JPWO2010067570A1 - 走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法および走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法および走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】 カンチレバー保持部を上下微動させる走査型プローブ顕微鏡において、従来の光てこ法ではカンチレバーのたわみ量θと上下微動量zを測定出力から切り分けることができなかった。【解決手段】 レーザー光源18から出射した入射光19はカンチレバー13上面で反射し、反射光19aが光検出手段20に入射する。入射光19と反射光19aは、カンチレバー13の長軸を含まない平面内にある。入射光19と反射光19aがカンチレバー13の長軸を含まない平面内にあるため、カンチレバー13のたわみ量θ変化と上下微動量z変化による反射光19aの移動は、光検出手段20の上で異なる方向となる。これにより、カンチレバー13のたわみ量θ変化と上下微動量z変化を、光検出手段20の出力から切り分けることができる。

Description

本発明は走査型プローブ顕微鏡、特に、光てこ法によりカンチレバーのたわみ量を検出し、プローブが上下微動して探針と試料間の距離を制御する点に特徴のある走査型プローブ顕微鏡に関する。
走査型プローブ顕微鏡は、先端の鋭利な探針を試料に接近させ、探針と試料の間に生じる力を測定することにより、試料表面の形状などを原子的なレベルで計測する装置である。
走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーと呼ばれる、非常にばね定数の小さい片持ち梁を備える。カンチレバーの先端には探針を有する。探針の先端はnmオーダーで極めて鋭利である。試料または探針を水平方向に走査しながら、探針と試料表面の間に働く原子間力によるカンチレバーのたわみ量を測定し、試料表面の形状などを測定する。カンチレバーの基部はカンチレバー保持部に固定されている。
走査型プローブ顕微鏡の動作モードとして、コンタクトモードとダイナミックモードが知られている。コンタクトモードにおいては、走査の際、試料と探針の間の力が一定になるように、試料の上下微動量zを調整する。したがって走査中、カンチレバーのたわみ量θは一定である。カンチレバーのたわみ量θが一定となるように調整したときの、試料の上下微動量zの出力から、試料表面形状を知ることができる。
ダイナミックモードにおいては、探針を常に振動させながら、試料表面を走査する。探針が試料に原子レベルで接近すると、試料による引力または斥力の影響を受けて、探針の振動の振幅や共振周波数が変化する。そこで、探針の振幅もしくは共振周波数が一定となるように、試料の上下微動量zを調整する。試料の上下微動量zの出力から、試料表面形状を知ることができる。
カンチレバーのたわみ量θを測定する手段として、一般に光てこ方式と呼ばれる検出光学系が用いられる。図4(a)に従来の光てこ方式の検出光学系40の一例を示す。カンチレバー保持部41の先端に取り付けられたカンチレバー42の上方に、カンチレバー42の長軸を含む平面内で、レーザー光源43と光検出手段44が配置される。光検出手段44は例えば4分割フォトダイオードである。
レーザー光源43から出射された入射光45は、カンチレバー42の上面で反射し、反射光45aが光検出手段44に入射する。光検出手段44(4分割フォトダイオード)は4個の受光領域44aを有する。カンチレバー42のたわみ量θが基準値にあるとき、反射光45aは4個の受光領域44aの中心に入射する。
図4(b)に示すように、カンチレバー42にたわみが生じて破線のカンチレバー42aのように変化すると、反射光45aは破線の反射光45bのように、光検出手段44の中心から移動する。4個の受光領域44aは受光した光の強度に応じた電圧を出力する。このため反射光45aが移動すると、各受光領域44aの出力電圧に差が生じる。生じた出力電圧の差から、反射光45bの移動量を知ることができ、そこからカンチレバー42のたわみ量θを知ることができる。
