JPWO2009139414A1 - 光電変換ユニット - Google Patents

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Abstract

光学的結合の効率、機械的結合の安定性が向上する光電変換ユニットを得る。入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する光密度変換素子11と、光電変換素子13とを具備する。光電変換素子13を、光密度変換素子11の光高密度側に近接配置し、この光密度変換素子11と一体化させる。光電変換素子13は、太陽電池又発光媒体とすることができる。光密度変換素子11は、断面内の径方向の屈折率分布が二乗分布となることが好ましい。また、光密度変換素子11は、ベース部材に石英ガラスを使用し、このガラス中に添加する不純物の添加量を変えて屈折率分布を形成することができる。

Description

本発明は、光密度変換素子と光電変換素子を備えて成る光電変換ユニットに関する。
光エネルギの高効率利用を図る光電変換システムが特許文献1に開示されている。この光電変換システムは、周囲よりも屈折率が高く円錐状の形状を有する高屈折率領域と、所定数形成される高屈折率領域のそれぞれの円錐頂点部分に一端が結合された導光手段と、導光手段の他端に設けられた光電変換手段からなる。
特許文献2には、太陽光を集光する光学的手段(PARABOLIC MIRROR ARRAY等)と、集光された太陽光を導く光ファイバ(OPTICAL FIBER)と、この光ファイバにて太陽光の導かれる太陽光変換手段(PHOTOVOLTAIC CELLS)からなる太陽光発電システムが開示されている。
いずれの先行技術も太陽光を集光した上で太陽光変換手段(光電変換手段)へ光を導くため、太陽電池等の使用量を減らすことが可能となり、安価・効率的に太陽光発電を行える可能性がある。
日本国特開平8−7626号公報 米国特許第5089055号公報
しかしながら、上記した従来のシステムは、最低限3つの部分を必須に構成される。すなわち、特許文献1においては、周囲よりも屈折率が高く円錐状の形状を有する高屈折率領域(第1の部分)、所定数形成される高屈折率領域のそれぞれの円錐頂点部分に一端が結合された導光手段(第2の部分)、導光手段の他端に設けられた光電変換手段(第3の部分)である。特許文献2においては、太陽光を集光する光学的手段(第1の部分)、集光された太陽光を太陽光変換手段に導く光ファイバ(第2の部分)、太陽光変換手段(第3の部分)である。これら3つの部分は、それぞれ機能が異なるため、別材料から別工程で製造する必要があり、部品数が多く、製造工程が増えた。また、相互の光学的・機械的結合が必要であり、特に光学的な結合に関しては、一定以上の結合効率を得るためには高い位置決め精度が必要となった。その結果、光学的結合の効率が悪いとともに、機械的結合の安定性も低い。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、光学的結合の効率、機械的結合の安定性が向上する光電変換ユニットを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する光密度変換素子と、
前記光密度変換素子において光密度が高密度となる端面に近接配置し、前記光密度変換素子と一体化させた光電変換素子と、
を具備することを特徴とする光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子及び光電変換素子の二つの部品のみが光学的・機械的に直接結合され、中間部材が介在することによる光学的な損失や、機械的な精度低下が生じ難くなる。
また、光密度変換素子の光高密度側に光電変換素子が一体化して機械的に結合でき、高い結合精度が簡素な構造で得られる。そして、光密度変換素子には光高密度側に向かって集束する光路が形成され、光高密度側が出射端面となれば、入射端面からの光を光電変換素子に集光でき、光高密度側が入射端面となれば、光電変換素子からの光を出射端面から拡散できる。
(2) 前記光電変換素子が太陽電池であることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、入射端面に入射した光が出射端面に向かって集束する光に変換され、太陽電池に集光される。すなわち、太陽光発電ユニットとして使用可能となる。光密度変換素子が細径・薄厚のレンズとして用いられ、集光を行わずに直接太陽光を受光する場合に対し、必要とされる太陽電池の大幅なサイズ低減が可能となる。
(3) 前記光電変換素子が発光媒体であることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、太陽光発電ユニットとしての使用時とは逆方向、つまり、太陽光発電ユニットにおいては太陽電池が設置されている側から発光媒体にて光を入射させることで、光電変換素子が光を広げる素子となる。これにより、光電変換ユニットが、一般照明や、表示装置用の照明(例えば平面ディスプレイのバックライト)として利用可能となる。
(4) 前記光密度変換素子は、入射端面に対し平行な断面内において屈折率分布が径方向に対しては変化し、入射端面に対し垂直な方向には実質的に均一の分布屈折率型であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子での光線が正弦波状に振動しながら周期的に伝搬する。入射光が入射端面に垂直方向に伝搬する平行光の場合、振動の1周期長を1ピッチ(p)とすると、p/4やp/2の伝搬長で、集束光又は拡散光に変換できる。
