JP2016181457A - 平板状ラミネート電池およびその組電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高出力が可能で、長期サイクル安定性が向上し、且つ外部短絡の発生を抑制できる平板状ラミネート電池の提供。【解決手段】金属製集電体の両面に正極活物質層1を有し、両端に正極未塗工部2を有する正極6と、金属製集電体の両面に負極活物質層3を有し、両端に負極未塗工部4を有する負極7が、セパレータ5を介して交互に積層されてなる電極積層体8がラミネートフィルム内に封入されてなり、この両端の未塗工部に他の同極の未塗工部、及び/又は、同極のタブリードが融着されてなり、電極積層体8の積層方向から見た平面視において、隣り合う正極6と負極7が、これらの間に介在するセパレータ5と重なる重畳領域を備え、正極6の両端部に電気接続された対向する2つの正極タブリード間を繋ぐ直線と、負極の両端部7に電気接続された対向する2つの負極タブリード間を繋ぐ直線とが交差している、平板状ラミネート電池。【選択図】図1
Description
本発明は平板状ラミネート電池およびその組電池に関するものである。
近年、携帯機器、ハイブリット自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途に用いられる平板状ラミネート電池の研究開発が盛んに行われている。これらの分野に用いられる平板状ラミネート電池は、安全性の高さ、高容量化、高出力化、など複数の特性を同時に満たすことが求められている。そのような要求を満たすために材料面からだけではなく、電池の形状面からも用途に応じた開発がなされている。
特許文献1は、エネルギー密度が高く小型化することができるとともに、気密性、耐湿性、耐熱性に優れ、かつハンダリフロー法等によって自動化して回路基板へ実装することが可能な積層型電池が開示されている。しかし、基板上へ実装するため、耐熱性の観点からラミネート電池を使用できず、また構造上、接続抵抗が小さく高出力となる、電極に融着されたタブリードではなく、比較的高抵抗な導電性樹脂からなるストラップ電極を用いているため、高出力な電池を得ることができない。
また、特許文献2では、複数のタブを設けた高出力設計の捲回型シリンダー電池が開示されているが、タブを集電体の片側に設けているのみであり、高出力を得るためには複数のタブを正確に重ねるよう捲回しなければならないことから、製造上高い制御技術が必要となりコストが上昇する恐れがある。
このように電池の形状から特性を改善する試みは種々行われているものの、従来報告されている方法では、近年の高出力性を有する電池の要求に応えることができない。また、比較的低コストで製造できる高出力な電池として、正・負極端子が同一側面に設けられたラビットイヤー型のラミネート電池、もしくは正・負極端子が対向する側面に設けられたバタフライ型のラミネート電池が挙げられる。しかし、ラビットイヤー型は正・負極端子が近接しているため外部短絡が発生しやすい。また、どちらの構造であっても各電極端子が片側のみであるため、高出力時に端子に近い活物質と遠い活物質にかかる負荷の違いにより寿命の低下を招く課題があった。
このような従来技術の課題について検討した結果、本発明者は、電極に融着されたタブリードを、各正極集電体及び各負極集電体の両端部に設けることで高出力を可能とし、かつ対向する両端部からバランスよく電流を取り出すことができるため電流集中が起きずに活物質の劣化を防ぐことができることを見出した。また、正・負極端子をそれぞれラミネート封入体の異なる側面から取り出したラミネート電池とすることで外部短絡が発生しにくくなるため高い安全性を有している。さらにこのような電池を用いることで、組電池を作製する際に、電池を90度回転させるだけで直列並列を切り替えることができ設計変更が容易となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、正極、及び負極が、セパレータを介して交互に積層されてなる電極積層体が、ラミネートフィルム内に封入されてなる封入体を備える平板状ラミネート電池であって、前記正極、及び前記負極が、金属製集電体の両面に活物質を含む活物質層を有し、前記活物質層の無い未塗工部を前記金属製集電体の両端部に有し、両端の前記未塗工部に、他の同極の未塗工部、及び/又は、同極のタブリードが融着されてなり、前記電極積層体が、積層方向から見た平面視において、隣り合う前記正極と前記負極が、これらの間に介在する前記セパレータと重なる重畳領域を備え、前記正極の両端部に電気接続された、対向する2つの前記正極タブリード間を繋ぐ直線と、前記負極の両端部に電気接続された、対向する2つの前記負極タブリード間を繋ぐ直線とが、交差していることを特徴とする平板状ラミネート電池に関する。
また、前記正極及び/又は前記負極の、前記活物質層の表面が、前記セパレータとなる乾燥セパレータ層で覆われており、前記乾燥セパレータ層が、前記活物質層上に塗布されたセパレータスラリー層が乾燥されてなることが好ましい。
また、前記正極タブリードおよび前記負極タブリードが、非水電解質とともに前記封入体中に封入されており、かつ、その一部が、正極端子、及び負極端子として、前記封入体より延出していることが好ましい。
