JPWO2010070837A1 - 電子線装置およびそれを用いた電子線応用装置 - Google Patents

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Abstract

低加速高分解能と高速元素分布測定に対応したSEMを得ようとすると、従来構造のZrOによるSE電子源では、単色な条件での輝度が不足しているか、大電流条件での単色性が大きく損なっていた。単色化仕様としてBaOを用いた場合は、Baの供給が不安定で長期間の安定動作が得られなかった。低加速高分解能と高速元素分布測定に対応したSEMを得るために、Zr−Oを拡散源に持つSE電子源の形状を、先端曲率半径rは0.5μmより大きくかつ1μm未満であり、先端近傍すなわち、先端から3rから8rの位置における円錐形の開き角αが5°より大きく、かつ、(8/r)°未満である構造とする。また、Ba−Oを用いるSE電子源は、金属焼結体とBa酸化物を含むBa拡散源から構成されるBa拡散補給手段を持つ。

Description

本発明は、低加速で高分解能、および大電流で高速元素分析などの機能を備えた電子線装置およびそれを用いた電子線応用装置に係わり、特に、電子線を用いて微細構造を観察する走査型電子顕微鏡(SEM)に関する。
低加速で高分解能の走査型電子顕微鏡(SEM)や、X線による元素分析を高速に行うための電子ビーム照射装置においては、単色で、輝度が高く、かつ容易に大プローブ電流が得られるショットキー放出電子源(以下に、SE電子源と称す。)が用いられている。この電子源は、太さ0.1mm程度のW(100)単結晶棒の先端を細く尖らせ、この表面にZrとOを吸着させて(100)面のみ選択的に仕事関数を2.8eV程度に低下させたものであり、W単結晶棒はWフィラメントからなる発熱体上に固定されて、1800K程度の温度に加熱されて用いられる。
従来のZrO/W系を用いたショットキー型電子源としては、例えば、大電流のプローブを取得し、かつエネルギー幅のそろったもの、すなわち単色性の良い電子ビームを得るために、電子源先端の曲率半径rは大きなものがよいとされている。このことは、例えば、特許文献1に開示されている。この場合、rは1μm以上、2μm以下が好適とされてきた。
一方、輝度の高い電子源を得るには、電子源先端付近に電界集中しやすい形状が良く、先端の曲率半径と開き角αをある範囲にする必要がある。このことは、例えば、特許文献2に開示されている。この場合、rは0.2μmから0.5μmの範囲、αは5°から8°の範囲にすることが示されている。
また、より単色で大電流化を達成するには、Zr−O/Wよりも仕事関数が低く、低温で動作する表面構造が必要である。Zr-O/W系の場合、仕事関数2.8eV、動作温度1800K付近、であるのに対して、Ba−O/W系は仕事関数1.0-1.5eV、動作温度1000-1200K程度となり、エネルギー幅がほぼ半分となることは、非特許文献1(図4、p.441右側のセクション6.2初め〜下4行目まで)に記載されている。
Baを含んだショットキー電子源の問題点は拡散が安定しないことであり、これを改善するために、電子源となっているW単結晶針の中腹に設けた拡散源中に還元剤を混ぜることが開示されている。これは、例えば、特許文献3には、様々な元素や化合物の候補が記載されている。
特開2005−339922号公報 特開平09−283068号公報 特開平11-224629号公報
西山 他、「ショットキー電子源から放出される電子ビームの狭エネルギー幅化」、応用物理 第71巻、2002年、p.441
従来の技術においては、電子源先端の曲率半径rが大きいと輝度が低下し、さらに電圧増加に伴い電源、碍子、収差が増大するという問題があった。一方、rが小さいものでは、大電流化した場合のエネルギー幅の広がりが空間電荷効果により広がる、Boersch効果のために色収差の増大を招き、装置の分解能が低下するという問題があった。
また、Ba−Oを含む酸化物を拡散源としたSE電子源では、動作を1000K程度に低温化すると電子放出が安定せず、連続で1ヶ月程度までしか使用できない等の安定性に問題があった。
上記課題のうち、単色であっても引出電圧が高いあるいは、高輝度でもエネルギー幅が広いという問題を解決するために、先端曲率半径rは0.5μmより大きくかつ1μm未満であり、先端近傍すなわち、先端から3rから8rの位置における円錐形のコーンアングルαが5°より大きく、かつ、8/r°未満である構造とする。ただしrの単位はμmである。
また、より単色の電子源を得る場合、Zrの代わりにBaを用い、このBa拡散補給手段を、多孔質の金属焼結体とBa−Oを含むBa拡散源からなるものとする。
