JPWO2010071208A1 - 抗体の精製方法 - Google Patents

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Abstract

抗体を高純度に精製し、抗体の重合体(あるいは凝集体)を効果的に除去するとともに、抗体の回収率を向上させる精製法を提供する。抗体を含む溶液を、アミノ酸の存在下に、ミックスモードクロマトグラフィーで処理する工程を含む、抗体の精製方法を提供する。

Description

本発明は、肝細胞増殖因子(HGF)に対する抗体であるHuL2G7の精製方法に関する。
(発明の背景)
HGFは、間葉細胞によって産生されるヘテロ二量体型ポリペプチドであり、血管新生や、各種細胞の増殖・散乱を刺激する因子として知られている。HGFの多様な活性は、その受容体、プロトオンコジーンcMetによってコードされる膜貫通チロシンキナーゼによって媒介される。HGF/cMetは、腫瘍発生、侵襲、転移などの癌の進行、アポトーシスの制御及び血管新生の様々な側面において重要な役割を果たすと報告されている。したがって、HGFに対する効果的なアンタゴニスト分子を用いれば、このようなHGFの生物活性を阻害することができると考えられる。
特許文献1には、マウスL2G7mAbを用いて、HGFに対するヒト化中和モノクローナル抗体を調製する方法が、記載されている。
しかし、特許文献1におけるような、組織培養上清から得られたモノクローナル抗体には、細胞培養液に由来する複雑な夾雑成分が含まれているのが普通であり、医薬品として使用するためには、これらの夾雑成分を除去して高度に精製された抗体を得ることが不可欠である。抗体の精製方法としてはさまざまな分離精製法が提案されているが、その中でも、クロマトグラフィーを用いた例が多く、クロマトグラフィーとしては、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーを用いる処理法が報告されている。
また、近年になって、プロテインA及びプロテインGアフィニティークロマトグラフィーが、高純度で簡便な方法として抗体の単離精製のために広く用いられ、特に工業的規模の抗体製造法として広く知られている。
さらに、ゲルろ過クロマトグラフィーによる会合凝集体を含む疎水性タンパク質等の処理時に、展開溶媒の水溶性緩衝液に適量のアルギニンを添加して、タンパク質と充填剤の間に発生する不必要な相互作用を弱め、会合凝集体や疎水性タンパク質、疎水性ペプチドをより定量的に回収する方法が報告されている(特許文献2)。
WO2007−115049 特開2006−242957号公報
上記のとおり、細胞培養上清から得られたモノクローナル抗体には、細胞培養液に由来する複雑な夾雑成分が含まれているのが普通であり、また、培養液由来の夾雑成分のほか、精製分離のためのいずれかの工程において、タンパク質の会合・重合・凝集が起こり、最終的に分離された抗体に夾雑する場合がある。一旦生成した重合体はその後の精製工程における操作性や貯蔵時の障害となりやすく、また、重合体は医薬品としての使用時の副作用の原因となる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、モノクローナル抗体を高純度に精製し、特に抗体の重合体(あるいは凝集体)を効果的に除去するとともに、抗体の回収率を向上させる精製法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記精製法について鋭意研究の結果、イオン交換基と疎水性官能基などを併せ持つミックスモード樹脂を用いて抗体を精製し、かつ添加剤としてアミノ酸を使用することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
(1)抗体を含む溶液を、アミノ酸の存在下に、ミックスモードクロマトグラフィーで処理する工程を含む、抗体の精製方法。
(2)ミックスモードクロマトグラフィー処理の前に、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー処理工程を行う、前記(1)に記載の精製方法。
(3)さらに、イオン交換クロマトグラフィー処理工程を含む、前記(1)又は(2)に記載の精製方法。
(4)イオン交換クロマトグラフィーが陽イオン交換クロマトグラフィーである、前記(3)に記載の精製方法。
(5)アミノ酸が塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸、酸性アミノ酸またはシトルリンである、前記(1)〜(4)のいずれか1に記載の精製方法。
(6)アミノ酸がアルギニン、ヒスチジン、プロリン、グルタミン酸またはシトルリンである、前記(1)〜(4)のいずれか1に記載の精製方法。
(7)アミノ酸が塩基性アミノ酸である、前記(1)〜(4)のいずれか1に記載の精製方法。
(8)塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記(7)に記載の精製方法。
(9)抗体が、肝細胞増殖因子(HGF)に対するヒト化モノクローナル抗体である、前記(1)〜(8)のいずれか1に記載の精製方法。
(10)抗体が、ATCC No.:PTA-5162で表示されるハイブリドーマから産生される肝細胞増殖因子(HGF)に対するモノクローナル抗体L2G7のヒト化モノクローナル抗体である、前記(1)〜(8)のいずれか1に記載の精製方法。
(11)抗体が、肝細胞増殖因子(HGF)との結合に対して、ATCC No.:PTA-5162で表示されるハイブリドーマから産生される肝細胞増殖因子(HGF)に対するモノクローナル抗体L2G7と競合するヒト化モノクローナル抗体である、前記(1)〜(8)のいずれか1に記載の精製方法。
本発明は、HGFモノクローナル抗体などの抗体の精製工程において、アミノ酸の存在下にミックスモード樹脂処理工程を採用した結果、細胞培養液に由来する夾雑成分のほか、他の精製工程のいずれかにおいて生成した重合体(あるいは凝集体)を効果的に除去することが可能となった。ミックスモード樹脂は、バッファーにアミノ酸を添加することにより、重合体と抗体との分離能力が向上し、それにより、他の樹脂、例えば疎水クロマト、ハイドロキシアパタイト、ゲルろ過に比べて、重合体除去のためのミックスモード樹脂の抗体処理量を多くすることが可能となった。さらに、溶出のテーリングがなく、シャープなピークとして抗体が回収され、優れた回収率を達成することができる。しかも少量の溶出液によって回収できることから、製造設備がコンパクトとなり、設備建設費用を削減でき、工業的規模の精製法として、極めて有用である。