また、前記電極積層体が、その最外層として前記セパレータを備えることが好ましい。
また、上記平板状ラミネート電池を複数個接続してなる組電池に関する。
本発明によれば、高出力が可能で、かつ活物質の劣化が少ないために長期サイクル安定性が向上するとともに、外部短絡の発生を抑制できる電池が提供できる。また、直列並列を容易に切り替えることができ、設計変更の自由度が高い組電池も提供できる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の平板状ラミネート電池は、負極、正極、セパレータ、非水電解質、および外装材からなるリチウムイオン電池とすることができる。この正極及び負極には各々、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な活物質を含む活物質層が形成されており、この挿入及び脱離により、本発明の平板状ラミネート電池の充電及び放電が為される。
<1.負極>
本発明の平板状ラミネート電池に用いる負極は、金属製集電体の両面に、少なくとも負極活物質が含まれる負極活物質層が形成されている。負極活物質としては、リチウムイオンの挿入/脱離が可能であれば特に限定されず、炭素系活物質、金属酸化物、リチウム金属酸化物などが用いられ得る。これらの中から、正極活物質との組み合わせを考慮して適宜選択すればよい。また、複数の負極活物質を組み合わせて用いてもよい。
本発明の平板状ラミネート電池に用いる負極は、金属製集電体の両面に、少なくとも負極活物質が含まれる負極活物質層が形成されている。負極活物質としては、リチウムイオンの挿入/脱離が可能であれば特に限定されず、炭素系活物質、金属酸化物、リチウム金属酸化物などが用いられ得る。これらの中から、正極活物質との組み合わせを考慮して適宜選択すればよい。また、複数の負極活物質を組み合わせて用いてもよい。
本発明の負極には導電助剤を含有してもよく、導電助材としては、特に限定されないが、金属材料、炭素材料が好ましい。金属材料の場合は、銅、およびニッケルなど、炭素材料の場合は天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックなどが挙げられる。これら導電助材は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。本発明において、負極に含まれる導電助材の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、負極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。
本発明の負極には、活物質を集電体に結着させるためバインダーを使用してよい。バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミドおよびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは負極の作製しやすさから、非水溶媒または水に溶解、または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。本発明において、負極に含まれるバインダーの量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、負極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。
本発明の負極は、負極活物質、導電助材、およびバインダーの混合物を集電体上に形成することによって作製されるが、作製方法の容易さから、上記混合物および溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって作製する方法が好ましい。
本発明の負極に用いることのできる集電体は、銅、SUS、ニッケル、チタン、アルミニウムおよびそれらの合金が好ましい。集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、集電体は、金属材料(銅、SUS、ニッケル、チタン、およびそれらの合金)の表面に負極の電位で反応しない金属を被覆したものも用いることもできる。
本発明において、負極の厚みは、特に限定されないが、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
本発明において、負極の密度は、1.0g/cm3以上3.0g/cm3以下であることが好ましく、負極活物質、導電助材との接触が十分にあり、かつ後述の非水電解質が負極内に浸透しやすいことから、1.3g/cm3以上、2.7g/cm3以下がさらに好ましく、負極活物質、導電助材との接触と、非水電解質の負極内へ浸透しやすさのバランスが最も取れている、1.5g/cm3以上、2.5g/cm3以下が特に好ましい。
前記負極の密度は、所望の厚みまで電極を圧縮することによって制御することが出来る。前記圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いて行うことができる。電極の圧縮は、後述の正極を形成する前でも、後でもよい。
前記負極の密度は、負極活物質層の厚みおよび重量から算出することが出来る。
<2.正極>
