JPWO2009142143A1 - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

併用するポリオールとの相溶性が高く、貯蔵安定性に優れると共に、フォームとした際に良好な断熱性能が得られるポリマー分散ポリオールを用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。ポリオール(Z)とポリイソシアネートとを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(Z)はポリオール(Z1)にポリマー分散ポリオール(A)を混合したものであり、平均水酸基価が200〜800mgKOH/gである。(A)はポリオール(X)中でモノマーを重合させたものであり、(X)はポリエーテルポリオール(Y)を含み、(Y)はオキシエチレン基含有量が15質量%以上であって、水酸基価200〜800mgKOH/gのポリオールY1と水酸基価5〜84mgKOH/gのポリオールY2を含む。モノマーは含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレートを含む。

Description

本発明は、硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを発泡剤等の存在下で反応させて製造される硬質発泡合成樹脂(たとえば、硬質ポリウレタンフォーム、イソシアヌレートフォーム、ポリウレアフォーム等;以下、「硬質フォーム」ということがある。)は、独立気泡を有する断熱材として広く用いられている。
該硬質フォームに用いられる発泡剤としては、水、低沸点のハイドロフルオロカーボン化合物や炭化水素化合物が主に用いられている。
ボード等に代表される硬質フォームにおいては、原料の使用量削減によるコストダウンや軽量化のため、フォームの更なる低密度化が要望されている。しかし、フォームの低密度化に伴って、フォーム強度が低下し、硬質フォームに収縮が生じやすい問題がある。
また、発泡剤においては、環境への負荷を考慮して、低沸点のハイドロフルオロカーボン化合物を削減して水を増やしたり、引火性の点を考慮して、炭化水素化合物を削減して水を増やしたり、また、低沸点のハイドロフルオロカーボン化合物や炭化水素化合物を使用しないで水だけを使用したりする技術が検討されている。
しかし、ハイドロフルオロカーボン化合物もしくは炭化水素化合物と、水とを併用してフォームの低密度化を図ったり、または、水だけで発泡させたり等の水発泡によりフォームを低密度化した場合、フォームが顕著に収縮しやすくなってフォームの寸法安定性が悪くなる。
前記フォームの寸法安定性の対策としては、通常、フォームの密度を高めてフォーム強度を上げること、または、フォームの気泡を連続気泡にすること等が挙げられる。
しかし、フォームの密度を高める対策では、原料の使用量が多くなるためコストアップとなる。また、フォームの気泡を連続気泡化する対策では、フォームの寸法安定性は向上するものの、充分な断熱性能を得ることができない。
すなわち、硬質フォームにおいては、発泡剤として水を多用する、または、水だけで発泡する場合、フォームの寸法安定性が良好で、充分な断熱性能を有するものが望まれている。
従来、硬質ポリウレタンフォームの収縮を防止して寸法安定性を向上させる公知技術として含フッ素化合物、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)類を用いた方法が提案されている(特許文献1、2参照)。特許文献1、2に記載の方法によれば、粒径の小さなPTFEの添加により、フォームに微細な空孔を開けることで寸法安定性が向上すると共に、良好な断熱性能も得られる。
また、ポリオール成分中にポリマー分散ポリオールを配合する方法が提案されている(特許文献3、4参照)。
「ポリマー分散ポリオール」とは、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオール中に、ポリマー微粒子が分散したポリオールである。
該ポリマー分散ポリオールは、従来から、軟質フォームまたは半硬質フォームの硬度を向上させるために用いられている。
ポリマー分散ポリオールを製造する方法の代表的な例としては、以下の方法が知られている。すなわち、重合性不飽和結合を有しない飽和ポリオール中で、場合によっては重合性不飽和結合を有する不飽和ポリオールも存在する条件下で、重合性不飽和基を有するモノマーの重合を行い、その後、未反応分を除去する方法である。該飽和ポリオールまたは該不飽和ポリオールとしては、各種のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールが知られている。
欧州特許出願公開第0224945号明細書 特表平8−503720号公報 特開昭57−25313号公報 特開平11−302340号公報
しかし、たとえば特許文献1、2に記載の方法等に使用されている含フッ素化合物は、一般的に、有機物に対する溶解性が乏しいため、PTFE等の含フッ素化合物を、ポリオール化合物に添加して貯蔵した場合、含フッ素化合物とポリオール化合物とが分離する等、貯蔵安定性が不充分であり、硬質ポリウレタンフォームを安定に製造できないことが分かった。
また、特許文献3に記載の方法において使用されるポリマー分散ポリオールは、分子量の小さい硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールと混合した際の貯蔵安定性が充分ではないため、硬質ポリウレタンフォームを安定に製造できず、また、硬質ポリウレタンフォームとした際の寸法安定性と断熱性能の両立が困難であることが分かった。
特許文献4に記載の方法では、寸法安定性と断熱性能の両立を目的としており、断熱性能すなわち熱伝導率についてはなお課題が残っていた。
よって本発明は、寸法安定性が良好で、充分な断熱性能を有する硬質ポリウレタンフォームが得られると共に、使用するポリマー分散ポリオールと硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールとの混合物(ポリオール成分)を貯蔵した場合の貯蔵安定性に優れ、従って硬質ポリウレタンフォームを安定に製造できる硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
なお、本発明における「貯蔵安定性」とは、ポリマー分散ポリオールと硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールとの混合物(ポリオール成分)を貯蔵した場合に該混合物の均一性を保つことができる特性を意味する。貯蔵安定性が悪い場合、ポリマー微粒子がポリオール化合物から分離する、または該混合物中において、ポリマー分散ポリオールが移行して組成が不均一となる等、安定した品質の硬質ポリウレタンフォームを得ることが困難となる。
本発明は、ポリオール成分(Z)とポリイソシアネート成分とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、前記ポリオール成分(Z)は、ポリオール(Z1)と下記ポリマー分散ポリオール(A)を混合して得られたものであり、かつ平均水酸基価が200〜800mgKOH/gであることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法である。
ただし、ポリマー分散ポリオール(A)は、ポリオール(X)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させることにより、ポリマー微粒子がポリオール中に分散したものであり、前記ポリオール(X)はポリエーテルポリオール(Y)を含み、ポリエーテルポリオール(Y)はオキシエチレン基含有量が15質量%以上であり、かつ該ポリエーテルポリオール(Y)は水酸基価200〜800mgKOH/gのポリオールAと水酸基価5〜84mgKOH/gのポリオールBを含み、前記重合性不飽和基を有するモノマーは、含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレートを含む。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレートが、下式(1)で表されるモノマーであることが好ましい。
Figure 2009142143
ただし、式(1)中、Rfは炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Zはフッ素原子を含まない2価の連結基であり、ZとRfはRfの炭素数が少なくなるように区切る。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記重合性不飽和基を有するモノマーが、さらにアクリロニトリル、酢酸ビニル及びスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、前記ポリエーテルポリオール(Y)は、オキシエチレン基含有量が20質量%以上であることが好ましい。
前記ポリオールY1とポリオールY2の配合比率(Y1/Y2)が5/95〜70/30(質量比)であることが好ましい。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、前記ポリオールY2は、多価アルコールに、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加重合させて得られるポリオキシアルキレンポリオールであることが好ましい。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、前記重合性不飽和基を有する全モノマー中の前記式(1)で表されるモノマーの割合が30〜100質量%であることが好ましい。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、前記ポリオール成分(Z)中の前記ポリマー分散ポリオール(A)の割合が0.01質量%以上であり、かつ前記ポリオール成分(Z)中の前記ポリマー微粒子の割合が0.001質量%以上であることが好ましい。
また本発明は、ポリオール成分(Z)とポリイソシアネート成分とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、前記ポリオール成分(Z)は、ポリオール(Z1)と前記ポリマー分散ポリオール(A)と、該(A)に含まれないポリマー分散ポリオール(B)を混合して得られたものであり、かつ平均水酸基価が200〜800mgKOH/gであることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
前記ポリオール成分(Z)中における、前記ポリマー分散ポリオール(A)の割合が0.01質量%以上、前記ポリマー分散ポリオール(B)の割合が0.1質量%以上であり、かつ前記ポリオール成分(Z)中の前記ポリマー微粒子の割合が0.001質量%以上であることが好ましい。
前記ポリマー分散ポリオール(A)と前記ポリマー分散ポリオール(B)の混合割合が、質量比A:Bで95:5〜5:95であることが好ましい。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、前記ポリオール成分(Z)が、芳香族環を有する活性水素化合物を開始剤とするポリオキシアルキレンポリオールを含むことが好ましい。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記発泡剤として水単独、または、ハイドロフルオロカーボン化合物および炭化水素化合物から選ばれる少なくとも一種と水とを使用することが好ましい。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、寸法安定性が良好で、充分な断熱性能を有する硬質ポリウレタンフォームが得られる。また、使用するポリマー分散ポリオールを含むポリオール成分を貯蔵した場合の貯蔵安定性に優れるため、硬質ポリウレタンフォームを安定に製造できる。
