JPWO2009142036A1 - 放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法及び放熱性硬化塗膜を有する電子機器 - Google Patents
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Abstract
10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末を含有する硬化ポリマーからなり、前記熱伝導性粒子によって硬化塗膜表面全体に微細な凹凸が形成されて塗膜表面が凹凸面とされており、該凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm以上であり、凸部位置の硬化塗膜の厚さが2000μm以下であり、かつ、硬化塗膜の熱伝導率が0.4W/m・K以上である放熱性硬化塗膜、該放熱性塗膜を容易に形成可能な塗料組成物、前記放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、前記放熱性硬化塗膜を有する電子機器。
Description
本発明は、放熱性に優れた放熱性硬化塗膜、放熱性に優れた放熱性硬化塗膜形成用の熱伝導性粒子,硬化性ポリマー及び揮発性溶剤からなる塗料組成物、放熱性に優れた放熱性硬化塗膜の製造方法、および、放熱性に優れた放熱性硬化塗膜を有する電子機器に関する。
炭酸ガスによる地球温暖化防止や省資源によるコストダウンのため、産業用、民生用を問わずあらゆる装置・機器類に省エネルギー性が求められている。液晶テレビジョンやプラズマテレビジョンなど薄型テレビジョン、冷蔵庫、電磁誘導調理機器のような家電製品やパーソナルコンピュータ、プリンター、ゲーム機等、特に近年の高性能化や小型化の進展によりディスプレイ部品、発光装置、CPU(中央処理装置)、モーター、圧縮機や電流・電圧制御機器にいたるまであらゆる機器・部品からの発熱量が増大する傾向にあり、内部で生じる熱を速やかに外部に放散させることが求められている。
パーソナルコンピュータの場合、近年の著しい演算速度の上昇によってCPUからの発熱量は大幅に増大しており、その熱の放散が大きな課題となっている。デスクトップ型のパーソナルコンピュータでは放熱のため簡便で効果的なファンが用いられているが、大きな場所を必要とすることや、回転数をあげて風量を増大させると、騒音が大きくなるという問題がある。ノート型パーソナルコンピュータでは小型化のため放熱ファンを設けることができないため、放熱設計の重要性が増大している。これらの場合、パーソナルコンピュータやテレビジョンの内外部の筐体からの放射による伝熱量を増すことができれば、ファンの大型化や高速回転をすることなく、更にはファンを使用することなく内部で発生した熱を速やかに外部に放散することができる。
さらに液晶テレビジョン、プラズマテレビジョンといった薄型テレビジョンでも、画面の大型化、表示の微細化、高速動作化のためディスプレイ部や駆動・制御部品の発熱量が増大しており、その熱の放散が大きな課題となっている。
また冷蔵庫の場合、圧縮機で生じた熱の放散には放熱器が用いられ、エアコンのようなファンによる強制対流による放熱は行われない。現在では放熱器は本体内部に格納されており、内部で発生した熱は放熱板から対流と放射(輻射)により放散されるが、省スペース化により特に放射による熱の放散の重要性が高まっている。
従来、このような目的のため、特許文献1の熱放射性表面処理剤が提案されている。具体的には基材(例えば金属)表面に1層以上の塗膜を備え、表面処理材としての熱放射率が60%以上である熱放射性表面処理材を使用するものであり、外層塗膜が少なくとも顔料としてカーボンブラックとチタニアを含有し、かつカーボンブラック/チタニア(質量比)が0.001〜0.030である。しかし、この熱放射性表面処理剤の効果はいまだ不十分である。
特許文献2では、カーボンブラックを含有する黒色塗膜又は黒色添加剤以外の放熱性添加剤を含有する放熱塗膜を用いた電子機器部材用塗装体が提案されている。しかし、ここで提案されている放熱塗膜の放熱性もいまだ不十分である。
本発明者らは、上記問題点のない放熱性硬化塗膜、すなわち、放射・対流による放熱性に優れる放熱性硬化塗膜、塗布作業が容易であり、かつ前記放熱性塗膜を容易に形成可能な塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器を開発すべく鋭意研究した結果、塗料組成物の硬化後の放熱性塗膜の凹凸面、特には凹部と凸部の高低差が放射・対流による放熱性に影響していることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の目的は、凹凸面を有し放熱性に優れる放熱性硬化塗膜、塗布作業が容易であり、かつ凹凸面を有し放熱性に優れる放熱性硬化塗膜を容易に形成可能な塗料組成物、凹凸面を有し放熱性に優れる放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、凹凸面を有し放熱性に優れる放熱性硬化塗膜を有する電子機器を提供することにある。
この目的の達成手段は、
「請求項1の、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末を含有する硬化ポリマーからなり、前記熱伝導性粒子によって硬化塗膜表面全体に微細な凹凸が形成されて塗膜表面が凹凸面とされており、該凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm以上であり、凸部位置の硬化塗膜の厚さが2000μm以下であり、かつ、硬化塗膜の熱伝導率が0.4W/m・K以上であることを特徴とする放熱性硬化塗膜。
請求項2の、前記凹凸面の凸部の合計面積(但し、凹凸面を真上から見たときの、凸部の合計面積である。)が、前記凹凸面の全面積(但し、凹凸面を真上から見たときの全面積である。)に占める割合は、20%〜80%であることを特徴とする、請求項1記載の放熱性硬化塗膜。
請求項3の、前記熱伝導性粒子粉末が炭化ケイ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末又は黒鉛粉末であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の放熱性硬化塗膜。
請求項4の、前記ポリマーが常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項記載の放熱性硬化塗膜。
