JPWO2010001442A1 - 電力制御装置 - Google Patents

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Abstract

照明制御装置100は、照明灯60a〜60cを含む第1系統に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第1MERS30aと、照明灯60d〜60fを含む第2系統に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第2MERS30bと、第1MERS30aおよび第2MERS30bを制御する第1調整部70aおよび第2調整部70bと、電流位相の調整および調光を指示する力率調整指示部80とを備える。力率調整指示部80は、照明灯60a〜60cに流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませ、照明灯60d〜60fに流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅らせて、交流電圧源20の力率を調整するとともに、照明灯60a〜60fに出力される電圧を調整して照明灯60a〜60fの輝度を調整する。

Description

本発明は、照明制御装置に関するものである。
逆阻止能力を持たない、逆導通型の4つの素子を用いて順逆両方向の電流をゲート制御のみでON/OFF可能であり、かつ電流を遮断した際の電流の持つ磁気エネルギーをコンデンサに蓄積し、ONゲートが与えられた素子を通して負荷側に放出することで磁気エネルギーをロスなく回生できるスイッチが提案されている(特許文献1参照)。このスイッチは、電流順逆両方向制御が可能なロスの少ない磁気エネルギー回生スイッチであり、MERS(Magnetic Energy Recovery Switch:磁気エネルギー回生スイッチ)と呼ばれている。特許文献1では、フルブリッジ型のMERSを開示している。
MERSには、逆阻止能力を持たない素子として、たとえばパワーMOSFETやダイオードを逆並列接続したトランジスタなどの順方向制御が可能な素子が用いられている。MERSは、この半導体素子4つで構成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路の正極、負極に磁気エネルギーを吸収、放出するコンデンサを接続して構成される。そして、MERSは、これら4つの半導体素子のゲート位相を制御することで、電流をどちらの方向にも流すことが可能となっている。
また、MERSは、ブリッジ接続された4つの半導体素子のうち、対角線上に位置する2つの半導体素子がペアとなり、2つのペアのON/OFFの切換動作を電源の周波数に同期して行い、一方のペアがONの時は他方のペアがOFFとなるように動作する。また、このON/OFFの切換タイミングに合わせて、コンデンサは磁気エネルギーの充放電を繰り返す。
そして、一方のペアにOFFゲートが与えられ、他方のペアにONゲートが与えられると、順方向に導通していた電流は他方のペアの第1のダイオード−コンデンサ−他方のペアの第2のダイオードという経路で流れ、これによりコンデンサを充電する。すなわち、回路の磁気エネルギーがコンデンサに蓄積される。電流遮断時の回路の磁気エネルギーは、コンデンサの電圧が上昇して電流がゼロになるまでコンデンサに蓄積される。コンデンサ電流がゼロになるまでコンデンサの電圧が上昇すると、電流の遮断が完了する。この時点で他方のペアには既にONゲートが与えられているため、ONしている半導体素子を通してコンデンサの電荷が負荷側に放電され、コンデンサに蓄積された磁気エネルギーが負荷側に回生される。
このように、MERSは、4つの半導体素子のうち対角線上に位置する2つの半導体素子からなるペア2つのON/OFFのゲート位相を制御することで、MERSの出力電圧の大きさと電流の位相を任意に制御することが可能であり、これにより所望の力率を得ることができる。
特許第3634982号公報
ところで、電源に接続された負荷が誘導性負荷の場合、内部のリアクタンスによって電流の位相が電源電圧の位相に対して遅れるため、電源の力率は低下する。力率が低いと、送電側から供給された電力の一部は、そのまま負荷側から送電側に戻されることとなる。すなわち、一部の電力は送電側と負荷側との間を送電線を通して単に行き来するに過ぎない無効電力となってしまう。そして、通常、送電線を通して電力を供給した場合、送電線通る際に電力損失が生じる。
近年、大気汚染や地球温暖化などの環境問題が特に深刻化してきており、環境問題への取り組みとして、消費エネルギー量の低減(省エネ)が盛んに図られるようになってきている。無駄な電力消費は地球温暖化や大気汚染の一因となるため、環境問題の解決を図る一策として、電力損失の低減が求められる。
これに対し、電源の力率を改善すれば、同じ電力量を送電する際の無効電力量が低減するため、送電線に流れる電流が少なくなり、そのため送電損失が低減する。電源の力率を改善するためには、負荷に供給する電圧を調整して負荷に流れる電流の位相を進めてやればよい。しかしながら、負荷が照明灯である場合には、照明灯が必要輝度を維持できるように電力を供給する必要があり、また電源の力率の調整による供給電圧の上昇によってかえって無駄な電力消費が増大するおそれがある。そのため、負荷が照明灯の場合には、電源の力率改善を目的として、単純に電流の位相を調整することができない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の照明灯が接続された電源の力率を改善するとともに、照明灯の調光を行うことができる技術の提供にある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は照明制御装置であり、この照明制御装置は、誘導性負荷を有する照明灯または誘導性負荷に接続された照明灯を、一つまたは複数含む第1系統と電源との間に接続され、電源から第1系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第1調整スイッチと、誘導性負荷を有する照明灯または誘導性負荷に接続された照明灯を、一つまたは複数含む第2系統と電源との間に接続され、電源から第2系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第2調整スイッチと、第1調整スイッチを制御する第1調整部と、第2調整スイッチを制御する第2調整部と、第1調整部および第2調整部に対して電流位相の調整および調光を指示する力率調整指示部と、を備え、力率調整指示部は、第1系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませ、第2系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅らせて、電源の力率を調整するとともに、第1系統の照明灯および第2系統の照明灯に出力される電圧を調整して第1系統の照明灯および第2系統の照明灯の輝度を調整するように、第1調整部と第2調整部に指示することを特徴とする。
本発明によれば、複数の照明灯が接続された電源の力率を改善するとともに、照明灯の調光を行うことができる。
MERS組み込みシステムの基本構成を示す図である。 図2(a)、(b)は、制御部によるMERSのスイッチング制御を説明するための図である。 図3(a)、(b)は、制御部によるMERSのスイッチング制御を説明するための図である。 図4(a)、(b)は、制御部によるMERSのスイッチング制御を説明するための図である。 図5(a)、(b)、(c)、(d)は、MERS組み込みシステムの動作結果を説明するための図である。 MERSの他の態様を示す図である。 MERSの他の態様を示す図である。 実施形態1に係る照明制御装置の構成を示す概略図である。 第1調整部および力率調整指示部の概略構成を説明する機能ブロック図である。
符号の説明
SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7、SW8 逆導通型半導体スイッチ、 D1、D2 ダイオード、 10 MERS組み込みシステム、 20 交流電圧源、 30 磁気エネルギー回生スイッチ(MERS)、 30a 第1MERS、 30b 第2MERS、 32、33、34、35、36 コンデンサ、 40 制御部、 40a 第1制御部、 40b 第2制御部、50 誘導性負荷、 60、60a〜60f 照明灯、 70a 第1調整部、 70b 第2調整部、 72a 第1指示取得部、 72b 第2指示取得部、 80 力率調整指示部、 82 位相比較部、 84 輝度監視部、 86 指示部、 90a 第1位相検出部、 90b 第2位相検出部、 100 照明制御装置、 110a 第1照度センサ、 110b 第2照度センサ。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
本実施形態に係る照明制御装置は、誘導性負荷を有する一つあるいは複数の照明灯を含む第1系統と交流電源との間に接続され、交流電源から第1系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第1調整スイッチと、誘導性負荷を有する一つあるいは複数の照明灯を含む第2系統と交流電源との間に接続され、交流電源から第2系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第2調整スイッチと、第1調整スイッチを制御する第1調整部と、第2調整スイッチを制御する第2調整部と、第1調整部および第2調整部に対して電流位相の調整および調光を指示する力率調整指示部と、を備える。調整スイッチは、たとえば磁気エネルギー回生スイッチ(Magnetic Energy Recovery Switch:MERS)(以下、MERSと称する)である。
力率調整指示部は、第1系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませ、第2系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅らせて、交流電源の力率を調整するとともに、第1系統の照明灯および第2系統の照明灯に出力される電圧を調整して第1系統の照明灯および第2系統の照明灯の輝度を調整するように、第1調整部と第2調整部に指示する
まず、調整スイッチとしてのMERSの構成および動作を説明する。本実施形態では、MERSを交流電圧源と誘電性負荷との間に直列に接続したMERS組み込みシステムを例に説明する。なお、MERSは交流電圧源に組み込むことで交流電源装置を構成することができ、また誘導性負荷に組み込むことでMERS組み込み負荷を構成することができる。
図1は、MERS組み込みシステム10の基本構成を示す図である。
図1において、MERS組み込みシステム10は、交流電圧源20と、インダクタンスのある誘導性負荷50を備える。交流電圧源20と誘導性負荷50との間には、MERS30が挿入されている。また、MERS組み込みシステム10は、MERS30のスイッチングを制御する制御部40を備える。