ゲルろ過HPLCによるHuL2G7の分析:矢印は左から、それぞれ重合体0.2%、HuL2G7 99.8%、サンプルバッファーを示す。条件の詳細は文中に記す。
ヒト化中和抗HGF抗体
HGFと結合するモノクローナル抗体(即ち抗HGFmAb)は、その結合が、HGFの1以上の生物活性を部分的又は完全に阻害する場合、HGFを中和する又は中和していると言われる。中和抗体が阻害し得るHGFの生物学的特性の中では、例えば、自身のcMetレセプターと結合する、マーディン−ダービーイヌ腎臓(MDCK)細胞などの特定の細胞系の散乱を引き起こす;肝細胞、Mv1Luミンク肺外皮細胞、及び様々なヒト腫瘍細胞を含む特定の細胞の増殖を刺激する;あるいは、例えば、ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)増殖もしくは血管形成の刺激により、又はニワトリ胚絨毛尿膜(CAM)に適用した場合の血管の誘導により測定されるような、血管新生を刺激する、HGFの能力がある。ヒト化中和mAbは、好ましくはヒトHGF(即ちGenBank登録番号D90334の配列によりコードされているタンパク質)と結合する。ヒト化抗体は、マウス抗体(ラット、ハムスター、又は他の類似種でもあり得る「ドナー抗体」)由来のCDRをヒト抗体(「受容体抗体」)上に移植した、遺伝子組み換え(モノクローナル)抗体である。
例えば、0.01、0.1、0.5、1、2、5、10、20又は50μg/mlの濃度のヒト化中和mAbは、HGFの生物学的機能(例、増殖又は散乱の刺激)を、少なくとも約50%、しかし好ましくは75%以上、より好ましくは90%もしくは95%又はさらに99%以上、並びに最も好ましくは約100%(本質的に完全に)阻害する。HGFに対する抗体のモル比が、0.1倍、0.5倍、1倍、2倍、3倍、5倍、又は10倍である場合、好ましくは、少なくとも25%、50%、75%、90%、もしくは95%又は本質的に完全な阻害を達成する。最も好ましくは、mAbは、1つだけではなくいくつかの上記に記載した生物活性を中和し;HGFの全ての生物活性を中和する抗HGFmAbは、「完全に中和している」と呼ばれ、そのようなmAbが最も好ましい。ヒト化中和mAbは、HGFと好ましくは特異的に結合し、線維芽細胞増殖因子(FGF)及び血管内皮増殖因子(VEGF)などHGFに関連するタンパク質とは結合しないか、又はとても低い程度で結合するにすぎない。
ヒト化中和mAbは、自身の四量体形態(2つのL鎖及び2つのH鎖)での抗HGF抗体を含み、公知のアイソタイプIgG、IgA、IgM、IgD及びIgE並びにそれらのサブタイプ、即ちIgG1、IgG2、IgG3、IgG4のいずれかであり得、並びにκL鎖又はλL鎖を含み得る。ヒト化中和mAbとしてはまた、Fv、Fab及びF(ab’)など抗体の断片;二官能性複合抗体、一本鎖抗体;及び変化した定常領域を伴う抗体が挙げられる。mAbのCDRの源は、動物(例、マウス、ラット、ハムスター又はニワトリ)由来であり得、これらは遺伝子組み換えが行われ得る。げっ歯類のmAbは、適切なアジュバント中のHGFを腹腔内、静脈内、足底球中などに複数回免疫感作した後、脾臓又はリンパ節の細胞を抽出し、好適な不死化細胞系と融合させ、次いでHGFに結合する抗体を産生するハイブリドーマを選抜することを含む、当技術分野で周知の標準的な方法で生成される。
L2G7mAbのヒト化形態は、ヒト可変領域フレームワーク(シングル、合成又はコンセンサス配列ヒトフレームワークを含む)中に、L2G7mAbのH鎖およびL鎖の配列由来のCDRアミノ酸のほとんど又は全てを包含する。例えば、L2G7H鎖由来の3つの無傷のCDR及びL鎖由来の3つの無傷のCDRを含むヒト化抗体もあれば、L2G7H鎖由来の少なくとも1つの無傷のCDR及びL2G7L鎖由来の少なくとも1つの無傷のCDRを含むヒト化抗体もある。いくつかのヒト化抗体は、いくつかの残基がL2G7の対応するCDR由来であり、その他の残基がヒト抗体、好ましくは、CDRを包含する可変領域フレームワークを供給するのと同一のヒト抗体のCDR由来である少なくとも1つのCDRを含む。
いくつかのヒト化抗体において、H29、H30、H48、H66、H67、H71、H94、L3及びL60の群より選ばれる、少なくとも1、3、5又は全ての位置は、マウスL2G7抗体においてKabatの番号付けにより対応する位置に存在するアミノ酸が占める。後述のヒト受容体可変領域フレームワーク(AAC18323およびBAC01726)において、これらの位置は全て、マウスL2G7抗体において対称する位置に存在するアミノ酸とは異なる、ヒト残基が占める。したがって、該群より選ばれる全て又はほとんどの位置を、置換することが望ましい。他のヒト可変領域フレームワークを使用する場合、それらの位置の中には、ヒト可変領域フレームワーク及びマウスL2G7抗体において同一のアミノ酸が占めるものがあり得る。したがって、置換は該位置において行われるのではなく、Queenのルールに従って、ヒト可変領域フレームワークとマウスL2G7抗体との間で異なる他の位置において行われ得る。ヒト可変領域フレームワークの選択に関係なく、上記の群において指定されたアミノ酸に加えて、他のアミノ酸の置換もまた可能である。しかし、一般に、ヒト化抗体のH鎖可変領域フレームワーク及びL鎖可変領域フレームワークのどちらも、受容体ヒト可変領域フレームワーク(ヒトコンセンサス可変領域フレームワーク及び合成ヒト可変領域フレームワークを含む)に存在しない残基を生じる10又は12より多くの置換を含まない。
ヒト化抗体において存在する任意の定常領域は、ヒト又は本質的にヒトと同程度であり、天然ヒト定常領域に関連する、10よりは少なく、好ましくは2以下の置換を有する。いくつかの置換は、抗体の半減期及びFcγRnに対するその親和性の増加において有利である。他の置換、通常保存的な置換は、事実上差し障りない。