請求項5の、請求項1記載の放熱性硬化塗膜を形成するための塗料組成物であって、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末、硬化性ポリマー及び揮発性溶剤からなることを特徴とする塗料組成物。
請求項6の、前記熱伝導性粒子粉末が5容量%〜40容量%、硬化性ポリマーが5容量%〜40容量%、揮発性溶剤が20容量%〜90容量%であることを特徴とする、請求項5記載の塗料組成物。
請求項7の、前記熱伝導性粒子粉末が炭化ケイ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末又は黒鉛粉末であることを特徴とする、請求項5又は請求項6記載の塗料組成物。
請求項8の、前記硬化性ポリマーが常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであることを特徴とする、請求項5〜請求項7のいずれか1項記載の塗料組成物。
請求項9の、揮発性溶剤の沸点が50℃以上、300℃以下であることを特徴とする、請求項5〜請求項8のいずれか1項記載の塗料組成物。
請求項10の、請求項5記載の塗料組成物を、被塗布体に、硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μm以下なるような厚さで塗布し、揮発性溶剤を揮発させ、硬化性ポリマーを硬化させることを特徴とする、請求項1記載の放熱性硬化塗膜の製造方法。
請求項11の、請求項6記載の塗料組成物を、被塗布体に、硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μm以下なるような厚さで塗布し、揮発性溶剤を揮発させ、硬化性ポリマーを硬化させることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の放熱性硬化塗膜の製造方法。
請求項12の、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の放熱性硬化塗膜を有することを特徴とする電子機器。」からなる。
「請求項1の、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末を含有する硬化ポリマーからなり、前記熱伝導性粒子によって硬化塗膜表面全体に微細な凹凸が形成されて塗膜表面が凹凸面とされており、該凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm以上であり、凸部位置の硬化塗膜の厚さが2000μm以下であり、かつ、硬化塗膜の熱伝導率が0.4W/m・K以上であることを特徴とする放熱性硬化塗膜。
請求項2の、前記凹凸面の凸部の合計面積(但し、凹凸面を真上から見たときの、凸部の合計面積である。)が、前記凹凸面の全面積(但し、凹凸面を真上から見たときの全面積である。)に占める割合は、20%〜80%であることを特徴とする、請求項1記載の放熱性硬化塗膜。
請求項3の、前記熱伝導性粒子粉末が炭化ケイ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末又は黒鉛粉末であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の放熱性硬化塗膜。
請求項4の、前記ポリマーが常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項記載の放熱性硬化塗膜。
請求項5の、請求項1記載の放熱性硬化塗膜を形成するための塗料組成物であって、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末、硬化性ポリマー及び揮発性溶剤からなることを特徴とする塗料組成物。
請求項6の、前記熱伝導性粒子粉末が5容量%〜40容量%、硬化性ポリマーが5容量%〜40容量%、揮発性溶剤が20容量%〜90容量%であることを特徴とする、請求項5記載の塗料組成物。
請求項7の、前記熱伝導性粒子粉末が炭化ケイ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末又は黒鉛粉末であることを特徴とする、請求項5又は請求項6記載の塗料組成物。
請求項8の、前記硬化性ポリマーが常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであることを特徴とする、請求項5〜請求項7のいずれか1項記載の塗料組成物。
請求項9の、揮発性溶剤の沸点が50℃以上、300℃以下であることを特徴とする、請求項5〜請求項8のいずれか1項記載の塗料組成物。
請求項10の、請求項5記載の塗料組成物を、被塗布体に、硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μm以下なるような厚さで塗布し、揮発性溶剤を揮発させ、硬化性ポリマーを硬化させることを特徴とする、請求項1記載の放熱性硬化塗膜の製造方法。
請求項11の、請求項6記載の塗料組成物を、被塗布体に、硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μm以下なるような厚さで塗布し、揮発性溶剤を揮発させ、硬化性ポリマーを硬化させることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の放熱性硬化塗膜の製造方法。
請求項12の、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の放熱性硬化塗膜を有することを特徴とする電子機器。」からなる。
本発明の放熱性硬化塗膜は、高低差の大きな凹凸を有しているため大きな表面積を得ることができるので、放射・対流による放熱を効率良く行うことができる。本発明の塗料組成物は、塗布作業が容易であり、かつ高低差の大きな凹凸面を有する放熱性に優れる放熱性硬化塗膜を容易に形成することができる。本発明の放熱性塗膜の製造方法によると、高低差の大きな凹凸面を有し放熱性に優れる放熱性硬化塗膜を容易に形成することができる。本発明の放熱性硬化塗膜を有する電子機器は、高低差の大きな凹凸面を有し放熱性に優れる放熱性硬化塗膜を有するので、放熱性能が良く優れた電子機器性能を発揮することができる。
図1は、塗料組成物の硬化塗膜の放熱性測定用試験装置Aの平面図である。該放熱性測定用試験装置Aは、放熱板2上に塗料組成物を塗布し硬化させて硬化塗膜1を形成させたものを発熱体4の上に置き、発熱体中の3aを熱電対温度計測点とし、熱電対3が接続された温度計(図示せず)の指示温度が安定したらその温度を読み取ることにより放熱性を比較測定するものである。
図2は、図1における側面図である。
図2は、図1における側面図である。
