデータは、伝送周期が“40”、最新送出時刻が“1000”、次回予想送出時刻が“1040”である。
タイミング制御部4は、自装置におけるデータの送信タイミングが到来すると、記録部3内のテーブルに記録されている次回予想送出時刻の中に、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)に差し迫っている次回予想送出時刻があるか否かを判定する。
例えば、自装置におけるデータの送信タイミングが、時刻=1035であれば、時刻=1035に差し迫っている次回予想送出時刻があるか否かを判定する。
図2の例では、時刻=1035に最も近い次回予想送出時刻が、ID=70hのデータの次回予想送出時刻=1040であり、双方の時刻の時刻差が“5”(=1040−1035)である。
このとき、例えば、時刻差の閾値が“7”であれば、時刻差<閾値であるため、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)が、ID=70hのデータの次回予想送出時刻=1040に差し迫っていると判定する。
一方、例えば、時刻差の閾値が“3”であれば、時刻差>閾値であるため、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)に差し迫っている次回予想送出時刻がないと判定する。
なお、この実施の形態1では、任意の閾値がタイミング制御部4に予め設定されているものとする。
タイミング制御部4は、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)に差し迫っている次回予想送出時刻がないと判定すると、自装置におけるデータの送信をネットワークI/F部1に指示する。
一方、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)が、例えば、ID=70hのデータの次回予想送出時刻=1040に差し迫っていると判定すると、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせて、ID=70hのデータの伝送が完了するまで、自装置におけるデータの送信を延期する。
即ち、その後、時刻が進んで、時刻=1040となり、ID=70hのデータがネットワーク(1)上に現れると、監視部2が、上記と同様にして、ID=70hの最新送出時刻を“1040”、次回送出予想時刻を“1080”に更新するため、タイミング制御部4により自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)に差し迫っている次回予想送出時刻がないと判定される。
その結果、タイミング制御部4が自装置におけるデータの送信をネットワークI/F部1に指示する。
ネットワークI/F部1は、タイミング制御部4から自装置におけるデータの送信指示を受けると、自装置におけるデータをネットワーク(1)に送信する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、ネットワークに対するデータの送受信処理を実施するとともに、ネットワーク中を伝送しているデータを検出して、そのデータに付与されているIDとデータの伝送タイミングを通知するネットワークI/F部1と、ネットワークI/F部1から通知されたデータの伝送タイミングをID別に記録して、同一のIDが付与されているデータの伝送周期を監視し、その伝送周期から上記データが次回伝送される伝送タイミングを予測する監視部2とを設け、自装置におけるデータの送信タイミングが、監視部2により予測された伝送タイミングに差し迫っていれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせ、伝送タイミングに差し迫っていなければ、自装置におけるデータの送信をネットワークI/F部1に指示するように構成したので、事前に伝送周期が分らないデータの通信を阻害しないタイミングで、自装置におけるデータを送信することができる効果を奏する。
なお、ゲートウェイ装置が起動された直後は、ネットワーク(1)を流れるデータの状態を十分に把握することができないため、監視部2が記録部3内のテーブルの更新を一定期間行った後に、タイミング制御部4が自装置におけるデータの送信判定が行うことが望ましい。
この実施の形態1では、ID別にデータの伝送周期をテーブルに記録するものについて示したが、伝送周期の揺らぎを考慮して、伝送周期の平均値、最大値、最小値など、伝送周期に関する複数の値や範囲を記録するようにしてもよい。
その場合、次回送出予想時刻も複数の値や範囲として記録されることになる。
また、この実施の形態1では、CANが採用されている例を示したが、特定のプロトコルに依存するものではなく、伝送の阻害を回避したいデータに周期性があり、また、そのデータがネットワーク上を流れていることを検出することができれば、他のネットワークにも適用することができる。