本発明の主眼は、低加速で高分解能なSEM像を観察する場合に有用な金属焼結体とBa酸化物を含むBa拡散源から構成するSE電子源である。
上記の構成とすることで、単色で高輝度の領域と、大電流でもエネルギー幅が大きく広がらずかつ高輝度を維持できるので、低加速高分解能と、高速元素分析機構を有する電子線装置を提供することが可能となる。
(a)―(d)は、本発明の実施例の説明図。 本発明の実施例の説明図。 (a)、(b)は、本発明の実施例の説明図。 本発明の実施例の説明図。 (a)、(b)は、本発明の実施例の説明図。 本発明の実施例の説明図。 本発明の実施例の説明図。 (a)―(c)は、本発明の実施例の説明図。 (a)、(b)は、本発明の実施例の説明図。 (a)―(c)は、本発明の実施例の説明図。 (a)―(c)は、本発明の実施例の説明図。
以下、実施例に従い発明の形態の説明を行う。
図1に本発明による電子線応用装置の一例を示す。
図1(a)は、電子放出源となるW針1とそれを支えるWフィラメントによる発熱体3とZr-Oの拡散源2を持ち、これらがガイシ5と電極4上に保持され熱電子発生を抑えるサプレッサ6が被せられており、このW針(単結晶W金属針)1の針状先端8は、図1(b)のようにW単結晶棒円筒形から徐々に細くなって先端につながる部分(ここで、この部分を便宜的に「くびれ部」と呼ぶことにする)であり、この長さLnは針の強度を保つためと拡散距離が適度に短くなるように200μm以下が望ましい。さらに、先端部分の微細構造は先端を半球形に近似したときの球の半径を、先端の曲率半径rと呼び、このrは0.5μm<r<1μmであり、先端から針状先端8の近傍を円錐形9の一部として近似したときの円錐の開き角(opening angle)をαと定義したとき、5°<α<(8/r)°となる。ただし、rの単位はμmの条件である。先端付近で近似する円錐形状が曖昧な場合は、このαのより教義な定義として、図1(c)に示すように、先端からの距離3rから8rの間の領域を円錐形9として近似すればよい。
以下に、本電子源形状の利点について電子線装置、SEMに適用した例を用いて説明する。
図2にこの電子源10を走査型電子顕微鏡(SEM)に応用した例の概略図を示す。
電子源10のサプレッサ電極6の下端面に引出電極11があり両者の間隔は0.7mm程度であり、電子源の針先端8サプレッサ6の下面から、0.2−0.3mm程度引出電極側につきだしている。ここに電子銃電源より引出電圧V1を印加して、所望の電流量のプローブ電子5を発生させる。この電子線は、加速電圧V0及び第1アノード電圧V2により所望の電子光学条件となって、コンデンサレンズ15および対物レンズ23を主とする電子光学部品類により試料24上に焦点を結ぶ。この焦点位置を偏向器19によりスキャンし、試料から発生する検出電子15をExB偏向器17を介して電子検出器16で検出して電気信号に変換し、コントローラ28上でSEM像が得られる。
ここで、低加速高分解能モードと、高速元素分析モードの2種類の動作機能がある。低加速高分解能モードでは、試料への入射エネルギー1kV以下から50eV程度で用いる。この条件は、半導体やナノ材料などの微細で帯電や電子線衝撃で壊れやすい試料の観察に有力なものである。この低加速の条件下では、色収差による画像のボケ:dcは、電子ビームのエネルギー幅:ΔEに比例し、対物レンズ23中を通過する電子エネルギー:Vobjに反比例し、dc∝ΔE/Vobjとなる。このため、対物の上方に置いたブースター電極20に電子を加速する電圧Vbを印加すると同時に、試料24には電子を減速するリターディング電圧Vsを電源27から印加する。
したがって、高分解能観察時の各条件の一例としては、V0=−3kV、Vb=+1kV〜+5kV、Vr=−2.5kVを印加する。この場合、試料への入射電子のエネルギーはVs−V0=0.5kVと低速となるが、対物レンズ中は最大8kVの加速の電子が通るので、色収差によるボケは1/16に低減されるので、分解能1.2nm程度の高分解能観察が可能となる。ここで、本発明の電子源1を用いれば、Vs=−0.3から−0.7kV、V1=2.5から3kVで所望の放射角電流密度(約50μA/sr)が得られる。この場合、引出電極11の電位はV0+V1=−0.5から0Vであり、グランド電位の第2アノード13に対して同電位かわずかに負電位となっている。両電極の間にある第1アノード12は、両者の電位差が大きいとき、に生じるレンズ作用を調整するものである。特に、引出電極11が正電位で、第2アノードにかけて大きく減速する必要がある場合は、減速電界により大きな収差が発生する。さらに減速により元々電子源1から発生していた電子源の輝度が低下する。したがって、減速が大きければ大きいほど、最終的な分解能を劣化させることになる。この効果は第1アノード12をいかなる電位にしてもとりきれないので、このV0+V1は0か負になっていることが望ましい。これは、引出電圧V1の絶対値が加速電圧V0の絶対値と同じか小さいという条件となる。このことから、実用上のV1の上限を、低加速高分解能モードの場合3kVとする事が望ましい。