光てこ方式の検出光学系40における検出感度Sは、光検出手段44上での反射光45bの変位をD、カンチレバー42の長さをK、反射光45bの光路長をL、カンチレバー42先端のたわみ変位をdとすると、S=D/d=2L/Kで与えられる。ここで例えばL=50mm、K=100μmとすると、S=1,000となる。このように光てこ方式の検出光学系40を用いると、簡単な構成で非常に感度の高い変位検出を行なうことができる。
図5は光てこ方式の走査型プローブ顕微鏡50の一例である。レーザーダイオード51からの入射光52をカンチレバー53の真上に配置したミラー54で曲げてカンチレバー53に照射する。カンチレバー53で反射した反射光52aは光検出手段55に入射する。光検出手段55は4分割フォトダイオードである。
試料56は試料ホルダー57上に固定されており、試料ホルダー57は微動機構58上に設けられている。微動機構58には通常圧電素子(ピエゾ素子)が用いられる。微動機構58は試料56の上下微動量を調整するための上下微動機構59と、試料56を水平面内で走査させるための水平微動機構60を備える。
試料56の走査中は、カンチレバー53のたわみ量θが常に基準値になるように、上下微動機構59により、試料56の上下微動量zを調節する。上下微動機構59は圧電素子に電圧を印加することで作動する。上下微動機構59の動作から、試料56の表面形状を知ることができる。光学顕微鏡61により、カンチレバー53と試料56を観察することができる。
一方、試料は固定し、カンチレバー保持部を上下微動させる構造の走査型プローブ顕微鏡もある。これは半導体ウェハのような大型試料を観察する場合や、複数のカンチレバーを独立に駆動させる場合に用いられる。この構造では、光検出手段上の反射光の位置は、カンチレバーのたわみ量θだけでなく上下微動量zの影響も受ける。そのため測定出力には、カンチレバーのたわみ量θと上下微動量zの影響が含まれている。したがってカンチレバー保持部の上下微動量zの出力による試料の表面形状の精度と信頼性には問題がある。
図4(c)に破線で示すように、カンチレバー42が上下微動(上下微動量z)することがある。カンチレバー42のたわみ量θは変化していないが、光検出手段44に入射する反射光45aは、破線の反射光45cのように移動する。この移動は、見かけ上、図4(b)に示すカンチレバー42のたわみ量θが変化したときと同じである。このため、反射光45aが光検出手段44上で移動したとき、カンチレバー42のたわみ量θの変化によるものか、上下微動量zによるものか区別ができない。
ダイナミックモードの場合、光検出手段44の出力信号を交流信号と直流信号に区分し、交流信号を探針と試料の距離の制御に使用し、直流信号をカンチレバー保持部41の上下微動の変位量として画像化する方法がある(例えば特許文献1)。このようにすればカンチレバー保持部41と光学系の相対位置の変化による影響を除外できるとともに、カンチレバー保持部41の実際の変位量を画像化しているため、上下微動素子のヒステリシスによる表面形状の誤差を除くことができる。
しかし、特許文献1のような、光検出手段の出力信号を交流信号と直流信号に区分する方法は、ダイナミックモードにのみ有効であり、コンタクトモードには利用できない。
測定精度をより高くするため、レーザー光学系、光検出手段をカンチレバーと連動して上下微動させ、カンチレバー保持部の上下微動を完全に補償する方法がある(非特許文献1)。しかし、この方法は機構が非常に複雑になり、一般的ではない。
特開2004−69445号公報 Atomic forcemicroscope with improved scan accuracy, scan speed and optical vision (REVIEW OF SCIENTIFICINSTRUMENTS, VOLUME 74, NUMBER 10,OCTOBER 2003)
カンチレバーを上下微動させる方式の走査型プローブ顕微鏡では、光検出手段上の反射光が、カンチレバーのたわみ量θだけでなく上下微動量zの影響を受ける。しかし従来は、カンチレバーのたわみ量θと上下微動量zの影響を測定手段の出力から切り分けることができなかった。そのため測定結果の精度と信頼性に問題があった。本発明は、試料を固定し、カンチレバーを上下微動させる走査型プローブ顕微鏡において、カンチレバーのたわみ量θと上下微動量zの影響を測定出力から切り分ける方法を提供し、測定結果の精度と信頼性を確立することを目的とする。