(5) 前記光密度変換素子は、入射端面に平行な断面内において一定以上の屈折率を有する高屈折率領域の断面積が、入射端面側から出射端面側に向かって連続的に変化することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子において、高屈折率領域の断面積が、入射端面側から出射端面側に向かって連続的に変化している。これにより、高屈折領域部分の形状に沿って光を任意の方向に導くことができる。
(6) 前記光密度変換素子を形成するベース部材に石英ガラスを使用し、該ガラス中に添加する不純物の添加量を変えて前記光密度変換素子内に屈折率分布を形成することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、ベースの材料として石英ガラスが使用され、この石英ガラス中に、屈折率分布を持たせるための不純物(ドーパント)、例えばGe0が添加され、その添加量が変えられることで径方向に屈折率が変化した光密度変換素子が得られる。なお、上記のように断面の周方向、及び長手方向についての屈折率は実質的に均一となる。このような屈折率分布を有する光密度変換素子の形成には、火炎内でガラス原料及びドーパントを反応させ、ガラス微粒子を生成し、ガラス微粒子をターゲットに堆積させてドーパントを含む多孔質ガラス母材を合成し、これを焼結することで所謂プリフォームとする製造技術を好適に用いることができる。
(7) 前記光密度変換素子を形成するベース部材に石英ガラスを使用し、該ガラス中に形成する空孔密度を変えて前記光密度変換素子内に屈折率分布を形成することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、屈折率分布を持たせる手段として石英ガラス中に空孔を分布させる。この場合、Ge0を添加するケースの例に対して、最大比屈折率差を約1桁大きくすることが可能となる。
(8) 前記ベース部材に石英ガラスに代えて屈折率の絶対値が大きい物質を用いることを特徴とする(6)又は(7)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、石英ガラスよりも屈折率の絶対値が大きい物質がベースの材料として使用され、屈折率分布を形成するために、このベース材料中に空孔を分布させれば、さらに最大比屈折率を大きくし、分布屈折率型平面レンズの厚さをより薄くすることが可能となる。
(9) 前記光密度変換素子において一方の端面に対し、他方の端面の光密度が高密度となる所定の位置に、前記光電変換素子を位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、分布屈折率型平面レンズの焦点位置に使用する太陽電池の大きさ・形状に合せた位置決め手段である例えば溝を形成することで、この溝に太陽電池を嵌合し、光学的・機械的結合を高精度に且つ容易に実現することが可能となる。
(10) (1)〜(9)のいずれか1つの光電変換ユニットを複数個配置してアレイ化していることを特徴とする光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子である例えば分布屈折率型平面レンズを複数使用してアレイ化し、太陽電池を個々の分布屈折率型平面レンズに対して設けることで、例えば太陽電池及び分布屈折率型平面レンズを密に集合させた高密度・高効率の太陽光発電ユニットを優れた量産性で安価に製造できる。
本発明に係る光電変換ユニットによれば、入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する光密度変換素子と、光密度変換素子において光密度が高密度となる端面に近接配置し、前記光密度変換素子と一体化させた光電変換素子を備えて成るので、二つの部品を光学的・機械的に直接結合させるのみでユニットが構成でき、光学的結合の効率、機械的結合の安定性を向上させることができる。
本発明に係る光電変換ユニットの分解斜視図である。 図1に示した二乗分布型導波路の作用説明図である。 テーパ状導波路の断面図である。 複数個を配置してアレイ化された光電変換ユニットの斜視図である。
以下、本発明に係る光電変換ユニットの好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る光電変換ユニットの分解斜視図である。
本実施の形態による光電変換ユニット100は、光密度変換素子11と、光電変換素子13とを具備して構成される。光密度変換素子11は、入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する。
本実施の形態における光密度変換素子11は、平面状の集光素子の一例として、断面内の径方向の屈折率分布n(r)が(式1)で表される二乗分布となる分布屈折率型平面レンズを構成している。
(r)=n (1−a) …(式1)
但し、nは導波路中心の屈折率、aは屈折率分布半径、rは光軸からの距離である。
図2は分布屈折率型平面レンズを構成する二乗分布型導波路の説明図である。
二乗分布型導波路での光線は、図2(a)に示すように、正弦波状に振動しながら周期的に伝搬する。入射光が入射端面に垂直方向に伝搬する平行光の場合、振動の1周期長を1ピッチ(p)とすると、図2(b)に示すp/2や、図2(c)に示すp/4の伝搬長で、拡散光又は集束光に変換する。本実施の形態では、このうち、図2(c)に示す集光・拡光する光路を形成する屈折率分布が利用されている。すなわち、二乗分布型導波路は、入射端面に対し平行な断面内での屈折率分布が径方向に対しては変化し、入射端面に対し垂直方向(長手方向)には、実質的に均一である。
p/4を焦点距離fとした光密度変換素子11は、集光用途では図2(c)に示す平面11が入射端面、平面11が出射端面に、拡散用途では平面11が入射端面、平面11が出射端面となる。
