JP2013533746A - 抗ron抗体 - Google Patents

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シルビー ビンセント,
ソリー ウィーラー,
ウィリアム エム. ジュニア ウィンストン,
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Abstract

ヒトRON(Recepteur d’ Origime Nantais)に結合し、その活性化を阻害するモノクローナル抗体を開示する。抗体は、RONの活性化に関連する一定形態の癌の治療に使用することができる。本発明は部分的に、ヒトRONに特異的に結合する抗体ファミリーの発見に基づいている。抗体は、抗体のCDRに基づくRON結合部位を含有する。抗体は、治療薬として用いることができる。治療薬として用いる場合、抗体は、ヒト患者に投与した際の免疫応答を低減または除去するために、操作、例えばヒト化される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年3月23日出願の米国仮特許出願第61/466,679号明細書、および2010年7月6日出願の米国仮特許出願第61/361,808号明細書に対する優先権の利益を主張し、各出願内容は、参照としてそれらの全体が本明細書に援用されている。
本発明の分野は、分子生物学、免疫学および腫瘍学である。より具体的には、その分野は、治療用抗体である。
マクロファージ刺激タンパク質受容体(MSP R、またはMST1−R)としても知られているRecepteur d’Origine Nantais(RON)は、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)として知られているリガンドに結合する受容体チロシンキナーゼ類のMETファミリーのメンバーである。RONは、40kDaの細胞外α鎖および150kDaの膜貫通β鎖からなる。β鎖は内因性キナーゼ活性を担い、2本の鎖の細胞外部分は一緒にリガンド結合ドメインとして機能する(Waghら、2008、ADV.CANCER RES.100:1−33)。
RONへのMSP結合により、複数の下流シグナル伝達経路が活性化され、複数の細胞活性が媒介される。RON経路の調節不全は、炎症反応、創傷治癒および肝臓再生に関係している。RONシグナル伝達は、一定の悪性疾患における腫瘍の成長、存続、運動、浸潤および血管新生を保持し得る。RONタンパク質は、いくつかのスプライシング変異体に存在し、そのいくつかは、癌の動物モデルにおいて腫瘍形成性である。このようなスプライシング変異体の1つは、デルタ160RONであり、これはエキソン5と6を欠いている(Luら、2007、CANCER LEFT.257:157−164)。
リガンド結合により活性化されると、RONは、PI3K/AKT経路とMAPK経路を活性化する。RONはまた、他の受容体、例えば、c−Met、インテグリン類およびEGFRとの相互作用を介して細胞に影響を与える。現在までに、RONエキソンにおける活性化変異体は報告されていない。選択的スプライシングと過剰発現が、受容体の構造的活性化に関する主要な機構のようである。RONなどの複数の受容体チロシンキナーゼを阻害するいくつかの小型分子阻害剤が報告されており、例えば、EXCEL−2880(Qianら、2009、CANCER RES.69:8009−8016)およびBMS−77607(Schroederら、2009、J.MED.CHEM.52:1251−1254)が挙げられる。二重のc−met/RON阻害剤、Amgen化合物Iも報告されている(Zhangら、2008、CANCER RES.68:6680−6687)。最近の出版物には、選択的RON小型分子阻害剤が記載されている(Raeppelら、2010、BIOORG MED CHEM LETT 20:2745−9)。ヒトのRON活性を阻害するいくつかの抗体が報告されている(Huetらの米国特許出願公開第2009/0226442号明細書;Pereiraらの米国特許出願公開第2009/0136510号明細書;Zhuらの国際公開第2006/020258号パンフレット;Pereiraら、国際公開第2005/120557号パンフレット;および市販の抗体MAB691、R&D Systems、Minneapolis、MN)。
天然抗体は、4本のポリペプチド鎖を含有する多量体タンパク質である(図1)。ポリペプチド鎖のうちの2本は重鎖(H鎖)と呼ばれ、ポリペプチド鎖のうちの2本は軽鎖(L鎖)と呼ばれる。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖は鎖間のジスルフィド結合によって結合している。免疫グロブリンの重鎖は、鎖間のジスルフィド結合によって結合している。軽鎖は、1つの可変領域(図1のV)と1つの定常領域(図1のC)からなる。重鎖は、1つの可変領域(図1のV)と少なくとも3つの定常領域(図1のCH、CHおよびCH)からなる。可変領域は抗体の特異性を決定する。各可変領域は、4つの比較的保存されたフレームワーク領域(FR)にフランクされた相補性決定領域(CDR)としても知られている3つの超可変領域を含む。CDR、CDR、およびCDRと称される3つのCDRは、抗体の結合特異性に寄与する。天然抗体は、キメラ抗体およびヒト化抗体などの人工抗体のための出発材料として用いられている。
RONに結合する抗体は当該技術分野に知られているが、治療薬として使用できる改善されたRON抗体が依然として求められている。
本発明は部分的に、ヒトRONに特異的に結合する抗体ファミリーの発見に基づいている。抗体は、抗体のCDRに基づくRON結合部位を含有する。抗体は、治療薬として用いることができる。治療薬として用いる場合、抗体は、ヒト患者に投与した際の免疫応答を低減または除去するために、操作、例えばヒト化される。
抗体は、ヒトRONの活性化(すなわち、中和)を防止または阻害する。いくつかの実施形態において、抗体は、RONがそのリガンド、MSPに結合することを防ぎ、それによって、RON活性を中和する。一定の実施形態において、抗体は、MSPに対するRONの結合を阻害することなくRON活性化を防ぐ。抗体は、乳癌細胞系T47Dの下流シグナル伝達を阻害するために用いることができる。さらに、哺乳動物に投与した場合、抗体は、哺乳動物における腫瘍の成長を抑制または低減させることができる。
本発明のこれらおよび他の態様ならびに利点は、以下の図、詳細な説明、および請求項を考察すれば明らかになろう。本明細書に用いられる「含む」は、限定しない意味であり、挙げられた例は非限定的である。
本発明は、以下の図面を参照にしてより完全に理解することができる。
(先行技術)は、例示的な天然抗体の概略図を示す。 抗体07F01、12B11、17F06、18H09および29B06の完全免疫グロブリン重鎖可変領域のアミノ酸配列図を示す。各抗体のアミノ酸配列は、互いにアラインメントしており、CDR、CDR、およびCDRは枠で識別してある。枠取りしていない配列は、フレームワーク(FR)を表す。アラインメントの位置決め(ギャップ)は、Clustal配列などのアラインメント演算ではなく、Kabatのナンバリングに基づいている。 図2の免疫グロブリン重鎖可変領域配列各々のCDR、CDR、およびCDR配列を表す配列アラインメント図を示す。 抗体07F01、12B11、17F06、18H09および29B06の完全免疫グロブリン軽鎖可変領域のアミノ酸配列を表す配列アラインメント図を示す。各抗体のアミノ酸配列は、互いにアラインメントしており、CDR、CDR、およびCDRは枠で識別してある。枠取りしていない配列は、フレームワーク(FR)を表す。アラインメントの位置決め(ギャップ)は、Clustal配列などのアラインメント演算ではなく、Kabatのナンバリングに基づいている。 図4の免疫グロブリン軽鎖可変領域配列各々のCDR、CDR、およびCDR配列を表す配列アラインメント図を示す。 電気化学的発光アッセイにより測定した、抗体17F06(▲)、07F01(●)、12B11(◆)、18H09(■)および29B06(x)によるMSP−RON結合相互作用の阻害に関する用量−応答曲線のグラフを示す。 ELISAアッセイによる抗体17F06(▲)、07F01(●)、12B11(◆)、18H09(■)および29B06(x)によるERKのMSP依存性リン酸化阻害に関する用量−応答曲線のグラフを示す。 トランスウェルアッセイによる抗体07F01、18H09、29B06、12B11、17F06、およびIgG陰性対照(マウスIgG)によるMSP誘導HPAF−II細胞移動の阻害を測定する実験からの結果をまとめた棒グラフを示す。 抗体07F01(●)、12B11(◆)、18H09(■)、29B06()およびマウスIgG対照(〇)による野生型(wt)RON依存性インビボ腫瘍モデルの成長抑制についてのデータをまとめたグラフを示す。抗体およびIgG対照は腹腔内に週2回20mg/kgを投与した。 抗体17F06(▲)、07F01(●)、12B11(◆)、18H09(■)、29B06()およびマウスIgG対照(〇)によるデルタ160RON依存性インビボ腫瘍モデルの成長抑制についてのデータをまとめたグラフを示す。抗体およびIgG対照は腹腔内に週2回20mg/kgを投与した。 抗体29B06()およびマウスIgG対照(〇)によるNCI−H358異種移植腫瘍モデルの成長抑制についてのデータをまとめたグラフを示す。抗体およびIgG対照は腹腔内に週3回40mg/kg(「mpk」と略す)を投与した。 図12Aは、07F01(配列番号2)の完全免疫グロブリン重鎖可変領域およびキメラ07F01 C102S(配列番号133)、Sh07F01 Hv3−48(配列番号135)、およびSh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G(配列番号137)で表される完全重鎖可変領域のアミノ酸配列を表す概略図を示す。各重鎖可変領域のアミノ酸配列は互いにアラインメントしており、相補性決定配列(CDR)(Kabatの定義)、CDR、CDR、およびCDRは枠で特定してある。枠取りしていない配列は、フレームワーク(FR)配列を表す。図12Bは、29B06(配列番号42)の完全免疫グロブリン重鎖可変領域ならびにSh29B06_Hv4−59(配列番号143)、Hu29B06 Hv4−59(配列番号145)、およびHu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I 167V Y78F(配列番号147)で表される完全重鎖可変領域のアミノ酸配列の概略図を示す。各重鎖可変領域のアミノ酸配列は、互いにアラインメントしており、CDR、CDR、およびCDR配列(Kabatの定義)は枠で識別してある。枠取りしていない配列は、フレームワーク(FR)配列を表す。 図13Aは、図12Aで示した各可変領域配列のCDR、CDR、およびCDR配列(Kabatの定義)を表す概略図を示す。図13Bは、図12Bで示した各可変領域配列のCDR、CDR、およびCDR配列(Kabatの定義)を表す概略図を示す。 図14Aは、07F01(配列番号4)の完全軽鎖可変領域ならびにHE L 07F01 Kv1−9(配列番号139)およびSh07F01 Kv1−9 F1(配列番号141)で表される完全軽鎖可変領域のアミノ酸配列を表す概略図を示す。各軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、互いにアラインメントしており、CDR、CDR、およびCDR配列(Kabatの定義)は枠で識別してある。枠取りしていない配列は、フレームワーク(FR)配列を表す。図14Bは、29B06(配列番号44)の完全軽鎖可変領域ならびにSh29B06 Kv2−28(配列番号149)で表される完全軽鎖可変領域のアミノ酸配列を表す概略図を示す。各軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、互いにアラインメントしており、CDR、CDR、およびCDR配列(Kabatの定義)は枠で識別してある。枠取りしていない配列は、フレームワーク(FR)配列を表す。 図15Aは、図14Aで示した各可変領域配列のCDR、CDR、およびCDR配列(Kabatの定義)を表す配列アラインメントを示す。図15Bは、図14Bで示した各可変領域配列のCDR、CDR、およびCDR配列(Kabatの定義)を表す配列アラインメントを示す。 トランスウェルアッセイによって、抗RON抗体Sh29B06−78およびSh07F01−62、IgG陰性対照(ヒトIgG)、ならびに無MSP対照によるMSP誘導HPAF−II細胞移動の阻害を測定する実験結果をまとめた棒グラフを示す。 0nMおよび1nMのMSPにおける抗RON抗体Sh29B06−78およびSh07F01−62ならびにIgG陰性対照(ヒトIgG)によるMSP誘導HPAF−II細胞浸潤の阻害を測定する実験結果をまとめた棒グラフを示す。 抗RON抗体mu07F01(〇)、Sh07F01−62(▲)、mu29B06(◆)、RON8(■)、およびSh29B06−78(●)、ならびにヒトIgG対照(+)によるNCI−H358異種移植腫瘍モデルの成長抑制をまとめたデータのグラフを示す。 抗RON抗体mu07F01、Sh07F01−62、mu29B06、RON8、およびSh29B06−78によるRON受容体分解を測定する実験結果をまとめたウェスタンブロットを示す。
本明細書に開示した抗RON抗体は、ヒトRONへの結合とその活性の中和に基づいて選択された一定のモノクローナル抗体の抗原結合部位に基づいている。これらの抗体は、ヒトRONに対する結合部位を規定する免疫グロブリン可変領域CDR配列を含有する。
これらの抗体の中和活性に鑑みて、一定のタイプの癌細胞の成長および/または増殖の調節に有用である。治療薬として用いられる場合、ヒト患者へ投与した際の免疫応答を最少化または除去するために、抗体を操作することができる。いくつかの実施形態において、エフェクター分子(例えば、他のタンパク質または小型分子の治療薬)、検出可能な標識または毒素部分などの他の部分に、抗体を融合または共役させる。以下においてさらに詳細に、本発明の種々の特徴および態様を考察する。
別に指示しない限り、本明細書で用いられる用語「抗体」は、修飾、操作または化学的に共役された、またはヒト抗体である完全抗体または抗原結合断片を含め、完全抗体(例えば、完全モノクローナル抗体)または抗体の抗原結合断片(例えば、モノクローナル抗体の抗原結合断片)を意味する。修飾または操作された抗体の例には、キメラ抗体、ヒト化抗体、およびマルチ特異的抗体(例えば、ビス特異的抗体)がある。抗原結合断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、一本鎖抗体(例えば、scFv)、ミニ体(minibodies)およびジア体(diabodies)が挙げられる。毒素部分に共役した抗体は、化学的に共役した結合抗体の一例である。
I.RONに結合する抗体
本明細書に開示された抗体は、(a)構造CDRH1−CDRH2−CDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域および(b)構造CDRL1−CDRL2−CDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域と軽鎖可変領域は一緒にヒトRONタンパク質結合に関する単一の結合部位を規定する。
いくつかの実施形態において、抗体は、(a)構造CDRH1−CDRH2−CDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域および(b)免疫グロブリン軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域と軽鎖可変領域は一緒にヒトRON結合に関する単一の結合部位を規定する。CDRH1は、配列番号5(07F01)、配列番号51(07F01)、配列番号124(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)、配列番号15(12B11)、配列番号53(12B11)、25(17F06)、配列番号55(17F06),配列番号35(18H09)、配列番号57(18H09)、配列番号45(29B06)、配列番号59(29B06)、および配列番号126(Sh29B06 Hv4−59、u29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;CDRH2は、配列番号6(07F01)、配列番号16(12B11)、配列番号26(17F06)、配列番号36(18H09)、配列番号46(29B06)、および配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;CDRH3は、配列番号7(07F01)、配列番号17(12B11)、配列番号27(17F06)、配列番号37(18H09)、配列番号47(29B06)、および配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。本明細書を通して、特定の配列番号の後の括弧内にあるのはその配列の元の抗体である。例えば、「配列番号5(07F01)」は、配列番号5が、抗体07F01由来であることを意味する。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号5(07F01)、配列番号51(07F01)、または配列番号124(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDRH1;配列番号6(07F01)または配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDRH2;配列番号7(07F01)または配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、重鎖可変領域は、配列番号5(07F01)のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号15(12B11)または配列番号53(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号16(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号17(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、重鎖可変領域は、配列番号25(17F06)または配列番号55(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号26(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号27(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む。
いくつかの実施形態において、重鎖可変領域は、配列番号35(18H09)または配列番号57(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号36(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号37(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む。
いくつかの実施形態において、重鎖可変領域は、配列番号45(29B06)、配列番号59(29B06)、または配列番号126(Sh29B06 Hv4−59,Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号46(29B06)、およびのアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号47(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む。
いくつかの実施形態において、重鎖可変領域は、配列番号45(29B06)または配列番号126(Sh29B06 Hv4−59,Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号46(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号47(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む。
CDRH1、CDRH2、およびCDRH3の配列は、ヒトまたはヒト化免疫グロブリンFRの間に挿入されていることが好ましい。抗体は、完全抗体でもよく、抗原結合抗体断片でもよい。
いくつかの実施形態において、抗体は、(a)構造CDRL1−CDRL2−CDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域および(b)免疫グロブリン重鎖可変領域を含み、IgG軽鎖可変領域とIgG重鎖可変領域は一緒にヒトRON結合に関する単一の結合部位を規定する。CDRL1は、配列番号8(07F01)、配列番号18(12B11)、28(17F06)、配列番号38(18H09)、配列番号48(29B06)、および配列番号130(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;CDRL2は、配列番号9(07F01)、配列番号19配列番号(12B11)、配列番号29(17F06)、配列番号39(18H09)、配列番号49(29B06)、および配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;CDRL3は、配列番号10(07F01)、配列番号20(12B11)、配列番号30(17F06)、配列番号40(18H09)、および配列番号50(29B06)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号8(07F01)または配列番号130(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号9(07F01)または配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号10(07F01)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号130(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDRL2;および配列番号10(07F01)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号18(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号19(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRL2;および配列番号20(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号28(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号29(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRL2;および配列番号30(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号38(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号39(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRL2;および配列番号40(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号48(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号49(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL2;および配列番号50(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
CDRL1、CDRL2、およびCDRL3の配列は、ヒトまたはヒト化免疫グロブリンFRの間に挿入されていることが好ましい。抗体は、完全抗体でもよく、抗原結合抗体断片でもよい。
