JPWO2010010914A1 - 糞便試料からの核酸回収方法、核酸解析方法及び糞便試料処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2008年7月23日に、日本に出願された特願2008−189684号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
一方で、胆汁酸塩によるPCRの阻害効果は、50μg/mL程度の濃度で生じるとの報告もある。したがって、糞便から核酸を抽出し、それをPCR等で増幅する場合は、増幅効率を向上させるために、胆汁酸塩等の核酸増幅反応における阻害物質のキャリーオーバーを防止することが望ましい。
上記(2)の方法では、殺菌剤等を添加することにより、冷却操作を必要とせず、室温で糞便試料の調製や保存が可能であるものの、糞便から大腸剥離細胞を分離する作業を要するため、やはり作業性に劣り、結果、コストがかかるという問題がある。
(1)糞便から核酸を高純度に回収する方法であって、
(A)採取された糞便を、水溶性有機溶媒を有効成分とする核酸増幅反応における阻害物質の除去用溶液に添加して糞便試料を調製し、前記糞便試料を、所定時間保存することにより、核酸増幅反応阻害物質を溶出させる工程と、
(B)工程(A)の後、糞便試料から核酸増幅反応における阻害物質の除去用溶液を除去し、糞便由来固形分を回収する工程と、
(C)工程(B)において回収された糞便由来固形分から核酸を回収する工程と、を有する糞便試料からの核酸回収方法;を含む。
(a)工程(B)において回収された糞便由来固形分中のタンパク質を変性させ、前記糞便由来固形分中の腸内常在菌及び腸内常在菌以外の生物から、核酸を溶出させる工程と、
(b)前記工程(a)において溶出させた核酸を回収する工程と、を有することが好ましい。
(c)前記工程(a)により変性させたタンパク質を除去する工程と、を有することが好ましい。
(b1)前記工程(a)において溶出させた核酸を無機支持体に吸着させる工程と、
(b2)前記工程(b1)において吸着させた核酸を無機支持体から溶出させる工程と、を有することが好ましい。
このように、本発明の糞便試料からの核酸回収方法、およびこの回収方法により回収された核酸を用いた核酸解析方法を用いることにより、糞便中の核酸を高感度かつ高精度に解析することができる。従って、本発明を用いることにより、大腸がんをはじめ、様々な症状や疾患の早期発見や診断、治療経過の観察、及び他の異常な容態の病理学的研究等に資することが期待できる。
なお、本発明及び本願明細書中においては、特に記載がない限り、「%」は「体積%」を意味する。
このため、糞便除去用溶液Sに添加した直後に、糞便と除去用溶液Sを混合させることは必ずしも必要ではなくなる。さらに、糞便を除去用溶液Sに浸漬させた状態にすることにより、保存時に輸送される場合に、この輸送中の振動により混合される。
これに対して、本発明の核酸回収方法を用いた場合には、採便者が、採便後に、糞便をそのまま除去用溶液Sに浸漬させて、阻害物質を溶出除去する工程を、検査場における検査工程前に行うことが可能である。したがって、本発明の核酸回収方法は、臨床検査等におけるコストの削減にもつながることが期待できる。
(1)水溶性有機溶媒成分が有する脱水作用により、哺乳細胞やウィルス等の検出対象である核酸を有する腸内常在菌以外の生物の細胞が活性される為、
(2)腸内常在菌の細胞活性が顕著に低下して経時的な変化が抑制されるため、
(3)水溶性有機溶媒成分が有するタンパク質変性作用により、糞便中のプロテアーゼ、DNase、RNase等の各種分解酵素の活性が顕著に低下するためである。
工程(b2)で用いられる溶媒は、回収する核酸の種類やその後の核酸解析方法等を考慮して、これらの公知の無機支持体から核酸を溶出するために通常用いられている溶媒を適宜用いることができる。例えば、この溶出用溶媒として、特に精製水であることが好ましい。なお、工程(b1)の後、工程(b2)の前に、核酸を吸着させた無機支持体を適当な洗浄バッファーを用いて洗浄することが好ましい。
まず、図3aに示すように、まず、採便棒13を、可動蓋13bを穴13aよりも蓋12側に寄せて、穴13aが完全に開口している状態としたところで、採便棒13を糞便Eに押し付ける。すると図3bに示すように、穴13aに糞便Eが充填される。この状態で、可動蓋13bを採便棒13の先端側にスライドさせて穴13aに蓋をすることにより、余分な糞便Eが分離されるため、糞便Eが穴13aの容量分、正確に採取することができる(図3c)。その後、可動蓋13bを元の位置に戻して穴13aが完全に開口している状態とした後に(図3d)、蓋12を容器本体11に収納する(図3e)。採便棒13が容器本体11に収納される際に、採便棒13の尖った先端が除去用溶液Sを含有する袋15を破ることにより、容器本体11は、糞便Eを含んだ穴13a以上の水位まで、除去用溶液Sにより満たされ、糞便Eと除去用溶液Sが直接接触する(図3f)。この時、容器本体11は蓋12により栓をされているので、除去用溶液Sが漏れることはない。その後、運搬等により容器本体11が動かされることで、容器11内部の除去用溶液Sと糞便Eが混合される。このような採便容器Bは、採便棒13を容器に入れて、その後初めて溶液が容器中に満たされるため、メタノールのような人体に有害な除去用溶液Sを用いる場合であっても、溶液漏れによる事故を回避することができ、家庭でも安全に取り扱うことが出来る。