≪硬質ポリウレタンフォームの製造方法≫
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオール成分(Z)とポリイソシアネート成分とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法である。
以下、各成分の詳細について説明する。
[ポリオール成分(Z)]
本発明におけるポリオール成分(Z)は、ポリオール(Z1)と前記の特定のポリマー分散ポリオール(A)を混合して得られたもの、またはポリオール(Z1)と前記の特定のポリマー分散ポリオール(A)と、該(A)に含まれないポリマー分散ポリオール(B)を混合して得られたものである。
ポリオール(Z1)は、たとえばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等の通常硬質ポリウレタンフォームを製造する際に用いられるポリオール(本明細書において、「硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)」という。)が使用できる。
硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)は、その平均官能基数が2〜8であることが好ましい。
なお、官能基数とは、ポリイソシアネート成分と反応するポリオールの官能基(水酸基)の数を意味し、たとえばポリエーテルポリオールの場合、該ポリエーテルポリオールを製造する際に使用した開始剤の活性水素数に等しい。
硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)として具体的には、後述するポリマー分散ポリオール(A)において説明するポリオール(X)について例示するものと同様のものが挙げられる。
ポリオール成分(Z)の平均水酸基価は200〜800mgKOH/gであり、200〜700mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましい。該平均水酸基価が200mgKOH/g以上であると、得られる硬質ポリウレタンフォームの強度が出やすいため好ましい。該平均水酸基価が800mgKOH/g以下であると、得られる硬質ポリウレタンフォームの脆さが出難いため好ましい。
本発明において、平均水酸基価とは、ポリオール成分(Z)を構成する全ポリオール化合物の水酸基価の平均値を意味する。
ポリオール成分(Z)は、より良好な貯蔵安定性を得るために、芳香族環を有する活性水素化合物を開始剤とするポリオキシアルキレンポリオールを含有することが好ましい。前記芳香族環を有する活性水素化合物としては、ビスフェノール類;トリレンジアミン、メタキシレンジアミンなどの芳香族アミン類;フェノール類、アルデヒド類およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ化合物が好ましい。
(ポリマー分散ポリオール(A))
本発明におけるポリマー分散ポリオール(A)は、ポリオール(X)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させることにより、ポリマー微粒子がポリオール中に分散したものであり、前記ポリオール(X)はポリエーテルポリオール(Y)を含み、ポリエーテルポリオール(Y)はオキシエチレン基含有量が15質量%以上であり、水酸基価200〜800mgKOH/gのポリオールY1と水酸基価5〜84mgKOH/gのポリオールY2を含み、前記重合性不飽和基を有するモノマーは、含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレートを含むものである。
ポリオール成分(Z)が、該ポリマー分散ポリオール(A)を含有することにより、寸法安定性が良好で、充分な断熱性能を有する硬質ポリウレタンフォームが得られる。また、該ポリマー分散ポリオール(A)は、前記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)との相溶性が高く、それらの混合物(ポリオール成分)を貯蔵した場合の貯蔵安定性に優れ、故に硬質ポリウレタンフォームを安定に製造できる。
本発明において、「ポリオール(X)中で」とは、ポリオール(X)単独の中であってもよく、後述の「ポリマー分散ポリオール(A)の製造方法」についての説明において例示する溶媒と、ポリオール(X)との混合物中であってもよい。
・ポリオール(X)
ポリマー分散ポリオール(A)において、ポリオール(X)としては、たとえばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたは末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマーを使用することができる。
ポリエーテルポリオールとしては、たとえば水;多価アルコール、多価フェノール等のポリヒドロキシ化合物;アミン類等の開始剤に、アルキレンオキシド等の環状エーテルを付加重合させて得られるものを使用することができる。
開始剤として具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、シュークロース、トリエタノールアミン等の多価アルコール;ビスフェノールA、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物等の多価フェノール;ピペラジン、アニリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、アンモニア、アミノメチルピペラジン、アミノエチルピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミノ化合物またはそれらの環状エーテル付加物が挙げられる。
前記開始剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
環状エーテルとしては、たとえば環内に1個の酸素原子を有する3〜6員環の環状エーテル化合物を使用することができる。
環状エーテルとして具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、スチレンオキシド、α−メチルスチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピフルオロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシドール、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−クロロエチルグリシジルエーテル、o−クロロフェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、ジヒドロナフタレンオキシド、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等の3員環状エーテル基を有する化合物(モノエポキシド);オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の4〜6員環状エーテル基を有する化合物が挙げられる。
前記のなかでも、3員環状エーテル基を有する化合物(モノエポキシド)が好ましく、炭素数2〜4のアルキレンオキシドがより好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシドまたは2−ブテンオキシドがさらに好ましく、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドが特に好ましい。
前記環状エーテルは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
環状エーテルの2種以上を組み合わせて使用する場合、環状エーテルとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの組み合わせが最も好ましい。その際、前記開始剤に、2種以上の環状エーテルの混合物を付加重合させたり、2種以上の環状エーテルを順次、付加重合させたりすることができる。
本発明において、ポリオール(X)は、特定のポリエーテルポリオール(Y)を少なくとも含む。ポリエーテルポリオール(Y)を含むことにより、前記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)とポリマー分散ポリオール(A)との相溶性が高まってポリオール成分(Z)の貯蔵安定性が向上する。
ポリエーテルポリオール(Y)は、該ポリエーテルポリオール(Y)中のオキシエチレン基含有量が15質量%以上であり、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。一方、該オキシエチレン基含有量は、90質量%以下であることが好ましい。
該オキシエチレン基含有量が15質量%以上であると、ポリマー微粒子が安定に分散し、貯蔵安定性が向上したポリマー分散ポリオールが得られやすくなる。特に、該オキシエチレン基含有量が30質量%以上であると、より長期間(たとえば1ヶ月間程度)の貯蔵安定性に優れたポリマー分散ポリオールが得られやすくなる。
本発明において、「オキシエチレン基含有量」とは、ポリオール化合物中のオキシエチレン基の割合を意味する。ポリオール化合物中のオキシエチレン基の割合(オキシエチレン基含有量)は、日本電子社製、300MHz 1H−NMR(核磁気共鳴)装置を用い、重水素化クロロホルムを溶媒として、ポリオキシアルキレンポリオールのNMRスペクトルを測定することにより測定できる。
また、ポリエーテルポリオール(Y)は、ポリオールY1とポリオールY2を含む。
ポリオールY1の水酸基価は200〜800mgKOH/gであり、300〜700mgKOH/gであることが好ましく、400〜700mgKOH/gであることがより好ましく、500〜700mgKOH/gであることが特に好ましい。該水酸基価が800mgKOH/g以下であると、低粘度であり、ポリオールY2との相溶性も得られやすいことから、貯蔵安定性を良好にすることができる。200mgKOH/g以上であると分散ポリマーの効果が得られやすく、寸法安定性と断熱性能の両立がしやすい。
またポリオールY2の水酸基価は5〜84mgKOH/gであり、10〜67mgKOH/gであることが好ましく、10〜60mgKOH/gであることが特に好ましい。該水酸基価が84mgKOH/g以下であると、低粘度でありながら貯蔵安定性を良好にすることができ、5mgKOH/g以上であると貯蔵安定性が良好になるため好ましい。
前記ポリオールY1とポリオールY2の配合比率(Y1/Y2)は5/95〜70/30(質量比)であることが好ましく、5/95〜55/45(質量比)であることがより好ましく、5/95〜50/50(質量比)であることが特に好ましい。ポリオールY1の質量比が70以下であると低粘度でありながら貯蔵安定性を良好にすることができ、5以上であると硬質ポリウレタンフォームを製造した際に、ポリマー分散ポリオールの少量の添加で寸法安定性と断熱性能を両立することができるため好ましい。