いくつかの実施形態において、抗体は、(a)構造CDRH1−CDRH2−CDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域および(b)構造CDRL1−CDRL2−CDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域と軽鎖可変領域は一緒にヒトRON結合に関する単一の結合部位を規定する。CDRH1は、配列番号5(07F01)、配列番号51(07F01)、配列番号124(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)、配列番号15(12B11)、配列番号53(12B11)、配列番号25(17F06)、配列番号55(17F06)、配列番号35(18H09)、配列番号57(18H09)、配列番号45(29B06)、配列番号59(29B06)、および配列番号126(Sh29B06 Hv4−59,Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)からなる群から選択されるアミノ酸配列であり;CDRH2は、配列番号6(07F01)、配列番号16(12B11)、配列番号26(17F06)、配列番号36(18H09)、配列番号46(29B06)、および配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列であり;CDRH3は、配列番号7(07F01)、配列番号17(12B11)、配列番号27(17F06)、配列番号37(18H09)、配列番号47(29B06)、および配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列である。CDRL1は、配列番号8(07F01)、配列番号18(12B11)、配列番号28(17F06)、配列番号38(18H09)、配列番号48(29B06)、および配列番号130(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列であり;CDRL2は、配列番号9(07F01)、配列番号19(12B11)、配列番号29(17F06)、配列番号39(18H09)、配列番号49(29B06)、および配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列であり;CDRL3は、配列番号10(07F01)、配列番号20(12B11)、配列番号30(17F06)、配列番号40(18H09)、および配列番号50(29B06)からなる群から選択されるアミノ酸配列である。
本明細書に開示された抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2(07F01)、配列番号12(12B11)、配列番号22(17F06)、配列番号32(18H09)、配列番号42(29B06)、配列番号133(キメラ07F01 C102S)、配列番号135(Sh07F01 Hv3−48)、配列番号137(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)、配列番号143(Sh29B06 Hv4−59)、配列番号145(Hu29B06 Hv4−59)、および配列番号147(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖可変領域、および免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
別の実施形態において、抗体は、配列番号4(07F01)、配列番号14(12B11)、配列番号24(17F06)、配列番号34(18H09)、配列番号44(29B06)、配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)、配列番号141(Sh07F01 Kv1−9 F1)、および配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)からなる群から選択される免疫グロブリン軽鎖可変領域、および免疫グロブリン重鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2(07F01)、配列番号12(12B11)、配列番号22(17F06)、配列番号32(18H09)、配列番号42(29B06)、配列番号133(キメラ07F01 C102S)、配列番号135(Sh07F01 Hv3−48)、配列番号137(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)、配列番号143(Sh29B06 Hv4−59)、配列番号、145(Hu29B06 Hv4−59)、および配列番号147(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号4(07F01)、配列番号14(12B11)、配列番号24(17F06)、配列番号34(18H09)、配列番号44(29B06)、配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)、配列番号141(Sh07F01 Kv1−9 F1)、および配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)からなる群から選択される免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号4(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号12(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号14(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号22(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号24(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号32(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号34(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号42(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号44(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号137(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号147(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
一定の実施形態において、本明細書に開示された抗体は、免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号93(07F01)、配列番号97(12B11)、配列番号101(17F06)、配列番号105(18H09)、配列番号109(29B06)、配列番号156(キメラ07F01 C102S IgG1)、配列番号160(キメラ29B06 IgG1)、配列番号164(Sh07F01 Hv3−48 IgG1)、配列番号166(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G IgG1)、配列番号172(Sh29B06 Hv4−59 IgG1)、配列番号174(Hu29B06 Hv4−59 IgG1)、および配列番号176(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F IgG1)からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖、および免疫グロブリン軽鎖を含む。
別の実施形態において、抗体は、配列番号95(07F01)、配列番号99(12B11)、配列番号103(17F06)、配列番号107(18H09)、配列番号111(29B06)、配列番号158(キメラ07F01カッパ)、配列番号162(キメラ29B06カッパ)、配列番号168(HE L 07F01 Kv1−9カッパ)、配列番号170(Sh07F01 Kv1−9 F1カッパ)、および配列番号178(Sh29B06 Kv2−28カッパ)からなる群から選択される免疫グロブリン軽鎖、および免疫グロブリン重鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、(i)配列番号 93(07F01)、配列番号97(12B11)、配列番号101(17F06)、配列番号105(18H09)、配列番号109(29B06)、配列番号156(キメラ07F01 C102S IgG1)、配列番号160(キメラ29B06 IgG1)、配列番号164(Sh07F01 Hv3−48 IgG1)、配列番号166(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G IgG1)、配列番号172(Sh29B06 Hv4−59 IgG1)、配列番号174(Hu29B06 Hv4−59 IgG1)、および配列番号176(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F IgG1)からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖、および(ii)配列番号95(07F01)、配列番号99(12B11)、配列番号103(17F06)、配列番号107(18H09)、配列番号111(29B06)、配列番号158(キメラ07F01カッパ)、配列番号162(キメラ29B06カッパ)、配列番号168(HE L 07F01 Kv1−9カッパ)、配列番号170(Sh07F01 Kv1−9 F1カッパ)、および配列番号178(Sh29B06 Kv2−28カッパ)からなる群から選択される免疫グロブリン軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号93(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号95(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号97(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号99(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号101(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号103(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号105(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号107(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号109(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号111(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号166(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G IgG1)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号168(HE L 07F01 Kv1−9カッパ)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号176(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F IgG1)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号178(Sh29B06 Kv2−28カッパ)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
一定の実施形態において、ヒトRONに結合する単離抗体は、全可変領域に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%同一性であるアミノ酸配列か、または配列番号2(07F01)、配列番号12(12B11)、配列番号22(17F06)、配列番号32(18H09)、配列番号42(29B06)、配列番号133(キメラ07F01 C102S)、配列番号135(Sh07F01 Hv3−48)、配列番号137(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)、配列番号143(Sh29B06 Hv4−59)、配列番号145(Hu29B06 Hv4−59)、または配列番号147(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)のフレームワーク領域配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域を含む。
一定の実施形態において、ヒトRONに結合する単離抗体は、全可変領域に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%同一性であるアミノ酸配列か、または配列番号4(07F01)、配列番号14(12B11)、配列番号24(17F06)、配列番号34(18H09)、配列番号44(29B06)、配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)、配列番号141(Sh07F01 Kv1−9 F1)、または配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)のフレームワーク領域配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
相同性または同一性は、当該技術分野の種々の方法で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)などの市販のコンピューターソフトウェアを用いて、決定することができる。プログラムblastp、blastn、blastx、tblastn、tblastx(参照として援用されたKarlinら、(1990)、PROC.NATL.ACAD.SCI.USA 87、2264−2268;Altschul、(1993)J.MOL.EVOL.36、290−300;Altschulら、(1997)NUCLEIC ACIDS RES.25、3389−3402)により採用された演算を用いるBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)解析を、配列類似性探索用に調整する。BLASTプログラムにより用いられるアプローチは、第一に、照会配列とデータベース配列との間の類似区域を考慮し、次いで、同定される全てのマッチの統計的有意性を評価し、最後に、予備選択した有意性閾値に合うマッチのみを要約するためのものである。配列データベースの類似性探索における基本的問題の考察に関しては、参照として全体が援用されているAltschulら、(1994)NATURE GENETICS 6、119−129を参照されたい。当業者は、比較されている配列の全長にわたって最大のアラインメントに達するために必要な演算など、アラインメント測定用の適切なパラメータを決定することができる。棒グラフ、記述、アラインメント、予想(すなわち、データベース配列に対するマッチを報告するための統計的有意性の閾値)、カットオフ、マトリックスおよびフィルターのための探索パラメータは、デフォルト設定される。blastp、blastx、tblastn、およびtblastxにより用いられるデフォルトスコアリングマトリックスはBLOSUM62マトリックス(参照として完全に援用されているHenikoffら、(1992)PROC.NATL.ACAD.SCI.cUSA 89、10915−10919)である。4つのblastnパラメータは、以下のとおり調整する:Q=10(ギャップ作製ペナルティー);R=10(ギャップ拡張ペナルティー);wink=1(照会に沿った全てのwink.sup.th位置におけるワードヒットを生じる);およびgapw=16(ギャップアラインメントが生じるウィンドウ幅を設定する)。等価Blastpパラメータ設定は、Q=9;R=2;wink=1;およびgapw=32であり得る。探索はまた、NCBI(National Center for Biotechnology Information)BLAST Advanced Optionパラメータ(例えば、:−G、オープンギャップに対するコスト[整数]:デフォルト=ヌクレオチドに関して5/タンパク質に関して11;−E、拡張ギャップに対するコスト[整数]:デフォルト=ヌクレオチドに関して2/タンパク質に関して1;−q、ヌクレオチドミスマッチに対するペナルティー[整数]:デフォルト=−3;−r、ヌクレオチドマッチに対する報酬[整数]:デフォルト=1;−e、予想値[実数]:デフォルト=10;−W、ワードサイズ[整数]:デフォルト=ヌクレオチドに関して11/megablastに関して28/タンパク質に関して3;−y、blast拡張に関するビットの減少(X):デフォルト=blastnに関して20/その他に関して7;−X、ギャップアラインメントに関するX減少値(ビット):デフォルト=全プログラムに関して15、blastnには適用不可;および−Z、ギャップアラインメントに関する最終X減少値(ビット):blastnに関して50、その他に関して25)を用いても実施できる。対タンパク質アラインメントに関するClustalWもまた使用できる(デフォルトパラメータとしては、例えば、Blosum62マトリックスおよびギャップオープニングペナルティー=10およびギャップ拡張ペナルティー=0.1を挙げることができる)。GCGパッケージ版10.0で利用できる配列間の最良適合比較では、DNAパラメータのGAP=50(ギャップ生成ペナルティー)およびLEN=3(ギャップ拡張ペナルティー)を用い、タンパク質比較における等価設定は、GAP=8およびLEN=2である。
先述の実施形態各々において、ヒトRONに一緒に結合する免疫グロブリン重鎖可変領域配列および/または軽鎖可変領域配列は、重鎖および/または軽鎖可変領域のフレームワーク領域に、アミノ酸の改変(例えば、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、または10個のアミノ酸の置換、欠失、または付加)を含有することができる。
一定の実施形態において、抗体は、1nM、900pM、750pM、650pM、600pM、500pM、400pM、300pM、250pM、200pM、150pM、100pM、50pMまたはそれ以下のKでヒトRONに結合する。別に指定しない限り、K値は、実施例5および14に記載された条件下、表面プラズモン共鳴法によって決定される。
抗体Sh29B06−78は、実施例5および14に記載された条件下、表面プラズモン共鳴法によって測定した500pM、250pM、200pM、150pM、100pMまたはそれ以下のKでヒトRONに結合する。例示的な実施形態において、抗体Sh29B06−78は、実施例5および14に記載された条件下、37℃で表面プラズモン共鳴法によって測定した150pM以下のKでヒトRONに結合する。
抗体SH07F01−62は、実施例5および14に記載された条件下、表面プラズモン共鳴法によって測定した500pM、400pM、350pM、300pM、250pM、200pM、150pM、100pMまたはそれ以下のKでヒトRONに結合する。例示的な実施形態において、抗体SH07F01−62は、実施例5および14に記載された条件下、37℃で表面プラズモン共鳴法によって測定した250pMから350pM、またはそれ以下のKでヒトRONに結合する。
一定の実施形態において、抗体は、ヒトRONに対するヒトMSPの結合を阻害する。例えば、抗体は、実施例8および15に記載されたプロトコルを用いてアッセイした場合、約5nM、2nM、1nMまたはそれ以下のIC50(最大阻害の50%における濃度)を有し得る。
実施例に例示した実施形態は、1つは重鎖から、そして1つは軽鎖からの可変領域の対、完全長抗体鎖の対、またはCDR1、CDR2およびCDR3領域の対を含むが、代替実施形態が、抗体の重鎖か軽鎖からの単一の重鎖可変領域、または単一の軽鎖可変領域、単一の完全長抗体鎖、またはCDR1、CDR2およびCDR3領域を含み得ることを、当業者は認識するであろう。一本鎖の単一の可変領域、完全長抗体鎖またはCDR1、CDR2およびCDR3領域は、別の鎖における対応するドメインのスクリーニングするために使用でき、これら二本鎖は抗原に結合する抗体を形成することができる。スクリーニングは、例えば、PCT公開番号国際公開第92/01047号パンフレットに開示された階層二重組合わせ法を用いて、ファージ表示スクリーニング法によって達成できる。この方法では、重鎖または軽鎖クローンのいずれかを含有する個々のコロニーを用いて、別の鎖(軽鎖または重鎖)をコードするクローンの完全ライブラリーに感染させ、得られた二本鎖特異的抗原結合ドメインを、記載されたファージ表示技法に従って選択する。
II.抗体の作製
本明細書に開示されたような抗体を作製する方法は当該技術分野に知られている。例えば、本明細書に提供された配列情報を用いて、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域をコードするDNA分子を化学的に合成することができる。所望の抗体をコードする従来の遺伝子発現構築体を作製するために、合成DNA分子を、例えば、定常領域コード配列、および発現制御配列などの他の適切なヌクレオチド配列に結合することができる。規定された遺伝子構築体の作製は、当該技術分野におけるルーチン技術内にある。あるいは、その配列が本明細書に提供された配列情報、またはハイブリドーマ細胞におけるマウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に関する先行の配列情報に基づいている合成核酸プローブを用い、従来のハイブリダイゼーション技法またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法により、本明細書に提供された配列をハイブリドーマからクローニングすることができる。
所望の抗体をコードする核酸を発現ベクター内に組み込み(結合し)、これを従来のトランスフェクション技法または形質転換技法により宿主細胞に導入することができる。例示的な宿主細胞は、他ではIgGタンパク質を作製しない大腸菌(E.coli)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胚性腎293(HEK 293)細胞、ヒーラ細胞、ベビーハムスター腎(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、ヒト肝癌細胞(例えば、Hep G2)、および骨髄腫細胞である。形質転換した宿主細胞を、宿主細胞に免疫グロブリン軽鎖/重鎖可変領域をコードする遺伝子を発現させる条件下で増殖させることができる。
具体的な発現条件および精製条件は、採用した発現系に依って変わり得る。例えば、遺伝子を大腸菌(E.coli)に発現させる場合、遺伝子を先ず、好適な細菌のプロモータ、例えば、TrpまたはTacの下流に改変遺伝子、および原核生物のシグナル配列を配置することにより発現ベクター内にクローニングする。発現した分泌タンパク質は光屈折性体または封入体の中に蓄積し、フレンチプレスまたは音波処理による細胞の破壊後により得ることができる。次いで光屈折性体を可溶化し、当該技術分野に知られた方法により、タンパク質をリフォールディングさせ、開裂させる。