光密度変換素子11は、ベース部材に石英ガラスを使用し、このガラス中に添加する不純物の添加量を変えて屈折率分布を形成することができる。べースの材料として使用される石英ガラス中に、屈折率分布を持たせるための不純物(ドーパント)、例えばGe0が添加され、その添加量が変えられることで、径方向に屈折率が変化した光密度変換素子が得られる。なお、上記のように断面の周方向、及び長手方向についての屈折率は実質的に均一となる。このような屈折率分布を有する光密度変換素子11の形成には、火炎内でガラス原料及びドーパントを反応させ、ガラス微粒子を生成し、ガラス微粒子をターゲットに堆積させてドーパントを含む光ファイバ用の多孔質ガラス母材を合成し、これを焼結することで所謂プリフォームとする製造技術を好適に用いることができる。
べースの材料として石英ガラス(n≒1.46)、屈折率分布を持たせるためにGe0を添加するケースを想定した場合、最大比屈折率差を3%とすると、屈折率分布半径a=10cmの場合、平行光が分布屈折率型平面レンズ(光密度変換素子11)に垂直に入射すると、入射面から約65cmの点で入射光は焦点を結ぶ(すなわち、集光率が最大となる)。
一方、屈折率分布を持たせる他の手段としては、石英ガラス中に空孔を分布させることも有効である(米国特許第7039284号公報のFig.2B及びFig.3参照)。この場合、Ge0を添加する場合に比べ、最大比屈折率差を約1桁大きくすることが可能となる。この結果、屈折率分布半径10cmの場合、焦点距離を約20cmまで短くすることが可能となり、分布屈折率型平面レンズ(光密度変換素子11)の厚さを薄くすることができる。
また、空孔を分布させて屈折率分布を形成する場合は、単一材料にてレンズを形成することが可能となるため、安価な材料をベース材料として用いれば安価な分布屈折率型平面レンズを製造できる。
光密度変換素子11のベース材料としては、石英ガラスに限定されない。石英ガラスよりも屈折率の絶対値が大きい物質をベース材料として使用し、屈折率分布を形成し、このベース材料中に空孔を分布させれば、さらに最大比屈折率を大きくし、分布屈折率型平面レンズの厚さをより薄くすることも可能となる。
なお、上記のGe0を添加する構成、空孔を分布させる構成とも正の屈折率を有する材料を使用するが、所謂メタマテリアルを使用した負の屈折率を有する材料を利用すると、集光素子を上記の例以上に薄くできる。
本実施の形態による光電変換ユニット100は、光電変換素子13を、光密度変換素子11において光密度が高密度となる端面(図2(c)の平面11側)に近接配置し、光密度変換素子11と一体化させている。光密度変換素子11における一対の平行平面(入射端面11又は出射端面11)の光高密度側に光電変換素子13が一体化して機械的に結合でき、高い結合精度が簡素な構造で得られている。そして、光密度変換素子11には光高密度側に向かって集束する光路(コア部15)が形成され、入射端面からの光を光電変換素子13に集光する。
なお、「近接」とは、端面に接触、端面の近傍、端面の凹部に係合する、などを含むものである。
この光電変換素子13には太陽電池を使用することができる。これにより、入射端面11に入射した光が出射端面11に向かって集束する光に変換され、太陽電池に集光される太陽光発電ユニットとなる。光密度変換素子11が細径・薄厚のレンズとして用いられるので、集光を行わずに直接太陽光を受光する場合に比べ、必要とされる太陽電池の大幅なサイズ低減が可能となる。
このように、光密度変換素子11の焦点位置に太陽電池を設置すれば、上記の例において、分布屈折率型平面レンズの製造不完全さに伴う焦点位置ずれ、あるいは、太陽電池設置位置の位置決め精度等を考慮しても、半径0.5cm程度で十分に集光された光を結合させることが可能となる。これにより、集光を行わずに直接太陽電池で太陽光を受光する場合に対して、必要となる太陽電池のサイズを1/400{=(0.5/10)}にまで低減することができる。
光電変換ユニット100には、光密度変換素子11において一方の端面に対し、他方の端面の光密度が高密度となる所定の位置に、光電変換素子13を位置決めするための位置決め手段19が設けられている。光密度変換素子11と光電変換素子13を結合させる手段としては、分布屈折率型平面レンズの光密度が光高密度となる位置に、光電変換素子13の大きさ・形状に合せた位置決め手段19である溝19aを形成し、この溝19aに光電変換素子(太陽電池等)13を設置することで、光学的・機械的結合を実現できる。
ここで、「光学的結合」とは、光密度変換素子(集光素子)11と、光電変換素子(太陽電池等)13とが、所望の集光率となるように同軸上に近接配置されていることをいう。「機械的結合」とは、接着やモールドで、一体化されていることを指す。
分布屈折率型平面レンズの焦点位置に使用する太陽電池の大きさ・形状に合せた溝19aを形成することで、この溝19aに太陽電池を嵌合し、光学的・機械的結合を高精度に且つ容易に実現することが可能となる。
なお、本発明に係る光電変換ユニットは、焦点距離に拘らず、集光位置が適切な位置になるように、光電変換素子(太陽電池等)13が、光密度変換素子11に近接して配置され、一体化されていればよい。光密度変換素子11としては、平面レンズに限定されない。例えば、テーパ状に細くなる導波路で集光し、細くなった導波路部分が所望の集光面積になっていればよい。
図3は、二乗分布型導波路に代わるテーパ状導波路の断面図である。
このテーパ状導波路を構成する光密度変換素子11は、入射端面に平行な断面内において一定以上の屈折率を有する高屈折領域15の断面積が、入射端面側から出射端面側に向かって連続的に変化している。これにより、光密度変換素子11は、任意に形成される高屈折領域部分の形状に沿って光を導くことができる。
