JPH0836981A - 熱電界放射陰極及びその製造方法 - Google Patents
熱電界放射陰極及びその製造方法Info
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- JPH0836981A JPH0836981A JP17132294A JP17132294A JPH0836981A JP H0836981 A JPH0836981 A JP H0836981A JP 17132294 A JP17132294 A JP 17132294A JP 17132294 A JP17132294 A JP 17132294A JP H0836981 A JPH0836981 A JP H0836981A
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- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Abstract
2mA/sr以上変動率5%以下の電子ビームが得られる
熱電界放射陰極とその方法を提供する。 【構成】 軸方位が<100>方位からなるタングステ
ン単結晶ニードルにジルコニウムと酸素からなる被覆層
を設けた熱電界放射陰極において、先端半径が1.2μm
以上10μm以下で、先端半径に対する平坦部半径の比が
0.2以上であり、しかもテーパー角が25゜以下である熱
電界放射陰極。又、真空中で熱処理する方法、ドライエ
ッチングする方法、もしくはタングステン単結晶ニード
ルを陰極とし電圧を印加して電子放出させることでガス
をイオン化し、該イオンによりエッチングする方法のう
ちの一つ以上の方法により、該タングステン単結晶ニー
ドルの尖鋭部の形状を制御する前記熱電界放射陰極の製
造方法。 【効果】 低加速SEM、高分解能SEM、半導体検査
機器等に用いることができる。
Description
体、セラミックス、生物等を被対象物とし、主にその検
査に適用される高分解能低加速電子顕微鏡、測長機など
の電子線利用機器に用いられる熱電界放射陰極に関わ
る。
子線利用機器がいろいろな分野で利用されている。例え
ば、半導体分野では、半導体デバイスの高集積化、超微
細化に伴い、その検査工程で従来の光学顕微鏡に代わ
り、より高分解能の走査型電子顕微鏡(以下SEMと記
す)や測長機等が用いられるようになってきた。
SEMで観察する場合、試料の損傷を防ぎチャージアッ
プを低減するなどの理由から電子ビームの加速エネルギ
ーを1kV以下に低く抑える必要がある。このような低
加速SEMに於いては分解能は色収差、すなわち電子ビ
ームのエネルギー幅に支配されていることが知られてい
る(J.Vac.Sci.Technol.,B4(1),1986,pp.131-134)。加え
て半導体検査装置に用いられるSEMは高速処理を要求
され、電子線源の陰極には高角電流密度が要求される。
ルコニウムと酸素とからなる被覆層を設けた熱電界放射
陰極、あるいはショットキー陰極(以下、両者を含めて
単に熱電界放射陰極と記す)が優れることが知られてい
る。(Journal of Microscopy,vol.140,Pt 3,December 1
985,pp.303-311)
加速エネルギーが1kV程度の低加速SEMにおいて、
実用上満足できるS/N比を得て、しかも10nm以下の
高分解能を得る為には、角電流密度が少なくとも0.02m
A/sr以上で、しかもエネルギー幅が0.5eV以下の
電子ビームが必要であるが、従来の熱電界放射陰極は、
これを供給するものでなかった。
いる場合には、角電流密度0.02mA/sr以上を得るこ
とを優先して、先端半径が0.6μm程度のものを用い3.5
kV以上の高い引き出し電圧にて用いるか、もしくは更
に先端半径が0.4μm以下の小さなものを選び使用して
いた。しかし、後者ではエネルギー幅は0.7eV以上の
値となり高分解能をも達成できなくなること、前者では
電子ビームが20%以上もの大きな変動を示し安定しない
という問題があった。