X線による元素分析モードでは多くの場合、分解能よりも所要時間が優先される。これは、SEMでは二次電子や反射電子がプローブ電子線14と同程度のオーダーの量が得られるので、これらを高感度で計測して高速で測定できるが、これに比べてX線の発生量は少ないことに起因している。従って、高分解能観察時よりもなるべく多い量のプローブ電子線14を照射することが望まれる。比較的高分解能の元素分析のためには、試料入射の電子エネルギーを低く、例えば、4kVにし、3nm程度の分解能でX線分析装置21により発生X線のエネルギー分布を計測する。この場合は、リターディング不要Vs=0Vであり、V0=−4kVで用いれば良く、試料入射エネルギーは4kVとなる。先述と同じ議論で、V1は4kV以下で用いると最大の効果が得られる。特に大電流が必要な場合、プローブの電流量は電子源1から放出する放射角電流密度:J0(A/sr)に対して、V0/V1倍となるのでなるべく低いV1で所望の放射角電流密度が得られること、V1は4kV以下が望ましい。
以上の条件は、電子源先端において、放出電流密度を決定する表面電界:Eの値が所望のV1以下で得られるという条件に相当する。図5(a)に表面電界Eと引出電圧V1の関係の例を示す。ここではr=0.6μmの場合に関して示している。引出電圧V1は図2の装置中で用いられる値である。ここで、A、Bの水平な鎖線は、それぞれ、低加速高分解能モードと、高速元素分析モードに必要な電界を表している。プロットされた線の内、先のV1の制限、すなわちAに対しては3kV以下、Bに対しては4kV以下という条件に合うものは、α=10°である。20°−30°は引出電圧が必要以上に高くなり、条件として適当ではない。
細かく見るとr=0.6μmの場合、この条件に合致するものはαがおよそ13.4未満である。この境界値を各r毎にプロットしたものが図5(b)であり、大まかに、α=8/rという近似式が得られる。このとき、rの単位はμm、αの単位は°(degree)である。このような曲線になる理由は、先端曲率半径rが異なる場合は、電界も異なるためであり、この結果、rが0.5から1.0μmの範囲では、使用に好適な制限は、ほぼ、α<(8/r)という条件が得られる。
次に、高速元素分析モード等の、電子源から多くの電子を放出させて用いるいわば、大電流観察の場合、分解能を制限する因子として、電流密度の増加に伴うエネルギー幅や光源径の増大現象がある。
電子源から放出された電子の初期速度は小さいため、ある程度の電流密度以上になると、電子同士のクーロン相互作用による反発のため、エネルギー幅や光源サイズが著しく広がる現象がある。これは、空間電荷効果や、Boersch効果と呼ばれており、先端曲率半径rが小さいほど、放出源の面積が小さくなるので、より小さな電流で顕著になってくる。ここでは、電子源から出てくる電流量のパラメーターとして、単位立体角当たりに放出する電流、放射角電流密度J(A/sr)を用いる。なお、輝度を表す指標としてはこのJを光源サイズS(m)で割ったものを用いている。また、このJ/Sは加速電圧に比例するので、加速V0で割った値J/S/V0を換算輝度(reduced brightness)として用いる場合もある。先端曲率半径rが大きくなると光源サイズSはほぼrに比例して大きくなるので、同じ輝度を得ようとすると、放射角電流密度Jもrに比例して大きくする必要がある。この効果が
顕著になる境界を図3(a)中に実線で示す。これより左上、ドットの有る空間電荷支配領域30は空間電荷効果が支配的であり、明らかに望ましくない領域である。この図3(a)中の実線は、次のようにして決められる。例えば、r=0.25μmの先端径のSE電子源では、およそ0.1mA/srから空間電荷効果が顕著になり、エネルギー幅の増加と、光源径の拡大のため、分解能が悪くなる、プローブ電流が増加しない等の問題が出てくる。図3(b)には、各先端曲率半径r毎のJに対する電子線のエネルギー幅(半値幅)ΔEをプロットしたものである。他に、rが0.55μm、0.8μmの場合もプロットしてある。このΔEがおおむね1eVを超えると空間電荷効果が顕著になり、エネルギー幅と光源サイズが急速に悪化するので、このときのJとRをプロットしたものが図3(a)中の境界線である。実用上、高速なEDX検出やパターン検査には0.2mA/sr以上のプローブ電流の放射角密度が必要であり、この条件で空間電荷効果の作用が顕著になり領域の90%以下の電流密度で使用すると良い。0.2から0.3mA/srの領域を使おうとすれば、rは0.5μmを超えるサイズが良い。より大電流が必要であれば、図3(a)のハッチングの、空間電荷効果が小さい領域31から選べばよい。従って、rは0.5μmより大きい事が好適となる。
