JP4481366B2 - 照明制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、照明制御装置に関するものである。
逆阻止能力を持たない、逆導通型の4つの素子を用いて順逆両方向の電流をゲート制御のみでON/OFF可能であり、かつ電流を遮断した際の電流の持つ磁気エネルギーをコンデンサに蓄積し、ONゲートが与えられた素子を通して負荷側に放出することで磁気エネルギーをロスなく回生できるスイッチが提案されている(特許文献1参照)。このスイッチは、電流順逆両方向制御が可能なロスの少ない磁気エネルギー回生スイッチであり、MERS(Magnetic Energy Recovery Switch:磁気エネルギー回生スイッチ)と呼ばれている。特許文献1では、フルブリッジ型のMERSを開示している。
MERSには、逆阻止能力を持たない素子として、たとえばパワーMOSFETやダイオードを逆並列接続したトランジスタなどの順方向制御が可能な素子が用いられている。MERSは、この半導体素子4つで構成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路の正極、負極に磁気エネルギーを吸収、放出するコンデンサを接続して構成される。そして、MERSは、これら4つの半導体素子のゲート位相の制御を行うことで、電流をどちらの方向にも流すことが可能となっている。
また、MERSは、ブリッジ接続された4つの半導体素子のうち、対角線上に位置する2つの半導体素子がペアとなり、2つのペアのON/OFFの切換動作を電源の周波数に同期して行い、一方のペアがONの時は他方のペアがOFFとなるように動作する。また、このON/OFFの切換タイミングに合わせて、コンデンサが磁気エネルギーの充放電を繰り返す。
そして、一方のペアにOFFゲートが与えられ、他方のペアにONゲートが与えられると、順方向に導通していた電流は他方のペアの第1のダイオード−コンデンサ−他方のペアの第2のダイオードという経路で流れ、これによりコンデンサを充電する。すなわち、回路の磁気エネルギーがコンデンサに蓄積される。電流遮断時の回路の磁気エネルギーは、コンデンサの電圧が上昇して電流がゼロになるまでコンデンサに蓄積される。コンデンサ電流がゼロになるまでコンデンサの電圧が上昇すると、電流の遮断が完了する。この時点で他方のペアには既にONゲートが与えられているため、ONしている半導体素子を通してコンデンサの電荷が負荷側に放電され、コンデンサに蓄積された磁気エネルギーが負荷側に回生される。
このように、MERSは、4つの半導体素子のうち対角線上に位置する2つの半導体素子からなるペア2つのON/OFFのゲート位相を制御することで、MERSの出力電圧の大きさと電流の位相を任意に制御することが可能であり、これにより所望の力率を得ることができる。
特許第3634982号公報
ところで、近年、大気汚染や地球温暖化などの環境問題が特に深刻化してきており、環境問題への取り組みとして、消費エネルギー量の低減(省エネ)が盛んに図られるようになってきている。
たとえば、日本における主な電力供給源の一つとして火力発電があるが、火力発電では、石油、石炭、天然ガスなどの燃料の燃焼に伴って、地球温暖化の原因となる二酸化炭素や、大気汚染の原因となる硫黄酸化物、窒素酸化物などが排出される。そのため、消費電力の削減によって、温室効果ガスや大気汚染の原因となる物質の排出が削減され、これが地球環境に与える負荷の低減につながることが期待されている。
省エネへの取り組みの一つとしては、たとえば、インバータ方式の蛍光灯とこのインバータ方式の蛍光灯を所望の輝度まで調整制御する制御装置とを備えた照明灯制御装置が提案されている。この照明灯制御装置によれば、ユーザがインバータ方式の蛍光灯を所望の輝度まで制御することができ、無駄な電力消費を抑えることができる。しかしながら、照明灯の点灯使用時の輝度を調整制御するためには調光制御対応の高価なインバータ方式の蛍光灯を採用しなければならず、また調光制御対応のインバータ方式の蛍光灯以外の既存の蛍光灯や、水銀灯、ナトリウム灯などの放電灯では減光方向に調光することが困難である。また、誘導性負荷を有しない照明灯についても、無駄な電力消費を抑える必要がある。
たとえば、道路用の照明灯には光量が大きく寿命の長い水銀灯やナトリウム灯などの放電灯が多く使用されており、これらの放電灯を減光方向に調光制御する機構が提供されていない。そのため、現状では、道路用照明灯は道路上に車両が存在しない場合であっても常時定格点灯している。したがって、無駄な電力を消費していることとなる。
また、たとえばトンネルや、公園、建物内の通路などにおいても、車両や人の存在が全くない状態であるにもかかわらず、放電灯を点灯状態に維持していることが多く、無駄に電力が消費されている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明灯を減光制御して、無駄な電力消費を削減することができる技術の提供にある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は照明制御装置であり、この照明制御装置は、照明灯と電源との間に接続され、電源から照明灯に出力される、照明灯を点灯するための負荷電力を調整する負荷電力調整スイッチと、負荷電力調整スイッチを制御する調光制御部と、照明灯の照射領域の車両進行方向上流側の車両の交通量を検知する交通量検知手段と、を備え、調光制御部は、照明灯が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態となるように負荷電力を調整し、交通量検知手段の検知結果に応じて、照明灯が待機点灯状態における輝度以上の輝度で点灯する状態となるように負荷電力を調整すべく、負荷電力調整スイッチを制御し、更に調光制御部は、交通量検知手段によって検知された車両の交通量が第1の所定量となるまでは、交通量の増加に応じて照明灯に供給する負荷電力が増大し、車両の交通量が第1の所定量以上となった場合には、交通量の増加に応じて照明灯に供給する負荷電力が減少するように、負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする。
本発明によれば、照明灯を減光制御して、無駄な電力消費を削減することができる。
10 MERS組み込みシステム、 20 交流電圧源、 30 磁気エネルギー回生スイッチ(MERS)、 32、33、34、35、36 コンデンサ、 40 制御部、 50 誘導性負荷、 60 照明灯、 70 調光制御部、 72 センサ値取得部、 74 参照テーブル保持部、 76 待機点灯パラメータ保時部、 78 待機点灯パラメータ変更指示部、 79 電流監視部、 80 交通量検知センサ、 90 人感センサ、 100 照明制御装置、 C 車両、 D1、D2 ダイオード、 SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7、SW8 逆導通型半導体スイッチ。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
本実施形態に係る照明制御装置は、照明灯と電源との間に接続され、電源から照明灯に出力される、照明灯を点灯するための負荷電力を調整する負荷電力調整スイッチと、負荷電力調整スイッチを制御する調光制御部と、照明灯の周囲の状況を検知する状況検知手段と、を備える。負荷電力調整スイッチは、たとえば磁気エネルギー回生スイッチ(Magnetic Energy Recovery Switch:MERS)(以下、MERSと称する)である。調光制御部は、照明灯が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態となるように負荷電力を調整し、状況検知手段の検知結果に応じて、照明灯が待機点灯状態における輝度以上の輝度で点灯する状態となるように負荷電力を調整すべく、負荷電力調整スイッチを制御する。これにより、照明灯の設置された場所における外界の状況に応じて照明灯の輝度を調節する。その結果、無駄な電力消費を削減することができる。
本実施形態に係る照明制御装置は、照明灯と電源との間に接続され、電源から照明灯に出力される、照明灯を点灯するための負荷電力を調整する負荷電力調整スイッチと、負荷電力調整スイッチを制御する調光制御部と、照明灯の周囲の状況を検知する状況検知手段と、を備える。負荷電力調整スイッチは、たとえば磁気エネルギー回生スイッチ(Magnetic Energy Recovery Switch:MERS)(以下、MERSと称する)である。調光制御部は、照明灯が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態となるように負荷電力を調整し、状況検知手段の検知結果に応じて、照明灯が待機点灯状態における輝度以上の輝度で点灯する状態となるように負荷電力を調整すべく、負荷電力調整スイッチを制御する。これにより、照明灯の設置された場所における外界の状況に応じて照明灯の輝度を調節する。その結果、無駄な電力消費を削減することができる。