また、この実施の形態1では、データ伝送装置がゲートウェイ装置であるとして、ネットワークI/F部1が2つのネットワーク(1)(2)に接続されている例を示したが、ネットワークI/F部1がネットワーク(1)のみに接続されて、任意のタイミングで自身が生成するデータをネットワーク(1)に送信するデータ伝送装置であってもよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、監視部2が記録部3内のテーブルを更新するものについて示したが、ネットワーク(1)を流れるデータの種類が多い場合、記録部3内のテーブルのサイズが大きくなり、その分だけ、多くの記憶容量を必要とするほか、タイミング制御部4におけるテーブル検索の処理量が増加する可能性がある。
これはネットワーク(2)からネットワーク(1)へのゲートウェイ処理の遅延を引き起こす可能性があるので、この実施の形態2では、監視部2における監視対象のデータを絞り込むようにしている。
以下、監視対象のデータの絞り込み方法を具体的に説明する。
例えば、自装置におけるデータの送信タイミングが一定周期となる場合、その周期と同一もしくは公約数に相当する周期を有するデータの送信タイミングと、自装置におけるデータの送信タイミングが重なる可能性が高いため、そのような周期を有するデータのみを監視対象とする方法が考えられる。
この場合、ネットワークI/F部1が自装置におけるデータの送信周期を監視部2に通知する。
監視部2は、自装置におけるデータの送信周期の通知を受けると、ネットワークI/F部1から通知されるデータのID及び伝送タイミングのうち、自装置におけるデータの送信周期と同一又は公約数に相当する伝送周期を有するデータに関するID及び伝送タイミングのみを選別して、そのデータの伝送タイミング(最新送出時刻)を記録部3のテーブルに記録するようにする。
なお、ネットワーク(2)から受信したデータをそのままネットワーク(1)に転送する場合、ネットワーク(2)から受信したデータのタイミングから、自装置がネットワーク(1)に送信するデータの送信タイミングが決定される。このため、データの受信が一定周期で行われる場合には、自装置がネットワーク(1)に送信するデータの送信タイミングも一定周期となり、ネットワークI/F部1がこの周期を監視部2に通知することになる。
また、監視対象を絞り込む別の方法として、次の方法がある。
ネットワークI/F部1から自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信された直後に、ネットワークI/F部1によりネットワーク(1)上で検出されたデータは、自装置におけるデータの送信処理が完了するのを待っていた可能性が高い。
そこで、監視部2は、ネットワークI/F部1から自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信された直後に、ネットワークI/F部1によりネットワーク(1)上で検出されたデータを監視対象として、そのデータの伝送周期を監視するようにする。
具体的には、以下の通りである。
図3は2つのデータ伝送装置(1)(2)が高優先度・低優先度のデータを送信する様子を示す説明図である。
データ伝送装置(1)(2)は、自身がデータを送信する前に、ネットワークの状態を確認し、未使用であれば、データの送信を行う。
図3の例では、先にデータ伝送装置(2)が送信タイミングに達しており、ネットワークが未使用状態であるため、実際に、低優先度のデータを送信している。
図3の例では、この低優先度のデータの伝送の最中に、データ伝送装置(1)が送信タイミングに達しているが、ネットワークが使用中であるため、空き状態になるまで待機している。
その後、データ伝送装置(2)による低優先度のデータの送信が完了すると、データ伝送装置(1)が自身の高優先度のデータを送信している。
このとき、データ伝送装置(2)が、この実施の形態2のゲートウェイ装置である場合、自身がデータの送信を完了した直後に、ネットワーク上でデータ伝送装置(1)の高優先度のデータを検出することが可能である。
このデータは、自身が待たせてしまったデータ(ゲートウェイ装置が阻害した可能性があるデータ)である可能性がある。
そこで、以後、阻害することがないようにするため、データ伝送装置(1)の高優先度のデータを監視対象に加えるようにする。
即ち、監視部2は、ネットワークI/F部1から自装置におけるデータがネットワークに送信された直後に、ネットワークI/F部1によりネットワーク上で検出されたデータを監視対象として、そのデータの伝送周期を監視するようにする。
また、監視対象を絞り込む別の方法として、次の方法がある。
ネットワーク(1)に対する自装置におけるデータの送信が失敗した際、ネットワークI/F部1によりネットワーク(1)上で検出されたデータは、自装置におけるデータの送信タイミングと重なっていることを意味している。