図4は複数個を配置してアレイ化された光電変換ユニットの斜視図である。
光電変換ユニット100は、複数個配置してアレイ化してもよい。光密度変換素子11である例えば分布屈折率型平面レンズを複数使用してアレイ化し、太陽電池を個々の分布屈折率型平面レンズに対して設けることで、例えば太陽電池及び分布屈折率型平面レンズを密に集合させた高密度・高効率の太陽光発電ユニット200を優れた量産性で安価に製造することができる。
また、光電変換ユニット100は、光密度変換素子11が、前記太陽光発電ユニットとしての使用時とは逆方向、つまり、太陽電池が設置されている側から光を入射させれば、光を広げる素子になり得る。このため、本光電変換ユニット100は、太陽電池に変えて、光電変換素子13に発光媒体(LED,EL等)を使用することで、一般照明や、表示装置用の照明(例えば平面ディスプレイのバックライト)としての利用も可能となる。
このように、光電変換ユニット100では、光密度変換素子11及び光電変換ユニット100の二つの部品のみが光学的・機械的に直接結合され、中間部材が介在することによる光学的な損失や、機械的な精度低下が生じ難くなる。
したがって、上記構成の光電変換ユニット100によれば、入射端面に入射した光を出射端面から光密度を変化させて出射する光密度変換素子11と、光密度変換素子の光高密度側となる端面において該光密度変換素子と一体化させた光電変換素子13を備えて成るので、二つの部品を光学的・機械的に直接結合させるのみでユニットが構成でき、二部品以上の構成部材からなる従来ユニットに比べ、光学的結合の効率、機械的結合の安定性を向上させることができる。
なお、より広い太陽光受光面積を実現する手段としては、一つの集光素子について、その受光面積を拡大する方法が考えられる。この場合には、前記メタマテリアルを使用した集光素子等により、受光面積を拡大することができる。この際、集光素子の厚さの増加を抑える処置を併用すれば、集光素子の設置容易性等の面で有用となる。また、別の方法としては、図4に示したように、集光素子(図例は分布屈折率型平面レンズ)を複数使用してアレイ化することも考えられる。この場合、太陽電池は、個々の平面レンズに対して設け、1個では不十分ならば複数使用し、それらをアレイ化してもよい。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2008年5月13日出願の日本特許出願(特願2008−126195)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
11:光密度変換素子、11:出射端面(または入射端面)、11:入射端面(または出射端面)、13:光電変換素子、19:位置決め手段、19a:溝、100:光電変換ユニット、Ax:光軸
【0002】
領域のそれぞれの円錐頂点部分に一端が結合された導光手段(第2の部分)、導光手段の他端に設けられた光電変換手段(第3の部分)である。特許文献2においては、太陽光を集光する光学的手段(第1の部分)、集光された太陽光を太陽光変換手段に導く光ファイバ(第2の部分)、太陽光変換手段(第3の部分)である。これら3つの部分は、それぞれ機能が異なるため、別材料から別工程で製造する必要があり、部品数が多く、製造工程が増えた。また、相互の光学的・機械的結合が必要であり、特に光学的な結合に関しては、一定以上の結合効率を得るためには高い位置決め精度が必要となった。その結果、光学的結合の効率が悪いとともに、機械的結合の安定性も低い。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、光学的結合の効率、機械的結合の安定性が向上する光電変換ユニットを提供することにある。
課題を解決するための手段
[0005]
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する光密度変換素子と、
前記光密度変換素子において光密度が高密度となる端面に近接配置し、前記光密度変換素子と一体化させた光電変換素子と、
を具備した光電変換ユニットを複数個配置してアレイ化していることを特徴とする光電変換ユニット。
[0006]
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子及び光電変換素子の二つの部品のみが光学的・機械的に直接結合され、中間部材が介在することによる光学的な損失や、機械的な精度低下が生じ難くなる。
また、光密度変換素子の光高密度側に光電変換素子が一体化して機械的に結合でき、高い結合精度が簡素な構造で得られる。そして、光密度変換素子には光高密度側に向かって集束する光路が形成され、光高密度側が出射端面となれば、入射端面からの光を光電変換素子に集光でき、光高密度側が入射端面となれば、光電変換素子からの光を出射端面から拡散できる。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子である例えば分布屈折率型平面レンズを複数使用してアレイ化し、太陽電池を個々の分布屈折率型平面レンズに対して設けることで、例えば太陽電池及び分布屈折率型平面レンズを密に集合させた高密度・高効率の太陽光発電ユニットを優れた量産性で安価に製造できる。
【0005】
[0021]
(9) 前記光密度変換素子において一方の端面に対し、他方の端面の光密度が高密度となる所定の位置に、前記光電変換素子を位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
[0022]
この光電変換ユニットによれば、分布屈折率型平面レンズの焦点位置に使用する太陽電池の大きさ・形状に合せた位置決め手段である例えば溝を形成することで、この溝に太陽電池を嵌合し、光学的・機械的結合を高精度に且つ容易に実現することが可能となる。