まず、負荷電力調整スイッチとしてのMERSの構成および動作を説明する。本実施形態では、MERSを交流電圧源と誘電性負荷との間に直列に接続したMERS組み込みシステムを例に説明する。なお、MERSは交流電圧源に組み込むことで交流電源装置を構成することができ、また誘導性負荷に組み込むことでMERS組み込み負荷を構成することができる。
図1は、MERS組み込みシステム10の基本構成を示す図である。
図1において、MERS組み込みシステム10は、交流電圧源20と、インダクタンスのある誘導性負荷50を備える。交流電圧源20と誘導性負荷50との間には、MERS30が挿入されている。また、MERS組み込みシステム10は、MERS30のスイッチングを制御する制御部40を備える。
図1において、MERS組み込みシステム10は、交流電圧源20と、インダクタンスのある誘導性負荷50を備える。交流電圧源20と誘導性負荷50との間には、MERS30が挿入されている。また、MERS組み込みシステム10は、MERS30のスイッチングを制御する制御部40を備える。
MERS30は、順逆両方向の電流を制御可能であり、磁気エネルギーをロスなく負荷側に回生できる磁気エネルギー回生スイッチである。MERS30は、4つの逆導通型半導体スイッチSW1、SW2、SW3、SW4にて構成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路のスイッチ遮断時に回路に流れる電流の磁気エネルギーを吸収するエネルギー蓄積用のコンデンサ32とを備える。
ブリッジ回路は、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW4とが直列に接続され、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW3とが直列に接続され、それらが並列に接続されて形成されている。
コンデンサ32は、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW3との接続点にある直流端子DC(P)と、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW4との接続点にある直流端子DC(N)とに接続されている。また、逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW4との接続点にある交流端子と、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW3との接続点にある交流端子とには交流電圧源20と誘導性負荷50とが直列接続されている。
MERS30に配設された対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW1、SW2からなる第1のペアと、同じく対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW3、SW4からなる第2のペアが、電源周波数に同期して交互にON/OFFされる。すなわち、片方のペアがONのとき他方のペアはOFFとなる。そして、たとえば第1のペアにOFFゲートが与えられ、第2のペアにONゲートが与えられると、順方向に導通していた電流が第2のペアの逆導通型半導体スイッチSW3−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW4という経路で流れ、これによりコンデンサ32が充電される。すなわち、回路の磁気エネルギーがコンデンサ32に蓄積される。
電流遮断時の回路の磁気エネルギーは、コンデンサ32の電圧が上昇して電流がゼロになるまでコンデンサに蓄積され、コンデンサ電流がゼロになるまでコンデンサ32の電圧が上昇すると、電流の遮断が完了する。この時点で第2のペアには既にONゲートが与えられているため、ONしている逆導通型半導体スイッチSW3、SW4を通してコンデンサ32の電荷が誘導性負荷50に放電され、コンデンサ32に蓄積された磁気エネルギーが誘導性負荷50に回生される。
電流のON/OFF時、誘導性負荷50にはパルス電圧が印加されるが、電圧の大きさはコンデンサ32の静電容量に応じて逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4と誘導性負荷50の耐電圧許容範囲内とすることができる。また、MERS30には、従来の直列力率改善コンデンサと異なり、直流のコンデンサを用いることができる。逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4は、たとえばパワーMOSFETからなり、それぞれゲートG1、G2、G3、G4を有する。逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のチャネルには、それぞれボディダイオードが並列接続されている。
MERS30には、ボディダイオードに加えて、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4と逆並列にダイオードを加えてもよい。なお、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4としては、たとえばIGBTやダイオードを逆並列接続したトランジスタなどの素子を用いることもできる。
制御部40は、MERS30の逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のスイッチングを制御する。具体的には、MERS30のブリッジ回路における対角線上に位置する逆導通型半導体スイッチSW1、SW2からなるペアのON/OFF動作と、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4からなるペアのON/OFF動作とを、一方がONのとき他方がOFFとなるように、半サイクル毎にそれぞれ同時に行うようゲートG1〜G4に制御信号を送信する。
続いて、制御部40によるMERS30のスイッチング制御について詳細に説明する。図2(a)、(b)、図3(a)、(b)、図4(a)、(b)は、制御部40によるMERS30のスイッチング制御を説明するための図である。
まず、コンデンサ32に充電電圧がない状態で、制御部40が逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をONにした場合、図2(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW3、SW1を通る経路と、逆導通型半導体スイッチSW2、SW4を通る経路を流れ、並列導通状態となる。
次に、交流電圧源20の電圧が反転する前の所定のタイミング、たとえば約2ms前に、制御部40は逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をOFFにする。これにより、図2(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW3−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW4を通る経路を流れる。その結果、コンデンサ32に磁気エネルギーが吸収(充電)される。本実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をOFFにするタイミングで、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4をONにしている。
コンデンサ32の充電が完了すると、すなわちコンデンサ32の電圧が所定値以上となると、電流は遮断される。そして、交流電圧源20の電圧が反転すると、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4は既にONであり、またコンデンサ32に充電電圧があるため、図3(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW4−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW3を通る経路を流れる。そして、コンデンサ32に蓄積した磁気エネルギーが放出(放電)される。
次に、コンデンサ32からの放電が終了すると、図3(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW1、SW3を通る経路と、逆導通型半導体スイッチSW4、SW2を通る経路を流れ、並列導通状態となる。