特性を有する熱電界放射陰極を得るのは非常に困難なこ
とであり、両特性を備えた安定な電子ビームを得ること
は達成されていなかった。
であって、角電流密度が高く、エネルギー幅が小さく
て、しかも安定な電子ビームが得られる熱電界放射陰極
とその製造方法を提供することを目的とする。
00>方位からなるタングステン単結晶ニードルにジル
コニウムと酸素からなる被覆層を設けた熱電界放射陰極
において、前記タングステン単結晶ニードルの尖鋭部に
内接する球の半径を先端半径R1、先端に位置する平坦
部の半径または先端部に外接する球との共通部分の半径
を平坦部半径R2とし、円錐部の全角をテーパー角θと
する時、先端半径R1が1.2μm以上10μm以下であっ
て、先端半径R1に対する平坦部半径R2の比(R2/
R1)が0.2以上であって、しかもテーパー角θが25゜
以下であることを特徴とする熱電界放射陰極である。
らなるタングステン単結晶ニードルにジルコニウムと酸
素からなる被覆層を設けた熱電界放射陰極の製造方法に
おいて、真空中で熱処理する方法、ドライエッチングす
る方法、もしくは該タングステン単結晶ニードルを陰極
とし電圧を印加して電子放出させることでガスをイオン
化し、該イオンにより該タングステン単結晶ニードルの
尖鋭部をエッチングする方法のうちの一つ以上の方法に
より、該タングステン単結晶ニードルの尖鋭部の形状を
制御することを特徴とする請求項1記載の熱電界放射陰
極の製造方法である。
及び図2は、本発明の熱電界放射陰極のタングステン単
結晶ニードルの尖鋭部の断面図である。又、図3は、従
来法で作製された熱電界放射陰極のタングステン単結晶
ニードルの尖鋭部の断面図である。
状は、図1及び図2で示すように、円錐状のA部、円柱
状のB部、半球状のC部と平坦状又は比較的大きな曲率
を有する凸面状のD部に区分できる。従来の熱電界放射
陰極では、図3に示すように、B部が極めて短いか、も
しくは存在していなかった。
状を定めるためには、形状パラメーターとして、A部に
ついてはそのテーパー角θを、C部についてそれに内接
する球の半径R1(先端半径)を定めればよい。又、D
部については、図1に示すように平坦部を形成している
場合と、図2に示されるように大きな曲率を持った球面
状の場合がある。図1の場合、その平坦部の半径(R
2)のみで示すことができる。図2の場合、先端部に接
する球の半径(R3)と、その球と先端部の共通部分の
半径で表すことができる。本発明者らの検討によれば、
図1の平坦部と、図2の先端部に接する球と先端部の共
通部分は、共に熱電界放射陰極として作動するときの電
子を放出する主要部を構成していると考えられる。本発
明では、両方の場合共に、その半径を平坦部半径R2で
表す。
いは先端半径の平坦部半径に対する比(R2/R1)が
0.2未満の場合はエネルギー幅が大きく、電子ビームの
変動率が大きくなり当初の目的を達成できない。先端半
径R1が10μmを越える場合やテーパー角θが25゜を越
える場合には、0.02mA/sr以上の角電流密度を得る
ことができず、やはり当初の目的を達成できない。これ
らの理由については明確でないが、前二者ではタングス
テン単結晶ニードルの先端部近傍に形成される電界分布
や電子放出部分が一様性を欠くため、後二者では電界強
度が不足するためと考えられる。
について、詳しく説明する。
絶縁碍子の電極ピンにタングステンワイヤーからなるV
型フィラメントを取付け、その先端部に軸方位が<10
0>方位からなるタングステン単結晶ニードルを溶接固
定した後、タングステン単結晶ニードルの先端部を電解
研磨法にて尖鋭化し、タングステン単結晶ニードルの中
央部にジルコニウム源を取付けて約10-6Torrの酸素存在
下で加熱してタングステン単結晶ニードルの先端部にま
でジルコニウムと酸素を拡散させ、しかる後に各種の電
極を取付けて約10-9Torrの真空下で電圧を印加すること
で、タングステン単結晶ニードルの先端部の形状を形成
させるものである。従って、タングステン単結晶ニード
ルの尖鋭部の形状は、電解研磨後の形状によって制限さ
れている。