L2G7のヒト化形態の一例は、WO2007/115049の図2に記載される成熟H鎖及びL鎖可変領域を含む。ヒト化L2G7の他の好ましい形態は、これらの配列に対して少なくとも90%、95%、98%又は99%同一の配列を有する成熟H鎖及びL鎖可変領域を含み(Kabatの番号付けに従って整列させた場合)、さらに/あるいは少数の(典型的に5又は10より少ないアミノ酸を含む)機能的に重要でない置換、欠失、及び/又は挿入によりこれらの配列とは異なる。例えば、H鎖の最初のアミノ酸はGlu又はGlnのどちらかであり得る。置換は通常保存的である。即ち、1つのアミノ酸を化学的に類似するアミノ酸で置換する。アミノ酸置換を、保存的又は非保存的と分類する目的で、アミノ酸は以下のようにグループ分けされる:グループI(疎水性側鎖):Met、Ala、Val、Leu、Ile;グループII(中性親水性側鎖):Cys、Ser、Thr;グループIII(酸性側鎖):Asp、Glu;グループIV(塩基性側鎖):Asn、Gln、His、Lys、Arg;グループV(鎖配向に影響を及ぼす残基):Gly、Pro;及びグループVI(芳香族側鎖);Trp、Tyr、Phe。保存的置換は、同一のグループ内のアミノ酸の間での置換を伴うものである。マウスL2G7の可変領域に関連する置換は、H29、H30、H48、H66、H67、H71、H94、L3及びL60位を避けることが望ましい。これらの位置はCDRと相互作用するので、マウスL2G7由来のアミノ酸が含まれる。置換は好ましくは可変領域フレームワーク位置において起こるが、CDR領域においても起こり得る。CDR領域を置換する場合、マウスアミノ酸を、ヒト抗体、好ましくは受容体可変領域フレームワークを提供する同一のヒト抗体の対応する位置(Kabatの番号付け)のアミノ酸で置換することが好ましい。
通常、ヒト化L2G7mAbは、κL鎖を伴うIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4アイソタイプである。完全なヒトγ−1及びκ定常領域と組み合わせられた、WO2007/115049の図2に記載される可変領域を有するIgG1mAbを、HuL2G7と命名する。
HuL2G7と類似の結合特性を保有するHuL2G7の変異体は、突然変異形成の後の、ファージディスプレイ法を使用する集団選択により取得できる。変異体は、任意でHuL2G7又はマウスL2G7と競合させて、HGFとの特異的結合についてまず選択する。次いでdHuL2G7やマウス2G7抗体と同一又は類似の結合特性を有する変異体を、機能面で試験することができる。
好ましいヒト化L2G7mAbは、上に定義するように、HGFに対して中和性又は完全に中和性である。好ましくは、測定されたHGFの生物学的特性(例、Metとの結合、Mv1Lu又はHUVEC細胞の増殖の刺激)のいくつか、ほとんど又は全てに関して、ヒト化mAbの中和活性は、L2G7自身の中和活性の3倍以内、より好ましくは2倍又は1.5倍以内、最も好ましくはそれと同程度(即ち、実験誤差の範囲内)である。即ち、L2G7に対してせいぜい3倍、2倍、1.5倍又は同じ量のヒト化mAbが、同程度の生物学的特性の阻害(例えば、IC50’sにより測定されたような)を得るために必要である。好ましくはヒト化mAbのHGFに対する親和性はまた、L2G7のそれの3倍、2倍以内又は同程度である。同様に、異種移植片マウスモデル(例、U87などのヒトグリオーマ細胞系を使用している)において、ヒト化mAbは、好ましくはマウスL2G7mAbの3倍、2倍以内又はそれと同程度で腫瘍の成長を阻害する。実際、好ましくは、わずか40、20又は10μgの用量のヒト化mAbの週2回投与ですら、U87腫瘍異種移植片の増殖を完全に阻害する。
ヒト化mAbは、当業者公知の様々な方法により発現され得る。例えば、それらのL鎖及びH鎖の可変領域をコードする遺伝子を、重複オリゴヌクレオチドから又は事前に調製した目的遺伝子の変異体にPCR突然変異誘発を施すことにより、まず合成する。遺伝コードの縮重のため、様々なDNA配列が各抗体アミノ酸配列をコードする。どのように作製された場合でも、ヒト化mAbL鎖及びH鎖遺伝子をコードする遺伝子は、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリA部位などの必要な調節領域を提供する発現ベクター(例、インビトロジェン社より市販の)内に定常領域と共に挿入される。CMVプロモーター−エンハンサーの使用が好ましい。定常領域に関する遺伝子は、現在広く利用可能であり、またヒト抗体産生細胞からのPCRにより容易にクローニングされ得る。L鎖及びH鎖遺伝子は1つのベクターに共に、又は別々のベクターに挿入され得る。発現ベクターは、次いで、CHO又は293、あるいはSp2/0及びNS0を含む非産生骨髄腫などの様々な哺乳動物細胞系内に、リポフェクション又はエレクトロポレーションなどの当業者に公知の様々な方法を使用してトランスフェクションされ得、適切な抗生物質選択により抗体を発現する細胞が選択される。より大量の抗体が、商業的に利用可能なバイオリアクター内で細胞を増殖させることにより生産される。
一度発現すると、ヒト化mAbは精密ろ過、限外ろ過、プロテインA又はGアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー及び/又は有機染料などに基づいた他の形態のアフィニティークロマトグラフィーのなどの当業者に標準の手順に従って精製され得る。薬学的使用に関して、少なくとも約90又は95%の均一性を有する実質的に純粋な抗体が好ましく、98%又は99%以上の均一性が、最も好ましい。
HGFに対するモノクローナル抗体の製造方法は特に限定されないが、例えば次のような工程にて製造することができる。
ヒト化L2G7への最初の工程は、L2G7のL鎖及びH鎖遺伝子のクローニングである。RNAを、RNeasy Mini Kit(キアゲン社)を用いて10個のL2G7(IgG2a、κ)ハイブリドーマ細胞から調製し、次いで、ストラタジーンのキットを使用しランダムプライマーを用いて一本鎖cDNAを合成し、末端デオキシヌクレオチド転移酵素(プロメガ社)によりdG尾部を付加する。dG尾部にアニーリングするプライマーとH鎖用のCγ2aのN−末端領域にアニーリングするプライマー、及びL鎖用のCκのN−末端領域にアニーリングするプライマーとで、高性能ポリメラーゼAccuPrime Pfx(インビトロジェン社)を使用して、H鎖及びL鎖可変領域を、cDNAからそれぞれ増幅する。適当なサイズのバンドをPCR産物よりゲル精製し、自動シークエンサーでジデオキシターミネーション法を使用して、直接配列決定するか又はクローニングした後、配列決定する。