次に、交流電圧源20の電圧が反転する前の所定のタイミングで、制御部40は逆導通型半導体スイッチSW3、SW4をOFFにする。これにより、図4(a)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW1−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW2を通る経路を流れる。その結果、コンデンサ32に磁気エネルギーが吸収される。本実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW3、SW4をOFFにするタイミングで、逆導通型半導体スイッチSW1、SW2をONにしている。
コンデンサ32の充電が完了すると電流は遮断され、そして交流電圧源20の電圧が反転すると、逆導通型半導体スイッチSW1、SW2は既にONであり、またコンデンサ32に充電電圧があるため、図4(b)に示すように、電流は逆導通型半導体スイッチSW2−コンデンサ32−逆導通型半導体スイッチSW1を通る経路を流れる。そして、コンデンサ32に蓄積した磁気エネルギーが放電される。コンデンサ32からの放電が終了すると、図2(a)に示す並列導通状態となり、以後これを繰り返す。このように、MERS30は対向するペア2組の逆導通型半導体スイッチを交互に導通状態にすることにより、双方向に電流を流すことができる。
このようなMERS30のスイッチング制御を行うことで、次のような効果が得られる。図5(a)、(b)、(c)、(d)は、MERS組み込みシステム10の動作結果を説明するための図である。図5(a)は、MERS30が組み込まれていない場合の電源電圧と電流の波形を示し、図5(b)は、MERS30が組み込まれた場合の電源電圧、電流、負荷電圧の波形を示している。また、図5(c)はコンデンサ電圧と逆導通型半導体スイッチSW1を流れる電流の波形を示し、図5(d)は逆導通型半導体スイッチSW1がONになるタイミングを示している。
図5(a)に示すように、MERS30が組み込まれていない場合、誘導性負荷50の影響により、電流の位相が電源電圧の位相よりも遅れている。そのため交流電圧源20の力率は1より小さい。一方、交流電圧源20と誘導性負荷50との間にMERS30を直列に挿入した場合には、図5(b)に示すように電流の位相を進ませることができるため、交流電圧源20の力率を1とすることが可能である。
すなわち、MERS30は、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4の対角線上のペア2組のゲート位相を調整することで、誘導性負荷50の磁気エネルギーをコンデンサ32に蓄えて、電流の位相を進ませ、これにより交流電圧源20の力率を1にすることが可能である。また、MERS30は、電流の位相を進ませるだけでなく、電流の位相を任意に制御することが可能であり、これにより任意に力率を調整することができる。さらに、誘導性負荷50の磁気エネルギーをコンデンサ32に貯え、蓄えた磁気エネルギーを誘導性負荷50に回生することにより、負荷電圧を無段階に増減させることが可能である。
また、図5(c)および図5(d)に示すように、逆導通型半導体スイッチSW1がONになるタイミングでは、コンデンサ電圧は0であり、逆導通型半導体スイッチSW1を流れる電流は、並列導通時に逆導通型半導体スイッチSW1のダイオードを流れる電流である。逆導通型半導体スイッチSW1がOFFになるタイミングにおいてもコンデンサ電圧は0である。すなわち、0電圧、0電流でスイッチングされており、そのためスイッチングによる損失を無くすことができる。他の3つの逆導通型半導体スイッチSW2〜SW4については、逆導通型半導体スイッチSW1と同期してスイッチングしているため、同様の結果となる。
コンデンサ32の充放電周期は、誘導性負荷50とコンデンサ32との共振周期の半周期分であり、スイッチング周期が誘導性負荷50とコンデンサ32との共振周期より長い時には、MERS30は常に0電圧0電流スイッチング、すなわちソフトスイッチングが可能である。
MERS30に用いられるコンデンサ32は、従来の電圧型インバータと異なり、回路にあるインダクタンスの磁気エネルギーを蓄積するためだけのものである。そのため、コンデンサ容量を従来の電圧型インバータの電圧源コンデンサに比べて著しく小さくできる。コンデンサ容量は、負荷との共振周期がスイッチング周波数より短くなるように選定する。
また、MERS30をゲートパルス発生装置として用いた場合、各MERS30に固有のIDナンバーを付与することができ、これを用いて外部からの制御信号を受信して各MERS30を制御することができる。たとえば、インターネットなどの通信回線を利用して無線で制御信号を送り、MERS30を無線制御できる。
上述のMERS組み込みシステム10では、MERS30は4つの逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4で形成されるブリッジ回路と、ブリッジ回路の直流端子間に接続されたコンデンサ32とからなる構成であったが、MERS30は次のような構成であってもよい。
図6および図7は、MERS30の他の態様を示す図である。
図6に示すMERS30は、上述の4つの逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4と1つのコンデンサ32とからなるフルブリッジ型のMERS30に対して、2つの逆導通型半導体スイッチと2つのダイオード、および2つのコンデンサで構成される縦型のハーフブリッジ型となっている。
図6に示すMERS30は、上述の4つの逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4と1つのコンデンサ32とからなるフルブリッジ型のMERS30に対して、2つの逆導通型半導体スイッチと2つのダイオード、および2つのコンデンサで構成される縦型のハーフブリッジ型となっている。
より詳細には、この縦型ハーフブリッジ構造のMERS30は、直列に接続された2つの逆導通型半導体スイッチSW5、SW6と、この2つの逆導通型半導体スイッチSW5、SW6と並列に設けられた、直列に接続された2つのコンデンサ33、34と、この2つのコンデンサ33、34それぞれと並列に接続された2つのダイオードD1、D2と、を含んでいる。
図7に示すMERS30は、横型のハーフブリッジ型である。横型のハーフブリッジ型MERSは、2つの逆導通型半導体スイッチと2つのコンデンサで構成されている。
より詳細には、この横型のハーフブリッジ構造MERS30は、第1の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW7およびコンデンサ35と、第1の経路と並列な第2の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW8およびコンデンサ36と、第1、第2の経路に対して並列に結線された配線と、を含んでいる。
より詳細には、この横型のハーフブリッジ構造MERS30は、第1の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW7およびコンデンサ35と、第1の経路と並列な第2の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチSW8およびコンデンサ36と、第1、第2の経路に対して並列に結線された配線と、を含んでいる。
続いて、本実施形態に係る照明制御装置について説明する。
図8は、実施形態1に係る照明制御装置の構成を示す概略図である。
図8は、実施形態1に係る照明制御装置の構成を示す概略図である。
図8に示すように、本実施形態の照明制御装置100は、道路用の照明灯60(60a〜60h)のそれぞれと交流電圧源20との間に、MERS30(30a〜30h)を設けた構成である。照明灯60は、たとえば誘導性負荷を有する照明灯、誘導性負荷に接続された照明灯、または抵抗性負荷を有する照明灯である。誘導性負荷を有する照明灯としては、たとえば放電灯などが挙げられる。放電灯は、たとえば蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯、またはネオン灯である。また、誘導性負荷に接続された照明灯としては、誘導性負荷を持たない白熱灯、LEDなどの光源にリアクトルを接続したものが挙げられる。また、抵抗性負荷を有する照明灯は、抵抗性負荷のみの照明灯であり、白熱灯などが挙げられる。本実施形態では、照明灯60に放電灯を用いた場合を例に説明する。
