JP2007250491A - ZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃 - Google Patents

ZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃 Download PDF

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Abstract

【課題】 ZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃に関し、加速電圧に制限を受けずに、引出電極に起因するエミッターの先端近傍での圧力上昇を抑制して安定な動作を実現する。
【解決手段】 引出電極6の開孔7は、直径がシミュレーションにおいてタングステンエミッター2から放出される電子の引出電極6に衝突する割合が1%以下となる開口径である円筒面8と直径がサプレッサー電極5の平坦部にかかる電界強度がKilpatric臨界電界となる開口径である円筒面10との間に存在する円筒面11と、タングステンエミッター2の先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面9を含むより外側の領域に存在し円筒面11の下端に連なる回転対称曲面12と、からなる側面形状を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子ビーム装置、特に、大電流で小直径なビームが必要とされる電子ビームテスターやオージェ電子分光装置、スポットビーム型電子ビーム露光装置等のプローブフォーミングシステムに使用されるZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃に関するものである。
半導体製造工程における微細パターン形成のために、電子ビーム露光の適用が検討され続けているが、この場合には、露光工程を工数を少なく行うために、各種のパターンを予め形成したマスクを利用し、このマスクに矩形電子ビームを通過させることによって一括露光しようとしている。
しかし、近年のさらなる微細化の進展とともに、従来のマスク露光では対処が困難になることが予想される。そこで、マスクを用いることなく、元となるパターンデータに応じて細く絞った電子ビームを電気的に直接操作するスポットビーム型の直接描画技術が再び脚光を浴びている。
このスポットビーム型の直接描画技術は、現時点では他の方法ではできないような細かいパターンを作成できる、ほとんど唯一と言ってよい技術であり、主導してきた先端的な半導体集積回路の研究開発にとどまらず、量子デバイスやMEMS、さらには、次々世代の光ディスク原盤や磁気ディスク原盤の作成といった広範囲な研究開発に利用されるようになってきた。
現在、このような装置に用いる電子銃としては、動作が安定でかなりの高平均輝度が得られ、従来のLaB6 電子銃よりも一桁以上高速に細かいパターンを描画することができる、ZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃(例えば、特許文献1乃至特許文献5参照)が広く用いられるようになってきた。
ここで、図8を用いて従来のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子源を説明する。
図8参照
図8は、従来のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子源の概略的構成図であり、軸方位が<100>方位のタングステン単結晶からなるエミッター41は、タングステン多結晶線からなるフィラメント44を介して、絶縁碍子45に固定された金属支柱46に接続されるとともに、その先端部が、容器を兼ねるサプレッサー電極42に設けた開口部43から若干突出した構成となっている。
また、エミッター41には、ジルコニウムと酸素の供給源となるリザーバー47が設けられており、フィラメント44に通電して1800K程度に加熱することによって、リザーバー47からジルコニウムと酸素とがエミッター41の表面に沿って熱拡散することによって、エミッター41の先端表面にジルコニウムと酸素とがそれぞれ単原子層ずつ吸着して、タングステンの仕事関数(約4.5eV)を約2.8eVまで低下させ、それによって、高い放出電子電流密度が得られる。
このようなZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子源では、上述のように電子を放出するエミッター41を1800K程度の高温に加熱して使用しているため、エミッター41とフィラメント44とリザーバー47がむき出しのままでは、不要な熱電子が大量に発生してしまう。
これを避けるために、エミッター41よりも負の電位にしたサプレッサー電極42と呼ばれる一種の抑制電極でエミッター41とフィラメント44とリザーバー47を覆い、不要な熱電子発生の抑制と発生した熱電子の追い返しを行っている。
しかし、エミッター41の先端には1V/nm程度以上の強い表面電界がかからなければならないために、針状のエミッター41そのものはその先端がサプレッサー電極42から0.25mm程度突き出しており、電子銃に組み込む場合には、エミッター41よりも数kV正の電位にした引出電極と対向している。