L2G7のキメラ体を発現させ、その後ヒト化mAbを発現させるために、ヒトCκ及びCγ1遺伝子を包含するpVk及びpVg1ベクター(J.Immunol.148:1149,1992)に類似の発現ベクターを、市販の利用可能なベクター及びDNA断片から構築する。しかし、L鎖ベクターはgptの代わりにhyg選択可能マーカーを有し、H鎖ベクターはDhfrの代わりにneo選択可能マーカーを有する。クローニングされたVL及びVH遺伝子を、これらのベクターの適当な部位内でサブクローニングし、キメラL2G7(chL2G7)mAbL鎖及びH鎖遺伝子の発現プラスミドを作製する。chL2G7mAbが産生され、L2G7と同程度に、HGFとよく結合することが分かり、正しいL鎖及びH鎖可変領域がクローニングされたことが証明される。
ヒト化L2G7mAbを設計するために、Queenら(US 5,530,101およびUS 5,585,089)の方法に一般に従う。ヒト抗体配列のNCBIデータベースをスキャンし、ヒトVH配列AAC18323及びVκ配列BAC01726をそれぞれ選択し、L2G7VH及びVLのための受容体配列として用いる(なぜならヒトVH配列AAC18323及びVκ配列BAC01726はそれぞれL2G7VH及びVL配列に対して高いフレームワーク同一性を有するため)。ウェブ上で利用可能なコンピュータープログラム、Deep View Swiss−Pdb Viewerを使用して、CDRがそれらと相互作用し得るのに十分近傍である、L2G7フレームワーク中のアミノ酸の位置を決定するために使用される、L2G7可変ドメインの分子モデルを構築する。ヒト化L2G7H鎖及びL鎖可変領域を設計するために、マウスL2G7mAb由来のCDRを受容体フレームワーク領域内にまず概念的に移植する。コンピューターモデルが、CDR構造の維持に必要となり得るCDRとの重要な接触を示唆したフレームワーク位置において、オリジナルヒトフレームワークアミノ酸をマウス抗体由来のアミノ酸で置換する。HuL2G7と命名したヒト化L2G7mAbに関して、この置換は、Kabatの番号付けを使用して、H鎖の29、30(Chothia 超可変ループH1内)48、66、67、71及び94残基において、及びL鎖の3及び60残基においてなされる。さらに、抗体タンパク質中で誘導体化を受ける可能性がQ(Gln)より少ないために、H鎖のアミノ酸1を、E(Glu)で置換する。
実施例で用いる代表的なmAbHuL2G7は、ヒトκ及びγ1定常領域を有し、したがって、IgG1である。しかし、他のIgG1mAb(IgG1、κ)アロタイプも、HuL2G7という表記に包含されると理解される。他のアイソタイプのヒト化mAb(例、IgG2、IgG3及びIgG4)は、HuL2G7可変領域と適当なヒト定常領域とを組み合わせることにより作製され得る。補体介在細胞毒性もしくはADCCなどのエフェクター機能を減少又は増加し、又はヒトにおける半減期を延長するために、HuL2G7定常領域において置換を行うことができる。特に、IgG定常領域における250位のGlnへの変異及び/又は428位のLeuへの変異を有するHuL2G7が、実施態様として挙げられるが、これらに限定されない。
HuL2G7mAbを設計したら、即ち、そのL鎖及びH鎖可変領域のアミノ酸配列を選択したら、当該可変領域をコードするDNA配列(シグナルペプチドを含む)を、遺伝子コードにより通常どおり選択する。これらの配列はクローニングのための制限部位とKozak翻訳開始シグナルとを提供するために、開始ATGコドンより前のCTCGAGACCACCで始まる。これらの遺伝子はGenscript Corp.(Piscataway、NJ)により商業的に合成することのできる、つまり、ストランド上で交互に重複する2対のオリゴヌクレオチドを合成する(Biosystems DNAシンセサイザーを適用)。これらは共に遺伝子全体を包含する。オリゴヌクレオチドは、15塩基重複を伴う110から140塩基である。二重鎖DNA断片を、Klenowポリメラーゼを使用して、オリゴの5’対及び3’対から別々に合成する。5’DNA断片は、可変領域の5’末端及び真ん中を切断する制限酵素により切断する。3’DNA断片は、可変領域の真ん中及び3’末端を切断する制限酵素により切断する。各切断断片は好適なクローニングベクターに挿入し、E.coliに形質転換し、多くの分離株由来のDNAを配列決定し、完全に正しい配列を有する断片を見つける。次いで、各遺伝子に関して、3元のライゲーションを行い、正しい5’及び3’断片を適当な発現ベクターに挿入して、完全な遺伝子を形成させ、その配列を確認する。
HuL2G7mAbを産生するために、ヒト腎臓上皮293−F細胞(インビトロジェン社)をFreeStyle293発現培地(FS培地;インビトロジェン社)中で培養し、10細胞/2ml/マイクロウェルにFD培地で再懸濁する。HuL2G7L鎖及びH鎖発現ベクターDNA(各1μg)を3μlのFugene6(Roche社)と共に100μlのFS培地中で、室温で30分間インキュベートし、次いで混合物を細胞に添加する。48時間のインキュベーション後、トランスフェクトした細胞を、1mg/mlのG418存在下で培養してネオマイシン耐性遺伝子を発現する細胞を選抜し、次いで96穴組織培養プレート(100μl/well)内に展開する。約2週間後、生存細胞を含むウェルがコンフルエントになった時、HuL2G7の存在及び量に関してこれらのウェルからの培養上清をELISAで試験する。トランスフェクトした細胞は、L鎖及びH鎖を不均衡に分泌するかもしれないので、完全なHuL2G7のみが測定されることを保障すべく、このELISAは、捕捉剤としてヤギ抗−ヒトFc及び検出薬としてビオチン化抗ヒトκを使用する。chL2G7mAbも同様に発現させ得る。比較的高レベルのChL2G7及びHuL2G7を発現する細胞のクローンを、それぞれFS培地中で拡張し増殖させる。抗体を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを使用して培養上清から精製し、SDS−PAGEにより純度を解析する。
より具体的には、HuL2G7mAbとしては、後述する実施例1などで用いられるATCC No.:PTA-5162で表示されるハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体L2G7のヒト化モノクローナル抗体が好ましく用いられる。さらには、HGFとの結合に対して、ATCC No.:PTA-5162で表示されるハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体と競合するヒト化モノクローナル抗体も好ましく用いられる。HuL2G7mAbは、例えばPCT/US2007/065385(WO2007/115049)に記載の方法を用いて製造することができる。