本発明の平板状ラミネート電池に用いる正極は、金属製集電体の両面に、少なくとも正極活物質が含まれる正極活物質層が形成されている。正極活物質としては特に限定されず、金属酸化物やリチウム遷移金属複合酸化物などが用いられ得る。これらの中から、負極活物質との組み合わせを考慮して適宜選択すればよい。また、複数の正極活物質を組み合わせて用いてもよい。
本発明の平板状ラミネート電池に用いる正極は、金属製集電体の両面に、少なくとも正極活物質が含まれる正極活物質層が形成されている。正極活物質としては特に限定されず、金属酸化物やリチウム遷移金属複合酸化物などが用いられ得る。これらの中から、負極活物質との組み合わせを考慮して適宜選択すればよい。また、複数の正極活物質を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる正極活物質の表面には、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
本発明の正極には導電助材を含有させてもよい。導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料が好ましい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックなどが挙げられる。これら炭素材料は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。本発明の正極に含まれる導電助材の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、正極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。
本発明の正極にはバインダーを含有させてよい。バインダーは、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、およびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは正極の作製しやすさから、非水溶媒または水に溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。本発明の正極に含まれるバインダーの量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、正極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。
本発明の正極は、正極活物質、導電助材、およびバインダーの混合物を集電体上に形成することによって作製されるが、作製方法の容易さから、上記混合物および溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって作製する方法が好ましい。スラリーの作製は従来公知の条件、方法を使用すればよい。また、塗工、溶媒除去についても従来公知の条件、方法を使用すればよい。
本発明の正極に用いる集電体は、アルミニウムおよびその合金であることが好ましい。前記アルミニウムは、正極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、およびそれらの合金)の表面にアルミニウムを被覆したものも用いることもできる。
本発明の正極の厚みは、特に限定されないが、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
本発明の正極の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましく、正極活物質、導電助材との接触が十分にあり、かつ後述の非水電解質が正極内に浸透しやすいことから、1.5g/cm3以上、3.5g/cm3以下がさらに好ましく、正極活物質、導電助材との接触と、非水電解質の正極内への浸透しやすさのバランスが最も取れている、2.0g/cm3以上、3.0g/cm3以下が特に好ましい。
前記正極の密度は、所望の厚みまで電極を圧縮することによって制御することが出来る。前記圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いて行うことができる。電極の圧縮は、前述の負極を形成する前でも、後でもよい。
前記正極の密度は、正極活物質層の厚みおよび重量から算出することが出来る。
<3.セパレータ>
本発明の平板状ラミネート電池に用いるセパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、絶縁性かつ後述の非水電解質を含むことが出来る構造であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。
本発明の平板状ラミネート電池に用いるセパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、絶縁性かつ後述の非水電解質を含むことが出来る構造であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。
正極と負極との間に上記セパレータを設置する方法としては、シート状のセパレータを別途用意する方法や、前記正極及び/又は前記負極の活物質層表面にセパレータスラリーを塗布・乾燥して、乾燥セパレータ層として活物質層を覆う方法でもよい。
セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等で被覆されていてもよい。
セパレータの厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
前記セパレータの空隙率は、30%以上、90%以下であることが好ましく、リチウムイオンの拡散性の確保、および短絡の防止のバランスの観点から、35%以上、85%以下がより好ましく、前記バランスが特に優れていることから、40%以上、80%以下が特に好ましい。
<4.非水電解質>
本発明の平板状ラミネート電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた非水電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
本発明の平板状ラミネート電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた非水電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
前記非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状エーテル、及びアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒が用いられる。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。
2種類以上混合する場合、高温時の安定性が高く、且つ低温時のリチウム伝導性が高いことから、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、およびメチルプロピルカーボネートに例示される鎖状カーボネートのうち1種類以上と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトンに例示される環状化合物のうち1種類以上との混合が好ましく、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートに例示される鎖状カーボネートのうち1種類以上と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートに例示される環状カーボネートのうち1種類以上との混合が特に好ましい。
前記鎖状カーボネートと、前記環状カーボネートとの混合比は、前記鎖状カーボネート:前記環状カーボネート=5体積%:95体積%〜95体積%:5体積%の範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、非水溶媒の粘度が適度な範囲に収まるため所望の電池特性、とくにレート特性が得られるとともに、後述の溶質を所望の量溶解させることが可能となる。所望の粘度、かつ所望の溶質量のバランスが良好であることから、前記混合比は、前記鎖状カーボネート:前記環状カーボネート=10体積%:90体積%〜90体積%:10体積%の範囲であることがより好ましく、前記バランスが特に良好であることから、前記鎖状カーボネート:前記環状カーボネート=20体積%:80体積%〜80体積%:20体積%の範囲であることが特に好ましい。
前記溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SO2CF3)2などが溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解液に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。
本発明の平板状ラミネート電池に用いる非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。この量であれば、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導を確保でき、所望の電池性能が発現する。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極およびセパレータに含ませてもよいし、正極と負極との間にセパレータを配置したものを積層した後に添加してもよい。
<5.外装材>
本発明に係る外装材の材料としては、熱融着により封止することが出来、外部からの水分の侵入を防ぎ、逆に内部から非水電解質が漏洩することを防ぐことが出来るラミネートフィルムを用いる。具体的な例としては、金属箔にヒートシール用の熱可塑性樹脂層を設けた複合フィルムが挙げられる。金属箔は外部からの水分の侵入を防ぎつつシート全体の強度を向上させるものであれば特に限定されないが、水分遮断性と重量ならびにコストの面からアルミ箔が好適に用いられ得る。シート全体の強度が確保できるのであれば、金属箔の代わりに蒸着やスパッタリングなどにより金属層を設けても良い。