また、照明制御装置100は、MERS30のゲート位相角を制御してMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整するための調光制御部70(70a〜70h)を備える。また、照明制御装置100は、照明灯60の周囲の状況を検知する状況検知手段として交通量検知センサ80を備える。状況検知手段は、たとえば照明灯60を基準とした所定範囲における外界の状況を検知する。
図9は、調光制御部70の概略構成を説明する機能ブロック図である。
図9に示すように、調光制御部70は、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のゲートG1〜G4に制御信号を送信し、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する制御部40を備える。また、調光制御部70は、交通量検知センサ80の検知結果を受信し、制御部40に送信するセンサ値取得部72と、制御部40が出力電圧の大きさと電流の位相を変更する際に参照するテーブルを保持する参照テーブル保持部74を備える。また、調光制御部70は、照明灯60が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態にある際の負荷電力などのパラメータを保持する待機点灯パラメータ保時部76を備える。さらに調光制御部70は、電流監視部79からの情報に応じて待機点灯パラメータ保時部76に保持された待機点灯時のパラメータを変更するように制御部40に指示する待機点灯パラメータ変更指示部78を備える。
図9に示すように、調光制御部70は、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のゲートG1〜G4に制御信号を送信し、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する制御部40を備える。また、調光制御部70は、交通量検知センサ80の検知結果を受信し、制御部40に送信するセンサ値取得部72と、制御部40が出力電圧の大きさと電流の位相を変更する際に参照するテーブルを保持する参照テーブル保持部74を備える。また、調光制御部70は、照明灯60が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態にある際の負荷電力などのパラメータを保持する待機点灯パラメータ保時部76を備える。さらに調光制御部70は、電流監視部79からの情報に応じて待機点灯パラメータ保時部76に保持された待機点灯時のパラメータを変更するように制御部40に指示する待機点灯パラメータ変更指示部78を備える。
交通量検知センサ80は、照明灯60の照射領域の車両進行方向上流側の交通量を検知し、検知結果を各調光制御部70に送信している。ここで、前記「交通量」には、道路上に停駐車している車両を含めてもよい。また、交通量検知センサ80は、たとえばMERS30による負荷電力の変更速度と車両の規定走行速度とによって決まる所定範囲を検知する。交通量検知センサ80としては、道路交通情報通信システム(Vehicle Information and Communication System:VICS)などの既存のシステムあるいはセンサを用いることができる。なお、図8では、交通量検知センサ80は1つだけ示しているが、交通量検知センサ80の数は特に限定されず、複数の交通量検知センサ80を設けて各場所を検知してもよい。
続いて、照明制御装置100の動作について説明する。
照明制御装置100では、交通量検知センサ80の検知結果に基づいて、調光制御部70の制御部40がMERS30を制御し、MERS30の出力電圧および電流の位相を変更して照明灯60を点灯するための負荷電力を調整している。
照明制御装置100では、交通量検知センサ80の検知結果に基づいて、調光制御部70の制御部40がMERS30を制御し、MERS30の出力電圧および電流の位相を変更して照明灯60を点灯するための負荷電力を調整している。
通常、調光制御部70は、照明灯60が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態となるように、MERS30の出力電圧と電流の位相を制御して負荷電力を調整している。待機点灯状態で照明灯60に出力される負荷電力は、たとえば定格点灯時の負荷電力未満であり、かつ照明灯60が安定的な放電を維持し得る最低の負荷電力である最低負荷電力以上であって、定格点灯時の負荷電力よりも最低負荷電力に近い電力に設定されている。本実施形態では、待機点灯時の負荷電力は、最低負荷電力に、より確実に安定放電状態を維持できるように所定量の電力を上乗せした電力であって、さらに照明灯60の照射範囲内にある物体が所定距離から視認可能な程度の照度となる負荷電力である。ここで、前記「安定的に放電」とは、たとえばフリッカーなどのちらつきが生じない放電状態である。制御部40は、待機点灯パラメータ保時部76に格納されている待機点灯時の負荷電力を参照して、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する。
そして、交通量検知センサ80の検知結果に応じて、待機点灯状態における輝度以上の輝度で照明灯60が点灯するように負荷電力を調整する。このように、通常は待機点灯状態にしておき、交通量の変化に応じて照明灯60の輝度を増大または減少させることで、無駄な電力消費を削減できる。交通量検知センサ80の検知結果に応じた照明灯60の輝度の制御方法としては、たとえば次のような方法がある。
調光制御部70は、図10に示す、必要とされる照明灯60の輝度と交通量との関係に基づいて照明灯60への負荷電力を調整する。図10は、交通量と照明灯60の必要輝度との関係を示す図である。
図10に示すように、照明灯60の必要輝度、たとえば夜間走行時における車両Cの所望の安全性を満たすために必要とされる最低限の輝度は、車両Cの交通量に応じて規定することができる。すなわち、車両Cが存在しない場合には、所定距離だけ離れた位置から道路の存在を確認できるように、照明灯60の輝度は、照明灯60の照射範囲内にある道路が所定距離から視認可能となる前述の待機点灯状態における輝度であればよい。また、車両Cの交通量が少ない場合には、車両同士の接触などの事故の起こる可能性も低く、走行している車両Cの前照灯による道路およびその周辺への照射によって、車両Cの安全性をある程度確保することができる。そのため、照明灯60の輝度は、待機点灯状態の輝度以上ではあるが、比較的低くすることができる。
一方、車両Cの交通量が多くなると、車両Cの安全性は低くなり、安全性を確保するために運転者が他車両の存在をより明確に、またより早期に視認できるようにする必要がある。そのため、照明灯60の輝度の下限値は交通量の増加に応じて高くなる。そして、さらに交通量が多くなった場合には、多数の車両Cの前照灯によって道路およびその周辺が照射されることとなり、道路の照度が高まって運転者の視認性もある程度確保することができる。そのため、照明灯60の輝度の下限値は、所定の交通量aの時点での輝度をピークとして徐々に低くなる。
そこで、調光制御部70は、照明灯60の照射領域の車両進行方向上流側の車両Cの交通量が第1の所定量である所定量aになるまでは、交通量の増加に応じて照明灯60の輝度が増大するように、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して負荷電力を連続的に、すなわち無段階に調整する。そして、車両Cの交通量が所定量a以上となった場合には、交通量の増加に応じて照明灯60の輝度が減少するように、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して負荷電力を無段階に調整する。また、調光制御部は、車両Cの交通量が第2の所定量である所定量aとなるまでは、交通量の減少に応じて照明灯60の輝度が増大し、車両Cの交通量が所定量a未満となった場合には、交通量の減少に応じて照明灯60の輝度が減少するように、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整して負荷電力を無段階に調整する。
参照テーブル保持部74には、図10に示す照明灯60の必要輝度と交通量との関係を記したテーブルが格納されており、制御部40は、このテーブルを参照してゲートG1〜G4に制御信号を送信してMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更する。ここで、前記「所定量」とは、たとえば車両事故が発生する確率の最も高い交通量であり、統計的に求めることができる。あるいは、前記「所定量」は実験的に求めてもよい。また、第1の所定量と第2の所定量は異なっていてもよく、交通量の増加に応じた輝度調整と交通量の減少に応じた輝度調整とでは、異なる参照テーブルを用いて異なる変化態様となるように調整を行ってもよい。なお、状況に応じて、負荷電力を段階的に調整してもよい。