本発明の核酸回収方法により糞便から回収したRNA溶液に存在する胆汁酸量を測定した。
健常人1名より採取された糞便を、7本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ1gずつ分取した。このうち1本に対して、分取直後、エタノールを加えずに、RNA抽出操作を行った。具体的には、フェノール混合物「Trizol」(Invitorogen社製)を添加・混合した後、クロロホルムを添加・混合し、遠心分離処理を行った。その遠心分離処理により上清(水層)を分離させた。その分離させた上清に、酢酸ナトリウムとエタノールを添加し、攪拌した。その後、この溶液に遠心分離処理を行い、上清のエタノールを除去し、沈殿を得た。この沈殿を室温で風乾させ、DEPC処理をした水に溶解させ、RNA溶液を100μL得た(1A)。
残りの6本の糞便に対しては、分取直後に、10mLの99.5%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えた後、20℃で、12分(1B)、1時間(1C)、12時間(1D)、24時間(1E)、72時間(1F)、168時間(1G)静置してこれら糞便試料を保存した。各保存時間の経過後、直ちに遠心し、上澄みであるエタノール(除去用溶液S)を除去して、糞便由来の固形分を得た。その後、得られた糞便由来の固形分に対して、(1A)と同様にRNA抽出操作を行い、各100μLのRNA溶液を得た。
得られた各RNA溶液に、内部標準としてHeptadecanoic acid (C17:0)と23nor−deoxychoric acid (23N−DCA)を添加し、エーテルで抽出した。ついで胆汁酸のカルボキシル基をブチル化によりブチルエステルにした。また、胆汁酸のヒドロキシル基をアセチル化によりアセチルエステルとし、ブチル・アセチル誘導体とした。生成したブチル・アセチル誘導体をOV−1701(GLサイエンス社製)を用い、GCMS−QP5050システム(島津製作所製)にて、ガスクロマトグラフィー解析を行い、RNA溶液中に残存する胆汁酸量を測定した。
図4は、測定した結果得られた、抽出したRNA溶液100μLあたりの胆汁酸量を示した図である。これらの結果より、1時間以上の間、糞便試料を除去用溶液Sに浸漬(保存)することにより、阻害物質Aである胆汁酸を十分に除去できた。さらに、1時間から24時間の間で、急激に胆汁酸が除去できた。また、糞便試料の除去用溶液S中への浸漬時間が72時間を越えた試料は、ほとんど除去効率に変化が見られなかった。
胆汁酸によるRT−PCRの反応阻害を確認した。具体的には、培養細胞MKN45細胞から回収したRNAを鋳型とし、GAPDH(Glyceraldehyde−3−phosphate dehydrogenase) mRNAを増幅するOne−Step リアルタイムRT−PCRの反応液に、胆汁酸の主要成分であるデオキシコール酸ナトリウムの希釈系列を添加し、デオキシコール酸ナトリウムによる阻害条件を確認した。
One Step PrimeScript RT−PCR Kit(TaKaRa)の説明書に従いながら各試薬を混合し、デオキシコール酸ナトリウムの最終濃度が、0、1、2、4、10、15、20μg/25μLとなるように反応液に添加し、42℃で5分間、95℃で10秒間、の逆転写反応を行なった。その後、95℃で5秒間、60℃で30秒間からなる反応条件を40サイクル繰り返すことによりPCRを行った。この際、TaqMan primer及びprobeは、TaqMan Gene Expression Assays, InventoriedのGAPDH検出用を用いた。
調製した試薬を、ABI Prism 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems社製)により解析して、TaqMan PCRでの増幅効率を確認した。阻害の評価は、既知濃度のプラスミドDNAの示すCT値からコピー数を算出し、これから得られる初期核酸量の推定値の低下の度合いで行なった。
図5は、デオキシコール酸ナトリウム濃度を横軸とし、GAPDH増幅量を縦軸として、測定結果を示した図である。これらの結果から、デオキシコール酸ナトリウムの濃度が反応系に4μg/25μL以上多く含まれる場合に、阻害物質Aによる核酸増幅反応の阻害が確認された。
ここで、実施例1の条件で得られたRNA5μLを鋳型とし、反応系を25μLとしてRT−PCRを行った。この場合、保存時間が1時間のRNA(1C)を用いた場合には、反応液中の胆汁酸濃度は約3.75μg/25μLとなり、保存時間が12時間のRNA(1D)を用いた場合には、反応液中の胆汁酸濃度は約1.6μg/25μLとなった。つまり、保存時間1時間以上であれば、核酸回収時に糞便から持ち込まれる胆汁酸による核酸増幅反応に対する影響を効果的に抑制できることが明らかになった。また、糞便から回収された核酸の場合、その他の夾雑物の影響も考えられることから、12時間保存したときの濃度(約1.6μg/25μL)よりも少ない胆汁酸量によって阻害が生じることも考えられる。このため、12時間以上保存することが、より好ましいことも分かった。