[0023]
[0024]
発明の効果
[0025]
本発明に係る光電変換ユニットによれば、入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する光密度変換素子と、光密度変換素子において光密度が高密度となる端面に近接配置し、前記光密度変換素子と一体化させた光電変換素子を備えて成るので、二つの部品を光学的・機械的に直接結合させるのみでユニットが構成でき、光学的結合の効率、機械的結合の安定性を向上させることができる。
図面の簡単な説明
[0026]
[図1]本発明に係る光電変換ユニットの分解斜視図である。
[図2]図1に示した二乗分布型導波路の作用説明図である。
[図3]テーパ状導波路の断面図である。
[図4]複数個を配置してアレイ化された光電変換ユニットの斜視図である。
発明を実施するための形態
[0027]
以下、本発明に係る光電変換ユニットの好適な実施の形態を図面を参照し
本発明は、光密度変換素子と光電変換素子を備えて成る光電変換ユニットに関する。
光エネルギの高効率利用を図る光電変換システムが特許文献1に開示されている。この光電変換システムは、周囲よりも屈折率が高く円錐状の形状を有する高屈折率領域と、所定数形成される高屈折率領域のそれぞれの円錐頂点部分に一端が結合された導光手段と、導光手段の他端に設けられた光電変換手段からなる。
特許文献2には、太陽光を集光する光学的手段(PARABOLIC MIRROR ARRAY等)と、集光された太陽光を導く光ファイバ(OPTICAL FIBER)と、この光ファイバにて太陽光の導かれる太陽光変換手段(PHOTOVOLTAIC CELLS)からなる太陽光発電システムが開示されている。
いずれの先行技術も太陽光を集光した上で太陽光変換手段(光電変換手段)へ光を導くため、太陽電池等の使用量を減らすことが可能となり、安価・効率的に太陽光発電を行える可能性がある。
日本国特開平8−7626号公報 米国特許第5089055号公報
しかしながら、上記した従来のシステムは、最低限3つの部分を必須に構成される。すなわち、特許文献1においては、周囲よりも屈折率が高く円錐状の形状を有する高屈折率領域(第1の部分)、所定数形成される高屈折率領域のそれぞれの円錐頂点部分に一端が結合された導光手段(第2の部分)、導光手段の他端に設けられた光電変換手段(第3の部分)である。特許文献2においては、太陽光を集光する光学的手段(第1の部分)、集光された太陽光を太陽光変換手段に導く光ファイバ(第2の部分)、太陽光変換手段(第3の部分)である。これら3つの部分は、それぞれ機能が異なるため、別材料から別工程で製造する必要があり、部品数が多く、製造工程が増えた。また、相互の光学的・機械的結合が必要であり、特に光学的な結合に関しては、一定以上の結合効率を得るためには高い位置決め精度が必要となった。その結果、光学的結合の効率が悪いとともに、機械的結合の安定性も低い。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、光学的結合の効率、機械的結合の安定性が向上する光電変換ユニットを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 入射端面に入射した光を出射し、その光の光密度を前記入射端面と出射端面とにおいて変化させる光密度変換素子と、
前記光密度変換素子において光密度が高密度となる端面に近接配置し、前記光密度変換素子と一体化させた光電変換素子と、
を具備することを特徴とする光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子及び光電変換素子の二つの部品のみが光学的・機械的に直接結合され、中間部材が介在することによる光学的な損失や、機械的な精度低下が生じ難くなる。
また、光密度変換素子の光高密度側に光電変換素子が一体化して機械的に結合でき、高い結合精度が簡素な構造で得られる。そして、光密度変換素子には光高密度側に向かって集束する光路が形成され、光高密度側が出射端面となれば、入射端面からの光を光電変換素子に集光でき、光高密度側が入射端面となれば、光電変換素子からの光を出射端面から拡散できる。
(2) 前記光電変換素子が太陽電池であることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、入射端面に入射した光が出射端面に向かって集束する光に変換され、太陽電池に集光される。すなわち、太陽光発電ユニットとして使用可能となる。光密度変換素子が細径・薄厚のレンズとして用いられ、集光を行わずに直接太陽光を受光する場合に対し、必要とされる太陽電池の大幅なサイズ低減が可能となる。
(3) 前記光電変換素子が発光媒体であることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、太陽光発電ユニットとしての使用時とは逆方向、つまり、太陽光発電ユニットにおいては太陽電池が設置されている側から発光媒体にて光を入射させることで、光電変換素子が光を広げる素子となる。これにより、光電変換ユニットが、一般照明や、表示装置用の照明(例えば平面ディスプレイのバックライト)として利用可能となる。
(4) 前記光密度変換素子は、入射端面に対し平行な断面内において屈折率分布が径方向に対しては変化し、入射端面に対し垂直な方向には実質的に均一の分布屈折率型であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子での光線が正弦波状に振動しながら周期的に伝搬する。入射光が入射端面に垂直方向に伝搬する平行光の場合、振動の1周期長を1ピッチ(p)とすると、p/4やp/2の伝搬長で、集束光又は拡散光に変換できる。