また、前記ポリエーテルポリオール(Y)に含まれるポリオールY1は、上記に挙げた開始剤に、プロピレンオキシドまたはエチレンオキシド、あるいはプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドと他の前記環状エーテルの一種以上とを付加重合させて得られるものが好ましい。ポリオール(Y1)は、開始剤として多価アルコールを使用し、プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドを付加重合させて得られるものがより好ましく、プロピレンオキシドを単独で用いるのが最も好ましい。
ポリオールY1は、開始剤としてグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオールの一種以上を使用し、プロピレンオキシドを単独で付加重合させて得られるものがさらに好ましく、開始剤としてグリセリンを使用し、プロピレンオキシドを単独で付加重合させて得られるものが特に好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(Y)に含まれるポリオールY2は、開始剤として多価アルコールを使用し、プロピレンオキシド、エチレンオキシドまたは他の前記環状エーテルの一種以上とを付加重合させて得られるものが好ましい。ポリオール(Y2)は、開始剤として多価アルコールに、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加重合させて得られるポリオキシアルキレンポリオールがより好ましい。
ポリオールY2は、開始剤としてグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオールの一種以上を使用し、プロピレンオキシドとエチレンオキシドを付加重合させて得られるものがより好ましく、開始剤としてグリセリンのみを使用し、プロピレンオキシドとエチレンオキシドを付加重合させて得られるものがさらに好ましく、開始剤としてグリセリンのみを使用し、プロピレンオキシドとエチレンオキシドを混合したものを付加重合させて得られるものが特に好ましい。また、付加重合に使用する環状エーテルとしてのエチレンオキシドの割合はポリオールY2全体を100質量%として、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜90質量%がより好ましく、20質量%〜80質量%が特に好ましい。
該ポリオキシアルキレンポリオールであると、硬質ウレタンフォームを製造する際、ポリマー分散ポリオールのより少量の添加で断熱性能と寸法安定性の両立が可能となる。また、少量の添加で性能を発現することから、硬質ウレタンフォーム用ポリオール中に混合した際、ポリマー微粒子が安定に分散し、貯蔵安定性が向上できる。
ポリエーテルポリオール(Y)に含まれるオキシエチレン基の総量のうち、50質量%以上がポリオールY2に含まれていることが好ましい。70質量%以上がより好ましく、100質量%が最も好ましい。
ポリオール(X)としてのポリエステルポリオールは、たとえば多価アルコールと多価カルボン酸との重縮合によって得られるポリエステルポリオールを使用することができる。その他、たとえばヒドロキシカルボン酸の重縮合、環状エステル(ラクトン)の重合、ポリカルボン酸無水物への環状エーテルの重付加、廃ポリエチレンテレフタレートのエステル交換反応によって得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリオール(X)としての末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマーは、たとえばポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリブタジエンポリオールを使用することができる。
本発明において、ポリオール(X)としては、前記ポリエーテルポリオール(Y)を少なくとも含み、該ポリエーテルポリオール以外に、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオール(Y)の含有量は、ポリオール(X)中、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが最も好ましい。該含有量が50質量%以上、最も好ましくは100質量%であると、ポリマー微粒子が安定に分散したポリマー分散ポリオール(A)が得られやすく貯蔵安定性が向上する。
・重合性不飽和基を有するモノマー
ポリマー分散ポリオール(A)の製造に用いられる重合性不飽和基を有するモノマーは、含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレート(以下、「含フッ素モノマー」ということがある。)を含む。
該含フッ素モノマーを含むことにより、前記ポリオール(X)中でのポリマー微粒子の分散安定性が良好となる。また、使用するポリマー分散ポリオール(A)と前記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)との相溶性が高まって貯蔵安定性が向上し、硬質ポリウレタンフォームを安定に製造しやすくなる。さらに、硬質ポリウレタンフォームとした際、寸法安定性が良好となり、同時に、良好な断熱性能も得られやすくなる。
本発明において、含フッ素モノマーの好適なものとしては、ポリオール(X)との相溶性が高いことから、前記式(1)で表されるモノマーが挙げられる。
前記式(1)中、Rfは、炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基である。Rfにおいて、炭素数は1〜18であり、1〜10であることが好ましく、3〜8であることがより好ましい。
Rfは、アルキル基中のフッ素原子の割合(アルキル基中の水素原子がフッ素原子に置換されている個数の割合)が、80%以上であることが好ましく、全部の水素原子がフッ素原子で置換されていることが特に好ましい。炭素数が18以下であると、硬質ポリウレタンフォーム製造における発泡時、フォームの安定性が良好となり好ましい。
Rは、水素原子またはメチル基である。すなわち、前記式(1)で表されるモノマーは、Rが水素原子であればアクリレートとなり、Rがメチル基であればメタクリレートとなる。
Zは、フッ素原子を含まない2価の連結基であり、炭化水素基が好ましく、たとえばアルキレン基、アリーレン基が挙げられ、アルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基が特に好ましく、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。なお、式(1)におけるZとRfはRfの炭素数が少なくなるように区切る。
前記式(1)で表されるモノマーの具体例を以下に例示する。
Figure 2009142143
前記含フッ素モノマーは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記含フッ素モノマーの使用量は、前記重合性不飽和基を有する全モノマーに対し、10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量であることがより好ましい。
特に、前記重合性不飽和基を有する全モノマー中の前記式(1)で表されるモノマーの割合は、20〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましく、40質量%以上であることが最も好ましい。
該式(1)で表されるモノマーの割合が、20質量%以上、特に30質量%以上であると、硬質ポリウレタンフォームとした際に良好な断熱性能が得られる。
前記より、本発明におけるポリマー微粒子は、含フッ素モノマー単独からなる重合体であってもよく、含フッ素モノマーと他の重合性不飽和基を有するモノマーとの共重合体であってもよい。なかでも、前記ポリオール(X)中でのポリマー微粒子の分散安定性が良好なことから、ポリマー微粒子は共重合体であることが好ましい。
本発明において、前記含フッ素モノマーと併用してもよい重合性不飽和基を有するモノマーとしては、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;イソプレン、ブタジエンその他のジエン系モノマー;マレイン酸ジエステル、イタコン酸ジエステル等の不飽和脂肪酸エステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;またはそれら以外のオレフィン、ハロゲン化オレフィン、マクロモノマー等が挙げられる。
「マクロモノマー」とは、片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーのことをいう。
前記のなかでも、アクリロニトリル、酢酸ビニルまたはスチレンが好ましく、より長期間(たとえば1ヶ月間程度)の貯蔵安定性が良好となることから、酢酸ビニルが特に好ましい。前記含フッ素モノマー以外のモノマーは、1種、または2種以上を使用することができる。
前記含フッ素モノマーとアクリロニトリルとを併用する場合、前記含フッ素モノマーとアクリロニトリルとの混合割合は、質量比で10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。該範囲であると、長期間の貯蔵安定性が向上する。また、特に、硬質ポリウレタンフォームとした際に断熱性能が向上する。
また、前記含フッ素モノマーとスチレンとを併用する場合、前記含フッ素モノマーとスチレンとの混合割合は、質量比で1:99〜99:1であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。該混合割合において、スチレンの割合が下限値以上であると、硬質ポリウレタンフォームとした際に寸法安定性がより向上する。一方、スチレンの割合が上限値以下であると、硬質ポリウレタンフォームとした際に断熱性能がより向上する。
さらに、前記含フッ素モノマーとアクリロニトリルとスチレンとを併用する場合、前記含フッ素モノマーと、それ以外のモノマーとの混合割合は、質量比で10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。
また、アクリロニトリルとスチレンとの混合割合は、質量比で0:100〜100:0であることが好ましく、90:10〜10:90であることがより好ましい。
該混合割合であると、使用するポリマー分散ポリオールと硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールとの混合物を貯蔵した場合の貯蔵安定性と、硬質ポリウレタンフォームとした際における寸法安定性および断熱性能がいずれも向上し、それら特性がバランスよく得られる。
さらに、前記含フッ素モノマーと酢酸ビニルモノマーを併用する場合、前記含フッ素モノマーと、酢酸ビニルモノマーとの混合割合(含フッ素モノマー:酢酸ビニルモノマー)は、質量比で30:70〜70:30であることが好ましく、40:60〜70:30であることがより好ましい。
該混合割合であると、ポリマー分散ポリオールと硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールとの混合物(ポリオール成分)を貯蔵した場合の貯蔵安定性と、硬質ポリウレタンフォームとした際における寸法安定性および断熱性能がいずれも向上し、それら特性がバランスよく得られる。
(ポリマー分散ポリオール(B))
本発明におけるポリマー分散ポリオール(B)は、ポリマー分散ポリオール(A)の範疇に含まれないポリマー分散ポリオールである。
ポリマー分散ポリオール(B)は、ポリオール中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させることにより、ポリマー微粒子がポリオール中に分散したものであり、好ましくは、該重合性不飽和基を有するモノマーが前記含フッ素モノマーを含まないポリマー分散ポリオールである。該重合性不飽和基を有するモノマーがフッ素を含まないことがより好ましい。