そこで、監視部2は、ネットワーク(1)に対する自装置におけるデータの送信が失敗した際、ネットワークI/F部1によりネットワーク(1)上で検出されたデータを監視対象として、そのデータの伝送周期を監視するようにする。
具体的には、以下の通りである。
図4は2つのデータ伝送装置(1)(2)の送信タイミングが重なっている様子を示す説明図である。
図4は、データ伝送装置(2)が、この実施の形態2のゲートウェイ装置である場合、自身がデータの送信を行うときに、優先度の高いデータと送信タイミングが一致して、自身がデータの送信に失敗する一方で、別のデータがネットワーク上で検出できることを表現している。
この例では、ゲートウェイ装置が、他のデータの送信を阻害していないため問題ないが、送信タイミングが一致したということから、次回の送信時に、またゲートウェイ装置とデータ伝送装置(1)の送信タイミングが一致する可能性が高い。
そのとき、両者の送信タイミングに揺らぎが生じ、少しでもゲートウェイ装置側の送信タイミングが早くなると、図3に示すように、データ伝送装置(1)のデータ送信を待たせてしまう可能性が高い。
よって、図3のような状況になることを回避するため、自身がデータの送信に失敗した際、ネットワーク上で検出されたデータも監視対象に加えるべきである。
そこで、ネットワークI/F部1から自身のデータの送信に失敗した際に、ネットワーク上で検出されたデータのID及び伝送タイミングを監視部2に通知し、監視部2が、当該データを監視対象として、そのデータの伝送周期を監視するようにする。
ここで、監視対象を絞り込む方法をいくつか示したが、必ずしも1つの方法のみを選択する必要はなく、複数の方法を組み合わせて使用してもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、監視部2が、自装置におけるデータの送信周期と同一又は公約数に相当する伝送周期を有するデータを監視対象として、そのデータの伝送周期を監視するように構成したので、記録部3内のテーブルの容量を削減することができるとともに、テーブルの更新や検索に必要な処理量を削減することができる効果を奏する。また、処理量の削減により、ゲートウェイの処理遅延時間を抑制することができる効果を奏する。
また、この実施の形態2によれば、監視部2が、ネットワークI/F部1から自装置におけるデータが送信された直後に、ネットワークI/F部1により検出されたデータを監視対象として、そのデータの伝送周期を監視するように構成したので、記録部3内のテーブルの容量を削減することができるとともに、テーブルの更新や検索に必要な処理量を削減することができる効果を奏する。また、処理量の削減により、ゲートウェイの処理遅延時間を抑制することができる効果を奏する。
また、この実施の形態2によれば、監視部2が、自装置におけるデータの送信が失敗した際、ネットワークI/F部1により検出されたデータを監視対象として、そのデータの伝送周期を監視するように構成したので、記録部3内のテーブルの容量を削減することができるとともに、テーブルの更新や検索に必要な処理量を削減することができる効果を奏する。また、処理量の削減により、ゲートウェイの処理遅延時間を抑制することができる効果を奏する。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3によるデータ伝送装置を示す構成図である。
図5のデータ伝送装置は、車載ネットワークにおける制御系ネットワークと情報系ネットワークの間に位置するゲートウェイ装置である例を示している。図5において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
ネットワークI/F部5は図1のネットワークI/F部1と同様の処理を実施するほか、例えば、ネットワーク(2)から受信したデータを自装置におけるデータとして、そのデータのレングス(データ長)をタイミング制御部6に通知する処理を実施する。なお、ネットワークI/F部5はネットワークインタフェース手段を構成している。
ここでは、ネットワークI/F部5がデータのレングスをタイミング制御部6に通知するものについて説明するが、ネットワークI/F部5がデータのレングスを監視部2に通知して、そのデータのレングスを記録部3のテーブルに格納し、タイミング制御部6がそのテーブルから、そのデータのレングスを読み出すようにしてもよい。
タイミング制御部6は図1のタイミング制御部4と同様に、データの伝送周期を監視し、その伝送周期から上記データが次回伝送される伝送タイミング(送出時刻)を予測する処理を実施するが、その際、ネットワークI/F部5から通知された自装置におけるデータのレングスとネットワーク(1)の帯域幅から、ネットワークI/F部5から自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信される際のネットワーク(1)の占有時間帯を算出し、その占有時間帯が監視部2により予測された伝送タイミング(次回予想送出時刻)と重なっていれば、自装置におけるデータの送信タイミングが、上記伝送タイミングに差し迫っていると判定するようにする。なお、タイミング制御部6は送信タイミング制御手段を構成している。