本発明の精製方法は、上記したHGFに対するヒト化モノクローナル抗体をはじめとする抗体(例、HGFなどの抗原に対するポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、キメラ抗体など)を含有する培養上清を、精製工程のいずれかの段階で、塩基性アミノ酸の存在下に、ミックスモード樹脂で処理する工程を行うことによって、さらに精製し、高純度の抗体を得る。
ミックスモード樹脂処理の前後において、さらに、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー等の各種精製手段を採用することができる。特に、ミックスモード樹脂処理の前工程において、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー処理を行うことが好ましい。
また、各精製工程を経て得られた抗体含有液は、必要に応じて、濃縮のためのメンブランフィルターを通過させることができる。
各クロマトグラフィーの取扱い、処理方法自体は、公知の方法がいずれも採用できる。
本発明で用いるミックスモードの樹脂は、1以上の陰イオンあるいは陽イオン交換基と、1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含むマルチモーダルリガンドが固定化された担体からなるクロマトグラフィー樹脂であり、例えば、Capto adhere(GE Healthcare社)、Capto MMC(GE Healthcare社)、MEP HyperCel (PALL社)として市販されている。
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーとしては、MabSelect SuRe(GE Healthcare社)、ProSep Ultra Plus(Millipore社)が例示される。
イオン交換樹脂としては、陰イオン交換クロマトグラフィー及び/又は陽イオン交換クロマトグラフィーのいずれでもよいが、陽イオンクロマトグラフィーが好ましく、Capto S(GE Healthcare社)、UNOsphere S(Bio-Rad Laboratories社)、Fractogel SE Hicap (M)(Merck KGaA社)、Q及びCM Ceramic HyperD(PALL社)が例示される。
ミックスモード樹脂処理工程において存在させるアミノ酸としては、例えば、塩基性アミノ酸(例、アルギニン、ヒスチジン、リジン)、疎水性アミノ酸(例、プロリン)、酸性アミノ酸(例、グルタミン酸、アスパラギン酸)、シトルリン、及び/又はその誘導体でも良い。なかでも、アルギニン、リジン、ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸が好ましく、さらに好ましくは、アルギニンであり、及び/又はその誘導体でも良い。
アミノ酸は、ミックスモード樹脂へアプライする抗体の溶液中に存在させてもよく、また、展開溶媒中に含有させてもよい。
アミノ酸の含有量は、抗体溶液中に1mM〜1M、好ましくは10mM〜500mM、展開溶媒中に1mM〜1M、好ましくは10mM〜500mMである。
アミノ酸は、ミックスモード樹脂処理工程のほかの精製工程において存在していてもよい。その場合の含有量、濃度は、前記と同様である。
添加する際のアミノ酸は、水溶性の塩であってもよい。
展開溶媒としては、クエン酸バッファー、酢酸バッファー、炭酸バッファー、リン酸バッファーなどが挙げられる。好ましくはクエン酸バッファーである。
展開溶媒中のアミノ酸濃度(特に、アルギニン濃度)としては10mM〜500mMが好ましく、50mM〜350mMがより好ましい。
治療方法
好ましい実施形態において、ヒト化抗体は自身を含む医薬製剤を提供する。抗体の医薬製剤は生理学的に好適な担体中に、任意で賦形剤又は安定剤と共に、凍結乾燥又は水溶液の形態で、mAbを包含する。好ましい担体、賦形剤又は安定剤は、使用した用量及び濃度においてレシピエントに対して無毒性であり、典型的にpH5.0〜8.0、ほとんどの場合、pH6.0〜7.0のリン酸、クエン酸、又は酢酸などのバッファー;等張にするために塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩;抗オキシダント、保存料、低分子量ポリペプチド、タンパク質、ポリソルベート80などの親水性ポリマー、アミノ酸、炭水化物、キレート剤、糖、及び当業者に公知の他の標準成分を含む。mAbは、1〜100mg/ml、例えば10mg/ml濃度で典型的に存在する。
別の好ましい実施形態において、医薬製剤の形に調製されたmAbは、任意の好適な投与法、特に非経口的に、静脈内注入又はボーラス注射、筋肉内又は皮下により、患者に投与され得、医薬製剤の形でヒト化L2G7(例、HuL2G7)などのヒト化抗HGFmAbを使用して、疾病を持つ患者の治療方法を提供する。静脈内注入は、最低15分以上、しかし非常にしばしば30分、又は1、2又はさらに3時間を越えて与えられ得る。mAbはまた、疾患部位へ直接注入され得、又はリポソームなどの運搬剤中に封入され得る。与えられる用量は治療されるべき疾患を和らげるために十分であり(治療有効用量)、例えば、1、2、3又は4mg/kgなど、0.1〜5mg/kg体重の傾向にあるが、10mg/kg又はさらに15又は20mg/kgの多さでもあり得る。固定のユニット用量はまた、与えられ得、例えば、50、100、200、500又は1000mgであり、用量は例えば100mg/mなど、患者の表面積に基づき得る。通常1〜8(例、1、2、3、4、5、6、7又は8)回の投与が、癌を治療するためになされるが、10回、20回又はそれ以上投与してもよい。該mAbは、例えばmAbの半減期に依存して、毎日、週に2回、週に1回、1週間おき、月に1回又は他のある間隔で、1週間、2週間、4週間、8週間、3〜6ヶ月又はそれ以上投与され得る。長期投与のように治療コースを繰り返し行うことも可能である。