本発明の放熱硬化性塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器について詳細に説明する。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、放熱性硬化塗膜は、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末を含有する硬化ポリマーからなり、前記熱伝導性粒子によって塗膜表面全体に微細な凹凸が形成されて硬化塗膜表面が凹凸面とされており、該凹凸面における最大高さが10μm以上であり、凸部位置の硬化塗膜の厚さが2000μm以下であり、かつ、硬化塗膜の熱伝導率が0.4W/m・K以上である。
なお、前記最大高さは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。つまり、前記最大高さは、凹凸面における最高の凸部の山頂と最低の凹部の谷底との、高さ方向の距離を示す。前記最大高さは、凹凸面の全面積の範囲、若しくは凹凸面の一部の面積を代表面積とした範囲において、凹凸面における最高の高さと最低の高さを、デジタルマイクロスコープ等の計測機器で計測して求めることができる。但し、計測機器は、デジタルマイクロスコープに限定されるものではない。
また、前記放熱性硬化塗膜を形成するための塗料組成物であって、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末,硬化性ポリマー及び揮発性溶剤からなることを特徴とする。該塗料組成物の成分割合は、前記放熱性硬化塗膜を形成することができれば特に限定されないが、前記熱伝導性粒子粉末が5容量%〜40容量%、硬化性ポリマーが5容量%〜40容量%、揮発性溶剤が20容量%〜90容量%であることが望ましい。前記熱伝導性粒子粉末が10容量%〜40容量%、硬化性ポリマーが5容量%〜40容量%、揮発性溶剤が20容量%〜85容量%であることがさらに望ましい。本発明の塗料組成物は、常温でペースト状またはスラリー状であることが好ましく、チクソトロッピクであってもよい。
また、本発明の放熱性硬化塗膜の製造方法は、前記塗料組成物を、被塗布体に、硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μm以下なるような厚さで塗布し、揮発性溶剤を揮発させ、硬化性ポリマーを硬化させることを特徴とする。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、熱伝導性粒子粉末は、放熱すべき発熱体から熱伝導によって熱を吸収し、該吸収した熱を周辺空気等へ放射・対流によって放散する役割をもつ。このため熱伝導性粒子粉末は、放射性が高く熱伝導率が大きいものが望ましい。このような熱伝導性粒子粉末には無機系微粒子粉末、金属系微粒子粉末がある。
無機系微粒子粉末としては、シリカ粉末、アルミナ粉末、窒化ケイ素粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末、炭化ケイ素粉末、ブラックシリカ粉末、炭酸カルシウム粉末、炭酸亜鉛粉末、酸化マグネシウム粉末、酸化チタン粉末、酸化鉄粉末、カーボンブラック粉末、黒鉛粉末、ダイヤモンド粉末が例示される。
金属系微粒子粉末としては、白金粉末、金粉末、銀粉末、銅粉末、パラジウム粉末、インジウム粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末、スズ粉末、鉛粉末、亜鉛粉末、酸化亜鉛粉末、ビスマス粉末、鉄粉末、コバルト粉末、及び、白金、金、銀、銅、パラジウム、インジウム、アルミニウム、ニッケル、スズ、鉛、亜鉛、ビスマス、鉄、コバルト等の各金属の合金粉末が例示される。
これらの熱伝導性粒子粉末は2種類以上を併用しても良く、また、その表面が撥水処理、親水処理又は官能基の付加等の処理がなされていても良い。また、熱放射性、熱伝導率の点で、これら熱伝導性粒子粉末は、特に、炭化ケイ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末、及び黒鉛粉末が望ましい。
熱伝導性粒子粉末の熱伝導性粒子の形状は特に限定されず、球状・粒状・フレーク状・針状・角状・樹枝状・不規則形状・涙滴状・板状・極薄板状・六角板状・柱状・棒状・多孔状・繊維状・塊状・海綿状・けい角状・丸み状等が例示される。その平均粒子径が0.1μmから1000μmの範囲内であることが好ましく、10μmから500μmの範囲であることが更に望ましい。粒子径の測定は市販のレーザー回折式粒度分布測定装置により行うことができる。10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、望ましくは50重量%〜100重量%である。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、熱伝導性粒子粉末は、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、望ましくは50重量%〜100重量%である。10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%未満であると、放熱性硬化塗膜の凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm以上を確保できないからである。また、熱伝導性粒子粉末は、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であればよく、熱伝導性粒子粉末における熱伝導性粒子の粒径分布は特に限定されるものではない。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、熱伝導性粒子粉末の放射率は0.5以上である。放射率が0.5以上であると、発熱体から伝導した熱が本発明の放熱性樹脂組成物から周辺空気等へ放散しやすくなり、発熱体の温度上昇を低減できるからである。熱伝導性粒子粉末の放射率は、望ましくは0.7〜1.0である。
なお、放射率は、ある温度の物体が熱放射を発するとき、その物体と同じ温度の黒体放射との比のことであり、熱放射率ともいう。具体的には、物体が熱を帯びているときに出す赤外線の強さを表す数値を、理想黒体を1.0(100%)としたときの比率で表したものであり、放射測定法、反射測定法、熱量測定法等の公知の方法で測定することができ、多くの測定装置が市販されている。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、放熱性硬化塗膜の凹凸面は、最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm以上であり、凸部位置の硬化塗膜の厚さが2000μm以下である。該凹凸面における凹凸の平均的な凸部と凹部の高さの差は、望ましくは5〜800μmであり、更に望ましくは10〜400μmである。該凹凸面における凹凸の平均的な間隔は、望ましくは25〜4000μmであり、更に望ましくは50〜2000μmである。
