JPWO2010035719A1 - 液晶配向処理剤及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

下記の式[1]で表されるジアミン化合物(A)と、下記の式[2]で表されるジアミン化合物(B)と、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物であるジアミン化合物(C)とを含むジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる共重合体を含有することを特徴とする液晶配向処理剤。(式[1]中、pは、0又は1の整数であり、X1はフェニレンであり、X2はフェニレン又はシクロヘキシレンであり、X3はシクロヘキシレンであり、X4は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。式[2]中、Y1は−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCO−、−CON(CH3)−、又は−N(CH3)CO−であり、Y2は単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、Y3は単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、又は−O(CH2)m−(mは1〜5の整数である)であり、Y4は窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。)

Description

本発明は、液晶配向膜を作製する際に用いる液晶配向処理剤及びそれを用いた液晶表示素子に関するものである。
現在、液晶表示素子の液晶配向膜としては、ポリアミド酸などのポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドの溶液を主成分とする液晶配向処理剤を塗布し焼成した、いわゆるポリイミド系の液晶配向膜が主として用いられている。
液晶配向膜に求められる特性のひとつとして、基板面に対する液晶分子の配向傾斜角を任意の値に保つ、いわゆる液晶のプレチルト角制御がある。このプレチルト角の大きさは、液晶配向膜を構成しているポリイミドの構造を選択することで変更できることが知られている。
ポリイミドの構造によってプレチルト角を制御する技術の中でも、側鎖を有するジアミンをポリイミド原料の一部として用いる方法は、このジアミンの使用割合に応じてプレチルト角が大きくなるので、目的のプレチルト角に制御することが比較的容易であり、プレチルト角を大きくする手段として有用である。液晶のプレチルト角を大きくするジアミンの側鎖構造としては、ステロイド骨格(例えば特許文献1参照)、フェニル基やシクロヘキシル基などの環構造(例えば特許文献2参照)を含むものが提案されている。更には、このような環構造を側鎖に3個から4個有するジアミンも提案されている(例えば特許文献3参照)。
一方で、液晶配向膜作製の工程において、ポリアミド酸の溶液や溶媒可溶性ポリイミドの溶液を基板に塗布する場合、工業的にはフレキソ印刷などで行うことが一般的であり、塗布液の溶媒は、ポリマーの溶解性に優れるN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどに加えて、均一で欠陥の無い薄膜を形成させる目的でブチルセロソルブなどが混合されている。しかしながら、ブチルセロソルブなどの溶媒は、ポリアミック酸やポリイミドを溶解させる能力に劣る為、多量に混合すると析出が発生するという問題を有している(例えば特許文献4参照)。特に、溶媒可溶性ポリイミドの溶液では、この問題が顕著に表れる。
また、前記したような側鎖を有するジアミンを使用して得られたポリイミドは、溶液の塗布均一性が低下する傾向にあるため、ブチルセロソルブなどの塗布性改善溶媒の混合量を多くする必要があり、このような溶媒の混合許容量もポリイミドの重要な特性となる。
また、液晶表示素子の高精細化に伴い、液晶表示素子のコントラスト低下の抑制や残像現象の低減といった観点から、そこに使用される液晶配向膜においても電圧保持率が高いことや、直流電圧を印加した際の蓄積電荷が少なく、また、直流電圧により蓄積した残留電荷の緩和が早いといった特性が次第に重要となってきている。
ポリイミド系の液晶配向膜において、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やイミド基含有ポリアミド酸に加えて特定構造の3級アミンを含有する液晶配向処理剤を使用したもの(例えば特許文献5参照)や、ピリジン骨格などを有する特定ジアミンを原料に使用した可溶性ポリイミドを含有する液晶配向処理剤を使用したもの(例えば特許文献6参照)などが知られている。また、電圧保持率が高く、かつ直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やそのイミド化重合体などに加えて、分子内に1個のカルボン酸基を含有する化合物、分子内に1個のカルボン酸無水物基を含有する化合物および分子内に1個の3級アミノ基を含有する化合物から選ばれる化合物を極少量含有する液晶配向処理剤(例えば特許文献7参照)が知られている。
しかしながら、近年では大画面で高精細の液晶テレビが広く実用化されており、このような用途における液晶表示素子では、文字や静止画を主として表示するディスプレイ用途と比較して、残像に対する要求はより厳しくなり、かつ過酷な使用環境での長期使用に耐えうる特性が要求されている。従って、使用される液晶配向膜は従来よりも信頼性の高いものが必要となってきており、液晶配向膜の電気特性に関しても、初期特性が良好なだけでなく、例えば、高温下に長時間曝された後であっても、良好な特性を維持することが求められている。
特開平4−281427号公報 特開平9−278724号公報 特開2004−67589号公報 徳開平2−37324号公報 特開平9−316200号公報 特開平10−104633号公報 特開平8−76128号公報
本発明の目的は、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくく、かつ、液晶のプレチルト角を大きくする特性を有しており、少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができ、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速い液晶配向膜が得られる液晶配向処理剤を提供することにある。更に、本発明の目的は、この液晶配向処理剤を使用することにより、過酷な使用環境での長期使用に耐えうる信頼性の高い液晶表示素子を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意研究を進めたところ、これを達成する新規な液晶配向処理剤を見出した。本発明はかかる知見に基づくものであり、以下の要旨を有する。
(1)下記の式[1]で表されるジアミン化合物(A)と、下記の式[2]で表されるジアミン化合物(B)と、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物であるジアミン化合物(C)とを含むジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる共重合体を含有することを特徴とする液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[1]中、pは、0又は1の整数であり、Xはフェニレンであり、Xはフェニレン又はシクロヘキシレンであり、Xはシクロヘキシレンであり、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。式[2]中、Yは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、Yは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、Yは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、−N(CH)CO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yは窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。)
(2)前記ジアミン化合物(A)が、下記式[1']で表されるジアミン化合物(A')である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[1']中、X、X、X、及びXは前記式[1]と同義である。)
(3)前記ジアミン化合物(A)が、下記式[1'']で表されるジアミン化合物(A'')である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[1'']中、X''は1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンであり、X''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。)
(4)ジアミン化合物(A')が、下記の式[1'a]で表されるジアミン化合物である上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[1'a]中、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である。)
(5)ジアミン化合物(A')が、下記の式[1'b]で表されるジアミン化合物である上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[1'b]中、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)
(6)ジアミン化合物(A'')が、下記の式[1''a]で表されるジアミン化合物である上記(3)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[1''a]中、X''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である)。
(7)ジアミン化合物(A'')が、下記の式[1''b]で表されるジアミン化合物である上記(3)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[1''b]中、X''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である)。
(8)式[2]中のYが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−である上記(2)〜(7)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(9)式[2]中のYが単結合、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基、又はベンゼン環である上記(2)〜(8)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(10)式[2]中のYが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)である上記(2)〜(9)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(11)式[2]中のYがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環である上記(2)〜(10)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(12)式[2]中のnが1〜3の整数である上記(2)〜(11)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(13)式[2]中のYが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−であり、Yが炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、Yが単結合であり、Yがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環であり、nが1〜3の整数である上記(2)〜(7)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(14)式[2]中のYが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−であり、Yがベンゼン環であり、Yが−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環であり、nが1の整数である上記(2)〜(7)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(15)ジアミン化合物(C)が、下記の式[3]で表されるジアミン化合物である上記(2)〜(14)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[3]中、Zは炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、kは1〜4の整数である。)
(16)式[3]のジアミン化合物が、下記の式[3a]、式[3b]、式[3c]、式[3d]及び式[3e]からなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である上記(15)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2010035719
(式[3a]中、mは1〜4の整数である。式[3b]中、Zは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、m及びmはそれぞれ0〜4の整数を示し、かつm+mは1〜4の整数を示す。式[3c]中、m及びmはそれぞれ1〜5の整数である。式[3d]中、Zは炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、mは1〜5の整数である。式[3e]中、Zは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、mは1〜4の整数である。)
(17)式[3a]中、mが1〜2の整数である上記(16)に記載の液晶配向処理剤。
(18)式[3b]中、Zが単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、又は−OCO−であり、m及びmは共に1の整数である上記(16)に記載の液晶配向処理剤。
(19)式[3e]中、Zは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−であり、mは1〜2の整数である上記(16)に記載の液晶配向処理剤。
(20)ジアミン成分中、ジアミン化合物(A)が、ジアミン化合物(C)の1モルに対して、0.5〜50モルであり、ジアミン化合物(B)が、ジアミン化合物(C)の1モルに対して、0.5〜10モルである上記(2)〜(19)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(21)液晶配向処理剤中に5〜70質量%の貧溶媒を含有する上記(2)〜(20)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(22)液晶配向処理剤中の共重合体がポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドである上記(2)〜(21)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(23)上記(2)〜(22)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤を用いて得られることを特徴とする液晶配向膜。
(24)上記(23)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
本発明の液晶配向処理剤は比較的簡便な方法で得ることができ、液晶配向膜にした際に、液晶のプレチルト角を大きくする特性を有しており、少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができる。
また、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくいため、大型の基板に塗布をする場合にも、均一な液晶配向膜を形成することができる。