ポリマー分散ポリオール(B)は、公知のポリマー分散ポリオールから適宜選択して用いることができる。例えば特許文献4に記載されているポリマー分散ポリオールが好ましい。
ポリマー分散ポリオール(B)の製造に用いられる重合性不飽和基を有するモノマーは、エチレン性不飽和ニトリルとカルボン酸ビニルエステルモノマーの混合物であることが好ましい。その混合割合は、エチレン性不飽和ニトリル:カルボン酸ビニルエステルモノマー(質量比)で75:25〜5:95が好ましい。
エチレン性不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルが好ましく、カルボン酸ビニルエステルモノマーとしては酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニルが好ましい。
ポリマー分散ポリオール(B)の製造に用いられるポリオールは、水酸基価84mgKOH/g以下であってかつオキシエチレン基含量40重量%以上のポリエーテルポリオールの5重量%以上と、アミン化合物に環状エーテルを付加して得られる水酸基価250〜900mgKOH/gのアミン系ポリオールの3重量%以上を含むポリオール混合物が好ましい。ポリマー分散ポリオール(B)の平均の水酸基価は200〜800mgKOH/gが好ましい。
[ポリイソシアネート成分]
本発明におけるポリイソシアネート成分としては、特に制限はなく、たとえばイソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系および脂肪族系等のポリイソシアネート;該ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;それらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはそれらのプレポリマー型変性体;イソシアヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。なかでも、TDI、MDI、クルードMDIまたはそれらの変性体が好ましい。
ポリイソシアネート成分は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
[発泡剤]
本発明における発泡剤としては、主に水が用いられる。水以外の発泡剤としては、たとえばハイドロフルオロカーボン化合物、炭化水素化合物、汎用のガスを併用することができる。
ハイドロフルオロカーボン化合物として具体的には、たとえば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,2,2−テトラフルオロエチルジフルオロメチルエーテル(HFE−236pc)、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル(HFE−254pc)、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロピルメチルエーテル(HFE−347mcc)等が挙げられる。
炭化水素化合物として具体的には、たとえばブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
汎用のガスとしては、たとえば空気、窒素、炭酸ガス等が挙げられる。なかでも、炭酸ガスが好ましい。不活性ガスの添加状態は、液状態、超臨界状態、亜臨界状態のいずれでも構わない。
発泡剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、発泡剤として水単独、または、ハイドロフルオロカーボン化合物および炭化水素化合物から選ばれる少なくとも一種と水とを使用することが好ましい。これにより、発泡効果が向上し、硬質ポリウレタンフォームの軽量化を図ることができる。
[整泡剤]
本発明における整泡剤としては、特に制限はなく、たとえばシリコーン系整泡剤が好適なものとして挙げられる。その中でも、硬質ポリウレタンフォームの断熱性能を付与するため、セル径を小さくできる整泡効果が高いシリコーン系整泡剤が特に好ましい。
整泡剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
[触媒]
本発明における触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒であれば特に制限はない。
ウレタン化反応を促進する触媒としては、たとえばトリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。
また、イソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよく、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。
また、硬質フォームの製造方法としてスプレー発泡を採用する場合には、反応を短時間で完結させるために、2−エチルヘキサン酸鉛等の有機金属触媒を併用することが好ましい。
[その他の配合剤]
本発明においては、必要に応じて任意の配合剤を使用してもよい。
配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
<硬質ポリウレタンフォームの製造方法>
本発明は、ポリオール成分(Z)とポリイソシアネート成分とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法である。
製造の際は予め、ポリオール成分(Z)を調製し、該ポリオール成分(Z)と、ポリイソシアネート成分以外の一部または全部との混合物(以下、ポリオールシステム液という。)を調製しておくことが好ましい。
なお、発泡剤は、ポリオールシステム液に予め配合しておいてもよく、ポリオールシステム液にポリイソシアネート成分を混合した後に配合してもよく、なかでもポリオールシステム液に予め配合しておくことが好ましい。
ポリオール成分(Z)は、たとえばポリマー分散ポリオール(A)と硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)とを混合することにより調製することができる。
ポリマー分散ポリオール(A)の製造方法は、ポリオール(X)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させることにより、該モノマーが重合したポリマー微粒子がポリオール中に分散したポリマー分散ポリオールを製造する方法であれば、特に限定されるものではない。たとえば、ポリオール(X)中でのポリマー微粒子の分散安定性が良好なことから、必要に応じて溶媒の存在下、ポリオール(X)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合し、直接ポリマー微粒子を析出させてポリマー分散ポリオールを得る製造方法が好適な方法として挙げられる。
ポリマー分散ポリオール(A)の製造方法として具体的には、たとえば以下の(1)、(2)の製造方法が挙げられる。
(1)反応器内にポリオール(X)の一部を仕込み、撹拌下、該反応器内に残りのポリオール(X)、重合性不飽和基を有するモノマー、重合開始剤等の混合物を、徐々にフィードして重合を行うバッチ法。
(2)ポリオール(X)、重合性不飽和基を有するモノマー、重合開始剤等の混合物を、撹拌下、反応器内に連続的にフィードして重合を行い、同時に、生成したポリマー分散ポリオールを連続的に反応器から排出する連続法。
本発明においては、(1)、(2)のいずれの製造方法も用いることができる。
本発明において、前記重合性不飽和基を有する全モノマーの使用量は、特に限定されないが、ポリマー分散ポリオール(A)中のポリマー微粒子の濃度が50質量%以下となる量とすることが好ましく、1〜50質量%となる量とすることがより好ましく、2〜45質量%となる量とすることが特に好ましく、5〜30質量%となる量とすることが最も好ましい。該ポリマー微粒子の濃度を50質量%以下とすると、前記ポリオール(X)中でポリマー微粒子が安定に分散したポリマー分散ポリオール(A)がさらに得られやすくなって貯蔵安定性がより向上する。また、適度な粘度が得られ、ポリマー分散ポリオール(A)の液安定性が向上する。
ポリマー分散ポリオール(A)の製造方法において、重合開始剤としては、通常、遊離基を生成させて重合性不飽和基を有するモノマーの重合を開始させるものが用いられる。
具体的には、たとえば2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(以下、「AIBN」と略す。)、2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(以下、「AMBN」と略す)、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、アセチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過硫酸塩等が挙げられる。なかでも、AIBN、AMBNが好ましい。
該重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
該重合開始剤の使用量は、ポリオール(X)、含フッ素モノマーを含む重合性不飽和基を有する全モノマーおよび必要に応じて使用される安定化剤またはグラフト化剤(後述)の合計100質量部に対し、0.01〜10質量部であることが好ましい。
溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘキセン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンジルエチルエーテル、アセタール、アニソール、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル類;クロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン等のニトロ化合物;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物等が挙げられる。
前記溶媒は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリマー分散ポリオール(A)の製造において、溶媒を使用する場合、該溶媒と前記ポリオール(X)との混合割合は、質量比で0:100〜60:40であることが好ましく、0:100〜40:60であることがより好ましい。該混合割合の範囲であると、ポリマー粒子同士の凝集が抑制され、ポリマー微粒子が安定に分散したポリマー分散ポリオール(A)が得られやすくなる。
重合性不飽和基を有するモノマーの重合が終了した後、該溶媒は除去される。溶媒の除去方法は、通常、減圧加熱により行われる。また、常圧加熱または減圧常温下により行うこともできる。この際、溶媒とともに未反応モノマーも除去される。
ポリオール(X)中での重合性不飽和基を有するモノマーの重合反応は、重合開始剤の分解温度以上、通常は80〜160℃で行われ、90〜150℃で行われることが好ましく、100〜130℃で行われることがより好ましく、105〜125℃がさらに好ましく、110〜120℃が特に好ましい。
また、本発明においては、ポリマー分散ポリオール(A)中のポリマー微粒子の分散安定性を向上させるため、安定化剤またはグラフト化剤を使用することができる。