MERS30は、順逆両方向の電流を制御可能であり、磁気エネルギーをロスなく負荷側に回生できる磁気エネルギー回生スイッチである。MERS30は、4つの逆導通型半導体スイッチSW1、SW2、SW3、SW4にて構成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路のスイッチ遮断時に回路に流れる電流の磁気エネルギーを吸収するエネルギー蓄積用のコンデンサ32とを備える。
ブリッジ回路は、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW4とが直列に接続され、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW3とが直列に接続され、それらが並列に接続されて形成されている。
コンデンサ32は、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW3との接続点にある直流端子DC(P)と、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW4との接続点にある直流端子DC(N)とに接続されている。また、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW4との接続点にある交流端子と、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW3との接続点にある交流端子とには交流電圧源20と誘導性負荷50とが直列接続されている。
MERS30に配設された対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW1、SW2からなる第1のペアと、同じく対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW3、SW4からなる第2のペアが、電源周波数に同期して交互にON/OFFされる。すなわち、片方のペアがONのとき他方のペアはOFFとなる。そして、たとえば第1のペアにOFFゲートが与えられ、第2のペアにONゲートが与えられると、順方向に導通していた電流が第2のペアの逆導通型半導体スイッチSW3−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW4という経路で流れ、これによりコンデンサ32が充電される。すなわち、回路の磁気エネルギーがコンデンサ32に蓄積される。
電流遮断時の回路の磁気エネルギーは、コンデンサ32の電圧が上昇して電流がゼロになるまでコンデンサに蓄積され、コンデンサ電流がゼロになるまでコンデンサ32の電圧が上昇すると、電流の遮断が完了する。この時点で第2のペアには既にONゲートが与えられているため、ONしている逆導通型半導体スイッチSW3、SW4を通してコンデンサ32の電荷が誘導性負荷50に放電され、コンデンサ32に蓄積された磁気エネルギーが誘導性負荷50に回生される。
電流のON/OFF時、誘導性負荷50にはパルス電圧が印加されるが、電圧の大きさはコンデンサ32の静電容量に応じて逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4と誘導性負荷50の耐電圧許容範囲内とすることができる。また、MERS30には、従来の直列力率改善コンデンサと異なり、直流のコンデンサを用いることができる。逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4は、たとえばパワーMOSFETからなり、それぞれゲートG1、G2、G3、G4を有する。逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のチャネルには、それぞれボディダイオードが並列接続されている。
MERS30には、ボディダイオードに加えて、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4と逆並列にダイオードを加えてもよい。なお、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4としては、たとえばIGBTやダイオードを逆並列接続したトランジスタなどの素子を用いることもできる。
制御部40は、MERS30の逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のスイッチングを制御する。具体的には、MERS30のブリッジ回路における対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW1、SW2からなるペアのON/OFF動作と、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4からなるペアのON/OFF動作とを、一方がONのとき他方がOFFとなるように、半サイクル毎にそれぞれ同時に行うようゲートG1〜G4に制御信号を送信する。
続いて、制御部40によるMERS30のスイッチング制御について詳細に説明する。図2(a)、(b)、図3(a)、(b)、図4(a)、(b)は、制御部40によるMERS30のスイッチング制御を説明するための図である。
まず、コンデンサ32に充電電圧がない状態で、制御部40が逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をONにした場合、図2(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW3、SW1を通る経路と、逆導通型半導体スイッチSW2、SW4を通る経路を流れ、並列導通状態となる。
次に、交流電圧源20の電圧が反転する前の所定のタイミング、たとえば約2ms前に、制御部40は逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をOFFにする。これにより、図2(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW3−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW4を通る経路を流れる。その結果、コンデンサ32に磁気エネルギーが吸収(充電)される。本実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をOFFにするタイミングで、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4をONにしている。
コンデンサ32の充電が完了すると、すなわちコンデンサ32の電圧が所定値以上となると、電流は遮断される。そして、交流電圧源20の電圧が反転すると、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4は既にONであり、またコンデンサ32に充電電圧があるため、図3(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW4−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW3を通る経路を流れる。そして、コンデンサ32に蓄積した磁気エネルギーが放出(放電)される。
次に、コンデンサ32からの放電が終了すると、図3(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW1、SW3を通る経路と、逆導通型半導体スイッチSW4、SW2を通る経路を流れ、並列導通状態となる。
次に、交流電圧源20の電圧が反転する前の所定のタイミングで、制御部40は逆導通型半導体スイッチSW3、SW4をOFFにする。これにより、図4(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW1−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW2を通る経路を流れる。その結果、コンデンサ32に磁気エネルギーが吸収される。本実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4をOFFにするタイミングで、逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をONにしている。
コンデンサ32の充電が完了すると電流は遮断され、そして交流電圧源20の電圧が反転すると、逆導通型半導体スイッチSW1、SW2は既にONであり、またコンデンサ32に充電電圧があるため、図4(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW2−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW1を通る経路を流れる。そして、コンデンサ32に蓄積した磁気エネルギーが放電される。コンデンサ32からの放電が終了すると、図2(a)に示す並列導通状態となり、以後これを繰り返す。このように、MERS30は対向するペア2組の逆導通型半導体スイッチを交互に導通状態にすることにより、双方向に電流を流すことができる。
このようなMERS30のスイッチング制御により、次のような効果が得られる。図5(a)、(b)、(c)、(d)は、MERS組み込みシステム10の動作結果を説明するための図である。図5(a)は、MERS30が組み込まれていない場合の電源電圧と電流の波形を示し、図5(b)は、MERS30が組み込まれた場合の電源電圧、電流、負荷電圧の波形を示している。また、図5(c)はコンデンサ電圧と逆導通型半導体スイッチSW1を流れる電流の波形を示し、図5(d)は逆導通型半導体スイッチSW1がONになるタイミングを示している。
図5(a)に示すように、MERS30が組み込まれていない場合、誘導性負荷50の影響により、電流の位相が電源電圧の位相よりも遅れている。そのため交流電圧源20の力率は1より小さい。一方、交流電圧源20と誘導性負荷50との間にMERS30を直列に挿入した場合には、図5(b)に示すように電流の位相を進ませることができるため、交流電圧源20の力率を1とすることが可能である。
すなわち、MERS30は、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4の対角線上のペア2組のゲート位相を調整することで、誘導性負荷50の磁気エネルギーをコンデンサ32に蓄えて、電流の位相を進ませ、これにより交流電圧源20の力率を1にすることが可能である。また、MERS30は、電流の位相を進ませるだけでなく、電流の位相を任意に制御することが可能であり、これにより任意に力率を調整することができる。さらに、誘導性負荷50の磁気エネルギーをコンデンサ32に貯え、蓄えた磁気エネルギーを誘導性負荷50に回生することにより、負荷電圧を無段階に増減させることが可能である。