さらに、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速い液晶配向膜を得ることができる。そのため、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れ、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ジアミン化合物(A)、ジアミン化合物(B)及びジアミン化合物(C)を含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる共重合体を含有する液晶配向処理剤、該液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜、更には、該液晶配向膜を有する液晶表示素子である。
その際、ジアミン化合物(A)は、式[1]で表されるジアミン化合物であり、ジアミン化合物(B)は、式[2]で表されるジアミン化合物であり、ジアミン化合物(C)は、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物である。
本発明に用いるジアミン化合物(A)は、側鎖にプレチルト角を大きくする特性がある置換基を有する特定ジアミンである(以下、特定ジアミン(A)と称することもある)。
そのため、この特定ジアミン(A)を使用して得られる液晶配向処理剤は、特定ジアミン(A)が少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができる。また、その使用割合を少なくすることで、重合体の有機溶媒溶解性が大きくなり、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくい。
本発明に用いるジアミン化合物(B)(以下、特定ジアミン(B)と称することもある)は、側鎖に窒素含有芳香族複素環を有する。この窒素含有芳香族複素環は、その共役構造により電子ホッピングサイトとして機能するので、液晶配向膜中において、電荷の移動を促進させることができる。さらに、この窒素含有芳香族複素環は、ジアミン化合物(C)(以下、特定ジアミン(C)と称することもある)が有するカルボキシル基と、塩形成や水素結合といった静電的相互作用で結ばれることで、カルボキシル基と窒素含有芳香族複素環との間で電荷の移動が起こる。そのため、窒素含有芳香族複素環部位に移動した電荷は、効率的に共重合体の分子内、分子間を移動することができる。
以上のことにより、本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際、液晶のプレチルト角を大きくする特性を有しており、少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができる。また、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくい。さらに、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速い液晶配向膜を得ることができる。
以下、本発明で用いる化合物類について説明する。
<ジアミン化合物(A)>
本発明に用いるジアミン化合物(A)は、下記の式[1]で表されるジアミン化合物である。
Figure 2010035719
式[1]中、式[1]中、pは、0又は1の整数であり、Xはフェニレン、好ましくは1,4−フェニレンであり、Xはフェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、又はシクロヘキシレンフェニレン好ましくは1,4−シクロヘキシレンであり、Xはシクロヘキシレンフェニレン好ましくは1,4−シクロヘキシレンである。フェニレン及びシクロヘキシレンは、必要に応じて置換基を有していてもよい。Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。
アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、及びフルオロアルコキシ基は直鎖状又は分岐状でもよいが、直鎖状が好ましく、また、置換基を有していてもよい。
ジアミン化合物(A)は、なかでも、下記式[1']で表されるジアミン化合物(A')、又は、下記式[1'']で表されるジアミン化合物(A'')が好ましい。
Figure 2010035719
Figure 2010035719
以下に、ジアミン化合物(A')及びジアミン化合物(A'')について説明する。
<ジアミン化合物(A')>
本発明に用いるジアミン化合物(A')は、下記の式[1']で表されるジアミン化合物である。
Figure 2010035719
(式[1']中、X、X、X、及びXは前記式[1]と同義である。)
式[1']中のアミノ基が結合しているベンゼン環におけるアミノ基の結合位置は限定されない。具体例としては、側鎖の結合基(−CHO−)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置、3,5の位置が挙げられる。なかでも、ポリアミド酸を合成する際の反応性の観点から、2,4の位置、2,5の位置、3,5の位置が好ましい。ジアミン化合物の合成の容易性も加味すると、2,4の位置、又は2,5の位置が好ましい。
式[1']のジアミン化合物の中でも、下記の式[1'a]及び式[1'b]で表されるジアミン化合物は、少ない使用割合で液晶のプレチルト角を大きくすることができる効果が大きいことから好ましい。特に式[1'a]で表されるジアミンは、その効果が優れているので、より好ましい。
Figure 2010035719
式[1'a]におけるXは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。中でも、Xが炭素数3〜12のアルキル基又は炭素数3〜12のフルオロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であり、特には、炭素数3〜7のアルキル基である。更には、式[1'a]における1,4ーシクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体が好ましい。
Figure 2010035719
式[1'b]におけるXは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。中でも、Xが炭素数3〜12のアルキル基又は炭素数3〜12のフルオロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であり、特には、炭素数3〜7のアルキル基である。更には、式[1'b]における1,4ーシクロへキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体が好ましい。
本発明の式[1']で表されるジアミン化合物の好ましい具体例は、下記の式[1'c]〜式[1'f]で表されるジアミン化合物である。なお、下記式中のX〜Xは、それぞれ独立して炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。中でも、X〜Xが、それぞれ独立して炭素数3〜12のアルキル基又は炭素数3〜12のフルオロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であり、特には、炭素数3〜7のアルキル基である。また、下記式中における1,4ーシクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれ全てトランス異性体である。
Figure 2010035719
式[1']で表されるジアミン化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては以下の方法が挙げられる。
Figure 2010035719
上記の式[1'g]のジニトロ化合物を合成し、通常の方法でニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。ジニトロ化合物を還元する方法には、特に制限はなく、通常、パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金黒、ロジウム-アルミナ、硫化白金炭素などを触媒として用い、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコール系などの溶媒中、水素ガス、ヒドラジン、塩化水素などによって還元を行う方法がある。式[1'g]中のX、X、X、及びXは、式[1]で定義したのと同じである。
式[1'g]ののジニトロ化合物は、下記の式[1'h]で表わされる水酸基含有化合物とジニトロクロロベンゼンなどとの反応により得ることができる。なお、式[1'h]中のX、X、X、及びXは式[1]で定義したのと同じである。
Figure 2010035719
式[1'h]で表される水酸基含有化合物を製造する方法は、下記の反応式(1)ないし、反応式(2)に示される方法により製造できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
が1,4−シクロヘキシレンの場合、反応式(1)の合成経路が挙げられる。反応式(1)中のX、X、及びXは、式[1]で定義したのと同じであり、Rはメチル基またはベンジル基などの保護基を表し、RはMgBr、MgCl又はLiなどを表す。
脱水反応に用いられる試剤としては、塩酸又は硫酸などの無機酸類、p−トルエンスルホン酸などの有機酸類、無水酢酸又は無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物類などが挙げられる。
還元反応としては、パラジウム(Pd)又は白金(Pt)などを触媒として用いた水素添加反応、又は鉄、錫又は亜鉛などの金属を用いた接触還元反応などが挙げられる。
脱保護基の反応としては、3臭化ボロン(BBr)を用いたメチル基の脱離反応、又はPd触媒などを用いた水素添加による脱ベンジル化反応などが挙げられる。
Figure 2010035719
が1,4−フェニレンの場合、反応式(2)の合成経路が挙げられる。反応式(2)中のX、X、及びXは、式[1]で定義したのと同じであり、Tはメチル基又はベンジル基などの保護基を表し、Tはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、B(OH)、MgBr、MgCl又はLiなどを表し、Tはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、B(OH)、MgBr、MgCl又はLiなどを表す。
脱保護基の反応としては、BBrを用いたメチル基の脱離反応又はPd触媒などを用いた水素添加による脱ベンジル化反応などが挙げられる。
Figure 2010035719
<ジアミン化合物(A'')>
本発明に用いるジアミン化合物(A'')は、下記の式[1'']で表されるジアミン化合物である。
Figure 2010035719
式[1'']中、X''は1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンである。1,4−フェニレン及び1,4−シクロへキシレンは、必要に応じて置換基を有していてもよい。X''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、及びフルオロアルコキシ基は直鎖状又は分岐状でもよいが、直鎖状が好ましく、置換基を有していてもよい。
式[1'']中のアミノ基が結合しているベンゼン環におけるアミノ基の結合位置は限定されない。具体例としては、側鎖の結合基(−O−)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置、3,5の位置が挙げられる。なかでも、ポリアミド酸を合成する際の反応性の観点から、2,4の位置、2,5の位置、3,5の位置が好ましい。ジアミン化合物の合成の容易性も加味すると、2,4の位置、又は2,5の位置が好ましい。
式[1'']のジアミン化合物の中でも、X''が1,4−トランス−シクロへキシレンである下記の式[1''a]及び式[1''b]で表されるジアミン化合物は、少ない使用割合で液晶のプレチルト角を大きくすることができる効果が大きいことから好ましい。特に式[1''a]で表されるジアミン化合物は、その効果が優れているので、より好ましい。
Figure 2010035719
式[1''a]におけるX''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。中でも、X''が炭素数3〜12のアルキル基又は炭素数3〜12のフルオロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であり、特には、炭素数3〜7のアルキル基である。更には、式[1''a]における1,4ーシクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体が好ましい。
Figure 2010035719
式[1''b]におけるX''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。中でも、X''が炭素数3〜12のアルキル基又は炭素数3〜12のフルオロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であり、特には、炭素数3〜7のアルキル基である。更には、式[1''b]における1,4ーシクロへキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体が好ましい。
本発明の式[1'']で表されるジアミン化合物の好ましい具体例は、下記の式[1''c]から式[1''f]で表されるジアミン化合物である。なお、下記式中のX''〜X''は、それぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。中でも、X''〜X''がそれぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキル基又は炭素数3〜12のフルオロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であり、特には、炭素数3〜7のアルキル基である。また、下記式中における1,4ーシクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれ全てトランス異性体である。
Figure 2010035719
式[1'']で表されるジアミン化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては以下の方法が挙げられる。
Figure 2010035719
上記の式[1''g]のジニトロ化合物を合成し、通常の方法でニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。ジニトロ化合物を還元する方法には、特に制限はなく、通常、パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金黒、ロジウム-アルミナ、硫化白金炭素などを触媒として用い、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコール系などの溶媒中、水素ガス、ヒドラジン、塩化水素などによって還元を行う方法がある。式[1''g]中のX''、及びX''は、式[1'']で定義したのと同じである。
式[1''g]ののジニトロ化合物は、下記の式[1''h]で表わされる水酸基含有化合物とジニトロクロロベンゼンなどとの反応により得ることができる。なお、式[1''h]中のX''、及びX''は式[1'']で定義したのと同じである。
Figure 2010035719
式[1''h]で表される水酸基含有化合物を製造する方法は、下記の反応式(1)ないし、反応式(2)に示される方法により製造できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
X''が1,4ーシクロへキシレンの場合、反応式(1)の合成経路が挙げられる。反応式(1)中のX''は、式[1'']で定義したのと同じであり、Rはメチル基又はベンジル基などの保護基を表し、RはMgBr、MgCl又はLiなどを表す。
脱水反応に用いられる試剤としては、塩酸又は硫酸などの無機酸類、p−トルエンスルホン酸などの有機酸類、無水酢酸又は無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物類などが挙げられる。
還元反応としては、パラジウム(Pd)又は白金(Pt)などを触媒として用いた水素添加反応、又は鉄、錫又は亜鉛などの金属を用いた接触還元反応などが挙げられる。
