JPWO2010010717A1 - バイポーラ型電池 - Google Patents

バイポーラ型電池 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010010717A1
JPWO2010010717A1 JP2010521615A JP2010521615A JPWO2010010717A1 JP WO2010010717 A1 JPWO2010010717 A1 JP WO2010010717A1 JP 2010521615 A JP2010521615 A JP 2010521615A JP 2010521615 A JP2010521615 A JP 2010521615A JP WO2010010717 A1 JPWO2010010717 A1 JP WO2010010717A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bipolar
current collector
positive electrode
negative electrode
electrode current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010521615A
Other languages
English (en)
Inventor
智博 植田
智博 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPWO2010010717A1 publication Critical patent/JPWO2010010717A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/04Construction or manufacture in general
    • H01M10/0436Small-sized flat cells or batteries for portable equipment
    • H01M10/044Small-sized flat cells or batteries for portable equipment with bipolar electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/70Carriers or collectors characterised by shape or form
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

本発明は、本発明は、バイポーラ型電池に関する。本発明は、各種機器に装着する際に、該機器との電気的接続に関する信頼性が高く、かつ生産性の良好なバイポーラ型電池を提供することを目的とする。本発明において、バイポーラ型電池1は、正極10、負極11、バイポーラ電極12、電解質含有セパレータ13およびシール材14を含む。正極10、負極11およびバイポーラ電極12の集電体20、22、24にはそれぞれ少なくとも2個の突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dが設けられており、これらの突出部が、各集電体の周縁部から突出している。

Description

本発明は、バイポーラ型電池に関する。さらに詳しくは、本発明は主に、バイポーラ型電池に用いられる集電体の改良に関する。
バイポーラ型電池は、正極と負極との間に、電解質含有セパレータを介してバイポーラ電極を積層した構造を有する電池である。バイポーラ電極とは、集電体の一方の表面に正極活物質層を設け、他方の表面に負極活物質層を設けた電極である。バイポーラ型電池は、高電圧化(高出力密度化)、部品点数の低減、単セル同士の電気抵抗の低減、不要空間の削減による高エネルギー密度化などが比較的容易なことから、たとえば、電気自動車およびハイブリッド電気自動車の駆動モータ用電源などとして注目を集めている。また、ポリマー電解質などの固体電解質を利用すれば、バイポーラ型電池は、薄型化が可能なことから、たとえば、各種電子機器の電源としても期待されている。
バイポーラ型電池について、従来から種々の提案がなされている。たとえば、バイポーラ電極を含む単電池を積層した積層型電池において、単電池毎の電圧を測定するタブ電極を電池の一方の側面から外方に突出させることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、正極と複数のバイポーラ電極と負極とをそれらの間に電解質含有セパレータを介在させて積層し、バイポーラ電極の周辺部にシール部材を設けたバイポーラ型電池が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。この電池では、バイポーラ電極の周辺部に、薄いシール部材が、複数のバイポーラ電極の集電体間を塞ぐように設けられている。
たとえば、携帯用電子機器には、落下、衝突などにより、外部から大きな応力を付加される。このような携帯用電子機器に特許文献2の電池を装着した場合、電子機器からの電池の離脱、電池の電子機器への装着不良または接続不良、電池の損傷、電解液の漏出などが起り易くなる。
また、正極と複数のバイポーラ電極と負極とをそれらの間に電解質含有セパレータを介在させて積層したバイポーラ型電池において、クロム16〜26質量%およびモリブデン0.5〜7.0質量%を含有するステンレス鋼を集電体材料として用いることが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。特許文献3には、前記特定のステンレス鋼は、ピンホールの発生、およびそれに伴う液絡の発生の心配がないために薄型化が可能であり、薄型化により集電体の内部抵抗を低減化して電池性能を向上させ得ると記載されている。
特開2004−87238号公報 特開2007−122881号公報 特開2007−242424号公報
従来のバイポーラ型電池においては、外部機器との接続用電極端子が、正負極にそれぞれ1つずつしか設けられていない。接続用電極端子は、一般的に集電体の端部から、通常、電池の外方に延びる突出部として形成されている。この突出部を外部機器の回路に接触させるだけでは、電気的な接触不良を起こす可能性がある。このため、突出部と機器側回路とをはんだ付け、溶接などで接続する方法が採られている。
しかしながら、このバイポーラ型電池を薄型化しようした場合、集電体厚を小さくする必要が生じる。集電体厚が小さくなると、必然的に突出部の厚さも小さくなり、その強度が低下する。これにより、たとえ溶接により接続が行われていても、機器の落下、衝突などにより、接続部が変形したり、折れ曲がったり、あるいは接続部が切断したりして、電気的接続の断絶などが生じやすい。このため、従来のバイポーラ型電池には、機器との電気的接続の信頼性が低いという課題がある。
さらに、薄型バイポーラ型電池の製造工程では、集電体(金属箔)の機械的強度が低くかつ自立性に乏しいため、集電体の取り扱いが難しい。また、正負極、バイポーラ電極および電解質という比較的多数の部品を積層するので、積層の際の位置決めが難しく、そして複数の電極間でのずれが生じ易い。さらに、このような生産性の低さは、薄型のバイポーラ型電池のコストアップを招いている。
本発明の目的は、各種機器に装着する際に、該機器との電気的接続に関する信頼性が高く、かつ生産性の良好なバイポーラ型電池を提供することである。
本発明のバイポーラ型電池は、
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配設されるバイポーラ電極と、電解質含有セパレータとを備え、
前記正極は、正極集電体と前記正極集電体の一面に形成された正極活物質層とを含み、
前記負極は、負極集電体と前記負極集電体の一面に形成された負極活物質層とを含み、
前記バイポーラ電極は、バイポーラ電極集電体と前記バイポーラ電極集電体の一面に形成された正極活物質層と前記バイポーラ正極集電体の他の面に形成された負極活物質層とを含み、
前記正極、前記負極、前記バイポーラ電極に含まれる各正極活物質層と各負極活物質層は、一の正極活物質と一の負極活物質とが前記電解質含有セパレータを介して互いに対向するように積層されて形成される電池要素を少なくとも2つ有し、
前記電池要素はその周縁に配置されたシール材により密封されており、
前記正極集電体、前記負極集電体、前記バイポーラ電極集電体のそれぞれには、各集電体の周縁部から突出するように、少なくとも2個の突出部が設けられている。前記パイポーラ型電池は、少なくとも2個のバイポーラ電極を備えていてもよい。
前記正極集電体、前記負極集電体、前記バイポーラ電極集電体から突出する突出部は、正極側から上面視したときに互いに重ならないように配置されていることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、前記電解質含有セパレータは、固体電解質であることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施形態において、前記電解質含有セパレータは、液体電解質を含浸させた多孔質基材であることが好ましい。
前記正極、前記負極、および前記パイポーラ電極の積層方向に垂直であり、かつ互い異なる4つの方向の各方向に、少なくとも1個の突出部が突出しており、前記4つの方向のうち、時計周りの方向に隣接する2つの方向は、互いに直交していることが好ましい。
前記突出部の少なくとも一部がシール材で被覆されていることが好ましい。
前記突出部は、面取りが施されている少なくとも1つの角部をその先端部に有することが好ましい。
本発明のバイポーラ型電池では、正極集電体、負極集電体およびバイポーラ電極の集電体(バイポーラ電極集電体)のそれぞれに少なくとも2個の突出部が設けられている。そして、突出部が電池の厚み方向側面の異なる位置から外方に延びている。このような構成により、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続不良が生じる可能性を大幅に低減でき、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続に関する信頼性を高め得る。また、電解質として固体電解質、特にポリマー電解質を用いれば、本発明の種々の利点を維持しつつ、薄型のバイポーラ型電池が得られる。
また、前記構成を採ることにより、正極、負極およびバイポーラ電極を、それぞれ1個ずつ切り離すことなく、各電極が複数個形成された正極シート、バイポーラ電極シートおよび負極シートを積層して、複数のバイポーラ電極を形成した後に、各バイポーラ電極を切断分離できる。したがって、複数のバイポーラ型電池を効率良く製造でき、生産性が顕著に向上する。なお、前記のような製造方法は、薄型のバイポーラ型電池を製造するのに特に好適に利用できる。また、本発明のバイポーラ型電池を薄型化しても、上記した構造的特徴により、電池の機械的強度の低下、電池と外部機器との電気的接続不良などが起こり難く、好適に使用できる。
本発明の実施形態の1つであるバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 図1に示すバイポーラ型電池の切断面線A−Aの方向から見た断面図である。 図1に示すバイポーラ型電池の切断面線B−Bの方向から見た断面図である。 図1に示すバイポーラ型電池の切断面線C−Cの方向から見た断面図である。 図1に示すバイポーラ型電池を矢符Xの方向から見た側面図である。 図1に示すバイポーラ型電池に用いられる正極集電体の構成を示す平面図である。 図1に示すバイポーラ型電池に用いられる負極集電体の構成を示す平面図である。 図1に示すバイポーラ型電池に用いられるバイポーラ電極集電体の構成を示す平面図である。 別形態のバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 別形態のバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 別形態のバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 帯状金属箔に複数の集電体を打ち抜く工程における、複数のバイポーラ電極集電体を含む帯状金属箔を示す平面図である。 帯状金属箔に複数の集電体を打ち抜く工程における、複数の負極集電体を含む帯状金属箔を示す平面図である。 帯状金属箔に複数の集電体を打ち抜く工程における、複数の正極集電体を含む帯状金属箔を示す平面図である。 帯状金属箔に形成された複数のバイポーラ電極集電体に活物質層を形成する工程における、バイポーラ電極を示す平面図である。 帯状金属箔に形成された複数の負極集電体に活物質層を形成する工程における、負極を示す平面図である。 帯状金属箔に形成された複数の正極集電体に活物質層を形成する工程における、正極を示す平面図である。 バイポーラ電極集電体の周縁部にシール材を配置する工程における、バイポーラ電極を示す平面図である。 負極集電体の周縁部にシール材を配置する工程における、負極を示す平面図である。 正極集電体の周縁部にシール材を配置する工程における、正極を示す平面図である。 バイポーラ型電池の連結体を切断する工程を示す縦断面図である。
本発明は、各種機器に装着する際に、該機器との電気的接続に関する信頼性が高く、かつ生産性の良好なバイポーラ型電池を提供することを目的とする。本発明のバイポーラ型電池では、正極集電体、負極集電体およびバイポーラ電極集電体のそれぞれに少なくとも2個の突出部が設けられている。さらに、突出部が電池の厚み方向側面の異なる位置から外方に延びている。このような構成により、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続不良が生じる可能性を大幅に低減でき、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続に関する信頼性を高め得る。また、電解質として固体電解質、特にポリマー電解質を用いれば、本発明の種々の利点を維持しつつ、薄型のバイポーラ型電池が得られる。
以下、本発明を、図面を参照しながら、説明する。
図1は、本発明の実施形態の1つであるバイポーラ型電池1の構成を示す平面模式図である。図2Aは、図1に示すバイポーラ型電池1の、切断面線A−Aでの構成を示す模式断面図である。図2Bは、図1に示すバイポーラ型電池1の、切断面線B−Bでの構成を示す模式断面図である。図2Cは、図1に示すバイポーラ型電池1の、切断面線C−Cでの構成を示す模式断面図である。
図3は、バイポーラ型電池1を図1に示す矢符Xの方向から見た側面図である。なお、図3では、突出部20a、20b、20d、22a、22b、22d、24a、24b、24d以外の図示を省略する。図4Aは、図1に示すバイポーラ型電池1に用いられる正極集電体20の構成を示す平面図である。図4Bは、図1に示すバイポーラ型電池1に用いられる負極集電体22の構成を示す平面図である。図4Cは、図1に示すバイポーラ型電池1に用いられるバイポーラ電極集電体24(バイポーラ電極12の集電体)の構成を示す平面図である。
バイポーラ型電池1は、正極10、負極11、バイポーラ電極12、電解質含有セパレータ13およびシール材14を含み、平面形状がほぼ矩形の薄型固体電池である。
バイポーラ型電池1では、電解質含有セパレータ13を介して、正極10とバイポーラ電極12と負極11とがこの順番で積層されている。すなわち、正極活物質層21と負極活物質層26とが、および正極活物質層25と負極活物質層23とが電解質含有セパレータ13を介して対向するように積層されている。このようにして、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とからなる第1の発電要素と、正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とからなる第2の発電要素が形成される。なお、本実施形態では、正極10と負極11との間に、1個のバイポーラ電極12を積層しているが、それに限定されず、バイポーラ型電池1の供給電圧の設計値に応じて2個以上のバイポーラ電極12を積層してもよい。その場合、バイポーラ電極12とそれに隣り合うバイポーラ電極12との間にも、電解質含有セパレータ13が配置される。具体的には、2個以上のバイポーラ電極は、所定のバイポーラ電極の正極活物質層と、別のバイポーラ電極の負極活物質層とが、電解質含有セパレータ13を介して対向するように積層される。
また、バイポーラ型電池1において、正極集電体20の周縁部とバイポーラ電極集電体24の周縁部との間、および負極集電体22の周縁部とバイポーラ電極集電体24の周縁部との間には、枠状のシール材14が配置されている。これにより、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とからなる発電要素、および正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とからなる発電要素を封止した密閉構造が得られる。つまり、第1の発電要素および第2の発電要素がそれぞれシール材により密閉されている。さらに、正極集電体20および負極集電体22が集電機能だけでなく、外装体としての機能をも有しているので、ラミネートシートなどの外装体を用いる必要がなく、一層の薄型化が可能である。それに伴って、フレキシブル性が一層良好になる。また、シール材14は、バイポーラ型電池1の機械的強度を高めるのにも有効である。