健常人1名より採取された糞便を、3本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ1gずつ分取した。このうち1本に対して、分取直後、10mLの70%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えた後、室温(20℃)で1分間静置し、糞便試料(3A)とした。他の1本に対して、分取後、10mLの70%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させた後、室温で18時間静置して保存し、糞便試料(3B)とした。残りの1本は、分取後、10mLの70%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させた後、室温で36時間静置して保存し、これを糞便試料(3C)とした。各サンプルは、各保存時間経過後、直ちに、遠心し、上澄みであるエタノール(除去用溶液S)を除去して、糞便由来の固形分を得た。
また、随時、エタノールを除去した各糞便試料からRNAを回収した。具体的には、各糞便由来の固形分に、フェノール混合物「Trizol」(Invitorogen社製)を添加して混合した後、クロロホルムを添加、混合し、遠心分離処理を行った。その遠心分離処理により上清(水層)を得た。この上清に酢酸ナトリウムとエタノールを添加して、攪拌後、遠心分離処理を行った。この遠心分離処理により沈殿を得た後、この沈殿物を風乾させた。これらの沈殿物を、DEPC処理をした水に溶解させ、RNA溶液を得た。
各RNA溶液のうち、一部(5μL)を用い、逆転写反応用のキットであるReverTra Ace qPCR RT Kitを用い、cDNAを合成した。このcDNAを鋳型に、12.5μLの2×TaqMan PCR master mix (Perkin−Elmer Applied Biosystems社製)を添加し、ヒトGAPDH用フォワードプライマー(配列番号1:5'−GAAGGTGAAGGTCGGAGTC−3')と、ヒトGAPDH用リバースプライマー(配列番号2:5'−GAAGATGGTGATGGGATTTC−3')をそれぞれ最終濃度が反応液中に900nmolとなるように添加し、最終容量が25μLとなるようにPCR溶液を調製した。そのPCR溶液に対して、ABI Prism 7700(Perkin−Elmer Applied Biosystems社製)によるSYBR greenを用いたPCR解析を行った。PCRの熱サイクルは、95℃で10分間の変性サイクルの後、95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で30秒間を45サイクルの条件で行った。定量は、濃度既知のスタンダードプラスミドによる希釈系列を鋳型として得られた蛍光強度の結果に基づいて行った。
サンプル(3A)由来のRNAを鋳型に用いた場合、サンプル(3B)に比べて約80%以上の増幅効率の低下が見られた。また、サンプル(3B)とサンプル(3C)の差は、約10%程度で、サンプル(1A)とサンプル(1B)ほどの差は見られなかった。
すなわち、これらの結果から、糞便に除去用溶液Sを添加し浸漬させて一定時間保存する本発明の核酸回収方法を用いて得られた核酸は、核酸の増幅効率がよいことが分かった。これは、本発明の核酸回収方法により、回収された核酸中の糞便由来の阻害物質Aの量を低減させることができたためである。なお、本実施例においては、除去用溶液Sにより溶出除去された物質が何であるかは確認していないが、回収された核酸の増幅効率が良好であることから、糞便中に含まれている胆汁酸以外の阻害物質Aも溶出除去されたと推察される。
健常人1名より採取された糞便を、3本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ1gずつ分取した。このうち1本に対して、分取直後、10mLの70%エタノール溶液を加えた後、4℃で1分間静置し、糞便試料(4A)とした。他の1本に対して、分取後、10mLの70%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させた後、4℃で12時間静置して保存し、糞便試料(4B)とした。残りの1本は、分取後、10mLの70%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させた後、4℃で72時間静置して保存し、これを糞便試料(4C)とした。各時間経過後、随時、遠心分離によってエタノールを除去し、続いて7mLのPBSを用い洗浄後、遠心によって上清のPBSを除去した。