脱保護基の反応としては、3臭化ボロン(BBr)を用いたメチル基の脱離反応、又はPd触媒などを用いた水素添加による脱ベンジル化反応などが挙げられる。
Figure 2010035719
X''が1,4−フェニレンの場合、反応式(2)の合成経路が挙げられる。反応式(2)中のX''は、式[1'']で定義したのと同じであり、Tはメチル基又はベンジル基などの保護基を表し、Tはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、B(OH)、MgBr、MgCl又はLiなどを表し、Tはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、B(OH)、MgBr、MgCl又はLiなどを表す。
脱保護基の反応としては、BBrを用いたメチル基の脱離反応又はPd触媒などを用いた水素添加による脱ベンジル化反応などが挙げられる。
Figure 2010035719
<ジアミン化合物(B)>
本発明に用いるジアミン化合物(B)は、下記の式[2]で表されるジアミン化合物である。
Figure 2010035719
式[2]中、Yは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、Yは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、Yは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、−N(CH)CO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yは窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。
式[2]における2つのアミノ基(−NH)の結合位置は限定されない。具体的には、側鎖の結合基(Y)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置、3,5の位置が挙げられる。なかでも、ポリアミック酸を合成する際の反応性の観点から、2,4の位置、2,5の位置、3,5の位置が好ましい。ジアミン化合物を合成する際の容易性も加味すると、2,4の位置、又は2,5の位置がより好ましい。
式[2]中、Yは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−である。中でも、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、−CHO−、又は−OCO−は、ジアミン化合物を合成し易いので好ましい。特に好ましくは、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−である。
式[2]中、Yは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基である。炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも良いし、分岐していても良く、不飽和結合を有していても良い。好ましくは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である。非芳香族炭化水素基の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などが挙げられる。
芳香族炭化水素基の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環などが挙げられる。
式[2]における、好ましいYとしては、単結合、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基、炭素数1〜10の不飽和アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環が挙げられ、より好ましくは、単結合、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数1〜10の不飽和アルキル基、シクロヘキサン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環が挙げられ、さらに好ましくは、単結合、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、シクロへキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、特に好ましくは、単結合、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基、ベンゼン環が挙げられる。
式[2]中、Yは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、−N(CH)CO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、好ましくは、単結合、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、より好ましくは、単結合、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、さらに好ましくは、単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)である。
式[2]中、Yは窒素含有芳香族複素環であり、下記の式[2a]、式[2b]、及び式[2c]からなる群から選ばれる少なくとも1個の構造を含有する窒素含有芳香族複素環である。
Figure 2010035719
(式[2c]中、Aは炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基である)。
前記窒素含有芳香族複素環としては、具体的には、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環などを挙げることができる。
式[2]における、好ましいYとしては、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環が挙げられ、より好ましくは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環が挙げられ、さらに好ましくは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環が挙げられ、特に好ましくは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環が挙げられる。
また、YはYに含まれる式[2a]、式[2b]、及び式[2c]と隣り合わない置換基と結合していることが好ましい。
式[2]中、nは1〜4の整数であり、好ましくはテトラカルボン酸二無水物との反応性の点から、1〜3である。
式[2]における好ましいY、Y、Y、Y、及びnの組み合わせは、Yが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、−CHO−、又は−OCO−であり、Yが炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数1〜10の不飽和アルキル基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環、又はアントラセン環であり、Yが単結合、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yがピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、又はアクリジン環であり、nが1〜2である。
より好ましい式[2]におけるY、Y、Y、Y、及びnの組み合わせは、Yが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、又は−OCO−であり、Yが炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数1〜10の不飽和アルキル基、シクロヘキサン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、又はアントラセン環であり、Yが単結合、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、又はベンゾイミダゾール環であり、nが1〜2である。
さらに好ましい式[2]におけるY、Y、Y、Y、及びnの組み合わせは、Yが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、−CHO−、又は−OCO−であり、Yが炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、シクロへキサン環、ベンゼン環、又はナフタレン環であり、Yが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、又はベンゾイミダゾール環であり、nが1又は2である。
特に好ましい式[2]におけるY、Y、Y、Y、及びnの組み合わせは、Yが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−であり、Yが単結合、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基、ベンゼン環であり、Yが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環であり、nが1〜3である。
最も好ましい式[2]におけるY、Y、Y、Y、及びnの組み合わせは、下記の表1〜表8に示す通りである。
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
本発明の式[2]で表されるジアミン化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては以下の方法が挙げられる。
Figure 2010035719
上記の式[2d]で示すジニトロ化合物を合成し、通常の方法でニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。ジニトロ化合物を還元する方法には、特に制限はなく、通常、パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金黒、ロジウム-アルミナ、硫化白金炭素などを触媒として用い、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコール系などの溶媒中、水素ガス、ヒドラジン、塩化水素などによって還元を行う方法がある。式[2d]中のY、Y、Y、Y、及びnは、式[2]の定義と同意義である。
式[2d]のジニトロ化合物は、Yを介してY及びYを結合させ、その後、ジニトロ部をYを介して結合させる方法、ジニトロ部を連結部Yを介してYを結合させ、その後、Yを介してYと結合させる方法などで得ることができる。
は−O−(エーテル結合)、−NH−(アミノ結合)、−N(CH)−(メチル化アミノ結合)、−CONH−(アミド結合)、−NHCO−(逆アミド結合)、−CHO−(メチレンエーテル結合)、−OCO−(逆エステル結合)、−CON(CH)−(N−メチル化アミド結合)、又は−N(CH)CO−(N−メチル化逆アミド結合)などの結合基であり、これらの結合基は通常の有機合成的手法で形成させることができる。
例えば、Yがエーテル、又はメチレンエーテル結合の場合、対応するジニトロ基含有ハロゲン誘導体と、Y、Y及びYを含む水酸基誘導体をアルカリ存在下で反応させる方法、またはジニトロ基含有水酸基誘導体と、Y、Y及びYを含むハロゲン置換誘導体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
アミノ結合の場合は、対応するジニトロ基含有ハロゲン誘導体と、Y、Y及びYを含むアミノ基置換誘導体とをアルカリ存在下で反応する方法が挙げられる。
エステル結合の場合は、対応するジニトロ基含有酸クロリド体と、Y、Y及びYを含む水酸基置換誘導体とをアルカリ存在下で反応する方法が挙げられる。
逆エステル結合の場合は、対応するジニトロ基含有水酸基誘導体と、Y、Y及びYを含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応する方法が挙げられる。
アミド結合の場合は、対応するジニトロ基含有酸クロリド体と、Y、Y及びYを含むアミノ基置換体とをアルカリ存在下で反応する方法が挙げられる。
逆アミド結合の場合は、対応するジニトロ基含有アミノ基置換体と、Y、Y及びYを含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応する方法が挙げられる。
ジニトロ基含有ハロゲン誘導体およびジニトロ基含有誘導体の具体例としては、3,5−ジニトロクロロベンゼン、2,4−ジニトロクロロベンゼン、2,4−ジニトロフルオロベンゼン、3,5−ジニトロ安息香酸クロリド、3,5−ジニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸クロリド、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロベンジルクロリド、2,4−ジニトロベンジルクロリド、3,5−ジニトロベンジルアルコール、2,4−ジニトロベンジルアルコール、2,4−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェニル酢酸などが挙げられる。
ジニトロ基含有ハロゲン誘導体およびジニトロ基含有誘導体は、原料の入手性、反応の点を考慮して、一種又は複数種を選択して用いることができる。
<ジアミン化合物(C)>
本発明に用いるジアミン化合物(C)は、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物である。その具体的構造は特に限定されないが、好ましくは、式[3]で表される化合物である。
Figure 2010035719
式[3]中、Zは炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、kは1〜4の整数である。
式[3]で表される化合物を具体的に示すと、下記の式[3a]、式[3b]、式[3c]、式[3d]及び式[3e]のジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2010035719
式[3a]中、mは1〜4の整数である。
式[3b]中、Zは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、m及びmはそれぞれ0〜4の整数を示し、かつm+mは1〜4の整数を示す。
式[3c]中、m及びmはそれぞれ1〜5の整数である。
式[3d]中、Zは炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、mは1〜5の整数である。
式[3e]中、Zは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、mは1〜4の整数を示す。
上記式[3a]、式[3b]、式[3c]、式[3d]及び式[3e]のジアミン化合物において、好ましくは、式[3a]中、mが1〜2の整数である構造であり、式[3b]中、Zが単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、又は−OCO−であり、m及びmは共に1の整数である構造であり、式[3e]中、Zは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH2−、−COO−、又は−OCO−であり、mは1〜2の整数である構造である。
ジアミン化合物(C)の具体例として、下記の式[3f]から式[3n]、及び式[3p]の化合物を挙げることができる。
Figure 2010035719
Figure 2010035719
式[3n]中、Bは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−である。
式[3p]中、Bは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−である。
<その他のジアミン化合物>
本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ジアミン化合物(A)、ジアミン化合物(B)、ジアミン化合物(C)以外のその他のジアミン化合物を、ジアミン成分として併用することができる。その具体例を以下に挙げる。
p−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン。ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンなど。