図8は、交通量の少ない照明灯60g、60hの領域から交通量が所定量aである照明灯60a〜60cの領域にかけて交通量が増加している状態を示している。照明灯60a〜60cは、輝度100%、すなわち定格点灯時の点灯状態であり、照明灯60d〜60fは、輝度約70%、すなわち定格点灯時の0.7倍相当の点灯状態であり、照明灯60g、60hは、輝度約60%、すなわち定格点灯時の0.6倍相当の点灯状態となっている。調光制御部70は、車両Cが存在しない場合には、待機点灯時の輝度となるようにMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を制御する。
このように、照明制御装置100では、交流電圧源20と照明灯60との間にMERS30を接続し、調光制御部70によってMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して負荷電力を調整している。そのため、交通量に応じた照明灯60の調光制御が可能となり、無駄な電力消費を抑えることができる。なお、本実施形態では、待機点灯時の負荷電力は、照明灯60の照射範囲内にある道路が所定距離から視認可能な程度の照度となる負荷電力としているが、道路を所定距離から視認可能にする必要がない場合には、待機点灯時の負荷電力を下限である最低負荷電力としてもよい。この場合には、さらなる電力消費の削減が可能となる。
ここで、無駄な電力消費を削減する1つの方法としては、複数ある照明灯60の一部を消灯することで、照明灯60全体としての消費電力を低減する方法が考えられる。しかしながら、この場合には、個々の照明灯60をON/OFF制御するため、道路の照射領域が変わってしまい、運転者の視認性の確保などが困難になってしまうおそれがある。一方、本実施形態の照明制御装置100の場合には、通常時は照明灯60を待機点灯状態に維持しているため、道路の照射範囲を変えることなく無駄な電力消費を削減することができる。
また、放電灯のうち、特に水銀灯もしくはナトリウム灯などでは、消灯後の再点灯に数分以上かかるため、照明灯60をON/OFF制御した場合には、短時間での輝度の増大、たとえば短時間での定格点灯状態への回復が困難である。これに対し、照明制御装置100では、照明灯60の放電が可能な最低限の電流を流すようにMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整して照明灯60の点灯状態を維持しているため、短時間での輝度の増大が可能となる。また、照明灯60をOFFにすることなく、その輝度をMERS30によって減光することで、ON/OFFの繰り返しによる照明灯60の寿命の短縮を抑制できる。
照明灯60の輝度を減少させる場合、たとえば、照明灯60a〜60cの領域のように車両Cの交通量が所定量aの状態から、照明灯60g、60hの領域のように車両Cの交通量が少ない状態へ、交通量が急激に変化した場合には、調光制御部70は、照明灯60の輝度を交通量の変化に追従して急激に変化させず、より長い時間をかけて下げるように制御してもよい。また、逆に交通量が急激に増大した場合にも、調光制御部70は、図11に示す関係を満たす範囲内で照明灯60の輝度をより長い時間をかけて上げるように制御してもよい。すなわち、調光制御部70は、単位時間あたりの輝度の変化量が所定値以下となるように、照明灯60の輝度を変化させてもよい。これによれば、照明灯60の輝度が急激に増減するのを防ぐことができ、照明灯60の輝度の急激な変化によって運転者に与える不快なグレアや違和感を軽減することができる。なお、前記「所定値」は、たとえば運転者に不快なグレアや違和感を与えない変化量であり、これは実験的に求めることができる。
また、照明灯60は、経年劣化などにより電極が劣化し、電流が流れにくくなって輝度が低下していく。そのため、調光制御部70が予め規定されたパラメータを用いて待機点灯状態になるようにMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整した際に、待機点灯状態を維持できずに消灯してしまうおそれがある。そこで、調光制御部70は、予め規定された待機点灯状態での負荷電力で照明灯60が待機点灯状態を維持できなくなった場合に、待機点灯状態での負荷電力を増大させるようにMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する制御を行うようにしてもよい。この制御は、たとえば以下のようにして行うことができる。
まず、電流計などの電流監視部79によって、照明灯60に流れる電流が監視されており、電流監視部79が照明灯60に流れる電流量が所定量以下になったことを検知すると、待機点灯パラメータ変更指示部78に信号を送信する。電流監視部79からの信号を受けた待機点灯パラメータ変更指示部78は、制御部40に対して、待機点灯時の負荷電力を変更するように指示する。制御部40は、待機点灯パラメータ変更指示部78から指示を受けると、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して照明灯60に供給する負荷電力を増加させる。前記「所定量」は、待機点灯状態における電流量であり、待機点灯パラメータ保時部76に保持されている。
負荷電力の増加によって照明灯60が点灯すると、待機点灯パラメータ変更指示部78は、電流監視部79からの監視結果によって照明灯60が点灯したことを認識する。さらに、待機点灯パラメータ変更指示部78は、たとえば時間の経過を監視することで、最低負荷電力に所定量の電力だけ増加して待機点灯時の負荷電力となったことを認識する。
待機点灯パラメータ変更指示部78は、待機点灯時の負荷電力となったことを認識すると、制御部40に対してMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相の調整を停止するように指示する。待機点灯パラメータ変更指示部78から停止指示を受けた制御部40は、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相の調整を停止するとともに、その時点での負荷電力の値などを新たなパラメータとして待機点灯パラメータ保時部76に格納する。
この制御は、電流監視部79の代わりに、あるいは電流監視部79とともに照明灯60の輝度を検知する照度センサなどの輝度検知センサを設け、待機点灯状態にある照明灯60の輝度が所定値未満となったときに行うようにしてもよい。電流監視部79および輝度検知センサを組み合わせた場合には、より精度よく照明灯60の消灯を回避することができる。
あるいは、この制御は、照明灯60の使用時間が所定時間以上となったときに行うようにしてもよい。照明灯60の使用時間は、たとえば調光制御部70に記憶しておく。この場合には、より簡単な構成で、照明灯60の消灯を回避することができる。
なお、本実施形態の照明制御装置100では、各照明灯60に対してMERS30と調光制御部70とを設けているが、複数の照明灯60に1組のMERS30と調光制御部70とを設け、これら複数の照明灯60を一系統として系統毎に調光制御するようにしてもよい。
以上、本実施形態に係る照明制御装置100では、照明灯60にMERS30および調光制御部70を設け、交通量検知センサ80の検知結果に基づいて、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して照明灯60の輝度を無段階に調整している。そのため、車両Cの交通量に応じた照明灯60の調光が可能となり、無駄な電力の消費を削減することができる。また、本実施形態の照明制御装置100では、照明灯60と交流電圧源20との間にMERS30を組み込むだけであるため、調光制御対応のインバータ方式の蛍光灯以外の既存の照明灯であっても、調光制御を行うことができる。また、MERS30は簡単な構成であるため、その価格は安価である。そのため、照明制御装置100を導入するコストは非常に低く抑えることができる。さらに、MERS30は上述のように簡単な構成であるため、そのサイズは小さい。そのため、既存の照明灯への設置を簡単に行うことができる。
さらに、照明制御装置100では、照明灯60をOFFにすることなく、その輝度をMERS30によって調整することで道路の照度を調整している。そのため、ON/OFFの繰り返しによる照明灯60の寿命の短縮を抑制でき、結果的に照明灯60の長寿命化を図ることができる。また、交通量検知センサ80としては、VICSなどの既存のシステムあるいはセンサなどを流用できるため、照明制御装置100の導入コストを抑えることができる。
また、MERS30の逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4が故障した場合は、交流電圧源20と照明灯60とが導通状態となるだけであり、MERS30の故障によって照明灯60が点灯不能な状態に陥ることはない。そのため、既存の交流電圧源20と照明灯60との間にMERS30を組み込んでも、それによる安全性の低下などの問題は生じない。