次に動作について説明する。
ネットワークI/F部5は、図1のネットワークI/F部1と同様に、ネットワーク(1)を流れているデータの検出処理を実施する。
ネットワークI/F部5は、ネットワーク(1)を流れているデータを検出すると、そのデータに付与されているIDと、そのデータの伝送タイミングである送出時刻(データの検出時刻)を監視部2に通知する。
また、ネットワークI/F部5は、ネットワーク(2)から自装置がネットワーク(1)に送信するデータを受信すると、そのデータのレングスを検出して、そのデータのレングスをタイミング制御部6に通知する。
タイミング制御部6は、自装置におけるデータの送信タイミングが到来すると、図1のタイミング制御部4と同様に、記録部3内のテーブルに記録されている次回予想送出時刻の中に、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)に差し迫っている次回予想送出時刻があるか否かを判定する。
このとき、図1のタイミング制御部4では、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)と次回予想送出時刻(テーブル内で、自装置におけるデータの送信タイミングに最も近い次回予想送出時刻)との時刻差が、所定の閾値より小さければ、自装置におけるデータの送信タイミングが、その次回予想送出時刻に差し迫っていると判定するようにしているが、この実施の形態3では、タイミング制御部6が、以下のように判定している。
即ち、タイミング制御部6は、ネットワークI/F部5から通知された自装置におけるデータのレングスとネットワーク(1)の帯域幅から、ネットワークI/F部5から自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信される際のネットワーク(1)の占有時間Tを算出する。
例えば、自装置におけるデータのレングスが8バイトの場合、レングスが2バイトの場合と比べて、ネットワーク(1)の占有時間Tは4倍になる。
現在時刻と、現在時刻に占有時間Tを加えた時刻の間が、自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信される際のネットワーク(1)の占有時間帯Twになり、その占有時間帯Twの間、他のデータはネットワーク(1)上を伝送することができない。
そこで、タイミング制御部6は、自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信される際のネットワーク(1)の占有時間帯Twが、記録部3内のテーブルに記録されているいずれかの伝送タイミング(次回予想送出時刻)と重なっていれば、自装置におけるデータの送信タイミングが、上記伝送タイミングに差し迫っていると判定する。
例えば、自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信される際のネットワーク(1)の占有時間帯Twが“1035〜1042”であれば、ID=70hのデータの次回予想送出時刻=1040と重なるため、自装置におけるデータの送信タイミングが、ID=70hのデータの伝送タイミングに差し迫っていると判定する。
一方、自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信される際のネットワーク(1)の占有時間帯Twが“1035〜1038”であれば、自装置におけるデータの送信タイミングに重なっている伝送タイミング(次回予想送出時刻)がテーブルに記録されていないので、自装置におけるデータの送信タイミングに差し迫っている伝送タイミング(次回予想送出時刻)がないと判定する。
タイミング制御部6は、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)に差し迫っている次回予想送出時刻がないと判定すると、図1のタイミング制御部4と同様に、自装置におけるデータの送信をネットワークI/F部5に指示する。
一方、自装置におけるデータの送信タイミング(送信時刻)が、例えば、ID=70hのデータの次回予想送出時刻=1040に差し迫っていると判定すると、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせて、ID=70hのデータの伝送が完了するまで、自装置におけるデータの送信を延期する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、自装置におけるデータのレングスとネットワーク(1)の帯域幅から、ネットワークI/F部5から自装置におけるデータがネットワーク(1)に送信される際のネットワーク(1)の占有時間帯Twを算出し、その占有時間帯Twが監視部2により予測された伝送タイミング(次回予想送出