また、ジアミン化合物(A)、ジアミン化合物(B)、ジアミン化合物(C)以外に、側鎖にアルキル基、フッ素含有アルキル基、芳香環、脂肪族環、複素環、並びにそれらからなる大環状置換体を有するジアミン化合物を用いることができる。具体的には、下記の式[DA1]〜式[DA26]で示されるジアミンを例示することができる。
Figure 2010035719
式[DA1]〜式[DA5]中、Rは、炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数1以上22以下のフッ素含有アルキル基である。
Figure 2010035719
式[DA6]〜式[DA9]中、Rは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−、又は−NH−を示し、Rは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数1以上22以下のフッ素含有アルキル基を示す。
Figure 2010035719
式[DA10]及び式[DA11]中、Rは、−O−、−OCH−、−CHO−、−COOCH−、又は−CHOCO−を示し、Rは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数1以上22以下のアルコキシ基、炭素数1以上22以下のフッ素含有アルキル基又は炭素数1以上22以下のフッ素含有アルコキシ基である。
Figure 2010035719
式[DA12]〜式[DA14]中、Rは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、又は−CH−を示し、Rは炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数1以上22以下のアルコキシ基、炭素数1以上22以下のフッ素含有アルキル基又は炭素数1以上22以下のフッ素含有アルコキシ基である。
Figure 2010035719
式[DA15]及び式[DA16]中、Rは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、−CH−、−O−、又は−NH−を示し、Rはフッ素基、シアノ基、トリフルオロメタル基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、又は水酸基である。
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
さらに、下記の式[DA27]で示されるようなジアミノシロキサンなども挙げることができる。
Figure 2010035719
式[DA27]中、mは、1〜10の整数である。
その他のジアミン化合物は、液晶配向膜とした際の液晶配向性、電圧保持特性、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
<テトラカルボン酸二無水物>
本発明に用いるテトラカルボン酸二無水物は特に限定されない。テトラカルボン酸二無水物を得るためのカルボン酸の具体例を以下に挙げる。
ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、オキシジフタルテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロヘプタンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロへキシルコハク酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸、ビシクロ[4,3,0]ノナン−2,4,7,9−テトラカルボン酸、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,7,9−テトラカルボン酸、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,8,10−テトラカルボン酸、トリシクロ[6.3.0.0<2,6>]ウンデカン−3,5,9,11−テトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドリナフタレン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロへキサン−1,2−ジカルボン酸、テトラシクロ[6,2,1,1,0,2,7]ドデカ−4,5,9,10−テトラカルボン酸、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2:3,5:6ジカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物は、液晶配向膜にした際の液晶配向性、電圧保持特性、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上併用することができる。
<共重合体>
本発明の共重合体は、ジアミン化合物(A)と、ジアミン化合物(B)と、ジアミン化合物(C)とを含むジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸、及びこのポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドである。かかるポリアミド酸及びポリイミドのいずれも液晶配向膜を得るための共重合体として有用である。
本発明の共重合体を用いて得られる液晶配向膜は、上記ジアミン成分におけるジアミン化合物(A)の含有割合が多くなるほど、液晶のプレチルト角が大きくなる。そのため、ジアミン成分中において、ジアミン化合物(A)の含有量は、ジアミン化合物(C)の1モルに対して0.01〜99モルであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜75モルであり、更に好ましくは、0.5〜50モルである。
また、本発明の共重合体を用いて得られる液晶配向膜は、上記ジアミン成分におけるジアミン化合物(B)の含有割合が多くなるほど、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早くなる。そのため、ジアミン成分中において、ジアミン化合物(B)の含有量は、ジアミン化合物(C)の1モルに対して、0.01〜99モルであることが好ましい。より好ましくは0.1〜50モルであり、更に好ましくは0.5〜20モルであり、最も好ましくは0.5〜10モルである。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応により、本発明のポリアミド酸を得るにあたっては、公知の合成手法を用いることができる。一般的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中で反応させる方法である。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、有機溶媒中で比較的容易に進行し、かつ副生成物が発生しない点で有利である。
ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応に用いる有機溶媒としては、生成したポリアミド酸が溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどである。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミド酸を溶解させない溶媒であっても、生成したポリアミド酸が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。
また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリアミド酸を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸二無水物をそのまま、または有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いても良い。また、テトラカルボン酸二無水物またはジアミン成分が複数種の化合物からなる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させても良く、個別に順次反応させても良く、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ高分子量体としても良い。
その際の重合温度は−20〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となるので、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の合計が、反応溶液全体(100質量%)に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
ポリアミド酸の重合反応においては、テトラカルボン酸二無水物の合計モル数と、ジアミン成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリアミド酸の分子量は大きくなる。
本発明のポリイミドは前記のポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドであり、液晶配向膜を得るための共重合体として有用である。
本発明のポリイミドにおいて、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。ポリアミド酸をイミド化させる方法としては、ポリアミド酸の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、ポリアミド酸の溶液に触媒を添加する触媒イミド化、等が挙げられる。ポリアミド酸を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100〜400℃、好ましくは120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方法が好ましい。
ポリアミド酸の触媒イミド化は、ポリアミド酸の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミンなどを挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
ポリアミド酸又はポリイミドの反応溶液から、生成したポリアミド酸又はポリイミドを回収する場合には、反応溶液を貧溶媒に投入して沈殿させれば良い。沈殿に用いる貧溶媒としてはメタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した共重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、共重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、炭化水素類などが挙げられ、これらの中から選ばれる3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明の液晶配向処理剤に含有されるポリアミド酸及びポリイミドの分子量は、得られる塗膜の強度及び、塗膜形成時の作業性、塗膜の均一性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000〜150,000である。
<液晶配向処理剤>
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜を形成するための塗布液であり、樹脂被膜を形成するための樹脂成分が有機溶媒に溶解した溶液である。ここで、前記の樹脂成分は、上記した本発明の共重合体から選ばれる少なくとも一種の共重合体を含む樹脂成分である。
その際、樹脂成分の含有量は、液晶配向処理剤全体(100質量%)に対して、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは3〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。
本発明において、前記の樹脂成分は、全てが本発明の共重合体であってもよく、本発明の共重合体にそれ以外の他の共重合体が混合されていてもよい。その際、樹脂成分中における他の共重合体の含有量は0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%である。
かかる他の共重合体は、例えば、テトラカルボン酸ニ無水物と反応させるジアミン成分として、ジアミン化合物(A)、ジアミン化合物(B)、ジアミン化合物(C)以外のジアミンを使用して得られるポリアミド酸又はポリイミドなどが挙げられる。
本発明の液晶配向処理剤に用いる有機溶媒は、上述した樹脂成分を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。
本発明の液晶配向処理剤は、上記以外の成分を含有してもよい。その例としては、液晶配向処理剤を塗布した際の膜厚均一性や表面平滑性を向上させる溶媒若しくは化合物、さらには液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物などである。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる溶媒の具体例としては次のものが挙げられる。
例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、1−ヘキサノール、へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する溶媒などが挙げられる。
これらの溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上記のような溶媒を用いる場合は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製))、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有される樹脂成分の100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、次に示す官能性シラン含有化合物、エポキシ基含有化合物などが挙げられる。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
基板との密着性を向上させる化合物を使用する場合は、液晶配向処理剤に含有される樹脂成分の100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶の配向性が悪くなる場合がある。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質、さらには、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物を添加してもよい。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、又は垂直配向用途などでは配向処理無しで液晶配向膜として用いることができる。この際、用いる基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、若しくはアクリル基板、ポリカーボネート基板などのプラスチック基板などを用いることができる。また、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミ等の光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤の塗布方法は特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ、ロールコーター、スリットコーター、スピンナーなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後の焼成は、ホットプレートなどの加熱手段により50〜300℃、好ましくは80〜250℃で溶媒を蒸発させて、塗膜を形成させることができる。焼成後の塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又は偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、液晶表示素子としたものである。