本発明の走査型プローブ顕微鏡においては、カンチレバーはカンチレバー保持部に片持ち支持され、カンチレバー保持部は上下微動機構と水平走査機構により三次元的に駆動される。レーザー光源から出射した入射光はカンチレバー上面で反射し、反射光が光検出手段に入射する。入射光と反射光は、カンチレバーの長軸を含まない平面内にある。入射光と反射光がカンチレバーの長軸を含まない平面内にあるため、カンチレバーのたわみ量θ変化による反射光の移動と、上下微動量z変化による反射光の移動は、光検出手段の上で異なる方向となる。そのため、カンチレバーのたわみ量θ変化と上下微動量z変化を、光検出手段の出力から切り分けることができる。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法は、探針を先端に有するカンチレバーと、カンチレバーに入射光を照射するレーザー光源と、カンチレバーによる反射光を検出する光検出手段と、カンチレバーの上下微動手段とを備え、入射光と反射光が、カンチレバーの長軸を含まない平面内にあり、上下微動手段によりカンチレバーの上下微動量を制御しながら探針を走査させる走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法において、光検出手段の出力を、演算により、カンチレバーのたわみ量と上下微動量とに分解することを特徴とする。
(2)本発明の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法は、カンチレバーのたわみ量をθ、上下微動量をzとし、光検出手段上の反射光の位置を(X,Y)とし、A、B、C、Dを当該走査型プローブ顕微鏡に固有の定数として、(X,Y)と(θ、z)の関係を
X=Aθ+Bz…(1)
Y=Cθ+Dz…(2)
として、(1)、(2)式から下記(3)、(4)式を求め、
Y−(D/B)X=(C−AD/B)θ…(3)
X−(A/C)Y=(B−AD/C)z…(4)
光検出手段の反射光の位置(X,Y)から、(3)、(4)式を用いて、カンチレバーのたわみ量θと上下微動量zを求めることを特徴とする。
(3)本発明の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法は、カンチレバーのたわみ量θ=0を維持しながら、カンチレバー保持部の上下微動量zを変化させて、(3)式の右辺が0になるようにD/Bの値を決定し、カンチレバー保持部の上下微動量z=0を維持しながら、カンチレバーのたわみ量θを変化させて、(4)式の右辺が0になるようにA/Cの値を決定することを特徴とする。
(4)本発明の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法は、(3)式のたわみ量θが一定となるようにカンチレバーの上下微動量zを制御し、(4)式から得られた上下微動量zを画像化することを特徴とする。
(5)本発明の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法は、探針を先端に有するカンチレバーと、カンチレバーに入射光を照射するレーザー光源と、カンチレバーによる反射光を検出する光検出手段としての4分割フォトダイオードと、カンチレバーの上下微動手段とを備え、入射光と反射光が、カンチレバーの長軸を含まない平面内にあり、微動手段によりカンチレバーの上下微動量を制御しながら、探針を走査させる走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法において、4分割フォトダイオードの受光領域の境界と、カンチレバーのたわみまたは上下微動による反射光の移動方向を一致させ、4分割フォトダイオードの出力から、カンチレバーのたわみ量θまたは上下微動量zを算出することを特徴とする。
(6)本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記の出力処理方法を用いて得られたカンチレバーの上下微動量zを画像化することを特徴とする。
(7)本発明の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーと光検出手段とを複数有することを特徴とする。