条件を変えることで、いろいろな形状のものを得ること
ができる。しかし、タングステン単結晶ニードルの尖鋭
部は図3に示す形状となってしまうこと、先端半径R1
を大きくしようとすると、それに従ってテーパー角θも
大きな値となってしまうこと、先端部に十分に大きな平
坦部を作ることができない等の制限がある。このため、
先端半径R1に対する平坦部半径R2の比(R2/R
1)を0.2以上とすることができない、テーパー角θが2
5゜以下でしかも先端半径R1が1.2μm以上のものが得
られないので、電解研磨法のみによっては本発明の熱電
界放射陰極を得ることができない。
が選別される。テーパー角θが25゜を越えたものは、本
発明で開示するいずれの方法によっても、これを小さく
変えることができない為である。テーパー角θが25゜以
下のものを電解研磨法で得るためには、タングステン単
結晶ニードルの切断直後に電解電圧を速やかに零として
電解研磨を終了させる方法が有効である。
る第1の方法は、電解研磨法で得たタングステン単結晶
ニードルの尖鋭部の形状を、真空中で熱処理することで
制御する方法である。
りも良い真空条件下で行うが、アルゴン、ヘリウム、水
素等の不活性ガスを用いることもできる。
0として測定した時の温度)で1700℃以上2300℃以下、
好ましくは1900℃以上2100℃以下が選択される。1700℃
未満では、1.2μm以上の先端半径のものは得られず、2
300℃を越えるとタングステン単結晶ニードルやタング
ステンワイヤーの溶断等の損傷を招き易い。数時間から
数十時間程度の現実的な時間内で、損傷の問題が無く、
再現性良く形状を調整するためには1900℃以上2100℃以
下の輝度温度が適している。
る第2の方法は、電解研磨で得たタングステン単結晶ニ
ードルの尖鋭部の形状を、ドライエッチングすること
で、制御する方法である。
パラメーターの制御性に優れる点が長所である。ドライ
エッチングする方法としては、イオンビームによるエッ
チング、プラズマによるエッチング等の従来から知られ
ている方法のいずれでも良いが、タングステン単結晶ニ
ードルの軸方向に対してエッチング効果が著しいものが
より好ましい。イオンビームやプラズマ等のドライエッ
チングで用いるガス種は、アルゴン、酸素、水素等の一
般的なガス種を選択し導入しても良いし、大気等を真空
排気した時の残留ガスを利用しても良い。
る第3の方法は、電解研磨法で得たタングステン単結晶
ニードルを陰極とし電圧を印加し電子放出させてガスを
イオン化し、該イオンによりエッチングすることで前記
タングステン単結晶ニードルの尖鋭部の形状を制御する
方法である。
ングステン単結晶ニードルを陰極とし対向する陽極との
間に数kVの電圧を印加し電子放出させる時、残留する
ガスがイオン化するが、正に帯電したイオンは電圧印加
時に形成されている電界に導かれて、陰極であるタング
ステン単結晶ニードルへと向かい、最後には衝突してこ
れをエッチングすることを見いだしたものである。しか
も、電界強度は尖鋭部で最も強いので、尖鋭部の先端を
選択的にエッチングすることが判った。発明者らは、こ
の現象を積極的に利用することで、本発明に至ったもの
である。
は5×10-9〜5×10-7Torrの範囲、好ましくは1×10-8〜1
×10-7Torrの範囲が選択される。5×10-9Torr未満の圧
力では電子放出時にイオン発生が少なくなりエッチング
が速やかに行えない。一方、5×10ー7Torrを越えるとイ
オン発生が著しく多くなり、エッチングがあまりにも早
くなり形状の制御が行えなくなる。形状を制御するのに
適当なエッチングの速さは、圧力が1×10-8Torr以上1×
10-7Torr以下の場合に達成される。
は、1350℃以上1500℃以下が選択できる。1500℃を越え
ると、タングステン単結晶ニードルの尖鋭部での変形が
容易に検知されるようになり、形状の制御性が悪くな
る。真空中の熱処理する方法に比べ低い温度で形状の制
御性が制限されるのは、該尖鋭部の形状の変化が、熱処
理による効果の他に、電圧を印加することの効果、イオ
ンによるエッチングの効果が絡んでいるためと推察され