また、図5(c)および図5(d)に示すように、逆導通型半導体スイッチSW1がONになるタイミングでは、コンデンサ電圧は0であり、逆導通型半導体スイッチSW1を流れる電流は、並列導通時に逆導通型半導体スイッチSW1のダイオードを流れる電流である。逆導通型半導体スイッチSW1がOFFになるタイミングにおいてもコンデンサ電圧は0である。すなわち、0電圧、0電流でスイッチングされており、そのためスイッチングによる損失を無くすことができる。他の3つの逆導通型半導体スイッチSW2〜SW4については、逆導通型半導体スイッチSW1と同期してスイッチングしているため、同様の結果となる。
コンデンサ32の充放電周期は、誘導性負荷50とコンデンサ32との共振周期の半周期分であり、スイッチング周期が誘導性負荷50とコンデンサ32との共振周期より長い時には、MERS30は常に0電圧0電流スイッチング、すなわちソフトスイッチングが可能である。
MERS30に用いられるコンデンサ32は、従来の電圧型インバータと異なり、回路にあるインダクタンスの磁気エネルギーを蓄積するためだけのものである。そのため、コンデンサ容量を従来の電圧型インバータの電圧源コンデンサに比べて著しく小さくできる。コンデンサ容量は、負荷との共振周期がスイッチング周波数より短くなるように選定する。
また、MERS30をゲートパルス発生装置として用いた場合、各MERS30に固有のIDナンバーを付与することができ、これを用いて外部からの制御信号を受信して各MERS30を制御することができる。たとえば、インターネットなどの通信回線を利用して無線で制御信号を送り、MERS30を無線制御できる。
上述のMERS組み込みシステム10では、MERS30は4つの逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4で形成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路の直流端子間に接続されたコンデンサ32とからなる構成であったが、MERS30は次のような構成であってもよい。
図6および図7は、MERS30の他の態様を示す図である。
図6に示すMERS30は、上述の4つの逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4と1つのコンデンサ32とからなるフルブリッジ型のMERS30に対して、2つの逆導通型半導体スイッチと2つのダイオード、および2つのコンデンサで構成される縦型のハーフブリッジ型となっている。
より詳細には、この縦型ハーフブリッジ構造のMERS30は、直列に接続された2つの逆導通型半導体スイッチSW5、SW6と、この2つの逆導通型半導体スイッチSW5、SW6と並列に設けられた、直列に接続された2つのコンデンサ33、34と、この2つのコンデンサ33、34それぞれと並列に接続された2つのダイオードD1、D2と、を含んでいる。
図7に示すMERS30は、横型のハーフブリッジ型である。横型のハーフブリッジ型MERSは、2つの逆導通型半導体スイッチと2つのコンデンサで構成されている。
より詳細には、この横型のハーフブリッジ構造MERS30は、第1の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW7およびコンデンサ35と、第1の経路と並列な第2の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW8およびコンデンサ36と、第1、第2の経路に対して並列に結線された配線と、を含んでいる。
続いて、本実施形態に係る照明制御装置について説明する。
図8は、実施形態1に係る照明制御装置の構成を示す概略図である。
図8に示すように、本実施形態の照明制御装置100は、照明灯60a〜60cと交流電圧源20との間に第1MERS30aを設け、照明灯60d〜60fと交流電圧源20との間に第2MERS30bを設けた構成である。照明灯60は、誘導性負荷を有する照明灯または誘導性負荷に接続された照明灯である。誘導性負荷を有する照明灯としては、たとえば放電灯などが挙げられる。放電灯は、たとえば蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯、またはネオン灯である。また、誘導性負荷に接続された照明灯としては、誘導性負荷を持たない白熱灯、LEDなどの光源にリアクトルを接続したものが挙げられる。本実施形態では、照明灯60に放電灯を用いた場合を例に説明する。また、照明灯60の数は特に限定されず、第1MERS30aおよび第2MERS30bのそれぞれに対して少なくとも一つの照明灯60が接続されていればよい。
また、照明制御装置100は、第1MERS30aのゲート位相角を制御して第1MERS30aの出力電圧の大きさと電流の位相を調整するための第1調整部70aを備える。また、照明制御装置100は、第2MERS30bのゲート位相角を制御して第2MERS30bの出力電圧の大きさと電流の位相を調整するための第2調整部70bを備える。さらに、照明制御装置100は、第1調整部70aおよび第2調整部70bに電流位相の調整および調光を指示する力率調整指示部80と、照明灯60a〜60cに流れる電流の位相を検出する第1位相検出部90aと、照明灯60d〜60fに流れる電流の位相を検出する第2位相検出部90bとを備える。具体的には、第1位相検出部90aおよび第2位相検出部90bは、交流電圧源20の電圧の位相に対する電流の位相を検出する。
さらに、照明制御装置100は、照明灯60a〜60cの輝度を検知するための第1輝度検知手段として、照明灯60a〜60cの照射範囲の照度を検出する第1照度センサ110aを備える。また、照明制御装置100は、照明灯60d〜60fの輝度を検知するための第2輝度検知手段として、照明灯60d〜60fの照射範囲の照度を検出する第2照度センサ110bを備える。第1照度センサ110aおよび第2照度センサ110bの数は特に限定されず、各系統に1以上あればよい。
本実施形態の照明制御装置100では、照明灯60a〜60cを含む第1系統と、照明灯60d〜60fを含む第2系統とが同一の交流電源である交流電圧源20に並列に接続されている。
図9は、第1調整部70a、第2調整部70b、および力率調整指示部80の概略構成を説明する機能ブロック図である。
図9に示すように、第1調整部70aは、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のゲートG1〜G4に制御信号を送信し、第1MERS30aの出力電圧の大きさを調整するとともに、同時に電流の位相を調整する第1制御部40aを備える。また、第1調整部70aは、力率調整指示部80の後述する指示部86から指示信号を受信し、第1制御部40aに送信する第1指示取得部72aを備える。
また、第2調整部70bは、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のゲートG1〜G4に制御信号を送信し、第2MERS30bの出力電圧の大きさを調整するとともに、同時に電流の位相を調整する第2制御部40bを備える。また、第2調整部70bは、力率調整指示部80の後述する指示部86から指示信号を受信し、第2制御部40bに送信する第2指示取得部72bを備える。
力率調整指示部80は、第1位相検出部90aから電流の位相情報を取得し、また第2位相検出部90bから電流の位相情報を取得して、各系統の照明灯60に流れる電流の位相を比較し、比較結果を指示部86に送信する位相比較部82を備える。また、力率調整指示部80は、第1照度センサ110aの検知結果と第2照度センサ110bの検知結果を取得して、各系統の照明灯60の輝度を監視し、監視結果を指示部86に送信する輝度監視部84を備える。輝度監視部84は、照明灯60の輝度と光照射領域の照度とを対応付けた輝度照度対応テーブルを保持している。また、輝度監視部84は、図示しないパラメータ保持部を備え、予め規定された照明灯の必要輝度値を保持している。ここで、前記「必要輝度値」は、照明灯60が設置された領域において必要とされる輝度の下限値と上限値とを含む所定の幅を持った値であり、照明灯60が設置された場所に応じて適宜設定され、この値は実験的に求めることができる。必要輝度値に上限を設けることで、照明灯60の輝度の過度の上昇を防ぎ、無駄な電力消費を削減できる。
さらに力率調整指示部80は、位相比較部82から受信した情報に基づいて、あるいは輝度監視部84から受信した情報に基づいて、第1調整部70aおよび第2調整部70bに電流位相の調整および調光を指示する指示部86を備える。
続いて、照明制御装置100の動作について説明する。
たとえば、まず、力率調整指示部80は、第1系統に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進み位相とするとともに、第1系統に含まれる照明灯60a〜60cの輝度が必要輝度値を満たすように、第1調整部70aに第1MERS30aの調整を指示する。次に、力率調整指示部80は、照明灯60a〜60cに流れる電流の位相情報を第1位相検出部90aから取得し、交流電圧源20の力率を1とし、もしくは1に近づけるために、第2系統に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅れ位相とするよう第2調整部70bに指示する。
続いて、力率調整指示部80は、第2系統の照明灯60d〜60fの照射範囲の照度値を第2照度センサ110bから受信し、輝度照度対応テーブルを参照して、その照度値を照明灯60d〜60fの輝度値に変換する。ここで、たとえば照明灯60d〜60fの輝度値が必要輝度値の下限未満であった場合、力率調整指示部80は、照明灯60d〜60fの輝度を上げて必要輝度値とするように第2調整部70bに指示する。第2調整部70bは、力率調整指示部80からの指示を受けて、照明灯60d〜60fの輝度が上がるように第2MERS30bの出力電圧の大きさを増大させるが、これにともない電流の位相が進み方向に変化する。そのため、交流電圧源20の力率が低くなる。
力率調整指示部80は、照明灯60d〜60fに流れる電流の位相情報を第2位相検出部90bから取得し、交流電圧源20の力率が1とし、もしくは1に近づくように、第1系統に流れる電流の位相を遅れ方向に調整する。照明灯60a〜60fの輝度値が必要輝度値の上限より大きい場合には、照明灯60d〜60fの輝度を下げ、これにより第2系統の電流の位相が遅れ方向に変化するため、第1系統の電流の位相を進み方向に調整する。照明制御装置100は、このようにして、交流電圧源20の力率を改善することができ、また好ましくは1に近づけることができ、さらに好ましくは1にすることができる。また、それとともに、照明制御装置100は、第1系統の照明灯60a〜60cおよび第2系統の照明灯60d〜60fの輝度を必要輝度値に調整することができる。
なお、第1および第2輝度検知手段としては、たとえば照明灯60に出力される電圧を検知する電圧計であってもい。この場合には、パラメータ保持部に必要輝度値に対応する必要電圧値を保持しておき、第1電圧計および第2電圧計でそれぞれ第1系統および第2系統に出力される電圧を検知し、上限電圧値と下限電圧値の範囲で照明灯60の輝度を調整してもよい。