改変遺伝子をユーカヨティック(eukayotic)の宿主細胞、例えば、CHO細胞中に発現させる場合、それを先ず、好適な真核生物プロモータ、分泌シグナル、IgGエンハンサー、および種々のイントロンを含有する発現ベクターに挿入する。この発現ベクターは、定常領域の全部または一部をコードする配列を任意に含有し、重鎖または軽鎖の全部または一部を発現できる。遺伝子構築体は、慣例的な技法を用いて真核生物の宿主細胞に導入することができる。宿主細胞は、別の機能(例えば細胞毒性)を有する部分と各々結合できるVまたはV断片、V−Vヘテロダイマー、V−VまたはV−V一本鎖ポリペプチド、完全重または軽免疫グロブリン鎖、またはそれらの一部を発現する。いくつかの実施形態において、宿主細胞に、重鎖の全部または一部(例えば、重鎖可変領域)または軽鎖の全部または一部(例えば、軽鎖可変領域)を発現するポリペプチドを発現する単一のベクターをトランスフェクトする。別の実施形態において、宿主細胞に、(a)重鎖可変領域を含むポリペプチドおよび軽鎖可変領域を含むポリペプチド、または(b)完全免疫グロブリン重鎖および完全免疫グロブリン軽鎖、をコードする単一のベクターをトランスフェクトする。さらに別の実施形態において、宿主細胞に、2つ以上の発現べクター(例えば、重鎖または重鎖可変領域の全部または一部を含むポリペプチドを発現する1つの発現ベクターと、軽鎖または軽鎖可変領域の全部または一部を含むポリペプチドを発現するもう1つの発現ベクター)を同時にトランスフェクトする。
免疫グロブリン重鎖可変領域または軽鎖可変領域を含むポリペプチドは、そのような可変領域をコードする発現ベクターをトランスフェクトした宿主細胞を、このポリペプチドを発現させる条件下で増殖させることによって製造することができる。発現後、ポリペプチドは、当該技術分野に周知の技法、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)タグおよびヒスチジンタグなどのアフィニティータグを用いて、採収し、精製することができる。
ヒトRONに結合するモノクローナル抗体または抗体の抗原結合断片は、(a)完全または部分的な免疫グロブリン重鎖をコードする発現ベクター、および完全または部分的な免疫グロブリン軽鎖をコードする別個の発現ベクター;または(b)双方の鎖(例えば、完全または部分的な重鎖および軽鎖)をコードする単一の発現ベクターをトランスフェクトした宿主細胞を、双方の鎖を発現させる条件下で増殖させることによって製造することができる。完全抗体(または抗原結合断片)は、当該技術分野に周知の技法、例えば、プロテインA、プロテインG、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)タグおよびヒスチジンタグなどのアフィニティータグを用いて、採収し、精製することができる。単一の発現ベクターまたは2つの別個の発現ベクターから重鎖および軽鎖を発現することは、当該技術分野の通常の技法の範囲内にある。
III.抗体の改変
抗体および抗体断片の抗原性を低減または除去するための方法は当該技術分野に知られている。抗体をヒトに投与する場合、抗体はヒトにおける抗原性を低減または除去するために、「ヒト化」することが好ましい。ヒト化抗体は、抗原に対して、由来した非ヒト化マウス抗体と同一または実質的に同一な親和性を有することが好ましい。
1つのヒト化アプローチにおいて、マウスの免疫グロブリン定常領域がヒトの免疫グロブリン定常領域で置換されているキメラタンパク質が作出される。例えば、Morrisonら、1984、PROC.NAT.ACAD.SCI.81:6851−6855、Neubergerら、1984、NATURE312:604−608;米国特許第6,893,625号明細書(Robinson);米国特許第5,500,362号明細書(Robinson);および米国特許第4,816,567号明細書(Cabilly)を参照されたい。
CDRグラフティングとして知られているアプローチでは、軽鎖および重鎖の可変領域のCDRが別の種のフレームワーク内に移植される。例えば、マウスのCDRをヒトのFRに移植することができる。いくつかの実施形態において、抗RON抗体の軽鎖および重鎖の可変領域のCDRを、ヒトのFRまたはコンセンサスヒトFR内に移植する。コンセンサスヒトFRを作出するために、ヒトの重鎖または軽鎖のいくつかのアミノ酸配列からのFRをアラインメントして、コンセンサスアミノ酸配列を同定する。CDR移植は、米国特許第7,022,500号明細書(Queen);米国特許第6,982,321号明細書(Winter);米国特許第6,180,370号明細書(Queen);米国特許第6,054,297号明細書(Carter);米国特許第5,693,762号明細書(Queen);米国特許第5,859,205号明細書(Adair);米国特許第5,693,761号明細書(Queen);米国特許第5,565,332号明細書(Hoogenboom);米国特許第5,585,089号明細書(Queen);米国特許第5,530,101号明細書(Queen);Jonesら(1986)NATURE 321:522−525;Riechmannら(1988)NATURE 332:323−327;Verhoeyenら(1988)SCIENCE 239:1534−1536;およびWinter(1998)FEBS LETT 430:92−94に記載されている。
「SUPERHUMANIZATION(商標)」と称されるアプローチでは、ヒトCDR配列は、ヒト化されるマウス抗体のCDRに対するヒトCDRの構造的類似性に基づいて、ヒト生殖細胞系から選択される。例えば、米国特許第6,881,557号明細書(Foote);およびTanら、2002、J.IMMUNOL、169:1119−1125を参照されたい。
免疫原性を低減させる他の方法としては、「リシェーピング」、「超キメラ化」、および「ベニアリング/リサーフェーシング」が挙げられる。例えば、Vaswamiら、1998、ANNALS OFALLERGY,ASTHMA,&IMMUNOL,81:105;Roguskaら、1996、PROT.ENGINEER9:895−904;および米国特許第6,072,035号明細書(Hardman)を参照されたい。ベニアリング/リサーフェーシング法では、マウス抗体中の表面接触可能なアミノ酸残基を、ヒト抗体の同じ位置に見られることがより多いアミノ酸残基によって置換する。このタイプの抗体リサーフェーシングは、例えば、米国特許第5,639,641号明細書(Pedersen)に記載されている。
マウスの抗体を、ヒトにおける医療的使用に好適な形態に変換するための他のアプローチは、哺乳動物細胞に抗体を発現させるためにワクシニアウィルスをベースにしたベクターを含むACTIVMAB(商標)技法(Vaccinex,Inc.、Rochester、NY)として知られている。IgGの重鎖および軽鎖の高レベルな組み合わせ多様性が生じると言われている。例えば、米国特許第6,706,477号明細書(Zauderer);米国特許第6,800,442号明細書(Zauderer);および米国特許第6,872,518号明細書(Zauderer)を参照されたい。
マウスの抗体をヒトにおける使用に好適な形態に変換するための他のアプローチは、KaloBios Pharmaceuticals,Inc.(Palo Alto、CA)により商業的に実施されている技法である。この技法は、抗体選択用の「エピトープ照準」ライブラリーを作製するために、商標つきのヒト「アクセプター」ライブラリーの使用を含む。
マウスの抗体をヒトにおける医療的使用に好適な形態に改変するための他のアプローチは、XOMA(米国)LLCにより商業的に実施されているHUMAN ENGINEERING(商標)技法である。例えば、PCT公開国際公開第93/11794号パンフレットおよび米国特許第5,766,886号明細書(Studnicka);米国特許第5,770,196号明細書(Studnicka);米国特許第5,821,123号明細書(Studnicka)および米国特許第5,869,619号明細書(Studnicka)を参照されたい。
抗体のヒト免疫原性を低減または除去するために、上記のアプローチを含む好適な任意のアプローチを使用することができる。
また、完全ヒト抗体をマウスにおいて作出することが可能である。何らかの非ヒト配列を欠いた完全ヒトmAbsを、例えば、Lonbergら、Nature 368:856−859、1994;Fishwildら、NATURE BIOTECHNOLOGY 14:845−851、1996;およびMendezら、NATURE GENETICS 15:146−156、1997に参照した技法により、ヒト免疫グロブリン遺伝子導入マウスから調製することができる。ヒトAbsはまた、例えば、Knappikら、J.MOL.BIOL.296:57−86、2000;およびKrebsら、J.Immunol.Meth、254:67−84 2001)に参照した技法により、ファージ表示ライブラリーから調製し、最適化することもできる。
抗体を治療薬として使用される場合、標準的なインビトロ共役化学を用いて、抗体を小型分子毒素または放射性核種などのエフェクター剤に共役させることができる。エフェクター剤がポリペプチドの場合、抗体は、エフェクターに化学的に共役させるか、または融合タンパク質としてエフェクターに結合させることができる。融合タンパク質の構築は、当該技術分野の通常技法の範囲内にある。
IV.抗体の使用
本明細書に開示された抗体は、種々の形態の癌、例えば、非小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頚癌、大腸癌、肺癌、膵癌、胃癌、頭部および頚部癌の治療に用いることができる。癌細胞の増殖を阻害または低減させるために、癌細胞を治療的有効量の抗体に曝露する。いくつかの実施形態において、抗体は癌細胞の増殖を、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%または100%抑制する。
いくつかの実施形態において、抗体(例えば、07F01、29B06、17F06、18H09、12B11、sh29B06、sh07F01)は、ヒトRONのそのリガンド、MSPへの結合を阻害することによって、腫瘍細胞の増殖を阻害または低減させる。いくつかの実施形態において、抗体(例えば、07F01、29B06、17F06、18H09、12B11、sh29B06、sh07F01)は、MSPへのRON結合を阻害することなく、腫瘍細胞の増殖を阻害または低減させる。抗体(例えば、07F01、29B06、17F06、18H09、12B11、sh29B06、sh07F01)は治療に用いることもできる。抗体(例えば、07F01、29B06、17F06、18H09、12B11、sh29B06、sh07F01)は、哺乳動物(例えば、ヒト患者)における腫瘍細胞の増殖を抑制するために用いることができる。いくつかの実施形態において、哺乳動物における腫瘍の成長を抑制するための抗体の使用は、哺乳動物に治療的有効量の抗体を投与することを含む。
一定の実施形態において、抗体Sh29B06−78が治療に用いられる。例えば、抗体Sh29B06−78を、腫瘍細胞の増殖を阻害または低減させるために使用することができる。抗体Sh29B06−78はまた、哺乳動物における腫瘍の成長を抑制または低減させるために使用することもできる。
他の実施形態において、抗体Sh07F01−62が治療に用いられる。例えば、抗体Sh07F01−62を、腫瘍細胞の増殖を阻害または低減させるために使用することができる。抗体Sh07F01−62はまた、哺乳動物における腫瘍の成長を抑制または低減させるために使用することもできる。
RONの過剰発現または不適切な活性化に関連した癌としては、非小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、大腸癌、膵癌、膀胱癌、いくつかの形態の脳癌、黒色腫、および胃腸癌が挙げられる。
本明細書に用いられる「治療する」、「治療すること」および「治療」は、哺乳動物、例えばヒトにおける疾病の治療を意味する。これには、(a)疾病の抑制、すなわち、その発現の阻止;および(b)疾病の緩和、すなわち、疾病状態の退行が含まれる。
一般に、活性成分の治療的有効量は、0.1mg/kgから100mg/kg、例えば、1mg/kgから100mg/kg、1mg/kgから10mg/kgの範囲にある。投与量は、疾病のタイプおよび程度、または治療される適応症、患者の全体的健康、抗体のインビボ効力、薬剤の剤形、および投与経路などの変数に依存する。最初の投与量は、組織レベルの所望の血中濃度を速やかに達成するために、上限レベルを超えて増加させることができる。あるいは、最初の投与量を最適量より少なくでき、治療経過中に徐々に増加させてもよい。ヒトの投与量は、0.5mg/kgから20mg/kgで操作するようにデザインされた慣例的な第I相段階的用量増加試験において最適化することができる。投与頻度は、投与経路、投与量、および治療されている疾病などの要因に依って変わり得る。例示的な投与頻度は、1日1回、週1回および2週に1回である。いくつかの実施形態において、投与は2週に1回である。好ましい投与経路は、非経口、例えば、静脈内注入である。モノクローナル抗体ベースの薬剤の製剤化は、当該技術分野の通常の技法の範囲内にある。いくつかの実施形態において、抗体は凍結乾燥され、投与時に緩衝生理食塩水中で再構成される。
治療的使用では、抗体は薬学的に許容できる担体と組み合わせることが好ましい。本明細書で用いられる「薬学的に許容できる担体」は、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題または合併症がなく、利益/危険性の比率が釣り合っている、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に好適な緩衝剤、担体、および賦形剤を意味する。担体は、製剤の他の成分に適合性であり、レシピアントに対して有害でないという意味で「許容できる」必要がある。薬学的に許容できる担体としては、薬剤投与に適合性である緩衝剤、溶媒、分散媒体、コーティング剤、等張化剤および吸収遅延化剤などが挙げられる。薬学的活性物質に対するこのような媒体および試剤の使用は当該技術分野に知られている。
本明細書に開示されたものなどの抗体を含有する製薬組成物は、用量単位形態で提供でき、好適な方法により調製することができる。製薬組成物は、意図された投与経路に適合性であるように製剤化すべきである。投与経路の例には、静脈内(IV)投与、皮内投与、吸入投与、経皮投与、局所投与、経粘膜投与、および直腸投与がある。モノクローナル抗体の好ましい投与経路は、IV注入である。有用な製剤は、製薬業界でよく知られた方法によって調製することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18th ed.(Mack Publishing Company、1990)を参照されたい。非経口投与に好適な製薬成分としては、注射用の水、生理食塩溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール類、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;EDTAなどのキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝剤;および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張化剤が挙げられる。
静脈内投与のために好適な担体としては、生理食塩水、静菌性水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。担体は製造および貯蔵の条件下で安定であるべきであり、微生物に抗して保存すべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、およびそれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒体であり得る。
製薬製剤は滅菌されていることが好ましい。滅菌は、例えば、滅菌濾過膜を通した濾過によって達成できる。組成物が凍結乾燥される場合、凍結乾燥および再構成の前または後に、濾過滅菌を実施することができる。
以下の実施例は単に例示的なものであり、決して本発明の範囲または内容の限定は意図されていない。
実施例1:ヒトRON細胞外ドメイン(ECD)の製造
本実施例では、抗原、hRON ECDタンパク質の作製を記載する。免疫原として完全長ECDを使用することにより、以下の2つのクラスのハイブリドーマの選択が可能になった:(a)リガンド結合ドメインと相互作用し、そのことによって、受容体に対するリガンドの接触を阻害する抗体を製造するもの;および(b)リガンド結合ドメインの外で結合し、そのことによって、リガンド結合の阻害以外の機構により、受容体機能を阻害するもの。
ヒトRONの細胞外ドメイン(hRON ECD)をコードするDNA(参照配列NM_002447)は、PCRによって増幅し、XmaI/EcoRI制限部位インフレームを用いて、THXmFC(トロンビン/Hisタグ/Factor Xa−AJマウスIgG−Fc)を含有するpEE14.4ベクター(Lonza、Basel、Switzerland)にサブクローニングし、融合タンパク質を製造する。得られたクローンをPvuI酵素(NEBBiolabs、カタログ番号R0150)を用いて直線化してから、CHOK1SV細胞(Lonza)内に電気穿孔した。電気穿孔した細胞を、200mlのCD CHO媒体(Gibco、カタログ番号10743−011)中に希釈した。翌日、最終濃度50μMのメチオニンスルホキシミン(MSX)を含有するCD CHO培地を細胞に加えた。4週間後、固定化抗体が市販のモノクローナル抗hRON抗体MAB691(R&D Systems)であり、検出抗体が市販のポリクローナル抗hRON抗体AF691(R&D Systems)であるサンドイッチELISAにより、陽性クローンを選択した。陽性クローンは、標準的プロトコルにおいて、Lipofectamine(商標)2000を用いて、再トランスフェクトした。細胞を4つの別個のシェーカーフラスコに分取し、50μM、100μM、200μM、および400μMのMSXを用いて選択した。2週間の選択後、個々のフラスコを、hRON−ECDタンパク質発現に関して、ELISAによりチェックした。最高選択圧、400μM MSXにより良好なタンパク質発現が得られたため、スケールアップと精製に選択した。細胞は、CD CHO媒体中、2〜2.5×10細胞/mlの濃度で、BelloCell Bottles(Bellco Glass、Vineland、NJ)中、37℃で2週間、増殖させ、タンパク質製造のための最終濃度を80μM MSXとした。得られた細胞を500mlの円錐管中、15分間遠心沈殿させた。0.45ミクロンのフィルター、次いで0.22ミクロンのフィルターを使用する減圧濾過を用いて、上澄液を濾過した。次いでタンパク質のpHを7.5に調整した後、4℃で攪拌しながら、ProSepAビーズ(Millipore)に、一晩バッチ結合させた。ビーズを1×PBSにより洗浄し、使い捨てタンパク質Aアフィニティーカラム(Bio−Rad Econo−Pacカラム;Bio−Radカタログ番号732−1010)に装填した。10カラム容量(CV)のグリシン結合用緩衝液(3Mのグリシン、pH9.0、1MのNaCl)によりビーズを洗浄した。次いで、200mMのグリシン、pH2.5の酸性溶出用緩衝液の5〜10CVを用いて、タンパク質をカラムから溶出させた。次いで、Vivaspin濃縮機(Sartorius Stedim Biotech)を用いて濃縮した1.0Mのトリス、pH8.0の中和緩衝液1.3mLを用いて、サンプルを中和した。
実施例2:抗RON抗体
本実施例では、抗hRONモノクローナル抗体の作製を記載する。Repetitive Immunization Multiple Sites(RIMMS)プロトコルに従って、Maine Biotechnology Services Inc.(Portland、ME)において、免疫化、融合、および一次スクリーニングを実施した。5匹のAJマウスおよび5匹のBalb/cマウスを、組換えヒトRON細胞外ドメイン(hRON−ECD)により免疫化した。Enzyme Linked Immunosorbent Assay(ELISA)により最高の抗RON活性を示す血清を有する2匹のBalb/cマウスを、引き続く融合に選択した。適切なマウスから脾臓およびリンパ節を採取した。B細胞を採取して、骨髄腫系に融合した。融合産物を、近クローン性へ40の96ウェルプレートに連続的に希釈した。
組換えhRON−ECDへの結合のため、細胞融合物からおよそ4,000の上澄液をスクリーニングした。RONに対する抗体を含有する合計158の上澄液を、下記の通り、インビトロ生化学的アッセイおよび細胞ベースのアッセイによりさらに特性化した。ハイブリドーマの一群を選択し、サブクローニングし、増加させた。抗体発現および標準的条件下、Protein G樹脂上でのアフィニティークロマトグラフィーによる精製のため、ハイブリドーマ細胞系をBioXCell(West Lebanon、NH)に移した。
実施例3:スクリーニングアッセイ
リガンド結合を阻害する抗体を同定するために、生化学的アッセイを実施した。受容体のMSP誘導ホスホERK下流シグナル伝達を阻害する抗体を同定するために、細胞ベースのアッセイを実施した。中和アッセイにおけるリガンド結合をブロックするかどうかには関わりなく、さらなる特性化のために、RON媒介細胞シグナル伝達を阻害した抗体を選択した。
生化学的中和アッセイでは、電気化学発光(ECL)を用い、ハイブリドーマ上澄液において、hRONに対するMSP結合の抗体による阻害を測定する。MA2400の96ウェル高結合プレート(Meso Scale Discovery)を、室温で1時間、攪拌しながら、PBS中、0.42μg/mLのhRON SEMA+PSI(hRONのECDのN末端部分;R&D Systems)25μlによりコーティングした。プレートを、PBS+0.1%Tween−20(PBST)で4回洗浄し、150μlのチャコール除去ウシ胎仔血清(FBS)(Gibco)によりブロックした。ハイブリドーマ上澄液を加え、室温で45分間インキュベートした。インキュベーション後、チャコール除去FBS中、5μlのMSP(3μg/mL)を各ウェルに加え、45分間インキュベートした。プレートをPBSTにより4回洗浄し、1μg/mLのビオチン化抗MSP抗体(R&D Systems)25μlを、室温で1時間、攪拌しながらプレートに加えた。プレートをPBSTにより4回洗浄し、1μg/mLのST−ストレプトアビジン(Meso Scale Discovery)25μlにより、室温で1時間、攪拌しながらインキュベートした。プレートをPBSTで4回洗浄し、各ウェルに150μlのリード緩衝液(Meso Scale Discovery)を加えてから、Sector Imager2400(Meso Scale Discovery)計測器でプレートを分析した。この中和アッセイにおいて、抗体07F01、18H09および29B06は各々、hRON SEMA+PSIに対するMSP結合をブロックした。
細胞ベースのアッセイにおいて、ハイブリドーマ上澄液中の抗体を、RON下流シグナル伝達分子であるERKのMSP誘導リン酸化阻害に関して試験した。RPMI 1640+10%FBS+インスリン中、96ウェルプレートにおいてT47D細胞を培養した。培地を除去し、細胞を無血清培地中、24時間インキュベートした。RON抗体を含有するハイブリドーマ上澄液を無血清培地中、1:4の希釈で細胞に加え、37℃で1時間、インキュベートした。MSP(5nM)をウェルに加え、15分間インキュベートした。培地を除去し、PBS中4%のパラホルムアルデヒド(PFA)中で細胞を固定した。供給業者の取扱い説明書(R&D Systems、DY1018)に従って、ERKとホスホ−ERKの合計を測定した。抗体07F01、12B11、17F06、18H09および29B06は各々、T47D細胞におけるMSP誘導ERKリン酸化を阻害した。
本明細書で検討した通り(実施例8および9を参照)、中和アッセイにおいて、抗体07F01、12B11、17F06、18H09および29B06は各々、T47D細胞におけるMSP誘導ERKリン酸化を阻害したが、抗体07F01、18H09および29B06のみが各々、hRON SEMA+PSIに対するMSP結合を阻害した。このことは、抗体12B11と17F06は、hRON SEMA+PSIドメインに対するMSPの結合を中和せず、全RON細胞外ドメインのコンテキストにおいて、RONに対するMSPの結合を中和するか、またはRONに対するMSPの結合以外の機構によって機能することを示唆している。
実施例4:抗体配列の解析
IsoStrip(商標)Mouse Monoclonal Antibody Isotyping Kitを用い、供給業者の取扱い説明書(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)に従って、実施例2における各モノクローナル抗体の軽鎖アイソタイプおよび重鎖アイソタイプを決定した。抗体は全て、カッパまたはラムダの軽鎖およびIgG1またはIgG2aの重鎖であることが分かった。
マウスモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖の可変領域は、5’RACE(cDNA端の高速増殖)を用いて配列決定した。RNeasy(登録商標)Miniprepキットを用い、キット供給業者の取扱い説明書(Qiagen、Valencia、CA)に従って各モノクローナルハイブリドーマ細胞系から総RNAを抽出した。GeneRacer(商標)Kit(Invitrogen、Carlsbad CA)またはSMARTer(商標)RACE cDNAAmplification Kit(Clontech、Mountain View、CA)のいずれかを用い、キット供給業者の取扱い説明書に従い、5’RACEにはランダムプライマーを用いて、5’端を含有する完全長第一鎖cDNAを作出した。
KOD Hot Start Polymerase(EMD Chemicals、Gibbstown、NJ)、Expand High Fidelity PCR System(Roche Applied Science)、またはAdvantage 2 Polymerase Mix(Clontech)を用い、キット供給業者の指示に従い、軽鎖(カッパまたはラムダ)および重鎖(IgG1またはIgG2b)の可変領域を、PCRによって増幅した。GeneRacer(商標)Kit、GeneRacer(商標)5’Primerと関連させた5’cDNA端の増幅には、5’プライマーとして、5’cgactggagcacgaggacactga3’(配列番号112)(Invitrogen)を用いた。SMARTer(商標)RACE cDNA Amplification Kit、Universal Primer Mix Aプライマー(Clontech)と関連させた5’cDNA端の増幅には、5’プライマーとして、5’ CTAATACGACTCACTATAGGGCAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT 3’(配列番号113)および5’ CTAATACGACTCACTATAGGGC 3’(配列番号114)の混合物を用いた。重鎖可変領域は、上記の5’プライマーおよび3’IgG1定常領域特異的プライマーである5’ TATGCAAGGCTTACAACCACA 3’(配列番号115)または3’IgG2a定常領域特異的プライマーである5’ AGGACAGGGCTTGATTGTGGG 3’(配列番号116).を用いて増幅した。カッパ鎖可変領域は、上記の5’プライマーおよび3’カッパ定常領域特異的プライマーである5’ CTCATTCCTGTTGAAGCTCTTGACAAT 3’(配列番号117)を用いて増幅した。ラムダ鎖可変領域は、上記の5’プライマーおよび3’ラムダ定常領域特異的プライマーである5’GCACGGGACAAACTCTTCTC 3’(配列番号118)と5’ CACAGTGTCCCCTTCATGTG 3’(配列番号119)との混合物を用いて増幅した。
個々のPCR産物は、アガロースゲル電気泳動法により単離し、Qiaquick(登録商標)Gel Purificationキットを用い、キット供給業者の取扱い説明書(Qiagen)に従って精製した。引き続き、PCR産物を、pCR(登録商標)4BluntプラスミドまたはpCR2.1(登録商標)TOPOプラスミド内に、それぞれZero Blunt(登録商標)TOPO(登録商標)PCR Cloning KitまたはTOPO(登録商標)TA Cloning Kitを用い、キット供給業者の取扱い説明書(Invitrogen)に従って、クローン化し、標準的な分子生物学技法によりDH5−α細菌(Invitrogen)内に形質転換した。形質転換した細菌クローンから単離したプラスミドDNAを、標準的なジデオキシDNA配列決定法を用い、Beckman Genomics(Danvers、MA)によるM13正プライマー、(5’ GTAAAACGACGGCCAGT 3’)(配列番号120)およびM13逆プライマー、(5’ CAGGAAACAGCTATGACC 3’)(配列番号121)を用いて配列決定して、可変領域配列の配列を同定した。配列は、Vector NTIソフトウェア(Invitrogen)およびIMGT/V−Questウェブサーバーを用いて解析し、可変領域配列を同定し、確認した。
マウスのモノクローナル抗体の可変領域をコードする核酸配列および規定するタンパク質配列を以下に示す(アミノ末端シグナルペプチド配列は示されていない)。CDR配列(Kabatの定義)は、アミノ酸配列中、太字と下線で示されている。
07F01抗体の重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号1)
Figure 2013533746
07F01抗体の重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号2)
Figure 2013533746
07F01抗体のカッパ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号3)
Figure 2013533746
07F01抗体のカッパ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号4)
Figure 2013533746
12B11抗体の重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号11)
Figure 2013533746
12B11抗体の重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号12)
Figure 2013533746
12B11抗体のカッパ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号13)
Figure 2013533746
12B11抗体のカッパ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号14)
Figure 2013533746
17F06抗体の重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号21)
Figure 2013533746
17F06抗体の重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号22)
Figure 2013533746
17F06抗体のラムダ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号23)
Figure 2013533746
17F06抗体のラムダ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号24)
Figure 2013533746
18H09抗体の重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号31)
Figure 2013533746
18H09抗体の重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号32)
Figure 2013533746
18H09抗体のラムダ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号33)
Figure 2013533746
18H09抗体のラムダ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号34)
Figure 2013533746
29B06抗体の重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号41)
Figure 2013533746
29B06抗体の重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号42)
Figure 2013533746
29B06抗体のカッパ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号43)
Figure 2013533746
29B06抗体のカッパ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号44)
Figure 2013533746
実施例2で作製した抗体に関して、免疫グロブリン重鎖可変領域を規定するアミノ酸配列は、図2にアラインメントさせてある。アミノ末端シグナルペプチド配列(発現/分泌に関する)は示されていない。CDR、CDRおよびCDR(Kabatの定義)は、枠で識別してある。図3は、各抗体に関する個々のCDR、CDRおよびCDR配列のアラインメントを示す。
実施例2における抗体の免疫グロブリン軽鎖可変領域を規定するアミノ酸配列は、図4にアラインメントさせてある。アミノ末端シグナルペプチド配列(発現/分泌に関する)は示されていない。CDR、CDRおよびCDRは、枠で識別してある。図5は、各抗体に関する個々のCDR、CDRおよびCDR配列のアラインメントを示す。
表1は、本実施例において検討した各配列の配列番号を示している。
Figure 2013533746
Figure 2013533746
マウスモノクローナル抗体重鎖CDR配列(Kabat、Chothia、およびIMGT定義)は、表2に示す。
Figure 2013533746
マウスモノクローナル抗体カッパ軽鎖CDR配列(Kabat、Chothia、およびIMGT定義)は、表3に示す。
Figure 2013533746
完全重鎖またはカッパ鎖抗体配列を作出するために、上記の各可変配列を、それぞれの定常領域と組み合わせる。例えば、完全重鎖は、重可変配列に引き続いて、マウスIgG1またはIgG2a重鎖定常配列を含み、完全カッパ鎖は、カッパ可変配列に引き続いて、マウスカッパ軽鎖定常配列を含み。完全ラムダ鎖は、ラムダ可変配列に引き続いて、マウスラムダIGLC1またはIGLC2軽鎖定常配列を含む。
マウスIgG1重鎖定常領域をコードする核酸配列(配列番号82)
Figure 2013533746
マウスIgG1重鎖定常領域を規定するタンパク質配列(配列番号83)
Figure 2013533746
マウスIgG2a重鎖定常領域をコードする核酸配列(配列番号84)
Figure 2013533746
マウスIgG2a重鎖定常領域を規定するタンパク質配列(配列番号85)
Figure 2013533746
マウスカッパ軽鎖定常領域をコードする核酸配列(配列番号86)
Figure 2013533746
マウスカッパ軽鎖定常領域を規定するタンパク質配列(配列番号87)
Figure 2013533746
マウスラムダ(IGLC1)軽鎖定常領域をコードする核酸配列(配列番号88)
Figure 2013533746
マウスラムダ(IGLC1)軽鎖定常領域を規定するタンパク質配列(配列番号89)
Figure 2013533746
マウスラムダ(IGLC2)軽鎖定常領域をコードする核酸配列(配列番号90)
Figure 2013533746
マウスラムダ(IGLC2)軽鎖定常領域を規定するタンパク質配列(配列番号91)
Figure 2013533746
以下の配列は、本実施例に記載した各抗体に関する実際の、または想定された完全長重鎖および軽鎖の配列(すなわち、可変領域と定常領域双方の配列を含有する)を表す。抗体の適切な分泌に関するシグナル配列(例えば、DNA配列の5’端またはタンパク質配列のアミノ末端のシグナル配列)は、本明細書に開示した完全長重鎖および軽鎖配列には示されておらず、最終分泌タンパク質には含まれない。また、DNA配列の3’端において必要な翻訳終止のための停止コドンも示されていない。開示された完全長IgG重鎖および軽鎖配列発現のためのシグナル配列および/または停止コドンの選択は、当該技術分野の通常の技法の範囲内にある。また、活性完全長IgG重鎖および軽鎖を作製するために、可変領域配列を、他の定常領域配列と結合し得ることも想定される。
07F01の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)をコードする核酸配列(配列番号92)
Figure 2013533746
07F01の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号93)
Figure 2013533746
07F01の完全長軽鎖配列(カッパ鎖可変領域および定常領域)をコードする核酸配列(配列番号94)
Figure 2013533746
07F01の完全長軽鎖配列(カッパ鎖可変領域および定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号95)
Figure 2013533746
12B11の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)をコードする核酸配列(配列番号96)
Figure 2013533746
12B11の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号97)
Figure 2013533746
12B11の完全長軽鎖配列(カッパ鎖可変領域および定常領域)をコードする核酸配列(配列番号98)
Figure 2013533746
12B11の完全長軽鎖配列(カッパ鎖可変領域および定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号99)
Figure 2013533746
17F06の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG2A定常領域)をコードする核酸配列(配列番号100)
Figure 2013533746
17F06の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG2A定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号101)
Figure 2013533746
17F06の完全長軽鎖配列(ラムダ鎖可変領域および定常領域(IGLC2))をコードする核酸配列(配列番号102)
Figure 2013533746
17F06の完全長軽鎖配列(ラムダ鎖可変領域および定常領域(IGLC2))を規定するタンパク質配列(配列番号103)
Figure 2013533746
18H09の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)をコードする核酸配列(配列番号104)
Figure 2013533746
18H09の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号105)
Figure 2013533746
18H09の完全長軽鎖配列(ラムダ鎖可変領域および定常領域(IGLC1))をコードする核酸配列(配列番号106)
Figure 2013533746
18H09の完全長軽鎖配列(ラムダ鎖可変領域および定常領域(IGLC1))を規定するタンパク質配列(配列番号107)
Figure 2013533746
29B06の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)をコードする核酸配列(配列番号108)
Figure 2013533746
29B06の完全長重鎖配列(重鎖可変領域およびIgG1定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号109)
Figure 2013533746
29B06の完全長軽鎖配列(カッパ鎖可変領域および定常領域)をコードする核酸配列(配列番号110)
Figure 2013533746
29B06の完全長軽鎖配列(カッパ鎖可変領域および定常領域)を規定するタンパク質配列(配列番号111)
Figure 2013533746
表4は、本実施例において検討した抗体の完全長配列と配列一覧表との間の対応を示す。
Figure 2013533746
実施例5:結合親和性
組換えヒトRON−ECD/mFc融合タンパク質(rhRON ECD/mFc)および組換えヒトRON SEMAとPSIドメイン(ヒトRON SEMA+PSI)(R&D Systems,Inc.、Minneapolis、MN)に対する抗体07F01、29B06、17F06、18H09、および12B11の結合親和性および結合動態は、Biacore(登録商標)T100計測器(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を用い、表面プラズモン共鳴により測定した。
ウサギ抗マウスIgG類(GE Healthcare)を、カルボキシメチル化デキストラン CM4センサーチップ(GE Healthcare)に、標準的プロトコルに従って免疫化した。移動用緩衝液として、0.05%の界面活性剤P20を含有するPBSを用い、25℃および37℃での分析を実施した。抗体は、10μl/分の流速で、個々のフローセルに捕捉された。注射時間は各抗体で変え、30RUと60RUとの間のRmaxを得た。必要な場合は、タンパク質のFc部分に対する抗体の非特異的結合をブロックするために、250μg/mLのマウスFcを、30μl/分で120秒間注入した。緩衝液は、移動用緩衝液で希釈したrhRON ECD/mFcまたはrhRON SEMA+PSIを、参照表面(抗体捕捉無し)および活性表面(試験抗体)上に、60μl/分で300秒間、連続的に注入した。解離相を3600秒までモニタリングした。次いで、表面を、60μl/分の流速で、10mMのグリシン−HCl、pH1.7の60秒の注入2回によって再生した。試験したrhRON ECD/mFcまたはrhRON SEMA+PSIの濃度範囲は、0.625nMから20nMであった。
二重参照減算(double reference subtraction)でBIA評価ソフトウェア(GE Healthcare)の動態関数を用い、動態パラメータを決定した。各抗体に関する動態パラメータ、k(結合速度定数)、k(解離速度定数)およびK(平衡解離定数)を決定した。25℃および37℃におけるrhRON ECD/mFc上のモノクローナル抗体の動態値を表5に要約する。
Figure 2013533746
表5のデータは、抗体07F01、29B06、17F06、18H09、および12B11が、約1nM以下、750pM以下、650pM以下、600pM以下、500pM以下、400pM以下、300pM以下、250pM以下、200pM以下、150pM以下、100pM以下、または50pM以下のKでrhRON ECD/mFcに結合することを示している。
25℃および37℃でのrhRON SEMA+PSIに対するモノクローナル抗体の動態値は、表6に要約する。
Figure 2013533746
表6のデータは、抗体07F01、29B06、17F06および18H09が、約1nM以下、750pM以下、650pM以下、600pM以下、500pM以下、400pM以下、300pM以下、250pM以下、200pM以下、150pM以下、100pM以下、75pM以下、50pM以下、または10pM以下のKでrhRON SEMA+PSIに結合することを示している。抗体12B11は、rhRON SEMA+PSIに結合しなかった。
細胞表面ヒト野生型RONおよびデルタ160RON変異体に対する抗体29B06と07F01による結合を、Fluorescence Activated Cell Sorting(FACS)を用い、4℃で測定した。ヒト野生型RONを発現するPC3細胞、およびデルタ160変異体を発現するHT29細胞は、細胞解離緩衝液(Invitrogen)を用いて採取し、FACS緩衝液(0.5%のBSAを有するPBS)により2回洗浄し、Cyto Q Antibody希釈液およびFC受容体ブロック(Innovex Bioscience、Richmond、CA)により10分間処理した。精製抗体を、0.02nMから40nMの濃度範囲にわたり、FACS緩衝液中に希釈した。細胞を、100μlの抗体で1時間インキュベイションし、FACS緩衝液で3回洗浄し、ヤギ抗マウスPE結合抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、PA)と共に、45分間インキュベートした。細胞を、FACS緩衝液で3回洗浄し、300μlのFACS緩衝液中に再懸濁し、Beckman Coulter Cytomics FC 500 FACS計測器を用いて分析した。結果は表7に要約する。
Figure 2013533746
表7の結果は、抗体29B06と07F01が、野生型RONとデルタ160RON変異体の双方に、細胞表面上、同様の親和性で結合することを示している。
実施例6:細胞表面結合
抗体07F01、12B11、17F06、18H09、および29B06に関して、FACSを用い、細胞表面野生型RONおよびデルタ160RONに対する4℃における結合を、測定した。細胞解離用緩衝液(Invitrogen)を用い、野生型RONを発現する細胞(PC3)およびデルタ160RONを発現する細胞(HT−29)を採取し、FACS緩衝液(0.5%BSA PBS)により2回洗浄し、CytoQ Antibody希釈液およびFC受容体ブロック(Innovex)により処理した。精製抗体を、10μg/mlの濃度で、FACS緩衝液中に希釈した。細胞を、100μlの抗体混合物と共に1時間インキュベートし、FACS緩衝液により3回洗浄し、ヤギ抗マウスPE結合抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories)と共に45分間インキュベートした。細胞を、FACS緩衝液により3回洗浄し、300μlのFACS緩衝液中に再懸濁し、Beckman Coulter Cytomics FC 500 FACS計測器を用いて分析した。マウスIgG対照と比較した結合パーセントを表8に要約する。
Figure 2013533746
表8の結果は、抗体07F01、29B06、17F06、18H09、および12B11が、細胞表面上発現した野生型RONとデルタ160RON変異体の双方に結合することを示している。
実施例7:受容体インターナリゼーション
FACSを用いて、抗体刺激受容体インターナリゼーションを測定した。野生型RON受容体の抗体刺激インターナリゼーションを測定するために、PC3細胞を用いた。デルタ160RON受容体変異体に関しては、HT−29細胞を用いた。抗体を先ず、R−Phycocerthrin(Prozyme、カタログ番号PJ31K)に結合した。細胞は全てPBSで洗浄し、CytoQ Antibody希釈液およびFC受容体ブロック(Innovex)によって処理した。細胞を抗体(10μg/ml)と共に、37℃または4℃で2時間インキュベートした。細胞を4℃に移し、酸性溶液(0.5MのNaCl、0.18Mの酢酸、0.5%のアジ化ナトリウム)で洗浄して細胞表面に残留している抗体を除去し、BD cytofix/cytoperm Plusキット(BD Biosciences、カタログ番号555028)を用いて固定し、インターナリゼーションによって細胞内に保持された抗体を測定した。37℃で細胞は抗体媒介受容体インターナリゼーションを受けることができるが、この過程は4℃の低温で阻害されるため、ベースライン(インターナリゼーション無し)として役立つ。Beckman Coulter Cytomics FC 500 FACS計測器を用いて、細胞を分析した。37℃で得られたものと比較した4℃での抗RON蛍光強度中央値(MFI)の低下および棒グラフの左方シフトにより、抗体誘導受容体インターナリゼーションが示される。37℃でのMFIから4℃でのMFIを差し引くことにより、受容体インターナリゼーションを定量化した。結果は表9に要約する。
Figure 2013533746
これらの結果は、野生型RONを発現するPC−3細胞において、抗体29B06、07F01および12B11が、受容体インターナリゼーションを誘導することを示している。デルタ160 RON変異体を発現するHT−29細胞においては、07F01と12B11のみが受容体インターナリゼーションを誘導する。
実施例8:MSP−RON結合の阻害
抗体07F01、12B11、17F06、18H09、および29B06を、実施例3に記載した電気化学発光(ECL)アッセイにより測定した際の、hRON SEMA+PSIに対するMSP結合の阻害に関して試験した。抗体(濃度範囲:0.006〜10μg/mL)を、室温で45分間インキュベートした。
MSP−hRON結合相互作用は、抗体07F01、18H09、および29B06によって阻害されたが、抗体17F06および12B11によっては阻害されなかった(図6)。抗体(IgG1)に関するIC50および最大阻害パーセント値は表10に示す。
Figure 2013533746