さらに、バイポーラ型電池1の最大の特徴は、各集電体の周縁部から突出する、突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dを含むことである。なお、突出部20a〜20dは、正極集電体20に設けられている。突出部22a〜22dは、負極集電体22に設けられている。突出部24a〜24dは、バイポーラ電極集電体24に設けられている。これらの突出部は、たとえば、バイポーラ型電池1が電圧を供給する外部機器(以下単に「外部機器」とする)との電気的接続に用いられる。また、これらの突出部は、単セルごとの電圧をモニターするために利用することも可能である。
突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dは、バイポーラ型電池1の厚み方向側面の異なる位置から、バイポーラ型電池1の外方に延びるように設けられている。また、突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dは、バイポーラ型電池1の厚み方向において、互いに重ならないように配置されている。つまり、突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dをバイポーラ電極1の厚み方向から見たとき、たとえば正極側から上面視したとき、いずれの突起部も、別の突起部と重なっていない。ここで、バイポーラ型電池1の厚み方向とは、正極とバイポーラ電極と負極との積層方向のことをいう。
また、3個ずつの突出部がバイポーラ型電池1の四方に延びている。つまり、電池の厚み方向に垂直であり、かつ互い異なる4つの方向の各方向に、それぞれ3個の突出部が突出している。図1のバイポーラ型電池1の場合、4つの突出方向をバイポーラ型電池1の厚さ方向(正極とバイポーラ電極と負極との積層方向)から見たとき、時計周りの方向に隣接する2つの突出方向は互いに直交している。具体的には、図1の紙面において、突出部20a、22a、24aが上方に延び、突出部20b、22b、24bが下方に延び、突出部20c、22c、24cが向かって右側に延び、突出部20d、22d、24dが向かって左側に延びる。すなわち、突出部20a、22a、24aと突出部20b、22b、24bとが逆方向に延び、突出部20c、22c、24cと突出部20d、22d、24dとが逆方向に延びている。さらに、突出部20a、22a、24aと突出部20b、22b、24bとが延びる方向に平行な方向と、突出部20c、22c、24cと突出部20d、22d、24dとが延びる方向に平行な方向とは互いに垂直である。
本実施形態では、全体で12個の突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dを設けたが、それに限定されず、正極集電体20、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24の各々に含まれる突出部の数は2個以上、好ましくは4個以上でよく、それによって本発明の目的が達成できる。なお、バイポーラ型電池の横断面が矩形または略矩形であり、各集電体にそれぞれ突出部を4個設ける場合は、バイポーラ型電池1の四辺のそれぞれに突出部を1個ずつ設けるのが好ましい。
なお、バイポーラ型電池1と外部機器との電気的接続は、バイポーラ型電池1の厚み方向の最外層に位置する正極10および負極11の集電体20および22の突出部20a〜20d、22a〜22d、ならびに中間層に位置するバイポーラ電極12の集電体24の突出部24a〜24dのうちの2個以上の突出部、好ましくは4個以上の突出部を用いて行われる。
本実施形態のように、正極集電体20、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24の各々に2個以上の突出部を設けることにより、様々な外部機器に接続することが可能になり、バイポーラ型電池1の適用範囲が顕著に拡大する。たとえば、バイポーラ電極12の突出部24a〜24dを利用して外部機器と接続すると、正極10および負極11の突出部20a〜20dおよび22a〜22dのみで外部機器に接続する場合に比べて、バイポーラ型電池1の供給電圧を低く調整することも可能になる。
このように、複数の突出部を設けることにより、2個以上の突出部と外部機器とを電気的に接続できる。その結果、たとえば所定の1個の突出部と外部機器との間で電気的接続が不良になっても、それ以外の突出部より電気的接続が保たれる。したがって、バイポーラ型電池1は、外部機器に安定的に電圧を供給でき、駆動用電源としての信頼性が顕著に高い。
また、突出部を異なる位置、さらに好ましくはバイポーラ型電池1の厚み方向において互いに重ならない位置に配置することにより、外部機器との電気的な接続に関する信頼性が一層向上する。すなわち、突出部が同じ位置にあると、外部機器の落下、外部機器に衝撃などが加わることなどによって、全ての突出部が同時に変形、折れ曲がり、切断などを起こし、電気的接続不良が生じる可能性がある。これに対し、突出部を異なる位置に配置することにより、前記した電気的接続不良が生じる可能性を一層低減できる。また、突出部をバイポーラ型電池1の四方に配置することにより、前記した電気的接続不良が生じる可能性の低減効果が一層向上する。
また、突出部の表面の少なくとも一部をシール材で被覆すると、突出部の機械的強度の向上、突出部同士の接触による短絡の抑制などの効果が得られる。
また、突出部がその先端部分に角部を有する場合は、角部が面取りを施されていることが好ましい。角部が面取りにより円弧状の形状を有していることがさらに好ましい。この構成によれば、外部機器側の回路と接続する際に、突出部の角部が外部機器の回路の接続とは関係のない部分に引っ掛かって、該回路を損傷させるのを抑制できる。
バイポーラ型電池1の各構成要素は、具体的には次に示す通りである。
正極10は、正極集電体20および正極活物質層21を含む。
正極集電体20は、上記したように、集電機能と外装材としての機能とを併せ持つ。正極集電体20は金属製板状部材であり、図4Aに示すように、ほぼ矩形の平面形状を有する集電体本体20xと、4個の突出部20a〜20dとを含む。
突出部20a〜20dは、集電体本体20xの四隅端部から、外方に延びるように形成されている。より詳しくは、突出部20a、20bは集電体本体20xにおける一方の対角線の両端部近傍に配置され、図4Aの紙面の上下方向において、逆方向に延びている。また、突出部20c、20dは集電体本体20xにおける他方の対角線の両端部近傍に配置され、突出部20a、20bが延びる方向とはほぼ垂直な方向において、逆方向に延びている。すなわち、突出部20a〜20dは、正極集電体20の四方に延びている。
突出部20a〜20dは、それぞれ、ほぼ矩形の平面形状を有し、その先端部分には2つの角部がある。これらの角部は、面取りが施されており、円弧状の形状を有している。なお、本実施形態では、平面形状がほぼ矩形である突出部を設けているが、これに限定されず、外部機器との電気的接続が可能な限り、任意の形状の突出部を設けてもよい。形状の具体例としては、たとえば、半円状、半楕円状、三角形状などが挙げられる。なお、突出部の形状が任意であることは、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24においても同じである。
正極集電体20には、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、厚さ10〜30μm程度の、アルミニウムを主成分とする箔、ステンレス鋼箔などを使用できる。なお、アルミニウムを主成分とする箔とは、たとえば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などである。
正極活物質層21は、正極活物質、導電剤、結着剤などを含有し、正極集電体20の厚み方向の一方の表面に形成される。
正極活物質としては、固体電池の分野で常用される材料を使用できる。その具体例としては、たとえば、二酸化マンガン、(CF)、(CF)などのフッ化カーボン、TiS、MoS、FeSなどの金属二硫化物、リチウム含有複合酸化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム化合物、ニオブ酸化物およびそのリチウム化合物、有機導電性物質を含有する共役系ポリマー、シェブレル相化合物、オリビン系化合物などが挙げられる。正極活物質は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
リチウム含有複合酸化物としては、たとえば、LixaCoO、LixaNiO、LixaMnO、LixaCoNi1−y、LixaCo1−y、LixaNi1−y、LixbMn、LixbMn2−y(前記各式中、MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を示す。xa=0〜1.2、xb=0〜2.0、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3である)で表される材料を用いることができる。なお、上記の各組成式におけるxa値およびxb値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
これらの中でも、電解質(特に後記するポリマー電解質)との好適な組み合わせを考慮すると、二酸化マンガンが好ましい。二酸化マンガンは、たとえば、その反応電位がポリマー電解質の電気化学的に安定な領域(電位)とほぼ一致し、一電子反応と仮定した場合の質量あたりの理論容量が308mAh/gと高く、安価に入手可能であるといった利点を有している。
また、正極活物質の平均粒子径は、好ましくは0.1〜20μmである。これにより、後記する正極合剤スラリーの正極集電体20への塗布に際し、すじなどの塗布むらの発生を抑制し、かつ単位面積当たりの塗布量ひいては電極容量のばらつきを小さくしながら、正極10の厚さを50μm以下に調整できる。
導電剤としても固体電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、アルミニウム粉などの金属粉末類、酸化亜鉛ウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカーなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられる。導電剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
結着剤としては、ポリマー電解質およびそれ以外の結着剤を使用できる。ポリマー電解質の中でも、ドライポリマー電解質が好ましい。また、ポリマー電解質とそれ以外の結着剤とを組み合わせて使用してもよい。結着剤としてポリマー電解質を用いると、正極活物質層21の表面から深部(正極集電体20の近傍部分)に至るまで、イオンが容易に到達できるため好ましい。
ポリマー電解質以外の結着剤として、電池分野で常用される材料を使用でき、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリヘキサフルオロプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。結着剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
正極活物質層21は、たとえば、正極合剤スラリーを正極集電体20表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて圧延することにより形成できる。これにより正極10が得られる。正極合剤スラリーは、たとえば、正極活物質、結着剤、導電剤などを分散媒に分散させることにより調製できる。分散媒としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを使用できる。
負極11は、負極集電体22および負極活物質層23を含む。
負極集電体22は、上記したように、集電機能と外装材としての機能とを併せ持つ。負極集電体22は金属製板状部材であり、図4Bに示すように、ほぼ矩形の平面形状を有する集電体本体22xと、4個の突出部22a〜22dとを含む。
突出部22a〜22dは、集電体本体22xの四隅端部から、外方に延びるように形成されている。より詳しくは、突出部22a、22bは集電体本体22xにおける一方の対角線の両端部近傍に配置され、図4Bの紙面の上下方向において、逆方向に延びている。また、突出部22c、22dは集電体本体22xにおける他方の対角線の両端部近傍に配置され、突出部22a、22bが延びる方向とはほぼ垂直な方向において、逆方向に延びている。すなわち、突出部22a〜22dは、負極集電体22の四方に延びている。
また、突出部22a〜22dは、バイポーラ型電池1の厚み方向側面において、正極集電体20の突出部20a〜20dとは異なる位置に形成されている。さらに、バイポーラ型電池1の厚み方向において、突出部22a〜22dは、突出部20a〜20dと重なる部分がない。また、突出部22a〜22dは、それぞれ、ほぼ矩形の平面形状を有し、その先端部分には2つの角部がある。これらの角部は、面取りが施されており、円弧状の形状を有している。
負極集電体22には、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、厚さ10〜30μm程度の、銅を主成分とする箔、ステンレス鋼箔などを使用できる。なお、銅を主成分とする箔とは、たとえば、銅箔、銅合金箔などである。
負極活物質層23は、負極集電体22の厚み方向の一方の表面に形成され、負極活物質などを含有する。負極活物質としては、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、金属リチウム、リチウム合金などが挙げられる。リチウム合金としては、たとえば、Li−Si合金、Li−Sn合金、Li−Al合金、Li−Ga合金、Li−Mg合金、Li−In合金などが挙げられる。負極活物質層23は、たとえば、負極集電体22の表面に金属リチウムまたはリチウム合金からなる金属箔を貼着することにより形成できる。
バイポーラ電極12は、バイポーラ電極集電体24、正極活物質層25および負極活物質層26を含む。
バイポーラ電極集電体24は、厚み方向の一方の表面に正極活物質層25が形成され、かつ厚み方向の他方の表面に負極活物質層26が形成される。バイポーラ電極集電体24は金属製板状部材であり、図4Cに示すように、ほぼ矩形の平面形状を有する集電体本体24xと、4個の突出部24a〜24dとを含む。
突出部24a〜24dは、集電体本体24xの四辺のほぼ中央部から、外方に延びるように形成されている。突出部24a、24bが互いに逆方向に延び、突出部24c、24dが、突出部24a、24bの延びる方向にほぼ垂直な方向において、互いに逆方向に延びている。すなわち、突出部24a〜24dは、バイポーラ電極集電体24の四方に延びている。
また、突出部24a〜24dは、バイポーラ型電池1の厚み方向側面において、正極集電体20の突出部20a〜20dおよび負極集電体22の突出部22a〜22dとは異なる位置に形成されている。さらに、バイポーラ型電池1の厚み方向において、突出部24a〜24dは、突出部20a〜20d、22a〜22dと重なる部分がない。また、突出部24a〜24dは、それぞれ、ほぼ矩形の平面形状を有し、その先端部分には2つの角部がある。これらの角部は、面取りが施されており、円弧状の形状を有している。
バイポーラ電極集電体24には、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、厚さ10〜30μm程度の、ステンレス鋼箔、クラッド材などが挙げられる。クラッド材には、たとえば、銅を主成分とする層と、アルミニウムを主成分とする層とを接合した積層材料などが挙げられる。
正極活物質層25は、上記した正極活物質層21と同様の構成を有している。また、負極活物質層26は、上記した負極活物質層23と同様の構成を有している。
電解質含有セパレータ13は、正極活物質層21と負極活物質層26との間および正極活物質層25と負極活物質層23との間に介在するように配置される。電解質含有セパレータ13は、固体電解質であってもよいし、液体電解質を含浸させた多孔質基材であってもよい。
固体電解質の種類は特に制限されず、無機固体電解質および有機固体電解質をいずれも使用できる。無機固体電解質を用いると、液漏れのおそれがないため、薄型化および小型化が可能であり、電池としての安全性や信頼性が高いという長所を有する。また、有機固体電解質、特にポリマー電解質を用いると、やはり、薄型化および小型化が可能であり、電池としての安全性や信頼性が高いという長所を有する。それとともに、柔軟性のある薄型電池が得られるという利点もある。
無機固体電解質としては公知の材料を使用でき、たとえば、硫化物系無機固体電解質、酸化物系無機固体電解質、その他のリチウム系無機固体電解質などが挙げられる。硫化物系無機固体電解質の具体例としては、たとえば、(LiPO−(LiS)−(SiSガラス、(LiS)−(SiS、(LiS)−(P、LiS−P、thio―LISICONなどが挙げられる。
また、酸化物系無機固体電解質の具体例としては、たとえば、LiTi(PO、LiZr(PO、LiGe(POなどのNASICON型、(La0.5+xLi0.5−3x)TiOなどのペロブスカイト型などが挙げられる。その他のリチウム系無機固体電解質の具体例としては、たとえば、LiPON、LiNbO、LiTaO、LiPO、LiPO4−x(xは0<x≦1)、LiN、LiI、LISICONなどが挙げられる。さらに、これらの無機固体電解質の結晶を析出させて得られるガラスセラミックスも、固体電解質として使用できる。