照明制御装置100は、各照明灯60の点灯状態においては、たとえば定期的に以下の制御を行う。すなわち、力率調整指示部80が照明灯60a〜60cに流れる電流の位相情報を第1位相検出部90aから取得する。また、同様に第2位相検出部90bから照明灯60d〜60fに流れる電流の位相情報を取得する。そして、位相比較部82が、照明灯60a〜60cと照明灯60d〜60fのそれぞれに流れる電流の位相を比較して、比較結果を指示部86に送信する。
指示部86は、この比較結果に基づいて、たとえば第1系統の照明灯60a〜60cに流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませるように、第1調整部70aに指示する。一方、指示部86は、第2系統の照明灯60d〜60fに流れる電流の位相を、電源電圧の位相に対して遅らせるように、第2調整部70bに指示する。たとえば、交流電圧源20に接続された第1系統に流れる電流の位相の進み量と、同じ交流電圧源20に接続された第2系統に流れる電流の位相の遅れ量を同量にする。これにより、交流電圧源20における力率を改善することができ、好ましくは1に近づけることができ、さらに好ましくは1とすることができる。
ここで、第1系統の電流の位相と第2系統の電流の位相を調整して、交流電圧源20の力率を1近傍に近づけた際に、照明灯60の輝度が過度に増大し、無駄な電力の消費量が増大してしまうおそれがある。そのため、力率調整指示部80は第1照度センサ110aおよび第2照度センサ110bの検知結果から導出される照明灯60a〜60fの輝度が所定値を超えた場合には、交流電圧源20の力率が1近傍でなくてもよいこととし、照明灯60の輝度が所定値以下となるように調整を行うようにしてもよい。なお、この場合であっても、第1系統の電流の位相と第2系統の電流の位相とを互いに逆相とすることで、交流電圧源20の力率を改善できる。
また、通常、照明灯60は、経年劣化などにより電極が劣化し、電流が流れにくくなって輝度が低下していく。そこで、力率調整指示部80の輝度監視部84は、第1系統の照明灯60a〜60cの照射範囲の照度値を第1照度センサ110aから受信し、また第2系統の照明灯60d〜60fの照射範囲の照度値を第2照度センサ110bから受信する。そして、それぞれの照度値から、それぞれの照明灯60a〜60fの輝度値を導出し、パラメータ保持部に保持された照明灯の必要輝度値と比較する。
たとえば、比較の結果、第2系統の照明灯60d〜60fの輝度が必要輝度を下回っていたとする。この場合、輝度監視部84は指示部86に対し、第2調整部70bに輝度の増加を指示するように信号を送信する。指示部86は、輝度監視部84から指示を受けると、第2調整部70bに照明灯60d〜60fの輝度を増加させるように指示を送信する。指示部86から指示を受けた第2調整部70bは、照明灯60d〜60fの輝度を増加させるように、第2MERS30bのゲート位相角を制御して、第2MERS30bの出力電圧の大きさを増加させる。これにより、各照明灯60の輝度が増加する。
一方、第2系統の照明灯60d〜60fの輝度を増大させるために第2MERS30bの出力電圧の大きさを増加させると、それにともない第2系統に流れる電流の位相も変化する。そこで、力率調整指示部80は、位相比較部82にて第1系統および第2系統の電流の位相を比較し、第2系統の電流の位相の変化量に合わせて、第1系統の電流の位相を変化させるように第1調整部70aに指示する。これにより、照明灯60の輝度を調整するとともに、交流電圧源20における力率を調整することができる。
なお、照明制御装置100は、以下のような構成であってもよい。すなわち、第1MERS30aおよび第2MERS30bに対して個別にアクセスできるように固有のアドレスを設定する。そして、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)などのネットワークを介して有線、無線通信によって、力率調整指示部80が第1調整部70aおよび第2調整部70bに電流位相の調整および調光を指示する構成である。
以上説明した構成による作用効果を総括すると、本実施形態に係る照明制御装置100では、交流電圧源20に、照明灯60a〜60cを含む第1系統と照明灯60d〜60fを含む第2系統とが接続されている。そして、各系統にはそれぞれ第1MERS30aおよび第2MERS30bが接続され、力率調整指示部80が、第1系統に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませ、たとえば第2系統の電流の位相を第1系統の電流の位相の進み量と同量だけ遅らせるように制御する。これにより、第1系統および第2系統が接続された交流電圧源20における力率を調整することができ、その結果、交流電圧源20における力率が向上して、送電損失を低減することができる。
また、各系統の電流の位相を調整するとともに、各系統に含まれる照明灯60の輝度を監視し、各照明灯60の輝度が必要輝度を満たすように、MERS30の出力電圧の大きさを調整している。すなわち、各照明灯60の輝度が必要輝度を満たす範囲内で、各系統の電流の位相を調整することで、交流電圧源20の力率を改善しつつ、照明灯60の調光を行うことができる。
また、従来、進相コンデンサを用いて力率を改善する方法が実用化されているが、進相コンデンサはサイズが大きく高価である。一方、本実施形態の照明制御装置100では、照明灯60と交流電圧源20との間にMERS30を組み込むだけである。そして、MERS30の構成は簡単でサイズが小さく、価格は安価であるため、照明制御装置100を簡単に設けることができるとともに、その導入コストを非常に低く抑えることができる。
また、MERS30の逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4が故障した場合は、交流電圧源20と照明灯60とが導通状態となるだけであり、MERS30の故障によって照明灯60が点灯不能な状態に陥ることはない。そのため、既存の交流電圧源20と照明灯60との間にMERS30を組み込んでも、それによる安全性の低下などの問題は生じない。
本実施形態の照明制御装置100は、配電系統、受電盤、配電盤単位で適用することが可能であり、同一配電系統、受電盤、あるいは配電盤に接続されている複数の照明灯60の1つの系統に流れる電流を進み位相、他の系統に流れる電流を遅れ位相とすることで、配電系統、受電盤、あるいは配電盤単位で力率を1ないしは1近傍に近づけることができる。照明制御装置100は、たとえば高速道路、自動車専用道路、あるいは一般道などの既設の照明灯に適用することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
たとえば、上述の実施形態では、第1系統と第2系統にそれぞれ第1MERS30aと第2MERS30bとを設けたが、たとえば第1系統のみにMERS30を設ける構成であってもよい。この場合、照明灯60内の電気的なリアクタンス成分により、第2系統に流れる電流の位相には遅れが生じるため、この遅れ量に応じた量だけ第1系統に流れる電流の位相を進ませることで、交流電圧源20における力率を改善することができ、好ましくは1に近づけることができ、さらに好ましくは1とすることができる。
また、上述の実施形態では交流電圧源20に第1系統と第2系統が接続された構成としたが、系統の数は特に限定されず、さらに多数の系統が交流電圧源20に接続されていてもよい。その場合には、それら複数の系統の電流の位相を調整して、交流電圧源20の力率が向上するように制御する。
本発明は、照明機器に利用できる。
本発明は、電力制御装置に関するものである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は電力制御装置であり、この電力制御装置は、複数の誘導性負荷と電源との間に接続され、電源から誘導性負荷のそれぞれに出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する複数の調整スイッチと、複数のスイッチを制御する複数の調整部と、複数の調整部のそれぞれに対して電流位相の調整および電力の調整を指示する力率調整指示部と、を備え、力率調整指示部は、複数誘導性負荷のそれぞれに流れる電流の位相を調整して電源の力率を調整するとともに、複数の誘導性負荷のそれぞれに出力される電圧を調整して電力を調整するように、複数の調整部のそれぞれに指示することを特徴とする。
本発明は、電力制御装置に関するものである。
逆阻止能力を持たない、逆導通型の4つの素子を用いて順逆両方向の電流をゲート制御のみでONOFF可能であり、かつ電流を遮断した際のスナバエネルギーを、電荷の持つ静電エネルギーの形でコンデンサに蓄積し、ONゲートが与えられた素子を通して負荷側に放出することでスナバエネルギーをロスなく回生できるスイッチ回路が提案されている(特許文献1参照)。このスイッチ回路は、電流順逆両方向制御が可能であり、スナバエネルギー回生スイッチと呼ばれている。
上述のスナバエネルギー回生スイッチを、誘導性負荷の磁気エネルギーの回生に応用したものを、特に、MERS(Magnetic Energy Recovery Switch:磁気エネルギー回生スイッチ)と呼んでいる。特許文献1では、フルブリッジ型のMERSの回路の態様を開示している。
MERS逆阻止能力を持たない素子として、たとえばボディダイオードを内蔵したパワーMOSFETやダイオードと逆並列接続したトランジスタなどの順方向制御が可能な素子が用いられている。MERSは、これらの半導体素子4つで構成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路の正極と負極に、磁気エネルギーを電荷の持つ静電エネルギーの形で吸収、放出するコンデンサを接続して構成される。そして、MERSは、これら4つの半導体素子のゲートを制御することで、電流をどちらの方向にも流すことが可能となっている。
また、MERSは、ブリッジ接続された4つの半導体素子のうち、対角線上に位置する(直接隣り合わない接続の位置にある)2つの半導体素子が1つのペアとなり、2つのペアのONOFFの切換動作を交流電源の周波数に同期して行い、一方のペアがONの時は他方のペアがOFFとなるように動作させる。コンデンサは、このONOFFの切換タイミングに合わせて充放電を繰り返す。
そして、一方のペアにOFFゲートが与えられ、他方のペアにONゲートが与えられると、順方向に導通していた電流は他方のペアの第1のダイオード−コンデンサ−他方のペアの第2のダイオードという経路で流れコンデンサを充電する。すなわち、誘導性負荷の磁気エネルギーが、電荷の持つ静電エネルギーの形でコンデンサに蓄積される。誘導性負荷の磁気エネルギーは、コンデンサの電圧が上昇し、コンデンサを流れる電流がゼロになるまでコンデンサに電荷の持つ静電エネルギーの形で蓄積される。コンデンサを流れる電流がゼロになるまでコンデンサの電圧が上昇すると、コンデンサの充電が完了する。この時点で他方のペアには既にONゲートが与えられているため、ONしている半導体素子を通してコンデンサの電荷が負荷側に放電され、コンデンサに電荷の持つ静電エネルギーの形で蓄積された磁気エネルギーが負荷側にされる。