表10の結果により、抗体07F01、18H09、および29B06は、hRON SEMA+PSIに対するMSP結合をブロックするが、抗体12B11および17F06はブロックしないことが示される。
実施例9:抗RON抗体による下流シグナル伝達の阻害
実施例3に記載した細胞ベースのアッセイを用いて、RON下流シグナル伝達分子であるERKのMSP依存性リン酸化の阻害に関して、抗体07F01、12B11、17F06、18H09、および29B06を試験した。RPMI中の抗体(濃度範囲:0.006〜10μg/mL)を細胞に加え、37℃で1時間インキュベートした。
抗体07F01、12B11、17F06、18H09、および29B06によるERKリン酸化の用量依存性阻害を表11および図7に示す。
Figure 2013533746
表11および図7の結果により、抗体12B11および17F06はRONに対するMSP結合を効果的にはブロックしないが、抗体07F01、18H09、29B06、12B11および17F06は、T47D乳癌細胞系におけるMSP誘導ERKリン酸化を阻害することが示されている(実施例3および実施例8を参照)。
実施例10:MSP依存性細胞移動の阻害
MSP依存性細胞移動の阻害に関して、抗体07F01、18H09、29B06、12B11および17F06を試験した。HPAF−II膵癌細胞(ATCC)を、低血清条件(1%のFBS、MEM)下、一晩インキュベートした。細胞をトリプシン化し、カウントし、BD 96ウェルFluoroBlok(商標)プレート(Becton Dickinson)の上部チャンバ内に、45μlの1%のFBS/MEM中、50,000/ウェルの濃度で入れた。抗体を2μg/mlの濃度で加え、細胞を2時間インキュベートした。下部チャンバは、1%のFBS MEM(200μl)および1nMのMSPを含有し、細胞は24時間インキュベートした。下部チャンバに4μg/mlの最終濃度でCalcien Dyeを加え、引き続き、1時間インキュベートすることにより移動細胞数を測定した。蛍光強度は、Wallace 1420機器(Perkin Elmer)を用いて測定した。ベースラインの蛍光測定は、MSPの非存在下で行った。阻害パーセントは、以下の式を用い、ベースラインに対する抗体処理サンプルと抗体非処理のサンプルを比較することにより測定した:100−(抗RON抗体処理−ベースライン)/(対照huIgG処理−ベースライン)100。抗体07F01、18H09、29B06、12B11、および17F06によるMSP誘導HPAFII細胞移動の阻害に関する結果は、表12および図8に要約する。
Figure 2013533746
表12の結果から、たとえ12B11および17F06は、RONに対するMSPの結合を有効にはブロックしないものの、抗体07F01、18H09、29B06、12B11および17F06が、HPAF−IIの膵癌細胞系におけるMSP依存細胞移動を阻害することが示されている。
実施例11:野生型RON依存性腫瘍モデルの成長抑制
野生型RON駆動腫瘍成長の定方向相補性モデルにおいて、腫瘍成長の抑制を試験した。Robinsonらの米国特許第7,556,796号明細書に記載されたとおり「定方向相補性」腫瘍を得た。野生型ヒトRONをコードするcDNAを、レトロウィルス移入によってBH3腫瘍細胞に導入した。次に、トランスフェクトした腫瘍細胞をレシピエントマウスに皮下移植した。BH3腫瘍の増殖は、誘導されなかった誘導性HER2遺伝子の発現に依存した。したがって、RON遺伝子が、非誘導HER2遺伝子を機能的に相補した場合のみ、腫瘍は成長すると考えられる。定方向相補性腫瘍の成長が見られた。薬効試験用に十分な腫瘍材料を作り出すために原発腫瘍をインビボ増殖させた。定方向相補性腫瘍に関する品質管理には、RON発現用にRT−PCR、およびタンパク質発現用に免疫組織化学(IHC)が含まれた。腫瘍は、約1.5×10個細胞/バイアルの凍結保存アリコートとして貯蔵した。これらの腫瘍を解凍し、一度洗浄し、HBS+マトリゲル中に再懸濁し、皮下注射した。腫瘍は、ノギスを用いて週2回測定した。腫瘍容積は、式:幅×幅×長さ/2を用いて算出した。腫瘍が約150mmに達したら、マウスを、各々10匹の5群に無作為化した。各群(各々10匹のマウス)は、全て20mg/kgで以下の抗体:07F01、29B06、12B11、もしくは18H09、またはマウスIgG対照のうち、1つの処置を受けた。処置は、週2回で2週間腹腔内注射により投与した。抗体29B06と07F01は、50%超の腫瘍成長抑制(「TGI」)を生じた(P<0.001)が、抗体18H09と12B11は、それぞれ25%と29%のTGIを示した(図9)。全ての処置で、有意な体重減少がなく、耐容性は良好であった。
29B06と07F01の処置後のRON受容体レベルにおける薬力学的変化を評価した。腫瘍を、20mg/kgの以下の抗体:mIgG(対照)、29B06または07F01で処置し、24時間目または48時間目で採取した。採取後、腫瘍を、プロテアーゼ阻害剤(Roche、カタログ番号04693159001)およびホスファターゼ阻害剤IならびにII(Sigma、カタログ番号P2350およびP5726)を含有する標準RIPA緩衝液(Boston Bioproducts、カタログ番号BP−115)中に溶解した。溶解液を澄明にし、タンパク質濃度を測定した。総RONに関するウェスタンブロットは、ポリクローナル坑RON抗体(Santa Cruz、カタログ番号sc−322)を用いて実施した。ウェスタンブロット解析により、RON−DC異種移植片における抗体29B06が、24時間目に受容体インビボ分解を誘導し、48時間目にその程度がより高くなることを示した。
実施例12:デルタ160 RON駆動腫瘍モデルの成長抑制
デルタ160 RON駆動腫瘍成長の定方向相補性モデルにおいて抗体による腫瘍成長抑制を試験した。モデルは、トランスフェクトしたcDNAがRONのヒトデルタ160(発癌性)形態をコードしたこと以外、実施例11に記載されたとおりに得た。定方向相補性腫瘍の成長が見られた。薬効試験用に十分な腫瘍材料を作り出すために原発腫瘍をインビボ成長させた。定方向相補性腫瘍に関する品質管理としては、RON発現用にRT−PCRおよびタンパク質発現用にIHCが含まれた。腫瘍は、約1.5×10個細胞/バイアルの凍結保存アリコートとして貯蔵した。これらの腫瘍を解凍し、一度洗浄し、HBSプラスマトリゲル中に再懸濁し、皮下注射した。腫瘍は、週2回測定した。腫瘍が約150mmに達したら、マウスを、各々10匹の5群に無作為化した。各群(各々10匹のマウス)は、全て20mg/kgで以下の抗体:マウスIgG対照、07F01、29B06、12B11、17F06、および18H09のうち、1つの処置を受けた。処置は、週2回で2週間腹腔内注射により投与した。図10に示すように、各処置群は、18H09(TGI54%)を除き60%(p<0.001)超の同様な腫瘍成長抑制を示した。全ての処置で有意な体重減少がなく、耐容性は良好であった。
実施例13:NCI−H358の肺異種移植腫瘍モデルの成長抑制
NCI−H358の肺異種移植腫瘍モデルにおいて29B06抗体による腫瘍成長抑制を試験した。10%FBSを含有するRMPI培地(Invitrogen)を用いて5%COを含有する大気中、37℃の培養でNCI−H358細胞を増殖させた。細胞を8週齢のメスCB.17SCIDマウスの側腹部内に、50%マトリゲル中マウス1匹当たり5×10個の細胞で皮下接種した。腫瘍の測定を週2回行った。腫瘍が約150mmに達したら、マウスを、各々10匹の2群に無作為化した。各群は、以下の処置:40mg/kgでマウスIgG対照または29B06のうちの1つを受けた。処置は、週3回で3週間、腹腔内注射により投与した。抗体29B06の処置により70%(p<0.001)の腫瘍成長抑制を生じた(図11)。処置では有意な体重減少がなく、耐容性は良好であった。
実施例14:坑RON抗体のヒト化
A.ヒト化坑RON抗体およびキメラ坑RON抗体の構築
本実施例では、07F01および29B06と称される2種のマウス抗体のヒト化、および得られたヒト化抗体の特性化を記載する。ヒト化坑RON抗体は、SUPERHUMANIZATION(商標)法(Cephalon,Inc.(Arana Therapeutics Ltd.)およびHwang,W.Y.ら(2005)METHODS 36:35−42)、復帰変異によるCDR移植法(ヒトフレームワーク残基のいくつかを、マウス残基に変換した)(例えば、米国特許第5,530,101号明細書;米国特許第5,693,761号明細書;米国特許第5,693,762号明細書;米国特許第5,585,089号明細書;米国特許第6,180,370号明細書;米国特許第7,022,500号明細書を参照)、またはHUMAN ENGINEERING(商標)法(Studnickaら、Protein Eng.1994 Jun;7(6):805−14;また例えば、PCT国際公開第93/11794号パンフレットおよび米国特許第5,766,886号明細書;米国特許第5,770,196号明細書;米国特許第5,821,123号明細書;および米国特許第5,869,619号明細書を参照)を用いてデザインした。重鎖CDR1を除いて、ヒトフレームワーク(SUPERHUMANIZATION(商標)上へのCDR移植および復帰変異によるCDR移植はKabatのCDR定義を用いた。いくつかの場合において、重鎖CDR1を移植するためにKabatの定義とChothiaの定義の組み合わせを用いた。いくつかの場合において、ヒト性を増加させるために、CDR残基(Kabat定義またはChothia定義)をヒト残基に変換した。マウス抗体のモデルは、SWISS−MODELウェブ・サーバ(swissmodel.expasy.org)を用いて作製した。予測残基の接触は、Contact Map Analysisウェブ・サーバ(ligin.weizmann.ac.il/cma/)を用いて測定し、残基表面へのアクセス可能性は、Accessible Molecular Surfaceウェブ・サーバ(swift.cmbi.ru.nl/servers/html/accessres.html)を用いて測定した。残基表面へのアクセス可能性、CDR残基との接触、および重鎖と軽鎖の間の界面における関与予測に基づいた復帰変異に関して残基を選択した。さらに、07F01の重鎖CDR3に存在するシステイン残基は、凝集の可能性を防ぐためにセリンに変換し、いくつかの実施例において、07F01重CDR2(例えば、N58、Y59、T60)における予測されたN−結合グリコシル化コンセンサス部位(N−X−S/T)は、グリコシル化の可能性を防ぐために変異させた(例えば、T60A)。デザインされたアミノ酸配列は、コドン最適化DNA配列に変換し、5’HindIII制限部位、Kozakコンセンサス配列、ヒトアミノ末端シグナル配列、ヒト化可変領域、ヒトIgG1またはカッパ定常領域、停止コドン、および3’EcoRI制限部位の順序で、これらを含むようにDNA2.0,Inc.により合成された。
本明細書に記載されているSUPERHUMANIZATION(商標)法に従ってヒト化された抗RON抗体鎖は、抗体鎖名の前に接頭語「Sh」を付けて称される。本明細書に記載されている復帰変異によるCDR移植法によってヒト化された抗RON抗体鎖は、抗体鎖名の前に接頭語「Hu」を付けて称される。本明細書に記載されているHUMAN ENGINEERING(商標)法によってヒト化された抗RON抗体鎖は、抗体鎖名の前に接頭語「HE」を付けて称される。
抗RON抗体重鎖07F01は、SUPERHUMANIZATION(商標)法に従ってヒト化した。ヒト生殖細胞系配列IGHV3−4801(本明細書においてHv3−48とも称される)を、ヒト重鎖フレームワークとして選択した。いくつかの実施形態において、ヒトHv3−48重鎖フレームワーク配列を、アミノ酸位置28(例えば、D28T)で変異せた。アミノ酸のナンバリングは、Kabatのナンバリングシステムに基づいている。
抗RON抗体軽鎖07F01は、HUMAN ENGINEERING(商法)法に従ってヒト化した。ヒト生殖細胞系配列IGKV1−901を、ヒト軽鎖フレームワークとして選択した。
抗RON抗体重鎖29B06は、復帰変異によるCDR移植法によってヒト化した。ヒト生殖細胞系配列IGHV4−5901(本明細書においてHv4−59とも称される)を、ヒトフレームワークとして選択した。ヒトフレームワークは、KabatのCDR定義が使用された場合のマウス配列に対してアミノ酸位置27、30、39、44、47、48、67、71、および78に復帰変異させた。復帰変異させたヒトHv4−59フレームワーク配列はさらに変異させ、27、30、48、67、および78の位置に少なくとも1つのアミノ酸置換を含ませた。復帰変異させたHv4−59 フレームワーク配列におけるアミノ酸置換(例えば、マウス残基からヒト残基へのアミノ酸置換、例えば、IGHV4−59に見られるヒト残基)は、D27G、T30S、M48I、I67VおよびY78Fからなる群から選択することができる。アミノ酸のナンバリングは、Kabatのナンバリングシステムに基づいている。
抗RON抗体軽鎖29B06は、SUPERHUMANIZATION(商標)法に従ってヒト化した。ヒト生殖細胞系配列IGKV2−2801を、ヒト軽鎖フレームワークとして選択された。
キメラ(マウス可変領域とヒト定常領域)07F01および29B06重(ヒトIgG1)および軽(ヒトカッパ)鎖もまた構築した。07F01の重鎖CDR3に存在するシステイン残基は、凝集の可能性を防ぐためにセリンに変換させた。キメラ抗体を作製するために、マウス可変領域は、重複拡大PCRを用いてヒト定常領域に融合させ、5’HindIII制限部位、Kozakのコンセンサス配列、アミノ末端シグナル配列、マウス可変領域、ヒトIgG1またはカッパ定常領域、停止コドン、および3’EcoRI制限部位の順序でこれらを含めた。
In−Fusion(商標)PCRクローニング(Clontech、Mountain View、CA)を用い、HindIII部位およびEcoRI部位を介してヒト化重鎖ならびにキメラ重鎖をpEE6.4(Lonza、Basel、Switzerland)内にサブクローニングした。ヒト化カッパ軽鎖ならびにキメラカッパ軽鎖を、In−Fusion(商標)PCRクローニングを用い、HindIII部位およびEcoRI部位を介してpEE14.4(Lonza)内にサブクローニングした。
抗体を産生させるために、ヒト化抗体鎖またはキメラ抗体鎖を293T細胞内に一時的にトランスフェクトした。抗体は、精製するかまたは引き続くインビトロ分析用に細胞培養培地の上澄液中に用いた。ヒトRONに対するキメラ抗体ならびにヒト化抗体の結合を、下記のとおり測定した。結果は、表20に要約する。
さらに、大量の精製ヒト化抗体産生させるために、GS System(商標)(Lonza)を用い、いくつかのヒト化抗体重鎖と軽鎖の組み合わせをCHOK1SV細胞中で安定に発現させた。pEE6.4ベースおよびpEE14.4ベースのベクターを組み合わせることにより単一の発現ベクターを構築した。第一に、完全長ヒト化重鎖cDNAを含有するpEE6.4を、NotIおよびSalIで消化し、hCMV−MIEプロモータ+完全長ヒト化重鎖cDNA+SV40ポリA断片を単離した。この断片を、NotI/SalI部位を介して、完全長ヒト化軽鎖cDNAを既に含有するpEE14.4ベクター内に挿入することによって、重鎖と軽鎖を同時に発現する発現ベクターを作り出した。重鎖と軽鎖の組み合わせベクターを直線化し、CHOK1SV細胞内にトランスフェクトした。メチオニンスルホキシミンの存在下で安定なクローンを選択した。
ヒト化07F01の免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域の可能な各組み合わせを各々、下表13に記載する。
Figure 2013533746
ヒト化29B06の免疫グロブリン重鎖可変領域および軽鎖可変領域の可能な各組み合わせを各々、下表14に示す。
Figure 2013533746
ヒト化07F01抗体と29B06抗体の可変領域をコードする核酸配列およびそれらの可変領域を規定するタンパク質配列は、下記に要約した(アミノ末端シグナルペプチド配列は示していない)。CDR3中のシステインがセリンに変換されている修飾キメラ07F01重可変領域の配列もまた、下記に要約する。CDR配列(Kabatの定義)は、太字で示し、アミノ酸配列中に下線が引かれている。
キメラ07F01 C102S重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号132)
Figure 2013533746
キメラ07F01 C102S重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号133)
Figure 2013533746
Sh07F01 Hv3−48重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号134)
Figure 2013533746
Sh07F01 Hv3−48重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号135)
Figure 2013533746
Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号136)
Figure 2013533746
Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号137)
Figure 2013533746
HE_L 07F01_Kv1−9カッパ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号138)
Figure 2013533746
HE L 07F01 Kv1−9カッパ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号139)
Figure 2013533746
sh07F01 Kv1−9 F1カッパ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号140)
Figure 2013533746
sh07F01 Kv1−9 F1カッパ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号141)
Figure 2013533746
Sh29B06_Hv4−59重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号142)
Figure 2013533746
Sh29B06 Hv4−59重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号143)
Figure 2013533746
Hu29B06_Hv4−59重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号144)
Figure 2013533746
Hu29B06_Hv4−59重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号145)
Figure 2013533746
Hu29B06 D27G T30S M48I I67V Y78F重鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号146)
Figure 2013533746
Hu29B06 D27G T30S M48I I67V Y78F重鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号147)
Figure 2013533746
Sh29B06 Kv2−28カッパ鎖可変領域をコードする核酸配列(配列番号148)
Figure 2013533746
Sh29B06 Kv2−28カッパ鎖可変領域を規定するタンパク質配列(配列番号149)
Figure 2013533746
実施例14で作製された抗体に関する免疫グロブリン重鎖可変領域を規定するアミノ酸配列は、図12Aおよび12Bにアラインメントされている。アミノ末端シグナルペプチド配列(適切な発現/分泌に関する)は示していない。CDR、CDR、およびCDR(Kabatの定義)は、枠により識別されている。図13Aおよび図13Bは、それぞれ図12Aおよび図12Bに示されている可変領域配列の各々に関する個別のCDR配列、CDR配列、およびCDR配列のアラインメントを示す。
実施例14における抗体に関する免疫グロブリン軽鎖可変領域を規定するアミノ酸配列は、図14Aおよび図14Bにアラインメントされている。アミノ末端シグナルペプチド配列(適切な発現/分泌に関する)は示していない。CDR、CDR、およびCDRは、枠により識別されている。図15Aおよび図15Bは、それぞれ図14Aおよび図14Bに示されている可変領域配列の各々に関する個別のCDR配列、CDR配列、およびCDR配列のアラインメントを示す。
表15は、本実施例に検討された各配列の配列番号を示す項目索引チャートである。
Figure 2013533746
Figure 2013533746
ヒト化モノクローナル抗体の重鎖CDR配列(Kabat、ChothiaおよびIMGTの定義)を、表16に示す。
Figure 2013533746
Figure 2013533746
ヒト化モノクローナル抗体のカッパ軽鎖CDR配列(Kabatの定義、Chothiaの定義およびIMGTの定義)を、表17に示す。
Figure 2013533746
完全キメラ抗体およびヒト化重鎖またはカッパ鎖抗体の配列を作製するために、上記の各可変配列を、それぞれのそのヒト定常領域と組み合わせる。例えば、完全重鎖は、重可変配列に次いでヒトIgG1重鎖定常配列を含む。完全カッパ鎖は、カッパ可変配列に次いでヒトカッパ軽鎖定常配列を含む。
ヒトIgG1重鎖定常領域をコードする核酸配列(配列番号150)
Figure 2013533746
ヒトIgG1重鎖定常領域を規定するタンパク質配列(配列番号151)
Figure 2013533746
ヒトカッパ軽鎖定常領域をコードする核酸配列(キメラ抗体に使用される)(配列番号152)
Figure 2013533746
ヒトカッパ軽鎖定常領域をコードする核酸配列(ヒト化抗体に使用される)(配列番号153)
Figure 2013533746
ヒトカッパ軽鎖定常領域を規定するタンパク質配列(キメラ抗体およびヒト化抗体に使用される)(配列番号154)
Figure 2013533746
以下の配列は、本実施例に記載された抗体各々に関する実際の、または想定された完全長重鎖配列および完全長軽鎖配列(すななわち、可変領域配列と定常領域の双方を含有する)を表す。本明細書に開示された完全長重鎖配列および完全長軽鎖配列には、抗体の適切な分泌に関するシグナル配列(例えば、DNA配列の5’端またはタンパク質配列のアミノ末端でのシグナル配列)は示しておらず、また最終分泌タンパク質にも含まれていない。DNA配列の3’端に必要な翻訳終了のための停止コドンもまた示されていない。開示された完全長IgGの重鎖配列および軽鎖配列の発現のためにシグナル配列および/または停止コドンを選択することは、当該技術分野の通常の技法の範囲内にある。活性の完全長IgGの重鎖および軽鎖を作製するために、可変領域配列が、他の定常領域配列に結合し得ることもまた想定されている。
完全長キメラ07F01 C102S重鎖をコードする核酸配列(マウス重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号155)
Figure 2013533746
完全長キメラ07F01 C102S重鎖を規定するタンパク質配列(マウス重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号156)
Figure 2013533746
完全長キメラ07F01軽鎖をコードする核酸配列(マウスカッパ鎖可変領域およびヒトカッパ定常領域)(配列番号157)
Figure 2013533746
完全長キメラ07F01軽鎖を規定するタンパク質配列(マウスカッパ鎖可変領域およびヒトカッパ定常領域)(配列番号158)
Figure 2013533746
完全長キメラ29B06重鎖をコードする核酸配列(マウス重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号159)
Figure 2013533746
完全長キメラ29B06重鎖を規定するタンパク質配列(マウス重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号160)
Figure 2013533746
完全長キメラ29B06軽鎖をコードする核酸配列(マウスカッパ鎖可変領域およびヒトカッパ定常領域)(配列番号161)