実施例3と同様にして、RNAを抽出し、逆転写反応を行った。続いて、細菌の16SrRNA遺伝子用フォワードプライマー(配列番号3:5'−AGGAGGTGATCCAACCGCA−3')と、細菌の16S rRNA遺伝子用リバースプライマー(配列番号4:5'−AACTGGAGGAAGGTGGGGAT−3')によるリアルタイムPCRによって大腸菌の遺伝子を検出した。サンプル(4A)由来のRNAを鋳型に用いた場合、サンプル(4B)に比べて約70%以上の増幅効率の低下が見られた。また、サンプル(4B)とサンプル(4C)の差は、約30%程度であった。
すなわち、これらの結果から、保存時の温度が4℃の場合であっても、本発明の核酸回収方法を用いて得られた核酸は、核酸の増幅効率がよく、すなわち、胆汁酸塩をはじめとする阻害物質Aが、回収された核酸から除去されていることが推測された。
実施例1で用いたエタノールの代わりにメタノールを55%、イソプロパノールを5%添加したアルコール溶液を作成した。このアルコール溶液を除去用溶液Sとして用い、アルコール溶液浸漬糞便サンプルを準備し、実施例1と同様に浸漬(保存)時間を変えたサンプルを作成した。すなわち、このうち1本に対して、分取直後に、10mLのアルコール溶液を加えて糞便をよく分散させた後、室温(20℃)で1分間静置し、糞便試料(5A)とした。他の1本に対して、分取後、10mLのアルコール溶液を加えて糞便をよく分散させた後、室温で12時間静置して保存し、糞便試料(5B)とした。残りの1本は、分取後、10mLのアルコール溶液を加えて糞便をよく分散させた後、室温で36時間静置して保存し、これを糞便試料とした(5C)。これらのサンプルから、随時、遠心分離によってアルコール溶液を除去して、糞便由来の固形分を得た。続いて、7mLの99.5%エタノールで糞便由来の固形分を洗浄し、遠心によって上清の99.5%エタノールを除去して、糞便由来の固形分を風乾させた。次に、「Trizol」とクロロホルムで、RNAを抽出した。得られた水層に対して、エタノールを加え、Vortexで、よく攪拌後、RNeasy midi kit(Qiagen社製)のRNA回収用カラム(シリカカラム)にその水層とエタノールの混合液を添加、遠心し、添付のプロトコールに従ってそのRNA回収用カラムの洗浄操作及びRNA溶出操作を行うことにより、RNAを回収した。
回収した各RNA溶液のうち、一部を用い、実施例3と同様にして、SYBR greenを用いたPCR解析を行った。この結果、サンプル(5A)由来のRNAを鋳型に用いた場合、サンプル(5B)に比べて約40%の増幅効率の低下が見られた。また、サンプル(5B)とサンプル(5C)の差は、約20%程度で、サンプル(5A)とサンプル(5B)の約半分の差であった。
すなわち、これらの結果から、エタノール以外のアルコールを除去用溶液Sとして用いた場合であっても、胆汁酸塩等の阻害物質Aを抽出除去し、高純度の核酸を回収し得ることが明らかである。また、RNAを有機溶媒によって一旦抽出した後、シリカカラムでさらに精製することにより、糖類や核酸分解物等の物質を除去する。これによって、糞便からの核酸の増幅効率が上昇した。
健常人の糞便4gにK−ras遺伝子コドン12がGCTへ変異しているヒト大腸がん由来の培養細胞SW1116細胞を5.0×105cells混合させたものを、大腸がん患者擬似糞便とした。これを、6本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ0.5gずつ分取した。このうち2本に対して、分取直後、10mLの変性エタノール(55%エタノールと5%イソプロパノールのアルコール溶液)を加えて糞便をよく分散させた後、室温(20℃)で1分間静置し、糞便試料(6A)とした。他の2本に対して、分取後、10mLの変性エタノール(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させた後、室温で12時間静置して保存し、糞便試料(6B)とした。残りの2本は、分取後、10mLの変性エタノール(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させた後、室温で36時間静置して保存し、これを糞便試料(6C)とした。
(6A)、(6B)、(6C)の各サンプルは、各保存時間経過後、随時、遠心分離によって変性エタノールを除去して、糞便由来の固形分を得た。続いて、7mLの99.5%エタノールで糞便由来の固形分を洗浄し、遠心によって上清の99.5%エタノールを除去し、この固形分を風乾させた。
また、随時、エタノールを除去した各糞便由来固形分からDNA溶液を回収した。すなわち、各糞便由来の固形分から、糞便からのDNA抽出キット「QIAamp DNA Stool Mini Kit」(Qiagen社製)を用いてDNAを回収した。回収されたDNAの濃度を吸光度法により定量した結果、各糞便由来の固形分から、ほぼ同等量のDNAを回収することができた。