さらに、MERSは、4つの半導体素子のうち対角線上に位置する2つの半導体素子をペアとし、ペア2つのONOFFのゲート位相を制御することで、MERSの出力電圧の大きさと電流の位相を任意に制御することが可能であり、これにより所望の力率を得ることができる(特許文献2参照)
日本国特許第3634982号公報 日本国特許第3735673号公報
ところで、交流電源に接続された負荷が誘導性負荷の場合、内部のリアクタンスによって電流の位相が電源電圧の位相に対して遅れるため、交流電源の力率は低下する。力率が低いと、送電側から供給された電力の一部は、そのまま負荷側から送電側に戻されることとなる。すなわち、一部の電力は送電側と負荷側との間を送電線を通して単に行き来するに過ぎない無効電力となってしまう。そして、通常、送電線を通して電力を供給した場合、送電線通る際に電力損失が生じる。
近年、大気汚染や地球温暖化などの環境問題が特に深刻化してきており、環境問題への取り組みとして、消費エネルギー量の低減(省エネ)が盛んに図られるようになってきている。無駄な電力消費は地球温暖化や大気汚染の一因となるため、環境問題の解決を図る一策として、電力損失の低減が求められる。
これに対し、交流電源の力率を改善すれば、同じ電力量を送電する際の無効電力量が低減するため、送電線に流れる電流が少なくなり、そのため送電損失が低減する。交流電源の力率を改善するためには、負荷に供給する電圧を調整して負荷に流れる電流の位相を進めてやればよい。しかしながら、たとえば誘導性負荷が照明灯である場合には、照明灯が必要輝度を維持できるように電力を供給する必要があり、また交流電源の力率の調整による供給電圧の上昇によってかえって無駄な電力消費が増大するおそれがある。そのため、誘導性負荷が照明灯の場合には、交流電源の力率改善を目的として、単純に電流の位相を調整することができない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の誘導性負荷が接続された交流電源の力率を改善するとともに、複数の誘導性負荷が照明灯である場合に調光を行うことに好適な技術の提供にある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は電力制御装置であり、電力制御装置は、誘導性負荷を一つまたは複数含む第1系統交流電源との間に接続され、前記交流電源から前記第1系統の誘導性負荷出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第1調整スイッチと、誘導性負荷を一つまたは複数含む第2系統と前記交流電源との間に接続され、前記交流電源から前記第2系統の誘導性負荷に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第2調整スイッチと、前記第1調整スイッチを制御する第1調整部と、前記第2調整スイッチを制御する第2調整部と、前記第1調整部および前記第2調整部に対して電流位相の調整および電力の調整を指示する力率調整指示部と、を備え、前記力率調整指示部は、前記第1系統の誘導性負荷流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませるように前記第1調整部に指示し、前記第2系統の誘導性負荷に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅らせるように前記第2調整部に指示することで、前記交流電源の力率を調整するように、前記第1調整部と前記第2調整部に指示することを特徴とする。
本発明によれば、複数の誘導性負荷が接続された交流電源の力率を改善するとともに、複数の誘導性負荷が照明灯である場合に調光を行うことができる。
MERS組み込みシステムの基本構成を示す図である。 図2(a)、(b)は、制御部によるMERSのスイッチング制御を説明するための図である。 図3(a)、(b)は、制御部によるMERSのスイッチング制御を説明するための図である。 図4(a)、(b)は、制御部によるMERSのスイッチング制御を説明するための図である。 図5(a)、(b)、(c)、(d)は、MERS組み込みシステムの動作結果を説明するための図である。 MERSの他の態様を示す図である。 MERSの他の態様を示す図である。 実施形態1に係る照明制御装置の構成を示す概略図である。 第1調整部および力率調整指示部の概略構成を説明する機能ブロック図である。
SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7、SW8 逆導通型半導体スイッチ、 D1、D2 ダイオード、 10 MERS組み込みシステム、 20 交流電圧源、 30 磁気エネルギー回生スイッチ(MERS)、 30a 第1MERS、 30b 第2MERS、 32、33、34、35、36 コンデンサ、 40 制御部、 40a 第1制御部、 40b 第2制御部、50 誘導性負荷、 60、60a〜60f 照明灯、 70a 第1調整部、 70b 第2調整部、 72a 第1指示取得部、 72b 第2指示取得部、 80 力率調整指示部、 82 位相比較部、 84 輝度監視部、 86 指示部、 90a 第1位相検出部、 90b 第2位相検出部、 100 照明制御装置、 110a 第1照度センサ、 110b 第2照度センサ。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
本実施形態に係る照明制御装置は、本発明に係る電力制御装置を、照明灯の制御に用いたものである。より詳しくは、本実施形態に係る照明制御装置は、誘導性負荷を有する一つあるいは複数の照明灯を含む第1系統と交流電源との間に接続され、交流電源から第1系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第1調整スイッチと、誘導性負荷を有する一つあるいは複数の照明灯を含む第2系統と交流電源との間に接続され、交流電源から第2系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第2調整スイッチと、第1調整スイッチを制御する第1調整部と、第2調整スイッチを制御する第2調整部と、第1調整部および第2調整部に対して電流位相の調整および調光を指示する力率調整指示部と、を備える。調整スイッチは、たとえば磁気エネルギー回生スイッチ(Magnetic Energy Recovery Switch:MERS)(以下、MERSと称する)である。
力率調整指示部は、第1系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませ、第2系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅らせて、交流電源の力率を調整するとともに、第1系統の照明灯および第2系統の照明灯に出力される電圧を調整して第1系統の照明灯および第2系統の照明灯の輝度を調整するように、第1調整部と第2調整部に指示する
まず、調整スイッチとしてのMERSの構成および動作を説明する。本実施形態では、MERSを交流電圧源と誘電性負荷との間に直列に接続したMERS組み込みシステムを例に説明する。なお、MERSは交流電圧源に組み込むことで交流電源装置を構成することができ、また誘導性負荷に組み込むことでMERS組み込み負荷を構成することができる。
図1は、MERS組み込みシステム10の基本構成を示す図である。
図1において、MERS組み込みシステム10は、交流電圧源20と、インダクタンスのある誘導性負荷50を備える。交流電圧源20と誘導性負荷50との間には、MERS30が挿入されている。また、MERS組み込みシステム10は、MERS30のスイッチングを制御する制御部40を備える。
MERS30は、順逆両方向の電流を制御可能であり、磁気エネルギーをロスなく負荷側に回生できる磁気エネルギー回生スイッチである。MERS30は、4つの逆導通型半導体スイッチSW1、SW2、SW3、SW4にて構成されるブリッジ回路と、磁気エネルギーを電荷の持つ静電エネルギーの形で吸収するコンデンサ32とを備える。
ブリッジ回路は、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW4とが直列に接続され、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW3とが直列に接続され、それらが並列に接続されて形成されている。
コンデンサ32は、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW3との接続点にある直流端子DC(P)と、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW4との接続点にある直流端子DC(N)とに接続されている。また、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW4との接続点にある一方の交流端子と、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW3との接続点にある他方の交流端子とには交流電圧源20と誘導性負荷50とが直列接続されている。
MERS30に配設された対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW1、SW2からなる第1のペアと、同じく対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW3、SW4からなる第2のペアが、交流電圧源20の電源周波数に同期して交互にONOFFされる。すなわち、片方のペアがONのとき他方のペアはOFFとなる。そして、たとえば第1のペアにOFFゲートが与えられ、第2のペアにONゲートが与えられると、順方向に導通していた電流が第2のペアの逆導通型半導体スイッチSW3−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW4という経路で流れ、これによりコンデンサ32が充電される。すなわち、回路の磁気エネルギーが電荷の持つ静電エネルギーの形でコンデンサ32に蓄積される。
路の磁気エネルギーは、コンデンサ32の電圧が上昇して、コンデンサ32を流れる電流(以下、コンデンサ電流という。)ゼロになるまでコンデンサ32に蓄積され、コンデンサ電流がゼロになるまでコンデンサ32の電圧が上昇すると、コンデンサ電流の遮断が完了する。この時点で第2のペアには既にONゲートが与えられているため、ONしている逆導通型半導体スイッチSW3SW4を通してコンデンサ32の電荷が誘導性負荷50に放電され、コンデンサ32に蓄積された静電エネルギーが誘導性負荷50にされる。(結果として、磁気エネルギーが誘導性負荷50に戻される。)