次に、rが大きい場合について述べる。
空間電荷効果がない条件においては、同一表面電界EでのSE電子源からの電子線のエネルギー幅はrが異なっても基本的に同じ、電流密度も同じである。光源の特性に関してrによって違うことは、引出電圧V1の他に、放出源の面積がある。
SEMのプローブ電流量が、放射角電流密度Jで制限されている場合、Jは面積にほぼ比例して増加するが、電子の光源サイズも同様に大きくなるので、実際に使う場合には縮小率を大きくする。この結果、電子光学系での縮小に伴いプローブ電流が減少するため、結果として、表面電界Eが同じであれば、rが違ってもほぼ同じプローブ電流が得られる。
しかし、電源の要求性能が厳しくなってくる。例えば、r=0.3μm、α=10°の場合の0.2mA/srと同等のプローブ電流を得ようとすると、r=1μm、α=30°の場合、1.8mA/srが必要となり、引出電圧を7kV以上にする必要があり、また全放出電流も1mA前後流れる。このような高圧大電流の電源は、さらに高安定性が求められるので、電源のコストが非常に大きくなる。また、エネルギー消費も増えるので、社会にとって望ましい方向ではない。
SEMのプローブ電流量や分解能が輝度で制限を受けているとき、輝度は加速電圧に比例するので、電界が等しくとも、V1に反比例する。このケースは、輝度が厳しく影響する低加速高分解能の応用にとっては重要な問題である。従来のr≧1μmでは十分な輝度が得られず、r<1μmに良好な条件となる。
電子源先端のαに関しては、5°以下の場合、図1(b)に示すように連続的に径が変化するように作成したとき、先端の細長い部分が長くなりすぎるという問題が出る。図1(c)に示すように、針先端にできるW(100)面から放出する電子を用いるが、これと垂直方向にも等価な面が現れ、これらは中心のビームの周りに4回対称の放出パターンをもたらす。この垂直方向の面は、(010)、(001)とその反対方向の面で、合計4つあり、これらの面積が先端の(100)面に比べてはるかに大きい場合には、図2のような装置内で用いるプローブ電子線14にフレアが混入し、微細なビームに絞ることが難しくなってくる。この側面の面積は、αに依存し、αが小さい方が(010)、(001)面が長く伸びることになるので、大きくなる。
このため、フレアの抑制のためには、α>5°が望ましい。
以上のことから、低加速高分解能性能と、高速元素分析機能を両立させる条件として、0.5μm<r<1μmかつ 5°<α<(8/r)°が好適となる。図4に示す好適条件領域となる。
より好適には、α=8〜11°、r=0.55〜0.65μmが再現性良く得られ、放射角電流密度が0.4mA/srで使えるので、高速EDX分析と、放射角電流を<30μA/srと絞り、ΔEを0.4eVとすることで、800eV程度の低加速でも1.2nmの分解能が得られる。1台の電子線装置で低加速高分解能観察と高速分析が可能となる。
このような電子源先端の作成法としては、W単結晶棒7を電解エッチングして先端の針を形成し、その後真空中で加熱して先端を丸くして所望の形状を得る。最も代表的な方法は、NaOH、あるいはKOHの1mol/L程度の水溶液中にW単結晶棒7を浸し、これに電流を流して液中部分を電解エッチングし、適当なところで停止して、針形状を残す。このとき直流を用いれば、図1(b)のような先端に行くにつれて開き角が小さくなってゆく形状が得られるので、αの小さい先端を作るのに好都合である。
一方、電解エッチングに交流を用いると、開き角がほぼ一定の円錐形状が得られるので、αが大きい12−16°の領域を形成するのに有利である。また、直流を用いて小さいαを形成した後に、交流を用いてわずかに表面を研磨することにより、αを所望の大きさに調整して用いられる。先端の曲率半径rは、加熱条件とαで決められ、図6にその条件例を示すが、例えば、α=12°の場合、r=0.6μmを形成するには、2000Kで20時間程度の加熱で形成される。より高い温度ではより短時間で形成可能である。より小さいα=8°の場合、2300Kで20時間程度の加熱が必要になる。なお、加熱後はW原子の移動のためにαも5%〜20%程度大きくなるので、所望のαを得る場合はあらかじめ条件出しが必要である。これらは、加熱によるW原子の移動により先端を丸くするために、より多くのW原子の移動が必要な場合には、より高温長時間の加熱が必要となる。