回収されたDNAを用いて、K−rasコドン12のGCT変異配列を、allele specific−PCR法にて検出した。すなわち、センス鎖側のプライマーの3'末端をGCT変異配列にマッチするよう設計することにより、GCT変異型アレルは増幅される。なお、アンチセンス鎖側のプライマーはイントロン部分の塩基配列に由来している。一反応あたり、K−rasコドン12 GCT変異型コドンに対応するフォワードプライマー(配列番号5:5'−ACTTGTGGTAGTTGGAGCTGC−3')及び、リバースプライマー(配列番号6:5'−CTCATGAAAATGGTCAGAGAAACC−3')を各50pmolと、1.25UのTaKaRa Ex Taq(TaKaRa社製)と、 1×Ex Taq Bufferと、200μM dNTP Mixtureと、鋳型核酸を10ngとを用いて、PCRを行なった。温度条件は、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で1分間の35サイクルとした。
PCR反応後、3%NuSieve(FMC社製)で作成したアガロース電気泳動で、増幅産物を確認したところ、179bpの増幅産物が確認された。その結果、サンプル(6A)由来のDNAを鋳型に用いた場合、2つのサンプルのうち、一つは、増幅が見られなかった。また、もうひとつも、サンプル(6B)由来のDNAに比べて非常に薄いバンドになり、増幅効率の低下が見られた。また、2つのサンプル(4B)由来DNAと、2つのサンプル(6C)由来DNAは、いずれも良く増幅し、バンドの濃さの差はほとんど見られなかった。
以上の結果から、保存時間は、時間が長ければ長いほど核酸の増幅効率がよく、すなわち、核酸増幅の阻害をする胆汁酸塩等の除去効率がよいことが推測された。
本発明の核酸回収方法により回収されたDNAを用いることにより、遺伝子変異等の高い正確性を要求される核酸解析であっても、精度よく核酸解析が行えることが明らかである。また本実施例ではイソプロパノールとエタノールを混合した変性エタノールを除去用溶液Sとして使用したが、アルコール濃度としては同じである、50%のエタノール溶液を使用した場合にも同等の結果が得られた。
図2に示すような採便容器Aを用いて、糞便試料を調製し、核酸を回収した。この採便容器Aは、採便棒3と一体化した蓋2と、容器本体1を有し、内部に除去用溶液Sとして5mLの59%エタノール溶液を含有する採便容器Aである。また、採便棒3の先端には、直径3mmの穴を4個有する0.5mLの容量のカップ3aを備える。
まず、採便棒3を用いてカップ3aに約0.5gの糞便を採取し、その採便容器Aに入れて蓋2をした。すると、容器本体1の底の隆起部1aがカップ3aにある穴からの糞便を押し出して、糸状の糞便が溶液中に分散した。このようにして調製された糞便試料を糞便試料(7A)とした。
一方、糞便試料(7A)と同様に糞便と除去用溶液Sの容量比が1:10となるように、5mLの59%エタノール溶液を含有する15mLのポリプロピレンチューブに約0.5gの糞便を採取したものを、対照試料(7B)とした。
糞便試料(7A)と対照試料(7B)を30℃で2日間保存した後、実施例2と同様にしてRNAを回収した。このとき、糞便試料(7A)から除去されたエタノールは、対照試料(7B)から除去されたエタノールに比べて、より濃い茶褐色を示した。また、実施例3と同様に、RNAを回収し、cDNAを作成後、ヒトGAPDH遺伝子の定量PCRを行った。サンプル(7B)由来のRNAを鋳型に用いた場合、サンプル(7A)由来のRNAに比べて約40%の増幅効率の低下が見られた。
この結果は、図2に示すような採便容器Aを用いることにより、速やかに除去用溶液S中に糞便を分散させ、より高純度に核酸を回収することができたためと推察される。また、このような採便容器Aを用いることにより、採便者が採便後、簡便かつ直ちに糞便試料の調製と保存を行うことができるため、検査工程オペレーターのレイバーコストの一部を削減できる。
図3に示すような採便容器Bを用いて、糞便試料を調製し、核酸を回収した。この採便容器の採便棒13は、先端が尖っており、2.5mL容量の穴13aを有する。また採便容器Bは、採便棒13と一体化した蓋12と、容器本体11を有し、容器本体11内部に、除去用溶液Sとして59%メタノール溶液を含有する密封された袋15を有する。
まず、袋15内に5mLの59%メタノール溶液を含有している採便容器Bを用いて、図3の手順に従って約0.1gの糞便を採取し、袋15内に2.5mLの59%メタノール溶液と糞便を混合させて糞便試料(8A)を調製した。この糞便試料(8A)を18℃で36時間静置して保存した後、実施例5と同様にしてRNAを回収し、SYBR greenを用いたPCR解析を行ったところ、増幅効率が良好であることが確認された。
この結果からも明らかであるように、図3に示すような採便容器Bを用いて、本発明の核酸回収方法を行うことにより、高純度に核酸を回収することができるため、採便用キットの軽量化、小型化及び安全性の確保を図ることが可能となる。
本発明の核酸回収方法における工程(B)を、図1に示すような糞便試料処理装置を用いて自動的に行い、糞便試料から核酸を回収した。