Figure 2013533746
完全長キメラ29B06軽鎖を規定するタンパク質配列(マウスカッパ鎖可変領域およびヒトカッパ定常領域)(配列番号162)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh07F01 Hv3−48重鎖をコードする核酸配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号163)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh07F01 Hv3−48重鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号164)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G重鎖をコードする核酸配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号165)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G重鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号166)
Figure 2013533746
完全長ヒト化HE L 07F01 Kv1−9軽鎖をコードする核酸配列(ヒト化カッパ鎖可変領域およびヒト定常領域)(配列番号167)
Figure 2013533746
完全長ヒト化HE L 07F01 Kv1−9軽鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化カッパ鎖可変領域およびヒト定常領域)(配列番号168)
Figure 2013533746
完全長ヒト化sh07F01 Kv1−9 F1軽鎖をコードする核酸配列(ヒト化カッパ鎖可変領域およびヒト定常領域)(配列番号169)
Figure 2013533746
完全長ヒト化sh07F01 Kv1−9 F1軽鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化カッパ鎖可変領域およびヒト定常領域)(配列番号170)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh29B06 Hv4−59重鎖をコードする核酸配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号171)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh29B06 Hv4−59重鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号172)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Hu29B06 Hv4−59重鎖をコードする核酸配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号173)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Hu29B06 Hv4−59重鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号174)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F重鎖をコードする核酸配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号175)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F重鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号176)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh29B06 Kv2−28軽鎖をコードする核酸配列(ヒト化カッパ鎖可変領域およびヒト定常領域)(配列番号177)
Figure 2013533746
完全長ヒト化Sh29B06 Kv2−28軽鎖を規定するタンパク質配列(ヒト化カッパ鎖可変領域およびヒト定常領域)(配列番号178)
Figure 2013533746
表18は、便宜上、本実施例で検討された各配列の配列番号を示す項目索引チャートを提供している。
Figure 2013533746
下表19は、キメラ免疫グロブリンの重鎖ならびに軽鎖、および完全長キメラまたはヒト化免疫グロブリンの重鎖ならびに軽鎖の各々可能な組み合わせを含有する抗体を示している。
Figure 2013533746
完全長キメラの重鎖ならびに軽鎖を含有する抗体構築物は、下記に指定されている:
キメラ07F01 C102S=完全長キメラ07F01 C102S重鎖(C102S変異によるマウス可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号156)プラス完全長キメラ07F01軽鎖(マウス可変領域およびヒトカッパ定常領域)(配列番号158)
キメラ29B06=完全長キメラ29B06重鎖(マウス可変領域およびヒトIgG1定常領域)(配列番号160)プラス完全長キメラ29B06軽鎖(マウス可変領域およびヒトカッパ定常領域)(配列番号162)
ヒト化可変領域を含有する完全長免疫グロブリンの重鎖ならびに軽鎖を含む可能な抗体構築物のうちの2つは、下記に指定されている:
Sh07F01−62=ヒト化Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域(配列番号166)プラスHE L 07F01 Kv1−9軽鎖可変領域およびヒトカッパ定常領域(配列番号168)
Sh29B06−78=ヒト化Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F重鎖可変領域およびヒトIgG1定常領域(配列番号176)プラスSh29B06 Kv2−28軽鎖可変領域およびヒトカッパ定常領域(配列番号178)
B.ヒト化およびキメラの抗RONモノクローナル抗体の結合親和性
組換えヒトRON SEMAドメインおよびPSIドメイン(rhRON SEMA+PSI)(R&D Systems,Inc.、Minneapolis、MN)に対する、実施例14で作製されたモノクローナル抗体の相互作用に関する結合親和性および動力学は、Biacore T100(Biacore(GE Healthcare)、Piscataway、NJ)計測器を用い、表面プラズモン共鳴により測定した。
ヤギ抗ヒトIgG Fc(Jackson ImmunoResearch、カタログ番号109−005−098)を、供給業者の取扱説明書に従い標準的カップリングプロトコルを用いるアミンカップリング(Biacore)により、カルボキシメチル化デキストランCM4センサチップ(Biacore)上に固定化した。分析は、移動用緩衝液として0.05%の界面活性剤P20(Biacore)を含有するPBS(Invitrogen)を用いて37℃で実施した。
抗体は、60μl/分の流量で個々のフローセル中に捕捉した。注入時間は、各抗体に関して変え、30RUと60RUとの間のRmaxを生じさせた。緩衝液または移動用緩衝液中で希釈したrhRON SEMA+PSIを、参照表面(捕捉抗体なし)と活性表面(試験抗体)上に60μl/分で300秒間、連続的に注入した。解離相を、1200秒までモニターした。次いで表面は、60μl/分でグリシンpH2.25(グリシンpH2.0(Biacore)とグリシンpH2.5(Biacore)から作製)の2回の60秒注入により再生した。最初のスクリーニングに関しては、rhRON SEMA+PSIを、1種のみまたは2種の濃度、典型的には10.0nMと2.5nMとで試験した(結果は表20に要約する)。
動力学的パラメータは、二重参照減算によるBIA評価ソフトウェア(Biacore)の動力学的関数を用いて決定した。各抗体に関する動力学的パラメータ、k(結合速度定数)、k(解離速度定数)およびK(平衡解離定数)を決定した。分泌抗体を含有する細胞培養培地の上澄液を用いて一定のモノクローナル抗体をスクリーニングし、37℃におけるrhRON SEMA+PSI上でのモノクローナル抗体の動力学的値を、表20に要約する。
Figure 2013533746
表20の結果により、Sh29B06−25を除いたキメラ抗体および各ヒト化抗体は、速い結合速度(k)、極めて遅い解離速度(k)および極めて高い親和性(K)を有することが示されている。特に抗体は、約260pMから約1.1nMの範囲の親和性を有する。Sh29B06−25では結合が見られなかった。なぜならば、Sh29B06−25は、rhRON SEMA+PSIに結合しないが、Sh29B06−23は結合するからであり、Sh29B06−23の重鎖に存在する1つ以上の復帰変異が、高親和性を有する結合には必要とされるようである。
一定の精製モノクローナル抗体の結合親和性および動力学もまた測定した。一定の抗体をさらに特性化するために、上記の表面プラズモン共鳴実験を、rhRON SEMA+PSIの0.3125nMと10.0nM(2倍連続希釈)との間の濃度を用いて実施した。
rhRON SEMA+PSI上での一定の精製モノクローナル抗体(すなわち、Sh07F01−62およびSh29B06−78)の25℃および37℃における動力学値を、表21に要約する。
Figure 2013533746
表21における結果により、精製抗体は、25℃で試験した場合の約52pMから360pMの範囲の親和性または37℃で試験した場合の約110pMから約860pMの範囲の親和性を有することが示されている。
抗体07F01、Sh07F01−62、29B06、およびSh29B06−78による細胞表面のヒト野生型RONおよびデルタ160RON変異体に対する結合を、Fluorescence Activated Cell Sorting(FACS)を用いて、4°Cで測定した。ヒト野生型RONを発現するPC3細胞、およびデルタ160変異体を発現するHT29細胞を、細胞解離緩衝液(Invitrogen)を用いて採取し、FACS緩衝液(0.5%BSAを有するPBS)で2回洗浄し、CytoQ Antibody希釈剤およびFC受容体ブロック(Innovex Biosciences、Richmond、CA)により10分間処理した。精製抗体を、0.01nMから25nMの濃度範囲にわたってFACS緩衝液中に希釈した。細胞を、100μlの抗体と共に1時間インキュベートし、FACS緩衝液で3回洗浄し、ヤギ抗マウスPE共役抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、PA)またはロバ抗ヒトPE共役抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、PA)と共に45分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で3回洗浄し、300μlのFACS緩衝液中に再懸濁し、Beckman Coulter Cytomics FC 500FACS計測器を用いて分析した。4種の抗体全てを、同一の実験で比較した。結果を表22に要約する。
Figure 2013533746
表22の結果により、ヒト化抗体Sh07F01−62およびSh29B06−78が、マウス抗体対応物(すなわち、それぞれ07F01および29B06)と等価な親和性で細胞表面上に野生型RONおよびデルタ160 RON変異体の双方に結合する能力を保持することが示されている。
C.他の抗RON抗体の比較
公開情報を用いて、ヒトRONの機能を阻害する3種の抗体を構築し、発現させた。1P3B2−BIIB Abと称される抗体の1種は、Huetらの米国特許出願公開第2009/0226442号明細書(Biogen Idec,Inc.)の開示に基づいて構築した。RON6およびRON8と称される2種のさらなる抗体は、Pereiraらの米国特許出願公開第2009/0136510号明細書(Imclone Systems,Inc.)の開示に基づいて構築した。
rhRON SEMA+PSI上の1P3B2−BIIB Ab、RON6、およびRON8抗体に関する25℃および37℃における動力学的パラメータは、上記のとおり、Biacoreにより決定した(B節.ヒト化およびキメラ抗RONモノクローナル抗体の結合親和性を参照)。各抗体に関する動力学的値は表23に要約する。
Figure 2013533746
表23の結果は、Sh29B06−78およびSh07F01−62に関する全体的平衡解離定数(K)が、25℃および37℃の双方で1P3B2−BIIB、RON6、およびRON8に関するKよりも小さかったこと(すなわち、より高い親和性)を示している。表21および表23を比較することにより、1P3B2−BIIB、RON6、およびRON8抗体のKを、他のヒト化29B06変異体または07F01変異体と比較することもできる。
したがって、本明細書に開示されるように、Sh29B06−78およびSh07F01−62の結合親和性は、1P3B2−BIIB、RON6、およびRON8抗体の親和性よりも有意に高い。
実施例15:MSP−RONの結合の阻害
実施例3に記載された電気化学的蛍光(ECL)アッセイにより測定されたように、実施例14で作製したキメラ抗体およびヒト化抗体を、hRON SEMA+PSIに対するMSP結合の阻害に関して試験した。抗体(濃度範囲:0.006〜10μg/mL)を、室温で45分間インキュベートした。
MSP−hRON結合相互作用は、本アッセイで試験された表24に記載されたキメラ抗体およびヒト化抗体により阻害された。抗体(IgG1)に関するIC50を、表24に示す。
Figure 2013533746
表24の結果により、表24に記載されたキメラ抗RON抗体およびヒト化抗RON抗体(すなわち、Sh29B06−1、Sh29B06−23、Sh29B06−78、Sh07F01−2、Sh07F01−43、Sh07F01−62、Sh07F01−69、Sh07F01−76、およびSh07F01−83)は、hRON SEMA+PSIに対するMSP結合を高い効力でブロックする能力を保持することが示されている。
実施例16:抗RON抗体による下流シグナル伝達の阻害
実施例3に記載された細胞ベースのアッセイを用い、RON下流シグナル伝達分子であるERKのMSP誘導リン酸化を阻害する能力に関して、実施例14で作製したキメラ抗RON抗体およびヒト化抗RON抗体を試験した。RPMI中の抗体(濃度範囲:0.006〜10μg/mL)を細胞に添加し、37°Cで1時間インキュベートした。本アッセイで試験されたキメラ抗RON抗体およびヒト化抗RON抗体によるERKリン酸化阻害のIC50値を、表25に示す。
Figure 2013533746
表25の結果により、表25に記載されたキメラ抗RON抗体およびヒト化抗RON抗体(すなわち、Sh29B06−1、Sh29B06−23、Sh29B06−78、Sh07F01−2、Sh07F01−43、Sh07F01−62、Sh07F01−69、Sh07F01−76、およびSh07F01−83)は、T47D乳癌細胞系におけるMSP誘導ERKリン酸化を高い効力で阻害することが示されている。
実施例17:MSP依存細胞移動の阻害
実施例10に記載されたMSP誘導細胞移動を阻害する能力に関して、実施例14で作製したヒト化抗体sh29B06−78およびsh07F01−62を試験した。本実施例において、抗体を1μg/mlの濃度で添加し、1:5希釈で連続希釈し、細胞を2時間インキュベートした。阻害パーセントは、以下の式:100−(処理された抗RON抗体−ベースライン)/(処理された対照huIgG−ベースライン)100により決定した。MSP誘導HPAF−II細胞移動の抗RON抗体、sh29B06−78およびsh07F01−62による阻害に関する結果は、表26と図16に要約する。
Figure 2013533746
表26の結果により、ヒト化抗RON抗体、sh29B06−78およびsh07F01−62は、HPAF−II膵癌細胞系におけるMSP誘導細胞移動を強力に阻害することが示されている。
実施例18:MSP誘導細胞浸潤の阻害
MSP誘導細胞浸潤を阻害する能力に関して、実施例14で作製したヒト化抗体sh29B06−78およびsh07F01−62を試験した。HPAF−II膵癌細胞をトリプシン処理し、カウントし、50,000/ウェルの濃度で96ウェルのBD BioCoat Matrigel invasion FluoroBlok(商標)プレート(Becton Dickinson)上部チャンバ内の45μlの10%FBS/MEM中に入れた。30μg/mlの濃度で抗体を加え、細胞を2時間インキュベートした。下部チャンバは10%FBS MEM(200μl)および1nMのMSPを含み、細胞を24時間インキュベートした。下部チャンバに4μg/mlの最終濃度のCalcien色素を添加し、次いで1時間のインキュベーションにより、膜を通って浸潤を受けた細胞数を測定した。Wallace 1420計測器を用いて蛍光強度を測定した。MSP誘導HPAFII細胞侵入の抗RON抗体による阻害の結果を、図17に要約する。
図17の結果から、ヒト化抗RON抗体sh29B06−78およびsh07F01−6は、HPAF−II膵癌細胞系におけるMSP依存細胞浸潤を強力に阻害することが示されている。
実施例19:NCI−H358肺異種移植腫瘍モデルの成長抑制
NCI−H358肺異種移植腫瘍モデルにおいて、ヒト化抗RON抗体による腫瘍成長の抑制を試験した。5%COを含有する大気中、10%FBSを含有するRMPI培地(Invitrogen)を用いて37℃での培養によりNCI−H358細胞(ATCC)を増殖させた。8週齢のメスCB.17SCIDマウス(Taconic Labs)の側腹内に、50%のマトリゲル(Becton Dickinson)中マウス1匹当たり5x10個の細胞で、細胞を皮下接種した。ノギスを用いて週2回、腫瘍の測定を行った。腫瘍が、約150mmに達したら、マウスを、各群10匹の6群に無作為化した。各群は、以下の処置のうちの1つを受けた:ヒトIgG(huIgG)対照、mu29B06、sh29B06−78、mu07F01、sh07F01−62およびRON8。処置は、10mg/kgで週2回7週間腹腔内注射により行われた。処置は、有意な体重減少がなく耐容性は良好であった。腫瘍成長の抑制は、huIgG対照に対する阻害パーセント(ベースラインを差し引く)として表し、統計解析は、ANOVAを用いて実施した。NCI−H358モデルの41日目における腫瘍成長の抑制に関する結果を、図18と表27に示す。
Figure 2013533746
抗RON抗体処置により、huIgG対照と比較して腫瘍成長の抑制が生じた。具体的には、mu29B06抗体処置により89%(P<0.01)の腫瘍成長の抑制が生じ;sh29B06−78抗体処置により89%(P<0.01)の腫瘍成長の抑制が生じ;mu07F01抗体処置により34%(P>0.05)の腫瘍成長の抑制が生じ;sh07F01−62抗体処置により39%(P>0.05)の腫瘍成長の抑制が生じ;RON8抗体処置により38%(P>0.05)の腫瘍成長の抑制が生じた。これらの結果から、sh29B06−78抗体およびmu29B06抗体は、NCI−H358異種移植モデルにおける腫瘍の成長を抑制するが(P<0.01)、一方、mu07F01抗体、sh07F01−62抗体、およびRON8抗体は、このモデルにおいて腫瘍の成長を抑制しなかった(統計的に有意でないP>0.05)ことが示されている。
実施例20:RON受容体の分解
処置終末におけるRON受容体の総レベルを測定するために、ウエスタンブロットを実施した。各処置群から4つの腫瘍サンプルを秤量し、RIPA緩衝液(Boston Bioproducts)、1mMのEDTA(Boston Bioproducts)、 1mMのSodium OrthoVandadate(Sigma)、1Xプロテアーゼ阻害剤(Sigma)および1XPhosphatase InhibitorIおよびII(Sigma)中に溶解した。サンプルを、手持形電気ホモジナイザーを用いてホモジナイズし、氷上で10分間インキュベートした。サンプルを、4℃、11,000RPMで30分間遠心沈殿させた。上澄液を集め、タンパク質濃度は、Pierce BCAアッセイキットを用い、製造元のプロトコルに従って測定した。C−20(Santa Cruz)抗体を用いて総RONタンパク質を検出した。β−チューブリン(Cell Signaling Technologies)を、ローディング対照としてブロットした。ウェスタンブロットは、1X TBST(TBS−0.1% TWEEN)(Sigma)中5%ミルクで1時間ブロックし、次いで双方の抗体に関して、一次抗体を1:1000で5%のBSA 1X TBST中、4℃で一晩インキュベートした。ウェスタンブロットを1X TBSTで3回洗浄し、抗ウサギHRP共役二次抗体(Cell Signaling Technologies)と共に、室温で1時間インキュベートした。ウェスタンブロットを1X TBSTで3回洗浄してから、Dura Signal(Pierce)を用いて展開させた。
図19の結果は、mu29B06ならびにsh29B06−78処理サンプル中のRON受容体の分解、およびより低い程度でのmu07F01ならびにsh07F01−62処理サンプル中のRON受容体の分解を示している。RON8処理サンプル中にはRON受容体の分解は見られなかった。
文献の援用
本明細書に引用された特許文書および科学論文の各々の開示全体が、全ての目的のために参照として援用されている。
等価体
本発明は、本発明の意図またはその本質的な特性から逸脱することなく他の具体的な形態で具体化することができる。したがって、前述の実施形態は、全ての点で本明細書に記載された発明を限定するものではなく例示であると考えるべきである。したがって本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の請求項によって示され、請求項と等価な意味と範囲に入る全ての変更は、請求項に包含されるように意図されている。
抗体は、ヒトRONの活性化(すなわち、中和)を防止または阻害する。いくつかの実施形態において、抗体は、RONがそのリガンド、MSPに結合することを防ぎ、それによって、RON活性を中和する。一定の実施形態において、抗体は、MSPに対するRONの結合を阻害することなくRON活性化を防ぐ。抗体は、乳癌細胞系T47Dの下流シグナル伝達を阻害するために用いることができる。さらに、哺乳動物に投与した場合、抗体は、哺乳動物における腫瘍の成長を抑制または低減させることができる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
ヒトRONに結合する単離抗体であって、
(a)(i)配列番号45(29B06)、配列番号59(29B06)、および配列番号126(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V
Y78F)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H1 、配列番号46(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR H2 、および配列番号47(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR H3 、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;
(ii)配列番号48(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR L1 、配列番号49(29B06)アミノ酸配列を含むCDR L2 、および配列番号50(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR L3 、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(b)(i)配列番号5(07F01)、配列番号51(07F01)および配列番号124(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H1 、配列番号6(07F01)および配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H2 、配列番号7(07F01)および配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H3 、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