前記凹凸面における凹凸の平均的な凸部と凹部の高さの差は、凹凸面の全面積の範囲、若しくは凹凸面の一部の面積を代表面積とした範囲において、凹凸の平均的な凸部と凹部の高さを、デジタルマイクロスコープ等の計測機器で計測して求めることができる。但し、計測機器は、デジタルマイクロスコープに限定されるものではない。
また、前記凹凸面における凹凸の平均的な間隔は、凹凸面の全面積の範囲、若しくは凹凸面の一部の面積を代表面積とした範囲において、凸部とその凸部に最近接の凸部との距離、あるいは凹部とその凹部に最近接の凹部との距離を、デジタルマイクロスコープ等の計測機器で計測して求めることができる。但し、計測機器は、デジタルマイクロスコープに限定されるものではない。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、放熱性硬化塗膜の凹凸面の凸部の合計面積(但し、凹凸面を真上から見たときの、凸部の合計面積である。)が、前記凹凸面の全面積(但し、凹凸面を真上から見たときの全面積である。)に占める割合は、20%〜80%であることが好ましく、より望ましくは30〜70%である。この放熱性硬化塗膜の凹凸面の凸部の合計面積(但し、凹凸面を真上から見たときの、凸部の合計面積である。)が前記凹凸面の全面積(但し、凹凸面を真上から見たときの全面積である。)に占める割合は、凹凸面の全面積の範囲、若しくは凹凸面の一部の面積を代表面積とした範囲において、真上から見た凸部の面積を、デジタルマイクロスコープ等の計測機器で計測して求めることができる。但し、計測機器は、デジタルマイクロスコープに限定されるものではない。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、硬化性ポリマーは、硬化塗膜を形成し、被塗布体に接着、密着できるポリマーであれば特に限定されず、硬化性ポリマーの組成物でもよい。樹脂、ゴム、その中間的なもののいずれでもよい。樹脂としてエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂が例示される。ゴムとして、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、変成シリコンゴム、フッ素ゴムが例示される。
硬化性ポリマーの硬化タイプは特に限定されず、熱硬化型、常温硬化型、湿気硬化型、電子線硬化型、乾燥固化型が例示される。
この中で、望ましい硬化性ポリマーは、常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであり、特にはエポキシ樹脂、シリコン樹脂又はシリコンゴムである。
通常これらの硬化性ポリマーは、塗工しやすく、熱伝導性粒子のバインダーとして好適であり、基材への接着性、密着性が優れている。
この中で、望ましい硬化性ポリマーは、常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであり、特にはエポキシ樹脂、シリコン樹脂又はシリコンゴムである。
通常これらの硬化性ポリマーは、塗工しやすく、熱伝導性粒子のバインダーとして好適であり、基材への接着性、密着性が優れている。
本発明の塗料組成物、及び、放熱性硬化塗膜の製造方法において、揮発性溶剤は、本発明の塗料組成物が硬化する際に、揮発して塗膜から除去されるため、熱伝導性粒子粉末の無い部分の塗膜を薄くする効果がある。すなわち、本発明の塗料組成物が塗布された直後の塗膜は表面が平坦な状態であるが、揮発性溶剤の揮発に伴い塗膜の厚さは減少し、熱伝導性粒子粉末が存在する部分の厚さは減少しにくいため、熱伝導性粒子粉末の存在する部分が塗膜の上に飛び出た状態になり、その結果、塗膜を凹凸にすることができる。この凹凸は塗膜表面積を実質的に大きくする効果があり、対流熱伝達率・放射熱伝達率を大きくし、塗膜表面の放熱性を高くすることができる。このようにして、本発明の凹凸面を有する放熱性硬化塗膜を形成することができる。
本発明の塗料組成物、及び、放熱性硬化塗膜の製造方法において、揮発性溶剤は、塗料組成物の硬化途上、あるいは、硬化後には揮発して除去されることが必要であるため、沸点は低いほうが望ましい。具体的には300℃以下であることが好ましく、200℃以下であることが更に好ましく、特には150℃以下であることが望ましい。しかし沸点が低すぎると塗布作業性が低下するので沸点は50℃以上であることが望ましい。また、揮発性溶剤は硬化性ポリマーと相溶することが望ましい。
このような揮発性溶剤は硬化性ポリマーを溶解でき、硬化を阻害しなければ特には限定されない。炭素原子、水素原子及び酸素原子からなる揮発性有機化合物として、具体的には、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール等の揮発性一価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ、メチルカルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エメチルセロソルブ、エチルカルビトール)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルセロソルブ、プロピルカルビトール)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルメトキシブタノール等のエーテル結合を有する揮発性一価アルコール;ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコールなどの揮発性アラルキルアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの揮発性多価脂肪族アルコールが例示される。
さらにはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイゾブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3、5、5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、ジイブチルケトン(2、6−ジメチル−4−ヘプタノン)等の揮発性脂肪族ケトン;酢酸エチル(エチルアセテート)、酢酸ブチル、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような揮発性脂肪族カルボン酸エステル;テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル等の揮発性脂肪族エーテルが例示される。