(5) 前記光密度変換素子は、入射端面に平行な断面内において一定以上の屈折率を有する高屈折率領域の断面積が、入射端面側から出射端面側に向かって連続的に変化することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子において、高屈折率領域の断面積が、入射端面側から出射端面側に向かって連続的に変化している。これにより、高屈折領域部分の形状に沿って光を任意の方向に導くことができる。
(6) 前記光密度変換素子を形成するベース部材に石英ガラスを使用し、該ガラス中に添加する不純物の添加量を変えて前記光密度変換素子内に屈折率分布を形成することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、ベースの材料として石英ガラスが使用され、この石英ガラス中に、屈折率分布を持たせるための不純物(ドーパント)、例えばGe0が添加され、その添加量が変えられることで径方向に屈折率が変化した光密度変換素子が得られる。なお、上記のように断面の周方向、及び長手方向についての屈折率は実質的に均一となる。このような屈折率分布を有する光密度変換素子の形成には、火炎内でガラス原料及びドーパントを反応させ、ガラス微粒子を生成し、ガラス微粒子をターゲットに堆積させてドーパントを含む多孔質ガラス母材を合成し、これを焼結することで所謂プリフォームとする製造技術を好適に用いることができる。
(7) 前記光密度変換素子を形成するベース部材に石英ガラスを使用し、該ガラス中に形成する空孔密度を変えて前記光密度変換素子内に屈折率分布を形成することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つの光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、屈折率分布を持たせる手段として石英ガラス中に空孔を分布させる。この場合、Ge0を添加するケースの例に対して、最大比屈折率差を約1桁大きくすることが可能となる。
(8) 前記ベース部材に石英ガラスに代えて屈折率の絶対値が大きい物質を用いることを特徴とする(6)又は(7)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、石英ガラスよりも屈折率の絶対値が大きい物質がベースの材料として使用され、屈折率分布を形成するために、このベース材料中に空孔を分布させれば、さらに最大比屈折率を大きくし、分布屈折率型平面レンズの厚さをより薄くすることが可能となる。
(9) 前記光密度変換素子において一方の端面に対し、他方の端面の光密度が高密度となる所定の位置に、前記光電変換素子を位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、分布屈折率型平面レンズの焦点位置に使用する太陽電池の大きさ・形状に合せた位置決め手段である例えば溝を形成することで、この溝に太陽電池を嵌合し、光学的・機械的結合を高精度に且つ容易に実現することが可能となる。
(10) 前記光電変換素子が近接配置される前記光密度変換素子の端面は、平坦であることを特徴とする(1)の光電変換ユニット。
(11) (1)〜(10)のいずれか1つに記載の光電変換ユニットを複数個配置してアレイ化していることを特徴とする光電変換ユニット。
この光電変換ユニットによれば、光密度変換素子である例えば分布屈折率型平面レンズを複数使用してアレイ化し、太陽電池を個々の分布屈折率型平面レンズに対して設けることで、例えば太陽電池及び分布屈折率型平面レンズを密に集合させた高密度・高効率の太陽光発電ユニットを優れた量産性で安価に製造できる。
本発明に係る光電変換ユニットによれば、入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する光密度変換素子と、光密度変換素子において光密度が高密度となる端面に近接配置し、前記光密度変換素子と一体化させた光電変換素子を備えて成るので、二つの部品を光学的・機械的に直接結合させるのみでユニットが構成でき、光学的結合の効率、機械的結合の安定性を向上させることができる。
本発明に係る光電変換ユニットの分解斜視図である。 図1に示した二乗分布型導波路の作用説明図である。 テーパ状導波路の断面図である。 複数個を配置してアレイ化された光電変換ユニットの斜視図である。
以下、本発明に係る光電変換ユニットの好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る光電変換ユニットの分解斜視図である。
本実施の形態による光電変換ユニット100は、光密度変換素子11と、光電変換素子13とを具備して構成される。光密度変換素子11は、入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する。
本実施の形態における光密度変換素子11は、平面状の集光素子の一例として、断面内の径方向の屈折率分布n(r)が(式1)で表される二乗分布となる分布屈折率型平面レンズを構成している。
(r)=n (1−a) …(式1)
但し、nは導波路中心の屈折率、aは屈折率分布半径、rは光軸からの距離である。
図2は分布屈折率型平面レンズを構成する二乗分布型導波路の説明図である。
二乗分布型導波路での光線は、図2(a)に示すように、正弦波状に振動しながら周期的に伝搬する。入射光が入射端面に垂直方向に伝搬する平行光の場合、振動の1周期長を1ピッチ(p)とすると、図2(b)に示すp/2や、図2(c)に示すp/4の伝搬長で、拡散光又は集束光に変換する。本実施の形態では、このうち、図2(c)に示す集光・拡光する光路を形成する屈折率分布が利用されている。すなわち、二乗分布型導波路は、入射端面に対し平行な断面内での屈折率分布が径方向に対しては変化し、入射端面に対し垂直方向(長手方向)には、実質的に均一である。