電流のONOFF時、誘導性負荷50にはパルス電圧が印加されるが、パルス電圧の大きさはコンデンサ32の静電容量に応じて逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4と誘導性負荷50のそれぞれの耐電圧許容範囲内とすることができる。また、MERS30には、従来の直列力率改善コンデンサと異なり、直流のコンデンサを用いることができる。逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4は、たとえばパワーMOSFETからなり、それぞれゲートG1、G2、G3、G4を有する。逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4のチャネルには、それぞれボディダイオードが並列接続されている。
MERS30には、ボディダイオードに加えて、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4と逆並列にダイオードを加えてもよい。なお、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4としては、たとえばIGBTやダイオードを逆並列接続したトランジスタなどの素子を用いることもできる。
制御部40は、MERS30の逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4のスイッチングを制御する。具体的には、MERS30のブリッジ回路における対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW1、SW2からなるペアのONOFF動作と、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4からなるペアのONOFF動作とを、一方がONのとき他方がOFFとなるように(ON・OFF動作がペア間で相補的になるように)、半サイクル毎にそれぞれ同時に行うようゲートG1乃至G4に制御信号を送信する。
続いて、制御部40によるMERS30のスイッチング制御について詳細に説明する。図2(a)(b)、図3(a)(b)、図4(a)(b)は、制御部40によるMERS30のスイッチング制御を説明するための図である。
まず、コンデンサ32に充電電圧がない状態で、制御部40が逆導通型半導体スイッチSW1SW2を同時にONにした場合、図2(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW3SW1を通る経路と、逆導通型半導体スイッチSW2SW4を通る経路を流れ、並列導通状態となる。
次に、交流電圧源20の電圧が反転する前の所定のタイミング、たとえば約2ミリ秒前に、制御部40は逆導通型半導体スイッチSW1SW2をOFFにする。これにより、図2(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW3−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW4を通る経路を流れる。その結果、コンデンサ32に磁気エネルギーが電荷の持つ静電エネルギーの形で吸収(コンデンサ32は充電)される。本実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW1SW2をOFFにするタイミングで、逆導通型半導体スイッチSW3SW4をONにしている。
コンデンサ32の充電が完了すると、すなわちコンデンサ32の電圧が所定値以上となると、コンデンサ電流は遮断される。そして、交流電圧源20の電圧が反転すると、逆導通型半導体スイッチSW3SW4は既にONであり、またコンデンサ32に充電電圧があるため、図3(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW4−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW3を通る経路を流れる。そして、コンデンサ32に電荷の持つ静電エネルギーの形で蓄積した磁気エネルギーが放出(コンデンサ32は放電)される。
次に、コンデンサ32の放電が終了すると、図3(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW1SW3を通る経路と、逆導通型半導体スイッチSW4SW2を通る経路を流れ、並列導通状態となる。
次に、交流電圧源20の電圧が反転する前の所定のタイミングで、制御部40は逆導通型半導体スイッチSW3SW4をOFFにする。これにより、図4(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW1−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW2を通る経路を流れる。その結果、コンデンサ32に磁気エネルギーが電荷の持つ静電エネルギーの形で吸収される。本実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW3SW4をOFFにするタイミングで、逆導通型半導体スイッチSW1SW2をONにしている。
コンデンサ32の充電が完了するとコンデンサ電流は遮断され、そして交流電圧源20の電圧が反転すると、逆導通型半導体スイッチSW1SW2は既にONであり、またコンデンサ32に充電電圧があるため、図4(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW2−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW1を通る経路を流れる。そして、コンデンサ32に電荷の持つ静電エネルギーの形で蓄積した磁気エネルギーが放電される。コンデンサ32からの放電が終了すると、図2(a)に示す並列導通状態となり、以後これを繰り返す。このように、MERS30はペア2組の逆導通型半導体スイッチを交互に導通状態にすることにより、双方向に電流を流すことができる。
上述のようなMERS30のスイッチング制御により、次のような効果が得られる。図5(a)乃至(d)は、MERS組み込みシステム10の動作結果を説明するための図である。図5(a)は、MERS30が組み込まれていない場合の電源電圧と電流の波形を示し、図5(b)は、MERS30が組み込まれた場合の電源電圧、電流、負荷電圧の波形を示している。また、図5(c)はコンデンサ電圧と逆導通型半導体スイッチSW1を流れる電流の波形を示し、図5(d)は逆導通型半導体スイッチSW1がONになるタイミングを示している。
図5(a)に示すように、MERS30が組み込まれていない場合、誘導性負荷50の影響により、電流の位相が電源電圧の位相よりも遅れている。そのため交流電圧源20の力率は1より小さい。一方、交流電圧源20と誘導性負荷50との間にMERS30を直列に挿入した場合には、図5(b)に示すように電流の位相を進ませることができるため、交流電圧源20の力率を1とすることが可能である。
すなわち、MERS30は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4の対角線上のペア2組のゲート位相を調整することで、誘導性負荷50の磁気エネルギーをコンデンサ32に電荷の持つ静電エネルギーの形で蓄えて、電流の位相を進ませ、これにより交流電圧源20の力率を1にすることが可能である。また、MERS30は、電流の位相を進ませるだけでなく、電流の位相を任意に制御することが可能であり、これにより任意に力率を調整することができる。さらに、誘導性負荷50の磁気エネルギーを電荷の持つ静電エネルギーの形でコンデンサ32に貯え、電荷の持つ静電エネルギーの形で蓄えた磁気エネルギーを誘導性負荷50にすことにより、負荷電圧を無段階に増減させることが可能である。
また、図5(c)および図5(d)に示すように、逆導通型半導体スイッチSW1がONになるタイミングでは、コンデンサ電圧は略ゼロ[V]であり、逆導通型半導体スイッチSW1を流れる電流は、並列導通時に逆導通型半導体スイッチSW1のダイオードを流れる電流である。逆導通型半導体スイッチSW1がOFFになるタイミングにおいてもコンデンサ電圧は略ゼロ[V]である。すなわち、逆導通型半導体スイッチSW1は、ゼロ電圧、ゼロ電流でスイッチングされており、そのためスイッチングによる損失を減らすことができる。他の3つの逆導通型半導体スイッチSW2乃至SW4については、逆導通型半導体スイッチSW1と同期してスイッチングしているため、同様の結果となる。
コンデンサ32の充放電する時間は、誘導性負荷50とコンデンサ32との共振周期の半周期分であり、スイッチング周期が誘導性負荷50とコンデンサ32との共振周期より長い時には、MERS30は常にゼロ電圧ゼロ電流スイッチング、すなわちソフトスイッチングが可能である。
MERS30に用いられるコンデンサ32は、従来の電圧型インバータと異なり、回路にあるインダクタンスの磁気エネルギーを電荷の持つ静電エネルギーの形で蓄積するためだけのものである。そのため、コンデンサ容量を従来の電圧型インバータの電圧源コンデンサに比べて著しく小さくできる。コンデンサ容量は、誘導性負荷のインダクタンスとの共振周期がスイッチング周期より短くなるように選定する。
また、MERS30をゲートパルス発生装置として用いた場合、各MERS30に固有のIDナンバーを付与することができ、これを用いて外部からの制御信号を受信して各MERS30を制御することができる。たとえば、インターネットなどの通信回線を利用して無線で制御信号を送り、MERS30を無線制御できる。
上述のMERS組み込みシステム10では、MERS30は4つの逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4で形成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路の直流端子DC(P)とDC(N)との間に接続されたコンデンサ32とからなる構成であったが、MERS30は次のような構成であってもよい。
図6および図7は、MERS30の他の態様を示す図である。
図6に示すMERS30は、上述の4つの逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4と1つのコンデンサ32とからなるフルブリッジ型のMERS30に対して、2つの逆導通型半導体スイッチと2つのダイオード、および2つのコンデンサで構成される縦型のハーフブリッジ型となっている。
より詳細には、この縦型ハーフブリッジ構造のMERS30は、直列に接続された2つの逆導通型半導体スイッチSW5、SW6と、この2つの逆導通型半導体スイッチSW5、SW6と並列に設けられた、直列に接続された2つのコンデンサ33、34と、この2つのコンデンサ33、34それぞれと並列に接続された2つのダイオードD1、D2と、を含んでいる。