炭素原子及び水素原子からなる揮発性炭化水素化合物として、n−パラフィン、イソパラフィン等の揮発性脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の揮発性芳香族炭化水素が例示される。その他の揮発性溶剤としては、低分子量のメチルシリコン油が例示される。
本発明の放熱性硬化塗膜の製造方法において、前記本発明の塗料組成物を、電子機器等の放熱をしたい部分(被塗布体)に塗布して、揮発性溶剤を揮発させ、硬化させることにより、硬化塗膜の表面には凹凸面が形成され、前記本発明の放熱性塗膜を形成することができる。塗布厚さは、硬化塗膜の凸部の厚さが2000μm以下、望ましくは1000μm以下となるような厚さである。硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μmより大きいと塗膜が摩擦された場合に熱伝導性粒子粉末がはがれやすくなるからである。硬化塗膜の凸部の厚さの下限値は望ましくは20μmである。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、放熱性硬化塗膜の凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm以上となることが必要である。凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm未満であると、硬化塗膜の表面積がさほど大きくならず、効果的な放熱性ができないからである。
放射による放熱のためには硬化塗膜の凹凸は大きいほうが好ましく、凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が50μm以上であることがより望ましい。
放射による放熱のためには硬化塗膜の凹凸は大きいほうが好ましく、凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が50μm以上であることがより望ましい。
硬化塗膜の凸部位置の厚さは、該凸部位置に存在する熱伝導性粒子の大きさ(硬化塗膜の厚さ方向の径)と硬化ポリマーの層の厚さとなるが、硬化ポリマー自体の放熱性は低いため、硬化塗膜中の硬化ポリマーの割合は低いほうが望ましいが、硬化ポリマーの割合が低すぎると硬化塗膜の機械的強度が低下するので摩擦等により熱伝導性粒子粉末が硬化塗膜から剥がれやすくなるという問題が生ずる。このため、本発明の放熱性硬化塗膜における熱伝導性粒子粉末と硬化性ポリマーの重量比率は、70:30〜95:5であることが好ましく、また、本発明の塗料組成物における熱伝導性粒子粉末と硬化性ポリマーの重量比率は、70:30〜95:5であることが望ましい。
本発明の放熱性硬化塗膜、塗料組成物、放熱性硬化塗膜の製造方法、及び、放熱性硬化塗膜を有する電子機器において、放熱性塗膜の熱伝導率は大きいほうが好ましく、0.4W/m・K以上である。望ましくは、0.5W/m・K以上である。該熱伝導率が0.4W/m・K以上であると、発熱部からの熱が凹凸面を有する放熱性硬化塗膜の表面に伝わりやすく、放熱性が高くなるからである。熱伝導率は通常の方法(定常法、非定常法)で測定できる。
本発明の塗料組成物を被塗布体に塗布する方法は、特に制限されず、ディスペンス塗布、印刷塗布、ローラ塗布、ブレード塗布、スプレー塗布、はけ塗り、滴下、注入が例示される。また、本発明に支障のない範囲で、本発明の塗料組成物に貯蔵安定剤、耐熱添加剤、酸化防止剤、難燃性付与剤、着色剤、チクソ剤等を配合してもよい。
本発明の塗料組成物は、密閉容器に保存することが望ましい。長期間保存後に使用するときは、容器を振とうしてから、あるいは容器内を攪拌してから使用することが望ましい。保存安定性を向上する目的で冷蔵保管をしても良く、保管温度として10℃以下が例示される。
本発明の塗料組成物の被塗布体として、CPU、メモリ、モーター、液晶テレビジョンやプラズマテレビジョンのドライバーIC、MPUチップセット、半導体パワーモジュール、産業機器・ロボットなどの制御モジュール、スイッチング電源、自動車用電装品、オーディオアンプ等の発熱体やこのような発熱体に接続された放熱フィンが例示される。
本発明の凹凸面を有する放熱性硬化塗膜を有する電子機器は、放熱性能が良いので、これを組み込んだ各種機器や装置は長時間の稼動が可能となる。このような電子機器としては上記の被塗布体が例示される。
本発明の実施例と比較例を掲げる。実施例と比較例中、部とあるのは重量部を意味する。塗料組成物の比重、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性は、下記の方法により測定した。
[塗料組成物の比重]
比重ビン(株式会社フィッシャー・サイエンティフィック・ジャパン製、CatNo.03−247)を使用し、25℃で測定した。
比重ビン(株式会社フィッシャー・サイエンティフィック・ジャパン製、CatNo.03−247)を使用し、25℃で測定した。
[塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ]
10cm×10cm、厚さ3mmのアルミニウム製の放熱板上に、塗料組成物を5ml塗布して平坦に広げてから硬化させた。デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を用いて、硬化塗膜の中心部の5mm×5mmの範囲における塗膜について、凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)を測定した。
10cm×10cm、厚さ3mmのアルミニウム製の放熱板上に、塗料組成物を5ml塗布して平坦に広げてから硬化させた。デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を用いて、硬化塗膜の中心部の5mm×5mmの範囲における塗膜について、凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)を測定した。
なお、塗料組成物中の硬化性ポリマーが加熱硬化性の場合は、25℃で20時間風乾後、熱風循環式オーブンを用い、150℃で30分間加熱して硬化させた。塗料組成物中の硬化性ポリマーが常温硬化性の場合は、23℃、相対湿度50%の雰囲気中に5日間静置して硬化させた。
[塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合]
10cm×10cm、厚さ3mmのアルミニウム製の放熱板上に、塗料組成物を5ml塗布して平坦に広げてから硬化させた。デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を用いて、硬化塗膜の中心部の5mm×5mmの範囲における塗膜の凸部の面積を測定して合計面積を求め、塗膜凹凸面の前記面積(但し、凹凸面を真上から見たときの前記面積である。)に占める割合を求めた。
10cm×10cm、厚さ3mmのアルミニウム製の放熱板上に、塗料組成物を5ml塗布して平坦に広げてから硬化させた。デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を用いて、硬化塗膜の中心部の5mm×5mmの範囲における塗膜の凸部の面積を測定して合計面積を求め、塗膜凹凸面の前記面積(但し、凹凸面を真上から見たときの前記面積である。)に占める割合を求めた。
なお、塗料組成物中の硬化性ポリマーが加熱硬化型の場合は、25℃で20時間風乾後、熱風循環式オーブンを用い、150℃で30分間加熱して硬化させた。塗料組成物中の硬化性ポリマーが常温硬化型の場合は、23℃、相対湿度50%の雰囲気中に5日間静置して硬化させた。
[塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率]
予め、塗料組成物中の溶剤を、真空オーブン(25℃、真空度0.5kPa)で揮発させた。10mm×10mm角のシリコンウエハー間に厚さが50μm又は100μmとなるよう該塗料組成物残渣を挟み込み、硬化させて試験体とした。熱抵抗測定装置(株式会社日立製作所製、樹脂材料熱抵抗測定装置)を用い、各試験体について熱抵抗(単位;℃/W)を測定し、各厚さ(単位;m)と熱抵抗の関係をグラフにプロットして直線を引き、その傾きを熱伝導率(単位;W/m・K)として算出した。
予め、塗料組成物中の溶剤を、真空オーブン(25℃、真空度0.5kPa)で揮発させた。10mm×10mm角のシリコンウエハー間に厚さが50μm又は100μmとなるよう該塗料組成物残渣を挟み込み、硬化させて試験体とした。熱抵抗測定装置(株式会社日立製作所製、樹脂材料熱抵抗測定装置)を用い、各試験体について熱抵抗(単位;℃/W)を測定し、各厚さ(単位;m)と熱抵抗の関係をグラフにプロットして直線を引き、その傾きを熱伝導率(単位;W/m・K)として算出した。
なお、塗料組成物中の硬化性ポリマーが加熱硬化型の場合は、25℃で20時間風乾後、熱風循環式オーブンを用い、150℃で30分間加熱して硬化させた。塗料組成物中の硬化性ポリマーが常温硬化型の場合は、23℃、相対湿度50%の雰囲気中に5日間静置して硬化させた。
[塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性]
図1、図2に基づいて、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性試験について説明する。図1は、塗料組成物の硬化塗膜の放熱性測定用試験装置Aの平面図であり、図2は、塗料組成物の硬化塗膜の放熱性測定用試験装置Aの側面図である。10cm×10cm、厚さ3mmのアルミニウム製の放熱板2上に塗料組成物を5ml塗布して平坦に広げて硬化させて硬化塗膜1を形成し、内蔵した定格100Wのセラミックヒーターを50Vの定電圧印加で加熱した37mm×50mmの発熱体4(発熱体4下の断熱材5によって下面は断熱されている。)の上に置き、発熱体4中の3aを熱電対温度計測点とする熱電対3が接続された温度計(図示せず)の指示温度が安定したときの温度を読み取ることで放熱性を測定し、塗料組成物を塗布していないときの熱電対温度計の指示温度との差を放熱性とした。
図1、図2に基づいて、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性試験について説明する。図1は、塗料組成物の硬化塗膜の放熱性測定用試験装置Aの平面図であり、図2は、塗料組成物の硬化塗膜の放熱性測定用試験装置Aの側面図である。10cm×10cm、厚さ3mmのアルミニウム製の放熱板2上に塗料組成物を5ml塗布して平坦に広げて硬化させて硬化塗膜1を形成し、内蔵した定格100Wのセラミックヒーターを50Vの定電圧印加で加熱した37mm×50mmの発熱体4(発熱体4下の断熱材5によって下面は断熱されている。)の上に置き、発熱体4中の3aを熱電対温度計測点とする熱電対3が接続された温度計(図示せず)の指示温度が安定したときの温度を読み取ることで放熱性を測定し、塗料組成物を塗布していないときの熱電対温度計の指示温度との差を放熱性とした。
なお、塗料組成物中の硬化性ポリマーが加熱硬化型の場合は、25℃で20時間風乾後、熱風循環式オーブンを用い、150℃で30分間加熱して硬化させた。塗料組成物中の硬化性ポリマーが常温硬化型の場合は、23℃、相対湿度50%の雰囲気中に5日間静置して硬化させた。
[実施例1]
25℃における粘度が7Pa・sである加熱硬化性シリコン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSE3251−C)10部と揮発性溶剤として沸点が140℃であるキシレン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)40部を混合して加熱硬化性樹脂溶液を調製した。
次にこの硬化性樹脂溶液に熱伝導性粒子粉末として市販の炭化ケイ素粉末(最小粒子径が60μm、最大粒子径が180μm、平均粒子径106μm、放射率0.9)50部を混合してペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる。
25℃における粘度が7Pa・sである加熱硬化性シリコン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSE3251−C)10部と揮発性溶剤として沸点が140℃であるキシレン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)40部を混合して加熱硬化性樹脂溶液を調製した。
次にこの硬化性樹脂溶液に熱伝導性粒子粉末として市販の炭化ケイ素粉末(最小粒子径が60μm、最大粒子径が180μm、平均粒子径106μm、放射率0.9)50部を混合してペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる。
[実施例2]