液晶セル作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された1対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサーを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサーを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。このときのスペーサーの厚みは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。
以上のようにして、本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、これらに限定して解釈されるものではない。
「ポリアミド酸、又はポリイミドの合成」
以下に実施例で使用した化合物類の略号を示す。
<テトラカルボン酸二無水物>
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
Figure 2010035719
<ジアミン化合物(A')>
m−PBCH5DABz:1,3−ジアミノ−5−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕フェノキシメチル}ベンゼン
m−PBCH7DABz:1,3−ジアミノ−5−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕フェノキシメチル}ベンゼン
p−PBCH5DABz:1,4−ジアミノ−5−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕フェノキシメチル}ベンゼン
m−BPCH5DABz:1,3−ジアミノ−5−{4−〔4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)フェニル〕フェノキシメチル}ベンゼン
Figure 2010035719
<ジアミン化合物(A'')>
PBCH5DAB:1,3−ジアミノ−4−{4−[トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェノキシ}ベンゼン
PBCH7DAB:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕フェノキシ}ベンゼン
BPCH5DAB:1,3−ジアミノ−4−{4−[4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)フェニル]フェノキシ}ベンゼン
Figure 2010035719
<ジアミン化合物(B)>
ジアミン(B1)〜ジアミン(B12)
Figure 2010035719
Figure 2010035719
<ジアミン化合物(C)>
DBA:3,5−ジアミノ安息香酸
Figure 2010035719
<その他ジアミン>
p−PDA:p−フェニレンジアミン
m−PBCH5DABEs:3,5−ジアミノ−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕フェニル}ベンゾアート
PBP5DABz:1,3−ジアミノ−4−〔(4−n−ペンチルフェニル)フェノキシメチル〕ベンゼン
PCH7DAB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ〕ベンゼン
PBP5DAB:1,3−ジアミノ−4−〔(4−n−ペンチルフェニル)フェノキシ〕ベンゼン
ジアミン(S1)
Figure 2010035719
<有機溶媒>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
<ポリアミド酸、ポリイミドの分子量測定>
合成例におけるポリイミドの分子量は、昭和電工社製 常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
<イミド化率の測定>
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。
この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNW−ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5から10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
<実施例1>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(1.87g,4.20mmol)、ジアミン(B1)(2.03g,8.39mmol)、及びDBA(2.34g,15.4mmol)をNMP(20.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(16.4g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.1g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.50g)、及びピリジン(1.92g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(300ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は18,500、重量平均分子量は47,100であった。
このポリイミド粉末(3.00g)にNMP(19.5g)、及びBCS(27.5g)を加え、液晶配向処理剤[1]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
<液晶セルの作製>
上記で得た液晶配向処理剤[1]を3cm×4cmITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、80℃で5分間、210℃の熱風循環式オーブンで1時間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド塗膜を作製した。
この液晶配向膜付き基板を、ロール径120mm、レーヨン布のラビング装置にて、回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.3mmの条件にてラビング処理をし、液晶配向膜付き基板を得た。
この液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷した。もう1枚の基板の液晶配向膜面を内側にし、ラビング方向が逆向きになるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、ネマチック液晶を注入し、アンチパラレル配向のネマチック液晶セルを得た。
<プレチルト角の評価>
上記で作製した液晶セルのプレチルト角を、プレチルト角測定装置(ELSICON社製 モデル:PAS−301)を用いて室温で測定した。結果を表11に示す。
また、ラビング処理をしなかった以外は上記と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
<電圧保持率の評価>
プレチルト角測定後の液晶セルに、80℃の温度下で4Vの電圧を60μm印加し、16.67ms後及び1667ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。結果を表12に示す。
<残留電荷の緩和の評価>
電圧保持率測定後の液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そして、50秒後及び1000秒後の残留電荷を測定した。なお、測定には東陽テクニカ社製6254型液晶物性評価装置を用いた。結果を表12に示す。
<高温放置後の評価>
残留電荷測定後の液晶セルを、100℃に設定した高温槽に7日間放置した後、電圧保持率及び残留電荷の測定を行った。結果は、後述する表12及び表13に示す。
<実施例2>
BODA(3.51g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(3.76g,8.42mmol)、ジアミン(B1)(1.36g,5.61mmol)、及びDBA(2.13g,14.0mmol)をNMP(22.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(17.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.32g)、及びピリジン(3.35g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(300ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は18,800、重量平均分子量は48,900であった。
このポリイミド粉末(3.00g)にNMP(22.0g)、及びBCS(25.0g)を加え、液晶配向処理剤[2]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[2]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例3>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(3.75g,8.39mmol)、ジアミン(B2)(2.87g,11.2mmol)、及びDBA(1.28g,8.39mmol)をNMP(23.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.78g,14.2mmol)とNMP(18.8g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(25.1g)にNMP加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.13g)、及びピリジン(2.42g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は56%であり、数平均分子量は17,400、重量平均分子量は46,600であった。
このポリイミド粉末(3.00g)にNMP(21.2g)、及びBCS(25.8g)を加え、液晶配向処理剤[3]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[3]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例4>
BODA(3.48g,13.9mmol)、m−PBCH5DABz(3.73g,8.35mmol)、ジアミン(B3)(0.75g,2.78mmol)、及びDBA(2.54g,16.7mmol)をNMP(22.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.73g,13.9mmol)とNMP(17.7g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の数平均分子量は24,100、重量平均分子量は57,200であった。
得られたポリアミック酸溶液(15.1g)にNMP(10.2g)、及びBCS(25.0g)を加え、液晶配向処理剤[4]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[4]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例5>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(1.87g,4.20mmol)、ジアミン(B4)(1.81g,8.39mmol)、及びDBA(2.34g,15.4mmol)をNMP(20.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(16.3g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(25.1g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(5.39g)、及びピリジン(4.18g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(330ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は17,500、重量平均分子量は47,500であった。
このポリイミド粉末(3.10g)にNMP(22.7g)、及びBCS(25.8g)を加え、液晶配向処理剤[5]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[5]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例6>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(1.87g,4.20mmol)、ジアミン(B5)(0.60g,2.80mmol)、及びDBA(3.19g,21.0mmol)をNMP(19.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(15.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.1g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.51g)、及びピリジン(1.93g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(270ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は18,800、重量平均分子量は48,300であった。
このポリイミド粉末(3.00g)にNMP(22.1g)、及びBCS(25.0g)を加え、液晶配向処理剤[6]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[6]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例7>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(2.50g,5.60mmol)、ジアミン(B6)(1.20g,5.60mmol)、及びDBA(2.55g,16.8mmol)をNMP(20.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(16.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.50g)、ピリジン(1.95g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は56%であり、数平均分子量は17,800、重量平均分子量は48,100であった。
このポリイミド粉末(3.21g)にNMP(26.1g)、及びBCS(24.1g)を加え、液晶配向処理剤[7]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[7]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例8>
BODA(3.51g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(2.51g,5.61mmol)、ジアミン(B7)(1.28g,5.60mmol)、及びDBA(2.56g,16.8mmol)をNMP(20.9g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(16.7g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(25.2g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(5.39g)、ピリジン(4.18g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(330ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は17,200、重量平均分子量は47,100であった。
このポリイミド粉末(3.00g)にNMP(19.5g)、及びBCS(27.5g)を加え、液晶配向処理剤[8]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[8]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例9>