図9参照
図9は、引出電極を備えたZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃の概略的断面図であり、エミッター41はサプレッサー電極42から突き出して引出電極48と対向しているため、突き出しているところの特に先端に近い部分からは、先端から放出されてビームとして利用する電子50の他に、それと同程度〜10倍程度の量の不要な電子51が側方に向かって放出されることになる。
なお、引き出された電子50の内、ビーム制限絞り52に設けた開孔53を通過した電子54が実際に使用される電子ビームとなる。
従来のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃における引出電極48の開孔49の直径は、低い引出電圧で効率良く必要な表面電界が得られるように、0.4〜0.6mm程度(大きくても1.0mm)で、不要な電子51は引出電極48を通過できずに衝突して素早く遮られる構造になっている。
この場合、不要な電子51が引出電極48に衝突した部分からは、電子衝撃脱離によるガス分子が発生し、エミッター41の先端近傍の圧力を上昇させてしまう。
この場合、初期には電子50,50の放出が止まってしまう程激しい圧力上昇も、やがて定常的な状態に到達してエミッター41からの電子放出とバランスするが、この圧力上昇が少ない程電子銃の動作は安定し、寿命も永くなる。
従来は、エミッター41の先端に近い引出電極48の開孔49周辺でガス分子が発生するために、定常状態での圧力上昇は大きくなりやすく、安定動作を妨げる要因になっており、引出電極48に衝突してしまう不要な電子51が少ないことが、圧力上昇を少なくして真空の点で有利になることが指摘されている(例えば、特許文献6参照)。
このような問題を解決するためには、引出電極48に設けている開孔49の直径を大きくすれば良いが、そうすると、エミッター41先端の表面電界強度を一定値に維持するためにはより高い引出電圧が必要になり、このために引出電極48と対向するサプレッサー電極42との電位差も大きくなり放電発生の危険度が高まる。
一方、エミッターの先端近傍でのガス分子発生の問題を回避するためには、発生原因となる引出電極を設けなければ良く、実際に、引出電極自体を設けずにエミッターを加速電位の陽極に十数mmの間隔で対向させた電子銃も提案されている(例えば、特許文献7或いは非特許文献1参照)。
この場合には、確かにガス分子が発生する場所はエミッターから非常に遠く離れており、またガス分子が拡散できる広い空間が存在するので、陽極を衝撃する電子のエネルギーが高いためにより多量のガス分子が発生するにもかかわらず、エミッターの先端近傍での圧力上昇は低く抑えられると推定される。
特開平10−074446号公報報 特開平10−255703号公報報 特開平08−171879号公報報 特開平09−283068号公報報 特開2002−216686号公報報 特表2002−538596号公報報 特開平05−258703号公報報 "Requirements and performance of an electron−beam column"J.Vac.Sci.Technol.B,Vol9,No.6,Nov/Dec 1991
しかし、引出電極自体を設けずにエミッターを加速電位の陽極に対向させた場合には、加速電圧がエミッター先端の表面電界を直接決めるために、加速電圧はほとんど固定された一定値に限られてしまうという問題がある。
また、衝撃された陽極から発生するガス分子と二次電子が加速電圧下に直接さらされるために、電圧をささえる絶縁碍子の沿面放電を引き起しやすく、20kVを超える加速電圧の電子銃には適用することが難しいという問題がある。
したがって、本発明は、加速電圧に制限を受けずに、引出電極に起因するエミッターの先端近傍での圧力上昇を抑制して安定な動作を実現することを目的とする。
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記課題を解決するために、本発明は、タングステンエミッター2とタングステンエミッター2の表面にジルコニウムと酸素とを供給するリザーバー3、及び、加熱手段であるタングステンフィラメント4からなる陰極1と、タングステンエミッター2の先端部分が突き出るための開口を有し陰極1を覆うサプレッサー電極5と、タングステンエミッター2から電子を放出させるためのエミッター先端の表面電界を発生させる引出電極6とを有するZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃であって、引出電極6の開孔7は、直径がシミュレーションにおいてタングステンエミッター2から放出される電子の引出電極6に衝突する割合が1%以下となる開口径である円筒面8と直径がサプレッサー電極5の平坦部にかかる電界強度がKilpatric臨界電界となる開口径である円筒面10との間に存在する円筒面11と、タングステンエミッター2の先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面9を含むより外側の領域に存在し円筒面11の下端に連なる回転対称曲面12と、からなる側面形状を有していることを特徴とする。