本発明により、カンチレバーを上下微動させる走査型プローブ顕微鏡において、簡易な方法で、カンチレバーのたわみ量θと上下微動量zを測定手段の出力から切り分ける方法が提供され、測定結果の精度と信頼性が確立された。
図1は、本発明の走査型プローブ顕微鏡10の一実施例の主要部の正面図と側面図である。試料11は試料台12に載せられる。試料台12はXYステージで、試料11の観察位置を選択する際に、試料11を粗移動するのに使われる。試料台12は試料11を測定するときは固定される。試料台12に載せられた試料11の表面に、カンチレバー13先端の探針14が接する。カンチレバー13はカンチレバー保持部15に片持ち支持される。カンチレバー保持部15は、上下微動機構16と水平走査機構17により、三次元的に駆動される。レーザー光源18から出射した入射光19はカンチレバー13上面で反射し、反射光19aが光検出手段20に入射する。入射光19と反射光19aは、カンチレバー13の長軸を含まない平面内にある。もし、入射光19と反射光19aがカンチレバー13の長軸を含む平面内にあると、カンチレバー13のたわみ量θ変化と上下微動量z変化による反射光19aの移動は、光検出手段20の上で同一の方向となる。その場合、カンチレバー13のたわみ量θ変化と上下微動量z変化を、光検出手段20の出力から切り分けることができない。そのため、入射光19と反射光19aは、カンチレバー13の長軸を含まない平面内にある。
入射光19と反射光19aが、カンチレバー13の長軸を含まない平面内にあるため、カンチレバー13の直上に光学顕微鏡(図示しない)を設置することも容易にできる。光学顕微鏡を設置すれば、カンチレバー13、探針14、試料11を拡大観察できるため、走査位置の特定が容易になる。
測定にあたり、試料11および探針14を光学顕微鏡で観察しながら、探針14の先端と試料11が接触しない位置に、探針14の高さを設定する。入射光19をカンチレバー13上面に照射し、反射光19aを光検出手段20(例えば4分割フォトダイオード20a)に入射させ、反射光19aが光検出手段20の中心に来るように調整する。即ちカンチレバー13に外力が加わっていないとき、反射光19aが光検出手段20の中心に来る。このときのカンチレバー13のたわみ量θを基準値(θ=0)とする。光検出手段20が4分割フォトダイオード20aの場合、反射光19aが4分割フォトダイオード20aの中心にあるとき、4個の受光領域の出力は等しい。
つまり、カンチレバー13のたわみ量θ=0、カンチレバー保持部15の上下微動量z=0のとき、反射光19aは光検出手段20(4分割フォトダイオード20a)の中心に来る。
図2は光検出手段20(4分割フォトダイオード20a)の受光面の模式図であり、D1〜D4は4つの受光領域である。中心が原点Oであり、直交するX軸、Y軸が各受光領域D1〜D4の境界である。カンチレバー13のたわみ量θ=0、カンチレバー保持部15の上下微動量z=0のとき、反射光19aの位置はX=0,Y=0である。カンチレバー13のたわみ量θと上下微動量zが(θ、z)のとき、受光領域D1〜D4上の反射光19aの位置を(X,Y)とする。
なお、反射光19aの位置(X,Y)は、実際は次の電気信号の出力として得られる。
X=(D1の出力)+(D4の出力)−(D2の出力)−(D3の出力)
Y=(D1の出力)+(D2の出力)−(D3の出力)−(D4の出力)。
次に、入射光19と反射光19aの属する平面と、カンチレバー13の長軸のなす角度が、光検出手段20(4分割フォトダイオード20a)上での反射光19aの動きに与える影響を説明する。
入射光19と反射光19aの属する平面と、カンチレバー13の長軸が垂直に交わる場合、たわみ量に対応するθ成分と上下微動量に対応するz成分が直交する。θ成分とz成分が直交するとき、光検出手段20(4分割フォトダイオード20a)を適切に回転させると、図3(a)のように、θ成分がX軸に、z成分がY軸に現われる。この場合は特に演算をしなくても、θ成分とz成分が同時に直接求められる。