まず、実施例7と同様にして、図2に示すような採便容器A内に、糞便と59%エタノール溶液(除去用溶液S)を混合した糞便試料を2本調製した。この2本の糞便試料を室温で12時間保存した後、採便容器の蓋部分を開けて、糞便試料処理装置中の遠心分離機構にセットした。セットした糞便試料は遠心分離工程によって、上清部分のエタノール溶液(除去用溶液S)と糞便由来の固形分に分離された。1本の糞便試料の上清部分を溶液吸引排出ノズルで吸引し、廃液回収部に廃棄した。廃棄後、ノズルを洗浄層で洗浄し、残りの糞便試料の上清の除去を同様にして行なった。
上清除去後、得られた糞便固形分から、実施例5と同様にしてRNAを回収することができた。
健常人1名より採取された糞便を、8本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ1gずつ分取した。分取直後、6mLの70%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させて糞便試料を調製した後、−4℃(10A)、0℃(10B)、4℃(10C)、8℃(10D)、12℃(10E)、16℃(10F)、20℃(10G)、24℃(10H)の各条件で、調製した糞便試料を24時間静置して保存した。
各サンプルは、各保存時間経過後、遠心し、上澄みであるエタノール溶液を除去して、糞便由来の固形分を得た。
次に、得られた糞便由来の固形分からRNAを実施例1と同様に回収した。回収した各RNA溶液のうち、一部を用い、実施例3と同様にして、SYBR greenを用いたPCR解析を行った。
SYBR greenと反応した各糞便試料(サンプル)の解析結果を表1に示す。サンプル(10A)及び(10B)由来RNAをそれぞれ鋳型に用いた場合には、増幅が確認されなかった。一方、サンプル(10C)〜サンプル(10F)由来RNAをそれぞれ鋳型に用いた場合には、増幅が確認された。また、サンプル(10G)とサンプル(10H)由来RNAでは、サンプル(10C)〜サンプル(10F)由来RNAの倍程度の増幅が見られた。
すなわち、保存温度は、4℃以上である場合に阻害物質Aの除去の効率がよく、20℃以上でさらによく除去されて核酸増幅効率が上昇していた。
健常人1名より採取された糞便を、9本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ1gずつ分取した。分取直後、6mLの70%エタノール溶液(除去用溶液S)を加えて糞便をよく分散させて糞便試料を調製した後、保存時間を1分間(11A)、10分間(11B)、1時間(11C)、12時間(11D)、24時間(11E)、36時間(11F)、48時間(11G)、72時間(11H)、168時間(11I)の各条件で静置して保存した。尚、保存温度は、一定温度で20℃である。
各サンプルは、各保存時間経過後、実施例10と同様にしてRNAを回収した後、定量PCRで解析を行った。解析結果を表2に示す。
サンプル(11A)及び(11B)由来RNAをそれぞれ鋳型に用いた場合には、増幅が確認されなかったが、サンプル(11C)由来RNAを鋳型に用いた場合には増幅が確認された。また、サンプル(11D)由来RNAでは、サンプル(11C)由来RNAの倍程度の増幅が見られた。サンプル(11E)、(11F)、(11G)由来RNAでは、サンプル(11C)由来RNAの3倍程度、サンプル(11H)と(11I)由来RNAは、サンプル(11D)由来RNAの1.5倍程度の増幅が見られた。
すなわち、保存時間は、1時間以上である場合に阻害物質Aの除去の効率がよく、24時間以上でさらによく除去され、72時間以上でさらに除去されており、168時間でも核酸増幅効率の落ち込みは見られなかった。
健常人1名より採取された糞便を、3本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ1gずつ分取した。このうち1本に対して、分取直後、速やかに液体窒素を用いて凍結処理を行い、糞便試料(1)とした。他の1本に対して、分取後、10mLの70%エタノール溶液を加えて糞便をよく分散させた後、室温で1時間静置し、糞便試料(2)とした。残りの1本は、分取後、溶液等を添加せずに抽出工程に移行させ、これを糞便試料(3)とした。
その後、各糞便試料からRNAを回収した。具体的には、各糞便試料に、3mLのフェノール混合物「Trizol」(Invitorogen社製)を添加し、30秒以上ボモジナイザーで十分に混合した。その後、3mLのクロロホルムを添加し、ボルテックスを用いて十分に混合した後、12,000×g、4℃で20分間遠心分離処理を行った。その遠心分離処理により得た上清(水層)を、RNeasy midi kit(Qiagen社製)のRNA回収用カラムに通し、添付のプロトコールに従ってそのRNA回収用カラムの洗浄操作及びRNA溶出操作を行うことにより、RNAを回収した。ナノドロップ(ナノドロップ社製)を用いて、回収したRNAの定量を行った。