上述のように、開孔7の側面形状を規定することによって、電子が引出電極6に衝突することはほとんどなく、したがって、タングステンエミッター2の先端近傍での圧力上昇が小さいので、任意の加速電圧における安定した動作が可能になる。
この場合、特に、円筒面11の直径を、シミュレーションにおいてエミッター1から放出される電子の引出電極6に衝突する割合が0となる開口径以上にすることが望ましく、それによって、電子の衝突を理論上0にすることができる。
また、具体的な装置寸法として規定するならば、開孔7は、直径が0.8mmの円筒面8と直径が3.20mmの円筒面10との間に存在する円筒面11と、タングステンエミッター2の先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面9を含むより外側の領域に存在し円筒面11の下端に連なる回転対称曲面12と、からなる側面形状を有するものである。
このように、開孔7の側面形状を規定することによって、ZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃において、電子が引出電極6に衝突することはほとんどなく、したがって、タングステンエミッター2の先端近傍での圧力上昇が小さいので、任意の加速電圧における安定した動作が可能になる。
特に、円筒面11の直径を1.07mm以上にすることによって、電子の衝突を理論上0にすることができる。
また、円筒面11の直径を1.76mm以下にすることによって、引出電極6とサプレッサー電極5との間の電位差も小さくなり、放電発生の危険性は大幅に低減する。
また、ZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃側の構成として、放出された電子のうち、使用しない余分な電子を遮蔽するビーム制限絞り13を設けても良い。
この場合、引出電極6にはガス抜き用の開口を設けることが望ましく、それによって、使用開始前の真空引きの際に真空度をあげるための時間を短くすることができるとともに、電子の衝突によってガス分子が発生しても、ガス分子を迅速に排気することができるので、タングステンエミッター2の先端近傍での圧力上昇を小さくすることができる。
また、この場合、引出電極6とビーム制限絞り13とに、ビーム制限絞り13から見た放出角電流密度が0.2〜1mA/sr〔ステラジアン〕となる同一の電位を印加する機構を設けることが望ましい。
仮に、同一の電位を印加しない場合には、ビーム制限絞り13の開孔14の部分で収差が生じて、電子ビームの平均輝度が低下する。
また、タングステンエミッター2の先端形状は、高温下での物質移動によるだれと高電界下の静電圧力による尖頭化のバランスにより決まるが、このとき、ビーム制限絞り13から見た放出角電流密度が、0.2mA/sr未満であれば高温の影響で先端が丸まり、1mA/srを超えると電界の影響で尖りすぎるので安定な先端形状が保てなくなる。
本発明によれば、エミッターから放出された電子が最初に衝突することでガス分子が発生する場所が、従来は引出電極であったものがビーム制限しぼりとなり、よりエミッターから遠くなるので、エミッターの先端近傍での圧力上昇は緩和され、それによって、電子銃の動作は安定し、寿命も永くなる。
また、引出電極を備えた構成であるので、加速電圧に制限を受けることがなく、より広範囲の装置に適用することが可能になる。
本発明は、タングステンエミッターとタングステンエミッターの表面にジルコニウムと酸素とを供給するリザーバー、及び、加熱手段であるタングステンフィラメントからなる陰極と、タングステンエミッターの先端部分が突き出るための開口を有し陰極を覆うサプレッサー電極と、タングステンエミッターから電子を放出させるためのタングステンエミッター先端の表面電界を発生させる引出電極とを有するZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃であって、引出電極の開孔は、直径がシミュレーションにおいてタングステンエミッターから放出される電子の引出電極に衝突する割合が1%以下となる開口径以上、具体的には、0.8mm以上、より好適には引出電極に衝突する割合が0となる開口径以上、具体的には、1.07mm以上であり、且つ、直径がサプレッサー電極の平坦部にかかる電界強度がKilpatric臨界電界となる開口径以下、具体的には3.20mm以下、より好適には1.76mm以下である円筒面と、タングステンエミッターの先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面を含むより外側の領域に存在し円筒面の下端に連なる回転対称面と、からなる側面形状を有するものである。
また、ZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃側の構成として、ビーム制限絞りを設けても良く、その場合には引出電極とビーム制限絞りとに、ビーム制限絞りから見た放出角電流密度が0.2〜1mA/srとなる同一の電位を印加する機構を設ける。