より加熱温度を上げるために、H2ガスや、F2、Cl2等のハロゲンガス中で加熱すれば、Wの蒸発を防げるので加熱温度を上げて、工程の短時間化が可能である。先端加熱のためにフィラメントを使わず、近くに別の電子源をおき、ここからの電子をW針に照射して加熱しても良い。これは、電子でなくとも、光を集めて加熱しても良い。これは、真空中、針先端付近に焦点を結ぶようにレンズや集光ミラーを用いて光学系を形成すればよい。
先端形状を精度良く、かつ短時間に形成する方法としては、電解エッチングなどで形成したrの小さい針の先端部分を収束イオンビーム(FIB)などで除去しておき、W原子の移動量を少なくすることである。一例を図7に示す。エッチングで形成した針図7(a)の利用される開き角αは、先端8断面の直径φが、必要なrの2倍程度の位置で求めた値となるので、エッチング条件をあらかじめそのように決めておく。
次に、イオンビームとしては、収束Ga+が広く使われており、この装置中にエッチングで形成した針を置き、針の軸に対して垂直方向から方向のそろったGa+イオンビームを照射し、先端を切り取る。先端が直径φの部分で止める。この後真空中で加熱して先端曲率半径rを得る。r=0.6μm、α=10°の場合、φは1.0−1.1μmとする。加熱条件は、例えば、1800K 1時間、あるいは2100K 5分間程度で良い。加熱前に多少の凹凸があってもその後の加熱で結晶学的に安定な構造をとるので、FIB加工時の面の平滑度は±0.2μm、 (100)面からの角度ズレは、±5°程度は許容される。この方法を用いれば、加熱時間が短く、かつ寸法精度がよいので、多数の生産に向いている。
また、ここでは、エッチング直後のWをFIB加工したが、電子源として、図1(a)のように、Zr−O拡散源を付けた後でも同様にFIB加工は有効である。この場合は、サプレッサ付きのままでも、外した状態でFIB加工装置に入れても良い。また、所望のrを得るための真空中加熱は、電子銃に入れた状態で電子放前後でも良く、この場合、真空中加熱の余分な工程を省くことができる。
イオン種としてはGa以外でもエッチング作用があれば良く、例えば、酸素イオン、Arイオンなどを用いても同様である。
本実施例のSEMではX線検出器としてEDXを用いたが、波長分散を計測するWDXを用いても良い。また、4kVの低加速電子を用いているが、信号が検出できれば、電子線の入射エネルギーを3kVから15kV程度で用いても良い。電子エネルギーが大きい場合には、X線信号が増えるので、高精度で、短時間検出が行える。
図8(a)に本発明の実施例の一つの電子源を示す。電子を放出する部分はW単結晶棒7の先端に設けられた針状先端8であり、Wフィラメントからなる発熱体104に通電加熱することにより拡散源102から金属焼結体100にBa−Oを含む酸化物が含浸している。これらの部品は、カソード支持筒105に納められ、金属焼結体100の脱落防止および、酸素分圧の制御を兼ねてカソ−ドキャップ106がはめられている。ここで金属焼結体100の主成分はWであり、により還元されて発生したBa及びO原子がW単結晶棒表面を拡散し、針状先端8においてBa−O−Wという低仕事関数表面を作りここから電子線が放出される。発熱体104への電力は2本の電極4を介して供給される。
また電子源の針状先端8から放出する電流を供給するために、カソード碍子103に施した金属被膜107を介して金属製のカソード支持筒105と電極4の一方を電気的に接触させる。
これにより、針先8迄の電気的接触が得られる。ここで、電子源の動作のためには、先端8の温度が、800Kから1200Kの範囲とする。より好適には、1000Kから1100Kの範囲で動作させると、単色性と安定性の両立した電子源が得られる。この動作温度はサプレッサ6の一部に開けた穴109のうちの一つを介して外部から放射温度計で確認することができる。
あるいは、内部に熱電対を置いても良い。測定温度が所望の温度となるように、発熱体104の電流、電圧、もしくは消費電力を制御する。
金属焼結体100表面からの熱電子が多量に出るのを防ぐために、サプレッサ電極6が設けられ、カソード碍子103を介してカソード支持筒105との位置が止めネジ108を用いて固定されている。拡散源102の寿命は、Baを供給できなくなるところで決まり、この寿命を延ばすためには、拡散源102の容量を大きく作ること、真空中への蒸発を防ぐことであり、本発明の構造のように、蒸発しにくいようにカソード支持筒105と金属焼結体100が覆いとなっており、かつ容量も所望の大きさに選ぶことができるので、常に通電し続けて連続的に電子放出しても、5年以上の寿命がある事が特徴である。