時刻)と重なっていれば、自装置におけるデータの送信タイミングが、上記伝送タイミングに差し迫っていると判定するように構成したので、上記実施の形態1よりも、自装置におけるデータの送信タイミングと、他のデータの伝送タイミングとの重なりを正確に判定することができるようになり、その結果、自装置におけるデータの無駄な待機を減らして、ネットワーク(1)の伝送効率を高めることができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、自装置におけるデータの送信タイミングが、記録部3内のテーブルに記録されているいずれかの伝送タイミング(次回予想送出時刻)に差し迫っていれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせるものについて示したが、記録部3内のテーブルに記録されているいずれかの伝送タイミング(次回予想送出時刻)に差し迫っている場合でも、自装置におけるデータの優先度が、伝送タイミングが差し迫っているデータの優先度より低い場合に限り、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせるようにしてもよい。
換言すると、自装置におけるデータの優先度が、伝送タイミングが差し迫っているデータの優先度より高い場合には、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせずに、送信するようにしてもよい。
タイミング制御部4(または6)は、データに付加されているIDが優先度を示す数値で表わされている場合(例えば、CANの場合、データに付加されているIDは優先度を示しており、IDの値が小さいデータの優先度は、IDの値が大きいデータの優先度より高い)、数値の大小を比較して、優先度の高低を判別するようにする。
タイミング制御部4(または6)は、自装置におけるデータの送信タイミングが、記録部3内のテーブルに記録されているいずれかの伝送タイミング(次回予想送出時刻)に差し迫っている場合、自装置におけるデータの優先度が、伝送タイミングが差し迫っているデータの優先度より低ければ、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせるようにする。
一方、自装置におけるデータの優先度が、伝送タイミングが差し迫っているデータの優先度より高い場合(優先度が同じ場合を含む)、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせずに、送信するようにネットワークI/F部1(または5)に指示する。
ここでは、データに付加されているIDを比較することで、データの優先度を判別するものについて示したが、ネットワークI/F部1(または5)が複数のネットワークと接続されている場合、データが伝送されるネットワークの優先度から、そのデータの優先度を判別するようにしてもよい。
具体的には、以下の通りである。
例えば、ネットワークI/F部1(または5)が3つのネットワーク(1)〜(3)に接続されている場合を想定する。
ネットワークとしての優先度は、一般的に、制御系の方が情報系より高いと考えられるため、例えば、ネットワーク(1)が制御系、ネットワーク(2)が情報系、ネットワーク(3)が制御系である場合、ネットワーク(1)(3)の優先度が、ネットワーク(2)の優先度より高いと言える。
したがって、タイミング制御部4(または6)は、例えば、優先度が低いネットワーク(2)から受信したデータを、自装置におけるデータとして、優先度が高いネットワーク(1)に送信する場合、上記実施の形態1と同様に、自装置におけるデータの送信タイミングが、記録部3内のテーブルに記録されているいずれかの伝送タイミング(ネットワーク(1)を伝送されるデータの伝送タイミング)に差し迫っていれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせるようにする。
一方、優先度が高いネットワーク(3)から受信したデータを、自装置におけるデータとして、優先度が低いネットワーク(2)に送信する場合、自装置におけるデータの送信タイミングが、記録部3内のテーブルに記録されているいずれかの伝送タイミング(ネットワーク(2)を伝送されるデータの伝送タイミング)に差し迫っていても、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせずに、ネットワーク(2)に送信するようにする。
例えば、優先度が高いネットワーク(3)から受信したデータを、自装置におけるデータとして、優先度が高いネットワーク(1)に送信する場合、自装置におけるデータの優先度と、ネットワーク(1)を伝送されるデータの優先度とが同じになるので、上記実施の形態1〜3と同様に動作する。
なお、情報系ネットワークと制御系ネットワークにおける優先度の関係は、伝送データの一般的な性質を考慮した一例に過ぎず、情報系・制御系の区別から優先度を一意に決めるものではない。