図7に示すMERS30は、横型のハーフブリッジ型である。横型のハーフブリッジ型MERSは、2つの逆導通型半導体スイッチと2つのコンデンサで構成されている。
より詳細には、この横型のハーフブリッジ構造MERS30は、第1の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW7およびコンデンサ35と、第1の経路と並列な第2の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW8およびコンデンサ36と、第1、第2の経路に対して並列に結線された配線と、を含んでいる。
続いて、本実施形態に係る照明制御装置について説明する。本実施形態に係る照明制御装置は、本発明に係る電力制御装置を、照明灯の制御に用いたものである。図8は、実施形態1に係る照明制御装置の構成を示す概略図である。
図8に示すように、本実施形態の照明制御装置100は、照明灯60a乃至60cと交流電圧源20との間に第1MERS30aを設け、照明灯60d乃至60fと交流電圧源20との間に第2MERS30bを設けた構成である。照明灯60は、誘導性負荷を有する照明灯または誘導性負荷に接続された照明灯である。誘導性負荷を有する照明灯としては、たとえば放電灯などが挙げられる。放電灯は、たとえば蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯、またはネオン灯である。また、誘導性負荷に接続された照明灯としては、誘導性負荷を持たない白熱灯、LEDなどの光源にリアクトルを接続したものが挙げられる。本実施形態では、照明灯60に放電灯を用いた場合を例に説明する。また、照明灯60の数は特に限定されず、第1MERS30aおよび第2MERS30bのそれぞれに対して少なくとも一つの照明灯60が接続されていればよい。
また、照明制御装置100は、第1MERS30aのゲート位相角を制御して第1MERS30aの出力電圧の大きさと電流の位相を調整するための第1調整部70aを備える。また、照明制御装置100は、第2MERS30bのゲート位相角を制御して第2MERS30bの出力電圧の大きさと電流の位相を調整するための第2調整部70bを備える。さらに、照明制御装置100は、第1調整部70aおよび第2調整部70bに電流位相の調整および調光を指示する力率調整指示部80と、照明灯60a乃至60cに流れる電流の位相を検出する第1位相検出部90aと、照明灯60d乃至60fに流れる電流の位相を検出する第2位相検出部90bとを備える。具体的には、第1位相検出部90aおよび第2位相検出部90bは、交流電圧源20の電圧の位相に対する電流の位相を検出する。
さらに、照明制御装置100は、照明灯60a乃至60cの輝度を検知するための第1輝度検知手段として、照明灯60a〜60cの照射範囲の照度を検出する第1照度センサ110aを備える。また、照明制御装置100は、照明灯60d乃至60fの輝度を検知するための第2輝度検知手段として、照明灯60d乃至60fの照射範囲の照度を検出する第2照度センサ110bを備える。第1照度センサ110aおよび第2照度センサ110bの数は特に限定されず、各系統に1以上あればよい。
本実施形態の照明制御装置100では、照明灯60a乃至60cを含む第1系統と、照明灯60d乃至60fを含む第2系統とが同一の交流電源である交流電圧源20に並列に接続されている。
図9は、第1調整部70a、第2調整部70b、および力率調整指示部80の概略構成を説明する機能ブロック図である。
図9に示すように、第1調整部70aは、第1MERS30aの逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4(図示されない)のゲートG1乃至G4(図示されない)に制御信号を送信し、第1MERS30aの出力電圧の大きさを調整するとともに、同時に電流の位相を調整する第1制御部40aを備える。また、第1調整部70aは、力率調整指示部80の後述する指示部86から指示信号を受信し、第1制御部40aに送信する第1指示取得部72aを備える。
また、第2調整部70bは、第2MERS30bの逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4(図示されない)のゲートG1乃至G4(図示されない)に制御信号を送信し、第2MERS30bの出力電圧の大きさを調整するとともに、同時に電流の位相を調整する第2制御部40bを備える。また、第2調整部70bは、力率調整指示部80の後述する指示部86から指示信号を受信し、第2制御部40bに送信する第2指示取得部72bを備える。
力率調整指示部80は、第1位相検出部90aから電流の位相情報を取得し、また第2位相検出部90bから電流の位相情報を取得して、各系統の照明灯60に流れる電流の位相を比較し、比較結果を指示部86に送信する位相比較部82を備える。また、力率調整指示部80は、第1照度センサ110aの検知結果と第2照度センサ110bの検知結果を取得して、各系統の照明灯60の輝度を監視し、監視結果を指示部86に送信する輝度監視部84を備える。輝度監視部84は、照明灯60の輝度と光照射領域の照度とを対応付けた輝度照度対応テーブルを保持している。また、輝度監視部84は、図示しないパラメータ保持部を備え、予め規定された照明灯の必要輝度値を保持している。ここで、前記「必要輝度値」は、照明灯60が設置された領域において必要とされる輝度の下限値と上限値とを含む所定の幅を持った値であり、照明灯60が設置された場所に応じて適宜設定され、この値は実験的に求めることができる。必要輝度値に上限を設けることで、照明灯60の輝度の過度の上昇を防ぎ、無駄な電力消費を削減できる。
さらに力率調整指示部80は、位相比較部82から受信した情報に基づいて、あるいは輝度監視部84から受信した情報に基づいて、第1調整部70aおよび第2調整部70bに電流位相の調整および調光を指示する指示部86を備える。
続いて、照明制御装置100の動作について説明する。
たとえば、まず、力率調整指示部80は、第1系統に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進み位相とするとともに、第1系統に含まれる照明灯60a乃至60cの輝度が必要輝度値を満たすように、第1調整部70aに第1MERS30aの調整を指示する。次に、力率調整指示部80は、照明灯60a乃至60cに流れる電流の位相情報を第1位相検出部90aから取得し、交流電圧源20の力率を1とし、もしくは1に近づけるために、第2系統に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅れ位相とするよう第2調整部70bに指示する。
続いて、力率調整指示部80は、第2系統の照明灯60d乃至60fの照射範囲の照度値を第2照度センサ110bから受信し、輝度照度対応テーブルを参照して、その照度値を照明灯60d乃至60fの輝度値に変換する。ここで、たとえば照明灯60d乃至60fの輝度値が必要輝度値の下限未満であった場合、力率調整指示部80は、照明灯60d乃至60fの輝度を上げて必要輝度値とするように第2調整部70bに指示する。第2調整部70bは、力率調整指示部80からの指示を受けて、照明灯60d乃至60fの輝度が上がるように第2MERS30bの出力電圧の大きさを増大させるが、これにともない電流の位相が進み方向に変化する。そのため、交流電圧源20の力率が低くなる。
力率調整指示部80は、照明灯60d乃至60fに流れる電流の位相情報を第2位相検出部90bから取得し、交流電圧源20の力率が1とし、もしくは1に近づくように、第1系統に流れる電流の位相を遅れ方向に調整する。照明灯60a乃至60fの輝度値が必要輝度値の上限より大きい場合には、照明灯60d乃至60fの輝度を下げ、これにより第2系統の電流の位相が遅れ方向に変化するため、第1系統の電流の位相を進み方向に調整する。照明制御装置100は、このようにして、交流電圧源20の力率を改善することができ、また好ましくは1に近づけることができ、さらに好ましくは1にすることができる。また、それとともに、照明制御装置100は、第1系統の照明灯60a乃至60cおよび第2系統の照明灯60d乃至60fの輝度を必要輝度値に調整することができる。
なお、第1および第2輝度検知手段としては、たとえば照明灯60に出力される電圧を検知する電圧計であってもい。この場合には、パラメータ保持部に必要輝度値に対応する必要電圧値を保持しておき、第1電圧計および第2電圧計でそれぞれ第1系統および第2系統に出力される電圧を検知し、上限電圧値と下限電圧値の範囲で照明灯60の輝度を調整してもよい。
照明制御装置100は、各照明灯60の点灯状態においては、たとえば定期的に以下の制御を行う。すなわち、力率調整指示部80が照明灯60a乃至60cに流れる電流の位相情報を第1位相検出部90aから取得する。また、同様に第2位相検出部90bから照明灯60d乃至60fに流れる電流の位相情報を取得する。そして、位相比較部82が、照明灯60a乃至60cと照明灯60d乃至60fのそれぞれに流れる電流の位相を比較して、比較結果を指示部86に送信する。
指示部86は、この比較結果に基づいて、たとえば第1系統の照明灯60a乃至60cに流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませるように、第1調整部70aに指示する。一方、指示部86は、第2系統の照明灯60d乃至60fに流れる電流の位相を、電源電圧の位相に対して遅らせるように、第2調整部70bに指示する。たとえば、交流電圧源20に接続された第1系統に流れる電流の位相の進み量と、同じ交流電圧源20に接続された第2系統に流れる電流の位相の遅れ量を同量にする。これにより、交流電圧源20における力率を改善することができ、好ましくは1に近づけることができ、さらに好ましくは1とすることができる。
ここで、第1系統の電流の位相と第2系統の電流の位相を調整して、交流電圧源20の力率を1近傍に近づけた際に、照明灯60の輝度が過度に増大し、無駄な電力の消費量が増大してしまうおそれがある。そのため、力率調整指示部80は第1照度センサ110aおよび第2照度センサ110bの検知結果から導出される照明灯60a乃至60fの輝度が所定値を超えた場合には、交流電圧源20の力率が1近傍でなくてもよいこととし、照明灯60の輝度が所定値以下となるように調整を行うようにしてもよい。なお、この場合であっても、第1系統の電流の位相と第2系統の電流の位相とを互いに逆相とすることで、交流電圧源20の力率を改善できる。
また、通常、照明灯60は、経年劣化などにより電極が劣化し、電流が流れにくくなって輝度が低下していく。そこで、力率調整指示部80の輝度監視部84は、第1系統の照明灯60a乃至60cの照射範囲の照度値を第1照度センサ110aから受信し、また第2系統の照明灯60d乃至60fの照射範囲の照度値を第2照度センサ110bから受信する。そして、それぞれの照度値から、それぞれの照明灯60a乃至60fの輝度値を導出し、パラメータ保持部に保持された照明灯の必要輝度値と比較する。