なお、無機固体電解質からなる電解質含有セパレータ13は、蒸着、スパッタリング、レーザーアブレーション、ガスデポジション、エアロゾルデポジションなどの手法により形成できる。特にガスデポジションおよびエアロゾルデポジションは、高速での成膜が可能なので好ましい。
有機固体電解質としても公知の材料を使用でき、たとえば、ポリマー電解質を用いることができる。ポリマー電解質としては、ドライポリマー電解質、ゲル電解質などが挙げられる。
ポリマー電解質としては、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用できるが、その中でも、少なくとも骨格中に電子供与性元素を含むポリマーおよびリチウム塩を含有するドライポリマー電解質(1)が好ましい。電子供与性元素は、ドライポリマー電解質(1)中において、リチウムイオンとアニオンとの相互作用に匹敵するような強い相互作用を発生させることができる。このような電子供与性元素の作用により、ドライポリマー電解質(1)中では、リチウム塩の一部がリチウムイオンとアニオンとに解離した状態で存在する。解離したリチウムイオンは電子供与性元素に配位し、さらにポリマー構造中またはポリマー鎖上を移動する。リチウムイオンは、主に、ポリマー鎖のセグメント運動によってポリマー中を移動できるものと考えられる。これにより、優れたイオン伝導性が発現する。
骨格中に電子供与性元素を含むポリマーは、マトリックスポリマーとして用いられる。骨格中に電子供与性元素を含むポリマーとしては、主鎖および側鎖のいずれか一方または両方に電子供与性酸素を含むポリマーが挙げられる。ここで、電子供与性酸素としては、たとえば、エーテル酸素、エステル酸素などが挙げられる。マトリックスポリマーの具体例としては、たとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、エチレンオキサイド単位またはプロピレンオキサイド単位を有するポリマー、ポリカーボネートなどが挙げられる。前記材料以外にも、ドライポリマー電解質に含まれるマトリックスポリマーとしては、たとえば、低相転移温度(Tg)のポリエーテル、無定形フッ化ビニリデンコポリマー、異種ポリマーのブレンド物などを用いてもよい。
リチウム塩としては、電池分野で常用される材料を使用でき、たとえば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiAsF、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiN(CFSO、LiN(CSOなどが挙げられる。リチウム塩は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ドライポリマー電解質は、たとえば、マトリックスポリマーの有機溶媒溶液にリチウム塩を添加して、ポリマー電解質溶液を得、前記ポリマー溶液を所定の箇所に塗布し、乾燥することにより調製できる。ここで有機溶媒としては、マトリックスポリマーを溶解でき、かつマトリックスポリマーおよびリチウム塩に対して不活性なものであれば特に制限されず、公知のものを使用できる。たとえば、アセトニトリルなどのニトリル類、メチルモノグライムなどのグライム類が挙げられる。
ゲル電解質の具体例としては、たとえば、マトリックスポリマーと、前記マトリックスポリマーに保持された非水電解液とを含むことができる。ここで、ゲル電解質用マトリックスポリマーとしては、たとえば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリエチレンオキサイド誘導体を含有するポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体を含有するポリマー、ポリホスファゼン、イオン解離基を含有するポリマー、リン酸エステルポリマー、ポリビニルピリジン誘導体、ビスフェノールA誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライド、フッ素ゴムなどが挙げられる。非水電解液については後記する。
電解質含有セパレータ13が有機固体電解質により構成されている場合、電解質含有セパレータ13は、上記で説明した成分の他に、その目的を損なわない限りにおいて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、たとえば、無機充填材、リチウム塩とグライム類との固体状の結晶性錯体(以下単に「結晶性錯体」する)などが挙げられる。無機充填材は、たとえば、有機固体電解質の機械的強度、膜質均一性、イオン伝導性などを向上させる。無機充填材としては、特に制限されないが、アルミナ、シリカなどの、ミクロンオーダーまたはナノオーダーの微粒子などが挙げられる。結晶性錯体は、たとえば、リチウムイオンとポリマー鎖との相互作用を弱め、有機固体電解質のイオン伝導性をさらに向上させる。
また、電解質含有セパレータ13が固体電解質を含む場合、電解質含有セパレータ13は、支持体により支持されていてもよい。前記支持体として、多孔質シートを用いることができる。多孔質シートとしては、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、セルロースなどの合成樹脂からなる不織布、ポリプロピレン、ポリエチレンの微孔性フィルムなどが挙げられる。たとえば、多孔質シートをポリマー電解質溶液に含浸させた後に溶媒を除去することで、支持体と一体になった電解質含有セパレータ13を作製できる。
上記のように、電解質含有セパレータ13としては、液体電解質を含浸した多孔質基材を用いてもよい。多孔質基材には、所定のイオン透過度、機械的強度、絶縁性などを併せ持つシート状物またはフィルム状物が用いられる。多孔質基材の具体例としては、たとえば、微多孔膜、織布、不織布などの、多孔性のシート状物またはフィルム状物が挙げられる。微多孔膜は単層膜および多層膜(複合膜)のいずれでもよい。単層膜は1種の材料からなる。多層膜(複合膜)は1種の材料からなる単層膜の積層体または異なる材料からなる単層膜の積層体である。
多孔質基材の材料には各種樹脂材料を使用できる。なかでも、耐久性、シャットダウン機能、電池の安全性などを考慮すると、多孔質基材の材料には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。なお、シャットダウン機能とは、電池の異常発熱時に貫通孔が閉塞し、それによりイオンの透過を抑制し、電池反応を遮断する機能である。必要に応じて、微多孔膜、織布、不織布などを2層以上積層して多孔質基材を構成してもよい。多孔質基材の厚さは一般的には10〜300μmであるが、好ましくは10〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。また、多孔質基材の空孔率は好ましくは30〜70%、より好ましくは35〜60%である。ここで空孔率とは、多孔質基材の体積に占める、多孔質基材中に存在する細孔の総容積の比である。
液体電解質としては、非水電解液を用いることができる。非水電解液は、溶質(支持塩)と非水溶媒とを含み、さらに必要に応じて各種添加剤を含む。溶質は通常非水溶媒中に溶解する。
溶質としては、この分野で常用される材料を使用でき、たとえば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、LiBCl、ホウ酸塩類、イミド塩類などが挙げられる。
ホウ酸塩類としては、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウムなどが挙げられる。
イミド塩類としては、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CFSONLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム((CFSO)(CSO)NLi)、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((CSONLi)などが挙げられる。溶質は1種を単独で用いてもよくまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2モル/Lの範囲内とすることが望ましい。
非水溶媒としては、この分野で常用される溶媒を使用でき、たとえば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステルなどが挙げられる。環状炭酸エステルとしては、たとえば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などが挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、たとえば、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。環状カルボン酸エステルとしては、たとえば、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)などが挙げられる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよくまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤としては、たとえば、充放電効率を向上させる材料、電池を不活性化させる材料などが挙げられる。充放電効率を向上させる材料は、たとえば、負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成し、充放電効率を向上させる。このような材料の具体例としては、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、上記化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
電池を不活性化させる材料は、たとえば、電池の過充電時に分解して電極表面に被膜を形成することによって電池を不活性化する。このような材料としては、たとえば、ベンゼン誘導体が挙げられる。ベンゼン誘導体としては、フェニル基と、前記フェニル基に隣接する環状化合物基とを含むベンゼン化合物が挙げられる。環状化合物基としては、たとえば、フェニル基、環状エーテル基、環状エステル基、シクロアルキル基、フェノキシ基などが好ましい。ベンゼン誘導体の具体例としては、たとえば、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。ベンゼン誘導体は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。ただし、ベンゼン誘導体の非水電解液における含有量は、非水溶媒100体積部に対して10体積部以下であることが好ましい。
特に、液絡を無くすという観点からは、電解質含有セパレータ13として、固体電解質を用いることが好ましい。電解質含有セパレータ13として、固体電解質を用いることにより、バイポーラ型電池の安全性をさらに向上させることができる。さらに、バイポーラ型電池1が、バイポーラ電極12の積層数に相当する電圧を確実に出力できるようになる。なお、固体電解質としては、ポリマー電解質が好ましい。ポリマー電解質の中でも、液体成分を含有しないドライポリマー電解質が特に好ましい。
なお、電解質含有セパレータ13は、上記のように液体電解質を含浸させた多孔質基材であってもよい。このようなバイポーラ型電池でも、本発明の構造(突出部)を採用できる。これにより、外部機器との電気的な接続信頼性が高まり、生産性が向上する。
シール材14は、平面形状がほぼ矩形であり、四隅が円弧状に形成された板状部材である。また、シール材14の中央部には、厚み方向に貫通する、図示しない矩形の孔が形成されている。たとえば、正極10とバイポーラ電極12との間に配置されているシール材14の場合、この孔に、正極活物質層21、負極活物質層26および電解質含有セパレータ13が挿通される。また、シール材14は、図1に示すように、正極集電体20、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24の外周寸法より大きい外周寸法を有している。これにより、集電体20、22、24の周縁部間での短絡を、ほぼ確実に防止できる。
本実施形態では、シール材14は集電体20、22、24よりも大きい外周寸法を有するが、それに限定されず、シール材14は、集電体20、22、24と同程度の外周寸法を有してもよい。シール材14を構成する材料には、電池分野で常用される材料を使用でき、たとえば、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリイソブチレンポリアミド、エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸エステルとの共重合物などの絶縁性合成樹脂が挙げられる。このシール材は厚さが10〜300μm程度に設定される。
バイポーラ型電池1は、上記したように、極めて薄い金属箔からなる正極集電体20および負極集電体22を外装体に兼用することから、従来のバイポーラ型電池に比べて、一層の薄型化が可能になる。さらに、バイポーラ型電池1は、フレキシブル性にも優れている。
図5〜図7は、別形態のバイポーラ型電池2〜4の構成を簡略化して示す平面図である。図5に示すバイポーラ型電池2は、バイポーラ型電池1に類似し、対応する部分の図示および説明を省略する。バイポーラ型電池2は、図示しない正極集電体、負極集電体31および図示しないバイポーラ電極集電体の平面形状が矩形であり、それぞれが2個ずつの突出部を有すること、およびシール材14xの平面形状が矩形であることを特徴とする。正極集電体は平面形状が矩形であり、突出部30a、30bを有している。突出部30a、30bは、正極集電体の対向する2つの辺において、一方の対角線の両端部近傍に形成され、互いに逆方向に延びている。
負極集電体31は、集電体本体31xおよび突出部31a、31bを含む。集電体本体31xは矩形であり、突出部31a、31bは、集電体本体31xの対向する2辺において、一方の対角線の両端部近傍に形成され、互いに逆方向に延びている。突出部31a、31bが形成される集電体本体31xの2辺は、それぞれ正極集電体の突出部30a、30bが形成される2辺と同じ側にある。また、バイポーラ型電池2の厚さ方向から見たとき、突出部31a、31bは、後記する突出部32a、32bを介して、突出部30a、30bと対向する位置になるように配置されている。
バイポーラ電極集電体も平面形状が矩形であり、突出部32a、32bを有している。突出部32a、32bは、バイポーラ電極集電体の対向する2辺におけるほぼ中央部から、互いに逆方向に延びるように形成されている。突出部32a、32bが形成されるバイポーラ電極集電体の2辺は、それぞれ正極集電体の突出部30a、30bが形成される2辺と同じ側にある。
このように、バイポーラ型電池2では、3個の突出部30a、31a、32aが対向する一方の辺から外方に延び、3個の突出部30b、31b、32bが対向する他方の辺から外方に延びるように構成されている。また、突出部30a、31a、32aと突出部30b、31b、32bとが逆方向に延びるように構成されている。このような構成を有するバイポーラ型電池2においても、バイポーラ型電池1と同様の効果が得られる。
図6に示すバイポーラ型電池3は、バイポーラ型電池1に類似し、対応する部分の図示および説明を省略する。バイポーラ型電池3は、図示しない正極集電体、負極集電体36、図示しないバイポーラ電極集電体およびシール材14yの平面形状が円形である以外は、バイポーラ型電池1と同様の構成を有している。すなわち、正極集電体は、バイポーラ型電池3の四方に延びる4個の突出部35a〜35dを有している。負極集電体36は、バイポーラ型電池3の四方に延びる4個の突出部36a〜36dを有している。バイポーラ電極集電体は、バイポーラ型電池3の四方に延びる4個の突出部37a〜37dを有している。
突出部35a、36a、37aと突出部35b、36b、37bとは、図6の紙面における上下方向において、互いに逆方向に延びるように形成されている。突出部35c、36c、37cと突出部35d、36d、37dとは、突出部35a、36a、37aが延びる方向にほぼ垂直な方向において、互いに逆方向に延びるように形成されている。これら12個の突出部は、バイポーラ型電池3の厚み方向側面における異なる位置に形成されている。また、これら12個の突出部は、バイポーラ型電池3の厚み方向において、互いに重ならないように形成されている。このような構成を有するバイポーラ型電池3においても、バイポーラ型電池1と同様の効果が得られる。
図7に示すバイポーラ型電池4は、バイポーラ型電池1に類似し、対応する部分の図示および説明を省略する。バイポーラ型電池4は、図示しない正極集電体、負極集電体41、図示しないバイポーラ電極集電体およびシール材14zが2つの楕円形を長手方向に接合した形状を有し、突出部が18個設けられている以外は、バイポーラ型電池1と同様の構成を有している。
正極集電体は、バイポーラ型電池4の四方に延びる6個の突出部40a〜40fを有している。負極集電体41は、バイポーラ型電池4の四方に延びる6個の突出部41a〜41fを有している。バイポーラ電極集電体は、バイポーラ型電池4の四方に延びる6個の突出部42a〜42fを有している。