したがって、情報系ネットワークの優先度が制御系ネットワークの優先度より高いケースがあってもよいし、また、同じ制御系ネットワーク同士でも、優先度に差を設けてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、自装置におけるデータの送信タイミングが、記録部3内のテーブルに記録されているいずれかの伝送タイミング(次回予想送出時刻)に差し迫っている場合でも、自装置におけるデータの優先度が、伝送タイミングが差し迫っているデータの優先度より低い場合に限り、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせるように構成したので、自装置におけるデータの送信タイミングを不要に遅らせてしまう状況を回避することができる効果を奏する。
また、この実施の形態4によれば、データに付加されているIDが優先度を示す数値で表わされている場合、数値の大小を比較して、優先度の高低を判別するように構成したので、例えば、CANが採用されているような場合には、新たな優先度の規定を設けることなく、データに付加されているIDから優先度を判別することができる。したがって、ネットワークに接続する他の通信装置との間に、新たな優先度の規定を設ける必要がなく、また、他の通信装置にその規定に基づく優先度設定機能の追加を要求する必要がないという効果が得られる。
また、この実施の形態4によれば、ネットワークI/F部1(または5)が複数のネットワークと接続されている場合、データが伝送されるネットワークの優先度から、そのデータの優先度を判別するように構成したので、データに付加されているIDが優先度を示していない場合でも、そのデータの優先度を判別することができる効果を奏する。
実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5によるデータ伝送装置を示す構成図である。
図6のデータ伝送装置は、車載ネットワークにおける制御系ネットワークと情報系ネットワークの間に位置するゲートウェイ装置である例を示している。図6において、図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
記録部7は図5の記録部3と同様に、ID別にデータの伝送周期、最新送出時刻及び次回予想送出時刻を示すテーブルを記録するメモリであるが、記録部7は、データのIDとデータの伝送周期については、事前に外部から与えられて記録する点で相違している。
なお、監視部2及び記録部7から伝送タイミング予測手段が構成されている。
次に動作について説明する。
上記実施の形態1〜4では、監視部2が、ネットワークI/F部1からデータのIDと伝送タイミングの通知を受けると、その伝送タイミングを最新送出時刻として、ID別に記録部3内のテーブルに記録するとともに、データの伝送周期を算出して、その伝送周期を記録部3内のテーブルに記録するものについて示したが、データのIDとデータの伝送周期については、事前に外部から与えられて、記録部7内のテーブルに記録するようにしてもよい。
例えば、ネットワーク(1)に接続される少なくとも1つ以上の装置の開発過程において、ネットワーク(1)を流れるデータのIDや伝送周期が事前に決められている場合には、ゲートウェイ装置の記録部7内のテーブルに、データのIDや伝送周期を事前に記録するようにする。
この場合、監視部2は、ネットワークI/F部1からデータのIDと伝送タイミングの通知を受けると、記録部7内のテーブルに記録されている当該データの最新送出時刻及び次回予想送出時刻を更新するが、そのデータの伝送周期の算出や更新は行わない。
また、監視部2は、ネットワークI/F部1から記録部7内のテーブルに記録されているID以外の通知を受けても、その通知を無視する。
ただし、事前に外部から与えられるIDと伝送周期は、ネットワークを流れる全てのデータについての情報である必要はない。即ち、ネットワークを流れる一部のデータのIDと伝送周期のみが与えられるようにしてもよい。
例えば、開発者が、ゲートウェイ装置から送信されるデータに伝送を阻害されたくないデータが、ネットワークを流れる一部のデータであれば、そのデータのIDと伝送周期のみを外部から与えるようにする。
これにより、上記実施の形態2のように、ゲートウェイ装置の内部で自動的に監視対象のデータを絞ることなく、特定のデータのみを確実に監視対象とすることが可能となる。
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、記録部7が事前に外部からネットワーク中を伝送されるデータのIDと伝送周期を取得してテーブルに記録するように構成したので、ゲートウェイ装置の内部で自動的に監視対象のデータを絞ることなく、特定のデータのみを確実に監視対象とすることができるとともに、ネットワークI/F部1や監視部2の処理を軽減することができる効果を奏する。
実施の形態6.