実施例1において、炭化ケイ素の代わりに、市販の黒鉛粉末(最小粒子径が0.5μm、最大粒子径が32μm、平均粒子径10μm、放射率0.8)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる。
実施例1において、炭化ケイ素の代わりに、市販の黒鉛粉末(最小粒子径が0.5μm、最大粒子径が32μm、平均粒子径10μm、放射率0.8)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる。
[実施例3]
実施例1において、炭化ケイ素の代わりに、市販のアルミナ粉末(最小粒子径が1μm、最大粒子径が40μm、平均粒子径15μm、放射率0.5)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる。
実施例1において、炭化ケイ素の代わりに、市販のアルミナ粉末(最小粒子径が1μm、最大粒子径が40μm、平均粒子径15μm、放射率0.5)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる。
[実施例4]
実施例1において、加熱硬化性シリコン樹脂の代わりに、25℃における粘度が35Pa・sである常温硬化性シリコン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SE9140)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる
実施例1において、加熱硬化性シリコン樹脂の代わりに、25℃における粘度が35Pa・sである常温硬化性シリコン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SE9140)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる
[実施例5]
25℃における粘度が2Pa・sであるエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:ZX−1059)5部、反応性稀釈剤であるアルカン酸グリシジルエステル(東都化成株式会社製)1.5部、硬化剤であるポリオキシプロピレンジアミン(ピィ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)3部、及び、硬化促進剤であるトリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(ジャパンエポキシレジン株式会社製)0.5部を混合し、さらに揮発性溶剤として沸点が116℃であるメチルイソブチルケトン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)40部を混合して加熱硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
25℃における粘度が2Pa・sであるエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:ZX−1059)5部、反応性稀釈剤であるアルカン酸グリシジルエステル(東都化成株式会社製)1.5部、硬化剤であるポリオキシプロピレンジアミン(ピィ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)3部、及び、硬化促進剤であるトリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(ジャパンエポキシレジン株式会社製)0.5部を混合し、さらに揮発性溶剤として沸点が116℃であるメチルイソブチルケトン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)40部を混合して加熱硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
次に、この硬化性樹脂組成物に、放熱性粒子として市販の炭化ケイ素粉末(最小粒子径が60μm、最大粒子径が180μm、平均粒子径106μm、放射率0.9)50部を混合してペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表1にまとめて示した。以上の結果より、該塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)が発熱体から効果的に放熱し、発熱体の温度上昇を低減するのに有用なことがわかる。
[比較例1]
25℃における粘度が7Pa・sである加熱硬化性シリコン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSE3251−C)40部と揮発性溶剤として沸点が140℃であるキシレン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)10部を混合して加熱硬化性シリコン樹脂溶液を調製した。
この加熱硬化性シリコン樹脂溶液に熱伝導性粒子粉末として市販の炭化ケイ素粉末(最小粒子径が0.1μm、最大粒子径が1.2μm、平均粒子径0.5μm、放射率0.9)50部を混合して、クリーム状塗料組成物を調製した。このクリーム状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表2にまとめて示した。該塗料組成物硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さが小さく、放熱性が不十分であった。
25℃における粘度が7Pa・sである加熱硬化性シリコン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSE3251−C)40部と揮発性溶剤として沸点が140℃であるキシレン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)10部を混合して加熱硬化性シリコン樹脂溶液を調製した。
この加熱硬化性シリコン樹脂溶液に熱伝導性粒子粉末として市販の炭化ケイ素粉末(最小粒子径が0.1μm、最大粒子径が1.2μm、平均粒子径0.5μm、放射率0.9)50部を混合して、クリーム状塗料組成物を調製した。このクリーム状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表2にまとめて示した。該塗料組成物硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さが小さく、放熱性が不十分であった。
[比較例2]