(ii)配列番号8(07F01)および配列番号130(HE L 07F01
Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR L1 、配列番号9(07F01)および配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR L2 、および配列番号10(07F01)のアミノ酸配列を含むCDR L3 、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(c)(i)配列番号15(12B11)および配列番号53(12B11)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H1 、配列番号16(12B11)のアミノ酸配列を含むCDR H2 、および配列番号17(12B11)のアミノ酸配列を含むCDR H3 、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
(ii)配列番号18(12B11)のアミノ酸配列を含むCDR L1 、配列番号19(12B11)のアミノ酸配列を含むCDR L2 、および配列番号20(12B11)のアミノ酸配列を含むCDR L3 、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(d)(i)配列番号25(17F06)および配列番号55(17F06)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H1 、配列番号26(17F06)のアミノ酸配列を含むCDR H2 、および配列番号27(17F06)のアミノ酸配列を含むCDR H3 、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
(ii)配列番号28(17F06)のアミノ酸配列を含むCDR L1 、配列番号29(17F06)のアミノ酸配列を含むCDR L2 、および配列番号30(17F06)のアミノ酸配列を含むCDR L3 、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(e)(i)配列番号35(18H09)および配列番号57(18H09)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H1 、配列番号36(18H09)のアミノ酸配列を含むCDR H2 、および配列番号37(18H09)のアミノ酸配列を含むCDR H3 、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
(ii)配列番号38(18H09)のアミノ酸配列を含むCDR L1 、配列番号39(18H09)のアミノ酸配列を含むCDR L2 、および配列番号40(18H09)のアミノ酸配列を含むCDR L3 、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域、
からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む単離抗体。
(項目2)
前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号45(29B06)および配列番号126(Sh29B06 Hv4−59,Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H1 、配列番号46(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR H2 、および配列番号47(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR H3 を含み;
前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号48(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR L1 、配列番号49(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR L2 、および配列番号50(29B06)のアミノ酸配列を含むCDR L3 を含む項目1に記載の抗体。
(項目3)
前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号5(07F01)および配列番号124(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR H1 、配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDR H2 、および配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDR H3 を含み;
前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号130(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDR L1 、配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDR L2 、および配列番号10(07F01)のアミノ酸配列を含むCDR L3 を含む項目1に記載の抗体。
(項目4)
前記CDR配列が、ヒト配列とヒト化フレームワーク配列との間に挿入されている項目1〜3のいずれか一項に記載の抗体。
(項目5)
ヒト生殖系フレームワーク配列をさらに含む項目2に記載の抗体。
(項目6)
前記ヒト生殖系フレームワーク配列が、IGHV4−59 01である項目5に記載の抗体。
(項目7)
前記フレームワーク配列が、アミノ酸位置27、30、48、67または78に少なくとも1つの置換を含み、前記アミノ酸のナンバリングがKabatに基づく項目6に記載の抗体。
(項目8)
前記少なくとも1つの置換が、D27G、T30S、M48I、I67V、およびY78Fからなる群から選択される項目7に記載の抗体。
(項目9)
前記抗体が、抗原結合性断片である項目1〜8のいずれか一項に記載の抗体。
(項目10)
項目1〜3のいずれか一項に記載の免疫グロブリン重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
(項目11)
項目1〜3のいずれか一項に記載の免疫グロブリン軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
(項目12)
項目10に記載の核酸を含む発現ベクター。
(項目13)
項目11に記載の核酸を含む発現ベクター。
(項目14)
項目10に記載の核酸をさらに含む項目13に記載の発現ベクター。
(項目15)
項目12に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目16)
項目13に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目17)
項目14に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目18)
項目12に記載の発現ベクターをさらに含む項目16に記載の宿主細胞。
(項目19)
免疫グロブリン重鎖可変領域または免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを作製する方法であって、
(a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを発現させるような条件下で項目15または16に記載の宿主細胞を増殖させることと;
(b)前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを精製すること、
を含む方法。
(項目20)
ヒトRONに結合する抗体または前記抗体の抗原結合性断片を作製する方法であって、
(a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域および前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現させるような条件下で項目17または18に記載の宿主細胞を増殖させ、それによって前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を作製することと;
(b)前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を精製すること、
を含む方法。
(項目21)
ヒトRONに結合する単離抗体であって、
(a)配列番号42(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号44(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(b)配列番号147(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(c)配列番号2(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号4(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(d)配列番号137(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(e)配列番号12(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号14(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(f)配列番号22(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号24(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
(g)配列番号32(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号34(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域、からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体。
(項目22)
前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号42(29B06)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号44(29B06)のアミノ酸配列を含む項目21に記載の抗体。
(項目23)
前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号147(Hu29B06 Hv4−59
D27G T30S M48I I67V Y78F)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)のアミノ酸配列を含む項目21に記載の抗体。
(項目24)
前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号2(07F01)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号4(07F01)のアミノ酸配列を含む項目21に記載の抗体。
(項目25)
前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号137(Sh07F01 Hv3−48
D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)のアミノ酸配列を含む項目21に記載の抗体。
(項目26)
項目21に記載の免疫グロブリン重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
(項目27)
項目21に記載の免疫グロブリン軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
(項目28)
項目36に記載の核酸を含む発現ベクター。
(項目29)
項目37に記載の核酸を含む発現ベクター。
(項目30)
項目36に記載の核酸をさらに含む項目29に記載の発現ベクター。
(項目31)
項目28に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目32)
項目29に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目33)
項目30に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目34)
項目28に記載の発現ベクターをさらに含む項目32に記載の宿主細胞。
(項目35)
免疫グロブリン重鎖可変領域または免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを作製する方法であって、
(a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを発現させるような条件下で項目31または32に記載の宿主細胞を増殖させることと;
(b)前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを精製すること、
を含む方法。
(項目36)
ヒトRONに結合する抗体または前記抗体の抗原結合性断片を作製する方法であって、
(a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域および前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現させるような条件下で項目33または34に記載の前記宿主細胞を増殖させ、それによって前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を作製することと;
(b)前記抗体または前記抗体の前記抗原結合断片を精製すること、
を含む方法。
(項目37)
ヒトRONに結合する単離抗体であって、
(a)配列番号109(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号111(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
(b)配列番号176(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F IgG1)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号178(Sh29B06 Kv2−28カッパ)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
(c)配列番号93(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号95(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
(d)配列番号166(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G IgG1)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号168(HE L 07F01 Kv1−9カッパ)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
(e)配列番号97(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号99(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
(f)配列番号101(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号103(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
(g)配列番号105(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号107(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖、
からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽鎖を含む単離抗体。
(項目38)
前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号109(29B06)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号111(29B06)のアミノ酸配列を含む項目37に記載の抗体。
(項目39)
前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号93(07F01)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号95(07F01)のアミノ酸配列を含む項目37に記載の抗体。
(項目40)
前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号176(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F IgG1)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号178(Sh29B06 Kv2−28カッパ)のアミノ酸配列を含む項目37に記載の抗体。
(項目41)
前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号166(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G IgG1)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号168(HE L 07F01 Kv1−9カッパ)のアミノ酸配列を含む項目37に記載の抗体。
(項目42)
前記抗体が、抗原結合性断片である項目21または37のいずれか一項に記載の抗体。
(項目43)
項目37に記載の免疫グロブリン重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
(項目44)
項目37に記載の免疫グロブリン軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
(項目45)
項目43に記載の核酸を含む発現ベクター。
(項目46)
項目44に記載の核酸を含む発現ベクター。
(項目47)
項目43に記載の核酸をさらに含む項目46に記載の発現ベクター。
(項目48)
項目45に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目49)
項目46に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目50)
項目47に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目51)
項目45に記載の発現ベクターをさらに含む項目49に記載の宿主細胞。
(項目52)
免疫グロブリン重鎖可変領域または免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを作製する方法であって、
(a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを発現させるような条件下で項目48または49に記載の前記宿主細胞を増殖させることと;
(b)前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを精製すること、
を含む方法。
(項目53)
ヒトRONに結合する抗体または前記抗体の抗原結合性断片を作製する方法であって、
(a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域および前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現させるような条件下で項目50または51に記載の前記宿主細胞を増殖させ、それによって前記抗体または前記抗体の前記抗原結合断片を作製することと;
(b)前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を精製すること、
を含む方法。
(項目54)
前記抗体が、表面プラズモン共鳴により測定された900pM以下のK でヒトRONに結合する項目1〜9、21〜25、または37〜42のいずれか一項に記載の抗体。
(項目55)
前記抗体が、表面プラズモン共鳴により測定された500pM以下のK でヒトRONに結合する項目54に記載の抗体。
(項目56)
前記抗体が、表面プラズモン共鳴により測定された250pM以下のK でヒトRONに結合する項目55に記載の抗体。
(項目57)
ヒトRONに対するMSPの結合を阻害することなくヒトRONの生物活性を阻害する単離抗体。
(項目58)
腫瘍細胞の増殖を抑制または低減させる方法であって、前記腫瘍細胞の増殖を抑制または低減させるために、項目1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体の有効量に前記細胞を曝露させることを含む方法。
(項目59)
哺乳動物における腫瘍増殖を抑制または低減させる方法であって、前記腫瘍の増殖を抑制または低減させるために、項目1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の前記抗体の有効量に前記哺乳動物を曝露させることを含む方法。
(項目60)
ヒト患者における癌を治療する方法であって、項目1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
(項目61)
前記癌が、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頚癌、大腸癌、肺癌、膵癌、胃癌、および頭部頚部癌からなる群から選択される項目60に記載の方法。
(項目62)
治療に使用するための項目1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体。
(項目63)
腫瘍細胞増殖の抑制または低減に使用するための項目1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体。
(項目64)
哺乳動物における腫瘍増殖の抑制または低減に使用するための項目1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体。

Claims (64)

  1. ヒトRONに結合する単離抗体であって、
    (a)(i)配列番号45(29B06)、配列番号59(29B06)、および配列番号126(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号46(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号47(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRH3、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;
    (ii)配列番号48(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号49(29B06)アミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号50(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL3、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (b)(i)配列番号5(07F01)、配列番号51(07F01)および配列番号124(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号6(07F01)および配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH2、配列番号7(07F01)および配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH3、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