p/4を焦点距離fとした光密度変換素子11は、集光用途では図2(c)に示す平面11が入射端面、平面11が出射端面に、拡散用途では平面11が入射端面、平面11が出射端面となる。
光密度変換素子11は、ベース部材に石英ガラスを使用し、このガラス中に添加する不純物の添加量を変えて屈折率分布を形成することができる。ベースの材料として使用される石英ガラス中に、屈折率分布を持たせるための不純物(ドーパント)、例えばGe0が添加され、その添加量が変えられることで、径方向に屈折率が変化した光密度変換素子が得られる。なお、上記のように断面の周方向、及び長手方向についての屈折率は実質的に均一となる。このような屈折率分布を有する光密度変換素子11の形成には、火炎内でガラス原料及びドーパントを反応させ、ガラス微粒子を生成し、ガラス微粒子をターゲットに堆積させてドーパントを含む光ファイバ用の多孔質ガラス母材を合成し、これを焼結することで所謂プリフォームとする製造技術を好適に用いることができる。
ベースの材料として石英ガラス(n≒1.46)、屈折率分布を持たせるためにGe0を添加するケースを想定した場合、最大比屈折率差を3%とすると、屈折率分布半径a=10cmの場合、平行光が分布屈折率型平面レンズ(光密度変換素子11)に垂直に入射すると、入射面から約65cmの点で入射光は焦点を結ぶ(すなわち、集光率が最大となる)。
一方、屈折率分布を持たせる他の手段としては、石英ガラス中に空孔を分布させることも有効である(米国特許第7039284号公報のFig.2B及びFig.3参照)。この場合、Ge0を添加する場合に比べ、最大比屈折率差を約1桁大きくすることが可能となる。この結果、屈折率分布半径10cmの場合、焦点距離を約20cmまで短くすることが可能となり、分布屈折率型平面レンズ(光密度変換素子11)の厚さを薄くすることができる。
また、空孔を分布させて屈折率分布を形成する場合は、単一材料にてレンズを形成することが可能となるため、安価な材料をベース材料として用いれば安価な分布屈折率型平面レンズを製造できる。
光密度変換素子11のベース材料としては、石英ガラスに限定されない。石英ガラスよりも屈折率の絶対値が大きい物質をベース材料として使用し、屈折率分布を形成し、このベース材料中に空孔を分布させれば、さらに最大比屈折率を大きくし、分布屈折率型平面レンズの厚さをより薄くすることも可能となる。
なお、上記のGe0を添加する構成、空孔を分布させる構成とも正の屈折率を有する材料を使用するが、所謂メタマテリアルを使用した負の屈折率を有する材料を利用すると、集光素子を上記の例以上に薄くできる。
本実施の形態による光電変換ユニット100は、光電変換素子13を、光密度変換素子11において光密度が高密度となる端面(図2(c)の平面11側)に近接配置し、光密度変換素子11と一体化させている。光密度変換素子11における一対の平行平面(入射端面11又は出射端面11)の光高密度側に光電変換素子13が一体化して機械的に結合でき、高い結合精度が簡素な構造で得られている。そして、光密度変換素子11には光高密度側に向かって集束する光路(コア部15)が形成され、入射端面からの光を光電変換素子13に集光する。
なお、「近接」とは、端面に接触、端面の近傍、端面の凹部に係合する、などを含むものである。
この光電変換素子13には太陽電池を使用することができる。これにより、入射端面11に入射した光が出射端面11に向かって集束する光に変換され、太陽電池に集光される太陽光発電ユニットとなる。光密度変換素子11が細径・薄厚のレンズとして用いられるので、集光を行わずに直接太陽光を受光する場合に比べ、必要とされる太陽電池の大幅なサイズ低減が可能となる。
このように、光密度変換素子11の焦点位置に太陽電池を設置すれば、上記の例において、分布屈折率型平面レンズの製造不完全さに伴う焦点位置ずれ、あるいは、太陽電池設置位置の位置決め精度等を考慮しても、半径0.5cm程度で十分に集光された光を結合させることが可能となる。これにより、集光を行わずに直接太陽電池で太陽光を受光する場合に対して、必要となる太陽電池のサイズを1/400{=(0.5/10)}にまで低減することができる。
光電変換ユニット100には、光密度変換素子11において一方の端面に対し、他方の端面の光密度が高密度となる所定の位置に、光電変換素子13を位置決めするための位置決め手段19が設けられている。光密度変換素子11と光電変換素子13を結合させる手段としては、分布屈折率型平面レンズの光密度が光高密度となる位置に、光電変換素子13の大きさ・形状に合せた位置決め手段19である溝19aを形成し、この溝19aに光電変換素子(太陽電池等)13を設置することで、光学的・機械的結合を実現できる。
ここで、「光学的結合」とは、光密度変換素子(集光素子)11と、光電変換素子(太陽電池等)13とが、所望の集光率となるように同軸上に近接配置されていることをいう。「機械的結合」とは、接着やモールドで、一体化されていることを指す。
分布屈折率型平面レンズの焦点位置に使用する太陽電池の大きさ・形状に合せた溝19aを形成することで、この溝19aに太陽電池を嵌合し、光学的・機械的結合を高精度に且つ容易に実現することが可能となる。
なお、本発明に係る光電変換ユニットは、焦点距離に拘らず、集光位置が適切な位置になるように、光電変換素子(太陽電池等)13が、光密度変換素子11に近接して配置され、一体化されていればよい。光密度変換素子11としては、平面レンズに限定されない。例えば、テーパ状に細くなる導波路で集光し、細くなった導波路部分が所望の集光面積になっていればよい。
図3は、二乗分布型導波路に代わるテーパ状導波路の断面図である。