本発明に係る外装材の材料としては、熱融着により封止することが出来、外部からの水分の侵入を防ぎ、逆に内部から非水電解質が漏洩することを防ぐことが出来るラミネートフィルムを用いる。具体的な例としては、金属箔にヒートシール用の熱可塑性樹脂層を設けた複合フィルムが挙げられる。金属箔は外部からの水分の侵入を防ぎつつシート全体の強度を向上させるものであれば特に限定されないが、水分遮断性と重量ならびにコストの面からアルミ箔が好適に用いられ得る。シート全体の強度が確保できるのであれば、金属箔の代わりに蒸着やスパッタリングなどにより金属層を設けても良い。
熱可塑性樹脂層の組成については特に限定されないが、ヒートシール可能な温度範囲ならびに非水電解質の遮断性の観点から、ポリエチレンやポリプロピレンが好適に用いられ得る。
金属箔と熱可塑性樹脂との密着性を向上させるため、両者の間に接着層を設けていても良いし、金属箔の酸化防止のため、熱可塑性樹脂層を設けるのとは反対側の面に、保護層を設けていても良い。
<6.平板状ラミネート電池>
本発明に係る平板状ラミネート電池に用いられる正極、セパレータ、負極、及びその電極積層体の一形態の略平面視、透視概念図を図1に示す。
本発明に係る平板状ラミネート電池に用いられる正極、セパレータ、負極、及びその電極積層体の一形態の略平面視、透視概念図を図1に示す。
本発明の平板状ラミネート電池は、正極6、及び負極7が、セパレータ5を介して交互に積層されてなる電極積層体8が、ラミネートフィルム内に封入されてなる封入体を備え、正極6は、金属製集電体の両面に正極活物質を含む正極活物質層1を有し、かつ正極活物質層1の無い正極未塗工部2を前記金属製集電体の両端部に有しており、この両端の前記正極未塗工部2に、他の正極の正極未塗工部2’、及び/又は、正極タブリードが融着されており、負極7は、金属製集電体の両面に負極活物質を含む負極活物質層3を有し、かつ負極活物質層3の無い負極未塗工部4を前記金属製集電体の両端部に有しており、この両端の前記負極未塗工部4に、他の負極の負極未塗工部4’、及び/又は、負極タブリードが融着されている。これにより、各正極、及び各負極の対向する両端部からバランスよく電流を取り出すことができるため、電流集中が起きずに活物質の劣化を防ぐことができる。
前記電極積層体8は、積層方向から見た平面視において、隣り合う正極6と負極7が、これらの間に介在する前記セパレータ5の領域と重なる重畳領域を備え、正極6の両端部に電気接続された、対向する2つの正極タブリード間を繋ぐ直線と、負極7の両端部に電気接続された、対向する2つの負極タブリード間を繋ぐ直線とが交差している。これにより、正極タブリードと負極タブリードが接近しないため、短絡の可能性が低下し、安全性が向上する。さらに、上記直線がお互いに直交していることが、正極タブリードと負極タブリードが最も離れることになるため、短絡の可能性がさらに低下することから、特に好ましい。
前記正極タブリードおよび前記負極タブリードは、非水電解質とともに前記封入体中に封入されており、かつ、その一部が、正極端子、及び負極端子として、前記封入体より延出している。正極端子と負極端子を封入体の異なる側面から取り出すことが可能となるため、外部短絡が発生しにくく安全性が向上する。
前記、正極活物質層1、負極活物質層3およびセパレータ5は、製造上や組電池の設計の自由度の観点から平面視、略正方形であることが好ましい。
正極活物質層1、負極活物質層3の面積は電池の設計によって適宜選択することができるが、サイクル安定性、安全性の観点から下記式(1)を満たすことが好ましい。
(但し、Aは正極活物質層1の面積、Bは負極活物質層3の面積を示す)。
また、負極活物質層3とセパレータ5との面積比は特に限定されないが、下記式(2)を満たすことが好ましい。
(但し、Bは負極活物質層3の面積、Cはセパレータ5の面積を示す)。
本発明の平板状ラミネート電池の電極積層体の積層数は、所望の電圧値、電池容量を発現するように適宜設定することができる。
前記電極積層体は、その最外層にセパレータを備えている。セパレータが最外層にあることにより、活物質層の脱落等によって内部短絡する危険性が少なくなるため、平板状ラミネート電池の安全性が向上する。
<7.組電池>
本発明の平板状ラミネート電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって作製することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、前記組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
本発明の平板状ラミネート電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって作製することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、前記組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(平板状ラミネート電池のサイクル特性評価)
実施例または比較例で作製した平板状ラミネート電池を、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、エージング工程を経た後に充放電サイクル運転を行った。
実施例または比較例で作製した平板状ラミネート電池を、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、エージング工程を経た後に充放電サイクル運転を行った。