ここで、図2及び図7を参照して、本発明の実施例1のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃を説明する。
図2参照
図2は、本発明の実施例1のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃の概略的構成図であり、電子源20、引出電極30及びビーム制限絞り38から構成される。
なお、図示を省略しているが、引出電極30及びビーム制限絞り38はセラミック碍子等の絶縁部材を介して電子源20に結合されている。
図3参照
図3は、電子源20の概略的構成図であり、軸方位が<100>方位のタングステン単結晶からなるエミッター21は、タングステン多結晶線からなるフィラメント24を介して絶縁碍子25に固定された金属支柱26に接続されるとともに、その先端部が、容器を兼ねるサプレッサー電極22に設けた開口部23から例えば、0.25mm突出した構成となっている。
なお、符号28は排気口であり、また、符号29はネジ穴である。
また、エミッター21には、ジルコニウムと酸素の供給源となるリザーバー27が設けられており、フィラメント24に通電して1800K程度に加熱することによって、リザーバー27からジルコニウムと酸素がエミッター21の表面に沿って熱拡散することによって、エミッター21の先端表面にはジルコニウムと酸素とがそれぞれ単原子層ずつ吸着し、先端部の曲率径は0.3〜1μm、例えば、0.34μmである。
図4参照
図4は、電子源、引出電極及びビーム制限絞りの配置関係を示す概略的要部断面図であり、エミッター21の先端を通ってエミッター21を貫く中心軸と引出電極30に設けた開孔31及びビーム制限絞り38に設けた開孔39の中心軸が一致するように配置する。
また、引出電極30の厚さは例えば1mmであり、サプレッサー電極22との間隔が例えば0.45mmになるように配置し、一方の、厚さが例えば0.5mmのビーム制限絞り38とは例えば、1mmの間隔で対向するように配置する。
なお、この引出電極30には、真空引きを容易にするために、開口部37が複数個設けられている。
図5参照
図5は、引出電極に設ける開孔の説明図であり、開孔31の側面の円筒面35は、直径0.8mm、好適には1.07mmの円筒面32と、直径3.20mm、好適には1.76mmの円筒面34との間に存在し、円筒面35の下端に連なる回転対称曲面36は、エミッター21の先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面33を含むより外側の領域、即ち、図における斜線の領域に存在する形状としたものである。
図6参照
図6は、引出電極に設ける開孔の側面形状を規定する根拠の説明図であり、図4に示した配置に対して行ったシミュレーションの結果を示した図である。
まず、円筒面35の直径を大きくしていくと、0.75mm位、確実には0.8mmで引出電極30に電子が衝突する割合は1%以下となり、1.07mmで完全に0になる。
一方、サプレッサー電極22と引出電極30との間の電界は、円筒面35の直径とともに大きくなり、3.20mmにおいて高真空中の電極間に起こる放電発生の危険度をはかる尺度ととなるKilpatric臨界電界16.05kV/mmに達してしまう。
したがって、円筒面35の直径は0.8〜3.20mmの範囲にする必要があるが、電子の衝突を完全に0にするためには、1.07〜3.20mmにする必要がある。
但し、サプレッサー電極22と引出電極30との間の電界はより小さいほうが望ましいので、1.07〜1.76mm(10kV/mmとなる直径)の範囲が実用的である。
一方、円筒面35の直径が1.07mm近傍で小さい場合には、開孔31の円筒部分を通過する間に電子は拡がるので、円筒面35に衝突することになる。
そこで、シミュレーションの結果、エミッター21の先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面33の外側の領域であれば電子の衝突が起こらないことが判明したので、円錐面33に関する限定を加えたものである。
図7参照
図7は、電子の通過状態の説明図であり、エミッター21から放出された電子は、ビーム制限絞り38で遮られるものも含めて全て、引出電極30には衝突せずにその開孔31を通過していき、一部はビーム制限絞り38の開孔39を通過して行く。
この時、ビーム制限絞り38の開孔39を通過する電子を測ると、0.2mA/srの放出角電流密度が得られる。
なお、この場合、引出電極30とビーム制限絞り38には、同電位を印加しており、上述の場合には、ビーム制限絞り38から見た放出角電流密度は0.2mA/srであるが、0.2〜1mA/srの範囲となる電位であれば良い。
このように、本発明の実施例1においては、引出電極30に設ける開孔31の側面形状を電子の衝突が実効的に0になるように下限を設定するとともに、放電が発生しない値を上限に設定しているので、電子放出中にエミッター21の先端近傍での圧力上昇は小さく、したがって、安定した電子放出が可能になる。