このうち、突出部40a、41a、42aおよび突出部40b、41b、42bは、バイポーラ型電池4の短手方向(幅方向)の一端部に配置され、突出部40c、41c、42cおよび突出部40d、41d、42dは、バイポーラ型電池4の短手方向(幅方向)の他端部に配置されており、突出部40a、41a、42aおよび突出部40b、41b、42bと、突出部40c、41c、42cおよび突出部40d、41d、42dとは、互いに逆方向に延びている。また、突出部40e、41e、42eは、バイポーラ型電池4の長手方向の一端部に配置され、突出部40f、41f、42fは、バイポーラ型電池4の長手方向の他端部に配置されており、突出部40e、41e、42eと、突出部40f、41f、42fとは、互いに逆方向に延びている。このような構成を有するバイポーラ型電池4においても、バイポーラ型電池1と同様の効果が得られる。
図8A〜図11は、バイポーラ型電池1の組立手順を示す平面図である。なお、図8A〜図11では、電解質含有セパレータ13としてポリマー電解質を用いた製造方法を示している。図8A〜図8Cは、それぞれ、帯状金属箔に複数の集電体24、22、20を打ち抜く工程を示す平面図である。図8Aは複数のバイポーラ電極集電体24を含む帯状金属箔について示している。図8Bは複数の負極集電体22を含む帯状金属箔について示している。図8Cは複数の正極集電体20を含む帯状金属箔について示している。図9A〜図9Cは、それぞれ、帯状金属箔に形成された複数の集電体24、22、20に活物質層を形成する工程を示す平面図である。図9Aはバイポーラ電極12について示している。図9Bは負極11について示している。図9Cは正極10について示している。
図10A〜図10Cは、集電体24、22、20の周縁部にシール材14を配置する工程を示す平面図である。図10Aはバイポーラ電極12について示している。図10Bは負極11について示している。図10Cは正極10について示している。図11はバイポーラ型電池1の連結体31を切断する工程を示す縦断面図である。次に、図8A〜図11に示す各工程について、さらに具体的に説明する。
図8A〜図8Cに示す工程では、打ち抜きにより、それぞれ、バイポーラ電極集電体24が複数並んだ帯状金属箔、負極集電体22が複数並んだ帯状金属箔、および正極集電体20が複数並んだ帯状金属箔を作製する。たとえば、図8Aに示す帯状金属箔では、バイポーラ電極12のバイポーラ電極集電体24が、複数並んだ状態で金属箔に連結されている。ここで、突出部は、集電体24と金属箔とを連結する継ぎ目として機能している。また、前記帯状金属箔において、長手方向に平行な少なくとも一方の辺に沿って位置規制用の穴30を一定の間隔で設けておくことが好ましい。これにより、次工程以降で位置規制用のピンに挿入して、所定の位置に正確に位置決めを行うことが可能になる。また、バイポーラ電極集電体24は四隅の角部に面取りを施すことにより、次工程以降で角部が引っ掛かって位置決め精度が低下するのを抑制できる。同様にして、図8Bに示す負極集電体22が複数並んだ帯状金属箔および図8Cに示す正極集電体20が複数並んだ帯状金属箔を作製する。
図9A〜図9Cに示す工程では、図8A〜図8Cに示す工程で得られた金属箔の位置決めを行い、集電体上に活物質層を形成する。たとえば、図9Aに示す工程では、バイポーラ電極集電体24の一方の面上に、正極合剤スラリーをパターン塗布し、乾燥した後、ロールプレスで圧延することにより正極活物質層25が形成される。正極活物質層25の厚みは、たとえば、10μmである。塗布方法としては、たとえば、スクリーン印刷、スプレー印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。その後、バイポーラ電極集電体24の正極活物質層25を形成した面とは反対側の面に、位置決めした状態で負極活物質層26をパターン形成する。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法、ガスデポジション法などがあげられる。これにより、バイポーラ電極12が得られる。同様にして、図9Bに示す工程では、負極集電体22の一方の面に負極活物質層23が形成され、図9Cに示す工程では、正極集電体20の一方の面に、正極活物質層21が形成される。
図10A〜図10Cに示す工程では、それぞれ、集電体24、22、20の周縁部に窓枠状のシール材14を配置し、熱溶着させる。ここで、シール材14には、たとえば、変性ポリエチレンからなるシール材を使用できる。シール材14が集電体上に積層される場合、シール材14は位置決めされる。なお、集電体20、22、24の場合と同様に、予め数箇所の継ぎ目により複数のシール材14が連結したシートが形成される。前記シートには、集電体20、22、24を形成した金属箔の位置規制用の穴30と対応する位置に位置規制用の穴30を形成しておく。
バイポーラ電極集電体24の場合には、バイポーラ電極集電体24の両面にシール材14のシートを位置決めした状態で重ね合わせ、シール材14の周縁部を窓枠状に加熱することにより、シール材14をバイポーラ電極集電体24に溶着させる。正極集電体20および負極集電体22の場合には、上記と同様にして、集電体の活物質層が設けられた面のみに、シール材14を溶着させる。
シール材14の熱溶着ののち、正極活物質層21、25および負極活物質層23、26の表面に、ポリマー電解質を形成する。ポリマー電解質は、たとえば、活物質層表面にポリマー電解質溶液を塗布し、溶媒成分を乾燥除去することにより形成できる。このようにすれば、電極と一体となった状態でポリマー電解質膜を取り扱えるので好ましい。こうして、正極集電体20上には、正極活物質層21およびポリマー電解質が形成され、負極集電体22上には、負極活物質層23およびポリマー電解質が形成される。バイポーラ電極集電体24の一方の面には、正極活物質層25およびポリマー電解質が形成され、バイポーラ電極集電体24の他方の面には、負極活物質層26およびポリマー電解質が形成される。正極集電体20、負極集電体22、およびバイポーラ電極集電体24の周縁部には、それぞれ、シール材14が熱溶着されている。
次に、集電体20の金属箔、集電体22の金属箔、および集電体24の金属箔の位置規制用の穴30にピンを挿入して、これらの金属箔を所定の順番で重ね合わせ、集電体20、22、24の周縁部にそれぞれ設けられたシール材14を合せる。このように積層した後、得られた積層体を減圧状態で加熱することにより、シール材14同士およびポリマー電解質同士を熱融着させる。ポリマー電解質同士が融着して電解質含有セパレータ13が形成される。これにより、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とが、さらには、正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とが、高い密着性を示す。その結果、図11に示すバイポーラ型電池の連結体31が得られる。連結体31においては、複数のバイポーラ型電池1が連結されている。さらに、シール材同士を熱融着させることにより、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とからなる発電要素、および正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とからなる発電要素を、それぞれ密閉することができる。
図11に示す工程では、連結体31の1点鎖線で示す継ぎ目を切断することにより、バイポーラ型電池1が得られる。切断方法は特に制限されないが、たとえば、刃などを用いて切断すればよい。本発明では、正極集電体、負極集電体およびバイポーラ電極集電体の突出部が、電池の厚み方向において重なり合わないように構成している。突出部同士の接触部分は短絡の原因になるおそれがあるが、突出部が電池の厚み方向において重なり合わない状態で、継ぎ目を切断することにより、突出部同士ひいては集電体同士が接触することが防止される。また、切断時に発生しやすい切断張りを介して短絡が生じる可能性も回避できる。
上記のように連結体31を作製し、最終工程で切断によりバイポーラ型電池1を作製すると、フレキシブルでハンドリングが難しい部材を個別に取り扱う必要がなくなる。その結果、生産性が大きく向上する。また、正極、負極およびバイポーラ電極をそれぞれ個別に切り離さずに、複数個が一体化されたシート(金属箔)のままで積層した後に、複数のバイポーラ型電池を別個に切断分離するので、複数の薄型バイポーラ型電池を高能率で製造できる。また、電解質含有セパレータとしてたとえばポリマー電解質を用いるバイポーラ型電池では、正極活物質層と電解質含有セパレータと負極活物質層とが一体化されているため、電気的接続不良が生じる可能性が一層低減できる。
このようにして得られる本発明のバイポーラ型電池を薄型化するとともに、電解質含有セパレータとして固体電解質、特にポリマー電解質を用いると、たとえば、情報通信機器、携帯電子機器、医療機器などの分野での応用が可能になる。たとえば、電池をICチップとともにICカードに組み込み、入退場管理、自動改札などに利用することができる。
本発明では、正負極、バイポーラ電極の集電体に少なくとも2個の突出部を設け、突出部がそれぞれ異なる位置で外方に突出している。このため、本発明のパイポーラ型電池は、外部機器との電気的接続性に関する信頼性が高い。さらに、電解質含有セパレータとしてポリマー電解質を用いる場合には、ポリマー電解質の形状自由性という特徴を活かして、薄型でフレキシブルな全固体型バイポーラ型電池を提供できる。
本発明の電池は、たとえば、携帯情報端末、携帯電子機器、医療用機器などの、薄型で信頼性が要求される機器類の電源として好適に使用できる。
1、2、3、4 バイポーラ型電池
10 正極
11 負極
12 バイポーラ電極
13 電解質含有セパレータ
14 シール材
20 正極集電体
20a、20b、20c、20d 突出部
21、25 正極活物質層
22 負極集電体
22a、22b、22c、22d 突出部
23、26 負極活物質層
24 バイポーラ電極集電体
24a、24b、24c、24d 突出部
本発明は、バイポーラ型電池に関する。さらに詳しくは、本発明は主に、バイポーラ型電池に用いられる集電体の改良に関する。
バイポーラ型電池は、正極と負極との間に、電解質含有セパレータを介してバイポーラ電極を積層した構造を有する電池である。バイポーラ電極とは、集電体の一方の表面に正極活物質層を設け、他方の表面に負極活物質層を設けた電極である。バイポーラ型電池は、高電圧化(高出力密度化)、部品点数の低減、単セル同士の電気抵抗の低減、不要空間の削減による高エネルギー密度化などが比較的容易なことから、たとえば、電気自動車およびハイブリッド電気自動車の駆動モータ用電源などとして注目を集めている。また、ポリマー電解質などの固体電解質を利用すれば、バイポーラ型電池は、薄型化が可能なことから、たとえば、各種電子機器の電源としても期待されている。
バイポーラ型電池について、従来から種々の提案がなされている。たとえば、バイポーラ電極を含む単電池を積層した積層型電池において、単電池毎の電圧を測定するタブ電極を電池の一方の側面から外方に突出させることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、正極と複数のバイポーラ電極と負極とをそれらの間に電解質含有セパレータを介在させて積層し、バイポーラ電極の周辺部にシール部材を設けたバイポーラ型電池が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。この電池では、バイポーラ電極の周辺部に、薄いシール部材が、複数のバイポーラ電極の集電体間を塞ぐように設けられている。
たとえば、携帯用電子機器には、落下、衝突などにより、外部から大きな応力を付加される。このような携帯用電子機器に特許文献2の電池を装着した場合、電子機器からの電池の離脱、電池の電子機器への装着不良または接続不良、電池の損傷、電解液の漏出などが起り易くなる。
また、正極と複数のバイポーラ電極と負極とをそれらの間に電解質含有セパレータを介在させて積層したバイポーラ型電池において、クロム16〜26質量%およびモリブデン0.5〜7.0質量%を含有するステンレス鋼を集電体材料として用いることが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。特許文献3には、前記特定のステンレス鋼は、ピンホールの発生、およびそれに伴う液絡の発生の心配がないために薄型化が可能であり、薄型化により集電体の内部抵抗を低減化して電池性能を向上させ得ると記載されている。
特開2004−87238号公報 特開2007−122881号公報 特開2007−242424号公報
従来のバイポーラ型電池においては、外部機器との接続用電極端子が、正負極にそれぞれ1つずつしか設けられていない。接続用電極端子は、一般的に集電体の端部から、通常、電池の外方に延びる突出部として形成されている。この突出部を外部機器の回路に接触させるだけでは、電気的な接触不良を起こす可能性がある。このため、突出部と機器側回路とをはんだ付け、溶接などで接続する方法が採られている。
しかしながら、このバイポーラ型電池を薄型化しようした場合、集電体厚を小さくする必要が生じる。集電体厚が小さくなると、必然的に突出部の厚さも小さくなり、その強度が低下する。これにより、たとえ溶接により接続が行われていても、機器の落下、衝突などにより、接続部が変形したり、折れ曲がったり、あるいは接続部が切断したりして、電気的接続の断絶などが生じやすい。このため、従来のバイポーラ型電池には、機器との電気的接続の信頼性が低いという課題がある。
さらに、薄型バイポーラ型電池の製造工程では、集電体(金属箔)の機械的強度が低くかつ自立性に乏しいため、集電体の取り扱いが難しい。また、正負極、バイポーラ電極および電解質という比較的多数の部品を積層するので、積層の際の位置決めが難しく、そして複数の電極間でのずれが生じ易い。さらに、このような生産性の低さは、薄型のバイポーラ型電池のコストアップを招いている。
本発明の目的は、各種機器に装着する際に、該機器との電気的接続に関する信頼性が高く、かつ生産性の良好なバイポーラ型電池を提供することである。
本発明のバイポーラ型電池は、
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配設されるバイポーラ電極と、電解質含有セパレータとを備え、
前記正極は、正極集電体と前記正極集電体の一面に形成された正極活物質層とを含み、
前記負極は、負極集電体と前記負極集電体の一面に形成された負極活物質層とを含み、
前記バイポーラ電極は、バイポーラ電極集電体と前記バイポーラ電極集電体の一面に形成された正極活物質層と前記バイポーラ極集電体の他の面に形成された負極活物質層とを含み、
前記正極、前記負極、前記バイポーラ電極に含まれる各正極活物質層と各負極活物質層は、一の正極活物質と一の負極活物質とが前記電解質含有セパレータを介して互いに対向するように積層されて形成される電池要素を少なくとも2つ有し、
前記電池要素はその周縁に配置されたシール材により密封されており、
前記正極集電体、前記負極集電体、前記バイポーラ電極集電体のそれぞれには、各集電体の周縁部から突出するように、少なくとも2個の突出部が設けられている。前記パイポーラ型電池は、少なくとも2個のバイポーラ電極を備えていてもよい。
前記正極集電体、前記負極集電体、前記バイポーラ電極集電体から突出する突出部は、正極側から上面視したときに互いに重ならないように配置されていることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、前記電解質含有セパレータは、固体電解質であることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施形態において、前記電解質含有セパレータは、液体電解質を含浸させた多孔質基材であることが好ましい。
前記正極、前記負極、および前記パイポーラ電極の積層方向に垂直であり、かつ互い異なる4つの方向の各方向に、少なくとも1個の突出部が突出しており、前記4つの方向のうち、時計周りの方向に隣接する2つの方向は、互いに直交していることが好ましい。
前記突出部の少なくとも一部がシール材で被覆されていることが好ましい。
前記突出部は、面取りが施されている少なくとも1つの角部をその先端部に有することが好ましい。
本発明のバイポーラ型電池では、正極集電体、負極集電体およびバイポーラ電極の集電体(バイポーラ電極集電体)のそれぞれに少なくとも2個の突出部が設けられている。そして、突出部が電池の厚み方向側面の異なる位置から外方に延びている。このような構成により、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続不良が生じる可能性を大幅に低減でき、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続に関する信頼性を高め得る。また、電解質として固体電解質、特にポリマー電解質を用いれば、本発明の種々の利点を維持しつつ、薄型のバイポーラ型電池が得られる。
また、前記構成を採ることにより、正極、負極およびバイポーラ電極を、それぞれ1個ずつ切り離すことなく、各電極が複数個形成された正極シート、バイポーラ電極シートおよび負極シートを積層して、複数のバイポーラ型電池を形成した後に、各バイポーラ型電池を切断分離できる。したがって、複数のバイポーラ型電池を効率良く製造でき、生産性が顕著に向上する。なお、前記のような製造方法は、薄型のバイポーラ型電池を製造するのに特に好適に利用できる。また、本発明のバイポーラ型電池を薄型化しても、上記した構造的特徴により、電池の機械的強度の低下、電池と外部機器との電気的接続不良などが起こり難く、好適に使用できる。