安定化剤またはグラフト化剤の好適なものとしては、たとえば分子内に不飽和結合を有する化合物が挙げられる。具体的には、開始剤としてビニル基、アリル基、イソプロピル基等の不飽和結合含有基を有する活性水素化合物に、アルキレンオキシドを反応させて得られた高分子量のポリオールまたはモノオール;ポリオールに、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた後、必要に応じてプロピレンオキシド、エチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加して得られた高分子量のポリオールまたはモノオール;2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブテンジオール等の不飽和アルコールと他のポリオールとポリイソシアネートとの反応物;アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物とポリオールとの反応物等が挙げられる。
これらの安定化剤またはグラフト化剤は、水酸基を有していてもよく、水酸基を有していなくてもよいが、水酸基を有していることが好ましい。
該安定化剤またはグラフト化剤は、ポリオール(X)、重合性不飽和基を有するモノマーおよび重合開始剤等と共に混合して配合することができる。
重合反応終了後、得られたポリマー分散ポリオール(A)は、ポリオール成分(Z)の原料としてそのまま使用してもよく、得られたポリマー分散ポリオール(A)を減圧処理して未反応モノマーを除去した後に使用してもよく、なかでも後者の方が好ましい。
ポリオール成分(Z)の調製において、ポリマー分散ポリオール(A)と硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)との混合割合は、ポリオール成分(Z)中のポリマー分散ポリオール(A)の割合が0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましい。一方、該ポリマー分散ポリオール(A)の割合は10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましい。
またポリマー分散ポリオール(A)とポリマー分散ポリオール(B)を併用する場合は、ポリオール成分(Z)中における、ポリマー分散ポリオール(A)の割合が0.01質量%以上、ポリマー分散ポリオール(B)の割合が0.1質量%以上であることが好ましい。
該ポリマー分散ポリオール(A)の割合は0.1質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましい。ポリマー分散ポリオール(A)の割合は10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましい。
該ポリマー分散ポリオール(B)の割合は、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。ポリマー分散ポリオール(B)の割合は50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
またポリマー分散ポリオール(A)とポリマー分散ポリオール(B)の混合割合が、質量比A:Bで95:5〜5:95が好ましく、90:10〜10:90がより好ましい。
ポリマー分散ポリオールとして、ポリマー分散ポリオール(A)のみを用いる場合、およびポリマー分散ポリオール(A)とポリマー分散ポリオール(B)を併用する場合のいずれも、ポリオール成分(Z)中のポリマー微粒子の合計の割合が0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましい。一方、該ポリマー微粒子の割合は5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
ポリオール成分(Z)中のポリマー分散ポリオール(A)の割合、およびポリマー微粒子の合計の割合がそれぞれ下限値以上であると、硬質ポリウレタンフォームとした際に寸法安定性および断熱性能が共に向上する。一方、上限値以下であると、貯蔵安定性が向上し、硬質ポリウレタンフォームを安定に製造できる。また、ポリオール成分(Z)として適度な粘度が得られやすく液安定性が向上する。
また、ポリマー分散ポリオール(A)とポリマー分散ポリオール(B)を併用することにより、断熱性と寸法安定性をより両立しやすくできる。
発泡剤として水のみを使用する際の水の使用量は、ポリオール成分(Z)100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、2〜13質量部がより好ましく、4〜12質量部がさらに好ましい。水の使用量が1質量部以上であれば、得られる硬質ポリウレタンフォームの軽量化の点で好ましい。一方、水の使用量が15質量部以下であれば、水とポリオール成分(Z)との混合性がより良好になるため好ましい。
発泡剤として水とハイドロフルオロカーボン化合物を併用する際、ハイドロフルオロカーボン化合物の使用量は、ポリオール成分(Z)100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。
発泡剤として水と炭化水素化合物を併用する際、炭化水素化合物の使用量は、ポリオール成分(Z)100質量部に対して、1〜40質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましい。
発泡剤として水と不活性ガスを併用する際、不活性ガスの使用量は、ポリオール成分(Z)100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましい。
整泡剤の使用量は、適宜選定する必要があるが、ポリオール成分(Z)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
触媒の使用量は、ポリオール成分(Z)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
ポリイソシアネート成分の使用量は、イソシアネート指数(INDEX)で50〜300が好ましい。
なお、イソシアネート指数(INDEX)とは、ポリオール成分(Z)およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の割合を100倍して表される値を示す。
触媒としてウレタン化触媒を主に用いるポリウレタン処方においては、ポリイソシアネート成分の使用量は、イソシアネート指数で50〜140が好ましく、60〜130がより好ましい。
また、触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるポリイソシアヌレート処方(ウレタン変性ポリイソシアヌレート処方)においては、ポリイソシアネート成分の使用量は、イソシアネート指数で120〜300が好ましく、120〜250がより好ましい。
本発明における硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、各種の成形法に適用できる。
成形法としては、たとえば注入、連続生産ボード、スプレー発泡フォームが挙げられる。
注入とは、金型等の枠内に硬質ポリウレタンフォーム原料を注入し、発泡させる方法である。連続生産ボードとは、2枚の面材間に硬質ポリウレタンフォームが挟まれた積層体であり、建築用途として断熱材に用いられるものである。スプレー発泡フォームとは、硬質ポリウレタンフォームをスプレーで吹き付け施工するものである。
前記のなかでも、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、注入ウレタンフォーム、連続生産ボード、スプレー発泡フォーム等の製造に好適に適用できる。
前記のように、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、寸法安定性が良好で、充分な断熱性能を有する硬質ポリウレタンフォームが得られる。また、使用するポリマー分散ポリオールと硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールとの混合物を貯蔵した場合の貯蔵安定性に優れるため、硬質ポリウレタンフォームを安定に製造できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら例によって何ら限定されない。[表1][表2]製造例1〜7及び製造例9〜17は実施例であり、製造例8および18、19は比較例である。また、[表3]〜[表8]試験例1〜7、試験例9〜17、試験例19〜25、試験例27〜35、試験例37〜43および試験例45〜53は実施例で製造されたポリマー分散ポリオールの貯蔵安定性の評価結果である。試験例18、試験例36および試験例54は本発明のポリマー分散ポリオールの替わりにPTFE粉末を用いた場合の貯蔵安定性の評価結果である。[表9]〜[表14]製造例20〜38、43〜50、54〜56、60〜62および66〜68は、実施例で製造されたポリマー分散ポリオールを用いて硬質ウレタンフォームを製造して物性を評価した結果である。製造例39〜42、51〜53、57〜59、63〜65および69〜71は、本発明のポリマー分散ポリオールを用いずに硬質ウレタンフォームを製造して物性を評価した結果である。
また、硬質ウレタンフォームの製造例は製造例20〜71である。その中でも製造例20〜42は発泡剤として水のみ使用し、ゲルタイムを25〜30秒に合わせた比較的生産効率の高い連続ラミネートボード断熱材の製造に好適な評価である。製造例43〜53は発泡剤として水のみ使用し、評価上、攪拌混合可能な範囲で反応性を高めたものであり、住宅やマンション等の壁や天井にミスト状に吹き付け、断熱材として用いるスプレー発泡の施工に好適な評価である。また、製造例54〜59は発泡剤として水および炭化水素を使用し、比較的断熱性能の高い、ラミネートボードの製造に好適な評価である。製造例60〜65は発泡剤として水およびハイドロフルオロカーボンを使用した、比較的断熱性能の高いラミネートボードの製造に好適な評価である。製造例66〜71は発泡剤として水のみを使用し、ゲルタイムを85秒以上に合わせた、比較的ウレタンフォームの充填性能が必要な、パネル形状や箱体に注入して製造を行う注入発泡に好適な評価である。
以下の実施例において、水酸基価は、JIS K1557(1970年版)に準拠して測定した。粘度は、JIS K1557(1970年版)に準拠して測定した。ポリマー微粒子の濃度(固形分)は、重合性不飽和基を有するモノマーの仕込み量を微粒子濃度(固形分)とした。
≪ポリマー分散ポリオールの評価≫
表1、表2に示す配合比に従って、下記製造例1〜19によりポリマー分散ポリオールF1〜F19を製造した。
ポリマー分散ポリオール製造時の配合組成、得られたポリマー分散ポリオールF1〜F19の水酸基価(mgKOH/g)、粘度(mPa・s)、ポリマー微粒子の濃度(固形分;質量%)、ポリオールY2とポリオールY1の比率(Y2/Y1、質量%)およびポリオール(Y)中のオキシエチレン基(%)を表1及び表2にそれぞれ示す。
ポリオール(Y)中のオキシエチレン基(%)はポリオール(Y)全体を100質量%としたときの含有量を割合(%)で示した。
表1、表2の配合組成において、ポリオールD、E、F、G、NとマクロモノマーM1とM2および重合性不飽和基を有するモノマーは「g」;重合開始剤は、ポリオールD、E、F、G、Nと重合性不飽和基を有する全モノマーとの合計100質量部に対する「質量部」の値である。
(使用した原料)。
以下のポリオールE、F、GはポリオールY1に該当し、ポリオールD、NはポリオールY2に該当する。
・ポリエーテルポリオール(Y)