実施例1において、炭化ケイ素粉末の代わりに、市販のアルミニウム粉末(最小粒子径が12μm、最大粒子径が54μm、平均粒子径30μm、放射率0.3)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表2にまとめて示した。放熱性粒子の放射率が低く、放熱性が不十分であった。
実施例1において、炭化ケイ素粉末の代わりに、市販のアルミニウム粉末(最小粒子径が12μm、最大粒子径が54μm、平均粒子径30μm、放射率0.3)を使用した以外は同様にしてペースト状塗料組成物を調製した。このペースト状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表2にまとめて示した。放熱性粒子の放射率が低く、放熱性が不十分であった。
[比較例3]
実施例1において、炭化ケイ素粉末を10部使用した以外は同様にしてスラリー状塗料組成物を調製した。このスラリー状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表2にまとめて示した。塗料組成物硬化後の硬化塗膜の熱伝導率及び硬化後の硬化塗膜の凹凸面における凸部の合計面積の割合が小さく、放熱性が不十分であった。
実施例1において、炭化ケイ素粉末を10部使用した以外は同様にしてスラリー状塗料組成物を調製した。このスラリー状塗料組成物について、塗料組成物の比重、硬化後の硬化塗膜の凹凸面の最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の凹凸面の凸部の合計面積の割合、塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の熱伝導率及び塗料組成物硬化後の硬化塗膜(放熱性塗膜)の放熱性を測定し、結果を表2にまとめて示した。塗料組成物硬化後の硬化塗膜の熱伝導率及び硬化後の硬化塗膜の凹凸面における凸部の合計面積の割合が小さく、放熱性が不十分であった。
本発明の放熱性硬化塗膜は、CPU、メモリ、モーター、液晶テレビジョンやプラズマテレビジョンのドライバーIC、MPUチップセット、半導体パワーモジュール、産業機器・ロボットなどの制御モジュール、スイッチング電源、自動車用電装品、オーディオアンプ等の発熱体の放熱に有用である。
本発明の塗料組成物及び放熱性硬化塗膜の製造方法は、上記放熱性硬化塗膜の製造に有用である。
本発明の塗料組成物及び放熱性硬化塗膜の製造方法は、上記放熱性硬化塗膜の製造に有用である。
本発明の放熱性硬化塗膜を有する電子機器は、液晶テレビジョン、プラズマテレビジョン、有機ELテレビジョン、プロジェクター、プリンター、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、DVD、ハードディスク、ハイブリッドカー、冷蔵庫、エアコンディショナー、IHヒーター、ヒートポンプ、ロボット等の家庭電器機器,オフィスオートメーション機器,産業機器、電流・電圧制御機器等に有用である。
A 塗料組成物の硬化塗膜の放熱性測定用試験装置
1 硬化塗膜
2 放熱板
3 熱電対
3a 熱電対温度計測点
4 発熱体
5 断熱材
1 硬化塗膜
2 放熱板
3 熱電対
3a 熱電対温度計測点
4 発熱体
5 断熱材
Claims (12)
- 10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末を含有する硬化ポリマーからなり、前記熱伝導性粒子によって硬化塗膜表面全体に微細な凹凸が形成されて塗膜表面が凹凸面とされており、該凹凸面における最大高さ(但し、最大高さとは、凹凸面における最高の高さと最低の高さとの差の値である。)が10μm以上であり、凸部位置の硬化塗膜の厚さが2000μm以下であり、かつ、硬化塗膜の熱伝導率が0.4W/m・K以上であることを特徴とする、放熱性硬化塗膜。
- 前記凹凸面の凸部の合計面積(但し、凹凸面を真上から見たときの、凸部の合計面積である。)が、前記凹凸面の全面積(但し、凹凸面を真上から見たときの全面積である。)に占める割合は、20%〜80%であることを特徴とする、請求項1記載の放熱性硬化塗膜。
- 前記熱伝導性粒子粉末が炭化ケイ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末又は黒鉛粉末であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の放熱性硬化塗膜。
- 前記ポリマーが常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項記載の放熱性硬化塗膜。
- 請求項1記載の放熱性塗膜を形成するための塗料組成物であって、10μm以上の粒子径を有する粒子の割合が10重量%以上であり、かつ、放射率が0.5以上である熱伝導性粒子粉末、硬化性ポリマー及び揮発性溶剤からなることを特徴とする塗料組成物。
- 前記熱伝導性粒子粉末が5容量%〜40容量%、硬化性ポリマーが5容量%〜40容量%、揮発性溶剤が20容量%〜90容量%であることを特徴とする、請求項5記載の塗料組成物。
- 前記熱伝導性粒子粉末が炭化ケイ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、マイカ粉末、窒化ホウ素粉末又は黒鉛粉末であることを特徴とする、請求項5又は請求項6記載の塗料組成物。
- 前記硬化性ポリマーが常温硬化型又は熱硬化型の樹脂又はゴムであることを特徴とする、請求項5〜請求項7のいずれか1項記載の塗料組成物。
- 揮発性溶剤の沸点が50℃以上、300℃以下であることを特徴とする、請求項5〜請求項8のいずれか1項記載の塗料組成物。
- 請求項5記載の塗料組成物を、被塗布体に、硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μm以下となるような厚さで塗布し、揮発性溶剤を揮発させ、硬化性ポリマーを硬化させることを特徴とする、請求項1記載の放熱性硬化塗膜の製造方法。
- 請求項6記載の塗料組成物を、被塗布体に、硬化塗膜の凸部位置の厚さが2000μm以下となるような厚さで塗布し、揮発性溶剤を揮発させ、硬化性ポリマーを硬化させることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の放熱性硬化塗膜の製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の放熱性硬化塗膜を有することを特徴とする、電子機器。
Applications Claiming Priority (3)
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