エージング工程では、各平板状ラミネート電池を満充電(2.7V)にしたのちに、60℃で168時間放置した。その後、室温(25℃)まで徐冷した。
エージング工程後に、60℃、50mA定電流充電、100mA定電流放電を500回繰り返した。このときの充電終止電圧および放電終止電圧はそれぞれ2.7Vおよび2.0Vとした。サイクル特性の安定性は、1回目の放電容量を100としたときの、500回目の放電容量の維持率で評価した。500回目の放電容量維持率で80%以上を良好、80%未満を不良とした。
(製造例1)
正極に用いる正極活物質として、スピネル型のマンガン酸リチウム(Li1.1Al0.1Mn1.8O4)を用いた。
正極に用いる正極活物質として、スピネル型のマンガン酸リチウム(Li1.1Al0.1Mn1.8O4)を用いた。
スピネル型のマンガン酸リチウム(Li1.1Al0.1Mn1.8O4)、導電助材(アセチレンブラック)、およびバインダー(PVdF)を、それぞれ固形分濃度で100重量部、5重量部、および5重量部となるように混合し、スラリーを作製した。なお、バインダーは固形分濃度5wt%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に調整したものを使用し、後述の塗工をしやすいように、さらにNMPを加えて粘度調整した。
このスラリーをアルミニウム箔(20μm)の両端部に未塗工部を形成するように片面塗工して120℃のオーブンで乾燥させた後、裏面も同様に塗工・乾燥を行い、さらに170℃で真空乾燥することによって両面塗工正極P1(片面50cm2)を作製した。
(製造例2)
製造例1で作製した正極スラリーをアルミニウム箔(20μm)に未塗工部が片側のみ形成するように片面塗工して120℃のオーブンで乾燥させた後、裏面も同様に塗工・乾燥を行い、さらに170℃で真空乾燥することによって両面塗工正極P2(片面50cm2)を作製した。
製造例1で作製した正極スラリーをアルミニウム箔(20μm)に未塗工部が片側のみ形成するように片面塗工して120℃のオーブンで乾燥させた後、裏面も同様に塗工・乾燥を行い、さらに170℃で真空乾燥することによって両面塗工正極P2(片面50cm2)を作製した。
(製造例3)
負極活物質として、スピネル型のチタン酸リチウム(Li4/3Ti5/3O4)を用いた。この負極活物質、導電助材(アセチレンブラック)、およびバインダー(PVdF)を、それぞれ固形分濃度で100重量部、5重量部、および5重量部となるように混合し、スラリーを作製した。なお、バインダーは固形分濃度5wt%のNMP溶液に調製したものを使用し、後述の塗工をしやすいように、さらにNMPを加えて粘度調整した。
負極活物質として、スピネル型のチタン酸リチウム(Li4/3Ti5/3O4)を用いた。この負極活物質、導電助材(アセチレンブラック)、およびバインダー(PVdF)を、それぞれ固形分濃度で100重量部、5重量部、および5重量部となるように混合し、スラリーを作製した。なお、バインダーは固形分濃度5wt%のNMP溶液に調製したものを使用し、後述の塗工をしやすいように、さらにNMPを加えて粘度調整した。
このスラリーをアルミニウム箔(20μm)の両端部に未塗工部を形成するように片面塗工して120℃のオーブンで乾燥させた後、裏面も同様に塗工・乾燥を行い、さらに170℃で真空乾燥することによって両面塗工負極N1(片面55cm2)を作製した。
(製造例4)
製造例3で作製した負極スラリーをアルミニウム箔(20μm)に未塗工部が片側のみ形成するように片面塗工して120℃のオーブンで乾燥させた後、裏面も同様に塗工・乾燥を行い、さらに170℃で真空乾燥することによって両面塗工負極N2(片面55cm2)を作製した。
製造例3で作製した負極スラリーをアルミニウム箔(20μm)に未塗工部が片側のみ形成するように片面塗工して120℃のオーブンで乾燥させた後、裏面も同様に塗工・乾燥を行い、さらに170℃で真空乾燥することによって両面塗工負極N2(片面55cm2)を作製した。
(実施例1)
正極P1、負極N1を用い、セパレータは、セルロース系不職布(25μm、60cm2)を用いた。最初に、正極P1、負極N1、およびセパレータを、セパレータ/負極N1/セパレータ/正極P1/セパレータ/負極N1/セパレータの順に、積層方向から見て正極の両端未塗工部間を結ぶ直線と負極の両端未塗工部間を結ぶ直線が互いに直交するように積層し、次に、正極P1および負極N1それぞれの両端の未塗工部にアルミニウムタブを振動溶着させた後に、上下から二枚のアルミラミネートフィルムで挟み、3辺を180℃×7秒で二回ヒートシールして融着させた。非水電解質(エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=15/15/70vol%、LiPF6 1mol/L)を6mL入れた後に、減圧しながら残りの辺を180℃×7秒で二回ヒートシールし、平板状ラミネート電池を得た。正極・負極のアルミニウムタブリードはラミネート封入体のそれぞれ異なる側面から導出されている。