本発明の実施形態の1つであるバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 図1に示すバイポーラ型電池の切断面線A−Aの方向から見た断面図である。 図1に示すバイポーラ型電池の切断面線B−Bの方向から見た断面図である。 図1に示すバイポーラ型電池の切断面線C−Cの方向から見た断面図である。 図1に示すバイポーラ型電池を矢符Xの方向から見た側面図である。 図1に示すバイポーラ型電池に用いられる正極集電体の構成を示す平面図である。 図1に示すバイポーラ型電池に用いられる負極集電体の構成を示す平面図である。 図1に示すバイポーラ型電池に用いられるバイポーラ電極集電体の構成を示す平面図である。 別形態のバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 別形態のバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 別形態のバイポーラ型電池の構成を簡略化して示す平面図である。 帯状金属箔に複数の集電体を打ち抜く工程における、複数のバイポーラ電極集電体を含む帯状金属箔を示す平面図である。 帯状金属箔に複数の集電体を打ち抜く工程における、複数の負極集電体を含む帯状金属箔を示す平面図である。 帯状金属箔に複数の集電体を打ち抜く工程における、複数の正極集電体を含む帯状金属箔を示す平面図である。 帯状金属箔に形成された複数のバイポーラ電極集電体に活物質層を形成する工程における、バイポーラ電極を示す平面図である。 帯状金属箔に形成された複数の負極集電体に活物質層を形成する工程における、負極を示す平面図である。 帯状金属箔に形成された複数の正極集電体に活物質層を形成する工程における、正極を示す平面図である。 バイポーラ電極集電体の周縁部にシール材を配置する工程における、バイポーラ電極を示す平面図である。 負極集電体の周縁部にシール材を配置する工程における、負極を示す平面図である。 正極集電体の周縁部にシール材を配置する工程における、正極を示す平面図である。 バイポーラ型電池の連結体を切断する工程を示す縦断面図である。
本発明は、各種機器に装着する際に、該機器との電気的接続に関する信頼性が高く、かつ生産性の良好なバイポーラ型電池を提供することを目的とする。本発明のバイポーラ型電池では、正極集電体、負極集電体およびバイポーラ電極集電体のそれぞれに少なくとも2個の突出部が設けられている。さらに、突出部が電池の厚み方向側面の異なる位置から外方に延びている。このような構成により、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続不良が生じる可能性を大幅に低減でき、バイポーラ型電池と外部機器との電気的接続に関する信頼性を高め得る。また、電解質として固体電解質、特にポリマー電解質を用いれば、本発明の種々の利点を維持しつつ、薄型のバイポーラ型電池が得られる。
以下、本発明を、図面を参照しながら、説明する。
図1は、本発明の実施形態の1つであるバイポーラ型電池1の構成を示す平面模式図である。図2Aは、図1に示すバイポーラ型電池1の、切断面線A−Aでの構成を示す模式断面図である。図2Bは、図1に示すバイポーラ型電池1の、切断面線B−Bでの構成を示す模式断面図である。図2Cは、図1に示すバイポーラ型電池1の、切断面線C−Cでの構成を示す模式断面図である。
図3は、バイポーラ型電池1を図1に示す矢符Xの方向から見た側面図である。なお、図3では、突出部20a、20b、20d、22a、22b、22d、24a、24b、24d以外の図示を省略する。図4Aは、図1に示すバイポーラ型電池1に用いられる正極集電体20の構成を示す平面図である。図4Bは、図1に示すバイポーラ型電池1に用いられる負極集電体22の構成を示す平面図である。図4Cは、図1に示すバイポーラ型電池1に用いられるバイポーラ電極集電体24(バイポーラ電極12の集電体)の構成を示す平面図である。
バイポーラ型電池1は、正極10、負極11、バイポーラ電極12、電解質含有セパレータ13およびシール材14を含み、平面形状がほぼ矩形の薄型固体電池である。
バイポーラ型電池1では、電解質含有セパレータ13を介して、正極10とバイポーラ電極12と負極11とがこの順番で積層されている。すなわち、正極活物質層21と負極活物質層26とが、および正極活物質層25と負極活物質層23とが電解質含有セパレータ13を介して対向するように積層されている。このようにして、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とからなる第1の発電要素と、正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とからなる第2の発電要素が形成される。なお、本実施形態では、正極10と負極11との間に、1個のバイポーラ電極12を積層しているが、それに限定されず、バイポーラ型電池1の供給電圧の設計値に応じて2個以上のバイポーラ電極12を積層してもよい。その場合、バイポーラ電極12とそれに隣り合うバイポーラ電極12との間にも、電解質含有セパレータ13が配置される。具体的には、2個以上のバイポーラ電極は、所定のバイポーラ電極の正極活物質層と、別のバイポーラ電極の負極活物質層とが、電解質含有セパレータ13を介して対向するように積層される。
また、バイポーラ型電池1において、正極集電体20の周縁部とバイポーラ電極集電体24の周縁部との間、および負極集電体22の周縁部とバイポーラ電極集電体24の周縁部との間には、枠状のシール材14が配置されている。これにより、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とからなる発電要素、および正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とからなる発電要素を封止した密閉構造が得られる。つまり、第1の発電要素および第2の発電要素がそれぞれシール材により密閉されている。さらに、正極集電体20および負極集電体22が集電機能だけでなく、外装体としての機能をも有しているので、ラミネートシートなどの外装体を用いる必要がなく、一層の薄型化が可能である。それに伴って、フレキシブル性が一層良好になる。また、シール材14は、バイポーラ型電池1の機械的強度を高めるのにも有効である。
さらに、バイポーラ型電池1の最大の特徴は、各集電体の周縁部から突出する、突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dを含むことである。なお、突出部20a〜20dは、正極集電体20に設けられている。突出部22a〜22dは、負極集電体22に設けられている。突出部24a〜24dは、バイポーラ電極集電体24に設けられている。これらの突出部は、たとえば、バイポーラ型電池1が電圧を供給する外部機器(以下単に「外部機器」とする)との電気的接続に用いられる。また、これらの突出部は、単セルごとの電圧をモニターするために利用することも可能である。
突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dは、バイポーラ型電池1の厚み方向側面の異なる位置から、バイポーラ型電池1の外方に延びるように設けられている。また、突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dは、バイポーラ型電池1の厚み方向において、互いに重ならないように配置されている。つまり、突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dをバイポーラ型電池1の厚み方向から見たとき、たとえば正極側から上面視したとき、いずれの突起部も、別の突起部と重なっていない。ここで、バイポーラ型電池1の厚み方向とは、正極とバイポーラ電極と負極との積層方向のことをいう。
また、3個ずつの突出部がバイポーラ型電池1の四方に延びている。つまり、電池の厚み方向に垂直であり、かつ互い異なる4つの方向の各方向に、それぞれ3個の突出部が突出している。図1のバイポーラ型電池1の場合、4つの突出方向をバイポーラ型電池1の厚さ方向(正極とバイポーラ電極と負極との積層方向)から見たとき、時計周りの方向に隣接する2つの突出方向は互いに直交している。具体的には、図1の紙面において、突出部20a、22a、24aが上方に延び、突出部20b、22b、24bが下方に延び、突出部20c、22c、24cが向かって右側に延び、突出部20d、22d、24dが向かって左側に延びる。すなわち、突出部20a、22a、24aと突出部20b、22b、24bとが逆方向に延び、突出部20c、22c、24cと突出部20d、22d、24dとが逆方向に延びている。さらに、突出部20a、22a、24aと突出部20b、22b、24bとが延びる方向に平行な方向と、突出部20c、22c、24cと突出部20d、22d、24dとが延びる方向に平行な方向とは互いに垂直である。
本実施形態では、全体で12個の突出部20a〜20d、22a〜22d、24a〜24dを設けたが、それに限定されず、正極集電体20、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24の各々に含まれる突出部の数は2個以上、好ましくは4個以上でよく、それによって本発明の目的が達成できる。なお、バイポーラ型電池の横断面が矩形または略矩形であり、各集電体にそれぞれ突出部を4個設ける場合は、バイポーラ型電池1の四辺のそれぞれに突出部を1個ずつ設けるのが好ましい。
なお、バイポーラ型電池1と外部機器との電気的接続は、バイポーラ型電池1の厚み方向の最外層に位置する正極10および負極11の集電体20および22の突出部20a〜20d、22a〜22d、ならびに中間層に位置するバイポーラ電極12の集電体24の突出部24a〜24dのうちの2個以上の突出部、好ましくは4個以上の突出部を用いて行われる。
本実施形態のように、正極集電体20、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24の各々に2個以上の突出部を設けることにより、様々な外部機器に接続することが可能になり、バイポーラ型電池1の適用範囲が顕著に拡大する。たとえば、バイポーラ電極12の突出部24a〜24dを利用して外部機器と接続すると、正極10および負極11の突出部20a〜20dおよび22a〜22dのみで外部機器に接続する場合に比べて、バイポーラ型電池1の供給電圧を低く調整することも可能になる。
このように、複数の突出部を設けることにより、2個以上の突出部と外部機器とを電気的に接続できる。その結果、たとえば所定の1個の突出部と外部機器との間で電気的接続が不良になっても、それ以外の突出部より電気的接続が保たれる。したがって、バイポーラ型電池1は、外部機器に安定的に電圧を供給でき、駆動用電源としての信頼性が顕著に高い。
また、突出部を異なる位置、さらに好ましくはバイポーラ型電池1の厚み方向において互いに重ならない位置に配置することにより、外部機器との電気的な接続に関する信頼性が一層向上する。すなわち、突出部が同じ位置にあると、外部機器の落下、外部機器に衝撃などが加わることなどによって、全ての突出部が同時に変形、折れ曲がり、切断などを起こし、電気的接続不良が生じる可能性がある。これに対し、突出部を異なる位置に配置することにより、前記した電気的接続不良が生じる可能性を一層低減できる。また、突出部をバイポーラ型電池1の四方に配置することにより、前記した電気的接続不良が生じる可能性の低減効果が一層向上する。
また、突出部の表面の少なくとも一部をシール材で被覆すると、突出部の機械的強度の向上、突出部同士の接触による短絡の抑制などの効果が得られる。
また、突出部がその先端部分に角部を有する場合は、角部が面取りを施されていることが好ましい。角部が面取りにより円弧状の形状を有していることがさらに好ましい。この構成によれば、外部機器側の回路と接続する際に、突出部の角部が外部機器の回路の接続とは関係のない部分に引っ掛かって、該回路を損傷させるのを抑制できる。
バイポーラ型電池1の各構成要素は、具体的には次に示す通りである。
正極10は、正極集電体20および正極活物質層21を含む。
正極集電体20は、上記したように、集電機能と外装材としての機能とを併せ持つ。正極集電体20は金属製板状部材であり、図4Aに示すように、ほぼ矩形の平面形状を有する集電体本体20xと、4個の突出部20a〜20dとを含む。
突出部20a〜20dは、集電体本体20xの四隅端部から、外方に延びるように形成されている。より詳しくは、突出部20a、20bは集電体本体20xにおける一方の対角線の両端部近傍に配置され、図4Aの紙面の上下方向において、逆方向に延びている。また、突出部20c、20dは集電体本体20xにおける他方の対角線の両端部近傍に配置され、突出部20a、20bが延びる方向とはほぼ垂直な方向において、逆方向に延びている。すなわち、突出部20a〜20dは、正極集電体20の四方に延びている。
突出部20a〜20dは、それぞれ、ほぼ矩形の平面形状を有し、その先端部分には2つの角部がある。これらの角部は、面取りが施されており、円弧状の形状を有している。なお、本実施形態では、平面形状がほぼ矩形である突出部を設けているが、これに限定されず、外部機器との電気的接続が可能な限り、任意の形状の突出部を設けてもよい。形状の具体例としては、たとえば、半円状、半楕円状、三角形状などが挙げられる。なお、突出部の形状が任意であることは、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24においても同じである。
正極集電体20には、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、厚さ10〜30μm程度の、アルミニウムを主成分とする箔、ステンレス鋼箔などを使用できる。なお、アルミニウムを主成分とする箔とは、たとえば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などである。
正極活物質層21は、正極活物質、導電剤、結着剤などを含有し、正極集電体20の厚み方向の一方の表面に形成される。
正極活物質としては、固体電池の分野で常用される材料を使用できる。その具体例としては、たとえば、二酸化マンガン、(CF)、(CF)などのフッ化カーボン、TiS、MoS、FeSなどの金属二硫化物、リチウム含有複合酸化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム化合物、ニオブ酸化物およびそのリチウム化合物、有機導電性物質を含有する共役系ポリマー、シェブレル相化合物、オリビン系化合物などが挙げられる。正極活物質は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
リチウム含有複合酸化物としては、たとえば、LixaCoO、LixaNiO、LixaMnO、LixaCoNi1−y、LixaCo1−y、LixaNi1−y、LixbMn、LixbMn2−y(前記各式中、MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を示す。xa=0〜1.2、xb=0〜2.0、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3である)で表される材料を用いることができる。なお、上記の各組成式におけるxa値およびxb値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
これらの中でも、電解質(特に後記するポリマー電解質)との好適な組み合わせを考慮すると、二酸化マンガンが好ましい。二酸化マンガンは、たとえば、その反応電位がポリマー電解質の電気化学的に安定な領域(電位)とほぼ一致し、一電子反応と仮定した場合の質量あたりの理論容量が308mAh/gと高く、安価に入手可能であるといった利点を有している。
また、正極活物質の平均粒子径は、好ましくは0.1〜20μmである。これにより、後記する正極合剤スラリーの正極集電体20への塗布に際し、すじなどの塗布むらの発生を抑制し、かつ単位面積当たりの塗布量ひいては電極容量のばらつきを小さくしながら、正極10の厚さを50μm以下に調整できる。
導電剤としても固体電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、アルミニウム粉などの金属粉末類、酸化亜鉛ウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカーなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられる。導電剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
結着剤としては、ポリマー電解質およびそれ以外の結着剤を使用できる。ポリマー電解質の中でも、ドライポリマー電解質が好ましい。また、ポリマー電解質とそれ以外の結着剤とを組み合わせて使用してもよい。結着剤としてポリマー電解質を用いると、正極活物質層21の表面から深部(正極集電体20の近傍部分)に至るまで、イオンが容易に到達できるため好ましい。