BODA(3.51g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(3.76g,8.42mmol)、ジアミン(B8)(0.64g,2.81mmol)、及びDBA(2.56g,16.8mmol)をNMP(22.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(17.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の数平均分子量は20,900、重量平均分子量は50,900であった。
得られたポリアミック酸溶液(20.0g)にNMP(10.0g)及びBCS(36.5g)を加え、液晶配向処理剤[9]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[9]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例10>
BODA(3.51g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(3.76g,8.42mmol)、ジアミン(B9)(1.44g,5.61mmol)、及びDBA(2.13g,14.0mmol)をNMP(22.6g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(18.1g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(25.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(5.39g)、及びピリジン(4.18g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(330ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は79%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は48,900であった。
このポリイミド粉末(3.01g)にNMP(19.5g)、及びBCS(27.5g)を加え、液晶配向処理剤[10]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[10]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例11>
BODA(3.48g,13.9mmol)、m−PBCH5DABz(2.49g,5.56mmol)、ジアミン(B10)(0.90g,2.78mmol)、及びDBA(2.96g,19.5mmol)をNMP(20.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.73g,13.9mmol)とNMP(16.7g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の数平均分子量は23,500、重量平均分子量は55,800であった。
得られたポリアミック酸溶液(20.0g)にNMP(13.3g)、及びBCS(33.4g)を加え、液晶配向処理剤[11]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[11]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例12>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(3.75g,8.39mmol)、ジアミン(B11)(1.80g,5.60mmol)、及びDBA(2.13g,14.0mmol)をNMP(23.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(18.5g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.1g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.30g)、及びピリジン(3.35g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(300ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は18,500、重量平均分子量は48,900であった。
このポリイミド粉末(3.04g)にNMP(19.5g)、及びBCS(27.5g)を加え、液晶配向処理剤[12]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[12]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例13>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABz(3.75g,8.39mmol)、ジアミン(B12)(2.58g,8.39mmol)、及びDBA(1.70g,11.2mmol)をNMP(23.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(19.0g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.30g)、及びピリジン(3.35g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は17,800、重量平均分子量は47,500であった。
このポリイミド粉末(3.21g)にNMP(20.8g)、及びBCS(29.3g)を加え、液晶配向処理剤[13]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[13]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例14>
BODA(3.51g,14.0mmol)、m−PBCH7DABz(4.00g,8.42mmol)、ジアミン(B1)(1.36g,5.61mmol)、及びDBA(2.13g,14.0mmol)をNMP(22.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(18.3g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.2g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.30g)、及びピリジン(3.33g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(270ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は17,900、重量平均分子量は47,300であった。
このポリイミド粉末(3.00g)にNMP(19.5g)、及びBCS(27.5g)を加え、液晶配向処理剤[14]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[14]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例15>
BODA(3.50g,14.0mol)、m−BPCH5DABz(3.98g,8.39mmol)、ジアミン(B1)(2.03g,8.39mmol)、及びDBA(1.70g,11.2mmol)をNMP(23.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(18.5g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.29g)、及びピリジン(3.35g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(290ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は17,800、重量平均分子量は48,100であった。
このポリイミド粉末(3.50g)にNMP(22.8g)、及びBCS(32.0g)を加え、液晶配向処理剤[15]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[15]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例16>
BODA(3.48g,13.9mmol)、p−PBCH5DABz(3.73g,8.35mmol)、ジアミン(B1)(2.02g,8.35mmol)、及びDBA(1.69g,11.1mmol)をNMP(22.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.73g,13.9mmol)とNMP(18.1g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.5g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.35g)、及びピリジン(3.35g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は79%であり、数平均分子量は16,900、重量平均分子量は46,800であった。
このポリイミド粉末(3.30g)にNMP(22.7g)、及びBCS(25.8g)を加え、液晶配向処理剤[16]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[16]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<比較例1>
BODA(3.51g,14.0mmol)、PCH7DAB(1.60g,4.21mmol)、ジアミン(B1)(2.04g,8.42mmol)、及びDBA(2.35g,15.4mmol)をNMP(20.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(16.3g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.3g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.50g)、及びピリジン(1.94g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は17,000、重量平均分子量は46,700であった。
このポリイミド粉末(3.30g)にNMP(24.2g)、及びBCS(27.5g)を加え、液晶配向処理剤[17]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[17]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<比較例2>
BODA(3.50g,14.0mmol)、PCH7DAB(5.31g,14.0mmol)、ジアミン(B1)(1.36g,5.60mmol)、及びDBA(1.28g,8.39mmol)をNMP(23.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(18.8g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.48g)、及びピリジン(1.94g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(300ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は16,600、重量平均分子量は46,100であった。
このポリイミド粉末(3.21g)にNMP(23.5g)、及びBCS(26.7g)を加え、液晶配向処理剤[18]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[18]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<比較例3>
BODA(3.50g,14.0mmol)、m−PBCH5DABEs(3.87g,8.39mmol)、ジアミン(B1)(1.36g,5.60mmol)、及びDBA(2.13g,14.0mmol)をNMP(22.6g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(18.1g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.51g)、及びピリジン(1.95g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は17,400、重量平均分子量は47,900であった。
このポリイミド粉末(3.01g)にNMP(27.1g)、及びBCS(20.0g)を加えたところ、樹脂成分の析出が起こり、液晶配向処理剤を得ることができなった。
そのため、液晶セルを作製することができなかった。
<比較例4>
BODA(3.49g,14.0mmol)、PBP5DAB(3.54g,8.37mmol)、ジアミン(B1)(1.35g,5.58mmol)、及びDBA(2.12g,14.0mmol)をNMP(22.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(17.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.50g)、及びピリジン(1.93g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(290ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は16,400、重量平均分子量は46,900であった。
このポリイミド粉末(3.20g)にNMP(28.8g)、及びBCS(21.3g)を加えたところ、樹脂成分の析出が起こり、液晶配向処理剤を得ることができなった。
そのため、液晶セルを作製することができなかった。
<比較例5>
BODA(3.48g,13.9mmol)、PBCH5DAB(3.61g,8.35mmol)、ジアミン(B1)(1.35g,5.56mmol)、及びp−PDA(1.50g,13.9mmol)をNMP(21.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.73g,13.9mmol)とNMP(16.8g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.48g)、及びピリジン(1.94g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は17,800、重量平均分子量は48,100であった。
このポリイミド粉末(3.20g)にNMP(22.1g)、及びBCS(25.0g)を加え、液晶配向処理剤[19]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[19]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<比較例6>
BODA(3.50g,14.0mmol)、PBCH5DAB(3.63g,8.39mmol)、ジアミン(S1)(1.35g,5.60mmol)、及びDBA(2.13g,14.0mmol)をNMP(22.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(17.7g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.1g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.50g)、及びピリジン(1.95g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(290ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は47,800であった。
このポリイミド粉末(3.11g)にNMP(22.7g)、及びBCS(25.8g)を加え、液晶配向処理剤[20]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[20]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表11に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表12及び表13に示す。
<実施例21>