ポリオールD:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、エチレンオキシドを付加重合した後、プロピレンオキシド(PO)とエチレンオキシド(EO)との混合物[PO/EO=46.2/53.8(質量比)]を付加重合させた、ポリオールD中のオキシエチレン基含有量65質量%、水酸基価が48mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオールE:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、プロピレンオキシド(PO)を付加重合した、水酸基価が400mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオールN:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、プロピレンオキシドを付加重合した後、プロピレンオキシド(PO)とエチレンオキシド(EO)との混合物[PO/EO=88.2/11.8(質量比)]を付加重合させたポリオールN中のオキシエチレン基含有量7質量%、水酸基価が56mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオールF:開始剤としてエチレンジアミンを用い、該エチレンジアミンに、POのみを付加重合させた、ポリオールF中のオキシエチレン基含有量 0質量%、水酸基価が760mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオールG:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、POのみを付加重合させた、ポリオールG中のオキシエチレン基含有量 0質量%、水酸基価650mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオールT:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、エチレンオキシドを付加重合した後、プロピレンオキシド(PO)とエチレンオキシド(EO)との混合物[PO/EO=48.0/52.0(質量比)]を付加重合させた、ポリオールT中のオキシエチレン基含有量60質量%、水酸基価が28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
・含フッ素モノマー
含フッ素モノマー(f):下記化学式(1−1)で表されるモノマー(旭硝子社製)を用いた。
Figure 2009142143
・他の重合性不飽和基を有するモノマー
アクリロニトリル(純正化学社製)。
スチレン(ゴードー溶剤社製)。
酢酸ビニル(純正化学社製)。
・重合開始剤
2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(商品名:ABN−E、日本ヒドラジン工業社製; 以下、「AMBN」と略す。)。
マクロモノマー
マクロモノマーM1:ポリオールD、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールD/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価40mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
マクロモノマーM2:ポリオールT、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールT/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価21mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
<ポリマー分散ポリオールの製造>
製造例1:ポリマー分散ポリオールF1の製造
5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを75質量%分とポリオールGを4質量%分およびマクロモノマーM1の1質量%分を仕込み、120℃に保ちながら、残り20質量%分の酢酸ビニル、含フッ素モノマー(f)および重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールF1を製造した。結果を表1に示す。
製造例2〜8:ポリマー分散ポリオールF2〜8の製造
ポリオールDとポリオールGの使用量を以下の通りに変更した他は実施例1と同様にしてポリマー分散ポリオールF2〜8を製造した。結果を表1に示す。
製造例2:ポリオールDを71.1質量%分、ポリオールGを7.9質量%分。
製造例3:ポリオールDを63.2質量%分、ポリオールGを15.8質量%分。
製造例4:ポリオールDを55.3質量%分、ポリオールGを23.7質量%分。
製造例5:ポリオールDを47.4質量%分、ポリオールGを31.6質量%分。
製造例6:ポリオールDを39.5質量%分、ポリオールGを39.5質量%分。
製造例7:ポリオールDを23.7質量%分、ポリオールGを55.3質量%分。
製造例8:ポリオールDを15.8質量%分、ポリオールGを63.2質量%分。
製造例9:ポリマー分散ポリオールF9の製造
5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを39.5質量%分とポリオールGを39.5質量%分およびマクロモノマーM2の1質量%分を仕込み、120℃に保ちながら、残り20質量%分の酢酸ビニル、含フッ素モノマー(f)および重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールF9を製造した。結果を表2に示す。
製造例10:ポリマー分散ポリオールF10の製造
ポリオールDの使用量を23.7質量%分、ポリオールGの使用量を55.3質量%分に変更した以外は、製造例9と同様にしてポリマー分散ポリオールF10を製造した。結果を表2に示す。
製造例11〜13:ポリマー分散ポリオールF11〜F13の製造
表2の重合性不飽和基を有するモノマー組成の割合を用いた以外は、製造例5と同様にしてポリマー分散ポリオールF11〜F13をそれぞれ製造した。結果を表2に示す。
製造例14:ポリマー分散ポリオールF14の製造
5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを47.4質量%分とポリオールGを31.6質量%分およびマクロモノマーM1の1質量%分を仕込み、120℃に保ちながら、残り20質量%分のアクリロニトリル、含フッ素モノマー(f)および重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールF14を製造した。結果を表2に示す。
製造例15:ポリマー分散ポリオールF15の製造
表2の重合性不飽和基を有するモノマー組成の割合を用いた以外は、製造例14と同様にしてポリマー分散ポリオールF15を製造した。結果を表2に示す。
製造例16:ポリマー分散ポリオールF16の製造
5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを84.6質量%分とポリオールFを4.4質量%分およびマクロモノマーM1の1質量%分を仕込み、120℃に保ちながら、残り10質量%分の酢酸ビニル、含フッ素モノマー(f)および重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールF16を製造した。結果を表2に示す。
製造例17:ポリマー分散ポリオールF17の製造
5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを47.4質量%分とポリオールEを31.6質量%分およびマクロモノマーM1の1質量%分を仕込み、120℃に保ちながら、残り20質量%分の酢酸ビニル、含フッ素モノマー(f)および重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールF17を製造した。結果を表2に示す。
製造例18:ポリマー分散ポリオールF18の製造
5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを47.4質量%分とポリオールNを31.6質量%分およびマクロモノマーM1の1質量%分を仕込み、120℃に保ちながら、残り20質量%分の酢酸ビニル、含フッ素モノマー(f)および重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールF18を製造した。結果を表2に示す。
製造例19:ポリマー分散ポリオールF19の製造
5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを79質量%分およびマクロモノマーM1の1質量%分を仕込み、120℃に保ちながら、残り20質量%分の酢酸ビニル、含フッ素モノマー(f)および重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールF19を製造した。結果を表2に示す。
Figure 2009142143
Figure 2009142143
<貯蔵安定性の評価>
表3〜表8に示す試験例1〜54の配合比に従って、製造例1〜19で製造されたポリマー分散ポリオールF1〜F17または下記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を、下記ポリオールA〜CおよびH、Iを混合したポリオールに添加して貯蔵安定性評価サンプルを調製した。
そして、該評価サンプルを、23℃で2ヶ月間貯蔵し、1週間、1ヶ月間、6週間および2ヶ月間貯蔵したときの評価サンプルの外観(分離状態)を目視観察し、下記評価基準により、貯蔵安定性を評価した。
評価基準
○:均一な分散溶液であった。
×:ポリマー微粒子またはPTFE粉末と、ポリオールとが分離していた。
(使用した原料)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(商品名:ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末fluon L−173、旭硝子社製)。
・硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール(Z1)
ポリオールA:開始剤としてトリレンジアミンを用い、該トリレンジアミンに、EOとPOとEOとを、この順序で付加重合させた、水酸基価が350mgKOH/gであり、EOとPOとの合計に対するEOの割合が33質量%のポリエーテルポリオール。
ポリオールB:開始剤としてN−(2−アミノエチル)ピペラジンを用い、該N−(2−アミノエチル)ピペラジンに、EOのみを付加重合させた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールC:開始剤としてシュークロースとグリセリンとの混合物(質量比で5:4)を用い、該混合物に、POのみを付加重合させた、水酸基価が380mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールH:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、水酸基価が200mgKOH/gのポリエステルポリオール。
ポリオールI:ノニルフェノール、ホルムアルデヒドおよびジエタノールアミンをモル比1対1.4対2.1で反応させて得られたマンニッヒ縮合物にPO、EOをこの順で付加して得られた水酸基価が300mgKOH/g、付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は60質量%であるポリオール。