ポリマー電解質以外の結着剤として、電池分野で常用される材料を使用でき、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリヘキサフルオロプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。結着剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
正極活物質層21は、たとえば、正極合剤スラリーを正極集電体20表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて圧延することにより形成できる。これにより正極10が得られる。正極合剤スラリーは、たとえば、正極活物質、結着剤、導電剤などを分散媒に分散させることにより調製できる。分散媒としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを使用できる。
負極11は、負極集電体22および負極活物質層23を含む。
負極集電体22は、上記したように、集電機能と外装材としての機能とを併せ持つ。負極集電体22は金属製板状部材であり、図4Bに示すように、ほぼ矩形の平面形状を有する集電体本体22xと、4個の突出部22a〜22dとを含む。
突出部22a〜22dは、集電体本体22xの四隅端部から、外方に延びるように形成されている。より詳しくは、突出部22a、22bは集電体本体22xにおける一方の対角線の両端部近傍に配置され、図4Bの紙面の上下方向において、逆方向に延びている。また、突出部22c、22dは集電体本体22xにおける他方の対角線の両端部近傍に配置され、突出部22a、22bが延びる方向とはほぼ垂直な方向において、逆方向に延びている。すなわち、突出部22a〜22dは、負極集電体22の四方に延びている。
また、突出部22a〜22dは、バイポーラ型電池1の厚み方向側面において、正極集電体20の突出部20a〜20dとは異なる位置に形成されている。さらに、バイポーラ型電池1の厚み方向において、突出部22a〜22dは、突出部20a〜20dと重なる部分がない。また、突出部22a〜22dは、それぞれ、ほぼ矩形の平面形状を有し、その先端部分には2つの角部がある。これらの角部は、面取りが施されており、円弧状の形状を有している。
負極集電体22には、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、厚さ10〜30μm程度の、銅を主成分とする箔、ステンレス鋼箔などを使用できる。なお、銅を主成分とする箔とは、たとえば、銅箔、銅合金箔などである。
負極活物質層23は、負極集電体22の厚み方向の一方の表面に形成され、負極活物質などを含有する。負極活物質としては、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、金属リチウム、リチウム合金などが挙げられる。リチウム合金としては、たとえば、Li−Si合金、Li−Sn合金、Li−Al合金、Li−Ga合金、Li−Mg合金、Li−In合金などが挙げられる。負極活物質層23は、たとえば、負極集電体22の表面に金属リチウムまたはリチウム合金からなる金属箔を貼着することにより形成できる。
バイポーラ電極12は、バイポーラ電極集電体24、正極活物質層25および負極活物質層26を含む。
バイポーラ電極集電体24は、厚み方向の一方の表面に正極活物質層25が形成され、かつ厚み方向の他方の表面に負極活物質層26が形成される。バイポーラ電極集電体24は金属製板状部材であり、図4Cに示すように、ほぼ矩形の平面形状を有する集電体本体24xと、4個の突出部24a〜24dとを含む。
突出部24a〜24dは、集電体本体24xの四辺のほぼ中央部から、外方に延びるように形成されている。突出部24a、24bが互いに逆方向に延び、突出部24c、24dが、突出部24a、24bの延びる方向にほぼ垂直な方向において、互いに逆方向に延びている。すなわち、突出部24a〜24dは、バイポーラ電極集電体24の四方に延びている。
また、突出部24a〜24dは、バイポーラ型電池1の厚み方向側面において、正極集電体20の突出部20a〜20dおよび負極集電体22の突出部22a〜22dとは異なる位置に形成されている。さらに、バイポーラ型電池1の厚み方向において、突出部24a〜24dは、突出部20a〜20d、22a〜22dと重なる部分がない。また、突出部24a〜24dは、それぞれ、ほぼ矩形の平面形状を有し、その先端部分には2つの角部がある。これらの角部は、面取りが施されており、円弧状の形状を有している。
バイポーラ電極集電体24には、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用でき、たとえば、厚さ10〜30μm程度の、ステンレス鋼箔、クラッド材などが挙げられる。クラッド材には、たとえば、銅を主成分とする層と、アルミニウムを主成分とする層とを接合した積層材料などが挙げられる。
正極活物質層25は、上記した正極活物質層21と同様の構成を有している。また、負極活物質層26は、上記した負極活物質層23と同様の構成を有している。
電解質含有セパレータ13は、正極活物質層21と負極活物質層26との間および正極活物質層25と負極活物質層23との間に介在するように配置される。電解質含有セパレータ13は、固体電解質であってもよいし、液体電解質を含浸させた多孔質基材であってもよい。
固体電解質の種類は特に制限されず、無機固体電解質および有機固体電解質をいずれも使用できる。無機固体電解質を用いると、液漏れのおそれがないため、薄型化および小型化が可能であり、電池としての安全性や信頼性が高いという長所を有する。また、有機固体電解質、特にポリマー電解質を用いると、やはり、薄型化および小型化が可能であり、電池としての安全性や信頼性が高いという長所を有する。それとともに、柔軟性のある薄型電池が得られるという利点もある。
無機固体電解質としては公知の材料を使用でき、たとえば、硫化物系無機固体電解質、酸化物系無機固体電解質、その他のリチウム系無機固体電解質などが挙げられる。硫化物系無機固体電解質の具体例としては、たとえば、(LiPO−(LiS)−(SiSガラス、(LiS)−(SiS、(LiS)−(P、LiS−P、thio―LISICONなどが挙げられる。
また、酸化物系無機固体電解質の具体例としては、たとえば、LiTi(PO、LiZr(PO、LiGe(POなどのNASICON型、(La0.5+xLi0.5−3x)TiOなどのペロブスカイト型などが挙げられる。その他のリチウム系無機固体電解質の具体例としては、たとえば、LiPON、LiNbO、LiTaO、LiPO、LiPO4−x(xは0<x≦1)、LiN、LiI、LISICONなどが挙げられる。さらに、これらの無機固体電解質の結晶を析出させて得られるガラスセラミックスも、固体電解質として使用できる。
なお、無機固体電解質からなる電解質含有セパレータ13は、蒸着、スパッタリング、レーザーアブレーション、ガスデポジション、エアロゾルデポジションなどの手法により形成できる。特にガスデポジションおよびエアロゾルデポジションは、高速での成膜が可能なので好ましい。
有機固体電解質としても公知の材料を使用でき、たとえば、ポリマー電解質を用いることができる。ポリマー電解質としては、ドライポリマー電解質、ゲル電解質などが挙げられる。
ポリマー電解質としては、バイポーラ型電池の分野で常用される材料を使用できるが、その中でも、少なくとも骨格中に電子供与性元素を含むポリマーおよびリチウム塩を含有するドライポリマー電解質(1)が好ましい。電子供与性元素は、ドライポリマー電解質(1)中において、リチウムイオンとアニオンとの相互作用に匹敵するような強い相互作用を発生させることができる。このような電子供与性元素の作用により、ドライポリマー電解質(1)中では、リチウム塩の一部がリチウムイオンとアニオンとに解離した状態で存在する。解離したリチウムイオンは電子供与性元素に配位し、さらにポリマー構造中またはポリマー鎖上を移動する。リチウムイオンは、主に、ポリマー鎖のセグメント運動によってポリマー中を移動できるものと考えられる。これにより、優れたイオン伝導性が発現する。
骨格中に電子供与性元素を含むポリマーは、マトリックスポリマーとして用いられる。骨格中に電子供与性元素を含むポリマーとしては、主鎖および側鎖のいずれか一方または両方に電子供与性酸素を含むポリマーが挙げられる。ここで、電子供与性酸素としては、たとえば、エーテル酸素、エステル酸素などが挙げられる。マトリックスポリマーの具体例としては、たとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、エチレンオキサイド単位またはプロピレンオキサイド単位を有するポリマー、ポリカーボネートなどが挙げられる。前記材料以外にも、ドライポリマー電解質に含まれるマトリックスポリマーとしては、たとえば、低相転移温度(Tg)のポリエーテル、無定形フッ化ビニリデンコポリマー、異種ポリマーのブレンド物などを用いてもよい。
リチウム塩としては、電池分野で常用される材料を使用でき、たとえば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiAsF、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiN(CFSO、LiN(CSOなどが挙げられる。リチウム塩は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ドライポリマー電解質は、たとえば、マトリックスポリマーの有機溶媒溶液にリチウム塩を添加して、ポリマー電解質溶液を得、前記ポリマー溶液を所定の箇所に塗布し、乾燥することにより調製できる。ここで有機溶媒としては、マトリックスポリマーを溶解でき、かつマトリックスポリマーおよびリチウム塩に対して不活性なものであれば特に制限されず、公知のものを使用できる。たとえば、アセトニトリルなどのニトリル類、メチルモノグライムなどのグライム類が挙げられる。
ゲル電解質の具体例としては、たとえば、マトリックスポリマーと、前記マトリックスポリマーに保持された非水電解液とを含むことができる。ここで、ゲル電解質用マトリックスポリマーとしては、たとえば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリエチレンオキサイド誘導体を含有するポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体を含有するポリマー、ポリホスファゼン、イオン解離基を含有するポリマー、リン酸エステルポリマー、ポリビニルピリジン誘導体、ビスフェノールA誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライド、フッ素ゴムなどが挙げられる。非水電解液については後記する。
電解質含有セパレータ13が有機固体電解質により構成されている場合、電解質含有セパレータ13は、上記で説明した成分の他に、その目的を損なわない限りにおいて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、たとえば、無機充填材、リチウム塩とグライム類との固体状の結晶性錯体(以下単に「結晶性錯体」する)などが挙げられる。無機充填材は、たとえば、有機固体電解質の機械的強度、膜質均一性、イオン伝導性などを向上させる。無機充填材としては、特に制限されないが、アルミナ、シリカなどの、ミクロンオーダーまたはナノオーダーの微粒子などが挙げられる。結晶性錯体は、たとえば、リチウムイオンとポリマー鎖との相互作用を弱め、有機固体電解質のイオン伝導性をさらに向上させる。
また、電解質含有セパレータ13が固体電解質を含む場合、電解質含有セパレータ13は、支持体により支持されていてもよい。前記支持体として、多孔質シートを用いることができる。多孔質シートとしては、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、セルロースなどの合成樹脂からなる不織布、ポリプロピレン、ポリエチレンの微孔性フィルムなどが挙げられる。たとえば、多孔質シートをポリマー電解質溶液に含浸させた後に溶媒を除去することで、支持体と一体になった電解質含有セパレータ13を作製できる。
上記のように、電解質含有セパレータ13としては、液体電解質を含浸した多孔質基材を用いてもよい。多孔質基材には、所定のイオン透過度、機械的強度、絶縁性などを併せ持つシート状物またはフィルム状物が用いられる。多孔質基材の具体例としては、たとえば、微多孔膜、織布、不織布などの、多孔性のシート状物またはフィルム状物が挙げられる。微多孔膜は単層膜および多層膜(複合膜)のいずれでもよい。単層膜は1種の材料からなる。多層膜(複合膜)は1種の材料からなる単層膜の積層体または異なる材料からなる単層膜の積層体である。
多孔質基材の材料には各種樹脂材料を使用できる。なかでも、耐久性、シャットダウン機能、電池の安全性などを考慮すると、多孔質基材の材料には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。なお、シャットダウン機能とは、電池の異常発熱時に貫通孔が閉塞し、それによりイオンの透過を抑制し、電池反応を遮断する機能である。必要に応じて、微多孔膜、織布、不織布などを2層以上積層して多孔質基材を構成してもよい。多孔質基材の厚さは一般的には10〜300μmであるが、好ましくは10〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。また、多孔質基材の空孔率は好ましくは30〜70%、より好ましくは35〜60%である。ここで空孔率とは、多孔質基材の体積に占める、多孔質基材中に存在する細孔の総容積の比である。
液体電解質としては、非水電解液を用いることができる。非水電解液は、溶質(支持塩)と非水溶媒とを含み、さらに必要に応じて各種添加剤を含む。溶質は通常非水溶媒中に溶解する。
溶質としては、この分野で常用される材料を使用でき、たとえば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、LiBCl、ホウ酸塩類、イミド塩類などが挙げられる。
ホウ酸塩類としては、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウムなどが挙げられる。
イミド塩類としては、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CFSONLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム((CFSO)(CSO)NLi)、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((CSONLi)などが挙げられる。溶質は1種を単独で用いてもよくまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2モル/Lの範囲内とすることが望ましい。
非水溶媒としては、この分野で常用される溶媒を使用でき、たとえば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステルなどが挙げられる。環状炭酸エステルとしては、たとえば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などが挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、たとえば、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。環状カルボン酸エステルとしては、たとえば、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)などが挙げられる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよくまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤としては、たとえば、充放電効率を向上させる材料、電池を不活性化させる材料などが挙げられる。充放電効率を向上させる材料は、たとえば、負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成し、充放電効率を向上させる。このような材料の具体例としては、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、上記化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
電池を不活性化させる材料は、たとえば、電池の過充電時に分解して電極表面に被膜を形成することによって電池を不活性化する。このような材料としては、たとえば、ベンゼン誘導体が挙げられる。ベンゼン誘導体としては、フェニル基と、前記フェニル基に隣接する環状化合物基とを含むベンゼン化合物が挙げられる。環状化合物基としては、たとえば、フェニル基、環状エーテル基、環状エステル基、シクロアルキル基、フェノキシ基などが好ましい。ベンゼン誘導体の具体例としては、たとえば、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。ベンゼン誘導体は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。ただし、ベンゼン誘導体の非水電解液における含有量は、非水溶媒100体積部に対して10体積部以下であることが好ましい。