る。1350℃未満では、エッチングの速さが極端に遅くな
る。
は、10μA以上350μA以下である。10μA未満では、
イオンの発生量が少なくなり、エッチングに多大な時間
を要する。350μAを越えると、イオン発生が急に多く
なり、エッチングがあまりに速くなり形状の制御ができ
なくなる。又、印加電圧については、前記の圧力、温度
の他に、電極間距離等の電極配置、或いはタングステン
単結晶ニードルの尖鋭部形状等により変化するので規定
しないが、一般的に、2〜6kV程度である。
の形状を調整したタングステン単結晶ニードルに、更
に、ジルコニウムと酸素からなる被覆層を設けた後、電
圧を印加し最終的な形状に定める。これらの尖鋭端の形
状を制御する方法は、いずれも、ジルコニウムと酸素か
らなる被覆層を設けた後に適用することもできる。特
に、3番目の方法はジルコニウムと酸素からなる被覆層
を設けた後に適用すると、一層制御性に優れ、好まし
い。
くとも一回以上適用することで、本発明の熱電界放射陰
極を得ることができるが、電解研磨にてタングステン単
結晶ニードルの先端部が尖鋭化された後であれば、2つ
以上の方法を共用したり、或いは一つの方法を2度以上
適用する等自由に適用することができる。
る。
ーからなるV型フィラメントを取付け、その先端に軸方
位が<100>方位からなるタングステン単結晶ニード
ルを溶接して固定した。次に、上記のタングステン単結
晶ニードルを、電解研磨法にて切断し、尖鋭化した。こ
の段階でのタングステン単結晶ニードルの尖鋭部の形状
パラメーターは、θ=20゜、R1=0.1μmであった。
平坦部は、検知できなかった。次に、上記のタングステ
ン単結晶ニードルを1×10ー6Torrの真空中で、輝度温度2
000℃で10時間保持することで、先鋭化したタングステ
ン単結晶ニードルの先端部の形状を調整した。この処理
の後で、タングステン単結晶ニードルの形状パラメータ
ーは、θ=20゜,R1=1.2μmであった。次に、上記の
尖鋭部の形状を調整したタングステン単結晶ニードルの
中央部にZrH2(水素化ジルコニウム)粉を塗布し、
酸素ガスを導入した3×10-6Torrの真空中で、輝度温度1
400℃で20時間加熱し、ジルコニウムと酸素をタングス
テン単結晶ニードルの先端部まで拡散させることで、ジ
ルコニウムと酸素の被覆層を設けた。最後に、サプレッ
サー電極及び引き出し電極を取付け、1×10-9Torrの真
空中で1400℃の輝度温度に保ちながら、サプレッサー電
極を−300Vに、引き出し電極を+2.5kVとし、タング
ステン単結晶ニードルに電圧を印加して先鋭部に平坦部
を形成させた。上記の一連の工程処理を経て得られた熱
電界放射陰極の形状パラメーターは、θ=20゜、R1=
1.2μmであり、平坦部が明瞭に形成されていて(R3
=∞)、その大きさはR2=0.38μmであった。又、そ
の電子ビーム特性を測定したところ、引き出し電圧が3.
8kVの時に角電流密度0.043mA/sr、エネルギー幅
0.50eVであり、ビーム変動率は2.3%であった。尚、
データの取扱いは、下記の算出方法によった。
(2α)が10mradで測定したプローブ電流(I)よ
り、I/(π・α・α) にて算出した。
m型のエネルギー分析器を用いて測定されたエネルギー
分布の半値幅をもってエネルギー幅とした。(A.G.J.Vo
n Oostrom;Philips Res. Rept. Suppl.(1966)No.1 PP.1
-102)
α)が10mradで測定されたプローブ電流について、任
意の10時間の区間における最大値をImax、最小値をIm
inとした時に、変動率を(Imax−Imin)/Imax×1
00 にて算定した。
で、テーパー角θが17゜でR1がO.1μmの尖鋭部を有
するタングステン単結晶ニードルを準備した。これを、
1×10-6Torrの真空中でアルゴンイオンビームを照射し
イオンエッチングすることで、タングステン単結晶ニー
ドルの尖鋭部の形状を調整した。照射したアルゴンイオ
ンビームの加速電圧は5kVで、イオン電流値は2.5〜2.