Figure 2009142143
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表3〜表8に示した結果から、ポリマー分散ポリオールF1〜F7およびF9〜F17を用いた試験例1〜7、試験例9〜17、試験例19〜25、試験例27〜35、試験例37〜43及び試験例45〜53は、6週間の貯蔵安定性が良好であることが確認できた。また、試験例1〜6、試験例9、11、12、14、試験例19〜24、試験例27、29、30、32、試験例37〜42、試験例45、47、48、50においては2ヶ月間の貯蔵安定性が良好であることが確認できた。
一方、PTFE粉末を使用した試験例18、36、54、および試験例54は、貯蔵安定性が悪いことが確認された。
したがって、本発明のポリマー分散ポリオールの製造方法により製造されたポリマー分散ポリオールF1〜F7およびF9〜F17は、硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールとの相溶性が高く、貯蔵安定性に優れていることが確認できた。
≪硬質ポリウレタンフォームの評価≫
表9〜表14に示す製造例20〜71の配合比に従って、下記製造方法により硬質ポリウレタンフォームを製造した。
表9〜表14の配合組成において、各原料の使用量の単位は「質量部」である。
(使用した原料)
・ポリオール成分
前記ポリオールA〜DおよびポリオールH、I、Fと下記ポリオールJ、L、M、O、P、Q、R、PTFE粉末、ポリマー分散ポリオールF2、F5、F6〜F7及びF9〜F19、ポリオールS(ポリマー分散ポリオール)。
ポリオールJ:アニリン(1モル)、フェノール(0.99モル)、パラホルムアルデヒド(0.64モル)およびジエタノールアミン(2.2モル)を反応させてマンニッヒ化合物を得た。該マンニッヒ化合物にPOのみを付加重合させて得られた、水酸基価が540mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールL:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、POのみを付加重合させた、水酸基価が400mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールM:開始剤としてエチレンジアミンを用い、該エチレンジアミンに、POのみを付加重合させた、水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールO:開始剤としてソルビトールを用い、該ソルビトールに、POのみを付加重合させた、水酸基価が500mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールP:開始剤として2,2−ビス(4'ヒドロキシフェニル)プロパンを用い、該2,2−ビス(4'ヒドロキシフェニル)プロパンに、EOのみを付加重合させた、水酸基価が280mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールQ:開始剤としてモノエタノールアミンを用い、該モノエタノールアミンに、POのみを付加重合させた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールR:開始剤としてペンタエリスリトールを用い、該ペンタエリスリトールに、POのみを付加重合させた、水酸基価が400mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールS:5L加圧反応槽中に、全量を100質量%としてポリオールDを30質量%分、ポリオールFを15質量%分、ポリオールGを30質量%分、酢酸ビニルを20質量%分、アクリロニトリルを5質量%分の混合物に重合開始剤(AMBN)1.0質量%を加えて仕込んだ後、撹拌しながら昇温を開始し、反応液を80℃に保ちながら10時間反応させた。モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、110℃、20Paで2時間加熱減圧脱気して未反応モノマーを除去して得られた、水酸基価が330mgKOH/gのポリエーテルポリオール。これはポリマー分散ポリオール(B)に相当する。
・難燃剤:トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート(商品名:TMCPP、大八化学社製)。
・発泡剤A:水。
発泡剤B:シクロペンタン(商品名:マルカゾールFH、丸善石油化学社製)。
発泡剤C:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa:ハネウエル社製)。
・整泡剤:シリコーン系整泡剤(商品名:SZ−1671、東レ・ダウコーニング社製)。
・触媒A:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(商品名:TOYOCAT−MR、東ソー社製)。
・触媒B:トリエチレンジアミン(商品名:TEDA−L33、東ソー社製)
・触媒C:N,N’N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン(商品名:POLYCAT 41、AIR PRODUCTS社製)。
・触媒D:2−エチルヘキサン酸カリウムのジエチレングリコール溶液(カリウム濃度15%、商品名:DABCO K−15、AIR PRODUCTS社製)
・触媒E:アミノアルコール類の混合物(商品名:TOYOCAT−RX7、東ソー社製)。
・触媒F:N,N−ジメチルシクロへキシルアミン(商品名:カオーライザーNO.10、花王社製)
・触媒G:ポリエチレンポリアミン(商品名:TOYOCAT−TT、東ソー社製)
・触媒H:1,2−ジメチルイミダゾール70%とエチレングリコール30%の混合物(商品名:TOYOCAT−DM70、東ソー社製)
・触媒I:4級アンモニウム塩とエチレングリコールの混合物(商品名:TOYOCAT−TRX、東ソー社製)
ポリイソシアネート:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI)(商品名:MR−200、日本ポリウレタン工業社製)
<硬質ポリウレタンフォームの製造>
1Lポリビーカーに、表9〜表14に示す配合比に従い、ポリオール成分100質量部、発泡剤、整泡剤、難燃剤および触媒をそれぞれ投入し、これらを撹拌機でよく混合し、ポリオールシステム液を得た。
ポリイソシアネートの使用量は、発泡剤が水のみの場合はイソシアネート指数(INDEX)で110または130とし、発泡剤に炭化水素化合物を用いた系はイソシアネート指数で105とし、また、発泡剤としてハイドロフルオロカーボン化合物を用いた系はイソシアネート指数で110とし、それぞれにおいて比較した。イソシアネート指数(INDEX)とは、ポリオール組成物およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計当量に対するイソシアネート基の数の割合を100倍して表現される値である。
ポリオールシステム液とポリイソシアネート成分の原料双方の液温を20℃に保持した後、回転数3000rpmで5秒間撹拌混合した。その直後、縦200mm×横200mm×高さ200mmの木製ボックスに投入し、自由発泡を行い、硬質ポリウレタンフォームを製造した。また、表14の評価方法については冷凍車や冷凍倉庫に用いられる金属面材を両面に張り合わせた断熱パネルを想定し、(X)400mm×(Y)400mm×(T)50mmのアルミ製の金型を用い、評価を実施した。ポリオールシステム液とポリイソシアネート成分の原料双方の液温を20℃に保持し、回転数3000rpmで5秒間撹拌混合した液を垂直に設置した当該金型へ注入した。全体密度が28kg/mから29kg/mとなるように所定量注入し、注入部位を閉じることでパック充填させ、ウレタンフォームを成形した。
<硬質ポリウレタンフォームの評価>
得られた各製造例の硬質ポリウレタンフォームにおいて、ゲルタイム(秒)、密度としてボックスフリー密度(単位:kg/m)、圧縮強度(単位:MPa)、寸法安定性として寸法変化率(単位:%)、熱伝導率(単位:mW/m・K)をそれぞれ測定した。
また、貯蔵安定性として下記評価を行った。それらの結果を表9〜表14に示す。
また、表14に示したいわゆるパネル評価においては、発泡開始から20分経過後、成形したフォームを取り出し、24時間養生後、圧縮強度及び高温寸法安定性、湿熱寸法安定性、熱伝導率、貯蔵安定性について評価を行った。
ゲルタイムの測定は、発泡途中のフォームに針金を差し込み、引き上げる時に糸引きが発生するまでの時間(秒)を測定した。
全密度(ボックスフリー密度)の測定は、JIS K7222(1998年版)に準拠し、質量と体積から求めた。
(圧縮強度の評価)
圧縮強度は、JIS A9511に準拠して測定した。試料片は発泡フォームのコア部を切り出し、大きさは、5cm×5cm×5cmとした。また、重力方向に対して平行方向(//)および垂直方向(⊥)の圧縮強度について測定した。表9〜表13中、「//+⊥」は、平行方向(//)の圧縮強度と、垂直方向(⊥)の圧縮強度とを足し合わせた圧縮強度を表す。
(寸法安定性の評価)
高温収縮は、ASTM D 2126−75に準じた方法で測定し、発泡剤が水のみの場合は高温寸法安定性および湿熱寸法安定性を評価し、発泡剤が炭化水素化合物もしくはハイドロフルオロカーボン化合物を併用する場合は低温寸法安定性の評価を行った。
試料として各例の硬質ポリウレタンフォームを用い、1時間養生の後、縦(X)100mm×横(Y)150mm×厚さ(T)75mmを切り出して用いた。高温寸法安定性は前記試料片を70℃、湿熱寸法安定性は70℃で相対湿度95%、低温寸法安定性は−30℃と0℃のそれぞれの雰囲気下に、24時間もしくは50時間保存し、増加した長さ(厚さ)を、保存前の長さ(厚さ)に対する寸法変化率(単位:%)で表した。すなわち、2条件で各3方向(X、Y、T)の全6方向について寸法変化率をそれぞれ測定した。
ただし、寸法変化率において、負の数値は収縮を意味し;絶対値が大きいことは、寸法変化が大きいことを意味する。寸法変化は、下記評価基準により評価した。

評価基準
◎:(優秀)6方向の寸法変化率の中の絶対値の最大値が1%未満であった。
○:(良好)6方向の寸法変化率の中の絶対値の最大値が1%以上5%未満であった。
△:(やや良)6方向の寸法変化率の中の絶対値の最大値が5%以上10%未満であった。
×:(不良)6方向の寸法変化率の中の絶対値の最大値が10%以上であった。
(断熱性の評価)
熱伝導率(単位:mW/m・K)は、JIS A1412に準拠し、熱伝導率測定装置(製品名:オートラムダHC−074型、英弘精機社製)を用いて、平均温度20℃で測定した。
断熱性は、下記評価基準により評価した。
[評価基準]
発泡剤が水のみの場合は以下の基準とした。
○:(良好)熱伝導率が27以下であった。
×:(不良)熱伝導率が27超であった。
発泡剤として炭化水素化合物を併用した場合は以下の基準とした。
○:(良好)熱伝導率が22以下であった。
×:(不良)熱伝導率が22超であった。
発泡剤としてハイドロフルオロカーボン化合物を併用した場合は以下の基準とした。
○:(良好)熱伝導率が21以下であった。
×:(不良)熱伝導率が21超であった。
(貯蔵安定性の評価)
表9〜14に示す製造例20〜71の配合比に従って、前記ポリオール成分A〜DおよびポリオールH、I、Fと下記ポリオールJ、L、M、O、P、Q、Rを混合した後に、ポリマー分散ポリオールF2、F5、F6〜F7及びF9〜F19、PTFE粉末、ポリオールD、またはポリオールS(ポリマー分散ポリオール)をそれぞれ添加、混合して混合ポリオール300gを調製し、蓋付きガラス瓶に入れた。そして、23℃で1週間、6週間、1ヶ月間および2ヶ月間貯蔵し、貯蔵後の混合ポリオールの上層から注射器で上層液100gを抜き取り、下層から下層液100gが取れるように中層液を廃棄し、下層から下層液100gの混合ポリオールを採取した。