また、引出電極30をエミッター21の近傍に設けているので、加速電圧に制限を受けることがなく、それによって、より広範囲の装置に適用することが可能になる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明は実施例に記載された構成・条件等に限られるものではなく各種の変更が可能であり、例えば、実施例においてはビーム制限絞りを電子銃に一体化しているが、ビーム制限絞りは電子銃を組み込む装置側の構成としても良いものであり、したがって、この場合の電子銃は、電子源と引出電極とで構成されることになる。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明の実施例1のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃の概略的構成図である。 電子源の概略的構成図である。 電子源、引出電極及びビーム制限絞りの配置関係を示す概略的要部断面図である。 引出電極に設ける開孔の説明図である。 引出電極に設ける開孔の側面形状を規定する根拠の説明図である。 電子の通過状態の説明図である。 従来のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子源の概略的構成図である。 引出電極を備えたZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃の概略的断面図である。
符号の説明
1 陰極
2 タングステンエミッター
3 リザーバー
4 タングステンフィラメント
5 サプレッサー電極
6 引出電極
7 開孔
8 円筒面
9 円錐面
10 円筒面
11 円筒面
12 回転対称曲面
13 ビーム制限絞り
14 開孔
20 電子源
21 エミッター
22 サプレッサー電極
23 開口部
24 フィラメント
25 絶縁碍子
26 金属支柱
27 リザーバー
28 排気口
29 ネジ穴
30 引出電極
31 開孔
32 円筒面
33 円錐面
34 円筒面
35 円筒面
36 回転対称曲面
37 開口部
38 ビーム制限絞り
39 開孔
41 エミッター
42 サプレッサー電極
43 開口部
44 フィラメント
45 絶縁碍子
46 金属支柱
47 リザーバー
48 引出電極
49 開孔
50 電子
51 電子
52 ビーム制限絞り
53 開孔
54 電子

Claims (5)

  1. タングステンエミッターと前記タングステンエミッターの表面にジルコニウムと酸素とを供給するリザーバー、及び、加熱手段であるタングステンフィラメントからなる陰極と、前記タングステンエミッターの先端部分が突き出るための開口を有し前記陰極を覆うサプレッサー電極と、前記タングステンエミッターから電子を放出させるためのエミッター先端の表面電界を発生させる引出電極とを有する電子銃であって、前記引出電極の開孔は、直径がシミュレーションにおいて前記タングステンエミッターから放出される電子の前記引出電極に衝突する割合が1%以下となる開口径以上であり、且つ、直径が前記サプレッサー電極の平坦部にかかる電界強度がKilpatric臨界電界となる開口径以下である円筒面と、前記タングステンエミッターの先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面を含むより外側の領域に存在し、且つ、前記円筒面の下端に連なる回転対称曲面と、からなる側面形状を有していることを特徴とするZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃。
  2. タングステンエミッターと前記タングステンエミッターの表面にジルコニウムと酸素とを供給するリザーバー、及び、加熱手段であるタングステンフィラメントからなる陰極と、前記タングステンエミッターの先端部分が突き出るための開口を有し前記陰極を覆うサプレッサー電極と、前記タングステンエミッターから電子を放出させるためのエミッター先端の表面電界を発生させる引出電極とを有する電子銃であって、前記引出電極の開孔は、直径が0.8mm以上3.20mm以下である円筒面と、前記タングステンエミッターの先端から0.14mm後退した点を頂点とする頂角90°の円錐面を含むより外側の領域に存在し、且つ、前記円筒面の下端に連なる回転対称曲面と、からなる側面形状を有していることを特徴とするZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃。
  3. 上記引出電極の上記開孔側面の上記円筒面が、直径が1.07mm以上1.76mm以下であることを特徴とする請求項2記載のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃。
  4. 上記放出された電子のうち、使用しない余分な電子を遮蔽するビーム制限絞りを設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃。
  5. 上記引出電極とビーム制限絞りとに、前記ビーム制限絞りから見た放出角電流密度が0.2〜1mA/srとなる同一の電位を印加する機構を設けたことを特徴とする請求項4記載のZrO/Wエンハンスドショットキー放出型電子銃。
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