たとえば、比較の結果、第2系統の照明灯60d乃至60fの輝度が必要輝度を下回っていたとする。この場合、輝度監視部84は指示部86に対し、第2調整部70bに輝度の増加を指示するように信号を送信する。指示部86は、輝度監視部84から指示を受けると、第2調整部70bに照明灯60d乃至60fの輝度を増加させるように指示を送信する。指示部86から指示を受けた第2調整部70bは、照明灯60d乃至60fの輝度を増加させるように、第2MERS30bのゲート位相角を制御して、第2MERS30bの出力電圧の大きさを増加させる。これにより、各照明灯60の輝度が増加する。
一方、第2系統の照明灯60d乃至60fの輝度を増大させるために第2MERS30bの出力電圧の大きさを増加させると、それにともない第2系統に流れる電流の位相も変化する。そこで、力率調整指示部80は、位相比較部82にて第1系統および第2系統の電流の位相を比較し、第2系統の電流の位相の変化量に合わせて、第1系統の電流の位相を変化させるように第1調整部70aに指示する。これにより、照明灯60の輝度を調整するとともに、交流電圧源20における力率を調整することができる。
なお、照明制御装置100は、以下のような構成であってもよい。すなわち、第1MERS30aおよび第2MERS30bに対して個別にアクセスできるように固有のアドレスを設定する。そして、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)などのネットワークを介して有線、無線通信によって、力率調整指示部80が第1調整部70aおよび第2調整部70bに電流位相の調整および調光を指示する構成である。
以上説明した構成による作用効果を総括すると、本実施形態に係る照明制御装置100では、交流電圧源20に、照明灯60a乃至60cを含む第1系統と照明灯60d乃至60fを含む第2系統とが接続されている。そして、各系統にはそれぞれ第1MERS30aおよび第2MERS30bが接続され、力率調整指示部80が、第1系統に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませ、たとえば第2系統の電流の位相を第1系統の電流の位相の進み量と同量だけ遅らせるように制御する。これにより、第1系統および第2系統が接続された交流電圧源20における力率を調整することができ、その結果、交流電圧源20における力率が向上して、送電損失を低減することができる。
また、各系統の電流の位相を調整するとともに、各系統に含まれる照明灯60の輝度を監視し、各照明灯60の輝度が必要輝度を満たすように、MERS30の出力電圧の大きさを調整している。すなわち、各照明灯60の輝度が必要輝度を満たす範囲内で、各系統の電流の位相を調整することで、交流電圧源20の力率を改善しつつ、照明灯60の調光を行うことができる。
また、従来、進相コンデンサを用いて力率を改善する方法が実用化されているが、進相コンデンサはサイズが大きく高価である。一方、本実施形態の照明制御装置100では、照明灯60と交流電圧源20との間にMERS30を組み込むだけである。そして、MERS30の構成は簡単でサイズが小さく、価格は安価であるため、照明制御装置100を簡単に設けることができるとともに、その導入コストを非常に低く抑えることができる。
また、MERS30の逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4が故障した場合は、交流電圧源20と照明灯60とが導通状態となるだけであり、MERS30の故障によって照明灯60が点灯不能な状態に陥ることはない。そのため、既存の交流電圧源20と照明灯60との間にMERS30を組み込んでも、それによる安全性の低下などの問題は生じにくい。
本実施形態の照明制御装置100は、配電系統、受電盤、配電盤単位で適用することが可能であり、同一配電系統、受電盤、あるいは配電盤に接続されている複数の照明灯60の1つの系統に流れる電流を進み位相、他の系統に流れる電流を遅れ位相とすることで、配電系統、受電盤、あるいは配電盤単位で力率を1ないしは1近傍に近づけることができる。照明制御装置100は、たとえば高速道路、自動車専用道路、あるいは一般道などの既設の照明灯に適用することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
たとえば、上述の実施形態では、第1系統と第2系統にそれぞれ第1MERS30aと第2MERS30bとを設けたが、たとえば第1系統のみにMERS30を設ける構成であってもよい。この場合、照明灯60内の電気的なリアクタンス成分により、第2系統に流れる電流の位相には遅れが生じるため、この遅れ量に応じた量だけ第1系統に流れる電流の位相を進ませることで、交流電圧源20における力率を改善することができ、好ましくは1に近づけることができ、さらに好ましくは1とすることができる。
また、上述の実施形態では交流電圧源20に第1系統と第2系統が接続された構成としたが、系統の数は特に限定されず、さらに多数の系統が交流電圧源20に接続されていてもよい。その場合には、それら複数の系統の電流の位相を調整して、交流電圧源20の力率が向上するように制御する。

Claims (11)

  1. 誘導性負荷を有する照明灯または誘導性負荷に接続された照明灯を、一つまたは複数含む第1系統と交流電源との間に接続され、前記交流電源から前記第1系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第1調整スイッチと、
    誘導性負荷を有する照明灯または誘導性負荷に接続された照明灯を、一つまたは複数含む第2系統と前記交流電源との間に接続され、前記交流電源から前記第2系統の照明灯に出力される電圧の大きさと電流の位相を調整する第2調整スイッチと、
    前記第1調整スイッチを制御する第1調整部と、
    前記第2調整スイッチを制御する第2調整部と、
    前記第1調整部および前記第2調整部に対して電流位相の調整および調光を指示する力率調整指示部と、
    を備え、前記力率調整指示部は、前記第1系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して進ませ、前記第2系統の照明灯に流れる電流の位相を電源電圧の位相に対して遅らせて、前記交流電源の力率を調整するとともに、前記第1系統の照明灯および前記第2系統の照明灯に出力される電圧を調整して前記第1系統の照明灯および前記第2系統の照明灯の輝度を調整するように、前記第1調整部と前記第2調整部に指示することを特徴とする照明制御装置。
  2. 前記第1調整スイッチおよび前記第2調整スイッチは、少なくとも2つの逆導通型半導体スイッチと、電流遮断時の電流の磁気エネルギーを蓄積して前記照明灯に回生するためのコンデンサと、を有し、前記第1調整スイッチおよび前記第2調整スイッチのゲート位相を制御することで、前記照明灯に出力する電圧の大きさと電流の位相を調整することを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
  3. 前記第1系統の照明灯に流れる電流の位相を検出する第1位相検出部と、
    前記第2系統の照明灯に流れる電流の位相を検出する第2位相検出部と、
    を備え、前記力率調整指示部は、前記第1位相検出部および前記第2位相検出部の検出結果に応じて、前記第1系統の照明灯および前記第2系統の照明灯に流れる電流の位相を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御装置。
  4. 前記第1系統の照明灯の輝度を検知する第1輝度検知手段と、
    前記第2系統の照明灯の輝度を検知する第2輝度検知手段と、
    を備え、前記力率調整指示部は、前記第1輝度検知手段および前記第2輝度検知手段の検知結果に応じて、前記第1系統の照明灯および前記第2系統の照明灯の輝度を調整することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の照明制御装置。
  5. 前記力率調整指示部は、前記照明灯の輝度が所定値を超えた場合には、前記第1系統の照明灯および前記第2系統の照明灯の輝度を前記所定値以下に調整することを特徴とする請求項1ないし4に記載の照明制御装置。
  6. 前記第1調整スイッチおよび前記第2調整スイッチは、
    4つの逆導通型半導体スイッチで構成されるブリッジ回路と、
    前記ブリッジ回路の直流端子間に接続され、電流遮断時の電流の磁気エネルギーを蓄積して前記照明灯に回生するためのコンデンサと、を有し、
    前記調整部は、前記逆導通型半導体スイッチのゲートに制御信号を送り、前記ブリッジ回路の対角線上に位置する2つの逆導通型半導体スイッチからなるペア2組のうち、一方のペアがONの時に他方のペアがOFFとなるように、各ペアの逆導通型半導体スイッチのON/OFF切換を前記交流電源の周波数に同期して行うことで、前記照明灯に供給する負荷電力量を調整することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明制御装置。
  7. 前記第1調整スイッチおよび前記第2調整スイッチは、
    直列に接続された2つの逆導通型半導体スイッチと、
    前記2つの逆導通型半導体スイッチと並列に設けられた、直列に接続された2つのコンデンサと、
    前記2つのコンデンサそれぞれと並列に接続された2つのダイオードと、
    を含む縦型のハーフブリッジ構造を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明制御装置。
  8. 前記第1調整スイッチおよび前記第2調整スイッチは、
    第1の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチおよびコンデンサと、
    前記第1の経路と並列な第2の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチおよびコンデンサと、
    前記第1、第2の経路に対して並列に結線された配線と、
    を含む横型のハーフブリッジ構造を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明制御装置。
  9. 前記誘導性負荷を有する照明灯は、放電灯であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の照明制御装置。
  10. 前記放電灯は、蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯、またはネオン灯であることを特徴とする請求項9に記載の照明制御装置。
  11. 前記誘導性負荷に接続された照明灯は、白熱灯またはLEDにリアクトルを接続したものであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の照明制御装置。
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