例えば、HuL2G7などのヒト化抗HGFmAbによる治療に特に感受性を示す疾病は、血管新生を必要とする、または、HGFレベル上昇に関連すると考えられている固形腫瘍、例えば、卵巣癌、乳癌、肺癌(小細胞又は非小細胞)、結腸癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、肝臓癌、頭頸部腫瘍、子供又は大人のメラノーマ及び肉腫、並びに脳腫瘍などを含む。実際、mAbによる癌の治療方法、特にヒト化L2G7mAbによる全身性治療は、髄膜腫を含む脳腫瘍;上衣腫、乏突起膠腫及び星細胞腫の全ての型を含むグリオーマ(低いグレード、未分化及び膠芽細胞腫多形又は単なる膠芽細胞腫);髄芽腫、神経節膠腫、神経鞘腫、脊索腫;及び原始神経害胚葉性腫瘍を含む主に子供の脳腫瘍の治療に特に適用できる。初期脳腫瘍及び二次又は転移脳腫瘍の両方が、該方法により治療され得る。該方法による治療に適する他の疾病は、糖尿病性網膜症、加齢による筋肉退化、リウマチ関節炎及び乾癬など望まれない血管新生に関連する。
特に好ましい実施形態において、ヒト化抗HGFmAb(例、HuL2G7)は、他の抗癌治療と共に(即ち、抗癌治療前、抗癌治療中又は抗癌治療後に)投与される。例えば、該mAbは、腫瘍学の当業者に公知の1以上の化学療法剤、例えば、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、カルボプラチン、オキシプラチン、プロカルバジン、及びシクロホスファミドなどのアルキル化剤;フルオロウラシル、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、メトトレキサート及びヒドロキシウレアなどの代謝拮抗剤;植物アルカノイド及びブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エトポシド、マイトマイシン、ミトキサントロン、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどの抗生物質及びタキソール(パクリタキセル)又はタキソテール(登録商標)などの関連化合物を含む天然物;テモゾロミド及びカルムスチンを含有するグリアデル(登録商標)ウェーファを含む脳腫瘍のために特異的に認可された剤;及びイリノテカン及びグリベック(登録商標)を含む他の剤並びに全ての認可された実験抗癌剤と共に投与され得る。ヒト化抗HGFmAbと共に投与される他の剤は、HER2抗原に対するヘルセプチン(商標)、VEGFに対するアバスチン(商標)、又はEGFレセプターに対する抗体を含むモノクローナル抗体、並びに小分子抗血管新生剤又はEGFレセプター拮抗剤などの生物製剤を含み投与され得る。さらに、ヒト化抗HGFmAbは、放射線治療又は外科手術と共に使用され得る。
ヒト化抗HGFmAb抗体(例、HuL2G7)を含む治療(例、標準化学療法)は、これらの腫瘍(例、卵巣、乳房、肺、膵臓、脳及び結腸、特に再発又は難治性の場合)の患者の無増悪生存期間中央値及び全体の生存時間を、同一治療(例、化学療法)だが、抗HGFmAbを用いないものと比較すると、少なくとも30%又は40%しかし好ましくは50%、60%から70%又はさらに100%増加させ得る。さらに/あるいは、抗HGFmAbを含む治療(例、標準化学療法)は、これらの腫瘍(例、卵巣、乳房、肺、膵臓、脳及び結腸、特に再発又は難治性の場合)の患者の完全寛解率、部分寛解率、又は客観的寛解率(全体的+部分的)を、同一治療(例、化学療法)だが、抗HGFmAbを用いないものと比較すると、少なくとも30%又は40%しかし好ましくは50%、60%から70%又はさらに100%増加させ得る。膠芽細胞腫などの脳腫瘍に関して、単独もしくは他の剤と組み合わせてヒト化抗HGFmAbを用いる治療は、少なくとも5%又は10%、より好ましくは20%又は25%又は30%、並びに最も好ましくは40%、50%又はそれ以上の部分的、完全又は客観的寛解率を好ましくは提供する。
臨床試験において、ヒト化抗HGFmAb(例、HuL2G7)を加えた標準療法で治療した患者の、前述の無増悪生存期間中央値及び/又は反応速度における増加は、標準療法(又はプラセボを添加)だけを受けている患者の対照群と比較して、例えば、p=0.05又は0.01又はさらに0.001レベルでさえも、統計的に有意である。完全及び部分的寛解率は、例えば、国立癌研究所及び/又は食品医薬品局により記載又は許容されているような、癌に対する臨床試験において一般に使用される客観的基準により測定される。
他の方法
ヒト化抗HGFmAbはまた、診断法、予後診断法及び実験室的な方法に使用することができる。これらは、腫瘍中又は腫瘍を有する患者の血液循環中のHGFレベルの測定に使用され得、したがって、腫瘍の治療を追跡し、指針を与えるのに使用され得る。例えば、高レベルHGFに関連する腫瘍は、ヒト化抗HGFmAbでの治療に対して特に感受性であるだろう。具体的な実施形態において、該mAbは、例えば、腫瘍生検標本中又は血清中又は細胞培養におけるHGF分泌細胞の培養上清中のHGFのレベルを測定するためにELISA又は放射免疫測定において使用され得る。様々なアッセイに関して、抗HGFmAbは、蛍光分子、スピン標識分子、酵素又は放射性同位体により標識され得、HGFアッセイを行うために必要な試薬を全て備えたキットの形で提供され得る。他用途において、抗HGFmAbは、例えばアフィニティークロマトグラフィーによるHGF精製に使用される。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
[実施例1]
HuL2G7の精製
1.細胞培養液の調製
肝細胞増殖因子に対する抗体をコードする遺伝子(PCT/US2007/065385;WO2007/115049)を組み込んだ発現ベクターをチャイニーズハムスター卵巣細胞にトランスフェクションして肝細胞増殖因子に対する抗体であるHuL2G7を生産する細胞株を取得した。この生産細胞株をCD−CHO(インビトロジェン社)改変培地で培養して細胞培養液約10Lを取得した。
2.細胞培養液上清の調製
上記1で取得したHuL2G7を含む細胞培養液上清をデプスフィルター(Millistak+HC mini、Millipore社)でろ過し、ろ液を0.2μmメンブレンフィルター(Sartolab P plus、Sartorius stedim社)でさらにろ過した。
3.プロテインAアフィニティークロマトグラフィー