上記実施の形態5では、記録部7が事前に外部からネットワーク中を伝送されるデータのIDと伝送周期を取得するものについて示したが、監視部2が、上記実施の形態1と同様にして、ネットワークI/F部1から通知されたデータの伝送タイミングからID別にデータの伝送周期を算出し、そのデータの伝送周期と事前に外部から取得したデータの伝送周期とを比較し、双方の伝送周期が不一致であれば、双方の伝送周期が一致するように、自装置のクロックを補正するようにしてもよい。
例えば、いずれのデータにおいても、ネットワークI/F部1から通知された伝送タイミングから算出した伝送周期と、記録部7内のテーブルに記録されている伝送周期とが、同じ割合でずれている場合には、ゲートウェイ装置の内部で送信タイミングを生成する元となるクロックがずれていると考えられるので、クロックを補正するようにする。
また、双方の伝送周期のずれが大きい場合(双方の伝送周期のずれが所定周期以上の場合)には、ネットワーク(1)において、何らかのトラブルが発生していると考えて、ネットワーク(1)に対する自装置におけるデータの送信を停止するようにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、事前に外部から取得したデータの伝送周期と、ネットワークI/F部1から通知されたデータの伝送タイミングから得られる伝送周期とを比較し、双方の伝送周期が不一致であれば、双方の伝送周期が一致するように、自装置のクロックを補正するように構成したので、ゲートウェイ装置のクロックの精度が低い場合でも、適正な送信タイミングを生成することができる効果を奏する。
また、事前に外部から取得したデータの伝送周期と、ネットワークI/F部1から通知されたデータの伝送タイミングから得られる伝送周期とを比較し、双方の伝送周期のずれが所定周期以上であれば、ネットワーク(1)に対する自装置におけるデータの送信を停止するように構成したので、ネットワーク(1)におけるトラブルの発生の有無を把握することができ、ネットワーク(1)の状態の悪化を防止することができる効果を奏する。
実施の形態7.
上記実施の形態5では、記録部7が事前に外部からネットワーク中を伝送されるデータのIDと伝送周期を取得するものについて示したが、これに加え、伝送が伝送周期のみか、値が変化した場合にも行われるかどうかの属性情報を取得してもよい。
この場合、上記実施の形態6では、事前に外部から取得した伝送周期と、監視部2が算出した伝送周期を比較し、その結果に応じてクロック補正や自装置におけるデータの送信を停止するものについて示したが、上記取得した属性情報により値が変化した場合、つまり伝送周期とは異なるタイミングでデータが伝送されてくることが明らかな場合は、上記比較の結果、両者の伝送周期が不一致になることはクロックのずれや何らかのトラブルが発生していると即座に判断する必要は無く、この結果を無視するようにしても良い。
以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、予めデータの伝送周期が乱れる場合が有ることが分かっている場合に、クロック補正や自装置におけるデータの送信停止等が誤動作する事を防ぐ効果を奏する。
以上のように、この発明に係るデータ伝送装置は、事前に伝送周期が分らないデータの通信を阻害しないタイミングで自装置におけるデータを送信できるようにするために、ネットワークインタフェース手段から通知されたデータの伝送周期を監視し、その伝送周期からデータが次回伝送される伝送タイミングを予測する伝送タイミング予測手段を備えるよう構成したので、車載ネットワークにおける制御系ネットワークと情報系ネットワークの間に位置するゲートウェイ装置などのデータ伝送装置などに用いるのに適している。

Claims (12)

  1. ネットワークに対するデータの送受信処理を実施するとともに、上記ネットワーク中を伝送しているデータを検出して、上記データに付与されている識別子と上記データの伝送タイミングを通知するネットワークインタフェース手段と、上記ネットワークインタフェース手段から通知されたデータの伝送タイミングを識別子別に記録して、同一の識別子が付与されているデータの伝送周期を監視し、上記伝送周期から上記データが次回伝送される伝送タイミングを予測する伝送タイミング予測手段と、自装置におけるデータの送信タイミングが、上記伝送タイミング予測手段により予測された伝送タイミングに差し迫っていれば、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせ、上記伝送タイミングに差し迫っていなければ、自装置におけるデータの送信を上記ネットワークインタフェース手段に指示する送信タイミング制御手段とを備えたデータ伝送装置。