BODA(3.51g,14.0mmol)、PBCH5DAB(1.82g,4.21mmol)、ジアミン(B1)(2.04g,8.42mmol)、及びDBA(2.35g,15.4mmol)をNMP(20.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(16.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.51g)、及びピリジン(1.93g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は19,100、重量平均分子量は48,100であった。
このポリイミド粉末(3.01g)にNMP(19.5g)、及びBCS(27.5g)を加え、液晶配向処理剤[21]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
<液晶セルの作製>
上記で得た液晶配向処理剤[21]を3cm×4cmITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、80℃で5分間、210℃の熱風循環式オーブンで1時間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド塗膜を作製した。
この液晶配向膜付き基板を、ロール径120mm、レーヨン布のラビング装置にて、回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.3mmの条件にてラビング処理をし、液晶配向膜付き基板を得た。
この液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷した。もう1枚の基板の液晶配向膜面を内側にし、ラビング方向が逆向きになるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、ネマチック液晶を注入し、アンチパラレル配向のネマチック液晶セルを得た。
<プレチルト角の評価>
上記で作製した液晶セルのプレチルト角を、プレチルト角測定装置(ELSICON社製 モデル:PAS−301)を用いて室温で測定した。結果を表15に示す。
また、ラビング処理をしなかった以外は上記と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
<電圧保持率の評価>
プレチルト角測定後の液晶セルに、80℃の温度下で4Vの電圧を60μm印加し、16.67ms後及び1667ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。結果を表16に示す。
<残留電荷の緩和の評価>
電圧保持率測定後の液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そして、50秒後及び1000秒後の残留電荷を測定した。なお、測定には東陽テクニカ社製6254型液晶物性評価装置を用いた。結果を表17に示す。
<高温放置後の評価>
残留電荷測定後の液晶セルを、100℃に設定した高温槽に7日間放置した後、電圧保持率及び残留電荷の測定を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例22>
BODA(3.49g,14.0mmol)、PBCH5DAB(3.62g,8.37mmol)、ジアミン(B1)(1.35g,5.58mmol)、及びDBA(2.12g,14.0mmol)をNMP(22.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(17.7g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(25.1g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(5.40g)、及びピリジン(4.18g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(330ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は19,500、重量平均分子量は49,500であった。
このポリイミド粉末(3.01g)にNMP(22.0g)、及びBCS(25.1g)を加え、液晶配向処理剤[22]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[22]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例23>
BODA(3.55g,14.2mmol)、PBCH5DAB(3.68g,8.51mmol)、ジアミン(B2)(2.91g,11.4mmol)、及びDBA(1.30g,8.51mmol)をNMP(23.6g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.78g,14.2mmol)とNMP(18.9g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.51g)、及びピリジン(1.93g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は18,200、重量平均分子量は47,200であった。
このポリイミド粉末(3.11g)にNMP(22.7g)、及びBCS(25.8g)を加え、液晶配向処理剤[23]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[23]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例24>
BODA(3.51g,14.0mmol)、PBCH5DAB(3.64g,8.42mmol)、ジアミン(B3)(0.76g,2.81mmol)、及びDBA(2.56g,16.8mmol)をNMP(22.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(17.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の数平均分子量は22,600、重量平均分子量は54,600であった。
得られたポリアミック酸溶液(15.0g)にNMP(10.1g)、及びBCS(25.0g)を加え、液晶配向処理剤[24]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[24]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例25>
BODA(3.48g,13.9mmol)、PBCH5DAB(1.81g,4.17mmol)、ジアミン(B4)(1.80g,8.35mmol)、及びDBA(2.33g,15.3mmol)をNMP(20.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.73g,13.9mmol)とNMP(16.1g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.31g)、及びピリジン(3.34g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(260ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は17,100、重量平均分子量は46,000であった。
このポリイミド粉末(3.00g)にNMP(22.1g)、及びBCS(25.3g)を加え、液晶配向処理剤[25]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[25]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例26>
BODA(3.50g,14.0mmol)、PBCH5DAB(1.82g,4.20mmol)、ジアミン(B5)(0.60g,2.80mmol)、及びDBA(3.19g,21.0mmol)をNMP(19.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(15.7g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(25.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.13g)、及びピリジン(2.42g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(340ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は53%であり、数平均分子量は19,400、重量平均分子量は49,300であった。
このポリイミド粉末(4.01g)にNMP(29.3g)、及びBCS(33.3g)を加え、液晶配向処理剤[26]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[26]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例27>
BODA(3.52g,14.1mmol)、PBCH5DAB(2.43g,5.63mmol)、ジアミン(B6)(1.21g,5.63mmol)、及びDBA(2.57g,16.9mmol)をNMP(20.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.76g,14.1mmol)とNMP(16.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.51g)、及びピリジン(1.93g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は18,300、重量平均分子量は48,300であった。
このポリイミド粉末(4.00g)にNMP(32.7g)、及びBCS(30.1g)を加え、液晶配向処理剤[27]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[27]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例28>
BODA(3.50g,14.0mmol)、PBCH5DAB(2.42g,5.60mmol)、ジアミン(B7)(1.28g,5.60mmol)、及びDBA(2.55g,16.8mmol)をNMP(20.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(16.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.31g)、及びピリジン(3.34g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(260ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は16,300、重量平均分子量は46,300であった。
このポリイミド粉末(3.51g)にNMP(22.8g)、及びBCS(32.1g)を加え、液晶配向処理剤[28]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[28]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例29>
BODA(3.51g,14.0mmol)、PBCH5DAB(3.64g,8.42mmol)、ジアミン(B8)(0.64g,2.81mmol)、及びDBA(2.56g,16.8mmol)をNMP(20.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(16.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の数平均分子量は21,500、重量平均分子量は52,300であった。
得られたポリアミック酸溶液(20.1g)にNMP(10.0g)、及びBCS(36.7g)を加え、液晶配向処理剤[29]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[29]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例30>
BODA(3.50g,14.0mmol)、PBCH5DAB(3.63g,8.39mmol)、ジアミン(B9)(1.44g,5.60mmol)、及びDBA(2.13g,14.0mmol)をNMP(22.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(17.9g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.31g)、及びピリジン(3.35g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(300ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は78%であり、数平均分子量は17,900、重量平均分子量は49,100であった。
このポリイミド粉末(3.20g)にNMP(20.8g)、及びBCS(29.3g)を加え、液晶配向処理剤[30]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[30]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例31>
BODA(3.48g,13.9mmol)、PBCH5DAB(2.41g,5.56mmol)、ジアミン(B10)(0.90g,2.78mmol)、及びDBA(2.96g,19.5mmol)をNMP(20.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.73g,13.9mmol)とNMP(16.6g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の数平均分子量は20,100、重量平均分子量は50,100であった。
得られたポリアミック酸溶液(15.0g)にNMP(10.1g)、及びBCS(25.0g)を加え、液晶配向処理剤[31]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[31]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例32>
BODA(3.49g,14.0mmol)、PBCH5DAB(3.62g,8.37mmol)、ジアミン(B11)(1.79g,5.58mmol)、及びDBA(2.12g,14.0mmol)をNMP(22.9g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(18.3g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.31g)、及びピリジン(3.35g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(290ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は18,200、重量平均分子量は48,400であった。
このポリイミド粉末(3.31g)にNMP(21.5g)、及びBCS(30.3g)を加え、液晶配向処理剤[32]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[32]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例33>
BODA(3.50g,14.0mmol)、PBCH5DAB(3.63g,8.39mmol)、ジアミン(B12)(2.58g,8.39mmol)、及びDBA(1.70g,11.2mmol)をNMP(23.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(18.8g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.2g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.32g)、及びピリジン(3.34g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(280ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は17,100、重量平均分子量は47,100であった。