(実施形態2)
本実施形態に係る照明制御装置100は、公園の照明灯に適用した場合の例である。以下、本実施形態について説明する。なお、MERS30の構成および動作については、実施形態1と同様であるため、説明は省略する。また、その他実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
本実施形態に係る照明制御装置100は、公園の照明灯に適用した場合の例である。以下、本実施形態について説明する。なお、MERS30の構成および動作については、実施形態1と同様であるため、説明は省略する。また、その他実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
図11は、実施形態2に係る照明制御装置100の構成を示す概略図である。
図11に示すように、本実施形態の照明制御装置100は、公園内に設置された照明灯60(60i〜60k)のそれぞれと交流電圧源20との間に、MERS30(30i〜30k)を設けた構成である。照明灯60は、たとえば誘導性負荷を有する照明灯、誘導性負荷に接続された照明灯、または抵抗性負荷を有する照明灯である。誘導性負荷を有する照明灯としては、たとえば放電灯などが挙げられる。放電灯は、たとえば蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯、またはネオン灯である。また、誘導性負荷に接続された照明灯としては、誘導性負荷を持たない白熱灯、LEDなどの光源にリアクトルを接続したものが挙げられる。また、抵抗性負荷を有する照明灯は、抵抗性負荷のみの照明灯であり、白熱灯などが挙げられる。本実施形態では、照明灯60に放電灯を用いた場合を例に説明する。
図11に示すように、本実施形態の照明制御装置100は、公園内に設置された照明灯60(60i〜60k)のそれぞれと交流電圧源20との間に、MERS30(30i〜30k)を設けた構成である。照明灯60は、たとえば誘導性負荷を有する照明灯、誘導性負荷に接続された照明灯、または抵抗性負荷を有する照明灯である。誘導性負荷を有する照明灯としては、たとえば放電灯などが挙げられる。放電灯は、たとえば蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯、またはネオン灯である。また、誘導性負荷に接続された照明灯としては、誘導性負荷を持たない白熱灯、LEDなどの光源にリアクトルを接続したものが挙げられる。また、抵抗性負荷を有する照明灯は、抵抗性負荷のみの照明灯であり、白熱灯などが挙げられる。本実施形態では、照明灯60に放電灯を用いた場合を例に説明する。
また、照明制御装置100は、MERS30のゲート位相角を制御してMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整するための調光制御部70(70i〜70k)を備える。また、照明制御装置100は、照明灯60を基準とした所定範囲における外界の状況を検知する状況検知手段として人感センサ90を備える。
図12は、調光制御部70の概略構成を説明する機能ブロック図である。
図12に示すように、調光制御部70は、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のゲートG1〜G4に制御信号を送信してゲート位相を制御し、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する制御部40を備える。また、調光制御部70は、人感センサ90の検知結果を受信し、制御部40に送信するセンサ値取得部72を備える。また、調光制御部70は、照明灯60が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態にある際の負荷電力などのパラメータを保持する待機点灯パラメータ保時部76を備える。さらに調光制御部70は、電流監視部79からの情報に応じて待機点灯パラメータ保時部76に保持された待機点灯時のパラメータを変更するように制御部40に指示する待機点灯パラメータ変更指示部78を備える。
図12に示すように、調光制御部70は、逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4のゲートG1〜G4に制御信号を送信してゲート位相を制御し、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する制御部40を備える。また、調光制御部70は、人感センサ90の検知結果を受信し、制御部40に送信するセンサ値取得部72を備える。また、調光制御部70は、照明灯60が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態にある際の負荷電力などのパラメータを保持する待機点灯パラメータ保時部76を備える。さらに調光制御部70は、電流監視部79からの情報に応じて待機点灯パラメータ保時部76に保持された待機点灯時のパラメータを変更するように制御部40に指示する待機点灯パラメータ変更指示部78を備える。
人感センサ90は、照明灯60の周囲における人の存在を検知し、検知結果を各調光制御部70に送信している。人感センサ90としては、公知のセンサを用いることができる。なお、図11では、人感センサ90は1つだけ示しているが、人感センサ90の数は特に限定されず、たとえば各照明灯60のハウジング内に人感センサ90を設け、各場所を検知してもよい。
続いて、照明制御装置100の動作について説明する。
照明制御装置100では、人感センサ90の検知結果に基づいて、調光制御部70の制御部40がMERS30を制御し、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して照明灯60を点灯するための負荷電力を調整している。
照明制御装置100では、人感センサ90の検知結果に基づいて、調光制御部70の制御部40がMERS30を制御し、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して照明灯60を点灯するための負荷電力を調整している。
通常、調光制御部70は、照明灯60が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態となるように、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して負荷電力を調整している。待機点灯状態で照明灯60に出力される負荷電力は、たとえば定格点灯時の負荷電力未満であり、かつ照明灯60が安定的な放電を維持し得る最低の負荷電力である最低負荷電力以上であって、定格点灯時の負荷電力よりも最低負荷電力に近くなるように設定されている。本実施形態では、待機点灯時の負荷電力は、最低負荷電力に、より確実に安定放電状態を維持できるように所定量の電力を上乗せした電力である。制御部40は、待機点灯パラメータ保時部76に格納されている待機点灯時の負荷電力を参照して、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する。
そして、人感センサ90の検知結果に応じて、人が検知された範囲に光照射する照明灯60の輝度を、人が検知されなかった領域に光照射する照明灯60の輝度と異ならせる。たとえば、人が検知された範囲に光照射する照明灯60を、待機点灯状態における輝度以上の輝度で点灯させるように負荷電力を調整する。このように、通常は待機点灯状態にしておき、人Hの存在に応じて照明灯60の輝度を増大させるようにすることで、無駄な電力消費を削減できる。なお、人が検知された範囲の輝度を他の範囲の輝度よりも下げるなど、状況に応じて適宜変更することができる。人感センサ90の検知結果に応じた照明灯60の輝度の制御方法としては、たとえば次のような方法がある。
図11に示すように、人感センサ90によって人Hの存在が検知された範囲に光照射する照明灯60jの輝度を制御する調光制御部70jは、その輝度が、人感センサ90によって人の存在が検知されなかった範囲に光照射する照明灯60i、60kの輝度よりも大きくなるように、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して負荷電力を連続的、すなわち無段階に調整する。たとえば、調光制御部70jは、輝度が100%、すなわち定格点灯時の点灯状態となるようにMERS30jを制御する。また、調光制御部70i、70jは、たとえば待機点灯時の輝度となるようにMERS30i、30kを制御する。なお、状況に応じて、負荷電力を段階的に調整してもよい。