  2. 伝送タイミング予測手段は、自装置におけるデータの送信周期と同一又は公約数に相当する伝送周期を有するデータを監視対象として、上記データの伝送周期を監視することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
  3. 伝送タイミング予測手段は、ネットワークインタフェース手段から自装置におけるデータが送信された直後に、上記ネットワークインタフェース手段により検出されたデータを監視対象として、上記データの伝送周期を監視することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
  4. 伝送タイミング予測手段は、自装置におけるデータの送信が失敗した際、ネットワークインタフェース手段により検出されたデータを監視対象として、上記データの伝送周期を監視することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
  5. 送信タイミング制御手段は、自装置におけるデータのデータ長とネットワークの帯域幅から、ネットワークインタフェース手段から自装置におけるデータが送信される際の上記ネットワークの占有時間帯を算出し、上記占有時間帯が伝送タイミング予測手段により予測された伝送タイミングと重なっていれば、自装置におけるデータの送信タイミングが、上記伝送タイミングに差し迫っていると判定することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
  6. 送信タイミング制御手段は、自装置におけるデータの送信タイミングが、伝送タイミング予測手段により予測された伝送タイミングに差し迫っている場合、自装置におけるデータの優先度が、上記伝送タイミング予測手段により伝送タイミングが予測されたデータの優先度より低い場合に限り、自装置におけるデータの送信タイミングを遅らせることを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
  7. 送信タイミング制御手段は、データに付加されている識別子が優先度を示す数値で表わされている場合、数値の大小を比較して、優先度の高低を判別することを特徴とする請求項6記載のデータ伝送装置。
  8. 送信タイミング制御手段は、ネットワークインタフェース手段が複数のネットワークと接続されている場合、データが伝送されるネットワークの優先度から、上記データの優先度を判別することを特徴とする請求項6記載のデータ伝送装置。
  9. 伝送タイミング予測手段は、事前に外部からネットワーク中を伝送されるデータの識別子と伝送周期を取得することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
  10. 伝送タイミング予測手段は、事前に外部から取得したデータの伝送周期と、ネットワークインタフェース手段から通知されたデータの伝送タイミングから得られる伝送周期とを比較し、双方の伝送周期が不一致であれば、双方の伝送周期が一致するように、自装置のクロックを補正することを特徴とする請求項9記載のデータ伝送装置。
  11. 伝送タイミング予測手段は、事前に外部から取得したデータの伝送周期と、ネットワークインタフェース手段から通知されたデータの伝送タイミングから得られる伝送周期とを比較し、双方の伝送周期のずれが所定周期以上であれば、ネットワークに対する自装置におけるデータの送信を停止することを特徴とする請求項9記載のデータ伝送装置。
  12. 伝送タイミング予測手段は、ネットワーク中を伝送されるデータが伝送周期のみだけでなく値が変化した場合にも行われるかどうかの属性情報を取得し、値が変化した場合にも伝送が行われる場合には、事前に外部から取得したデータの伝送周期と、ネットワークインタフェース手段から通知されたデータの伝送タイミングから得られる伝送周期との比較結果を無視する事を特徴とする請求項9記載のデータ伝送装置。
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