    (ii)配列番号8(07F01)および配列番号130(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号9(07F01)および配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号10(07F01)のアミノ酸配列を含むCDRL3、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (c)(i)配列番号15(12B11)および配列番号53(12B11)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号16(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号17(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRH3、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
    (ii)配列番号18(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号19(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号20(12B11)のアミノ酸配列を含むCDRL3、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (d)(i)配列番号25(17F06)および配列番号55(17F06)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号26(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号27(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRH3、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
    (ii)配列番号28(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号29(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号30(17F06)のアミノ酸配列を含むCDRL3、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (e)(i)配列番号35(18H09)および配列番号57(18H09)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号36(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号37(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRH3、を含む免疫グロブリン重鎖可変領域;および
    (ii)配列番号38(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号39(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号40(18H09)のアミノ酸配列を含むCDRL3、を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域、
    からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む単離抗体。
  2. 前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号45(29B06)および配列番号126(Sh29B06 Hv4−59,Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号46(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号47(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含み;
    前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号48(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号49(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号50(29B06)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む請求項1に記載の抗体。
  3. 前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号5(07F01)および配列番号124(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号122(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号123(キメラ07F01 C102S,Sh07F01 Hv3−48,Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含むCDRH3を含み;
    前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号130(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号131(HE L 07F01 Kv1−9,Sh07F01 Kv1−9 F1)のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号10(07F01)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む請求項1に記載の抗体。
  4. 前記CDR配列が、ヒト配列とヒト化フレームワーク配列との間に挿入されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗体。
  5. ヒト生殖系フレームワーク配列をさらに含む請求項2に記載の抗体。
  6. 前記ヒト生殖系フレームワーク配列が、IGHV4−5901である請求項5に記載の抗体。
  7. 前記フレームワーク配列が、アミノ酸位置27、30、48、67または78に少なくとも1つの置換を含み、前記アミノ酸のナンバリングがKabatに基づく請求項6に記載の抗体。
  8. 前記少なくとも1つの置換が、D27G、T30S、M48I、I67V、およびY78Fからなる群から選択される請求項7に記載の抗体。
  9. 前記抗体が、抗原結合性断片である請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗体。
  10. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫グロブリン重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
  11. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫グロブリン軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
  12. 請求項10に記載の核酸を含む発現ベクター。
  13. 請求項11に記載の核酸を含む発現ベクター。
  14. 請求項10に記載の核酸をさらに含む請求項13に記載の発現ベクター。
  15. 請求項12に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  16. 請求項13に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  17. 請求項14に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  18. 請求項12に記載の発現ベクターをさらに含む請求項16に記載の宿主細胞。
  19. 免疫グロブリン重鎖可変領域または免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを作製する方法であって、
    (a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを発現させるような条件下で請求項15または16に記載の宿主細胞を増殖させることと;
    (b)前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを精製すること、
    を含む方法。
  20. ヒトRONに結合する抗体または前記抗体の抗原結合性断片を作製する方法であって、
    (a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域および前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現させるような条件下で請求項17または18に記載の宿主細胞を増殖させ、それによって前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を作製することと;
    (b)前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を精製すること、
    を含む方法。
  21. ヒトRONに結合する単離抗体であって、
    (a)配列番号42(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号44(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (b)配列番号147(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (c)配列番号2(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号4(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (d)配列番号137(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (e)配列番号12(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号14(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (f)配列番号22(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号24(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域;
    (g)配列番号32(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、および配列番号34(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域、
    からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体。
  22. 前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号42(29B06)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号44(29B06)のアミノ酸配列を含む請求項21に記載の抗体。
  23. 前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号147(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号149(Sh29B06 Kv2−28)のアミノ酸配列を含む請求項21に記載の抗体。
  24. 前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号2(07F01)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号4(07F01)のアミノ酸配列を含む請求項21に記載の抗体。
  25. 前記免疫グロブリン重鎖可変領域が、配列番号137(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖可変領域が、配列番号139(HE L 07F01 Kv1−9)のアミノ酸配列を含む請求項21に記載の抗体。
  26. 請求項21に記載の免疫グロブリン重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
  27. 請求項21に記載の免疫グロブリン軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
  28. 請求項36に記載の核酸を含む発現ベクター。
  29. 請求項37に記載の核酸を含む発現ベクター。
  30. 請求項36に記載の核酸をさらに含む請求項29に記載の発現ベクター。
  31. 請求項28に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  32. 請求項29に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  33. 請求項30に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  34. 請求項28に記載の発現ベクターをさらに含む請求項32に記載の宿主細胞。
  35. 免疫グロブリン重鎖可変領域または免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを作製する方法であって、
    (a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを発現させるような条件下で請求項31または32に記載の宿主細胞を増殖させることと;
    (b)前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを精製すること、
    を含む方法。
  36. ヒトRONに結合する抗体または前記抗体の抗原結合性断片を作製する方法であって、
    (a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域および前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現させるような条件下で請求項33または34に記載の前記宿主細胞を増殖させ、それによって前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を作製することと;
    (b)前記抗体または前記抗体の前記抗原結合断片を精製すること、
    を含む方法。
  37. ヒトRONに結合する単離抗体であって、
    (a)配列番号109(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号111(29B06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
    (b)配列番号176(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F IgG1)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号178(Sh29B06 Kv2−28カッパ)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
    (c)配列番号93(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号95(07F01)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
    (d)配列番号166(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G IgG1)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号168(HE L 07F01 Kv1−9カッパ)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
    (e)配列番号97(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号99(12B11)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
    (f)配列番号101(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号103(17F06)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖;
    (g)配列番号105(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および配列番号107(18H09)のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖、
    からなる群から選択される免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽鎖を含む単離抗体。
  38. 前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号109(29B06)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号111(29B06)のアミノ酸配列を含む請求項37に記載の抗体。
  39. 前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号93(07F01)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号95(07F01)のアミノ酸配列を含む請求項37に記載の抗体。
  40. 前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号176(Hu29B06 Hv4−59 D27G T30S M48I I67V Y78F IgG1)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号178(Sh29B06 Kv2−28カッパ)のアミノ酸配列を含む請求項37に記載の抗体。
  41. 前記免疫グロブリン重鎖が、配列番号166(Sh07F01 Hv3−48 D28T T60A L63V E65G IgG1)のアミノ酸配列を含み、前記免疫グロブリン軽鎖が、配列番号168(HE L 07F01 Kv1−9カッパ)のアミノ酸配列を含む請求項37に記載の抗体。
  42. 前記抗体が、抗原結合性断片である請求項21または37のいずれか一項に記載の抗体。
  43. 請求項37に記載の免疫グロブリン重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
  44. 請求項37に記載の免疫グロブリン軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
  45. 請求項43に記載の核酸を含む発現ベクター。
  46. 請求項44に記載の核酸を含む発現ベクター。
  47. 請求項43に記載の核酸をさらに含む請求項46に記載の発現ベクター。
  48. 請求項45に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  49. 請求項46に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  50. 請求項47に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  51. 請求項45に記載の発現ベクターをさらに含む請求項49に記載の宿主細胞。
  52. 免疫グロブリン重鎖可変領域または免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを作製する方法であって、
    (a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを発現させるような条件下で請求項48または49に記載の前記宿主細胞を増殖させることと;
    (b)前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを精製すること、
    を含む方法。
  53. ヒトRONに結合する抗体または前記抗体の抗原結合性断片を作製する方法であって、
    (a)宿主細胞が、前記免疫グロブリン重鎖可変領域および前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現させるような条件下で請求項50または51に記載の前記宿主細胞を増殖させ、それによって前記抗体または前記抗体の前記抗原結合断片を作製することと;
    (b)前記抗体または前記抗体の前記抗原結合性断片を精製すること、
    を含む方法。
  54. 前記抗体が、表面プラズモン共鳴により測定された900pM以下のKでヒトRONに結合する請求項1〜9、21〜25、または37〜42のいずれか一項に記載の抗体。
  55. 前記抗体が、表面プラズモン共鳴により測定された500pM以下のKでヒトRONに結合する請求項54に記載の抗体。
  56. 前記抗体が、表面プラズモン共鳴により測定された250pM以下のKでヒトRONに結合する請求項55に記載の抗体。
  57. ヒトRONに対するMSPの結合を阻害することなくヒトRONの生物活性を阻害する単離抗体。
  58. 腫瘍細胞の増殖を抑制または低減させる方法であって、前記腫瘍細胞の増殖を抑制または低減させるために、請求項1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体の有効量に前記細胞を曝露させることを含む方法。
  59. 哺乳動物における腫瘍増殖を抑制または低減させる方法であって、前記腫瘍の増殖を抑制または低減させるために、請求項1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の前記抗体の有効量に前記哺乳動物を曝露させることを含む方法。
  60. ヒト患者における癌を治療する方法であって、請求項1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
  61. 前記癌が、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頚癌、大腸癌、肺癌、膵癌、胃癌、および頭部頚部癌からなる群から選択される請求項60に記載の方法。
  62. 治療に使用するための請求項1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体。
  63. 腫瘍細胞増殖の抑制または低減に使用するための請求項1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体。
  64. 哺乳動物における腫瘍増殖の抑制または低減に使用するための請求項1〜9、21〜25、37〜42または54〜57のいずれか一項に記載の抗体。
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