8μAであり、ビーム径は約1mmであった。この操作の
後の、形状パラメーターは、θ=17゜、R1=8.0μ
m、R2=1.91μm、R3=57μmであった。次に、こ
れを実施例1に記載したようにジルコニウムと酸素から
なる被覆層を設けた後、電圧を印加して、熱電界放射陰
極を作成し、その形状パラメーターと電子ビーム特性を
調べた。形状パラメーターは、θ=17゜、R1=8.5μ
m、R2=1.96μm、R3=68μmであり、電子ビーム
特性は、5.0kVの引き出し電圧の条件下で、角電流密
度が0.029mA/sr、エネルギー幅が0.49eVで、変
動率が1.1%であった。
にて、θ=18゜、R1=0.2μmの尖鋭部を有するタン
グステン単結晶ニードルを準備した。これを実施例1に
記載したジルコニウムと酸素からなる被覆層を設ける処
理を施した後、酸素ガスを導入して0.1〜0.5Torrに保持
した真空中で、タングステン単結晶ニードルを陰極と
し、これより100mm離して陽極を配置し、その間に0.5
〜1.5kVの直流電圧を印加してプラズマを生成してタ
ングステン単結晶ニードルをエッチングすることで、タ
ングステン単結晶ニードルの尖鋭部の形状を調整した。
この時のプラズマ電流は、5mAであった。上記タング
ステン単結晶ニードルに、実施例1記載の方法で電圧を
印加して熱電界放射陰極を作成し、その形状パラメータ
ーと電子ビーム特性を調べた。形状パラメーターは、θ
=18゜、R1=5.1μm、R2=1.43μm、R3=10.2
μmであり、電子ビーム特性は、引き出し電圧4.5kV
の時に、角電流密度0.023mA/sr、エネルギー幅0.4
8eV、変動率1.9%であった。
にて、θ=25゜、R1=0.2μmのタングステン単結晶
ニードルを得た。次に、タングステン単結晶ニードルを
陰極とし、0.35mm離れて垂直に配置した円盤状陽極と
の間に、真空度3×10-9Torrのもとで電圧を印加して電
子放出を行わせ、残留ガスをイオン化させ、タングステ
ン単結晶ニードルをエッチングすることで、タングステ
ン単結晶ニードルの尖鋭部の形状を調整した。エッチン
グ中のタングステン単結晶ニードルの温度は、輝度温度
で1450℃、又真空度はガス発生の為に2×10-8Torrであ
った。尚、印加電圧は、3.5kVで、エミッション電流
値は30〜150μAであった。この処理後のタングステン
単結晶ニードルの形状パラメーターは、θ=25゜、R1
=2.5μm、R2=0.98μm、R3=62μmであった。
引き続き実施例1と同じく、ジルコニウムと酸素からな
る被覆層を設けた後、電圧を印加して、熱電界放射陰極
を得た。このものの形状パラメーターは、θ=25゜、R
1=2.8μm、R2=1.15μm、R3=70μmであり、
電子ビーム特性は、引き出し電圧4.2kVの時に、角電
流密度0.031mA/sr、エネルギー幅0.50eV、変動
率が3.5%であった。
研磨条件を変えたり、真空中で熱処理条件を変えること
などにより、いろいろな熱電界放射陰極を作成し、その
タングステン単結晶ニードルの形状と電子ビーム特性を
調べ比較例とした。結果を、実施例1〜4の結果ととも
に、表1に示した。
ルギー幅が0.5eV以下、角電流密度が0.02mA/sr
以上で、しかも変動率が5%以下と小さく、安定した電
子ビームを容易に得ることができるので、低加速SE
M、高分解能SEM、測長機などの電子利用機器に用い
ることができる。又、本発明の製造方法により、容易に
上記熱電界放射陰極を得ることができる。
ニードルの尖鋭部の断面図である。
ニードルの尖鋭部の断面図である。
ステン単結晶ニードルの尖鋭部の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 軸方位が<100>方位からなるタング
ステン単結晶ニードルにジルコニウムと酸素からなる被
覆層を設けた熱電界放射陰極において、前記タングステ
ン単結晶ニードルの尖鋭部に内接する球の半径を先端半
径R1、先端に位置する平坦部の半径または先端部に外
接する球との共通部分の半径を平坦部半径R2とし、円
錐部の全角をテーパー角θとする時、先端半径R1が1.
2μm以上10μm以下であって、先端半径R1に対する
平坦部半径R2の比(R2/R1)が0.2以上であっ
て、しかもテーパー角θが25゜以下であることを特徴と
する熱電界放射陰極。 - 【請求項2】 軸方位が<100>方位からなるタング
ステン単結晶ニードルにジルコニウムと酸素からなる被
覆層を設けた熱電界放射陰極の製造方法において、真空
中で熱処理する方法、ドライエッチングする方法、もし
くは該タングステン単結晶ニードルを陰極として電子放
出させることでガスをイオン化し、該イオンにより該タ
ングステン単結晶ニードルの尖鋭部をエッチングする方
法のうちの一つ以上の方法により、該タングステン単結
晶ニードルの尖鋭部の形状を制御することを特徴とする
請求項1記載の熱電界放射陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17132294A JP3582855B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 熱電界放射陰極及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17132294A JP3582855B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 熱電界放射陰極及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0836981A true JPH0836981A (ja) | 1996-02-06 |
JP3582855B2 JP3582855B2 (ja) | 2004-10-27 |
Family
ID=15921101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17132294A Expired - Lifetime JP3582855B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 熱電界放射陰極及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3582855B2 (ja) |
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