次いで、前記<硬質ポリウレタンフォームの製造>において、ポリオール成分100質量部に代えて、上層液100質量部または下層液100質量部を用いた以外は、<硬質ポリウレタンフォームの製造>と同様にして硬質ポリウレタンフォームを製造した。
そして、得られた硬質ポリウレタンフォームの特性から、下記評価基準に基づいて貯蔵安定性を評価した。
貯蔵安定性が悪い場合、貯蔵中に上層もしくは下層にポリマー分散ポリオールが移行して、混合ポリオールの上下の組成が異なり、これを用いて製造された硬質ポリウレタンフォームの特性に影響を与える。そのため、上層液と下層液の各々を用いた場合の発泡状態、または、得られる硬質ポリウレタンフォームの寸法変化率により貯蔵安定性を評価できる。
[評価基準]
○:(良好)上層液および下層液を発泡したもののいずれにも発泡不良が見られず、かつ硬質ポリウレタンフォームの寸法変化率の絶対値がいずれも5%未満であった。
×:(不良)上層液および下層液を発泡したもののいずれかに発泡不良が見られるか、またはいずれかの硬質ポリウレタンフォームの寸法変化率の絶対値が5%以上であった。
(パネル評価)
表14に示したパネル評価において、圧縮強度は成形したフォームのコア部から(X)40mm×(Y)40mm×(T)40mmに切り出し、X,Y,Tの3方向について、JIS A 9511に準拠した方法でそれぞれ測定した。高温寸法安定性はコア部から(X)200mm×(Y)100mm×(T)25mmに切り出し、湿熱寸法安定性は表面スキンを残した状態で(X)200mm×(Y)150mm×(T)50mmに切り出し、前記寸法安定性の評価方法と同様に測定し、評価した。熱伝導率及び貯蔵安定性の評価方法については前記評価方法と同様である。
Figure 2009142143
Figure 2009142143
Figure 2009142143
Figure 2009142143
Figure 2009142143
Figure 2009142143
表9〜表14に示した結果から明らかなように、ポリイソシアネート成分と反応させるポリオール成分(Z)に、本発明にかかる特定のポリマー分散ポリオール(A)である、ポリマー分散ポリオールF2、F5〜F7、F9〜F17を含有させた製造例20〜38、43〜50、54〜56、60〜62、66〜68は、貯蔵安定性(6週間)に優れるとともに、硬質ポリウレタンフォームの断熱性能および寸法安定性が共に良好であった。
特に、ポリオールY1(ポリオールG)を、ポリオール(Y)全体を100質量%としたときに5%〜70%で使用したポリマー分散ポリオール(F2、F5〜F7、F9〜F15)を用いた製造例20〜28、29〜38、43〜50、54〜56、60〜62、66〜68は、ポリオールY1を用いずに調製したポリマー分散ポリオール(F18、F19)を用いた製造例39、40、51、57、63、69と比べて、ポリマー分散ポリオール使用量が少ないにもかかわらず、同等の良好な寸法安定性および断熱性能が得られる。このことも優れた貯蔵安定性(6週間、2ヶ月)に寄与していると考えられる。
製造例20〜38、54〜56、60〜62はラミネートボードの製造に好適である。製造例43〜50はスプレー発泡施工に好適である。製造例66〜68は注入による成型品の製造に好適である。
これにより、ポリマー分散ポリオール(A)において、ポリエーテルポリオール(Y)中のオキシエチレン基含有量が15質量%以上であって、水酸基価200〜800mgKOH/gのポリオールY1と水酸基価5〜84mgKOH/gのポリオールY2を含み、かつ重合性不飽和基を有するモノマーとしてアクリロニトリルまたは酢酸ビニルを含むことにより、さらに顕著な貯蔵安定性の向上効果が得られることが分かった。
一方、ポリオールY1を用いずに調製したポリマー分散ポリオールF18、F19を用いた製造例39、40、51、57、63、69は、ポリマー分散ポリオールを比較的多く添加することにより、硬質ポリウレタンフォームの良好な断熱性能および寸法安定性は得られたが、貯蔵安定性(6週間、2ヶ月)が悪くなった。
製造例41、52、58、64、70に示すように、PTFE粉末を用いた場合、貯蔵安定性(1週間、1ヶ月間、6週間、2ヶ月間)が悪いことが確認された。
ポリマー微粒子を含まないポリオールDを用いて製造された製造例42、53、59、65、71の硬質ポリウレタンフォームは、寸法安定性が悪いことが確認された。
本発明にかかるポリマー分散ポリオール(A)は、硬質ポリウレタンフォームの製造に好適に使用でき、硬質ポリウレタンフォーム用の分子量の小さいポリオール(Z1)と混合しておいても貯蔵安定性が良好である。
また、該ポリマー分散ポリオール(A)を用いることにより、軽量化が図られ、断熱性および寸法安定性が共に優れた硬質ポリウレタンフォームが得られる。また、該ポリマー分散ポリオール(A)は、注入ウレタンフォーム、連続生産ボード、スプレー発泡フォーム等の製造に好適に利用できる。

なお、2008年5月20日に出願された日本特許出願2008−131858号及び2009年2月19日に出願された日本特許出願2009−036907号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (13)

  1. ポリオール成分(Z)とポリイソシアネート成分とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、
    前記ポリオール成分(Z)は、ポリオール(Z1)と下記ポリマー分散ポリオール(A)を混合して得られたものであり、かつ平均水酸基価が200〜800mgKOH/gであることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ただし、ポリマー分散ポリオール(A)は、ポリオール(X)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させることにより、ポリマー微粒子がポリオール中に分散したものであり、前記ポリオール(X)はポリエーテルポリオール(Y)を含み、ポリエーテルポリオール(Y)はオキシエチレン基含有量が15質量%以上であり、かつ該ポリエーテルポリオール(Y)は水酸基価200〜800mgKOH/gのポリオールY1と水酸基価5〜84mgKOH/gのポリオールY2を含み、前記重合性不飽和基を有するモノマーは、含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレートを含む。
  2. 前記含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレートが、下式(1)で表されるモノマーである、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
    Figure 2009142143
    ただし、式(1)中、Rfは炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Zはフッ素原子を含まない2価の連結基であり、ZとRfはRfの炭素数が少なくなるように区切る。
  3. 前記重合性不飽和基を有するモノマーが、さらにアクリロニトリル、酢酸ビニル及びスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 前記ポリエーテルポリオール(Y)は、オキシエチレン基含有量が20質量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 前記ポリオールY1とポリオールY2の配合比率(Y1/Y2)が5/95〜70/30(質量比)である、請求項1〜4のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 前記ポリオールY2は、多価アルコールに、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加重合させて得られるポリオキシアルキレンポリオールである、請求項1〜5のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  7. 前記重合性不飽和基を有する全モノマー中の前記式(1)で表されるモノマーの割合が30〜100質量%である、請求項2〜6のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  8. 前記ポリオール成分(Z)中の前記ポリマー分散ポリオール(A)の割合が0.01質量%以上であり、かつ前記ポリオール成分(Z)中の前記ポリマー微粒子の割合が0.001質量%以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  9. ポリオール成分(Z)とポリイソシアネート成分とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、
    前記ポリオール成分(Z)は、ポリオール(Z1)と下記ポリマー分散ポリオール(A)と、該(A)に含まれないポリマー分散ポリオール(B)を混合して得られたものであり、かつ平均水酸基価が200〜800mgKOH/gであることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ただし、ポリマー分散ポリオール(A)は、ポリオール(X)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させることにより、ポリマー微粒子がポリオール中に分散したものであり、前記ポリオール(X)はポリエーテルポリオール(Y)を含み、ポリエーテルポリオール(Y)はオキシエチレン基含有量が15質量%以上であり、かつ該ポリエーテルポリオール(Y)は水酸基価200〜800mgKOH/gのポリオールY1と水酸基価5〜84mgKOH/gのポリオールY2を含み、前記重合性不飽和基を有するモノマーは、含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレートを含む。
  10. 前記ポリオール成分(Z)中における、前記ポリマー分散ポリオール(A)の割合が0.01質量%以上、前記ポリマー分散ポリオール(B)の割合が0.1質量%以上であり、かつ前記ポリオール成分(Z)中の前記ポリマー微粒子の割合が0.001質量%以上である、請求項9記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  11. 前記ポリマー分散ポリオール(A)と前記ポリマー分散ポリオール(B)の混合割合が、質量比A:Bで95:5〜5:95である、請求項9または10に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  12. 前記ポリオール成分(Z)が、芳香族環を有する活性水素化合物を開始剤とするポリオキシアルキレンポリオールを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  13. 前記発泡剤として水単独、または、ハイドロフルオロカーボン化合物および炭化水素化合物から選ばれる少なくとも一種と水とを使用する、請求項1〜12のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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