また、Ba−Oを含む酸化物のみを拡散補給源とした場合には、大気中に置いたときに水分を吸収してBaOHとなり、電子源特性の劣化を招くという欠点があったが、本構造のように金属焼結体100で覆うことで劣化の速度を遅くすることができるので、劣化を防いで取り扱うことができる。例えば、保管時には乾燥窒素中に封入しておけば劣化はなく1年以上保管することができる。実際に使用するときには開封して大気中に取り出し、1から2時間の大気中の作業においても劣化が無い。さらに、一度電子源として使用した後、大気中に取り出す場合でも、乾燥窒素のような水分を含まない雰囲気に保管することで、1年程度は劣化せずに使うことができる。
この金属焼結体100の製造方法は以下の通りである。
図8(b)に示すように、W<100>単結晶棒7の一端に金属粉成形体101を設ける。これは、W単結晶棒の一端にW粉(平均粒径0.5-3μm)を型に入れて形成したものである。バインダーとして1%程度、イソステアリルアルコールのような高級アルコールを添加しても良い。W単結晶棒の直径は約0.13mmであり、W粉体の部分は、直径0.5から5mm程度で、高さ0.5から5mmの範囲とする。これを水素中もしくは真空中で1000K以上で、か焼して結合剤を蒸発させ、2000K±200K程度で5分から1時間程度の加熱を行い焼結する。あるいは1000K以上で、か焼するにとどめても良い。これにより単結晶棒7と金属焼結体100の組合せが得られ、この後、NaOH水溶液、あるいはKOH水溶液を用いた電解エッチング法により針状に尖った先端8を形成する(図8(c))。
次に、真空中で2000K ±200K 程度で5分から1時間程度の加熱を行い、W粉体部分を焼結体とする。この焼結工程において、W焼結体の空隙率および、W<100>針先端の曲率半径が決まるので、これらが所望の値となる条件を選ぶ。なお、あらかじめ両条件がひとつの温度と時間に収まるように、あらかじめ粉体の粒径、および針先端の開き角を調整しておくことが重要である。金属焼結体100は多孔質であり、空隙率1から20%程度が望ましい。
金属としては、Ni等を添加しても良い。あるいは、Wを主たる成分とする必要性はなく、例えば、Niを主たる成分として、Mg、Si等を0.05−0.25%の範囲で含む合金を用いても良い。
拡散源102は、BaO、CaO、SrOの混合物が主となっている。これらは、あらかじめ炭酸Ba、炭酸Ca、炭酸Sr粉末を成形したものを作り、これを1000K以上に加熱して熱分解により酸化物としても良い。バインダーを添加すると成形性が良く、例えば、コロジオンのアルコールもしくはエーテル溶液を1ー10%程度添加すると良い。いったん酸化物にすると、大気中で吸湿して劣化してしまうので、乾燥空気、窒素、真空中などに保管する必要がある。あるいは、炭酸化物のまま装着し、加熱で酸化物に分解して、そのまま取り外さずに電子源として用いることも可能である。
また、拡散源として、酸化物のみならず、クロム酸バリウム(BaCrO4)や、マンガン酸バリウム(BaMnO4)の様に加熱、あるいは還元反応によりBaを遊離させる化合物を用いても良い。また、拡散源のBa酸化物を含む材料では熱分解でBaを発生したときに酸素が余分に遊離し、電子源動作の妨げになる場合には、これらの材料中にゲッタ材料の粒を混ぜても良い。ゲッタ材料とは酸素や水素を吸着するもので、例えば、Zr、Ti等を主成分とする合金を指す。焼結金属100にこの、ZrもしくはTiを主とした金属を使っても良い。
本実施例においては余分な熱電子の発生を防ぐためにサプレッサ電極を用いたが、焼結金属100表面からの熱電子のエネルギーよりも電子ポテンシャルの高いものがあれば良く、例えば、図9(a)のように、カソードキャップ106を長くしても良い。この場合、カソードの中心穴110はNi,Ni-Cr,Fe-Ni-Cr合金を用いると、仕事関数が4.5-5eVであり、仕事関数が2.0以下に低下したW表面の中心部分から出てくる電子のエネルギーは、カソードキャップ106の穴の真空準位よりも2eV以上低いので、より電位の低い部分に押し戻される。ここで、中心穴110の開口は穴の長さに比べて十分狭いことが必要である。
Ba拡散源102および金属焼結体100からの放出ガスをすばやく外に出すために、図9(b)のように、カソードキャップ106にはガス抜き穴111を設けても良い。