バッファー(100mM NaClを含む50mM トリス塩酸バッファー、pH7.5)で平衡化したMabSelect SuReカラム(30mmID×200mmL、GE Healthcare社)に、上記2で得られたろ液1008mL(HuL2G7:3,956mg)をアプライし、同じバッファーで洗浄した後、50mM クエン酸バッファー(pH3.2)で溶出し、HuL2G7を含む画分をプールした(プール液量:279mL、HuL2G7:3,814mg、単量体純度:82.4%、重合体:17.6%)。
4.ウイルス不活化
上記3で得られたプロテインAカラム溶出画分を0.1N 塩酸でpH3.5に調製し、室温で1時間撹拌した。その後1M トリスでpH5.0に調製し、0.2μmメンブレンフィルター(Sartolab P plus、Sartorius stedim社)によりろ過した。
5.クロスフローろ過によるバッファー交換
上記4で得られたろ液をSaltocon slice 200メンブレン(分子排除限界30kDa、Sartorius stedim社)を用いてバッファー(20mM クエン酸、87.5mM L(+)−アルギニン、pH6.2)に置換した後、0.2μmメンブレンフィルター(Sartolab P plus、Sartorius stedim社)によりろ過した。
6.ミックスモードクロマトグラフィー
バッファー(20mM クエン酸、87.5mM L(+)−アルギニン、pH6.2)で平衡化したCapto adhereカラム(10mmID×200mmL、GE Healthcare社)に上記5でバッファー置換したHuL2G7溶液を47.6mL(HuL2G7:785mg)アプライし、バッファー(20mM クエン酸、87.5mM L(+)−アルギニン、pH6.2)を通液して、素通り画分をプールした(プール液量:182mL、HuL2G7:639mg、単量体純度:96.2%、重合体:3.8%)。
7.クロスフローろ過によるバッファー交換
上記5と同様の方法で、上記6で得られたHuL2G7溶液をバッファー(20mM クエン酸、14mM NaCl、pH5.0)に置換し、0.2μmメンブレンフィルター(Sartolab P plus、Sartorius stedim社)によりろ過した。
8.陽イオン交換クロマトグラフィー
バッファー(20mM クエン酸、14mM NaCl、pH5.0)で平衡化したHiTrap Capto Sカラム(7mmID×25mmL、GE Healthcare社)に上記7で得られたHuL2G7溶液18.8mL(HuL2G7:70mg)をアプライし、同じバッファーで洗浄した後、85mM NaClを含む20mM クエン酸バッファー(pH5.0)で溶出し、HuL2G7を含む画分をプールした(プール液量:19mL、HuL2G7:61.9mg、単量体純度:99.8%、重合体:0.2%)。
精製プロセス全体のHuL2G7回収率は69.4%であった。
分析方法
1.HPLCによるHuL2G7濃度定量
ろ液中のHuL2G7濃度をPA IDセンサーカートリッジ(2.1mmID×30mmL、Applied Biosystems社)を用いて定量した。
2.ゲルろ過HPLCによるHuL2G7単量体分析
150mM KClを含む200mM リン酸カリウムバッファー(pH6.9)で平衡化したTSKgel G3000 SWXLカラム(7.8mmID×300mmL、東ソー(株))に上記8で取得したサンプル12.3μLのHuL2G7(HuL2G7 Capto S溶出画分 40μg)をアプライし、同バッファーで流速1mL/分で20分間通液し、280nmの吸光度をモニターすることで、重合体と単量体の含量を分析した。
[実施例2]
HuL2G7の精製
1.細胞培養液の調製
肝細胞増殖因子に対する抗体をコードする遺伝子(PCT/US2007/065385;WO2007/115049)を組み込んだ発現ベクターをチャイニーズハムスター卵巣細胞にトランスフェクションして肝細胞増殖因子に対する抗体であるHuL2G7を生産する細胞株を取得した。この生産細胞株をCD−CHO(インビトロジェン社)改変培地で培養して細胞培養液約10Lを取得した。
2.細胞培養液上清の調製
上記1で取得したHuL2G7を含む細胞培養液上清をデプスフィルター(Millistak+HC、Millipore社)でろ過し、ろ液を0.2μmメンブレンフィルター付属のディスポーザブルバッグ(Flexboy 10L、Sartorius stedim社)へ移送した。
3.プロテインAアフィニティークロマトグラフィー
バッファー(100mM NaClを含む50mM トリス塩酸バッファー、pH7.5)で平衡化したMabSelect SuReカラム(100mmID×200mmL、GE Healthcare社)に、上記2で得られたろ液7,749L(HuL2G7:43,278mg)をアプライし、同じバッファーで洗浄した後、50mM クエン酸バッファー(pH3.2)で溶出し、HuL2G7を含む画分をプールした(プール液量:1850L、HuL2G7:38,546mg、単量体純度:93%)。
4.ウイルス不活化
上記3で得られたプロテインAカラム溶出画分を0.1N 塩酸でpH3.5に調整し、室温で1時間撹拌した。その後1M トリスでpH5.0に調整し、0.2μmメンブレンフィルター(ザルトポア2、Sartorius stedim社)でろ過した。2日後さらに0.65μmデプスフィルター(ザルトピュアGF、Sartorius stedim社)、0.2μmメンブレンフィルター(ザルトポア2、Sartorius stedim社)でろ過した。
5.ゲルろ過クロマトグラフィーカラムによるバッファー交換
上記4で得られたろ液のうち5mLをSephadex G-25ゲルろ過カラム(PD-10 Desalting column、GE Healthcare社)により、350mMのプロリンを含む20mM クエン酸バッファー(pH6.0)へバッファー置換し、0.2μmメンブレンフィルター(Millex GVフィルターユニット、Millipore社)でろ過した。
6.ミックスモードクロマトグラフィーによる精製
プロリンを350mM含む20mMクエン酸バッファー(pH6.0)で平衡化したCapto adhereカラム(HiTrap Capto adhere 1mL、GE Healthcare社)に上記5にて350mMプロリンを含むバッファーへ置換したHuL2G7溶液を4.4mL(HuL2G7:50mg)アプライし、平衡化に使用したバッファーを通液して素通り画分をプールした(プール液量:11.5mL、HuL2G7:43mg、単量体純度:98%)。
7.ゲルろ過クロマトグラフィーカラムによるバッファー交換