特に、液絡を無くすという観点からは、電解質含有セパレータ13として、固体電解質を用いることが好ましい。電解質含有セパレータ13として、固体電解質を用いることにより、バイポーラ型電池の安全性をさらに向上させることができる。さらに、バイポーラ型電池1が、バイポーラ電極12の積層数に相当する電圧を確実に出力できるようになる。なお、固体電解質としては、ポリマー電解質が好ましい。ポリマー電解質の中でも、液体成分を含有しないドライポリマー電解質が特に好ましい。
なお、電解質含有セパレータ13は、上記のように液体電解質を含浸させた多孔質基材であってもよい。このようなバイポーラ型電池でも、本発明の構造(突出部)を採用できる。これにより、外部機器との電気的な接続信頼性が高まり、生産性が向上する。
シール材14は、平面形状がほぼ矩形であり、四隅が円弧状に形成された板状部材である。また、シール材14の中央部には、厚み方向に貫通する、図示しない矩形の孔が形成されている。たとえば、正極10とバイポーラ電極12との間に配置されているシール材14の場合、この孔に、正極活物質層21、負極活物質層26および電解質含有セパレータ13が挿通される。また、シール材14は、図1に示すように、正極集電体20、負極集電体22およびバイポーラ電極集電体24の外周寸法より大きい外周寸法を有している。これにより、集電体20、22、24の周縁部間での短絡を、ほぼ確実に防止できる。
本実施形態では、シール材14は集電体20、22、24よりも大きい外周寸法を有するが、それに限定されず、シール材14は、集電体20、22、24と同程度の外周寸法を有してもよい。シール材14を構成する材料には、電池分野で常用される材料を使用でき、たとえば、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリイソブチレンポリアミド、エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸エステルとの共重合物などの絶縁性合成樹脂が挙げられる。このシール材は厚さが10〜300μm程度に設定される。
バイポーラ型電池1は、上記したように、極めて薄い金属箔からなる正極集電体20および負極集電体22を外装体に兼用することから、従来のバイポーラ型電池に比べて、一層の薄型化が可能になる。さらに、バイポーラ型電池1は、フレキシブル性にも優れている。
図5〜図7は、別形態のバイポーラ型電池2〜4の構成を簡略化して示す平面図である。図5に示すバイポーラ型電池2は、バイポーラ型電池1に類似し、対応する部分の図示および説明を省略する。バイポーラ型電池2は、図示しない正極集電体、負極集電体31および図示しないバイポーラ電極集電体の平面形状が矩形であり、それぞれが2個ずつの突出部を有すること、およびシール材14xの平面形状が矩形であることを特徴とする。正極集電体は平面形状が矩形であり、突出部30a、30bを有している。突出部30a、30bは、正極集電体の対向する2つの辺において、一方の対角線の両端部近傍に形成され、互いに逆方向に延びている。
負極集電体31は、集電体本体31xおよび突出部31a、31bを含む。集電体本体31xは矩形であり、突出部31a、31bは、集電体本体31xの対向する2辺において、一方の対角線の両端部近傍に形成され、互いに逆方向に延びている。突出部31a、31bが形成される集電体本体31xの2辺は、それぞれ正極集電体の突出部30a、30bが形成される2辺と同じ側にある。また、バイポーラ型電池2の厚さ方向から見たとき、突出部31a、31bは、後記する突出部32a、32bを介して、突出部30a、30bと対向する位置になるように配置されている。
バイポーラ電極集電体も平面形状が矩形であり、突出部32a、32bを有している。突出部32a、32bは、バイポーラ電極集電体の対向する2辺におけるほぼ中央部から、互いに逆方向に延びるように形成されている。突出部32a、32bが形成されるバイポーラ電極集電体の2辺は、それぞれ正極集電体の突出部30a、30bが形成される2辺と同じ側にある。
このように、バイポーラ型電池2では、3個の突出部30a、31a、32aが対向する一方の辺から外方に延び、3個の突出部30b、31b、32bが対向する他方の辺から外方に延びるように構成されている。また、突出部30a、31a、32aと突出部30b、31b、32bとが逆方向に延びるように構成されている。このような構成を有するバイポーラ型電池2においても、バイポーラ型電池1と同様の効果が得られる。
図6に示すバイポーラ型電池3は、バイポーラ型電池1に類似し、対応する部分の図示および説明を省略する。バイポーラ型電池3は、図示しない正極集電体、負極集電体36、図示しないバイポーラ電極集電体およびシール材14yの平面形状が円形である以外は、バイポーラ型電池1と同様の構成を有している。すなわち、正極集電体は、バイポーラ型電池3の四方に延びる4個の突出部35a〜35dを有している。負極集電体36は、バイポーラ型電池3の四方に延びる4個の突出部36a〜36dを有している。バイポーラ電極集電体は、バイポーラ型電池3の四方に延びる4個の突出部37a〜37dを有している。
突出部35a、36a、37aと突出部35b、36b、37bとは、図6の紙面における上下方向において、互いに逆方向に延びるように形成されている。突出部35c、36c、37cと突出部35d、36d、37dとは、突出部35a、36a、37aが延びる方向にほぼ垂直な方向において、互いに逆方向に延びるように形成されている。これら12個の突出部は、バイポーラ型電池3の厚み方向側面における異なる位置に形成されている。また、これら12個の突出部は、バイポーラ型電池3の厚み方向において、互いに重ならないように形成されている。このような構成を有するバイポーラ型電池3においても、バイポーラ型電池1と同様の効果が得られる。
図7に示すバイポーラ型電池4は、バイポーラ型電池1に類似し、対応する部分の図示および説明を省略する。バイポーラ型電池4は、図示しない正極集電体、負極集電体41、図示しないバイポーラ電極集電体およびシール材14zが2つの楕円形を長手方向に接合した形状を有し、突出部が18個設けられている以外は、バイポーラ型電池1と同様の構成を有している。
正極集電体は、バイポーラ型電池4の四方に延びる6個の突出部40a〜40fを有している。負極集電体41は、バイポーラ型電池4の四方に延びる6個の突出部41a〜41fを有している。バイポーラ電極集電体は、バイポーラ型電池4の四方に延びる6個の突出部42a〜42fを有している。
このうち、突出部40a、41a、42aおよび突出部40b、41b、42bは、バイポーラ型電池4の短手方向(幅方向)の一端部に配置され、突出部40c、41c、42cおよび突出部40d、41d、42dは、バイポーラ型電池4の短手方向(幅方向)の他端部に配置されており、突出部40a、41a、42aおよび突出部40b、41b、42bと、突出部40c、41c、42cおよび突出部40d、41d、42dとは、互いに逆方向に延びている。また、突出部40e、41e、42eは、バイポーラ型電池4の長手方向の一端部に配置され、突出部40f、41f、42fは、バイポーラ型電池4の長手方向の他端部に配置されており、突出部40e、41e、42eと、突出部40f、41f、42fとは、互いに逆方向に延びている。このような構成を有するバイポーラ型電池4においても、バイポーラ型電池1と同様の効果が得られる。
図8A〜図11は、バイポーラ型電池1の組立手順を示す平面図である。なお、図8A〜図11では、電解質含有セパレータ13としてポリマー電解質を用いた製造方法を示している。図8A〜図8Cは、それぞれ、帯状金属箔に複数の集電体24、22、20を打ち抜く工程を示す平面図である。図8Aは複数のバイポーラ電極集電体24を含む帯状金属箔について示している。図8Bは複数の負極集電体22を含む帯状金属箔について示している。図8Cは複数の正極集電体20を含む帯状金属箔について示している。図9A〜図9Cは、それぞれ、帯状金属箔に形成された複数の集電体24、22、20に活物質層を形成する工程を示す平面図である。図9Aはバイポーラ電極12について示している。図9Bは負極11について示している。図9Cは正極10について示している。
図10A〜図10Cは、集電体24、22、20の周縁部にシール材14を配置する工程を示す平面図である。図10Aはバイポーラ電極12について示している。図10Bは負極11について示している。図10Cは正極10について示している。図11はバイポーラ型電池1の連結体31を切断する工程を示す縦断面図である。次に、図8A〜図11に示す各工程について、さらに具体的に説明する。
図8A〜図8Cに示す工程では、打ち抜きにより、それぞれ、バイポーラ電極集電体24が複数並んだ帯状金属箔、負極集電体22が複数並んだ帯状金属箔、および正極集電体20が複数並んだ帯状金属箔を作製する。たとえば、図8Aに示す帯状金属箔では、バイポーラ電極12のバイポーラ電極集電体24が、複数並んだ状態で金属箔に連結されている。ここで、突出部は、集電体24と金属箔とを連結する継ぎ目として機能している。また、前記帯状金属箔において、長手方向に平行な少なくとも一方の辺に沿って位置規制用の穴30を一定の間隔で設けておくことが好ましい。これにより、次工程以降で位置規制用のピンに挿入して、所定の位置に正確に位置決めを行うことが可能になる。また、バイポーラ電極集電体24は四隅の角部に面取りを施すことにより、次工程以降で角部が引っ掛かって位置決め精度が低下するのを抑制できる。同様にして、図8Bに示す負極集電体22が複数並んだ帯状金属箔および図8Cに示す正極集電体20が複数並んだ帯状金属箔を作製する。
図9A〜図9Cに示す工程では、図8A〜図8Cに示す工程で得られた金属箔の位置決めを行い、集電体上に活物質層を形成する。たとえば、図9Aに示す工程では、バイポーラ電極集電体24の一方の面上に、正極合剤スラリーをパターン塗布し、乾燥した後、ロールプレスで圧延することにより正極活物質層25が形成される。正極活物質層25の厚みは、たとえば、10μmである。塗布方法としては、たとえば、スクリーン印刷、スプレー印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。その後、バイポーラ電極集電体24の正極活物質層25を形成した面とは反対側の面に、位置決めした状態で負極活物質層26をパターン形成する。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法、ガスデポジション法などがあげられる。これにより、バイポーラ電極12が得られる。同様にして、図9Bに示す工程では、負極集電体22の一方の面に負極活物質層23が形成され、図9Cに示す工程では、正極集電体20の一方の面に、正極活物質層21が形成される。
図10A〜図10Cに示す工程では、それぞれ、集電体24、22、20の周縁部に窓枠状のシール材14を配置し、熱溶着させる。ここで、シール材14には、たとえば、変性ポリエチレンからなるシール材を使用できる。シール材14が集電体上に積層される場合、シール材14は位置決めされる。なお、集電体20、22、24の場合と同様に、予め数箇所の継ぎ目により複数のシール材14が連結したシートが形成される。前記シートには、集電体20、22、24を形成した金属箔の位置規制用の穴30と対応する位置に位置規制用の穴30を形成しておく。
バイポーラ電極集電体24の場合には、バイポーラ電極集電体24の両面にシール材14のシートを位置決めした状態で重ね合わせ、シール材14の周縁部を窓枠状に加熱することにより、シール材14をバイポーラ電極集電体24に溶着させる。正極集電体20および負極集電体22の場合には、上記と同様にして、集電体の活物質層が設けられた面のみに、シール材14を溶着させる。
シール材14の熱溶着ののち、正極活物質層21、25および負極活物質層23、26の表面に、ポリマー電解質を形成する。ポリマー電解質は、たとえば、活物質層表面にポリマー電解質溶液を塗布し、溶媒成分を乾燥除去することにより形成できる。このようにすれば、電極と一体となった状態でポリマー電解質膜を取り扱えるので好ましい。こうして、正極集電体20上には、正極活物質層21およびポリマー電解質が形成され、負極集電体22上には、負極活物質層23およびポリマー電解質が形成される。バイポーラ電極集電体24の一方の面には、正極活物質層25およびポリマー電解質が形成され、バイポーラ電極集電体24の他方の面には、負極活物質層26およびポリマー電解質が形成される。正極集電体20、負極集電体22、およびバイポーラ電極集電体24の周縁部には、それぞれ、シール材14が熱溶着されている。
次に、集電体20の金属箔、集電体22の金属箔、および集電体24の金属箔の位置規制用の穴30にピンを挿入して、これらの金属箔を所定の順番で重ね合わせ、集電体20、22、24の周縁部にそれぞれ設けられたシール材14を合せる。このように積層した後、得られた積層体を減圧状態で加熱することにより、シール材14同士およびポリマー電解質同士を熱融着させる。ポリマー電解質同士が融着して電解質含有セパレータ13が形成される。これにより、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とが、さらには、正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とが、高い密着性を示す。その結果、図11に示すバイポーラ型電池の連結体31が得られる。連結体31においては、複数のバイポーラ型電池1が連結されている。さらに、シール材同士を熱融着させることにより、正極活物質層21と電解質含有セパレータ13と負極活物質層26とからなる発電要素、および正極活物質層25と電解質含有セパレータ13と負極活物質層23とからなる発電要素を、それぞれ密閉することができる。
図11に示す工程では、連結体31の1点鎖線で示す継ぎ目を切断することにより、バイポーラ型電池1が得られる。切断方法は特に制限されないが、たとえば、刃などを用いて切断すればよい。本発明では、正極集電体、負極集電体およびバイポーラ電極集電体の突出部が、電池の厚み方向において重なり合わないように構成している。突出部同士の接触部分は短絡の原因になるおそれがあるが、突出部が電池の厚み方向において重なり合わない状態で、継ぎ目を切断することにより、突出部同士ひいては集電体同士が接触することが防止される。また、切断時に発生しやすい切断張りを介して短絡が生じる可能性も回避できる。
上記のように連結体31を作製し、最終工程で切断によりバイポーラ型電池1を作製すると、フレキシブルでハンドリングが難しい部材を個別に取り扱う必要がなくなる。その結果、生産性が大きく向上する。また、正極、負極およびバイポーラ電極をそれぞれ個別に切り離さずに、複数個が一体化されたシート(金属箔)のままで積層した後に、複数のバイポーラ型電池を別個に切断分離するので、複数の薄型バイポーラ型電池を高能率で製造できる。また、電解質含有セパレータとしてたとえばポリマー電解質を用いるバイポーラ型電池では、正極活物質層と電解質含有セパレータと負極活物質層とが一体化されているため、電気的接続不良が生じる可能性が一層低減できる。
このようにして得られる本発明のバイポーラ型電池を薄型化するとともに、電解質含有セパレータとして固体電解質、特にポリマー電解質を用いると、たとえば、情報通信機器、携帯電子機器、医療機器などの分野での応用が可能になる。たとえば、電池をICチップとともにICカードに組み込み、入退場管理、自動改札などに利用することができる。
本発明では、正負極、バイポーラ電極の集電体に少なくとも2個の突出部を設け、突出部がそれぞれ異なる位置で外方に突出している。このため、本発明のパイポーラ型電池は、外部機器との電気的接続性に関する信頼性が高い。さらに、電解質含有セパレータとしてポリマー電解質を用いる場合には、ポリマー電解質の形状自由性という特徴を活かして、薄型でフレキシブルな全固体型バイポーラ型電池を提供できる。
本発明の電池は、たとえば、携帯情報端末、携帯電子機器、医療用機器などの、薄型で信頼性が要求される機器類の電源として好適に使用できる。
1、2、3、4 バイポーラ型電池
10 正極
11 負極
12 バイポーラ電極
13 電解質含有セパレータ
14 シール材
20 正極集電体
20a、20b、20c、20d 突出部
21、25 正極活物質層
22 負極集電体
22a、22b、22c、22d 突出部
23、26 負極活物質層
24 バイポーラ電極集電体
24a、24b、24c、24d 突出部

Claims (8)

  1. バイポーラ型電池であって、
    前記バイポーラ型電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配設されるバイポーラ電極と、電解質含有セパレータとを備え、
    前記正極は、正極集電体と前記正極集電体の一面に形成された正極活物質層とを含み、
    前記負極は、負極集電体と前記負極集電体の一面に形成された負極活物質層とを含み、
    前記バイポーラ電極は、バイポーラ電極集電体と前記バイポーラ電極集電体の一面に形成された正極活物質層と前記バイポーラ正極集電体の他の面に形成された負極活物質層とを含み、
    前記正極、前記負極、前記バイポーラ電極に含まれる各正極活物質層と各負極活物質層は、一の正極活物質と一の負極活物質とが前記電解質含有セパレータを介して互いに対向するように積層されて形成される電池要素を少なくとも2つ有し、
    前記電池要素はその周縁に配置されたシール材により密封されており、
    前記正極集電体、前記負極集電体、前記バイポーラ電極集電体のそれぞれには、各集電体の周縁部から突出するように、少なくとも2個の突出部が設けられているバイポーラ型電池。