なお、人感センサ90によって人の存在が検知されなかった範囲に光照射する照明灯60の輝度については、待機点灯時の輝度に限定されず、待機点灯時の輝度より大きい輝度であってもよい。たとえば、待機点灯時の輝度が、照明灯60の照射範囲内にある領域を所定距離から視認できない程度の輝度である場合には、照明灯60の照射範囲内にある領域が所定距離から視認可能となる輝度としてもよい。この場合には、公園の存在を周囲に知らしめることが可能となる。
また、人の存在が検知されなかった範囲に光照射する照明灯60のうち、人Hの存在が検知された範囲に光照射する照明灯60に隣接する照明灯60については、残りの人の存在が検知されなかった範囲に光照射する照明灯60よりもその輝度を大きくするようにするなど、人の存在が検知されなかった範囲に光照射する照明灯60の輝度を多段階に調整するようにしてもよい。
このように、照明制御装置100では、交流電圧源20と照明灯60との間にMERS30を接続し、調光制御部70によってMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して負荷電力を調整している。そのため、人Hの存在に応じた照明灯60の調光制御が可能となり、無駄な電力消費を抑えることができる。
ここで、無駄な電力消費を削減する1つの方法としては、複数ある照明灯60の一部を消灯することで、照明灯60全体としての消費電力を低減する方法が考えられる。しかしながら、この場合には、個々の照明灯60をON/OFF制御するため、照射領域が変わってしまう可能性があり、また明暗の変化が著しいため見る者に強い違和感を与えるおそれがあり、好ましくない。一方、本実施形態の照明制御装置100の場合には、通常時は照明灯60を待機点灯状態に維持しているため、照射範囲を変えることなく、また見る者に与える違和感を抑えながら、無駄な電力消費を削減することができる。
また、放電灯のうち、特に水銀灯あるいはナトリウム灯などでは、消灯後の再点灯に数分以上かかるため、照明灯60をON/OFF制御した場合には、短時間での輝度の増大、たとえば短時間での定格点灯状態への回復が困難である。これに対し、照明制御装置100では、照明灯60が安定的な放電を維持し得る最低の負荷電力を供給するようにMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整して照明灯60の点灯状態を維持しているため、短時間での輝度の増大が可能となる。また、照明灯60をOFFにすることなく、その輝度をMERS30によって減光することで、ON/OFFの繰り返しによる照明灯60の寿命の短縮を抑制できる。
照明灯60の輝度を減少させる場合には、調光制御部70は、照明灯60の輝度を人Hの移動に追従して急激に変化させず、より長い時間をかけて下げるように制御してもよい。また、輝度を増大させる場合にも、調光制御部70は、照明灯60の輝度をより長い時間をかけて上げるように制御してもよい。すなわち、調光制御部70は、単位時間あたりの輝度の変化量が所定値以下となるように、照明灯60の輝度を変化させてもよい。これによれば、照明灯60の輝度が急激に増減するのを防ぐことができ、照明灯60の輝度の急激な変化によって人Hに与える不快なグレアや違和感を軽減することができる。なお、前記「所定値」は、たとえば人Hに不快なグレアや違和感を与えない変化量であり、これは実験的に求めることができる。
また、照明灯60は、経年劣化などにより電極が劣化し、電流が流れにくくなって輝度が低下していく。そのため、調光制御部70が予め規定されたパラメータを用いて待機点灯状態になるようにMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整した際に、待機点灯状態を維持できずに消灯してしまうおそれがある。そこで、調光制御部70は、予め規定された待機点灯状態での負荷電力で照明灯60が待機点灯状態を維持できなくなった場合に、待機点灯状態での負荷電力を増大させるようにMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を調整する制御を行うようにしてもよい。この制御は、たとえば以下のようにして行うことができる。
まず、電流計などの電流監視部79によって、照明灯60に流れる電流が監視されており、電流監視部79が照明灯60に流れる電流量が所定量以下になったことを検知すると、待機点灯パラメータ変更指示部78に信号を送信する。電流監視部79からの信号を受けた待機点灯パラメータ変更指示部78は、制御部40に対して、待機点灯時の負荷電力を変更するように指示する。制御部40は、待機点灯パラメータ変更指示部78から指示を受けると、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して照明灯60に供給する負荷電力を増加させる。前記「所定量」は、待機点灯状態における電流量であり、待機点灯パラメータ保時部76に保持されている。
負荷電力の増加によって照明灯60が点灯すると、待機点灯パラメータ変更指示部78は、電流監視部79からの監視結果によって照明灯60が点灯したことを認識する。さらに、待機点灯パラメータ変更指示部78は、たとえば時間の経過を監視することで、最低負荷電力に所定量の電力だけ増加して待機点灯時の負荷電力となったことを認識する。
待機点灯パラメータ変更指示部78は、待機点灯時の負荷電力となったことを認識すると、制御部40に対してMERS30の出力電圧の大きさと電流の位相の調整を停止するように指示する。待機点灯パラメータ変更指示部78から停止指示を受けた制御部40は、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相の調整を停止するとともに、その時点での負荷電力の値などを新たなパラメータとして待機点灯パラメータ保時部76に格納する。
この制御は、電流監視部79の代わりに、あるいは電流監視部79とともに照明灯60の輝度を検知する輝度検知センサを設け、待機点灯状態にある照明灯60の輝度が所定値未満となったときに、行うようにしてもよい。電流監視部79および輝度検知センサを組み合わせた場合には、より精度よく照明灯60の消灯を回避することができる。
あるいは、この制御は、照明灯60の使用時間が所定時間以上となったときに、行うようにしてもよい。照明灯60の使用時間は、たとえば調光制御部70に記憶しておく。この場合には、より簡単な構成で、照明灯60の消灯を回避することができる。
なお、本実施形態の照明制御装置100では、各照明灯60に対してMERS30と調光制御部70とを設けているが、複数の照明灯60に1組のMERS30と調光制御部70とを設け、これら複数の照明灯60を一系統として系統毎に調光制御するようにしてもよい。
以上、本実施形態に係る照明制御装置100では、照明灯60にMERS30および調光制御部70を設け、人感センサ90の検知結果に基づいて、MERS30の出力電圧の大きさと電流の位相を変更して照明灯60の輝度を無段階に調整している。そのため、人Hの存在する領域のみを通常点灯状態で照射し、他の領域をより少ない輝度で照射することが可能となり、無駄な電力の消費を削減することができる。また、本実施形態の照明制御装置100では、照明灯60と交流電圧源20との間にMERS30を組み込むだけであるため、調光制御対応のインバータ方式の蛍光灯以外の既存の照明灯であっても、調光制御を行うことができる。また、MERS30は簡単な構成であるため、その価格は安価である。そのため、照明制御装置100を導入するコストは非常に低く抑えることができる。さらに、MERS30は上述のように簡単な構成であるため、そのサイズは小さい。そのため、既存の照明灯への設置を簡単に行うことができる。また、人Hの存在領域を他の領域と比較してより明るくできるため、周囲に人Hの存在を報知することができ、防犯効果も得られる。
さらに、照明制御装置100では、照明灯60をOFFにすることなく、その輝度をMERS30によって調整することで輝度を低減している。そのため、ON/OFFの繰り返しによる照明灯60の寿命の短縮を抑制でき、結果的に照明灯60の長寿命化を図ることができる。
また、MERS30の逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4が故障した場合は、交流電圧源20と照明灯60とが導通状態となるだけであり、MERS30の故障によって照明灯60が点灯不能な状態に陥ることはない。そのため、既存の交流電圧源20と照明灯60との間にMERS30を組み込んでも、それによる安全性の低下などの問題は生じない。
なお、実施形態2では照明制御装置100を公園の照明灯に適用した場合を例として示したが、たとえば、トンネル内の照明灯に適用することもできる。照明制御装置100をトンネル内の照明灯に適用した場合には、状況検知手段として車両検知センサを用い、車両検知センサでトンネル内および車両進行方向上流側の所定領域内の車両Cの存在を検知する。そして、車両検知センサの検知結果に基づいて、トンネル内の照明灯の輝度を制御する。すなわち、車両Cが車両検知センサの検知エリア内に存在しない場合には、照明灯の輝度を低減することで無駄な電力消費を削減できる。