このポリイミド粉末(3.50g)にNMP(22.8g)、及びBCS(32.1g)を加え、液晶配向処理剤[33]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[33]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例34>
BODA(3.48g,13.9mmol)、PBCH7DAB(3.84g,8.35mmol)、ジアミン(B1)(1.35g,5.56mmol)、及びDBA(2.12g,13.9mmol)をNMP(22.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.73g,13.9mmol)とNMP(18.0g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.31g)、及びピリジン(3.34g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(270ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は18,900、重量平均分子量は48,900であった。
このポリイミド粉末(3.11g)にNMP(20.2g)、及びBCS(28.4g)を加え、液晶配向処理剤[34]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[34]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例35>
BODA(3.51g,14.0mol)、PBCH7DAB(3.88g,8.42mmol)、ジアミン(B1)(2.04g,8.42mmol)、及びDBA(1.71g,11.2mmol)をNMP(23.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.75g,14.0mmol)とNMP(18.4g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.2g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.52g)、及びピリジン(3.61g)を加え、90℃で5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(310ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は92%であり、数平均分子量は17,100、重量平均分子量は46,900であった。
このポリイミド粉末(3.51g)にNMP(22.8g)、及びBCS(32.1g)を加え、液晶配向処理剤[35]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[35]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<実施例36>
BODA(3.50g,14.0mmol)、BPCH5DAB(3.59g,8.39mmol)、ジアミン(B1)(2.03g,8.39mmol)、及びDBA(1.70g,11.2mmol)をNMP(22.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(2.74g,14.0mmol)とNMP(18.0g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加えてポリアミド酸の含有量が6質量%になるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.31g)、及びピリジン(3.34g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(270ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は18,900、重量平均分子量は48,900であった。
このポリイミド粉末(3.11g)にNMP(22.7g)、及びBCS(25.8g)を加え、液晶配向処理剤[36]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[36]を用い、実施例21と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果を表15に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例21と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例21と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価及び高温放置後の評価を行った。結果を表16及び表17に示す。
<印刷性試験>
実施例1〜16、21〜36、比較例1、2、5、及び6で得られた液晶配向処理剤を用いて印刷を行った。印刷機には、日本写真印刷社製簡易印刷機(S15型)を用いた。印刷は、洗浄したクロム蒸着基板上に、印刷面積8cm×8cm、印圧0.2mm、捨て基板5枚、印刷から仮乾燥までの時間90秒、仮乾燥温度70℃、5分にて行った。
ピンホールの確認は、ナトリウムランプの下で目視観察を行い、表11及び表15には、ピンホールの数を印刷性として示した。
Figure 2010035719
Figure 2010035719
Figure 2010035719
*1:液晶配向処理剤中の溶媒全体に占めるBCSの使用割合。
*2:ポリアミド酸。
*3:樹脂成分の析出により、評価不可能。
Figure 2010035719
*1:樹脂成分の析出により、評価不可能。
Figure 2010035719
*1:樹脂成分の析出により、評価不可能。
Figure 2010035719
Figure 2010035719
*1:液晶配向処理剤中の溶媒全体に占めるBCSの使用割合。
*2:ポリアミド酸。
Figure 2010035719
Figure 2010035719
本発明の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜を用いて作製される液晶表示素子は、信頼性に優れたものであり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用でき、産業上有用である。

なお、2008年9月24日に出願された日本特許出願2008−245037号、及び2008年9月24日に出願された日本特許出願2008−245038号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (24)

  1. 下記の式[1]で表されるジアミン化合物(A)と、下記の式[2]で表されるジアミン化合物(B)と、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物であるジアミン化合物(C)とを含むジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる共重合体を含有することを特徴とする液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[1]中、pは、0又は1の整数であり、Xはフェニレンであり、Xはフェニレン又はシクロヘキシレンであり、Xはシクロヘキシレンであり、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。式[2]中、Yは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、Yは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、Yは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、−N(CH)CO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yは窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である。)
  2. 前記ジアミン化合物(A)が、下記式[1']で表されるジアミン化合物(A')である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[1']中、X、X、X、及びXは前記式[1]と同義である。)
  3. 前記ジアミン化合物(A)が、下記式[1'']で表されるジアミン化合物(A'')である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[1'']中、X''は1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンであり、X''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。)
  4. ジアミン化合物(A')が、下記の式[1'a]で表されるジアミン化合物である請求項2に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[1'a]中、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である。)
  5. ジアミン化合物(A')が、下記の式[1'b]で表されるジアミン化合物である請求項2に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[1'b]中、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)
  6. ジアミン化合物(A'')が、下記の式[1''a]で表されるジアミン化合物である請求項3に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[1''a]中、X''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である)。
  7. ジアミン化合物(A'')が、下記の式[1''b]で表されるジアミン化合物である請求項3に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[1''b]中、X''は炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基であり、1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である)。
  8. 式[2]中のYが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−である請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  9. 式[2]中のYが単結合、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基、又はベンゼン環である請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  10. 式[2]中のYが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)である請求項2〜請求項9のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  11. 式[2]中のYがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環である請求項2〜請求項10のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  12. 式[2]中のnが1〜3の整数である請求項2〜請求項11のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  13. 式[2]中のYが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−であり、Yが炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、Yが単結合であり、Yがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環であり、nが1〜3の整数である請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  14. 式[2]中のYが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は−CHO−であり、Yがベンゼン環であり、Yが−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、又は−O(CH−(mは1〜5の整数である)であり、Yがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環であり、nが1の整数である請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  15. ジアミン化合物(C)が、下記の式[3]で表されるジアミン化合物である請求項2〜請求項14のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[3]中、Zは炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、kは1〜4の整数である。)
  16. 式[3]のジアミン化合物が、下記の式[3a]、式[3b]、式[3c]、式[3d]及び式[3e]からなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である請求項15に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2010035719
    (式[3a]中、mは1〜4の整数である。式[3b]中、Zは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、m及びmはそれぞれ0〜4の整数を示し、かつm+mは1〜4の整数を示す。式[3c]中、m及びmはそれぞれ1〜5の整数である。式[3d]中、Zは炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、mは1〜5の整数である。式[3e]中、Zは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、mは1〜4の整数である。)
  17. 式[3a]中、mが1〜2の整数である請求項16に記載の液晶配向処理剤。
  18. 式[3b]中、Zが単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、又は−OCO−であり、m及びmは共に1の整数である請求項16に記載の液晶配向処理剤。
  19. 式[3e]中、Zは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−であり、mは1〜2の整数である請求項16に記載の液晶配向処理剤。
  20. ジアミン成分中、ジアミン化合物(A)が、ジアミン化合物(C)の1モルに対して、0.5〜50モルであり、ジアミン化合物(B)が、ジアミン化合物(C)の1モルに対して、0.5〜10モルである請求項2〜請求項19のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  21. 液晶配向処理剤中に5〜70質量%の貧溶媒を含有する請求項2〜請求項20のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  22. 液晶配向処理剤中の共重合体がポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドである請求項2〜請求項21のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  23. 請求項2〜請求項22のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤を用いて得られることを特徴とする液晶配向膜。
  24. 請求項23に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
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