  2. 前記正極集電体、前記負極集電体、前記バイポーラ電極集電体から突出する突出部は、正極側から上面視したときに互いに重ならないように配置されている請求項1に記載のバイポーラ型電池。
  3. 前記電解質含有セパレータが固体電解質である請求項1に記載のバイポーラ型電池。
  4. 前記電解質含有セパレータが液体電解質を含浸させた多孔質基材である請求項1に記載のバイポーラ型電池。
  5. 少なくとも2個の前記バイポーラ電極を備える請求項1に記載のバイポーラ型電池。
  6. 前記正極、前記負極、および前記パイポーラ電極の積層方向に垂直であり、かつ互い異なる4つの方向の各方向に、少なくとも1個の突出部が突出しており、前記4つの方向のうち、時計周りの方向に隣接する2つの方向が、互いに直交している、請求項1に記載のバイポーラ型電池。
  7. 前記突出部の少なくとも一部がシール材で被覆されている請求項1に記載のバイポーラ型電池。
  8. 前記突出部が、面取りが施されている少なくとも1つの角部をその先端部に有する請求項1に記載のバイポーラ型電池。
JP2010521615A 2008-07-25 2009-07-24 バイポーラ型電池 Withdrawn JPWO2010010717A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008191806 2008-07-25
JP2008191806 2008-07-25
PCT/JP2009/003502 WO2010010717A1 (ja) 2008-07-25 2009-07-24 バイポーラ型電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2010010717A1 true JPWO2010010717A1 (ja) 2012-01-05

Family

ID=41570185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010521615A Withdrawn JPWO2010010717A1 (ja) 2008-07-25 2009-07-24 バイポーラ型電池

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20110014520A1 (ja)
EP (1) EP2251922A1 (ja)
JP (1) JPWO2010010717A1 (ja)
CN (1) CN102057522A (ja)
WO (1) WO2010010717A1 (ja)

Families Citing this family (44)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5532136B2 (ja) * 2010-07-30 2014-06-25 日産自動車株式会社 積層型電池
MY154313A (en) * 2010-09-01 2015-05-29 Nissan Motor Bipolar battery
JP5664032B2 (ja) * 2010-09-02 2015-02-04 日産自動車株式会社 双極型二次電池
ES2564364T3 (es) 2011-05-11 2016-03-22 Gridtential Energy, Inc. Una batería mejorada y método de montaje
US10090515B2 (en) 2011-05-11 2018-10-02 Gridtential Energy, Inc. Bipolar hybrid energy storage device
JP5808641B2 (ja) * 2011-10-13 2015-11-10 Necトーキン株式会社 蓄電デバイスおよびその製造方法
CN103917569B (zh) * 2011-10-28 2018-04-10 路博润高级材料公司 用于电化学电池的聚氨酯基隔膜和/或分隔体
DE102011120470A1 (de) * 2011-12-07 2013-06-13 Daimler Ag Batterie mit einer Anzahl von elektrisch miteinander verschalteten Einzelzellen und Verfahren zur Wartung, Reparatur und/oder Optimierung einer solchen Batterie
CN102751476B (zh) * 2012-06-21 2015-07-22 武汉昊诚能源科技有限公司 适用于涂布工艺的锂锰正极浆料及其制备方法
JP6017237B2 (ja) * 2012-09-14 2016-10-26 Nok株式会社 双極型二次電池
JP2014056798A (ja) * 2012-09-14 2014-03-27 Nok Corp 双極型二次電池の製造方法
US8956712B2 (en) 2012-12-03 2015-02-17 Medtronic, Inc. Solid state power source with frames for attachment to an electronic circuit
JP6255258B2 (ja) * 2013-03-05 2017-12-27 昭和電工パッケージング株式会社 成形用包装材及び成形ケース
CN103633280B (zh) * 2013-11-21 2017-01-11 河南超威电源有限公司 四极耳极板、极群及四极耳蓄电池
DE102013226064A1 (de) * 2013-12-16 2015-06-18 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Herstellung einer Funktionsschicht für eine Lithium-Zelle
WO2015103295A1 (en) * 2013-12-30 2015-07-09 Moomaw Daniel Sealed bipolar battery assembly
JP6171980B2 (ja) 2014-03-04 2017-08-02 ソニー株式会社 電池および電子機器
DE102014208228A1 (de) * 2014-04-30 2015-11-05 Robert Bosch Gmbh Galvanisches Element und Verfahren zu dessen Herstellung
CN112133951A (zh) * 2015-04-27 2020-12-25 松下知识产权经营株式会社 电池
JP6980663B2 (ja) 2015-12-23 2021-12-15 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. 複合材料
JP6622091B2 (ja) * 2016-01-05 2019-12-18 株式会社日本マイクロニクス 電池構造体、及び積層電池
US20190044129A1 (en) * 2016-02-02 2019-02-07 Research Foundation Of The City University Of New York Rechargeable Alkaline Manganese Dioxide-Zinc Bipolar Batteries
JP6870914B2 (ja) 2016-03-15 2021-05-12 株式会社東芝 非水電解質電池、電池パック及び車両
JP6705337B2 (ja) * 2016-08-16 2020-06-03 トヨタ自動車株式会社 バイポーラ電池
JP6750389B2 (ja) * 2016-08-16 2020-09-02 トヨタ自動車株式会社 バイポーラ電池
JP2018085270A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 昭和電工パッケージング株式会社 蓄電デバイスモジュール及びその製造方法
US10417202B2 (en) * 2016-12-21 2019-09-17 Hewlett Packard Enterprise Development Lp Storage system deduplication
US10505175B2 (en) 2016-12-22 2019-12-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. Secondary battery, battery pack, electric vehicle, electric power storage system, electric power tool, and electronic apparatus
US11362338B2 (en) * 2017-02-14 2022-06-14 Volkswagen Ag Electric vehicle battery cell with solid state electrolyte
US11362371B2 (en) 2017-02-14 2022-06-14 Volkswagen Ag Method for manufacturing electric vehicle battery cells with polymer frame support
US10797284B2 (en) 2017-02-14 2020-10-06 Volkswagen Ag Electric vehicle battery cell with polymer frame for battery cell components
US11870028B2 (en) 2017-02-14 2024-01-09 Volkswagen Ag Electric vehicle battery cell with internal series connection stacking
US10686213B2 (en) * 2017-05-18 2020-06-16 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Battery
JP6977396B2 (ja) * 2017-08-25 2021-12-08 株式会社豊田自動織機 蓄電モジュールの製造方法及び蓄電モジュールの製造装置
JP6984233B2 (ja) * 2017-08-25 2021-12-17 株式会社豊田自動織機 蓄電モジュールの製造方法及び蓄電モジュールの製造装置
JP6881264B2 (ja) 2017-12-01 2021-06-02 トヨタ自動車株式会社 積層平型電線
CN108110257A (zh) * 2017-12-29 2018-06-01 暨南大学 一种双极性集流体及由其组装的双极性固态锂二次电池
KR20200105508A (ko) * 2018-01-09 2020-09-07 더 리젠츠 오브 더 유니버시티 오브 미시건 리튬 이온 전도성 고체 전해질로 클래딩된 집전체
JP6919064B2 (ja) * 2018-03-28 2021-08-11 日本碍子株式会社 リチウム二次電池及び電池内蔵カード
CN112154560A (zh) * 2018-05-30 2020-12-29 罗伯特·博世有限公司 包括具有边缘绝缘装置的双极电池单元的电池
JP2022533270A (ja) * 2019-05-24 2022-07-21 アドバンスト バッテリー コンセプツ エルエルシー 一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法
PL3907808T3 (pl) * 2019-06-14 2023-11-13 Lg Energy Solution, Ltd. Bipolarna litowa bateria akumulatorowa
KR102239783B1 (ko) * 2019-08-05 2021-04-13 (주)티디엘 멀티스택 모노폴라 전고체 전지
JP7209191B2 (ja) * 2019-10-02 2023-01-20 トヨタ自動車株式会社 積層電池

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4104865C1 (ja) * 1991-02-16 1992-04-09 Deutsche Automobilgesellschaft Mbh, 3300 Braunschweig, De
CA2199096C (en) * 1996-03-05 2001-01-23 Soichiro Kawakami Process and apparatus for recovering components of sealed type battery
US6806679B2 (en) * 2001-06-20 2004-10-19 Tai-Her Yang Low internal impedance current pool for a charging/discharging device
KR100449757B1 (ko) * 2001-11-23 2004-09-22 삼성에스디아이 주식회사 전지부와 이를 채용한 이차전지
JP2004087238A (ja) * 2002-08-26 2004-03-18 Nissan Motor Co Ltd 積層型電池
JP4111043B2 (ja) * 2003-04-18 2008-07-02 日産自動車株式会社 バイポーラ二次電池
JP4449485B2 (ja) * 2004-02-17 2010-04-14 日産自動車株式会社 バイポーラ電池、組電池およびこれらの電池を備えた車両
JP4956777B2 (ja) 2005-10-24 2012-06-20 日産自動車株式会社 バイポーラ電池、組電池及びそれらの電池を搭載した車両
JP2007242424A (ja) 2006-03-08 2007-09-20 Nissan Motor Co Ltd バイポーラ電池
JP4923679B2 (ja) * 2006-03-31 2012-04-25 トヨタ自動車株式会社 積層型電池
JP4775226B2 (ja) * 2006-10-24 2011-09-21 トヨタ自動車株式会社 蓄電装置の製造方法
JP5186881B2 (ja) * 2006-11-30 2013-04-24 日産自動車株式会社 バイポーラ電池

Also Published As

Publication number Publication date
US20110014520A1 (en) 2011-01-20
CN102057522A (zh) 2011-05-11
EP2251922A1 (en) 2010-11-17
WO2010010717A1 (ja) 2010-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010010717A1 (ja) バイポーラ型電池
EP1596459A1 (en) Electrochemical device and method for manufacturing same
US20110129722A1 (en) Flat secondary battery and method of manufacturing the same
US20140170451A1 (en) Electrode
US20110244304A1 (en) Stack type battery
WO2015015663A1 (ja) 二次電池
JP2010186697A (ja) 電極シート、二次電池および二次電池の製造方法
US7855013B2 (en) Electric double-layer capacitor and method of manufacturing electric double-layer capacitor
US20100081050A1 (en) Prismatic secondary cell
JP2008243672A (ja) 二次電池用捲回電極、リチウムイオン二次電池および二次電池パック
JP5103822B2 (ja) 非水電解質二次電池
KR100868256B1 (ko) 안전성이 향상된 스택형 발전소자의 파우치형 이차전지
JP6376442B2 (ja) 蓄電素子
JP5609829B2 (ja) 空気電池
CN115191047A (zh) 集电体、蓄电元件和蓄电模块
JP6125182B2 (ja) 非水電解質二次電池
KR101471964B1 (ko) 신규한 전극리드-전극 탭 결합부로 이루어진 전극조립체 및 이를 포함하는 전기화학 셀
JP4609353B2 (ja) 充電システム
JP2016181457A (ja) 平板状ラミネート電池およびその組電池
JP2021022421A (ja) 非水電解液二次電池
JP3795894B2 (ja) 電源、充電装置及び充電システム
US20230103490A1 (en) Electrode body, power storage element, and power storage module
US20230094762A1 (en) Electrode body, electricity storage element, and electricity storage module
WO2024062824A1 (ja) 蓄電モジュール及び蓄電装置
JP4609352B2 (ja) 電源

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20121212