正極P1、負極N1を用い、セパレータは、セルロース系不職布(25μm、60cm2)を用いた。最初に、正極P1、負極N1、およびセパレータを、セパレータ/負極N1/セパレータ/正極P1/セパレータ/負極N1/セパレータの順に、積層方向から見て正極の両端未塗工部間を結ぶ直線と負極の両端未塗工部間を結ぶ直線が互いに直交するように積層し、次に、正極P1および負極N1それぞれの両端の未塗工部にアルミニウムタブを振動溶着させた後に、上下から二枚のアルミラミネートフィルムで挟み、3辺を180℃×7秒で二回ヒートシールして融着させた。非水電解質(エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=15/15/70vol%、LiPF6 1mol/L)を6mL入れた後に、減圧しながら残りの辺を180℃×7秒で二回ヒートシールし、平板状ラミネート電池を得た。正極・負極のアルミニウムタブリードはラミネート封入体のそれぞれ異なる側面から導出されている。
(実施例2)
正極P1、負極N1を用い、セパレータは、ポリオレフィン系塗布型セパレータを用いた。最初に、負極N1の両面の活物質層の表面全面に、セパレータスラリー層を塗布し、それを乾燥させることにより活物質層の両面に30μmの乾燥セパレータ層を有する負極NS1を作製した。その負極NS1と正極P1を、負極NS1/正極P1/負極NS1/の順に、積層方向から見て正極の両端未塗工部間を結ぶ直線と負極の両端未塗工部間を結ぶ直線が互いに直交するように積層し、次に、正極P1および負極NS1それぞれの両端の未塗工部にアルミニウムタブを振動溶着させた後に、上下から二枚のアルミラミネートフィルムで挟み、3辺を180℃×7秒で二回ヒートシールして融着させた。非水電解質(エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=15/15/70vol%、LiPF6 1mol/L)を6mL入れた後に、減圧しながら残りの辺を180℃×7秒で二回ヒートシールし、平板状ラミネート電池を得た。正極・負極のアルミニウムタブリードはラミネート封入体のそれぞれ異なる側面から導出されている。
正極P1、負極N1を用い、セパレータは、ポリオレフィン系塗布型セパレータを用いた。最初に、負極N1の両面の活物質層の表面全面に、セパレータスラリー層を塗布し、それを乾燥させることにより活物質層の両面に30μmの乾燥セパレータ層を有する負極NS1を作製した。その負極NS1と正極P1を、負極NS1/正極P1/負極NS1/の順に、積層方向から見て正極の両端未塗工部間を結ぶ直線と負極の両端未塗工部間を結ぶ直線が互いに直交するように積層し、次に、正極P1および負極NS1それぞれの両端の未塗工部にアルミニウムタブを振動溶着させた後に、上下から二枚のアルミラミネートフィルムで挟み、3辺を180℃×7秒で二回ヒートシールして融着させた。非水電解質(エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=15/15/70vol%、LiPF6 1mol/L)を6mL入れた後に、減圧しながら残りの辺を180℃×7秒で二回ヒートシールし、平板状ラミネート電池を得た。正極・負極のアルミニウムタブリードはラミネート封入体のそれぞれ異なる側面から導出されている。
(比較例1)
正極にP2を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
正極にP2を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
(比較例2)
負極にN2を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
負極にN2を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
(比較例3)
正極にP2、負極にN2を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
正極にP2、負極にN2を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
(比較例4)
正極にP2を用いたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
正極にP2を用いたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
(比較例5)
負極にN2を用い、負極N2の両面の活物質層の表面全面に、セパレータスラリー層を塗布し、それを乾燥させることにより活物質層の両面に30μmの乾燥セパレータ層を有する負極NS2を作製して使用したこと以外は実施例2と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
負極にN2を用い、負極N2の両面の活物質層の表面全面に、セパレータスラリー層を塗布し、それを乾燥させることにより活物質層の両面に30μmの乾燥セパレータ層を有する負極NS2を作製して使用したこと以外は実施例2と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
(比較例6)
正極にP2、負極にNS2を用いたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