健常人1名より採取された糞便を、2本の15mLのポリプロピレンチューブにそれぞれ1gずつ分取した。このうち1本に対して、分取後、10mLの70%エタノール溶液を加えて糞便をよく分散させた後、室温で1時間静置し、糞便試料(4)とした。その後、糞便試料(4)中のエタノールを除去し、続いて抽出作業を行った。残りの1本は、糞便試料の分取後、10mLのリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁させ、軽く遠心することで上清を回収し、細胞よりも大きな残渣を除いた。回収した上清は、3000rpmで15分間遠心し、沈澱として細胞を回収した。沈澱に70%エタノールを9mL添加し、混和後、3000rpmで10分間遠心し、沈澱物を糞便試料(5)とし、続いて抽出作業を行った。具体的には、各糞便試料に、3mLのフェノール混合物「Trizol」(Invitorogen社製)を添加し、30秒以上ボモジナイザーで十分に混合した。その後、3mLのクロロホルムを添加し、ボルテックスを用いて十分に混合した後、12,000×g、4℃で20分間遠心分離処理を行った。その遠心分離処理により得た上清(水層)を、RNeasy midi kit(Qiagen社製)のRNA回収用カラムに通し、添付のプロトコールに従ってそのRNA回収用カラムの洗浄操作及びRNA溶出操作を行うことにより、RNAを回収した。ナノドロップ(ナノドロップ社製)を用いて、回収したRNAの定量を行った。
サンプル(5)由来のRNAを鋳型に用いた場合、サンプル(4)に比べて約50%以上の増幅効率の低下が見られた。
すなわち、これらの結果から、採取された糞便を、懸濁液を作成することなく、すぐに除去用溶液Sに浸漬させて一定時間保存する本発明の核酸回収方法を用いて得られた核酸は、一旦、糞便を縣濁液とする核酸の回収方法を用いて得られた核酸に比べて、阻害物質Aが回収された核酸から除去され、且つ、回収ロスが少なく、核酸の増幅効率がよいことが分かった。
1a…隆起部
2…蓋
3…採便棒
3a…カップ
S…核酸増幅反応阻害物質除去用溶液
11…容器本体
12…蓋
13…採便棒
13a…穴
13b…可動蓋
15…袋
E…糞便
101…糞便試料処理装置
102…遠心分離機構
103…溶液吸引排出ノズル
104…廃液回収部
105…溶液吸引排出ノズル洗浄機構
Claims (39)
- 糞便から核酸を高純度に回収する方法であって、
(A)採取された糞便を、水溶性有機溶媒を有効成分とする核酸増幅反応阻害物質除去用溶液中に添加して糞便試料を調製し、前記糞便試料を、所定時間保存することにより、核酸増幅反応阻害物質を溶出させる工程と、
(B)工程(A)の後、糞便試料から核酸増幅反応阻害物質除去用溶液を除去し、糞便由来固形分を回収する工程と、
(C)工程(B)において回収された糞便由来固形分から核酸を回収する工程と、
を有することを特徴とする、糞便試料からの核酸回収方法。 - 採取された糞便を、懸濁液を作成することなく、すぐに酸増幅反応阻害物質除去用溶液中に添加して、糞便試料を調整する請求項1記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記水溶性有機溶媒が、水溶性アルコール及び/又はケトン類である請求項1または請求項2に記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記水溶性有機溶媒の濃度が30%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記水溶性有機溶媒が、水溶性アルコールとして、エタノール、プロパノール、及びメタノールからなる群より選ばれる1以上を含む請求項3又は4に記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記水溶性有機溶媒がエタノールである請求項1記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記水溶性有機溶媒が、ケトン類として、アセトン及び/又はメチルエチルケトンを含む請求項3又は4に記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記糞便と前記核酸増幅反応阻害物質除去用溶液の混合比率が、糞便容量1に対して核酸増幅反応阻害物質除去用溶液容量が1以上である請求項1〜7のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(B)における糞便試料からの核酸増幅反応阻害物質除去用溶液の除去を、遠心分離法により行う請求項1〜8のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(A)において糞便試料を保存する時間が、1時間以上である請求項1〜9のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(A)において糞便試料を保存する時間が、12時間以上である請求項1〜9のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(A)において糞便試料を保存する時間が、24時間以上である請求項1〜9のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(A)において糞便試料を保存する時間が、72時間以上である請求項1〜9のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(A)において糞便試料を保存する温度が、4℃以上である請求項1〜13のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(A)において糞便試料を保存する温度が、20℃以上である請求項1〜13のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記核酸増幅反応阻害物質除去用溶液が界面活性剤を含有する請求項1〜15のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記核酸増幅反応阻害物質除去用溶液が着色剤を含有する請求項1〜16のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(C)が、工程(B)において回収された糞便由来固形分から、腸内常在菌由来の核酸と腸内常在菌以外の生物由来の核酸とを同時に回収する工程である請求項1〜17のいずれか記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記腸内常在菌以外の生物が、哺乳細胞である請求項18記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(C)が、
(a)工程(B)において回収された糞便由来固形分中のタンパク質を変性させ、前記糞便由来固形分中の腸内常在菌及び腸内常在菌以外の生物から、核酸を溶出させる工程と、(b)前記工程(a)において溶出させた核酸を回収する工程と、
を有する請求項1〜19のいずれかに記載の糞便試料からの核酸回収方法。 - 前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
(c)前記工程(a)により変性させたタンパク質を除去する工程と、
を有する請求項20に記載の糞便試料からの核酸回収方法。 - 前記工程(a)におけるタンパク質の変性が、カオトロピック塩、有機溶媒、及び界面活性剤からなる群より選ばれる1以上を用いて行われる請求項20又は21に記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記有機溶媒がフェノールである請求項22に記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(c)における変性させたタンパク質の除去が、クロロホルムを用いて行われる請求項21〜23のいずれかに記載の糞便試料からの核酸回収方法。
- 前記工程(b)における核酸の回収が、
(b1)前記工程(a)において溶出させた核酸を無機支持体に吸着させる工程と、
(b2)前記工程(b1)において吸着させた核酸を無機支持体から溶出させる工程と、を有することを特徴とする請求項20〜24のいずれかに記載の糞便試料からの核酸回収方法。 - 請求項1〜25のいずれかに記載の糞便試料からの核酸回収方法により回収された核酸。
- 請求項1〜26のいずれかに記載の核酸回収方法を用いて糞便試料から回収された核酸を用いて、哺乳細胞由来の核酸を解析する核酸解析方法。
- 前記哺乳細胞が消化管細胞である請求項27に記載の核酸解析方法。
- 前記哺乳細胞が大腸剥離細胞である請求項27に記載の核酸解析方法。
- 前記哺乳細胞由来の核酸が、新生物性転化を示すマーカーである請求項27〜29のいずれかに記載の核酸解析方法。
- 前記哺乳細胞由来の核酸が、炎症性消化器疾患を示すマーカーである請求項27〜29のいずれかに記載の核酸解析方法。
- 前記解析が、mRNAの発現解析、K−ras遺伝子の変異解析、及びDNAのメチル化の解析からなる群より選択される1以上である、請求項27〜31のいずれかに記載の核酸解析方法。
- 採取された糞便を、水溶性有機溶媒を有効成分とする核酸増幅反応阻害物質除去用溶液に浸漬させて所定時間保存した糞便試料から、前記核酸増幅反応阻害物質除去用溶液を除去する溶液除去機構を含む、糞便試料処理装置。
- 前記溶液除去機構が、遠心分離機構と、溶液吸引排出機構と、廃液回収部とを有する請求項33に記載の糞便試料処理装置。
- 前記溶液吸引排出機構が溶液吸引排出ノズルであり、前記溶液吸引排出ノズルを洗浄する機構をさらに有する、請求項34に記載の糞便試料処理装置。
- 核酸回収用糞便試料を調製するために用いられる溶液であって、水溶性有機溶媒を有効成分とし、回収される核酸中の核酸増幅反応阻害物質を低下させる、核酸増幅反応阻害物質除去用溶液。
- 前記水溶性有機溶媒が、水溶性アルコール及び/又はケトン類である請求項36に記載の核酸増幅反応阻害物質除去用溶液。
- 前記水溶性有機溶媒の濃度が30%以上である、請求項37に記載の核酸増幅反応阻害物質除去用溶液。
- 請求項36〜38のいずれかに記載の核酸増幅反応阻害物質除去用溶液と、当該核酸増幅反応阻害物質除去用溶液を含有する採便容器と、を有する採便用キット。
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