本実施例による電子源は、従来のZrOを用いたショットキー電子源の代わりに用いると、エネルギー幅が0.2-0.3eVと、ほぼ1/2から1/3の条件で使えるので、例えば、実施例1で用いた図の電子源1として用いれば、色収差が低減され、高分解能化が達成される。試料入射エネルギー1kVでは0.8nm程度の分解能が得られる。また、仕事関数が低いために、電子源表面に印加する電界が、これまでよりも低い電界でより大電流が放出されるので、X線分析がより短時間で行えるという利点がある。エネルギー幅0.2eVは、W<310>による電界放射(FE)電子源よりも単色性がよいので、減速して用いる電子光学系では本実施例の電子源を用いるといっそうの高性能化が達成される。例えば、低速電子顕微鏡(LEEM)や、ミラー式電子顕微鏡に応用すると、より高分解能になるだけでなく、画像信号量も増えるので、同じ分解能であればより高速観察が可能となる。
電子源先端形状は、実施例1のように0.5μm<r<1μmかつ 5°<α<(8/r)°としても効果的だが、仕事関数が低く、必要電界が小さくてすむので、rは3μm程度まで、αは30°までのものとしても、効果がある。
また、大電流は用いずとも、単色化による高分解能性能が必要な場合は、より小さいr例えば、0.2〜0.5μmで、小さいα 5〜10°で用いると高輝度単色電子源としては最高性能が得られる。
本実施例においては、拡散補給源として、金属焼結体100と拡散源102を別に置いたが、初めから一体ものとして製作しても良く、例えば、図10(a)(b)に示すように、W単結晶棒7の一部に設けたBa拡散補給源112は、金属焼結体100の粒の隙間にBa拡散源102としてBa−Oを含む酸化物を含浸させたものを用いても良い。この場合、図10(a)の様な構造で電子源を構成できるので、構成部品が少なく、小型、安価などの利点がある。Ba拡散補給源として、図10(c)に示すように、Ba拡散源102を金属焼結体100で包んだ形としても良い。
本実施例においては電子放出源であるW針1と拡散補給源の加熱手段は1つであったが、複数あっても良く、例えば、図11(a)に示すように、電極4はF1、F2、F3の3本あり、そのうちの1組、F1とF2にW発熱体3を接続してW針1の加熱を行い、F2とF3に補給源加熱手段113を接続して、Ba拡散補給源112を加熱する構造となっている。Ba拡散補給源としては、例えば、金属焼結体100の粒の隙間にBa拡散源102としてBa−Oを含む酸化物を含浸させたものを用いる。補給源加熱手段113としては、Wフィラメントを用い、金属焼結体100及び、電極棒4との固定はスポット溶接により形成される。
回路図は、図11(b)に示されるように、W発熱体3加熱用に電流Ifを流し、補給源加熱手段113の加熱用に電流Idを独立に流して用いる。ここでは定電流回路を用いているが、所望の温度に加熱できれば、定電圧でも、定電力回路などでも効果は同じである。この場合、Ba拡散補給源112を1200Kから1500Kに加熱することでBaおよびOが蒸発し、W針1の表面に吸着する。この加熱温度は、サプレッサ6の側面の穴109を通して外部よりその発光量あるいは発光色により確認できる。
一方、W針1は900Kから1100Kの間の温度に保たれ、電子放出する。この場合、両者の温度の最適条件において電子源として稼働できるので、単色高輝度で、安定なものが得られるという利点がある。さらに、W針1表面がCの被覆等により汚染され電子放出が減衰、あるいは不安定になった場合、W発熱体3のみ電流量を一時的に増加させ、W針1を1800Kから2200K程度に加熱して表面を清浄化することができる。その際、W針1表面のBa−Oは蒸発で失われるが、補給源加熱手段113は温度を上昇させていないため、Ba−Oの供給は続いており、再度W針1を稼働温度に下げれば電子放出を再開することができる。
また、図11(c)に回路図を示すように、電極4をF1、F2、F3、F4の4本とし、補給源加熱手段113をF3とF4に接続し、F2とF3の間に電圧Vdを印加する構造にすると、補給源加熱手段113がW針1より正の電位となるようにVdの値を+10から+300V程度に調節すれば、補給源加熱手段113から発生する熱電子がW針1およびW発熱体3への流入を防ぐ事ができるので、安定な電子放出が得られる。また、W針1の清浄化の際には、補給源加熱手段113をW針1に対して負の電位となるようにVdを−100Vから−500V程度にすると、補給源加熱手段113から発生する熱電子によりW針1を加熱できるという利点がある。なお、図11においては補給源加熱手段113として金属焼結体100の粒の隙間にBa拡散源102としてBa−Oを含む酸化物を含浸させたものを用いているが、加熱によりBaとOが蒸発すれば良く、例えば、図8(a)のように、金属焼結体100拡散源102カソード支持筒105で構成しても効果は同様である。