上記6にて得られたHuL2G7溶液を遠心式フィルター(Amicon Ultra-0.5、Ultracel-30、30kDa、Millipore社)を用いて5mLまで濃縮した後、上記5と同様の方法で、20mM クエン酸バッファー(pH5.0)に置換し、0.2μmメンブレンフィルター(Millex GVフィルターユニット、Millipore社)でろ過した。
8.陽イオン交換クロマトグラフィー
20mMクエン酸バッファー(pH5.0)で平衡化したCapto Sカラム(HiTrap Capto S 1mL、GE Healthcare社)に上記7にてバッファー置換したHuL2G7溶液を6.4mL(HuL2G7:32mg)アプライし、平衡化に使用したバッファーを通液して素通り画分をプールした(プール液量:18.2mL、HuL2G7:26.34mg、単量体純度:100%)。
[実施例3]
HuL2G7の精製
1.細胞培養液の調製
肝細胞増殖因子に対する抗体をコードする遺伝子(PCT/US2007/065385;WO2007/115049)を組み込んだ発現ベクターをチャイニーズハムスター卵巣細胞にトランスフェクションして肝細胞増殖因子に対する抗体であるHuL2G7を生産する細胞株を取得した。この生産細胞株をCD−CHO(インビトロジェン社)改変培地で培養して細胞培養液約10Lを取得した。
2.細胞培養液上清の調製
上記1で取得したHuL2G7を含む細胞培養液上清をデプスフィルター(Millistak+HC、Millipore社)でろ過し、ろ液を0.2μmメンブレンフィルター付属のディスポーザブルバッグ(Flexboy 10L、Sartorius stedim社)へ移送した。
3.プロテインAアフィニティークロマトグラフィー
バッファー(100mM NaClを含む50mM トリス塩酸バッファー、pH7.5)で平衡化したMabSelect SuReカラム(100mmID×200mmL、GE Healthcare社)に、上記2で得られたろ液7,749L(HuL2G7:43,278mg)をアプライし、同じバッファーで洗浄した後、50mM クエン酸バッファー(pH3.2)で溶出し、HuL2G7を含む画分をプールした(プール液量:1850L、HuL2G7:38,546mg、単量体純度:93%)。
4.ウイルス不活化
上記3で得られたプロテインAカラム溶出画分を0.1N 塩酸でpH3.5に調整し、室温で1時間撹拌した。その後1M トリスでpH5.0に調整し、0.2μmメンブレンフィルター(ザルトポア2、Sartorius stedim社)でろ過し5℃で保存した。2日後0.65μmデプスフィルター(ザルトピュアGF、Sartorius stedim社)、0.2μmメンブレンフィルター(ザルトポア2、Sartorius stedim社)でろ過した。
5.ゲルろ過クロマトグラフィーカラムによるバッファー交換
上記4で得られたろ液のうち0.5mLをSephadex G-25ゲルろ過カラム(PD MiniTrap G-25、GE Healthcare社)により、グリシン(Gly、中性アミノ酸)、ヒスチジン(His、塩基性アミノ酸)、グルタミン酸(Glu、酸性アミノ酸)、プロリン(Pro、疎水性アミノ酸)それぞれを375mM含む四種類の20mMクエン酸バッファー(pH6.0)へそれぞれ置換した。バッファー置換した各溶液を5mg/mLとなるようそれぞれのバッファーで希釈し、0.2μmメンブレンフィルター(Millex GVフィルターユニット、Millipore社)でろ過した。
6.ミックスモードクロマトグラフィーによる精製
96well PreDictor Capto adhere 2μL(GE Healthcare社)を上記5に示した各アミノ酸を含む四種類の20mM クエン酸バッファー(pH6.0)でそれぞれ1ウェルずつ平衡化した後、上記5で得られたHuL2G7溶液を200μL(HuL2G7:1mg)アプライし、平衡化と同じバッファーを通液して素通り画分をプールした。アミノ酸を含まないバッファーの場合、回収率は43%、単量体純度は96%であった。375mM グリシンを含む20mM クエン酸バッファーの場合、回収率は55%、単量体純度は96%であった。375mM ヒスチジンを含むクエン酸バッファーの場合、回収率は97%、単量体純度は95%であった。375mM グルタミン酸を含む場合、回収率は93%、単量体純度は95%であった。375mM プロリンを含む場合回収率は84%、単量体純度は96%であった。
本出願は、日本で出願された特願2008−324202(出願日:2008年12月19日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (9)

  1. 抗体を含む溶液を、アミノ酸の存在下に、ミックスモードクロマトグラフィーで処理する工程を含む、抗体の精製方法。
  2. ミックスモードクロマトグラフィー処理の前に、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー処理工程を行う、請求項1に記載の精製方法。
  3. さらに、イオン交換クロマトグラフィー処理工程を含む、請求項1又は2に記載の精製方法。
  4. イオン交換クロマトグラフィーが陽イオン交換クロマトグラフィーである、請求項3に記載の精製方法。
  5. アミノ酸が塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸、酸性アミノ酸またはシトルリンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製方法。
  6. アミノ酸がアルギニン、ヒスチジン、プロリン、グルタミン酸またはシトルリンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製方法。
  7. アミノ酸が塩基性アミノ酸である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製方法。
  8. 塩基性アミノ酸がアルギニンである、請求項7に記載の精製方法。
  9. 抗体が、肝細胞増殖因子(HGF)に対するヒト化モノクローナル抗体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の精製方法。
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