入射光19と反射光19aの属する平面と、カンチレバー13の長軸が斜めに交わる場合、θ成分とz成分は直交しない(斜めに交わる)。θ成分とz成分が斜めに交わるとき、光検出手段20(4分割フォトダイオード20a)を適切な角度に回転させると、図3(b)のように、θ成分がX軸に現われないようにすることができる。このとき、X信号をz信号として用いればよく、特に演算を必要としない。また、光検出手段20(4分割フォトダイオード20a)を別の角度に適切に回転させると、図3(c)のように、z成分がY軸に現われないようにすることができる。このとき、Y信号をθ信号として用いればよく、特に演算を必要としない。しかし、図3(b)、図3(c)の場合、θ成分、z成分を同時に算出するためには以下の演算が必要である。
カンチレバー13のたわみ量がθ、上下微動量がzのとき、4分割フォトダイオード20a上の反射光19aの位置(X,Y)は近似的に次のように表わされる。
X=Aθ+Bz…(1)
Y=Cθ+Dz…(2)
ここでA、B、C、Dは装置(走査型プローブ顕微鏡)の構成で決まる定数である。
(1)、(2)式から下記(3)、(4)式が導かれる。
Y−(D/B)X=(C−AD/B)θ…(3)
X−(A/C)Y=(B−AD/C)z…(4)
(3)式の右辺は定数・θ、(4)式の右辺は定数・zであるから、X,Yの出力から(3)、(4)式の左辺を計算すれば、たわみ量θ、上下微動量zを独立して求めることができる。
カンチレバー13を振動させないで(たわみ量θ=0を維持)、カンチレバー保持部15の上下微動量を変化させる(上下微動量z≠0)。このとき(3)式の右辺に相当する出力信号(θ信号)が0になるように、D/Bの値を決定する。次にカンチレバー保持部15の上下微動を止め(上下微動量z=0を維持)、カンチレバー13を振動させる(たわみ量θ≠0)。このとき(4)式の右辺に相当する出力信号(z信号)が0になるように、A/Cの値を決定する。以上の手順において、個々のA、B、C、Dの値が分からなくても、D/Bの値、A/Cの値を決定することができる。
次に、カンチレバー13のたわみ量θの目標値を決め、θ信号がそれに相当する値になるまで、探針14を試料11に近づける。カンチレバー13のたわみ量θとθ信号の換算値は、あらかじめ熱振動ノイズ測定などで求めておく。
この状態で、カンチレバー13を水平移動させて試料11の走査を行なう。試料11の表面の凹凸に応じてカンチレバー13のたわみ量θが変化し、光検出手段20(4分割フォトダイオード)の出力が変化する。このとき(3)式のθ信号(カンチレバー13のたわみ量θに対応)が一定となるように、カンチレバー保持部15の上下微動量zを制御する。
上記の制御に伴う、カンチレバー保持部15の上下微動量zの値が、従来の走査型プローブ顕微鏡の試料11の表面の凹凸に相当する。実際には、カンチレバー保持部15の上下微動量zを直接求めることはできないので、上下微動機構16の圧電素子に印加した電圧から換算して、カンチレバー保持部15の上下微動量zとする。すなわち上下微動機構16に入力した電圧制御信号を画像化することにより、試料11の表面形状を得る。しかし、一般に、上下微動機構16は非直線性やヒステリシスなどによる誤差があることが知られており、得られた表面形状像はこの誤差を含んでいる。
一方、上記の走査により(4)式から得られる上下微動量zの信号は、カンチレバー13の実際の上下微動量zを検出したものである。この出力から、上下微動量zの信号を画像化することによって、表面形状像を得ることができる。この表面形状像は、上下微動機構16の誤差の影響を受けない。したがって、上下微動機構16に入力した電圧制御信号を画像化した表面形状像より、(4)式から得られる上下微動量zの信号を画像化した表面形状像の方が精度がよい。
本発明の走査型プローブ顕微鏡の正面図と側面図 光検出手段としての4分割フォトダイオードの模式図 光検出手段上のθ成分とz成分の模式図 従来の光てこ方式検出光学系の模式図 従来の走査型プローブ顕微鏡の概略図
10 走査型プローブ顕微鏡
11 試料
12 試料台
13 カンチレバー
14 探針
15 カンチレバー保持部
16 上下微動機構
17 水平走査機構
18 レーザー光源
19 入射光
19a 反射光
20 光検出手段
20a 4分割フォトダイオード
40 検出光学系
41 カンチレバー保持部
42 カンチレバー
42a カンチレバー
43 レーザー光源
44 光検出手段
44a 受光領域
45 入射光
45a 反射光
45b 反射光
45c 反射光
50 走査型プローブ顕微鏡
51 レーザーダイオード