また、照明灯がOFFにならないように調整されるため、照明灯に水銀灯やナトリウム灯などの再点灯時の立ち上がりの遅い放電灯が用いられている場合であっても、迅速に輝度を所望の量まで増大させることが可能である。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
たとえば、上述の各実施形態では、状況検知手段としての交通量検知センサ、人感センサ、あるいは車両検知センサの検知結果に基づいて調光制御部70がMERS30を制御しているが、次のような構成であってもよい。すなわち、ユーザが操作するユーザ操作部としてのスイッチパネルを設け、ユーザが手動でMERS30を制御して照明灯60の輝度を調整するようにしてもよい。また、この場合には、各MERS30に対して固有の識別情報としてIDナンバーなどを付与し、無線通信などによって各照明灯60の輝度を遠隔操作で調整するようにしてもよい。また、天候なども視界に影響するため、状況検知手段は天候を検知するものであってもよい。さらに、状況検知手段は、化学物質の濃度、明るさ、振動、温度、放射能などを検知するものであってもよい。
また、ユーザによるスイッチパネルを介した照明灯の輝度の調整と、状況検知手段の検知結果に基づく照明灯の輝度の調整とを併用するようにしてもよい。この場合には、状況検知手段の検知結果に応じて自動的に調光することができるとともに、手動での調整によって状況の変化に迅速に対応することが可能となる。
さらに、上述の各実施形態に示した照明灯60の輝度の調整制御は、駐車場、建物内の通路、空港、湾港、駅のプラットフォーム、工場、倉庫、非常階段用照明などにも状況に応じて適用することが可能である。
本発明は、照明機器に利用できる。
Claims (15)
- 照明灯と電源との間に接続され、前記電源から前記照明灯に出力される、前記照明灯を点灯するための負荷電力を調整する負荷電力調整スイッチと、
前記負荷電力調整スイッチを制御する調光制御部と、
前記照明灯の照射領域の車両進行方向上流側の車両の交通量を検知する交通量検知手段と、
を備え、
前記調光制御部は、前記照明灯が定格点灯時の輝度未満の輝度で点灯する待機点灯状態となるように負荷電力を調整し、前記交通量検知手段の検知結果に応じて、前記照明灯が前記待機点灯状態における輝度以上の輝度で点灯する状態となるように負荷電力を調整すべく、前記負荷電力調整スイッチを制御し、
更に前記調光制御部は、前記交通量検知手段によって検知された車両の交通量が第1の所定量となるまでは、交通量の増加に応じて前記照明灯に供給する負荷電力が増大し、車両の交通量が前記第1の所定量以上となった場合には、交通量の増加に応じて前記照明灯に供給する負荷電力が減少するように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする照明制御装置。 - 前記調光制御部は、前記交通量検知手段によって検知された車両の交通量が第2の所定量となるまでは、交通量の減少に応じて前記照明灯に供給する負荷電力が増大し、車両の交通量が前記第2の所定量未満となった場合には、交通量の減少に応じて前記照明灯に供給する負荷電力が減少するように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
- 前記負荷電力調整スイッチは、少なくとも2つの逆導通型半導体スイッチと、電流遮断時の電流の磁気エネルギーを蓄積して前記照明灯に回生するためのコンデンサと、を有し、前記逆導通型半導体スイッチのゲート位相を制御することで、前記照明灯に供給する負荷電力を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御装置。
- 前記照明灯は、誘導性負荷を有する照明灯であり、
前記待機点灯状態で前記照明灯に出力される負荷電力は、定格点灯時の負荷電力未満かつ前記照明灯が放電を維持し得る最低負荷電力以上であって、定格点灯時の負荷電力よりも前記最低負荷電力に近いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の照明制御装置。 - 前記調光制御部は、前記照明灯の輝度が無段階に変化するように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の照明制御装置。
- 前記調光制御部は、単位時間あたりの前記照明灯の輝度の変化量が所定値以下となるように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明制御装置。
- 前記調光制御部は、予め規定された前記待機点灯状態での負荷電力で前記照明灯が点灯できなくなった場合に、前記待機点灯状態での負荷電力を増大させるように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の照明制御装置。
- 前記照明灯に流れる電流を監視する電流監視部を備え、
前記調光制御部は、前記待機点灯状態において前記照明灯に電流が流れなくなったことが前記電流監視部によって検知されたときに、前記待機点灯状態での負荷電力を増大させるように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする請求項7に記載の照明制御装置。 - 前記照明灯の輝度を測定する輝度検知センサを備え、
前記調光制御部は、前記待機点灯状態にある前記照明灯の輝度が所定値未満となったことが前記輝度検知センサによって検知されたときに、前記待機点灯状態での負荷電力を増大させるように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする請求項7または8に記載の照明制御装置。 - 前記調光制御部は、前記照明灯の使用時間が所定時間以上となったときに、前記待機点灯状態での負荷電力を増大させるように、前記負荷電力調整スイッチを制御することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の照明制御装置。
- ユーザが手動で前記負荷電力調整スイッチを制御するためのユーザ操作部を備え、
前記負荷電力調整スイッチは、前記ユーザ操作部を介して制御されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の照明制御装置。 - 前記負荷電力調整スイッチは、4つの逆導通型半導体スイッチで構成されるブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路の直流端子間に接続され、電流遮断時の電流の磁気エネルギーを蓄積して前記照明灯に回生するためのコンデンサと、を有し、
前記調光制御部は、前記逆導通型半導体スイッチのゲートに制御信号を送り、前記ブリッジ回路の対角線上に位置する2つの逆導通型半導体スイッチからなるペア2組のうち、一方のペアがONの時に他方のペアがOFFとなるように、各ペアの逆導通型半導体スイッチのON/OFF切換を前記電源の周波数に同期して行うことで、前記照明灯に供給する負荷電力量を調整することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の照明制御装置。 - 前記負荷電力調整スイッチは、
直列に接続された2つの逆導通型半導体スイッチと、
前記2つの逆導通型半導体スイッチと並列に設けられた、直列に接続された2つのコンデンサと、
前記2つのコンデンサそれぞれと並列に接続された2つのダイオードと、
を含む縦型のハーフブリッジ構造を有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の照明制御装置。 - 前記負荷電力調整スイッチは、
第1の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチおよびコンデンサと、
前記第1の経路と並列な第2の経路上に直列に設けられた逆導通型半導体スイッチおよびコンデンサと、
前記第1、第2の経路に対して並列に結線された配線と、
を含む横型のハーフブリッジ構造を有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の照明制御装置。 - 前記照明灯は、誘導性負荷を有する照明灯、誘導性負荷に接続された照明灯、または抵抗性負荷を有する照明灯であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の照明制御装置。
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