以上、実施例をあげて説明したように、本発明を用いれば、低加速高分解能や高速元素分析が可能な電子線装置に向いた電子源が得られるので、高分解能、多機能のSEMや荷電粒子線装置が実現される。
1…W針、2…Zr−O拡散源、3…W発熱体、4…電極、5…ガイシ、6…サプレッサ、7…W単結晶棒、8…針状先端、9…近似した円錐形、10…電子源、11…引出電極、12…第1アノード、13…第2アノード、14…プローブ電子線、15…コンデンサレンズ、16…電子検出器、17…ExB偏向器、18…検出電子、19…偏向器、20…ブースター電極、21…X線分析装置、22…真空容器、23…対物レンズ、24…試料、25…試料ステージ、26…電子銃電源、27…電源、28…コントローラ、30…空間電荷支配領域、31…空間電荷効果が小さい領域、32…最適領域、100…金属焼結体、101…金属粉成形体、102…拡散源、103…カソード碍子、104…発熱体、105…カソード支持筒、106…カソードキャップ、107…金属被膜、108…止めネジ、109…穴、110…中心穴、111…ガス抜き穴、112 …Ba拡散補給源、113…補給源加熱手段。

Claims (13)

  1. 電子発生源たる単結晶W金属針と、Zr−O拡散源と、発熱体と、サプレッサ電極とを持つSE電子源を備えた電子線装置において、
    前記単結晶W金属針は、円柱形状と、該円柱形状の上端面に延伸して設けられ径が徐々に細くなるくびれ部分と、該くびれ部分に延伸して設けられたほぼ円錐形状とから構成される形状を有し、
    前記円錐形状の電子を放出する部分の先端形状を半球形に近似し、該半球の曲率半径をrと定義したとき、前記先端形状の曲率半径rは0.5μm<r<1μmであり、
    前記円錐形状の開き角をαと定義したとき、前記開き角は、5°<α<(8/r)°(ここで、rの単位はμmとする)であることを特徴とする電子線装置。
  2. 前記単結晶W金属針において、前記円柱形状と前記くびれ部分とが接する境界から前記円錐形状の先端までの長さをLnと定義したときに、Ln<200μmであることを特徴とする請求項1記載の電子線装置。
  3. 前記先端形状の曲率半径rが、0.55μm≦r≦0.7μmであり、前記円錐形状の開き角をαが、8°≦α≦12°であることを特徴とする請求項2記載の電子線装置。
  4. 電子発生源たる単結晶W金属針と、Ba拡散手段と、発熱体とを有するSE電子源を備えた電子線装置において、
    前記Ba拡散手段は、多孔質の焼結金属とBa−Oを含むBa拡散源から構成されることを特徴とする電子線装置。
  5. 前記Ba拡散手段からの熱電子放射を抑制するサプレッサ電極を持つことを特徴とする請求項4記載の電子線装置。
  6. 前記Ba拡散手段は、金属焼結体にBaO酸化物を含むBa拡散源を含浸させたものであることを特徴とする請求項4記載の電子線装置。
  7. 前記Ba拡散源の外側に焼結金属を配したものをBa拡散手段としたことを特徴とする請求項4記載の電子線装置。
  8. 前記Ba拡散手段は、Ba拡散源上に金属焼結体を配し、前記単結晶W金属針を前記金属焼結体に結合した結合体であることを特徴とする請求項7記載の電子線装置。
  9. 前記焼結金属は、Wもしくは、Ni、Cr、Feを主成分とし、粒径が0.1〜10μmの粉体を焼結したものであることを特徴とする請求項4記載の電子線装置。
  10. 前記Ba拡散源は、Ba−Oを含む酸化物でBaO単体、もしくはCaO、SrOあるいはBa、Ca、Srの炭酸化物を含むことを特徴とする請求項4記載の電子線装置。
  11. 前記Ba拡散源は、クロム酸バリウム(BaCrO4)、マンガン酸バリウム(BaMnO4)、あるいはこれらの混合物と、Zr、Tiを主成分とする合金の粒子を含むことを特徴とする請求項4記載の電子線装置。
  12. 電子線を放出する電子源と、
    放出された前記電子線に偏向を与える偏向手段と、
    試料に前記電子線を照射する照射手段と、
    前記試料から発生する電子を検出する電子検出手段、あるいはX線を検出するX線検出手段のうち、いずれか少なくとも一つを有し、
    前記電子源が、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子線装置を用いて構成されていることを特徴とする電子線応用装置。
  13. 前記電子検出手段と前記X線検出手段の両方を備え、
    前記X線検出手段は、波長あるいはエネルギーにより放出された電子線を分類する機能を有することを特徴とする請求項12記載の電子線応用装置。
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