52 入射光
52a 反射光
53 カンチレバー
54 ミラー
55 光検出手段
56 試料
57 試料ホルダー
58 微動機構
59 上下微動機構
60 水平微動機構
61 光学顕微鏡

Claims (7)

  1. 探針を先端に有するカンチレバーと、
    前記カンチレバーに入射光を照射するレーザー光源と、
    前記カンチレバーによる反射光を検出する光検出手段と、
    前記カンチレバーの上下微動手段とを備え、
    前記入射光と反射光が、前記カンチレバーの長軸を含まない平面内にあり、
    前記上下微動手段により前記カンチレバーの上下微動量を制御しながら、前記探針を走査させる走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法において、
    前記光検出手段の出力を、演算により、前記カンチレバーのたわみ量と上下微動量とに分解することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法。
  2. 前記カンチレバーのたわみ量をθ、上下微動量をzとし、前記光検出手段上の前記反射光の位置を(X,Y)とし、A、B、C、Dを当該走査型プローブ顕微鏡に固有の定数として、(X,Y)と(θ、z)の関係を
    X=Aθ+Bz…(1)
    Y=Cθ+Dz…(2)
    として、前記(1)、(2)式から下記(3)、(4)式を求め、
    Y−(D/B)X=(C−AD/B)θ…(3)
    X−(A/C)Y=(B−AD/C)z…(4)
    前記光検出手段の反射光の位置(X,Y)から、(3)、(4)式を用いて、前記カンチレバーのたわみ量θと上下微動量zを求めることを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法。
  3. 前記カンチレバーのたわみ量θ=0を維持しながら、前記カンチレバー保持部の上下微動量zを変化させて、前記(3)式の右辺が0になるように、D/Bの値を決定し、
    前記カンチレバー保持部の上下微動量z=0を維持しながら、前記カンチレバーのたわみ量θを変化させて、前記(4)式の右辺が0になるように、A/Cの値を決定することを特徴とする請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法。
  4. 前記(3)式のたわみ量θが一定となるように前記カンチレバーの上下微動量zを制御し、前記(4)式から得られた上下微動量zを画像化することを特徴とする請求項2または3に記載の走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法。
  5. 探針を先端に有するカンチレバーと、
    前記カンチレバーに入射光を照射するレーザー光源と、
    前記カンチレバーによる反射光を検出する光検出手段としての4分割フォトダイオードと、
    前記カンチレバーの上下微動手段とを備え、
    前記入射光と反射光が、前記カンチレバーの長軸を含まない平面内にあり、
    前記微動手段により前記カンチレバーの上下微動量を制御しながら、前記探針を走査させる走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法において、
    前記4分割フォトダイオードの受光領域の境界と、前記カンチレバーのたわみまたは上下微動による反射光の移動方向を一致させ、
    前記4分割フォトダイオードの出力から、前記カンチレバーのたわみ量θまたは上下微動量zを算出することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法。
  6. 請求項1から5のいずれかの出力処理方法を用いて得られたカンチレバーの上下微動量zを画像化することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記カンチレバーと前記光検出手段とを複数有することを特徴とする請求項6に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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