正極にP2、負極にNS2を用いたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、平板状ラミネート電池を得た。
得られた平板状ラミネート電池を用いて容量維持率の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜2は正極・負極の両端未塗工部からタブリードを導出しているため高出力でサイクル試験を実施しても良好な特性を示しており、正極・負極のタブリードがラミネート封入体のそれぞれ異なる側面から導出されているため、外部短絡もなく高い安全性を有している。一方、比較例1〜6は片側の未塗工部のみからタブリードを導出しているため、高出力サイクル試験時に正極・負極に負荷がかかり特性が劣化しているものと推察される。
以上の結果から、正極、及び負極が、セパレータを介して交互に積層されてなる電極積層体が、ラミネートフィルム内に封入されてなる封入体を備える平板状ラミネート電池において、前記正極、及び前記負極が、金属製集電体の両面に活物質を含む活物質層を有し、前記活物質層の無い未塗工部を前記金属製集電体の両端部に有し、両端の前記未塗工部に、他の同極の未塗工部、及び/又は、同極のタブリードが融着されてなり、前記電極積層体が、積層方向から見た平面視において、隣り合う前記正極と前記負極が、これらの間に介在する前記セパレータの領域と重なる重畳領域を備え、前記正極の両端部に電気接続された、対向する2つの前記正極タブリード間を繋ぐ直線と、前記負極の両端部に電気接続された、対向する2つの前記負極タブリード間を繋ぐ直線とが、交差している平板状ラミネート電池が高出力充放電サイクル時に優れたサイクル特性を有することが明らかとなった。
1 正極活物質層
2 正極未塗工部
3 負極活物質層
4 負極未塗工部
5 セパレータ
6 正極
7 負極
8 電極積層体
2 正極未塗工部
3 負極活物質層
4 負極未塗工部
5 セパレータ
6 正極
7 負極
8 電極積層体
Claims (5)
- 正極、及び負極が、セパレータを介して交互に積層されてなる電極積層体が、ラミネートフィルム内に封入されてなる封入体を備える平板状ラミネート電池であって、
前記正極、及び前記負極が、金属製集電体の両面に活物質を含む活物質層を有し、前記活物質層の無い未塗工部を前記金属製集電体の両端部に有し、両端の前記未塗工部に、他の同極の未塗工部、及び/又は、同極のタブリードが融着されてなり、
前記電極積層体が、積層方向から見た平面視において、隣り合う前記正極と前記負極が、これらの間に介在する前記セパレータの領域と重なる重畳領域を備え、前記正極の両端部に電気接続された、対向する2つの前記正極タブリード間を繋ぐ直線と、前記負極の両端部に電気接続された、対向する2つの前記負極タブリード間を繋ぐ直線とが、交差していることを特徴とする平板状ラミネート電池。 - 前記正極及び/又は前記負極の、前記重畳領域の前記活物質層の表面が、前記セパレータとなる乾燥セパレータ層で覆われており、
前記乾燥セパレータ層が、前記活物質層上に塗布されたセパレータスラリー層が乾燥されてなることを特徴とする請求項1に記載の平板状ラミネート電池。 - 前記正極タブリードおよび前記負極タブリードが、非水電解質とともに前記封入体中に封入されてなり、かつ、その一部が、正極端子、及び負極端子として、前記封入体より延出している請求項1又は2に記載の平板状ラミネート電池。
- 前記電極積層体が、その最外層として前記セパレータを備える、請求項1〜3のいずれかに記載の平板状ラミネート電池。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の平板状ラミネート電池を複数個接続してなる組電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015061869A JP2016181457A (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | 平板状ラミネート電池およびその組電池 |
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ID=57132737
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018067396A (ja) * | 2016-10-17 | 2018-04-26 | 株式会社カネカ | リチウムイオン二次電池 |
JP2022528249A (ja) * | 2019-04-01 | 2022-06-09 | スペア パワー システムズ,インコーポレイテッド | 電池システムの熱事象伝播の緩和のための装置 |
-
2015
- 2015-03-25 JP JP2015061869A patent/JP2016181457A/ja active Pending
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JP2022528249A (ja) * | 2019-04-01 | 2022-06-09 | スペア パワー システムズ,インコーポレイテッド | 電池システムの熱事象伝播の緩和のための装置 |
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