このテーパ状導波路を構成する光密度変換素子11は、入射端面に平行な断面内において一定以上の屈折率を有する高屈折領域15の断面積が、入射端面側から出射端面側に向かって連続的に変化している。これにより、光密度変換素子11は、任意に形成される高屈折領域部分の形状に沿って光を導くことができる。
図4は複数個を配置してアレイ化された光電変換ユニットの斜視図である。
光電変換ユニット100は、複数個配置してアレイ化してもよい。光密度変換素子11である例えば分布屈折率型平面レンズを複数使用してアレイ化し、太陽電池を個々の分布屈折率型平面レンズに対して設けることで、例えば太陽電池及び分布屈折率型平面レンズを密に集合させた高密度・高効率の太陽光発電ユニット200を優れた量産性で安価に製造することができる。
また、光電変換ユニット100は、光密度変換素子11が、前記太陽光発電ユニットとしての使用時とは逆方向、つまり、太陽電池が設置されている側から光を入射させれば、光を広げる素子になり得る。このため、本光電変換ユニット100は、太陽電池に変えて、光電変換素子13に発光媒体(LED,EL等)を使用することで、一般照明や、表示装置用の照明(例えば平面ディスプレイのバックライト)としての利用も可能となる。
このように、光電変換ユニット100では、光密度変換素子11及び光電変換ユニット100の二つの部品のみが光学的・機械的に直接結合され、中間部材が介在することによる光学的な損失や、機械的な精度低下が生じ難くなる。
したがって、上記構成の光電変換ユニット100によれば、入射端面に入射した光を出射端面から光密度を変化させて出射する光密度変換素子11と、光密度変換素子の光高密度側となる端面において該光密度変換素子と一体化させた光電変換素子13を備えて成るので、二つの部品を光学的・機械的に直接結合させるのみでユニットが構成でき、二部品以上の構成部材からなる従来ユニットに比べ、光学的結合の効率、機械的結合の安定性を向上させることができる。
なお、より広い太陽光受光面積を実現する手段としては、一つの集光素子について、その受光面積を拡大する方法が考えられる。この場合には、前記メタマテリアルを使用した集光素子等により、受光面積を拡大することができる。この際、集光素子の厚さの増加を抑える処置を併用すれば、集光素子の設置容易性等の面で有用となる。また、別の方法としては、図4に示したように、集光素子(図例は分布屈折率型平面レンズ)を複数使用してアレイ化することも考えられる。この場合、太陽電池は、個々の平面レンズに対して設け、1個では不十分ならば複数使用し、それらをアレイ化してもよい。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2008年5月13日出願の日本特許出願(特願2008−126195)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
11:光密度変換素子、11:出射端面(または入射端面)、11:入射端面(または出射端面)、13:光電変換素子、19:位置決め手段、19a:溝、100:光電変換ユニット、Ax:光軸

Claims (10)

  1. 入射端面に入射した光を出射端面において光密度を変化させて出射する光密度変換素子と、
    前記光密度変換素子において光密度が高密度となる端面に近接配置し、前記光密度変換素子と一体化させた光電変換素子と、
    を具備することを特徴とする光電変換ユニット。
  2. 前記光電変換素子が太陽電池であることを特徴とする請求項1記載の光電変換ユニット。
  3. 前記光電変換素子が発光媒体であることを特徴とする請求項1記載の光電変換ユニット。
  4. 前記光密度変換素子は、入射端面に対し平行な断面内において屈折率分布が径方向に対しては変化し、入射端面に対し垂直な方向には実質的に均一の分布屈折率型であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光電変換ユニット。
  5. 前記光密度変換素子は、入射端面に対し平行な断面内において一定以上の屈折率を有する高屈折率領域の断面積が、入射端面側から出射端面側に向かって連続的に変化することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光電変換ユニット。
  6. 前記光密度変換素子を形成するベース部材に石英ガラスを使用し、該ガラス中に添加する不純物の添加量を変えて前記光密度変換素子内に屈折率分布を形成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光電変換ユニット。
  7. 前記光密度変換素子を形成するベース部材に石英ガラスを使用し、該ガラス中に形成する空孔密度を変えて前記光密度変換素子内に屈折率分布を形成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光電変換ユニット。
  8. 前記ベース部材に石英ガラスに代えて屈折率の絶対値が大きい物質を用いることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の光電変換ユニット。
  9. 前記光密度変換素子において一方の端面に対し、他方の端面の光密度が高密度となる所定の位置に、前記光電変換素子を位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換ユニット。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の光電変換ユニットを複数個配置してアレイ化していることを特徴とする光電変換ユニット。
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